説明

表示素子

【課題】大型化を抑えつつ数字「0」と判別可能な文字「D」と数字とを表示可能な表示素子を提供する。
【解決手段】表示素子5は、「日」の字形に配設された複数のセグメント61a−61iから構成され、数字を表示する第1のセグメント部61と、文字「D」を表示するために用いられる第2のセグメント部62とを備え、第2のセグメント部62のセグメント62a−62cによる表示と第1のセグメント部61の一部のセグメント61a−61d、61h、61iによる表示とを用いることによって文字「D」を表示するように構成されている。表示素子5は、「口」の字形の表示と、「口」の字形の表示の上端側の「一」の字形の表示をこの「一」の字形の表示の左端から左方向へ延出する表示と、「口」の字形の表示の下端側の「一」の字形の表示をこの「一」の字形の表示の左端から左方向へ延出する表示とを用いて文字「D」を表示するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のセグメントにより文字「D」と数字とを表示する表示素子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スポーツタイプの自動変速機(AT)車として、自動変速機能に加えて、自車両のトランスミッションのドライブレンジにおいて、マニュアル操作によるシフトチェンジ機能を備えたものがある。
【0003】
通常走行においては、自動変速によりシフトチェンジが行われ、スポーツ走行においては、マニュアル操作によりシフトチェンジが行われる。運転者は、このマニュアル操作のシフトチェンジにより、スポーツ走行を楽しむことができる。
【0004】
ここで、運転者は、当該自動車のエンジン回転数と、ドライブレンジの何速にシフトチェンジされているかを見て、マニュアル操作によりシフトチェンジ操作を行う。一般に、ドライブレンジの何速かの数字は、複数のセグメントにより数字を表示する液晶パネルに表示される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この液晶パネルが、通常走行のドライブポジションの「D」を表示できることが望ましいが、新たに文字「D」を表示するセグメントを追加すれば、液晶パネルが大型化し、これに伴ないこれを駆動する電気配線が増加し、これを駆動する駆動回路も複雑化する。
【0006】
また、一般に、文字「D」は、数字「0」と判別し難いという問題もある。
【0007】
液晶パネルが大型化しないようにするためには、数字を表示するセグメントを利用して文字「D」を表示することが考えられるが、この場合、文字「D」と数字「0」とをより判別し難くなる。
【0008】
この問題は、液晶パネルに限るものではなく、複数のセグメントにより文字「D」と数字とを表示する表示素子に共通する問題である。
【0009】
本発明の目的は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、大型化を抑えつつ数字「0」と判別可能な文字「D」と数字とを表示可能な表示素子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記目的を達成するため、以下の技術的手段を採用する。
【0011】
請求項1に記載の表示素子は、「日」の字形に配設された複数のセグメントから構成され、数字を表示する第1のセグメント部と、文字「D」を表示するために用いられる第2のセグメント部とを備え、第2のセグメント部による表示と第1のセグメント部の一部のセグメントによる表示とを用いることによって文字「D」を表示するように構成され、「口」の字形の表示と、「口」の字形の表示の上端側の「一」の字形の表示をこの「一」の字形の表示の左端から左方向へ延出する表示と、「口」の字形の表示の下端側の「一」の字形の表示をこの「一」の字形の表示の左端から左方向へ延出する表示とを用いて文字「D」を表示するように構成されている構成とする。
【0012】
この構成では、第2のセグメント部による表示と第1のセグメント部の一部のセグメントによる表示とを用いることによって文字「D」を表示し、「口」の字形の表示と、この上端側の「一」の字形の表示をこの左端から左方向へ延出する表示と、この下端側の「一」の字形の表示をこの左端から左方向へ延出する表示とを用いて文字「D」を表示する。
【0013】
即ち、「口」の字形の表示の上端側と下端側の各「一」の字形の表示をこの左端から左方向へ延出する表示を、「口」の字形の表示の左上端と左下端に、それぞれ追加することによって、文字「D」を強調し、これにより、数字「0」と判別可能な文字「D」を表示することができる。また、この文字「D」の表示を、第2のセグメント部による表示と第1のセグメント部の一部のセグメントによる表示とを用いることによって、表示素子の大型化を抑えることができる。
【0014】
