説明

表示制御装置及びプログラム

【課題】複数の縮小画像のうちの基準となる基準縮小画像を容易に把握する。
【解決手段】端末装置10において、操作検出部21が、電子文書のサムネイル画像を選択する操作を検出すると、文書情報解析部22が、電子文書の総ページ数を取得し、総ページ数が閾値以上であれば、指示情報生成部23が、移動速度の調整を指示する指示情報を生成する。ページ情報解析部25は、2ページ目以降のサムネイル画像を表示位置に表示するまでの表示所要時間を算出する。その際、移動速度の調整を指示する指示情報が生成されていれば、サムネイル画像の移動速度を1ページ目の表示位置からの距離が長いほど速くなるように調整する。そして、表示制御部27が、1ページ目のサムネイル画像を表示してから表示所要時間が経過した時点で2ページ目以降のサムネイル画像が表示位置に表示されるように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
管理用文書のための合成画像において、1ページ目の縮小画像の大きさを他のページの縮小画像の大きさよりも大きくし、合成画像の右上隅にユーザがメモを書き込むためのメモ用余白領域を確保し、合成画像の左下隅の所定の位置に識別マークの画像を挿入し、レイアウトの1ページ目の縮小画像およびメモ用余白領域で占有された以外の残領域に他のページの縮小画像を同一の大きさで配列するデジタル複合機は知られている(例えば、特許文献1参照)。
複数ページの文書から1つ以上の視覚的特徴を抽出し、その視覚的特徴に従って、文書のページを順位付けし、文書を代表するページを選択し、選択したページを表示データとしてディスプレイに表示させる文書表示方法も知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−273333号公報
【特許文献2】特開2002−63215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、複数の縮小画像のうちの基準となる基準縮小画像を容易に把握することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、表示画面に表示された複数の縮小画像群から特定の縮小画像群を選択する選択操作を検出する検出手段と、前記検出手段による前記選択操作の検出に応じて、前記特定の縮小画像群に含まれる複数の縮小画像のうちの基準となる基準縮小画像が、当該複数の縮小画像内の当該基準縮小画像の順番に応じた前記表示画面上の基準位置に表示された後、前記複数の縮小画像のうちの当該基準縮小画像以外の複数の表示対象縮小画像の各表示対象縮小画像が、当該基準位置を起点とし、当該複数の縮小画像内の当該各表示対象縮小画像の順番に応じた前記表示画面上の各表示位置を終点として、表示されるように制御する制御手段とを備えたことを特徴とする表示制御装置である。
請求項2に記載の発明は、前記制御手段は、前記複数の表示対象縮小画像の各表示対象縮小画像が、前記基準位置を起点とし、当該各表示対象縮小画像の順番に応じた各表示位置を終点として、当該基準位置と当該各表示位置との間の距離が長いほど長い時間をかけて表示されるように制御することを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置である。
請求項3に記載の発明は、前記制御手段は、前記複数の表示対象縮小画像の各表示対象縮小画像が、前記基準位置を起点とし、当該各表示対象縮小画像の順番に応じた各表示位置を終点として、当該基準位置と当該各表示位置との間の距離が長いほど速い速度で表示されるように制御することを特徴とする請求項2に記載の表示制御装置である。
請求項4に記載の発明は、前記制御手段は、前記複数の表示対象縮小画像の各表示対象縮小画像が、前記基準位置を起点とし、当該各表示対象縮小画像の順番に応じた各表示位置を終点として、当該基準位置と当該各表示位置との間の距離に比例する速度よりも遅くすることで当該距離に比例しないようになった速度で表示されるように制御することを特徴とする請求項3に記載の表示制御装置である。
請求項5に記載の発明は、前記制御手段は、前記複数の表示対象縮小画像の各表示対象縮小画像が、前記基準位置を起点とし、当該各表示対象縮小画像の順番に応じた各表示位置を終点として、予め定めた時間だけ待った後に当該基準位置と当該各表示位置との間の距離に比例する速度で表示されるように制御することを特徴とする請求項3に記載の表示制御装置である。
