説明

表示制御装置、表示制御方法、及びプログラム

【課題】オブジェクトの立体視表示専用のハードウェアを有しなくても、オブジェクトの立体視表示を従来よりも迅速に行うことが可能な、新規かつ改良された表示制御装置、表示制御方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】表示制御装置10は、右目用オブジェクト画像及び左目用オブジェクト画像に関する情報のスケール補正が省略可能であるかを判定し、スケール補正が省略可能であると判定した場合に、当該情報に基づいて、オブジェクトを立体視表示する制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置、表示制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、オブジェクトを立体視表示する表示制御装置が知られている。この表示制御装置は、まず、オブジェクトに設定された3次元座標に、特許文献1に記載されているような透視変換を行うことで、視認者の右目だけに視認させる右目用オブジェクト画像及び視認者の左目だけに視認させる左目用オブジェクト画像の表示画面上での表示位置を算出する。ついで、表示制御装置は、算出された表示位置及びオブジェクトに設定されたスケール(オブジェクトの幅及び高さ)を補正する。ついで、立体視表示位置は、右目用オブジェクト画像及び左目用オブジェクト画像を、補正された表示位置に、補正されたスケールで表示する。これにより、表示制御装置は、オブジェクトを立体視表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−4683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、表示制御装置は、オブジェクトを立体視表示するために、多くの処理を行う必要がある。したがって、従来の技術には、表示制御装置がオブジェクトの立体視表示専用のハードウェアを有しない場合に、オブジェクトの立体視表示が遅延する可能性があるという問題点があった。表示制御装置がオブジェクトの立体視表示専用のハードウェアを有しない場合としては、例えば、表示制御装置が携帯端末等の小型の装置である場合が考えられる。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、オブジェクトの立体視表示専用のハードウェアを有しなくても、オブジェクトの立体視表示を従来よりも迅速に行うことが可能な、新規かつ改良された表示制御装置、表示制御方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、視認者の右目に観察させる右目用オブジェクト画像及び視認者の左目に観察させる左目用オブジェクト画像に関する情報を取得する情報取得部と、情報取得部により取得された情報のスケール補正が省略可能かを判定する判定部と、スケール補正が省略可能であると判定された場合に、情報取得部が取得した情報に基づいて、オブジェクトを立体視表示する制御を行う表示制御部と、を備える表示制御装置が提供される。
【0007】
ここで、スケール補正の対象には、右目用オブジェクト画像及び左目用オブジェクト画像のスケールが含まれ、判定部は、スケール補正後のスケールがスケール補正前のスケールに対して変化した量である変化量をスケール補正前のスケールで除算した値が許容範囲内である場合に、スケール補正が省略可能であると判定するようにしてもよい。
【0008】
また、判定部は、以下の式(1)が満たされる場合に、スケール補正が省略可能であると判定するようにしてもよい。
【0009】
【数1】

【0010】
ここで、△zは立体視表示されるオブジェクトの右目用オブジェクト画像及び左目用オブジェクト画像が表示される表示画面に対する相対表示位置であり、eは許容範囲の上限値であり、fは視認者の右目または左目から表示画面までの距離である。
【0011】
また、本発明の別の観点によれば、視認者の右目に観察させる右目用オブジェクト画像及び視認者の左目に観察させる左目用オブジェクト画像に関する情報を取得する情報取得部と、情報取得部により取得された情報をスケール補正が省略可能な情報に調整する情報調整部と、情報調整部が調整した情報に基づいて、オブジェクトを立体視表示する制御を行う表示制御部と、を備える表示制御装置が提供される。
【0012】
ここで、スケール補正の対象には、右目用オブジェクト画像及び左目用オブジェクト画像のスケールが含まれ、調整部は、スケール補正後のスケールがスケール補正前のスケールに対して変化した量である変化量をスケール補正前のスケールで除算した値が許容範囲内となるように、情報取得部により取得された情報を調整するようにしてもよい。
【0013】
また、調整部は、以下の式(1)が満たされるように、情報取得部により取得された情報を調整するようにしてもよい。
【0014】
【数2】

【0015】
ここで、△zは立体視表示されるオブジェクトの右目用オブジェクト画像及び左目用オブジェクト画像が表示される表示画面に対する相対表示位置であり、eは許容範囲の上限を示す値であり、fは視認者の右目または左目から前記表示画面までの距離である。
【0016】
また、本発明のさらに別の観点によれば、視認者の右目に観察させる右目用オブジェクト画像及び視認者の左目に観察させる左目用オブジェクト画像に関する情報を取得するステップと、情報を取得するステップにより取得された情報のスケール補正が省略可能であるかを判定するステップと、スケール補正が省略可能であると判定された場合に、情報を取得するステップにより取得された情報に基づいて、オブジェクトを立体視表示する制御を行うステップと、を含む表示制御方法が提供される。
【0017】
