説明

表示制御装置及び表示制御方法

【課題】ラジオ放送やテレビ放送の文字データの受信表示において、文字データ情報を取得するまでの時間を予測して、五月雨表示やちらつきを防ぐことのできる表示制御装置および表示制御方法を提供する。
【解決手段】表示制御装置は、受信周波数を取得する受信周波数取得部101、受信周波数の受信品質を取得する受信品質取得部102、受信周波数に関する第一データを取得する第一データ取得部103、受信周波数から第二データを受信取得する第二データ取得部104、受信品質を用いて第一データの取得から第二データを取得するまでの第一データの表示を制御する表示制御部105と、表示制御部の制御に基づいて第一、第二データを表示する表示部106とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文字データを表示する放送受信装置において、ちらつきを防止して視認性を向上する表示制御装置および表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ラジオ放送やテレビ放送の文字データの受信表示において、放送局の名称、放送内容といった文字データ情報を取得するまでの時間は、データの種類や受信状況、放送内容によって異なる。このため、ユーザが受信放送局を変更したり、トンネルを脱出して受信状況が良くなったときに、複数のデータが五月雨式に表示されてしまい、視認性が悪くなるという問題があった。また、特に画面上の同じ位置に表示されるデータについては、あるデータが表示された後、すぐに別のデータに更新されるため、ちらついて見えてしまう問題があった。
【0003】
そのような問題に対する従来の対処法として、ナビゲーション装置においては、次の交差点表示拡大図の表示時期との間隔を、距離と車速によって予測を行い、間隔が所定時間未満のときは、交通情報の表示を許可しないというものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、表示継続時間が設定される表示項目において、例えば、表示継続時間が6秒である第1の表示を開始した後、2秒後に表示時間が3秒である第2の表示を優先実行すると、第2の表示の終了後、第1の表示が1秒間のみ表示され、ちらついてしまう場合がある。このように、第2の表示継続時間が終了した時点における第1の表示の残時間が所定値未満である場合に、第1の残表示を行わないというものが知られている(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−047979号公報
【特許文献2】特開2006−153972号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ラジオ放送やテレビ放送の文字データの受信表示において、文字データ情報を取得するまでの時間は、距離、車速、表示継続時間によっては予測できないため、従来の構成では、表示を許可しないといった表示制御を行うことはできず、ちらついて見えてしまうという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、ラジオ放送やテレビ放送の文字データの受信表示において、文字データ情報を取得するまでの時間を予測して、表示を許可しないといった表示制御を行うことで、五月雨表示やちらつきを防ぐことのできる表示制御装置および表示制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明の第1の局面は、文字データを受信表示する表示制御装置に向けられている。本発明の表示制御装置は、受信する周波数を取得する受信周波数取得部と、受信周波数の受信品質を取得する受信品質取得部と、受信周波数における第一データを取得する第一データ取得部と、受信周波数から第二データを受信取得する第二データ取得部と、受信品質を用いて第一データの取得から第二データを取得するまでの第一データの表示を制御する表示制御部と、表示制御部の制御に基づいて第一データ、第二データを表示する表示部とを備える。
【0009】
ここで、表示制御部は、受信品質が所定の値よりも高い場合に、第一データの表示を少なくとも第二データを取得するまでは行わないように制御する。
【0010】
また、受信周波数における放送局が第二データを送信する放送局であるか否かを判断する放送局判断部と、放送局判断部の判断結果を周波数ごとに蓄積する放送局蓄積部とをさらに備え、表示制御部は、受信品質が所定の値よりも高い場合であっても、放送局蓄積部に受信周波数の放送局は第二データを送信しない放送局であるとの判断結果が蓄積されていた場合は、第一データの表示を行う。
【0011】
また、放送局判断部は、受信周波数において第二データを取得した場合は、受信周波数における放送局が第二データを送信する放送局と判断し、受信周波数における受信品質が所定の値よりも高い場合に、所定の時間待っても第二データを取得できなかった場合は、受信周波数における放送局が第二データを送信しない放送局と判断する。
【0012】
また、第二データを送信する放送局であるか否かの判断材料となる第三データを受信周波数から受信取得する第三データ取得部をさらに備え、放送局判断部は、受信周波数において第三データを取得した場合は、受信周波数における放送局が第二データを送信する放送局と判断し、受信周波数における受信品質が所定の値よりも高い場合に、所定の時間待っても第三データを取得できなかった場合は、受信周波数における放送局が、第二データを送信しない放送局と判断する。
【0013】
また、サブチューナが受信する周波数を取得するサブ受信周波数取得部と、サブチューナの受信周波数の受信品質を取得するサブ受信品質取得部と、第二データをサブチューナの受信周波数から受信取得するサブ第二データ取得部と、サブチューナの受信周波数に対する受信品質と第二データを用いて、サブチューナの受信周波数における放送局が第二データを送信する放送局であるか否かを判断するサブ放送局判断部とをさらに備え、放送局蓄積部は、サブ放送局判断部の判断結果も周波数ごとに蓄積する。
【0014】
また、受信品質が安定か不安定かを判断する安定判断部をさらに備え、表示制御部は、受信品質が所定の値よりも高くはなかった場合でも、安定判断部が受信品質が不安定と判断した場合には、第一データの表示を遅らせる。
【0015】
また、表示制御装置を搭載する車両の速度情報を取得する車速取得部をさらに備え、安定判断部は、車両の速度が所定の値よりも大きかった場合に、受信品質は不安定と判断する。
【0016】
また、安定判断部は、直近の所定の時間において、受信周波数の受信品質の変化が大きかった時に、受信品質は不安定と判断する。
【0017】
また、表示制御部は、第一データの取得から第二データを取得するまでの間、受信品質が一度でも所定の値以下になった場合には、第一データを表示する。
【0018】
また、本発明の第2の局面は、表示制御装置において文字データを受信表示する方法に向けられている。本発明の表示制御方法は、受信する周波数を取得する受信周波数取得ステップと、前記受信周波数の受信品質を取得する受信品質取得ステップと、前記受信周波数における第一データを取得する第一データ取得ステップと、前記受信周波数から第二データを受信取得する第二データ取得ステップと、前記受信品質を用いて前記第一データの取得から前記第二データを取得するまでの前記第一データの表示を制御する表示制御ステップと、前記第一データ、第二データを表示する表示ステップと、を備える。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る表示制御装置および表示制御方法によれば、文字データを受信表示する装置において、受信品質によって文字データの取得するまでの時間を予測し、表示を許可しないと言った表示制御を行うことで、五月雨表示やちらつきを防ぎ、視認性を向上させる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態1における表示制御装置の構成を示すブロック図
