説明

表示装置、広告配信システム、表示装置の制御方法およびそのプログラム

【課題】店内における商品配置に応じて、広告表示データの変更作業を容易に行い得る表示装置等を提供する。
【解決手段】各商品の商品コードに対応する複数の広告表示データを記憶する記憶部を備えた電子POP装置10であって、無線タグリーダTRにより、商品を陳列した陳列棚30から各商品の商品コードが記録された無線ICタグTを読み取る。また、読み取った商品コードに対応する広告表示データを前記記憶部から読み出して表示する。この場合、無線ICタグTは、商品が陳列されている陳列棚30に設けられても良いし、商品に貼付されていても良い。また、前記記憶部を電子POP装置10の外部装置(広告配信サーバ20)に設け、当該外部装置から電子POP装置10に対して広告表示データを配信する構成でも良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
電子POP装置(デジタルサイネージ)など、広告表示データを表示する表示装置、広告配信システム、表示装置の制御方法およびそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーなどの小売店において、商品の近くに設置され、当該商品に関する広告表示データを表示する電子POP装置(表示装置)が知られている(例えば、特許文献1)。この種の電子POP装置は、メモリカード等に複数の広告表示データ(静止画や動画)を記録し、これを読み取ることによって複数の広告表示データを繰り返し表示するようになっている。また、店舗のバックヤードに配置された管理サーバから、各電子POP装置へ広告表示データを配信する技術も提案されている。
【0003】
一方、小売店では、販売戦略の一種として、時間帯や客層に応じ、頻繁に店内レイアウトや棚割りを変更する。近年では、特定の商品の売り上げ増加を目的として、メーカや卸売業者の担当者が、自ら小売店内の商品配置作業を行うといったことも多く、商品配置の変更はさらに頻繁となってきている。
【特許文献1】特開2001−67551号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、店内レイアウトや棚割りを変更する場合、電子POP装置を採用している小売店では、各売り場に配置された電子POP装置に表示する広告表示データを変更する作業も必要となる。広告表示データの表示場所と、その広告対象となる商品とは、できるだけ近い場所にある方が、高い広告効果を期待できるためである。
【0005】
しかしながら、電子POP装置に、メモリカード等の記憶媒体を用いて広告表示データの供給を行う場合、広告表示データの変更作業として、メモリカード内の複数の広告表示データを記録し直す必要がある。また、管理サーバから広告表示データの配信を行う場合も、広告表示データを新たに配信し直す必要がある。つまり、小売店では、各売り場の店員が、店内レイアウトや棚割りを変更した後、変更された商品配置を記憶しておくか、メモに書き留めておき、バックヤードに戻ってから広告表示データの変更作業を行う必要がある。このような作業は、閉店後であればそれ程大きな問題ではないかもしれないが、営業中の作業としては負担が大きく、広告表示データの変更作業が追いつかないために、電子POP装置の表示と、商品配置とが一致しない事態が生じてしまう(離れた場所にある商品の広告表示データを表示してしまう)といった問題があった。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑み、店内における商品配置に応じて、広告表示データの変更作業を容易に行い得る表示装置、広告配信システム、表示装置の制御方法およびそのプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の表示装置は、商品を陳列した陳列棚から、各商品の商品コードが記録された無線ICタグを読み取るタグ読み取り部と、各商品の商品コードに対応する複数の広告表示データを記憶する記憶部と、広告表示データを表示する表示部と、表示部の表示制御を行う表示制御部と、を備え、表示制御部は、記憶部から、タグ読み取り部により読み取った商品コードに対応する広告表示データを読み出して表示部に表示することを特徴とする。
【0008】
本発明の表示装置の制御方法は、各商品の商品コードに対応する複数の広告表示データを記憶する記憶部を、内部または外部に備えた表示装置の制御方法であって、表示装置が、商品を陳列した陳列棚から、各商品の商品コードが記録された無線ICタグを読み取るステップと、記憶部から、読み取った商品コードに対応する広告表示データを読み出すステップと、読み出した広告表示データを表示するステップと、を実行することを特徴とする。
【0009】
これらの構成によれば、表示装置が、商品を陳列した陳列棚から、各商品の商品コードが記録された無線ICタグを読み取り、当該商品コードに対応する広告表示データを表示するため、店内の商品配置変更作業に伴って、自動的に広告表示データを変更することができる。つまり、店員は、店内の商品配置変更作業後、バックヤードに戻って広告表示データの変更作業を行うといった二重の作業から開放されるため、営業中の商品配置変更にも大きな負担なく対応することができる。また、これにより表示装置の表示と、商品配置とが常に一致した状態となるため、広告効果を維持することができる。
なお、「商品コード」とは、商品を識別するための英数字の他、商品名、商品略称など、商品を一意に特定できる情報を指す。また、「表示装置」とは、電子POP装置、店内ディスプレイおよび電子看板など、デジタルサイネージ全般を含む概念である。
また、「無線ICタグ」は、商品が陳列されている陳列棚に設けられても良いし、商品に貼付されていても良い。
【0010】
上記に記載の表示装置において、タグ読み取り部は、陳列棚に陳列されている商品に貼付された無線ICタグを読み取ることを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、各商品から無線ICタグを読み取るため、陳列棚自体に無線ICタグを設ける必要がない。したがって、商品の配置変更のみで、確実に広告表示データを変更することができる。
【0012】
上記に記載の表示装置において、タグ読み取り部は、予め設定された所定のタイミングで、無線ICタグを読み取ることを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、1時間毎、または棚割り変更予定時刻など、予め設定された時刻に無線ICタグを読み取るため、店員が読み取り動作をわざわざ指示する必要がない。また、読み取り動作を指示し忘れることによって、表示装置の表示と、商品配置とが一致しない事態が長時間生じてしまうことを防止することができる。
【0014】
本発明の広告配信システムは、広告表示データを表示する1以上の表示装置と、1以上の表示装置に広告表示データを配信する広告配信サーバと、から成る広告配信システムであって、表示装置は、商品を陳列した陳列棚から、各商品の商品コードが記録された無線ICタグを読み取るタグ読み取り部と、広告配信サーバに対し、タグ読み取り部により読み取った商品コードを送信すると共に、広告配信サーバから広告表示データを受信するための装置側通信部と、装置側通信部を介して受信した広告表示データを表示する表示部と、を備え、広告配信サーバは、1以上の表示装置と通信するためのサーバ側通信部と、各商品の商品コードに対応する複数の広告表示データを記憶する記憶部と、1以上の表示装置から受信した商品コードに基づいて、記憶部から各表示装置に表示すべき広告表示データを読み出し、サーバ側通信部を介して各表示装置に配信する配信部と、を備えたことを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、表示装置が、商品を陳列した陳列棚から、各商品の商品コードが記録された無線ICタグを読み取ることで、広告配信サーバから配信された当該商品コードに対応する広告表示データを表示するため、店内の商品配置変更作業に伴って、自動的に広告表示データを変更することができる。また、これにより表示装置の表示と、商品配置とが常に一致した状態となるため、広告効果を維持することができる。さらに、広告表示データは、広告配信サーバから配信されるため、各表示装置に、多数の広告表示データを記憶させておくためのメモリを必要とせず、装置の低廉化を図ることができる。また、広告配信サーバで、広告表示データの一元管理ができるため、広告表示データの更新(変更、追加、削除)が容易である。
【0016】
上記に記載の広告配信システムにおいて、配信部は、複数の表示装置から同一の商品コードを受信した場合、所定の法則にしたがって選択した1の表示装置に対し、当該商品コードに対応する広告表示データを配信することを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、例えば複数の表示装置が近接して配置されている場合など、同一の商品コードを読み取ってしまうことが考えられるが、このような場合でも、広告配信サーバは、1の表示装置に対してのみ広告表示データを配信するため、複数の表示装置で同じ広告表示データを表示してしまうことがない。つまり、複数の表示装置を効率的に利用することができる。
なお、「複数の表示装置から同一の商品コードを受信した場合」とは、所定時間内に、複数の表示装置から同一の商品コードを受信した場合を意味する。つまり、必ずしも同時に商品コードを受信することを指すものではない。
【0018】
上記に記載の広告配信システムにおいて、所定の法則は、複数の表示装置のうち、受信した商品コードの商品の位置と、最も近い表示装置を選択する法則であることを特徴とする。
【0019】
この構成によれば、商品の位置と、最も近い位置にある表示装置に、当該商品の広告表示データを表示することができるため、そうでない場合と比較して高い広告効果を得ることができる。つまり、商品と表示装置とが近接した位置にあることで、顧客が商品広告を見た直後にその商品を手に取ることができ、売上増加が期待できる。
【0020】
上記に記載の広告配信システムにおいて、タグ読み取り部は、陳列棚に陳列されている商品に貼付された無線ICタグを読み取り、広告配信サーバは、1以上の表示装置から受信した商品コードの有無に基づいて、商品の品切れを判定する品切れ判定部と、品切れ判定部により品切れと判定した場合、その旨を報知する品切れ報知部と、をさらに備えたことを特徴とする。
【0021】
この構成によれば、広告配信サーバは、受信した商品コードの有無に基づいて、商品の品切れを判定し、品切れと判定した場合はその旨を報知するため、広告配信サーバ側で、品切れを確認することができる。つまり、広告配信サーバを店舗のバックヤードに設置している場合、バックヤードにいる店員が、店内に行って商品の陳列状態を確認することなく、品切れを判断することができ、商品の注文処理や補充処理を迅速に行うことができる。
【0022】
上記に記載の広告配信システムにおいて、広告配信サーバは、品切れ判定部により品切れと判定した商品に対応する広告表示データの表示中止を、当該広告表示データを表示する表示装置に対して指令する表示中止指令部をさらに備え、表示部は、装置側通信部を介して受信した表示中止指令に基づいて、該当する広告表示データの表示を中止することを特徴とする。
【0023】
この構成によれば、商品が品切れした場合、その商品に対応する広告表示データの表示を中止するため、無駄な広告表示データの表示を防止できる。また、商品が無いにも拘らず広告が為されていることに対する顧客のクレームの心配も無くなる。
【0024】
本発明のプログラムは、コンピュータに、上記に記載の表示装置の制御方法における各ステップを実行させるためのものであることを特徴とする。
【0025】
このプログラムを用いることにより、店内における商品配置に応じて、広告表示データの変更作業を容易に行い得る表示装置の制御方法を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、添付した図面を参照して、本発明の一実施形態に係る表示装置、広告配信システム、表示装置の制御方法およびそのプログラムについて説明する。図1は、本発明の広告配信システムSYのシステム構成図である。広告配信システムSYは、小売店等の店内に配置された複数台(図示では、2台)の電子POP装置10(表示装置)と、店舗のバックヤードに設けられ、これら複数台の電子POP装置10を統括管理する広告配信サーバ20と、から成る。
【0027】
本実施形態において、各電子POP装置10は、商品の陳列棚30毎に近接配置されており、同図に示すように、第1電子POP装置10aはA棚30aに、第2電子POP装置10bはB棚30bに、最も近接している(同図の電子POP装置10は、背面側から見た状態を示している)。また、A棚30aには、商品Aa〜Adが陳列されており、B棚30bには、商品Ba〜Bdが陳列されている。また、各商品には、全て各商品の商品コードが記録された無線ICタグT(例えば、RFID)が貼付されている。なお、電子POP装置10の数や配置は任意であり、複数の陳列棚30に対して1台設けられても良いし、陳列棚30と関係なく配置されていても良い。本実施形態では、説明の便宜上、各電子POP装置10の配置を、上記のとおり規定する。また、店内には、第1電子POP装置10aおよび第2電子POP装置10bの2台のみ配置されているものとする。
【0028】
各電子POP装置10は、各商品に貼付された無線ICタグTを読み取るための無線タグリーダTRを有している。当該無線タグリーダTRの読み取り範囲は、同図に示すように、第1電子POP装置10aが範囲E1、第2電子POP装置10bが範囲E2となっている。つまり、両電子POP装置10a,10bは、対応する陳列棚30内にある無線ICタグTのみを読み取り可能となっている。また、当該無線タグリーダTRの読み取り結果(読み取った商品コード)は、広告配信サーバ20に送信される。さらに、各電子POP装置10は、広告配信サーバ20から配信された1以上の広告表示データに基づいて、各商品に関する広告映像を表示する。また、顧客の操作により、表示中の広告表示データに関連したクーポン50(図2参照)を発行することも可能となっている。
【0029】
一方、広告配信サーバ20は、無線LAN等のネットワークNTを介して各電子POP装置10と接続されており、表示画面21、キーボード22およびマウス23等を有する、一般的なパーソナルコンピュータにより構成される。広告配信サーバ20は、店内に配置された複数の電子POP装置10から商品コードを受信し、その受信した商品コードに応じて、各電子POP装置10に表示すべき広告表示データを抽出し、抽出した当該広告表示データを、該当する電子POP装置10に配信する。このように、広告配信システムSYでは、各電子POP装置10に表示すべき広告表示データの抽出および配信が、電子POP装置10と広告配信サーバ20との連動処理によって自動的に行われるため、商品の配置変更(棚割りの変更)に付随する広告表示データの変更の手間を省くことができるようになっている。
【0030】
次に、図2を参照し、電子POP装置10の装置構成について説明する。図2は、電子POP装置10の外観斜視図である。電子POP装置10は、ディスプレイ装置11と、当該ディスプレイ装置11を固定支持する装置本体12と、を備えている。ディスプレイ装置11は、有機ELディスプレイや液晶ディスプレイ等のディスプレイ13を有しており、当該ディスプレイ13には、各商品の広告表示データを表示する。同図の例では、広告表示データとして、商品(牛乳パック等)の画像、商品名および商品の説明を表示している。なお、広告表示データは、静止画像であっても、動画像であっても良い。また、各広告表示データには、音声データが付加されており、これら両データを、以下「広告映像ファイル」と総称する。
【0031】
また、ディスプレイ13には、タッチパネル14が重畳されている。タッチパネル14は、ディスプレイ13の表示エリアの略全域を覆うマトリクススイッチで構成され、指等の接触(タッチ)によってオン、オフ情報を取得する。このオン、オフ情報により、ユーザによる指等のタッチを検出する。例えば、ディスプレイ13に広告表示データが表示されている状態で、顧客がタッチパネル14をタッチすると、その広告表示データに関連するクーポン50が、後述するクーポンプリンタ18により印刷される。
【0032】
一方、電子POP装置10の装置本体12には、各種設定を行うための設定ボタン15と、音声を出力するスピーカ16と、が設けられ、装置本体12の底部には、電子POP装置10を移動可能とするための4つのローラ17が設けられている。さらに、装置本体12には、上記のクーポンプリンタ18と、無線タグリーダTRと、が接続されている。
【0033】
設定ボタン15は、電子POP装置10の各種設定・操作を行なう設定画面((図示省略)を表示させるための操作子である。店員は、設定ボタン15を押してディスプレイ13上に設定画面を表示させ、タッチパネル14を操作することで各種設定・操作を行うことができる。これら設定ボタン15およびタッチパネル14は、店員が、表示スケジュール(図7参照)の確認や変更を行うためにも用いられる。
【0034】
スピーカ16は、上記の広告映像ファイルに基づいて、各広告表示データに対応する音声データを出力する。また、顧客によりタッチパネル14がタッチされた場合は、クーポン50を発行する(または、発行した)旨の音声ガイダンスを行う。
【0035】
クーポンプリンタ18は、箱型の筐体内に、ロール状に巻回されたレシート用紙を収容する用紙収容部、レシート用紙を搬送する用紙搬送部、レシート用紙上に印刷データを印刷する印刷ヘッドを内蔵している(いずれも図示省略)。また、筐体前面に、印刷済みのレシート用紙(クーポン50)を排出する排出口19を有している。当該排出口19にはクーポン50の切断に利用される切断歯が設けられている。顧客は、排出口19から排出された印刷済みのレシート用紙を、切断歯を利用して切り取り、クーポン50を取得する。なお、クーポン50の印刷に要する印刷データを、以下「広告印刷データ」と称する。
【0036】
無線タグリーダTRは、RF信号を用いた非接触通信により、無線ICタグTに記録された情報(商品コード)を読み取るヘッド部、および当該ヘッド部を制御するコントローラ部を有している(いずれも図示省略)。本実施形態の無線ICタグTは、低廉化を図るため、パッシブタイプを利用している。したがって、無線ICタグTへの電源供給は、無線タグリーダTRによって行う。
【0037】
次に、図3を参照し、電子POP装置10の制御構成について説明する。同図は、電子POP装置10の制御ブロック図である。電子POP装置10は、上記のとおり、ディスプレイ13(表示部)、タッチパネル14、設定ボタン15およびスピーカ16を備えていると共に、クーポンプリンタ18および無線タグリーダTR(タグ読み取り部)と接続されている。その他、電子POP装置10は、装置本体12内に、CPU(Central Processing Unit)41、ROM(Read Only Memory)42、RAM(Random Access Memory)43、通信部44(装置側通信部)、タイマ45および接続バス46を備えている。
【0038】
CPU41は、中央処理装置であり、各種演算処理を行う。ROM42は、CPU41が各種演算処理を行うための制御プログラムを記憶する。RAM43は、CPU41が各種演算処理を行うためのワークエリアとして用いられる。なお、本実施形態では、RAM43内に、広告配信サーバ20から配信された1以上の広告映像ファイルおよび広告印刷データを、それぞれ記憶するための記憶領域が設けられている。
【0039】
通信部44は、広告配信サーバ20と無線通信を行なうためのものであり、主に、広告映像ファイルおよび広告印刷データの受信、並びに商品コード(無線タグリーダTRの読み取り結果)、広告映像ファイルの表示ログおよび装置状態を示す情報(内部エラー等)の送信に用いられる。タイマ45は、現在時刻を計時する。計時された現在時刻は、ディスプレイ13上に表示されると共に、商品コードの読み取りタイミングを計ったり、各広告映像ファイルの表示ログ(表示時刻または表示時間)を記録したりするために用いられる。なお、商品コードの読み取りは、各電子POP装置10におけるタイマ45の計時結果に基づいて行うのではなく、広告配信サーバ20からの読み取り指令に基づいて行うようにしても良い。この構成によれば、店内に配置された全ての電子POP装置10で、同時に(時間的なずれが生じることなく)商品コードの読み取りを行うことができる。
【0040】
次に、図4を参照し、広告配信サーバ20の制御構成について説明する。同図は、広告配信サーバ20の制御ブロック図である。広告配信サーバ20は、上記のとおり、表示画面21、キーボード22およびマウス23を備えていると共に、ネットワークNTを介して接続された各電子POP装置10と通信を行うための通信部24(サーバ側通信部)、CPU25、ROM26、RAM27、HDD(Hard disk drive)28(記憶部)および接続バス29を備えている。
【0041】
CPU25は、中央処理装置であり、広告配信サーバ20全体を制御する。ROM26は、基本プログラムを記憶し、RAM27は、CPU25が各種演算処理を行うためのワークエリアとして用いられる。また、HDD28は、店内に配置された全商品を示す商品テーブルと、各商品に対応する広告映像ファイルIDおよび広告印刷データIDを示す広告ファイル一覧表と、上記の広告映像ファイルID毎にそれぞれ関連付けられた1以上の広告映像ファイルと、上記の広告印刷データID毎にそれぞれ関連付けられた0以上の広告印刷データと、店内における各商品の配置(棚割り)を予測した棚割り予測テーブルと、各電子POP装置10に配信する広告映像ファイルの広告映像ファイルIDおよび広告印刷データの広告印刷データIDを示す広告対応表と、をそれぞれ記憶するための記憶領域を有している。
【0042】
上記の構成により、CPU25は、通信部24により複数の電子POP装置10から商品コードを受信すると、受信した商品コードと、その送信元となる電子POP装置10と、に基づいて、棚割り予測テーブルを作成する。すなわち、送信元となる電子POP装置10から受信した商品コードに対応する広告映像ファイルを広告一覧表から抽出し、その送信元となる電子POP装置10に配信すべく、広告対応表を作成する。また、CPU25は、広告対応表の書き換えに伴って、該当する電子POP装置10に広告映像ファイルを配信する(配信部)。なお、広告対応表自体も、キーボード22やマウス23の操作によって、適宜編集することが可能である。さらに、商品サーバと連動して、タイムサービスの時間帯は広告印刷データの配信を中止する(クーポンサービスを実施しない)などの対応も可能である。
【0043】
さらに、CPU25は、各電子POP装置10から受信した商品コードの有無に基づいて、商品の品切れ状態を判定する(品切れ判定部)。仮に品切れと判定した場合は、表示画面21上にその品切れ情報(品切れと判定した商品の商品名、商品コード、および品切れである旨)を表示することで、店員に品切れ状態を報知する(品切れ報知部)。また、品切れと判定した場合は、その商品の広告表示データを表示する電子POP装置10に対して、表示中止指令を送信する(表示中止指令部)。なお、品切れと判定した場合、表示画面21上に品切れ情報を表示するだけでなく、ブザー音を発生させたり、店員の携帯電話に電子メールを送信したりすることで、店員に対し積極的に品切れである旨を通知するようにしても良い。
【0044】
ここで、図5および図6を参照し、商品テーブル、広告ファイル一覧表、棚割り予測テーブルおよび広告対応表について、それぞれ具体例を挙げて説明する。なお、これらのテーブルおよび表は、広告配信サーバ20の表示画面21上に表示させて、確認できるようになっている。
【0045】
図5(a)は、商品テーブルの一例を示す図である。商品テーブルは、店内に配置された全商品の商品名と、その商品コードと、を対応付けたものである。なお、このように店内における全商品を列記するのではなく、商品カテゴリごと(売場ごと)に、個別の商品テーブルを設けるようにしても良い。
【0046】
図5(b)は、広告ファイル一覧表の一例を示す図である。広告ファイル一覧表は、商品コードと、広告映像ファイルIDと、広告印刷データIDと、表示優先度と、を対応付けたものである。「広告映像ファイル」は、広告主(メーカ)が全ての商品に対して製作しているとは限らないため、広告映像ファイルが関連付けられていない商品も存在する。そのような商品については、「広告印刷データ」および「表示優先度」も関連付けられていない。また、「表示優先度」は、メーカや小売店の希望に基づいて設定されるパラメータである。例えば、メーカが優先的に広告を行いたい商品や特売品などに対して高い表示優先度(表示優先度:大)が設定される。
【0047】
図6(a)は、棚割り予測テーブルの一例を示す図である。棚割り予測テーブルは、商品テーブルに記録されている全商品の商品コードと、各商品コードを送信した送信元と、当該送信元に対応する配置(送信元から予測される商品配置)と、を対応付けたものである。同図の例では、例えば商品コード「CODE00Aa」が、第1電子POP装置10aから送信されていることにより、商品コード「CODE00Aa」の商品Aaは、A棚30aに配置されていると予測できることを示している。
【0048】
図6(b)は、広告対応表の一例を示す図である。広告対応表は、上記に示した広告ファイル一覧表および棚割り予測テーブルに基づいて作成される表であり、各電子POP装置10の装置名と、その電子POP装置10に配信される広告映像ファイルおよび広告印刷データと、を対応付けたものである。広告配信サーバ20は、当該広告対応表にしたがって、広告映像ファイルおよび広告印刷データを、該当する電子POP装置10に配信する。
【0049】
続いて、図7を参照し、各電子POP装置10における広告映像ファイルの表示スケジュールについて説明する。ここでは、広告配信サーバ20が、図6(b)に示した広告対応表に基づいて、広告映像ファイルを配信したものとして説明する。図7(a)に示すように、第1電子POP装置10aでは、配信された2つの広告映像ファイルを、1表示サイクル当たり「File001」→「File002」の順序で表示する。また、1表示サイクルの表示(ここでは、2つの広告映像ファイルの表示)を終えると、続けて同じ表示サイクルを循環表示する。この表示順序は、広告ファイル一覧表(図5(b)参照)の「表示優先度」に基づく。つまり、広告配信サーバ20は、広告対応表(図6(b)参照)を作成する際、対応する商品の表示優先度を考慮して、各電子POP装置10に対応する広告映像ファイルおよび広告印刷データを列記する。そして、この順序に従って(または、この順序を示す情報を付加して)、広告映像ファイルおよび広告印刷データを各電子POP装置10に配信する。したがって、第1電子POP装置10aでは、上記の順序(すなわち、表示優先度)に応じた表示順序で(大→中→小の順序で)、各広告映像ファイルを表示する。
【0050】
同様に、第2電子POP装置10bでも、図7(b)に示すように、各広告映像ファイルに対応する商品の、表示優先度に応じた表示順序で、各広告映像ファイルを表示する。なお、広告印刷データについては、広告配信サーバ20から、対応する広告映像ファイルと関連付けられて配信され、電子POP装置10内に記憶される。したがって、広告映像ファイル「File001」がディスプレイ13に表示されている間、タッチパネル14がタッチされた場合は、「Data001」の広告印刷データに基づくクーポン50を発行する(図6(b)参照)。また、表示対象となる広告映像ファイルが切り替わると、印刷される広告印刷データも切り替わる。
【0051】
なお、図6(b)に示した広告対応表では、全ての広告映像ファイルに対応して広告印刷データが用意されているが、広告印刷データは必ずしも関連付けられる必要はない。例えば、広告映像ファイル「File001」に関連付けられた広告印刷データが存在しない場合、その広告映像ファイルが表示されている間は、タッチパネル14がタッチされてもクーポン50を発行しないか、予め電子POP装置10内に用意されている所定の広告情報(店舗案内や休日情報など)を印刷する。また、1の広告映像ファイルに対応して複数の広告印刷データを用意しても良い。この場合は、その広告映像ファイルが表示されている間、タッチパネル14がタッチされる毎に、複数の広告印刷データを順番に、またはランダムに印刷することとなる。
【0052】
また、図7に示した表示スケジュールは、1表示サイクルに含まれる複数の広告映像ファイルを、それぞれ1回ずつ表示する例を示しているが、表示優先度に応じて、表示回数を変化させても良い。例えば、図7(b)に示した表示スケジュールの場合、「File003」は「表示優先度:大」、「File004」は「表示優先度:中」、「File005」は「表示優先度:小」であるから(図5(b)参照)、1表示サイクルあたり、「File003」を3回、「File004」を2回、「File005」を1回表示する、などの表示制御を行うことも可能である。
【0053】
次に、図8のフローチャートを参照し、広告配信システムSYによる広告映像ファイル(広告表示データ)の変更処理について説明する。なお、上記のとおり、広告配信サーバ20は、広告映像ファイルの配信と共に広告印刷データも配信するが、説明を容易にするため、ここでは広告印刷データについての言及を省略する。
【0054】
まず、店内に配置された各電子POP装置10は、予め定められた所定時刻(例えば、9:00、10:00、11:00・・・など営業時間内における1時間ごと)に、対応する陳列棚30に陳列された商品の無線ICタグTを読み取り、その読み取り結果である商品コードを広告配信サーバ20に送信する(S01)。このとき、電子POP装置10は、自身を識別するための装置IDと共に商品コードを送信する。広告配信サーバ20は、ネットワークNTを介して接続された全ての電子POP装置10から商品コードを受信して(S02)、棚割り予測テーブル(図6(a)参照)を生成する(S03)。
【0055】
続いて、広告配信サーバ20は、棚割り予測テーブルに基づいて、店内に品切れ商品が存在するか否かを判別する(S04)。つまり、棚割り予測テーブルの「送信元」および「配置」が空欄となる「商品コード」が存在するか否かを判別する。ここで、品切れ商品が存在すると判定した場合は(S04:Yes)、広告ファイル一覧表を参照し、その商品に対応する広告映像ファイルが存在するか否かを判別する(S05)。そして、広告映像ファイルが存在すると判定した場合は(S05:Yes)、表示画面21上にその商品の品切れ情報を表示し(S06)、当該商品の広告表示データを表示している電子POP装置10に対して、広告映像ファイルの表示中止指令を送信する(S07)。
【0056】
電子POP装置10は、広告配信サーバ20から、表示中止指令を受信すると(S08:Yes)、表示サイクルの終了を待って(S09:Yes)、RAM43内の所定領域に記憶された、表示中止指令の対象となる広告映像ファイルを削除する(S10)。このように、表示サイクルの終了を待って広告映像ファイルを削除することで、表示途中で映像が中断されることにより、顧客に不快感を与えることが無い。
【0057】
一方、広告配信サーバ20は、品切れ商品が存在しないと判定した場合(S04:No)、品切れ商品が存在するがその商品に対応する広告映像ファイルが存在しないと判定した場合(S05:No)、およびS07において表示中止指令を送信した後、のいずれかにおいて、各電子POP装置10に配信すべき広告映像ファイルを抽出し、広告対応表を作成する(S11)。また、広告対応表を作成すると、該当する電子POP装置10に、当該広告対応表に基づく広告映像ファイルを配信する(S12)。
【0058】
電子POP装置10は、広告配信サーバ20から広告映像ファイルを受信すると(S13:Yes)、RAM43内の所定領域にこれを記憶する(S14)。そして、表示サイクルが終了した時点で(S15:Yes)、記憶した広告映像ファイルに基づく広告表示データの表示を開始する(S16)。ここで、表示サイクルの終了を待つのは、S09と同様の理由である。一方、広告配信サーバ20から広告映像ファイルを受信しない場合は(S13:No)、現在表示している(現在RAM43内に記憶されている)広告映像ファイルに基づく広告表示データの表示を継続する(S17)。
【0059】
なお、上記のS11およびS12では、広告対応表の作成直後に広告映像ファイルを配信するように記載しているが、広告対応表の作成時点で、営業時間内か閉店後かを判別し、営業時間内である場合のみ広告対応表の作成直後に広告映像ファイルを配信し、閉店後の場合は翌日の広告配信サーバ20立ち上げ時に配信する構成としても良い。この構成によれば、広告配信サーバ20が広告映像ファイルを配信したにも関わらず、それが電子POP装置10に反映されない(電子POP装置10の電源OFFによりRAM43が初期化された場合など)といった問題がない。
【0060】
以上説明したとおり、本実施形態の広告配信システムSYによれば、電子POP装置10が、商品を陳列した陳列棚30から、各商品の商品コードが記録された無線ICタグTを読み取り、当該商品コードに対応する広告表示データを表示するため、店内の商品配置変更作業に伴って、自動的に広告表示データを変更することができる。これにより、店員の商品配置変更に付随する広告表示データの変更の手間を無くすことができる。
【0061】
また、広告配信サーバ20は、電子POP装置10から受信した商品コードの有無に基づいて、商品の品切れを判定し、品切れと判定した場合はその旨を報知するため、広告配信サーバ20側で、品切れを確認することができる。つまり、広告配信サーバ20を店舗のバックヤードに設置している場合、バックヤードにいる店員が、店内に行って商品の陳列状態を確認することなく、品切れを判断することができ、商品の注文処理や補充処理を迅速に行うことができる。また、この場合、電子POP装置10に対して、その商品に対応する広告表示データの表示を中止するように指令するため、無駄な広告表示データの表示を防止できる。これにより、商品が無いにも拘らず広告が為されていることに対する顧客のクレームも無くすことができる。
【0062】
なお、上記の実施形態では、商品コードが記録された無線ICタグTを、商品に貼付するものとしたがが、陳列棚30に貼付しても良い。この場合、商品名や値段を示す棚札に無線ICタグTを取り付けておくことが好ましい。この構成によれば、商品の配置変更に伴って棚札の位置も変更されるため、商品の位置とその商品の広告表示データを表示する電子POP装置10の位置とを確実に一致させることができる。また、全ての商品に無線ICタグTを貼付しておく必要が無いため、無線ICタグTの貼付に要するコストを軽減できる。
【0063】
また、上記の実施形態では、陳列棚30毎に電子POP装置10が配置され、無線タグリーダTRの読み取り範囲が、1の陳列棚30に限定されているものとしたが、実際には、電子POP装置10同士が近接配置されるなどして、無線タグリーダTRの読み取り範囲が一部重複する可能性が高い。したがって、広告配信サーバ20は、複数の電子POP装置10置から同一の商品コードを受信した場合、所定の法則にしたがって選択した1の電子POP装置10に対し、当該商品コードに対応する広告表示データを配信することが好ましい。この構成によれば、複数の電子POP装置10で同じ広告表示データを表示してしまうことがなく、各電子POP装置10を効率的に利用することができる。また、この場合、上記「所定の法則」は、複数の電子POP装置10のうち、受信した商品コードの商品の位置と、最も近いと考えられる電子POP装置10を選択する法則であることが好ましい。つまり、商品の位置と、当該商品の広告表示データを表示する電子POP装置10と、が最も近接するように、各電子POP装置10に表示すべき広告映像ファイルを抽出することが好ましい。この構成によれば、電子POP装置10で、近接した位置に配置された商品の広告表示データを表示することができる。これにより、顧客は、商品広告を見た直後にその商品を手に取ることができるため、売上増加が期待できる。また、商品と電子POP装置10とが近接しているか否かの判断は、例えば一列に並べられた3つの電子POP装置10で同一の商品コードを読み取った場合、中央に位置する電子POP装置10を、その商品に最も近接した電子POP装置10であると判断できる。また、1の電子POP装置10に複数の無線タグリーダTRを搭載し、それらの読み取り結果から、商品のおおよその位置を推測するようにしてもよい。
【0064】
なお、商品の位置と、当該商品の広告表示データを表示する電子POP装置10と、が最も近接するように、各電子POP装置10に表示すべき広告映像ファイルを抽出するのではなく、他の法則にしたがって、広告映像ファイルを抽出しても良い。例えば、電子POP装置10の配置を示す配置情報テーブルを用意しておき、同一の商品コードを読み取った複数の電子POP装置10のうち、店内の導線(矢印で示す進行方向)で最も上流側に位置する電子POP装置10に対して、広告映像ファイルを抽出するようにしても良い。
【0065】
また、図9(a)に示すように、店内の導線にしたがって、各商品(Aa,Ab,Ac)の位置が、当該各商品の広告表示データを表示する電子POP装置10の位置の下流側となるように、広告映像ファイルを抽出しても良い。つまり、同図の例では、電子POP装置10aに、商品Abの広告表示データが表示され、電子POP装置10bに、商品Acの広告表示データが表示されるようにしても良い。
【0066】
また、図9(b)に示すように、電子POP装置10の向きを考慮して、通路を歩く顧客が、電子POP装置10のディスプレイ13と商品とを同時に視認できるように、広告映像ファイルを抽出しても良い。つまり、同図の例では、電子POP装置10aに、商品Ba,Bbの広告表示データが表示され、電子POP装置10bに、商品Aa,Abの広告表示データが表示されるようにしても良い。
【0067】
また、上記の実施形態では、電子POP装置10と広告配信サーバ20との連動処理によって、広告映像ファイルの変更処理を行うものとしたが、これを電子POP装置10単体で実現しても良い。この場合、電子POP装置10は、図3に示した構成に加えて、各商品の商品コードに対応する複数の広告表示データを記憶する記憶部(図4のHDD28内における、広告ファイル一覧表、広告映像ファイルおよび広告印刷データに相当)を備え、当該記憶部から、無線タグリーダTRにより読み取った商品コードに対応する広告表示データを読み出してディスプレイ13に表示することとなる(表示制御部)。この構成によれば、広告配信サーバ20を必要としないため、システム構築費用を軽減できる。
【0068】
また、上記の実施形態に示した広告配信システムSY(電子POP装置10および広告配信サーバ20)の各構成要素をプログラムとして提供することが可能である。また、そのプログラムを各種記録媒体(CD−ROM、フラッシュメモリ等)に格納して提供することも可能である。すなわち、コンピュータを、広告配信システムSYの各手段として機能させるためのプログラム、およびそれを記録した記録媒体も、本発明の権利範囲に含まれる。
【0069】
その他、広告配信システムSYのシステム構成、処理工程等について、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の一実施形態に係る広告配信システムのシステム構成図である。
【図2】電子POP装置の外観斜視図である。
【図3】電子POP装置の制御ブロック図である。
【図4】広告配信サーバの制御ブロック図である。
【図5】商品テーブルおよび広告ファイル一覧表の一例を示す図である。
【図6】棚割り予測テーブルおよび広告対応表の一例を示す図である。
【図7】電子POP装置における表示スケジュールの一例を示す図である。
【図8】広告配信システムにおける広告映像ファイルの変更処理を示すフローチャートである。
【図9】広告映像ファイルを抽出する処理の他の例を示す図である。
【符号の説明】
【0071】
10…電子POP装置 13…ディスプレイ 14…タッチパネル 15…設定ボタン 16…スピーカ 18…クーポンプリンタ 20…広告配信サーバ 21…表示画面 22…キーボード 23…マウス 24…通信部 25…CPU 26…ROM 27…RAM 28…HDD 30…陳列棚 NT…ネットワーク SY…広告配信システム T…無線ICタグ TR…無線タグリーダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を陳列した陳列棚から、各商品の商品コードが記録された無線ICタグを読み取るタグ読み取り部と、
各商品の前記商品コードに対応する複数の広告表示データを記憶する記憶部と、
前記広告表示データを表示する表示部と、
前記表示部の表示制御を行う表示制御部と、を備え、
前記表示制御部は、前記記憶部から、前記タグ読み取り部により読み取った前記商品コードに対応する広告表示データを読み出して前記表示部に表示することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記タグ読み取り部は、前記陳列棚に陳列されている商品に貼付された前記無線ICタグを読み取ることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記タグ読み取り部は、予め設定された所定のタイミングで、前記無線ICタグを読み取ることを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
広告表示データを表示する1以上の表示装置と、
前記1以上の表示装置に前記広告表示データを配信する広告配信サーバと、から成る広告配信システムであって、
前記表示装置は、
商品を陳列した陳列棚から、各商品の商品コードが記録された無線ICタグを読み取るタグ読み取り部と、
前記広告配信サーバに対し、前記タグ読み取り部により読み取った前記商品コードを送信すると共に、前記広告配信サーバから前記広告表示データを受信するための装置側通信部と、
前記装置側通信部を介して受信した前記広告表示データを表示する表示部と、を備え、
前記広告配信サーバは、
前記1以上の表示装置と通信するためのサーバ側通信部と、
各商品の商品コードに対応する複数の広告表示データを記憶する記憶部と、
前記1以上の表示装置から受信した前記商品コードに基づいて、前記記憶部から各表示装置に表示すべき広告表示データを読み出し、前記サーバ側通信部を介して各表示装置に配信する配信部と、を備えたことを特徴とする広告配信システム。
【請求項5】
前記配信部は、複数の表示装置から同一の前記商品コードを受信した場合、所定の法則にしたがって選択した1の表示装置に対し、当該商品コードに対応する広告表示データを配信することを特徴とする請求項4に記載の広告配信システム。
【請求項6】
前記所定の法則は、前記複数の表示装置のうち、受信した前記商品コードの商品の位置と、最も近い表示装置を選択する法則であることを特徴とする請求項5に記載の広告配信システム。
【請求項7】
前記タグ読み取り部は、前記陳列棚に陳列されている商品に貼付された前記無線ICタグを読み取り、
前記広告配信サーバは、
前記1以上の表示装置から受信した前記商品コードの有無に基づいて、前記商品の品切れを判定する品切れ判定部と、
前記品切れ判定部により品切れと判定した場合、その旨を報知する品切れ報知部と、をさらに備えたことを特徴とする請求項4ないし6のいずれか1項に記載の広告配信システム。
【請求項8】
前記広告配信サーバは、
前記品切れ判定部により品切れと判定した商品に対応する前記広告表示データの表示中止を、当該広告表示データを表示する前記表示装置に対して指令する表示中止指令部をさらに備え、
前記表示部は、前記装置側通信部を介して受信した表示中止指令に基づいて、該当する前記広告表示データの表示を中止することを特徴とする請求項7に記載の広告配信システム。
【請求項9】
各商品の商品コードに対応する複数の広告表示データを記憶する記憶部を、内部または外部に備えた表示装置の制御方法であって、
前記表示装置が、
商品を陳列した陳列棚から、各商品の前記商品コードが記録された無線ICタグを読み取るステップと、
前記記憶部から、読み取った前記商品コードに対応する広告表示データを読み出すステップと、
読み出した前記広告表示データを表示するステップと、を実行することを特徴とする表示装置の制御方法。
【請求項10】
コンピュータに、請求項9に記載の表示装置の制御方法における各ステップを実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−20051(P2010−20051A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−179877(P2008−179877)
【出願日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】