説明

表示装置及び表示制御方法

【課題】光源部の分割領域毎に輝度制御を行いつつ、温度分布のばらつきを低減できる表示装置と表示制御方法を提供すること。
【解決手段】表示部107の光源部(LED部106)は制御エリア毎に発光制御される。ローカルディミング制御部101は映像入力信号に応じて制御エリア毎にLEDの輝度制御値を算出する。BL(バックライト)制御エリア温度ムラ判定部103は輝度制御値から制御エリア毎に温度ばらつきが発生するか否かを判定する。BL制御エリアOFF制御計算部104は温度ばらつきが発生しないと判定された第1制御エリアについて輝度制御値を補正なしでLED制御部105に出力し、また、温度ばらつきが発生すると判定された第2制御エリアについてはその輝度制御値が第1制御エリアに係る輝度制御値に近づくように再計算した補正後の輝度制御値をLED制御部105に出力する。LED制御部105はLED部106を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の発光素子を用いたバックライトを備える表示装置と表示制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
LED(発光ダイオード)を用いたバックライト装置では、映像入力信号の輝度レベルに応じて光源部の各分割領域(以下、BL制御エリアという)の輝度を変化させるローカルディミング制御技術が知られている。この制御を、静止画や動きの少ない映像を含むコンテンツの表示に適用した場合、BL制御エリア毎にLEDの電流値が長時間に亘って異なる状態が発生する。BL制御エリア毎に発熱量の違う状態が長時間発生すると、温度分布にばらつきが生じる。また、LEDには温度に応じて輝度や色度が変化する特性がある。
【0003】
温度変化に拘わらずに所定の発光色を維持する方法として、周囲温度を検出し、所定の発光色となるようLEDに流す電流値を調整すると共に、周囲温度をファンなどで制御する技術がある(特許文献1参照)。一方、映像信号が動画信号か静止画信号かを判定し、静止画信号の場合、黒挿入制御で発生する無駄な電力を抑えるために、バックライトの黒挿入制御を行わないようにする技術がある(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−87816号公報
【特許文献2】特開2002−123223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記特許文献1のように、所定の発光色を得るためにLEDの電流値を制御する方法では、ローカルディミング制御でBL制御エリア毎に輝度が異なる場合、BL制御エリア毎に温度も異なる。当該温度を一定に保つためには、各BL制御エリアにファンなどの冷却手段を設ける必要があるので現実的ではない。また特許文献2の技術をローカルディミング制御処理に適用し、静止画表示の場合にローカルディミング制御をオフにすると、温度分布のばらつきは発生しないが、静止画表示にてローカルディミング制御を行うことができない。
そこで、本発明の目的は、光源部の分割領域毎に輝度制御を行いつつ、温度分布のばらつきを低減できる表示装置と表示制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明に係る装置は、複数の発光素子を備えた光源部と、画像を表示する表示部を備え、該光源部を複数の制御エリア毎に発光制御する表示装置であって、入力された映像信号から前記制御エリア毎に前記発光素子の発光強度の制御値を算出する制御値計算手段と、前記制御値計算手段が算出した発光強度の制御値から前記複数の制御エリア毎に温度分布のばらつきが発生するか否かを判定する温度ムラ判定手段と、前記複数の制御エリアのうち、前記温度ムラ判定手段により温度分布のばらつきが発生しないと判定された第1制御エリアについては前記制御値計算手段が算出した前記制御値を出力し、前記温度ムラ判定手段により温度分布のばらつきが発生すると判定された第2制御エリアについてはその制御値が、前記制御値計算手段の算出した前記第1制御エリアに係る制御値に近づくように再計算を行って補正後の制御値を出力する補正計算手段と、前記補正計算手段が出力する制御値に従って前記発光素子を制御する発光制御手段を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、光源部の分割領域毎に輝度制御を行いつつ、温度分布のばらつきを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図2乃至6と併せて本発明の一実施形態を説明するために、表示装置の構成例を示したブロック図である。
【図2】映像入力信号とBL制御エリアの時間的変化を示した模式図である。
【図3】BL制御エリアに対応する映像入力信号部分に階調変化があるか否かを判定する処理例を説明するフローチャートである。
【図4】BL制御エリア毎に温度ばらつきが発生するか否かを判定する処理の流れを例示したフローチャートである。
【図5】温度ばらつきを低減するために、BL制御エリア毎の輝度制御値を再計算する処理例を説明するフローチャートである。
【図6】温度ばらつきの低減制御を行った場合の温度および輝度制御値の変化を例示する模式図である。
