説明

表示制御方法及び表示制御プログラム

【課題】ユーザ間で表示内容を容易に共有することができる。
【解決手段】表示部10aに書物の掲載内容11aの任意の範囲を表示する際に、書物の掲載内容11aが分割されて、分割された掲載内容11a1,…,11aNに頁番号が対応付けられた頁内容情報に基づき、表示部10aに表示される掲載内容11aの任意の範囲に対応する頁番号を判別して、当該頁番号を表示するようにした。これにより、拡大表示・縮小表示に関わらず、情報処理装置10の表示部10aに表示している書物の掲載内容11aに対応する頁番号が判別されるようになり、判別された頁番号に基づいて当該掲載内容11aをユーザ間で容易に共有することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御方法及び表示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子ペーパ端末、電子書籍端末、タブレット型のコンピュータ等の表示装置を備えた携帯型の情報処理装置の利用が広がっている。
このような情報処理装置では、例えば、いわゆる電子書籍の内容の表示には、リフロー型のデータが用いられている。このリフロー型のデータでは、ユーザの情報処理装置に対する操作に基づき、例えば、文字の大きさを自由に変更することができる。このため、ユーザは各自の好みに応じた文字サイズで電子書籍の内容を読むことが可能となる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、リフロー型のデータでは、電子書籍の内容と共に、電子書籍の総頁数に対して表示している内容の頁数を表示する。文字サイズを自由に変更することができることから、文字サイズを拡大すれば総頁数及び表示している内容の頁数が増加し、また、文字サイズを縮小すれば総頁数及び表示している内容の頁数が減少する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−005453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように情報処理装置を、例えば、複数人でそれぞれ用いてリフロー型のデータを閲覧すると、表示されている頁番号は同じであっても、文字サイズの大きさ等に応じて閲覧している内容がそれぞれ異なっている場合がある。このため、全員で同じ内容を共有することが難しいといった問題点があった。
【0006】
本願は、このような点に鑑みてなされたものであり、ユーザ間で表示内容を容易に共有することができる表示制御方法及び表示制御プログラムが提供される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、表示部に書物の掲載内容の任意の範囲を表示し、前記書物の前記掲載内容が分割されて、分割された前記掲載内容に頁番号が対応付けられた頁内容情報に基づき、前記掲載内容の前記任意の範囲に対応する頁番号を判別する表示制御方法が提供される。
【0008】
また、上記目的を達成するために、上記方法と同様の表示制御プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0009】
このような表示制御方法及び表示制御プログラムにより、表示内容の頁番号を容易に判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施の形態に係る表示制御方法を説明するための図である。
【図2】第2の実施の形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【図3】第2の実施の形態に係る情報処理装置が備える機能を示すブロック図である。
【図4】第2の実施の形態に係る書物情報保持部が保持する情報の一例を示す図である。
【図5】第2の実施の形態に係る頁内容情報保持部が保持する情報の一例を示す図である。
【図6】第2の実施の形態に係る情報処理装置による頁判別を行うための処理手順を示すフローチャートである。
【図7】第2の実施の形態に係る情報処理装置による頁判別を行った表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係る表示制御方法を説明するための図である。
【0012】
情報処理装置で実行される表示制御方法では、書物の掲載内容の任意の範囲を表示部に表示する際に、頁内容情報に基づいて、掲載内容の任意の範囲に対応する当該書物の頁番号が判別される。
