表示制御装置、画像配信サーバ、表示端末、画像配信システム、及び、プログラム
【課題】表示部の変位にともなって、表示部が表示する画像を面白く切り替える表示制御装置、画像配信サーバ、表示端末、画像配信システム、及び、プログラムを提供する。
【解決手段】表示制御装置は、表示部160に画像を表示する。表示制御装置の制御部は、表示制御装置の向きを取得し、同じ被写体10を異なる撮影方向から撮影した複数の画像を、取得した前記向きの変化に応じて切り替えて表示部160に表示する。また、表示制御装置は、前記の向きが所定の基準を満たす場合に、この向きと所定の関係にある方向に対応付けられている、被写体以外を撮影した画像が取得され表示部160に表示する。
【解決手段】表示制御装置は、表示部160に画像を表示する。表示制御装置の制御部は、表示制御装置の向きを取得し、同じ被写体10を異なる撮影方向から撮影した複数の画像を、取得した前記向きの変化に応じて切り替えて表示部160に表示する。また、表示制御装置は、前記の向きが所定の基準を満たす場合に、この向きと所定の関係にある方向に対応付けられている、被写体以外を撮影した画像が取得され表示部160に表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置、画像配信サーバ、表示端末、画像配信システム、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、画像を表示する画像表示部が回動自在となるように本体部に接合されており、チューナで受信した映像データに基づく第1の画像と、記憶部に記憶されたテキストデータに基づく第2の画像とを表示画面に分割表示しているとき、ヒンジ回転検知部が画像表示部の回転を検知すると、表示制御部が第2の画像を表示画面から消去する制御を行う携帯電話装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−69842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、画像表示部の回転(変位)に応じて、この画像表示部に表示されている画像が変化するが、その画像は、元々表示されていた画像を表示し直すように画像を切り替えるだけで、画像表示部の変位によって表示が切り替えられる画像について面白みがなかった。
【0005】
本発明は、上記点に鑑みてなされたものであり、表示部の変位にともなって、表示部が表示する画像を面白く切り替える表示制御装置、画像配信サーバ、表示端末、画像配信システム、及び、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点に係る表示制御装置は、
表示部に画像を表示する表示制御装置であって、
前記表示制御装置の向きを取得し、同じ被写体を異なる撮影方向から撮影した複数の画像を、取得した前記向きの変化に応じて切り替えて前記表示部に表示する制御手段
を備える。
【0007】
本発明の第2の観点に係る画像配信サーバは、
表示端末から送信される前記表示端末の向きを受信する受信手段と、
同じ被写体を異なる方向から撮影した複数の画像と、この複数の画像それぞれについての撮影方向と、がそれぞれ対応付けて記録された対応表を参照し、前記受信手段が受信した前記向きに対応する撮影方向に対応付けられた前記画像を取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段が取得した前記画像を前記表示端末に送信する送信手段と、
を備える。
【0008】
本発明の第3の観点に係る表示端末は、
表示部と、
前記表示端末の向きを取得する向き取得手段と、
前記向き取得手段が取得した前記向きを送信する送信手段と、
前記送信手段が送信した前記向きに応じて異なる画像を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した前記画像を前記表示部に表示する表示制御手段と、
を備え、
前記向きに応じて異なる画像は、同一の被写体を撮影方向から撮影した画像である。
【0009】
本発明の第4の観点に係る画像配信システムは、
画像配信サーバと、前記画像配信サーバと通信可能な表示端末と、を備える画像配信システムであって、
前記表示端末は、表示部と、前記表示端末の向きを取得する向き取得手段と、前記向き取得手段が取得した前記向きを送信する送信手段と、を備え、
前記画像配信サーバは、前記表示端末から送信される前記表示端末の向きを受信する受信手段と、同じ被写体を異なる方向から撮影した複数の画像と、この複数の画像それぞれについての撮影方向と、がそれぞれ対応付けて記録された対応表を参照し、前記受信手段が受信した前記向きに対応する撮影方向に対応付けられた前記画像を取得する画像取得手段と、前記画像取得手段が取得した前記画像を前記表示端末に送信する送信手段と、を備え、
前記表示端末は、前記送信手段が送信した前記向きに応じて異なる画像を受信する受信手段と、前記受信手段が受信した前記画像を前記表示部に表示する表示制御手段と、をさらに備える。
【0010】
本発明の第5の観点に係るプログラムは、
表示部に画像を表示するコンピュータに、
前記表示部の向きを取得し、同じ被写体を異なる撮影方向から撮影した複数の画像を、取得した前記向きの変化に応じて切り替えて前記表示部に表示する制御ステップ、
を行わせる。
【0011】
本発明の第6の観点に係るプログラムは、
コンピュータに、
表示端末から送信される前記表示端末の向きを受信する受信ステップと、
同じ被写体を異なる方向から撮影した複数の画像と、この複数の画像それぞれについての撮影方向と、がそれぞれ対応付けて記録された対応表を参照し、前記受信ステップで受信した前記向きに対応する撮影方向に対応付けられた前記画像を取得する画像取得ステップと、
前記画像取得ステップで取得した前記画像を前記表示端末に送信する送信ステップと、
を行わせる。
【0012】
本発明の第7の観点に係るプログラムは、
表示部に接続されたコンピュータに、
前記表示部の向きを取得する向き取得ステップと、
前記向き取得ステップで取得した前記向きを送信する送信ステップと、
前記送信ステップで送信した前記向きに応じて異なる画像を受信する受信ステップと、
前記受信ステップで受信した前記画像を前記表示部に表示する表示制御ステップと、
を行わせ、
前記向きに応じて異なる画像は、同一の被写体を異なる位置から撮影した画像である。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る表示制御装置、画像配信サーバ、表示端末、画像配信システム、及び、プログラムによれば、表示部の変位にともなって、表示部が表示する画像を面白く切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の1実施形態に係る画像配信システムの構成を示す図である。
【図2】本発明の1実施形態に係る画像配信サーバの構成を示す図である。
【図3】本発明の1実施形態において使用される撮影方向情報・画像対応表の内容を示す図である。
【図4】本発明の1実施形態に係る画像配信サーバのハードウェア構成を示す図である。
【図5】本発明の1実施形態に係る表示端末の構成を示す図である。
【図6】本発明の1実施形態に係る表示端末の向きを説明するための図である。
【図7】本発明の1実施形態に係る表示端末のハードウェア構成を示す図である。
【図8】本発明の1実施形態に係る表示端末及び画像配信サーバが行う、表示制御処理及び画像配信処理のフローチャートである。
【図9】本発明の1実施形態に係る表示端末の向きと、この向きに応じて表示端末に表示される画像を説明するための図である。
【図10】本発明の1実施形態に係る表示端末の向きと、この向きに応じて表示端末に表示される画像を説明するための図である。
【図11】本発明の1実施形態に係る表示端末の向きと、この向きに応じて表示端末に表示される画像を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る一実施形態について図面を参照して説明する。なお、本発明は下記の説明、図面の記載によって限定されるものではない。下記の説明及び図面の内容に変更(構成要素の削除も含む)を加えることができるのはもちろんである。また、以下の説明では、本発明の理解を容易にするために、公知の技術的事項の説明は適宜省略されている。
【0016】
まず、図1を参照して、本実施形態に係る画像配信システム1の構成を説明する。画像配信システム1は、カメラ11乃至15から構成される第1のカメラグループと、カメラ21乃至24から構成される第2のカメラグループと、表示端末(表示制御装置)100と、画像配信サーバ200と、を備える。カメラ11乃至15と、カメラ21乃至24と、表示端末100と、画像配信サーバ200とは、インターネット等のネットワーク300に接続されている。なお、画像配信サーバ200、表示端末100は、複数あっても良い。また、カメラグループも1以上あればよい。特に、カメラグループを構成するカメラについても、数、配置等は適宜決定される。
【0017】
なお、本実施形態では、後述の、表示部の向き、撮影方向等の方向を方位で表すこととする。そして、本実施形態では、この方位を、図1のように、北の方向を基準(0°)として、北の方向に対する角度によって表すものとする。この角度は、時計回りに増加するものとする。つまり、東の方向は90°、北東の方向は45°、南の方向は180°、西の方向は270°とする。なお、北の方向は360°でもある。
【0018】
カメラ11乃至15は、それぞれ、被写体10についてのカメラグループである第1のカメラグループを構成する。カメラ11乃至13は、被写体10を異なる方向から撮影する位置に配置される。カメラ14及び15は、それぞれ、被写体10に向かう方向以外の方向に向いて配置され、被写体10が写らない風景を撮影する。
【0019】
カメラ21乃至24は、それぞれ、被写体20についてのカメラグループである第2のカメラグループを構成する。カメラ21乃至23は、被写体20を異なる方向から撮影する位置に配置される。カメラ24は、被写体20に向かう方向以外の方向に向いて配置され、被写体20が写らない風景を撮影する。
【0020】
なお、カメラ11乃至15、カメラ21乃至25の各カメラは、定点カメラであり、所定期間毎に前方(図1の矢印の方向であり、以下では撮影方向という。)を撮影することで、前方の風景を写した画像(ここでは、静止画像)を表す画像データを生成し、生成した画像データを、ネットワーク300を介して、画像配信サーバ200に供給する。このとき、各カメラは、予め設定されている自身の識別情報を表す識別データを画像データとともに、画像配信サーバ200に供給する。
【0021】
なお、どのカメラがどのカメラグループに属するかは予め定められている。また、本実施形態では、1つの特定の被写体(被写体10又は被写体20)について1つのカメラグループ(第1のカメラグループ又は第2のカメラグループ)が構成される。被写体は、例えば、富士山、東京タワー等の、山、建物等である。なお、本実施形態では、例えば、特定の被写体から所定の距離内にあるカメラが、この被写体についてのカメラグループを構成する。
【0022】
画像配信サーバ200は、カメラ11乃至15、カメラ21乃至24の各カメラから供給される画像データと識別データとを受け取り、これらを画像配信サーバ200の記憶部に記録する。画像配信サーバ200は、画像データを、識別データによって表される識別情報毎、つまり、カメラ毎に記録する。画像配信サーバ200は、順次供給される画像データを古い画像データに上書きし、同じカメラで撮影された画像を順次更新する。つまり、画像配信サーバ200は、各カメラでそれぞれ撮影された最新の画像の画像データを記憶部に記録する。
【0023】
表示端末100は、画像配信サーバ200から、所定の画像データを取得する。表示端末100は、取得した画像データが表す画像を表示部に表示する。ここで、表示端末100は、表示部の向きを取得し、この表示端末100に近いカメラグループが属するカメラであって、前記で取得した向きに応じたカメラで撮影した画像を表す画像データを取得し、取得した画像データを表す画像を表示部に表示する。表示端末100は、表示部の向きに応じた画像を表示する。