【図2】表示部106における画面表示の例を示す図で、(a)アナログ放送の放送局名を取得できない場合の画面表示の一例を示す図、(b)アナログ放送の放送局名を取得できた場合の画面表示の一例を示す図
【図3】表示部106における画面表示の例を示す図で、(a)アナログ放送の放送局名取得までの時間が長いと予測した場合の画面表示の一例を示す図、(b)アナログ放送の放送局名取得までの時間が短いと予測した場合の画面表示の一例を示す図
【図4】本発明の実施の形態1における表示制御装置の動作の例を示すフローチャート
【図5】本発明の実施の形態1の変形例1における表示制御装置の構成を示すブロック図
【図6】表示部506における画面表示の例を示す図で、(a)アナログ放送の放送局名とデジタル放送の放送局名を両方とも取得できた場合の画面表示の一例を示す図、(b)デジタル放送の放送局名だけを取得できた場合の画面表示の一例を示す図
【図7】本発明の実施の形態1の変形例1における表示制御装置の動作の例を示すフローチャート
【図8】本発明の実施の形態2における表示制御装置の構成を示すブロック図
【図9】放送局判断部807が第二データを送信する放送局か否かを判断する例を示す図で、(a)第二データを送信する放送局と判断する場合の例を示す図、(b)第二データを送信しない放送局と判断する場合の例を示す図
【図10】放送局蓄積部808に蓄積された判断結果の例を示す図
【図11】表示部806における画面表示の例を示す図で、(a)第二データを取得しないと予測した場合の画面表示の一例を示す図、(b)第二データ取得までの時間が短いと予測した場合の画面表示の一例を示す図
【図12】本発明の実施の形態2における表示制御装置のデータ更新動作の例を示すフローチャート
【図13】本発明の実施の形態2における表示制御装置の表示動作の例を示すフローチャート
【図14】本発明の実施の形態2の変形例1における表示制御装置の構成を示すブロック図
【図15】本発明の実施の形態2の変形例2における表示制御装置の構成を示すブロック図
【図16】本発明の実施の形態3における表示制御装置の構成を示すブロック図
【図17】本発明の実施の形態3における表示制御装置の動作の例を示すフローチャート
【図18】本発明の実施の形態3の変形例1における表示制御装置の構成を示すブロック図
【図19】本発明の実施の形態4における表示制御装置の構成を示すブロック図
【図20】本発明の実施の形態4における表示制御装置の動作の例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態についてそれぞれ図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する本発明の実施の形態は、本発明の好ましい一具体例を示すものである。本実施の形態で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。本発明は、特許請求の範囲だけによって限定される。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素は、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。
【0022】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係る表示制御装置の構成を示すブロック図である。
表示制御装置100は、受信周波数を取得する受信周波数取得部101、受信周波数の受信品質を取得する受信品質取得部102、受信周波数に関する第一データを取得する第一データ取得部103、第二データを受信周波数から受信取得する第二データ取得部104、受信品質によって表示を制御する表示制御部105、表示制御部105に従って、第一、第二データを表示する表示部106を備えている。以下、各構成要素について図を用いて説明し、後に本装置の動作について説明する。
【0023】
受信周波数取得部101は、現在受信している、もしくは受信しようとしている放送局の周波数を取得する。例えば、FMラジオにおいて、ユーザのスイッチ操作によって切り替えられた受信周波数であり、「98.1MHz」といった値を取得する。
【0024】
受信品質取得部102は、受信周波数取得部101が取得した受信周波数の受信品質を取得する。受信品質とは、例えば電界強度であり、FMラジオにおいて受信周波数「98.1MHz」に対する受信品質として電界強度「60dBuV」をチューナから取得する。なお、電界強度が高くても、隣接チャンネルの妨害が大きい場合は、第二データ取得までの時間が長くなってしまう。そこで、受信品質は、電界強度だけでなく、隣接チャンネルによる妨害を考慮して計算した品質値でも良い。
【0025】
第一データ取得部103は、表示の対象である、受信周波数に関する第一データを取得する。図2はFMラジオにおいて、放送局名が取得できない場合に、放送局名の代わりに周波数を表示する画面表示の一例を示す図である。例えばこの場合、図2(a)のように、受信周波数「98.1MHz」に関して、表示対象である表示周波数「98.1MHz」を取得する。
【0026】
第二データ取得部104は、表示の対象である第二データを、受信周波数取得部101が取得した受信周波数における放送局から受信取得する。例えば図2(b)のように、FMラジオのRadio Broadcast Data System(以下、RBDSと呼ぶ)において、受信周波数「98.1MHz」のアナログ放送における放送局名データ「A STATION」を取得する。図2(b)の場合、放送局名が取得できた場合は、周波数表示よりも優先して、放送局名を表示する画面表示となっている。
【0027】
表示制御部105は、受信品質取得部102が取得した受信品質が、所定の値よりも高い場合に、第二データ取得部104が第二データを取得するまでの時間が短いと予測し、第一データ取得部103が取得した第一データの表示を、少なくとも第二データを取得するまでは行わないように制御する。例えば、受信品質が電界強度で、所定の値が「30dBuV」であったとする。
【0028】
図3(a)のように、受信周波数「98.1MHz」において、受信品質「10dBuV」であった場合、受信品質が「30dBuV」以下のため、第二データであるアナログ放送の放送局名を取得するまでの時間が長いと予測する。そして、第一データである受信周波数「98.1MHz」を画面表示するように制御する。
【0029】
図3(b)のように、受信周波数「98.1MHz」において、受信品質「60dBuV」であった場合、受信品質が「30dBuV」より高いため、第二データである放送局名を取得するまでの時間が短いと予測する。そして、第一データである受信周波数「98.1MHz」を画面表示せず、第二データである放送局名を取得するまで空欄を表示するように制御する。
【0030】
