説明

表示装置、表示方法及び表示プログラム。

【課題】消費電力を低減することが可能であり、且つ、表示を書き換える際の処理時間が短く応答性が良い表示装置を提供する。
【解決手段】ステップS104では、第1クロックPCKが演算処理部104へ供給される。また、第2クロックMCKはクロック変換部105により変換され、変換クロックCCKが発生され、クロック供給ブロック107へ供給される。ステップS105で演算処理部104が、第1クロックPCKに同期して制御プログラムを実行する。各周辺機器の中の電気泳動表示部4は、ステップS108で、上記変換されたクロックに同期して、駆動電圧発生部181から駆動電圧を供給され、ページ書換処理が実行される。ステップS109では、演算処理部104への第1クロックPCKの供給が停止され、制御プログラムの実行が停止される。この間、上記変換されたクロックは各周辺機器に供給され、電気泳動表示部4への駆動電圧の供給が続行される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不揮発性表示部を備えた表示装置に関する。詳細には、表示装置に備えられた各種ハードウェアへの電力の供給及び停止を制御することで、表示装置の消費電力を低減する表示装置及び表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電力供給が停止されていても表示内容を維持し続ける不揮発性表示部を備えた表示装置が記載されている。詳細には、主要制御部への電力供給及び電力供給の停止を制御する技術が開示されている。主要制御部は、CPUと各種記憶手段と不揮発性表示部等から構成される。表示装置に備えられたキーの操作が一定時間行われなかったことに基づいて、主要制御部への電力の供給が停止される。表示装置への電力の供給が停止される省電力モードに移行することで、電力の消費が低減されている。特許文献1に記載の表示装置において、不揮発性表示部の表示を書き換えるためにキーが操作されたときに、一般的に主要制御部へ電力が再度供給される。主要制御部に電力供給された後に、SDカード等の記憶手段から表示情報が新たに読み出され、RAMに展開される。RAMに展開された表示情報に従って、画像が不揮発性表示部に表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−121374号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の表示装置では、不揮発性表示部が用いられている。不揮発性表示部は、表示を維持するために電力の供給が不要であるが、画像を書き換えるために駆動電圧を供給する必要がある。不揮発性表示部に表示された画像を書き換えるためには、表示情報に従って駆動電圧の供給及び停止やその電圧値が制御される。駆動電圧の供給動作などが制御されることで、表示媒体により種々の表示が可能となる。特許文献1に記載の表示装置は、省電力モードを有している。省電力モード時は、駆動電圧が不揮発性表示部に供給されない。省電力モードから不揮発性表示部を起動して不揮発性表示部の表示を新たに書き換えるためには、駆動電圧を不揮発性表示部に供給する必要がある。しかしながら、不揮発性表示部が駆動電圧の供給を受けて正常に書き換え動作を行うまでの立ち上がりが比較的遅い。そのため、表示装置の応答性が悪かった。
【0005】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものである。本発明の目的は、消費電力を低減することが可能であり、且つ、表示を書き換える際の時間が短く応答性が良い表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明によれば、表示情報に従って駆動電圧が供給された時に表示を書き換え、駆動電圧の供給が停止された時に表示を維持する不揮発性表示部を有する表示装置であって、前記表示装置の各種動作を指示するために操作可能な操作部と、前記表示装置を制御する制御プログラムを記憶する不揮発性のプログラム記憶部と、前記プログラム記憶部に記憶された制御プログラムを実行し、または、その実行を停止する制御を行なうプログラム制御部と、前記駆動電圧を発生する駆動電圧発生部と、前記不揮発性表示部に前記駆動電圧を供給する、または、その供給を停止する第1制御を実行する電圧制御部と、前記不揮発性表示部の表示を書き換えるために前記操作部が操作されたとき、前記電圧制御部が前記第1制御により前記不揮発性表示部へ前記駆動電圧を供給し、且つ、前記プログラム制御部が制御プログラムの実行を停止する第2モードから、前記電圧制御部が前記第1制御により前記不揮発性表示部へ前記駆動電圧を供給し、且つ、前記プログラム制御部が制御プログラムを実行する第1モードへ切り替え、前記第1モードにおいて前記表示情報に従って表示が書き換えられたとき、前記第1モードから前記第2モードへ切り替えるモード切替部と、を備えることを特徴とする表示装置である。
【0007】
請求項2に記載の発明によれば、前記プログラム記憶部に記憶された制御プログラムを一時記憶する揮発性の一時記憶部と、前記プログラム制御部が前記一時記憶部に一時記憶された制御プログラムを実行するための第1クロックと、前記電圧制御部が前記第1制御により前記駆動電圧の供給を行なうための第2クロックとを発生するクロック発生部と、少なくとも前記一時記憶部へ電力を供給し、または、その供給を停止する第2制御を実行する電力制御部と、を備え、前記プログラム制御部は、前記第1クロックに基づいて前記制御プログラムを実行し、前記電圧制御部は、前記第2クロックに基づいて前記駆動電圧の供給を行なう指令を前記不揮発性表示部へ供給し、前記モード切替部が前記第2モードから前記前記第1モードへ切り替えたとき、前記電力制御部は、少なくとも前記一時記憶部へ電力を供給し、且つ、前記クロック発生部は前記第1クロックと前記第2クロックとを発生し、前記前記モード切替部が前記第1モードから前記第2モードへ切り替えたとき、前記電力制御部は、少なくとも前記一時記憶部へ電力を供給し、且つ、前記クロック発生部は、前記第1クロックを停止して前記第2クロックを発生することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明によれば、前記クロック発生部は、前記第2クロックより高周波数の前記第1クロックを発生することを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明によれば、前記不揮発性表示部に所定の表示をさせる前記表示情報を記憶する不揮発性の情報記憶部から前記表示情報を取得する情報取得部と、前記プログラム記憶部に記憶された制御プログラムと、前記情報取得部により取得された表示情報とを一時記憶する揮発性の一時記憶部と、前記操作部が操作されたとき、前記一時記憶部に記憶された表示情報に従って前記不揮発性表示部に所定の表示をさせる表示制御部と、前記不揮発性表示部に現在表示されている画像に関する表示情報が前記情報記憶部に記憶される記憶位置を記憶する不揮発性の位置記憶部と、を備え、前記電力制御部は、少なくとも前記一時記憶部へ電力を供給し、または、その供給を停止する第2制御と、前記不揮発性表示部と前記情報取得部と前記プログラム記憶部と前記一時記憶部と前記表示制御部と前記位置記憶部とへ電力を供給し、または、電力の供給を停止する第3制御とを実行し、前記モード切替部は、前記電圧制御部が前記第1制御により前記不揮発性表示部へ前記駆動電圧を供給すると共に、前記第2制御により電力を供給し、且つ、前記プログラム制御部が制御プログラムを実行する前記第1モードと、前記電圧制御部が前記第1制御により前記不揮発性表示部への前記駆動電圧を供給すると共に、前記第2制御により電力を供給し、且つ、前記プログラム制御部が制御プログラムの実行を停止する前記第2モードと、前記電力制御部が前記第1制御により前記不揮発性表示部への前記駆動電圧の供給を停止すると共に、前記第3制御により電力の供給を停止し、且つ、前記プログラム制御部が制御プログラムの実行を停止する第3モードとの間で切り替え可能であり、前記表示制御部は、前記モード切替部により前記第3モードから前記第1モードへ切り替えられたとき、前記情報取得部により前記記憶位置から取得されて前記一時記憶部に記憶された前記表示情報に従って、前記不揮発性表示部に所定の表示をさせ、前記モード切替部により前記第2モードから前記第1モードへ切り替えられたとき、前記一時記憶部に記憶された前記表示情報に従って前記不揮発性表示部に所定の表示をさせることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明によれば、前記モード切替部は、前記第2モードへ切り替えてから所定の第1時間が経過した後に前記第3モードへ切り替えることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明によれば、表示情報に従って駆動電圧が供給された時に表示を書き換え、駆動電圧の供給が停止された時に表示を維持する不揮発性表示部を有する表示装置の各種動作を指示するための操作ステップと、前記駆動電圧を発生する駆動電圧発生部に前記駆動電圧を前記不揮発性表示部へ供給させる、または、その供給を停止させる第1制御を実行する電圧制御ステップと、前記不揮発性表示部の表示を書き換えるために操作ステップにより指示が行われたとき、前記電圧制御ステップにより不揮発性表示部へ前記駆動電圧が供給された状態で前記表示装置を制御するために不揮発性のプログラム記憶部に記憶された制御プログラムの実行を停止する第2モードから、前記電圧制御ステップにより不揮発性表示部へ前記駆動電圧が供給された状態で前記制御プログラムを実行する第1モードへ切り替え、前記第1モードにおいて前記表示情報に従って表示が書き換えられたとき、前記第1モードから前記第2モードへ切り替えるモード切替ステップと、前記モード切替ステップにより切り替えられたモードに従って、前記制御プログラムを実行し、または、その実行を停止するプログラム制御ステップと、を備えることを特徴とする表示方法である。
