説明

表示装置および表示プログラム

【課題】画像データに関連付けられた位置情報を、ユーザに対して直感的に把握させることができる表示装置および表示プログラムを提供する。
【解決手段】
互いに異なる位置情報が関連付けられた複数の画像データの各々に対応する複数の画像を表示する表示部10と、各画像に関連付けられた位置情報を、表示部10の表示画面上において他の画像の位置情報との相対的な位置関係を反映した表示位置情報に換算する表示位置換算部134と、表示位置換算部134が換算した前記各画像の前記表示位置情報に基づいて、複数の画像を表示部10に表示させる表示制御部136と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに異なる位置情報が関連付けられた画像データを表示する際に関連付けられた位置情報を用いて画像を表示する表示装置および表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラ等の撮像装置として、予め用意されたテンプレートに対応する画像を表示モニタで表示し、このテンプレートに対応した画像上に文字等の情報を合成して表示させるものが知られている。たとえば、撮影画像に撮影した位置情報を関連付け、この位置情報に従って地図画像上に撮影画像を自動的に合成して表示することができる技術が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−68212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の技術では、画像データに関連付けられた位置情報が、予め位置情報を有する地図画像に合成して表示する場合または画像データを管理する場合にしか用いられていなかった。このため、画像データに関連付けられた位置情報を、ユーザに対して直感的に把握させることが可能な新規な表示技術が求められていた。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、画像データに関連付けられた位置情報から各画像の撮影の位置関係を、迅速かつ簡便にユーザに対して直感的に把握させることができる表示装置および表示プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる表示装置は、互いに異なる位置情報が関連付けられた複数の画像データの各々に対応する複数の画像を表示する表示部と、各画像に関連付けられた前記位置情報を、前記表示部の表示画面上において他の画像の前記位置情報との相対的な位置関係を反映した表示位置情報に換算する表示位置換算部と、前記表示位置換算部が換算した前記各画像の前記表示位置情報に基づいて、前記複数の画像を前記表示部に表示させる表示制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明にかかる表示装置は、上記発明において、前記表示部が表示する前記複数の画像それぞれに関連付けられた前記位置情報を全て含む領域の境界の前記位置情報を有する画像を境界画像として設定する境界画像設定部をさらに備え、前記表示位置換算部は、前記境界画像に関連付けられた前記位置情報に基づいて、前記境界画像以外の前記各画像に関連付けられた前記位置情報を前記表示位置情報に換算することを特徴とする。
【0008】
また、本発明にかかる表示装置は、上記発明において、前記位置情報は、経度および緯度であり、前記境界画像設定部は、前記各画像に関連付けられた前記位置情報に基づいて、前記複数の画像のうち前記経度または前記緯度がそれぞれ最大値である画像と、前記経度または前記緯度がそれぞれ最小値である画像とを前記境界画像として設定することを特徴とする。
【0009】
また、本発明にかかる表示装置は、上記発明において、所定の視野領域を撮像して画像データを生成する撮像部と、当該表示装置の装置位置情報を取得する位置取得部と、前記撮像部が画像データを生成した際に、前記位置取得部が取得する前記装置位置情報を前記位置情報として該画像データに関連付けて記憶する画像データ記憶部と、をさらに備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかる表示装置は、上記発明において、当該表示装置の装置位置情報を取得する位置取得部と、前記表示部が表示する表示画像において所定の位置を指示する指示信号の入力を受け付ける入力部と、前記入力部が前記指示信号の入力を受け付けた際に、前記位置取得部が取得する前記装置位置情報を前記所定の位置に対応付ける対応付け部をさらに備え、前記表示位置換算部は、前記対応付け部が前記所定の位置に対応付けた前記装置位置情報に基づいて、前記各画像に関連付けられた前記位置情報を前記表示位置情報に換算することを特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかる表示装置は、上記発明において、前記対応付け部は、前記表示画像の異なる位置でそれぞれ前記指示信号の入力を受け付けた際に前記位置取得部が取得する前記装置位置情報を対応付けることを特徴とする。
【0012】
また、本発明にかかる表示装置は、上記発明において、前記入力部は、前記表示部の表示画面上に設けられ、外部からの物体の接触位置に応じた信号の入力を受け付けるタッチパネルであり、前記対応付け部は、前記タッチパネルが前記表示画面上の異なる位置でそれぞれ前記指示信号の入力を受け付けた際に前記装置位置情報を対応付けることを特徴とする。
【0013】
また、本発明にかかる表示装置は、上記発明において、当該表示装置の高度を検出する高度検出部と、前記対応付け部が前記異なる位置で対応付けた2つの前記装置位置情報に基づいて、前記異なる位置間の距離を算出する距離算出部と、をさらに備え、前記表示位置換算部は、前記高度と前記距離とに基づいて、前記各画像に関連付けられた前記位置情報を前記表示位置情報に換算することを特徴とする。
【0014】
また、本発明にかかる表示装置は、上記発明において、前記表示画像は、地図画像であり、前記表示画像の基準方位が向いている方向を判定する地図画像判定部と、前記地図画像判定部が判定した前記方向に基づいて、前記表示部の前記表示画面の中心から該表示画面の上方に向かう方向を前記表示部の基準としたとき、該基準に前記基準方位を一致させるまでの回転角度を算出する回転角度算出部と、前記表示位置換算部は、前記回転角度に基づいて、前記表示位置情報を、前記表示画像の前記基準方位を前記基準に仮想的に合わせたときの前記各画像の表示位置を示す回転表示位置情報に変換することを特徴とする。
【0015】
また、本発明にかかる表示装置は、上記発明において、所定の視野領域を撮影して画像データを生成する撮像部と、前記撮像部が画像データを生成した際に、前記位置取得部が取得した前記装置位置情報を前記位置情報として該画像データに関連付けて記憶する画像データ記憶部と、をさらに備えたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明にかかる表示装置は、上記発明において、前記表示制御部は、前記表示位置換算部が前記各画像に関連付けられた前記位置情報を前記表示位置情報に換算する場合において、前記対応付け部が前記表示部によって表示される画像に対応付けた前記位置情報が不足するとき、警告を示す情報を前記表示部に表示させることを特徴とする。
【0017】
また、本発明にかかる表示装置は、上記発明において、前記表示制御部は、前記複数の画像を所定の縮小率でそれぞれ縮小した縮小画像を前記表示部に表示させることを特徴とする。
【0018】
また、本発明にかかる表示装置は、上記発明において、前記表示制御部は、前記複数の画像それぞれの前記表示位置に対応する指標を前記表示部に表示させることを特徴とする。
【0019】
また、本発明にかかる表示プログラムは、互いに異なる位置情報が関連付けられた複数の画像データの各々に対応する複数の画像を表示する表示部を備えた表示装置に、各画像に関連付けられた前記位置情報を、前記表示部の表示画面上において他の画像の前記位置情報との相対的な位置関係を反映した表示位置情報に換算する表示位置換算ステップと、前記表示位置換算ステップが換算した前記表示位置情報に基づいて、前記複数の画像を前記表示部に表示させる表示制御ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、表示位置換算部が各画像に関連付けられた位置情報を、表示部の表示画面上において他の画像の位置情報との相対的な位置関係を反映した表示位置情報に換算し、表示制御部が表示位置換算部によって換算された各画像の表示位置情報に基づいて、複数の画像を表示部に表示させる。この結果、画像データに関連付けられた位置情報から各画像の撮影の位置関係を、迅速かつ簡便にユーザに対して直感的に把握させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置の被写体に面する側の構成を示す図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置のユーザに面する側の構成を示す図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置が行う処理の概要を示すフローチャートである。
