説明

表示制御装置及びプログラム

【課題】暗記カードによる学習効果を高める。
【解決手段】電子辞書1は、複数のカード面を対応付けてなる暗記カードデータ820を複数記憶する暗記カードデータベース82と、暗記カードデータベース82により記憶された暗記カードデータ820における何れかのカード面を複数表示させるCPU20と、ユーザ操作に基づいて、表示制御されたカード面のうち、何れか複数のカード面を選択する入力部30とを備える。CPU20は、選択された複数のカード面が別々の暗記カードデータ820に属する場合に、その組合せを不正解と判定し、不正解の旨を表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、学習の分野においては、例えば英単語とその日本語訳など、対応する内容の項目を効率良く覚える手段として、暗記カードが用いられている。暗記カードによれば、自分でカードの一方の面を問題として出題し、他方の面の内容を回答するという作業を繰り返すことで暗記効率を高めることができ、また、問題と回答をカード両面に書き込むことで各内容を手で覚えることもできる。
【0003】
近年、電子辞書などの情報表示装置では、暗記カードと同様の機能が搭載されており、手書き入力によって暗記カードを作成し、片面ずつ表示させることができるようになっている(例えば特許文献1参照)。より具体的には、このような情報表示装置では、ユーザが暗記カードにおける一方の面を表示させつつ他方の面の内容を思い浮かべた後、実際に他方の面を表示させて自分の回答の正誤を判定したり、ユーザが暗記カードにおける一方の面を表示させつつ、他方の面の内容を入力して正誤を判定させたりすることができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−211090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような暗記カードの使用法は単調で飽き易いため、学習効果が低くなってしまうという問題がある。
【0006】
本発明の課題は、暗記カードによる学習効果を高めることのできる表示制御装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、表示制御装置において、
複数の項目を対応付けてなる暗記カード情報を複数記憶する記憶手段と、
前記記憶手段により記憶された暗記カード情報における何れかの項目を複数表示させる表示制御手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記表示制御手段により表示制御された項目のうち、何れか複数の項目を選択する項目選択手段と、
前記項目選択手段による複数の選択項目が別々の暗記カード情報に属する場合に、選択項目の組合せを不正解と判定する正誤判定手段と、
前記正誤判定手段により選択項目の組合せが不正解と判定された場合に、不正解の旨を表示させる不正解表示制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、暗記カードによる学習効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】電子辞書の概観を示す平面図である。
【図2】電子辞書の内部構成を示すブロック図である。
【図3】暗記学習処理を示すフローチャートである。
【図4】正誤判断処理を示すフローチャートである。
【図5】表示部の表示内容を示す図である。
【図6】表示部の表示内容を示す図である。
【図7】表示部の表示内容を示す図である。
【図8】正誤判断処理を示すフローチャートである。
【図9】正誤判断処理を示すフローチャートである。
【図10】正誤判断処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明に係る表示制御装置を電子辞書に適用した場合の実施形態について詳細に説明する。
【0011】
[外観構成]
図1は、電子辞書1の平面図である。
この図に示すように、電子辞書1は、メインディスプレイ10、サブディスプレイ11及びキー群2を備えている。
【0012】
メインディスプレイ10及びサブディスプレイ11は、ユーザによるキー群2の操作に応じた文字や符号等、各種データを表示する部分であり、LCD(Liquid Crystal Display)やELD(Electronic Luminescence Display)等によって構成されている。なお、本実施の形態におけるメインディスプレイ10及びサブディスプレイ11は、いわゆるタッチパネル110(図2参照)と一体的に形成されており、手書き入力等の操作を受け付け可能となっている。