【0024】
次に画像配信サーバ200の主要な構成について、図2を参照して説明する。図2に示すように、画像配信サーバ200は、画像記録部210と、画像取得部215と、撮影方向情報・画像対応表220と、受信部230と、送信部240と、を備える。画像配信サーバ200は、各種コンピュータによって構成される。
【0025】
受信部230は、画像記録部210や画像取得部215によって制御され、ネットワーク300からデータを受信する。送信部240は、画像取得部215によって制御され、ネットワーク300にデータを送信する。撮影方向情報・画像対応表220は、画像配信サーバ200の、後述の記憶部に記録される。画像記録部210は、受信部220が各カメラから受信した画像データを記憶部の撮影方向情報・画像対応表220に記録する。画像取得部215は、撮影方向情報・画像対応表220から画像データを取得し、送信部240を介して送信する。各部の動作は、下記で適宜説明される。
【0026】
撮影方向情報・画像対応表220には、識別情報と、位置情報と、属性情報と、撮影方向情報と、画像と、が対応付けられて記録されている、つまり、これらをそれぞれ表すデータが対応付けられて撮影方向情報・画像対応表220に記録されていることになる。この撮影方向情報・画像対応表220の内容を図3を参照して説明する。なお、図3に示される撮影方向情報・画像対応表220は、図1に示す各カメラについての対応表であり、カメラの配置、数等によって、撮影方向情報・画像対応表220の内容は当然異なる。また、撮影方向情報・画像対応表220に記録されている、識別情報と、位置情報と、属性情報と、撮影方向情報と、を表す各データは、予め撮影方向情報・画像対応表220に記録されているものとする。
【0027】
識別情報は、カメラを識別する情報である。ここでは、識別情報は、図1において、各カメラに付された符号と同じ番号であるとする。例えば、カメラ11の識別情報は、「11」である。
【0028】
位置情報は、カメラが属するカメラグループの被写体の位置を表す情報である。例えば、カメラ11は、第1のカメラグループに属し、この第1のカメラグループは被写体10についてのカメラグループなので、カメラ11の識別情報に対応付けられている位置情報は、被写体10の位置(北緯:x1、東経:y1)を表す情報である。位置情報は、例えば、緯度及び経度によって表されるが、住所等によって表されても良い。なお、位置情報が表す位置は、例えば、被写体の中心の位置等、被写体を特定できるような位置であればよい。
【0029】
属性情報は、カメラが被写体(そのカメラが属するカメラグループの被写体)を撮影しているカメラであるか否かを表す情報である。被写体を撮影しているカメラ(例えば、カメラ11)であれば、そのカメラの属性は「1」であり、被写体を撮影していないカメラ(例えば、カメラ15)であれば、そのカメラの属性は「2」であるとする。属性情報は、この「1」又は「2」のいずれかの情報になる。
【0030】
撮影方向情報は、カメラの撮影方向を表す情報である。撮影方向情報は、適宜、カメラの撮影方向を含む所定の範囲を表す情報であってもよい。特に、カメラが、被写体を撮影するカメラである場合、このカメラの撮影方向情報は、所定の範囲を表す情報となる。例えば、被写体10を撮影するカメラ11の撮影方向情報は、216°≦θ1<257°となる。この範囲は、被写体を撮影するカメラの位置関係が考慮され、撮影方向が最も近い方向(例えば、カメラ11の撮影方向とカメラ12の撮影方向)の範囲同士が重ならず、かつ、間が空かないように、予め設定されているものとする(図1における点線参照。この点線がその範囲同士の境界になっている。)。例えば、カメラ11乃至13の撮影方向は、比較的、近いので前記の範囲(撮影方向±10°〜20°程度)は狭い。一方、カメラ21乃至23の撮影方向は、比較的、離れているので前記の範囲(撮影方向±45°)は広い。なお、撮影方向情報は撮影方向を含むので、撮影方向情報が画像、識別情報等に対応付けられることによって、撮影方向も画像、識別情報等に対応付けられることになる。
【0031】
画像は、カメラが撮影した画像である。この画像を表す画像データは、各カメラから供給される画像データである。この画像データは、上記した、各カメラから供給された画像データである。上述のように、画像配信サーバ200には、各カメラから画像データ(画像)と識別データ(識別情報)とが供給される。画像配信サーバ200の受信部230は、各カメラから供給される画像データと識別データとを受信する。受信部230がこれらデータを受信すると、画像記録部210は、撮影方向情報・画像対応表220に記録された識別情報のうち、受信部230が受信した識別データが表す識別情報と同じ識別情報に対応付けて、受信部230が受信した画像データを撮影方向情報・画像対応表220に記録する。このようにして、各カメラから供給される画像データが記憶部220の撮影方向情報・画像対応表220に、カメラ毎に記録される。なお、画像データが撮影方向情報・画像対応表220にすでに記録されている場合には、画像記録部210は、新しく受信部230が受信した画像データを古い画像データに上書し、画像データをカメラ毎に更新する。
【0032】
次に、画像配信サーバ200のハードウェア構成の一例について、図4を参照して説明する。画像配信サーバ200は、CPU201と、RAM(Random Access Memory)202と、ハードディスク203と、通信部204とを備える。
【0033】
ハードディスク203は、プログラム、撮影方向情報・画像対応表220、各種データを記録する。RAM202は、CPU201のメインメモリ等として機能する。CPU201が使用するデータ(CPU201に供給されるデータ)やCPU201が他の装置に供給するデータ等は、適宜RAM202を経由する。本実施形態では、ハードディスク203及びRAM202によって、画像配信サーバ200の記憶部が構成される。なお、記憶部は、その少なくとも一部がフラッシュメモリ等の他の記憶装置によって構成されてもよい。つまり、例えば、ハードディスク203は、他の記憶装置に変更可能である。また、撮影方向情報・画像対応表220は、RAM202に適宜読み出されても良い。
【0034】
通信部204は、ネットワークカード等の適宜の通信装置によって構成され、ネットワーク300に接続される。通信部204は、ネットワーク300を介するデータの送受信に使用される。通信部204は、CPU201によって制御される。通信部204は、受信部230及び送信部240を構成する。
【0035】
CPU201は、ハードディスク203に記録され、RAM202にロードされたプログラムに従って、画像配信サーバ200全体を制御するとともに、画像配信サーバ200の、画像記録部210と画像取得部215とが行う処理を実際に行う。つまり、画像記録部210と、画像取得部215とは、プログラムに従って後述の処理を行うCPU201によって構成される。なお、各部の処理を行う部分は、CPU201に限らず、その少なくとも一部がASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はDSP(Digital Signal Processor)等によって構成されてもよい。
【0036】
次に表示端末100の主要な構成を、図5を参照して説明する。図5に示すように、表示端末100は、制御部110と、受信部130と、送信部140と、操作部150と、表示部160と、位置検出部170と、向き検出部180と、を備える。表示端末100は、デジタルフォトフレーム、パーソナルコンピュータ等の適宜の装置(表示制御装置)で構成される。なお、表示端末100(表示制御装置)は、表示部160等を備えなくてもよい。
【0037】
操作部150は、所定の操作を受け付け、受け付けた操作に応じた操作信号を制御部110に供給する。表示部160は、所定の画像データによって表される画像を表示する。位置検出部170は、表示端末100の位置を検出し、この位置を表す位置データを制御部110に供給する。向き検出部180は、表示端末100の向きを検出し、この向きを表す向きデータを制御部110に供給する。受信部130は、ネットワーク300を介してデータを受信する。送信部140は、ネットワーク300を介してデータを送信する。制御部110は、各部を制御する。特に、制御部110は、位置取得部110aと、向き取得部110bと、表示制御部110cと、を備え、これらによって、後述の処理を行う。また、各部の詳細な動作は、下記で適宜説明される。
【0038】
本実施形態では、表示端末100の向きとは、表示部160の向きをいい、特に、ここでは表示部160における画像を表示する表示面160aの法線方向(表示方向)と反対側の方向をいう(図6参照)。また、表示端末100の位置とは、表示部160の位置をいう。表示部160は、表示端末100の他の部材(例えば、表示端末100の台等)に対して、相対的に回転可能であってもよいし、回転出来なくもよい。表示部160が回転出来ない場合、表示部160は、例えば、表示端末100内に組み込まれている。この場合、表示端末100が回転することによって、表示部160が回転し、表示部160の向きが変化する。この場合の表示端末100は、例えば、表示パネルが独立して動くことが出来ない、一般的なデジタルフォトフレームやノートパソコンである。なお、回転方向は、図1の方位方向である(図6参照)。
【0039】
位置検出部170は、最低限、表示部160の位置を検出するように構成される。向き検出部180は、最低限、表示部160の向きを検出するように構成される。表示部160が表示端末100内に組み込まれている場合等には、位置検出部170又は向き検出部180は、表示端末100の位置又は向きを検出するように構成されてもよい。
【0040】
次に、表示端末100のハードウェア構成の一例について、図7を参照して説明する。表示端末100は、CPU101と、RAM102と、ハードディスク103と、通信部104と、入力装置105と、ディプレイ装置106と、GPS(Global Positioning System)受信機107と、方位センサ108と、を備える。
【0041】
ハードディスク103は、プログラム、各種データを記録する。RAM102は、CPU101のメインメモリ等として機能する。CPU101が使用するデータ(CPU101に供給されるデータ)やCPU101が他の装置に供給するデータ等は、適宜RAM102を経由する。本実施形態では、ハードディスク103及びRAM102によって、表示端末100の記憶部が構成される。なお、記憶部は、その少なくとも一部がフラッシュメモリ等の他の記憶装置によって構成されてもよい。つまり、例えば、ハードディスク203は、他の記憶装置に変更可能である。
【0042】
通信部104は、受信部130及び送信部140を構成する。通信部104は、ネットワークカード等の適宜の通信装置によって構成され、ネットワーク300に接続される。通信部104は、ネットワーク300を介するデータの送受信に使用される。
【0043】
入力装置105は、操作部150を構成する。入力装置105は、操作キー等を含み、ユーザの操作入力に応じた操作信号をCPU101に供給する。
【0044】
ディスプレイ装置106は、表示部160を構成する。CPU101は、所定の画像データをディスプレイ装置106に供給する(なお、データ形式等は適宜変更される。)。ディスプレイ装置106は、CPU101から供給された画像データが表す画像を表示する。このようにして、ディスプレイ装置106は、CPU101の制御のもと、画像データが表す画像を表示する。ディスプレイ装置106は、液晶、EL(Electro-Luminescence)、ブラウン管、プラズマ等の適宜の方式の装置によって構成される。
【0045】
GPS受信機107は、位置検出部170を構成する。GPS受信機107は、表示端末100の位置を示す位置データを生成して、CPU101に供給する。GPS受信機107は、例えば、ディスプレイ装置106の位置を検出するように、ディスプレイ装置106の内部に配置されるか、外面に取り付けられる。位置は、例えば、緯度経度によって表される。