表示部106は、表示制御部105の制御に従って、第一データ取得部103が取得した第一データ、第二データ取得部104が取得した第二データを表示する。例えば、図2(a)のように、第二データであるアナログ放送の放送局名が取得できていない時には、第一データである受信周波数「98.1MHz」を表示する。図2(b)のように、第二データであるアナログ放送の放送局名が取得できている時には、第二データであるアナログ放送の放送局名「A STATION」を表示する。しかし、図3(b)のように、表示制御部105が、受信周波数「98.1MHz」を画面表示せず、第二データである放送局名を取得するまで空欄を表示するように制御している場合は、空欄を表示する。
【0031】
次に、上記のように構成された表示制御装置100の動作について説明する。
図4は表示制御装置100の動作の流れを示すフローチャートである。
【0032】
受信周波数取得部101は、現在受信している、もしくは受信しようとしている放送局の周波数を取得する(ステップS400)。次に、第一データ取得部103は、表示の対象である、受信周波数に関する第一データを取得する(ステップS401)。取得できた場合(ステップS401でYes)、ステップS402に進み、取得できなかった場合(ステップS401でNo)、ステップS401に戻る。
【0033】
ステップS402において、受信品質取得部102は、受信周波数取得部101が取得した受信周波数の受信品質を取得する。次に、表示制御部105は、受信品質取得部102が取得した受信品質が所定の値よりも高いか否か判定し(ステップS403)、高い場合(Yes)、ステップS405に進み、高くない場合(No)、ステップS404に進む。受信品質が所定の値よりも高くはなかった場合、表示部106は第一データ取得部103が取得した第一データを表示する(ステップS404)。
【0034】
次に、ステップS405では、第二データ取得部104は、表示の対象である第二データを、受信周波数取得部101が取得した受信周波数における放送局から受信取得する。取得できたならば(ステップS405でYes)、ステップS406に進み、取得できたなかったならば(ステップS405でNo)、ステップS405に戻る。ステップS406では、表示部106は第二データ取得部104が取得した第二データを表示する。
【0035】
次に、ステップS407では終了するか判定を行い、終了する場合(Yes)、フローを終了し、終了しない場合(No)、ステップS405に戻る。
【0036】
以上のように、文字データ放送において、受信品質により第二データを受信取得するまでの時間を予測し、時間が短い場合は第一データを第二データの取得まで表示しないため、五月雨表示やちらつき表示を防ぎ、視認性を向上させることができる。また、時間が長い場合は、すぐに第一データを表示するために、空表示の時間を抑えることができる。
【0037】
(実施の形態1の変形例1 第一データが取得できないことがある場合)
上記実施の形態では、第一データ取得部103が取得する第一データは必ず取得することができた。しかし、放送によっては取得することができない第一データも存在する。例えば、第一データがアナログ放送のRBDSにおける放送局名データであり、第二データがデジタル放送のデータ放送における放送局名データであったとする。同一周波数でアナログ放送とデジタル放送は同じ放送を行っている。
【0038】
このような場合、アナログ放送で、RBDSを行っていない放送局も存在することがある。つまり、第一データを送ってこない放送局がある。この場合、第一データの取得を待っていては、いつまで経っても第二データを表示できないことがある。そこで、第二データを取得した時に、第一データを取得していない場合は、第二データを即座に表示してもよい。これは、第一データに比べて第二データの取得が遅いが、第一データが取得されない場合があるときに特に有効である。
【0039】
図5は本変形例における表示制御装置200の構成を示すブロック図である。上記実施の形態と同様の構成要素については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0040】
表示制御装置200において、表示部506は、表示制御部105の制御に従って、第一データ取得部103が取得した第一データ、第二データ取得部104が取得した第二データを表示する。例えば、第一データであるアナログ放送の放送局名と第二データであるデジタル放送の放送局名の双方が取得できている時には、図6(a)のように第二データであるデジタル放送の放送局名を優先表示する。また、第一データであるアナログ放送の放送局名が取得できず、第二データであるデジタル放送の放送局名が取得できている時には、図6(b)のようにアナログ放送の放送局名を送信しない放送局と判断し、第二データであるデジタル放送の放送局名を即座に表示する。
【0041】
次に、本実施の形態における表示制御装置200の動作について説明する。図7は表示制御装置200の動作の流れを示すフローチャートである。図4のフローチャートと異なるのは、ステップS700、S701を備えている点である。
【0042】
受信周波数取得部101は、現在受信している、もしくは受信しようとしている放送局の周波数を取得する(ステップS400)。次に、第二データ取得部104は、表示の対象である第二データを、受信周波数取得部101が取得した受信周波数における放送局から受信取得する(ステップS700)。取得できた場合(Yes)、ステップS406に進み、取得できなかった場合(No)、ステップS701に進む。
【0043】
次に、ステップS701では第一データ取得部103は、表示の対象である、受信周波数に関する第一データを取得する。取得できた場合(Yes)、ステップS402に進み、取得できなかった場合(No)、ステップS700に戻る。以下、図4のフローと同様である。
【0044】
以上のように、本実施形態では、第二データを取得した時に、第一データを取得していない場合は、第二データを即座に表示することができる。
【0045】
(実施の形態1の変形例2 そもそも文字データを送らない放送局の存在を考慮1)
上記実施の形態では、第二データがいつかは受信取得できることを前提としていた。しかし、放送によっては、第二データをそもそも送信しない放送局も存在する場合がある。この場合、受信品質が高かったとしても、いつまで経っても第二データを取得できないため、第一データすら表示できない。そこで、受信品質が高かったとしても、所定の時間待っても第二データを取得できない場合は、第一データを表示してもよい。例えば、表示制御部105が、第一データを表示しないと判断してから10秒経っても第二データを取得できない場合には、第一データを表示する。
【0046】
(実施の形態2 そもそも文字データを送らない放送局の存在を考慮2)
上記実施の形態1の変形例2では、所定の時間待ってから、第一データを表示していた。このため、第一データの表示が、待ち時間分必ず遅れてしまう。しかし第二データをそもそも送信しない放送局は、固定されている場合がある。
【0047】
第一データがそのような放送では、第二データを待たずに第一データを表示した方が、ユーザへの装置の応答性が高くなる。そこで、予め第二データを放送する放送局かどうかを周波数ごとに探索しておき、第二データを放送しない放送局では、受信品質に関わらず第一データを表示してもよい。これは第二データを放送する放送局と第二データを放送しない放送局が混在している場合に有効である。
【0048】