また、本発明のさらに別の観点によれば、視認者の右目に観察させる右目用オブジェクト画像及び視認者の左目に観察させる左目用オブジェクト画像に関する情報を取得するステップと、情報を取得するステップにより取得された情報をスケール補正が省略可能な情報に調整するステップと、情報を調整するステップにより調整された情報に基づいて、オブジェクトを立体視表示する制御を行うステップと、を含む表示制御方法が提供される。
【0018】
また、本発明のさらに別の観点によれば、コンピュータに、視認者の右目に観察させる右目用オブジェクト画像及び視認者の左目に観察させる左目用オブジェクト画像に関する情報を取得する情報取得機能と、情報取得機能により取得された情報のスケール補正が省略可能であるかを判定する判定機能と、スケール補正が省略可能であると判定された場合に、情報取得機能が取得した情報に基づいて、オブジェクトを立体視表示する制御を行う表示制御機能と、を実現させる、プログラムが提供される。
【0019】
また、本発明のさらに別の観点によれば、コンピュータに、視認者の右目に観察させる右目用オブジェクト画像及び視認者の左目に観察させる左目用オブジェクト画像に関する情報を取得する情報取得機能と、情報取得機能により取得された情報をスケール補正が省略可能な情報に調整する情報調整機能と、情報調整機能が調整した情報に基づいて、オブジェクトを立体視表示する制御を行う表示制御機能と、を実現させる、プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように本発明によれば、オブジェクトの立体視表示専用のハードウェアを有しなくても、オブジェクトの立体視表示を従来よりも迅速に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る表示制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】透視変換行列の各パラメータを説明するための説明図である。
【図3】第1の実施の形態に係る表示制御装置による処理の手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る表示制御装置の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係る表示制御装置の構成を示すブロック図である。
【図6】情報が調整される様子を示す説明図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係る表示制御装置による処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第4の実施の形態に係る表示制御装置の構成を示すブロック図である。
【図9】表示制御装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0023】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.第1の実施の形態(右目用オブジェクト画像及び左目用オブジェクト画像に関する情報の補正が不要な場合に、これらの情報を補正せずに使用する例)
2.第2の実施の形態(第1の実施の形態において、右目用オブジェクト画像及び左目用オブジェクト画像に関する情報を表示制御装置が外部から取得する例)
3.第3の実施の形態(右目用オブジェクト画像及び左目用オブジェクト画像に関する情報を補正が省略可能な情報に調整する例)
4.第4の実施の形態(第3の実施の形態において、右目用オブジェクト画像及び左目用オブジェクト画像に関する情報を表示制御装置が外部から取得する例)
5.ハードウェア構成
また、本願では、「立体視表示」とは、視認者による立体視が可能となるように表示することを意味する。
【0024】
<1.第1の実施形態>
[表示制御装置10の構成]
まず、図1及び図2に基づいて、表示制御装置10の構成を説明する。表示制御装置10は、記憶部11と、表示位置算出部12と、操作部13と、判定部14と、表示制御部15と、表示部17と、情報取得部18とを備える。表示制御部15は、通常表示制御部15Aと、簡易表示制御部15Bとを備える。
【0025】
記憶部11は、各種オブジェクトの3次元座標及びスケール(幅及び高さ)、視認者の視点(右目及び左目)の位置、表示部16の表示画面19(図2参照)の位置等を含む画像情報を記憶する。3次元座標は、オブジェクトを立体視表示する位置を示す。例えば、z座標は表示画面19に垂直な軸となり、深度を示す。z軸の正方向は、表示画面19から視認者に向かう方向となる。x軸は、表示画面19の長辺に平行な軸となり、y軸は表示画面19の短辺に平行な軸となる。原点の位置は任意であるが、例えば、表示画面19の中心点Cとなる。オブジェクトの幅は、x軸方向の長さであり、オブジェクトの高さは、y軸方向の長さである。オブジェクトの3次元座標は、オブジェクトの頂点ごとに与えられる。例えば、オブジェクトが四角形となる場合には、四角形の4つの頂点ごとに3次元座標が与えられる。
【0026】
表示位置算出部12(情報取得部)は、記憶部11から画像情報を取得し、取得した情報に基づいて、右目用オブジェクト画像及び左目用オブジェクト画像を生成すると共に、右目用オブジェクト画像及び左目用オブジェクト画像の表示画面19上での表示位置を算出する。なお、右目用オブジェクト画像は、視認者の右目だけが観察する画像であり、左目用オブジェクト画像は、視認者の左目だけが観察する画像である。
【0027】
具体的には、表示位置算出部12は、オブジェクトの3次元座標に1次元を加えた4次元座標(x、y、z、1)に、以下の式(2)で示される透視変換行列を乗じ、これにより得られたx座標、y座標を、右目用オブジェクト画像の表示画面19上の表示位置とする。表示位置算出部12は、オブジェクトの頂点が複数ある場合には、頂点ごとに表示位置を算出する。これにより、右目用オブジェクト画像の各頂点の表示位置が算出される。表示位置算出部12は、左目用オブジェクト画像の表示画面19上での表示位置も同様の処理により(すなわち、オブジェクトの3次元座標に1次元を加えた4次元座標(x、y、z、1)と、以下の式(2)とにより)算出する。
