説明

表示装置およびテレビジョン装置

【課題】スタンド部材およびスピーカを取り付けるための部材の部品点数が増加することを抑制することが可能な表示装置を提供する。
【解決手段】このテレビジョン装置1(表示装置)は、表示パネル22を含む表示装置本体2と、表示装置本体2を支持するスタンド部材3と、表示装置本体2に設けられるスピーカ27(28)と、表示装置本体2に設けられ、スピーカ27(28)を取り付けるスピーカ取付部242(243)とスタンド部材3を取り付けるスタンド取付部241とが一体的に形成されたスピーカ/スタンド取付部材24とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、表示装置およびテレビジョン装置に関し、特に、スタンド部材を備えた表示装置およびテレビジョン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スタンド部材を備えた表示装置およびテレビジョン装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、表示パネルユニット(表示パネル)を含む装置本体部(表示装置本体)と、表示装置本体部を支持するスタンド部(スタンド部材)と、表示装置本体部に設けられるスピーカユニット(スピーカ)と、スタンド部を装置本体部に取り付けるためのステ−と、スピーカユニットを表示装置本体部に取り付けるためのスピーカブラケット部材とを備える表示装置が開示されている。この表示装置では、スタンド部を取り付けるためのステ−は、装置本体部の左右にそれぞれ1つずつ設けられているとともに、スピーカユニットを取り付けるためのスピーカブラケット部材は、装置本体部の左右にそれぞれ1つずつ設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−334244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の表示装置では、スタンド部(スタンド部材)を取り付けるためのステ−およびスピーカユニット(スピーカ)を取り付けるためのスピーカブラケット部材がそれぞれ複数設けられているため、部品点数が増加してしまうという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、スタンド部材およびスピーカを取り付けるための部材の部品点数が増加することを抑制することが可能な表示装置およびテレビジョン装置を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
この発明の第1の局面による表示装置は、表示パネルを含む表示装置本体と、表示装置本体を支持するスタンド部材と、表示装置本体に設けられるスピーカと、表示装置本体に設けられスピーカを取り付けるスピーカ取付部とスタンド部材を取り付けるスタンド取付部とが一体的に形成された取付部材とを備える。
【0008】
この発明の第1の局面による表示装置では、上記のように、表示装置本体に設けられスピーカを取り付けるスピーカ取付部とスタンド部材を取り付けるスタンド取付部とが一体的に形成された取付部材を設けることによって、スタンド部材を取り付けるための部材とスピーカを取り付けるための部材とを単一の取付部材により構成することができるので、スタンド部材およびスピーカを取り付けるための部材の部品点数が増加することを抑制することができる。
【0009】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、スピーカは、第1スピーカと第2スピーカとを含み、取付部材のスピーカ取付部は、第1スピーカを取り付けるための第1スピーカ取付部と第2スピーカを取り付けるための第2スピーカ取付部とを含み、第1スピーカ取付部と第2スピーカ取付部とは、スタンド取付部を挟み込むように配置された状態でスタンド取付部と一体的に形成されている。このように構成すれば、スタンド取付部を単体で形成する場合に比べて、スタンド取付部を挟み込むように配置されている第1スピーカ取付部および第2スピーカ取付部の分だけ、取付部材を長く形成することができるので、取付部材がねじれることを抑制することができる。これにより、取付部材に取り付けられたスタンド部材により表示装置本体を安定して支えることができる。また、スタンド取付部を挟み込むように配置された第1スピーカ取付部周辺および第2スピーカ取付部周辺において取付部材の表示装置本体に対する位置決めをすることができるので、スタンド取付部から遠い位置で位置決めすることができる。これにより、スタンド取付部周辺で位置決めする場合に比べて、スタンド取付部の表示装置本体に対する傾き誤差を容易に小さくすることができる。