【図7】図8と併せて第1実施形態の変形例を説明するために、コントラスト調整の計算処理例を説明するフローチャートである。
【図8】温度ばらつきの低減制御を行った場合にBL制御エリアの輝度制御値に応じて映像出力信号を変化させる処理例を示す模式図である。
【図9】図10と併せて本発明の第3実施形態に係る表示装置の構成例を示したブロック図である。
【図10】検出したLED温度から温度ばらつきが発生しているか否かを判定する処理例を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の各実施形態を、添付図面に従って説明する。
[第1実施形態]
図1は本発明の第1実施形態および変形例並びに後述の第2実施形態に係る表示装置の構成をまとめて例示したブロック図である。表示装置は、発光素子にLEDを用いたパネルモジュールと、LEDの発光制御を行う制御部を備える。
パネルモジュールの表示制御を行う制御部は、ローカルディミング制御部101、BL制御エリア階調変化判定部102、BL制御エリア温度ムラ判定部103、BL制御エリアOFF制御計算部104、LED制御部105で構成される。なお、領域コントラスト制御部301については後で詳述する。
【0010】
パネルモジュールはLED部106と表示部107を備える。LED部106は複数のLEDを用いた光源部であり、バックライト装置が使用される。またLED部106の光を用いて画像を表示する表示部107には液晶表示パネルが使用される。
映像信号(以下、IDnと記す)は、ローカルディミング制御部101、BL制御エリア階調変化判定部102に入力される。映像信号IDnにおける添え字nは、n番目のBL制御エリアに係る信号であることを表す。映像信号IDnは領域コントラスト制御部301を介して表示部107に送られるが、以下では映像信号IDnがそのまま表示部107に送られて画像表示される形態から説明する。また、目標輝度制御値(Mnと記す)については第2実施形態で説明する。
ローカルディミング制御部101は、入力された映像信号IDnからBL制御エリア輝度制御値を算出する制御値計算手段である。BL制御エリア輝度制御値とは、LEDの発光強度の制御値、つまりBL制御エリア毎のLEDの明るさを制御する輝度制御値である。以下ではn番目のBL制御エリアに係る輝度制御値をBDnと記す。
【0011】
図2は、ローカルディミング制御部101に入力される映像信号の時間的変化を例示する模式図である。上段には画像1011乃至1016を時系列で示しており、左端の画像1011は、均一な暗い背景を表示する映像信号による表示画像である。また画像1012乃至1016は、背景が暗く画面中央に位置する風車の羽が時間経過につれて回転している状態を時々刻々と表示する映像信号による表示映像である。画像1011乃至1016の下段には、各画像に対応するBL制御エリア(LED部106の分割領域)の点灯状態1017乃至1022をそれぞれ示す。例えば、画像1011の映像信号が表示装置に入力された場合、ローカルディミング制御部101は全BL制御エリアが点灯状態1017になるよう制御し、明るさを均一にする。その後、画像1012乃至1016にそれぞれ示す映像信号が表示装置に入力された場合、ローカルディミング制御部101はBL制御エリアが点灯状態1018乃至1022となるように制御する。つまり、これらの点灯状態にて、斜線のハッチングを付して示す四角枠が暗い輝度制御値で点灯しているBL制御エリア(以下、低輝度エリアという)を示す。白色で区別した四角枠(本例では中央部に位置する4つの分割領域)が明るい輝度制御値で点灯しているBL制御エリア(以下、高輝度エリアという)を示す。BL制御エリアの点灯状態1018乃至1022は、風車の画像下にある高輝度エリアがその周囲よりも相対的に明るい輝度制御値で点灯した状態であり、時間が経過しても高輝度エリアはその周囲よりも明るく点灯するように制御が行われる。ローカルディミング制御部101は、BL制御エリアの輝度制御値BDnを、BL制御エリア温度ムラ判定部103とBL制御エリアOFF制御計算部104へ出力する。
【0012】
BL制御エリア階調変化判定部(以下、単に階調変化判定部という)102は、入力される映像信号をBL制御エリア毎に時分割処理し、各BL制御エリアに対応する分割された映像信号部分(以下、映像信号エリアという)について階調値の変化を判定する。
【0013】
図3は階調変化判定部102がフレーム毎に映像信号エリアについて階調値の変化を判定する手順を例示したフローチャートである。
まずS1021にて入力された映像信号は、BL制御エリアと対応した映像信号エリアに分割される。次のS1022では分割された映像信号エリア毎に、映像信号の平均階調値が算出される。S1023ではS1022で計算した、分割された映像信号エリア毎の平均階調値を不図示のメモリに保存する処理が行われる。S1024では分割された映像信号エリア毎に保存された前フレームの平均階調値と、現フレームで計算した平均階調値との差分絶対値が計算される。n番目の分割された映像信号エリアに係る差分絶対値をAnと記す。
【0014】
次のS1025では、S1024にて計算した差分絶対値Anが階調変化判定閾値(Uthと記す)より大きいか否かが判定され、S1026へ進む。この階調変化判定閾値Uthは映像信号エリアの階調値の変化が小さいか否かを判定するために設定される第1閾値である。第1閾値以下(An≦Uth)の場合、変化の小さい映像と判定され、An>Uthの場合には変化の大きい映像と判定される。
【0015】
次にS1026では、BL制御エリア毎にS1025での判定結果をもとに、階調変化判定値(Shnと記す)の計算処理が行われる。この階調変化判定値Shnは、n番目のBL制御エリアに対応した映像信号エリアでの階調変化が大きい映像か否かを示す情報である。An≦Uthの場合には階調変化判定値Shnが0に設定され、An>Uthの場合には階調変化判定値Shnが1に設定される。次にS1027では、S1026で得た階調変化判定値Shnが、BL制御エリア温度ムラ判定部(以下、単に温度ムラ判定部という)103に出力される。
【0016】
なお、映像信号エリア毎の映像信号が階調変化の小さい映像か否かを判定する方法には、上記に限らず他の方法を用いてもよい。例えば一定の時間間隔で入力された映像信号について、映像信号エリア毎に平均階調値をサンプリングして保存しておき、所定期間に亘るBL制御エリア毎の平均階調値が変化したか否かによって階調変化の少ない映像か否かを判定する方法がある。また別例として、映像信号エリア毎の平均階調値を複数のフレーム期間に亘って保存しておき、複数のフレーム期間に亘る平均階調値の変化が小さい場合に階調変化の少ない映像と判定する方法がある。さらに別例としては、BL制御エリア毎に輝度ヒストグラムを検出し、時間に対する変動値が一定以下の場合に階調変化の少ない映像と判定する方法がある。これらの例では複数のフレーム期間に亘る階調値から変化の判定が行われる。要はBL制御エリア毎に、映像信号エリアについて階調変化の小さい映像であるか否かを判定できれば、如何なる方法を採用してもよい。
【0017】
次に温度ムラ判定部103は階調変化判定部102からの階調変化判定値Shnと、ローカルディミング制御部101からのBL制御エリアの輝度制御値BDnに基づいて、LEDの温度分布のばらつき(以下、温度ばらつきという)が発生するか否かを判定する。
図4はフレーム毎に行う、温度ばらつきが発生するか否かの検出手順を例示したフローチャートである。図4の処理を行う前に、全BL制御エリアの輝度制御値の平均値(Bavgと記す)が計算される。このBavgの計算はフレーム毎に1回だけ行われる。
【0018】
S1031は、BL制御エリア毎に階調変化判定部102から入力された階調変化判定値Shnが1か否かの判定処理である。Shn値が1の場合、S1033へ進み、Shn値が0の場合、S1032へ進む。
S1032では、S1031にて階調変化判定値Shnが0であると判定されたBL制御エリアの温度ばらつき発生判定値(Phnと記す)が0に設定される。この温度ばらつき発生判定値Phnはn番目のBL制御エリアの温度ばらつきが発生するか否かを示す。複数のBL制御エリアのうち、第1制御エリアにて温度ばらつきが発生しないと判定された場合、そのPhnに0が設定され、第2制御エリアにて温度ばらつきが発生すると判定された場合、そのPhnに1が設定されるものとする。S1032の後、S1036へ進む。
【0019】
S1033では、S1031にて階調変化判定値Shnが1であると判定されたBL制御エリアの輝度制御値BDnとBavgとの差分絶対値|BDn−Bavg|が算出される。この差分絶対値が第2閾値以上であるか否かが判定される。第2閾値として設定される温度ばらつき発生判定閾値(Kthと記す)は、差分絶対値|BDn−Bavg|に基づいて温度ばらつきが発生するか否かを判定するための閾値である。|BDn−Bavg|≧Kthの場合、温度ばらつきが発生すると判定され、S1034へ進む。|BDn−Bavg|<Kthの場合、温度ばらつきが発生しないと判定され、S1035へ進む。なお、Kth値を大きく設定すれば、温度ばらつきを検出するまでに発生する、ばらつき温度が大きくなり、逆にKth値を小さくすれば、ばらつき温度が小さくなる。
【0020】
S1034では、温度ばらつき発生判定値Phnに1が設定され、S1036へ進む。S1035では、温度ばらつき発生判定値Phnに0が設定され、S1036へ進む。S1036では、温度ばらつき発生判定値PhnがBL制御エリアOFF制御計算部(以下、単にOFF制御計算部という)104に出力される。
【0021】
こうして全BL制御エリアに対して図4の計算処理が繰り返し行われる。OFF制御計算部104は輝度制御値に関する補正計算手段であり、温度ばらつきを低減すべくBL制御エリアの輝度制御値を再計算する。輝度制御値の再計算には温度ムラ判定部103からの温度ばらつき発生判定値Phnと、ローカルディミング制御部101からのBL制御エリアの輝度制御値BDnが使用される。
【0022】
以下に、輝度制御値の再計算について図5のフローチャートと図6の模式図を用いて説明する。この再計算は、フレーム毎に温度ばらつき発生判定値Phnが1であって、温度ばらつきが発生すると判定されたBL制御エリアについて行われ、計算結果に基づいて温度ばらつきを低減する補正制御が行われる。
図5は再計算手順を例示したフローチャートである。図5の処理を行う前に、温度ばらつき発生判定値Phnが0である全てのBL制御エリアについての平均輝度制御値(Cavgと記す)が算出される。Cavgは、温度ばらつきが発生しない全BL制御エリアにおける輝度制御値の平均値であり、フレーム毎に1回だけ計算される。
【0023】