【0028】
【数3】

【0029】
ここで、透視変換行列に使用される各パラメータを、図2に基づいて説明する。図2は、視認者の右目RE及び左目LEが表示画面19を観察している様子を示す。右目REの視界R1及び左目LEの視界L1は、表示画面19の全体に届いている。オブジェクトは、近平面200と遠平面300との間に表示される。図2に示すように、fは右目REまたは左目LEから表示画面19までの距離であり、Wは、表示画面19の幅である。Hは、表示画面19の高さであり、pは、右目REから左目LEまでの距離である。fは、右目REまたは左目LEから遠平面300までの距離であり、nは、右目REまたは左目LEから近平面200までの距離である。
【0030】
表示位置算出部12は、生成された右目用オブジェクト画像及び左目用オブジェクト画像と、算出されたこれらの表示位置と、記憶部11から取得された画像情報とを含む情報を情報取得部18に出力する。情報取得部18は、取得した情報を判定部14に出力する。
【0031】
操作部13は、視認者による入力操作が可能となっており、当該入力操作に応じて、制御の内容を指定する情報を生成し、判定部14に出力する。
【0032】
判定部14は、表示位置算出部12から与えられた情報に基づいて、当該情報の補正(スケール補正)が省略可能であるかを判定する。すなわち、判定部14は、右目用オブジェクト画像及び左目用オブジェクト画像の表示画面19上の表示位置と、オブジェクトのスケール、すなわち右目用オブジェクト画像及び左目用オブジェクト画像のスケールとの補正が省略可能であるかを判定する。なお、判定部14は、オブジェクトに頂点が複数ある場合、すべての頂点について判定してもよく、一または複数の頂点を代表点として抽出し、代表点について判定しても良い。また、表示位置及びスケールの補正とは、右目用オブジェクト画像及び左目用オブジェクト画像のx座標、y座標、高さ、幅のそれぞれに、以下の式(3)で表される値を乗じることである。
【0033】
【数4】

【0034】
判定部14は、詳細には、右目用オブジェクト画像及び左目用オブジェクト画像のスケールすなわち高さ及び幅のうち、大きい方を代表スケールとする。そして、判定部14は、補正後の代表スケールが補正前の代表スケールに対して変化した量である変化量を補正前の代表スケールで除算した値が許容範囲内である場合に、補正が省略可能であると判定する。
【0035】
より詳細には、判定部14は、以下の式(4)が満たされる場合(f>>△zとなる場合)に、補正が省略可能であると判定する。
【0036】
【数5】

【0037】
△zは立体視表示されるオブジェクトのz座標(すなわち、立体視表示されるオブジェクト画像の表示画面19に対する相対表示位置)である。eは上記許容範囲の上限を示す値であり、fは視認者の右目REまたは左目LEから表示画面19までの距離である。
【0038】
ここで、上記式(4)の導出過程について説明する。
【0039】
補正前の代表スケールをLとし、補正後の代表スケールをL’とすると、補正後の代表スケールL’は以下の式(4)で表される。
【0040】
【数6】

【0041】
したがって、変化量を補正前の代表スケールLで除算した値は、以下の式(5)で表される。
【0042】
【数7】

【0043】
この値が許容範囲内となるためには、以下の式(6)が満たされる必要がる。
【0044】
【数8】

【0045】
ここで、fは視認者の右目REまたは左目LEから表示画面19までの距離なので、f>△zとなる。したがって、式(6)は、以下のように展開される。
【0046】
【数9】

【0047】
したがって、「補正後の代表スケールが補正前の代表スケールに対して変化した量である変化量を補正前の代表スケールで除算した値が許容範囲内である」ということから、式(4)が導出される。
【0048】
ここで、許容範囲の上限値(境界値)eが小さいほど、補正を省略したときに立体視表示されるオブジェクトのスケールと補正を行ったときに立体視表示されるオブジェクトのスケールとの差が小さくなるので、視認者による違和感を低減するという観点からは望ましい。補正を行う目的の一つは、立体視表示されるオブジェクトのスケールと、オブジェクトの実際のスケールとの差を低減することにあるからである。しかし、上限値eが小さすぎると、補正が省略される情報が少なくなってしまい、立体視表示の処理が遅延してしまう。そこで、許容範囲の上限値eは、これらの事情を考慮して決定され、例えば0.05(=5%)となる。
【0049】
例えば、画素の密度が50ppi(pixel per inch)でx軸方向の解像度が1920pixelの表示画面19を、視認者が120inch(約3m)離れて視認することを想定する。
【0050】
この場合、fは120inch×50ppi=6000pixelとなる。したがって、e=0.05とすると、式(4)は、−315pixel<△z<285pixelとなるので、約5.7inch(約15cm)程度の飛び出し(手前側の立体視表示)または引込み(奥側の立体視表示)の範囲内であれば、補正が省略可能となる。
【0051】
判定部14は、補正が省略可能であると判定する場合には、表示位置算出部12から与えられた情報を簡易表示制御部15Bに出力する。一方、判定部14は、補正が省略可能であると判定しない場合には、表示位置算出部12から与えられた情報を通常表示制御部15Aに出力する。
【0052】
