表示制御装置および表示制御方法
【課題】鑑賞者が表示装置上に表示された絵画を鑑賞する場合に、実物の絵画を絵画固有の最適鑑賞距離から鑑賞した場合に近い見え方で鑑賞することを可能とする表示制御装置を提供する。
【解決手段】表示制御装置101が、絵画データに予め付加されている絵画のサイズと絵画に対応する最適鑑賞距離とを取得する。表示制御装置101が、絵画のサイズと最適鑑賞距離と絵画の表示サイズとに基づいて、絵画のサイズと最適鑑賞距離との関係が表示サイズと鑑賞距離との関係に等しくなる鑑賞距離を推奨鑑賞距離として算出する。そして、表示制御装置101が、算出した推奨鑑賞距離をユーザに通知する。
【解決手段】表示制御装置101が、絵画データに予め付加されている絵画のサイズと絵画に対応する最適鑑賞距離とを取得する。表示制御装置101が、絵画のサイズと最適鑑賞距離と絵画の表示サイズとに基づいて、絵画のサイズと最適鑑賞距離との関係が表示サイズと鑑賞距離との関係に等しくなる鑑賞距離を推奨鑑賞距離として算出する。そして、表示制御装置101が、算出した推奨鑑賞距離をユーザに通知する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置および表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子美術館や家庭において、鑑賞者が、デジタル映像化した絵画をディスプレイ等を備えた表示制御装置を用いて鑑賞するケースが増えている。鑑賞者が絵画を表示制御装置を用いて鑑賞する場合、絵画のサイズは作品によって様々である。多くの場合、絵画のサイズはディスプレイのサイズと一致しない。従って、表示制御装置は、絵画データを拡大又は縮小してディスプレイ上に表示することが多い。
【0003】
一方、絵画は、作者の意図に従った最適な鑑賞距離(最適鑑賞距離)を有する。最適鑑賞距離は、絵画に固有の固有鑑賞距離である。各々の絵画に対応する最適鑑賞距離は、作品によって様々である。鑑賞者が、絵画に対応する最適鑑賞距離から鑑賞しないと、作者の意図したものが見えない場合もある。従って、鑑賞者が、ディスプレイ上で、作者の意図を再現した一番好ましい状態で鑑賞できるようにするために、絵画データに最適鑑賞距離の情報を予め付加することが考えられる。
【0004】
しかし、ディスプレイ上での絵画鑑賞における最適な鑑賞距離は、作品と表示サイズによって異なるため、ディスプレイの大きさに応じて一意に決まるものではない。また、絵画が切り替わる度に最適な鑑賞距離も変わることになるため、鑑賞者はどの鑑賞距離から鑑賞したら良いかわからないという問題がある。すなわち、ディスプレイ上での絵画鑑賞において、実物の絵画を最適鑑賞距離から鑑賞した状態と同等の状態を再現することが求められる。
【0005】
特許文献1は、画面サイズと映像の解像度に応じて、視聴制限を行う距離を変化させる映像表示装置を開示している。また、特許文献2は、映像の解像度が切り替わった場合に、解像度の変化量と視聴距離に応じて、映像信号をスケーリングして映像を表示する表示制御装置を開示している。また、特許文献3は、画面サイズに基づいて最適視聴距離を算出すると共に、表示装置に表示させた際に撮像時と同一の視野となる画像サイズを算出し、算出した画像サイズに基づいて撮像画像を切り出して表示装置に出力する画像表示装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−042353号公報
【特許文献2】特開2008−085461号公報
【特許文献3】特開2009−103908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上述した特許文献1乃至3が開示するいずれの技術も、絵画のサイズと絵画固有の最適鑑賞距離との関係が表示サイズと鑑賞距離との関係に等しくなる鑑賞距離を算出していない。また、上述した特許文献1乃至3のいずれの技術も、絵画のサイズと最適鑑賞距離との関係が鑑賞距離と表示サイズとの関係に等しくなる表示サイズを算出していない。従って、特許文献1乃至3が開示するいずれの技術によっても、鑑賞者が表示装置上に表示された絵画を鑑賞する場合に、実物の絵画を絵画固有の最適鑑賞距離から鑑賞した場合と同等の見え方で鑑賞することができない。
【0008】
本発明は、鑑賞者が表示装置上に表示された絵画を鑑賞する場合に、実物の絵画を絵画固有の最適鑑賞距離から鑑賞した場合に近い見え方で鑑賞することを可能とする表示制御装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態の表示制御装置は、絵画データに予め付加されている絵画のサイズと前記絵画に対応する固有鑑賞距離とを取得する取得手段と、表示装置が表示する前記絵画の表示サイズを管理する表示サイズ管理手段と、前記取得手段が取得した前記絵画のサイズと前記固有鑑賞距離と、前記表示サイズ管理手段が管理する前記絵画の表示サイズとに基づいて、前記表示装置によって表示される前記絵画を鑑賞者が鑑賞する時の推奨鑑賞距離を算出する鑑賞距離算出手段と、前記推奨鑑賞距離を通知する通知手段とを備える。前記鑑賞距離算出手段は、前記絵画のサイズと前記固有鑑賞距離との関係が前記表示サイズと鑑賞距離との関係に等しくなる鑑賞距離を前記推奨鑑賞距離として算出する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、鑑賞者が表示装置上に表示された絵画を鑑賞する場合に、実物の絵画を絵画固有の最適鑑賞距離から鑑賞した場合に近い見え方で鑑賞することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例1の表示制御装置の構成を示す図である。
【図2】絵画データ記憶部が記憶する絵画データの例を示す図である。
【図3】推奨鑑賞距離の通知方法の例を説明する図である。
【図4】実施例1の表示制御装置の動作処理例である。
【図5】実施例1における推奨鑑賞距離の具体的算出例を示す図である。
【図6】実施例2の表示制御装置の構成を示す図である。
【図7】実施例2における鑑賞距離の具体的算出例を示す図である。
【図8】実施例3の表示制御装置の構成を示す図である。
【図9】実施例4の表示制御装置の構成を示す図である。
【図10】実施例4の表示制御装置の動作処理例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明の実施例1の表示制御装置の構成を示す図である。図1(A)は、表示制御装置101の全体構成を示す。表示制御装置101は、表示制御部102、絵画データ取り込み部103、絵画データ管理部104、スケーリング処理部105、画面サイズ取得部106を備える。また、表示制御装置101は、表示部107、鑑賞距離算出部108、鑑賞距離通知部109、表示サイズ管理部110を備える。
【0013】
表示制御部102は、ユーザ(例えば、鑑賞者)の指示、または予め設定された表示スケジュールに従って、表示する絵画データを決定し、絵画データの表示を制御する。表示制御部102は、表示する絵画を選択し、スケーリング処理部105に対して、この絵画の表示を指示する。表示制御部102は、例えば、表示する絵画を特定する情報(例えば、絵画ID)をスケーリング処理部105に対して通知する。また、表示制御部102は、鑑賞距離算出部108に対して、表示する絵画を特定する情報(例えば、絵画ID)を通知し、推奨鑑賞距離の算出を指示する。
【0014】
絵画データ取り込み部103は、絵画データを取り込む。絵画データ取り込み部103は、USBメモリ等の記憶媒体から絵画データを取り込んでもよいし、絵画サーバ等からネットワーク経由で絵画データを取り込んでもよい。絵画データ管理部104は、絵画データ取り込み部103が取り込んだ絵画データを管理する。
【0015】
図1(B)は、絵画データ管理部の構成例を示す図である。絵画データ管理部104は、絵画データ解析部201、絵画データ記憶部202、描画データ取得部203、絵画サイズ取得部204、最適鑑賞距離取得部205を備える。
【0016】
絵画データ解析部201は、絵画データ取り込み部103が取り込んだ絵画データに予め付加されたメタデータの解析を行う。メタデータは、少なくとも当該絵画データに対応する絵画の最適鑑賞距離を含んでいる。最適鑑賞距離は、当該絵画に固有の鑑賞距離(固有鑑賞距離)である。絵画データ解析部201は、メタデータの解析後の絵画データ(描画データとメタデータ)を絵画データ記憶部202に送信する。絵画データ記憶部202は、絵画データ解析部201から受け取った絵画データを記憶する。
【0017】
図2は、絵画データ記憶部が記憶する絵画データの例を示す図である。図2(A)は、絵画の例を示す。また、図2(B)は、図2(A)に示す絵画に対応する絵画データの例を示す。図2(B)に示す絵画データは、絵画ID、作品名、作者名、制作年、絵画サイズ、最適鑑賞距離等を含む。
【0018】
絵画IDは、絵画データの識別情報である。作品名は、絵画データに対応する絵画の作品名である。制作年は、当該絵画の制作年である。絵画サイズは、当該絵画のサイズ(実物の絵画のサイズ)である。絵画サイズは、横方向の絵画サイズ:PW(cm)と、縦方向の絵画サイズ:PH(cm)とを有する。最適鑑賞距離:BL(cm)は、当該絵画固有の最適な鑑賞距離である。
【0019】
図1(B)に戻って、描画データ取得部203は、スケーリング処理部105からの指示に従って、絵画データ記憶部202から、指定された絵画の描画データを取得し、スケーリング処理部105に送信する。絵画サイズ取得部204は、鑑賞距離算出部108からの指示に従って、絵画データ記憶部202から、指定された絵画の絵画サイズを取得し、鑑賞距離算出部108に送信する。最適鑑賞距離取得部205は、鑑賞距離算出部108からの指示に従って、絵画データ記憶部202から、指定された絵画の最適鑑賞距離を取得し、鑑賞距離算出部108に送信する。
【0020】