S1041でOFF制御計算部104は、BL制御エリア毎に温度ムラ判定部103から入力された温度ばらつき発生判定値Phnが1か否かを判定する。Phn値が1のBL制御エリアの場合、S1043に進み、Phn値が0のBL制御エリアの場合、S1042に進む。S1042では温度ばらつき補正制御を行う必要が無いため、当該BL制御エリアの補正後輝度制御値(Dnと記す)として、入力されたBDnがそのまま出力される。補正後輝度制御値Dnは、n番目のBL制御エリアの温度ばらつきを低減するための輝度制御値である。S1042の後、S1049へ進む。
【0024】
S1043でOFF制御計算部104は、BL制御エリア毎に前フレームでも温度ばらつき発生判定値Phnが1であったか否かを判定する。前フレームでもPhn値が1であればS1045へ進み、前フレームでPhn値が0であればS1044へ進む。S1044で補正フレームカウント回数(Enと記す)が1に初期化され、S1046へ進む。補正フレームカウント回数Enは、n番目のBL制御エリアについて温度ばらつきを低減させる補正制御を何フレーム期間に亘って行ったかをカウントする変数である。S1045でのインクリメント処理により、下式(1)のように補正フレームカウント回数Enの値に1が加算された後、S1046へ進む。
【0025】
【数1】

【0026】
S1046は補正フレームカウント回数Enとその閾値(Thと記す)の比較処理である。つまり、BL制御エリア毎にTh回以上の補正が行われたか否かについて判定される。このThは、温度ばらつき補正計算を行う期間を決める補正フレーム回数である。Th値を大きく設定すれば、長時間をかけて温度ばらつきを除去する制御が行われ、逆に小さく設定すれば、短時間で温度ばらつきを除去する制御が行われる。En≧Thの場合、温度ばらつき補正処理が完了したと判定され、S1048に進む。またEn<Thの場合、温度ばらつき補正処理が完了していないと判断され、S1047へ進む。
S1047では、BL制御エリア毎の補正後輝度制御値Dnが下式(2)に従って計算され、このDnは計算処理を行ったフレーム期間の次のフレーム期間での映像に対して適用される。
【0027】
【数2】

【0028】
S1048ではTh回の温度ばらつき補正処理が完了しているので、BL制御エリア毎の補正後輝度制御値DnがCavgに設定される。なお、上式(2)でEn=Thを代入すれば、Dn=Cavgが得られる。
S1047、S1048の後、S1049に進み、計算された補正後輝度制御値DnがLED制御部105へ出力される。こうして全BL制御エリアに対して図5の計算手順が繰り返し実行される。
【0029】
入力される映像信号に応じて図5の計算手順を行った場合の温度ばらつきの補正効果について、図6の模式図を用いて説明する。図6は温度ばらつきを低減する補正制御を行った場合の模式図である。図6(A)は横軸に時間Tをとり、縦軸にBL制御エリアの温度をとって、t1乃至t6に示す時間経過に沿って温度変化を例示したグラフである。図6(B)は横軸に時間Tをとり、縦軸にBL制御エリアの輝度制御値をとって、その時間変化を例示したグラフである。図6に示す期間t1乃至t6での映像信号に対応する画像は、図2の画像1011乃至1016としてそれぞれ表示されるものとする。図6(A)に実線で示すグラフ線1062は、図2に示す点灯状態1017乃至1022の斜線部に示す低輝度エリアの温度を示し、図6(B)に実線で示すグラフ線1064は低輝度エリアの輝度制御値を示す。また図6(A)の破線で示すグラフ線1061は図2の点灯状態1018乃至1022にて白地で表した高輝度エリアの温度変化を示し、図6(B)に破線で示すグラフ線1063は高輝度エリアの輝度制御値の変化を示す。
【0030】
図2の点灯状態1017乃至1022に示す低輝度エリアでは、期間t1乃至t6に亘って輝度制御値が変化しないため、一定の輝度制御値で一定時間以上経過した場合には図6(A)の実線のグラフ線1062に示すように温度が殆んど変化しない。
図2の点灯状態1018乃至1022に示す高輝度エリアでは、輝度制御値が期間t1乃至t6に亘って下記のように制御される。まず期間t1からt2に変化すると、明るい風車の映像信号による画像1012が表示されるため、図2の点灯状態1018に白地で表した明るいBL制御エリアが点灯する。期間t2での輝度制御値は図6(B)の破線のグラフ線1063に示すように、明るい輝度制御値(B2参照)となる。また、高輝度エリアでは輝度制御値が高いため、図6(A)の破線のグラフ線1061aで示すように温度が上昇する。この期間t2では図2の点灯状態1018に示す高輝度エリアにて温度ばらつきが発生すると判定される。
【0031】
期間t3では、期間t2で計算されたBL制御エリア毎の補正後輝度制御値が適用される。図6(B)の破線のグラフ線1063に示すように、B2よりも少し暗い輝度制御値(B3参照)となるため、図6(A)の破線のグラフ線1061bに示すように温度上昇が緩やかになる。期間t4では、期間t3で計算されたBL制御エリア毎の補正後輝度制御値が適用される。図6(B)の破線のグラフ線1063に示すように、B3よりも少し暗い輝度制御値(B4参照)となるため、図6(A)の破線のグラフ線1061cに示すように温度が下降し始める。期間t5では、期間t4で計算されたBL制御エリア毎の補正後輝度制御値が適用される。この場合、図6(B)の破線のグラフ線1063に示すように、温度ばらつきが発生しない実線のグラフ線1064と同じ輝度制御値となるため、図6(A)の破線のグラフ線1061dに示すように、さらに温度が下降する。期間t6では、期間t5で計算されたBL制御エリア毎の補正後輝度制御値が適用され、図6(B)の実線のグラフ線1064と同じ輝度制御値となるため、図6(A)に示すように温度が実線のグラフ線1062の示す温度と同じになる。