【0010】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、取付部材には、スピーカ取付部およびスタンド取付部に加えて、電源コードを取り付けるための電源コード取付部も一体的に設けられている。このように構成すれば、電源コードを取り付けるための部材を別途設ける必要がないので、その分、部品点数を削減することができる。
【0011】
この場合、好ましくは、取付部材には、電源コードを外部に引き出すための電源コード引出用開口部が設けられている。このように構成すれば、電源コードが取り付けられた取付部材の電源コード取付部近傍から電源コードを容易に外部に引き出すことができる。
【0012】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、表示パネルの後面に取り付けられる回路基板をさらに備え、取付部材には、スピーカ取付部およびスタンド取付部に加えて、回路基板とスピーカとを接続するための配線を取り付ける配線取付部も一体的に設けられている。このように構成すれば、回路基板とスピーカとを接続するための配線を取り付けるための部材を別途設ける必要がないので、その分、部品点数を削減することができる。
【0013】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、表示パネルの後面に取り付けられる回路基板と、表示パネルの後面に取り付けられた回路基板を覆うカバー部材とをさらに備え、取付部材は、カバー部材の一部を構成するように配置されている。このように構成すれば、表示パネルの後面に取り付けられた回路基板を覆うカバー部材により、スピーカを覆うことができるので、スピーカを覆う部材を別途設ける必要がない。これによっても、部品点数を削減することができる。また、カバー部材の内部で容易にスピーカと基板とを接続することができる。
【0014】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、取付部材は、表示パネルの後面に配置された金属製部材に固定されている。このように構成すれば、機械的な強度の高い金属製部材に固定された取付部材にスタンド部材を取り付けることができるので、スタンド部材によって表示装置本体をより安定して支持することができる。
【0015】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、取付部材のスピーカ取付部は、スピーカからの音を鉛直下方向に出力する複数の音孔を有する。このように構成すれば、スピーカを鉛直下方向に向けて取り付けることができるので、表示装置の前後方向の厚みを小さくすることができる。
【0016】
上記第1の局面による表示装置において、好ましくは、取付部材は、樹脂成形により、少なくともスピーカ取付部とスタンド取付部とが一体的に形成されている。このように構成すれば、取付部材を金属で形成する場合に比べて、軽量化することができる。また、樹脂により電気的に絶縁されるので、たとえば、メイン電源スイッチなどの絶縁が必要な部品を取付部材に容易に取り付けることができる。
【0017】
この発明の第2の局面によるテレビジョン装置は、テレビジョン放送を受信可能な受信部と、テレビジョン放送を表示可能な表示パネルを含む表示装置本体と、表示装置本体を支持するスタンド部材と、表示装置本体に設けられるスピーカと、表示装置本体に設けられ、スピーカを取り付けるスピーカ取付部とスタンド部材を取り付けるスタンド取付部とが一体的に形成された取付部材とを備える。
【0018】