【0012】
請求項7に記載の発明によれば、表示情報に従って駆動電圧が供給された時に表示を書き換え、駆動電圧の供給が停止された時に表示を維持する不揮発性表示部を有する表示装置の各種動作を指示するために操作されたか否かを検出する操作検出ステップと、前記駆動電圧を発生する駆動電圧発生部に前記駆動電圧を前記不揮発性表示部へ供給させる、または、その供給を停止させる第1制御を指令する電圧制御ステップと、前記不揮発性表示部の表示を書き換えるための操作が前記操作検出ステップにより検出されたとき、前記電圧制御ステップにより不揮発性表示部への前記駆動電圧の供給が指令された状態で前記表示装置を制御するために不揮発性のプログラム記憶部に記憶された制御プログラムの実行を停止する第2モードから、前記電圧制御ステップにより不揮発性表示部への前記駆動電圧の供給が指令された状態で前記制御プログラムを実行する第1モードへ切り替え、前記第1モードにおいて前記表示情報に従って表示が書き換えられたとき、前記第1モードから前記第2モードへ切り替えるモード切替ステップと、前記モード切替ステップにより切り替えられたモードに従って、前記制御プログラムを実行し、または、その実行を停止するプログラム制御ステップと、をコンピュータに実現させるための表示プログラムである。
【発明の効果】
【0013】
一般に、表示装置の主要な制御部に電力が供給されている場合、表示の書き換えなどを含む表示装置の応答性は良い。これに対し、主要な制御部への電力の供給が停止されると応答性は悪くなるが、消費電力の低減には効果的である。表示装置の応答性と消費電力の低減という相反することを同時に満足するために、請求項1記載の発明によれば、電圧制御部は、不揮発性表示部に駆動電圧を供給する、または、その供給を停止させる第1制御を実行する。モード切替部は、不揮発性表示部の表示を書き換えるために操作部が操作されたとき、電圧制御部が第1制御により不揮発性表示部へ駆動電圧を供給し、且つ、プログラム制御部が制御プログラムの実行を停止する第2モードから、電圧制御部が第1制御により不揮発性表示部へ駆動電圧を供給し、且つ、プログラム制御部が制御プログラムを実行する第1モードへ切り替え、第1モードにおいて表示情報に従って表示が書き換えられたとき、第1モードから第2モードへ切り替える。従って、画像を書き換えるための駆動電圧は、第1モードと第2モードとの両モードにおいて不揮発性表示部に供給される。そのため、表示装置の立ち上がり時間が短くなる。また第2モードでは、制御プログラムの実行は停止される。制御プログラムの実行を停止することで、CPUなどの演算処理手段が消費する電力は大幅に低減される。不揮発性表示部を用いる表示装置では、表示装置の主要な制御部への電力の供給が停止される。上述した表示装置では、CPUなどの演算処理手段で消費される電力の割合が大きいため、特に効果的である。そのため、制御プログラムは実行されないため、消費電力が低減される。この結果、第2モードでは、表示装置の消費電力が低減されるとともに、表示を書き換えるための起動時間が短くなり、表示を書き換える応答性が良くなる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、クロック発生部は、プログラム制御部が一時記憶部に一時記憶された制御プログラムを実行するための第1クロックと、電圧制御部が第1制御により駆動電圧の供給を行なうための第2クロックとを発生する。プログラム制御部は、第1クロックに基づいて制御プログラムを実行する。電圧制御部は、第2クロックに基づいて駆動電圧の供給を行なう指令を前記不揮発性表示部へ供給する。従って、駆動電圧の供給及び停止と制御プログラムの実行及び停止とが、第1及び第2クロックの発生及び停止により制御されることから、これらの制御を行うためにクロック発生部以外に特別なハードウェアが必要ない。この結果、特別なハードウェアを起動するための電力が必要なく、消費電力が低減されるとともに、表示を書き換える応答性が良くなる。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、クロック発生部は、第2クロックより高周波数の第1クロックを発生する。制御プログラムは主要制御部の起動の確認等の確認処理を行う。表示装置の立ち上がり速度を速くするためは、制御プログラムを実行する第1クロックは高周波数の方が良い。第1クロックは、駆動電圧を供給するための第2クロックより高周波数のクロックである必要がある。一方、制御プログラムを実行するための第1クロックが高周波数である程、その制御プログラムにより駆動制御される機器の消費電力は大きくなる。そこで、請求項3に記載の発明では、第1クロックが第2クロックより高周波数に設定されることで、制御プログラムの実行時には、その実行速度が速くなると共に、制御プログラムの停止時には、制御プログラムにより駆動制御される機器の電力消費がなくなる。この結果、表示装置全体の消費電力が低減されると共に、表示を書き換える応答性が良くなる。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、表示装置は、不揮発性表示部に現在表示されている表示情報が情報記憶部に記憶される記憶位置を記憶する不揮発性の位置記憶部を備える。モード切替部は、前記電圧制御部が前記第1制御により前記不揮発性表示部へ前記駆動電圧を供給すると共に、前記第2制御により電力を供給し、且つ、前記プログラム制御部が制御プログラムを実行する前記第1モードと、前記電圧制御部が前記第1制御により前記不揮発性表示部への前記駆動電圧を供給すると共に、前記第2制御により電力を供給し、且つ、前記プログラム制御部が制御プログラムの実行を停止する前記第2モードと、前記電力制御部が前記第1制御により前記不揮発性表示部への前記駆動電圧の供給を停止すると共に、前記第3制御により電力の供給を停止し、且つ、前記プログラム制御部が制御プログラムの実行を停止する第3モードとの間で切り替え可能である。表示制御部は、モード切替部により第3モードから第1モードへ切り替えられたとき、情報取得部により記憶位置から取得されて一時記憶部に記憶された表示情報に従って、不揮発性表示部に所定の表示をさせ、モード切替部により第2モードから第1モードへ切り替えられたとき、一時記憶部に記憶された表示情報に従って不揮発性表示部に所定の表示をさせる。第3モードは、不揮発性表示部や各記憶手段といった表示装置の主要な制御部へ電力の供給が停止されたモードである。従って、第3モードの場合でも、不揮発性表示部は表示を維持することができる。また、表示装置が第3モードから第1モードへ切り替えられた場合であっても、不揮発性の位置記憶部に記憶される記憶位置に基づいて表示情報が情報記憶部から読み出される。そのため、第3モードのときに、不揮発性表示部に表示されていた画像の続きから、第1モードにおいて表示が開始される。この結果、第3モードは、応答性は悪いが消費電力低減に最も優れたモードとなる。第1モードは応答性に最も優れたモードとなる。第2モードは、消費電力低減と応答性とがある程度満たされるモードとなる。第1モードと第2モードと第3モードとの間でモードが切り替えられることで、表示装置の応答性と消費電力の低減とが同時に満たされる。そのため、表示を書き換える応答性が良くなる。また、第3モードのときであっても、不揮発性表示部に表示されていた画像の続きから表示が開始されるため、操作性が向上する。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、モード切替部は、第2モードへ切り替えられてから所定の第1時間が経過した後に第3モードへ切り替える。この結果、表示装置のモードは、消費電力の最も小さい第3モードに自動で切り替えられるため、消費電力の低減が促進される。
【0018】
一般に、表示装置の主要な制御部に電力が供給されている場合、表示の書き換えなどを含む表示装置の応答性は良い。これに対し、主要な制御部への電力の供給が停止されると応答性は悪くなるが、消費電力の低減には効果的である。表示装置の応答性と消費電力の低減という相反することを同時に満足するために、請求項6記載の発明によれば、電圧制御ステップは、駆動電圧を発生する駆動電圧発生部に駆動電圧を不揮発性表示部へ供給させる、または、その供給を停止させる第1制御を実行する。モード切替ステップは、不揮発性表示部の表示を書き換えるために操作ステップにより指示が行われたとき、電圧制御ステップにより不揮発性表示部へ駆動電圧が供給された状態で表示装置を制御するために不揮発性のプログラム記憶部に記憶された制御プログラムの実行を停止する第2モードから、電圧制御ステップにより不揮発性表示部へ駆動電圧が供給された状態で制御プログラムを実行する第1モードへ切り替え、第1モードにおいて表示情報に従って表示が書き換えられたとき、第1モードから前記第2モードへ切り替える。従って、画像を書き換えるための駆動電圧は、第1モードと第2モードとの両モードにおいて不揮発性表示部に供給される。そのため、表示装置の立ち上がり時間が短くなる。また第2モードでは、制御プログラムの実行は停止される。制御プログラムの実行を停止することで、CPUなどの演算処理手段が消費する電力は大幅に低減される。不揮発性表示部を用いる表示装置では、表示装置の主要な制御部への電力の供給が停止される。上述した表示装置では、CPUなどの演算処理手段で消費される電力の割合が大きいため、特に効果的である。そのため、制御プログラムは実行されないため、消費電力が低減される。この結果、第2モードでは、表示装置の消費電力が低減されるとともに、表示を書き換えるための起動時間が短くなり、表示を書き換える応答性が良くなる。
【0019】