【0013】
このような表示制御方法が実行されるにあたって、図1(A)に示される、頁内容情報保持部11が保持する頁内容情報が用いられる。
頁内容情報は、書物の掲載内容が分割されて、分割された掲載内容に頁番号が対応付けられたものである。
【0014】
書物とは、例えば、書籍(新書、文庫、単行本、教科書等)・漫画本・雑誌・写真集等である。このような書物には文字・絵・グラフ・写真等、または、これらを組み合わせた内容(掲載内容11a)が掲載されている。
【0015】
頁内容情報は、図1(A)に示されるように、このような掲載内容11aが分割されて、分割された掲載内容11a1,11a2,…,11ap,…,11aNに頁番号(1頁,2頁,…,p頁,…N頁)がそれぞれ対応付けられている。なお、頁番号は、例えば、書物が出版されたものであって、紙媒体の冊子状である場合には、当該書物の頁数を対応付けることができる。
【0016】
このような頁内容情報を用いた情報処理装置における表示制御方法について説明する。なお、以下に説明する表示制御方法は、情報処理装置10が備える図示しないCPU(Central Processing Unit)によって表示制御プログラムが実行されることにより、その処理機能が実現されるようにすることも可能である。
【0017】
情報処理装置10は、ユーザからの操作入力に応じて、図1(B)に示されるように、表示部10aに書物の掲載内容11aの任意の範囲の表示を実行する。なお、書物の掲載内容11aは、例えば、リフロー型のデータである。この際に、情報処理装置10は、頁内容情報保持部11が保持する頁内容情報に基づき、図1(B)に示す掲載内容11aの任意の範囲が書物の掲載内容11apに対応することを特定する。さらに、情報処理装置10は、掲載内容11apに「p頁」が対応付けられていることから、図1(B)に示す掲載内容11aの任意の範囲が「p頁目」であることを判別する。
【0018】
これにより情報処理装置10は表示部10aに書物の掲載内容11aの図1(B)に示す任意の範囲が「N頁中p頁目」であることを表示する。
さらに、この場合において、ユーザが情報処理装置10の表示部10aに表示される書物の掲載内容11aの図1(B)に示す任意の範囲を図1(C)に示すように拡大させる。拡大後も情報処理装置10では上記と同様の処理が実行される。即ち、掲載内容11aの図1(C)に示す任意の範囲が掲載領域11apに対応することから図1(C)に示す掲載内容11aの任意の範囲が「p頁目」であることを判別し、「N頁中p頁目」であることを表示する。なお、ユーザが情報処理装置10の表示部10aに表示される書物の掲載内容11aの図1(B)に示す任意の範囲を縮小させた場合も、表示部10aに表示される掲載内容11aの任意の範囲が掲載領域11apに対応すれば、「N頁中p頁目」であることが表示される。
【0019】
このようにして、表示部10aに書物の掲載内容11aの任意の範囲を表示する際に、書物の掲載内容11aが分割されて、分割された掲載内容11a1,…,11aNに頁番号が対応付けられた頁内容情報に基づき、表示部10aに表示される掲載内容11aの任意の範囲に対応する頁番号を判別して、当該頁番号を表示するようにした。これにより、拡大表示・縮小表示に関わらず、情報処理装置10の表示部10aに表示している書物の掲載内容11aに対応する頁番号が判別されるようになり、判別された頁番号に基づいて当該掲載内容11aをユーザ間で容易に共有することが可能となる。例えば、ユーザがこのような情報処理装置10を利用して読んだ書物に関する記事(いわゆるエントリ)をソーシャルネットワークサービス、ブログ等に記載するようなことが多く行われている。この際に、このようにして判別した書物の頁番号を引用することで、当該記事を読んだ他のユーザでも当該書物のユーザが意図する書物の箇所を適切に把握することができるようになる。また、このような情報処理装置10が学校の授業等で利用される場合には、説明者及び被説明者が情報処理装置10の表示部10aに、判別された頁番号に基づき、文字サイズの大小に関わらず、書物の共通の掲載内容を閲覧することができるようになる。
【0020】
また、頁内容情報が既に紙媒体の冊子状として出版・発行されている書物の各頁数に対応した頁番号である場合にも、ユーザは情報処理装置10を利用して当該書物を読むことができる。この場合には、当該書物に対して読んでいる箇所、当該書物の読み残り量等が出版されている書物を読んでいるのと同様に把握でき、当該出版されている書物と同等の読書体験を得ることができるようになる。