請求項6に記載の発明は、前記制御手段は、前記複数の表示対象縮小画像の各表示対象縮小画像が、前記基準位置を起点とし、当該各表示対象縮小画像の順番に応じた各表示位置を終点として、前記基準縮小画像の順番と当該各表示対象縮小画像の順番との差が大きいほど長い時間をかけて表示されるように制御することを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置である。
請求項7に記載の発明は、前記制御手段は、前記複数の表示対象縮小画像の各表示対象縮小画像が、前記基準位置を起点とし、当該各表示対象縮小画像の順番に応じた各表示位置を終点として、表示が完了した他の表示対象縮小画像の背後を移動しながら表示されるように制御することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載の表示制御装置である。
請求項8に記載の発明は、コンピュータに、表示画面に表示された複数の縮小画像群から特定の縮小画像群を選択する選択操作を検出する機能と、前記選択操作の検出に応じて、前記特定の縮小画像群に含まれる複数の縮小画像のうちの基準となる基準縮小画像が、当該複数の縮小画像内の当該基準縮小画像の順番に応じた前記表示画面上の基準位置に表示された後、前記複数の縮小画像のうちの当該基準縮小画像以外の複数の表示対象縮小画像の各表示対象縮小画像が、当該基準位置を起点とし、当該複数の縮小画像内の当該各表示対象縮小画像の順番に応じた前記表示画面上の各表示位置を終点として、表示されるように制御する機能とを実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、複数の縮小画像のうちの基準となる基準縮小画像を容易に把握することができる。
請求項2の発明によれば、表示対象縮小画像の表示位置が一列に並んでいないときは、本構成を有していない場合に比較して、表示対象縮小画像の表示が完了するまでの時間を短縮することができる。
請求項3の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、表示対象縮小画像が多いときにその表示が完了するまでの時間を短縮することができる。
請求項4の発明によれば、表示対象縮小画像を表示する速度を基準位置と表示位置との間の距離に比例する速度とした場合に距離の順に表示が完了することがなくなるという不都合を軽減することができる。
請求項5の発明によれば、表示対象縮小画像を表示する速度を基準位置と表示位置との間の距離に比例する速度とした場合に距離の順に表示が完了することがなくなるという不都合を軽減することができる。
請求項6の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、表示対象縮小画像の順番を容易に把握することができる。
請求項7の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、表示が完了した表示対象縮小画像の視認性が損なわれる可能性が低くなる。
請求項8の発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、複数の縮小画像のうちの基準となる基準縮小画像を容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施の形態が適用される端末装置のハードウェア構成例を示した図である。
【図2】操作パネル上に仮想的に設定される領域等について示した図である。
【図3】本発明の実施の形態における放射状ページ展開の概略動作について説明するための図である。
【図4】本発明の実施の形態における放射状ページ展開の概略動作について説明するための図である。
【図5】本発明の実施の形態における放射状ページ展開の概略動作について説明するための図である。
【図6】本発明の実施の形態における放射状ページ展開の概略動作について説明するための図である。
【図7】本発明の実施の形態における端末装置の機能構成例を示したブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態で記憶される表示制御情報の内容例を示した図である。
【図9】本発明の実施の形態における端末装置の動作例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態が適用される端末装置10のハードウェア構成例を示した図である。