【0046】
方位センサ108は、向き検出部180を構成する。方位センサ108は、表示端末100の向きを示す向きデータを生成して、CPU101に供給する。方位センサ108は、例えば、ディスプレイ装置106の向きを検出するように、ディスプレイ装置106の内部に配置されるか、外面に取り付けられる。
【0047】
CPU101は、ハードディスク103に記録され、RAM102にロードされたプログラムに従って、表示端末100全体(各装置)を制御するとともに、制御部110(位置取得部110a、向き取得部110b、表示制御部110c)が行う処理を実際に行う。つまり、制御部110(位置取得部110a、向き取得部110b、表示制御部110c)は、プログラムに従って後述の処理を行うCPU101によって構成される。なお、制御部110(位置取得部110a、向き取得部110b、表示制御部110c)は、CPU101に限らず、その少なくとも一部がASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はDSP(Digital Signal Processor)等によって構成されてもよい。
【0048】
次に、表示端末100及び画像配信サーバ200の、画像配信及び画像表示の動作を説明する。表示端末100は、表示制御処理を行う。画像配信サーバ200は、画像配信処理を行う。これらの処理を図8を参照して説明する。表示端末100は、例えば、ユーザの操作部150への操作(この表示制御処理の開始を要求する操作)があったことを契機として、表示制御処理を開始する。表示端末100は、例えば、ユーザの操作部150への操作(この表示制御処理の終了を要求する操作)があったことを契機として、表示制御処理を終了する。また、画像配信サーバ200は、画像配信処理を常時行い、位置データ及び向きデータの受信を待つ。
【0049】
まず、表示端末100の位置取得部110aは、位置検出部170から供給される位置データを取得し、向き取得部110bは、向き検出部180から供給される位置データを取得する(ステップS101)。
【0050】
次に、位置取得部110a及び向き取得部110bは、取得した、位置データ及び向きデータを送信部140に供給し、送信部140からネットワーク300を介して、画像配信サーバ200に送信する(ステップS102)。
【0051】
画像配信サーバ200の受信部230は、表示端末100が送信した位置データ及び向きデータを受信する(ステップS201)。受信部230が受信した位置データ及び向きデータは、画像取得部215に供給される。画像取得部215は、受信部230から供給される位置データ及び向きデータを取得する。
【0052】
画像取得部215は、撮影方向情報・画像対応表220を参照し、取得した位置データ及び向きデータに基づいて、これらデータが示す位置及び向きにそれぞれ対応する、位置情報を示す位置情報データ及び撮影方向情報を示す撮影方向情報データに対応付けられた画像データを記憶部(撮影方向情報・画像対応表220)から取得する(ステップS202)。
【0053】
例えば、画像取得部215は、まず、撮影方向情報・画像対応表220の各位置情報に注目し、図3の撮影方向情報・画像対応表220における、取得した位置データが示す位置に最も近い位置の位置情報を示す位置情報データ(複数ある場合には、例えば、ランダムに決定された1つの位置情報データ)が含まれる行(つまり、この位置情報データが記録された行)を特定する。これによって、表示端末100の位置に最も近いカメラグループが特定されることになる。
【0054】
そして、画像取得部215は、特定した各行において、まず、属性が「1」である属性データを含む行を特定する。これによって、表示端末100の位置に最も近いカメラグループのカメラの中から、被写体を撮影するカメラが特定されることになる。さらに、画像取得部215は、特定した行において、取得した向きデータが示す向き(方位)を含む撮影方向情報を示す撮影方向情報データに対応する画像データを特定して取得する。これによって、表示端末100に最も近いカメラグループに含まれる、被写体を撮影するカメラの中の、表示端末100の向きと所定の範囲内の方向にある撮影方向から前記の被写体を撮影した画像が、画像取得部215によって特定され、取得される。
【0055】
なお、画像取得部215は、前記において、取得した向きデータが示す向きを含む撮影方向情報を示す撮影方向情報データが、撮影方向情報・画像対応表220にない場合、属性が「2」である属性データを含む行を特定する。これによって、前記のカメラグループのカメラの中に表示端末100の向きと所定の範囲内の方向にある撮影方向から被写体を撮影したカメラがない場合に、被写体以外の風景を撮影したカメラが特定されることなる。そして、画像取得部215は、特定した行において、取得した向きデータが示す向きに最も近い撮影方向情報を示す撮影方向情報データ(複数ある場合には、例えば、ランダムに決定された1つの撮影方向情報データ)に対応する画像データを特定して取得する。これによって、被写体以外の風景を撮影したカメラの中の、表示端末100の向きに近い撮影方向を撮影したカメラによって撮影された画像が、画像取得部215によって特定され、取得される。なお、前記で特定した行が1つの場合、つまり、被写体以外の風景を撮影したカメラが一台しかない場合(例えば、第2のカメラグループの場合)、画像取得部215は、この1つの行に含まれる画像データを取得する。
【0056】
画像取得部215は、取得した画像データを、送信部240に供給し、送信部240からネットワーク300を介して表示端末100に、位置データ及び向きデータに対する返信データとして送信する(ステップS203)。この後、画像配信サーバ200は、位置データ及び向きデータを受信するまで待つ。
【0057】
表示端末100の受信部130は、画像配信サーバ200が送信した画像データを受信する(ステップS103)。受信部230が受信した画像データは、表示制御部110cに供給される。表示制御部110cは、受信部130から供給された画像データを表示部160に供給し、表示部160にこの画像データが表す画像を表示する(ステップS104)。このようにして、表示制御部110cは、取得した画像データに基づいて、この画像データによって表される画像を、次のステップS104まで表示部160に表示する。表示制御部110cが、ステップS104の処理を行うと、位置取得部110a及び向き取得部110bは、ステップS101の処理を再び行う。なお、位置取得部110a及び向き取得部110bは、ステップS101の処理を再び行うときに、所定の期間待機してもよい。これによって、制御部110の処理負担が軽減される。また、表示制御部110cは、受信部130から供給された画像データが現在表示部160に表示している画像を表す画像データと同じ場合、表示制御部110cはステップS104をスキップして、同じ画像を表示し続けるように、表示部160を制御してもよい。これによって、表示制御部110cの処理負担が軽減される。
【0058】
上記のような処理の繰り返しによって、表示端末100の表示部160には、表示端末100の向きに応じて異なる画像が表示されることになる。
【0059】
例えば、図1において、表示端末100の位置が、被写体20よりも被写体10に近い場合、この位置を示す位置データが画像配信サーバ200に供給される。このため、画像取得部215は、図3に示される撮影方向情報・画像対応表220を参照し、この対応表220における、この位置データを含む行(識別情報である11乃至15を示す識別データが記録された行)を特定する。そして、画像取得部215は、この特定した行の中で、「1」である属性を示す属性データを含む行(識別情報である11乃至13を示す識別データが記録された行)を特定する。
【0060】
さらに、表示端末100の向きが、図9に示すように、270°の方向(西の方位)を向いている場合、前記の位置データとともに、この方位を示す向きデータが画像配信サーバ200に供給される。このため、画像取得部215は、前記で特定した、「1」の属性データを含む行の中で、270°を含む方向の範囲の撮影方向情報を示す撮影方向情報データ(カメラ12の行に記録された撮影方向情報データ)を特定し、この撮影方向情報データを含む行を特定する。そして、画像取得部215は、この行に含まれる画像データ(画像2を表す画像データであって、この撮影方向情報データに対応付けられた画像データ)を取得する。この取得された画像データは、表示端末100に供給され、表示制御部110cによって、この画像データが表す画像(カメラ12が撮影した画像12)が表示部160に表示されることになる(図9参照)。
【0061】
さらに、表示端末100の向きが、図10に示すように、45°の方向(北東の方位)を向いている場合、前記の位置データとともに、この方位を示す向きデータが画像配信サーバ200に供給される。このため、画像取得部215は、前記で特定した、「1」の属性データを含む行の中で、45°を含む方向の範囲の撮影方向情報を示す撮影方向情報データの特定を試みるが、このような撮影方向情報データが、カメラ11乃至13についての行には記録されていない。このため、画像取得部215は、「2」の属性データを含む行の中で、45°ともっとも近い角度の撮影方向情報を示す撮影方向情報データを特定し、この撮影方向情報データを含む行を特定する。そして、画像取得部215は、この行に含まれる画像データ(画像5を表す画像データであって、この撮影方向情報データに対応付けられた画像データ)を取得する。この取得された画像データは、表示端末100に供給され、表示制御部110cによって、この画像データが表す画像(カメラ15が撮影した画像5)が表示部160に表示されることになる(図10参照)。
【0062】
そして、表示端末100の位置が変化すると、その位置に応じて、新たな位置を示す位置データが画像配信サーバ200に供給されるので、カメラグループが変更され、表示される画像が変更される。また、表示端末100の向きが変化すると、新たな向きを示す向きデータが画像配信サーバ200に供給されるので、その向きに応じて、表示される画像が変更される。例えば、画像2から画像3に変更される(図11参照)。また、例えば、画像1から画像4に変更される場合もある。
【0063】
位置検出部170又は向き検出部180は、位置又は向きを示す所定の信号(データに加工される前の信号)を、位置取得部110a又は向き取得部110bに供給しても良い。位置取得部110a又は向き取得部110bは、供給された所定の信号に基づいて、位置データ又は向きデータを生成することによって、位置データ又は向きデータを取得してもよい。
【0064】
また、上記では、画像を静止画像として、扱っているが、画像は、動画像や連写画像のグループ等あってもよい。この場合、各カメラは、所定期間毎に、動画像や連写画像のグループ等を表す画像データを生成して、画像配信サーバ200に供給する。画像配信サーバ200は、この画像データを上記の静止画像の画像データと同様に扱う。
【0065】
また、撮影方向情報・画像対応表220のデータ構造は、同じ被写体を異なる方向から撮影した複数の画像と、この複数の画像それぞれについての撮影方向と、がそれぞれ対応付けて記録された構造等であればよく、また、撮影方向情報・画像対応表220のデータ構造は、位置情報と撮影方向情報と画像とが互いに対応付けられ、位置情報と撮影方向情報とに基づいて画像を特定され取得されることが出来るデータ構造であってもよい。撮影方向情報・画像対応表220のデータ構造は、適宜の構造を採用できる。例えば、撮影方向情報・画像対応表220は、撮影方向情報・画像対応表220を分割した複数の対応表からなるものであってもよい。
【0066】
また、表示端末100の位置及び撮影方向情報・画像対応表220の位置情報は、緯度経度ではなく、住所等で表されてもよい。また、表示端末100の位置を示す位置データは、予め表示端末100の記憶部に記録され、位置取得部110aが記憶部から位置データを取得し、送信部140に供給してもよい。この場合、操作部150が操作されることによって、位置が登録され、この位置データが記憶部に記録されるものとする。