【0013】
キー群2は、ユーザから電子辞書1を操作するための操作を受ける各種キーを有している。具体的には、キー群2は、訳/決定キー2bと、文字キー2cと、カーソルキー2e等とを有している。
【0014】
訳/決定キー2bは、検索の実行や、見出し語の決定等に使用されるキーである。文字キー2cは、ユーザによる文字の入力等に使用されるキーであり、本実施の形態においては“A”〜“Z”キーを備えている。
【0015】
カーソルキー2eは、画面内の反転表示位置、つまりカーソル位置の移動等に使用されるキーであり、本実施の形態においては上下左右の方向を指定可能となっている。
【0016】
[内部構成]
続いて、電子辞書1の内部構造について説明する。図2は、電子辞書1の内部構成を示すブロック図である。
【0017】
この図に示すように、電子辞書1は、表示部40、入力部30、記録媒体読取部50、CPU(Central Processing Unit)20、記憶部80を備え、各部はバスで相互にデータ通信可能に接続されて構成されている。
【0018】
表示部40は、上述のメインディスプレイ10及びサブディスプレイ11を備えており、CPU20から入力される表示信号に基づいて各種情報をメインディスプレイ10やサブディスプレイ11に表示するようになっている。
【0019】
入力部30は、上述のキー群2やタッチパネル110を備えており、押下されたキーやタッチパネル110の位置に対応する信号をCPU20に出力するようになっている。
【0020】
記録媒体読取部50は、着脱自在に装着されるSDカードやUSBメモリ、CD等の記録媒体50Aから情報を読み取るものである。
【0021】
CPU20は、入力される指示に応じて所定のプログラムに基づいた処理を実行し、各機能部への指示やデータの転送等を行い、電子辞書1を統括的に制御するようになっている。具体的には、CPU20は、入力部30から入力される操作信号等に応じて記憶部80に格納された各種プログラムを読み出し、当該プログラムに従って処理を実行する。そして、CPU20は、処理結果を記憶部80に保存するとともに、表示部40に適宜出力させる。
【0022】
記憶部80は、電子辞書1の各種機能を実現するためのプログラムやデータを記憶するメモリである。本実施の形態においては、記憶部80は、本発明に係る情報表示プログラム81と、暗記カードデータベース82と、不正解組合せデータベース83等とを記憶している。
【0023】
情報表示プログラム81は、後述の暗記学習処理(図3参照)をCPU20に実行させるためのプログラムである。
【0024】
暗記カードデータベース82は、暗記カードデータ820を複数記憶している。各暗記カードデータ820においては、2つ以上の項目が暗記カードの各面の内容として対応付けられている。以下では、2つの項目が暗記カードの各面(表面,裏面)の内容として対応付けられている例を用いて説明する。ここで、本実施の形態においては、カード面の内容として文字列の手書き画像が用いられている。
【0025】
不正解組合せデータベース83は、後述の暗記学習処理(図3参照)において誤った組合せでカード面を選択した場合に、選択されたカード面を対応付け、不正解カードデータ830として記憶するようになっている。
【0026】
[動作]
続いて、電子辞書1の動作について、図3を参照しつつ説明する。
【0027】
図3は、CPU20が情報表示プログラム81を読み出して実行する暗記学習処理の流れを示すフローチャートである。
【0028】
この図に示すように、暗記学習処理においてまずCPU20は、暗記カードデータベース82における何れか複数の暗記カードデータ820をランダムに選択し、その各カード面をメインディスプレイ10に一覧表示させる(ステップS1)。なお、このステップS1においてCPU20は、暗記カードデータ820の選択を行わず、暗記カードデータベース82から複数のカード面をランダムに選択することとしても良い。
【0029】
次に、CPU20は、メインディスプレイ10に表示されたカード面のうち、何れかのカード面(以下、カード面(A)とする)がユーザにより選択されるか否かを判定し(ステップS2)、選択されないと判定した場合(ステップS2;No)には他の処理へ移行する。
【0030】
