説明

表示装置及びその駆動方法

【課題】本発明は、使用者の要求によって特定映像を一定時間表示する場合、バッテリーの残量が不足している場合であっても、使用者が要求した時間の間映像を途切れず最後まで表示することが出来る表示装置及びその駆動方法を提供すること。
【解決手段】表示装置は、映像を記憶する記憶媒体と、使用者の要求に従って記憶媒体に保存された映像を選択する選択回路と、選択回路により選択された映像を表示するための予想消費電力を検出する第1検出回路と、バッテリーの残量を検出する第2検出回路と、第1検出器及び第2検出器の出力を比較する比較回路と、比較回路の出力に従って映像の輝度を設定する赤色、緑色、及び青色変換信号を出力する輝度設定回路と、選択回路により選択された映像の映像信号と赤色、緑色、及び青色信号の入力を受けて、映像信号の輝度を変換する制御回路と、変換回路の出力の入力を受けて映像を表示する表示パネルとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリーを利用して映像を表示する表示装置及びその駆動方法に係り、使用者の要求により選択された映像を使用者が要求した上映時間だけ表示する場合必要となる消費電力がバッテリーの残量を超える場合にも使用者が要求した上映時間の間前記映像が切れないで表示されることができるようにすることができる表示装置及びその駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
平板表示装置(Flat panel display device)は、軽量及び薄形等の特性により、ブラウン管表示装置(Cathode−ray tube display device)を代替する表示装置として用いられている。このような平板表示装置の代表的な例としては、液晶表示装置(Liquid Crystal Display Device;LCD)と有機電界発光表示装置(Organic Light Emitting Diode;OLED)が挙げられる。このうち、有機電界発光表示装置は液晶表示装置に比べて輝度特性及び視野角特性が優れ、バックライト(Back light)を必要とせず超薄型の表示装置を実現できるという長所がある。
【0003】
上記のような平板表示装置は、例えば携帯電話、ノート型パソコン、カムコーダ等の軽量化された携帯用電子・電気機器にも適用されており、上記携帯用電子・電気機器が別途の電源が具備されてない場所でも作動することができるように、バッテリーを内蔵させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−345678号公報
【特許文献2】特開2006−033321号公報
【特許文献3】大韓民国出願公開第2004−33201号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記の携帯用電子・電気機器のようにバッテリーを利用して映像を表示する表示装置は、記憶媒体に保存された映像のうち特定の映像を、使用者の要求によって一定時間だけ表示する場合、バッテリーの残量が前記映像を前記一定時間だけ表示するために必要となる消費電力より少ない場合には、前記映像を最後まで表示することが出来ず、途中で表示が消えてしまうという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、使用者が要求した一定時間の特定映像を、バッテリーの残量に関わらず最後まで表示することができる表示装置及びその駆動方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、映像を記憶する記憶媒体と、使用者の要求に従って上記記憶媒体に保存された映像の一部または全部を選択するための選択回路と、上記選択回路により選択された映像を表示するための予想消費電力を検出するための第1検出回路と、バッテリーの残量を検出するための第2検出回路と、上記第1検出器及び第2検出器の出力を比較するための比較回路と、上記比較回路の出力に従って上記映像の輝度を設定するための赤色、緑色、及び青色変換信号を出力する輝度設定回路と、上記選択回路により選択された映像の映像信号と上記赤色、緑色、及び青色信号の入力を受けて、映像信号の輝度を変換するための制御回路と、上記変換回路の出力の入力を受けて映像を表示するための表示パネルとを有する表示装置が提供される。
【0008】
また、上記第1検出回路は、下記数式(1)及び数式(2)を利用して上記選択された映像の予想消費電力を検出するものであってもよい。
【数1】

【0009】
また、上記輝度設定回路は、上記比較回路の出力によって映像の輝度を制御するために第1設定信号を出力する設定回路と、上記第1設定信号によって映像の赤色階調を設定するための赤色変換信号を出力する赤色変換回路と、上記第1設定信号によって映像の緑色階調を設定するための緑色変換信号を出力する緑色変換回路と、上記第1設定信号によって映像の青色階調を設定するための青色変換信号を出力する青色変換回路とを含んでもよい。
【0010】
また、上記設定回路は、下記数式(3)を利用して第1設定信号を生成してもよい。
【数2】

【0011】
また、上記表示パネルは、複数の有機電界発光ダイオードを含む有機電界発光表示装置であってもよい。
【0012】
また上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、使用者の要求によって記憶媒体に保存された映像のうち一部または全部を選択するステップと、上記選択された映像を表示するために必要となる予想消費電力を検出するステップと、バッテリーの残量を検出するステップと、上記予想消費電力とバッテリーの残量を比較するステップと、上記予想消費電力が上記バッテリーの残量を超える場合、上記バッテリーの残量による映像の輝度を設定するための第1設定信号を生成するステップと、上記第1設定信号によって上記映像の赤色、緑色及び青色階調を制御するための赤色、緑色及び青色変換信号を生成するステップと、上記赤色、緑色及び青色変換信号により上記選択された映像の映像信号を変換するステップと、上記変換された映像信号を利用して映像を表示するステップを含むことを特徴とする表示装置の駆動方法が提供される。
【0013】
また、上記予想消費電力を検出するステップは、下記数式(1)及び数式(2)を利用して上記予想消費電力を検出してもよい。
【数3】

【0014】
また、上記第1設定信号を生成するステップは、下記数式(3)を利用して第1設定信号を生成してもよい。
【数4】

【0015】
また、上記表示パネルは、複数の有機電界発光ダイオードを含む有機電界発光表示装置であってよい。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように本発明によれば、使用者が要求した一定時間の特定映像を、バッテリーの残量に関わらず最後まで表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態による表示装置を示したブロック図である。
【図2】本発明の実施形態による表示装置の駆動方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。尚、図面において層及び領域の長さ及び厚さなどは、便宜のために誇張して示すことがある。
【0019】
まず、図1を参照しながら本発明の一実施形態に係る表示装置の構成を説明する。図1は、本発明の実施形態による表示装置を示した模式図である。
【0020】
図1を参照すると、本発明の実施形態による表示装置は、記憶媒体100、使用者の要求に従って記憶媒体100に保存された映像のうち一部または全部を選択するための選択回路200、バッテリー400、選択回路200により選択された映像を表示するために必要となる予想消費電力を検出するための第1検出回路320及び予想消費電力及びバッテリー残量に基づいて映像の映像信号を制御するための制御回路310を含む制御部300、制御部300により制御された映像信号を受けて映像を表示するための表示パネル500、及びバッテリー400の残量を検出して制御部300に出力する第2検出回路410を含む。
【0021】
ここで、制御部300は、第1検出回路320及び第2検出回路410の出力を比較するための比較回路330、比較回路330の出力に基づいて赤色、緑色及び青色変換信号を出力する輝度設定回路340をさらに含み、輝度設定回路340は、比較回路330の出力に基づいて、選択回路200により選択された映像の輝度を設定する第1設定信号を出力する設定回路341、第1設定信号に基づいて映像の赤色階調を設定するための赤色変換信号を出力する赤色変換回路342R、第1設定信号に基づいて映像の緑色階調を設定するための緑色変換信号を出力する緑色変換回路342G、及び第1設定信号に基づいて映像の青色階調を設定するための青色変換信号を出力する青色変換回路342Bを含む。
【0022】
また、表示パネル500は、複数の赤色、緑色及び青色有機電界発光ダイオードを含む有機電界発光表示装置であってよい。
【0023】
次に、図1及び図2を参照しながら、本発明の一実施形態に係る表示装置の駆動方法を説明する。図2は、本発明の一実施形態に係る表示装置の駆動方法を説明するためのフローチャートである。
【0024】
図1及び図2を参照すると、本発明の一実施形態に係る表示装置は、特定映像を一定時間表示するよう使用者からの要求が入力されると、選択回路200は、使用者の要求に従って、記憶媒体100に保存された映像の一部または全部を選択して(S1)、選択された映像の映像信号を制御部300に出力する。
【0025】
続いて、制御部300の第1検出回路320は、選択回路200から入力された映像信号を分析して、映像を表示するために必要となる予想消費電力を検出し(S2)、検出した予想消費電力を比較回路330に入力する。さらに、第2検出回路410は、バッテリー400の残量を検出し(S3)、検出したバッテリー残量を比較回路330に入力する。
【0026】
ここで、第1検出回路320は、短時間内に選択された映像の予想消費電力を検出するために、選択された映像の各フレームで特定番目のイメージを抽出して、抽出されたイメージの要求電流を検出することによって、全体映像の予想消費電力を検出するようにすることができる。
【0027】
さらに詳細には、各イメージで白色の輝度(WB)を測定して下記の数式(1)により赤色画素の輝度を検出する。同じ方法で緑色及び青色画素の輝度を検出する。
【0028】
【数5】