【0032】
このように、図5に示すフローチャートに従う計算により制御を行うと、BL制御エリアの温度ばらつきが低減される。LED制御部105はOFF制御計算部104から入力された補正後輝度制御値Dnに基づいて、LED部106を発光制御する。LED部106を構成する各LEDはBL制御エリア毎に指定された電流値で発光する。表示部107は、入力された映像信号IDnに従って画像を表示する。
【0033】
以上のように、第1実施形態に係る表示装置は、BL制御エリアに対応する映像信号部分の階調変化を検出する。温度ばらつきが発生すると判定されたBL制御エリアについては、その輝度制御値を徐々に低下させ、温度ばらつきが発生しないと判定されたBL制御エリアの輝度制御値と同じ値になるように発光制御が行われる。したがって、ローカルディミング制御を行っても、BL制御エリア毎のLED部の温度ばらつきを低減することができる。
【0034】
[変形例]
次に、第1実施形態の変形例を説明する。本形態に係る表示装置では、温度ばらつきを低減する為のBL制御エリア毎の輝度制御値に合わせて映像信号のコントラストを制御する。図1に示す領域コントラスト制御部301は映像信号IDnを処理して、BL制御エリア毎に対応した映像信号のコントラストを調整し、調整後の映像信号を表示部107に出力する。コントラスト調整は、温度ムラ判定部103からの温度ばらつき発生判定値Phn、OFF制御計算部104からの補正後輝度制御値Dn、およびローカルディミング制御部101からのBL制御エリアの輝度制御値BDnに基づいて行われる。領域コントラスト制御部301はBL制御エリア毎に温度ばらつきを低減するために輝度制御を行う場合でも、表示部107の表示画面のコントラスト変化が小さくなるよう制御する。以下、本制御について図7のフローチャートおよび図8の模式図を用いて説明する。
【0035】
図7はBL制御エリア毎に対応する映像信号のコントラスト調整に関する計算手順を例示したフローチャートである。
まずS3041で領域コントラスト制御部301は、BL制御エリア毎の温度ばらつき発生判定値Phnが1であるか否かを判定する。この判定処理は映像信号のフレーム毎に行われる。Phn値が1であるBL制御エリアの場合、S3043に進み、Phn値が0であるBL制御エリアの場合、S3042に進む。
【0036】
S3042では温度ばらつきが発生しないと判定されたBL制御エリアの映像出力信号(ODnと記す)が計算される。映像出力信号ODnはn番目のBL制御エリアに対応して出力される映像信号である。温度ばらつきが発生しないと判定されたBL制御エリアの映像出力信号ODnについては、入力映像信号IDnのまま出力信号となり、S3048に進む。
S3043で領域コントラスト制御部301は、温度ばらつき補正前の輝度制御値BDnに対する補正後輝度制御値Dnの割合(Hnと記す)を下式(3)のようにBL制御エリア毎に計算する。Hnはn番目のBL制御エリアにおける補正前後での輝度制御値の変化率を示す。そしてS3044に進む。
【0037】
【数3】

【0038】
S3044ではBL制御エリア毎に映像信号オフセット量(OFSTnと記す)が下式(4)により計算される。OFSTnはn番目のBL制御エリアの映像信号オフセット量を示す。そしてS3045に進む。
【0039】
【数4】

【0040】
S3045はS3044で計算したOFSTnが1より小さいか否かの判定処理である。OFSTn<1の場合、S3046へ進み、OFSTn≧1の場合、S3047へ進む。
S3046では温度ばらつきを補正するためにBL制御エリアの輝度を徐々に下げる場合の映像出力信号ODnが下式(5)で計算された後、S3048へ進む。
【0041】
【数5】

【0042】
上式中のβは、ローカルディミング制御を行う場合に表示パネルの輝度ダイナミックレンジを決める値である。β値を1に設定するとローカルディミング制御を行った際にピーク輝度値が変化しないように制御できる。DKnは黒輝度設定値であり、n番目のBL制御エリアでの黒輝度を決める値である。
S3047では温度ばらつきを補正するためにBL制御エリアの輝度を徐々に上げる場合の映像出力信号ODnが下式(6)で計算された後、S3048へ進む。
【0043】
【数6】

【0044】
上式中のGDmaxは、表示パネルで表示できる最大信号階調を示す。例えば、8bit階調の場合には最大信号階調は255となる。
S3048では表示部107に対して映像出力信号ODnが出力され、コントラスト調整された画像が表示される。
【0045】
映像信号IDnに応じて図7で説明した計算を行った場合に、表示輝度の変化が低減される効果について図8及び図6(A)乃至(C)を用いて以下に説明する。
図8は温度ばらつきを低減させる補正制御を行った場合に、BL制御エリアの輝度制御値に応じて信号処理される出力信号を示すグラフである。横軸に映像信号IDnのレベルを示し、縦軸には映像出力信号ODnのレベルを示す。図8(A)の実線のグラフ線3101は基準特性を示し、IDnとODnが比例関係にあることを表している。
【0046】
図8(A)および(B)に破線で示すグラフ線3102は、図6の期間t2に対応する映像出力信号ODnの特性を示す。図8(B)に破線で示すグラフ線3105は、図6の期間t5に対応する映像出力信号ODnの特性を示す。図6の期間t2では、BL輝度制御値が増加方向に変化する(B2参照)のに合わせてBL制御エリアに対応する映像信号の出力特性が、図8(A)の破線のグラフ線3102のようになる。すなわち、元の出力信号特性を示すグラフ線3101に比べてコントラストを低下させる制御が行われる。
【0047】
期間t3、t4にて図6(B)に示すように輝度制御値(B3、B4参照)は減少方向に変化する。そして期間t5では、映像信号の出力特性が図8(B)の1点鎖線のグラフ線3105のようになる。期間t5では温度ばらつき補正を行うためにBL制御エリアの輝度制御値が低く設定される(図6(B)のグラフ線1064参照)。図7に示す計算によって、図8(B)のグラフ線3105に示すようにコントラストを上昇させる処理が行われる。つまりこの信号処理ではBL制御エリアの輝度降下に合わせて信号処理の最大信号階調値が上昇するので、表示パネルの最大輝度値を維持できる。また表示パネルの最小輝度値もBL制御エリアの輝度降下に合わせて上昇するので、最小輝度も維持可能となる。
【0048】
図6(C)は温度ばらつきを低減させる輝度制御値の変化に合わせてコントラスト調整を行った場合のパネル輝度ダイナミックレンジの変化を例示するグラフである。期間t1乃至t6におけるパネル輝度ダイナミックレンジ幅3201は、各期間における最大輝度値と最小輝度値との差をそれぞれ示す。図示のように表示パネルの輝度ダイナミックレンジを一定に保ちながら、温度ばらつきを低減する制御が実現される。
【0049】
本変形例によれば、温度ばらつき補正を行うためにBL制御エリアの輝度を変化させても表示パネル上では輝度のダイナミックレンジを維持できる。よって、ユーザにとって違和感の少ない温度ばらつき補正制御が実現可能となる。
【0050】
[第2実施形態]
第2実施形態では、温度ばらつきを低減する為の輝度制御値を外部から設定可能な表示装置および表示制御方法について説明する。
【0051】
図1の表示装置にて温度ムラ判定部103とOFF制御計算部104には目標輝度制御値Mnが入力される。目標輝度制御値Mnは、温度ばらつきを低減するためにn番目のBL制御エリアに設定する輝度制御値であり、例えば不図示の外部装置から設定される。パーソナルコンピュータ等の映像再生装置内に予め保存された写真データをスライドショーで表示させる場合、表示される映像によって引き起こされる温度ばらつきは事前に検出しておくことができる。つまり、発生する温度ばらつきが予め検出可能な場合には、外部装置からの目標輝度制御値Mnを、温度ばらつきの低減に最適な値として設定できる。また、予めBL制御エリア毎に目標輝度制御値Mnを設定する事例としては、バックライト装置の位置によって、周囲環境が異なる場合が挙げられる。例えば、あるBL制御エリアではその近くに発熱量の大きな基板が配置され、また別のBL制御エリアは冷却ファンによる影響を受け易い位置であるといった状況にて、BL制御エリア毎に最適なMn値が設定される。
【0052】
温度ムラ判定部103は、階調変化判定部102からの階調変化判定値Shnと、ローカルディミング制御部101からの輝度制御値BDnと、目標輝度制御値Mnを用いて、BL制御エリアの温度ばらつきが発生するか否かを判定する。OFF制御計算部104には、温度ムラ判定部103からの温度ばらつき発生判定値Phnと、ローカルディミング制御部101からの輝度制御値BDnと、目標輝度制御値Mnが入力され、BL制御エリアの輝度制御値を再計算する。
【0053】
フレーム毎に行われる温度ばらつきの発生検出手順にて図4と相違する処理はS1033であるため、その処理のみ説明する。
S1031で階調変化判定値Shnが1の場合、S1033へ進む。S1033ではBL制御エリア毎に、輝度制御値BDnと目標輝度制御値Mnとの差分絶対値|BDn-Mn|が温度ばらつき発生判定閾値Kth以上であるか否かが判定される。|BDn-Mn|≧Kthの場合、温度ばらつきが発生すると判定されてS1034へ進み、|BDn-Mn|<Kthの場合、温度ばらつきが発生しないと判定されてS1035へ進む。
【0054】
OFF制御計算部104は第1実施形態と同様に、フレーム毎に図5のフローチャートに示す手順で計算を実行する。この場合、Cavgは、目標輝度制御値Mnに置き換えて計算される。このようにCavgを目標輝度制御値Mnに置き換えることで、画面全体の温度ばらつきをなくすための輝度制御値を外部装置等から任意に設定可能となる。つまり表示される映像が予め把握できて、どのような温度ばらつきが発生するかを計算できる場合には、温度ばらつきを低減する最適な目標輝度制御値Mnを事前に設定できる。
第2実施形態によれば、温度ばらつきを低減する目標輝度制御値Mnの設定により、入力された映像信号に対して最適化した温度ばらつき低減制御が実現される。
【0055】
[第3実施形態]
次に本発明の第3実施形態を説明する。第3実施形態では、温度ばらつき低減制御の開始時に実際のLED温度を検出して制御を行う表示装置を説明する。
図9は第3実施形態に係る表示装置の構成例を示したブロック図である。以下、図1に示す構成との相違点を説明し、前記実施形態の場合と同様の構成要素については既に使用した符号を用いることでそれらの詳細な説明を省略する。
【0056】
パネルモジュールにはLED温度検出部401が設けられており、LED部106の温度をBL制御エリア毎に検出する。温度検出信号はBL制御エリア許容温度判定部(以下、単に許容温度判定部という)402に送出される。許容温度判定部402はBL制御エリア毎の温度分布を示す温度検出信号に基づいて、温度ばらつきが発生するか否かを判定し、判定結果を温度ムラ判定部103に出力する。第3実施形態の場合、階調変化判定部102は無いが、必要に応じて領域コントラスト制御部301を設けることができる。
【0057】
以上のように構成された表示装置について、以下では第1実施形態の動作との違いを説明する。
LED温度検出部401はLED部106のBL制御エリア毎のLED温度値(OTnと記す)を検出して許容温度判定部402へ出力する。OTnはn番目のBL制御エリアのLED温度値を示す。許容温度判定部402はBL制御エリア毎のLED温度値OTnに基づいて、温度ばらつきが発生しているか否かを判定する。
【0058】
図10はフレーム毎に行われる温度ばらつきの発生検出手順を例示したフローチャートである。この処理を行う前に、全BL制御エリアのLED温度値の平均値(Javgと記す)を計算する処理が行われる。このJavgの計算はフレーム毎に1回だけ計算される。
まずS4031では、BL制御エリア毎のLED温度値OTnと平均値Javgとの差分絶対値|OTn−Javg|が計算され、判定閾値(Jthと記す)以上であるか否かが判定される。判定閾値JthはBL制御エリア毎に温度ばらつきが発生しているか否かを判定するための閾値である。判定閾値Jthを大きく設定すれば、温度ばらつき低減制御が開始するまでに発生するばらつき温度が大きくなる。逆に判定閾値Jthを小さく設定すれば、発生するばらつき温度が小さくなる。|OTn−Javg|≧Jthの場合、温度ばらつきが発生していると判定されてS4032へ進む。|OTn−Javg|<Jthの場合、温度ばらつきが発生していないと判定されてS4033へ進む。
【0059】
S4032で温度ムラ判定部103は、S4031での判定結果をもとに温度ばらつき発生判定値Phnを1としてS4034へ進む。またS4033で温度ムラ判定部103はS4031での判定結果をもとに温度ばらつき発生判定値Phnを0としてS4034へ進む。S4034では、温度ばらつき発生判定値PhnがOFF制御計算部104に出力される。
第3実施形態では、実際のLED温度を計測して温度ばらつきが発生しているか否かを判定することで、温度ばらつきの補正タイミングを正確に検出できる。つまり実際に温度ばらつきが発生する場合に温度ばらつきの低減制御が開始するので、制御精度が高まる。
【符号の説明】
【0060】
101 ローカルディミング制御部
102 BL制御エリア階調変化判定部
103 BL制御エリア温度ムラ判定部
104 BL制御エリアOFF制御計算部
105 LED制御部
106 LED部
107 表示部
301 領域コントラスト制御部
401 LED温度検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光素子を備えた光源部と、画像を表示する表示部を備え、該光源部を複数の制御エリア毎に発光制御する表示装置であって、
入力された映像信号から前記制御エリア毎に前記発光素子の発光強度の制御値を算出する制御値計算手段と、
前記制御値計算手段が算出した発光強度の制御値から前記複数の制御エリア毎に温度分布のばらつきが発生するか否かを判定する温度ムラ判定手段と、
前記複数の制御エリアのうち、前記温度ムラ判定手段により温度分布のばらつきが発生しないと判定された第1制御エリアについては前記制御値計算手段が算出した前記制御値を出力し、前記温度ムラ判定手段により温度分布のばらつきが発生すると判定された第2制御エリアについてはその制御値が、前記制御値計算手段の算出した前記第1制御エリアに係る制御値に近づくように再計算を行って補正後の制御値を出力する補正計算手段と、
前記補正計算手段が出力する制御値に従って前記発光素子を制御する発光制御手段を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
入力された映像信号を前記複数の制御エリアに応じて分割し、分割された映像信号部分の階調変化が第1閾値より大きいか否かを判定する階調変化判定手段をさらに備え、
前記温度ムラ判定手段は、前記階調変化判定手段によって前記階調変化が第1閾値より大きいと判定された前記制御エリアについて、前記制御値計算手段が計算した制御値と、全ての制御エリアに係る前記制御値の平均値との差分を算出し、該差分が第2閾値より小さい場合、当該制御エリアを前記第1制御エリアと判定し、該差分が第2閾値以上である場合、当該制御エリアを前記第2制御エリアと判定することを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記温度ムラ判定手段は、前記階調変化判定手段によって階調変化が第1閾値以下であると判定された前記制御エリアを前記第1制御エリアと判定することを特徴とする請求項2記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示部の表示画面にて前記制御エリアに対応する映像信号部分のコントラストを調整する領域コントラスト制御手段をさらに備え、