また、ステップS2においてカード面(A)が選択されたと判定した場合(ステップS2;Yes)には、CPU20は、不正解組合せデータベース83においてカード面(A)が不正解カードデータ830に属しており、かつ、この不正解カードデータ830に属する他のカード面がメインディスプレイ10に表示されているか否かを判定する(ステップS3)。
【0031】
このステップS3においてカード面(A)が不正解カードデータ830に属していないか、或いは、カード面(A)が不正解カードデータ830に属してはいるものの、この不正解カードデータ830に属する他のカード面がメインディスプレイ10に表示されてはいないと判定した場合(ステップS3;No)には、CPU20は、後述のステップS5に移行する。
【0032】
また、ステップS3においてカード面(A)が不正解カードデータ830に属しており、かつ、この不正解カードデータ830に属する他のカード面がメインディスプレイ10に表示されていると判定した場合(ステップS3;Yes)には、CPU20は、そのカード面を識別表示させる(ステップS4)。
【0033】
次に、CPU20は、メインディスプレイ10に表示されたカード面のうち、カード面(A)以外の何れかのカード面(以下、カード面(B)とする)がユーザにより選択されるか否かを判定し(ステップS5)、選択されないと判定した場合(ステップS5;No)には他の処理へ移行する。
【0034】
また、ステップS5においてカード面(B)が選択されたと判定した場合(ステップS5;Yes)には、CPU20は、正誤判断処理を行う(ステップS6)。
【0035】
具体的には、図4に示すように、この正誤判断処理においてまずCPU20は、暗記カードデータベース82においてカード面(A),(B)が同じ暗記カードデータ820に属するか否かを判定し(ステップT1)、同じ暗記カードデータ820に属すると判定した場合(ステップT1;Yes)には、ユーザによるカード面の選択が正解であると判定し(ステップT2)、正誤判定処理を終了する。
【0036】
また、ステップT1においてカード面(A),(B)が同じ暗記カードデータ820に属しないと判定した場合(ステップT1;No)には、CPU20は、ユーザによるカード面の選択を不正解であると判定し(ステップT3)、カード面(A),(B)を対応付けた不正解カードデータ830を作成して不正解組合せデータベース83に記憶させ(ステップT4)、正誤判断処理を終了する。
【0037】
以上の正誤判断処理が終了したら、図3に示すように、次にCPU20は、メインディスプレイ10に未選択のカード面が存在するか否かを判定し(ステップS7)、存在すると判定した場合(ステップS7;Yes)にはステップS2に移行する。
【0038】
また、ステップS7においてメインディスプレイ10に未選択のカード面が存在しないと判定した場合(ステップS7;No)には、CPU20は、正誤判断処理において不正解と判定されたカード面の組合せがあった場合には、その旨と、その組合せ(不正解カードデータ830における各カード面)と、不正解の組合せにおける一方のカード面についての正しい組合せ(暗記カードデータ820における各カード面)とをメインディスプレイ10に表示させ(ステップS8)、暗記学習処理を終了する。
【0039】
(動作例)
続いて、図面を参照しつつ、上記の暗記学習処理を具体的に説明する。
【0040】
まず、図5(a)に示すように、暗記学習処理が実行されると、暗記カードデータベース82における何れか複数の暗記カードデータ820がランダムに選択され、その各カード面がメインディスプレイ10に一覧表示される(ステップS1)。なお、本動作例においては、暗記カードの表面として登録された内容と、裏面として登録された内容とが別々に表示されるようになっているが、混在して表示されることとしても良い。また、本動作例においては、例えば「flurry」のカード面は「にわか雪」のカード面と対応付けられており、「ice」のカード面は「氷」のカード面と対応付けられている。
【0041】
次に、図5(b)に示すように、メインディスプレイ10に表示されたカード面のうち、カード面「flurry」と、カード面「氷」とをユーザが選択すると(ステップS2;Yes、ステップS5;Yes)、これらのカード面「flurry」,「氷」が同じ暗記カードデータ820に属せず(ステップT1;No)、ユーザによるカード面「flurry」,「氷」の選択が不正解であると判定され(ステップT3)、カード面「flurry」,「氷」が対応付けられて不正解カードデータ830が作成され、不正解組合せデータベース83に記憶される(ステップT4)。なお、本動作例では、選択済みのカード面が網掛けで表示されるようになっている。