例えば、第一データがアナログ放送のRBDSにおける放送局名データであり、第二データがデジタル放送のデータ放送における放送局名データであったとする。同一周波数でアナログ放送とデジタル放送は同じ放送を行っている。地域によっては、アナログ放送にしか対応していない放送局と、デジタル放送とアナログ放送と共に対応している放送局が混在している。特定の放送局では、アナログ放送にしか対応していないため、デジタル放送の放送局名をいつまで経っても取得できない。そのような放送局の場合、受信品質が高くてもアナログ放送の放送局名データ取得時に、即座に表示した方が良い。
【0049】
図8は本実施の形態における表示制御装置300の構成を示すブロック図である。上記実施の形態と同様の構成要素については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0050】
放送局判断部807は、受信品質取得部102が取得した受信周波数に対する受信品質と第二データ取得部104が取得した受信周波数に対する第二データを用いて、受信周波数における放送局が、第二データを送信する放送局か否かを判断し、判断結果を放送局蓄積部808に蓄積する。具体的には、第二データを取得した場合は、受信周波数における放送局が、第二データを送信する放送局と判断する。また、受信品質取得部102が取得した受信品質が、所定の値よりも高い場合に、所定の時間待っても第二データを取得できなかった場合は、受信周波数における放送局が、第二データを送信しない放送局と判断する。
【0051】
例えば、図9(a)のように、受信数周波数において、判断待ちのとき、もしくは第二データを送信しない放送局と判断済の場合でも、第二データを取得できた場合は、その受信周波数においては、第二データを送信する放送局と判断する。また、図9(b)のように、受信数周波数において、判断待ちの状態だったとする。受信数周波数を変更した後、受信品質が60dBuVと所定の値(30dBuV)よりも高くなったとする。このとき受信品質が所定の値(30dBuV)を上回ったまま、所定の時間(例えば10秒)待っても、第二データを取得できなかった場合は、その受信周波数においては、第二データを送信しない放送局と判断する。
【0052】
放送局蓄積部808は各周波数に対して、第二データを送信する放送局か、送信しない放送局か、判断待ちであるかの放送局判断部807による判断結果を蓄積する。例えば図10の場合、周波数「87.9MHz」に対して、「判断待ち」が格納されている。これはまだ、第二データを送信する放送局か、送信しない放送局かの判断がされていないということである。また、周波数「88.1MHz」に対して、第二データの送信が「有」で、第二データを送信する放送局であることを示す。周波数「88.3MHz」に対して、第二データの送信が「無」で、第二データを送信しない放送局であることを示す。
【0053】
表示制御部805は、受信周波数取得部101の取得した受信周波数における、受信品質取得部102が取得した受信品質が、所定の値よりも高い場合に、第二データ取得部104が第二データを取得するまでの時間が短いと予測し、第一データ取得部103が取得した第一データの表示を、少なくとも第二データを取得するまでは行わないように制御する。ただし、放送局蓄積部808に蓄積された判断結果が、受信周波数取得部101の取得した受信周波数において、第二データを送信しない放送局であった場合、第二データを取得しないと予測する。そして、第一データ取得部103が取得した第一データの表示を即座に行うように制御する。
【0054】
例えば、受信品質が電界強度で、所定の値が「30dBuV」であったとする。図11(a)のように、受信周波数「88.3MHz」において、受信品質「60dBuV」であり、第一データ(アナログ放送の放送局名)「B STATION」を取得していたとする。このとき、放送局蓄積部808に図10のように判断結果が蓄積されていたとすると、受信周波数「88.3MHz」において、第二データを送信しない放送局であるため、第二データ(デジタル放送の放送局名)を取得しないと判断する。このため、第一データ(アナログ放送の放送局名)「B STATION」を即座に表示する。また、図11(b)のように、受信周波数「88.1MHz」において、受信品質「60dBuV」であり、第一データ(アナログ放送の放送局名)「C STATION」を取得していたとする。このとき、放送局蓄積部808に図10のように判断結果が蓄積されていたとすると、受信周波数「88.1MHz」において、第二データを送信する放送局であるため、第二データ(デジタル放送の放送局名)を取得すると判断する。このため、第一データ(アナログ放送の放送局名)「C STATION」を即座に表示せず、第二データ(デジタル放送の放送局名)の取得まで空欄を表示するように制御する。
【0055】
表示部806は、表示制御部805の制御に従って、第一データ取得部103が取得した第一データ、第二データ取得部104が取得した第二データを表示する。例えば、図11(a)のように、表示制御部805が第一データ(アナログ放送の放送局名)「B STATION」を即座に表示するように判断した時には、第一データ(アナログ放送の放送局名)「B STATION」を即座に表示する。図11(b)のように、第一データ(アナログ放送の放送局名)「C STATION」を即座に表示しないと判断した時には、第二データ(デジタル放送の放送局名)の取得まで空欄を表示し、第二データ(デジタル放送の放送局名)を取得した時は、第二データ(デジタル放送の放送局名)を表示する。
【0056】
次に、本実施の形態における表示制御装置300の放送局蓄積部808のデータの更新動作について説明する。図12は表示制御装置300のデータ更新動作の流れを示すフローチャートである。
【0057】
受信周波数取得部101は、現在受信している、もしくは受信しようとしている放送局の周波数を取得する(ステップS400)。放送局判断部807は、放送局蓄積部808に蓄積された判断結果を参照し、受信周波数取得部101の取得した受信周波数における放送局が、第二データを送信する放送局であったか否かを判定する(ステップS1201)。第二データを送信する放送局であった場合(Yes)、ステップS400に戻り、第二データを送信する放送局でなかった場合(No)、ステップS1202に進む。
【0058】
次に、受信品質取得部102は、受信周波数取得部101が取得した受信周波数の受信品質を取得する(ステップS1202)。放送局判断部807は、受信品質取得部102が取得した受信品質が、所定の値より高いか否を判定する(ステップS1203)。所定の値より高い場合(Yes)、ステップS1204に進み、所定の値より高くない場合(No)、ステップS400に戻る。第二データ取得部104は、表示の対象である第二データを、受信周波数取得部101が取得した受信周波数における放送局から受信取得する(ステップS1204)。取得できた場合(Yes)、ステップS1207に進み、取得できたなかった場合(No)、ステップS1205に進む。
【0059】
次に、放送局判断部807は、受信品質が高いまま所定の時間経過したかどうか判定を行う(ステップS1205)。経過していた場合(Yes)、ステップS1206に進み、経過していなかった場合(No)、ステップS1202に戻る。受信品質が高いまま所定の時間経過した場合、放送局判断部807は、受信周波数における放送局が、第二データを送信しない放送局と判断し、放送局蓄積部808に蓄積する(ステップS1206)。
