説明

表示装置、画像形成装置、カスタマイズ方法、プログラム

【課題】機能ごとのUIを、ユーザが使いやすいようにカスタマイズできる表示装置の提供。
【解決手段】アプリケーションから呼び出し可能な機能の表示部品(ウィジェット)を表示する表示装置100であって、アプリケーション毎に機能の一覧を表示するカスタマイズ機能選択部62と、機能毎に設定情報の表示態様を定めたグラフィックデータ71および設定値表示順データ72を記憶する保存部69と、一覧から1つの機能の選択を受け付け、保存部から読み出した該機能に対応づけられた表示態様情報に基づいて前記表示部品を生成すると共に、設定情報を配置して表示部品が一覧表示された表示態様一覧画面を生成する第1の画面生成手段63、66と、表示態様一覧画面から1つの表示部品の選択を受け付け、該表示部品のサイズ情報に基づき前記表示部品の配置場所候補を表示する配置場所候補選択部64とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作キーを表示する表示装置等に関し、特に、ユーザが操作キーをカスタマイズできる表示装置、画像形成装置、カスタマイズ方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶などを用いた表示装置に各種の操作キーを表示して、タッチパネルやポインティングデバイスを介してユーザの操作を受け付けるユーザインターフェイス(以下、UIという)が知られている。比較的大きな画素数を備えた表示装置を利用するPC(Personal Computer)であれば、多くの操作キーを1つの画面に表示することができるので、画面の有効利用に関するニーズは多くない。これに対し、例えば組み込み型の装置では機能の多様化に伴い1つの画面に表示したい操作キーの数が増大しているのに対し、表示装置の大きさを十分に大きくすることができないという制約を抱えている。組み込み型の装置には、例えば、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置、スキャナ装置、これらの機能の1つ以上を搭載したMFP(以下、画像形成装置という)、ナビゲーション装置、又は、携帯電話等が挙げられる。
【0003】
ユーザにとって使いやすいUIを保ちながら限られた表示領域に数多くの操作キーを配置するため、各メーカは操作キーの大きさや配置を工夫しているが、1つの画面にユーザが操作可能な全ての操作キーを表示することが物理的に困難な場合もある。
【0004】
また、1つの画面にユーザが操作可能な全ての操作キーを表示することが可能な場合でも、ユーザがよく使用する機能に対応した操作キーは一部であることから、ユーザが操作可能な全ての操作キーを表示する必要がないことも少なくない。
【0005】
そこで、UIを各ユーザがカスタマイズできる表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、画面上に配置可能な、機能に対応した操作キーのリストを表示し、ユーザがリストから選択した操作キーを所望の位置に配置することでカスタマイズさせる画像形成装置が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された画像形成装置では、機能の配置はカスタマイズできるが機能において設定可能な設定値のカスタマイズについて考慮されていない。このため、機能の配置位置や数はカスタマイズできても、機能毎に設定可能な設定値の数や内容のカスタマイズが困難であるという問題がある。また、特許文献1では、機能を1つ1つ自由に配置できてしまうため、カスタマイズの自由度が高い反面、ユーザがカスタマイズを面倒に感じるおそれがある。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑み、1つの機能に関係した設定を、ユーザにとって使いやすいUIとなるようにカスタマイズできる表示装置、画像形成装置、カスタマイズ方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題に鑑み、本発明は、アプリケーションソフトウェアから呼び出し可能な機能の表示部品(例えば、ビュー部品)に、機能の設定情報を表示する表示装置であって、アプリケーションソフトウェア毎に機能の一覧を表示する機能一覧表示手段と、機能毎に、前記設定情報の表示態様を定めた表示態様情報を記憶する表示情報記憶手段と、前記一覧から1つの機能の選択を受け付け、前記表示情報記憶手段から読み出した該機能に対応づけられた前記表示態様情報に基づき前記表示部品を生成すると共に、前記設定情報を配置して、前記表示部品が一覧表示された表示態様一覧画面を生成する第1の画面生成手段と、前記表示態様一覧画面から1つの前記表示部品の選択を受け付け、該表示部品のサイズ情報に基づき前記表示部品の配置場所候補を表示する配置場所候補表示手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
1つの機能に関係した設定を、ユーザにとって使いやすいUIとなるようにカスタマイズできる表示装置、画像形成装置、カスタマイズ方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】表示装置の特徴を概略的に説明する図の一例である。
【図2】カスタマイズの具体例を説明する図の一例である。
【図3】画像形成装置のハードウェア構成図の一例である。
【図4】操作パネルの一例を示す図である。
【図5】画像形成装置のソフトウェア構成図の一例である。
【図6】表示装置の機能ブロック図の一例である。
【図7】ユーザ情報保存部に記憶されているユーザ情報の一例を示す図である。
【図8】カスタマイズデータの一例を示す図である。
【図9】グラフィックデータを模式的に説明する図の一例である。
【図10】設定値表示順データの一例を示す図である。
【図11】インストールデータの一例を示す図である。
【図12】ユーザがUIのカスタマイズする際、操作パネルに表示される画面(操作画面、機能一覧画)の遷移例を示す図である。
【図13】ユーザがUIのカスタマイズする際、操作パネルに表示される画面(ビュー選択画面、表示順選択画面)の遷移例を示す図である。
【図14】ユーザがUIのカスタマイズする際、操作パネルに表示される画面(配置場所選択画面、カスタマイズ結果確認画面)の遷移例を示す図である。
【図15】カスタマイズ機能選択部62が、図12(a)の簡単コピーの操作画面201から、図12(b)の機能一覧画面202を表示する手順を示すシーケンス図の一例である。
【図16】ビュー情報選択部等が、図12(b)の機能一覧画面から、図13(a)のビュー選択画面を表示する手順を示すシーケンス図の一例である。
【図17】ビュー情報選択部等が、図12(b)の機能一覧画面から、図13(a)のビュー選択画面を表示する手順を示すシーケンス図の一例である。
【図18】ステップS300の処理を詳細に説明する図の一例である。
【図19】設定値順変更選択部等が、図13(a)のビュー選択画面から、図13(b)の表示順選択画面を表示する手順を示すシーケンス図の一例である。
【図20】画面配置場所選択部等が、図14(a)の配置場所選択画面から、図14(b)のカスタマイズ結果確認画面を表示する手順を示すシーケンス図の一例である。
【図21】画像形成装置とPCとが接続されたカスタマイズシステムの概略構成図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、表示装置100の特徴を概略的に説明する図の一例である。画像形成装置200には、複数のアプリケーションが搭載されている。アプリケーションを定義すれば、画像形成装置200が備える複数の入力手段の1つと複数の出力手段の1つの組み合わせに応じて、一連の処理を提供するソフトウェアである。アプリケーションには種々のものがあるが、図1では、コピーアプリ、スキャナアプリ、ファクシミリアプリ(送信アプリ)、及び、データ蓄積アプリをアプリケーションとした。例えば、コピーアプリの入力手段は、スキャナエンジンによる原稿の読み取り、出力手段はプリントエンジンによる紙媒体への印刷である。また、例えば、スキャナアプリの入力手段は、スキャナエンジンによる原稿の読み取り、出力手段は画像データの記憶装置への記憶である。このように、入力手段と出力手段の組み合わせにより、画像形成装置は種々のアプリケーションをユーザに提供できる。
【0012】
内部的には、アプリケーションとハードウェア資源の間に、複数のアプリケーションが共通に利用できる、コントロールサービス等とプラットホームを設け、このコントロールサービスとプラットホームが、操作パネルの画面制御、ハードウェア資源の管理、実行制御等の各種サービスを提供する。ユーザは、アプリケーション毎に異なる操作画面から、そのアプリケーションにて利用可能な機能を選択するが、内部で作動するコントロールサービスを意識する必要はない。
【0013】
各機能は、さらに詳細な動作を指定するための設定が可能になっており、アプリケーションの操作画面には、そのアプリケーションにて利用可能な機能A、B、C…(区別しない場合、以下、単に「機能」という)の設定値が表示される。設定値は、ユーザが機能毎に設定可能なパラメータである。機能が「カラー選択」の場合の代表的な設定値は「白黒」「フルカラー」「2色」「単色」「自動カラー選択」であり、設定値とは、例えば、アプリケーションが機能を用いて出力する際にその出力結果を制御する情報と表現することができる。
【0014】