【0042】
以降、ユーザがカード面の選択を繰り返すことにより(ステップS2;Yes、ステップS5;Yes)、図5(c)に示すように、メインディスプレイ10に表示された全てのカード面が選択された状態となる。
【0043】
そして、メインディスプレイ10に未選択のカード面が存在しないと判定されて(ステップS7;No)、図5(d)に示すように、正誤判断処理において不正解と判定されたカード面の組合せがあった旨と、その組合せ(ここでは「flurry」及び「氷」)と、不正解の組合せにおける一方のカード面についての正しい組合せ(ここでは「flurry」及び「にわか雪」)とがメインディスプレイ10に表示される(ステップS8)。
【0044】
次に、ユーザが改めて暗記学習処理を実行させると、図6(a)に示すように、暗記カードデータベース82における何れか複数の暗記カードデータ820がランダムに選択され、その各カード面がメインディスプレイ10に一覧表示される(ステップS1)。
【0045】
次に、メインディスプレイ10に表示されたカード面のうち、「flurry」のカード面をユーザが選択すると(ステップS2;Yes)、このカード面が不正解カードデータ830に属しており、かつ、この不正解カードデータ830に属する「氷」のカード面がメインディスプレイ10に表示されていると判定され(ステップS3;Yes)、当該「氷」のカード面が識別表示される(ステップS4)。なお、この図では、「氷」の手書き画像が太字で表示されることでカード面が識別表示されているが、図6(b)に示すように、カード面が枠で囲われることで識別表示されることとしても良い。更には、カード面の手書き画像が所定色で表示されることでカード面が識別表示されることとしても良いし、カード面の背景が所定色で表示されることでカード面が識別表示されることとしても良い。
【0046】
以上の電子辞書1によれば、図3のステップS1〜S8や図5等に示したように、暗記カードデータベース82に記憶されたカード面が複数表示され、ユーザ操作に基づいて何れか複数のカード面が選択されると、これら選択されたカード面(以下、選択カード面とする)が別々の暗記カードデータ820に属する場合に、組合せが不正解と判定されてその旨が表示されるので、対応するカード面を複数のカード面から選択することで暗記学習を行うことができる。従って、暗記カードの使用を複雑化し、飽きが来るのを防止することができるため、暗記カードによる学習効果を高めることができる。
【0047】
また、図3のステップS8や図5(d)等に示したように、選択カード面の組合せが不正解と判定された場合に、選択カード面が属する暗記カードデータ820の各カード面が表示されるので、誤った組合せでカード面を選択した場合に、正しいカード面の組合せを確認することができる。
【0048】
また、図3のステップS3〜S4や図6等に示したように、選択カード面の組合せが不正解と判定された場合には、これら選択カード面を対応付けた不正解カードデータ830が不正解組合せデータベース83に記憶され、同一の不正解カードデータ830における複数のカード面がそれぞれ表示された状態から、その何れかのカード面が選択された場合には、不正解カードデータ830における残りのカード面が識別表示されるので、以前にどのようなカード面を誤って選択していたのかを意識しつつ、正しいカード面の選択を行うことができる。
【0049】
<変形例(1)>
続いて、上記の実施形態における電子辞書の変形例(1)について説明する。なお、上記実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0050】
上述の図2に示すように、本実施形態における電子辞書1Aは、記憶部80Aを備えており、この記憶部80Aは、本発明に係る情報表示プログラム81Aと、暗記カードデータベース82Aとを記憶している。
【0051】
情報表示プログラム81Aは、上述の図3に示した暗記学習処理において、後述の正誤判断処理(図8参照)をCPU20に行わせるようになっている。
【0052】
暗記カードデータベース82Aは、図7(a)に示すように、各暗記カードデータ820に属するカード面の手書き画像に対し、その内容を示す文字列(以下、認識用文字列とする)を対応付けて記憶している。なお、本動作例では、暗記カードデータベース82Aに暗記カードデータ820を登録する場合には、辞書データベース(図示せず)を用いて見出し語検索が行われた状態から所定の操作を行うことにより、見出し語の説明情報を参照しながら各カード面の手書き画像を入力することができるようになっており、更には、図7(b)に示すように、文字種(日本語または英語)を指定して認識用文字列を入力することができるようになっている。
【0053】
続いて、電子辞書1Aの動作を説明する。
図8は、CPU20が情報表示プログラム81Aを読み出して実行する暗記学習処理における正誤判定処理の流れを示すフローチャートである。
【0054】
この図に示すように、本変形例の正誤判断処理においてまずCPU20は、暗記カードデータベース82においてカード面(A),(B)が同じ暗記カードデータ820に属するか否かを判定し(ステップT1)、同じ暗記カードデータ820に属すると判定した場合(ステップT1;Yes)には、ステップT2に移行する。
【0055】
また、ステップT1においてカード面(A),(B)が同じ暗記カードデータ820に属しないと判定した場合(ステップT1;No)には、CPU20は、暗記カードデータベース82においてカード面(A),(B)の各認識用文字列が同一の暗記カードデータ820に対応付けられている認識用文字列と等しいか否かを判定する(ステップT11)。
【0056】
そして、このステップT13においてカード面(A),(B)の各認識用文字列が同一の暗記カードデータ820に対応付けられている認識用文字列と等しくないと判定した場合(ステップT11;No)には、CPU20はステップT3に移行し、等しいと判定した場合(ステップT11;Yes)にはステップT2に移行する。
(動作例)
続いて、図面を参照しつつ、上記の暗記学習処理を具体的に説明する。
【0057】
まず、図7(c)に示すように、暗記学習処理が実行されると、暗記カードデータベース82における何れか複数の暗記カードデータ820がランダムに選択され、その各カード面がメインディスプレイ10に一覧表示される(ステップS1)。なお、本動作例では、「success」のカード面と「成功」のカード面(図中の右上参照)とが互いに対応付けられ、「battle」のカード面と「成功」のカード面(図中の右下参照)とが互いに対応付けられている。
【0058】
次に、メインディスプレイ10に表示されたカード面のうち、「success」のカード面と、「成功」のカード面(図中の右下参照)とをユーザが選択すると(ステップS2;Yes、ステップS5;Yes)、これらのカード面「success」,「成功」が同じ暗記カードデータ820に属しないと判定された後(ステップT1;No)、カード面「success」,「成功」の各認識用文字列「success」,「成功」が同一の暗記カードデータ820に対応付けられている認識用文字列と等しいと判定されて(ステップT11;Yes)、ユーザによるカード面「success」,「成功」の選択が正解であると判定される(ステップT2)。
【0059】
以上の電子辞書1Aによれば、図7(c)や図8のステップT11等に示したように、暗記カードデータベース82Aでは、各カード面の内容として手書き画像が記憶されるとともに、各カード面の内容を示す文字列が当該カード面に対応付けて記憶されており、複数の選択カード面が別々の暗記カードデータ820に属する場合であって、これら選択カード面の内容を示す文字列が同一の暗記カードデータ820に対応付けられている文字列と等しい場合には、選択カード面の組合せが正解と判定されるので、手書き画像をカード面の内容として記憶する場合であっても、選択カード面の組合せの正誤を正しく判定することができる。
【0060】
<変形例(2)>
続いて、上記の実施形態における電子辞書の変形例(2)について説明する。なお、上記実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0061】
上述の図2に示すように、本実施形態における電子辞書1Bは、記憶部80Bを備えており、この記憶部80Bは、本発明に係る情報表示プログラム81Bと、暗記カードデータベース82とを記憶している。
【0062】
情報表示プログラム81Bは、上述の図3に示した暗記学習処理において、後述の正誤判断処理(図9参照)をCPU20に行わせるようになっている。
【0063】
続いて、電子辞書1Bの動作を説明する。
図9は、CPU20が情報表示プログラム81Bを読み出して実行する暗記学習処理における正誤判定処理の流れを示すフローチャートである。
【0064】