一般に、表示装置の主要な制御部に電力が供給されている場合、表示の書き換えなどを含む表示装置の応答性は良い。これに対し、主要な制御部への電力の供給が停止されると応答性は悪くなるが、消費電力の低減には効果的である。表示装置の応答性と消費電力の低減という相反することを同時に満足するために、請求項7記載の発明によれば、電圧制御ステップは、駆動電圧を発生する駆動電圧発生部に駆動電圧を不揮発性表示部へ供給させる、または、その供給を停止させる第1制御を指令する。モード切替ステップは、不揮発性表示部の表示を書き換えるための操作が操作検出ステップにより検出されたとき、電圧制御ステップにより不揮発性表示部への駆動電圧の供給が指令された状態で表示装置を制御するために不揮発性のプログラム記憶部に記憶された制御プログラムの実行を停止する第2モードから、電圧制御ステップにより不揮発性表示部への駆動電圧の供給が指令された状態で制御プログラムを実行する第1モードへ切り替え、第1モードにおいて表示情報に従って表示が書き換えられたとき、第1モードから第2モードへ切り替える。従って、画像を書き換えるための駆動電圧は、第1モードと第2モードとの両モードにおいて不揮発性表示部に供給される。そのため、表示装置の立ち上がり時間が短くなる。また第2モードでは、制御プログラムの実行は停止される。制御プログラムの実行を停止することで、CPUなどの演算処理手段が消費する電力は大幅に低減される。不揮発性表示部を用いる表示装置では、表示装置の主要な制御部への電力の供給が停止される。上述した表示装置では、CPUなどの演算処理手段で消費される電力の割合が大きいため、特に効果的である。そのため、制御プログラムは実行されないため、消費電力が低減される。この結果、第2モードでは、表示装置の消費電力が低減されるとともに、表示を書き換えるための起動時間が短くなり、表示を書き換える応答性が良くなる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施形態における画像表示装置1の外観図である。
【図2】実施形態における電気泳動表示部4の正面図である。
【図3】図2に示す電気泳動表示部4のA−A’線に従う矢視方向断面図である。
【図4】上記画像表示装置1の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】実施形態におけるCPU10の機能的構成を示す機能概念図である。
【図6】実施形態における電力制御部19の電気的構成を示すブロック図である。
【図7】実施形態におけるメイン動作を示すフローチャートである。
【図8】実施形態におけるページ書換処理を示すフローチャートである。
【図9】実施形態における表示情報記憶領域121に表示情報が記憶される記憶状態を示す概念図である。
【図10】実施形態における表示ファイル情報と表示中ページ情報とがEEPROM14に記憶される記憶状態の一例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[実施形態]
以下、電気泳動表示部を備えた携帯型の表示装置に本発明を適用した実施形態について図面を参照して説明する。
【0022】
<実施形態の外観的構成>
図1は、本発明を適用した実施形態の携帯型の画像表示装置1の外観図である。実施形態の画像表示装置1は、略直方体である。本実施形態の画像表示装置1は、電源スイッチ2と、電気泳動表示部4と、2つの操作キー5と操作キー6とを備えている。電源スイッチ2により画像表示装置1の電源がオン、または、オフされる。操作キー5と操作キー6とが操作されることにより、電気泳動表示部4で表示される画像が書き換えられる。操作キー5の操作により、電気泳動表示部4に現在表示されている画像の1ページ前の画像を表示する。操作キー6の操作により、電気泳動表示部4に現在表示されている画像の1ページ後の画像を表示する。実施形態の操作キー5、6は、本発明の操作部の一例である。実施形態の電気泳動表示部4は、本発明の不揮発性表示部の一例である。
【0023】
図2は、電気泳動表示部4の正面図である。図3は、図2に示す電気泳動表示部4のA−A´線に従う矢視方向断面図である。以下、電気泳動表示部4について図2と図3とを参照して説明する。なお、説明の便宜上、図2と図3とは、電気泳動表示部4により白黒画像が表示され、電気泳動表示部4の画素数が5×4の20個である例を示している。本実施形態では、1画素に対して1画素空間が対応している。実際には、必要に応じた画素数が設けられる。
【0024】
図2に示されるように電気泳動表示部4の表示面には、画像を表示するための画素空間21が備えられている。実施形態では、画素空間21に対して電界を発生させるために、画素空間21と同じ位置には電極が配置されている。画素空間21が配置されている周辺部は、上部電極保護膜61により覆われている。上部電極保護膜61は、ポリイミド,ポリエチレンテレフタレート,ガラス、酸化チタン、酸化ケイ素、ポリスチレンなどの高い透明性を発揮可能な材料により形成される。画素空間21が備えられていない電気泳動表示部4の周縁部は、ユーザが視認できないように隠蔽するためのマスク部40により囲まれている。
【0025】
実施形態の画像表示装置1では、図3に示す矢印の方向をそれぞれ上方向、下方向とする。図3に示すように、電気泳動表示部4は、マスク部40と下部基板50と上部基板60と表示部70と隔壁71とを備えている。下部基板50は、電気泳動表示部4の下面部分に備えられている。上部基板60は、表示部70を挟んで下部基板50に対して上方向に対向配置されている。画像表示装置1のユーザは、図3の上方向から、表示層63を介して表示される画像を閲覧する。
【0026】
隔壁71は、下部基板50と上部基板60との間に配置され、両基板により支持されている。隔壁71は、下部基板50上を格子状に均等に分割して多数の画素空間21を形成するように配置される。
【0027】
表示部70は、各画素空間21に帯電粒子33aと帯電粒子33bと分散媒34とが充填されて構成される。具体的には、多数の画素空間21が下部基板50上で隔壁71により格子状に分割される。帯電粒子33aと帯電粒子33bと分散媒34とが、各画素空間21の中に充填される。帯電粒子33a及び帯電粒子33bの材料としては、分散媒34中において帯電可能な材料が用いられる。帯電粒子33a及び帯電粒子33bの材料として、有機化合物や無機化合物からなる顔料及び染料、もしくは顔料及び染料を合成樹脂で包んだものが用いられる。本実施形態では、帯電粒子33aとして、スチレン樹脂と二酸化チタンとの混合物が材料として用いられる。帯電粒子33aとして、平均粒子径が5μmのものであって、粒子中の二酸化チタンの量が40wt%のものが使用される。帯電粒子33bとして、スチレン樹脂とカーボンブラックとの混合物が用いられる。帯電粒子33bとして、平均粒子径が5μmのものであって、粒子中のカーボンブラックの量が30wt%のものが使用される。そのため、帯電粒子33aは白色の色調であり、帯電粒子33bは黒色の色調である。また、帯電粒子33aと帯電粒子33bとは、それぞれが正あるいは負に相異となるように帯電している。実施形態では、帯電粒子33aが負に、帯電粒子33bが正に帯電している。
【0028】
分散媒34として、高絶縁性で、且つ、粘性の低いアルコール類または、炭化水素、またはシリコーンオイルが用いられる。実施形態では、分散媒34として、パラフィン系溶剤であるエクソンモービル社製Isoparが用いられる。なお、分散媒34には、添加剤としてエタノールが加えられている。各画素空間21を占める帯電粒子33a及び帯電粒子33b及び溶媒は以下の通りである。白色帯電粒子33aは、7wt%である。黒色帯電粒子33bは10wt%である。溶媒1はIsopar:73wt%である。溶媒2はエタノール:10wt%である。
【0029】
下部基板50は、下部電極保護膜51と下部電極52と筐体支持部53とを備える。
【0030】
下部電極保護膜51は、下部電極52の上面側に絶縁材料を塗布して形成された絶縁膜である。下部電極保護膜51は、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン等の樹脂フィルムや酸化ケイ素、酸化チタンなどの無機材料等、高い絶縁性効果のある材料により形成される。本実施形態では、下部電極保護膜51として、酸化ケイ素が用いられる。
【0031】
下部電極52は、画素空間21に対して電圧を印加するために備えられている。下部電極52は、画素空間21それぞれに対して一定の電圧が印加されるために、上部電極62と平行に配置されている。
【0032】
筐体支持部材53は、下部電極52の下面側に備えられる。筐体支持部53は、画像表示装置1そのものを支持する。
【0033】
上部基板60は、上部電極保護膜61と、上部電極62と、表示層63とを備える。また、上部基板60の上面(下部基板50と対向しない面)には、マスク部40が備えられている。
【0034】
上部電極保護膜61は、上部電極62の下面側に絶縁材料を塗布することにより形成された絶縁膜である。上部電極保護膜61は、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート、ガラス、酸化チタン、酸化ケイ素、ポリスチレンなどの透明性の高い材料により形成される。本実施形態では、上部電極保護膜61の材料としては、酸化ケイ素が用いられる。
【0035】
上部電極62は、下部電極52との間に電界を発生させるための電極である。画素空間21それぞれに対して所定の電圧が印加されるために、上部電極62が備えられた共通の電気導電体として配置されている。上部電極62は、透明性の高い材料により形成される。本実施形態では、上部電極62として、酸化インジウムすず(ITO)により形成された透明電極が用いられる。
【0036】
表示層63はガラス、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、トリアセチルセルロースなど透明な部材により形成される。表示層63は上部電極62の上面側に備えられている。表示層63は表示画面として機能する。表示層63としては可撓性を有するガラス基板が用いられる。上部基板60が、上述した透明性の高い材料により形成されることで、ユーザが上部基板60の上方向から表示部70を視認することができる。
【0037】