したがって、機能と設定値が一体に表示されていれば、ユーザにとっても操作方法を視覚的に把握でき、操作性が向上すると考えられる。本実施形態では、この機能と設定値を一体に(ひとかたまりに)表示するアイコンを「ビュー」と称す。本実施形態の画像形成装置200は、ユーザが1つの機能について複数のビューから1つのビューを選択可能にし、さらに、選択したビューの設定値の配置をカスタマイズすることを可能にする。
【0015】
例えば、コピーアプリが、機能Aを使用する場合、ユーザは機能Aのビューとして、ビューA、ビューB…(区別しない場合、以下、単に「ビュー」という)の中から選択することができる。各ビューは、選択可能なものとして表示される設定値の数が異なり、また、設定値が同じ数であっても表示される設定値の1つ以上が異なっている(同じ設定値を1つのビューに配置してもよい)。例えば、ビューAは、設定値A、設定値B、設定値Cの3つの設定値を有し、ビューBは、設定値Aと設定値Bの2つの設定値を有する。
【0016】
そして、ユーザは、ビューAやビューBを構成する各設定値の配置を変更(カスタマイズ)することができる。ユーザは、例えば、ビューAの設定値を、順番に(例えば、上から順番に)、設定値A、設定値B、設定値Cの順にも、設定値C、設定値B、設定値Aの順にもカスタマイズすることができる。
【0017】
図2は、カスタマイズの具体例を説明する図の一例である。図2(a)はコピーアプリが有する機能の一覧(機能一覧画面202)を、図2(b)の左図は「カラー選択」という機能のビューの一覧(ビュー選択画面203)を、図2(c)は1つのビューにおける設定値の配置のカスタマイズを説明する図(表示順選択画面204)の一例を、それぞれ示す。
【0018】
図2(b)の左図に示すように「カラー選択」には5つのビューが用意されている(画面をスクロールさせることで、5つより多くのビューを表示することも可能)。ユーザは、5つのビューの中から所望のビューを選択することができる。ユーザが左上のビュー(「白黒」「フルカラー」「2色」「単色」「自動カラー選択」の設定値がある)を選択した場合、そのビューには5つの設定値が含まれていることになる。
【0019】
このため、図2(c)では、ビューを5つの領域に区分し、各領域に配置する設定値をユーザが選択できるようになっている。このように、ユーザは機能毎にビューを選択し、さらにビューの中の設定値の配置をカスタマイズすることができる。本実施形態のカスタマイズとは、ビューの選択及び設定値の配置の変更を言うが、ユーザはいずれか一方だけのカスタマイズを行ってもよい。
【0020】
なお、図2(b)の右図では、スキャナアプリでよく使用される機能である「解像度」をユーザが選択した場合の、ビュー選択画面203が表示されている。このように、ユーザは、機能毎にビューを選択できる。
【0021】
表示装置100は、機能毎にユーザがよく使う設定値だけを表示させることもでき、かつ、同じ機能の設定値は必ず近い位置に配置することができる。また、選択されたビューにおいて、設定値の配置を変えることもできるので、複数の設定値をユーザにとって使いやすい配置にすることができる。
【0022】
〔画像形成装置200〕
画像形成装置200について説明する。本実施形態では、画像形成装置200に搭載される表示装置100を例にして画面のカスタマイズを説明するが、画面の大きさに制約のある装置(例えば、カーナビゲーション装置、携帯電話、スマートフォン、PDA、音楽再生機等)に、本実施形態の表示装置100を好適に搭載することができる。
【0023】
図3は、画像形成装置200のハードウェア構成図の一例を示す。画像形成装置200は、CPU18、パネル制御部12、エンジン制御部14、記憶装置ドライブ16、通信制御部22、補助記憶装置21、ROM20及びRAM19がバスにより接続された構成を有する。パネル制御部12には操作パネル11が、エンジン制御部14にはスキャナエンジン13、プリントエンジン15及びFAXエンジン17が、それぞれ接続されている。
【0024】
操作パネル11は主にハードキーとタッチパネルとを有し、パネル制御部12は、ユーザによる操作パネル11の操作を受け付けると共に、タッチパネルに各種の画面を表示する。
【0025】
スキャナエンジン13は、コンタクトガラス越しの原稿を光源で照らし、その反射光をミラー及びレンズの光学系を介してCCD等の光電変換素子でデジタルデータ化する。デジタル化された原稿の画像データは、不図示のASIC(Application Specific Integrated Circuit)やCPU18が実行するソフト的なプロセスにより画像処理される。
【0026】
プリントエンジン15は、像担持体であるドラム状の感光体ドラムと、感光体ドラムを帯電させる帯電装置と、感光体ドラムを露光する露光装置と、現像装置と、クリーニング装置とにより、画像データから形成されたトナー像を用紙に転写し、さらに定着装置で用紙に定着させる。
【0027】
FAXエンジン17は、電話回線からのファクシミリデータを復調して画像データを生成し補助記憶装置21に記憶したり、FAXアプリが起動している際はスキャナエンジン13で読み取った画像データをファクシミリ用に変調して電話回線から出力する。電話回線でなくIPネットワークを使用してFAXを送受信することもできる。
【0028】
記憶装置ドライブ16は、記憶媒体23からデータを読み出し、また、CPU18から受け取ったデータを記憶媒体23に書き込む。記憶媒体23は、フラッシュメモリを採用したメモリカード等の半導体メモリ、CD−ROM等の光ディスク等である。
【0029】
通信制御部22は、例えばイーサネット(登録商標)カードであり、HTTP等に従うデータをネットワークに接続されたルータに送信する。ルータはデータが含むIPアドレスに基づきデータを目的のサーバ等までルーティングする。
【0030】
ROM20は、OSを起動するためのプログラムやI/Oシステムを記憶している。補助記憶装置21は、例えば、ハードディスクドライブやフラッシュドライブであり、アプリケーション、OSを含むプラットホーム、デバイスドライバ、及び、操作画面をカスタマイズするためのプログラム24を記憶している。RAM19は、CPU18がOSやプログラム24を実行するための作業メモリであり、一時的な記憶場所として利用される。
【0031】
プログラム24は、補助記憶装置21に記憶された状態で画像形成装置200と共に出荷されることが多いが、プログラム24の一部又は全部を記憶媒体23に記憶された状態で配布することもできる。また、プログラム24は、通信制御部22が不図示のサーバから受信して補助記憶装置21にインストールする形態で配布されることもできる。
【0032】
図4は、操作パネル11の一例を示す図である。操作パネル11は、固定されたハードキーである、初期設定キー111、コピーキー112、スキャナキー113、プリンタキー114、ファクシミリキー115、データ蓄積キー116、テンキー121、リセットキー118、プログラムキー119、クリア/ストップキー123、スタートキー122、及び、液晶表示部117を有する。液晶表示部117は、タッチパネルを一体に有し、タッチパネルには各種の画面に応じてソフトキーとしての操作キーが形成される。初期設定キー111は、各アプリ毎にユーザが操作画面のアイコンの表示/非表示を設定したり、認証機能のオン/オフなど各種設定をするために使用される。
【0033】
コピーキー112、スキャナキー113、ファクシミリキー115、データ蓄積キー116は、各アプリケーションを切り替えるためのキーである。テンキー121は印刷枚数やFAX番号をユーザが入力するためのキーである。リセットキー118は、各アプリケーションの操作のために設定された設定値を初期値に戻すためのキーである。プログラムキー119は、画像形成装置200にプログラムを登録、呼び出し又は消去するためのキーである。クリア/ストップキー123は、入力した数値を取り消したり、読み取りや印刷を中断するためのキーである。スタートキー122は、コピーの実行や、ファクシミリ送信を開始するための実行キーである。
【0034】
図5は、画像形成装置200のソフトウェア構成図の一例を示す。画像形成装置200は、アプリケーション51と、API(Application Programming Interface)52と、コントロールサービス53と、リソース管理部54と、プラットホーム55と、ハードウェア資源56とを有する。
【0035】
アプリケーション51は、上述してきたコピーアプリ31、スキャナアプリ32、FAXアプリ33、プリンタアプリ34及び蓄積データアプリ35である。この他、Webアプリ、ネットワークアプリ等を有していてもよい。アプリケーション51の各プロセス、コントロールサービス53の各プロセスは、関数呼び出しとその戻り値の取得や、メッセージの送受信によってプロセス間通信を行い、コピー、スキャナ、ファクシミリ、データ蓄積などのサービスを提供する。
【0036】
また、コントロールサービス53は、ECS(エンジンコントロールサービス)36と、OCS(オペレーションパネルコントロールサービス)37と、FCS(ファックスコントロールサービス)38と、NCS(ネットワークコントロールサービス)39と、SCS(システムコントロールサービス)40の各プロセスを有する。ECS36のプロセスは、エンジンI/F71を介して接続されたプリントエンジン15、スキャナエンジン13及びFAXエンジン17を制御する。OCS37のプロセスは、ユーザと画像形成装置200との間で情報伝達手段となる操作パネル11の制御を行う。OCS37のプロセスは、操作パネル11からハードキーやソフトキーをキーイベントとして取得し、取得したキーに対応したキーイベント関数をSCS40に通知する。FCS38のプロセスは、PSTN/ISDN網を利用したファクシミリ送受信、補助記憶装置に記憶されている各種ファクシミリデータの登録/引用、送信用の画像データ読み取り、受信したファクシミリの印刷等を行うためのインターフェイスを提供する。NCS39のプロセスは、ネットワークを介して送受信するアプリケーション51に対して共通に通信サービスを提供する。例えば、アプリケーション51からデータを受け取り通信制御部22にネットワーク側に送信するよう要求し、ネットワーク側から通信制御部22が受信したデータを各アプリケーション51に振り分ける。この他、画像形成装置200は、ユーザ情報を管理するユーザ情報制御部、ユーザ認証を管理するユーザ認証管理部、補助記憶装置21に蓄積されている文書データやファイルの登録、配送、削除、移動などの制御を行うファイル制御部等の、各プロセスを有していてもよい。