図1(A)に戻って、画面サイズ取得部106は、表示装置111から表示装置111の画面サイズを取得する。例えば、画面サイズ取得部106は、表示装置111からHDMIのEDIDを用いて、画面サイズを自動取得する。HDMIは、High−Definition Multimedia Interfaceの略称である。また、EDIDは、Extended Display Identification Dataの略称である。画面サイズ取得部106が、予め画面サイズを記憶してもよい。画面サイズは、横方向の画面サイズ:MW(cm)、縦方向の画面サイズ:MH(cm)を有する。
【0021】
表示サイズ管理部110は、絵画データの表示サイズを管理する。具体的には、表示サイズ管理部110は、画面サイズ取得部106から画面サイズを取得して表示サイズとして管理し、スケーリング処理部105に渡す。スケーリング処理部105は、表示制御部102の指示に従って、絵画データ管理部104から絵画の描画データを取得する。また、スケーリング処理部105は、表示サイズ管理部110から表示装置111の画面サイズを取得する。なお、スケーリング処理部105が、画面サイズ取得部106から直接画面サイズを取得するようにしてもよい。
【0022】
スケーリング処理部105は、取得した画面サイズに合わせて描画データのスケーリング処理を行い、表示部107に送信する。表示部107は、表示装置111に対して描画データの表示を指示し、表示装置111が、絵画を表示する。表示装置111が、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等のディスプレイデバイスでもよいし、液晶プロジェクタ等の表示デバイスでもよい。
【0023】
鑑賞距離算出部108は、表示制御部102からの指示に従って、絵画データ管理部104から、絵画データに予め付加されている絵画サイズと絵画に対応する最適鑑賞距離とを取得する取得手段として機能する。また、鑑賞距離算出部108は、表示サイズ取得部106から画面サイズを取得する。なお、鑑賞距離算出部108が、画面サイズ取得部106から直接画面サイズを取得するようにしてもよい。
【0024】
鑑賞距離算出部108は、絵画サイズと最適鑑賞距離と画面サイズとに基づいて、推奨鑑賞距離を算出する。推奨鑑賞距離は、表示装置111によって表示される絵画を鑑賞者が鑑賞する時の鑑賞距離(表示装置の表示画面と鑑賞者との間の距離)である。具体的には、鑑賞距離算出部108は、絵画サイズと最適鑑賞距離との関係が画面サイズと鑑賞距離との関係に等しくなる鑑賞距離を推奨鑑賞距離として算出する。鑑賞距離通知部109は、鑑賞距離算出部108が算出した推奨鑑賞距離をユーザに通知する。鑑賞距離通知部109が、ユーザに、推奨鑑賞距離に応じた位置を通知するようにしてもよい。
【0025】
図3は、推奨鑑賞距離の通知方法の例を説明する図である。図3に示す例では、鑑賞距離通知部109は、絵画を表示している表示装置111から推奨鑑賞距離だけ離れた位置の床面を推奨鑑賞位置としてライト21で照らす。これにより、ユーザ20が当該絵画を鑑賞する時に推奨される立ち位置を知ることができる。鑑賞距離通知部109が、図3を参照して説明した通知方法以外の任意の通知方法でユーザに推奨鑑賞距離を通知するようにしてもよい。例えば、鑑賞距離通知部109が、表示画像や音声で推奨鑑賞距離を表示したり、推奨鑑賞位置まで誘導したりしてもよい。
【0026】
図4は、実施例1の表示制御装置の動作処理を説明するフローチャートの例である。まず、表示制御部102が、表示する絵画を選択して、鑑賞距離算出部108に通知する(ステップS1)。具体的には、表示制御部102は、選択した絵画の絵画IDを鑑賞距離算出部108に通知する。
【0027】
次に、鑑賞距離算出部108が、表示サイズ管理部110から表示装置111の画面サイズを取得する(ステップS2)。また、鑑賞距離算出部108は、表示制御部102から通知された絵画の絵画サイズを絵画データ管理部104から取得する(ステップS3)。具体的には、鑑賞距離算出部108は、通知された絵画の絵画IDに対応する絵画サイズの取得を絵画データ管理部104の絵画サイズ取得部204に要求する。絵画サイズ取得部204は、絵画データ記憶部202から上記絵画IDに対応する絵画サイズを取得して、鑑賞距離算出部108に渡す。
【0028】
また、鑑賞距離算出部108が、表示制御部102から通知された絵画の最適鑑賞距離を絵画データ管理部104から取得する(ステップS4)。具体的には、鑑賞距離算出部108は、通知された絵画の絵画IDに対応する絵画サイズの取得を絵画データ管理部104の最適鑑賞距離取得部205に要求する。最適鑑賞距離取得部205は、絵画データ記憶部202から上記絵画IDに対応する最適鑑賞距離を取得して、鑑賞距離算出部108に渡す。
【0029】
次に、鑑賞距離算出部108が、ステップS2で取得した画面サイズと、ステップS3で取得した絵画サイズと、ステップS4で取得した絵画の最適鑑賞距離とに基づいて、推奨鑑賞距離を算出する(ステップS5)。
【0030】
ステップS5における推奨鑑賞距離の算出例について、以下に具体的に説明する。この例において、横方向の画面サイズをMW、縦方向の画面サイズをMHと記述する。また、横方向の絵画サイズをPW、縦方向の絵画サイズをPHと記述する。また、最適鑑賞距離をBL、推奨鑑賞距離をRLとも記述する。
【0031】
鑑賞距離算出部108は、絵画サイズと最適鑑賞距離の関係(比率)と、画面サイズと推奨鑑賞距離の関係とが同等になるような推奨鑑賞距離を算出する。具体的には、鑑賞距離算出部108は、以下の式1に基づいて、推奨鑑賞距離RLを算出する。
PW:BL=MW:RL
RL=(MW/PW)×BL・・・式1
【0032】
鑑賞距離算出部108は、以下の式2に基づいて、推奨鑑賞距離RLを算出するようにしてもよい。
PH:BL=MH:RL
RL=(MH/PH)×BL・・・式2
【0033】
図5は、実施例1における推奨鑑賞距離の具体的算出例を示す図である。図5(A)は、絵画Aと最適鑑賞距離との関係の例を示す。取得された絵画AのPW=300(cm),PH=200(cm)である。また、取得された絵画Aの最適鑑賞距離:BL=400(cm)である。
【0034】
ここで、取得された横方向の画面サイズ:MW=150(cm)、縦方向の画面サイズ:MH=100(cm)とする。鑑賞距離算出部108は、例えば、上述した式2に基づいて、以下のように推奨鑑賞距離RLを算出する。
RL=(100/200)×400=200(cm)
【0035】
図5(B)は、画面サイズと推奨鑑賞距離RLとの関係の例を示す。絵画Aを表示する表示装置の横方向の画面サイズMWが150(cm)、縦方向の画面サイズがMH=100(cm)である場合、図5(A)を参照して説明したように、推奨鑑賞距離RLは、200(cm)である。
【0036】
本実施例では、スケーリング処理部105が、画面サイズが実物の絵画サイズよりも小さい場合に、絵画データを画面サイズに合わせてスケーリング(縮小)する。しかし、画面サイズが絵画サイズよりも大きい場合は、必ずしも画面サイズに合わせてスケーリング(拡大)して表示する必要はない。
【0037】
例えば、画面サイズが絵画サイズよりも大きい場合、表示サイズ管理部110が、絵画サイズと同等の表示サイズを決定し、スケーリング処理部105が、この表示サイズで絵画を表示するように表示部107に指示するようにしてもよい。絵画サイズと同等の表示サイズは、例えば絵画サイズと等しいサイズであってもよいし、絵画サイズから任意のサイズだけ大きいサイズであってもよい。この場合の推奨鑑賞距離の算出は、例えば以下のようにして行われる。鑑賞距離算出部108は、表示サイズ管理部110から上記絵画サイズと同等の表示サイズを取得する。鑑賞距離算出部108は、取得した表示サイズが有する横方向のサイズをMW,縦方向のサイズをMHとし、上述した式1または式2を用いて、推奨鑑賞距離RLを算出する。このように絵画サイズと同等の大きさの表示サイズを用いて算出される推奨鑑賞距離RLは、最適鑑賞距離と等しくなる。
【0038】
また、図5に示す例では、絵画サイズの縦横の比率と、画面サイズの縦横の比率が等しいが、比率が異なる場合には、例えば、表示サイズ管理部110が、縦方向または横方向に余白ができるような表示サイズを決定する。鑑賞距離算出部108は、この表示サイズが有する横方向のサイズをMW,縦方向のサイズをMHとし、上述した式1または式2を用いて、推奨鑑賞距離RLを算出する。なお、ユーザが、表示サイズを設定し、鑑賞距離算出部108が、上記設定された表示サイズを用いて推奨鑑賞距離RLを算出するようにしてもよい。また、ユーザが、絵画サイズまたは最適鑑賞距離を設定し、鑑賞距離算出部108が、上記設定された絵画サイズまたは最適鑑賞距離を用いて推奨鑑賞距離RLを算出するようにしてもよい。
【0039】
また、絵画データに最適鑑賞距離が複数付加されている場合に、鑑賞距離算出部108が、当該絵画データに付加されている複数の最適鑑賞距離を用いて複数の推奨鑑賞距離を算出するようにしてもよい。
【0040】
図4に戻って、鑑賞距離通知部109が、ステップS5において算出された推奨鑑賞距離をユーザに通知する(ステップS6)。鑑賞距離算出部108が、複数の推奨鑑賞距離を算出した場合に、鑑賞距離通知部109が、算出された複数の推奨鑑賞距離または当該複数の推奨鑑賞距離から選択した推奨鑑賞距離をユーザに通知するようにしてもよい。そして、表示制御部102が、表示する絵画が切り換わるかを判断する(ステップS7)。表示する絵画が切り替わる場合は、ステップS3に戻る。表示する絵画が切り換わらない場合は、ステップS8に進む。
【0041】
ステップS8において、表示制御部102が、絵画の表示処理を終了するかを判断する(ステップS8)。表示制御部102が、絵画の表示処理を終了しないと判断した場合は、ステップS7に進む。表示制御部102が、絵画の表示処理を終了すると判断した場合は、処理を終了する。
【0042】
実施例1の表示制御装置は、絵画サイズと最適鑑賞距離の関係と、画面サイズと推奨鑑賞距離の関係とが同等になるような推奨鑑賞距離を算出し、ユーザに通知する。従って、実施例1の表示制御装置によれば、鑑賞者が表示装置上に表示された絵画を鑑賞する場合に、実物の絵画を絵画固有の最適鑑賞距離から鑑賞した場合に近い見え方で鑑賞することが可能となる。