【図5】図5は、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置の撮影モードで撮影する際の状況を示す図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置の撮影モードで撮影する際の状況を示す図である。
【図7】図7は、図5に示す状況下で撮像装置が撮影した際に表示部が表示する画像の一例を示す図である。
【図8】図8は、図6に示す状況下で撮像装置が撮影した際に表示部が表示する画像の一例を示す図である。
【図9】図9は、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置の表示部が表示する画像の一例を示す図である。
【図10】図10は、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置の表示位置換算部による換算方法の概要を説明する図である。
【図11】図11は、本発明の実施の形態2にかかる撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図12】図12は、本発明の実施の形態2にかかる撮像装置が行う処理の概要を示すフローチャートである。
【図13】図13は、図12に示すタッチ位置対応付け処理の概要を示すフローチャートである。
【図14】図14は、本発明の実施の形態2にかかる撮像装置においてユーザが異なる位置で表示部によって表示される地図画像に対してタッチする際の状況を模式的に説明する図である。
【図15】図15は、本発明の実施の形態2にかかる撮像装置においてユーザが異なる位置で表示部によって表示される地図画像に対してタッチする際の別の状況を模式的に説明する図である。
【図16】図16は、図14に示す状況下において、ユーザが表示部によって表示される地図画像に対してタッチするタッチ操作を模式的に説明する図である。
【図17】図17は、図15に示す状況下において、ユーザが表示部によって表示される地図画像に対してタッチするタッチ操作を模式的に説明する図である。
【図18】図18は、図12に示す地図画像合成表示処理の概要を示すフローチャートである。
【図19】図19は、本発明の実施の形態2にかかる撮像装置の表示位置換算部による換算方法の概要を説明する図である。
【図20】図20は、本発明の実施の形態2にかかる撮像装置の表示位置換算部による換算方法の概要を補足する図である。
【図21】図21は、本発明の実施の形態2にかかる撮像装置の表示部が表示する画像の一例を示す図である。
【図22】図22は、本発明の実施の形態3にかかる撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図23】図23は、図12に示すタッチ位置対応付け処理の概要を示すフローチャートである。
【図24】図24は、図12に示す地図画像合成表示処理の概要を示すフローチャートである。
【図25】図25は、本発明の実施の形態3にかかる撮像装置の距離算出部による算出方法の概要を説明する図である。
【図26】図26は、本発明の実施の形態3にかかる撮像装置の表示位置換算部による換算方法の概要を説明する図である。
【図27】図27は、本発明の実施の形態4にかかる撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図28】図28は、図12に示す地図画像合成表示処理の概要を示すフローチャートである。
【図29】図29は、本発明の実施の形態4にかかる撮像装置の表示位置換算部による換算方法の概要を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」という)について説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、以下においては表示装置を備えた撮像装置を例に説明する。さらに、図面の記載において、同一の部分には同一の符号を付している。
【0023】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置の被写体に面する側(前面側)の構成を示す図である。図2は、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置のユーザに面する側(背面側)の構成を示す図である。図3は、本発明の実施の形態1にかかる撮像装置の構成を示すブロック図である。
【0024】
図1〜図3に示すように、撮像装置1は、撮像部2と、発光部3と、姿勢検出部4と、タイマー5と、方位検出部6と、高度検出部7と、操作入力部8と、位置取得部9と、表示部10と、タッチパネル11と、記憶部12と、制御部13と、を備える。
【0025】
撮像部2は、所定の視野領域を撮像して画像データを生成する。撮影部2は、レンズ部21と、レンズ駆動部22と、絞り23と、絞り駆動部24と、シャッター25と、シャッター駆動部26と、撮像素子27と、撮像駆動部28と、信号処理部29と、を有する。
【0026】
レンズ部21は、フォーカスおよびズーム可能な複数のレンズ群によって構成され、所定の視野領域から光を集光する。レンズ駆動部22は、ステッピングモータまたはDCモータを用いて構成され、レンズ部21のレンズ群を光軸L1上に沿って移動させることにより、レンズ部21のピント位置や焦点距離等の変更を行う。
【0027】
絞り23は、レンズ部21が集光した光の入射量を制限することにより露出の調整を行う。絞り駆動部24は、ステッピングモータ等によって構成され、絞り23を駆動する。
【0028】
シャッター25は、撮像素子27の状態を露光状態または遮光状態に設定する。シャッター駆動部26は、ステッピングモータ等によって構成され、レリーズ信号に応じてシャッター25を駆動する。
【0029】
撮像素子27は、CCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等によって構成される。撮像素子27は、レンズ部21が集光した光を受光して光電変換を行うことによって、光を電気信号(アナログ信号)に変換する。撮像駆動部28は、撮像素子27を駆動するタイミングパルスを生成し、撮像素子27が光電変換した電気信号を信号処理部29に出力させる。
【0030】
信号処理部29は、アナログアンプやA/D変換器等によって構成される。信号処理部29は、撮像素子27から出力される電気信号に増幅(ゲイン調整)等の信号処理を施した後、A/D変換を行うことによってデジタルの画像データに変換して制御部13に出力する。
【0031】
発光部3は、キセノンランプまたはLED(Light Emitting Diode)等を用いて構成される。発光部3は、撮像装置1が撮像する視野領域へ向けて補助光であるストロボ光を照射する。
【0032】
姿勢検出部4は、加速度センサを用いて構成される。姿勢検出部4は、撮像装置1の加速度を検出することにより、撮像装置1の姿勢状態を検出する。具体的には、姿勢検出部4は、水平面を基準としたときの撮像装置1の姿勢(傾斜角度)を検出する。
【0033】
タイマー5は、計時機能および撮影日時の判定機能を有する。タイマー5は、撮像された画像データに日時データを付加させるため、制御部13に日時データを出力する。
【0034】
方位検出部6は、磁気方位センサによって構成され、撮像装置1で予め設定される基準方位を検出する。具体的には、方位検出部6は、表示部10を水平状態にした際の地磁気の垂直方向と水平方向の成分を検出することにより、撮像装置1の基準方位、たとえば北を検出する。
【0035】
高度検出部7は、半導体圧力センサまたは気圧センサによって構成され、気圧の変化等を検出することにより、撮像装置1の現在位置における高度を検出する。
【0036】
操作入力部8は、撮像装置1の電源状態をオン状態またはオフ状態に切換える電源スイッチ81と、撮影の指示を与えるレリーズ信号の入力を受け付けるレリーズスイッチ82と、撮像装置1に設定された各種撮影モードを切換える撮影モード切換スイッチ83と、撮像装置1の各種設定を切換える操作スイッチ84と、撮像装置1の各種設定を表示部10に表示させるメニュースイッチ85と、撮像装置1の画角を変更する指示信号の入力を受け付けるズームスイッチ86と、を有する。
【0037】
位置取得部9は、地上の物体の位置を測位する測定手段であるGPS(Global Positioning System)を構成する複数のGPS衛星から送信されてくる衛星の軌道情報を受信し、この受信した軌道情報に基づいて、撮像装置1の装置位置情報を取得する。この装置位置情報は、経度、緯度および時刻情報である。
【0038】
表示部10は、液晶または有機EL(Electro Luminescence)等からなる表示パネルを用いて実現される。表示部10は、撮像部2が生成する画像データに対応する画像を表示する。表示部10は、撮像装置1の操作情報および撮影に関する情報を適宜表示する。
【0039】