【0037】
また、SCS40のプロセスは、アプリ管理、セッション管理、システム画面表示、LED表示、リソース管理、割り込みによるアプリ制御などを行う。また、SCS40は、OCS37から通知されたイベント関数に基づき描画関数を呼び出し操作パネル11に各種画面を描画し、さらに、アプリケーション51又はコントロールサービス53からの要求により描画関数を呼び出して操作パネル11に各種画面を描画する。
【0038】
メモリリソース管理部41は、RAM19の使用状況を監視して、RAM19の開放又は確保等を行う。エンジンリソース管理部42は、SCS40と共に、ハードウェア資源56を利用する上位層からの要求の調停を行い、実行を制御する。エンジンリソース管理部42は、要求されたハードウェア資源56が利用可能であるか否かを判定し、利用可能であれば要求した上位層にその旨を伝える。
【0039】
アプリケーション51は、API52を介して、コントロールサービス53に機能の提供を要求する。コントロールサービス53は、アプリケーション51からの処理要求を解釈して、ハードウェア資源56の獲得要求を発生させる。メモリリソース管理部41又はエンジンリソース管理部42は、これらの獲得要求を調停する。また、OS(例えば、LINUX(登録商標))43は、アプリケーション51及びコントロールサービス53の各ソフトウェアをプロセスとして並列実行する。
【0040】
また、デバイスドライバ44は、エンジンI/F45と操作部I/F48を利用して、ハードウェア資源56に対し処理を要求する。このような構成により、画像形成装置200は、各アプリケーション51で共通に必要な処理をコントロールサービス53以下のプロセスで一元的に処理することができる。
【0041】
〔表示装置の機能〕
図6は、本実施形態の表示装置100の機能ブロック図の一例を示す。図6の機能ブロックは、パネル部60と本体コントローラ部70とに分かれているが、主に、パネル部60は操作パネル11とパネル制御部12に対応し、本体コントローラ部70はCPU18や不図示のASICが対応する。
【0042】
まず、パネル部60は、CPU18がプログラム24を実行して実現される、パネル管理部61、カスタマイズ機能選択部62、ビュー情報選択部63、画面配置場所選択部64、機能UI制御部66、設定順変更選択部67及び画面構築部68を有する。また、保存部69は、補助記憶装置21を実体とし、グラフィックデータ71と設定値表示順データ72を有する。
【0043】
パネル管理部61は、ユーザからの操作を受け付ける。すなわち、ユーザが押下したハードキーの識別情報、ソフトキーの識別情報、又は、ユーザが押下した位置の位置情報を受け付ける。
【0044】
カスタマイズ機能選択部62は、ユーザが選択できるようにカスタマイズ対象の機能を一覧表示した機能一覧画面202を操作パネル11に表示する。このため、カスタマイズ機能選択部62は、インストールデータ77とユーザ情報を利用して、カスタマイズ対象となる機能をインストール管理部73から取得する。なお、カスタマイズ機能選択部62は、自らの機能が呼び出された状態であること、すなわち、ユーザが操作画面201をカスタマイズ中であることをフラグなどで保持し、ユーザが操作画面201のカスタマイズを終了するとこのフラグをオフにする。こうすることで、表示装置100がどちらの状態(通常操作又はカスタマイズ中)かを各機能ブロックが判断できるようになる。
【0045】
ビュー情報選択部63は、ビューの生成や表示に関する機能を提供する。具体的には、ビュー情報選択部63は、機能に対応する機能UI制御部66を生成し、この機能UI制御部66がグラフィックから後述する「ビュー部品」の外形を生成し、ビュー部品の各領域に設定値を配置することで各ビューを生成する。このため、機能UI制御部66は、各ビュー部品のグラフィックデータ71と設定値表示順データ72を記憶している。また、ビュー情報選択部63はビュー選択画面203を生成し、ユーザによるビューの選択を受け付ける。なお、ビュー情報選択部63は、カスタマイズ機能選択部62で選択された機能ごとに画面を用意することができる。
【0046】
ビュー情報選択部63は、操作画面201のカスタマイズだけに利用されるのでなく、通常操作、すなわち、各アプリケーションにおいて操作画面201から各ビューの設定値の選択を受け付ける操作においても動作する。したがって、操作画面201のために新たにビュー情報選択部63を実装する必要がなくコスト増を抑制し、開発期間を短縮できる。また、操作画面201に表示されるビュー(見た目)と同様のビューがカスタマイズ時に表示されるので、ユーザにとって分かりやすいカスタマイズが可能になる。
【0047】
設定順変更選択部67は、カスタマイズ対象の機能の設定値の表示順を変更に関する機能を提供する。ユーザが変更した表示順は「設定値表示順データ」として記憶される。
【0048】
画面配置場所選択部64は、カスタマイズ対象の機能のビューを操作画面201のどこに配置するかを決定する。画面配置場所選択部64は、ビューのサイズ情報に基づきビューを配置可能な場所の候補を表示する。
【0049】
画面構築部68は、各機能のビューを重ならないように画面に配置することで画面を構築する。
【0050】
また、本体コントローラ70は、CPU18がプログラム24を実行して実現される、インストール管理部73を有する。また、ユーザ情報保存部74と保存部75は、補助記憶装置21を実体とし、ユーザ情報保存部74はカスタマイズデータと履歴データを有し、保存部75はインストールデータ77を有する。
【0051】
インストール管理部73は、画像形成装置200にインストールされている機能を、インストールデータ77としてアプリケーション51毎に管理している。
【0052】
ユーザ情報保存部74は、ユーザに関連する情報を保持している。グラフィックデータ71は、機能UI制御部66がビュー部品の生成のために使用するデータであり、ビューの形状、サイズ(大きさ)、領域の区分、区分された領域とそれを識別する番号の対応情報等を規定する。設定値表示順データ72は、各機能の設定値をビューとして表示する際に、各設定値の優先順位を記録したデータである。設定値には優先順位に応じた番号が付されており、ユーザはビュー部品の領域を識別する番号と対応させることで表示順を決定できる。上記のとおり、設定値表示順データ72もカスタマイズ結果を含むものである。カスタマイズデータ76は、ユーザごとの画面のカスタマイズ結果を含むデータであり、具体的には設定値表示順データ72へのリンク情報と、ビューの場所情報(操作画面における配置位置)を含む。なお、各データの記憶場所は一例に過ぎない。
【0053】
〔各データについて〕
以下、本実施形態の表示装置100が扱うデータについて説明する。
【0054】
図7は、ユーザ情報保存部74に記憶されているユーザ情報の一例を示す図である。ユーザ情報には、ユーザ名に対応づけて「メールアドレス」「利用制限機能」「カスタマイズデータへのリンク」等が登録されている。「メールアドレス」はユーザへ各種の情報を送信するためのものであり、IPアドレス等でもよい。「利用制限機能」は、そのユーザに対し使用が許可されていない機能である。「カスタマイズデータへのリンク」は、後述するようにユーザが操作画面201をカスタマイズした場合、ユーザのカスタマイズデータ76の保存場所を示す。ユーザ「abiko」の「カスタマイズデータへのリンク」は「No1」、ユーザ「biwako」の「カスタマイズデータへのリンク」は「No2」である。一人のユーザが複数のカスタマイズデータ76へのリンクを有していてもよい。
【0055】
図8は、カスタマイズデータ76の一例を示す図である。図8(a)はNo1(ユーザ「abiko」の)カスタマイズデータ76を、図8(b)はNo2(ユーザ「biwako」の)カスタマイズデータ76を、それぞれ示す。カスタマイズデータ76は、各機能に対応づけて、「グラフィックデータ名」「設定値表示順データ名」「場所情報」が登録されている。この「グラフィックデータ名」が各機能のビュー部品を決定するグラフィックデータ(画像データ)71を指定する。例えば、「カラー選択」という機能のビュー部品が5つ用意されていれば、グラフィックデータ71も5つ用意されている。図8では、カラー選択のグラフィックデータ名を「ColorSelect1」とした。他の4つのビュー部品のグラフィックデータ名は、例えばColorSelect2〜5となる。
【0056】
図8では、No1の「カラー選択」とNo2の「カラー選択」のグラフィックデータ名が異なっているので、ユーザ「abiko」と「biwako」はカラー選択について異なるビューを選択したことになる。一方、「変倍」という機能については、No1とNo2のグラフィック名がいずれも「Magnification1」なので、ユーザ「abiko」と「biwako」は変倍について同じビューを選択したことになる。このように、設定情報が配置されていないビューが「ビュー部品」である(特許請求の範囲の「表示部品」に相当する)。
【0057】
図9は、「カラー選択」という機能のグラフィックデータ71を模式的に説明する図の一例である。図9では、「グラフィックデータ名」に対応づけて、「グラフィックデータ」と「サイズ情報」が登録されている。「カラー選択」という機能の場合、ユーザは5つのビューから選択可能なので、「ColorSelect1〜5」に対応づけてそれぞれグラフィックデータ(ビューの形状やサイズ等)が登録されている。各ビュー部品は、1つ以上の領域を有し、領域に識別するための番号(1〜5)が付されている。これは、「ColorSelect1」のグラフィックデータ71は5つの設定値を表示できること、「ColorSelect2」のグラフィックデータ71は2つの設定値を表示できること、「ColorSelect3」と「ColorSelect4」のグラフィックデータ71は3つの設定値を表示できること、「ColorSelect5」のグラフィックデータ71は4つの設定値を表示できること、を意味する。
【0058】
後述するように、ユーザが領域の番号に設定値(又はその優先順位)を対応づけると、機能UI制御部66が設定値を各領域に配置する。設定値は、例えば「白黒」「フルカラー」「2色」「単色」「自動カラー選択」である。不図示であるが、設定値には「∴」などのアイコンも含まれる。これにより、図2(b)のようなビュー選択画面203が生成される。
【0059】
また、図9のグラフィックデータ71には、各ビュー部品のサイズ情報(単位はピクセル)が登録されている。例えば、「ColorSelect1」の縦の長さは15ピクセルで、横の長さは20ピクセルである。表示装置100は、このサイズ情報を利用して、ユーザが選択したビューを囲む枠線等を表示することができる。
【0060】
なお、アプリケーション51が異なっても、操作画面201の機能は共通に表示すべきなので、同じ機能であればグラフィックデータ名も同じになる。
【0061】
図8に戻り、「設定値表示順データ名」は、設定値の表示順が登録された設定値表示順データの名前を示す。すなわち、設定値表示順データ72に、ユーザが選択したビュー(グラフィックデータ名)における、各設定値の優先順位が登録されている。
【0062】
図10は、設定値表示順データ72の一例を示す。図10(a)はユーザ「abiko」のカスタマイズ前の設定値表示順データ72を、図10(b)はユーザ「abiko」のカスタマイズ後の設定値表示順データ72を、それぞれ示す。図9によれば、「ColorSelect1」のグラフィックデータ71には5つの設定値を登録可能なので、図10の設定値表示順データ72にも5つの設定値が登録されている。「ColorSettingList1」の欄の数字1〜5が、ユーザが決定した優先順位(又は初期の表示順の場合もある)である。なお、優先順位は、設定値の識別の番号も兼ねている。
【0063】
設定値表示順データ72は、ユーザ毎かつ機能毎に登録される。また、さらにビュー毎に登録できるようにして、ユーザ毎かつ機能毎かつビュー毎に登録してもよい。前者の場合、設定値表示順データ72はビューに共通になるが、ビュー部品の各領域には識別するための番号が対応づけられているので、ビュー部品が変わっても設定値表示順データ72の優先順位に基づき設定値を配置できる。なお、各ユーザに共通の(デフォルトとの)設定値表示順データ72を登録しておいてもよい。
【0064】
図8に戻り、「場所情報」は、操作画面201におけるビューの配置場所を指定する。「場所情報」は、例えばビューの左上の位置をピクセル単位で指定する。No1のユーザにおいて、「カラー選択」のビューの場所は(Cx1、Cy1)で、「変倍」のビューの場所は(Mx1、My1)である。
【0065】
図11は、インストールデータ77の一例を示す図である。画像形成装置200にインストールされている機能がアプリケーション51毎に登録されている。機能名が特定されれば、カスタマイズデータ76からその機能のグラフィックデータ名が明らかになるので、ユーザが機能を選択すれば、グラフィックデータ名から図9のような各ビュー部品が特定可能になる。なお、アプリケーション51が異なっても、同じ機能は共通に登録される。
【0066】
〔カスタマイズの全体的な手順〕
図12は、ユーザがUIをカスタマイズする際、操作パネル11に表示される画面の遷移例を示す図である。
【0067】
画像形成装置200の起動直後、又は、ユーザが操作パネル11のコピーキー112を押下すると、OCS37がこれを検出してSCS40に通知することで、SCS40は図12(a)に示すコピーアプリ31の操作画面201を表示する。したがって、SCS40は、アプリケーション51毎に図12(a)のようにアプリケーション51の初期画面を表示することができる。コピーアプリ31の場合、「簡単コピー」という操作画面201と「詳細コピー」という操作画面201が用意されているが、いずれの操作画面201に対しても本実施形態のカスタマイズを好適に適用することができる。「詳細コピー」の操作画面201は、一覧表示される機能の数が「簡単コピー」よりも多い。「簡単コピー」と「詳細コピー」の操作画面201は、ユーザがタブを選択することで切り替えることができる。以下では、「簡単コピー」の操作画面201を例に説明する。
【0068】
「簡単コピー」の操作画面201は、機能一覧部2012をメインに、設定部2011と、書誌的事項表示部2013とを有する。機能一覧部2012の各機能が1つのビューでありカスタマイズ可能なものである。1つのビューには直接選択できる設定値が表示されている。例えば、「カラー選択」という機能では「フルカラー」「白黒」という2つの設定値が、「給紙トレイ」という機能では「トレイ1」という設定値の1つだけが、それぞれ選択可能になっている。これに対し、「変倍」という機能では「141%」「等倍」「8×13→A4、B4JIS→A4」「8×13→A4、B4JIS→A4」「用紙指定変倍」の5つの設定値から設定値を選択可能になっている。
【0069】
しかしながら、ユーザによっては、「カラー選択」という機能に関し、「白黒」という設定値を選択することが多いこともあるし、「変倍」という機能に関しほとんど「等倍」しか使用しないということもある。本実施形態の表示装置100は、このような機能毎に表示する設定値やその数を、各ユーザがカスタマイズすることを可能にする。
【0070】
なお、図12(a)では、機能によっては複数のビューが表示されている。例えば、「両面」という機能に関し、「片面→両面」という設定値と、「両面→両面」という設定値が、それぞれビューとして表示されている。同様に、「仕上げ」という機能に関し、「左上1箇所」という設定値と、「左2箇所」という設定値が、それぞれビューとして表示されている。機能一覧部2012に同じ機能のビューが複数個、表示か否かは、予め定められている。同じ機能の設定値が複数のビューに分けられているのは、ユーザの選択のしやすさ(使いやすさ)を考慮したためであって、「両面」や「仕上げ」の機能に関し複数の設定値をひとかたまりのビューにまとめて表示してもよいし、「変倍」という機能の各設定値を別々のビューに表示するよう、操作画面201を設計することもできる。
【0071】
機能毎に表示する設定値やその数をカスタマイズしたいユーザは、設定部2011の「何でもメニュー」キーを押下する。このキーは画像形成装置200に関する種々の設定を受け付けるキーであり、ユーザがその中から不図示の「カスタマイズキー」を押下することで、図12(b)の機能一覧画面202が表示される。
【0072】
図12(b)はコピーアプリ31においてカスタマイズ可能な機能の一覧の一例を示す図である。カスタマイズ機能選択部62は、コピーアプリ31のインストールデータ77を読み出して、図12(b)のように機能一覧を表示する。ユーザがスクロールバーを操作すると、さらに多くの機能が表示される。図12(b)では、コピーアプリ31でユーザが設定可能な設定値を含む各種の機能が一覧表示されている。コピーアプリ31以外でユーザが使用可能な機能であれば、コピーアプリ31以外のアプリケーション51の操作画面201をカスタマイズする際にも表示される。
【0073】
続いて、ユーザが機能一覧から「カラー選択」を押下した場合、図13(a)のビュー選択画面203が表示される。ビュー情報選択部63は、グラフィックデータ71を参照して図13(a)のようなビュー選択画面203を表示する。図9にて説明したように、カラー選択という機能のグラフィックデータ71は5つあるので、図13(a)では5つのビューが表示されている。ユーザはカラー選択の機能でよく使用する設定値を考慮して、その設定値が含まれるビューを選択する。選択後、ユーザが「次へ」キー2031を押下すると、図13(b)の表示順選択画面204が表示される。
【0074】
なお、ビューの選択後、ユーザは表示選択画面204を表示せず、配置場所選択画面205を表示してもよい。この場合、画面配置場所選択部64が、操作画面201において、ビューの最も好ましい配置場所の候補を枠線2052等で表示する。
【0075】
図13(b)は1つのビュー部品における設定値の配置をカスタマイズするための表示順選択画面204の一例を示す。図13(b)の左側のビュー部品の各領域には数値1〜5が表示されている。この数値1〜5は、領域を識別するための番号であり、設定値表示順データ72の「ColorSettingList1」の数字1〜5(優先順位)と対応する数字である。
【0076】
図13(b)の右側には数値1〜5に対応づけて設定値が表示されている。設定値の右側には上下の三角形マーク2042がそれぞれ表示されている。ユーザが下向きの三角形マーク2042を押下すると、その設定値は1つ下に移動して、元々移動先にあった設定値は1つ上に移動する。ユーザが上向きの三角形マーク2042を押下すると、その設定値は1つ上に移動して、元々移動先にあった設定値は1つ下に移動する。ユーザは左側の領域毎の数値を見ながら、このような操作を繰り返すことで、所望の領域に所望の設定値を配置することができる。
【0077】
ユーザが「次へ」キー2041を押下すると、図13(b)の右側の配置順が設定値表示順データ72として記憶される。また、図14(a)の配置場所選択画面205が表示される。
【0078】
図14(a)は、図13(a)で選択されたビュー部品の配置を決定するため配置場所選択画面205の一例である。画面配置場所選択部64は、操作画面201における最も好ましい場所の候補を枠線2052等で表示する。この枠線2052には、ビューのサイズが考慮されている。図14(a)では、カスタマイズ前のカラー選択の機能がある場所が候補として表示されている。なお、ユーザは、候補以外の場所を選択することもできる。候補以外の場所に他の機能のビューがない場合、画面配置場所選択部64は、ユーザが選択した場所にカスタマイズしたカラー選択のビューを配置する。また、候補以外の場所が他の機能のビューで埋まっており余地がない場合、画面配置場所選択部64は、ユーザが選択した場所のビューを消去して、カスタマイズしたカラー選択のビューを配置する。
【0079】
ユーザが候補の場所を選択して「次へ」キー2051を押下すると、画面配置場所選択部64は、各ビューの配置場所をカスタマイズデータ76に記憶する。また、図14(b)のカスタマイズ結果確認画面206が表示される。
【0080】
図14(b)は、カラー選択のビュー部品及びビュー部品内の設定値の配置がカスタマイズされたカスタマイズ結果確認画面206の一例を示す。図12(a)のカラー選択の機能のビューの変わりに、図13(a)で選択されたビューが配置されている。ユーザが確認後「次へ」キー2061を押下すると、例えば操作画面201に戻る。
【0081】
このように、ユーザは機能毎に表示する設定値の組み合わせや数を選択でき、さらに、設定値の配置をカスタマイズすることができる。ビューの選択も配置順の選択も、ユーザはビジュアルに操作できるので、カスタマイズしたが所望の設定値が使えないといったことも防止できる。
【0082】
〔動作手順〕
以下、図12の手順をシーケンス図を用いて詳細に説明する。
<操作画面201→機能一覧画面202>
図15は、カスタマイズ機能選択部62が、図12(a)の簡単コピーの操作画面201から、図12(b)の機能一覧画面202を表示する手順を示すシーケンス図の一例である。図15のシーケンス図は、ユーザが「何でもメニュー」キーを押下して表示された不図示の画面からスタートする。ユーザはコピーアプリ31を選択している。また、図12(a)の操作画面201が表示されている際、ユーザは画像形成装置200にログインしている。したがって、パネル管理部61は、ユーザ名とアプリケーション51の識別情報(以下、アプリケーション名という)を保持している。
【0083】
ユーザが操作パネル11に表示された操作キーである「画面カスタマイズ」キーを押下すると、パネル管理部61は「画面カスタマイズ」キーが押下されたことをカスタマイズ機能選択部62に通知する。通知されるパラメータ(引数)は、ユーザ名とアプリケーション名である。
【0084】
カスタマイズ機能選択部62は、操作画面201のカスタマイズ要求を受け付ける(S11)。つまり、カスタマイズ機能選択部62は、操作画面201のカスタマイズ要求を図12(b)の機能一覧画面202の呼び出し要求として受け付ける。
【0085】
カスタマイズ機能選択部62は、図12(b)の機能一覧画面202を生成するため、インストール管理部73にインストール済み機能一覧の取得要求を通知する(S12)。カスタマイズ機能選択部62は、ユーザ名とアプリケーション名をインストール管理部73に通知する。
【0086】
インストール管理部73は、このアプリケーション51に対しインストールされている機能を特定するため、アプリケーション名をキーにしてインストールデータ77を参照する(S13)。インストール管理部73は、コピーアプリ31に対しインストールされている「カラー選択」「原稿設定」等のインストールデータを取得できる(S14)。
【0087】
次に、インストール管理部73は、ログインしているユーザによる使用が禁止されている機能を特定するため、ユーザ名をキーにしてユーザ情報保存部74にユーザ情報取得を要求する(S15)。インストール管理部73が要求する情報は「利用制限機能」であるので、この情報だけを要求してもよい。ユーザ情報保存部74はログインしているユーザのユーザ情報をインストール管理部73に通知する(S16)。
【0088】
インストール管理部73は、インストールデータから利用制限機能により使用が制限された機能を消去して、インスール済み機能一覧(インストールデータ)をカスタマイズ機能選択部62に通知する(S17)。ユーザが使用可能な機能のみをカスタマイズできるようになるので、ユーザが使用できる機能か否かを判断する必要をなくし操作性を向上できる。
【0089】
カスタマイズ機能選択部62は、インストール管理部73から通知を受けてインストールデータの各機能名を表示する図12(b)のような機能一覧画面202を生成し、操作パネル11に表示する(S18)。図12(b)に示したように、各機能名がセル状に一覧表示される。
【0090】
以上のように、カスタマイズ機能選択部62は、アプリケーション51毎かつユーザ毎に図12(b)の機能一覧画面202を表示することができる。
【0091】
<機能一覧画面202→ビュー選択画面203 (方法1)>
図16は、ビュー情報選択部63等が、図12(b)の機能一覧画面202から、図13(a)のビュー選択画面203を表示する手順を示すシーケンス図の一例である。なお、選択されたビューの処理に2つの方法があるため、それぞれを順番に説明する。
【0092】
ユーザが図12(b)の機能一覧画面202からカスタマイズしたい機能を選択すると、パネル管理部61は選択された機能の識別情報又は押下された位置情報をカスタマイズ機能選択部62に通知する(S21)。いずれにしてもカスタマイズ機能選択部62はユーザが選択した機能を取得する。
【0093】
次いで、カスタマイズ機能選択部62は選択された機能に対応したビューを表示するため、ビュー情報選択部63にビュー選択画面203の表示を要求する(S22)。この時、通知されるパラメータは機能名である。
【0094】
機能に対応したビュー情報選択部63が呼び出され、呼び出されたビュー情報選択部63は機能に対応した機能UI制御部66を生成する(S23)。機能UI制御部66は各機能で表示可能なビューを表示する(ビューを生成する)機能を提供する。ここで生成するとしたのは、オブジェクト指向言語におけるインスタンスの生成を意味し、例えば所定の「クラス」から機能UI制御部66のインスタンスを生成することに相当する。機能UI制御部66はビュー毎に生成される。例えば、1つの機能で5つのビューをユーザが選択可能であれば、機能UI制御部66は5つ生成される。
【0095】
各機能UI制御部66は、グラフィックデータ71を参照する(S24)。各機能UI制御部66はそれぞれのビュー部品のグラフィックデータ71を取得する(S25)。各機能UI制御部66は、機能名に基づき図9から各ビュー部品のグラフィックデータ71を読み出す。
【0096】
各機能UI制御部66は、プログラムに記述された(予め保持しているデフォルトの)各設定値をグラフィックデータ71の各領域に配置することで、各ビュー部品を生成する(S26)。設定値表示順データ72ではなくプログラムに記述された設定値を領域に配置するので、ビュー選択画面203の各ビュー部品における設定値の配置順は、全ユーザに共通になる。
【0097】
また、ビュー選択画面203の各ビュー部品に配置する設定値を、設定値表示順データ72から読み出してもよい。この場合は、最後にユーザがカスタマイズした設定値表示順データ72をビュー選択画面203の各ビュー部品の反映させることができる。機能UI制御部66は、ユーザ名が分かれば図10の設定値表示順データ72を読み出すことができる。
【0098】
ついで、ビュー情報選択部63は、ビュー毎に選択用レイヤを生成する(S27)。選択用レイヤとは、ユーザによるビューの選択を、画面のカスタマイズでなく通常操作を司るシステム(例えば、SCS40)から横取りするためのレイヤである。レイヤは、例えばプログラム上の記述を実体とする。機能UI制御部66が生成したビュー自体は、図12(a)のようにユーザが操作する操作画面201においても表示されるものなので、単にビューを表示してユーザがビューの設定値を選択すると、ビューの設定値の押下に応じて予め定まったイベント(カラー選択等)が画像形成装置200により受け付けられてしまう。
【0099】
これではユーザは操作画面201をカスタマイズできないので、ビュー情報選択部63は上記の選択用レイヤを生成する。選択用レイヤの大きさはビューの大きさと同程度かやや大きい程度であり、透明なボタン等(ユーザの操作を受け付けるメソッドであればよい)で構成されているので、ユーザは選択用レイヤを意識することなくビューの全体を選択できる。選択用レイヤを押下したことによるイベントは、システムが受け付けるよりも先に実行されるので、ビュー情報選択部63はユーザの操作を横取りすることができる。
【0100】
ビュー情報選択部63は、画像データとして生成されたビューに選択用レイヤを重畳したビュー選択画面203を操作パネル11に表示する(S28)。以上により、図13(a)のビュー選択画面203が表示される。
【0101】
次に、ユーザが所望のビューを1つ押下する(選択する)と、パネル管理部61は選択されたビューの位置情報をビュー情報選択部63に通知する(S29)。そして、ビュー情報選択部63は位置情報に基づきユーザが選択したビューを特定する(S30)。なお、これらの処理は、ユーザが選択したビューを操作パネル11に枠線2032等で明示するためである。
【0102】
ビュー情報選択部63は、特定したビューのサイズ情報を機能UI制御部66に通知するよう要求する(S31)。グラフィックデータ71にビューのサイズ情報が保持されている(インスタンスに記述されている)ので、ビューのサイズ情報(縦の長さ、横の長さ)は、機能UI制御部66にとって既知である。機能UI制御部66はビューのサイズ情報をビュー情報選択部63に通知する(S32)。
【0103】
ビュー情報選択部63は、選択状態を示す枠線2032を操作パネル11に表示する(S33)。図13(a)では、選択状態を示す枠線2032が、ユーザが選択したビューを囲むように表示されている。枠線2032の他、選択したビューの輝度を上げてもよいし、色を変えて表示してもよい。
【0104】
このように選択用レイヤを配置することで、操作時と同じビューを表示しても、ユーザのカスタマイズ操作を受け付けることができる。
【0105】
<機能一覧画面202→ビュー選択画面203 (方法2)>
同じく図12(b)の機能一覧画面202から、図13(a)のビュー選択画面203への遷移の手順を、2つ目の方法(選択用レイヤを生成しない手順)にて説明する。
【0106】
図17は、ビュー情報選択部63等が、図12(b)の機能一覧画面202から、図13(a)のビュー選択画面203を表示する手順を示すシーケンス図の一例である。
【0107】
ユーザは、図12(b)の機能一覧画面202からカスタマイズしたい機能を押下すると、パネル管理部61は選択された機能の識別情報又は押下された位置情報をカスタマイズ機能選択部62に通知する(S21)。いずれにしてもカスタマイズ機能選択部62はユーザが選択した機能を取得する。
【0108】
次いで、カスタマイズ機能選択部62は機能に対応したビュー情報選択部63を呼び出すため、ビュー情報選択部63にビュー選択画面203の表示を要求する(S22)。通知されるパラメータは、機能名である。
【0109】
機能に対応したビュー情報選択部63が呼び出され、ビュー情報選択部63は機能に対応した機能UI制御部66を生成する(S23)。機能UI制御部66は機能で表示可能なビューの表示を受け持つ機能である。ここで生成するとしたのは、オブジェクト指向言語におけるインスタンスの生成を意味し、例えばクラスとしての機能UI制御部66からインスタンスを生成することに相当する。機能UI制御部66は、ビュー毎に生成される。例えば、1つの機能で5つのビューをユーザが選択可能であれば、機能UI制御部66は5つ生成される。
【0110】
各機能UI制御部66は、グラフィックデータ71を参照する(S24)。各機能UI制御部66はそれぞれのビュー部品のグラフィックデータ71を取得する(S25)。各機能UI制御部66は、機能名に基づき図9から各ビュー部品のグラフィックデータ71を読み出す。
【0111】
各機能UI制御部66は、プログラムに記述された(予め保持しているデフォルトの)設定値をグラフィックデータ71の各領域に配置することで、各ビューを生成する(S26)。設定値は、設定値表示順データ72から決定してもよい。ユーザ名が分かれば、機能UI制御部66は図10の設定値表示順データ72を読み出すことができる。
【0112】
次に、ビュー情報選択部63は、選択用レイヤを生成することなく、画像データとして生成されたビューを配置したビュー選択画面203を操作パネル11に表示する(S281)。これにより、図13(a)のビュー選択画面203が表示される。
【0113】
次に、ユーザが所望のビューを1つ押下すると、パネル管理部61は選択されたビューの位置情報を機能UI制御部66に通知する(S291)。この方法2では、以下の処理で操作画面201のカスタマイズ中か、画像形成装置200の使用中かを振り分ける。
【0114】
具体的には、機能UI制御部66は画像形成装置200の状態を判別する(S300)。
図18は、ステップS300の処理を詳細に説明する図の一例である。まず、機能UI制御部66は、位置情報を受け付ける(S301)。そして、機能UI制御部66は画像形成装置200の状態を判別する(S302)。判別の方法はいくつかあるが、例えば、機能UI制御部66は、カスタマイズ機能選択部62が生成したフラグを参照する。カスタマイズ機能選択部62は、画面のカスタマイズ中に呼び出される機能なのでカスタマイズ機能選択部62が起動していることをフラグが示せば、機能UI制御部66は、画像形成装置200の状態がカスタマイズ中であると判別できる。このように、機能UI制御部66は、カスタマイズ機能選択部62が生成したフラグを参照して状態を判別する。また、その他、ビュー情報選択部63は、画像形成装置200の状態を保持する機能やフラグを適宜参照して、画像形成装置200の状態を判別できる。
【0115】
機能UI制御部66は、カスタマイズ中であると判定した場合、位置情報に基づきユーザが選択したビューを特定する(S303)。この場合、機能UI制御部66は、特定したビューのサイズ情報をビュー情報選択部63に通知する(S304)。
【0116】
また、機能UI制御部66は、カスタマイズ中でないと判定した場合、位置情報に基づきユーザが選択したビューの設定値を特定する(S305)。例えば、「白黒」「フルカラー」「2色」「単色」「自動カラー選択」のいずれかを特定する。この場合、機能UI制御部66は、設定値をシステム(例えばSCS40)に通知する。
【0117】
図17に戻り、ビュー情報選択部63は、選択状態を操作パネル11に表示する(S33)。図13(a)では、選択状態を示す枠線2032が、ユーザが選択したビューを囲むように表示されている。枠線2032の他、選択したビューの輝度を上げてもよいし、色を変えて表示してもよい。
【0118】
このように、専用レイヤを生成しなくても、機能UI制御部66はカスタマイズを受け付けることができる。
【0119】
<ビュー選択画面203 → 表示順選択画面204>
図19は、設定順変更選択部67等が、図13(a)のビュー選択画面203から、図13(b)の表示順選択画面204を表示する手順を示すシーケンス図の一例である。
【0120】
ユーザがビューを選択した後、図13(a)のビュー選択画面203から「次へ」キー2031を押下すると、パネル管理部61は「次へ」キー2031が選択されたことをビュー情報選択部63に通知する(S41)。ビュー情報選択部63は、設定値変更順画面204の表示の要求があったことを設定順変更選択部67に通知する(S42)。この場合、ビュー情報選択部63は、ユーザが選択した機能名とユーザ名を設定順変更選択部67に通知する。機能名は、ステップS22において、カスタマイズ機能選択部62からビュー情報選択部63に通知されている。
【0121】
設定順変更選択部67は、ユーザ名と機能名をキーにしてその機能におけるユーザの設定値表示順データ72を参照する(S43)。ビュー毎に設定値表示順データ72が登録されている場合は、設定順変更選択部67はユーザが選択したビューの識別情報をビュー情報選択部63から取得し、そのビューにおけるユーザの設定値表示順データ72を取得する。なお、ユーザは設定値の表示順を変更するので、各ユーザの設定値表示順データ72を表示するのでなく、デフォルトの設定値表示順データを表示してもよい。こうすることで、表示順選択画面204を表示した直後の設定値の並びをユーザやカスタマイズ後の設定値表示順データ72に関係なく常に一定にできる。
【0122】
設定順変更選択部67は、設定値表示順データ72を取得する(S44)。これにより、ログインしているユーザが選択中の機能において、優先的に表示する設定値の情報が得られる。
【0123】
次いで、設定順変更選択部67は設定値表示順データ72を機能UI制御部66に通知する(S45)。機能UI制御部66は、グラフィックデータ71を参照する(S46)。機能UI制御部66はビュー部品のグラフィックデータ71を取得する(S47)。グラフィックデータ71には各ビュー部品の領域に番号が対応づけられている。ここまでの処理で、図13(b)の左側のビュー部品を描くことができるようになる。
【0124】
次に、機能UI制御部66は、このビュー部品のグラフィックデータ71と設定値表示順データ72を設定順変更選択部67に通知する(S48)。この通知は、設定順変更選択部67がビュー部品内の設定値の配置の変更を受け付けるためのものである。
【0125】
設定順変更選択部67は、ビュー部品のグラフィックデータ71と設定値表示順データ72に基づき、図13(b)の表示順選択画面204を生成する(S49)。すなわち、図13(b)の左側のビュー部品をグラフィックデータ71から、右側のリストを設定値表示順データ72から生成する。そして、設定順変更選択部67は、生成した表示順選択画面204を操作パネル11に表示する(S50)。
【0126】
ユーザは、図13(b)の表示順選択画面204から三角形マーク2042を押下して、設定値表示順データ72の設定値を上下に移動する。ユーザが三角形マーク2042を1回押下する毎に、パネル管理部61は、押下位置の位置情報と共に表示順入れ替え要求を設定順変更選択部67に通知する(S51)。設定順変更選択部67は、位置情報に基づき、押下された設定値表示順データ72の設定値と、上下のどちらの三角形マーク2042が押下されたかを特定する。そして、特定した設定値と三角形マーク2042に基づき、設定順変更選択部67は設定値表示順データ72を更新する。
【0127】
設定順変更選択部67は、ステップS50と同様に、左側のビュー部品をグラフィックデータ71から、右側のリストを更新後の設定値表示順データ72から生成し(S52)、生成した表示順選択画面204を操作パネル11に表示する(S53)。設定順変更選択部67は、ユーザが三角形マーク2042を押下する毎にステップS51〜S53を繰り返す。
【0128】
ユーザが、設定値の配置順を変更して、図13(b)の表示順選択画面204から「次へ」キー2041を押下すると、パネル管理部61は「次へ」が選択されたことを設定順変更選択部67に通知する(S54)。設定順変更選択部67は、この操作により設定値表示順データ72の保存要求を受け付ける。設定順変更選択部67は、更新後の設定値表示順データ72を保存する(S55)。こうすることで、ユーザは機能毎に(又は、さらにビュー毎に)、設定値表示順データ72を保存することができる。
【0129】
<表示順選択画面204 → 配置場所選択画面205>
図20は、画面配置場所選択部64等が、図13(b)の表示順選択画面204から、図14(a)の配置場所選択画面205を表示する手順を示すシーケンス図の一例である。図20のフローチャート図は、図13(b)の「次へ」キー2041が押下される直前からスタートする。
【0130】
ユーザが、設定値表示順データ72を変更後、図13(b)の表示順選択画面204から「次へ」キー2401を押下すると、パネル管理部61は「次へ」キー2041が選択されたことをビュー情報選択部63に通知する(S61)。ビュー情報選択部63は、画面配置場所選択部64にユーザがカスタマイズのために選択したビューの識別情報、ユーザ名を通知し、ビューの配置を要求する(S62)。
【0131】
画面配置場所選択部64は、画面構築部68に画面の構築を要求する(S63)。画面構築部68は、図12(a)の操作画面201を構築する機能を有する。画面構築部68は、カスタマイズ対象となっている機能のビューを含めて液晶表示部117に配置するので、画面構築部68は、まず、図12(a)と同様の画面を構築する。
このため、まず、画面構築部68は、ユーザ名をキーにしてユーザ情報に含まれるカスタマイズデータ76を参照する(S64)。画面構築部68は、ログインしているユーザのカスタマイズデータ76へのリンク情報を取得する(S65)。画面構築部68は、カスタマイズデータ76から機能毎にグラフィックデータ71を、また、設定値表示順データ72を取得できる。なお、カスタマイズデータ76がない場合、画面構築部68は予め定められた初期設定の画面を構築する。
【0132】
画面構築部68は、各機能のグラフィックデータ71の領域に、設定値表示順データ72により指示される設定値を配置して各機能のビューを生成し、各ビューを1つの画面に配置して配置場所選択画面205を構築する(S66)。各ビューの配置場所は、機能毎に、最後にその機能のビューがあった場所に優先的にあてがう。この場所情報は、カスタマイズデータ76に登録されている。したがって、各機能毎に最も大きいビューが配置できるように各ビューを配置しておけば、各ビューの配置場所を変更する必要はない。画面配置場所選択部64は、構築の完了を画面配置場所選択部64に通知する(S67)。
【0133】
この時点では、図14(a)のような配置場所選択画面205のうち、カラー選択の機能(白黒・フルカラー)の枠線2052がない配置場所選択画面205が表示される。
【0134】
次に、画面配置場所選択部64は、ユーザがカスタマイズしたビューの配置場所を決定するため、そのビューのサイズ情報を機能UI制御部66に問いあわせる(S68)。機能UI制御部66は、ビューのサイズ情報を保持しているので、機能UI制御部66は、ビューのサイズ情報を画面配置場所選択部64に通知する(S69)。
【0135】
そして、画面配置場所選択部64は、ビューのサイズ情報に基づき、ユーザがカスタマイズしたビューの全体を囲む大きさで、かつ、配置場所候補に可視情報を生成する(S70)。可視情報は、例えば、枠線2052である。画面配置場所選択部64は、最後にその機能(カラー選択)のビューがあった場所に、ビューのサイズ情報に基づき生成した枠線2052を生成する。サイズ情報から決定した複数の枠線2052を重ならないように表示してもよい。ユーザが使用している操作画面と同じ画面が表示されるので、カスタマイズしたビューをどこに配置するか、ユーザが確認しやすくなり操作性が向上する。
【0136】
画面配置場所選択部64は、ステップS67で生成した配置場所選択画面205に枠線2052を含めて操作パネル11に表示する(S71)。以上で、図14(a)のような配置場所選択画面205が表示される。この枠線2052は、カスタマイズしたビューの配置先の候補となる。ユーザが選択したビューの大きさに合わせて配置可能な場所を表示することで、ユーザがビューをどこに配置することができるかすぐに分かり、操作性を向上することができる。
【0137】
ユーザは、1つ以上の枠線2052から、カスタマイズしたビューの配置先を選択する(S72)。パネル管理部61は、ユーザが押下した位置の位置情報を画面配置場所選択部64に通知する。
【0138】
画面配置場所選択部64は、ユーザが選択した場所に同じ機能のビューが配置されているか、又は、何も機能が配置されていない場合、ユーザが選択した場所にカスタマイズ後のビューを配置する。ユーザが選択した場所に同じ機能のビューが配置されておらず、かつ、他の機能が配置されている場合、画面配置場所選択部64はエラーメッセージ「その場所は選択できません」等を表示して、再度、図14(a)の配置場所選択画面205を表示する。
【0139】
なお、後者の場合、ユーザが選択した場所にすでに配置されているビューを排除して、ユーザがカスタマイズしたビューを配置してもよい。
【0140】
次に、画面配置場所選択部64は、機能に対応した機能UI制御部66を生成する(S73)。ここで、生成する機能UI制御部66は、ユーザがカスタマイズしたビューだけでよい。機能UI制御部66はグラフィックデータ71を参照する(S74)。これにより、機能UI制御部66はビュー部品のグラフィックデータ71を取得する(S75)。
【0141】
機能UI制御部66は、ユーザ名とビューの識別情報をキーにして設定値表示順データ72を参照する(S76)。機能UI制御部66は、設定値表示順データ72を取得する(S77)。機能UI制御部66は、設定値表示順データ72に基づき、設定値をビュー部品の各領域に配置することで、ビューを生成する。
【0142】
機能UI制御部66は、ビューの生成完了を画面配置場所選択部64に通知する(S78)。画面配置場所選択部64は、画面構築部68に画面の構築を要求する(S79)。画面構築部68は、各機能のグラフィックデータ71の領域に、設定値表示順データ72により指示される設定値を配置して各機能のビューを生成し、場所情報に基づき配置すると共に、また、機能UI制御部66から取得したビューをユーザが選択した場所に配置して、1つのカスタマイズ結果確認画面206を構築する(S80)。画面配置場所選択部64は、構築の完了を画面配置場所選択部64に通知する(S81)。
【0143】
画面配置場所選択部64は、画面構築部68が構築したカスタマイズ結果確認画面206を操作パネル11に表示する(S82)。これにより、図14(b)のようなカスタマイズ結果確認画面206が表示される。パネル管理部61が表示完了を画面配置場所選択部64に通知すると(S83)、画面配置場所選択部64はカスタマイズデータ76を更新する(S84)。これにより、各ビューの配置場所(場所情報)をカスタマイズデータ76に保存できる。以上のように、ユーザはカスタマイズしたビューを適切な場所に配置できる。
【0144】
以上により、図12(b)による機能の選択から図14(b)のビューの再配置が可能になる。本実施形態の表示装置100は、ユーザが機能毎にビューを選択し、さらにビューの中の設定値の配置をカスタマイズすることができる。ビューの選択時には、設定値の数や内容を選択でき、設定値の配置を変更することもできる。同じ機能の設定値は必ずひとかたまりに表示できるのでユーザは容易にカスタマイズでき、設定値の配置を変えられるので設定値が多くてもユーザにとって使いやすい配置にすることができる。
【0145】
〔別の形態〕
なお、本実施形態では、ユーザが操作パネル11を直接操作して、画面のカスタマイズを行ったが、PC(パーソナルコンピュータ)300から画像形成装置の画面をカスタマイズすることもできる。
【0146】
図21は、画像形成装置200とPC300とが接続されたカスタマイズシステムの概略構成図の一例を示す。ネットワークを介して画像形成装置200とPC300とが接続されている。画像形成装置200はWebサーバ機能を有し、PC300はWebブラウザを有する。ユーザがPC300からユーザ名とパスワードを画像形成装置200に送信すると画像形成装置200がユーザを認証して、上記のカスタマイズが可能になる。
【0147】
ユーザがPC300を操作して、アプリケーションを指定すると共に、図12(b)の機能一覧画面のHTMLファイルを送信するよう画像形成装置200に要求する。画像形成装置200は機能一覧画面のHTMLファイルをPC300に送信する。
【0148】
PC300のWebブラウザが機能一覧画面を表示すると、ユーザはマウスなどのポインティングデバイスを用いて1つの機能を選択する。PC300は機能の選択結果と、図13(a)のビュー選択画面のHTMLファイルを送信するよう画像形成装置200に要求する。画像形成装置200はビュー選択画面203のHTMLファイルをPC300に送信する。
【0149】
PC300のWebブラウザがビュー選択画面203を表示すると、ユーザはマウスなどのポインティングデバイスを用いて1つのビューを選択する。PC300はビューの選択結果と、図13(b)の表示順選択画面204のHTMLファイルを送信するよう画像形成装置200に要求する。画像形成装置200は表示順選択画面204のHTMLファイルをPC300に送信する。
【0150】
PC300のWebブラウザが表示順選択画面204を表示すると、ユーザはマウスやキーボードを用いて各設定値に優先順位を付与する。この場合、通信に時間がかからないように、1〜5の数字を設定値に直接対応づけられることが好ましい。PC300は設定値表示データと図14(a)の配置場所選択画面205のHTMLファイルを送信するよう画像形成装置200に要求する。画像形成装置200は配置場所選択画面205のHTMLファイルをPC300に送信する。
【0151】
PC300のWebブラウザが配置場所選択画面205を表示すると、ユーザはマウスなどのポインティングデバイスを用いてビューの配置場所を選択する。PC300はビューの配置場所の選択結果と、図14(b)のカスタマイズ結果確認画面206のHTMLファイルを送信するよう画像形成装置200に要求する。画像形成装置200はカスタマイズ結果確認画面206のHTMLファイルをPC300に送信する。
【0152】
PC300のWebブラウザがカスタマイズ結果確認画面206を表示することで、ユーザは選択した機能が選択したビューで表示されること、及び、ビューの中の配置情報がカスタマイズしたとおりに配置されていること、を確認することができる。
【0153】
このように、本実施形態の表示装置は、画像形成装置200とPC300が通信可能であれば、PC300を用いても適用できる。
【符号の説明】
【0154】
11 操作パネル
24 プログラム
31 コピーアプリ
32 スキャナアプリ
33 FAXアプリ
34 プリンタアプリ
35 蓄積データアプリ
51 アプリケーション
52 API
53 コントロールサービス
54 リソース管理部
55 プラットホーム
56 ハードウェア資源
61 パネル管理部
62 カスタマイズ機能選択部
63 ビュー情報選択部
64 画面配置場所選択部
66 機能UI制御部
67 設定順変更選択部
68 画面構築部
69 保存部
71 グラフィックデータ
72 設定値表示順データ
73 インストールデータ管理部
74 ユーザ情報保存部
76 カスタマイズデータ
77 インストールデータ
100 表示装置
117 液晶表示部
200 画像形成装置
201 操作画面
202 機能一覧画面
203 ビュー選択画面
204 表示順選択画面
205 配置場所選択画面
206 カスタマイズ結果確認画面
【先行技術文献】
【特許文献】
【0155】
【特許文献1】特開2007−249863号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アプリケーションソフトウェアから呼び出し可能な機能の表示部品に、機能に対し設定可能な設定情報を表示する表示装置であって、
アプリケーションソフトウェア毎に機能の一覧を表示する機能一覧表示手段と、
機能毎に前記設定情報の1以上の表示態様を定めた表示態様情報を記憶する表示情報記憶手段と、
前記一覧から機能の選択を受け付け、前記表示情報記憶手段から読み出した該機能に対応づけられた前記表示態様情報に基づき前記表示部品を生成すると共に、前記設定情報を配置して、選択された機能の前記表示部品が一覧表示された表示態様一覧画面を生成する第1の画面生成手段と、
前記表示態様一覧画面から前記表示部品の選択を受け付け、該表示部品のサイズ情報に基づき、前記表示部品の配置先の画面における配置場所候補を表示する配置場所候補表示手段と、
を有することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記表示部品における各設定情報の配置位置情報を登録した設定情報記憶手段を有し、
前記表示態様一覧画面から前記表示部品の選択を受け付けた場合、前記設定情報記憶手段から、前記第1の画面生成手段が受け付けた機能に対応づけられた前記設定情報を読み出して表示し、前記表示部品における各設定情報の配置位置の変更を受け付ける第2の画面生成手段、
を有することを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1の画面生成手段は、1つの機能について、前記表示部品に配置可能な前記設定情報の数が異なる複数の前記表示部品を一覧表示する、
ことを特徴とする請求項1又は2記載の表示装置。
【請求項4】
前記第2の画面生成手段は、前記表示態様一覧画面から受け付けた前記表示部品における前記設定情報の配置先に識別情報を表示し、かつ、前記設定情報を前記識別情報と対応づけて表示する、
ことを特徴とする請求項2記載の表示装置。
【請求項5】
前記第2の画面生成手段は、前記表示部品における前記識別情報及び前記設定情報に対応づけられた前記識別情報は固定のまま、前記識別情報と前記設定情報の対応を変更させる操作を受け付ける、
ことを特徴とする請求項4記載の表示装置。
【請求項6】
ユーザを識別するユーザ識別情報に対応づけて、機能の使用可否情報を記憶したユーザ情報記憶手段を有し、
前記機能一覧表示手段は、前記ユーザ情報記憶手段の前記使用可否情報を参照して、ログインしたユーザに対し使用が許可されていない機能を除外して機能の前記一覧を表示する、
ことを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1の画面生成手段が生成した前記表示部品が、アプリケーションソフトウェアを実行させる操作画面にも表示される場合、
前記第1の画面生成手段は、前記表示態様情報に基づき生成した前記表示部品の選択を、該表示部品に配置された前記設定情報の選択をアプリケーションソフトウェアよりも優先して受け付ける、
ことを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載の表示装置。
【請求項8】
当該表示装置が画面のカスタマイズ中であることを示すフラグ情報を有し、
前記第1の画面生成手段が生成した前記表示部品が、アプリケーションソフトウェアを実行させる操作画面にも表示される場合、
前記第1の画面生成手段は、前記フラグ情報を参照して、アプリケーションソフトウェアが該表示部品に配置された前記設定情報の選択を受け付けるのか、又は、前記表示態様情報に基づき生成した前記表示部品が選択されたのかを判定する、
ことを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載の表示装置。
【請求項9】
前記第1の画面生成手段は、前記表示態様一覧画面から1つの前記表示部品の選択を受け付けた場合、
該表示部品のサイズ情報に基づき、前記表示部品が選択されたことを示す可視情報を前記表示態様一覧画面に表示する、
ことを特徴とする請求項1〜8いずれか1項記載の表示装置。
【請求項10】
前記配置場所候補表示手段は、前記表示態様一覧画面から選択された機能の前記表示部品が表示されている場所を、前記表示部品の前記配置場所候補に決定する、
ことを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項11】
請求項1〜10いずれか1項記載の表示装置と、
記録媒体に画像を印刷する印刷手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
アプリケーションソフトウェアから呼び出し可能な機能の表示部品に、機能の設定情報を表示する表示態様のカスタマイズ方法であって、
機能一覧表示手段が、アプリケーションソフトウェア毎に機能の一覧を表示するステップと、
第1の画面生成手段が、前記一覧から機能の選択を受け付け、機能毎に前記設定情報の表示態様を定めた1以上の表示態様情報を記憶する表示情報記憶手段から、選択を受け付けた機能の前記表示態様情報を読み出し、該表示態様情報に基づき生成した1つ以上の前記表示部品に前記設定情報を配置して一覧表示する表示態様一覧画面を生成するステップと、
配置場所候補表示手段が、前記表示態様一覧画面から前記表示部品の選択を受け付け、該表示部品のサイズ情報に基づき該機能の前記表示部品の配置場所候補を表示するステップと、
を有することを特徴とするカスタマイズ方法。
【請求項13】
アプリケーションソフトウェアから呼び出し可能な機能の表示部品に、機能の設定情報を表示する表示装置のCPUに、
アプリケーションソフトウェア毎に機能の一覧を表示するステップと、
第1の画面生成手段が、前記一覧から1つの機能の選択を受け付け、機能毎に前記設定情報の表示態様を定めた1以上の表示態様情報を記憶する表示情報記憶手段から、選択を受け付けた機能の該機能表示態様情報を読み出し、該表示態様情報に基づき生成した1つ以上の前記表示部品に前記設定情報を配置して一覧表示する表示態様一覧画面を生成するステップと、
前記表示態様一覧画面から前記表示部品の選択を受け付け、該表示部品のサイズ情報に基づき該機能の前記表示部品の配置場所候補を表示するステップと、
を実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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