【0060】
一方、第二データを取得した場合、ステップS1207において放送局判断部807は、受信周波数における放送局が、第二データを送信する放送局と判断し、放送局蓄積部808に蓄積する。次に、ステップS1208において、終了するか判定を行い、終了する場合(Yes)、フローを終了し、終了しない場合(No)、ステップS400に戻る。
【0061】
次に、上記のように構成された表示制御装置300の表示動作について説明する。
図13は表示制御装置300の表示動作の流れを示すフローチャートである。実施の形態1の図4のフローチャートと異なるのは、ステップS1303を備えている点である。
【0062】
受信周波数取得部101は、現在受信している、もしくは受信しようとしている放送局の周波数を取得する(ステップS400)。第一データ取得部103は、表示の対象である、受信周波数に関する第一データを取得する(ステップS401)。取得できた場合(Yes)、ステップS402に進み、取得できなかった場合(No)、ステップS401に戻る。受信品質取得部102は、受信周波数取得部101が取得した受信周波数の受信品質を取得する(ステップS402)。表示制御部105は、受信品質取得部102が取得した受信品質が所定の値よりも高いか否か判定を行い(ステップS403)、高い場合(Yes)にはステップS1303に進み、高くない場合(No)にはステップS404に進む。
【0063】
受信品質が所定の値よりも高い場合、表示制御部805は、放送局蓄積部808に蓄積された判断結果が、受信周波数取得部101の取得した受信周波数において、第二データを送信しない放送局であるか否か判定を行う(ステップS1303)。第二データを送信しない放送局であった場合(Yes)、第二データを取得しないと予測し、ステップS404に進む。第二データを送信しない放送局でなかった場合(ステップS1303でNo)、第二データを取得すると予測し、ステップS405に進む。以下、実施の形態1のフローと同様である。
【0064】
以上のように、本実施の形態では、予め第二データを放送する放送局かどうかを周波数ごとに探索しておき、放送局蓄積部808に蓄積する。それにより、第二データを放送しない放送局では、受信品質に関わらず第一データを表示することができ、ユーザへの装置の応答性が高くなる。
【0065】
(実施の形態2の変形例1 第3のデータにより文字データを送らない放送局を判断)
上記実施の形態2では、現在受信中の周波数における受信品質と第二データを用いて、第二データを送信する放送局であるかないかを判断していた。しかし、第二データには容量の大きいデータの場合があり、第二データの取得までの時間が大きく、判断に時間がかかってしまうという問題がある。そのような場合、第二データではなく、第三データの取得状況を用いて、第二データを送信する放送局であるか否かを判定してもよい。
【0066】
例えば、第二データとして、デジタル放送における放送中の曲の詳細データの取得には、30秒など時間がかかってしまう場合がある。しかし、放送局は、その放送局がデジタル放送局であるといった第三データも送信しており、その取得には5秒以内など短時間で取得できる。デジタル放送局でなかった場合は、デジタル放送における曲の詳細データは送信しないため、第三データの取得によって、第二データを送信する放送局であるかないかを判断できる。
【0067】
図14は本変形例における表示制御装置400の構成を示すブロック図である。上記実施の形態と同様の構成要素については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0068】
第三データ取得部1409は、第二データを送信する放送局であるか否かの判断材料となる第三データを、受信周波数取得部101が取得した受信周波数における放送局から受信取得する。例えばデジタル放送であるというデータを受信取得する。
【0069】
放送局判断部1407は、受信周波数取得部101が取得した受信周波数に対する受信品質と第三データ取得部1409が取得した受信周波数に対する第三データを用いて、受信周波数における放送局が、第二データを送信する放送局か否かを判断し、判断結果を放送局蓄積部808に蓄積する。具体的には、第三データを取得した場合は、受信周波数における放送局が、第二データを送信する放送局と判断する。また、受信品質取得部102が取得した受信品質が、所定の値よりも高い場合に、所定の時間待っても第三データを取得できなかった場合は、受信周波数における放送局が、第二データを送信しない放送局と判断する。
【0070】
(実施の形態2の変形例2 サブチューナによるバックサーチにより放送局を判断)
上記実施の形態2では、現在受信中の周波数における受信品質と第二データを用いて、第二データを送信する放送局であるか否かを判断していた。しかし、実際にチューナを該当周波数に設定して受信するまで、第二データを送信する放送局であるか否かを判断できないという問題があった。なお、チューナが二つある場合は、メインチューナが、ある周波数の放送を受信出力中に、サブチューナが別の周波数について、第二データを送信する放送局であるか否かを判断することができる。これにより、メインチューナによる受信出力前に、サブチューナによって事前に、第二データを送信する放送局であるか否かを判断しておくことができる。
【0071】
図15は本変形例における表示制御装置500の構成を示すブロック図である。上記実施の形態と同様の構成要素については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0072】
サブ受信周波数取得部1501は、サブチューナが現在受信している放送局の周波数を取得する。サブチューナであるため、その放送局の音声が実際にスピーカーから出ているとは限らない。例えば、バックサーチ中のサブチューナの受信周波数であり、「98.1MHz」といった値を取得する。
【0073】
サブ受信品質取得部1502は、サブ受信周波数取得部1501が取得した受信周波数のサブチューナの受信品質を取得する。受信品質とは、例えば電界強度であり、FMラジオにおいて受信周波数「98.1MHz」に対する受信品質として、電界強度「60dBuV」をサブチューナから取得する。なお、バックサーチ中では、サブチューナは一定時間ごとに、周波数が切り替わる。これにより、全周波数帯で予め放送局の判断ができる。
【0074】
サブ第二データ取得部1504は、表示の対象である第二データを、サブ受信周波数取得部1501が取得したサブチューナの受信周波数における放送局から受信取得する。例えば、受信周波数「98.1MHz」のデジタル放送の放送局名データ「D STATION−HD1」を取得する。
【0075】
サブ放送局判断部1507は、サブ受信品質取得部1502が取得したサブチューナの受信周波数に対する受信品質とサブ第二データ取得部1504が取得したサブチューナの受信周波数に対する第二データを用いて、受信周波数における放送局が、第二データを送信する放送局か否かを判断し、判断結果を放送局蓄積部808に蓄積する。具体的には、第二データを取得した場合は、受信周波数における放送局が、第二データを送信する放送局と判断する。また、サブ受信品質取得部1502が取得した受信品質が、所定の値よりも高い場合に、所定の時間待っても第二データを取得できなかった場合は、受信周波数における放送局が、第二データを送信しない放送局と判断する。
【0076】
(実施の形態3 車速が大きく受信状況が不安定時は判断タイミングを変える)
上記実施の形態1、2では、第一データを取得したタイミングで即座に第一データの表示の有無を判断していた。しかし、装置を搭載した車両が走行中の場合、トンネルへの出入りや、ビルなどの障害物、妨害電波の影響などで、受信品質が急激に変化する場合がある。この場合、第一データを取得したタイミングでは、受信品質が高かったとしても、その後、急激に受信品質が悪化し、第二データを取得できなくなってしまうこともある。第一データを取得したタイミングで第一データの非表示を判断してしまうと、第二データが取得できないため、第一データも第二データも表示できなくなってしまう。
【0077】
また、第一データを取得したタイミングでは、受信品質が低かったとしても、その後、急激に受信品質が良化し、すぐに第二データを取得してしまうこともある。第一データを取得したタイミングで第一データの表示を判断してしまうと、その後すぐに第二データを取得してしまうため、第二データを即座に表示するとちらつき表示が起こってしまう。
【0078】
そこで、車速が大きく、車両が走行中の時には、受信品質の第一データの表示の有無の判断のタイミングを停車中に比べて遅らせてもよい。もしくは、車両が走行中の時には、受信品質による第一データの表示の有無の判断を行わなくてもよい。例えば、車両が走行中の時は第一データの取得後、即座に第一データを表示し、その後一定時間は第二データを取得しても表示しないようにしてちらつきを防ぐ。これにより、トンネルへの出入りなどにより受信品質が急激に変化した場合でも、ちらつき表示や、長期間の空表示を防ぐことができる。
【0079】
図16は本実施の形態における表示制御装置600の構成を示すブロック図である。上記実施の形態と同様の構成要素については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0080】
車速取得部1610は、装置を搭載した車両の速度情報を取得する。例えば、「60km/h」といった車速情報を取得する。
【0081】
安定判断部1611は、車速取得部1610が取得した車速情報から、受信品質が安定か不安定かを判断する。具体的には、車速が所定の値よりも大きかった場合に、車両は走行中であり、受信品質は不安定と判断する。例えば、車速が「10km/h」よりも大きかった場合に、受信品質は不安定と判断する。
【0082】
表示制御部1605は、受信品質取得部102が取得した受信品質が、所定の値よりも高い場合に、第二データ取得部104が第二データを取得するまでの時間が短いと予測し、第一データ取得部103が取得した第一データの表示を、少なくとも第二データを取得するまでは行わないように制御する。受信品質による表示判断のタイミングは、安定判断部1611による判断結果によって異なる。安定判断部1611が受信品質は安定と判断した場合は、第一データの取得時に表示判断を行う。安定判断部1611が受信品質は不安定と判断した場合は、第一データの取得時には表示判断を行わず、所定の時間遅らせる。
【0083】
つまり、第一データを即時表示しない。例えば、受信品質が高い状態で、第二データを取得するまでの最大時間だけ遅らせる。例えば、所定の時間が10秒で、受信品質が不安定で第一データ取得後、10秒後に、受信周波数「98.1MHz」において、受信品質「10dBuV」であったとする。その場合、受信品質が「30dBuV」以下のため、第二データであるアナログ放送の放送局名を取得するまでの時間が長いと予測し、第一データである受信周波数「98.1MHz」を画面表示するように制御する。
【0084】
受信品質が不安定で、図3(b)のように、第一データ取得後、10秒後に、受信周波数「98.1MHz」において、受信品質「60dBuV」であったとする。その場合、受信品質が「30dBuV」より高いので、第二データである放送局名を取得するまでの時間が短いと予測し、第一データである受信周波数「98.1MHz」を画面表示せず、第二データである放送局名を取得するまで空欄を表示するように制御する。もちろん第一データ取得後、受信品質による表示判断を行うまでに、第二データが取得できた時は、第二データを即座に表示する。なお、安定判断部1611が受信品質は不安定と判断した場合に、表示判断のタイミングを所定の時間遅らせるのではなく、受信品質による表示判断自体を行わなくてもよい。
【0085】
次に、上記のように構成された表示制御装置の動作について説明する。
図17は表示制御装置600の動作の流れを示すフローチャートである。実施の形態1の図4のフローチャートと異なるのは、ステップS1702〜S1705を備えている点である。
【0086】
受信周波数取得部101は、現在受信している、もしくは受信しようとしている放送局の周波数を取得する(ステップS400)。第一データ取得部103は、表示の対象である、受信周波数に関する第一データを取得する(ステップS401)。取得できた場合(Yes)、ステップS1702に進み、取得できなかった場合(No)、ステップS401に戻る。
【0087】
車速取得部1610は、装置を搭載した車両の速度情報を取得する(ステップS1702)。次に、安定判断部1611は、車速取得部1610が取得した車速情報から、受信品質が安定か不安定かを判断する(ステップS1703)。安定であった場合(Yes)、ステップ402に進み、不安定であった場合(No)、ステップ1704に進む。
【0088】
不安定であった場合、第二データ取得部104は、表示の対象である第二データを、受信周波数取得部101が取得した受信周波数における放送局から受信取得する(ステップS1704)。取得できた場合(Yes)、ステップS406に進み、取得できたなかった場合(No)、ステップS1705に進む。
【0089】
表示制御部1605は、表示判断を行わず、所定の時間遅らせる(ステップS1705)。第一データから所定の時間経過した場合(Yes)、ステップ402に進む。所定の時間経過していなかった場合(ステップS1705でNo)、ステップS1704に戻る。以下、実施の形態1のフローと同様である。
【0090】
(実施の形態3の変形例1 受信品質が変化し、受信状況が不安定時は判断タイミングを変える)
上記実施の形態3では、受信品質の安定、不安定を車速によって判断していた。なお、車速を用いずに受信品質の変化によって判断してもよい。直近における受信品質の変化が大きい場合に、受信品質は不安定と判断する。これにより、トンネルへの出入りなどにより受信品質が急激に変化した場合でも、ちらつき表示や、長期間の空表示を防ぐことができる。
【0091】
図18は本変形例における表示制御装置700の構成を示すブロック図である。上記実施の形態と同様の構成要素については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0092】
安定判断部1811は、受信品質取得部102が取得した受信品質から、受信品質が安定か不安定かを判断する。具体的には、直近の所定の時間において、受信品質の変化が大きかった時に、受信品質は不安定とする。ただし、受信周波数取得部101が取得した受信周波数が変化した時は、受信品質が変わる可能性があるため、周波数が変化した時点から、受信品質の変化を計測する。
【0093】
例えば、所定の時間が10秒であった場合、直近の10秒間の受信品質を1秒毎に計測する。受信品質の変化の絶対値の平均値を計算し、所定の閾値(例えば、5dBuV)を上回った場合は、受信品質は不安定と判断する。受信周波数が変化した時点から10秒経っていなかった場合は、受信周波数が変化した時点からの受信品質の変化を計測し、判定を行う。
【0094】
(実施の形態4 表示判断チェックを再度行う)
上記実施の形態1、2、3では、第一データの表示判断を一度行うだけであった。なお、車両が走行中のときなど、受信品質は変化する場合がある。そこで、表示判断を周期的に再度行ってもよい。具体的には、第一データ非表示の判断を行った後、所定の時間たっても第二データが取得できなかったときには、受信品質による表示判断をやり直す。これにより、トンネルに入ったときなど受信品質が急に悪化した場合でも、長期間の空表示を防ぐことができる。
【0095】
図19は本実施の形態における表示制御装置800の構成を示すブロック図である。上記実施の形態と同様の構成要素については同じ符号を付し、説明を省略する。
【0096】
表示制御部1905は、受信品質取得部102が取得した受信品質が、所定の値よりも高い場合に、第二データ取得部104が第二データを取得するまでの時間が短いと予測し、第一データ取得部103が取得した第一データの表示を、少なくとも第二データを取得するまでは行わないように制御する。
【0097】
受信品質による表示判断のタイミングは、複数存在するする。まず、第一データの取得時に表示判断を行う。さらに、第一データを表示せず、第二データを表示するのを待つと決定した時でも、所定の時間経った場合には、再度表示判断を行う。例えば、所定の時間が1秒であった場合、受信品質が良く、第一データを表示せず第二データを表示するまで待つと決定していた場合であっても、受信品質が悪くなっている可能性があるため、決定から1秒間隔で再度判断をやり直す。
【0098】
次に、上記のように構成された表示制御装置800の動作について説明する。
図20は表示制御装置800の動作の流れを示すフローチャートである。
【0099】
受信周波数取得部101は、現在受信している、もしくは受信しようとしている放送局の周波数を取得する(ステップS400)。第一データ取得部103は、表示の対象である、受信周波数に関する第一データを取得する(ステップS401)。取得できた場合(Yes)、ステップS402に進み、取得できなかった場合(No)、ステップS401に戻る。
【0100】
次に、ステップS402では、受信品質取得部102は、受信周波数取得部101が取得した受信周波数の受信品質を取得する。表示制御部1905は、受信品質取得部102が取得した受信品質が所定の値よりも高いか否か判定を行い(ステップS403)、高い場合(Yes)はステップS2005に進み、高くない場合(No)はステップS404に進む(ステップS403のNo)。受信品質が所定の値よりも高くはなかった場合、ステップS404で、表示部106は第一データ取得部103が取得した第一データを表示し、ステップS2004に進む。
【0101】
次に、表示制御部1905は、受信品質による表示判断から、所定の時間経過したか否かを判定し(ステップS2004)、所定の時間経過した場合(Yes)、ステップS402に戻る。所定の時間経過していなかった場合(ステップS2004でNo)、ステップS2005に進む。そして、第二データ取得部104は、表示の対象である第二データを、受信周波数取得部101が取得した受信周波数における放送局から受信取得する(ステップS2005)。取得できた場合(Yes)、ステップS406に進み、取得できたなかった場合(No)、ステップS2004に戻る。
【0102】
次に、ステップS406で、表示部106は第二データ取得部104が取得した第二データを表示する。そして、終了するか判定を行い(ステップS407)、終了するならば(ステップS407でYes)、フローを終了する。終了しないならば(ステップS407でNo)、ステップS2005に戻る。
【0103】
以上、本発明の一態様に係る表示制御装置について、実施の形態及びその変形例に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態またはその変形例に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態またはその変形例に施したもの、あるいは異なる実施の形態またはその変形例における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【0104】
さらに、本発明は、以下のように変形することもできる。
【0105】
(1)上記の表示制御装置は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクユニット、ディスプレイユニット、キーボード、マウスなどから構成されるコンピュータシステムで実現できる。前記ROMまたは前記ハードディスクユニットには、コンピュータプログラムが記憶されている。前記マイクロプロセッサが、前記コンピュータプログラムに従って動作することにより、表示制御装置は、その機能を達成する。ここで、コンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。なお、各装置は、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクユニット、ディスプレイユニット、キーボード、マウスなどの全てを含むコンピュータシステムに限らず、これらの一部から構成されているコンピュータシステムでもよい。
【0106】
(2)上記の表示制御装置を構成する構成要素の一部または全部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)から構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。前記ROMには、コンピュータプログラムが記憶されている。前記マイクロプロセッサが、前記コンピュータプログラムに従って動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
【0107】
なお、ここでは、システムLSIとしたが、集積度の違いにより、IC、LSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0108】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。
【0109】
(3)上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、各装置に脱着可能なICカードまたは単体のモジュールから構成されてもよい。前記ICカードまたは前記モジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、などから構成されるコンピュータシステムである。前記ICカードまたは前記モジュールは、上記の超多機能LSIを含んでもよい。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、前記ICカードまたは前記モジュールは、その機能を達成する。
【0110】
(4)本発明は、上記に示す表示制御装置が備える特徴的な構成部の動作をステップとする方法であってもよい。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであってもよいし、前記コンピュータプログラムからなるデジタル信号であってもよい。
【0111】
また、本発明は、前記コンピュータプログラムまたは前記デジタル信号をコンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD―ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu−ray Disc(登録商標))、半導体メモリなど、に記録したもので実現してもよい。また、これらの記録媒体に記録されている前記コンピュータプログラムまたは前記デジタル信号で本発明を実現してもよい。
【0112】
また、本発明は、前記コンピュータプログラムまたは前記デジタル信号を、電気通信回線、無線または有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送してもよい。
【0113】
また、前記プログラムまたは前記デジタル信号を前記記録媒体に記録して移送することにより、または前記プログラムまたは前記デジタル信号を前記ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0114】
以上のように、本発明の表示制御装置は、五月雨表示やちらつきを防ぎ、視認性を向上できるという効果を有し、例えば車載ラジオ機器など文字データを表示する放送受信機器等に有用である。
【符号の説明】
【0115】
100、200、300、400、500、600、700、800 表示制御装置
101 受信周波数取得部
102 受信品質取得部
103 第一データ取得部
104 第二データ取得部
105、805、1605、1905 表示制御部
106、506、806 表示部
807、1407 放送局判断部
808 放送局蓄積部
1409 第三データ取得部
1501 サブ受信周波数取得部
1502 サブ受信品質取得部
1504 サブ第二データ取得部
1507 サブ放送局判断部
1610 車速取得部
1611、1811 安定判断部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
文字データを受信表示する表示制御装置であって、受信する周波数を取得する受信周波数取得部と、前記受信周波数の受信品質を取得する受信品質取得部と、前記受信周波数における第一データを取得する第一データ取得部と、前記受信周波数から第二データを受信取得する第二データ取得部と、前記受信品質を用いて前記第一データの取得から前記第二データを取得するまでの前記第一データの表示を制御する表示制御部と、
前記表示制御部の制御に基づいて前記第一データ、第二データを表示する表示部と、を備える表示制御装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記受信品質が所定の値よりも高い場合に、前記第一データの表示を少なくとも第二データを取得するまでは行わないように制御することを特徴する請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記受信周波数における放送局が前記第二データを送信する放送局であるか否かを判断する放送局判断部と、前記放送局判断部の判断結果を周波数ごとに蓄積する放送局蓄積部とをさらに備え、前記表示制御部は、前記受信品質が所定の値よりも高い場合であっても、前記放送局蓄積部に前記受信周波数の放送局は第二データを送信しない放送局であるとの判断結果が蓄積されていた場合は、前記第一データの表示を行うことを特徴とする請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記放送局判断部は、前記受信周波数において第二データを取得した場合は、前記受信周波数における放送局が第二データを送信する放送局と判断し、前記受信周波数における受信品質が所定の値よりも高い場合に、所定の時間待っても第二データを取得できなかった場合は、前記受信周波数における放送局が第二データを送信しない放送局と判断することを特徴とする請求項3に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記第二データを送信する放送局であるか否かの判断材料となる第三データを前記受信周波数から受信取得する第三データ取得部をさらに備え、
前記放送局判断部は、前記受信周波数において第三データを取得した場合は、前記受信周波数における放送局が第二データを送信する放送局と判断し、前記受信周波数における受信品質が所定の値よりも高い場合に、所定の時間待っても第三データを取得できなかった場合は、前記受信周波数における放送局が、第二データを送信しない放送局と判断することを特徴とする請求項3に記載の表示制御装置。
【請求項6】
サブチューナが受信する周波数を取得するサブ受信周波数取得部と、前記サブチューナの受信周波数の受信品質を取得するサブ受信品質取得部と、前記第二データを前記サブチューナの受信周波数から受信取得するサブ第二データ取得部と、前記サブチューナの受信周波数に対する受信品質と第二データを用いて、前記サブチューナの受信周波数における放送局が前記第二データを送信する放送局であるか否かを判断するサブ放送局判断部とをさらに備え、前記放送局蓄積部は、前記サブ放送局判断部の判断結果も周波数ごとに蓄積することを特徴とする請求項3に記載の表示制御装置。
【請求項7】
前記受信品質が安定か不安定かを判断する安定判断部をさらに備え、
前記表示制御部は、前記受信品質が所定の値よりも高くはなかった場合でも、前記安定判断部が受信品質が不安定と判断した場合には、前記第一データの表示を遅らせることを特徴とする請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項8】
前記表示制御装置を搭載する車両の速度情報を取得する車速取得部をさらに備え、
前記安定判断部は、前記車両の速度が所定の値よりも大きかった場合に、受信品質は不安定と判断することを特徴とする請求項7に記載の表示制御装置。
【請求項9】
前記安定判断部は、直近の所定の時間において、前記受信周波数の受信品質の変化が大きかった時に、受信品質は不安定と判断することを特徴とする請求項7に記載の表示制御装置。
【請求項10】
前記表示制御部は、前記第一データの取得から前記第二データを取得するまでの間、前記受信品質が一度でも所定の値以下になった場合には、前記第一データを表示することを特徴とする請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項11】
表示制御装置において文字データを受信表示する方法であって、受信する周波数を取得する受信周波数取得ステップと、前記受信周波数の受信品質を取得する受信品質取得ステップと、前記受信周波数における第一データを取得する第一データ取得ステップと、前記受信周波数から第二データを受信取得する第二データ取得ステップと、前記受信品質を用いて前記第一データの取得から前記第二データを取得するまでの前記第一データの表示を制御する表示制御ステップと、前記第一データ、第二データを表示する表示ステップと、を備える表示制御方法。
【請求項12】
請求項11に記載の表示制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2013−115683(P2013−115683A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−261398(P2011−261398)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】