マスク部40は、画素空間21が存在しない表示部70の周縁部をユーザが視認できないよう隠蔽するために備えられている。マスク部40は、上部基板60の4つの辺に沿って、一定幅で備えられている。マスク部40としては、ユーザが表示部70を視認できるように、図3に示す四角の型の形状の板状部材が用いられる。マスク部40として、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂を着色した部材が用いられる。また、インクなどにより、表示層63の表面に直接マスク部40と同等の効果のあるインク層が形成されても良い。本実施形態では、マスク部40として、ポリエチレンテレフタレートが用いられる。
【0038】
<実施形態の電気的構成>
図4は、実施形態の画像表示装置1の電気的構成を示すブロック図である。図4に示すように、画像表示装置1は、画像表示装置1を制御するCPU10を備えている。CPU10は、振動子101と、メモリーカードインターフェース(I/F)11と、NAND型のフラッシュメモリー13と、EEPROM14と、RAM15と、バッテリー16と、無線通信部17と、表示制御部18と、電力制御部19と、操作キー5、6とにそれぞれ電気的に接続されている。CPU10に接続された多数の周辺機器にクロックを供給するため、CPU10は複数の異なる所定の周波数のクロックを発生する。発生されたクロックは、CPU10に接続された多数の周辺機器にそれぞれ供給される。供給されるクロックの周波数は、各周辺機器の動作に適した周波数である。異なる周辺機器に同じ周波数のクロックが供給される場合もある。メモリーカードI/F11は、メモリーカード12と接続され、メモリーカード12から情報を読み出す。CPU10は、メモリーカード12、フラッシュメモリー13、EEPROM14、RAM15などの記憶手段と共に、実施形態のコンピュータを構成している。本実施形態では、メモリーカード12としてSDカード(登録商標)が使用される。また、本実施形態では、無線通信部17としてBluetooth(登録商標)が使用される。
【0039】
振動子101は、CPU10を介してバッテリー16と接続される。バッテリー16からCPU10に電源が供給されているときは、振動子101にも電源は供給される。CPU10の指令に従って、振動子101は予め定められた基準クロックを発振する。振動子101により発振された基準クロックは、CPU10へ供給される。
【0040】
図5は、実施形態のCPU10が有する各種の機能をブロック化して示した機能概念図である。CPU10は、各種の機能として、第1クロック発生部102と、第2クロック発生部103と、演算処理部104と、クロック変換部105と、タイマー106と、クロック制御部108とを備える。
【0041】
第1クロック発生部102は、振動子101により発振された基準クロックの周波数を逓倍、または、分周して所定の周波数の第1クロックPCKを発生する。第1クロックPCKは、RAM15に読み出されて一時記憶された制御プログラムを実行するためのクロックである。第1クロックPCKは、クロック制御部108へ供給される。また、第1クロックPCKは、第2クロック発生部103へ供給される。本実施形態では、第1クロックPCKの周波数が200MHzである。本実施形態の第1クロック発生部102は、本発明のクロック発生部の一例である。
【0042】
第2クロック発生部103は、第1クロックPCKの周波数を更に分周して第2クロックMCKを発生する。第2クロック発生部103は、供給された第1クロックPCKの周波数を分周する分周器から構成される。そのため、第2クロックMCKは、第1クロックPCKよりも低周波数となる。本実施形態では、公知の分周器を用いて100MHzの第2クロックMCKを発生する。本実施形態の第2クロック発生部は、本発明のクロック発生部の一例である。
【0043】
クロック制御部108は、演算処理部104へ第1クロックPCKの供給、またはその供給を停止する制御を行なう。
【0044】
演算処理部104は、供給される第1クロックPCKに同期して制御プログラムに従う演算処理を実行する。具体的には、第1クロックPCKがクロック制御部108を介して演算処理部104に供給されることで、演算処理部104は、RAM15に一時記憶されている制御プログラムの各制御指令を第1クロックPCKに同期して順次実行する。本実施形態の演算処理部104は、本発明のプログラム制御部の一例である。演算処理部104により実行された制御指令が、スイッチ切替部192またはクロック供給ブロック107へ供給される。制御指令が実行されることで、スイッチ切替部192は、FETスイッチのオン、オフを切り替える。
【0045】
クロック変換部105は、供給された第2クロックMCKの周波数を複数種類の異なる周波数へ変換する。クロック変換部105により周波数が変換されたクロックCCKは、クロック供給ブロック107へ供給される。実施形態では、クロック供給ブロック107は、電気泳動表示部4と表示制御部18とメモリーカードI/F11とフラッシュメモリー13とEEPROM14とRAM15と無線通信部17とから構成される。具体的には、クロック変換部105は、クロック供給ブロック107を構成する各機器の動作に適した周波数に第2クロックMCKの周波数を変換する。変換されたクロックCCKが各機器に供給されることで、各機器に供給されたクロックCCKに基づいて、各機器が動作される。各機器が動作されることで、電力が消費される。クロック変換部105は、周波数を分周する分周器等から構成される。具体的には、クロック変換部105は、第2クロック発生部103と同様に複数の分周器から構成される。本実施形態では、25MHzへ変換されたクロックCCKが、メモリーカードI/F11、フラッシュメモリー13及び表示制御部18にそれぞれ供給される。100MHzへ変換されたクロックCCKが、EEPROM14及びRAM15にそれぞれ供給される。第2クロックMCKが変換されずに変換クロックCCKとして発生されてもよい。4MHzへ変換されたクロックCCKが、無線通信部17に供給される。本実施形態のクロック変換部105は、本発明のクロック発生部の一例である。
【0046】
タイマー106は、振動子101により発振される基準クロックをカウントすることにより、計時動作を行う。基準クロックが、振動子101からタイマー106に供給される。タイマー106により計時された時間に基づいて、電源スイッチ2のオン、オフを制御する指令が供給される。タイマー106により計時された時間に基づいて、第1クロック発生部102へ第1クロックPCKを発生する指令が供給される。タイマー106により計時された時間に基づいて、演算処理部104へ第1クロックPCKの供給、またはその供給を停止する指令が、第1クロック制御部108へ供給される。
【0047】
電源スイッチ2は、ユーザにより操作される。電源スイッチ2により画像表示装置1の電源がオンにされると、バッテリー16はCPU10に電力を供給する。具体的には、電源スイッチ2のオン、またはオフに応じて、スイッチング回路が電源の供給及び停止を行なう。電源スイッチ2により画像表示装置1の電源がオフにされると、スイッチング回路によりバッテリー16からCPU10への電力の供給が停止される。
【0048】
フラッシュメモリー13は、制御プログラム記憶領域131を備える。制御プログラム記憶領域131は、制御プログラムを記憶する。制御プログラムは、画像表示装置1を制御するためのプログラムである。具体的には、制御プログラムは、画像表示装置1のファームウェアである。ファームウェアは、画像表示装置1の中の主にハードウェアを動作させるためのプログラムである。ファームウェアの動作は、画像表示装置1を構成するハードウェア機器の動作チェック、起動等も含む。制御プログラム記憶領域131は、書換処理プログラム記憶領域132を含む。書換処理プログラム記憶領域132は、書換処理プログラムを記憶する。書換処理プログラムは、表示情報に従って、不揮発性表示部4の表示を書き換える。実施形態の制御プログラム記憶領域131は、本発明のプログラム記憶部の一例である。
【0049】
メモリーカードインターフェース11は、携帯型の外部メモリーであるメモリーカード12と接続するためのインターフェースである。本実施形態で用いるSDカード(登録商標)以外のメモリーカードが用いられても良い。メモリーカード12は、表示情報記憶領域121を有する。表示情報記憶領域121は、電気泳動表示部4に画像を表示するための表示情報を記憶する。表示情報は、画素情報と座標情報とから構成される。画素情報は、電気泳動表示部4の各画素空間21ごとに表示(黒)と非表示(白)とを指定するための情報である。座標情報は、表示情報記憶領域121に記憶される表示情報に従ってテキスト、画像、図形等が電気泳動表示部4において表示される位置を示す情報である。表示情報は、複数のページにより構成されるファイルの形式で記憶されている。メモリーカード12の代わりに、HDDなどの外部記憶装置が用いられても良い。本実施形態のメモリーカードインターフェース11は、本発明の情報取得部の一例である。
【0050】
RAM15は、公知のRAMから構成され、情報及び制御指令を高速で書き込み、または読み出すことが可能な揮発性のメモリーである。RAM15は、制御プログラム一時記憶領域151と表示情報一時記憶領域152とを備える。実施形態のRAM15は、本発明の一時記憶部の一例である。本実施例ではSDRAMが、RAM15として用いられる。SDRAMは、クロックに同期して動作するDRAMである。SDRAMは、クロックに同期して、情報の読み出し、または、書き込みを行なう。SDRAMは、情報を保持するためにリフレッシュ動作を必要とする。本実施形態のSDRAMのリフレッシュ動作は、クロックに同期して行われる。尚、SDRAMのリフレッシュ動作は、外部から供給されるクロックに同期せずに、SDRAMの内部構成で予め決められた周期、または予め決められたタイミングによりセルフリフレッシュ動作で行なわれても良い。
【0051】
制御プログラム一時記憶領域151は、制御プログラム記憶領域131に記憶される制御プログラムを一時記憶する。制御プログラム一時記憶領域151は、画像表示装置1を制御するための制御指令及び処理結果を一時記憶する。制御プログラム一時記憶領域151に一時記憶された制御指令は、CPU10により実行される。
【0052】
表示情報一時記憶領域152は、表示情報として表示情報記憶領域121に記憶された画素情報と、座標情報とを一時記憶する。表示情報一時記憶領域152に記憶される表示情報は、操作キー5、6が操作されたときに、電気泳動表示部4により表示される新たな画像に関する表示情報である。
【0053】
EEPROM14は、電力の供給が遮断された場合でも、記憶内容を保持する不揮発性のメモリーである。EEPROM14は、表示ファイル情報記憶領域141と、表示中ページ情報記憶領域142とを有する。本実施形態のEEPROM14は、本発明の位置記憶部の一例である。
【0054】
表示ファイル情報は、操作キー5、6が操作されたときに、電気泳動表示部4により現在表示されている画像に関する表示情報のファイル名を表す情報である。
【0055】
表示中ページ情報は、操作キー5、6が操作された時に電気泳動表示部4により現在表示されている表示情報のページ番号を表す情報である。表示中ページ数情報142は、電気泳動表示部4により現在表示されているファイルのページ番号を表す。
【0056】
無線通信部17は、Bluetoothと情報を送受信するために公知の構成を有するモジュールである。
【0057】
バッテリー16は、CPU10と、電源スイッチ2と、電力制御部19とにそれぞれ接続される。画像表示装置1がUSB接続端子を備えていた場合、バッテリー16は、パーソナルコンピュータと画像表示装置1とがUSBにより接続されたことにより、パーソナルコンピュータの電源から充電される。または、コンセントを介して商用電源などの外部電源と画像表示装置1とが接続されたことにより、バッテリー16は、外部電源から充電される。
【0058】
電力制御部19は、電圧変換部191とスイッチ切替部192とを備える。電圧変換部191は、バッテリー16から供給される電圧を、各種周辺機器を動作させるために適した値の電圧へ変換する。電圧変換部191は、図6に示すように、CPU10と接続される各種周辺機器にそれぞれ接続される。電圧変換部191は、電気泳動表示部4と、操作キー5および操作キー6と、メモリーカードI/F11と、フラッシュメモリー13と、EEPROM14と、RAM15と、無線通信部17と、表示制御部18とにそれぞれ接続される。
【0059】
スイッチ切替部192は、各種周辺機器の少なくとも一部の機器と、電圧変換部191との接続を切り替える。スイッチ切替部192が接続を切り替えることで、各種周辺機器への電圧の供給及び停止が制御される。図6は、電力制御部19及び周辺機器の接続構成を示すブロック図である。図6に示すように、スイッチ切替部192は、FETスイッチ26〜28から構成される。各FETスイッチは、電界効果トランジスタから構成され、ゲート端子に対する電圧の印加または停止により、オンまたはオフの状態に変化する公知のスイッチング素子である。CPU10が、FETスイッチ26〜28をオンまたはオフさせる切替指令を発生する。切替指令に従って、FETスイッチ26〜28は、オンまたはオフにされ、各FETスイッチに接続される各種周辺機器と電圧変換部191との接続、または、遮断を行う。FETスイッチ26〜28がオンされることで、FETスイッチに接続される各種機器に電圧が印加される。本実施形態では、RAM15とフラッシュメモリー13とEEPROM14と操作キー5及び操作キー6とは、電圧変換部191と直接接続される。操作キー5および操作キー6とRAM15とフラッシュメモリー13とEEPROM14とは、上記のようにFETスイッチと接続されない。図4に示すように、CPU10と電力制御部19とは、電力制御部19による電圧の供給及び停止とは独立して、バッテリー16から電力の供給を受けている。そのため、スイッチ切替部192により電圧変換部191と各種周辺機器とが接続されていない場合でも、CPU10と電力制御部19とへ電力が供給される。スイッチ切替部192により電圧変換部191と各種周辺機器とが接続されていない場合でも、CPU10は操作キー5、6の操作を受け付けることができる。操作キー5、6から操作信号が所定の時間供給されなかったとき、CPU10は、電圧変換部191と各種周辺機器とを遮断させる指令を、スイッチ切替部192に送る。また、操作キー5、6から操作信号が供給されたとき、CPU10は、電圧変換部191と各種周辺機器とを接続させる指令を、スイッチ切替部192に送る。実施形態の電力制御部19は、本発明の電力制御部の一例である。
【0060】
表示制御部18は、駆動電圧発生部181と電圧印加制御部182とを備える。駆動電圧発生部181は、下部電極52と上部電極62とへ印加する駆動電圧を発生する。駆動電圧発生部181は、バッテリー16から供給される電圧を昇圧する。そして、駆動電圧発生部181は、昇圧された電圧を電気泳動表示部4の各電極へ印加する電圧として発生する。実施形態の駆動電圧発生部181は、本発明の駆動電圧発生部の一例である。電圧印加制御部182は、下部電極52と上部電極62とに所定の駆動電圧を印加する制御を行なう。具体的には、電圧印加制御部182は、表示情報を構成する画素情報に従って、所定の電圧を印加する上部電極62及び下部電極52を決定する。決定された電極について、電圧印加制御部182は、表示電圧発生部181が発生した駆動電圧を印加するか否かを決定し、印加する電圧の極性を決定する。本実施形態では、共通の駆動電圧(例えば0ボルト)が上部電極62に印加される。「表示(黒)」に書き換えることが可能な大きさの電界が上部電極62と下部電極52との間に発生されるように、正の極性の電圧が下部電極52に印加される。「非表示(白)」に書き換えることが可能な大きさの電界が下部電極52と上部電極62との間に発生されるように、負の極性の電圧が下部電極52に印加される。上部電極62より低い負の極性の電圧が下部電極52に印加されることで、負に帯電した白色の帯電粒子33aが、図3に示す表示層63に向かって上方向に引き付けられる。一方、上部電極62より高い正の極性の電圧が下部電極52に印加されることで、正に帯電した黒色の帯電粒子33bが、図3に示す表示層63に向かって上方向に引き付けられる。黒色の帯電粒子33bが表示層63に引き付けられることで、画像を表示することができる。電気泳動表示部4の上部電極62及び下部電極52への電圧の供給が停止された場合でも、分散媒34の粘度及び鏡像力により帯電粒子33a及び帯電粒子33bの引き付け状態が維持される。帯電粒子33a及び帯電粒子33bが分散媒34中で移動可能な逆方向の電界が発生すれば、帯電粒子33a及び帯電粒子33bは再び移動し、位置が逆転することで画像が書き換えられる。本実施形態の電圧印加制御部182は、本発明の電圧制御部の一例である。本実施形態では、表示制御部18は、変換されたクロックCCKに基づいて新たにクロックを発生させる。新たに発生されたクロックと同期して、電圧印加制御部182は各電極へ所定の電圧を印加する指令を電気泳動表示部4へ供給する。本実施形態の表示制御部18は、本発明の表示制御部の一例である。
【0061】
<実施形態の動作>
以上説明した構成からなる本実施形態の画像表示装置1の動作及び作用について、添付図面を参照して説明する。図7は、画像表示装置1におけるメイン動作の処理手順を示すフローチャートである。メイン動作は、CPU10の種々の回路構成で実行される。具体的には、演算処理部104がメイン動作の種々の指令を発生する。電源スイッチ2によりバッテリー16とCPU10とが接続されることで、電力がCPU10に供給される。バッテリー16とCPU10とが接続されているとき、メイン動作は実行される。制御プログラムは、第1クロックPCKが演算処理部104へ供給されることで実行されるのに対し、メイン動作は、バッテリー16とCPU10とが接続されているときに実行される。メイン動作において、主に制御プログラムは、電力制御とページ書換制御とを行なう。電力制御は、スイッチ切替部192の制御と、第1クロックPCKと第2クロックMCKとの供給または供給の停止の制御とである。主にページ書換制御は、駆動電圧の発生制御と、駆動電圧の印加制御とである。
【0062】
(メイン動作)
最初に、ステップS101で本装置の電源スイッチ2がユーザによりONされたかが判定される。電源スイッチがONにされたと判定されるまで、ステップS101が繰り返えされる。
【0063】
ステップS102では、CPU10が、バッテリー16から供給される電圧に基づいて、各周辺機器の動作電圧を生成させる指令を電力制御部19へ送る。CPU10からの指令に基づいて電圧変換部191は、バッテリー16からの電圧を、各種周辺機器に適した値の電圧に変換する。変換された電圧は、各種周辺機器に供給される。FETスイッチ26〜28がオンされていない場合、電気泳動表示部4とメモリーカードI/F11と無線通信部17と表示制御部18とは、電圧を供給されない。FETスイッチ26〜28がオンされていない場合であっても、RAM15とフラッシュメモリー13とEEPROM14と操作キー5および操作キー6とは電力を供給される。尚ステップS102では、FETスイッチ26〜28は、オフにされている。
【0064】
ステップS103では、CPU10が、フラッシュメモリー13に記憶された制御プログラムを制御プログラム一時記憶領域151に展開して一時記憶させる指令をフラッシュメモリー13とRAM15とへ送る。制御プログラムがRAM15の制御プログラム一時記憶領域151に記憶されることで、演算処理部104は制御プログラムを実行することが可能となる。
【0065】
ステップS104では、CPU10が第1クロックPCKを発生する。このとき、第1クロック制御部108は、発生された第1クロックPCKを演算処理部104へ供給する。また、CPU10は第2クロックMCKを発生する。発生された第2クロックMCKはクロック変換部105により変換され、変換クロックCCKが発生される。変換されたクロックCCKがクロック供給ブロック107へ供給される。具体的には、クロック変換部105は、第2クロックMCKの周波数を各周辺機器に適した複数種類の周波数に変換する。周波数が変換された複数種類のクロックCCKは、メモリーカードI/F11とフラッシュメモリー13とEEPROM14とRAM15と無線通信部17と表示制御部18と電気泳動表示部4とへそれぞれ供給される。変換されたクロックCCKが各周辺機器に供給されることで、クロックCCKに同期して、各周辺機器が動作される。表示制御部18は、クロックCCKに同期して、電気泳動表示部4が表示するための表示情報を受信する。また、表示制御部18は、クロックCCKに同期して、表示情報に基づいて電気泳動表示部4の上部電極62と下部電極52とへ所定の電圧を印加する印加指令を送信する。電気泳動表示部4は、クロックCCKに同期して、表示制御部18が送った印加指令を受け取る。無線通信部17は、クロックCCKに同期して、Bluetoothと情報を送受信する。メモリーカードI/F11は、クロックCCKに同期して、メモリーカード12から情報の読み出し、または、情報の書き込みを行なう。EEPROM14は、クロックCCKに同期して、情報の読み出し、または、書き込みを行なう。フラッシュメモリー13は、クロックCCKに同期して、情報の読み出しを行なう。RAM15は、クロックCCKに同期して、情報の読み出し、または、書き込みを行なうと共に、クロックCCKに同期してリフレッシュ動作を行なう。実施形態のコンピュータとステップS104とは、本発明のモード切替部の一例である。また、実施形態のステップS104は、本発明のモード切替ステップの一例である。
【0066】
ステップS105では、CPU10がステップS103で記憶された制御プログラムを実行する指令を発生する。すなわち、ステップS104で第1クロックPCKが演算処理部104に供給されることで、制御プログラムの各制御指令が、第1クロックPCKに同期してRAM15の制御プログラム一時記憶領域151から読み出され、演算処理部104により逐次実行される。本実施形態のコンピュータとステップS105とは、本発明のプログラム制御部の一例である。実施形態のステップS105は、本発明のプログラム制御ステップの一例である。以降、ステップS106からステップS110は、CPU10が制御プログラムを実行することで動作される。
【0067】
ステップS106では、ステップS105で実行された制御プログラムに基づいてFETスイッチがオンオフ制御される。CPU10は、スイッチ切替部192を構成するFETスイッチ26〜28へ切替指令を送る。切替指令に従ってFETスイッチ26〜28は、FETスイッチと接続される各種周辺機器と、電圧変換部191とを接続する。FETスイッチ26〜28がオンされることで、電気泳動表示部4と、メモリーカードI/F11と、無線通信部17と、表示制御部18とに電圧が印加される。ステップS106では、本発明の第1モードが設定される。
【0068】
ステップS107では、ステップS105で実行された制御プログラムに基づいてCPU10は、駆動電圧発生部181に駆動電圧を発生させる指令を送る。
【0069】
ステップS108では、ステップS105で実行された制御プログラムに基づいてページ書き換え処理が実行される。ステップS108は、ステップS103で記憶された制御プログラムに従って実行される。RAM15に一時記憶される表示情報、または、メモリーカード12に記憶される表示情報に従って、電気泳動表示部4に所定の画像が表示される。すなわち、駆動電圧が印加されるか否か、駆動電圧の極性、及び印加されるべき電極が、表示情報に従って決定される。この決定に従って、ステップS107で発生された駆動電圧が上部電極62及び下部電極52へ印加される。本実施形態のステップS108は、本発明の電圧制御ステップの一例である。
【0070】
ステップS109では、ステップS105で実行された制御プログラムに基づいて、CPU10はタイマー106による時間のカウントをスタートする。
【0071】
ステップS110では、ステップS105で実行された制御プログラムに基づいて、CPU10は、第1クロックPCKの供給を停止すると共に、第2クロックMCKを供給する。具体的には、クロック制御部108が、演算処理部104への第1クロックPCKの供給を停止する。従って、第1クロック発生部102では、第1クロックPCKが発生されるが、第1クロック制御部108により演算処理部104への第1クロックPCKの供給が停止される。また、第1クロックPCKは、第2クロック発生部103へ供給される。実施形態のコンピュータとステップS110とは、本発明のモード切替部の一例である。実施形態のステップS110は、本発明のモード切替ステップの一例である。ステップS110では、第1クロックの供給を停止し、RAM15を含む全ての周辺機器に電力が供給される。第1クロックを停止し、RAM15と電気泳動表示部4とを含む全ての周辺機器に電力を供給するモードが、本発明の第2モードである。
【0072】
ステップS111では、CPU10により操作キー5または操作キー6が操作されたか否かが判定される。操作キー5または操作キー6が操作されたと判定された場合、ステップS104が実行される。操作キー5または操作キー6が操作されたと判定されなかった場合、ステップS112が実行される。実施形態のステップS112は、本発明の操作ステップ及び操作検出ステップの一例である。
【0073】
ステップS112では、CPU10は、タイマー106によりカウントされた時間が15秒以下であるかを判定する。15秒以下であると判定された場合、ステップS113が実行される。15秒以下であると判定されなかった場合、ステップS111が実行される。
【0074】
ステップS113では、FETスイッチがオフされる。つまり、スイッチ切替部192を構成するFETスイッチ26〜28が、各種周辺機器との接続を遮断する。具体的に、ステップS113では、タイマー106が15秒カウントしたことに基づいて、第1クロックPCKを演算処理部104へ供給する指令が、クロック制御部108へ供給される。第1クロックPCKが演算処理部104へ供給されることで、制御プログラムがスイッチ切替部192を構成するFETスイッチ26〜28へ切替指令を送る。切替指令に従ってFETスイッチ26〜28は、電圧変換部191及び各種周辺機器との接続を遮断する。そして、CPU10は、電圧変換部191へ電圧の変換を停止する指令を送る。実施形態のステップS113は、本発明の電力制御ステップの一例である。
【0075】
ステップS114では、ステップS113で一時的に起動された制御プログラムに基づいてCPU10が第1クロック発生部102への第1クロックPCKの発生を停止させる指令を送る。具体的には、第1クロック発生部102が、第1クロックPCKの発生を停止する。従って、クロック変換部105は変換されたクロックCCKをクロック供給ブロック107へ供給しなくなる。実施形態のコンピュータとステップS114とは、本発明のモード切替部の一例である。実施形態のステップS114は、本発明のモード切替ステップの一例である。ステップS114では、第1クロックPCKの供給は停止され、RAM15とフラッシュメモリー13とEEPROM14と操作キー5,6とへ電力が供給されている。第1クロックPCKを停止し、RAM15に電力を供給するモードが、本発明の第2モードである。
【0076】
ステップS115では、操作キー5または操作キー6が操作されたか否かが判定される。操作キー5または操作キー6が操作されたと判定された場合、ステップS104が実行される。操作キー5または操作キー6が操作されたと判定されなかった場合、ステップS116が実行される。本実施形態のステップS115は、本発明の操作ステップ及び操作検出ステップの一例である。
【0077】
ステップS116では、CPU10は、タイマー106によりカウントされた時間が10分以下であるかを判定する。10分以下であると判定された場合、ステップS117が実行される。10分以下であると判定されなかった場合、ステップS115が実行される。
【0078】
ステップS117では、CPU10がタイマー106のカウントを終了する終了指令を発生する。
【0079】
ステップS118では、CPU10がバッテリー16と画像表示装置1との接続を遮断する遮断指令を発生するバッテリー16に送る。遮断指令に基づいて、バッテリー16と画像表示装置1との接続が遮断される。従って、RAM15は電力を供給されないため、情報は記憶されない。ステップS118では、本発明の第3モードが設定される。実施形態のステップS118は、本発明のモード切替部の一例であり、モード切替ステップの一例である。第1クロックPCKの供給が停止され、RAM15を含む全ての周辺機器に電力の供給が停止される。第1クロックPCKを停止し、全ての周辺機器に電力の供給を停止するモードが、本発明の第3モードである。
【0080】
(ページ書換処理動作)
ステップS201では、表示情報一時記憶領域152に表示情報が記憶されているかが判定される。記憶されていた場合、ステップS204が実行される。記憶されていない場合、ステップS202が実行される。
【0081】
ステップS202では、表示情報ファイルが、表示ファイル情報記憶領域141に記憶されているかが判定される。記憶されていた場合、ステップS203が実行される。記憶されていない場合、ステップS206が実行される。表示ファイル情報記憶領域141に表示ファイルが記憶されていない場合、「Null」が記憶されている。
【0082】
ステップS203では、表示情報が表示情報一時記憶領域152へ記憶される。ステップS203で記憶される表示情報は、表示情報記憶領域121の所定の位置に記憶される表示情報である。所定の位置は、EEPROM14に記憶される表示ファイル情報と表示中ページ情報とに基づいて決定される。図9は、表示情報記憶領域121に表示情報が記憶される記憶状態を示す概念図である。表示情報は、ファイルとして表示情報記憶領域121に記憶される。ファイルは、複数のページから構成されても良い。表示情報記憶領域121は、フォルダの階層構造によりファイルを記憶する。図9に示すフォルダ91−aは、3つのフォルダ91−b、91−c、91−dを下位の階層位置に含む。フォルダ91−bは、2つのファイル92−a、92−bを下位の階層位置に含む。図10は、表示ファイル情報と表示中ページ情報とがEEPROM14に記憶される記憶状態の一例を示す。図10に示すように、表示ファイル情報は、「実験¥実験概要¥実験器具」である。また、表示中ページ情報は、「3」である。「実験¥実験概要¥実験器具」は、フォルダ91−aとフォルダ91−bとの下位の階層に位置するファイル92−aを示している。表示中ページ情報の「3」は、「3ページ目」を示している。従って、電気泳動表示部4により現在表示されている表示情報は、表示ファイル情報「実験器具」の「3ページ目」と決定される。決定された表示ファイル情報が示すファイルが、表示情報記憶領域121から読み出されて、表示情報一時記憶領域152に一時記憶される。上述のファイルを構成する複数のページの中で、表示中ページ情報が示すページの少なくとも前後のページに関する表示情報が、表示情報一時記憶領域152に一時記憶されても良い。
【0083】
ステップS204では、表示情報一時記憶領域152に記憶される表示情報に従って、電気泳動表示部4に画像が表示される。具体的には、電圧印加制御部182は、表示情報を構成する画素情報に従って、駆動電圧発生部181が発生した駆動電圧を印加する制御を行なう。駆動印加制御部182は、表示情報を構成する画素情報に従って、所定の電圧を印加する上部電極62及び下部電極52を決定する。決定された電極について、電圧印加制御部182は、駆動電圧発生部181が発生した駆動電圧を印加するか否かを決定し、印加する電圧の極性を決定する。決定された電圧が、上部電極62と下部電極52とへ印加される。例えば、表示ファイル情報「実験器具」の「3ページ目」が表示されている状態で操作キー5が操作された場合、表示ファイル情報「実験器具」の「2ページ目」が表示される。操作キー6が操作された場合、表示ファイル情報「実験器具」の「4ページ目」が表示される。
【0084】
ステップS205では、表示ファイル情報と表示中ページ情報とが、表示ファイル情報記憶領域141と表示中ページ情報記憶領域142とにそれぞれ記憶される。表示ファイル情報と表示中ページ情報とは、ステップS204で表示された画像を表す表示情報のファイル名及びページ数に関するファイル情報とページ情報とである。例えば、ステップS204で操作キー5が操作された場合、ファイル情報「実験¥実験概要¥実験器具」が表示ファイル情報記憶領域141に記憶される。また、ページ情報「2」が表示中ページ情報記憶領域142に記憶される。
【0085】
ステップS206では、操作キー5または操作キー6の指示により表示される表示情報が、表示情報一時記憶領域152へ一時記憶される。電気泳動表示部4に画像として表示される表示情報が、表示情報一時記憶領域152へ一時記憶される。
【0086】
(変形例1)
本実施形態の変形例1について説明する。本実施形態では、携帯型の画像表示装置が記載されている。変形例1では、携帯型の画像表示装置以外であっても良い。例えば、所定の場所に設置可能な画像表示装置であっても良い。その場合、表示装置に備えられたバッテリーではなく、コンセントを介して商用電源などの外部電源から電力が供給されても良い。
【0087】
(変形例2)
本実施形態の変形例2について説明する。本実施形態では、一時記憶部としてRAM15が用いられている。変形例2では、RAM以外の一時記憶部が用いられても良い。情報及び制御指令を高速で書き込み、または読み出すことが可能な揮発性のメモリーが用いられても良い。
【0088】
(変形例3)
本実施形態の変形例3について説明する。本実施形態では、プログラム記憶部としてNAND型のフラッシュメモリー13が用いられている。変形例3では、フラッシュメモリー以外の記憶部が用いられても良い。制御プログラムを記憶可能な不揮発性のメモリーが用いられても良い。
【0089】
(変形例4)
本実施形態の変形例4について説明する。本実施形態では、不揮発性表示部として、電気泳動表示部4が用いられている。変形例4では、駆動電圧が供給されていないときに、表示されている表示情報を維持するメモリー効果を備える表示装置であれば、特に限定されない。電子粉粒体により構成される表示装置であっても良い。コレステリック液晶であっても良い。
【0090】
(変形例5)
本実施形態の変形例5について説明する。本実施形態では、電圧変換部191が、フラッシュメモリー13、EEPROM14、RAM15及び操作キー5、6と直接に接続されている。変形例5では、少なくとも電圧変換部がRAMと直接に接続され、電圧変換部が少なくともフラッシュメモリー、EEPROM、及び操作キー5、6のいずれかとFETスイッチを介して接続されても良い。変形例5において、電圧変換部がFETスイッチを介してフラッシュメモリー13とEEPROM14と操作キー5及び操作キー6と接続される場合、このFETスイッチは、本実施形態のFETスイッチ26〜28と同様な動作処理によりオンオフ制御される。
【0091】
(変形例6)
本実施形態の変形例6について説明する。本実施形態では、第2モードにおいて、動作電圧が、電圧変換部191から、RAM15とフラッシュメモリー13とEEPROM14と操作キー5及び操作キー6とへ供給されている。変形例6において、少なくとも電圧変換部191とRAMとが接続され、動作電圧がRAMへ供給されていても良い。
【0092】
(変形例7)
本実施形態の変形例7について説明する。本実施形態では、第1クロックPCKにより制御プログラムの実行または停止が制御されている。変形例7では、第1クロックPCKによる制御以外に、RAMへの電力の供給または停止により制御プログラムの実行または停止が制御されても良い。
【0093】
(変形例8)
本実施形態の変形例8について説明する。本実施形態では、メモリーカード12から表示情報が取得されている。変形例8では、画像表示装置に内蔵されたHDDから表示情報が取得されても良い。
【0094】
(変形例9)
本実施形態の変形例9について説明する。本実施形態では、RAM15としてSDRAMが用いられている。変形例9では、SDRAM以外のクロックに同期しないDRAM(Dynamic Random Access Memory)が用いられても良い。またDRAMの代わりにSRAMが用いられても良い。SRAMが用いられる場合、SRAM(Static Random Access Memory)に情報を保持するためのリフレッシュ動作が不要となる。SRAMが用いられる場合、クロックに同期せずに情報の読み出し、または書き込み動作が行なわれても良い。
【0095】
(変形例10)
本実施形態の変形例10について説明する。図5に示すように本実施形態では、第2クロック発生部103は、第1クロックPCKを分周することで、第2クロックMCKを発生している。そして、クロック変換部105は、第2クロックMCKを各機器の動作に適した周波数であるクロックCCKへ変換する。変形例10では、分周器を用いず、各機器それぞれに適した周波数がクロック発生部により発生されても良い。具体的には、本実施形態の第1クロック発生部が、各機器それぞれの周波数を発生するために備えられる。
【0096】
(変形例11)
本実施形態の変形例11について説明する。本実施形態では、本実施形態では、第1クロックPCKの周波数が200MHzである。また、第2クロックMCKの周波数が100MHzである。また、メモリーカードI/F11、フラッシュメモリー13、EEPROM14及び表示制御部18にそれぞれ供給されるクロックCCKの周波数は、25MHzである。無線通信部17に供給されるクロックCCKは、4MHである。変形例11では、第1クロックPCKの周波数が、第2クロックMCKより低周波数であっても良い。また、第1クロックPCKの周波数が、クロックCCKの周波数より低周波数であっても良い。この場合、第2クロックMCKは、基準クロックの周波数を分周して生成され、第1クロックPCKは、第2クロックMCKを分周して生成される構成が考えられる。また第1クロックPCKが逓倍されることで第2クロックMCKが生成されても良い。
【0097】
(変形例12)
本実施形態の変形例12について説明する。本実施形態のメイン動作のページ書換処理であるステップS108の次に、ステップS109が実行されている。ステップS109が実行されることで、第1クロック制御部108により演算処理部104への第1クロックPCKの供給が停止される。変形例12では、ステップS108で、電気泳動表示部により書換処理が完了した後に、電気泳動表示部が書換完了指令を発生しても良い。この場合、書換完了指令が発生されたことに基づいて、ステップS109が実行される。
【0098】
(変形例13)
本実施形態の変形例13について説明する。本実施形態のメイン動作のステップS116では、カウント時間が10分以下であるか否かが判定される。カウント時間が10分以下の場合、遮断指令に基づいて、バッテリー16と画像表示装置1との接続が遮断される。変形例13では、ステップS116でカウント時間が10分以下であるかが判定される代わりに、電源ボタン2により画像表示装置1の電源がオフにされたか否かが判定されても良い。電源スイッチ2により画像表示装置1の電源がオフにされると、スイッチング回路によりバッテリー16からCPU10への電力の供給が停止される。
【0099】
(変形例14)
本実施形態の変形例14について説明する。本実施形態では、第2モードとして、第1クロックを停止し、表示制御部18を構成する駆動電圧発生部181と電圧印加制御部182とを含む全ての周辺機器に電力が供給されている。変形例14では、第2モードでは、第1クロックを停止し、少なくとも駆動電圧発生部と電圧印加制御部とに電力が供給されても良い。
【0100】
(変形例15)
本実施形態の変形例15について説明する。本実施形態では、本発明の第2モードとして、駆動電圧発生部181により駆動電圧が発生される。変形例15では、第2モードとして、駆動電圧発生部が、電気泳動表示部4の表示を書き換えるための電圧を発生するための準備電圧を発生しても良い。
【符号の説明】
【0101】
1 画像表示装置
2 電源スイッチ
4 電気泳動表示部
5、6 操作キー
10 CPU
11 メモリーカードインタフェース
12 メモリーカード
13 フラッシュメモリー
14 EEPROM
15 RAM
16 バッテリー
17 無線通信部
18 表示制御部
19 電力制御部
21 画素空間
26〜28 FETスイッチ
33a、33b 帯電粒子
34 分散媒
35 画素空間
40 マスク部
50 下部基板
51 下部電極保護膜
52 下部電極
53 筐体支持部
60 上部基板
61 上部電極保護膜
62 上部電極
63 表示層
70 表示部
71 隔壁
91−a フォルダ
91−b フォルダ
91−c フォルダ
91−d フォルダ
92−a ファイル
92−b ファイル
92−c ファイル
92−d ファイル
101 振動子
102 第1クロック発生部
103 第2クロック発生部
104 演算処理部
105 クロック変換部
106 タイマー
107 クロック供給部
108 クロック制御部
121 表示情報記憶領域
131 制御プログラム情報記憶領域
132 書換処理プログラム情報記憶領域
141 表示ファイル情報
142 表示中ページ情報
151 制御プログラム情報一時記憶領域
152 表示情報一時記憶領域
181 駆動電圧発生部
182 電圧印加制御部
191 電圧変換部
192 スイッチ切替部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示情報に従って駆動電圧が供給された時に表示を書き換え、駆動電圧の供給が停止された時に表示を維持する不揮発性表示部を有する表示装置であって、
前記表示装置の各種動作を指示するために操作可能な操作部と、
前記表示装置を制御する制御プログラムを記憶する不揮発性のプログラム記憶部と、
前記プログラム記憶部に記憶された制御プログラムを実行し、または、その実行を停止する制御を行なうプログラム制御部と、
前記駆動電圧を発生する駆動電圧発生部と、
前記不揮発性表示部に前記駆動電圧を供給する、または、その供給を停止する第1制御を実行する電圧制御部と、
前記不揮発性表示部の表示を書き換えるために前記操作部が操作されたとき、前記電圧制御部が前記第1制御により前記不揮発性表示部へ前記駆動電圧を供給し、且つ、前記プログラム制御部が制御プログラムの実行を停止する第2モードから、前記電圧制御部が前記第1制御により前記不揮発性表示部へ前記駆動電圧を供給し、且つ、前記プログラム制御部が制御プログラムを実行する第1モードへ切り替え、前記第1モードにおいて前記表示情報に従って表示が書き換えられたとき、前記第1モードから前記第2モードへ切り替えるモード切替部と、
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記プログラム記憶部に記憶された制御プログラムを一時記憶する揮発性の一時記憶部と、
前記プログラム制御部が前記一時記憶部に一時記憶された制御プログラムを実行するための第1クロックと、前記電圧制御部が前記第1制御により前記駆動電圧の供給を行なうための第2クロックとを発生するクロック発生部と、
少なくとも前記一時記憶部へ電力を供給し、または、その供給を停止する第2制御を実行する電力制御部と、
を備え、
前記プログラム制御部は、前記第1クロックに基づいて前記制御プログラムを実行し、
前記電圧制御部は、前記第2クロックに基づいて前記駆動電圧の供給を行なう指令を前記不揮発性表示部へ供給し、
前記モード切替部が前記第2モードから前記前記第1モードへ切り替えたとき、前記電力制御部は、少なくとも前記一時記憶部へ電力を供給し、且つ、前記クロック発生部は前記第1クロックと前記第2クロックとを発生し、前記前記モード切替部が前記第1モードから前記第2モードへ切り替えたとき、前記電力制御部は、少なくとも前記一時記憶部へ電力を供給し、且つ、前記クロック発生部は、前記第1クロックを停止して前記第2クロックを発生することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記クロック発生部は、前記第2クロックより高周波数の前記第1クロックを発生することを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記不揮発性表示部に所定の表示をさせる前記表示情報を記憶する不揮発性の情報記憶部から前記表示情報を取得する情報取得部と、
前記プログラム記憶部に記憶された制御プログラムと、前記情報取得部により取得された表示情報とを一時記憶する揮発性の一時記憶部と、
前記操作部が操作されたとき、前記一時記憶部に記憶された表示情報に従って前記不揮発性表示部に所定の表示をさせる表示制御部と、
前記不揮発性表示部に現在表示されている画像に関する表示情報が前記情報記憶部に記憶される記憶位置を記憶する不揮発性の位置記憶部と、
を備え、
前記電力制御部は、少なくとも前記一時記憶部へ電力を供給し、または、その供給を停止する第2制御と、前記不揮発性表示部と前記情報取得部と前記プログラム記憶部と前記一時記憶部と前記表示制御部と前記位置記憶部とへ電力を供給し、または、電力の供給を停止する第3制御とを実行し、
前記モード切替部は、前記電圧制御部が前記第1制御により前記不揮発性表示部へ前記駆動電圧を供給すると共に、前記第2制御により電力を供給し、且つ、前記プログラム制御部が制御プログラムを実行する前記第1モードと、前記電圧制御部が前記第1制御により前記不揮発性表示部への前記駆動電圧を供給すると共に、前記第2制御により電力を供給し、且つ、前記プログラム制御部が制御プログラムの実行を停止する前記第2モードと、前記電力制御部が前記第1制御により前記不揮発性表示部への前記駆動電圧の供給を停止すると共に、前記第3制御により電力の供給を停止し、且つ、前記プログラム制御部が制御プログラムの実行を停止する第3モードとの間で切り替え可能であり、
前記表示制御部は、前記モード切替部により前記第3モードから前記第1モードへ切り替えられたとき、前記情報取得部により前記記憶位置から取得されて前記一時記憶部に記憶された前記表示情報に従って、前記不揮発性表示部に所定の表示をさせ、前記モード切替部により前記第2モードから前記第1モードへ切り替えられたとき、前記一時記憶部に記憶された前記表示情報に従って前記不揮発性表示部に所定の表示をさせることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の表示装置。
【請求項5】
前記モード切替部は、前記第2モードへ切り替えてから所定の第1時間が経過した後に前記第3モードへ切り替えることを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
表示情報に従って駆動電圧が供給された時に表示を書き換え、駆動電圧の供給が停止された時に表示を維持する不揮発性表示部を有する表示装置の各種動作を指示するための操作ステップと、
前記駆動電圧を発生する駆動電圧発生部に前記駆動電圧を前記不揮発性表示部へ供給させる、または、その供給を停止させる第1制御を実行する電圧制御ステップと、
前記不揮発性表示部の表示を書き換えるために操作ステップにより指示が行われたとき、前記電圧制御ステップにより不揮発性表示部へ前記駆動電圧が供給された状態で前記表示装置を制御するために不揮発性のプログラム記憶部に記憶された制御プログラムの実行を停止する第2モードから、前記電圧制御ステップにより不揮発性表示部へ前記駆動電圧が供給された状態で前記制御プログラムを実行する第1モードへ切り替え、前記第1モードにおいて前記表示情報に従って表示が書き換えられたとき、前記第1モードから前記第2モードへ切り替えるモード切替ステップと、
前記モード切替ステップにより切り替えられたモードに従って、前記制御プログラムを実行し、または、その実行を停止するプログラム制御ステップと、
を備えることを特徴とする表示方法。
【請求項7】
表示情報に従って駆動電圧が供給された時に表示を書き換え、駆動電圧の供給が停止された時に表示を維持する不揮発性表示部を有する表示装置の各種動作を指示するために操作されたか否かを検出する操作検出ステップと、
前記駆動電圧を発生する駆動電圧発生部に前記駆動電圧を前記不揮発性表示部へ供給させる、または、その供給を停止させる第1制御を指令する電圧制御ステップと、
前記不揮発性表示部の表示を書き換えるための操作が前記操作検出ステップにより検出されたとき、前記電圧制御ステップにより不揮発性表示部への前記駆動電圧の供給が指令された状態で前記表示装置を制御するために不揮発性のプログラム記憶部に記憶された制御プログラムの実行を停止する第2モードから、前記電圧制御ステップにより不揮発性表示部への前記駆動電圧の供給が指令された状態で前記制御プログラムを実行する第1モードへ切り替え、前記第1モードにおいて前記表示情報に従って表示が書き換えられたとき、前記第1モードから前記第2モードへ切り替えるモード切替ステップと、
前記モード切替ステップにより切り替えられたモードに従って、前記制御プログラムを実行し、または、その実行を停止するプログラム制御ステップと、をコンピュータに実現させるための表示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−186008(P2010−186008A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−29532(P2009−29532)
【出願日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.EEPROM
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】