この図に示すように、本変形例の正誤判断処理においてまずCPU20は、暗記カードデータベース82においてカード面(A),(B)が同じ暗記カードデータ820に属するか否かを判定し(ステップT1)、同じ暗記カードデータ820に属すると判定した場合(ステップT1;Yes)には、ステップT2に移行する。
【0065】
また、ステップT11においてカード面(A),(B)が同じ暗記カードデータ820に属しないと判定した場合(ステップT1;No)には、CPU20は、一方のカード面(B)の手書き画像を文字認識して文字列を検知する(ステップT21)。
【0066】
次に、CPU20は、カード面(A)の属する暗記カードデータ820の各カード面のうち、カード面(A)以外のカード面の手書き画像を文字認識して文字列を検知し、両者の文字列が一致するか否かを判定する(ステップT22)。
【0067】
そして、このステップT22において両者の文字列が一致しないと判定した場合(ステップT22;No)には、CPU20はステップT3に移行し、一致すると判定した場合(ステップT22;Yes)にはステップT2に移行する。
【0068】
以上の電子辞書1Bによれば、暗記カードデータベース82に認識用文字列を記憶させることなく、上述の電子辞書1Aと同様の効果を得ることができるため、電子辞書1Aと比較して暗記カードデータ820の登録操作を容易化することができる。
【0069】
<変形例(3)>
続いて、上記の実施形態における電子辞書の変形例(3)について説明する。なお、上記実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0070】
上述の図2に示すように、本実施形態における電子辞書1Cは、記憶部80Cを備えており、この記憶部80Cは、本発明に係る情報表示プログラム81Cと、暗記カードデータベース82とを記憶している。
【0071】
情報表示プログラム81Cは、上述の図3に示した暗記学習処理において、後述の正誤判断処理(図10参照)をCPU20に行わせるようになっている。
【0072】
続いて、電子辞書1Cの動作を説明する。
図10は、CPU20が情報表示プログラム81Cを読み出して実行する暗記学習処理における正誤判定処理の流れを示すフローチャートである。
【0073】
この図に示すように、本変形例の正誤判断処理においてまずCPU20は、暗記カードデータベース82においてカード面(A),(B)が同じ暗記カードデータ820に属するか否かを判定し(ステップT1)、同じ暗記カードデータ820に属すると判定した場合(ステップT1;Yes)には、ステップT2に移行する。
【0074】
また、ステップT11においてカード面(A),(B)が同じ暗記カードデータ820に属しないと判定した場合(ステップT1;No)には、CPU20は、カード面(A),(B)の組合せを正解とする旨のユーザ操作が行われるか否かを判定し(ステップT31)、行われないと判定した場合(ステップT31;No)にはステップT3に移行する。
【0075】
そして、ステップT31においてカード面(A),(B)の組合せを正解とする旨のユーザ操作が行われたと判定した場合(ステップT31;Yes)には、CPU20は、カード面(A),(B)を対応付けて暗記カードデータベース82に追加登録した後(ステップT32)、ステップT2に移行する。
【0076】
以上の電子辞書1Cによれば、図10のステップT31等に示したように、複数の選択カード面が別々の暗記カードデータ820に属する場合であっても、当該選択カード面の組合せを正解とする旨のユーザ操作が行われた場合には、選択カード面の組合せが正解と判定されるので、任意のカード面の組合せを正しい組合せとして設定することができる。従って、暗記カードデータベース82に認識用文字列を記憶させたり、カード面の手書き画像を文字認識させたりすることなく、上述の電子辞書1A,1Bと同様の効果を得ることができるため、電子辞書1A,1Bと比較して暗記カードデータ820の登録操作を容易化し、正誤判定処理を簡略化することができる。
【0077】
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0078】
例えば、本発明に係る表示制御装置を電子辞書1として説明したが、本発明が適用可能なものは、このような製品に限定されず、携帯電話、パソコン、PDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機などの電子機器全般に適用可能である。また、本発明に係る情報表示プログラム81は、電子辞書1に対して着脱可能な記録媒体50Aに記憶されることとしてもよい。