【0067】
なお、画像取得部215は、同じカメラグループ内で、表示端末100の向きと所定の範囲内にある、全ての撮影方向に対応付けられた画像を取得してもよい。つまり、画像取得部215は、向きデータに基づいて、向きデータが示す向きを含む撮影方向情報を示す撮影方向情報データや、この向きと所定の範囲内(例えば、±15°)にある撮影方向情報を示す撮影方向情報データに対応付けられている複数の画像データを撮影方向情報・画像対応表220の所定の行(上記同様、表示端末100の位置に最も近いとして特定された位置情報を含む行)から取得し、送信部240から表示端末100に送信しても良い。この場合、受信部130は、複数の画像データを受信して表示制御部110cに供給する。表示制御部110cは、供給される複数の画像データに基づいて、これらの画像データがそれぞれ表す複数の画像を表示部160に、例えば、スライド表示する。例えば、図9に示す場合には、表示部160の向きと所定の範囲内にあるカメラ12とカメラ14の撮影画像である、画像12と画像14とが表示部160でスライド表示される。画像取得部215は、全てのカメラグループについて(つまり、撮影方向情報・画像対応表220について)、表示端末100の向きと所定の範囲内にある、全ての撮影方向に対応付けられた画像を取得してもよい。この場合には、この複数の画像がスライド表示される。これらのような場合、所定の被写体だけでなく、表示端末100の向きと所定の範囲内にある撮影方向の画像が表示部160に表示されるため、面白みのある表示が実現される。
【0068】
本実施形態では、上述のような構成によって、制御部110は、表示端末100の向きを取得し、同じ被写体を異なる撮影方向から撮影した複数の画像を、取得した向きの変化に応じて切り替えて表示部160に表示する。本実施形態では、表示端末100の向きが変更されると、同じ被写体を異なる方向から撮影した画像に切り替わる。このため、ユーザは、表示端末100を動かして、被写体を複数の角度から観察できるので、表示端末100(制御部110)は、表示部160が表示する画像を面白く切り替えることができる。また、この表示端末100を、マンション等の浴室、窓が無い会議室、病院待合室等に置いて画像や映像を表示することで、簡易窓の様に使用でき、特に表示端末100の向きの方向を撮影した画像を擬似的に表示できる。また、表示端末100が置き換えられても、この表示端末100は、置き換え後の表示端末100の向きに応じた画像を自動的に表示でき、また、表示端末100が変わっても、撮影方向が変わるだけで、被写体が維持され、表示端末100(制御部110)は、表示部160が表示する画像を面白く切り替えることができる。
【0069】
特に、制御部110は、画像と画像の撮影方向とが対応付けられて記録された対応表である撮影方向情報・画像対応表220から、前記の向きと所定の範囲内にある撮影方向に対応付けられた画像(つまり、ここでは、前記の向きを含む撮影方向情報に対応付けられた画像)を取得して表示部160に表示する。これによって、上記と同様、制御部110は、表示部160が表示する画像を面白く切り替えることができる。
【0070】
なお、撮影方向情報・画像対応表220は、表示端末100の記憶部に記録されてもよい。この場合、画像データは更新されなくでもよい。また、撮影方向情報・画像対応表220は、表示端末100に接続される図示しない記憶媒体に記録されてもよい。このような場合でも、制御部110は、画像と画像の撮影方向とが対応付けられて記録された対応表である撮影方向情報・画像対応表220から、前記の向きと所定の範囲内にある撮影方向に対応付けられた画像(つまり、ここでは、前記の向きを含む撮影方向情報に対応付けられた画像)を取得して表示部に表示する。これによって、上記と同様の効果を得ることが出来る。
【0071】
また、制御部110は、前記の向きが所定の基準を満たす場合(ここでは、向きが、属性1の各カメラの撮影方向情報のいずれにも含まれない場合)に、この向きと所定の関係にある方向(ここでは、「2」の属性のカメラにおける、前記の向きが最も近い撮影方向)に対応付けられている、被写体以外を撮影した画像(画像4、5等)を取得して表示部160に表示する。これによって、所定の被写体だけでなく、表示端末100の向きと所定の範囲内にある撮影方向の画像が表示部160に表示されるため、面白みのある表示が実現される。被写体以外を撮影した画像は、空を撮影した画像等であってもよい。つまり、カメラ14等は、空に向かう方向が撮影方向であってもよい。
【0072】
また、位置データによって、前記被写体は、表示端末100の位置に応じて異なることになる。このため、表示端末100が移動すれば、他の被写体についての画像が表示部160に表示されるため、面白みのある表示が実現される。上記では、特に、表示端末100の近い位置にある被写体を写した画像等が表示端末100によって表示されるので、表示端末100が、その地域の画像を表示でき、面白みのある画像表示が実現される。
【0073】
さらに、本実施形態では、上述のような構成によって、画像取得部215が、同じ被写体を異なる方向から撮影した複数の画像と、この複数の画像それぞれについての撮影方向と、がそれぞれ対応付けて記録された撮影方向情報・画像対応表220を参照し、受信部230が受信した表示端末100の向きに対応する撮影方向に対応付けられた画像を取得し、送信部240によって表示端末100に送信する。これにより、ユーザは、表示端末100を動かすことによって、被写体を複数の角度から観察できるので、表示端末100は、表示部160が表示する画像を面白く切り替えることができる。
【0074】
なお、画像配信サーバ200又は表示端末100におけるプログラムは、OS(Operation System)と協働してCPUに上記処理を行わせるものであってもよい。この場合、OSも記憶部に記録される。また、プログラムは、持ち運び可能な記憶媒体(例えば、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory))に記録され、画像配信サーバ200又は表示端末100に供給され、記憶部(ハードディスク等)に記録されてもよい。また、プログラムは、ネットワーク300を介して画像配信サーバ200又は表示端末100に供給され、記憶部に記録されてもよい。
【0075】
プログラムが記録された、記憶装置、又は、持ち運び可能な記憶媒体等は、プログラムを記憶した、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体になる。プログラムは、機能の少なくとも一部が専用回路によって実現された画像配信サーバ200又は表示端末100を動作させるものであってもよい。つまり、画像配信サーバ200又は表示端末100は、全体として、上記処理を行うものであればよく、プログラムは、そのような画像配信サーバ200(コンピュータ)又は表示端末100(コンピュータ)を動作させるものであればよい。
【符号の説明】
【0076】
1・・・画像配信システム、10・・・被写体、11−15・・・カメラ、20・・・被写体、21−24・・・カメラ、100・・・表示端末(表示制御装置)、101・・・CPU、102・・・RAM、103・・・ハードディスク、104・・・通信部、105・・・入力装置、106・・・ディスプレイ装置、107・・・GPS受信機、108・・・方位センサ、110・・・制御部、110a・・・位置取得部、110b・・・向き取得部、110c・・・表示制御部、130・・・受信部、140・・・送信部、150・・・操作部、160・・・表示部、160a・・・表示面、170・・・位置検出部、180・・・向き検出部、200・・・画像配信サーバ、201・・・CPU、202・・・RAM、203・・・ハードディスク、204・・・通信部、210・・・画像記録部、215・・・画像取得部、220・・・撮影方向情報・画像対応表、230・・・受信部、240・・・送信部、300・・・ネットワーク
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置、画像配信サーバ、表示端末、画像配信システム、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、画像を表示する画像表示部が回動自在となるように本体部に接合されており、チューナで受信した映像データに基づく第1の画像と、記憶部に記憶されたテキストデータに基づく第2の画像とを表示画面に分割表示しているとき、ヒンジ回転検知部が画像表示部の回転を検知すると、表示制御部が第2の画像を表示画面から消去する制御を行う携帯電話装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−69842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、画像表示部の回転(変位)に応じて、この画像表示部に表示されている画像が変化するが、その画像は、元々表示されていた画像を表示し直すように画像を切り替えるだけで、画像表示部の変位によって表示が切り替えられる画像について面白みがなかった。
【0005】
本発明は、上記点に鑑みてなされたものであり、表示部の変位にともなって、表示部が表示する画像を面白く切り替える表示制御装置、画像配信サーバ、表示端末、画像配信システム、及び、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点に係る表示制御装置は、
表示部に画像を表示する表示制御装置であって、
前記表示制御装置の向きを取得し、同じ被写体を異なる撮影方向から撮影した複数の画像を、取得した前記向きの変化に応じて切り替えて前記表示部に表示する制御手段
を備える。
【0007】
本発明の第2の観点に係る画像配信サーバは、
表示端末から送信される前記表示端末の向きを受信する受信手段と、
同じ被写体を異なる方向から撮影した複数の画像と、この複数の画像それぞれについての撮影方向と、がそれぞれ対応付けて記録された対応表を参照し、前記受信手段が受信した前記向きに対応する撮影方向に対応付けられた前記画像を取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段が取得した前記画像を前記表示端末に送信する送信手段と、
を備える。
【0008】
本発明の第3の観点に係る表示端末は、
表示部と、
前記表示端末の向きを取得する向き取得手段と、
前記向き取得手段が取得した前記向きを送信する送信手段と、
前記送信手段が送信した前記向きに応じて異なる画像を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した前記画像を前記表示部に表示する表示制御手段と、
を備え、
前記向きに応じて異なる画像は、同一の被写体を撮影方向から撮影した画像である。
【0009】
本発明の第4の観点に係る画像配信システムは、
画像配信サーバと、前記画像配信サーバと通信可能な表示端末と、を備える画像配信システムであって、
前記表示端末は、表示部と、前記表示端末の向きを取得する向き取得手段と、前記向き取得手段が取得した前記向きを送信する送信手段と、を備え、
前記画像配信サーバは、前記表示端末から送信される前記表示端末の向きを受信する受信手段と、同じ被写体を異なる方向から撮影した複数の画像と、この複数の画像それぞれについての撮影方向と、がそれぞれ対応付けて記録された対応表を参照し、前記受信手段が受信した前記向きに対応する撮影方向に対応付けられた前記画像を取得する画像取得手段と、前記画像取得手段が取得した前記画像を前記表示端末に送信する送信手段と、を備え、
前記表示端末は、前記送信手段が送信した前記向きに応じて異なる画像を受信する受信手段と、前記受信手段が受信した前記画像を前記表示部に表示する表示制御手段と、をさらに備える。
【0010】
本発明の第5の観点に係るプログラムは、
表示部に画像を表示するコンピュータに、
前記表示部の向きを取得し、同じ被写体を異なる撮影方向から撮影した複数の画像を、取得した前記向きの変化に応じて切り替えて前記表示部に表示する制御ステップ、
を行わせる。
【0011】
本発明の第6の観点に係るプログラムは、
コンピュータに、
表示端末から送信される前記表示端末の向きを受信する受信ステップと、
同じ被写体を異なる方向から撮影した複数の画像と、この複数の画像それぞれについての撮影方向と、がそれぞれ対応付けて記録された対応表を参照し、前記受信ステップで受信した前記向きに対応する撮影方向に対応付けられた前記画像を取得する画像取得ステップと、
前記画像取得ステップで取得した前記画像を前記表示端末に送信する送信ステップと、
を行わせる。
【0012】
本発明の第7の観点に係るプログラムは、
表示部に接続されたコンピュータに、
前記表示部の向きを取得する向き取得ステップと、
前記向き取得ステップで取得した前記向きを送信する送信ステップと、
前記送信ステップで送信した前記向きに応じて異なる画像を受信する受信ステップと、
前記受信ステップで受信した前記画像を前記表示部に表示する表示制御ステップと、
を行わせ、
前記向きに応じて異なる画像は、同一の被写体を異なる位置から撮影した画像である。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る表示制御装置、画像配信サーバ、表示端末、画像配信システム、及び、プログラムによれば、表示部の変位にともなって、表示部が表示する画像を面白く切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の1実施形態に係る画像配信システムの構成を示す図である。
【図2】本発明の1実施形態に係る画像配信サーバの構成を示す図である。
【図3】本発明の1実施形態において使用される撮影方向情報・画像対応表の内容を示す図である。
【図4】本発明の1実施形態に係る画像配信サーバのハードウェア構成を示す図である。
【図5】本発明の1実施形態に係る表示端末の構成を示す図である。
【図6】本発明の1実施形態に係る表示端末の向きを説明するための図である。
【図7】本発明の1実施形態に係る表示端末のハードウェア構成を示す図である。
【図8】本発明の1実施形態に係る表示端末及び画像配信サーバが行う、表示制御処理及び画像配信処理のフローチャートである。
【図9】本発明の1実施形態に係る表示端末の向きと、この向きに応じて表示端末に表示される画像を説明するための図である。
【図10】本発明の1実施形態に係る表示端末の向きと、この向きに応じて表示端末に表示される画像を説明するための図である。
【図11】本発明の1実施形態に係る表示端末の向きと、この向きに応じて表示端末に表示される画像を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る一実施形態について図面を参照して説明する。なお、本発明は下記の説明、図面の記載によって限定されるものではない。下記の説明及び図面の内容に変更(構成要素の削除も含む)を加えることができるのはもちろんである。また、以下の説明では、本発明の理解を容易にするために、公知の技術的事項の説明は適宜省略されている。
【0016】
まず、図1を参照して、本実施形態に係る画像配信システム1の構成を説明する。画像配信システム1は、カメラ11乃至15から構成される第1のカメラグループと、カメラ21乃至24から構成される第2のカメラグループと、表示端末(表示制御装置)100と、画像配信サーバ200と、を備える。カメラ11乃至15と、カメラ21乃至24と、表示端末100と、画像配信サーバ200とは、インターネット等のネットワーク300に接続されている。なお、画像配信サーバ200、表示端末100は、複数あっても良い。また、カメラグループも1以上あればよい。特に、カメラグループを構成するカメラについても、数、配置等は適宜決定される。
【0017】
なお、本実施形態では、後述の、表示部の向き、撮影方向等の方向を方位で表すこととする。そして、本実施形態では、この方位を、図1のように、北の方向を基準(0°)として、北の方向に対する角度によって表すものとする。この角度は、時計回りに増加するものとする。つまり、東の方向は90°、北東の方向は45°、南の方向は180°、西の方向は270°とする。なお、北の方向は360°でもある。
【0018】
カメラ11乃至15は、それぞれ、被写体10についてのカメラグループである第1のカメラグループを構成する。カメラ11乃至13は、被写体10を異なる方向から撮影する位置に配置される。カメラ14及び15は、それぞれ、被写体10に向かう方向以外の方向に向いて配置され、被写体10が写らない風景を撮影する。
【0019】
カメラ21乃至24は、それぞれ、被写体20についてのカメラグループである第2のカメラグループを構成する。カメラ21乃至23は、被写体20を異なる方向から撮影する位置に配置される。カメラ24は、被写体20に向かう方向以外の方向に向いて配置され、被写体20が写らない風景を撮影する。
【0020】
なお、カメラ11乃至15、カメラ21乃至25の各カメラは、定点カメラであり、所定期間毎に前方(図1の矢印の方向であり、以下では撮影方向という。)を撮影することで、前方の風景を写した画像(ここでは、静止画像)を表す画像データを生成し、生成した画像データを、ネットワーク300を介して、画像配信サーバ200に供給する。このとき、各カメラは、予め設定されている自身の識別情報を表す識別データを画像データとともに、画像配信サーバ200に供給する。
【0021】
なお、どのカメラがどのカメラグループに属するかは予め定められている。また、本実施形態では、1つの特定の被写体(被写体10又は被写体20)について1つのカメラグループ(第1のカメラグループ又は第2のカメラグループ)が構成される。被写体は、例えば、富士山、東京タワー等の、山、建物等である。なお、本実施形態では、例えば、特定の被写体から所定の距離内にあるカメラが、この被写体についてのカメラグループを構成する。
【0022】
画像配信サーバ200は、カメラ11乃至15、カメラ21乃至24の各カメラから供給される画像データと識別データとを受け取り、これらを画像配信サーバ200の記憶部に記録する。画像配信サーバ200は、画像データを、識別データによって表される識別情報毎、つまり、カメラ毎に記録する。画像配信サーバ200は、順次供給される画像データを古い画像データに上書きし、同じカメラで撮影された画像を順次更新する。つまり、画像配信サーバ200は、各カメラでそれぞれ撮影された最新の画像の画像データを記憶部に記録する。
【0023】
表示端末100は、画像配信サーバ200から、所定の画像データを取得する。表示端末100は、取得した画像データが表す画像を表示部に表示する。ここで、表示端末100は、表示部の向きを取得し、この表示端末100に近いカメラグループが属するカメラであって、前記で取得した向きに応じたカメラで撮影した画像を表す画像データを取得し、取得した画像データを表す画像を表示部に表示する。表示端末100は、表示部の向きに応じた画像を表示する。
【0024】
次に画像配信サーバ200の主要な構成について、図2を参照して説明する。図2に示すように、画像配信サーバ200は、画像記録部210と、画像取得部215と、撮影方向情報・画像対応表220と、受信部230と、送信部240と、を備える。画像配信サーバ200は、各種コンピュータによって構成される。
【0025】
受信部230は、画像記録部210や画像取得部215によって制御され、ネットワーク300からデータを受信する。送信部240は、画像取得部215によって制御され、ネットワーク300にデータを送信する。撮影方向情報・画像対応表220は、画像配信サーバ200の、後述の記憶部に記録される。画像記録部210は、受信部220が各カメラから受信した画像データを記憶部の撮影方向情報・画像対応表220に記録する。画像取得部215は、撮影方向情報・画像対応表220から画像データを取得し、送信部240を介して送信する。各部の動作は、下記で適宜説明される。
【0026】
撮影方向情報・画像対応表220には、識別情報と、位置情報と、属性情報と、撮影方向情報と、画像と、が対応付けられて記録されている、つまり、これらをそれぞれ表すデータが対応付けられて撮影方向情報・画像対応表220に記録されていることになる。この撮影方向情報・画像対応表220の内容を図3を参照して説明する。なお、図3に示される撮影方向情報・画像対応表220は、図1に示す各カメラについての対応表であり、カメラの配置、数等によって、撮影方向情報・画像対応表220の内容は当然異なる。また、撮影方向情報・画像対応表220に記録されている、識別情報と、位置情報と、属性情報と、撮影方向情報と、を表す各データは、予め撮影方向情報・画像対応表220に記録されているものとする。
【0027】
識別情報は、カメラを識別する情報である。ここでは、識別情報は、図1において、各カメラに付された符号と同じ番号であるとする。例えば、カメラ11の識別情報は、「11」である。
【0028】
位置情報は、カメラが属するカメラグループの被写体の位置を表す情報である。例えば、カメラ11は、第1のカメラグループに属し、この第1のカメラグループは被写体10についてのカメラグループなので、カメラ11の識別情報に対応付けられている位置情報は、被写体10の位置(北緯:x1、東経:y1)を表す情報である。位置情報は、例えば、緯度及び経度によって表されるが、住所等によって表されても良い。なお、位置情報が表す位置は、例えば、被写体の中心の位置等、被写体を特定できるような位置であればよい。
【0029】
属性情報は、カメラが被写体(そのカメラが属するカメラグループの被写体)を撮影しているカメラであるか否かを表す情報である。被写体を撮影しているカメラ(例えば、カメラ11)であれば、そのカメラの属性は「1」であり、被写体を撮影していないカメラ(例えば、カメラ15)であれば、そのカメラの属性は「2」であるとする。属性情報は、この「1」又は「2」のいずれかの情報になる。
【0030】
撮影方向情報は、カメラの撮影方向を表す情報である。撮影方向情報は、適宜、カメラの撮影方向を含む所定の範囲を表す情報であってもよい。特に、カメラが、被写体を撮影するカメラである場合、このカメラの撮影方向情報は、所定の範囲を表す情報となる。例えば、被写体10を撮影するカメラ11の撮影方向情報は、216°≦θ1<257°となる。この範囲は、被写体を撮影するカメラの位置関係が考慮され、撮影方向が最も近い方向(例えば、カメラ11の撮影方向とカメラ12の撮影方向)の範囲同士が重ならず、かつ、間が空かないように、予め設定されているものとする(図1における点線参照。この点線がその範囲同士の境界になっている。)。例えば、カメラ11乃至13の撮影方向は、比較的、近いので前記の範囲(撮影方向±10°〜20°程度)は狭い。一方、カメラ21乃至23の撮影方向は、比較的、離れているので前記の範囲(撮影方向±45°)は広い。なお、撮影方向情報は撮影方向を含むので、撮影方向情報が画像、識別情報等に対応付けられることによって、撮影方向も画像、識別情報等に対応付けられることになる。
【0031】
画像は、カメラが撮影した画像である。この画像を表す画像データは、各カメラから供給される画像データである。この画像データは、上記した、各カメラから供給された画像データである。上述のように、画像配信サーバ200には、各カメラから画像データ(画像)と識別データ(識別情報)とが供給される。画像配信サーバ200の受信部230は、各カメラから供給される画像データと識別データとを受信する。受信部230がこれらデータを受信すると、画像記録部210は、撮影方向情報・画像対応表220に記録された識別情報のうち、受信部230が受信した識別データが表す識別情報と同じ識別情報に対応付けて、受信部230が受信した画像データを撮影方向情報・画像対応表220に記録する。このようにして、各カメラから供給される画像データが記憶部220の撮影方向情報・画像対応表220に、カメラ毎に記録される。なお、画像データが撮影方向情報・画像対応表220にすでに記録されている場合には、画像記録部210は、新しく受信部230が受信した画像データを古い画像データに上書し、画像データをカメラ毎に更新する。
【0032】
次に、画像配信サーバ200のハードウェア構成の一例について、図4を参照して説明する。画像配信サーバ200は、CPU201と、RAM(Random Access Memory)202と、ハードディスク203と、通信部204とを備える。
【0033】
ハードディスク203は、プログラム、撮影方向情報・画像対応表220、各種データを記録する。RAM202は、CPU201のメインメモリ等として機能する。CPU201が使用するデータ(CPU201に供給されるデータ)やCPU201が他の装置に供給するデータ等は、適宜RAM202を経由する。本実施形態では、ハードディスク203及びRAM202によって、画像配信サーバ200の記憶部が構成される。なお、記憶部は、その少なくとも一部がフラッシュメモリ等の他の記憶装置によって構成されてもよい。つまり、例えば、ハードディスク203は、他の記憶装置に変更可能である。また、撮影方向情報・画像対応表220は、RAM202に適宜読み出されても良い。
【0034】
通信部204は、ネットワークカード等の適宜の通信装置によって構成され、ネットワーク300に接続される。通信部204は、ネットワーク300を介するデータの送受信に使用される。通信部204は、CPU201によって制御される。通信部204は、受信部230及び送信部240を構成する。
【0035】
CPU201は、ハードディスク203に記録され、RAM202にロードされたプログラムに従って、画像配信サーバ200全体を制御するとともに、画像配信サーバ200の、画像記録部210と画像取得部215とが行う処理を実際に行う。つまり、画像記録部210と、画像取得部215とは、プログラムに従って後述の処理を行うCPU201によって構成される。なお、各部の処理を行う部分は、CPU201に限らず、その少なくとも一部がASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はDSP(Digital Signal Processor)等によって構成されてもよい。
【0036】
次に表示端末100の主要な構成を、図5を参照して説明する。図5に示すように、表示端末100は、制御部110と、受信部130と、送信部140と、操作部150と、表示部160と、位置検出部170と、向き検出部180と、を備える。表示端末100は、デジタルフォトフレーム、パーソナルコンピュータ等の適宜の装置(表示制御装置)で構成される。なお、表示端末100(表示制御装置)は、表示部160等を備えなくてもよい。
【0037】
操作部150は、所定の操作を受け付け、受け付けた操作に応じた操作信号を制御部110に供給する。表示部160は、所定の画像データによって表される画像を表示する。位置検出部170は、表示端末100の位置を検出し、この位置を表す位置データを制御部110に供給する。向き検出部180は、表示端末100の向きを検出し、この向きを表す向きデータを制御部110に供給する。受信部130は、ネットワーク300を介してデータを受信する。送信部140は、ネットワーク300を介してデータを送信する。制御部110は、各部を制御する。特に、制御部110は、位置取得部110aと、向き取得部110bと、表示制御部110cと、を備え、これらによって、後述の処理を行う。また、各部の詳細な動作は、下記で適宜説明される。
【0038】
本実施形態では、表示端末100の向きとは、表示部160の向きをいい、特に、ここでは表示部160における画像を表示する表示面160aの法線方向(表示方向)と反対側の方向をいう(図6参照)。また、表示端末100の位置とは、表示部160の位置をいう。表示部160は、表示端末100の他の部材(例えば、表示端末100の台等)に対して、相対的に回転可能であってもよいし、回転出来なくもよい。表示部160が回転出来ない場合、表示部160は、例えば、表示端末100内に組み込まれている。この場合、表示端末100が回転することによって、表示部160が回転し、表示部160の向きが変化する。この場合の表示端末100は、例えば、表示パネルが独立して動くことが出来ない、一般的なデジタルフォトフレームやノートパソコンである。なお、回転方向は、図1の方位方向である(図6参照)。
【0039】
位置検出部170は、最低限、表示部160の位置を検出するように構成される。向き検出部180は、最低限、表示部160の向きを検出するように構成される。表示部160が表示端末100内に組み込まれている場合等には、位置検出部170又は向き検出部180は、表示端末100の位置又は向きを検出するように構成されてもよい。
【0040】
次に、表示端末100のハードウェア構成の一例について、図7を参照して説明する。表示端末100は、CPU101と、RAM102と、ハードディスク103と、通信部104と、入力装置105と、ディプレイ装置106と、GPS(Global Positioning System)受信機107と、方位センサ108と、を備える。
【0041】
ハードディスク103は、プログラム、各種データを記録する。RAM102は、CPU101のメインメモリ等として機能する。CPU101が使用するデータ(CPU101に供給されるデータ)やCPU101が他の装置に供給するデータ等は、適宜RAM102を経由する。本実施形態では、ハードディスク103及びRAM102によって、表示端末100の記憶部が構成される。なお、記憶部は、その少なくとも一部がフラッシュメモリ等の他の記憶装置によって構成されてもよい。つまり、例えば、ハードディスク203は、他の記憶装置に変更可能である。
【0042】
通信部104は、受信部130及び送信部140を構成する。通信部104は、ネットワークカード等の適宜の通信装置によって構成され、ネットワーク300に接続される。通信部104は、ネットワーク300を介するデータの送受信に使用される。
【0043】
入力装置105は、操作部150を構成する。入力装置105は、操作キー等を含み、ユーザの操作入力に応じた操作信号をCPU101に供給する。
【0044】
ディスプレイ装置106は、表示部160を構成する。CPU101は、所定の画像データをディスプレイ装置106に供給する(なお、データ形式等は適宜変更される。)。ディスプレイ装置106は、CPU101から供給された画像データが表す画像を表示する。このようにして、ディスプレイ装置106は、CPU101の制御のもと、画像データが表す画像を表示する。ディスプレイ装置106は、液晶、EL(Electro-Luminescence)、ブラウン管、プラズマ等の適宜の方式の装置によって構成される。
【0045】
GPS受信機107は、位置検出部170を構成する。GPS受信機107は、表示端末100の位置を示す位置データを生成して、CPU101に供給する。GPS受信機107は、例えば、ディスプレイ装置106の位置を検出するように、ディスプレイ装置106の内部に配置されるか、外面に取り付けられる。位置は、例えば、緯度経度によって表される。
【0046】
方位センサ108は、向き検出部180を構成する。方位センサ108は、表示端末100の向きを示す向きデータを生成して、CPU101に供給する。方位センサ108は、例えば、ディスプレイ装置106の向きを検出するように、ディスプレイ装置106の内部に配置されるか、外面に取り付けられる。
【0047】
CPU101は、ハードディスク103に記録され、RAM102にロードされたプログラムに従って、表示端末100全体(各装置)を制御するとともに、制御部110(位置取得部110a、向き取得部110b、表示制御部110c)が行う処理を実際に行う。つまり、制御部110(位置取得部110a、向き取得部110b、表示制御部110c)は、プログラムに従って後述の処理を行うCPU101によって構成される。なお、制御部110(位置取得部110a、向き取得部110b、表示制御部110c)は、CPU101に限らず、その少なくとも一部がASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はDSP(Digital Signal Processor)等によって構成されてもよい。
【0048】
次に、表示端末100及び画像配信サーバ200の、画像配信及び画像表示の動作を説明する。表示端末100は、表示制御処理を行う。画像配信サーバ200は、画像配信処理を行う。これらの処理を図8を参照して説明する。表示端末100は、例えば、ユーザの操作部150への操作(この表示制御処理の開始を要求する操作)があったことを契機として、表示制御処理を開始する。表示端末100は、例えば、ユーザの操作部150への操作(この表示制御処理の終了を要求する操作)があったことを契機として、表示制御処理を終了する。また、画像配信サーバ200は、画像配信処理を常時行い、位置データ及び向きデータの受信を待つ。
【0049】
まず、表示端末100の位置取得部110aは、位置検出部170から供給される位置データを取得し、向き取得部110bは、向き検出部180から供給される位置データを取得する(ステップS101)。
【0050】
次に、位置取得部110a及び向き取得部110bは、取得した、位置データ及び向きデータを送信部140に供給し、送信部140からネットワーク300を介して、画像配信サーバ200に送信する(ステップS102)。
【0051】
画像配信サーバ200の受信部230は、表示端末100が送信した位置データ及び向きデータを受信する(ステップS201)。受信部230が受信した位置データ及び向きデータは、画像取得部215に供給される。画像取得部215は、受信部230から供給される位置データ及び向きデータを取得する。
【0052】
画像取得部215は、撮影方向情報・画像対応表220を参照し、取得した位置データ及び向きデータに基づいて、これらデータが示す位置及び向きにそれぞれ対応する、位置情報を示す位置情報データ及び撮影方向情報を示す撮影方向情報データに対応付けられた画像データを記憶部(撮影方向情報・画像対応表220)から取得する(ステップS202)。
【0053】
例えば、画像取得部215は、まず、撮影方向情報・画像対応表220の各位置情報に注目し、図3の撮影方向情報・画像対応表220における、取得した位置データが示す位置に最も近い位置の位置情報を示す位置情報データ(複数ある場合には、例えば、ランダムに決定された1つの位置情報データ)が含まれる行(つまり、この位置情報データが記録された行)を特定する。これによって、表示端末100の位置に最も近いカメラグループが特定されることになる。
【0054】
そして、画像取得部215は、特定した各行において、まず、属性が「1」である属性データを含む行を特定する。これによって、表示端末100の位置に最も近いカメラグループのカメラの中から、被写体を撮影するカメラが特定されることになる。さらに、画像取得部215は、特定した行において、取得した向きデータが示す向き(方位)を含む撮影方向情報を示す撮影方向情報データに対応する画像データを特定して取得する。これによって、表示端末100に最も近いカメラグループに含まれる、被写体を撮影するカメラの中の、表示端末100の向きと所定の範囲内の方向にある撮影方向から前記の被写体を撮影した画像が、画像取得部215によって特定され、取得される。
【0055】
なお、画像取得部215は、前記において、取得した向きデータが示す向きを含む撮影方向情報を示す撮影方向情報データが、撮影方向情報・画像対応表220にない場合、属性が「2」である属性データを含む行を特定する。これによって、前記のカメラグループのカメラの中に表示端末100の向きと所定の範囲内の方向にある撮影方向から被写体を撮影したカメラがない場合に、被写体以外の風景を撮影したカメラが特定されることなる。そして、画像取得部215は、特定した行において、取得した向きデータが示す向きに最も近い撮影方向情報を示す撮影方向情報データ(複数ある場合には、例えば、ランダムに決定された1つの撮影方向情報データ)に対応する画像データを特定して取得する。これによって、被写体以外の風景を撮影したカメラの中の、表示端末100の向きに近い撮影方向を撮影したカメラによって撮影された画像が、画像取得部215によって特定され、取得される。なお、前記で特定した行が1つの場合、つまり、被写体以外の風景を撮影したカメラが一台しかない場合(例えば、第2のカメラグループの場合)、画像取得部215は、この1つの行に含まれる画像データを取得する。
【0056】
画像取得部215は、取得した画像データを、送信部240に供給し、送信部240からネットワーク300を介して表示端末100に、位置データ及び向きデータに対する返信データとして送信する(ステップS203)。この後、画像配信サーバ200は、位置データ及び向きデータを受信するまで待つ。
【0057】
表示端末100の受信部130は、画像配信サーバ200が送信した画像データを受信する(ステップS103)。受信部230が受信した画像データは、表示制御部110cに供給される。表示制御部110cは、受信部130から供給された画像データを表示部160に供給し、表示部160にこの画像データが表す画像を表示する(ステップS104)。このようにして、表示制御部110cは、取得した画像データに基づいて、この画像データによって表される画像を、次のステップS104まで表示部160に表示する。表示制御部110cが、ステップS104の処理を行うと、位置取得部110a及び向き取得部110bは、ステップS101の処理を再び行う。なお、位置取得部110a及び向き取得部110bは、ステップS101の処理を再び行うときに、所定の期間待機してもよい。これによって、制御部110の処理負担が軽減される。また、表示制御部110cは、受信部130から供給された画像データが現在表示部160に表示している画像を表す画像データと同じ場合、表示制御部110cはステップS104をスキップして、同じ画像を表示し続けるように、表示部160を制御してもよい。これによって、表示制御部110cの処理負担が軽減される。
【0058】
上記のような処理の繰り返しによって、表示端末100の表示部160には、表示端末100の向きに応じて異なる画像が表示されることになる。
【0059】
例えば、図1において、表示端末100の位置が、被写体20よりも被写体10に近い場合、この位置を示す位置データが画像配信サーバ200に供給される。このため、画像取得部215は、図3に示される撮影方向情報・画像対応表220を参照し、この対応表220における、この位置データを含む行(識別情報である11乃至15を示す識別データが記録された行)を特定する。そして、画像取得部215は、この特定した行の中で、「1」である属性を示す属性データを含む行(識別情報である11乃至13を示す識別データが記録された行)を特定する。
【0060】
さらに、表示端末100の向きが、図9に示すように、270°の方向(西の方位)を向いている場合、前記の位置データとともに、この方位を示す向きデータが画像配信サーバ200に供給される。このため、画像取得部215は、前記で特定した、「1」の属性データを含む行の中で、270°を含む方向の範囲の撮影方向情報を示す撮影方向情報データ(カメラ12の行に記録された撮影方向情報データ)を特定し、この撮影方向情報データを含む行を特定する。そして、画像取得部215は、この行に含まれる画像データ(画像2を表す画像データであって、この撮影方向情報データに対応付けられた画像データ)を取得する。この取得された画像データは、表示端末100に供給され、表示制御部110cによって、この画像データが表す画像(カメラ12が撮影した画像12)が表示部160に表示されることになる(図9参照)。
【0061】
さらに、表示端末100の向きが、図10に示すように、45°の方向(北東の方位)を向いている場合、前記の位置データとともに、この方位を示す向きデータが画像配信サーバ200に供給される。このため、画像取得部215は、前記で特定した、「1」の属性データを含む行の中で、45°を含む方向の範囲の撮影方向情報を示す撮影方向情報データの特定を試みるが、このような撮影方向情報データが、カメラ11乃至13についての行には記録されていない。このため、画像取得部215は、「2」の属性データを含む行の中で、45°ともっとも近い角度の撮影方向情報を示す撮影方向情報データを特定し、この撮影方向情報データを含む行を特定する。そして、画像取得部215は、この行に含まれる画像データ(画像5を表す画像データであって、この撮影方向情報データに対応付けられた画像データ)を取得する。この取得された画像データは、表示端末100に供給され、表示制御部110cによって、この画像データが表す画像(カメラ15が撮影した画像5)が表示部160に表示されることになる(図10参照)。
【0062】
そして、表示端末100の位置が変化すると、その位置に応じて、新たな位置を示す位置データが画像配信サーバ200に供給されるので、カメラグループが変更され、表示される画像が変更される。また、表示端末100の向きが変化すると、新たな向きを示す向きデータが画像配信サーバ200に供給されるので、その向きに応じて、表示される画像が変更される。例えば、画像2から画像3に変更される(図11参照)。また、例えば、画像1から画像4に変更される場合もある。
【0063】
位置検出部170又は向き検出部180は、位置又は向きを示す所定の信号(データに加工される前の信号)を、位置取得部110a又は向き取得部110bに供給しても良い。位置取得部110a又は向き取得部110bは、供給された所定の信号に基づいて、位置データ又は向きデータを生成することによって、位置データ又は向きデータを取得してもよい。
【0064】
また、上記では、画像を静止画像として、扱っているが、画像は、動画像や連写画像のグループ等あってもよい。この場合、各カメラは、所定期間毎に、動画像や連写画像のグループ等を表す画像データを生成して、画像配信サーバ200に供給する。画像配信サーバ200は、この画像データを上記の静止画像の画像データと同様に扱う。
【0065】
また、撮影方向情報・画像対応表220のデータ構造は、同じ被写体を異なる方向から撮影した複数の画像と、この複数の画像それぞれについての撮影方向と、がそれぞれ対応付けて記録された構造等であればよく、また、撮影方向情報・画像対応表220のデータ構造は、位置情報と撮影方向情報と画像とが互いに対応付けられ、位置情報と撮影方向情報とに基づいて画像を特定され取得されることが出来るデータ構造であってもよい。撮影方向情報・画像対応表220のデータ構造は、適宜の構造を採用できる。例えば、撮影方向情報・画像対応表220は、撮影方向情報・画像対応表220を分割した複数の対応表からなるものであってもよい。
【0066】
また、表示端末100の位置及び撮影方向情報・画像対応表220の位置情報は、緯度経度ではなく、住所等で表されてもよい。また、表示端末100の位置を示す位置データは、予め表示端末100の記憶部に記録され、位置取得部110aが記憶部から位置データを取得し、送信部140に供給してもよい。この場合、操作部150が操作されることによって、位置が登録され、この位置データが記憶部に記録されるものとする。
【0067】
なお、画像取得部215は、同じカメラグループ内で、表示端末100の向きと所定の範囲内にある、全ての撮影方向に対応付けられた画像を取得してもよい。つまり、画像取得部215は、向きデータに基づいて、向きデータが示す向きを含む撮影方向情報を示す撮影方向情報データや、この向きと所定の範囲内(例えば、±15°)にある撮影方向情報を示す撮影方向情報データに対応付けられている複数の画像データを撮影方向情報・画像対応表220の所定の行(上記同様、表示端末100の位置に最も近いとして特定された位置情報を含む行)から取得し、送信部240から表示端末100に送信しても良い。この場合、受信部130は、複数の画像データを受信して表示制御部110cに供給する。表示制御部110cは、供給される複数の画像データに基づいて、これらの画像データがそれぞれ表す複数の画像を表示部160に、例えば、スライド表示する。例えば、図9に示す場合には、表示部160の向きと所定の範囲内にあるカメラ12とカメラ14の撮影画像である、画像12と画像14とが表示部160でスライド表示される。画像取得部215は、全てのカメラグループについて(つまり、撮影方向情報・画像対応表220について)、表示端末100の向きと所定の範囲内にある、全ての撮影方向に対応付けられた画像を取得してもよい。この場合には、この複数の画像がスライド表示される。これらのような場合、所定の被写体だけでなく、表示端末100の向きと所定の範囲内にある撮影方向の画像が表示部160に表示されるため、面白みのある表示が実現される。
【0068】
本実施形態では、上述のような構成によって、制御部110は、表示端末100の向きを取得し、同じ被写体を異なる撮影方向から撮影した複数の画像を、取得した向きの変化に応じて切り替えて表示部160に表示する。本実施形態では、表示端末100の向きが変更されると、同じ被写体を異なる方向から撮影した画像に切り替わる。このため、ユーザは、表示端末100を動かして、被写体を複数の角度から観察できるので、表示端末100(制御部110)は、表示部160が表示する画像を面白く切り替えることができる。また、この表示端末100を、マンション等の浴室、窓が無い会議室、病院待合室等に置いて画像や映像を表示することで、簡易窓の様に使用でき、特に表示端末100の向きの方向を撮影した画像を擬似的に表示できる。また、表示端末100が置き換えられても、この表示端末100は、置き換え後の表示端末100の向きに応じた画像を自動的に表示でき、また、表示端末100が変わっても、撮影方向が変わるだけで、被写体が維持され、表示端末100(制御部110)は、表示部160が表示する画像を面白く切り替えることができる。
【0069】
特に、制御部110は、画像と画像の撮影方向とが対応付けられて記録された対応表である撮影方向情報・画像対応表220から、前記の向きと所定の範囲内にある撮影方向に対応付けられた画像(つまり、ここでは、前記の向きを含む撮影方向情報に対応付けられた画像)を取得して表示部160に表示する。これによって、上記と同様、制御部110は、表示部160が表示する画像を面白く切り替えることができる。
【0070】
なお、撮影方向情報・画像対応表220は、表示端末100の記憶部に記録されてもよい。この場合、画像データは更新されなくでもよい。また、撮影方向情報・画像対応表220は、表示端末100に接続される図示しない記憶媒体に記録されてもよい。このような場合でも、制御部110は、画像と画像の撮影方向とが対応付けられて記録された対応表である撮影方向情報・画像対応表220から、前記の向きと所定の範囲内にある撮影方向に対応付けられた画像(つまり、ここでは、前記の向きを含む撮影方向情報に対応付けられた画像)を取得して表示部に表示する。これによって、上記と同様の効果を得ることが出来る。
【0071】
また、制御部110は、前記の向きが所定の基準を満たす場合(ここでは、向きが、属性1の各カメラの撮影方向情報のいずれにも含まれない場合)に、この向きと所定の関係にある方向(ここでは、「2」の属性のカメラにおける、前記の向きが最も近い撮影方向)に対応付けられている、被写体以外を撮影した画像(画像4、5等)を取得して表示部160に表示する。これによって、所定の被写体だけでなく、表示端末100の向きと所定の範囲内にある撮影方向の画像が表示部160に表示されるため、面白みのある表示が実現される。被写体以外を撮影した画像は、空を撮影した画像等であってもよい。つまり、カメラ14等は、空に向かう方向が撮影方向であってもよい。
【0072】
また、位置データによって、前記被写体は、表示端末100の位置に応じて異なることになる。このため、表示端末100が移動すれば、他の被写体についての画像が表示部160に表示されるため、面白みのある表示が実現される。上記では、特に、表示端末100の近い位置にある被写体を写した画像等が表示端末100によって表示されるので、表示端末100が、その地域の画像を表示でき、面白みのある画像表示が実現される。
【0073】
さらに、本実施形態では、上述のような構成によって、画像取得部215が、同じ被写体を異なる方向から撮影した複数の画像と、この複数の画像それぞれについての撮影方向と、がそれぞれ対応付けて記録された撮影方向情報・画像対応表220を参照し、受信部230が受信した表示端末100の向きに対応する撮影方向に対応付けられた画像を取得し、送信部240によって表示端末100に送信する。これにより、ユーザは、表示端末100を動かすことによって、被写体を複数の角度から観察できるので、表示端末100は、表示部160が表示する画像を面白く切り替えることができる。
【0074】
なお、画像配信サーバ200又は表示端末100におけるプログラムは、OS(Operation System)と協働してCPUに上記処理を行わせるものであってもよい。この場合、OSも記憶部に記録される。また、プログラムは、持ち運び可能な記憶媒体(例えば、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory))に記録され、画像配信サーバ200又は表示端末100に供給され、記憶部(ハードディスク等)に記録されてもよい。また、プログラムは、ネットワーク300を介して画像配信サーバ200又は表示端末100に供給され、記憶部に記録されてもよい。
【0075】
プログラムが記録された、記憶装置、又は、持ち運び可能な記憶媒体等は、プログラムを記憶した、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体になる。プログラムは、機能の少なくとも一部が専用回路によって実現された画像配信サーバ200又は表示端末100を動作させるものであってもよい。つまり、画像配信サーバ200又は表示端末100は、全体として、上記処理を行うものであればよく、プログラムは、そのような画像配信サーバ200(コンピュータ)又は表示端末100(コンピュータ)を動作させるものであればよい。
【符号の説明】
【0076】
1・・・画像配信システム、10・・・被写体、11−15・・・カメラ、20・・・被写体、21−24・・・カメラ、100・・・表示端末(表示制御装置)、101・・・CPU、102・・・RAM、103・・・ハードディスク、104・・・通信部、105・・・入力装置、106・・・ディスプレイ装置、107・・・GPS受信機、108・・・方位センサ、110・・・制御部、110a・・・位置取得部、110b・・・向き取得部、110c・・・表示制御部、130・・・受信部、140・・・送信部、150・・・操作部、160・・・表示部、160a・・・表示面、170・・・位置検出部、180・・・向き検出部、200・・・画像配信サーバ、201・・・CPU、202・・・RAM、203・・・ハードディスク、204・・・通信部、210・・・画像記録部、215・・・画像取得部、220・・・撮影方向情報・画像対応表、230・・・受信部、240・・・送信部、300・・・ネットワーク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部に画像を表示する表示制御装置であって、
前記表示制御装置の向きを取得し、同じ被写体を異なる撮影方向から撮影した複数の画像を、取得した前記向きの変化に応じて切り替えて前記表示部に表示する制御手段
を備えることを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記向きが所定の基準を満たす場合に、この向きと所定の関係にある方向に対応付けられている、前記被写体以外を撮影した画像を取得して前記表示部に表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記被写体は、前記制御装置の位置に応じて異なる、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項4】
表示端末から送信される前記表示端末の向きを受信する受信手段と、
同じ被写体を異なる方向から撮影した複数の画像と、この複数の画像それぞれについての撮影方向と、がそれぞれ対応付けて記録された対応表を参照し、前記受信手段が受信した前記向きに対応する撮影方向に対応付けられた前記画像を取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段が取得した前記画像を前記表示端末に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする画像配信サーバ。
【請求項5】
表示端末であって、
表示部と、
前記表示端末の向きを取得する向き取得手段と、
前記向き取得手段が取得した前記向きを送信する送信手段と、
前記送信手段が送信した前記向きに応じて異なる画像を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した前記画像を前記表示部に表示する表示制御手段と、
を備え、
前記向きに応じて異なる画像は、同一の被写体を撮影方向から撮影した画像である、
ことを特徴とする表示端末。
【請求項6】
画像配信サーバと、前記画像配信サーバと通信可能な表示端末と、を備える画像配信システムであって、
前記表示端末は、表示部と、前記表示端末の向きを取得する向き取得手段と、前記向き取得手段が取得した前記向きを送信する送信手段と、を備え、
前記画像配信サーバは、前記表示端末から送信される前記表示端末の向きを受信する受信手段と、同じ被写体を異なる方向から撮影した複数の画像と、この複数の画像それぞれについての撮影方向と、がそれぞれ対応付けて記録された対応表を参照し、前記受信手段が受信した前記向きに対応する撮影方向に対応付けられた前記画像を取得する画像取得手段と、前記画像取得手段が取得した前記画像を前記表示端末に送信する送信手段と、を備え、
前記表示端末は、前記送信手段が送信した前記向きに応じて異なる画像を受信する受信手段と、前記受信手段が受信した前記画像を前記表示部に表示する表示制御手段と、をさらに備える、
ことを特徴とする画像配信システム。
【請求項7】
表示部に画像を表示するコンピュータに、
前記表示部の向きを取得し、同じ被写体を異なる撮影方向から撮影した複数の画像を、取得した前記向きの変化に応じて切り替えて前記表示部に表示する制御ステップ、
を行わせることを特徴とするプログラム。
【請求項8】
コンピュータに、
表示端末から送信される前記表示端末の向きを受信する受信ステップと、
同じ被写体を異なる方向から撮影した複数の画像と、この複数の画像それぞれについての撮影方向と、がそれぞれ対応付けて記録された対応表を参照し、前記受信ステップで受信した前記向きに対応する撮影方向に対応付けられた前記画像を取得する画像取得ステップと、
前記画像取得ステップで取得した前記画像を前記表示端末に送信する送信ステップと、
を行わせることを特徴とするプログラム。
【請求項9】
表示部に接続されたコンピュータに、
前記表示部の向きを取得する向き取得ステップと、
前記向き取得ステップで取得した前記向きを送信する送信ステップと、
前記送信ステップで送信した前記向きに応じて異なる画像を受信する受信ステップと、
前記受信ステップで受信した前記画像を前記表示部に表示する表示制御ステップと、
を行わせ、
前記向きに応じて異なる画像は、同一の被写体を異なる位置から撮影した画像である、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項1】
表示部に画像を表示する表示制御装置であって、
前記表示制御装置の向きを取得し、同じ被写体を異なる撮影方向から撮影した複数の画像を、取得した前記向きの変化に応じて切り替えて前記表示部に表示する制御手段
を備えることを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記向きが所定の基準を満たす場合に、この向きと所定の関係にある方向に対応付けられている、前記被写体以外を撮影した画像を取得して前記表示部に表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記被写体は、前記制御装置の位置に応じて異なる、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項4】
表示端末から送信される前記表示端末の向きを受信する受信手段と、
同じ被写体を異なる方向から撮影した複数の画像と、この複数の画像それぞれについての撮影方向と、がそれぞれ対応付けて記録された対応表を参照し、前記受信手段が受信した前記向きに対応する撮影方向に対応付けられた前記画像を取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段が取得した前記画像を前記表示端末に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする画像配信サーバ。
【請求項5】
表示端末であって、
表示部と、
前記表示端末の向きを取得する向き取得手段と、
前記向き取得手段が取得した前記向きを送信する送信手段と、
前記送信手段が送信した前記向きに応じて異なる画像を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した前記画像を前記表示部に表示する表示制御手段と、
を備え、
前記向きに応じて異なる画像は、同一の被写体を撮影方向から撮影した画像である、
ことを特徴とする表示端末。
【請求項6】
画像配信サーバと、前記画像配信サーバと通信可能な表示端末と、を備える画像配信システムであって、
前記表示端末は、表示部と、前記表示端末の向きを取得する向き取得手段と、前記向き取得手段が取得した前記向きを送信する送信手段と、を備え、
前記画像配信サーバは、前記表示端末から送信される前記表示端末の向きを受信する受信手段と、同じ被写体を異なる方向から撮影した複数の画像と、この複数の画像それぞれについての撮影方向と、がそれぞれ対応付けて記録された対応表を参照し、前記受信手段が受信した前記向きに対応する撮影方向に対応付けられた前記画像を取得する画像取得手段と、前記画像取得手段が取得した前記画像を前記表示端末に送信する送信手段と、を備え、
前記表示端末は、前記送信手段が送信した前記向きに応じて異なる画像を受信する受信手段と、前記受信手段が受信した前記画像を前記表示部に表示する表示制御手段と、をさらに備える、
ことを特徴とする画像配信システム。
【請求項7】
表示部に画像を表示するコンピュータに、
前記表示部の向きを取得し、同じ被写体を異なる撮影方向から撮影した複数の画像を、取得した前記向きの変化に応じて切り替えて前記表示部に表示する制御ステップ、
を行わせることを特徴とするプログラム。
【請求項8】
コンピュータに、
表示端末から送信される前記表示端末の向きを受信する受信ステップと、
同じ被写体を異なる方向から撮影した複数の画像と、この複数の画像それぞれについての撮影方向と、がそれぞれ対応付けて記録された対応表を参照し、前記受信ステップで受信した前記向きに対応する撮影方向に対応付けられた前記画像を取得する画像取得ステップと、
前記画像取得ステップで取得した前記画像を前記表示端末に送信する送信ステップと、
を行わせることを特徴とするプログラム。
【請求項9】
表示部に接続されたコンピュータに、
前記表示部の向きを取得する向き取得ステップと、
前記向き取得ステップで取得した前記向きを送信する送信ステップと、
前記送信ステップで送信した前記向きに応じて異なる画像を受信する受信ステップと、
前記受信ステップで受信した前記画像を前記表示部に表示する表示制御ステップと、
を行わせ、
前記向きに応じて異なる画像は、同一の被写体を異なる位置から撮影した画像である、
ことを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−39262(P2012−39262A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−175682(P2010−175682)
【出願日】平成22年8月4日(2010.8.4)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月4日(2010.8.4)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
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