端末装置10は、電子文書の情報を表示し、選択された電子文書の印刷を図示しない印刷装置に指示するために用いられるコンピュータ装置である。図示するように、端末装置10は、CPU(Central Processing Unit)11と、RAM(Random Access Memory)12と、ROM(Read Only Memory)13と、HDD(Hard Disk Drive)14と、操作パネル15と、通信インターフェースコントローラ(以下、「通信I/Fコントローラ」と表記する)18とを備える。尚、本実施の形態において、端末装置10は、印刷装置とは独立の装置とするが、印刷装置と一体化した装置としてもよい。
【0009】
CPU11は、ROM13等に記憶された各種プログラムをRAM12にロードして実行することにより、後述する各機能を実現する。
RAM12は、CPU11の作業用メモリ等として用いられるメモリである。
ROM13は、CPU11が実行する各種プログラム等を記憶するメモリである。
HDD14は、印刷対象の電子文書等を記憶する例えば磁気ディスク装置である。
操作パネル15は、電子文書の情報の表示やユーザからの操作入力の受付を行う例えばタッチパネルである。
通信I/Fコントローラ18は、有線又は無線の通信回線を介して、他の装置、例えば印刷装置との間で各種情報の送受信を行う。
【0010】
ところで、このような端末装置10において、電子文書又はそのページを選択するための情報を操作パネル15に一覧表示する方法の1つに、電子文書又はページの縮小画像の一例であるサムネイル画像を表示する方法がある。このようにサムネイル画像を表示する場合には、例えば、電子文書の各ページの大まかな内容を確認するために、操作パネル15上に各ページのサムネイル画像を配置する操作を行うことがあり、このような操作は利便性よく行えることが望ましい。
そこで、本実施の形態では、操作パネル15上に各ページのサムネイル画像を配置する際に、基準ページのサムネイル画像を起点として放射状に各ページのサムネイル画像を展開する放射状ページ展開を行うようにした。
【0011】
まず、この放射状ページ展開の概略動作を、操作パネル15上のサムネイル画像を模式的に表した図を用いて説明する。
ここで、概略動作の説明に先立ち、操作パネル15上に設定される仮想的な領域について説明しておく。
図2は、この仮想的な領域について示した図である。
操作パネル15上の領域は、まず、電子文書の各ページの情報を表示するページ表示領域51に分割される。図では、同時に9ページ分の情報を表示することを想定しているので、9個のページ表示領域51に分割されている。
また、ページ表示領域51の中心には、サムネイルホームポジション52と呼ばれる仮想的な点が存在する。
更に、ページ表示領域51内には、サムネイル表示領域53が存在する。このサムネイル表示領域53は、その中心がサムネイルホームポジション52と一致するように配置される。そして、ページのサムネイル画像は、このサムネイル表示領域53内に収まるように生成される。
更にまた、操作パネル15の下方には印刷ボタン54及び操作ボタン55が表示されている。印刷ボタン54は、選択されたサムネイル画像に対応するページの印刷を印刷装置に指示するためのボタンであり、操作ボタン55は、例えばサムネイル画像の並べ替えを行うときに操作されるボタンである。
【0012】
次いで、放射状ページ展開の概略動作について説明する。
図3は、電子文書のサムネイル画像が生成され一覧表示されたときの状態を示した図である。
図示するように、操作パネル15には、電子文書ごとにサムネイル画像及びファイル名が表示される。サムネイル画像は、電子文書の1ページ目の内容を記述した矩形で示されており、ファイル名は、サムネイル画像の下に例えば「AAA.pdf」、「BBB.pdf」、「CCC.pdf」として示されている。
【0013】
図4は、図3で表示されたサムネイル画像の中から、放射状ページ展開を行いたい電子文書のサムネイル画像を選択したときの状態を示した図である。例えば、図3の電子文書「AAA.pdf」を選択すると、このような表示に切り替わる。