この発明の第2の局面によるテレビジョン装置では、上記のように、表示装置本体に設けられスピーカを取り付けるスピーカ取付部とスタンド部材を取り付けるスタンド取付部とが一体的に形成された取付部材を設けることによって、スタンド部材を取り付けるための部材とスピーカを取り付けるための部材とを単一の取付部材により構成することができるので、スタンド部材およびスピーカを取り付けるための部材の部品点数が増加することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態によるテレビジョン装置の前方から見た全体斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態によるテレビジョン装置の後方から見た全体斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態によるテレビジョン装置の全体構成を示した分解斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態によるテレビジョン装置の構成を示したブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態によるスピーカ/スタンド取付部材の構成を示した斜視図である。
【図6】本発明の一実施形態によるスピーカ/スタンド取付部材にスピーカおよび電源コードを取り付けた状態の斜視図である。
【図7】本発明の一実施形態によるテレビジョン装置のカバー部材を取り付けた状態の背面図である。
【図8】本発明の一実施形態によるテレビジョン装置のカバー部材を取り外した状態の背面図である。
【図9】本発明の一実施形態によるスタンド部材を表示装置本体に取り付ける前の状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
図1〜図9を参照して、本発明の一実施形態によるテレビジョン装置1の構成について説明する。なお、テレビジョン装置1は、本発明の「表示装置」の一例である。
【0022】
本発明の一実施形態によるテレビジョン装置1は、図1および図2に示すように、表示装置本体2と、スタンド部材3とを備えている。また、図3に示すように、表示装置本体2は、フロントキャビネット21と、表示パネル22と、回路基板23aおよび23bと、スピーカ/スタンド取付部材24と、カバー部材25と、電源コード26(図2参照)と、スピーカ27および28とを含んでいる。なお、スピーカ/スタンド取付部材24は、本発明の「取付部材」の一例である。また、スピーカ27および28は、それぞれ、本発明の「第1スピーカ」および「第2スピーカ」の一例である。
【0023】
フロントキャビネット21は、図1に示すように、前面視において四角形状の枠状形状を有している。また、フロントキャビネット21は、ポリスチレン等の樹脂で形成されている。また、フロントキャビネット21は、前側(Y1方向側)の面が光沢加工されている。また、図3に示すように、フロントキャビネット21の後面には、スピーカ/スタンド取付部材24およびカバー部材25を取り付けるためのネジ穴211が設けられている。
【0024】
表示パネル22は、フロントキャビネット21の後側(Y2方向側)に配置されてフロントキャビネット21に固定されている。また、表示パネル22は、前側(Y1方向側)の画面にテレビジョン放送の映像を表示するように構成さている。また、表示パネル22は、後側(Y2方向側)の面にリアフレーム221を有している。リアフレーム221は、金属(たとえば、SECC(電気亜鉛めっき鋼板)からなる板金製)で形成されている。また、リアフレーム221には、信号処理用の回路基板23aおよび電源生成用の回路基板23bを取り付けるためのネジ穴221aと、スピーカ/スタンド取付部材24を取り付けるためのネジ穴221bと、カバー部材25を取り付けるためのネジ穴221cとが設けられている。なお、リアフレーム221は、本発明の「金属製部材」の一例である。
【0025】
回路基板23aおよび23bは、表示パネル22の後側(Y2方向側)に配置されて表示パネル22のリアフレーム221に固定されている。また、回路基板23aは、映像、音声およびデータを入出力するための端子231と、スピーカ接続部232と、ネジ挿入穴234とを有している。また、回路基板23bは、電源コード接続部233と、ネジ挿入穴234とを有している。また、回路基板23aおよび23bは、ネジ挿入穴234を介してリアフレーム221のネジ穴221aにネジ235および254により取り付けられている。また、回路基板23aおよび23bは、図示しない配線によりそれぞれ表示パネル22に接続されている。また、回路基板23aおよび23bは、図示しない配線により互いに接続されている。また、回路基板23aは、テレビジョン放送を受信可能な受信部(チューナ)4(図3および図4参照)を含んでいる。
【0026】
ここで、本実施形態では、図8に示すように、スピーカ/スタンド取付部材24は、表示パネル22の後側(Y2方向側)に配置されて表示パネル22のリアフレーム221に固定されている。また、スピーカ/スタンド取付部材24は、図5に示すように、スタンド取付部241と、スピーカ取付部242および243とを含んでいる。このスピーカ/スタンド取付部材24には、さらに、電源コード取付部244と、電源コード引出用開口部245と、配線取付部246と、凹状空間247と、ネジ挿入穴248aおよび248bとが設けられている。また、スピーカ/スタンド取付部材24は、ポリスチレン等の樹脂で形成されている。また、スタンド取付部241と、スピーカ取付部242および243と、電源コード取付部244と、電源コード引出用開口部245と、配線取付部246とは、樹脂成形により互いに一体的に形成されている。なお、スピーカ取付部242および243は、それぞれ、本発明の「第1スピーカ取付部」および「第2スピーカ取付部」の一例である。
【0027】
また、図3に示すように、スピーカ/スタンド取付部材24は、表示パネル22に取り付けられた回路基板23aおよび23bの下側(Z2方向側)を覆う立壁状に形成されている。また、スピーカ/スタンド取付部材24は、ネジ挿入穴248aを介してリアフレーム221のネジ穴221bにネジ249により取り付けられている。また、スピーカ/スタンド取付部材24は、ネジ挿入穴248bを介してリアフレーム221のネジ穴221bおよびフロントキャビネット21のネジ穴211にネジ254により取り付けられている。
【0028】
スタンド取付部241は、スピーカ/スタンド取付部材24の下側(Z2方向側)の面の左右方向(X方向)の略中央に配置されている。スタンド取付部241は、図9に示すように、フック係合部241aと、ネジ穴241bおよび241cと、上面241dとを有している。フック係合部241aは、左右方向(X方向)に沿って2つ配置されている。フック係合部241aには、スタンド部材3の後述する凸状のフック部31が係合するような略矩形形状の穴が形成されている。ネジ穴241bは、2つのフック係合部241aを挟み込むように左右方向(X方向)の外側に1つずつ配置されている。ネジ穴241bは、スタンド部材3を取り付けるために使用される。ネジ穴241cは、2つのフック係合部241aの略中央に1つ配置されている。ネジ穴241cは、工場でテレビジョン装置1を組み立てる際に、テレビジョン装置1を支持する支持具(図示せず)を取り付けるために使用される。上面241dは、スタンド取付部241の上側(Z1方向側)面に配置されている。
【0029】
また、本実施形態では、図5に示すように、スピーカ取付部242および243は、スピーカ/スタンド取付部材24の左右方向(X方向)の外側に1つずつ配置されている。つまり、スピーカ取付部242および243は、スタンド取付部241を挟み込むように配置されている。また、スピーカ取付部242(243)は、スピーカ27(28)が鉛直下方向(Z2方向)に音を出力するように取り付けられるように構成されている。また、スピーカ取付部242(243)は、2つのボス部242a(243a)と、複数の音孔242b(243b)とを有している。
【0030】
2つのボス部242a(243a)は、左右方向(X方向)に間隔を隔てて配置されている。また、ボス部242a(243a)は、スピーカ/スタンド取付部材24の前側(Y1方向側)の面から後側(Y2方向側)に突出するように形成されている。また、ボス部242a(243a)は、Y方向から見て十字形状に形成されている。また、ボス部242a(243a)は、スピーカ27(28)の後述する取付穴273(283)に嵌まり込む(図6参照)ように構成されている。複数の音孔242b(243b)は、スピーカ27(28)の音が出力される鉛直下方向(Z2方向)にスピーカ27(28)に対向して配置されている。複数の音孔242b(243b)は、スピーカ/スタンド取付部材24の下側(Z2方向側)の面に上下方向(Z方向)に貫通するように形成されている。また、複数の音孔242b(243b)は、それぞれ左右方向(X方向)(スピーカ27(28)の長手方向)に延びるように形成されている。また、複数の音孔242b(243b)は、全体的な形状としてスピーカ27(28)の形状(楕円形状)に対応する左右方向(X方向)に延びる楕円形状を有している。これにより、複数の音孔242b(243b)をスピーカ27(28)の長手方向(X方向)に延びるように形成することによって、音孔242b(243b)を楕円形状のスピーカ27(28)の短手方向(Y方向)に延びるように形成する場合に比べて、複数の音孔242b(243b)の合計面積を大きくすることができるので、スピーカ27(28)から発せられる音を外部に効率よく出すことが可能である。