【0021】
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態では情報処理装置についてより具体的に説明する。
まず、情報処理装置のハードウェア構成について図2を用いて説明する。
【0022】
図2は、第2の実施の形態に係る情報処理装置のハードウェア構成例を示す図である。なお、図2(A)は情報処理装置100の正面図を、図2(B)は情報処理装置100に内蔵されているハードウェア構成例をそれぞれ表している。
【0023】
情報処理装置100は、図2(A)に示されるように、例えば、所定の処理を実行することが可能な携帯型の情報端末であって、表示部110と、操作部120とを備えている。
【0024】
表示部110は、情報処理装置100の後述するCPU100aからの命令にしたがって画像を表示させるモニタである。表示部110としては、例えば、液晶ディスプレイ等の表示装置に、タッチパッド等の位置入力装置を組み合わせたものである。
【0025】
操作部120は、情報処理装置100が備える所定の機能がそれぞれ対応付けられており、操作部120に対する操作入力に応じて情報処理装置100に当該機能の処理を実行させることができる。
【0026】
さらに、情報処理装置100には、図2(B)に示されるように、CPU100aと、メモリ部100b、通信処理部100c、グラフィック処理部100d、入力処理部100e、外部接続部100fが互いにバス100gで接続されて内蔵されている。
【0027】
CPU100aは、メモリ部100bの記憶媒体に記憶された各種プログラムを実行することにより、この情報処理装置100全体を統括的に制御する。
メモリ部100bは、例えば、RAM(Random Access Memory)であって、CPU100aに実行させるOS(Operating System)並びにプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。メモリ部100bには、CPU100aによる処理に必要な各種データが格納される。また、CPU100aによる処理に必要なプログラムが起動されると、当該プログラムが読み込まれる。
【0028】
通信処理部100cは、電子書籍に関する情報を管理するホストコンピュータ200とネットワーク(図示を省略)を介して通信可能に接続されており、ホストコンピュータ200と信号の送受信を行う。
【0029】
グラフィック処理部100dには、表示手段である、図2(A)の表示部110の表示装置が接続されている。このグラフィック処理部100dは、CPU100aからの命令にしたがって、表示部110の表示画面上に画像を表示させる。
【0030】
入力処理部100eには、図2(A)の操作部120及び表示部110の位置入力装置が接続されている。入力処理部100eは、操作部120及び表示部110の位置入力装置からの信号を、バス100gを介してCPU100aに送信する。
【0031】
外部接続部100fは、例えば、カードスロットに挿入された、SDメモリカード等の外部記録媒体に対して、CPU100aの要求に応じて、データの書き込み、読み取りを行う。
【0032】
なお、このような携帯型の情報処理装置100は、上記のようなハードウェア構成を有し、デスクトップ型、ノート型、タブレット型のいわゆるパーソナルコンピュータ、スマートフォンを含む携帯電話、電子ペーパ端末、電子書籍端末、PDA(Personal Digital Assistant)等として用いることができる。
【0033】
また、このような情報処理装置100と通信可能なホストコンピュータ200は、後述する頁内容情報を備えており、情報処理装置100からの要求に応じて、当該頁内容情報を情報処理装置100に送信することができる。
【0034】
次に、このような情報処理装置100が備える機能について図3、図4及び図5を用いて説明する。
図3は、第2の実施の形態に係る情報処理装置が備える機能を示すブロック図である。
【0035】
また、図4は、第2の実施の形態に係る書物情報保持部が保持する情報の一例を示す図、図5は、第2の実施の形態に係る頁内容情報保持部が保持する情報の一例を示す図である。
【0036】
情報処理装置100は、表示部110に書物の掲載内容の任意の範囲を表示する際に、頁内容情報に基づき、当該掲載内容の任意の範囲に対応する書物の頁番号を判別することができるものである。
【0037】
このような情報処理装置100は、書物情報保持部101及び頁内容情報保持部102を有する。
書物情報保持部101は、情報処理装置100の表示部110に表示される書物の掲載内容に関する情報を保持する。具体的には、図4に示されるように、書物に対する、「ISBN(International Standard Book Number)」と、「タイトル」、当該書物の掲載内容(文字列等)である「コンテンツ」の情報(リフロー型)をそれぞれ保持する。例えば、ISBNが「111−111−1」の書物について、そのタイトルである「abc」、当該書物の掲載内容として「コンテンツX」が保持されている。
【0038】
頁内容情報保持部102は、書物の掲載内容が分割されて、分割された掲載内容に頁番号が対応付けられた頁内容情報を保持する。頁内容情報は、具体的には、図5に示されるように、書物に対する、「ISBN」と、「タイトル」、表示部110に表示される「表示」(後述)、「総頁数」、「頁番号」、各頁番号に対応する「頁コンテンツ」の情報である。
【0039】
なお、書物の中でも書籍は新書及び文庫では掲載内容はほぼ同一であるものの文字サイズ、1頁当たりの文字数、総頁数が異なる。例えば、図5では、ISBNが「111−111−1」のタイトル「abc」の書物は、「新書」版と「文庫」版とがある。このため、情報処理装置100で閲覧される当該書物が「新書」版または「文庫」版かに応じて、「abc(新書)」または「abc(文庫)」が表示部110に表示される。これによりユーザは表示されている書物が新書または文庫であるかを認識することができる。「abc(新書)」の場合は、その総頁数が「100頁」であって、「コンテンツX」が頁番号ごとに「コンテンツXa1」、「コンテンツXa2」…、「コンテンツXa99」、「コンテンツXa100」に分割されている。一方、「abc(文庫)」の場合は、その総頁数が「120頁」であって、「コンテンツX」が頁番号ごとに「コンテンツXb1」、「コンテンツXb2」…、「コンテンツXb119」、「コンテンツXb120」に分割されている。
【0040】
また、情報処理装置100は、入力検知部103と、閲覧処理部104、表示処理部105、頁情報判別部106、照合判別部107をさらに有する。
入力検知部103は、表示部110の位置入力装置並びに操作部120に対するユーザからの操作入力を検知する。例えば、表示されている書物の掲載内容を拡大させたり、縮小させたりするために、表示部110に対してユーザによる2本の指先を接触させた状態で当該2点間の距離の延伸(ピンチアウト)または、縮小(ピンチオフ)を検知する。または、表示されている書物の掲載内容の次頁に対応する掲載内容を表示させる(頁送り)ために、表示部110に対してユーザによる1本の指先を接触させた状態で当該1点のずらし(ドラッグ)等を検知する。また、入力検知部103は、これらと同様の処理のために、ユーザの操作部120の所定のボタンの押下を検知する。
【0041】
閲覧処理部104は、書物情報保持部101が保持する情報に基づき、書物の掲載内容(コンテンツ)の表示要求を表示処理部105に通知する。また、閲覧処理部104は、入力検知部103の検知に基づき書物の表示させる掲載内容の拡大・縮小・頁送り等を実行する。さらに、閲覧処理部104は、後述する照合判別部107からの要求に応じて、書物の総頁数と、当該総頁数に対する表示している掲載内容の頁番号との表示要求を表示処理部105に通知する。
【0042】
表示処理部105は、閲覧処理部104からの表示要求に基づき、表示部110の表示装置に書物の掲載内容をそのまま表示させ、または、表示させている掲載内容を拡大表示・縮小表示させ、さらに、掲載内容が頁送りされている様子と共に新たな掲載内容を表示させる。
【0043】
頁情報判別部106は、頁内容情報保持部102を参照して、閲覧処理部104が表示する書物の掲載内容の範囲が頁内容情報に含まれるか否かを判別する。なお、頁内容情報保持部102は、メモリ部100bに格納されている。または、頁内容情報保持部102は、ホストコンピュータ200も具備している。したがって、通信処理部100cを介して、頁情報判別部106が、頁内容情報保持部102を参照して、上記の判別処理を実行することも可能である。
【0044】
照合判別部107は、頁内容情報保持部102を参照して、閲覧処理部104が表示要求を行った書物の掲載内容の範囲と、頁内容情報の書物の掲載内容とを照合する。照合判別部107は、照合結果に応じて、閲覧処理部104が表示要求を行った書物の掲載内容の範囲に対応する頁番号を判別する。なお、照合判別部107も、頁情報判別部106と同様に、ホストコンピュータ200との通信により、頁内容情報保持部102を参照することも可能である。
【0045】
このような機能を有する情報処理装置100で行われる頁番号判別処理について図6を用いて説明する。
図6は、第2の実施の形態に係る情報処理装置による頁判別を行うための処理手順を示すフローチャートである。
【0046】
まず、閲覧処理部104は書物情報保持部101を参照して、入力検知部103から指定された書物の掲載内容(コンテンツ)の表示要求を表示処理部105に通知すると、以下の処理が実行される。
【0047】
なお、表示する書物が新書または文庫等の複数種類ある場合には、ユーザは、情報処理装置100に対して表示したい種類を予め指定しておくことができる。
[ステップS11] 頁情報判別部106は、閲覧処理部104から表示処理部105に表示要求を行った書物のISBN及びタイトルと、当該書物の掲載内容の表示範囲との情報を読み込む。
【0048】
例えば、頁情報判別部106は、閲覧処理部104から、表示要求を行った書物に関する「111−111−1(ISBN)」、「abc(タイトル)」と、当該書物の掲載内容の表示範囲とを読み込む。
【0049】
[ステップS12] 頁情報判別部106は、頁内容情報保持部102を参照して、ステップS11で読み込んだISBN及びタイトルに対応付けられた情報の有無を判別する。
【0050】
例えば、頁情報判別部106は、頁内容情報保持部102に、ステップS11で読み込んだ「111−111−1(ISBN)」、「abc(タイトル)」に対応付けられた情報の有無を判別する。
【0051】
[ステップS13] 情報処理装置100は、頁内容情報保持部102内にステップS11で読み込んだISBN及びタイトルの情報に対応付けられた情報がある場合には、ステップS14の処理に移行し、情報がない場合には頁判別処理を終了する。
【0052】
[ステップS14] 照合判別部107は、頁内容情報保持部102のステップS13で判別したISBN及びタイトルに対応付けられた頁コンテンツと、ステップS11で読み込んだ書物の掲載内容の表示範囲とを照合する。
【0053】
例えば、照合判別部107は、ステップS11で読み込んだ書物の掲載内容の表示範囲と、図5に示した頁内容情報保持部102の「111−111−1(ISBN)」、「abc(タイトル)」に対応する頁コンテンツの「コンテンツXa1」…,「コンテンツXa100」及び「コンテンツXb1」…,「コンテンツXb120」とをそれぞれ照合する。
【0054】
[ステップS15] 照合判別部107は、ステップS11で読み込んだ書物の掲載内容の表示範囲と照合した頁コンテンツに対応付けられている頁番号を特定できる場合には、ステップS16の処理に移行し、特定できない場合には頁判別処理を終了する。
【0055】
例えば、照合判別部107は、ステップS11で読み込んだ書物の掲載内容の表示範囲がコンテンツXa24及びコンテンツXb37と照合して、コンテンツXa24及びコンテンツXb37に対応付けた頁番号が特定できる場合にはステップS16の処理に移行する。
【0056】
[ステップS16] 照合判別部107は、ステップS14で照合した頁コンテンツに対応付けられた頁番号を取得する。
例えば、照合判別部107は、図5に示されるように、ステップS14で照合したコンテンツXa24及びコンテンツXb37に対応付けた、頁番号「24頁」及び「37頁」を取得する。
【0057】
[ステップS17] 照合判別部107は、ステップS16で取得した頁番号が単一であるか複数であるかの判別を行う。
次の処理は、ステップS16で単一の頁番号が得られた場合にはステップS18に移行し、ステップS16で複数得られた場合にはステップS19に移行する。
【0058】
[ステップS18] 照合判別部107は、ステップS11で読み込んだ書物の掲載内容の表示範囲に対して、ステップS16で取得した頁番号を採用する。
[ステップS19] 照合判別部107は、ステップS11で読み込んだ書物の掲載内容の表示範囲に対して、ステップS16で取得した頁番号を、事前の設定に基づき採用する。
【0059】
例えば、照合判別部107は、ステップS16で取得したコンテンツXa24及びコンテンツXb37に対応付けた頁番号「24頁」及び「37頁」のうち、事前の表示設定(「新書」または「文庫」)に基づき、「新書」を設定していれば「24頁」を、「文庫」を設定してあれば「37頁」を採用する。
【0060】
[ステップS20] 照合判別部107は、ステップS11で読み込んだ「ISBN」及び「タイトル」に基づき、総頁数に対するステップS19で採用した頁番号を閲覧処理部104に通知する。
【0061】
このような処理後、閲覧処理部104は、表示処理部105に、当該総頁数及び頁番号を含めた表示要求を通知する。これにより、情報処理装置100の表示部110には、図6の処理が実行される前に表示要求された書物の掲載内容の表示範囲と共に、当該表示範囲に対応付けられる頁番号が総頁数と合せて表示されるようになる。
【0062】
このようにして情報処理装置100の表示部110に表示される書物の掲載内容の表示例について図7を用いて説明する。
図7は、第2の実施の形態に係る情報処理装置による頁判別を行った表示例を示す図である。
【0063】
なお、図7(A)は、情報処理装置100の表示部110に対する書物の掲載内容の表示例を、図7(B)は、図7(A)の表示を拡大した場合の表示例をそれぞれ示している。
【0064】
情報処理装置100の表示部110には、まず、状態表示領域111が設けられている。状態表示領域111には、タッチされることで表示している書物の掲載内容の頁を前後に頁送りさせるボタン111a,111b、表示している書物の総頁数を示す総頁数領域111c、表示している書物の掲載内容の頁番号を示す頁番号領域111dが含まれている。さらに、表示している書物の「タイトル」並びに「種類」を示すタイトル領域111eが含まれている。
【0065】
このような表示部110には、図6に示すフローを経て、図7(A)に示されるように、文字列が表示される。また、状態表示領域111から、タイトルが「abc」の「文庫」であって、「総頁数120頁に対して24頁目」が表示されていることがわかる。
【0066】
この場合において、ユーザが情報処理装置100の表示部110に表示されている書物の掲載内容の図7(A)に示す範囲を、図7(B)に示すように拡大させる。
拡大後も図6のフローに沿って処理が実行される。この場合も、情報処理装置100の表示部110に表示されている書物の掲載内容の図7(B)に示す範囲には24頁が対応付けられる。このことから、図7(B)の場合も、状態表示領域111から、タイトルが「abc」の「文庫」であって、「総頁数120頁に対して24頁目」が表示されていることがわかる。
【0067】
なお、第2の実施の形態では、書物に複数の種類がある場合に、ユーザの設定に応じて種類について表示部110に表示するようにした。この場合に限らず、全ての種類について表示するようにしても構わない。
【0068】
このようにして、情報処理装置100の表示部110に書物の掲載内容の任意の範囲を表示する際に、書物の掲載内容が分割されて、分割された掲載内容に頁番号が対応付けられた頁内容情報に基づき、表示部110に表示される掲載内容の任意の範囲に対応する頁番号を判別して、当該頁番号を表示するようにした。これにより、情報処理装置100の表示部110に表示している書物の掲載内容について、拡大表示・縮小表示等に関わらず、頁番号が判別されるようになり、判別された頁番号に基づいて当該掲載内容をユーザ間で容易に共有することが可能となる。例えば、ユーザがこのような情報処理装置100を利用して読んだ書物に関する記事(いわゆるエントリ)をソーシャルネットワークサービス、ブログ等に記載することが多く行われている。この際に、このようにして判別した書物の頁番号を引用することで、当該記事を読んだ他のユーザでも、当該書物のユーザが意図する箇所を適切に把握することができるようになる。また、このような情報処理装置100が学校の授業等で利用される場合には、説明者及び被説明者が情報処理装置100の表示部110に、判別された頁番号に基づき、文字サイズの大小に関わらず、書物の共通の掲載内容を閲覧することができるようになる。
【0069】
頁内容情報が既に紙媒体の冊子状として出版・発行されている書物の各頁数に対応した頁番号である場合にも、ユーザは情報処理装置100を利用して当該書物を読むことができる。また、この場合には、当該書物に対して読んでいる箇所、当該書物の読み残り量等が出版されている書物を読んでいるのと同様に把握でき、当該出版されている書物と同等の読書体験を得ることができるようになる。
【0070】
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、情報処理装置10,100が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体(可搬型記録媒体を含む)に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等がある。磁気記録装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ等がある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)等がある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)等がある。
【0071】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0072】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムにしたがった処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムにしたがった処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムにしたがった処理を実行することもできる。
【0073】
なお、上述の実施の形態は、実施の形態の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えることができる。
さらに、上述の実施の形態は、多数の変形、変更が当業者にとって可能であり、説明した正確な構成及び応用例に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0074】
10,100 情報処理装置
10a,110 表示部
11,102 頁内容情報保持部
11a,11a1,11a2,11ap,11aN 掲載内容
100a CPU
100b メモリ部
100c 通信処理部
100d グラフィック処理部
100e 入力処理部
100f 外部接続部
100g バス
101 書物情報保持部
103 入力検知部
104 閲覧処理部
105 表示処理部
106 頁情報判別部
107 照合判別部
111 状態表示領域
111a,111b ボタン
111c 総頁数領域
111d 頁番号領域
111e タイトル領域
120 操作部
200 ホストコンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部に書物の掲載内容の任意の範囲を表示し、
前記書物の前記掲載内容が分割されて、分割された前記掲載内容に頁番号が対応付けられた頁内容情報に基づき、前記掲載内容の前記任意の範囲に対応する頁番号を判別する、
ことを特徴とする表示制御方法。
【請求項2】
前記表示部に前記掲載内容の前記任意の範囲と共に、判別した前記頁番号を表示することを特徴とする請求項1記載の表示制御方法。
【請求項3】
前記頁内容情報と前記掲載内容の前記任意の範囲とを照合して、前記任意の範囲が含まれる、分割された前記掲載内容に対応付けられた頁番号を判別することを特徴とする請求項1または2に記載の表示制御方法。
【請求項4】
前記頁内容情報は、前記書物の種類ごとに、分割された前記掲載内容に頁番号が対応付けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の表示制御方法。
【請求項5】
前記書物の前記種類ごとに、前記掲載内容の前記任意の範囲に対応する頁番号を判別することを特徴とする請求項4記載の表示制御方法。
【請求項6】
前記表示部に前記掲載内容の前記任意の範囲と共に、前記種類に対応させて、判別した前記頁番号を表示することを特徴とする請求項5記載の表示制御方法。
【請求項7】
コンピュータに、
表示部に書物の掲載内容の任意の範囲を表示し、
前記書物の前記掲載内容が分割されて、分割された前記掲載内容に頁番号が対応付けられた頁内容情報に基づき、前記掲載内容の前記任意の範囲に対応する頁番号を判別する、
処理を実行させることを特徴とする表示制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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