この結果、大型化を抑えつつ数字「0」と判別可能な文字「D」と数字とを表示可能な表示素子を提供することができる。
【0015】
請求項2に記載の表示素子は、第2のセグメント部が、第1のセグメント部の右上端部と第1のセグメント部の右下端部とを連結し且つ右方向へ凸状に湾曲する線状の第1セグメントを備え、第1セグメントによる表示と、第1のセグメント部による右上端部と右下端部とを含む「コ」の字形の表示とを用いて文字「D」を表示するように構成されている構成とする。
【0016】
この構成では、第1セグメントによる表示と、第1のセグメント部による右上端部と右下端部とを含む「コ」の字形の表示とを用いて文字「D」を表示する。これにより、第2のセグメント部による表示と第1のセグメント部の一部のセグメントによる表示とを用いることによって、上述したように文字「D」を強調し、これにより、数字「0」と判別可能な文字「D」を表示することができる。
【0017】
この結果、大型化を抑えつつ数字「0」と判別可能な文字「D」と数字とを表示可能な表示素子を提供することができる。
【0018】
請求項3に記載の表示素子は、第2のセグメント部が、第1のセグメント部の左上端部から左方向へ延出する第2セグメントと第1のセグメント部の左下端部から左方向へ延出する第3セグメントとを備え、第2セグメントと第3セグメントとによる表示と、第1のセグメント部による左上端部と左下端部とを含む「0」の字の表示とを用いて文字「D」を表示するように構成されている構成とする。
【0019】
この構成では、第2セグメントと第3セグメントとによる表示と、第1のセグメント部による左上端部と左下端部とを含む「0」の字の表示とを用いて文字「D」を表示する。これにより、第2のセグメント部による表示と第1のセグメント部の一部のセグメントによる表示とを用いることによって、上述したように文字「D」を強調し、これにより、数字「0」と判別可能な文字「D」を表示することができる。
【0020】
この結果、大型化を抑えつつ数字「0」と判別可能な文字「D」と数字とを表示可能な表示素子を提供することができる。
【0021】
請求項4に記載の表示素子は、第2のセグメント部が、第1のセグメント部の右上端部と第1のセグメント部の右下端部とを連結し且つ右方向へ凸状に湾曲する線状の第1セグメントと、第1のセグメント部の左上端部から左方向へ延出する第2セグメントと、第1のセグメント部の左下端部から左方向へ延出する第3セグメントとを備え、第1セグメントと第2セグメントと第3セグメントとによる表示と、第1のセグメント部による左上端部と左下端部とを含む「C」の字形の表示とを用いて文字「D」を表示するように構成されている構成とする。
【0022】
この構成では、第1セグメントと第2セグメントと第3セグメントとによる表示と、第1のセグメント部による左上端部と左下端部とを含む「C」の字形の表示とを用いて文字「D」を表示する。これにより、第2のセグメント部による表示と第1のセグメント部の一部のセグメントによる表示とを用いることによって、上述したように文字「D」を強調し、これにより、数字「0」と判別可能な文字「D」を表示することができる。
【0023】
また、この構成では、第1セグメントが、第1のセグメント部より右方向へ凸状に湾曲する線状に形成されているため、数字「0」とより判別可能な文字「D」を表示することができる。
【0024】
これらの結果、大型化を抑えつつ数字「0」とより判別可能な文字「D」と数字とを表示可能な表示素子を提供することができる。
【0025】
請求項5に記載の表示素子は、第1のセグメント部が、第4セグメントを右上端部に備え、第5セグメントを右下端部に備え、第4セグメントと第5セグメントとによる表示を加えて文字「D」を表示するように構成されている構成とする。
【0026】
この構成では、第4セグメントと第5セグメントとによる表示を加えて文字「D」を表示する。第4セグメントと第5セグメントは、それぞれ、第1のセグメント部の右上端部と第1のセグメント部の右下端部の配置されるセグメントである。即ち、第4セグメントと第5セグメントは、それぞれ、請求項4に記載の表示素子において、「C」の字形を表示する第1のセグメント部と第1セグメントの連結点を埋めるセグメントである。
【0027】
これにより、「C」の字形を表示する第1のセグメント部と第1セグメントは、第4セグメントと第5セグメントとによってより自然につながるため、文字「D」を、数字「0」とより判別可能に表示できる。
【0028】
請求項6に記載の表示素子は、第1のセグメント部と前記第2のセグメント部とを、液晶パネルとして構成する構成とする。
【0029】
この構成でも、上述の効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明による表示素子を、自動車に搭載されるコンビネーションメータ1に適用した場合を例に図面に基づいて説明する。