【0079】
また、メインディスプレイ10に表示された全てのカード面が選択された後に、不正解の組合せがあった旨を表示させることとして説明したが、ユーザがカード面を選択して組合せる毎に、その組合せの正誤を表示させることとしても良い。
【0080】
また、カード面の内容として文字列の手書き画像が用いられることとして説明したが、図形や絵の画像が用いられることとしても良い。
【0081】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
複数の項目を対応付けてなる暗記カード情報を複数記憶する記憶手段と、
前記記憶手段により記憶された暗記カード情報における何れかの項目を複数表示させる表示制御手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記表示制御手段により表示制御された項目のうち、何れか複数の項目を選択する項目選択手段と、
前記項目選択手段による複数の選択項目が別々の暗記カード情報に属する場合に、選択項目の組合せを不正解と判定する正誤判定手段と、
前記正誤判定手段により選択項目の組合せが不正解と判定された場合に、不正解の旨を表示させる不正解表示制御手段と、
を備えることを特徴とする表示制御装置。
<請求項2>
請求項1記載の表示制御装置において、
前記正誤判定手段により選択項目の組合せが不正解と判定された場合に、これら選択項目の少なくとも1つが属する暗記カード情報の各項目を表示させる正解表示制御手段を備えることを特徴とする表示制御装置。
<請求項3>
請求項1または2記載の表示制御装置において、
前記正誤判定手段により選択項目の組合せが不正解と判定された場合に、これら選択項目を対応付けてなる不正解暗記カード情報を記憶する不正解暗記カード情報記憶手段と、
前記不正解暗記カード情報記憶手段に記憶された同一の不正解暗記カード情報における複数の項目がそれぞれ前記表示制御手段により表示制御された状態から、これら複数の項目の何れかが前記項目選択手段により選択された場合に、当該複数の項目のうち残りの項目を識別表示させる不正解項目識別表示制御手段と、
を備えることを特徴とする表示制御装置。
<請求項4>
請求項1〜3の何れか一項に記載の表示制御装置において、
前記記憶手段は、
各項目として、画像を記憶するとともに、
各項目の内容を示す文字列を、当該項目に対応付けて記憶しており、
前記正誤判定手段は、
前記項目選択手段による複数の選択項目が別々の暗記カード情報に属する場合であって、これら選択項目の内容を示す文字列が同一の暗記カード情報に対応付けられている文字列と等しい場合には、選択項目の組合せを正解と判定することを特徴とする表示制御装置。
<請求項5>
請求項1〜3の何れか一項に記載の表示制御装置において、
前記記憶手段は、
各項目として、画像を記憶しており、
前記正誤判定手段は、
画像を文字認識して文字列を検知する文字認識手段を有するとともに、
前記項目選択手段による複数の選択項目が別々の暗記カード情報に属する場合であって、
これら複数の選択項目のうち、一方の選択項目について前記文字認識手段により検知される文字列と、他方の選択項目が属する暗記カード情報の各項目のうち当該他方の選択項目とは異なる項目について前記文字認識手段により検知される文字列と、が一致する場合には、選択項目の組合せを正解と判定することを特徴とする表示制御装置。
<請求項6>
請求項1〜3の何れか一項に記載の表示制御装置において、
前記正誤判定手段は、
前記項目選択手段による複数の選択項目が別々の暗記カード情報に属する場合であって、
当該選択項目の組合せを正解とする旨のユーザ操作が行われた場合には、当該選択項目の組合せからなる新たな暗記カード情報を前記記憶手段に記憶し、正解と判定することを特徴とする表示制御装置。
<請求項7>
複数の項目を対応付けてなる暗記カード情報を複数記憶する記憶手段を有するコンピュータに、
前記記憶手段により記憶された暗記カード情報における何れかの項目を複数表示させる表示制御機能と、
ユーザ操作に基づいて、前記表示制御機能により表示制御された項目のうち、何れか複数の項目を選択する項目選択機能と、
前記項目選択機能による複数の選択項目が別々の暗記カード情報に属する場合に、選択項目の組合せを不正解と判定する正誤判定機能と、