タッチパネル11は、表示部10の表示画面上に重ねて設けられる(図2を参照)。タッチパネル11は、ユーザが表示部10に表示される情報に基づいて接触(タッチ)した位置を検出し、この接触位置に応じた指示信号の入力を受け付ける。一般に、タッチパネルとしては、抵抗膜方式、静電容量方式、光学式等がある。本実施の形態1では、いずれの方式のタッチパネルであっても適用可能である。なお、本実施の形態1では、タッチパネル11が入力部として機能する。
【0040】
記憶部12は、撮像装置1の内部に固定的に設けられえるフラッシュメモリおよびRAM(Random Access Memory)等の半導体メモリを用いて実現される。記憶部12は、撮像部2が撮像した画像データを記憶する画像データ記憶部121と、撮像装置1が実行する各種プログラムおよび表示プログラムを記憶するプログラム記憶部122と、を有する。なお、記憶部12は、外部から装着されるメモリカード等のコンピュータで読取可能な記憶媒体を含むものであってもよい。
【0041】
制御部13は、CPU(Central Processing Unit)等を用いて構成される。制御部13は、操作入力部8やタッチパネル11からの指示信号や切換信号等に応じて撮像装置1を構成する各部に対応する指示やデータの転送等を行って撮像装置1の動作を統括的に制御する。
【0042】
制御部13の詳細な構成について説明する。制御部13は、画像処理部131と、ヘッダ情報生成部132と、撮影制御部133と、表示位置換算部134と、境界画像設定部135と、表示制御部136と、を有する。
【0043】
画像処理部131は、信号処理部29から入力される画像データに対して各種の画像処理を施す。具体的には、画像処理部131は、画像データに対して、少なくともエッジ強調、ホワイトバランスおよびγ補正を含む画像処理を行う。また、画像処理部131は、JPEG(Joint Photographic Experts Group)圧縮方式等に基づいて画像データの圧縮処理や伸長処理を行う。
【0044】
ヘッダ情報生成部132は、画像データのヘッダ情報を生成する。具体的には、ヘッダ情報生成部132は、レリーズ信号が入力された時点のタイマー5による日時、方位検出部6が検出した方位、高度検出部7が検出した高度および位置取得部9が取得した装置位置を、画像データのヘッダ情報として生成する。
【0045】
撮影制御部133は、レリーズ信号が入力された場合、撮像装置1における撮影動作を開始する制御を行う。ここで、撮像装置1における撮影動作とは、シャッター駆動部26および撮像駆動部28の駆動によって撮像素子27が出力した画像データに対し、信号処理部29および画像処理部131が所定の処理を施す動作をいう。このようにして処理が施された画像データは、制御部13によってヘッダ情報生成部132が生成したヘッダ情報と関連付けられて画像データ記憶部121に記憶される。
【0046】
表示位置換算部134は、画像データ記憶部121に記憶された各画像に関連付けられたヘッダ情報の位置情報を、表示部10の表示画面上において他の画像に関連付けられたヘッダ情報の位置情報との相対的な位置関係を反映した表示位置情報に換算する。
【0047】
境界画像設定部135は、複数の画像それぞれに関連付けられた位置情報を全て含む領域の境界の位置情報を有する画像を境界画像として設定する。具体的には、境界画像設定部135は、複数の画像データそれぞれのヘッダ情報に基づいて、複数の画像のうち経度または緯度がそれぞれ最大値である画像と、経度または緯度がそれぞれ最小値である画像とを境界画像に設定する。
【0048】
表示制御部136は、表示部10の表示態様を制御する。具体的には、表示制御部136は、表示位置換算部134が換算した各画像の表示位置情報に基づいて、画像データ記憶部121が記憶する複数の画像データの各々に対応する複数の画像を表示部10に表示させる。また、表示制御部136は、境界画像設定部135が設定した2つの境界画像それぞれを表示部10の表示画面における異なる端部の隅に表示させる。さらに、表示制御部136は、複数の画像それぞれを縮小した縮小画像(サムネイル画像)で表示部10に表示させる。
【0049】
以上の構成を有する撮像装置1が行う処理について説明する。図4は、撮像装置1が行う処理の概要を示すフローチャートである。
【0050】
図4において、撮像装置1が撮影モードに設定されている場合について説明する(ステップS101:Yes)。この場合、表示制御部136は、撮像部2が微小な時間間隔で連続的に生成した画像データに対応するライブビュー画像を表示部10に表示させる(ステップS102)。
【0051】
図5および図6は、ユーザが撮像装置1の撮影モードで撮影する際の状況を示す図である。図7および図8は、図5および図6それぞれに示す状況下で撮像装置1が撮影した際に表示部10が表示する画像の一例を示す図である。図7および図8それぞれにおいて、表示部10が時系列に沿って順次表示するライブビュー画像のうち代表的な一枚の画像W1,W2を示す。図5〜図8に示すように、ユーザは、たとえば図7の画像W1のようなライブビュー画像を見ながら被写体(地図案内板O)を撮影する際の構図を決定する。
【0052】
ステップS103において、レリーズスイッチ82が操作されることにより、レリーズ信号が入力された場合(ステップS103:Yes)、撮像装置1は、撮影制御部133の制御のもと、画像データを取得する(ステップS104)。
【0053】
続いて、ヘッダ情報生成部132は、画像データに付加するヘッダ情報を生成する(ステップS105)。その後、撮影制御部133は、画像データにヘッダ情報を関連付けて画像データ記憶部121に記憶させ(ステップS106)、撮像装置1はステップS101へ戻る。
【0054】
ステップS103において、レリーズスイッチ82を介してレリーズ信号が入力されていない場合(ステップS103:No)、撮像装置1はステップS101へ戻る。
【0055】
つぎに、ステップS101において、撮像装置1が撮影モードに設定されていない場合(ステップS101:No)について説明する。この場合において、撮像装置1が再生モードに設定されているとき(ステップS107:Yes)、表示制御部136は、画像データ記憶部121が記憶する画像データに対応する画像を縮小した縮小画像(サムネイル画像)の一覧を表示部10に表示させる(ステップS108)。
【0056】
続いて、操作入力部8またはタッチパネル11を介して拡大して表示する縮小画像が選択された場合(ステップS109:Yes)、表示制御部136は、選択された縮小画像を所定時間(たとえば3秒間)だけ表示部10に全画面に拡大して表示させ(ステップS110)、撮像装置1はステップS101へ移行する。
【0057】
これに対して、操作入力部8またはタッチパネル11を介して拡大して表示する縮小画像が選択されていない場合(ステップS109:No)、制御部13は、操作入力部8またはタッチパネル11を介して画像データのヘッダ情報に基づいて表示部10の表示画面上において各画像の表示位置の関係を相対的に表示させる位置分類表示モードが選択されたか否かを判断する(ステップS111)。たとえば、制御部13は、表示部10によって表示されている表示画面内で位置分類表示モードに関するアイコン(図示せず)に対して、ユーザがタッチパネル11を介して選択することにより、タッチパネル11から入力される指示信号に応じて位置分類表示モードのアイコンが選択されたか否かを判断する。位置分類表示モードが選択された場合(ステップS111:Yes)、撮像装置1は後述するステップS112へ移行する。一方、所定時間(たとえば3秒以内)に位置分類表示モードが選択されない場合(ステップS111:No)、撮像装置1はステップS101へ戻る。
【0058】
ステップS112において、制御部13は、表示部10によって表示されている縮小画像の一覧において位置分類表示を行う画像が所定枚数選択されたか否かを判断する。具体的には、制御部13は、タッチパネル11から入力される指示信号に応じて、ユーザによって位置分類表示を行う画像が所定枚数(たとえば所定枚数は2以上の数)選択されたか否かを判断する。表示部10が表示している縮小画像の一覧から画像が所定枚数選択された場合(ステップS112:Yes)、撮像装置1は後述するステップS113へ移行する。一方、所定時間内(たとえば5秒以内)に画像が所定枚数選択されていない場合(ステップS112:No)、撮像装置1はステップS101へ戻る。
【0059】
ステップS113において、境界画像設定部135は、選択された各画像データのヘッダ情報に基づいて、選択された複数の画像のうち経度および緯度がそれぞれ最大値である画像と、経度および緯度がそれぞれ最小値である画像とを検出する。なお、境界画像設定部135は、選択された複数の画像のうち経度または緯度のどちらか一方が最大値である画像と、経度または緯度のどちらか一方が最小値である画像を検出してもよい。
【0060】
続いて、境界画像設定部135は、経度および緯度がそれぞれ最小値である画像と経度および緯度がそれぞれ最大値である画像とを、複数の画像データそれぞれのヘッダ情報を全て含む領域の境界の位置情報を有する境界画像として設定する(ステップS114)。たとえば、図9に示すように、境界画像設定部135は、経度および緯度がそれぞれ最小値である画像W1の表示位置を表示部10の表示画面上の左下の隅に設定する一方、経度および緯度がそれぞれ最大値である画像W2の表示位置を表示部10の表示画面上における右上の隅に設定する。
【0061】
その後、表示位置換算部134は、境界画像設定部135が設定した2つの境界画像に関連付けられたヘッダ情報に基づいて、選択された複数の画像データそれぞれのヘッダ情報の位置情報を、表示部10の表示画面上における相対的な表示位置の関係を示す表示情報に換算する(ステップS115)。
【0062】
図10は、表示位置換算部134による換算方法の概要を説明する図である。図10においては、表示部10の表示画面における左下を原点とし、表示部10の横方向をX軸とし、縦方向をY軸とする座標系として考える。また、図10においては、横軸が経度に対応し、縦軸が緯度に対応する。
【0063】
図10に示すように、表示位置換算部134は、経度(K)および緯度(I)がそれぞれ最小値(Kmin,Imin)になる境界画像W1の座標Pを原点(0,0)、経度および緯度がそれぞれ最大値(Kmax,Imax)になる境界画像W2の座標Pを(X10,Y10)、位置情報として経度Kおよび緯度Iを有する画像W3の座標Pを(X,Y)としたとき、以下の式によって画像W3の位置情報が表示位置情報に換算される。
10:X=(Kmax−Kmin):(K−Kmin) ・・・(1)
したがって、
=X10×(K−Kmin)/(Kmax−Kmin) ・・・(2)
になる。同様に、
=Y10×(I−Imin)/(Imax−Imin) ・・・(3)
になる。
【0064】
このように、表示位置換算部134は、式(2)および式(3)を用いて、選択された複数の画像データそれぞれのヘッダ情報の位置情報を表示部10の表示画面上において他の画像の位置情報との相対的な位置関係を反映した表示位置情報に換算する。
【0065】
続いて、表示制御部136は、表示位置換算部134によって換算された表示位置情報に基づいて、選択された複数の画像それぞれを表示部10に表示させる(ステップS116)。たとえば、図10に示すように、表示制御部136は、選択された複数の画像それぞれを他の画像と相対的な位置関係になるように表示部10に表示させる。これにより、ユーザは、各画像を撮影した時点の撮影位置を直感的に把握することができる。なお、図10においては、説明を簡略化するため、表示部10の表示画面上において他の画像と相対的な位置関係で表示する画像が一枚である場合の表示であったが、複数ある場合も同様に表示される。
【0066】
その後、位置分類表示モードの終了操作が行われた場合(ステップS117:Yes)、撮像装置1はステップS101へ戻る。一方、位置分類表示モードの終了操作が行われない場合(ステップS117:No)、撮像装置1はこの判断を続ける。
【0067】
つぎに、撮像装置1が撮影モードおよび再生モードに設定されていない場合(ステップS101:No,ステップS107:No)について説明する。この場合、電源スイッチ81が操作されることにより、撮像装置1の電源がオフされたとき(ステップS118:Yes)、撮像装置1は一連の処理を終了する。一方、撮像装置1の電源がオフされていないとき(ステップS118:No)、撮像装置1はステップS101へ戻る。
【0068】
以上説明した本発明の実施の形態1によれば、表示位置換算部134が各画像に関連付けられた位置情報を、表示部10の表示画面上において他の画像の位置情報との相対的な位置関係を反映した表示位置情報に換算し、表示制御部136が表示位置換算部134によって換算された各画像の表示位置情報に基づいて、複数の画像を表示部10に表示させる。これにより、ユーザは、各画像をまとめて表示部10に表示させる場合、今までに撮影した画像の撮影場所から各画像の撮影の位置関係を、迅速かつ簡便に、直感的に把握することができる。
【0069】
さらに、本発明の実施の形態1によれば、専用の地図情報を記録しておく必要もなく、専用の地図情報を検索して読み出し、縮尺を調整する必要もないうえ、迅速、簡便に撮影画像の相互の位置関係を直感的に表示することが出来る。
【0070】
なお、上述した本発明の実施の形態1では、スキー場のどの位置で撮影したかがわかり易く表示できる例で説明したが、たとえば、東京を周遊しながら撮影した場合など、山の手または下町であるか否かの分類表示が可能となる。この結果、ユーザは、どこで撮影したかをすぐに確認でき、撮影の途中であっても表示部10が表示する画像の分類を見ながら、まだ、撮影していないエリア(場所)などを確認することが出来る。
【0071】
(実施の形態2)
つぎに、本発明の実施の形態2について説明する。なお、本発明の実施の形態2にかかる撮像装置は、上述した実施の形態1にかかる撮像装置と同様の構成を有し、制御部の構成および撮像装置による動作の処理が異なる。このため、以下においては、上述した実施の形態1と異なる構成を説明後、本発明の実施の形態2にかかる撮像装置の動作の処理を説明する。また、本発明の実施の形態2では、地図を有効活用しながら、ありきたりになりがちな地図上の画像表示に、オリジナリティを持たせることも狙っている。
【0072】
図11は、本発明の実施の形態2にかかる撮像装置200の構成を示すブロック図である。図11に示すように、撮像装置200は、制御部210を備える。
【0073】
制御部210は、画像処理部131と、ヘッダ情報生成部132と、撮影制御部133と、対応付け部211と、地図画像判定部212と、表示位置換算部213と、表示制御部214と、を有する。
【0074】
対応付け部211は、タッチパネル11から指示信号が入力された場合、位置取得部9が取得する装置位置情報を、表示部10が表示する表示画像内においてタッチパネル11から入力された指示信号に応じた位置に対応付ける。また、対応付け部211は、表示部10が表示する表示画像内において異なる位置それぞれに位置取得部9が異なる時間に取得した装置位置情報を対応付ける。この装置位置情報は、画像データに関連付けられたヘッダ情報の位置情報(経度および緯度)として記載される。
【0075】
地図画像判定部212は、撮像部2が生成した画像データに対応する画像が地図画像であるか否かを判定する。たとえば、地図画像判定部212は、OCR(Optical Character Reader)またはパターンマッチング等の周知技術を用いて、撮像部2が生成した画像データに対応する画像内で地図記号、方位記号、文字または縮尺記号等を検出し、この検出結果に応じて地図画像であるか否かを判定する。地図画像判定部212は、表示部10が地図画像を表示した際に、この地図画像の基準方位が向いている方向を判定する。たとえば、地図画像判定部212は、地図画像の方位記号をパターンマッチングで検出し、検出した方位記号の北が地図画像上で向いている方向を判定する。
【0076】
表示位置換算部213は、対応付け部211が表示部10によって表示されている表示画像上において異なる位置それぞれに対応付けた装置位置情報に基づいて、複数の画像データそれぞれのヘッダ情報の位置情報を、表示部10の表示画面上において他の画像の位置情報との相対的な位置関係を反映した表示位置情報に換算する。
【0077】
表示制御部214は、表示位置換算部213が換算した各画像の表示位置情報に基づいて、画像データ記憶部121が記憶する複数の画像データそれぞれに対応する複数の画像を表示させる。
【0078】
以上の構成を有する撮像装置200が行う処理について説明する。図12は、撮像装置200が行う処理の概要を示すフローチャートである。
【0079】
図12において、撮像装置1が撮影モードに設定されている場合について説明する(ステップS201:Yes)。この場合、表示制御部214は、撮像部2が微小な時間間隔で連続的に生成した画像データに対応するライブビュー画像を表示部10に表示させる(ステップS202)。
【0080】
続いて、レリーズスイッチ82が操作されることにより、レリーズ信号が入力された場合(ステップS203:Yes)、撮像装置1は、撮影制御部133の制御のもと、画像データを取得し(ステップS204)、ステップS205へ移行する。これに対して、レリーズスイッチ82を介してレリーズ信号が入力されていない場合(ステップS203:No)、撮像装置1はステップS201へ戻る。
【0081】
ステップS205において、地図画像判定部212は、取得した画像データに対応する画像が地図画像であるか否かを判定する。取得した画像データに対応する画像が地図画像である場合(ステップS205:Yes)、撮像装置1は、地図画像であることを示す情報をヘッダ情報生成部132によって生成されたヘッダ情報に記載し、このヘッダ情報を、取得した画像データに関連付けて画像データ記憶部121に記憶し(ステップS206)、ステップS201へ戻る。
【0082】
これに対して、取得した画像データに対応する画像が地図画像でない場合(ステップS205:No)、撮像装置1は、取得した画像データに、ヘッダ情報生成部132が生成したヘッダ情報を関連付けて画像データ記憶部121に記憶し(ステップS207)、ステップS201へ戻る。
【0083】
つぎに、ステップS201において、撮像装置200が撮影モードに設定されていない場合(ステップS201:No)について説明する。この場合において、撮像装置200が地図設定モードに設定されているとき(ステップS208:Yes)、表示制御部214は、画像データ記憶部121が記憶する画像データのヘッダ情報を参照して、地図画像を表示部10に表示させる(ステップS209)。
【0084】
続いて、制御部210は、タッチパネル11を介して表示部10によって表示された地図画像がタッチされたか否かを判定する(ステップS210)。具体的には、制御部210は、タッチパネル11から外部の接触位置に応じた指示信号が入力されたか否かを判断する。表示部10によって表示された地図画像がタッチされた場合(ステップS210:Yes)、撮像装置200は、タッチされた位置に位置取得部9が取得する位置情報を対応付けるタッチ位置対応付け処理を実行し(ステップS211)、ステップS201へ戻る。なお、タッチ位置対応付け処理の詳細は後述する。
【0085】
これに対して、所定時間(たとえば3秒以内)に表示部10によって表示された地図画像がタッチされていない場合(ステップS210:No)、撮像装置200はステップS201へ戻る。
【0086】
つぎに、撮像装置200が撮影モードおよび地図設定モードに設定されておらず(ステップS201:No,ステップS208:No)、再生モードに設定されている場合(ステップS212:Yes)について説明する。この場合、表示制御部214は、画像データ記憶部121が記憶する画像データに対応する画像を縮小した縮小画像の一覧を表示部10に表示させる(ステップS213)。
【0087】
続いて、操作入力部8またはタッチパネル11を介して拡大して表示する縮小画像が選択され(ステップS214:Yes)、選択された画像が地図画像である場合(ステップS215:Yes)、撮像装置1は、画像データ記憶部121が記憶する複数の画像データそれぞれのヘッダ情報の位置情報に基づいて、表示部10の表示画面上において各画像の相対的な表示位置の関係で表示されるように各画像を地図画像に合成して表示する地図画像合成表示処理を実行し(ステップS216)、ステップS201へ戻る。なお、地図画像合成表示処理の詳細は後述する。
【0088】
これに対して、選択された画像が地図画像でない場合(ステップS215:No)、表示制御部214は、選択された縮小画像を所定時間(たとえば3秒間)だけ表示部10全体に拡大して全画面表示させ(ステップS217)、撮像装置200はステップS201へ戻る。
【0089】
ステップS214において、所定時間内(3秒以内)に操作入力部8またはタッチパネル11を介して拡大して表示する縮小画像が選択されていない場合(ステップS214:No)について説明する。この場合、撮像装置200はステップS201へ戻る。
【0090】
つぎに、撮像装置200が撮影モード、地図設定モードおよび再生モードに設定されていない場合(ステップS201:No,ステップS208:No,ステップS212:No)について説明する。この場合、電源スイッチ81が操作されることにより、撮像装置200の電源がオフされたとき(ステップS218:Yes)、撮像装置200は一連の処理を終了する。一方、撮像装置200の電源が電源オフされていないとき(ステップS218:No)、撮像装置200はステップS201へ戻る。
【0091】
つぎに、図12に示したステップS211のタッチ位置対応付け処理について説明する。図13は、図12に示すタッチ位置対応付け処理の概要を示すフローチャートである。
【0092】
図13に示すように、対応付け部211は、タッチパネル11から入力される指示信号に応じて、表示部10によって表示された地図画像に対してユーザがタッチしたタッチ位置(タッチ領域)を検出する(ステップS301)。
【0093】
続いて、位置取得部9は、撮像装置1の装置位置情報を取得する(ステップS302)。その後、対応付け部211は、検出したタッチ位置に、位置取得部9が取得した装置位置情報を対応付けて画像データ記憶部121に記憶させ(ステップS303)、撮像装置200は図12に示すメインルーチンへ戻る。
【0094】
図14および図15は、ユーザが異なる位置で表示部10によって表示される地図画像に対してタッチする際の状況を模式的に説明する図である。図16および図17は、図14および図15それぞれに示す状況下において、ユーザが表示部10によって表示される地図画像に対してタッチするタッチ操作を模式的に説明する図である。
【0095】
図14〜図17に示すように、ユーザは、タッチパネル11を介して表示部10が表示する地図画像W10において現在の位置に相当する位置をタッチする。たとえば、図14に示す場合、ユーザがリフト乗り場でリフトに乗った直後に、図16に示す画像W10のリフト乗り場の出発地点に対応する点P11をタッチする。また、図15に示す場合、ユーザがBコースを滑走した後に、図17に示す画像W10のBコース終了地点に対応する点P12をタッチする。この際、対応付け部211は、タッチパネル11から入力される指示信号に応じて、ユーザがタッチしたタッチ位置(点P11,点P12)を検出し、検出したタッチ位置に位置取得部9が取得した装置位置情報を対応付けて画像データ記憶部121に記憶させる。
【0096】
このように、対応付け部211は、ユーザによってタッチパネル11の異なる位置がタッチ(図16および図17を参照)されることにより、位置情報(経度および緯度)を有する地図画像W10を生成することができる。なお、対応付け部211は、地図画像W10に対して、少なくとも2箇所タッチされていればよい。
【0097】
つぎに、図12に示したステップS216の地図画像合成表示処理について説明する。図18は、図12に示す地図画像合成表示処理の概要を示すフローチャートである。
【0098】
図18に示すように、制御部210は、表示部10が表示している地図画像に対してユーザが異なる位置でタッチを2回以上行ったか否かを判断する(ステップS401)。具体的には、制御部210は、表示部10が表示している地図画像W10に関連付けられたヘッダ情報に、対応付け部211が地図画像W10上の異なる位置に対して異なる時間に取得された装置位置情報が位置情報として記載されているか否かを判断する。ユーザが異なる位置でタッチを2回以上行っている場合(ステップS401:Yes)、撮像装置200は後述するステップS402へ移行する。一方、ユーザが異なる位置でタッチを2回以上行っていない場合(ステップS401:No)、撮像装置200は後述するステップS404へ移行する。
【0099】
ステップS402において、表示位置換算部213は、対応付け部211が地図画像W10上の異なる位置に対応付けた異なる時間に取得された位置情報に基づいて、複数の画像データそれぞれのヘッダ情報の位置情報を表示部10の表示画面上において各画像の相対的な表示位置の関係を示す表示位置情報に換算する。
【0100】
図19は、表示位置換算部213による換算方法の概要を説明する図である。図20は、表示位置換算部213による換算方法の概要の説明を補足する図である。なお、図19においては、地図画像W10の上部が北を指している場合を説明する。また、図19の説明を単純化するため、位置取得部9が取得した位置情報を東半球および北半球に含まれる地域で取得したものとする。このため、東経および北緯の数字の大小関係は、表示部10の表示画面上における左下の隅の位置Pを原点(0,0)とし、地図画像W10の横方向をX軸とし、縦方向をY軸とする座標系でみた場合において、右上の隅の位置P14をX軸およびY軸の最大値(X10,Y10)としたとき、経度および緯度がそれぞれ上述した座標系での数字の大小関係が一致する(図20を参照)。
【0101】
図19に示すように、表示位置換算部213は、表示部10の表示画面上を上述した座標系でみた場合において、タッチ位置P11(X11,Y11)の経度および緯度が(K11,I11)、タッチ位置P12(X12,Y12)の経度および緯度が(K12,I12)、合成する画像W2(図8を参照)の経度および緯度が(K1313)、表示部10の表示画面上における合成する画像W2の表示位置を点P(X13,Y13)としたとき、以下の近似式によって画像W2の位置情報が表示位置情報に換算される。
(X13−X11):(X12−X11)=(K13−K11):(K12−K11
・・・(4)
したがって、
13=X11+(K13−K11)×(X12−X11)/(K12−K11
・・・(5)
になる。同様に、
13=Y11+(I13−I11)×(Y12−Y11)/(I12−I11
・・・(6)
になる。
【0102】
このように、表示位置換算部213は、式(5)および式(6)を用いて複数の画像データそれぞれのヘッダ情報の位置情報を、表示部10の表示画面上を上述した座標系でみたときの他の画像データの位置情報との相対的な位置関係を示す表示位置情報に換算する。なお、図19においては、表示位置換算部213は、位置情報が東経および北緯の場合について説明したが、西経および南緯であっても同様に比を算出することにより、画像データのヘッダ情報の位置情報を他の画像データの位置情報との相対的な位置関係を示す表示位置情報に換算することができる。
【0103】
続いて、表示制御部214は、表示位置換算部213によって換算された各画像の表示位置情報に基づいて、各画像を縮小画像にして表示部10の表示画面上の表示位置に表示させる(ステップS403)。たとえば、図21に示すように、表示制御部214は、画像W2を表示位置換算部213によって換算された表示位置情報に対応する表示部10の表示画面上の表示位置に縮小して表示させる。その後、撮像装置200は図12に示したメインルーチンへ戻る。
【0104】
ステップS401において、表示部10が表示している地図画像に対してユーザがタッチを2回以上行っていない場合(ステップS401:No)について説明する。この場合、表示制御部214は、タッチポイントが不足していることを示す情報を警告として表示部10に表示させ(ステップS404)、撮像装置200は図12に示したメインルーチンに戻る。
【0105】
以上説明した本発明の実施の形態2によれば、対応付け部211がタッチパネル11から入力された指示信号に応じて表示部10が表示する地図画像W10に位置取得部9が取得する装置位置情報を位置情報として対応付け、表示位置換算部213が対応付け部211が地図画像W10に対応付けた位置情報に基づいて、複数の画像データそれぞれのヘッダ情報の位置情報を表示位置情報に換算し、表示制御部214が表示位置換算部213によって換算された各画像の表示位置情報に基づいて、地図画像W10上に複数の画像それぞれを表示部10に表示させる。これにより、予め位置情報を有する画像(テンプレート)や地図画像の必要がなく、ユーザが所望する画像上に撮影した画像の撮影位置を反映した画像を表示することができる。
【0106】
なお、上述した実施の形態2では、対応付け部211がタッチパネル11から入力された指示信号に応じて表示部10が表示する地図画像W10に位置取得部9が取得する装置位置情報を位置情報として対応付けていたが、たとえば操作スイッチ84またはメニュースイッチ85を操作することにより、表示部10が表示する地図画像W10に位置取得部9が取得する装置位置情報を位置情報として対応付けてもよい。
【0107】
また、上述した実施の形態2では、表示制御部214が表示部10によって表示される地図画像W10上に複数の画像を合成して表示部10に表示させていたが、地図画像の必要はなく、たとえば手書きで作成した絵を撮影し、この撮影した画像データに対応する画像上に複数の画像を合成して表示部10に表示させてもよい。さらに、ユーザの思い通りのイメージを作画したり撮影したりすればよく、複雑な編集作業が発生せず、画一的でない地図、画像表示が可能となる。
【0108】
また、上述した実施の形態2では、表示制御部214は、風景または人物等の画像上に複数の画像を合成して表示部10に表示させてもよい。これにより、自分が撮影した地図や画像を利用して、簡単にオリジナリティのある地図表示も可能となり、撮影時の思い出を、迅速に、より生き生きと再現させることが出来る。
【0109】
(実施の形態3)
つぎに、本発明の実施の形態3について説明する。なお、本発明の実施の形態3にかかる撮像装置は、上述した実施の形態2にかかる撮像装置と同様の構成を有し、制御部の構成および撮像装置のタッチ位置対応付け処理および地図画像合成表示処理が異なる。このため、以下においては、上述した実施の形態2と異なる構成を説明後、本発明の実施の形態3にかかるタッチ位置対応付け処理および地図画像合成表示処理について説明する。
【0110】
図22は、本発明の実施の形態3にかかる撮像装置300の構成を示すブロック図である。図22に示すように、撮像装置300は、制御部310を備える。
【0111】
制御部310は、画像処理部131と、ヘッダ情報生成部132と、撮影制御部133と、対応付け部211と、地図画像判定部212と、表示位置換算部213と、表示制御部214と、距離算出部311と、を有する。
【0112】
距離算出部311は、対応付け部211が表示部10によって表示されている画像上において異なる位置にそれぞれ対応付けた異なる時間に位置取得部9によって取得された装置位置情報に基づいて、異なる位置間の距離を算出する。
【0113】
つぎに、本実施の形態3にかかる撮像装置300が行うタッチ位置対応付け処理を説明する。図23は、図12に示すタッチ位置対応付け処理の概要を示すフローチャートである。
【0114】
図23に示すように、対応付け部211は、タッチパネル11から入力される指示信号に応じて、表示部10によって表示された地図画像に対してユーザがタッチした領域を含むタッチ位置を検出する(ステップS501)。
【0115】
続いて、位置取得部9は、撮像装置300の装置位置情報を取得し(ステップS502)、高度検出部7は、撮像装置300の高度情報を検出する(ステップS503)。
【0116】
その後、対応付け部211は、検出したタッチ位置に、位置取得部9が取得した装置位置情報および高度検出部7が検出した高度情報をそれぞれ対応付けて画像データ記憶部121に記載させ(ステップS504)、撮像装置300は図12に示すメインルーチンに戻る。
【0117】
つぎに、本実施の形態3にかかる撮像装置が行う地図画像合成表示処理について説明する。図24は、図12に示す地図画像合成表示処理の概要を示すフローチャートである。
【0118】
図24に示すように、制御部310は、表示部10が表示している地図画像に対してユーザが異なる位置でタッチを2回以上行っているか否かを判断する(ステップS601)。ユーザが異なる位置でタッチを2回以上行っている場合(ステップS601:Yes)、撮像装置300は後述するステップS602へ移行する。一方、ユーザが異なる位置でタッチを2回以上行っていない場合(ステップS601:No)、撮像装置300は後述するステップS605へ移行する。
【0119】
ステップS602において、距離算出部311は、対応付け部211が地図画像上の異なる位置に対応付けた異なる時間に位置取得部9によって取得された装置位置情報に基づいて、異なる位置間の距離および各画像の距離を算出する。
【0120】
図25は、距離算出部311による算出方法の概要を説明する図である。図25においては、ユーザがタッチしたタッチ位置を仮想的に上面からみた際の状況を示す。
【0121】
図25に示すように、距離算出部311は、タッチ位置P21の経度がK21で緯度がI21であり、タッチ位置P22の経度がK22で緯度がI22であり、合成する画像の位置P23の経度がK23で緯度が23である場合において、合成する画像の位置P23をタッチ位置P21およびタッチ位置P22を直線上に位置するように近似させたとき(位置P’23(K’23,I’23)、以下の近似式によって距離LおよびLが算出される。


・・・(7)


・・・(8)
【0122】
ステップS602の後、表示位置換算部213は、距離算出部311が算出した距離と高度検出部7が検出した高度情報とに基づいて、各画像に関連付けられたヘッダ情報の位置情報を表示部10の表示画面上において各画像の相対的な表示関係を示す表示位置情報に換算する(ステップS603)。
【0123】
図26は、表示位置換算部213による換算方法の概要を説明する図である。なお、図26においては、点P21を原点(0,0)として、画像W10の縦方向および横方向にそれぞれに平行な座標軸を有する座標系として考える。また、図26においては、横時が原点からの距離(U)を示し、縦軸が原点からの高度(V)を示す。
【0124】
図26に示すように、表示位置換算部213は、地図画像W10を、点P21を原点とした上述の座標系でみた場合において、タッチ位置P21(0,0)の高度をH21およびタッチ位置P22(U22,V22)の高度をH22とし、合成する画像W2の高度をH23、地図画像W10の表示位置を点P23(U23,V23)としたとき、以下の近似式によって画像W2の位置情報が地図画像W10において相対的な表示位置の関係を示す表示位置情報に換算される。
(U23−0):(U22−0)=(L:L) ・・・(9)
したがって、
23=L×X22/L ・・・(10)
になる。同様に、
(V23−0):(V22−0)=(H23−H21):(H22−H21
・・・(11)
したがって、
23=(H23−H21)×V22/(H22−H21) ・・・(12)
になる。
【0125】
このように、表示位置換算部213は、式(10)および式(12)を用いて複数の画像それぞれのヘッダ情報の位置情報および高度情報を、表示部10が表示する地図画像W10を、点P21を原点とした上述の座標系でみたときの表示位置情報に換算する。
【0126】
続いて、表示制御部214は、表示位置換算部213によって換算された表示位置情報に基づいて、選択された複数の画像それぞれを縮小画像にして表示部10が表示する地図画像W10の表示位置(たとえば図21を参照)に表示させ(ステップS604)、撮像装置300は図12に示したメインルーチンへ戻る。
【0127】
ステップS601において、表示部10が表示している地図画像に対してユーザがタッチを2回以上行っていない場合(ステップS601:No)について説明する。この場合、表示制御部214は、タッチポイントが不足していることを示す情報を警告として表示部10に表示させ(ステップS605)、撮像装置300は図12に示したメインルーチンに戻る。
【0128】
以上説明した本発明の実施の形態3によれば、表示位置換算部213が距離算出部311によって算出された距離および高度検出部7によって検出された高度情報に基づいて、複数の画像それぞれのヘッダ情報の位置情報および高度情報を、表示部10が表示する地図画像W10において各画像の相対的な表示位置の関係を示す表示位置情報に換算し、表示制御部214が表示位置換算部213によって換算された表示位置情報に基づいて、表示部10が表示する地図画像W10上に選択された複数の画像それぞれを縮小して表示させる。これにより、予め位置情報を有する画像が必要なく、ユーザが所望する画像上に撮影した画像の撮影位置を反映した画像を表示することができる。
【0129】
さらに、本発明の実施の形態3によれば、表示部10が表示する地図画像の中心から上方に向かう方向が北でなくても、位置取得部9によって取得された位置情報を用いて画像上に表示することができる。
【0130】
さらにまた、本発明の実施の形態3によれば、地図画像の縦軸を高度としているので、ユーザは、表示部10が表示する地図画像を仮想的に立体視することができる。ここでは、画面の左右はGPSの位置情報を利用していたが、左右に画像を並べない場合(上下のみに重ねる)、高度情報のみで画像表示することが可能である。これによって、より単純化、高速化、低価格化、省スペース化が可能であることは既に説明したとおりである。
【0131】
また、本発明の実施の形態3によれば、高度検出部7の気圧センサなどによって、高度の測定は比較的廉価で簡単に出来るので、GPSシステムのみを前提としたシステムより単純化可能である。さらに、GPSでは、アンテナや信号処理回路など、かなり複雑なシステムになる。これらが不要なので、システムの単純化、低コスト化、省スペース化が可能である。また、GPSの場合、衛星信号の補足に時間がかかったりするが、高度検出時は、こうした時間も短縮することが可能である。
【0132】
(実施の形態4)
つぎに、本発明の実施の形態4について説明する。なお、本発明の実施の形態4にかかる撮像装置は、上述した実施の形態2にかかる撮像装置と同様の構成を有し、制御部の構成および地図画像合成処理のみ異なる。このため、以下においては、上述した実施の形態2と異なる構成を説明後、本発明の実施の形態4にかかる撮像装置の地図画像合成表示処理について説明する。
【0133】
図27は、本発明の実施の形態4にかかる撮像装置400の構成を示すブロック図である。図27に示すように、撮像装置400は、制御部410を備える。
【0134】
制御部410は、画像処理部131と、ヘッダ情報生成部132と、対応付け部211と、地図画像判定部212と、表示位置換算部213と、表示制御部214と、回転角度算出部411と、を有する。
【0135】
回転角度算出部411は、地図画像判定部212によって判定された方向に基づいて、表示部10の表示画面の中心から上方に向かう方向を表示部10の基準としたとき、この基準に表示部10が表示する表示画像の基準方位を一致させるまでの回転角度を算出する。
【0136】
以上の構成を有する撮像装置400が地図画像合成表示処理について説明する。図28は、図12に示す地図画像合成表示処理(ステップS216)の概要を示すフローチャートである。
【0137】
図28に示すように、制御部410は、表示部10が表示している地図画像に対してユーザが異なる位置でタッチを2回以上行ったか否かを判断する(ステップS701)。ユーザが異なる位置でタッチを2回以上行っている場合(ステップS701:Yes)、撮像装置400は後述するステップS702へ移行する。一方、ユーザが異なる位置でタッチを2回以上行っていない場合(ステップS701:No)、撮像装置400は後述するステップS707へ移行する。
【0138】
ステップS702において、地図画像判定部212は、表示部10が表示している地図画像の基準方位が向いている方向を判定する(ステップS702)。具体的には、地図画像判定部212は、表示部10が表示する地図画像のヘッダ情報を参照して、地図画像の基準方位、たとえば北が向いている方向を判定する。
【0139】
続いて、回転角度算出部411は、地図画像判定部212が判定した方向に基づいて、表示部10の表示画面の中心から上方に向かう方向を表示部10の基準としたとき、この基準に地図画像の基準方位を一致させるまでの回転角度を算出する(ステップS703)。具体的には、回転角度算出部411は、撮像装置400を水平状態にした場合において、表示部10の中心から上方に向かう方向を表示部10の基準としたとき、この基準に対して地図画像の基準方位である北を合わせるまでに必要な回転角度を算出する。
【0140】
その後、表示位置換算部213は、複数の画像データそれぞれのヘッダ情報の位置情報を上述した式(5)および式(6)を用いて表示部10の表示画面上における各画像の相対的な表示位置を示す表示位置情報に換算する(ステップS704)。
【0141】
図29は、表示位置換算部213による換算方法の概要を説明する図である。なお、図29においては、縦軸および横軸が方位を示す。また、図29においては、画像が表示部10によって表示されている状態から半時計回り(左回り)に回転する方向を正(+)とし、時計回り(右回り)に回転する方向を負(−)とする。
【0142】
図29(a)に示すように、表示位置換算部213は、複数の画像データそれぞれのヘッダ情報の位置情報を上述した式(5)および式(6)を用いて表示部10の表示画面上において他の画像の位置情報との相対的な位置関係を反映した表示位置情報に換算する。具体的には、表示位置換算部213は、タッチ位置P31(X31,Y31)の経度および緯度が(K31,I31)、タッチ位置P32(X32,Y32)の経度および緯度が(K32,I32)、合成する画像W2(図8を参照)の経度および緯度が(K33,I33)、表示部10の表示画面上における合成する画像W2の表示位置を点P33(X33,Y33)としたとき、以下の近似式によって画像W2の位置情報が表示位置情報に換算される。
33=X31+(K33−K31)×(X32−X31)/(K32−K31
・・・(13)
になる。同様に、
33=Y31+(I33−I31)×(Y32−Y31)/(I32−I31
・・・(14)
になる。
【0143】
続いて、表示位置換算部213は、回転角度算出部411が算出した回転角度に基づいて、複数の画像データそれぞれの表示位置情報を、地図画像の基準方位を表示部10の基準に仮想的に合わせたときの各画像の表示位置を示す回転表示位置情報に換算する(ステップS705)。
【0144】
図29(b)に示すように、表示位置換算部213は、表示部10によって表示されている地図画像W30の中心から上方に向かう方向の方位が「北西」の場合(図29(b))において、表示部10が表示している地図画像W30の中心から上方に向かう方向の方位を「北」になるように、以下の式によって、各タッチ位置に対応する表示位置P31(X31,Y31),P32(X32,Y32)および画像W2に対応する表示位置P33(X33,Y33)それぞれを、回転表示位置(X’,Y’)に換算する。
X’=Xcosθ−Ysinθ ・・・(15)
Y’=Xsinθ+Ycosθ ・・・(16)
【0145】
このように、表示位置換算部213は、表示部10によって表示される地図画像W30の中心から上方に向かう方向の方位が北でなくても、各タッチ位置および画像に関連付けられた表示位置情報を、たとえば地図画像W30を半時計回りに仮想的に回転(たとえばθ=45°)させることで、表示部10によって表示される地図画像W30の中心から上方に向かう方向の方位を北にしたときの回転表示位置情報に換算することができる。
【0146】
その後、表示制御部214は、表示位置換算部213によって換算された回転表示位置情報に基づいて、選択された複数の画像それぞれを縮小画像にして表示部10の表示画面上の表示位置(たとえば図21を参照)に表示させ(ステップS706)、撮像装置400は図12に示したメインルーチンへ戻る。
【0147】
ステップS701において、表示部10が表示している地図画像に対してユーザがタッチを2回行っていない場合(ステップS701:No)について説明する。この場合、表示制御部214は、タッチポイントが不足していることを示す情報を警告として表示部10に表示させ(ステップS707)、撮像装置400は図12に示したメインルーチンに戻る。
【0148】
以上説明した本発明の実施の形態4によれば、回転角度算出部411が地図画像判定部212によって判定された表示部10の表示画面の中心から上方に向かう方位を基準方位としたときの表示画像の方位に基づいて、基準方位までの表示画像の回転角度を算出し、表示位置換算部213が回転角度算出部411によって算出された回転角度に基づいてタッチ位置に対応付けられた位置情報および各画像に関連付けられたヘッダ情報の位置情報を回転位置情報に換算し、この回転位置情報を表示位置情報に換算し、表示制御部214が表示位置換算部213によって換算された表示位置情報に基づいて、表示部10が表示する地図画像に選択された各画像を縮小して表示させる。これにより、予め位置情報を有する画像が必要なく、ユーザが所望する画像上に撮影した画像の撮影位置を反映した画像を表示することができる。
【0149】
さらに、本発明の実施の形態4によれば、表示部10が表示する地図画像の中心から上方に向かう方向が北でなくても、位置取得部9によって取得された位置情報を用いて画像上に表示することができる。
【0150】
なお、上述したい実施の形態4では、表示位置換算部213が、各画像データのヘッダ情報の位置情報を表示位置情報に換算後、この表示位置情報を回転表示位置情報に換算していたが、画像データのヘッダ情報の位置情報を回転表示位置情報に換算後、表示位置情報に換算してもよい。
【0151】
(その他の形態)
上述した実施の形態では、表示制御部が表示位置換算部によって換算された表示位置情報に基づいて、選択された各画像を縮小して表示していたが、たとえば選択された画像に変えて指標を表示してもよい。これにより、表示部が現在表示している画像の表示領域を広げて表示することができる。さらに、表示制御部は、選択された各画像に変えて文字、記号または色等で表示部に表示させてもよい。
【0152】
また、上述した実施の形態では、表示制御部は、選択された各画像を縮小して表示部10に表示させていたが、たとえば、表示位置換算部によって換算された表示位置情報に対して日付または位置情報の範囲を設け、この範囲に入る画像のみを表示部10に縮小して表示させてもよい。
【0153】
また、上述した実施の形態では、表示装置として撮像装置をデジタルカメラとして説明していたが、たとえばデジタル一眼レフカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯電話やタブレット型携帯機器、および電子フォトフレーム等の表示機能を備えた各種電子機器に適用することができる。
【符号の説明】
【0154】
1,200,300,400 撮像装置
2 撮像部
3 発光部
4 姿勢検出部
5 タイマー
6 方位検出部
7 高度検出部
8 操作入力部
9 位置取得部
10 表示部
11 タッチパネル
12 記憶部
13,210,310,410 制御部
21 レンズ部
22 レンズ駆動部
23 絞り
24 絞り駆動部
25 シャッター
26 シャッター駆動部
27 撮像素子
28 撮像駆動部
29 信号処理部
81 電源スイッチ
82 レリーズスイッチ
83 撮影モード切換スイッチ
84 操作スイッチ
85 メニュースイッチ
86 ズームスイッチ
121 画像データ記憶部
122 プログラム記憶部
131 画像処理部
132 ヘッダ情報生成部
133 撮影制御部
134,213 表示位置換算部
135 境界画像設定部
136,214 表示制御部
211 対応付け部
212 地図画像判定部
311 距離算出部
411 回転角度算出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに異なる位置情報が関連付けられた複数の画像データの各々に対応する複数の画像を表示する表示部と、
各画像に関連付けられた前記位置情報を、前記表示部の表示画面上において他の画像の前記位置情報との相対的な位置関係を反映した表示位置情報に換算する表示位置換算部と、
前記表示位置換算部が換算した前記各画像の前記表示位置情報に基づいて、前記複数の画像を前記表示部に表示させる表示制御部と、
を備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記表示部が表示する前記複数の画像それぞれに関連付けられた前記位置情報を全て含む領域の境界の前記位置情報を有する画像を境界画像として設定する境界画像設定部をさらに備え、
前記表示位置換算部は、前記境界画像に関連付けられた前記位置情報に基づいて、前記境界画像以外の前記各画像に関連付けられた前記位置情報を前記表示位置情報に換算することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記位置情報は、経度および緯度であり、
前記境界画像設定部は、前記各画像に関連付けられた前記位置情報に基づいて、前記複数の画像のうち前記経度または前記緯度がそれぞれ最大値である画像と、前記経度または前記緯度がそれぞれ最小値である画像とを前記境界画像として設定することを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
所定の視野領域を撮像して画像データを生成する撮像部と、
当該表示装置の装置位置情報を取得する位置取得部と、
前記撮像部が画像データを生成した際に、前記位置取得部が取得する前記装置位置情報を前記位置情報として該画像データに関連付けて記憶する画像データ記憶部と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の表示装置。
【請求項5】
当該表示装置の装置位置情報を取得する位置取得部と、
前記表示部が表示する表示画像において所定の位置を指示する指示信号の入力を受け付ける入力部と、
前記入力部が前記指示信号の入力を受け付けた際に、前記位置取得部が取得する前記装置位置情報を前記所定の位置に対応付ける対応付け部をさらに備え、
前記表示位置換算部は、前記対応付け部が前記所定の位置に対応付けた前記装置位置情報に基づいて、前記各画像に関連付けられた前記位置情報を前記表示位置情報に換算することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記対応付け部は、前記表示画像の異なる位置でそれぞれ前記指示信号の入力を受け付けた際に前記位置取得部が取得する前記装置位置情報を対応付けることを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記入力部は、前記表示部の表示画面上に設けられ、外部からの物体の接触位置に応じた信号の入力を受け付けるタッチパネルであり、
前記対応付け部は、前記タッチパネルが前記表示画面上の異なる位置でそれぞれ前記指示信号の入力を受け付けた際に前記装置位置情報を対応付けることを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
当該表示装置の高度を検出する高度検出部と、
前記対応付け部が前記異なる位置で対応付けた2つの前記装置位置情報に基づいて、前記異なる位置間の距離を算出する距離算出部と、
をさらに備え、
前記表示位置換算部は、前記高度と前記距離とに基づいて、前記各画像に関連付けられた前記位置情報を前記表示位置情報に換算することを特徴とする請求項5〜7のいずれか一つに記載の表示装置。
【請求項9】
前記表示画像は、地図画像であり、
前記表示画像の基準方位が向いている方向を判定する地図画像判定部と、
前記地図画像判定部が判定した前記方向に基づいて、前記表示部の前記表示画面の中心から該表示画面の上方に向かう方向を前記表示部の基準としたとき、該基準に前記基準方位を一致させるまでの回転角度を算出する回転角度算出部と、
前記表示位置換算部は、前記回転角度に基づいて、前記表示位置情報を、前記表示画像の前記基準方位を前記基準に仮想的に合わせたときの前記各画像の表示位置を示す回転表示位置情報に変換することを特徴とする請求項5〜7のいずれか一つに記載の表示装置。
【請求項10】
所定の視野領域を撮影して画像データを生成する撮像部と、
前記撮像部が画像データを生成した際に、前記位置取得部が取得した前記装置位置情報を前記位置情報として該画像データに関連付けて記憶する画像データ記憶部と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項5〜9のいずれか一つに記載の表示装置。
【請求項11】
前記表示制御部は、前記表示位置換算部が前記各画像に関連付けられた前記位置情報を前記表示位置情報に換算する場合において、前記対応付け部が前記表示部によって表示される画像に対応付けた前記位置情報が不足するとき、警告を示す情報を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項5〜10のいずれか一つに記載の表示装置。
【請求項12】
前記表示制御部は、前記複数の画像を所定の縮小率でそれぞれ縮小した縮小画像を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一つに記載の表示装置。
【請求項13】
前記表示制御部は、前記複数の画像それぞれの前記表示位置に対応する指標を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一つに記載の表示装置。
【請求項14】
互いに異なる位置情報が関連付けられた複数の画像データの各々に対応する複数の画像を表示する表示部を備えた表示装置に、
各画像に関連付けられた前記位置情報を、前記表示部の表示画面上において他の画像の前記位置情報との相対的な位置関係を反映した表示位置情報に換算する表示位置換算ステップと、
前記表示位置換算ステップが換算した前記表示位置情報に基づいて、前記複数の画像を前記表示部に表示させる表示制御ステップと、
を実行させることを特徴とする表示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2012−217004(P2012−217004A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−80912(P2011−80912)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】