【0031】
(構成)
図1は、本発明の一実施形態による表示素子である液晶パネル5を備えたコンビネーションメータ1の正面図である。
【0032】
図2は、図1中のII−II線断面図である。
【0033】
図3は、図1中のIII部の拡大図である。
【0034】
図4は、本発明の一実施形態による表示素子である液晶パネル5を備えたコンビネーションメータ1の電気回路構成を説明する回路構成図である。
【0035】
コンビネーションメータ1は、自動車の運転席前方に配置されて当該自動車に関する各種情報を表示する。本発明の一実施形態による表示素子である液晶パネル5を備えたコンビネーションメータ1は、図1に示すように、当該自動車の走行速度を表示する速度計を構成する。
【0036】
速度計は、走行速度を表示して運転者に視認させるための文字盤2と指針3とを備える。文字盤2は、透光性を有する材料、例えば無色透明なポリカーボネート樹脂等の板材から形成されるものであり、指針3は、文字盤2の前面(図2の矢印が示す上側の面)に沿って回動するものである。
【0037】
文字盤2の前面に、文字21と目盛22が、例えば白色の透光状態になるように、これらの背景部がつや消しの、例えば青色の不透光状態(または、つや消しの透光性が低い状態)になるように、印刷あるいはホットスタンプ等により形成される。
【0038】
文字盤2の背後、即ち、図2中の矢印が示す下側には、白色の発光ダイオード91−93、第1ケース10、第2ケース11およびプリント基板12が配置される。プリント基板12は、コンビネーションメータ1の電気回路部を形成するものであり、発光ダイオード91−93は、プリント基板12上に実装される。
【0039】
文字盤2の略中央部には貫通孔23が設けられ、この貫通孔23には、ムーブメント4のシャフト41が、挿通される。
【0040】
プリント基板12上には、外部からの電気信号(本実施形態によるコンビネーションメータ1においては車速信号)に対応した角度だけシャフト41を回動させるムーブメント4が実装固定される。さらに、プリント基板12には、ムーブメント4を駆動し、発光ダイオード91−93を点灯・消灯させる制御装置13(図4)が実装される。制御装置13は、たとえばマイクロコンピュータ等から構成されている。
【0041】
ムーブメント4は、たとえば交差コイル式ムーブメント、あるいはステッピングモータ等から構成され、ムーブメント4のシャフト41は、文字盤2の貫通孔23を通して文字盤2の前面側(図2の矢印が示す上側)へ延出し、その先端に指針3が固定される。
【0042】
第1ケース10の内側は、発光ダイオード91からの白色光を指針3へ導く照明室を形成する。第1ケース10と第2ケース11は、その内外面は白色に形成され、発光ダイオード91の光は、第1ケース10の内周面で反射して指針3の方向に導かれ、これを発光させる。一方、発光ダイオード92の光は、第1ケース10の外周面と第2ケース11の内周面で反射して文字盤2の裏面へ導かれ、これを透過照明する。
【0043】
文字盤2に、図1と図2に示す開口部24を設け、この開口部24に、液晶パネル5が配置される。
【0044】
表示素子である液晶パネル5は、距離表示部51と外気温表示部52とシフトポジション表示部6とをセグメント表示するように形成される。
【0045】
距離表示部51は、図1において、積算距離を示すオドメータ(当該自動車の累積走行距離を表示する)と、区間距離を示すトリップメータA(運転者が所定の操作をした時点からの区間走行距離を表示する)と、トリップメータAと異なる区間距離を示すトリップメータBとのいずれかを表示する。これらの表示は、切り替えノブ8の操作によりの切り替えられる。
【0046】
外気温表示部52は、当該自動車の外気温を表示する。
【0047】
当該自動車は、スポーツタイプの自動変速機(AT)車として、自動変速機能に加えて、当該自動車のトランスミッションのドライブレンジにおいて、マニュアル操作によるシフトチェンジ機能を備える。このため、通常走行においては、自動変速によりシフトチェンジが行われ、スポーツ走行においては、マニュアル操作によりシフトチェンジが行われる。シフトポジション表示部6は、通常走行において当該自動車のドライブポジションの文字「D」を表示し、スポーツ走行においてドライブレンジの何速にシフトチェンジされているかの数字を表示する。
【0048】
本実施形態における液晶パネル5の各セグメントは、電圧無印加時には透光性となり、電圧印加時には遮光性となるものである。尚、図1は、電圧が、液晶パネル5の全セグメントに印加されている状態を示す。
【0049】