【0029】
ここで、RLは赤色画素の輝度、RLRは赤色画素の輝度比、RAは赤色画素の開口率、Tは表示装置の透過度である。
【0030】
次に、下記の数式(2)を利用して各イメージで赤色画素の消費電力を検出する。また、同じ方法で緑色及び青色画素の消費電力を検出して、各イメージで予想される消費電力を検出する。
【0031】
【数6】

【0032】
ここで、RCは赤色画素の予想消費電力、REは赤色画素の発光効率、Rnは各イメージにおける赤色画素の数である。
【0033】
続いて、制御部300は、比較回路330を介して予想消費電力を示す第1検出回路320の出力とバッテリー残量を示す第2検出回路410の出力とを比較して、バッテリー400の残量が予定消費電力以上であるのか否かを判別する(S4)。
【0034】
次に、予定消費電力がバッテリー400の残量を超える場合、輝度設定回路340は、設定回路341を介してバッテリー400の残量で選択された映像を全て表示することが出来る映像の輝度を設定する第1設定信号を出力して(S5)、赤色変換回路342R、緑色変換回路342G及び青色変換回路342Bを介して第1設定信号に基づいて映像の赤色、緑色及び青色階調を設定するための赤色変換信号、緑色変換信号及び青色変換信号を生成する(S6)。
【0035】
ここで、第1設定信号は、下記の数式(3)により検出される各イメージにおける白色の設定輝度(WSL)であり、赤色変換回路342R、緑色変換回路342G及び青色変換回路342Bは、数式(1)及び(2)を利用して下記数式(3)により決定された白色設定輝度に従った、赤色、緑色、及び青色輝度と、選択された映像の赤色、緑色、及び青色輝度との差をそれぞれ赤色変換信号、緑色変換信号、及び青色変換信号として出力する。
【0036】
【数7】

【0037】
ここでC1は、第1検出器により検出された予想消費電力であり、C2は第2検出器により検出されたバッテリー残量である。
【0038】
表示パネルが赤色、緑色及び青色有機電界発光ダイオードを含む有機電界発光表示装置の場合、同一輝度を示すために、赤色、緑色、及び青色有機電界発光ダイオードに印加される消費電力は、それぞれ発光効率が異なるために異なる。従って、選択された映像の輝度を減少させるために、予想消費電力とバッテリー残量の比に従って赤色、緑色、及び青色画素に印加される電力を均等に減少させる場合、表示パネルにより表示される映像のホワイトバランスが変化して映像の画質が悪化する。
【0039】
したがって、本発明の実施形態のように、予想消費電力とバッテリー残量の比で映像の白色輝度を再設定して、再設定された白色輝度に基づいて、赤色、緑色、及び青色画素に印加される電力をそれぞれ上記の式に基づいて計算し、減少させれば、表示パネルにより表示される映像のホワイトバランスが変化しないので、表示パネル500により表示される映像の画質が悪くならないようになる。
【0040】
続いて、制御回路310は、赤色、緑色及び青色変換信号の入力を受けて、選択回路200から入力された映像信号の階調を赤色、緑色及び青色変換信号に従って変更して(S7)、これを表示パネル500に出力することによって、表示パネル500が輝度設定回路340により設定された輝度の映像を表示するようにする(S8)。
【0041】
即ち、本発明の一実施形態に係る表示装置は、使用者の要求により選択された映像を表示するために必要となる予想消費電力とバッテリー残量とを比較して予想消費電力がバッテリー残量を超える場合、選択された映像の赤色、緑色及び青色階調を変更して、映像の輝度を制御することによって、バッテリー残量が不足している場合にも、使用者が要求した映像の画質が変化することなく、途切れずに最後まで表示されるようにする。
【0042】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0043】
尚、本明細書において、フローチャートに記述されたステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的に又は個別的に実行される処理をも含む。また時系列的に処理されるステップでも、場合によっては適宜順序を変更することが可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0044】
100 記憶媒体
200 選択回路
300 制御部
310 制御回路
320 第1検出回路
330 比較回路
340 輝度設定回路
400 バッテリー
500 表示パネル


【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像を記憶する記憶媒体と;
使用者の要求に従って前記記憶媒体に保存された映像の一部または全部を選択するための選択回路と;
前記選択回路により選択された映像を表示するための予想消費電力を検出するための第1検出回路と;
バッテリーの残量を検出するための第2検出回路と;
前記第1検出器及び第2検出器の出力を比較するための比較回路と;
前記比較回路の出力に従って前記映像の輝度を設定するための赤色、緑色、及び青色変換信号を出力する輝度設定回路と;
前記選択回路により選択された映像の映像信号と前記赤色、緑色、及び青色信号の入力を受けて、映像信号の輝度を変換するための制御回路と;
前記変換回路の出力の入力を受けて映像を表示するための表示パネルと;
を備える表示装置。
【請求項2】
前記第1検出回路は、下記数式(1)及び数式(2)を利用して前記選択された映像の予想消費電力を検出することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【数1】

【請求項3】
前記輝度設定回路は、
前記比較回路の出力によって映像の輝度を制御するために第1設定信号を出力する設定回路と、
前記第1設定信号によって映像の赤色階調を設定するための赤色変換信号を出力する赤色変換回路と、
前記第1設定信号によって映像の緑色階調を設定するための緑色変換信号を出力する緑色変換回路と、
前記第1設定信号によって映像の青色階調を設定するための青色変換信号を出力する青色変換回路と、
を含むことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の表示装置。
【請求項4】
前記設定回路は、下記数式(3)を利用して第1設定信号を生成することを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【数2】

【請求項5】
前記表示パネルは、複数の有機電界発光ダイオードを含む有機電界発光表示装置であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
使用者の要求によって記憶媒体に保存された映像のうち一部または全部を選択するステップと;
前記選択された映像を表示するために必要となる予想消費電力を検出するステップと;
バッテリーの残量を検出するステップと;
前記予想消費電力とバッテリーの残量とを比較するステップと;
前記予想消費電力が前記バッテリーの残量を超える場合、前記バッテリーの残量に基づいた映像の輝度を設定するための第1設定信号を生成するステップと;
前記第1設定信号に従って前記映像の赤色、緑色、及び青色階調を制御するための赤色、緑色、及び青色変換信号を生成するステップと;
前記赤色、緑色、及び青色変換信号により前記選択された映像の映像信号を変換するステップと;及び
前記変換された映像信号を利用して映像を表示するステップを含むことを特徴とする表示装置の駆動方法。
【請求項7】
前記予想消費電力を検出するステップは、下記数式(1)及び数式(2)を利用して前記予想消費電力を検出することを特徴とする請求項6に記載の表示装置の駆動方法。
【数3】

【請求項8】
前記第1設定信号を生成するステップは、下記数式(3)を利用して第1設定信号を生成することを特徴とする請求項6又は7のいずれかに記載の表示装置の駆動方法。
【数4】

【請求項9】
前記表示パネルは、複数の有機電界発光ダイオードを含む有機電界発光表示装置であることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の表示装置の駆動方法。





【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−160469(P2010−160469A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−140962(P2009−140962)
【出願日】平成21年6月12日(2009.6.12)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【Fターム(参考)】