【0031】
図6に示すように、電源コード取付部244は、回路基板23bの電源コード接続部233から電源コード引出用開口部245を通じて外部へ電源コード26を導くように設けられている。電源コード取付部244は、スタンド取付部241と、スピーカ/スタンド取付部材24のX2方向側に配置されたスピーカ取付部243との間に配置されている。また、電源コード取付部244は、X方向から見てU字形状に形成されており、電源コード26を上下方向(Z方向)で挟み込んで保持するように構成されている。
【0032】
電源コード引出用開口部245は、表示装置本体2の内部から外部へ電源コード26を引き出すために設けられている。電源コード引出用開口部245は、スタンド取付部241のX2方向側の端の上側(Z1方向側)に配置されている。また、電源コード引出用開口部245は、X方向から見てU字形状に形成された切欠からなり、電源コード26を上下方向(Z方向)で挟み込んで固定するように構成されている。なお、カバー部材25を後側(Y2方向側)から取り付けることにより、電源コード26は、スピーカ/スタンド取付部材24の電源コード引出用開口部245とカバー部材25とにより前後方向(Y方向)にも挟み込まれる。
【0033】
配線取付部246は、スピーカ28の後述する配線282を回路基板23aのスピーカ接続部232へ導くように設けられている。また、配線取付部246は、スピーカ/スタンド取付部材24の左右方向(X方向)の略中央の上側(Z1方向側)に配置されている。また、配線取付部246は、配線282を取り付けて束ねられるようにフック形状に形成されている。
【0034】
凹状空間247は、スタンド取付部241の上側(Z1方向側)に配置されている。また、凹状空間247は、図7に示すように、カバー部材25を取り付けても外部に露出するように配置されている。また、凹状空間247は、図6に示すように、電源コード引出用開口部245から引き出された電源コード26が通ることができるように形成されている。また、凹状空間247の下側(Z2方向側)の面は、後側(Y2方向側)から前側(Y1方向側)に向かうに従い所定の角度上方向(Z1方向)に傾斜するように形成されている。つまり、凹状空間247は、外部に露出している後側(Y2方向側)から前側(Y1方向側)に向かうに従い、上下方向(Z方向)の幅が狭くなっていくように形成されている。これにより、凹状空間247に対向するスタンド取付部241の上面241dが凹状空間247の奥に向かって(Y1方向に向かって)徐々に上側に傾斜した形状になるので、凹状空間247の下側(Z2方向側)に配置されているスタンド取付部241のZ方向の長さを大きくすることができる。これにより、スタンド部材3を取り付けるネジ穴241bの穴の深さを深くすることができる。その結果、スタンド部材3をより安定して固定することが可能である。また、凹状空間247の奥に向かって凹状空間247の上下方向(Z方向)の幅を徐々に狭くすることにより、スピーカ/スタンド取付部材24をシボ加工する際に加工しやすい形状にすることが可能である。
【0035】
カバー部材25は、図2に示すように、表示パネル22の後側(Y2方向側)に配置されて表示パネル22のリアフレーム221およびフロントキャビネット21に固定されている。また、カバー部材25は、図3に示すように、表示パネル22に取り付けられた回路基板23の上側(Z1方向側)、左右(X方向)および後側(Y2方向側)が外部に露出しないように形成されている。つまり、カバー部材25は、スピーカ/スタンド取付部材24とともに、表示パネル22に取り付けられた回路基板23aおよび23bを覆うように構成されている。また、カバー部材25は、図7に示すように、表示パネル22のリアフレーム221の後側(Y2方向側)の一部を覆うように形成されている。また、カバー部材25は、音逃し穴251と、切欠部252と、ネジ挿入穴253とを有している。また、カバー部材25は、ネジ挿入穴253を介してリアフレーム221のネジ穴221a〜221cおよびフロントキャビネット21のネジ穴211にネジ254により取り付けられている。
【0036】
カバー部材25の音逃し穴251は、図3に示すように、スピーカ27および28の後側(Y2方向側)にスピーカ27および28と対向するようにそれぞれ配置されている。また、音逃し穴251は、スピーカ27(28)の形状に対応するように左右方向(X方向)に延びる矩形形状を有している。これにより、スピーカ27および28の後側(Y2方向側)に出力された音を表示装置本体2の内部にこもらせることなく、外部に逃すことが可能である。