液晶パネル5の背後(図2において矢印に示す下側)には、液晶パネル5を透過照明する発光ダイオード93と、発光ダイオード93からの光を拡散して液晶パネル5を均一に透過照明させる拡散板7が配置される。発光ダイオード93の光は、第1ケース10の外周面と第2ケース11の内周面で反射して拡散板7を介して液晶パネル5の裏面へ導かれ、これを透過照明する。液晶パネル5は、図示しないリード線等によりプリント基板12に接続される。
【0050】
シフトポジション表示部6は、図3(a)に示すように、「日」の字形に配設された複数のセグメント61a−61iから構成される第1のセグメント部61と、セグメント62a−62cから構成される第2のセグメント部62とを備える。
【0051】
第1のセグメント部61は、各セグメント61a−61iの電圧印加を制御することによって、数字「0」〜数字「9」を表示するセグメントである。シフトポジション表示部6は、図3(c)において数字「0」を表示する。尚、第1のセグメント部61は、第4セグメント61hを、図3(a)において第1のセグメント部61の右上端部に備え、第5セグメント61iを、図3(a)において第1のセグメント部61の右下端部に備える。
【0052】
第2のセグメント部62は、その各セグメント62a−62cの表示に、第1のセグメント部61の一部のセグメント61a−61d、61h、61iの表示を合わせて用いることによって文字「D」を表示するためのセグメントである。具体的に、第2のセグメント部62の各セグメント62a−62cに電圧を印加してこれらを表示し、第1のセグメント部61の一部のセグメント61a−61d、61h、61iに電圧を印加してこれらを表示し、これらの表示を合わせて用いることによって文字「D」を表示する。これにより、シフトポジション表示部6は、図3(b)に示すように、文字「D」を表示する。
【0053】
第1セグメント62aは、第1のセグメント部61の右上端部の第4セグメント61hと、第1のセグメント部61の右下端部の第5セグメント61iとを連結し、且つ、図3(a)において右方向へ凸状に湾曲する線状に形成されたセグメントである。第2セグメント62bは、第1のセグメント部61の図3(a)において左上端部から左方向へ延出する形状に形成されたセグメントである。第3セグメント62cは、第1のセグメント部61の図3(a)において左下端部から左方向へ延出する形状に形成されたセグメントである。
【0054】
図3(b)において、第1のセグメント部61は、その一部のセグメント61a−61d、61h、61iの表示により第1のセグメント部61の左上端部と左下端部とを含む「C」の字形に表示を行い、これに第2のセグメント部62の表示を加えて、文字「D」を表示する。
【0055】
この文字「D」の表示は、「口」の字形の表示と、「口」の字形の表示の上端側の「一」の字形の表示をこの「一」の字形の表示の左端から左方向へ延出する表示と、「口」の字形の表示の下端側の「一」の字形の表示をこの「一」の字形の表示の左端から左方向へ延出する表示とを合わせて用いたものである。
【0056】
「口」の字形の表示の上端側の「一」の字形の表示をこの「一」の字形の表示の左端から左方向へ延出する表示を、第2セグメント62bが行い、「口」の字形の表示の下端側の「一」の字形の表示をこの「一」の字形の表示の左端から左方向へ延出する表示を、第3セグメント62cが行う。これにより、図3(b)に示すように、文字「D」を強調することができ、この結果、図3(c)に示す第1のセグメント部61の一部のセグメント61a−61f、61h、61iによる表示を用いた数字「0」と判別可能な文字「D」を表示することができる。
【0057】
また、この文字「D」の表示を、第2のセグメント部62による表示と第1のセグメント部61の一部のセグメント61a−61d、61h、61iによる表示とを用いて行うことによって、表示素子の大型化を抑えることができる。
【0058】
また、第1セグメント62aは、第1のセグメント部61のセグメント61e、61fより右方向へ凸状に湾曲する線状に形成されているため、図3(c)に示す数字「0」とより判別可能な文字「D」を表示することができる。
【0059】
また、第4セグメント61hと第5セグメント61iが、第1のセグメント部61による「C」の字形の表示と第1セグメント62aとの連結点を埋める。このため、セグメント61a、61dと第1セグメント62aがより自然につながるため、文字「D」を、数字「0」とより判別可能に表示できる。
【0060】
以上により、大型化を抑えつつ数字「0」とより判別可能な文字「D」と数字とを表示可能な表示素子である液晶パネル5を提供することができる。
【0061】
以上説明した本発明の一実施形態による表示素子である液晶パネル5を備えたコンビネーションメータ1の電気回路構成について、図4に基づいて説明する。
【0062】
制御装置13には、バッテリ19から電力が常時供給され、イグニッションスイッチ18がその操作ポジション(オフポジション、オンポジション)を検出可能に接続される。また、制御装置13には、当該自動車の走行速度を検出する車速センサ14と当該自動車の走行距離を検出する距離センサ15と外気温度を検出する外気温センサ16と当該自動車のトランスミッションのシフトポジションを検出するシフトポジションセンサ17が、それらの信号を入力可能に接続される。
【0063】
また、液晶パネル5、車速センサ14からの検出信号に応じて制御装置13によって駆動されるムーブメント4、発光ダイオード91−93も、制御装置13に接続される。
(作動)
以下に、上記構成において、コンビネーションメータ1の作動を説明する。
【0064】
イグニッションスイッチ18がオンされると、図4において、制御装置13は、それを検出して作動を開始する。即ち、速度センサ14からの出力信号に基づき、当該自動車の車速を算出し、これに対応した角度だけシャフト41を回動させるように、ムーブメント4を駆動する。
【0065】
又、制御装置13は、発光ダイオード91−93を点灯し、点灯された発光ダイオード91の光は、図2において、指針3へ導かれてこれを発光表示させ、点灯された発光ダイオード92の光は、文字盤2へ導かれてこれを透過照明する。
【0066】
点灯された発光ダイオード93の光は、拡散板7を介して液晶パネル5へ導かれこれを透過照明し、液晶パネル5は、図1に示す距離表示部51と外気温表示部52とシフトポジション表示部6とを表示する。
【0067】
以下、シフトポジション表示部6の表示について説明する。
【0068】
当該自動車のエンジンがスタートし、当該自動車のトランスミッションがドライブポジションに操作された際に、制御装置13は、第2のセグメント部62の各セグメント62a−62cに電圧を印加し、第1のセグメント部61の一部のセグメント61a−61d、61h、61iに電圧を印加する。
【0069】
これにより、シフトポジション表示部6は、図3(b)に示すように、第2のセグメント部62の各セグメント62a−62cを表示し、第1のセグメント部61の一部のセグメント61a−61d、61h、61iを表示し、文字「D」を表示する。シフトポジション表示部6は、通常走行においては、このまま、文字「D」を表示する。
【0070】
一方、制御装置13は、通常走行からスポーツ走行に切り替えられた際、シフトポジションセンサ17からの信号に基づいて、第1のセグメント部61の各セグメント61a−61iの電圧印加を制御する。
【0071】
これにより、シフトポジション表示部6は、シフトポジションセンサ17からの信号に基づいて、ドライブレンジの何速にシフトチェンジされているかの数字を表示する。シフトポジション表示部6は、このスポーツ走行において、運転者のマニュアル操作に応じて、ドライブレンジの何速にシフトチェンジされているかの数字を表示する。
【0072】
上述したように、図3(b)において、第1のセグメント部61は、その一部の表示によりその左上端部と左下端部とを含む「C」の字形に表示を行い、これに第2のセグメント部62の表示を加えて、文字「D」を表示する。これにより、図3(c)に示す数字「0」と判別可能な文字「D」を表示することができる。
【0073】
また、この文字「D」の表示を、第2のセグメント部62による表示と第1のセグメント部61の一部のセグメント61a−61d、61h、61iによる表示とを合わせて用いることによって、表示素子の大型化を抑えることができる。
【0074】
この結果、大型化を抑えつつ数字「0」と判別可能な文字「D」と数字とを表示可能な表示素子であるシフトポジション表示部6を提供することができる。
【0075】
以上、本発明により一実施形態による表示素子である液晶パネル5は、「日」の字形に配設された複数のセグメント61a−61iから構成され、数字を表示する第1のセグメント部61と、文字「D」を表示するために用いられる第2のセグメント部62(62a−62c)とを備え、第2のセグメント部62による表示と第1のセグメント部61の一部のセグメント61a−61d、61h、61iによる表示とを用いることによって文字「D」を表示するように構成され、「口」の字形の表示と、「口」の字形の表示の上端側の「一」の字形の表示をこの「一」の字形の表示の左端から左方向へ延出する表示と、「口」の字形の表示の下端側の「一」の字形の表示をこの「一」の字形の表示の左端から左方向へ延出する表示とを用いて文字「D」を表示するように構成されている。
【0076】
これにより、大型化を抑えつつ数字「0」と判別可能な文字「D」と数字とを表示可能な表示素子を提供することができる。
【0077】
図5は、図3に示すシフトポジション表示部6の第1変形例である。
【0078】
第1変形例では、図5(a)に示すように、第1のセグメント部61において、第4セグメント61hをセグメント61fに一体化させ、第5セグメント61iをセグメント61eに一体化させる。これにより、第1のセグメント部61のセグメント数を2個低減させることができ、第1のセグメント部61を駆動させるための電気配線数を低減させることができ、これらを駆動する制御装置13を簡素化させることができる。
【0079】
第1変形例でも、図5(b)に示すように、第2のセグメント部62の各セグメント62a−62cの表示と、第1のセグメント部61の一部のセグメント61a−61dの表示とを合わせて用いることによって文字「D」を表示する。これにより、図5(c)に示す第1のセグメント部61の一部のセグメント61a−61fによる表示を用いた数字「0」と判別可能な文字「D」を表示することができる。
【0080】
この結果、大型化を抑えつつ数字「0」と判別可能な文字「D」と数字とを表示可能な表示素子を提供することができる。
【0081】
図6は、図3に示すシフトポジション表示部6の第2変形例である。
【0082】
第2変形例では、図6(a)に示すように、第2のセグメント部62において、第1セグメント62aを形成しないで、第2セグメント62bと第3セグメント62cを、図において左方向へ長く形成する。また、第1のセグメント部61において、第4セグメント61hをセグメント61fに一体化させ、第5セグメント61iをセグメント61eに一体化させる。
【0083】
これにより、第2のセグメント部62のセグメント数を1個低減させることができ、第1のセグメント部61のセグメント数を2個低減させることができ、これらを駆動させるための電気配線数を低減させることができ、これらを駆動する制御装置13を簡素化させることができる。
【0084】
第2変形例でも、図6(b)に示すように、第2のセグメント部62の各セグメント62b、62cの表示と、第1のセグメント部61の一部のセグメント61a−61dの表示とを合わせて用いることによって文字「D」を表示する。これにより、図6(c)に示す第1のセグメント部61の一部のセグメント61a−61fによる表示を用いた数字「0」と判別可能な文字「D」を表示することができる。
【0085】
尚、第2セグメント62bと第3セグメント62cを左方向へ長く形成した理由は、第1セグメント62aを形成しない分を補うためであり、これにより、数字「0」と判別可能な文字「D」を表示することができる。
【0086】
以上により、大型化を抑えつつ数字「0」と判別可能な文字「D」と数字とを表示可能な表示素子を提供することができる。
【0087】
図7は、図3に示すシフトポジション表示部6の第3変形例である。
【0088】
第3変形例では、図7(a)に示すように、第2のセグメント部62において、第2セグメント62bと第3セグメント62cとを形成しないで、第1セグメント62aを、図において右方向へ長く形成する。また、第1のセグメント部61において、第4セグメント61hをセグメント61fに一体化させ、第5セグメント61iをセグメント61eに一体化させる。
【0089】
これにより、第2のセグメント部62のセグメント数を2個低減させることができ、第1のセグメント部61のセグメント数を2個低減させることができ、これらを駆動させるための電気配線数を低減させることができ、これらを駆動する制御装置13を簡素化させることができる。
【0090】
第3変形例でも、図7(b)に示すように、第2のセグメント部62の第1セグメント62aの表示と、第1のセグメント部61の一部のセグメント61a、61d、61e、61fの表示とを合わせて用いることによって文字「D」を表示する。これにより、図7(c)に示す第1のセグメント部61の一部のセグメント61a−61fによる表示を用いた数字「0」と判別可能な文字「D」を表示することができる。
【0091】
尚、第1セグメント62aを右方向へ長く形成した理由は、第1のセグメント部61のセグメント61a、61dの形状とバランスをとるためであり、これにより、数字「0」と判別可能な文字「D」を表示することができる。
【0092】
以上により、大型化を抑えつつ数字「0」と判別可能な文字「D」と数字とを表示可能な表示素子を提供することができる。
【0093】
尚、上述の例では、液晶パネル5の各セグメントは、電圧無印加時には透光性となり、電圧印加時には遮光性となるものであったが、この逆に制御される液晶パネルとすることも可能である。
【0094】
また、上述の例では、シフトポジション表示部6の第1のセグメント部61と第2のセグメント部62とを、液晶パネル5として構成したが、これに限るものではない。
【0095】
また、上述の例に限らず、これらの組み合わせや、他の種々の変形例が考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】図1は、本発明の一実施形態による表示素子である液晶パネル5を備えたコンビネーションメータ1の正面図である。
【図2】図2は、図1中のII−II線断面図である。
【図3】図3は、図1中のIII部の拡大図である。
【図4】図4は、本発明の一実施形態による表示素子である液晶パネル5を備えたコンビネーションメータ1の電気回路構成を説明する回路構成図である。
【図5】図5は、図3に示すシフトポジション表示部6の第1変形例である。
【図6】図6は、図3に示すシフトポジション表示部6の第2変形例である。
【図7】図7は、図3に示すシフトポジション表示部6の第3変形例である。
【符号の説明】
【0097】
1 コンビネーションメータ
2 文字盤、21 文字、22 目盛、23 貫通孔、24 開口部
3 指針、4 ムーブメント、41 シャフト
5液晶パネル(表示素子)、51 距離表示部、52 外気温表示部
6 シフトポジション表示部
61 第1のセグメント部、61a−61g セグメント
61h 第4セグメント、61i 第5セグメント
62 第2のセグメント部、61a 第1セグメント
61b 第2セグメント、61c 第3セグメント
7 拡散板、8 切り替えノブ、91−93 発光ダイオード
10 第1ケース、11 第2ケース、12 プリント基板
13 制御装置、14 速度センサ、15 距離センサ、16 外気温センサ
17 シフトポジションセンサ、18 イグニッションスイッチ、19 バッテリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
「日」の字形に配設された複数のセグメントから構成され、数字を表示する第1のセグメント部と、
文字「D」を表示するために用いられる第2のセグメント部とを備え、
前記第2のセグメント部による表示と、前記第1のセグメント部の一部のセグメントによる表示とを用いることによって、前記文字「D」を表示するように構成され、
「口」の字形の表示と、該「口」の字形の表示の上端側の「一」の字形の表示を該「一」の字形の表示の左端から左方向へ延出する表示と、該「口」の字形の表示の下端側の「一」の字形の表示を該「一」の字形の表示の左端から左方向へ延出する表示とを用いて前記文字「D」を表示するように構成されていることを特徴とする表示素子。
【請求項2】
前記第2のセグメント部は、前記第1のセグメント部の右上端部と該第1のセグメント部の右下端部とを連結し、且つ、右方向へ凸状に湾曲する線状の第1セグメントを備え、
前記第1セグメントによる表示と、前記第1のセグメント部による前記右上端部と前記右下端部とを含む「コ」の字形の表示とを用いて前記文字「D」を表示するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の表示素子。
【請求項3】
前記第2のセグメント部は、前記第1のセグメント部の左上端部から左方向へ延出する第2セグメントと、該第1のセグメント部の左下端部から前記左方向へ延出する第3セグメントとを備え、
前記第2セグメントと前記第3セグメントとによる表示と、前記第1のセグメント部による前記左上端部と前記左下端部とを含む「0」の字の表示とを用いて前記文字「D」を表示するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の表示素子。
【請求項4】
前記第2のセグメント部は、前記第1のセグメント部の右上端部と該第1のセグメント部の右下端部とを連結し、且つ、右方向へ凸状に湾曲する線状の第1セグメントと、該第1のセグメント部の左上端部から左方向へ延出する第2セグメントと、該第1のセグメント部の左下端部から前記左方向へ延出する第3セグメントとを備え、
前記第1セグメントと前記第2セグメントと前記第3セグメントとによる表示と、前記第1のセグメント部による前記左上端部と前記左下端部とを含む「C」の字形の表示とを用いて前記文字「D」を表示するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の表示素子。
【請求項5】
前記第1のセグメント部は、第4セグメントを前記右上端部に備え、第5セグメントを前記右下端部に備え、
前記第4セグメントと前記第5セグメントとによる表示を加えて前記文字「D」を表示するように構成されていることを特徴とする請求項4に記載の表示素子。
【請求項6】
前記第1のセグメント部と前記第2のセグメント部とを、液晶パネルとして構成することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の表示素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−156359(P2007−156359A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−355332(P2005−355332)
【出願日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】