前記領域コントラスト制御手段は、前記補正計算手段が前記第2制御エリアについて再計算した制御値が増加方向に変化する場合、当該第2制御エリアに対応する映像信号部分のコントラストを低下させ、また、再計算された制御値が減少方向に変化する場合、当該第2制御エリアに対応する映像信号部分のコントラストを上昇させることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の表示装置。
【請求項5】
入力された映像信号を前記複数の制御エリアに応じて分割し、分割された映像信号部分の階調変化が第1閾値より大きいか否かを判定する階調変化判定手段をさらに備え、
前記温度ムラ判定手段は、前記発光素子の発光強度として設定される目標輝度制御値を受け付け、前記階調変化判定手段によって前記階調変化が第1閾値より大きいと判定された前記制御エリアに対し、前記制御値計算手段が計算した制御値と前記目標輝度制御値との差分を算出し、該差分が第2閾値より小さい場合、当該制御エリアを前記第1制御エリアと判定し、該差分が第2閾値以上である場合、当該制御エリアを前記第2制御エリアと判定することを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項6】
複数の発光素子を備えた光源部と、画像を表示する表示部を備え、該光源部を複数の制御エリア毎に発光制御する表示装置であって、
入力された映像信号から前記制御エリア毎に前記発光素子の発光強度の制御値を算出する制御値計算手段と、
前記発光素子の温度を前記制御エリア毎に検出する温度検出手段と、
前記温度検出手段の検出信号から前記複数の制御エリア毎に温度分布のばらつきが発生しているか否かを判定する温度ムラ判定手段と、
前記複数の制御エリアのうち、前記温度ムラ判定手段により温度分布のばらつきが発生していないと判定された第1制御エリアについては前記制御値計算手段が算出した前記制御値を出力し、前記温度ムラ判定手段により温度分布のばらつきが発生していると判定された第2制御エリアについてはその制御値が、前記制御値計算手段の算出した前記第1制御エリアに係る制御値に近づくように再計算を行って補正後の制御値を出力する補正計算手段と、
前記補正計算手段が出力する制御値に従って前記発光素子を制御する発光制御手段を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項7】
複数の発光素子を備えた光源部と、画像を表示する表示部を備え、該光源部を複数の制御エリア毎に発光制御する表示装置にて実行される表示制御方法であって、
入力された映像信号から前記制御エリア毎に前記発光素子の発光強度の制御値を算出する制御値計算ステップと、
算出された発光強度の制御値から前記複数の制御エリア毎に温度分布のばらつきが発生するか否かを判定する温度ムラ判定ステップと、
前記複数の制御エリアのうち、前記温度ムラ判定ステップにて温度分布のばらつきが発生しないと判定された第1制御エリアについては前記制御値計算ステップで計算した前記制御値を出力し、前記温度ムラ判定ステップにて温度分布のばらつきが発生すると判定された第2制御エリアについてはその制御値が、前記制御値計算ステップで算出した前記第1制御エリアに係る制御値に近づくように再計算を行って補正後の制御値を出力する補正計算ステップと、
前記補正計算ステップで出力する制御値に従って前記発光素子を制御する発光制御ステップを有することを特徴とする表示制御方法。
【請求項8】
複数の発光素子を備えた光源部と、画像を表示する表示部を備え、該光源部を複数の制御エリア毎に発光制御する表示装置にて実行される表示制御方法であって、
入力された映像信号から前記制御エリア毎に前記発光素子の発光強度の制御値を算出する制御値計算ステップと、
前記発光素子の温度を前記制御エリア毎に検出して前記複数の制御エリア毎に温度分布のばらつきが発生しているか否かを判定する温度ムラ判定ステップと、
前記複数の制御エリアのうち、前記温度ムラ判定ステップにて温度分布のばらつきが発生していないと判定された第1制御エリアについては前記制御値計算ステップで計算した前記制御値を出力し、前記温度ムラ判定ステップにて温度分布のばらつきが発生していると判定された第2制御エリアについてはその制御値が、前記制御値計算ステップで算出した前記第1制御エリアに係る制御値に近づくように再計算を行って補正後の制御値を出力する補正計算ステップと、
前記補正計算ステップで出力する制御値に従って前記発光素子を制御する発光制御ステップを有することを特徴とする表示制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−159604(P2012−159604A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−18097(P2011−18097)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】