なお、判定部14は、複数の頂点について判定を行った場合には、判定を行ったすべての頂点について、式(4)が満たされる場合に、表示位置算出部12から与えられた情報を簡易表示制御部15Bに出力し、それ以外の場合に、表示位置算出部12から与えられた情報を通常表示制御部15Aに出力してもよい。また、判定部14は、判定を行った頂点のうち、一または複数の頂点を代表点とし、代表点のすべてについて式(4)が満たされる場合に、表示位置算出部12から与えられた情報を簡易表示制御部15Bに出力し、それ以外の場合に、表示位置算出部12から与えられた情報を通常表示制御部15Aに出力してもよい。
【0053】
また、判定部14は、操作部13から、簡易表示制御を指定する旨の情報が与えられた場合には、表示位置算出部12から与えられた情報を簡易表示制御部15Bに出力する。一方、判定部14は、操作部13から、通常表示制御を指定する旨の情報が与えられた場合には、表示位置算出部12から与えられた情報を通常表示制御部15Aに出力する。
【0054】
通常表示制御部15Aは、判定部14から与えられた情報を補正し、補正後の情報に基づいて、右目用オブジェクト画像を視認者の右目REだけに観察させ、左目用オブジェクト画像を視認者の左目LEだけに観察させる制御を行う。これにより、通常表示制御部15Aは、オブジェクトを立体視表示する制御を行う。
【0055】
詳細には、通常表示制御部15Aは、右目用オブジェクト画像の各頂点のx座標、y座標に上記式(3)の値を乗じることで、右目用オブジェクト画像の表示位置を補正する。さらに、通常表示制御部15Aは、オブジェクトの高さ及び幅を右目用オブジェクト画像の高さ及び幅とし、これら高さ及び幅のそれぞれに上記式(3)の値を乗じることで、右目用オブジェクト画像のスケールを補正する。そして、通常表示制御部15Aは、右目用オブジェクト画像を、補正後の表示位置に、補正後のスケールにて表示する制御を行う。通常表示制御部15Aは、左目用オブジェクト画像についても、同様の処理を行う。なお、オブジェクトを立体視表示するための方式は、アクティブシャッター方式、パターニング方式、視差バリア方式、レンチキュラー方式等、どのような方式であってもよい。
【0056】
簡易表示制御部15B(表示制御部)は、判定部14から与えられた情報に基づいて、右目用オブジェクト画像を視認者の右目REだけに観察させ、左目用オブジェクト画像を視認者の左目LEだけに観察させる制御を行う。これにより、通常表示制御部15Aは、オブジェクトを立体視表示する制御を行う。すなわち、簡易表示制御部15Bは、判定部14から与えられた情報を補正せず、これらの情報をそのまま用いることで、オブジェクトを立体視表示する制御を行う。
【0057】
詳細には、簡易表示制御部15Bは、オブジェクトのスケールを右目用オブジェクト画像のスケールとする。そして、簡易表示制御部15Bは、右目用オブジェクト画像を、表示位置算出部12が算出した表示位置に、上記のスケールで表示する制御を行う。簡易表示制御部15Bは、左目用オブジェクト画像についても、同様の処理を行う。なお、オブジェクトを立体視表示するための方式は、アクティブシャッター方式、パターニング方式、視差バリア方式、レンチキュラー方式等、どのような方式であってもよい。
【0058】
表示部16は、通常表示制御部15Aまたは簡易表示制御部15Bによる制御により、左目用オブジェクト画像及び右目用オブジェクト画像を表示画面19に表示する。
【0059】
[表示制御装置による処理の手順]
次に、表示制御装置10による処理の手順を図3に示すフローチャートに沿って説明する。
【0060】
ステップS1において、表示位置算出部12は、記憶部11から画像情報を取得し、取得した情報に基づいて、右目用オブジェクト画像及び左目用オブジェクト画像を生成すると共に、右目用オブジェクト画像及び左目用オブジェクト画像の表示画面19上での表示位置を算出する。表示位置算出部12は、生成された右目用オブジェクト画像及び左目用オブジェクト画像と、算出されたこれらの表示位置と、記憶部11から取得された画像情報とを含む情報を情報取得部18に出力する。情報取得部18は、取得した情報を判定部14に出力する。
【0061】
ステップS2において、判定部14は、操作部13から、通常表示制御を指定する旨の情報が与えられたという条件が満たされるかを判定し、この条件が満たされると判定する場合には、表示位置算出部12から与えられた情報を通常表示制御部15Aに出力し、ステップS6に進む。一方、判定部14は、この条件が満たされると判定しない場合には、ステップS3に進む。
【0062】
ステップS3において、判定部14は、操作部13から、簡易表示制御を指定する旨の情報が与えられたという条件が満たされるかを判定し、この条件が満たされると判定する場合には、表示位置算出部12から与えられた情報を簡易表示制御部15Bに出力し、ステップS5に進む。一方、判定部14は、この条件が満たされると判定しない場合には、ステップS4に進む。
【0063】
ステップS4において、判定部14は、表示位置算出部12から与えられた情報に基づいて、当該情報の補正が省略可能であるか、すなわち、上記式(4)が満たされるかを判定する。判定部14は、式(4)が満たされると判定する場合に、ステップS5に進み、式(4)が満たされると判定しない場合に、ステップS6に進む。
【0064】
ステップS5において、簡易表示制御部15Bは、判定部14から与えられた情報に基づいて、右目用オブジェクト画像を視認者の右目REだけに観察させ、左目用オブジェクト画像を視認者の左目LEだけに観察させる制御を行う。これにより、通常表示制御部15Aは、オブジェクトを立体視表示する制御を行う。すなわち、簡易表示制御部15Bは、判定部14から与えられた情報を補正せず、これらの情報をそのまま用いることで、オブジェクトを立体視表示する制御を行う。
【0065】
ステップS6において、通常表示制御部15Aは、判定部14から与えられた情報を補正し、補正後の情報に基づいて、右目用オブジェクト画像を視認者の右目REだけに観察させ、左目用オブジェクト画像を視認者の左目LEだけに観察させる制御を行う。これにより、通常表示制御部15Aは、オブジェクトを立体視表示する制御を行う。