【0037】
切欠部252は、図3に示すように、カバー部材25の下側(Z2方向側)の左右方向(X方向)の略中央に配置されている。また、切欠部252は、スピーカ/スタンド取付部材24の凹状空間247に対応する位置に配置されている。
【0038】
電源コード26は、外部からの電力を表示装置本体2に供給可能に構成されている。また、電源コード26は、図6に示すように、回路基板23bの電源コード接続部233に接続されている。また、電源コード26は、スピーカ/スタンド取付部材24の電源コード取付部244に取り付けられている。また、電源コード26は、スピーカ/スタンド取付部材24の電源コード引出用開口部245および凹状空間247を通って外部に引き出されている。
【0039】
スピーカ27および28は、音を出力するように構成されている。また、スピーカ27(28)は、スピーカ/スタンド取付部材24のスピーカ取付部242(243)に鉛直下方向(Z2方向)に音が出力されるように取り付けられている。また、スピーカ27(28)は、スピーカ本体271(281)と、配線272(282)と、取付穴273(283)とを有している。スピーカ27(28)の取付穴273(283)がスピーカ取付部242(243)のボス部242a(243a)に嵌め込まれた状態で、スピーカ本体271(281)は、スピーカ取付部242(243)の音孔242b(243b)が形成さている面に密着して取り付けられるように構成されている。これにより、スピーカ27(28)から発せられる音を表示装置本体2の内部にこもらせることなく外部に効率よく出すことが可能である。
【0040】
配線272(282)は、スピーカ本体271(281)と回路基板23aのスピーカ接続部232とを接続している。スピーカ28の配線282は、スピーカ本体281からスピーカ/スタンド取付部材24の配線取付部246を経由してスピーカ接続部232に接続されている。これにより、スピーカ/スタンド取付部材24の凹状空間247を回避して表示装置本体2の内部で配線282をスピーカ接続部232に容易に接続することが可能である。
【0041】
スタンド部材3は、表示装置本体2を支持するように構成されている。また、スタンド部材3は、図3に示すように、凸状のフック部31と、ネジ挿入穴32とを含んでいる。また、スタンド部材3は、スピーカ/スタンド取付部材24の下側(Z2方向側)に配置され、スピーカ/スタンド取付部材24のスタンド取付部241に取り付けられるように構成されている。凸状のフック部31は、図9に示すように、スタンド取付部241の2つのフック係合部241aに対応する位置に配置されており、フック係合部241aに係合するように形成されている。また、スタンド部材3は、ネジ挿入穴32を介してスタンド取付部241のネジ穴241bにネジ33により取り付けられている。
【0042】
本実施形態では、上記のように、表示装置本体2に設けられスピーカ27(28)を取り付けるスピーカ取付部242(243)とスタンド部材3を取り付けるスタンド取付部241とが一体的に形成されたスピーカ/スタンド取付部材24を設けることによって、スタンド部材3を取り付けるための部材とスピーカ27(28)を取り付けるための部材とを単一のスピーカ/スタンド取付部材24により構成することができるので、スタンド部材3およびスピーカ27(28)を取り付けるための部材の部品点数が増加することを抑制することができる。
【0043】
また、本実施形態では、スピーカ/スタンド取付部材24にスピーカ27を取り付けるためのスピーカ取付部242とスピーカ28を取り付けるためのスピーカ取付部243とを設け、スピーカ取付部242とスピーカ取付部243とを、スタンド取付部241を挟み込むように配置された状態でスタンド取付部241と一体的に形成することによって、スタンド取付部241を単体で形成する場合に比べて、スタンド取付部241を挟み込むように配置されているスピーカ取付部242およびスピーカ取付部243の分だけ、スピーカ/スタンド取付部材24を長く形成することができるので、スピーカ/スタンド取付部材24がねじれることを抑制することができる。これにより、スピーカ/スタンド取付部材24に取り付けられたスタンド部材3により表示装置本体2を安定して支えることができる。また、スタンド取付部241を挟み込むように配置されているスピーカ取付部242周辺およびスピーカ取付部243周辺においてスピーカ/スタンド取付部材24の表示装置本体2に対する位置決めをすることができるので、スタンド取付部241から遠い位置で位置決めすることができる。これにより、スタンド取付部241周辺で位置決めする場合に比べて、スタンド取付部241の表示装置本体2に対する傾き誤差を容易に小さくすることができる。
【0044】
また、本実施形態では、スピーカ/スタンド取付部材24に、電源コード26を取り付けるための電源コード取付部244を一体的に設けることによって、電源コード26を取り付けるための部材を別途設ける必要がないので、その分、部品点数を削減することができる。
【0045】
また、本実施形態では、スピーカ/スタンド取付部材24に、電源コード26を外部に引き出すための電源コード引出用開口部245を設けることによって、電源コード26が取り付けられたスピーカ/スタンド取付部材24の電源コード取付部244近傍から電源コード26を容易に外部に引き出すことができる。
【0046】
また、本実施形態では、表示パネル22の後(Y1方向側)面に取り付けられる回路基板23aを設け、スピーカ/スタンド取付部材24に、回路基板23aとスピーカ28とを接続するための配線282を取り付ける配線取付部246を一体的に設けることによって、回路基板23aとスピーカ28とを接続するための配線を取り付けるための部材を別途設ける必要がないので、その分、部品点数を削減することができる。
【0047】
また、本実施形態では、表示パネル22の後(Y2方向側)面に取り付けられる回路基板23aおよび23bと、表示パネル22の後(Y2方向側)面に取り付けられた回路基板23aおよび23bを覆うカバー部材25とを設け、スピーカ/スタンド取付部材24を、カバー部材25の一部を構成するように配置することによって、表示パネル22の後(Y2方向側)面に取り付けられた回路基板23aおよび23bを覆うカバー部材25により、スピーカ27(28)を覆うことができるので、スピーカ27(28)を覆う部材を別途設ける必要がない。これによっても、部品点数を削減することができる。また、カバー部材25の内部で容易にスピーカ27(28)と回路基板23aとを接続することができる。
【0048】
また、本実施形態では、スピーカ/スタンド取付部材24を、表示パネル22の後(Y2方向側)面に配置された金属製のリアフレーム221に固定することによって、機械的な強度の高い金属製のリアフレーム221に固定されたスピーカ/スタンド取付部材24にスタンド部材3を取り付けることができるので、スタンド部材3によって表示装置本体2をより安定して支持することができる。
【0049】
また、本実施形態では、スピーカ/スタンド取付部材24のスピーカ取付部242(243)に、スピーカ27(28)からの音を鉛直下方向(Z2方向)に出力する複数の音孔242b(243b)を設けることによって、スピーカ27(28)を鉛直下方向(Z2方向)に向けて取り付けることができるので、テレビジョン装置1の前後方向(Y方向)の厚みを小さくすることができる。
【0050】
また、本実施形態では、スピーカ/スタンド取付部材24を、樹脂成形により、スピーカ取付部242(243)とスタンド取付部241とが一体的に形成されるように構成することによって、スピーカ/スタンド取付部材24を金属で形成する場合に比べて、軽量化することができる。また、樹脂により電気的に絶縁されるので、たとえば、メイン電源スイッチなどの絶縁が必要な部品をスピーカ/スタンド取付部材24に容易に取り付けることができる。
【0051】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0052】
たとえば、上記実施形態では、本発明の表示装置の一例としてテレビジョン装置を適用する例を示したが、本発明はこれに限られない。テレビジョン装置以外の表示装置に本発明を適用してもよい。たとえば、PC(パーソナルコンピュータ)のディスプレイ等に本発明を適用してもよい。
【0053】
また、上記実施形態では、表示装置本体に2つのスピーカが設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、表示装置本体に1つまたは3つ以上のスピーカが設けらている構成でもよい。この場合、スピーカ/スタンド取付部材(取付部材)にもスピーカの数に対応した数のスピーカ取付部が一体的に設けられる。
【0054】
また、上記実施形態では、カバー部材が表示パネルのリアフレームを部分的に覆う構造において、本発明のスピーカ/スタンド取付部材(取付部材)を設ける例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、カバー部材に代えて、従来のリアフレームの全体を覆うリアキャビネットを有する構造にも本発明のスピーカ/スタンド取付部材(取付部材)を適用可能である。
【符号の説明】
【0055】
1 テレビジョン装置(表示装置)
2 表示装置本体
3 スタンド部材
4 受信部
22 表示パネル
23a、23b 回路基板
24 スピーカ/スタンド取付部材(取付部材)
25 カバー部材
26 電源コード
27 スピーカ(第1スピーカ)
28 スピーカ(第2スピーカ)
221 リアフレーム(金属製部材)
241 スタンド取付部
242 スピーカ取付部(第1スピーカ取付部)
242b、243b 音孔
243 スピーカ取付部(第2スピーカ取付部)
244 電源コード取付部
245 電源コード引出用開口部
246 配線取付部
282 配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルを含む表示装置本体と、
前記表示装置本体を支持するスタンド部材と、
前記表示装置本体に設けられるスピーカと、
前記表示装置本体に設けられ、前記スピーカを取り付けるスピーカ取付部と前記スタンド部材を取り付けるスタンド取付部とが一体的に形成された取付部材とを備えた、表示装置。
【請求項2】
前記スピーカは、第1スピーカと第2スピーカとを含み、
前記取付部材の前記スピーカ取付部は、前記第1スピーカを取り付けるための第1スピーカ取付部と前記第2スピーカを取り付けるための第2スピーカ取付部とを含み、
前記第1スピーカ取付部と前記第2スピーカ取付部とは、前記スタンド取付部を挟み込むように配置された状態で、前記スタンド取付部と一体的に形成されている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記取付部材には、前記スピーカ取付部および前記スタンド取付部に加えて、電源コードを取り付けるための電源コード取付部も一体的に設けられている、請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記取付部材には、前記電源コードを外部に引き出すための電源コード引出用開口部が設けられている、請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示パネルの後面に取り付けられる回路基板をさらに備え、
前記取付部材には、前記スピーカ取付部および前記スタンド取付部に加えて、前記回路基板と前記スピーカとを接続するための配線を取り付ける配線取付部も一体的に設けられている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示パネルの後面に取り付けられる回路基板と、
前記表示パネルの後面に取り付けられた前記回路基板を覆うカバー部材とをさらに備え、
前記取付部材は、前記カバー部材の一部を構成するように配置されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記取付部材は、前記表示パネルの後面に配置された金属製部材に固定されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記取付部材の前記スピーカ取付部は、前記スピーカからの音を鉛直下方向に出力する複数の音孔を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記取付部材は、樹脂成形により、少なくとも前記スピーカ取付部と前記スタンド取付部とが一体的に形成されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項10】
テレビジョン放送を受信可能な受信部と、
テレビジョン放送を表示可能な表示パネルを含む表示装置本体と、
前記表示装置本体を支持するスタンド部材と、
前記表示装置本体に設けられるスピーカと、
前記表示装置本体に設けられ、前記スピーカを取り付けるスピーカ取付部と前記スタンド部材を取り付けるスタンド取付部とが一体的に形成された取付部材とを備えた、テレビジョン装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate