説明

表示モジュール

【課題】本発明は、情報を表示する表示ユニットを備え、例えば通信装置等の装置筐体に回動自在に支持される表示モジュールに関し、比較的簡易な構造で静電気放電に対する耐性を高め、かつ組立ておよび分解が容易な表示モジュールを提供する。
【解決手段】情報を表示する表示画面201を有する表示ユニット200、表示ユニット200の、表示画面側全面を覆う、少なくとも表示画面前面を覆う部分が光透過性の前面カバー部231と、表示ユニットの両側面全面を覆う一対の側面カバー部221とを有し、表示ユニット200が取外し可能に装着される表示ユニット用筐体210、および、上記一対の側面カバー部221から外方に突出し、装置筐体に設けられた一対の支持穴に嵌入して回動自在に支持される軸222を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を表示する表示ユニットを備え、例えば通信装置等の装置筐体に回動自在に支持される表示モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
情報を表示する表示モジュールが様々な分野の装置筐体に取り付けられている。
【0003】
例えば、光ケーブルが接続される通信装置には、その光ファイバ内を伝送される光信号の光の波長をLEDの点灯により表示する表示モジュールが備えられている。
【0004】
図1は、光ファイバが接続された通信装置の一例を示す図である。
【0005】
ここに示す通信装置10は装置筐体11内に構成されており、その通信装置10には、光信号伝達用の複数本の光ファイバ13が接続されている。さらに、これらの光ケーブル13の、装置筐体11側の根元の部分には、表示モジュール14が備えられている。この表示モジュール14には、複数のLEDセグメントが配列されており、この表示モジュール14は、それらのLEDセグメントにより、光ケーブル13内を伝送される光信号の波長が表示される。光ケーブル13は、ある程度上下方向に動かすことができ、このため表示モジュール14はその光ケーブル13の動きを妨げないように、装置筐体11に回動自在に支持されている。
【0006】
図2は、図1に示す表示モジュールの分解斜視図である。
【0007】
この表示モジュール14は、表示ユニット15と表示ユニット用筐体16とで構成されている。表示ユニット15は、LEDセグメントが配列された表示画面151と、その表示画面151を駆動する駆動回路(図示せず)と、この表示ユニット15を外部と繋ぐコネクタ152とを備えており、表示画面151の両側に貼着された両面粘着テープ153により、表示ユニット用筐体16に貼着される。
【0008】
また表示ユニット用筐体16は、表示ユニット15の前面を覆う前面カバー部161と、表示ユニット15の側面を覆う一対の側面カバー部162とを有し、前面カバー部161には、表示ユニット15の表示画面151に対応した部分に表示画面視認用の窓161が設けられ、さらにその上部に2本のスリット161bが形成されている。またこの前面カバー部161の前面には、表示画面視認用の窓161aやスリット161bを塞がない形状のラベル164が貼り付けられている。またここには、一対の側面カバー部162から外方に突出した軸163が設けられている。この軸163は側面カバー部162と一体に形成されている。この軸163は、図1に示す装置筐体11に設けられている一対の支持穴に嵌入して回動自在に支持される。
【0009】
図3は、表示モジュールの、装置筐体への取付方法を示す説明図である。
【0010】
この図3には、表示ユニット用筐体16を上から見て示した図とともに、装置筐体11については水平面で断面したときの断面図が示されている。
【0011】
装置筐体11には、一対の支持穴111が設けられており、その支持穴111に、表示ユニット用筐体16の軸163を嵌入させることにより、この表示ユニット用筐体16が装置筐体11に、軸163を中心に回動自在に支持される。
【0012】
ここで、軸163を支持穴111に嵌入させるにあたっては、表示ユニット用筐体16の側面カバー部162の、軸163が形成された部分を、矢印A方向に撓ませる必要があり、その撓ませた状態で、矢印Bに示すように、軸163を支持穴111に嵌入させる。表示モジュール用筐体16の前面カバー部161に設けられた一対のスリット161bは、軸163の部分を撓ませることができるようにするために設けられたものである。
【0013】
尚ここでは、表示ユニット15については図示を省略したが、表示ユニット15が表示ユニット用筐体16に両面粘着テープ153で固定された状態の表示モジュール14が装置筐体11に、軸163を中心に回動自在に支持される。
【0014】
以上の構造の表示モジュールの場合、下記の課題があった。
【0015】
(1)ESD(Electrostatic Discharge(静電放電)試験時、放電のエネルギーが、表示画面視認用の窓161およびスリット162から表示ユニット15に直接伝わり、表示ユニット15の破壊につながっていた。
【0016】
(2)表示ユニット15は、表示ユニット用筐体16に両面粘着テープ15で貼り付けられており、このため、この貼り付けに工数がかかっていた。特に、表示画面151が傾いた状態のまま貼り付けてしまったときは、一度剥がして両面粘着テープを貼り直す必要があり、特に大きな工数がかかっていた。
【0017】
(3)リサイクルにおいて、製品の廃棄の時、分解して分別を行う必要があるが、従来の構造方式では、両面粘着テープによる固定となっているため、本表示モジュールにおける表示ユニットの保持構造を理解していないと、分解に多くの工数を必要とする。また、両面テープを剥がす工数も要していた。
【0018】
上記の問題に対し、特許文献1には、プリント基板に実装されたLED等の表示部をフィルムシートで覆うことによりESD対策を行なうことが開示されている。
【0019】
しかしながら、薄いフィルムシートではESD対策として十分ではなく、また、構造上、厚部部材で覆うことは不可能である。
【0020】
また、特許文献2には、集合表示盤の単位表示ユニットを形成する照光表示器が開示されている。この照光表示器はLEDの前面に複数の部材が配置された複雑な構造を有しているためESDの問題は生じないのかも知れないが、この特許文献2にはESDに関しては記述はなく、またこのような複雑な構造では、仮にESDの問題がなくてもコスト高であり採用できない。
【特許文献1】特開平11−251761号公報
【特許文献2】実公平6−33502号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
本発明は、上記事情に鑑み、比較的簡易な構造で静電気放電に対する十分な耐性を有し、かつ、組立ておよび分解が容易な表示モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記目的を達成する本発明の表示モジュールは、
情報を表示する表示画面を有する表示ユニット、
上記表示ユニットの、表示画面側全面を覆う、少なくとも表示画面前面を覆う部分が光透過性の前面カバー部と、表示ユニットの両側面全面を覆う一対の側面カバー部とを有し、表示ユニットが取外し可能に装着される表示ユニット用筐体、および、
上記一対の側面カバー部から外方に突出し、装置筐体に設けられた一対の支持穴に嵌入して回動自在に支持される軸を備えたことを特徴とする。
【0023】
本発明の表示モジュールは、表示ユニット用筐体が、表示ユニットの表示画面側全面を覆う前面カバー部と、表示ユニットの両側面全面を覆う一対の側面カバー部を有しており、表示ユニットは静電気放電を直接に受けない静電気放電に強い構造となっている。また、この表示ユニット用筐体の、少なくとも表示画面前面を覆う部分は光透過性であり、表示画面の視認性が確保されている。さらに、この表示ユニット用筐体は、表示ユニットが取外し可能に装着されるものであるため、画面粘着テープを使って貼り付けたときのような、両面粘着テープを取り替えるといった作業も不要であり、組立て、分解工数の削減も図られる。
【0024】
ここで、上記本発明の表示モジュールにおいて、上記表示ユニット用筐体が、
一対の側面カバー部を有し、表示ユニットが取外し可能に装着されるとともに、上記軸が側面カバー部と一体に形成されてなる第1の筐体と、
前面カバー部を有し、第1の筐体が取外し自在に装着される第2の筐体とからなることが好ましい。
【0025】
この表示ユニット用筐体を、前面カバー部を担当する第1の筐体と、表示ユニットの装着、側面カバー部、および軸を担当する第2の筐体とに分けて構成することで組立/分解が容易となり、かつ軸の部分を撓ませるためのスリットの形成も不要となる。
【0026】
また、上記本発明の表示モジュールにおいて、上記表示ユニット用筐体が、前面カバー部と一対の側面カバー部とが一体に形成され表示ユニットが取外し可能に装着されるとともに、一対の側面カバー部それぞれに上記軸が挿通される挿通孔が形成されてなるものであって、上記軸が、伸長方向に付勢するバネが内蔵された伸縮自在な軸であって、挿通孔に挿通されて前記一対の側面カバー部から外方に突出してなるものであってもよい。
【0027】
このように前面カバー部と一対の側面カバー部とを一体的に構成した場合、軸の撓ませ方が問題となるが、ここでは表示ユニット用筐体とは別体の軸を用意し、その軸を伸縮自在な構造とすることで、スリットの形成を不要とし、静電気放電に強い構造となっている。
【0028】
組立/分解の容易さについては、上述の態様と同様、容易である。
【0029】
さらに、本発明の表示モジュールにおいて、上前記表示ユニット用筐体が、前面カバー部と、一対の側面カバー部とが一体に形成され表示ユニットが取外し可能に装着されるとともに、さらに上記軸が側面カバー部と一体に形成され、側面カバー部が、側面カバー部の上記軸が形成された部分が内側に撓むように前面カバー部寄りの部分に形成された第1のスリットを有するものであって、さらに、この表示ユニット用筐体に装着された表示ユニットの上端面を覆う基部と、一対の側面カバー部と重なり上記軸が嵌入する第2のスリットが形成され装着により上記第1のスリットを覆う一対の側部とを有するキャップ部材を有することも好ましい形態である。
【0030】
この場合、表示ユニット用筐体には、軸を撓ませるためのスリットが設ける必要があるが、そのスリットを塞ぐキャップ部材を備えているため、この場合も静電気放電に強い構造となっている。組立/分解の容易さについては、上述の態様と同等である。
【0031】
ここで、本発明の、上記のいずれの態様においても、上記表示ユニットは、LEDを備え、そのLEDの点滅により表示画面に情報を表示するものであってもよく、また、上記表示ユニット用筐体は、樹脂モールドにより形成されたものであってもよい。さらに、本発明の表示モジュールは、前面カバー部前面の、表示画面前面を除く領域にラベルが貼付されてなるものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0032】
以上の本発明によれば、静電気放電に十分な耐性を持ち、かつ組立て、分解が容易な表示モジュールを構成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0034】
図4は、本発明の第1実施形態の表示モジュールの分解斜視図である。
【0035】
図4に示す表示モジュール20は、表示ユニット200と、表示ユニット用筐体210と、ラベル240とで構成されており、さらに、表示ユニット用筐体210は、さらに、第1の筐体220と第2の筐体230との2つの部材で構成されている。
【0036】
表示ユニット200は、前述した従来例(図2参照)における表示ユニット15と同様に構成されたものであり、LEDのセグメントが並んだ表示画面201と、その表示画面201に並ぶLEDセグメントを駆動する駆動回路(図示せず)と、この表示ユニット200を外部と繋ぐコネクタ202とを備えている。
【0037】
また、表示ユニット用筐体210を構成する第1筐体220は、ここでは後述する第2筐体230と同じく透明な樹脂で構成されており、表示ユニット220を取外し可能に装着するものであって、表示ユニット200の両側面全面を覆う一対の側面カバー部221と、各側面カバー部221の上部にその側面カバー部221から外方に突出して形成された軸222と、一対の側面カバー部221をそれらの下端で接続する接続部223とを有する。このため、この第1筐体220は、軸222の部分を内側に撓ませることができ、その軸222を、装置筐体11の支持穴111(図3参照)に容易に嵌入させることができる。
【0038】
この第1筐体220の、表示ユニット200を支持する支持構造については後述する。
【0039】
表示ユニット用筐体210を構成する第2筐体230は、透明樹脂で構成されており、表示ユニット200の表示画面201側全面を覆う前面カバー部231と、第1筐体220の側面カバー部221と重なるように広がり、第1筐体220の軸222が嵌入する軸支持スリット232aが形成された一対の軸支持部232とが形成されており、表示ユニット200を支持した状態の第1筐体220を支持する構造となっている。この支持構造についても後述する。
【0040】
また、この第2筐体230の前面には、警告表示を兼ねたラベル240が貼付される。このラベル240には、第1筐体220に支持され、さらに第2筐体230に支持された表示ユニット200の表示画面201の前面に対応する部分に表示画面視認用の穴241が設けられている。このラベルは不透明であり、表示ユニット用筐体210の不要な部分を外部から見えないように覆う役割りも兼ねている。
【0041】
図5は、表示ユニット200と第1筐体220とを並べて示した斜視図、図6は、第1筐体220に表示ユニット200を装着した状態の部分斜視図である。
【0042】
第1筐体220の一対の側面カバー部221には、表示ユニット200の表示画面側前面(図5では下面)の両縁を支持する支持台224が形成されており、また、各側面カバー部221には、それぞれ一対の支持突起225,226;227,228が形成されている。
【0043】
一方、表示ユニット200には、一対の支持突起225,226;227,228にそれぞれ嵌入する各突起部203,204が形成されており、この表示ユニット200は、支持台224に支持され、接続部223に接し、各突起部203,204が各一対の支持突起225,226;227,228に嵌入した状態に支持される。尚、第1筐体220の接続部223の外壁に形成された突起229は、第2筐体230への支持用として用いられる。詳細は後述する。
【0044】
図6には、一対の支持突起225,226に一方の突起部203が嵌入した状態が示されている。
【0045】
この第1筐体220は、2つの側面カバー部221が接続部223に片持ち梁形状に接続された構造を有するため、2つの側面カバー部221を互いに開くように撓ませることができ、それらの側面カバー部221の間に表示ユニット200を容易に装着することができる。また、この第1筐体200の2つの側面カバー部221は、表示ユニット200を装着した状態であっても、軸222が形成された先端部分を内側に撓ませることができ、軸222を装置筐体11の支持穴111(図3参照)に容易に嵌入させることができる。
【0046】
図7は、第1筐体と第2筐体とを並べて示した斜視図、図8は、第1筐体と第2筐体との結合部分を示した部分斜視図、図9は、結合状態にある第1筐体と第2筐体を示した斜視図である。
【0047】
第1筐体220には、接続部223の外壁に2つの突起229を有し、第2筐体220には、その突起229が嵌入する窪み234aが形成された2つの受部234が形成されている。図8には、受部234に形成された窪み234aに突起229が嵌入する直前の状態が示されている。
【0048】
第1筐体220を第2筐体230に装着するにあたっては、第1筐体220の突起229を第2筐体の受部234の窪み234aに嵌入させ、次いで軸222の、太径に形成された根元の部分222aを第2筐体230の軸支持部232に設けられた軸支持溝232aに嵌め込み、これにより第1筐体220が第2筐体230が装着される。
【0049】
尚、ここでは、表示ユニット200が支持されていない状態の第1筐体220と第2筐体230との結合について示したが、実際には、表示ユニット200が第1筐体220に支持され、その表示ユニット200を支持した状態の第1筐体220が第2筐体230に支持される。第1筐体220は、第2筐体230に嵌め合わされるにあたり、軸222の部分が少し内側に撓んだ状態に保持される。このことにより、第1筐体220の側面カバー部221は両側から表示ユニット200を弾性的に挟み、表示ユニット200をガタつきなく保持している。
【0050】
また、この第1実施形態の場合、保持構造がはめ合わせとなっている点と、材料が透明であるため、構造が容易に理解できる。そのことで事前の知識が無くとも、分解が容易に行える。
【0051】
さらに、上記の構造では、第1筐体220の側面カバー部221が第2筐体230の軸支持部232よりも内側に位置するため、側面カバー部221の、軸222が形成された部分を内側に弾性的に撓ませることができ、軸222を装置筐体11の支持穴111に容易に嵌入させることができる。
【0052】
図10は、本発明の第2実施形態の表示モジュールの組立状態の斜視図、図11は、図10に示す表示モジュールの分解斜視図である。ただし、図10、図11は、表示モジュールを背面側斜めから見て示した図である。
【0053】
この図10、図11に示す表示モジュール30は、表示ユニット300と、表示ユニット用筐体310と、ラベル340と、軸部材350とから構成されている。表示ユニット300は、前述した第1実施形態の表示ユニット200(図9参照)と同一構造を有し、突起303,304は、それぞれ、図5に示す表示ユニット200の突起203,204にそれぞれ対応する。また、ラベル340も前述の第1実施形態の表示モジュール20を構成するラベル240(図4参照)と同一である。
【0054】
この第2実施形態の表示モジュール300を構成する表示ユニット用筐体310は、第1実施形態の表示モジュール200を構成する表示ユニット用筐体210とは異なり、1つの部材で構成されている。
【0055】
すなわち、この第2実施形態の表示モジュール200を構成する表示ユニット用筐体310は、透明樹脂で形成されており、表示ユニット300の前面を全面にわたって覆う前面カバー部311と表示ユニット300の左右の両側面全面を覆う一対の側面カバー部312を有する。この側面カバー部312には、軸部材350が挿通される挿通孔312aが形成されている。
【0056】
また、一対の側面カバー部312のうちの一方には、一対の支持突起325,326が形成され、もう一方にも一対の支持突起327,328が形成されている。これらの支持突起325,326;327,328は、第1実施形態における第1筐体220(例えば図5参照)の支持突起225,226;227,228にそれぞれ対応するものであり、それらの支持突起325,326;327,328は、表示ユニット300を支持するにあたり、その表示ユニット300の突起部303,304を嵌入させた状態に支持するものである。
【0057】
また、この第2実施形態の表示ユニット用筐体310には、第1実施形態の第1筐体220の接続部223に相当する部分に突出した係合梁329が形成されている。この係合梁329は、表示ユニット300を表示ユニット用筐体310に装着した際にその表示ユニット300の下縁を支持する役割を担っている。
【0058】
このように、この第2実施形態の表示ユニット用筐体310は、1つの部材で形成されていることを除き、表示ユニット300の支持構造としては第1実施形態における支持構造と同一の支持構造を有している。
【0059】
図12は、図11に外形を示す軸部材の内部構造を示す図である。
【0060】
この軸部材350は、シリンダ状部材351とピストン状部材352と、コイルバネ353とから構成されている。
【0061】
シリンダ状部材351は、その端面に、装置筐体11の支持穴111(図3参照)に嵌め込まれる軸部351aを有する中空の部材であり、その中空部にコイルバネ351が収容されている。
【0062】
また、ピストン状部材352は、その先端がシリンダ状部材351の中空部に入り込んでコイルバネ353を押し、後端に、装置筐体11の支持穴111に嵌め込まれるもう一方の軸部352aが形成されている。
【0063】
また、シリンダ状部材351の中空部入口部分には、ピストン状部材352の抜け止め用の突起351bが形成され、ピストン状部材352の先端部分にも、そのシリンダ状部材351の突起351bと係合して抜けを防止する突起352bが形成されている。
【0064】
この図12の構造の軸部材350は、その長手方向の長さが伸縮自在であり、その長さを縮めることにより、2つの軸部351a,352aが表示ユニット用筐体310の2つの挿通孔312aに挿通され、また、その長さを縮めることにより、装置筐体11の支持穴111に嵌入させることができる。
【0065】
この第2実施形態の場合も、表示ユニットの前面および両側面の全面が表示ユニット用筐体310で覆われるため静電気放電に対し強く、また、組立て、分解が容易な構造となっている。
【0066】
図13は、本発明の第3実施形態の表示モジュールの組立状態の斜視図、図14は、図13に示す表示モジュールの分解斜視図である。ただし、これら図13、図14は、表示モジュールを背面側斜めから見て示した図である。
【0067】
この図13、図14に示す表示モジュール40は、表示ユニット400と、表示ユニット用筐体410と、ラベル440と、キャップ460とで構成されている。
【0068】
表示ユニット400の構造は、前述した第1実施形態および第2実施形態の表示ユニット200,300と同一であり、ここでの重複説明は省略する。
【0069】
ラベル440に関しても、前述した第1実施形態および第2実施形態のラベル240,340と同一であり、これも重複説明は省略する。
【0070】
表示ユニット用筐体410は、透明樹脂からなる1つの部材に前面カバー部411や一対の側面カバー部412が形成されている点、および表示ユニット400の取付構造の点について図10、図11に示す第2実施形態と同一であり、以下の点のみ、第2実施形態の表示ユニット用筐体310(図11参照)と異なっている。
【0071】
すなわち、この第3実施形態の表示ユニット用筐体410には、一対の側面カバー部412の上部に外方に向かって突出した軸413が一体に形成されており、その軸413が形成された部分を内側に撓ませることができるように、その側面カバー部412の、前面カバー部411寄りの位置にスリット414が形成されている。
【0072】
そこで、この第3実施形態では、そのスリット414を塞ぐため、キャップ部材460が備えられている。このキャップ部材460は、表示ユニット400の上端面を覆う基部461と一対の側部462とを有し、一対の側部462には、それぞれ軸413を嵌入させるスリット462aが形成されている。このキャップ部材460を図13に示すように被せることによりスリット414が塞がれる。
【0073】
この図13、図14に示す表示モジュールも静電気放電に強く、組立ておよび分解が容易な構造となっている。
【0074】
以下、本発明の各種形態を付記する。
【0075】
(付記1)
情報を表示する表示画面を有する表示ユニット、
前記表示ユニットの、前記表示画面側全面を覆う、少なくとも前記表示画面前面を覆う部分が光透過性の前面カバー部と、前記表示ユニットの両側面全面を覆う一対の側面カバー部とを有し、前記表示ユニットが取外し可能に装着される表示ユニット用筐体、および、
前記一対の側面カバー部から外方に突出し、装置筐体に設けられた一対の支持穴に嵌入して回動自在に支持される軸を備えたことを特徴とする表示モジュール。
【0076】
(付記2)
前記表示ユニット用筐体が、
前記一対の側面カバー部を有し、前記表示ユニットが取外し可能に装着されるとともに、前記軸が該側面カバー部と一体に形成されてなる第1の筐体と、
前記前面カバー部を有し、前記第1の筐体が取外し自在に装着される第2の筐体とからなることを特徴とする付記1記載の表示モジュール。
【0077】
(付記3)
前記表示ユニット用筐体が、前記前面カバー部と前記一対の側面カバー部とが一体に形成され前記表示ユニットが取外し可能に装着されるとともに、前記一対の側面カバー部それぞれに前記軸が挿通される挿通孔が形成されてなるものであって、
前記軸が、伸長方向に付勢するバネが内蔵された伸縮自在な軸であって、前記挿通孔に挿通されて前記一対の側面カバー部から外方に突出してなるものであることを特徴とする付記1記載の表示モジュール。
【0078】
(付記4)
前記表示ユニット用筐体が、前記前面カバー部と、前記一対の側面カバー部とが一体に形成され前記表示ユニットが取外し可能に装着されるとともに、さらに前記軸が該側面カバー部と一体に形成され、該側面カバー部が、該側面カバー部の前記軸が形成された部分が内側に撓むように前記前面カバー部寄りの部分に形成された第1のスリットを有するものであって、さらに、該表示ユニット用筐体に装着された前記表示ユニットの上端面を覆う基部と、前記一対の側面カバー部と重なり前記軸が嵌入する第2のスリットが形成され装着により前記第1のスリットを覆う一対の側部とを有するキャップ部材を有することを特徴とする付記1記載の表示モジュール。
【0079】
(付記5)
前記表示ユニットは、LEDを備え、該LEDの点滅により前記表示画面に情報を表示するものであることを特徴とする付記1から4のうちのいずれか1項記載の表示モジュール。
【0080】
(付記6)
前記表示ユニット用筐体は、樹脂モールドにより形成されたものであることを特徴とする付記1から5のうちのいずれか1項記載の表示モジュール。
【0081】
(付記7)
前記前面カバー部前面の、前記表示画面前面を除く領域にラベルが貼付されてなることを特徴とする付記1から6のうちのいずれか1項記載の表示モジュール。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】光ファイバが接続された装置筐体の一例を示す図である。
【図2】図1に示す表示モジュールの分解斜視図である。
【図3】表示モジュールの、装置筐体への取付方法を示す説明図である。
【図4】本発明の第1実施形態の表示モジュールの分解斜視図である。
【図5】表示ユニットと第1筐体とを並べて示した斜視図である。
【図6】第1筐体に表示ユニットを装着した状態の部分斜視図である。
【図7】第1筐体と第2筐体とを並べて示した斜視図である。
【図8】第1筐体と第2筐体との結合部分を示した部分斜視図である。
【図9】結合状態にある第1筐体と第2筐体を示した図である。
【図10】本発明の第2実施形態の表示モジュールの組立状態の斜視図である。
【図11】図10に示す表示モジュールの分解斜視図である。
【図12】図11に外形を示す軸部材の内部構造を示す図である。
【図13】本発明の第3実施形態の表示モジュールの組立状態の斜視図である。
【図14】図13に示す表示モジュールの分解斜視図である。
【符号の説明】
【0083】
10 通信装置
11 装置筐体
13 光ファイバ
14 表示モジュール
15 表示ユニット
16 表示ユニット用筐体
20,30,40 表示モジュール
111 支持穴
151 表示画面
152 コネクタ
153 両面粘着テープ
161 前面カバー部 表示画面視認用窓
161a 表示画面視認窓
161b スリット
162 側面カバー部
163 軸
164 ラベル
200,300,400 表示ユニット
201 表示画面
202 コネクタ
203,204,303,304 突起
210,310,410 表示ユニット用筐体
220 第1の筐体
221,312,412 側面カバー部
222 軸
223 接続部
224 支持台
225,226,227,228,325,326,327,328 支持突起
229 突起
230 第2の筐体
231,311,411 前面カバー部
232 軸支持部
232a 軸支持スリット
234 受部
234a 窪み
240,340,440 ラベル
303,304 突起部
312a 挿通孔
329 系合梁
350 軸部材
351 シリンダ部材
351a,352a 軸部
351b 突起
352 ピストン部材
353 コイルバネ
413 軸
414,462a スリット
460 キャップ部材
461 基部
462 側部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を表示する表示画面を有する表示ユニット、
前記表示ユニットの、前記表示画面側全面を覆う、少なくとも前記表示画面前面を覆う部分が光透過性の前面カバー部と、前記表示ユニットの両側面全面を覆う一対の側面カバー部とを有し、前記表示ユニットが取外し可能に装着される表示ユニット用筐体、および、
前記一対の側面カバー部から外方に突出し、装置筐体に設けられた一対の支持穴に嵌入して回動自在に支持される軸を備えたことを特徴とする表示モジュール。
【請求項2】
前記表示ユニット用筐体が、
前記一対の側面カバー部を有し、前記表示ユニットが取外し可能に装着されるとともに、前記軸が該側面カバー部と一体に形成されてなる第1の筐体と、
前記前面カバー部を有し、前記第1の筐体が取外し自在に装着される第2の筐体とからなることを特徴とする請求項1記載の表示モジュール。
【請求項3】
前記表示ユニット用筐体が、前記前面カバー部と前記一対の側面カバー部とが一体に形成され前記表示ユニットが取外し可能に装着されるとともに、前記一対の側面カバー部それぞれに前記軸が挿通される挿通孔が形成されてなるものであって、
前記軸が、伸長方向に付勢するバネが内蔵された伸縮自在な軸であって、前記挿通孔に挿通されて前記一対の側面カバー部から外方に突出してなるものであることを特徴とする請求項1記載の表示モジュール。
【請求項4】
前記表示ユニット用筐体が、前記前面カバー部と、前記一対の側面カバー部とが一体に形成され前記表示ユニットが取外し可能に装着されるとともに、さらに前記軸が該側面カバー部と一体に形成され、該側面カバー部が、該側面カバー部の前記軸が形成された部分が内側に撓むように前記前面カバー部寄りの部分に形成された第1のスリットを有するものであって、さらに、該表示ユニット用筐体に装着された前記表示ユニットの上端面を覆う基部と、前記一対の側面カバー部と重なり前記軸が嵌入する第2のスリットが形成され装着により前記第1のスリットを覆う一対の側部とを有するキャップ部材を有することを特徴とする請求項1記載の表示モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−88265(P2009−88265A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−256269(P2007−256269)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】