【0043】
図6は、実施例2の表示制御装置の構成を示す図である。表示制御装置301は、表示制御部102、絵画データ取り込み部103、絵画データ管理部104、スケーリング処理部105、表示部107、入力部112、鑑賞距離記憶部113、表示サイズ管理部114を備える。表示制御装置301が備える処理部のうち、図1(A)に示す表示制御装置101が備える処理部と同じ符号が付けられたものは、表示制御装置101が備える処理部と同様である。
【0044】
本実施例では、ユーザが、絵画鑑賞を行うための表示装置111を設置する際に、設置する部屋の大きさや障害物等を考慮して、予め、絵画を鑑賞する鑑賞者の立ち位置を決定しているものとする。ユーザは、表示装置111と鑑賞者との間の距離を鑑賞距離として入力する操作を行う。入力部112は、鑑賞距離入力手段として機能し、ユーザの操作に従って、鑑賞距離を入力する。鑑賞距離記憶部113は、入力部112が入力した鑑賞距離を記憶する。
【0045】
表示サイズ管理部114は、表示制御部102の制御に従って、スケーリング処理部105から表示対象の絵画の絵画IDを取得する。表示サイズ管理部114は、絵画データ管理部104から、上記絵画IDに対応する絵画サイズと最適鑑賞距離とを取得する。また、表示サイズ管理部114は、鑑賞距離記憶部113から鑑賞距離を取得する。
【0046】
表示サイズ管理部114は、絵画データ管理部104から取得した絵画サイズと最適鑑賞距離と、鑑賞距離記憶部113から取得した鑑賞距離とに基づいて、表示装置111が表示する絵画の表示サイズを算出する表示サイズ算出手段として機能する。具体的には、表示サイズ管理部114は、絵画サイズと最適鑑賞距離との関係が、鑑賞距離と表示サイズとの関係に等しくなる表示サイズを算出する。表示サイズ管理部114は、算出した表示サイズをスケーリング処理部105に通知する。
【0047】
スケーリング処理部105は、絵画データ管理部104から表示対象の絵画の描画データを取得する。スケーリング処理部105は、表示サイズ管理部114から通知された表示サイズになるように、上記取得した描画データのスケーリングを行い、表示部107を介して、表示装置111に絵画を表示する。
【0048】
以下に、表示サイズ管理部114による表示サイズの算出例について説明する。この例において、横方向の表示サイズをMW、縦方向の表示サイズをMHと記述する。また、横方向の絵画サイズをPW、縦方向の絵画サイズをPHと記述する。また、最適鑑賞距離をBLと記述する。また、表示サイズ管理部114が鑑賞距離記憶部113から取得する鑑賞距離をWLとも記述する。
【0049】
表示サイズ管理部114は、絵画サイズと最適鑑賞距離の関係(比率)と、表示サイズと鑑賞距離の関係とが同等になるような表示サイズを算出する。具体的には、表示サイズ管理部114は、以下の式3に基づいて、MWを算出する。
PW:BL=MW:WL
MW=(WL/BL)×PW・・・式3
【0050】
また、表示サイズ管理部114は、以下の式4に基づいて、MHを算出する。
PH:BL=MH:WL
MH=(WL/BL)×PH・・・式4
【0051】
図7は、実施例2における鑑賞距離の具体的算出例を示す図である。図7(A)は、絵画Aと最適鑑賞距離との関係の例を示す。取得された絵画AのPW=300(cm),PH=200(cm)である。また、取得された絵画Aの最適鑑賞距離:BL=400(cm)である。ここで、表示サイズ管理部114が鑑賞距離記憶部113から取得した鑑賞距離:WL=100(cm)とする。
【0052】
表示サイズ管理部114は、上述した式3に基づいて、以下のように横方向の表示サイズMWを算出する。
MW=(100/400)×300=75(cm)
【0053】
また、表示サイズ管理部114は、上述した式4に基づいて、以下のように縦方向の表示サイズMHを算出する。
MH=(100/400)×200=50(cm)
【0054】
図7(B)は、鑑賞距離と算出された表示サイズとの関係の例を示す。図7(A)を参照して説明したように、表示サイズ管理部114は、絵画Aの表示サイズとして、MW=75(cm)とMH=50(cm)を算出する。表示装置111は、算出された表示サイズで絵画Aを表示する。
【0055】
なお、表示サイズ管理部114が算出した表示サイズが、表示装置111の表示可能サイズよりも大きくなった場合は、表示サイズ管理部114が、ユーザにその旨を通知するようにしてもよい。また、この場合には、表示サイズ管理部114が、スケーリング処理部105に指示して、表示可能サイズで画像が表示されるように制御してもよい。また、表示装置111としてプロジェクタを用いる場合は、スケーリング処理部105の代わりに、表示装置111が備える所定の処理部が、プロジェクタレンズのズーム倍率の制御を行うことで、表示サイズを制御するようにしてもよい。
【0056】
実施例2の表示制御装置は、絵画サイズと最適鑑賞距離の関係と、表示サイズと鑑賞距離の関係とが同等になるような表示サイズを算出し、算出した表示サイズで表示装置に絵画を表示する。従って、実施例2の表示制御装置によれば、鑑賞者が表示装置上に表示された絵画を鑑賞する場合に、実物の絵画を絵画固有の最適鑑賞距離から鑑賞した場合に近い見え方で鑑賞することが可能となる。
【0057】
図8は、実施例3の表示制御装置の構成を示す図である。表示制御装置401は、表示制御部102、絵画データ取り込み部103、絵画データ管理部104、スケーリング処理部105、表示部107、表示サイズ管理部114、鑑賞距離検出部115を備える。表示制御装置401が備える処理部のうち、図6に示す表示制御装置301が備える処理部と同じ符号が付けられたものは、表示制御装置301が備える処理部と同様である。
【0058】
鑑賞距離検出部115は、表示装置111と絵画を鑑賞する鑑賞者との間の距離を鑑賞距離として検出する鑑賞距離検出手段として機能する。鑑賞距離検出部115は、例えば、赤外線や超音波等の人感センサを用いて鑑賞距離を測定するが、これに限るものではない。鑑賞距離検出部115は、検出した鑑賞距離を表示サイズ管理部114に通知する。なお、鑑賞距離検出部115は、鑑賞距離を常に検出してもよいし、定期的に検出してもよい。
【0059】
表示サイズ管理部114は、鑑賞距離検出部115から通知された鑑賞距離を用いて、絵画サイズと最適鑑賞距離の関係(比率)と、表示サイズと鑑賞距離の関係とが同等になるような表示サイズを算出する。表示サイズの算出方法は、実施例2における表示サイズの算出方法と同様である。
【0060】
ここで、鑑賞距離の変化によって、表示サイズが次々と変わると、鑑賞者に不快感を与えることが考えられる。従って、表示サイズ管理部114が、鑑賞距離が所定値以上変化した場合のみ、もしくは算出した表示サイズが所定値以上変化した場合のみ、表示サイズの算出または変更を行うようにしてもよい。また、表示サイズ管理部114が、前回の表示サイズ変更から所定時間以上経過した場合のみ、表示サイズの算出または変更を行うようにしてもよい。
【0061】
実施例3の表示制御装置によれば、鑑賞者の任意の立ち位置に応じて、当該鑑賞者に、実物の絵画を絵画固有の最適鑑賞距離から鑑賞した場合に近い見え方で、表示装置上に表示された絵画を鑑賞させることが可能となる。
【0062】
図9は、実施例4の表示制御装置の構成を示す図である。表示制御装置501は、表示制御部102、絵画データ取り込み部103、絵画データ管理部104、スケーリング処理部105、画面サイズ取得部106を備える。また、表示制御装置101は、表示部107、鑑賞距離算出部108、鑑賞距離通知部109、表示サイズ管理部110を備える。また、表示制御装置101は、入力部116、可動範囲記憶部117、鑑賞位置判定部118を備える。表示制御装置501が備える処理部のうち、図1(A)に示す表示制御装置101が備える処理部と同じ符号が付けられたものは、表示制御装置101が備える処理部と同様である。
【0063】
入力部116は、ユーザの操作に従って、可動範囲を入力する。可動範囲は、鑑賞者が表示装置111に表示される絵画を鑑賞する際に動くことが可能な、表示装置前方の範囲である。本実施例では、入力部116は、当該表示装置前方の範囲における、最大の可動距離つまり最大の鑑賞距離を可動範囲として入力する。可動範囲記憶部117は、入力部116が入力した可動範囲を記憶して管理する。すなわち、可動範囲記憶部117は、鑑賞者の表示装置前方の可動範囲を管理する可動範囲管理手段として機能する。
【0064】
本実施例においては、鑑賞距離算出部108は、実施例1と同様に、画面サイズを用いて、推奨鑑賞距離を算出する。鑑賞位置判定部118は、鑑賞距離算出部108から、鑑賞距離算出部108が算出した推奨鑑賞距離を取得する。また、鑑賞位置判定部118は、可動範囲記憶部117から可動範囲を取得する。そして、鑑賞位置判定部118は、推奨鑑賞距離が可動範囲内に入っているか、すなわち、推奨鑑賞距離が最大の鑑賞距離を超えていないかを判断する判断手段として機能する。
【0065】
表示サイズ管理部110は、鑑賞位置判定部118が、推奨鑑賞距離が可動範囲内に入っていないと判断した場合に、以下の処理を実行する。表示サイズ管理部110は、可動範囲として入力されている最大の鑑賞距離を、鑑賞距離通知部109による通知対象の推奨鑑賞距離として決定する。鑑賞距離通知部109は、当該決定された通知対象の推奨鑑賞距離を通知する。
【0066】
また、表示サイズ管理部110は、絵画データ管理部104から取得した絵画のサイズと最適鑑賞距離との関係が上記通知対象の推奨鑑賞距離と表示サイズとの関係に等しくなる表示サイズを算出する。そして、表示サイズ管理部110は、スケーリング処理部105、表示部107を通じて、表示装置111に絵画を上記算出された表示サイズで表示させる。
【0067】
鑑賞位置判定部118が、推奨鑑賞距離が可動範囲内に入っていると判断した場合は、鑑賞距離算出部108が、推奨鑑賞距離を鑑賞距離通知部109に通知する。また、表示サイズ管理部110は、画面サイズを表示サイズとしてスケーリング処理部105に渡し、この表示サイズに描画データをスケーリングさせる。
【0068】
図10は、実施例4の表示制御装置の動作処理を説明するフローチャートの例である。まず、表示制御部102が、表示する絵画を選択して、鑑賞距離算出部108に通知する(ステップS11)。
【0069】
次に、鑑賞距離算出部108が、表示サイズ管理部110から表示装置111の画面サイズを取得する(ステップS12)。続いて、鑑賞位置判定部118が、可動範囲記憶部117から可動範囲を取得する(ステップS13)。
【0070】
鑑賞距離算出部108は、表示制御部102が選択した絵画の絵画サイズを絵画データ管理部104から取得する(ステップS14)。また、鑑賞距離算出部108が、表示制御部102が選択した絵画の最適鑑賞距離を絵画データ管理部104から取得する(ステップS15)。
【0071】
次に、鑑賞距離算出部108が、実施例1と同様に、絵画サイズと最適鑑賞距離と画面サイズとに基づいて、推奨鑑賞距離を算出する(ステップS16)。ステップS16において算出される絵画サイズは、表示サイズを画面サイズとした場合における推奨鑑賞距離である。次に、鑑賞位置判定部118が、ステップS16において算出された推奨鑑賞距離が可動範囲内であるかを判断する(ステップS17)。この例では、鑑賞位置判定部118は、推奨鑑賞距離が、可動範囲として入力されている最大の鑑賞距離を超えるかを判断する。推奨鑑賞距離が最大の鑑賞距離を超えない場合、鑑賞位置判定部118は、推奨鑑賞距離が可動範囲内であると判断する。推奨鑑賞距離が最大の鑑賞距離を超える場合、鑑賞位置判定部118は、推奨鑑賞距離が可動範囲内でないと判断する。
【0072】
推奨鑑賞距離が可動範囲内である場合、表示装置111の画面サイズ(最大表示サイズ)で絵画を表示したときに、鑑賞者が推奨鑑賞距離から鑑賞することが可能である。従って、この場合には、表示サイズ管理部110が、ステップS16において算出された推奨鑑賞距離を通知対象の推奨鑑賞距離として確定する(ステップS18)。ステップS18においては、さらに、表示サイズ管理部110が、画面サイズを表示サイズに確定する。
【0073】
推奨鑑賞距離が可動範囲内でない場合、表示装置111の画面サイズ(最大表示サイズ)で絵画を表示したときに、鑑賞者が推奨鑑賞距離から鑑賞することが不可能である。つまり、表示装置111が絵画を最大表示サイズで表示した場合に、鑑賞者が当該推奨鑑賞距離に応じた位置から絵画を鑑賞しても、鑑賞者は、絵画データの制作者が意図する見え方で当該絵画を鑑賞することができない。
【0074】
そこで、表示サイズ管理部110は、絵画データ管理部104から絵画サイズと最適鑑賞距離とを取得する。また、表示サイズ管理部110は、可動範囲として入力されている最大の鑑賞距離を通知対象の推奨鑑賞距離として決定する。そして、表示サイズ管理部110は、絵画データ管理部104から取得した絵画のサイズと最適鑑賞距離との関係が上記最大の鑑賞距離と表示サイズとの関係に等しくなる表示サイズを算出する(ステップS19)。表示サイズ管理部110が、上記最大の鑑賞距離を通知対象の推奨鑑賞距離として確定する(ステップS20)。ステップS20においては、さらに、表示サイズ管理部110が、表示サイズを上記ステップS19において算出した表示サイズに確定する。
【0075】
次に、スケーリング処理部105が、表示制御部102が指定した絵画の描画データを絵画データ管理部104から取得する。そして、スケーリング処理部105が、ステップS18またはステップS20において確定された表示サイズに応じて、描画データのスケーリング処理を実行する(ステップS21)。また、鑑賞距離通知部109が、ステップS18またはステップS20において確定された通知対象の推奨鑑賞距離をユーザに通知する(ステップS22)。ステップS23、S24は、図4のステップS7、S8と同様である。
【0076】
実施例4における推奨鑑賞距離の算出処理を、縦方向の画面サイズ:MH=100(cm)、横方向の画面サイズ:MW=150(cm)として、図5(A)に示す絵画Aに適用した例について説明する。
【0077】
図10のステップS16において、表示サイズ管理部110が、推奨鑑賞距離:RL=(100/200)×400=200(cm)を算出する。ここで、可動範囲として入力されている最大の鑑賞距離を120(cm)とすると、ステップS17において、鑑賞位置判定部118が、推奨鑑賞距離が可動範囲内でないと判断する。従って、表示サイズ管理部110が、鑑賞距離WLを最大の鑑賞距離(120(cm))とし、この鑑賞距離WLを用いて表示サイズを算出する。具体的には、表示サイズ管理部110は、前述した式3を用いて、横方向の表示サイズMWを、以下のようにして算出する。
MW=(120/400)×300=90(cm)
【0078】
また、表示サイズ管理部110は、前述した式4を用いて、縦方向の表示サイズMHを、以下のようにして算出する。
MH=(120/400)×200=60(cm)
【0079】
実施例4の表示制御装置は、画面サイズに基づき算出した推奨鑑賞距離が可動範囲内にない場合に、絵画サイズと最適鑑賞距離の関係と表示サイズと最大の鑑賞距離の関係とが同等になるような表示サイズを算出し、算出した表示サイズで表示装置に絵画を表示する。また、実施例4の表示制御装置は、当該最大の鑑賞距離を推奨鑑賞距離としてユーザに通知する。従って、実施例4の表示制御装置によれば、鑑賞者が表示装置上に表示された絵画を鑑賞する場合に、実物の絵画を絵画固有の最適鑑賞距離から鑑賞した場合に近い見え方で鑑賞することが可能となる。
【0080】
本実施例では、推奨鑑賞距離が可動範囲内でない場合に、可動範囲として入力された最大の鑑賞距離を用いて表示サイズを算出する例について説明した。本実施例の変形例として、入力部116が、可動範囲として、最大の鑑賞距離に加えて最小の鑑賞距離を予め設定してもよい。算出される推奨鑑賞距離が最小の鑑賞距離より小さい場合に、表示サイズ管理部110は、当該最小の鑑賞距離をWLとして表示サイズを算出する。また、鑑賞距離通知部109は、当該最小の鑑賞距離をユーザに通知する。
【0081】
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【符号の説明】
【0082】
101 表示制御装置
105 スケーリング処理部
108 鑑賞距離算出部
109 鑑賞距離通知部
110 表示サイズ管理部
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置および表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子美術館や家庭において、鑑賞者が、デジタル映像化した絵画をディスプレイ等を備えた表示制御装置を用いて鑑賞するケースが増えている。鑑賞者が絵画を表示制御装置を用いて鑑賞する場合、絵画のサイズは作品によって様々である。多くの場合、絵画のサイズはディスプレイのサイズと一致しない。従って、表示制御装置は、絵画データを拡大又は縮小してディスプレイ上に表示することが多い。
【0003】
一方、絵画は、作者の意図に従った最適な鑑賞距離(最適鑑賞距離)を有する。最適鑑賞距離は、絵画に固有の固有鑑賞距離である。各々の絵画に対応する最適鑑賞距離は、作品によって様々である。鑑賞者が、絵画に対応する最適鑑賞距離から鑑賞しないと、作者の意図したものが見えない場合もある。従って、鑑賞者が、ディスプレイ上で、作者の意図を再現した一番好ましい状態で鑑賞できるようにするために、絵画データに最適鑑賞距離の情報を予め付加することが考えられる。
【0004】
しかし、ディスプレイ上での絵画鑑賞における最適な鑑賞距離は、作品と表示サイズによって異なるため、ディスプレイの大きさに応じて一意に決まるものではない。また、絵画が切り替わる度に最適な鑑賞距離も変わることになるため、鑑賞者はどの鑑賞距離から鑑賞したら良いかわからないという問題がある。すなわち、ディスプレイ上での絵画鑑賞において、実物の絵画を最適鑑賞距離から鑑賞した状態と同等の状態を再現することが求められる。
【0005】
特許文献1は、画面サイズと映像の解像度に応じて、視聴制限を行う距離を変化させる映像表示装置を開示している。また、特許文献2は、映像の解像度が切り替わった場合に、解像度の変化量と視聴距離に応じて、映像信号をスケーリングして映像を表示する表示制御装置を開示している。また、特許文献3は、画面サイズに基づいて最適視聴距離を算出すると共に、表示装置に表示させた際に撮像時と同一の視野となる画像サイズを算出し、算出した画像サイズに基づいて撮像画像を切り出して表示装置に出力する画像表示装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−042353号公報
【特許文献2】特開2008−085461号公報
【特許文献3】特開2009−103908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上述した特許文献1乃至3が開示するいずれの技術も、絵画のサイズと絵画固有の最適鑑賞距離との関係が表示サイズと鑑賞距離との関係に等しくなる鑑賞距離を算出していない。また、上述した特許文献1乃至3のいずれの技術も、絵画のサイズと最適鑑賞距離との関係が鑑賞距離と表示サイズとの関係に等しくなる表示サイズを算出していない。従って、特許文献1乃至3が開示するいずれの技術によっても、鑑賞者が表示装置上に表示された絵画を鑑賞する場合に、実物の絵画を絵画固有の最適鑑賞距離から鑑賞した場合と同等の見え方で鑑賞することができない。
【0008】
本発明は、鑑賞者が表示装置上に表示された絵画を鑑賞する場合に、実物の絵画を絵画固有の最適鑑賞距離から鑑賞した場合に近い見え方で鑑賞することを可能とする表示制御装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態の表示制御装置は、絵画データに予め付加されている絵画のサイズと前記絵画に対応する固有鑑賞距離とを取得する取得手段と、表示装置が表示する前記絵画の表示サイズを管理する表示サイズ管理手段と、前記取得手段が取得した前記絵画のサイズと前記固有鑑賞距離と、前記表示サイズ管理手段が管理する前記絵画の表示サイズとに基づいて、前記表示装置によって表示される前記絵画を鑑賞者が鑑賞する時の推奨鑑賞距離を算出する鑑賞距離算出手段と、前記推奨鑑賞距離を通知する通知手段とを備える。前記鑑賞距離算出手段は、前記絵画のサイズと前記固有鑑賞距離との関係が前記表示サイズと鑑賞距離との関係に等しくなる鑑賞距離を前記推奨鑑賞距離として算出する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、鑑賞者が表示装置上に表示された絵画を鑑賞する場合に、実物の絵画を絵画固有の最適鑑賞距離から鑑賞した場合に近い見え方で鑑賞することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例1の表示制御装置の構成を示す図である。
【図2】絵画データ記憶部が記憶する絵画データの例を示す図である。
【図3】推奨鑑賞距離の通知方法の例を説明する図である。
【図4】実施例1の表示制御装置の動作処理例である。
【図5】実施例1における推奨鑑賞距離の具体的算出例を示す図である。
【図6】実施例2の表示制御装置の構成を示す図である。
【図7】実施例2における鑑賞距離の具体的算出例を示す図である。
【図8】実施例3の表示制御装置の構成を示す図である。
【図9】実施例4の表示制御装置の構成を示す図である。
【図10】実施例4の表示制御装置の動作処理例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明の実施例1の表示制御装置の構成を示す図である。図1(A)は、表示制御装置101の全体構成を示す。表示制御装置101は、表示制御部102、絵画データ取り込み部103、絵画データ管理部104、スケーリング処理部105、画面サイズ取得部106を備える。また、表示制御装置101は、表示部107、鑑賞距離算出部108、鑑賞距離通知部109、表示サイズ管理部110を備える。
【0013】
表示制御部102は、ユーザ(例えば、鑑賞者)の指示、または予め設定された表示スケジュールに従って、表示する絵画データを決定し、絵画データの表示を制御する。表示制御部102は、表示する絵画を選択し、スケーリング処理部105に対して、この絵画の表示を指示する。表示制御部102は、例えば、表示する絵画を特定する情報(例えば、絵画ID)をスケーリング処理部105に対して通知する。また、表示制御部102は、鑑賞距離算出部108に対して、表示する絵画を特定する情報(例えば、絵画ID)を通知し、推奨鑑賞距離の算出を指示する。
【0014】
絵画データ取り込み部103は、絵画データを取り込む。絵画データ取り込み部103は、USBメモリ等の記憶媒体から絵画データを取り込んでもよいし、絵画サーバ等からネットワーク経由で絵画データを取り込んでもよい。絵画データ管理部104は、絵画データ取り込み部103が取り込んだ絵画データを管理する。
【0015】
図1(B)は、絵画データ管理部の構成例を示す図である。絵画データ管理部104は、絵画データ解析部201、絵画データ記憶部202、描画データ取得部203、絵画サイズ取得部204、最適鑑賞距離取得部205を備える。
【0016】
絵画データ解析部201は、絵画データ取り込み部103が取り込んだ絵画データに予め付加されたメタデータの解析を行う。メタデータは、少なくとも当該絵画データに対応する絵画の最適鑑賞距離を含んでいる。最適鑑賞距離は、当該絵画に固有の鑑賞距離(固有鑑賞距離)である。絵画データ解析部201は、メタデータの解析後の絵画データ(描画データとメタデータ)を絵画データ記憶部202に送信する。絵画データ記憶部202は、絵画データ解析部201から受け取った絵画データを記憶する。
【0017】
図2は、絵画データ記憶部が記憶する絵画データの例を示す図である。図2(A)は、絵画の例を示す。また、図2(B)は、図2(A)に示す絵画に対応する絵画データの例を示す。図2(B)に示す絵画データは、絵画ID、作品名、作者名、制作年、絵画サイズ、最適鑑賞距離等を含む。
【0018】
絵画IDは、絵画データの識別情報である。作品名は、絵画データに対応する絵画の作品名である。制作年は、当該絵画の制作年である。絵画サイズは、当該絵画のサイズ(実物の絵画のサイズ)である。絵画サイズは、横方向の絵画サイズ:PW(cm)と、縦方向の絵画サイズ:PH(cm)とを有する。最適鑑賞距離:BL(cm)は、当該絵画固有の最適な鑑賞距離である。
【0019】
図1(B)に戻って、描画データ取得部203は、スケーリング処理部105からの指示に従って、絵画データ記憶部202から、指定された絵画の描画データを取得し、スケーリング処理部105に送信する。絵画サイズ取得部204は、鑑賞距離算出部108からの指示に従って、絵画データ記憶部202から、指定された絵画の絵画サイズを取得し、鑑賞距離算出部108に送信する。最適鑑賞距離取得部205は、鑑賞距離算出部108からの指示に従って、絵画データ記憶部202から、指定された絵画の最適鑑賞距離を取得し、鑑賞距離算出部108に送信する。
【0020】
図1(A)に戻って、画面サイズ取得部106は、表示装置111から表示装置111の画面サイズを取得する。例えば、画面サイズ取得部106は、表示装置111からHDMIのEDIDを用いて、画面サイズを自動取得する。HDMIは、High−Definition Multimedia Interfaceの略称である。また、EDIDは、Extended Display Identification Dataの略称である。画面サイズ取得部106が、予め画面サイズを記憶してもよい。画面サイズは、横方向の画面サイズ:MW(cm)、縦方向の画面サイズ:MH(cm)を有する。
【0021】
表示サイズ管理部110は、絵画データの表示サイズを管理する。具体的には、表示サイズ管理部110は、画面サイズ取得部106から画面サイズを取得して表示サイズとして管理し、スケーリング処理部105に渡す。スケーリング処理部105は、表示制御部102の指示に従って、絵画データ管理部104から絵画の描画データを取得する。また、スケーリング処理部105は、表示サイズ管理部110から表示装置111の画面サイズを取得する。なお、スケーリング処理部105が、画面サイズ取得部106から直接画面サイズを取得するようにしてもよい。
【0022】
スケーリング処理部105は、取得した画面サイズに合わせて描画データのスケーリング処理を行い、表示部107に送信する。表示部107は、表示装置111に対して描画データの表示を指示し、表示装置111が、絵画を表示する。表示装置111が、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等のディスプレイデバイスでもよいし、液晶プロジェクタ等の表示デバイスでもよい。
【0023】
鑑賞距離算出部108は、表示制御部102からの指示に従って、絵画データ管理部104から、絵画データに予め付加されている絵画サイズと絵画に対応する最適鑑賞距離とを取得する取得手段として機能する。また、鑑賞距離算出部108は、表示サイズ取得部106から画面サイズを取得する。なお、鑑賞距離算出部108が、画面サイズ取得部106から直接画面サイズを取得するようにしてもよい。
【0024】
鑑賞距離算出部108は、絵画サイズと最適鑑賞距離と画面サイズとに基づいて、推奨鑑賞距離を算出する。推奨鑑賞距離は、表示装置111によって表示される絵画を鑑賞者が鑑賞する時の鑑賞距離(表示装置の表示画面と鑑賞者との間の距離)である。具体的には、鑑賞距離算出部108は、絵画サイズと最適鑑賞距離との関係が画面サイズと鑑賞距離との関係に等しくなる鑑賞距離を推奨鑑賞距離として算出する。鑑賞距離通知部109は、鑑賞距離算出部108が算出した推奨鑑賞距離をユーザに通知する。鑑賞距離通知部109が、ユーザに、推奨鑑賞距離に応じた位置を通知するようにしてもよい。
【0025】
図3は、推奨鑑賞距離の通知方法の例を説明する図である。図3に示す例では、鑑賞距離通知部109は、絵画を表示している表示装置111から推奨鑑賞距離だけ離れた位置の床面を推奨鑑賞位置としてライト21で照らす。これにより、ユーザ20が当該絵画を鑑賞する時に推奨される立ち位置を知ることができる。鑑賞距離通知部109が、図3を参照して説明した通知方法以外の任意の通知方法でユーザに推奨鑑賞距離を通知するようにしてもよい。例えば、鑑賞距離通知部109が、表示画像や音声で推奨鑑賞距離を表示したり、推奨鑑賞位置まで誘導したりしてもよい。
【0026】
図4は、実施例1の表示制御装置の動作処理を説明するフローチャートの例である。まず、表示制御部102が、表示する絵画を選択して、鑑賞距離算出部108に通知する(ステップS1)。具体的には、表示制御部102は、選択した絵画の絵画IDを鑑賞距離算出部108に通知する。
【0027】
次に、鑑賞距離算出部108が、表示サイズ管理部110から表示装置111の画面サイズを取得する(ステップS2)。また、鑑賞距離算出部108は、表示制御部102から通知された絵画の絵画サイズを絵画データ管理部104から取得する(ステップS3)。具体的には、鑑賞距離算出部108は、通知された絵画の絵画IDに対応する絵画サイズの取得を絵画データ管理部104の絵画サイズ取得部204に要求する。絵画サイズ取得部204は、絵画データ記憶部202から上記絵画IDに対応する絵画サイズを取得して、鑑賞距離算出部108に渡す。
【0028】
また、鑑賞距離算出部108が、表示制御部102から通知された絵画の最適鑑賞距離を絵画データ管理部104から取得する(ステップS4)。具体的には、鑑賞距離算出部108は、通知された絵画の絵画IDに対応する絵画サイズの取得を絵画データ管理部104の最適鑑賞距離取得部205に要求する。最適鑑賞距離取得部205は、絵画データ記憶部202から上記絵画IDに対応する最適鑑賞距離を取得して、鑑賞距離算出部108に渡す。
【0029】
次に、鑑賞距離算出部108が、ステップS2で取得した画面サイズと、ステップS3で取得した絵画サイズと、ステップS4で取得した絵画の最適鑑賞距離とに基づいて、推奨鑑賞距離を算出する(ステップS5)。
【0030】
ステップS5における推奨鑑賞距離の算出例について、以下に具体的に説明する。この例において、横方向の画面サイズをMW、縦方向の画面サイズをMHと記述する。また、横方向の絵画サイズをPW、縦方向の絵画サイズをPHと記述する。また、最適鑑賞距離をBL、推奨鑑賞距離をRLとも記述する。
【0031】
鑑賞距離算出部108は、絵画サイズと最適鑑賞距離の関係(比率)と、画面サイズと推奨鑑賞距離の関係とが同等になるような推奨鑑賞距離を算出する。具体的には、鑑賞距離算出部108は、以下の式1に基づいて、推奨鑑賞距離RLを算出する。
PW:BL=MW:RL
RL=(MW/PW)×BL・・・式1
【0032】
鑑賞距離算出部108は、以下の式2に基づいて、推奨鑑賞距離RLを算出するようにしてもよい。
PH:BL=MH:RL
RL=(MH/PH)×BL・・・式2
【0033】
図5は、実施例1における推奨鑑賞距離の具体的算出例を示す図である。図5(A)は、絵画Aと最適鑑賞距離との関係の例を示す。取得された絵画AのPW=300(cm),PH=200(cm)である。また、取得された絵画Aの最適鑑賞距離:BL=400(cm)である。
【0034】
ここで、取得された横方向の画面サイズ:MW=150(cm)、縦方向の画面サイズ:MH=100(cm)とする。鑑賞距離算出部108は、例えば、上述した式2に基づいて、以下のように推奨鑑賞距離RLを算出する。
RL=(100/200)×400=200(cm)
【0035】
図5(B)は、画面サイズと推奨鑑賞距離RLとの関係の例を示す。絵画Aを表示する表示装置の横方向の画面サイズMWが150(cm)、縦方向の画面サイズがMH=100(cm)である場合、図5(A)を参照して説明したように、推奨鑑賞距離RLは、200(cm)である。
【0036】
本実施例では、スケーリング処理部105が、画面サイズが実物の絵画サイズよりも小さい場合に、絵画データを画面サイズに合わせてスケーリング(縮小)する。しかし、画面サイズが絵画サイズよりも大きい場合は、必ずしも画面サイズに合わせてスケーリング(拡大)して表示する必要はない。
【0037】
例えば、画面サイズが絵画サイズよりも大きい場合、表示サイズ管理部110が、絵画サイズと同等の表示サイズを決定し、スケーリング処理部105が、この表示サイズで絵画を表示するように表示部107に指示するようにしてもよい。絵画サイズと同等の表示サイズは、例えば絵画サイズと等しいサイズであってもよいし、絵画サイズから任意のサイズだけ大きいサイズであってもよい。この場合の推奨鑑賞距離の算出は、例えば以下のようにして行われる。鑑賞距離算出部108は、表示サイズ管理部110から上記絵画サイズと同等の表示サイズを取得する。鑑賞距離算出部108は、取得した表示サイズが有する横方向のサイズをMW,縦方向のサイズをMHとし、上述した式1または式2を用いて、推奨鑑賞距離RLを算出する。このように絵画サイズと同等の大きさの表示サイズを用いて算出される推奨鑑賞距離RLは、最適鑑賞距離と等しくなる。
【0038】
また、図5に示す例では、絵画サイズの縦横の比率と、画面サイズの縦横の比率が等しいが、比率が異なる場合には、例えば、表示サイズ管理部110が、縦方向または横方向に余白ができるような表示サイズを決定する。鑑賞距離算出部108は、この表示サイズが有する横方向のサイズをMW,縦方向のサイズをMHとし、上述した式1または式2を用いて、推奨鑑賞距離RLを算出する。なお、ユーザが、表示サイズを設定し、鑑賞距離算出部108が、上記設定された表示サイズを用いて推奨鑑賞距離RLを算出するようにしてもよい。また、ユーザが、絵画サイズまたは最適鑑賞距離を設定し、鑑賞距離算出部108が、上記設定された絵画サイズまたは最適鑑賞距離を用いて推奨鑑賞距離RLを算出するようにしてもよい。
【0039】
また、絵画データに最適鑑賞距離が複数付加されている場合に、鑑賞距離算出部108が、当該絵画データに付加されている複数の最適鑑賞距離を用いて複数の推奨鑑賞距離を算出するようにしてもよい。
【0040】
図4に戻って、鑑賞距離通知部109が、ステップS5において算出された推奨鑑賞距離をユーザに通知する(ステップS6)。鑑賞距離算出部108が、複数の推奨鑑賞距離を算出した場合に、鑑賞距離通知部109が、算出された複数の推奨鑑賞距離または当該複数の推奨鑑賞距離から選択した推奨鑑賞距離をユーザに通知するようにしてもよい。そして、表示制御部102が、表示する絵画が切り換わるかを判断する(ステップS7)。表示する絵画が切り替わる場合は、ステップS3に戻る。表示する絵画が切り換わらない場合は、ステップS8に進む。
【0041】
ステップS8において、表示制御部102が、絵画の表示処理を終了するかを判断する(ステップS8)。表示制御部102が、絵画の表示処理を終了しないと判断した場合は、ステップS7に進む。表示制御部102が、絵画の表示処理を終了すると判断した場合は、処理を終了する。
【0042】
実施例1の表示制御装置は、絵画サイズと最適鑑賞距離の関係と、画面サイズと推奨鑑賞距離の関係とが同等になるような推奨鑑賞距離を算出し、ユーザに通知する。従って、実施例1の表示制御装置によれば、鑑賞者が表示装置上に表示された絵画を鑑賞する場合に、実物の絵画を絵画固有の最適鑑賞距離から鑑賞した場合に近い見え方で鑑賞することが可能となる。
【0043】
図6は、実施例2の表示制御装置の構成を示す図である。表示制御装置301は、表示制御部102、絵画データ取り込み部103、絵画データ管理部104、スケーリング処理部105、表示部107、入力部112、鑑賞距離記憶部113、表示サイズ管理部114を備える。表示制御装置301が備える処理部のうち、図1(A)に示す表示制御装置101が備える処理部と同じ符号が付けられたものは、表示制御装置101が備える処理部と同様である。
【0044】
本実施例では、ユーザが、絵画鑑賞を行うための表示装置111を設置する際に、設置する部屋の大きさや障害物等を考慮して、予め、絵画を鑑賞する鑑賞者の立ち位置を決定しているものとする。ユーザは、表示装置111と鑑賞者との間の距離を鑑賞距離として入力する操作を行う。入力部112は、鑑賞距離入力手段として機能し、ユーザの操作に従って、鑑賞距離を入力する。鑑賞距離記憶部113は、入力部112が入力した鑑賞距離を記憶する。
【0045】
表示サイズ管理部114は、表示制御部102の制御に従って、スケーリング処理部105から表示対象の絵画の絵画IDを取得する。表示サイズ管理部114は、絵画データ管理部104から、上記絵画IDに対応する絵画サイズと最適鑑賞距離とを取得する。また、表示サイズ管理部114は、鑑賞距離記憶部113から鑑賞距離を取得する。
【0046】
表示サイズ管理部114は、絵画データ管理部104から取得した絵画サイズと最適鑑賞距離と、鑑賞距離記憶部113から取得した鑑賞距離とに基づいて、表示装置111が表示する絵画の表示サイズを算出する表示サイズ算出手段として機能する。具体的には、表示サイズ管理部114は、絵画サイズと最適鑑賞距離との関係が、鑑賞距離と表示サイズとの関係に等しくなる表示サイズを算出する。表示サイズ管理部114は、算出した表示サイズをスケーリング処理部105に通知する。
【0047】
スケーリング処理部105は、絵画データ管理部104から表示対象の絵画の描画データを取得する。スケーリング処理部105は、表示サイズ管理部114から通知された表示サイズになるように、上記取得した描画データのスケーリングを行い、表示部107を介して、表示装置111に絵画を表示する。
【0048】
以下に、表示サイズ管理部114による表示サイズの算出例について説明する。この例において、横方向の表示サイズをMW、縦方向の表示サイズをMHと記述する。また、横方向の絵画サイズをPW、縦方向の絵画サイズをPHと記述する。また、最適鑑賞距離をBLと記述する。また、表示サイズ管理部114が鑑賞距離記憶部113から取得する鑑賞距離をWLとも記述する。
【0049】
表示サイズ管理部114は、絵画サイズと最適鑑賞距離の関係(比率)と、表示サイズと鑑賞距離の関係とが同等になるような表示サイズを算出する。具体的には、表示サイズ管理部114は、以下の式3に基づいて、MWを算出する。
PW:BL=MW:WL
MW=(WL/BL)×PW・・・式3
【0050】
また、表示サイズ管理部114は、以下の式4に基づいて、MHを算出する。
PH:BL=MH:WL
MH=(WL/BL)×PH・・・式4
【0051】
図7は、実施例2における鑑賞距離の具体的算出例を示す図である。図7(A)は、絵画Aと最適鑑賞距離との関係の例を示す。取得された絵画AのPW=300(cm),PH=200(cm)である。また、取得された絵画Aの最適鑑賞距離:BL=400(cm)である。ここで、表示サイズ管理部114が鑑賞距離記憶部113から取得した鑑賞距離:WL=100(cm)とする。
【0052】
表示サイズ管理部114は、上述した式3に基づいて、以下のように横方向の表示サイズMWを算出する。
MW=(100/400)×300=75(cm)
【0053】
また、表示サイズ管理部114は、上述した式4に基づいて、以下のように縦方向の表示サイズMHを算出する。
MH=(100/400)×200=50(cm)
【0054】
図7(B)は、鑑賞距離と算出された表示サイズとの関係の例を示す。図7(A)を参照して説明したように、表示サイズ管理部114は、絵画Aの表示サイズとして、MW=75(cm)とMH=50(cm)を算出する。表示装置111は、算出された表示サイズで絵画Aを表示する。
【0055】
なお、表示サイズ管理部114が算出した表示サイズが、表示装置111の表示可能サイズよりも大きくなった場合は、表示サイズ管理部114が、ユーザにその旨を通知するようにしてもよい。また、この場合には、表示サイズ管理部114が、スケーリング処理部105に指示して、表示可能サイズで画像が表示されるように制御してもよい。また、表示装置111としてプロジェクタを用いる場合は、スケーリング処理部105の代わりに、表示装置111が備える所定の処理部が、プロジェクタレンズのズーム倍率の制御を行うことで、表示サイズを制御するようにしてもよい。
【0056】
実施例2の表示制御装置は、絵画サイズと最適鑑賞距離の関係と、表示サイズと鑑賞距離の関係とが同等になるような表示サイズを算出し、算出した表示サイズで表示装置に絵画を表示する。従って、実施例2の表示制御装置によれば、鑑賞者が表示装置上に表示された絵画を鑑賞する場合に、実物の絵画を絵画固有の最適鑑賞距離から鑑賞した場合に近い見え方で鑑賞することが可能となる。
【0057】
図8は、実施例3の表示制御装置の構成を示す図である。表示制御装置401は、表示制御部102、絵画データ取り込み部103、絵画データ管理部104、スケーリング処理部105、表示部107、表示サイズ管理部114、鑑賞距離検出部115を備える。表示制御装置401が備える処理部のうち、図6に示す表示制御装置301が備える処理部と同じ符号が付けられたものは、表示制御装置301が備える処理部と同様である。
【0058】
鑑賞距離検出部115は、表示装置111と絵画を鑑賞する鑑賞者との間の距離を鑑賞距離として検出する鑑賞距離検出手段として機能する。鑑賞距離検出部115は、例えば、赤外線や超音波等の人感センサを用いて鑑賞距離を測定するが、これに限るものではない。鑑賞距離検出部115は、検出した鑑賞距離を表示サイズ管理部114に通知する。なお、鑑賞距離検出部115は、鑑賞距離を常に検出してもよいし、定期的に検出してもよい。
【0059】
表示サイズ管理部114は、鑑賞距離検出部115から通知された鑑賞距離を用いて、絵画サイズと最適鑑賞距離の関係(比率)と、表示サイズと鑑賞距離の関係とが同等になるような表示サイズを算出する。表示サイズの算出方法は、実施例2における表示サイズの算出方法と同様である。
【0060】
ここで、鑑賞距離の変化によって、表示サイズが次々と変わると、鑑賞者に不快感を与えることが考えられる。従って、表示サイズ管理部114が、鑑賞距離が所定値以上変化した場合のみ、もしくは算出した表示サイズが所定値以上変化した場合のみ、表示サイズの算出または変更を行うようにしてもよい。また、表示サイズ管理部114が、前回の表示サイズ変更から所定時間以上経過した場合のみ、表示サイズの算出または変更を行うようにしてもよい。
【0061】
実施例3の表示制御装置によれば、鑑賞者の任意の立ち位置に応じて、当該鑑賞者に、実物の絵画を絵画固有の最適鑑賞距離から鑑賞した場合に近い見え方で、表示装置上に表示された絵画を鑑賞させることが可能となる。
【0062】
図9は、実施例4の表示制御装置の構成を示す図である。表示制御装置501は、表示制御部102、絵画データ取り込み部103、絵画データ管理部104、スケーリング処理部105、画面サイズ取得部106を備える。また、表示制御装置101は、表示部107、鑑賞距離算出部108、鑑賞距離通知部109、表示サイズ管理部110を備える。また、表示制御装置101は、入力部116、可動範囲記憶部117、鑑賞位置判定部118を備える。表示制御装置501が備える処理部のうち、図1(A)に示す表示制御装置101が備える処理部と同じ符号が付けられたものは、表示制御装置101が備える処理部と同様である。
【0063】
入力部116は、ユーザの操作に従って、可動範囲を入力する。可動範囲は、鑑賞者が表示装置111に表示される絵画を鑑賞する際に動くことが可能な、表示装置前方の範囲である。本実施例では、入力部116は、当該表示装置前方の範囲における、最大の可動距離つまり最大の鑑賞距離を可動範囲として入力する。可動範囲記憶部117は、入力部116が入力した可動範囲を記憶して管理する。すなわち、可動範囲記憶部117は、鑑賞者の表示装置前方の可動範囲を管理する可動範囲管理手段として機能する。
【0064】
本実施例においては、鑑賞距離算出部108は、実施例1と同様に、画面サイズを用いて、推奨鑑賞距離を算出する。鑑賞位置判定部118は、鑑賞距離算出部108から、鑑賞距離算出部108が算出した推奨鑑賞距離を取得する。また、鑑賞位置判定部118は、可動範囲記憶部117から可動範囲を取得する。そして、鑑賞位置判定部118は、推奨鑑賞距離が可動範囲内に入っているか、すなわち、推奨鑑賞距離が最大の鑑賞距離を超えていないかを判断する判断手段として機能する。
【0065】
表示サイズ管理部110は、鑑賞位置判定部118が、推奨鑑賞距離が可動範囲内に入っていないと判断した場合に、以下の処理を実行する。表示サイズ管理部110は、可動範囲として入力されている最大の鑑賞距離を、鑑賞距離通知部109による通知対象の推奨鑑賞距離として決定する。鑑賞距離通知部109は、当該決定された通知対象の推奨鑑賞距離を通知する。
【0066】
また、表示サイズ管理部110は、絵画データ管理部104から取得した絵画のサイズと最適鑑賞距離との関係が上記通知対象の推奨鑑賞距離と表示サイズとの関係に等しくなる表示サイズを算出する。そして、表示サイズ管理部110は、スケーリング処理部105、表示部107を通じて、表示装置111に絵画を上記算出された表示サイズで表示させる。
【0067】
鑑賞位置判定部118が、推奨鑑賞距離が可動範囲内に入っていると判断した場合は、鑑賞距離算出部108が、推奨鑑賞距離を鑑賞距離通知部109に通知する。また、表示サイズ管理部110は、画面サイズを表示サイズとしてスケーリング処理部105に渡し、この表示サイズに描画データをスケーリングさせる。
【0068】
図10は、実施例4の表示制御装置の動作処理を説明するフローチャートの例である。まず、表示制御部102が、表示する絵画を選択して、鑑賞距離算出部108に通知する(ステップS11)。
【0069】
次に、鑑賞距離算出部108が、表示サイズ管理部110から表示装置111の画面サイズを取得する(ステップS12)。続いて、鑑賞位置判定部118が、可動範囲記憶部117から可動範囲を取得する(ステップS13)。
【0070】
鑑賞距離算出部108は、表示制御部102が選択した絵画の絵画サイズを絵画データ管理部104から取得する(ステップS14)。また、鑑賞距離算出部108が、表示制御部102が選択した絵画の最適鑑賞距離を絵画データ管理部104から取得する(ステップS15)。
【0071】
次に、鑑賞距離算出部108が、実施例1と同様に、絵画サイズと最適鑑賞距離と画面サイズとに基づいて、推奨鑑賞距離を算出する(ステップS16)。ステップS16において算出される絵画サイズは、表示サイズを画面サイズとした場合における推奨鑑賞距離である。次に、鑑賞位置判定部118が、ステップS16において算出された推奨鑑賞距離が可動範囲内であるかを判断する(ステップS17)。この例では、鑑賞位置判定部118は、推奨鑑賞距離が、可動範囲として入力されている最大の鑑賞距離を超えるかを判断する。推奨鑑賞距離が最大の鑑賞距離を超えない場合、鑑賞位置判定部118は、推奨鑑賞距離が可動範囲内であると判断する。推奨鑑賞距離が最大の鑑賞距離を超える場合、鑑賞位置判定部118は、推奨鑑賞距離が可動範囲内でないと判断する。
【0072】
推奨鑑賞距離が可動範囲内である場合、表示装置111の画面サイズ(最大表示サイズ)で絵画を表示したときに、鑑賞者が推奨鑑賞距離から鑑賞することが可能である。従って、この場合には、表示サイズ管理部110が、ステップS16において算出された推奨鑑賞距離を通知対象の推奨鑑賞距離として確定する(ステップS18)。ステップS18においては、さらに、表示サイズ管理部110が、画面サイズを表示サイズに確定する。
【0073】
推奨鑑賞距離が可動範囲内でない場合、表示装置111の画面サイズ(最大表示サイズ)で絵画を表示したときに、鑑賞者が推奨鑑賞距離から鑑賞することが不可能である。つまり、表示装置111が絵画を最大表示サイズで表示した場合に、鑑賞者が当該推奨鑑賞距離に応じた位置から絵画を鑑賞しても、鑑賞者は、絵画データの制作者が意図する見え方で当該絵画を鑑賞することができない。
【0074】
そこで、表示サイズ管理部110は、絵画データ管理部104から絵画サイズと最適鑑賞距離とを取得する。また、表示サイズ管理部110は、可動範囲として入力されている最大の鑑賞距離を通知対象の推奨鑑賞距離として決定する。そして、表示サイズ管理部110は、絵画データ管理部104から取得した絵画のサイズと最適鑑賞距離との関係が上記最大の鑑賞距離と表示サイズとの関係に等しくなる表示サイズを算出する(ステップS19)。表示サイズ管理部110が、上記最大の鑑賞距離を通知対象の推奨鑑賞距離として確定する(ステップS20)。ステップS20においては、さらに、表示サイズ管理部110が、表示サイズを上記ステップS19において算出した表示サイズに確定する。
【0075】
次に、スケーリング処理部105が、表示制御部102が指定した絵画の描画データを絵画データ管理部104から取得する。そして、スケーリング処理部105が、ステップS18またはステップS20において確定された表示サイズに応じて、描画データのスケーリング処理を実行する(ステップS21)。また、鑑賞距離通知部109が、ステップS18またはステップS20において確定された通知対象の推奨鑑賞距離をユーザに通知する(ステップS22)。ステップS23、S24は、図4のステップS7、S8と同様である。
【0076】
実施例4における推奨鑑賞距離の算出処理を、縦方向の画面サイズ:MH=100(cm)、横方向の画面サイズ:MW=150(cm)として、図5(A)に示す絵画Aに適用した例について説明する。
【0077】
図10のステップS16において、表示サイズ管理部110が、推奨鑑賞距離:RL=(100/200)×400=200(cm)を算出する。ここで、可動範囲として入力されている最大の鑑賞距離を120(cm)とすると、ステップS17において、鑑賞位置判定部118が、推奨鑑賞距離が可動範囲内でないと判断する。従って、表示サイズ管理部110が、鑑賞距離WLを最大の鑑賞距離(120(cm))とし、この鑑賞距離WLを用いて表示サイズを算出する。具体的には、表示サイズ管理部110は、前述した式3を用いて、横方向の表示サイズMWを、以下のようにして算出する。
MW=(120/400)×300=90(cm)
【0078】
また、表示サイズ管理部110は、前述した式4を用いて、縦方向の表示サイズMHを、以下のようにして算出する。
MH=(120/400)×200=60(cm)
【0079】
実施例4の表示制御装置は、画面サイズに基づき算出した推奨鑑賞距離が可動範囲内にない場合に、絵画サイズと最適鑑賞距離の関係と表示サイズと最大の鑑賞距離の関係とが同等になるような表示サイズを算出し、算出した表示サイズで表示装置に絵画を表示する。また、実施例4の表示制御装置は、当該最大の鑑賞距離を推奨鑑賞距離としてユーザに通知する。従って、実施例4の表示制御装置によれば、鑑賞者が表示装置上に表示された絵画を鑑賞する場合に、実物の絵画を絵画固有の最適鑑賞距離から鑑賞した場合に近い見え方で鑑賞することが可能となる。
【0080】
本実施例では、推奨鑑賞距離が可動範囲内でない場合に、可動範囲として入力された最大の鑑賞距離を用いて表示サイズを算出する例について説明した。本実施例の変形例として、入力部116が、可動範囲として、最大の鑑賞距離に加えて最小の鑑賞距離を予め設定してもよい。算出される推奨鑑賞距離が最小の鑑賞距離より小さい場合に、表示サイズ管理部110は、当該最小の鑑賞距離をWLとして表示サイズを算出する。また、鑑賞距離通知部109は、当該最小の鑑賞距離をユーザに通知する。
【0081】
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【符号の説明】
【0082】
101 表示制御装置
105 スケーリング処理部
108 鑑賞距離算出部
109 鑑賞距離通知部
110 表示サイズ管理部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絵画データに予め付加されている絵画のサイズと前記絵画に対応する固有鑑賞距離とを取得する取得手段と、
表示装置が表示する前記絵画の表示サイズを管理する表示サイズ管理手段と、
前記取得手段が取得した前記絵画のサイズと前記固有鑑賞距離と、前記表示サイズ管理手段が管理する前記絵画の表示サイズとに基づいて、前記表示装置によって表示される前記絵画を鑑賞者が鑑賞する時の推奨鑑賞距離を算出する鑑賞距離算出手段と、
前記推奨鑑賞距離を通知する通知手段とを備え、
前記鑑賞距離算出手段は、前記絵画のサイズと前記固有鑑賞距離との関係が前記表示サイズと鑑賞距離との関係に等しくなる鑑賞距離を前記推奨鑑賞距離として算出する
ことを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記絵画の表示サイズが、前記表示装置の画面サイズである
ことを特徴する請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記鑑賞者の前記表示装置前方の可動範囲を管理する可動範囲管理手段と、
前記鑑賞距離算出手段が算出した前記推奨鑑賞距離が前記可動範囲管理手段が管理する可動範囲内に入っているかを判断する判断手段を備え、
前記表示サイズ管理手段は、
前記判断手段が前記推奨鑑賞距離が前記可動範囲内に入っていないと判断した場合に、前記可動範囲に応じた最大の鑑賞距離を前記通知手段による通知対象の推奨鑑賞距離とし、
前記絵画のサイズと前記固有鑑賞距離との関係が前記通知対象の推奨鑑賞距離と表示サイズとの関係に等しくなる表示サイズを算出し、前記表示装置に前記絵画を前記算出された表示サイズで表示させる
ことを特徴する請求項1または請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
絵画データに予め付加されている絵画のサイズと前記絵画に対応する固有鑑賞距離とを取得する取得手段と、
表示装置と前記絵画を鑑賞する鑑賞者との間の距離を鑑賞距離として入力する鑑賞距離入力手段と、
前記取得手段が取得した前記絵画のサイズと前記固有鑑賞距離と、前記鑑賞距離入力手段が入力した前記鑑賞距離とに基づいて、前記表示装置が表示する前記絵画の表示サイズを算出する表示サイズ算出手段とを備え、
前記表示サイズ算出手段は、前記絵画のサイズと前記固有鑑賞距離との関係が前記入力された鑑賞距離と表示サイズとの関係に等しくなる表示サイズを算出する
ことを特徴する表示制御装置。
【請求項5】
絵画データに予め付加されている絵画のサイズと前記絵画に対応する固有鑑賞距離とを取得する取得手段と、
表示装置と前記絵画を鑑賞する鑑賞者との間の距離を鑑賞距離として検出する鑑賞距離検出手段と、
前記取得手段が取得した前記絵画のサイズと前記固有鑑賞距離と、前記鑑賞距離検出手段が検出した前記鑑賞距離とに基づいて、前記表示装置が表示する前記絵画の表示サイズを算出する表示サイズ算出手段とを備え、
前記表示サイズ算出手段は、前記絵画のサイズと前記固有鑑賞距離との関係が前記検出された鑑賞距離と表示サイズとの関係に等しくなる表示サイズを算出する
ことを特徴する表示制御装置。
【請求項6】
絵画データに予め付加されている絵画のサイズと前記絵画に対応する固有鑑賞距離とを取得する取得工程と、
表示装置が表示する前記絵画の表示サイズを管理する表示サイズ管理工程と、
前記取得工程において取得された前記絵画のサイズと前記固有鑑賞距離と、前記表示サイズ管理工程において管理されている前記絵画の表示サイズとに基づいて、前記表示装置によって表示される前記絵画を鑑賞者が鑑賞する時の推奨鑑賞距離を算出する鑑賞距離算出工程と、
前記推奨鑑賞距離を通知する通知工程とを有し、
前記鑑賞距離算出工程は、前記絵画のサイズと前記固有鑑賞距離との関係が前記表示サイズと鑑賞距離との関係に等しくなる鑑賞距離を前記推奨鑑賞距離として算出する
ことを特徴とする表示制御方法。
【請求項1】
絵画データに予め付加されている絵画のサイズと前記絵画に対応する固有鑑賞距離とを取得する取得手段と、
表示装置が表示する前記絵画の表示サイズを管理する表示サイズ管理手段と、
前記取得手段が取得した前記絵画のサイズと前記固有鑑賞距離と、前記表示サイズ管理手段が管理する前記絵画の表示サイズとに基づいて、前記表示装置によって表示される前記絵画を鑑賞者が鑑賞する時の推奨鑑賞距離を算出する鑑賞距離算出手段と、
前記推奨鑑賞距離を通知する通知手段とを備え、
前記鑑賞距離算出手段は、前記絵画のサイズと前記固有鑑賞距離との関係が前記表示サイズと鑑賞距離との関係に等しくなる鑑賞距離を前記推奨鑑賞距離として算出する
ことを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記絵画の表示サイズが、前記表示装置の画面サイズである
ことを特徴する請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記鑑賞者の前記表示装置前方の可動範囲を管理する可動範囲管理手段と、
前記鑑賞距離算出手段が算出した前記推奨鑑賞距離が前記可動範囲管理手段が管理する可動範囲内に入っているかを判断する判断手段を備え、
前記表示サイズ管理手段は、
前記判断手段が前記推奨鑑賞距離が前記可動範囲内に入っていないと判断した場合に、前記可動範囲に応じた最大の鑑賞距離を前記通知手段による通知対象の推奨鑑賞距離とし、
前記絵画のサイズと前記固有鑑賞距離との関係が前記通知対象の推奨鑑賞距離と表示サイズとの関係に等しくなる表示サイズを算出し、前記表示装置に前記絵画を前記算出された表示サイズで表示させる
ことを特徴する請求項1または請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
絵画データに予め付加されている絵画のサイズと前記絵画に対応する固有鑑賞距離とを取得する取得手段と、
表示装置と前記絵画を鑑賞する鑑賞者との間の距離を鑑賞距離として入力する鑑賞距離入力手段と、
前記取得手段が取得した前記絵画のサイズと前記固有鑑賞距離と、前記鑑賞距離入力手段が入力した前記鑑賞距離とに基づいて、前記表示装置が表示する前記絵画の表示サイズを算出する表示サイズ算出手段とを備え、
前記表示サイズ算出手段は、前記絵画のサイズと前記固有鑑賞距離との関係が前記入力された鑑賞距離と表示サイズとの関係に等しくなる表示サイズを算出する
ことを特徴する表示制御装置。
【請求項5】
絵画データに予め付加されている絵画のサイズと前記絵画に対応する固有鑑賞距離とを取得する取得手段と、
表示装置と前記絵画を鑑賞する鑑賞者との間の距離を鑑賞距離として検出する鑑賞距離検出手段と、
前記取得手段が取得した前記絵画のサイズと前記固有鑑賞距離と、前記鑑賞距離検出手段が検出した前記鑑賞距離とに基づいて、前記表示装置が表示する前記絵画の表示サイズを算出する表示サイズ算出手段とを備え、
前記表示サイズ算出手段は、前記絵画のサイズと前記固有鑑賞距離との関係が前記検出された鑑賞距離と表示サイズとの関係に等しくなる表示サイズを算出する
ことを特徴する表示制御装置。
【請求項6】
絵画データに予め付加されている絵画のサイズと前記絵画に対応する固有鑑賞距離とを取得する取得工程と、
表示装置が表示する前記絵画の表示サイズを管理する表示サイズ管理工程と、
前記取得工程において取得された前記絵画のサイズと前記固有鑑賞距離と、前記表示サイズ管理工程において管理されている前記絵画の表示サイズとに基づいて、前記表示装置によって表示される前記絵画を鑑賞者が鑑賞する時の推奨鑑賞距離を算出する鑑賞距離算出工程と、
前記推奨鑑賞距離を通知する通知工程とを有し、
前記鑑賞距離算出工程は、前記絵画のサイズと前記固有鑑賞距離との関係が前記表示サイズと鑑賞距離との関係に等しくなる鑑賞距離を前記推奨鑑賞距離として算出する
ことを特徴とする表示制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2012−173684(P2012−173684A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−38114(P2011−38114)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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