【0066】
以上により、第1の実施の形態では、表示制御装置10は、所定の条件が満たされる場合に、補正処理を省略することで、オブジェクトの立体視表示に要する処理を簡略化する。これにより、表示制御装置10は、オブジェクトの立体視表示専用のハードウェアを有しなくても、オブジェクトの立体視表示を従来よりも迅速に行うことが可能となる。
【0067】
また、従来は、補正が省略可能な場合、すなわち補正による表示位置及びスケールの変化がわずかであっても、右目用オブジェクト画像及び左目用オブジェクト画像のスケールを補正していた。このため、当該補正により画質が劣化する可能性があった。しかし、表示制御装置10は、補正を省略することで、このような画質の劣化を防止することができる。
【0068】
<2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態及び後述する各実施の形態では、第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
【0069】
[表示制御装置20の構成]
図4は、第2の実施の形態に係る表示制御装置20の構成を示すブロック図である。表示制御装置20は、表示制御装置10から表示位置算出部12及び記憶部11を除いたものである。なお、情報取得部18は、外部の記憶装置100と有線または無線で接続されている。
【0070】
記憶装置100には、右目用オブジェクト画像及び左目用オブジェクト画像と、これらの補正前の表示位置及びスケールと、第1の実施の形態の記憶部11が記憶する画像情報とが記憶されている。
【0071】
情報取得部18は、記憶装置100から上記の情報を取得し、判定部14に出力する。その後の処理は第1の実施の形態と同様である。
【0072】
第2の実施の形態では、表示制御装置20は、右目用オブジェクト画像及び左目用オブジェクト画像の表示位置を計算する必要がないので、オブジェクトの立体視表示に必要な処理が第1の実施の形態よりも簡略化される。なお、第2の実施の形態は、例えば、表示制御装置20が小型の装置であり、この装置に小型の記憶媒体100を挿し込む場合を想定している。以下の第4の実施の形態も同様である。
【0073】
<3.第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態について説明する。図5は、第3の実施の形態に係る表示制御装置30の構成を示すブロック図である。表示制御装置30は、記憶部21と、表示位置算出部22と、判定部23と、情報調整部24と、表示制御部25と、表示部26と、情報取得部28とを備える。
【0074】
記憶部21は、記憶部11と同様の情報を記憶する。表示位置算出部22は、表示位置算出部12と同様の処理を行ない、これにより得られた情報を情報取得部28に出力する。情報取得部28は、取得した情報を判定部23に出力する。
【0075】
判定部23は、表示位置算出部22から与えられた情報に基づいて、上記式(4)が満たされるかを判定し、満たされると判定する場合には、表示位置算出部22から与えられた情報を表示制御部25に出力し、満たされると判定しない場合には、表示位置算出部22から与えられた情報を情報調整部24に出力する。なお、判定部23は、頂点が複数存在する場合には、すべての頂点について式(4)が満たされるかを判定し、満たされると判定する場合には、表示位置算出部22から与えられた情報を表示制御部25に出力し、それ以外の場合に、表示位置算出部22から与えられた情報を情報調整部24に出力するようにしてもよい。また、判定部23は、頂点が複数存在する場合には、一または複数の頂点を代表点として選択してもよい。そして、判定部23は、すべての代表点について式(4)が満たされるかを判定し、満たされると判定する場合には、表示位置算出部22から与えられた情報を表示制御部25に出力し、それ以外の場合に、表示位置算出部22から与えられた情報を情報調整部24に出力するようにしてもよい。
【0076】
情報調整部23は、判定部23から与えられた情報を補正(スケール補正)が省略可能な情報に調整する。詳細には、情報調整部23は、オブジェクトのスケールすなわち高さ及び幅のうち、大きい方を代表スケールとする。そして、判定部14は、補正後の代表スケールが補正前の代表スケールに対して変化した量である変化量を補正前の代表スケールで除算した値が許容範囲内となるように、判定部23から与えられた情報を調整する。
【0077】
より詳細には、情報調整部23は、上記の式(4)が満たされるように、オブジェクトのz座標、すなわち右目用オブジェクト画像及び左目用オブジェクト画像の表示位置を調整する。すなわち、情報調整部23は、オブジェクトのz座標が正の値となる場合、第1の係数、すなわち式(4)の右辺の値を近平面200のz座標で除算した値を、オブジェクトのz座標に乗じる。一方、情報調整部23は、オブジェクトのz座標が負の値となる場合、第2の係数、すなわち式(4)の左辺の値を遠平面300のz座標で除算した値を、オブジェクトのz座標に乗じる。
【0078】
情報調整部23による調整が行われることで、オブジェクトは表示部26の表示画面27により近い位置に立体視表示される。この様子を図6に示す。図6に示されるように、情報調整部23による調整が行われることで、オブジェクト400、401は、より表示画面27に近い位置に立体視表示される。すなわち、情報調整部23による調整が行われることで、オブジェクト400、401が点A及び点Bの範囲内にて立体視表示される。なお、点Aは、式(4)の右辺の値をz座標値とするz軸上の点であり、点Bは、式(4)の左辺の値をz座標値とするz軸上の点である。情報調整部23は、頂点が複数存在する場合には、すべての頂点について調整を行う。情報調整部23は、調整後の情報を表示制御部25に出力する。
【0079】
表示制御部25は、判定部23または表示制御部25から与えられた情報に基づいて、右目用オブジェクト画像を視認者の右目REだけに観察させ、左目用オブジェクト画像を視認者の左目LEだけに観察させる制御を行う。これにより、通常表示制御部15Aは、オブジェクトを立体視表示する制御を行う。
【0080】
詳細には、表示制御部25は、右目用オブジェクト画像を、判定部23または表示制御部25から与えられた情報が示す表示位置に、判定部23または表示制御部25から与えられた情報が示すスケールで表示する制御を行う。簡易表示制御部15Bは、左目用オブジェクト画像についても、同様の処理を行う。なお、オブジェクトを立体視表示するための方式は、アクティブシャッター方式、パターニング方式、視差バリア方式、レンチキュラー方式等、どのような方式であってもよい。
【0081】
表示部26は、通常表示制御部15Aまたは簡易表示制御部15Bによる制御により、左目用オブジェクト画像及び右目用オブジェクト画像を表示画面19に表示する。
【0082】
[表示制御装置による処理の手順]
次に、表示制御装置30による処理の手順を、図7に示すフローチャートに沿って説明する。
【0083】
ステップS10において、表示位置算出部22は、表示位置算出部12と同様の処理を行ない、これにより得られた情報を情報取得部28に出力する。情報取得部28は、取得した情報を判定部23に出力する。
【0084】
ステップS11において、判定部23は、情報の調整が必要かを判定する。具体的には、判定部23は、表示位置算出部22から与えられた情報に基づいて、上記式(4)が満たされるかを判定し、満たされると判定する場合(調整が不要と判定する場合)には、表示位置算出部22から与えられた情報を表示制御部25に出力してステップS13に進み、満たされると判定しない場合(調整が必要と判定する場合)には、表示位置算出部22から与えられた情報を情報調整部24に出力する。
【0085】
ステップS12において、情報調整部23は、判定部23から与えられた情報を補正が省略可能な情報に調整する。ついで、情報調整部23は、調整後の情報を表示制御部25に出力する。
【0086】
ステップS13において、表示制御部25は、判定部23または表示制御部25から与えられた情報に基づいて、右目用オブジェクト画像を視認者の右目REだけに観察させ、左目用オブジェクト画像を視認者の左目LEだけに観察させる制御を行う。これにより、通常表示制御部15Aは、オブジェクトを立体視表示する制御を行う。
【0087】
以上により、第3の実施の形態では、表示制御装置30は、表示位置算出部22が算出した情報を、補正の省略が可能な情報に調整し、この情報に基づいてオブジェクトを立体視表示するので、オブジェクトの立体視表示に要する処理を簡略化することができる。これにより、表示制御装置30は、オブジェクトの立体視表示専用のハードウェアを有しなくても、オブジェクトの立体視表示を従来よりも迅速に行うことが可能となる。
【0088】
<4.第4の実施の形態>
図8は、第4の実施の形態に係る表示制御装置40の構成を示すブロック図である。表示制御装置40は、第3の実施の形態に係る表示制御装置30から、表示位置算出部22及び記憶部21を除いたものである。情報取得部28は、外部の記憶装置100と有線または無線で接続されている。
【0089】
記憶装置100には、右目用オブジェクト画像及び左目用オブジェクト画像と、これらの補正前の表示位置及びスケールと、第1の実施の形態の記憶部11が記憶する画像情報とが記憶されている。
【0090】
情報取得部28は、記憶装置100から上記の情報を取得し、判定部23に出力する。その後の処理は第3の実施の形態と同様である。
【0091】
第4の実施の形態では、表示制御装置40は、右目用オブジェクト画像及び左目用オブジェクト画像の表示位置を計算する必要がないので、オブジェクトの立体視表示を第3の実施の形態よりも迅速に行うことができる。
【0092】
<5.ハードウェア構成>
次に、図9を参照しながら、本発明の実施形態に係る表示制御装置10〜40のハードウェア構成について、詳細に説明する。図9は、本発明の実施形態に係る表示制御装置10〜40のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
【0093】
表示制御装置10〜40は、主に、CPU901と、ROM903と、RAM905と、を備える。また、表示制御装置10〜40は、更に、ホストバス907と、ブリッジ909と、外部バス911と、インターフェース913と、入力装置915と、出力装置917と、ストレージ装置919と、ドライブ921と、接続ポート923と、通信装置925とを備える。
【0094】
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、ROM903、RAM905、ストレージ装置919、またはリムーバブル記録媒体927に記録された各種プログラムに従って、表示制御装置10〜40内の動作全般またはその一部を制御する。ROM903は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する。RAM905は、CPU901が使用するプログラムや、プログラムの実行において適宜変化するパラメータ等を一次記憶する。これらはCPUバス等の内部バスにより構成されるホストバス907により相互に接続されている。
【0095】
ホストバス907は、ブリッジ909を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス911に接続されている。
【0096】
入力装置915は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチおよびレバーなどユーザが操作する操作手段である。また、入力装置915は、例えば、赤外線やその他の電波を利用したリモートコントロール手段(いわゆる、リモコン)であってもよいし、表示制御装置10〜40の操作に対応した携帯電話やPDA等の外部接続機器929であってもよい。さらに、入力装置915は、例えば、上記の操作手段を用いてユーザにより入力された情報に基づいて入力信号を生成し、CPU901に出力する入力制御回路などから構成されている。表示制御装置10〜40のユーザは、この入力装置915を操作することにより、表示制御装置10〜40に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
【0097】
出力装置917は、取得した情報をユーザに対して視覚的または聴覚的に通知することが可能な装置で構成される。このような装置として、CRTディスプレイ装置、液晶ディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置、ELディスプレイ装置およびランプなどの表示装置や、スピーカおよびヘッドホンなどの音声出力装置や、プリンタ装置、携帯電話、ファクシミリなどがある。出力装置917は、例えば、表示制御装置10〜40が行った各種処理により得られた結果を出力する。具体的には、表示装置は、表示制御装置10〜40が行った各種処理により得られた結果を、テキストまたはイメージで表示する。他方、音声出力装置は、再生された音声データや音響データ等からなるオーディオ信号をアナログ信号に変換して出力する。
【0098】
ストレージ装置919は、表示制御装置10〜40の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置919は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)等の磁気記憶部デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、または光磁気記憶デバイス等により構成される。このストレージ装置919は、CPU901が実行するプログラムや各種データ、および外部から取得した音響信号データや画像信号データなどを格納する。
【0099】
ドライブ921は、記録媒体用リーダライタであり、表示制御装置10〜40に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ921は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体927に記録されている情報を読み出して、RAM905に出力する。また、ドライブ921は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体927に記録を書き込むことも可能である。リムーバブル記録媒体927は、例えば、DVDメディア、HD−DVDメディア、Blu−rayメディア等である。また、リムーバブル記録媒体927は、コンパクトフラッシュ(登録商標)(CompactFlash:CF)、フラッシュメモリ、または、SDメモリカード(Secure Digital memory card)等であってもよい。また、リムーバブル記録媒体927は、例えば、非接触型ICチップを搭載したICカード(Integrated Circuit card)または電子機器等であってもよい。
【0100】
接続ポート923は、機器を表示制御装置10〜40に直接接続するためのポートである。接続ポート923の一例として、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)ポート等がある。接続ポート923の別の例として、RS−232Cポート、光オーディオ端子、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)ポート等がある。この接続ポート923に外部接続機器929を接続することで、表示制御装置10〜40は、外部接続機器929から直接音響信号データや画像信号データを取得したり、外部接続機器929に音響信号データや画像信号データを提供したりする。
【0101】
通信装置925は、例えば、通信網931に接続するための通信デバイス等で構成された通信インターフェースである。通信装置925は、例えば、有線または無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、またはWUSB(Wireless USB)用の通信カード等である。また、通信装置925は、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ、または、各種通信用のモデム等であってもよい。この通信装置925は、例えば、インターネットや他の通信機器との間で、例えばTCP/IP等の所定のプロトコルに則して信号等を送受信することができる。また、通信装置925に接続される通信網931は、有線または無線によって接続されたネットワーク等により構成され、例えば、インターネット、家庭内LAN、赤外線通信、ラジオ波通信または衛星通信等であってもよい。
【0102】
以上、本発明の実施形態に係る表示制御装置10〜40の機能を実現可能なハードウェア構成の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用するハードウェア構成を変更することが可能である。
【0103】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。例えば、表示制御装置10〜40は、携帯端末等の小型の装置であってもよい。
【0104】
例えば、第2、第4の実施の形態において、記憶装置100を外部の構成としたが、内部の構成としても良い。また、簡易表示制御部15Bは、判定部14から与えられた情報の一部を補正しても良い。例えば、簡易表示制御部15Bは、右目用オブジェクト画像及び左目用オブジェクト画像の表示位置及びスケールのうち、スケールのみを補正しても良い。この場合であっても、表示制御装置10は、オブジェクトの立体視表示を従来よりも迅速に行うことができる。
【0105】
本発明は、オブジェクトを立体視表示する装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0106】
10 表示制御装置
11 記憶部
12 表示位置算出部
13 操作部
14 判定部
15 通常表示制御部
16 簡易表示制御部
17 表示部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
視認者の右目に観察させる右目用オブジェクト画像及び視認者の左目に観察させる左目用オブジェクト画像に関する情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部により取得された情報のスケール補正が省略可能かを判定する判定部と、
前記スケール補正が省略可能であると判定された場合に、前記情報取得部が取得した情報に基づいて、オブジェクトを立体視表示する制御を行う表示制御部と、を備える表示制御装置。
【請求項2】
前記判定部は、スケール補正後の前記スケールがスケール補正前の前記スケールに対して変化した量である変化量をスケール補正前の前記スケールで除算した値が許容範囲内である場合に、前記スケール補正が省略可能であると判定する、請求項1記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記判定部は、以下の式(1)が満たされる場合に、前記スケール補正が省略可能であると判定する、請求項2記載の表示制御装置。
【数1】

ここで、△zは立体視表示されるオブジェクトの前記右目用オブジェクト画像及び前記左目用オブジェクト画像が表示される表示画面に対する相対表示位置であり、eは前記許容範囲の境界値であり、fは視認者の右目または左目から前記表示画面までの距離である。
【請求項4】
視認者の右目に観察させる右目用オブジェクト画像及び視認者の左目に観察させる左目用オブジェクト画像に関する情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部により取得された情報をスケール補正が省略可能な情報に調整する情報調整部と、
前記情報調整部が調整した情報に基づいて、オブジェクトを立体視表示する制御を行う表示制御部と、を備える表示制御装置。
【請求項5】
前記調整部は、スケール補正後の前記スケールがスケール補正前の前記スケールに対して変化した量である変化量をスケール補正前の前記スケールで除算した値が許容範囲内となるように、前記情報取得部により取得された情報を調整する、請求項4記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記調整部は、以下の式(1)が満たされるように、前記情報取得部により取得された情報を調整する、請求項5記載の表示制御装置。
【数2】

ここで、△zは立体視表示されるオブジェクトの前記右目用オブジェクト画像及び前記左目用オブジェクト画像が表示される表示画面に対する相対表示位置であり、eは前記許容範囲の境界値であり、fは視認者の右目または左目から前記表示画面までの距離である。
【請求項7】
視認者の右目に観察させる右目用オブジェクト画像及び視認者の左目に観察させる左目用オブジェクト画像に関する情報を取得するステップと、
前記情報を取得するステップにより取得された情報のスケール補正が省略可能であるかを判定するステップと、
前記スケール補正が省略可能であると判定された場合に、前記情報を取得するステップにより取得された情報に基づいて、オブジェクトを立体視表示する制御を行うステップと、を含む表示制御方法。
【請求項8】
視認者の右目に観察させる右目用オブジェクト画像及び視認者の左目に観察させる左目用オブジェクト画像に関する情報を取得するステップと、
前記情報を取得するステップにより取得された情報をスケール補正が省略可能な情報に調整する情報調整ステップと、
前記情報を調整するステップにより調整された情報に基づいて、オブジェクトを立体視表示する制御を行う表示制御ステップと、を含む表示制御方法。
【請求項9】
コンピュータに、
視認者の右目に観察させる右目用オブジェクト画像及び視認者の左目に観察させる左目用オブジェクト画像に関する情報を取得する情報取得機能と、
前記情報取得機能により取得された情報のスケール補正が省略可能であるかを判定する判定機能と、
前記スケール補正が省略可能であると判定された場合に、前記情報取得機能が取得した情報に基づいて、オブジェクトを立体視表示する制御を行う表示制御機能と、を実現させる、プログラム。
【請求項10】
コンピュータに、
視認者の右目に観察させる右目用オブジェクト画像及び視認者の左目に観察させる左目用オブジェクト画像に関する情報を取得する情報取得機能と、
前記情報取得機能により取得された情報をスケール補正が省略可能な情報に調整する情報調整機能と、
前記情報調整機能が調整した情報に基づいて、オブジェクトを立体視表示する制御を行う表示制御機能と、を実現させる、プログラム。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−60318(P2012−60318A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−200153(P2010−200153)
【出願日】平成22年9月7日(2010.9.7)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】