前記正誤判定機能により選択項目の組合せが不正解と判定された場合に、不正解の旨を表示させる不正解表示制御機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0082】
1 電子辞書
20 CPU
30 入力部
40 表示部
81 情報表示プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の項目を対応付けてなる暗記カード情報を複数記憶する記憶手段と、
前記記憶手段により記憶された暗記カード情報における何れかの項目を複数表示させる表示制御手段と、
ユーザ操作に基づいて、前記表示制御手段により表示制御された項目のうち、何れか複数の項目を選択する項目選択手段と、
前記項目選択手段による複数の選択項目が別々の暗記カード情報に属する場合に、選択項目の組合せを不正解と判定する正誤判定手段と、
前記正誤判定手段により選択項目の組合せが不正解と判定された場合に、不正解の旨を表示させる不正解表示制御手段と、
を備えることを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
請求項1記載の表示制御装置において、
前記正誤判定手段により選択項目の組合せが不正解と判定された場合に、これら選択項目の少なくとも1つが属する暗記カード情報の各項目を表示させる正解表示制御手段を備えることを特徴とする表示制御装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の表示制御装置において、
前記正誤判定手段により選択項目の組合せが不正解と判定された場合に、これら選択項目を対応付けてなる不正解暗記カード情報を記憶する不正解暗記カード情報記憶手段と、
前記不正解暗記カード情報記憶手段に記憶された同一の不正解暗記カード情報における複数の項目がそれぞれ前記表示制御手段により表示制御された状態から、これら複数の項目の何れかが前記項目選択手段により選択された場合に、当該複数の項目のうち残りの項目を識別表示させる不正解項目識別表示制御手段と、
を備えることを特徴とする表示制御装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載の表示制御装置において、
前記記憶手段は、
各項目として、画像を記憶するとともに、
各項目の内容を示す文字列を、当該項目に対応付けて記憶しており、
前記正誤判定手段は、
前記項目選択手段による複数の選択項目が別々の暗記カード情報に属する場合であって、これら選択項目の内容を示す文字列が同一の暗記カード情報に対応付けられている文字列と等しい場合には、選択項目の組合せを正解と判定することを特徴とする表示制御装置。
【請求項5】
請求項1〜3の何れか一項に記載の表示制御装置において、
前記記憶手段は、
各項目として、画像を記憶しており、
前記正誤判定手段は、
画像を文字認識して文字列を検知する文字認識手段を有するとともに、
前記項目選択手段による複数の選択項目が別々の暗記カード情報に属する場合であって、
これら複数の選択項目のうち、一方の選択項目について前記文字認識手段により検知される文字列と、他方の選択項目が属する暗記カード情報の各項目のうち当該他方の選択項目とは異なる項目について前記文字認識手段により検知される文字列と、が一致する場合には、選択項目の組合せを正解と判定することを特徴とする表示制御装置。
【請求項6】
請求項1〜3の何れか一項に記載の表示制御装置において、
前記正誤判定手段は、
前記項目選択手段による複数の選択項目が別々の暗記カード情報に属する場合であって、
当該選択項目の組合せを正解とする旨のユーザ操作が行われた場合には、当該選択項目の組合せからなる新たな暗記カード情報を前記記憶手段に記憶し、正解と判定することを特徴とする表示制御装置。
【請求項7】
複数の項目を対応付けてなる暗記カード情報を複数記憶する記憶手段を有するコンピュータに、
前記記憶手段により記憶された暗記カード情報における何れかの項目を複数表示させる表示制御機能と、
ユーザ操作に基づいて、前記表示制御機能により表示制御された項目のうち、何れか複数の項目を選択する項目選択機能と、
前記項目選択機能による複数の選択項目が別々の暗記カード情報に属する場合に、選択項目の組合せを不正解と判定する正誤判定機能と、
前記正誤判定機能により選択項目の組合せが不正解と判定された場合に、不正解の旨を表示させる不正解表示制御機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate