説明

表示灯

【課題】厚さ方向についての小型化が可能な表示灯を提供する。
【解決手段】表示用開口11が設けられた直方体形状の器具本体1と、透光性を有する材料からなり器具本体1に固定されて表示用開口11を閉塞する表示パネル2と、器具本体1の内側に保持されて表示パネル2を照明する光源ブロック3とを備える。光源ブロック3は、直線状に並べられた複数個の発光ダイオード31と、透光性を有する材料からなり各発光ダイオード31の光をそれぞれ配光する配光体32とを有する。各発光ダイオード31から見て、配光体32は、少なくとも表示用開口11を覆う。光源ブロック3は、表示用開口11の開口面に直交する方向(図での左右方向)から見て表示用開口11の側方に隠れる位置に保持されている。表示パネル2が厚さ方向から照明される場合に比べ、厚さ方向についての小型化が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示灯に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、透光性を有する表示パネルと、この表示パネルに対して後方から光を照射する複数個の発光ダイオードとを有する表示灯が提供されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この種の表示灯として、例えば図10に示すようなものがある。図10の表示灯では、直方体形状の器具本体1の左右両面にそれぞれ表示パネル2が設けられ、これらの表示パネル2を、それぞれ複数個ずつの発光ダイオード31で後側(器具本体1の内側)から照明している。
【0004】
上記の表示パネル2は、一般に、乳白色等であって発光ダイオード31の光を拡散させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−151116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の表示灯において、表示パネル2による拡散の効果を十分に得るためには、発光ダイオード31と表示パネル2との距離を十分に大きくする必要がある。これにより、表示灯の厚さ寸法(すなわち、表示パネル2の厚さ方向に一致する方向についての寸法であり、図10での左右方向の寸法)が大きくなってしまっていた。
【0007】
本発明は、上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、厚さ方向についての小型化が可能な表示灯を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の表示灯は、表示用開口が少なくとも一面に設けられた箱形の器具本体と、透光性を有する材料からなり前記器具本体に固定されて前記表示用開口を閉塞する少なくとも1個の表示パネルと、それぞれ前記表示用開口の開口面に直交する方向から見て前記表示用開口の側方に隠れる位置において前記器具本体の内側に保持されて前記表示パネルを照明する少なくとも1個の光源ブロックとを備え、各前記光源ブロックは、それぞれ、前記表示用開口が設けられた面の一辺に沿って並べられた複数個の発光ダイオードと、透光性を有する材料からなり各前記発光ダイオードの光をそれぞれ配光する配光体とを有し、各前記発光ダイオードから見て、前記配光体は、少なくとも前記表示用開口を覆うことを特徴とする。
【0009】
上記の表示灯において、前記配光体において前記表示パネルに向けられる面の少なくとも一部は、前記発光ダイオードの光が出射する出射面と、前記発光ダイオードの光が出射しない非出射面とが、前記表示用開口の開口面に交差する方向に交互に並べられたリニアフレネルレンズ面とされていることが望ましい。
【0010】
また、上記の表示灯において、各前記非出射面は、それぞれ、1個の前記光源ブロックの全ての前記発光ダイオードを通る平面の一部とされていることが望ましい。
【0011】
さらに、上記の表示灯において、各前記発光ダイオードはそれぞれ光軸方向に近いほど光度が高くなるような配光特性を有するものであって、前記配光体は、前記発光ダイオードからの出射方向が前記光軸方向に近い光ほど、前記表示パネルにおいて前記光源ブロックから離れた位置に入射させることが望ましい。
【0012】
また、上記の表示灯において、前記器具本体は、前記表示用開口の縁であって前記光源ブロックに近い側の縁への前記光源ブロックの光の入射を阻止する遮光部を有することが望ましい。
【0013】
さらに、上記の表示灯において、前記表示パネルはねじ止めにより前記器具本体に固定されるものであって、前記器具本体は、前記ねじ止めに用いられたねじの下側に位置して前記ねじの落下を阻止するねじ受け部を有することが望ましい。
【0014】
また、上記の表示灯において、前記器具本体は、前記光源ブロックを保持する光源保持体と、前記光源保持体に連結されて前記表示パネルを保持するパネル保持体とを有し、前記光源保持体は、前記光源保持体と前記パネル保持体との間の隙間から浸入した水の前記光源ブロックへの到達を阻止する雨よけ部を有することが望ましい。
【0015】
さらに、上記の表示灯において、前記光源ブロックは、前記器具本体内において、前記表示パネルが取り外された場合に前記表示用開口の開口面に直交する方向から見ても露出しないような位置に保持されていることが望ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、光源ブロックは、表示パネルの面に沿った方向から表示パネルを照明することになるので、光源ブロックが表示パネルを後方(厚さ方向)から照明する場合に比べ、表示パネルの厚さ方向について小型化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態の要部を示す断面図である。
【図2】同上を示す斜視図である。
【図3】(a)〜(d)はそれぞれ同上の光源ブロックを示し、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A断面での断面図、(c)は(a)のB−B断面での断面図、(d)は下面図である。
【図4】同上の光源ブロックを示す断面図である。
【図5】同上において光源保持体をパネル保持体から取り外した状態を示す断面図である。
【図6】同上の変更例において各パネル保持体がそれぞれ閉位置にある状態を示す断面図である。
【図7】図6の例において各パネル保持体がそれぞれ開位置にある状態を示す断面図である。
【図8】図6の例の要部を示す断面図である。
【図9】同上の別の変更例を示す断面図である。
【図10】従来例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0019】
本実施形態は、図2に示すように、全体として扁平な直方体の箱形であって厚さ方向の両面にそれぞれ表示用開口11が設けられた器具本体1を備える。器具本体1は例えばパイプ12などの適宜の支持手段によって支持される。
【0020】
各表示用開口11は、それぞれ、各辺を器具本体1の辺に平行とする長方形状であって、透光性を有する材料からなり器具本体1に固定された表示パネル2によって閉塞されている。表示パネル2としては、例えば、乳白色のアクリル樹脂の板に、有色のシートの貼付や印刷などの適宜の手段で表示が付されたものを用いることができる。
【0021】
また、図1に示すように、器具本体1内において、表示用開口11の開口面に直交する方向(図1での左右方向)から見て表示用開口11の側方(図1での上方)に隠れる位置には、各表示パネル2を照明する光源ブロック3が取り付けられている。
【0022】
以下、上下左右は図1を基準とし、図1での紙面に直交する方向(図2での左上―右下方向)を前後方向と呼ぶ。
【0023】
光源ブロック3は、それぞれ、図3(a)〜(d)に示すように、前後方向(図3(a)(c)(d)での左右方向)に直線状に並んだ複数個の発光ダイオード31と、透光性を有する材料からなり各発光ダイオード31の光をそれぞれ配光する配光体32とを有する。配光体32の材料としては例えばアクリル樹脂を用いることができる。また、各発光ダイオード31を点灯させるための電気回路は、器具本体1内に配置されてもよいし、器具本体1外に配置されてもよい。さらに、光源ブロック3は、前後方向に長く厚さ方向を上下方向に向けた長方形平板状であって下面に各発光ダイオード31がそれぞれ実装されたプリント配線板33と、下面にプリント配線板33がねじ止め固定されたベース34とを有する。ベース34には、プリント配線板33に電気的に接続される電線35が挿通される貫通穴341が上下に貫設されている。
【0024】
また、配光体32の上面には前後方向に延長された溝320が設けられている。プリント配線板33とベース34とは、それぞれ、上記の溝320の内側において、配光体32を貫通してベース34に螺合するねじ等の適宜の手段により固定されている。さらに、上記の溝320には、少なくともプリント配線板33が埋まる程度まで、透光性を有する封止材(図示せず)が充填される。封止材としては例えばシリコン樹脂を用いることができる。
【0025】
また、図4に示すように、配光体32は、全体として、各発光ダイオード31の光軸をそれぞれ含む光軸面30に関して対称な形状であって、且つ、前後方向(すなわち発光ダイオード31が並ぶ方向)に並進対称性を有する形状となっている。さらに、配光体32の下面は、発光ダイオード31の光が出射する出射面321と、発光ダイオード31の光が出射しない非出射面322とが、表示用開口11の開口面に直交する方向である左右方向に交互に並べられた、凸型のフレネルレンズ面となっている。各非出射面322は、それぞれ、発光ダイオード31が並ぶ直線を含む平面の一部となっている。発光ダイオード31の光軸面30と非出射面322とがなす角をより小さくした場合であっても非出射面322からは発光ダイオード31の光は出射しないが、出射面321から出射した光の出射した光の非出射面322への再入射を抑える観点では、各非出射面322の向きは上記のようにされることが望ましい。
【0026】
ここで、各発光ダイオード31から見て、配光体32は、少なくとも表示用開口11を覆う程度に大きくされている。これにより、各発光ダイオード31の光が配光体32を通らずに表示用開口11から出射することが防止されている。
【0027】
また、各発光ダイオード31は、それぞれ、光軸方向に近いほど光度が高くなるような配光特性を有するものであって、光軸方向を下方に向けている。これにより、発光ダイオード31からの出射方向が光軸方向に近く光度が高い光ほど、表示パネル2において光源ブロック3から離れた位置に入射することになるから、光度が高い光を光源ブロック3の近くに入射させる場合に比べて表示パネル2における照度をより均一とすることができる。
【0028】
器具本体1は、図5に示すように、下側に光源ブロック3を保持した光源保持体4と、開口が上面に設けられるとともに各表示用開口11がそれぞれ設けられ各表示パネル2をそれぞれ保持する直方体形状のパネル保持体5とを備える。光源保持体4は、パネル保持体5に対してねじ止め固定されてパネル保持体5の上面の開口を閉塞する蓋状となっている。光源保持体4は例えば鋼板からなり、パネル保持体5は例えばアルミ押出材からなる。
【0029】
各表示パネル2は、それぞれ、平板形状であって、厚さ方向を左右方向に向け、パネル保持体5の内面において表示用開口11を囲む部位(つまり表示用開口11の縁)と、パネル保持体5にねじ止めされる複数個の金具6との間に挟持されている。上記の金具6は例えば表示パネル2の各辺について1個ずつ設けられる。
【0030】
光源保持体4は、厚さ方向を上下方向に向けスリーブ体5の上側の開口を閉塞する本体部41と、本体部41の左右両端からそれぞれ下方に突設されてパネル保持体5にねじ止めされる固定部42と、本体部41の下面に固定されるとともに光源ブロック3がねじ止めされる光源連結部43とを備える。
【0031】
さらに、光源連結部43の左右両側において、固定部42と光源連結部43との間には、それぞれ遮光部44が下方へ突設されている。各遮光部44の下端は、それぞれ、発光ダイオード31が並ぶ直線と表示用開口31の上端とを結ぶ平面上に位置しており、各遮光部44は、それぞれ、光源ブロック3から出射した光の、表示用開口11よりも上側への入射を阻止する。発光ダイオード31の光に対し、各遮光部44の反射率は、それぞれ、表示パネル2やパネル保持体5や金具6の反射率よりも低くされている。上記の遮光部44により、器具本体1内での反射に起因する光むらの発生が抑えられる。
【0032】
ここで、各遮光部44は、それぞれ、光源保持体4とパネル保持体5との間に生じる隙間と、光源ブロック3との間に位置する。すなわち、上記の隙間から浸入した雨水等は、遮光部44により、光源ブロック3への到達を阻止される。つまり、各遮光部44はそれぞれ雨よけ部を兼ねている。
【0033】
また、光源ブロック3の下端(すなわち配光体32の下端)は、表示用開口11の上端よりも上側に位置する。つまり、各表示パネル2がそれぞれ取り外された状態で、表示用開口31の開口面に直交する方向である左右方向から見たとしても、光源ブロック3は露出しない。これにより、光源ブロック3がより下方に配置されて上記の条件下で表示用開口31内に露出する場合に比べ、各表示パネル2における光むらが発生しにくくなっている。
【0034】
上記構成によれば、光源ブロック3は、表示パネル2の面に沿った方向である上方から各表示パネル2をそれぞれ照明するので、光源ブロック3が表示パネル2を後方(厚さ方向)から照明する場合に比べ、表示パネル2の厚さ方向について小型化が可能である。
【0035】
なお、光源保持体4を上記のような蓋状とする代わりに、図6及び図7に示すように、光源保持体4を、左右両面が開口した角筒形状としてもよい。図6及び図7の例では、それぞれ1個ずつの表示用開口11を有して1枚ずつの表示パネル2を保持したパネル保持体5が、光源保持体4の左右両側に1個ずつ連結されている。各パネル保持体5は、それぞれ、上端部においてヒンジ13を介して光源保持体4の上端部に連結され、図6に示すように光源保持体4の左右の開口を閉塞する閉位置と、図7に示すように閉位置から下端を左右方向の外側に変位させて上記の開口を開放する開位置との間で、光源保持体4に対して回転可能となっている。また、本体部41は角筒形状とされ、各遮光部44は本体部41の左右両端においてそれぞれ内面側へ突設された環形状とされている。
【0036】
さらに、上記の例では、図8に示すように、表示パネル2の上端部をパネル保持体5との間に挟む金具6を、パネル保持体5に対して固定するねじ60は、パネル保持体5が閉位置にある状態では頭部を下方に向けている。このねじ60の脱落を防止するため、光源保持体4には、ねじ60の下方に位置するねじ受け部45が、遮光部44から左右方向の外向きに突設されている。
【0037】
さらに、上記の各例において、それぞれ、光源ブロック3を複数個設けてもよい。例えば、図9に示すように、表示パネル2に沿った方向の互いに逆側(例えば上下両側)にそれぞれ光源ブロック3を設ければ、光むらを抑えやすくなる。
【0038】
また、表示用開口11の1辺に対して光源ブロック3を1個だけ設ける代わりに、上記1辺に沿った方向(上記の例では前後方向)に並べて複数個の光源ブロック3を設けてもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 器具本体
2 表示パネル
3 光源ブロック
4 光源保持体
5 パネル保持体
11 表示用開口
41 本体部
44 遮光部(雨よけ部を兼ねる)
45 ねじ受け部
60 ねじ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示用開口が少なくとも一面に設けられた箱形の器具本体と、
透光性を有する材料からなり前記器具本体に固定されて前記表示用開口を閉塞する少なくとも1個の表示パネルと、
それぞれ前記表示用開口の開口面に直交する方向から見て前記表示用開口の側方に隠れる位置において前記器具本体の内側に保持されて前記表示パネルを照明する少なくとも1個の光源ブロックとを備え、
各前記光源ブロックは、それぞれ、前記表示用開口が設けられた面の一辺に沿って並べられた複数個の発光ダイオードと、透光性を有する材料からなり各前記発光ダイオードの光をそれぞれ配光する配光体とを有し、
各前記発光ダイオードから見て、前記配光体は、少なくとも前記表示用開口を覆うことを特徴とする表示灯。
【請求項2】
前記配光体において前記表示パネルに向けられる面の少なくとも一部は、前記発光ダイオードの光が出射する出射面と、前記発光ダイオードの光が出射しない非出射面とが、前記表示用開口の開口面に交差する方向に交互に並べられたリニアフレネルレンズ面とされていることを特徴とする請求項1記載の表示灯。
【請求項3】
各前記非出射面は、それぞれ、1個の前記光源ブロックの全ての前記発光ダイオードを通る平面の一部とされていることを特徴とする請求項2記載の表示灯。
【請求項4】
各前記発光ダイオードはそれぞれ光軸方向に近いほど光度が高くなるような配光特性を有するものであって、
前記配光体は、前記発光ダイオードからの出射方向が前記光軸方向に近い光ほど、前記表示パネルにおいて前記光源ブロックから離れた位置に入射させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示灯。
【請求項5】
前記器具本体は、前記表示用開口の縁であって前記光源ブロックに近い側の縁への前記光源ブロックの光の入射を阻止する遮光部を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示灯。
【請求項6】
前記表示パネルはねじ止めにより前記器具本体に固定されるものであって、
前記器具本体は、前記ねじ止めに用いられたねじの下側に位置して前記ねじの落下を阻止するねじ受け部を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の表示灯。
【請求項7】
前記器具本体は、前記光源ブロックを保持する光源保持体と、前記光源保持体に連結されて前記表示パネルを保持するパネル保持体とを有し、
前記光源保持体は、前記光源保持体と前記パネル保持体との間の隙間から浸入した水の前記光源ブロックへの到達を阻止する雨よけ部を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の表示灯。
【請求項8】
前記光源ブロックは、前記器具本体内において、前記表示パネルが取り外された場合に前記表示用開口の開口面に直交する方向から見ても露出しないような位置に保持されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の表示灯。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−3504(P2013−3504A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−137218(P2011−137218)
【出願日】平成23年6月21日(2011.6.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】