説明

表示装置及び液晶ゲーム装置。

【課題】カードと、該カードの上方に、絵柄及び文字を表示する投影型液晶を配置することにより、カードに表示された絵柄と、投影型液晶に表示される文字や絵柄とを組合せた画像を表示する表示装置と、この表示装置を使って遊戯を行うことが可能な液晶ゲーム装置を提供することを課題とする。
【解決手段】反射板としての作用をし、且つ導電素材と非導電素材で形成された領域の組合せによって構成される識別部を有するカードを収納可能すると共に前記カーの識別部と接触するカード接続端子が設けられたカード収納部と、前記カード収納部の上方に、絵柄及び文字を表示し前記収納されたカードを透過する投影型液晶と、前記カードの識別部の導電素材と非導電部材の組合せを識別するカード識別手段と、識別手段で識別する組合せに応じた絵柄及び文字情報を記憶した記憶部と前記識別された情報に基づいて記憶部から対応する絵柄及び文字情報を取出し前記投影型液晶に表示させる制御部とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置及び液晶ゲーム装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特開2001−58020号公報「ゲームカード及びカードゲーム」のように、主面側から視認可能な状態でシート状のキャラクター保持体を保持可能に構成されたポケットが設けられているゲームカードがあり、複数のカードを挿入することによって、挿入されたカードの絵柄を変えるものであった。
【0003】
しかし、ポケット内のキャラクターの一部を変更する場合など、別のカードを挿入する必要があり煩雑であった。
【特許文献1】特開平8−244390号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は、上記従来技術の問題点に斯かる実情に鑑みなされたもので、反射板としての作用を有するカードと、該カードの上方に、絵柄及び文字を表示する投影型液晶を配置することにより、カードに表示された絵柄と、投影型液晶に表示される文字や絵柄とを組合せた画像を表示する表示装置と、この表示装置を使って遊戯を行うことが可能な液晶ゲーム装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、反射板としての作用を有するカードを収納可能としたカード収納部と、前記カード収納部の上方に、絵柄及び文字を表示し前記カード収納部に収納されたカードを透過する投影型液晶と備えたことを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1において、前記カードには、導電素材と非導電素材で形成された領域の組合せによって構成される識別部を有し、前記表示装置に、前記識別部と接触するカード接続端子をカード収納部内に備え、前記カード接続端子と接触した前記カードの識別部の導電素材と非導電部材の組合せを識別するカード識別手段と、導電素材と非導電部材で形成された領域の組合せに応じた絵柄及び文字情報を記憶した記憶部と、前記カード識別手段で識別された情報に基づいて、記憶部から対応する絵柄及び文字情報を取出し前記投影型液晶に表示させる制御部を更に備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明は、反射板としての作用を有し、且つ導電素材と非導電素材で形成された領域の組合せによって構成される識別部を有するカードを収納可能すると共に前記識別部と接触するカード接続端子が設けられたカード収納部と、前記カード収納部の上方に、絵柄及び文字を表示し前記カード収納部に収納されたカードを透過する投影型液晶と、前記カード接続端子と接触した前記カードの識別部の導電素材と非導電部材の組合せを識別するカード識別手段と、導電素材と非導電部材で形成された領域の組合せに応じた絵柄及び文字情報を記憶した記憶部と、前記カード識別手段で識別された情報に基づいて記憶部から対応する絵柄及び文字情報を取出し前記投影型液晶に表示させる制御部と、遊戯者からの操作の入力を行う操作部とを備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項3において、前記カードには、枠組みとなるテンプレートと、キャラクターなどの絵柄が表示されていることを特徴とする。
【0009】
請求項5記載の発明は、請求項3又は4において、前記カードには、前記カード収納部に収納する向きを示すカード差込方向表示絵柄が表示されていることを特徴とする。
【0010】
請求項6記載の発明は、請求項3乃至5のいずれか1項において、カード識別手段で識別された情報に応じた初期パラメータが記憶された初期パラメータ記憶部と、ゲームの進行に応じて変化したパラメータを記憶するパラメータ記憶部とを備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項7記載の発明は、請求項3乃至6のいずれか1項において、他の液晶ゲーム装置と接続し、情報の送受信を行う通信端子を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項8記載の発明は、請求項3乃至7のいずれか1項において、前記カード収納部の収納されたカードの識別を開始するカードセットスイッチを備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項9記載の発明は、請求項3乃至8のいずれか1項において、前記投影型液晶は、前記カードに表示されたキャラクターなどの絵柄の位置に応じた防御を示す防御セグメント表示及び攻撃を示す攻撃セグメント表示を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の発明によれば、反射板としての作用を有するカードを収納可能としたカード収納部と、前記カード収納部の上方に、絵柄及び文字を表示し前記カード収納部に収納されたカードを透過する投影型液晶と備えることにより、反射板としての作用を有するカードと、該カードの上方に、絵柄及び文字を表示する投影型液晶を配置することにより、カードに表示された絵柄と、投影型液晶に表示される文字や絵柄とを組合せた画像を表示する表示装置を提供することができる。
【0015】
請求項2記載の発明によれば、前記カードには、導電素材と非導電素材で形成された領域の組合せによって構成される識別部と、前記カード収納部には、前記カードの識別部と接触するカード接続端子が設けられ、前記表示装置には、前記カード接続端子と接触した前記カードの識別部の導電素材と非導電部材の組合せを識別するカード識別手段と、導電素材と非導電部材で形成された領域の組合せに応じた絵柄及び文字情報を記憶した記憶部と、前記カード識別手段で識別された情報に基づいて、記憶部から対応する絵柄及び文字情報を取出し、前記投影型液晶に表示させる制御部とを備えることにより、カード収納部に収納されたカードを識別し、識別されたカードの種類に応じた絵柄及び文字を投影型液晶に表示を行うことができる。
【0016】
請求項3記載の発明によれば、請求項2に記載された表示装置の構成に、遊戯者からの操作の入力を行う操作部とを更に備えることにより、該表示装置を使用した液晶ゲーム装置を提供することができる。
【0017】
請求項4記載の発明によれば、カードには、枠組みとなるテンプレートと、キャラクターなどの絵柄が表示されていることにより、カードの趣向を増すことができる。
【0018】
請求項5記載の発明によれば、前記カードには、前記カード収納部に収納する向きを示すカード差込方向表示絵柄が表示されていることにより、カード収納部への収納方向の間違えによる識別不能状態を回避することができる。
【0019】
請求項6記載の発明によれば、前記記憶部には、カード識別手段で識別された情報に応じた初期パラメータが記憶された初期パラメータ記憶部と、ゲームの進行に応じて変化したパラメータを記憶するパラメータ記憶部とを備えることにより、液晶ゲーム装置をいつでも初期パラメータ状態に回復することが可能であり、ゲーム進行に応じて変化したパラメータ情報を保存することができる。
【0020】
請求項7記載の発明によれば、他の液晶ゲーム装置と接続し、情報の送受信を行う通信端子を備えることによって、他の液晶ゲーム装置とで情報の送受信を行うと共に、例えば対戦ゲームを行うったり、ゲーム進行に応じて変化したパラメータ情報などを送受信したりすることができる。
【0021】
請求項8記載の発明によれば、前記カード収納部の収納されたカードの識別を開始するカードセットスイッチを備えることによって、常にカードの識別を行う必要が無く、カードセットスイッチが押圧された際のみカードを識別することが可能となる。また、識別された後カードをカード収納部から外すことも可能である。
【0022】
請求項9記載の発明によれば、前記投影型液晶は、前記カードに表示されたキャラクターなどの絵柄の位置に応じた防御を示す防御セグメント表示及び攻撃を示す攻撃セグメント表示を行うことにより、恰もカードに表示されたキャラクターが攻撃や防御を行っているかのように演出表示することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
反射板としての作用をし、且つ導電素材と非導電素材で形成された領域の組合せによって構成される識別部を有するカードを収納可能すると共に前記識別部と接触するカード接続端子が設けられたカード収納部と、前記カード収納部の上方に、絵柄及び文字を表示し前記カード収納部に収納されたカードを透過する投影型液晶と、前記カード接続端子と接触した前記カードの識別部の導電素材と非導電部材の組合せを識別するカード識別手段と、導電素材と非導電部材で形成された領域の組合せに応じた絵柄及び文字情報を記憶した記憶部と、前記カード識別手段で識別された情報に基づいて、記憶部から対応する絵柄及び文字情報を取出し、前記投影型液晶に表示させる制御部とを備えた表示装置。
【0024】
また、上述の表示装置の構成に加え、遊戯者からの操作の入力を行う操作部と、カード識別手段で識別された情報に応じた初期パラメータが記憶された初期パラメータ記憶部と、ゲームの進行に応じて変化したパラメータを記憶するパラメータ記憶部と、他の液晶ゲーム装置と接続し、情報の送受信を行う通信端子と、前記カード収納部の収納されたカードの識別を開始するカードセットスイッチを備えた液晶ゲーム装置。また前記カードには、枠組みとなるテンプレートと、キャラクターなどの絵柄と、前記カード収納部に収納する向きを示すカード差込方向表示絵柄が表示されている。
【実施例】
【0025】
以下、図を参照して、本発明を適用した実施の形態について説明する。まず、図1に基づき液晶ゲーム装置に使用されるカードの説明を行う。
【0026】
カード10は、方形状に形成されており、実施例のカード10の表面には、カード10の種類を示すID値、キャラクターの生命力を示すHP値、キャラクターの攻撃力を示すAP値、キャラクターの防御力を示すDP値を表示する枠組みであるテンプレート12が表示されると共に、カード10中央には、キャラクター等を模した絵柄14が表示されている。また、カード10の裏面には、表面と同様に、キャラクター等を模した絵柄14が表示されると共に、カード10の種類を示すID値、キャラクターの名称、キャラクターに関する情報が表示されている。実施例では、ID値は「01」、キャラクターの名称は「オオクワガタ」、キャラクターに関する情報として「体長:約70mm 生息地:日本」と表示されている。
【0027】
また、カード10の表面には、光を反射するように光沢があるように加工され反射板としての機能と有している。また、カード10裏面の端辺には、識別部16が形成されている。実施例では、カード10中央には、クワガタムシやカブトムシを模した昆虫が表示されている。
【0028】
実施の例の識別部16は、6つの直線状に配列された方形状の領域で、各領域は、導電性のあるカーボン印刷された方形状の領域と、非導電性である方形状の領域のいずれかで形成されている。この領域の組合せによってカード10の種類を識別可能としている。例えば、カード10裏面の左から5つまで非導電性である領域で、左から6つ目のみ導電性であるカーボン印刷された領域である場合、カード10の種類であるIDは、「01」と識別されるようになっている。また、この方形状の領域に、導電性のあるシール、非導電性であるシールを貼付けることも可能である。
【0029】
次にカード10の表面に表示されているテンプレート12の説明を行う。実施例では、ID値、HP値、AP値、DP値の各々対応した方形状に形成された枠が表示されており、各枠内には、「HP」・「AP」・「DP」の文字が表記されている。また、各文字の横には、複数の方形状の目盛りが直線上に配列されている。実施例では、「AP」・「DP」・「HP」の横には、16の目盛りが表示されている。
【0030】
また、各枠内には、HP値、AP値、DP値の初期パラメータ値に対応した目盛りの枠内が塗り潰されている。またカード10を玩具本体内に収納し、このテンプレート12の上方に投影型液晶42が配設され、該液晶に表示されるセグメントは、このテンプレート12に対応した絵柄や文字が表示される。このことにより、枠内を塗り潰された初期パラメータ値表示と該液晶に表示される目盛りセグメント74とを見比べることによって、どの程度変化したのかを液晶の画面を介して視認することが可能である。
【0031】
また、カード10表面の端部には、三角形状で表示されたカード収納部34に収納する向きを示すカード差込方向表示絵柄18が表示されている。これにより遊戯者は、誤った方向でカード収納部34に収納することを防ぐことが可能である。
【0032】
次に図2及び図3を使用し液晶ゲーム装置の説明を行う。本体部30は、方形状に形成されて、本体部30には、通信端子、カード収納部34、操作部36が設けられている。また本体部30の端辺に形成されたヒンジ38によって展開される展開部40を有しており、該展開部40には、投影型液晶42が設けられている。また本体部の内部には、図示しないがROMやRAMと合わせてマイクロコンピュータが組み込まれ制御部を形成している。
【0033】
カード収納部34は、本体部30の上面中央が、浅く方形状に凹んだ凹部である。また該凹部の底面で展開部40が接続されるヒンジ38方向の端部に、カード10に設けられた識別部16の接続されるカード接続端子44が6つ突設して設けられている。カード収納部34の底面にカード10を収納すると、カード10に設けられた識別部16とカード接続端子44が接触するようになる。
【0034】
実施例のカード接続端子44は、導電性の金属金具で形成され、プラス極の金属金具と、マイナス極の金属金具の1組で構成されている。カード接続端子44と、識別部16の導電性のあるカーボン印刷された領域と接触すると、プラス極の金属金具と、マイナス極の金属金具間で通電する。また、非導電性である領域と接触した際には、プラス極の金属金具と、マイナス極の金属金具で通電することはない。カード識別手段は、この組合せに応じてカード10の種類の識別を行うものである。例えば、通電した場合に「1」通電しない場合に「0」とした場合、例えばカード10裏面の識別部16の構成が、左から5組目まで非導電性である領域で、左から6組目のみ導電性であるカーボン印刷されていた場合、「000001」と識別され、実施例では、IDは「01」と識別される。
【0035】
実施例のカード10の識別部16及び、対応するカード接続端子44は、6組からなり、「0」「1」の2進数で表すと64種のカード10を識別可能となる。しかしながら、カード接続端子44の全てが通電しないカード収納部34にカード10が無い状態である「000000」が有るために63種のカード10を識別可能となる。
【0036】
記憶部には、投影型液晶42に表示を行う絵柄・文字情報が記憶されており、カード識別手段で識別された情報に応じて記憶部から絵柄・文字情報が制御部を介して投影型液晶42に表示される。また初期パラメータ記憶部には、カード識別手段で識別された情報に応じた初期パラメータが記憶されている。例えば、カード10の種類がID「01」で有る場合、初期パラメータ情報としてAP値は12、DP値は8、HP値は32と記憶されており、初めてカード10を識別した場合に使用されるパラメータである。また、パラメータ記憶部には、ゲームの進行に応じて変化したパラメータが記憶されており、敵のキャラクターや、仮想の敵キャラクターと対戦した結果に応じて、例えばAP値は14、DP値は10、HP値は40と記憶されるものである。
【0037】
制御部は、カード識別手段で識別された情報に応じて、前記カード識別手段で識別された情報に基づいて、記憶部から対応する絵柄などの表示情報を取出し、投影型液晶42に表示させる。また、遊戯者が操作を操作部36の操作に応じて、ゲームを進行させ、投影型液晶42の表示を変化させる。
【0038】
通信端子は、図示しないが本体部30の端部に円柱形状の導電素材で形成された凸部と凹部が形成され、他の液晶ゲーム装置に形成された通信端子である凸部及び凹部と通電するように接続される。通信端子同士を接続すると、ゲームの進行に応じて変化したパラメータ情報を他の液晶ゲーム装置と送受信を行なわれる。
【0039】
操作部36は、第一攻撃設定ボタン46と第二攻撃設定ボタン48、第一防御設定ボタン50と第二防御設定ボタン52、カードセットスイッチ54、ゲーム開始ボタン56となっている。第一攻撃設定ボタン46及び第二攻撃設定ボタン48は、攻撃のする部位(頭部・腹部)の割合を決定する際に使用され、第一防御設定ボタン50及び第二防御設定ボタン52は、防御する部位(頭部・腹部)の割合を決定する際に使用される。またカードセットスイッチ54を押圧すると、カード収納部34に収納されたカード10の識別を開始する。ゲーム開始ボタン56は、攻撃設定と防御設定を終了後、対戦を開始する際に使用される。
【0040】
また、図示しないが初期化スイッチが設けられ、該初期化スイッチが押圧されると、対戦結果に応じて変化したパラメータ記憶部に記憶された情報が消去され、初期パラメータ情報が参照されるようになる。この初期化スイッチは、カード10の種類毎にパラメータ情報を初期化するようにしても構わないし、全てのカード10のパラメータ情報を初期化するようにしてもよい。
【0041】
展開部40は、本体部30の端辺に形成されたヒンジ38によって展開され、展開部40の中央には、バックライトや反射板を有していない液晶である投影型液晶42が設けられている。展開部40の折りたたみ時には、投影型液晶42は、カード収納部34を上方に位置し、カード収納部34に収納されたカード10が反射板としての作用をする。また、カード収納部34にカード10を収納しやすくするために、展開部40は、本体部30の端辺に形成されたヒンジ38を中心に展開できるようになっている。
【0042】
次に、図4を使用し投影型液晶42の画面に表示される文字及び絵柄の説明を行う。投影型液晶42には、カード10に表示された枠組みであるテンプレート12に対応した位置に「ID」「AP」「DP」「HP」が表示されるようになっている。
【0043】
AP値は、攻撃力を示し、「AP」文字表示されたセグメントの横に、直線状に配列された16個の目盛りセグメント74が表示され、該目盛りセグメント74一つあたり1目盛りとなる。攻撃力の値は0〜32の数値であり、この数値を2で割った値の数の目盛りが表示される。例えば、攻撃力が16の場合には、8目盛り分の目盛りセグメント74が表示される。
【0044】
またAP値は、防御セグメント70が表示されていない部位(頭部又は胴部)に攻撃をするとAP値が+2加算され、1目盛り分増加する。このAP値の増加によって、AP値の最大値である32は、越えないようになっている。またAP値は、HP値が−4減算される毎にAP値が−2減算され、1目盛り分減少する。
【0045】
次にDP値は、防御力を示し、「AP」と同様に、「DP」文字表示されたセグメントの横に、直線状に配列された16個の棒状の目盛りセグメント74が表示され、該目盛りセグメント74一つあたり1目盛りとなる。防御力の値は0〜16の数値であり、この数値の数の目盛りが表示される。例えば、防御力が8の場合には、8目盛り分の目盛りセグメント74が表示される。
【0046】
またDP値は、防御セグメント70が表示されていない部位(頭部又は胴部)に攻撃を受けるとDP値が−2減算され、1目盛り分減少する。
【0047】
また、「AP」「DP」と文字表示されたセグメントの横に種類を示す数値であるID値が表示される。
【0048】
HP値は、生命力を示し、「AP」と同様に、「HP」文字表示されたセグメントの横に、直線状に配列された16個の目盛りセグメント74が表示され、該目盛りセグメント74一つあたり1目盛りとなる。生命力の値は0〜64の数値であり、この数値を4で割った値の数の目盛りが表示される。例えば、生命力が32の場合には、8目盛り分の目盛りセグメント74が表示される。
【0049】
また、敵や対戦相手の生命力となるHPが、上記「HP」と同様に、「HP」文字表示されたセグメントの横に、直線状に配列された16個の目盛りセグメント74が表示され、該目盛りセグメント74一つあたり1目盛りとなる。生命力の値は0〜64の数値であり、この数値を4で割った値の数の目盛りが表示される。例えば、生命力が32の場合には、8目盛り分の目盛りセグメント74が表示される。また、「HP」文字表示されたセグメントの横に、敵や対戦相手の種類を示す数値であるIDが表示されている。
【0050】
また、カード10に表示されたキャラクターの頭部及び胴部に対応した位置に円弧状に湾曲した複数の防御セグメント70が表示されると共に、攻撃エフェクトを示す攻撃セグメント72が、先に示す防御セグメント70の周縁に表示されている。また実施例では、攻撃セグメント72は、クワガタムシの顎を模した絵柄となっている。また、攻撃の設定状態を示すセグメントが表示され、キャラクターの頭部と腹部を模した絵柄がそれぞれ表示されている。
【0051】
この液晶ゲーム装置の使用方法を説明する。図示しないが液晶ゲーム装置の電源スイッチを押圧し、液晶ゲーム装置を遊戯可能状態にする。その後、カード10をカード収納部34に入れ、カードセットスイッチ54が押圧すると、カード10の種類が識別され、図5(A)に示すように投影型液晶42の画面にカード種類を示すIDと基礎データが表示される。次に、液晶ゲーム装置の通信端子に他の液晶ゲーム装置が接続されていない場合には、1人プレイを示す「1P」が表示される。また、該通信端子に他の液晶ゲーム装置が接続されている場合には、2人プレイを示す「2P」が表示される。
【0052】
その後、1人プレイの場合においては、仮想の敵キャラクターと対戦を行うようになる。また、2人プレイの場合においては、他の液晶ゲーム装置のカード収納部34に入れられたカード10と対戦を行うようになる。この際に、他の液晶ゲーム装置のカード収納部34に収納されたカード10のゲームの進行に応じて変化したパラメータ情報が送受信され、投影型液晶42の画面に、敵キャラクターの生命力を示すHP値のみが表示される。
【0053】
次に、攻撃の設定変更を行う。図5(B)を用いて攻撃の設定変更の説明を行う。この攻撃の設定変更では、攻撃する部位(頭部・腹部)の割合の変更を行うことが可能である。これは、敵のキャラクターへの頭部攻撃と腹部攻撃への攻撃のバランスを設定することである。攻撃の割合の初期状態では、「頭部攻撃50%・腹部攻撃50%」に設定されており、この割合の変更を行う事ができる。例えば、「頭部攻撃25%・腹部攻撃75%」や、「頭部攻撃100%・腹部攻撃0%」と設定を変更できる。実施例での攻撃箇所の割合は、「0%、25%、50%、75、100%」と25%刻みに設定変更可能となっている。攻撃の設定で設定された割合での確率で指定部位への攻撃が行われる。
【0054】
次に防御の設定変更を行う。図5(C)を用いて防御の設定変更の説明を行う。この防御の設定変更では、防御する部位(頭部・腹部)の割合の変更を行うことが可能である。これは、自分のキャラクターの頭部と腹部の防御のバランスを設定することである。防御の割合の初期状態では、「頭部50%・腹部50%」に設定されており、この状態からこの割合の変更を行う事ができる。例えば、「頭部75%・腹部25%」や、「頭部0%・腹部100%」と設定を変更できる。実施例での防御箇所の割合は、「0%、25%、50%、75、100%」と25%刻みに設定変更可能となっている。この防御設定の割合に応じて、カード10に表示されたキャラクターを模した絵柄の頭部及び胴部に対応した位置に円弧状に湾曲した複数の防御セグメント70が表示される。
【0055】
次に攻撃の設定変更と防御の設定変更に基づいて、図6に示すように対戦が行われる。自分のキャラクターからの攻撃、敵のキャラクターからの攻撃と攻守が交互に行われるようになっている。自分のキャラクターが先に攻撃するかは、ランダムにより決定される。敵キャラクターが自キャラクターを攻撃する攻撃エフェクトを示す攻撃セグメント72が、先に示す防御セグメント70の周縁に表示されており、あたかも自分のキャラクターに攻撃を行っているかのように見せることが可能である。
【0056】
敵又は自分の攻撃によるダメージ計算は、(DP値+(防御設定による防御効果値))−敵のAP値で計算される。防御設定による防御効果値は、防御設定による各部位の割合によって決定され、例えば「頭部100%」であれば、頭部の防御効果値は+8と設定される。また「胴部25%」であれば、胴部の防御効果値は+2と設定されるようになっている。また、この防御効果値は、敵からの攻撃を受ける毎に−1され、防御効果値0を下回ることがないようになっている。
【0057】
上記の計算式によるダメージ計算例では、DP値8、敵のAP値16、防御設定が75%で防御効果値が+6で有る場合には、ダメージ値は−2となり、HP値である生命力の数値から−2減算を行うようになる。
【0058】
攻守を交互に行い、生命力であるHP値が0以下になったキャラクターが負けとなり、HPが0より大きいキャラクターが勝ちとなる。対戦結果が確定した後に、該対戦結果に応じてゲーム進行状況に応じて変化するパラメータ情報の更新を行う。例えば、勝ったキャラクター側のHP値が2加算したり、負けたキャラクター側のDP値が−2減算したりするようにすることができる。この対戦を重ねる毎に、自分のキャラクターのパラメータ情報を向上させていくとこによって趣向を高めることが可能である。
【0059】
以上説明したように構成することにより、反射板としての作用を有するカードと、該カードの上方に、絵柄及び文字を表示する投影型液晶を配置することにより、カードに表示された絵柄と、投影型液晶に表示される文字や絵柄とを組合せた画像を表示する表示装置と、この表示装置を使って遊戯を行うことが可能な液晶ゲーム装置を提供することができる。また、好ましい実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々に改変できる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の一実施例であるカードを示す図である。
【図2】本発明の一実施例である液晶ゲーム装置を示す図である。
【図3】本発明の一実施例である液晶ゲーム装置を示す図である。
【図4】本発明の一実施例である投影型液晶に表示されるセグメントを示す図である。
【図5】本発明の一実施例である対戦の流れを示す図である。
【図6】本発明の一実施例である対戦の流れを示す図である。
【符号の説明】
【0061】
10 カード
12 テンプレート
14 絵柄
16 識別部
18 カード差込方向表示絵柄
30 本体部
34 カード収納部
36 操作部
38 ヒンジ
40 展開部
42 投影型液晶
44 カード接続端子
46 第一攻撃設定ボタン
48 第二攻撃設定ボタン
50 第一防御設定ボタン
52 第二防御設定ボタン
54 カードセットスイッチ
56 ゲーム開始ボタン
70 防御セグメント
72 攻撃セグメント
74 目盛りセグメント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反射板としての作用を有するカードを収納可能としたカード収納部と、前記カード収納部の上方に、絵柄及び文字を表示し前記カード収納部に収納されたカードを透過する投影型液晶と備えたことを特徴とした表示装置。
【請求項2】
請求項1において、前記カードには、導電素材と非導電素材で形成された領域の組合せによって構成される識別部を有し、前記表示装置に、前記識別部と接触するカード接続端子をカード収納部内に備え、前記カード接続端子と接触した前記カードの識別部の導電素材と非導電部材の組合せを識別するカード識別手段と、導電素材と非導電部材で形成された領域の組合せに応じた絵柄及び文字情報を記憶した記憶部と、前記カード識別手段で識別された情報に基づいて、記憶部から対応する絵柄及び文字情報を取出し前記投影型液晶に表示させる制御部を更に備えたことを特徴とした表示装置。
【請求項3】
反射板としての作用を有し、且つ導電素材と非導電素材で形成された領域の組合せによって構成される識別部を有するカードを収納可能すると共に前記識別部と接触するカード接続端子が設けられたカード収納部と、前記カード収納部の上方に、絵柄及び文字を表示し前記カード収納部に収納されたカードを透過する投影型液晶と、前記カード接続端子と接触した前記カードの識別部の導電素材と非導電部材の組合せを識別するカード識別手段と、導電素材と非導電部材で形成された領域の組合せに応じた絵柄及び文字情報を記憶した記憶部と、前記カード識別手段で識別された情報に基づいて記憶部から対応する絵柄及び文字情報を取出し前記投影型液晶に表示させる制御部と、遊戯者からの操作の入力を行う操作部とを備えたことを特徴とした液晶ゲーム装置。
【請求項4】
請求項3において、前記カードには、枠組みとなるテンプレートと、キャラクターなどの絵柄が表示されていることを特徴とした液晶ゲーム装置。
【請求項5】
請求項3又は4において、前記カードには、前記カード収納部に収納する向きを示すカード差込方向表示絵柄が表示されていることを特徴とした液晶ゲーム装置。
【請求項6】
請求項3乃至5のいずれか1項において、カード識別手段で識別された情報に応じた初期パラメータが記憶された初期パラメータ記憶部と、ゲームの進行に応じて変化したパラメータを記憶するパラメータ記憶部とを備えたことを特徴とした液晶ゲーム装置。
【請求項7】
請求項3乃至6のいずれか1項において、他の液晶ゲーム装置と接続し、情報の送受信を行う通信端子を備えたことを特徴とした液晶ゲーム装置。
【請求項8】
請求項3乃至7のいずれか1項において、前記カード収納部の収納されたカードの識別を開始するカードセットスイッチを備えたことを特徴とした液晶ゲーム装置。
【請求項9】
請求項3乃至8のいずれか1項において、前記投影型液晶は、前記カードに表示されたキャラクターなどの絵柄の位置に応じた防御を示す防御セグメント表示及び攻撃を示す攻撃セグメント表示を行うことを特徴とした液晶ゲーム装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−288721(P2006−288721A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−113458(P2005−113458)
【出願日】平成17年4月11日(2005.4.11)
【出願人】(595038785)株式会社ユーメイト (1)
【出願人】(594067829)株式会社ドラゴンマスタージャパン (1)
【Fターム(参考)】