即ち、放射状ページ展開はまだ開始されていないので、操作パネル15には、基準ページである1ページ目のサムネイル画像及びページ番号表示しか表示されていない。サムネイル画像は、ページの内容を記述した矩形で示されており、図2の左上のサムネイル表示領域53に収まるように表示されている。この例では、図上でページを区別し易くするため、各ページの内容はページ番号とする。また、ページ番号表示は、サムネイル画像の下に「N/M」という記述で示されており、図2の左上のページ表示領域51内に表示されている。ここで、Mは電子文書の全ページ数であり、Nは対応するページのページ番号である。図では、電子文書「AAA.pdf」の総ページ数を「14」としているのでM=14であり、1ページ目のサムネイル画像に対応するページ番号表示なのでN=1である。
この後、暫くすると、2ページ目以降のサムネイル画像が、図2のレイアウトに従って整列したときの位置(以下、「整列位置」という)へと展開されていくことになる。
【0014】
図5は、放射状ページ展開が開始されて間もないときの状態を示した図である。
図では、1ページ目に近い2ページ目、4ページ目、5ページ目のサムネイル画像は、それぞれの整列位置に到達しているが、1ページ目からある程度の距離がある3ページ目、6ページ目、7ページ目以降のサムネイル画像は、それぞれの整列位置にまだ到達していない。
【0015】
図6は、図5の状態から更に時間が経過したときの状態を示した図である。
図では、図5で整列位置に到達していなかったサムネイル画像のうち、1ページ目に近い3ページ目、6ページ目、7ページ目のサムネイル画像は、それぞれの整列位置に到達しているが、1ページ目から更に距離がある8ページ目以降のサムネイル画像は、それぞれの整列位置にまだ到達していない。
その後、電子文書の全てのページのサムネイル画像がそれぞれの整列位置に到達し、放射状ページ展開が完了する。
【0016】
尚、図では、一度に表示されるサムネイル画像の個数を9個としているが、本実施の形態では、サムネイル画像の個数は限定せず、3個以上のサムネイル画像が表示されていれば、動作は成立する。サムネイル画像の並び順についても、図では、左上から右下へページ番号の昇順に並んでいることとしたが、どのような並び順であっても本発明は適用可能である。
また、本実施の形態では、電子文書のページのサムネイル画像を例にとって説明するが、意味のある順番に並べられたデータであれば、いかなるデータにも本発明は適用可能である。例えば、デジタルフォトスタンドの画像表示順序を記したファイルに適用することもできる。
【0017】
ところで、サムネイル画像が整列位置に到達するまでの時間を1ページ目からの距離に応じて単純に決めた場合、例えば、1ページ目からの距離に比例するように決めた場合は、電子文書のページ数が多くなると、全てのページの展開が完了するまでの時間が非常に長くなってしまう。
従って、サムネイル画像が整列位置に移動するときの移動速度を1ページ目からの距離に応じて調整するのが望ましい。具体的には、1ページ目からの距離が短ければ移動速度を遅くし、1ページ目からの距離が長ければ移動速度を速くするとよい。
【0018】
とはいえ、サムネイル画像が整列位置に移動するときの移動速度を1ページ目からの距離に比例する速度に決定したのでは、全てのページのサムネイル画像の整列位置への展開が同時に完了してしまう。例えば1ページ目からの距離が近い順にサムネイル画像を展開していきたい場合にはこのように同時に展開が完了するのは好ましくない。
従って、サムネイル画像を整列位置に移動するときの移動速度は、1ページ目からの距離に比例する速度よりも遅くして1ページ目からの距離に比例しない速度にするとよい。或いは、1ページ目からの距離に比例する移動速度でサムネイル画像を移動するのであれば、予め定めた遅延時間を経過した後にサムネイル画像の移動を開始するとよい。
【0019】
尚、この例では、サムネイル画像が整列位置に到達するまでの時間を1ページ目からの距離に応じて決めたが、この限りではない。例えば、1ページ目からのページ数に応じて決めてもよい。具体的には、サムネイル画像が整列位置に到達するまでの時間を、1ページ目からのページ数が少なければ(ページ番号が小さければ)短くし、1ページ目からのページ数が多ければ(ページ番号が大きければ)長くしてもよい。
また、この場合も上記と同様に、サムネイル画像が整列位置に移動するときの移動速度を1ページ目からのページ数に応じて決定するのが望ましい。具体的には、1ページ目からのページ数が少なければ(ページ番号が小さければ)移動速度を遅くし、1ページ目からのページ数が多ければ(ページ番号が大きければ)移動速度を速くするとよい。
更に、サムネイル画像を整列位置に移動するときの移動速度は、1ページ目からのページ数に比例する速度よりも遅くして1ページ目からのページ数に比例しない速度にしてもよいし、1ページ目からのページ数に比例する速度にし、予め定めた遅延時間を経過した後にサムネイル画像の移動を開始するようにしてもよい。
【0020】
また、この例では、図5及び図6に示したように、既に整列位置に到達したサムネイル画像が存在する領域を、そのサムネイル画像よりも遠くへ移動するサムネイル画像が通過する際、前者のサムネイル画像の背後を後者のサムネイル画像が移動するようにしている。前者のサムネイル画像の前面を後者のサムネイル画像が移動するようにすると、既に表示位置が確定しており、ユーザがより注目しているページの視認性を損なう可能性があるからである。
【0021】
次に、このような概略動作を実現する端末装置10について詳細に説明する。
図7は、端末装置10の機能構成例を示したブロック図である。
図示するように、端末装置10は、操作検出部21と、文書情報解析部22と、指示情報生成部23と、指示情報記憶部24と、ページ情報解析部25と、表示制御情報記憶部26と、表示制御部27とを備えている。
【0022】
操作検出部21は、操作パネル15上の操作、例えば、サムネイル画像を選択する操作を検出する。本実施の形態では、選択操作を検出する検出手段の一例として、操作検出部21を設けている。
文書情報解析部22は、電子文書のサムネイル画像を選択する操作を操作検出部21が検出すると、電子文書全体の管理情報である文書情報を解析し、電子文書の総ページ数を取得する。
指示情報生成部23は、文書情報解析部22による解析の結果、電子文書の総ページ数が閾値以上であれば、放射状ページ展開でサムネイル画像の移動速度を調整することを指示する指示情報を生成し、電子文書の総ページ数が閾値未満であれば、放射状ページ展開でサムネイル画像の移動速度を調整しないことを指示する指示情報を生成する。
指示情報記憶部24は、指示情報生成部23が生成した指示情報を記憶する。
【0023】
ページ情報解析部25は、電子文書のページの管理情報であるページ情報を解析し、各ページのサムネイル画像の画像サイズ、整列位置、表示所要時間を算出する。
表示制御情報記憶部26は、電子文書の各ページのページ番号、各ページのサムネイル画像の画像サイズ、整列位置、表示所要時間を対応付けた表示制御情報を記憶する。
表示制御部27は、表示制御情報記憶部26に記憶された表示制御情報に基づいて、1ページ目のサムネイル画像及び2ページ目以降のサムネイル画像の操作パネル15の整列位置への表示を制御する。本実施の形態では、基準縮小画像の一例として、1ページ目のサムネイル画像を用いており、基準位置の一例として、1ページ目のサムネイル画像の整列位置を用いており、表示対象縮小画像の一例として、2ページ目以降のサムネイル画像を用いており、表示位置の一例として、2ページ目以降のサムネイル画像の整列位置を用いている。また、基準縮小画像及び表示対象縮小画像が表示されるように制御する制御手段の一例として、表示制御部27を設けている。
【0024】
ここで、表示制御情報記憶部26に記憶される表示制御情報について説明する。
図8は、表示制御情報の一例を示した図である。
図示するように、表示制御情報は、ページ番号と、サムネイル画像の画像サイズ(図では「画像サイズ」と表記)と、サムネイル画像の整列位置(図では「整列位置」と表記)と、サムネイル画像の表示所要時間(図では「表示所要時間」と表記)とを対応付けたものとなっている。
【0025】
ページ番号は、電子文書のページに順番に付された番号である。
サムネイル画像の画像サイズは、ページ番号で示されるページのサムネイル画像を操作パネル15に表示するときの大きさであり、横方向の長さをLXnn、縦方向の長さをLYnnとし、(LXnn,LYnn)で表している。
サムネイル画像の整列位置は、ページ番号で示されるページのサムネイル画像を表示する操作パネル15上の位置であり、横方向の座標をPXnn、縦方向の座標をPYnnとし、(PXnn,PYnn)で表している。
サムネイル画像の表示所要時間は、1ページ目のサムネイル画像を操作パネル15に表示してから、ページ番号で示されるページのサムネイル画像を操作パネル15の整列位置に表示するまでの時間である。例えば、2ページ目のサムネイル画像は、1ページ目のサムネイル画像が表示された後、時間T02が経過した時点で操作パネル15の(PX02,PY02)で表される位置に表示されるように制御する。
【0026】
次いで、端末装置10の動作について説明する。
図9は、端末装置10の動作例を示したフローチャートである。
動作が開始すると、端末装置10では、まず、操作検出部21が、電子文書のサムネイル画像を選択する操作を検出したかどうかを判定する(ステップ201)。電子文書のサムネイル画像を選択する操作を検出しなければ、ステップ201を繰り返すが、電子文書のサムネイル画像を選択する操作を検出すれば、文書情報解析部22が、その電子文書の文書情報を解析して、電子文書の総ページ数を取得する(ステップ202)。ここで、総ページ数が予め定めたページ数以上であれば、放射状ページ展開で移動速度の調整を行うことを指示する指示情報が指示情報生成部23によって生成されて指示情報記憶部24に記憶され、総ページ数が予め定めたページ数未満であれば、放射状ページ展開で移動速度の調整を行わないことを指示する指示情報が指示情報生成部23によって生成されて指示情報記憶部24に記憶される。電子文書の総ページ数が少ない場合は、放射状ページ展開で移動速度の調整を行わなくても、全てのページの展開が完了するまでにそれほど時間がかからないからである。
【0027】
次に、ページ情報解析部25が、電子文書の1ページ目のページ情報を解析して、1ページ目のサムネイル画像の画像サイズ及び整列位置を算出し、これらをページ番号「1」に関連付けて表示制御情報記憶部26に記憶する(ステップ203)。尚、1ページ目は放射状ページ展開の起点となるページで、ページ展開は行わないので、表示所要時間の算出、記憶は行わない。
その後、表示制御部27は、表示制御情報記憶部26に記憶されたページ番号「1」に対応する画像サイズ及び整列位置に基づいて、1ページ目のサムネイル画像の操作パネル15への表示を制御する(ステップ204)。
【0028】
次いで、ページ情報解析部25が、電子文書の2ページ目以降について、ページごとに以下の処理を行う。
即ち、ページ情報解析部25は、着目するページのページ情報を解析して、そのページのサムネイル画像の画像サイズ及び整列位置を算出し、これらをそのページのページ番号に関連付けて表示制御情報記憶部26に記憶する(ステップ205)。
また、ページ情報解析部25は、指示情報記憶部24に記憶された指示情報が放射状ページ展開で移動速度の調整を行うことを指示する指示情報であるかどうかを判定する(ステップ206)。
【0029】
その結果、放射状ページ展開で移動速度の調整を行うことを指示する指示情報でない、つまり、放射状ページ展開で移動速度の調整を行わないことを指示する指示情報であると判定されれば、ページ情報解析部25は、「T=α+D×β」によって、着目するページのサムネイル画像を整列位置に表示するまでの表示所要時間Tを算出し、表示制御情報記憶部26に記憶する(ステップ207)。
ここで、Dは1ページ目のサムネイル画像の整列位置から着目するページのサムネイル画像の整列位置までの距離である。また、αは一斉にページ展開を開始するまでの待ち時間に相当する係数、βは一斉にページ展開を開始した後におけるページのサムネイル画像の移動速度の逆数に相当する係数であり、これらは共に固定の値(α>0、β>0)をとる。即ち、この場合、全てのページに共通の待ち時間が経過してから各ページのサムネイル画像が整列位置に表示されるまでの時間は、1ページ目のサムネイル画像の整列位置から各ページのサムネイル画像の整列位置までの距離に比例している。
【0030】
一方、放射状ページ展開で移動速度の調整を行うことを指示する指示情報であると判定されれば、ページ情報解析部25は、「T=f(D)+D×g(D)」によって、着目するページのサムネイル画像を整列位置に表示するまでの表示所要時間Tを算出し、表示制御情報記憶部26に記憶する(ステップ208)。
ここで、Dは、ステップ207で用いた式のDと同じで、1ページ目のサムネイル画像の整列位置から着目するページのサムネイル画像の整列位置までの距離である。また、f(D)、g(D)は、それぞれステップ207で用いた式のα、βに相当するが、α、βと異なり、距離Dによって異なる値をとる関数である。
例えば、f(D)が距離Dによらず固定の値をとる関数であるとすると、g(D)としては、距離Dが大きいほど小さな値をとる関数、つまり、単調減少の関数を用いるとよい。しかしながら、例えばg(D)を距離Dの逆数に比例する関数とした場合、表示所要時間Tは固定の値となってしまう。そこで、距離Dが小さい順にページ展開が完了するようにするには、距離Dが大きいほどD×g(D)も大きくなるようにg(D)を決定する必要がある。
また、g(D)を距離Dの逆数に比例する関数とした場合、D×g(D)は固定の値となってしまう。そこで、距離Dが小さい順にページ展開が完了するようにするには、f(D)として、距離Dが大きいほど大きな値をとる関数、つまり、単調増加の関数を用いる必要がある。
【0031】
その後、表示制御部27は、着目するページが最終ページであるかどうかを判定する(ステップ209)。そして、最終ページでなければ、ステップ205〜208を繰り返し、最終ページであれば、表示制御情報記憶部26に記憶されたページ番号「2」以降のページ番号に対応する画像サイズ及び整列位置に基づいて、2ページ目から最終ページまでのサムネイル画像の操作パネル15への表示を制御する(ステップ210)。尚、このとき、例えば距離Dが小さいサムネイル画像ほど操作パネル15上で前面のレイヤに配置されるように制御することで、図5及び図6に示した、既に整列位置に到達したサムネイル画像の背後をより遠くへ移動するサムネイル画像が移動する表示を実現する。
【0032】
尚、この動作例では、表示所要時間Tを、1ページ目のサムネイル画像の整列位置から各ページのサムネイル画像の整列位置までの距離Dに依存する値としたが、1ページ目から各ページまでのページ数(1ページ目のページ番号と各ページのページ番号との差)Pに依存する値としてもよい。具体的には、ページ情報解析部25が、ステップ207で「T=α+P×β」によって表示所要時間Tを算出し、ステップ208で「T=f(P)+P×g(P)」によって表示所要時間Tを算出してもよい。また、この場合、ステップ210で2ページ目から最終ページまでのサムネイル画像の操作パネル15への表示を制御する際に、ページ数Pが小さいサムネイル画像ほど操作パネル15上で前面のレイヤに配置されるように制御することで、既に整列位置に到達したサムネイル画像の背後をより大きなページ番号のページのサムネイル画像が移動する表示を実現するとよい。
【0033】
また、この動作例では、電子文書の総ページ数が予め定めたページ数未満であれば、ステップ207で「T=α+D×β」によって表示所要時間Tを算出し、電子文書の総ページ数が予め定めたページ数以上であれば、ステップ208で「T=f(D)+D×g(D)」によって表示所要時間Tを算出するようにしたが、このように電子文書の総ページ数で処理を分けなくてもよい。電子文書の総ページ数に関係なく、「T=α+D×β」、「T=f(D)+D×g(D)」の何れか一方によって表示所要時間Tを算出するようにしてもよい。
【0034】
更に、この動作例では、ステップ208でサムネイル画像の移動速度の調整を行う場合があることを前提として、ステップ210で既に整列位置に到達したサムネイル画像の背後をより遠くへ移動するサムネイル画像が移動する表示を実現するようにした。しかしながら、サムネイル画像の移動速度の調整を行わないことを前提として、ステップ210で既に整列位置に到達したサムネイル画像の背後をより遠くへ移動するサムネイル画像が移動する表示を実現するようにしてもよい。
【0035】
ところで、本実施の形態では、横方向及び縦方向へサムネイル画像を並べるレイアウトを前提として、2ページ目以降のサムネイル画像を各整列位置へ展開させる機能を便宜上「放射状ページ展開」と呼んだが、横方向及び縦方向へサムネイル画像を並べるレイアウトを必ずしも前提としなくてよい。例えば、横方向へ一列にサムネイル画像を並べるレイアウトを前提として、2ページ目以降のサムネイル画像を各整列位置へ展開する場合にも本発明は適用可能である。
また、本実施の形態では、2ページ目以降のサムネイル画像を各整列位置へ移動しながら表示する態様、つまり、1ページ目のサムネイル画像の整列位置から2ページ目以降のサムネイル画像の整列位置までの軌跡も表示する態様を採用したが、このような表示態様に限られるものではない。例えば、1ページ目のサムネイル画像の整列位置から2ページ目以降のサムネイル画像の整列位置までの軌跡は表示せず、2ページ目以降のサムネイル画像の各整列位置において、サムネイル画像を不可視の状態から半透明の状態を経て可視の状態へと変化させ、サムネイル画像が浮かび上がってくるような効果を持たせる表示態様を採用してもよい。この場合は、サムネイル画像の表示が完了するまでの時間及びサムネイル画像を表示する速度(速さ)を調整することになる。
更に、この放射状ページ展開の機能は、操作パネル15上でサムネイル画像を並べ替える場合にも適用することが可能である。
【0036】
尚、本実施の形態を実現するプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD−ROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。
【符号の説明】
【0037】
10…端末装置、21…操作検出部、22…文書情報解析部、23…指示情報生成部、24…指示情報記憶部、25…ページ情報解析部、26…表示制御情報記憶部、27…表示制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面に表示された複数の縮小画像群から特定の縮小画像群を選択する選択操作を検出する検出手段と、
前記検出手段による前記選択操作の検出に応じて、前記特定の縮小画像群に含まれる複数の縮小画像のうちの基準となる基準縮小画像が、当該複数の縮小画像内の当該基準縮小画像の順番に応じた前記表示画面上の基準位置に表示された後、前記複数の縮小画像のうちの当該基準縮小画像以外の複数の表示対象縮小画像の各表示対象縮小画像が、当該基準位置を起点とし、当該複数の縮小画像内の当該各表示対象縮小画像の順番に応じた前記表示画面上の各表示位置を終点として、表示されるように制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記複数の表示対象縮小画像の各表示対象縮小画像が、前記基準位置を起点とし、当該各表示対象縮小画像の順番に応じた各表示位置を終点として、当該基準位置と当該各表示位置との間の距離が長いほど長い時間をかけて表示されるように制御することを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記複数の表示対象縮小画像の各表示対象縮小画像が、前記基準位置を起点とし、当該各表示対象縮小画像の順番に応じた各表示位置を終点として、当該基準位置と当該各表示位置との間の距離が長いほど速い速度で表示されるように制御することを特徴とする請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記複数の表示対象縮小画像の各表示対象縮小画像が、前記基準位置を起点とし、当該各表示対象縮小画像の順番に応じた各表示位置を終点として、当該基準位置と当該各表示位置との間の距離に比例する速度よりも遅くすることで当該距離に比例しないようになった速度で表示されるように制御することを特徴とする請求項3に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記複数の表示対象縮小画像の各表示対象縮小画像が、前記基準位置を起点とし、当該各表示対象縮小画像の順番に応じた各表示位置を終点として、予め定めた時間だけ待った後に当該基準位置と当該各表示位置との間の距離に比例する速度で表示されるように制御することを特徴とする請求項3に記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記複数の表示対象縮小画像の各表示対象縮小画像が、前記基準位置を起点とし、当該各表示対象縮小画像の順番に応じた各表示位置を終点として、前記基準縮小画像の順番と当該各表示対象縮小画像の順番との差が大きいほど長い時間をかけて表示されるように制御することを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記複数の表示対象縮小画像の各表示対象縮小画像が、前記基準位置を起点とし、当該各表示対象縮小画像の順番に応じた各表示位置を終点として、表示が完了した他の表示対象縮小画像の背後を移動しながら表示されるように制御することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載の表示制御装置。
【請求項8】
コンピュータに、
表示画面に表示された複数の縮小画像群から特定の縮小画像群を選択する選択操作を検出する機能と、
前記選択操作の検出に応じて、前記特定の縮小画像群に含まれる複数の縮小画像のうちの基準となる基準縮小画像が、当該複数の縮小画像内の当該基準縮小画像の順番に応じた前記表示画面上の基準位置に表示された後、前記複数の縮小画像のうちの当該基準縮小画像以外の複数の表示対象縮小画像の各表示対象縮小画像が、当該基準位置を起点とし、当該複数の縮小画像内の当該各表示対象縮小画像の順番に応じた前記表示画面上の各表示位置を終点として、表示されるように制御する機能と
を実現させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate