説明

表示装置及び表示制御方法

【課題】複数画面を一の画面に表示するマルチ画面表示機能を有する表示装置において、通常画面からマルチ画面に切り替えるに際して視聴者であるユーザの視聴状態を考慮して、切替を行い、使い勝手を向上する。
【解決手段】主画面を含む複数画面を表示画面に同時に表示可能な表示装置において、視聴者の顔の表示画面に対する位置を検出する顔位置検出手段と、表示画面上で、検出した顔の位置に対応づけた位置に主画面を表示する画面表示制御手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、表示装置及び表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数画面を一の画面に表示するマルチ画面表示機能を有する表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−34977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このようなマルチ画面表示機能を有する表示装置において、通常画面からマルチ画面に切り替えるに際しては、マルチ画面の表示態様は予め定められており、ユーザの視聴位置を考慮して各画面の表示位置を設定するものではなかった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、マルチ画面表示機能を有する表示装置において、通常画面からマルチ画面に切り替えたり、マルチ画面の表示状態において主として視聴している画面の操作を行うに際して視聴者であるユーザの視聴位置を考慮して、表示態様を制御し、使い勝手の良い表示装置及び表示制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の表示装置は、主画面を含む複数画面を表示画面に同時に表示可能な表示装置である。
この表示装置において、顔位置検出手段は、表示画面に対する視聴者の顔の位置を検出する。
画面表示制御手段は、表示画面上で、検出した顔の位置に対応づけた位置に主画面を表示する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、第1実施形態の表示装置の概要構成斜視図である。
【図2】図2は、表示装置の概要構成ブロック図である。
【図3】図3は、第1実施形態の処理フローチャートである。
【図4】図4は、視聴者の顔の位置と表示画面との位置関係と多画面(8画面)表示時の画面レイアウトとの関係の説明図である。
【図5】図5は、視聴者の顔の位置と表示画面との位置関係と多画面(2画面)表示時の画面レイアウトとの関係の説明図である。
【図6】図6は、視聴者の顔の位置と表示画面との位置関係と多画面(2画面のピクチャーインピクチャー)表示時の画面レイアウトとの関係の説明図である。
【図7】図7は、第2実施形態の表示装置の概要構成斜視図である。
【図8】図8は、第2実施形態の処理フローチャートである。
【図9】図9は、視聴者であるユーザU1、U2の顔の位置と表示画面との位置関係と多画面(2画面)表示時の画面レイアウトとの関係の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
[1]第1実施形態
図1は、第1実施形態の表示装置の概要構成斜視図である。
以下の説明においては、表示装置としてディジタルテレビジョンを例として説明する。
ディジタルテレビジョン10は、装置本体11と、装置本体11をユーザUが離れた位置から制御するためのリモートコントローラ11Rと、装置本体11の上部に設けられたカメラユニット部12と、を備えている。
【0009】
図2は、ディジタルテレビジョンの概要構成ブロック図である。
ディジタルテレビジョン10は、図2に示すように、入力側に放送波受信用のアンテナ21が接続され、また、ディジタルテレビジョン11は、外部の表示装置や音声出力装置に直接、ユーザUは、ディジタルテレビジョン11に設けられた操作部35を介して本装置の操作を行える他、赤外線通信による上述したリモートコントローラ11Rを介した操作が可能である。
カメラユニット部12は、CCDカメラあるいはCMOSカメラ等のディジタルカメラとして構成されて装置本体11の上部中央に設けられており、ユーザUの画像、特に、ユーザUの顔の位置を特定するための画像を撮像する。
【0010】
ディジタルテレビジョン11は、受信したディジタルテレビジョン放送信号をデコードすることにより放送番組を表示し、ユーザは受信した放送番組を視聴できるようになっている。また、外部の表示装置や音声出力装置を利用して放送番組を視聴できるようにもなっており、受信した放送番組を記録することも可能である。
【0011】
なお、図2に示すディジタルテレビジョン11は、放送波受信用に複数のチューナ等の受信回路を備える構成としてもよい。
地上波放送受信用のアンテナ21で受信した地上ディジタルテレビジョン放送信号は、入力端子22を介して地上ディジタル放送用のチューナ23に供給される。
【0012】
チューナ23は、処理部25からの制御信号により所望のチャネルの放送信号を選局し、この選局された放送信号を復調器24aに出力する。
復調器24aは、処理部25からの制御信号により、チューナ23で選局された放送信号を復調し、所望の番組を含んだトランスポートストリームを得て、復号器24bに出力する。
【0013】
復号器24bは、処理部25からの制御信号によりトランスポートストリーム(TS)多重化された信号のTS復号処理を行い、所望の番組のディジタルの映像信号及び音声信号をデパケットすることにより得たPES(Packetized Elementary Stream)を信号処理部26内のSTDバッファへ出力する。また、復号器24bは、ディジタル放送により送られているセクション情報を信号処理部26内のセクション部26bへ出力する。
ここで、信号処理部26は、デコーダ26aとセクション部26bとを備え、入力された信号の処理を行う。
【0014】
デコーダ26aは、テレビ視聴時には、復号器24bから供給されたディジタルの映像信号及び音声信号に対して、選択的に所定のディジタル信号処理を施し、グラフィック処理部27及び音声処理部28に出力する。一方、番組録画時には、復号器24bから供給されたディジタルの映像信号及び音声信号に対して、選択的に所定のディジタル信号処理を施した信号を、処理部25を介して記録装置(例えば、HDD)41に記録する。
【0015】
また、デコーダ26aは、録画番組再生時には、処理部25を介して記録装置(例えば、HDD)41から読み出された録画番組のデータに、所定のディジタル信号処理を施し、グラフィック処理部27及び音声処理部28に出力している。
【0016】
さらに、デコーダ26aは、PC等の外部機器の表示画面表示時には、処理部25を介して外部機器から受信したデータに、所定のディジタル信号処理を施し、グラフィック処理部27及び音声処理部28に出力している。
【0017】
処理部25には、信号処理部26から、番組を取得するための各種データ(B−CASデスクランブル用の鍵情報等)や電子番組ガイド(EPG)情報、番組属性情報(番組ジャンル等)、字幕情報等(サービス情報、SIやPSI)が入力されている。処理部25は、これら入力された情報からEPG、字幕を表示するため画像生成処理を行い、この生成した画像情報をグラフィック処理部27へ出力する。
【0018】
また、この処理部25は、番組録画及び番組予約録画を制御する機能を有する。番組予約受付時には、表示装置31の表示画面上に電子番組ガイド(EPG)情報を表示し、操作部35またはリモートコントローラ11Rを介したユーザ入力により予約内容を所定の記憶手段に設定する。そして、設定された時刻に予約番組を録画するようチューナ23、復調器24a、復号器24b及び信号処理部26を制御する。
【0019】
セクション部26bは、復号器24bから入力されたセクション情報の中から、番組を取得するための各種データや電子番組ガイド(EPG)情報、番組属性情報(番組ジャンル等)、字幕情報等(サービス情報、SIやPSI)を処理部25へ出力する。
【0020】
グラフィック処理部27は、信号処理部26内のデコーダ26aから供給されるディジタルの映像信号と、OSD(On Screen Display)信号生成部29で生成されるOSD信号と、データ放送による画像データと、処理部25により生成されたEPG,字幕信号とを合成して映像処理部30へ出力する機能を有する。また、字幕放送による字幕を表示するとき、グラフィック処理部27は、処理部25からの制御による字幕情報に基づき、映像信号上に字幕情報を重畳する処理を行う。
【0021】
グラフィック処理部27から出力されたディジタルの映像信号は、映像処理部30に供給される。この映像処理部30は、入力されたディジタルの映像信号を、液晶ディスプレイ等で構成される表示装置31で表示可能なアナログ映像信号に変換した後、表示装置31に出力して、表示装置31の表示画面上に映像表示させる。また、出力端子32を介して外部の表示装置(図示せず)に、当該外部の表示装置で表示可能なフォーマットの映像信号を出力して映像表示させることもできる。
【0022】
また、音声処理部28は、入力されたディジタルの音声信号を、音声出力装置33で再生可能なアナログ音声信号に変換した後、音声出力装置33に出力して音声を再生させる。また、出力端子34を介して外部の音声出力装置(図示せず)に、当該外部の音声出力装置で再生可能なフォーマットの音声信号を出力して音声再生させることもできる。
【0023】
ここで、このディジタルテレビジョン11は、各種の受信動作を含むその全ての動作を処理部25によって制御されている。この処理部25のコントローラ25dは、マイクロプロセッサとして構成されており、操作部35からの操作情報を受け、または、リモートコントローラ11Rから送出された操作情報を受光部36を介して受信し、その操作内容(例えば、楽曲情報問い合わせ操作、チャネル切換操作等)が反映されるように各部をそれぞれ制御している。
【0024】
この場合において、コントローラ25dは、制御プログラムを格納したROM(Read Only Memory)25aと、作業エリアを提供するRAM(Random Access Memory)25bと、各種の設定情報、制御情報及び番組情報等が更新可能かつ不揮発的に格納されるフラッシュメモリ等の不揮発性メモリ25cとを利用している。
【0025】
また、処理部25は、Wi−Fi通信I/F37を介して無線LAN通信ユニット38に接続されている。これにより、処理部25は、無線LAN通信ユニット38に、無線通信回線を介して接続された無線LAN対応の機器と、Wi−Fi通信I/F37を介して通信を行うことができる。
【0026】
また、処理部25は、LAN I/F39を介して有線LAN端子40に接続されている。これにより、処理部25は、有線LAN端子40とEthernet(登録商標)規格の有線ネットワークで接続された各種機器と、LAN I/F39を介して情報伝送することができる。
また、メモリカードリーダ/ライタ(R/W)42は、ICメモリカードMCからの各種データの読み込み及びICメモリカードMCへの各種データの書き込みを行う。
【0027】
次に第1実施形態の動作について説明する。
図3は、第1実施形態の処理フローチャートである。
まず、コントローラ25dは、リモートコントローラ11Rにより、表示装置31の表示を主画面を含む多画面表示に切り替える操作、あるいは、多画面表示中に主画面のチャンネルを切り替える操作がなされたか否かを判別する(ステップS11)。
ここで、主画面とは、表示装置31の表示を多画面表示に切り替える場合には、切替前に表示されていた画面であり、チャンネル切替操作の場合には、チャンネル切替対象の表示画面である。なお、チャンネル操作に限らず、操作の対象となる表示画面を主画面として取り扱うように構成することも可能である。例えば、音量調整の対象となる表示画面、サラウンドなどの音声設定の対象となる表示画面、字幕表示設定の対象となる表示画面、言語切替設定の対象となる表示画面、色合いなどの表示設定の対象となる表示画面等の各種設定対象の表示画面が主画面として設定が可能である。
ステップS11の判別において、リモートコントローラ11Rにより、表示装置31の表示を多画面表示に切り替える操作及び多画面表示中に主画面のチャンネルを切り替える操作のいずれもなされなかった場合には(ステップS11;No)、処理を終了する。
【0028】
ステップS11の判別において、リモートコントローラ11Rにより、表示装置31の表示を多画面表示に切り替える操作、あるいは、多画面表示中に主画面のチャンネルを切り替える操作がなされた場合には(ステップS11;Yes)、コントローラ25dは、カメラユニット部12を制御して視聴者であるユーザUを撮像させる。
これにより、カメラユニット部12は、視聴者であるユーザを検出するために撮像を行い、コントローラ25dは、カメラユニット部12の撮像結果に基づいて、ユーザの顔の位置が表示装置31の表示画面に対し、どのような位置にあるかを検出する(ステップS12)。
そして、コントローラ25dは、ユーザの顔の位置が表示装置31の表示画面に対し、どのような位置にあるかに基づいて、画面レイアウトを決定し(ステップS13)、画面切替表示を行う(ステップS14)。
【0029】
[1.1]8画面表示の場合
図4は、視聴者の顔の位置と表示画面との位置関係と多画面(8画面)表示時の画面レイアウトとの関係の説明図である。
図4においては、通常表示(1画面表示)から多画面表示に切り替えた場合の多画面表示時のレイアウトについて説明している。
図4(a)に示すように、コントローラ25dは、カメラユニット部12により撮像した画面に基づいて、ユーザUの顔の位置Pが表示装置31の表示画面31Dに対してどのような位置にあるのかを判別する。すなわち、ユーザUの顔の位置Pが表示装置31の表示画面31Dに対して、左上、右上、左下あるいは右下のいずれにあるかを判別する。
【0030】
そして、ユーザUの顔の位置Pが表示装置31の表示画面31Dに対して、左上にあると判別した場合には、図4(b)に示すように、主画面Mを表示装置31の表示画面31Dに対して、左上にレイアウトし、7つの副画面SD1〜SD7を表示装置31の表示画面31Dの下端部及び右端部に配置する。なお、7つの副画面SD1〜SD7の配置については、一例であり、任意の配置とすることが可能である(以下、同様)。
また、ユーザUの顔の位置Pが表示装置31の表示画面31Dに対して、右上にあると判別した場合には、図4(c)に示すように、主画面Mを表示装置31の表示画面31Dに対して、右上にレイアウトし、7つの副画面S1D〜SD7を表示装置31の表示画面31Dの下端部及び左端部に配置する。
【0031】
また、ユーザUの顔の位置Pが表示装置31の表示画面31Dに対して、左下にあると判別した場合には、図4(d)に示すように、主画面Mを表示装置31の表示画面31Dに対して、左下にレイアウトし、7つの副画面SD1〜SD7を表示装置31の表示画面31Dの上端部及び右端部に配置する。
また、ユーザUの顔の位置Pが表示装置31の表示画面31Dに対して、右下にあると判別した場合には、図4(e)に示すように、主画面Mを表示装置31の表示画面31Dに対して、右下にレイアウトし、7つの副画面S1D〜SD7を表示装置31の表示画面31Dの上端部及び左端部に配置する。
このように8画面表示を行う場合でも、視聴者であるユーザUの顔の正面に主画面Mを配置するので、視聴が無理なく行える。
【0032】
[1.2]2画面表示の場合
図5は、視聴者の顔の位置と表示画面との位置関係と多画面(2画面)表示時の画面レイアウトとの関係の説明図である。なお、図5中、黒く塗りつぶされた領域xは、字幕などを表示する領域としても用いられる。
図5においても、通常表示(1画面表示)から多画面表示に切り替えた場合の多画面表示時のレイアウトについて説明している。
図5(a)に示すように、コントローラ25dは、カメラユニット部12により撮像した画面に基づいて、ユーザUの顔の位置Pが表示装置31の表示画面31Dに対してどのような位置にあるのかを判別する。すなわち、ユーザUの顔の位置Pが表示装置31の表示画面31Dに対して、左上、右上、左側(左中央)、右側(右中央)、左下あるいは右下のいずれにあるかを判別する。
【0033】
そして、ユーザUの顔の位置Pが表示装置31の表示画面31Dに対して、左上にあると判別した場合には、通常表示の場合と画面アスペクト比はほぼあるいは全く同一のまま、図5(b)に示すように、主画面Mを表示装置31の表示画面31Dに対して、左上にレイアウトし、副画面SDを表示装置31の表示画面31Dの右上に配置する。
また、ユーザUの顔の位置Pが表示装置31の表示画面31Dに対して、右上にあると判別した場合には、通常表示の場合と画面アスペクト比はほぼあるいは全く同一のまま、図5(c)に示すように、主画面Mを表示装置31の表示画面31Dに対して、右上にレイアウトし、副画面SDを表示装置31の表示画面31Dの左上に配置する。
【0034】
また、ユーザUの顔の位置Pが表示装置31の表示画面31Dに対して、左(左中央)にあると判別した場合には、通常表示の場合と画面アスペクト比はほぼあるいは全く同一のまま、図5(d)に示すように、主画面Mを表示装置31の表示画面31Dに対して、左側(左中央)にレイアウトし、副画面SDを表示装置31の表示画面31Dの右側(右中央)に配置する。
また、ユーザUの顔の位置Pが表示装置31の表示画面31Dに対して、右側(右中央)にあると判別した場合には、通常表示の場合と画面アスペクト比はほぼあるいは全く同一のまま、図5(e)に示すように、主画面Mを表示装置31の表示画面31Dに対して、右側(右中央)にレイアウトし、副画面SDを表示装置31の表示画面31Dの左側(左中央)に配置する。
さらに、ユーザUの顔の位置Pが表示装置31の表示画面31Dに対して、左下にあると判別した場合には、通常表示の場合と画面アスペクト比はほぼあるいは全く同一のまま、図5(f)に示すように、主画面Mを表示装置31の表示画面31Dに対して、左下にレイアウトし、副画面SDを表示装置31の表示画面31Dの右下に配置する。
また、ユーザUの顔の位置Pが表示装置31の表示画面31Dに対して、右下にあると判別した場合には、通常表示の場合と画面アスペクト比はほぼあるいは全く同一のまま、図5(g)に示すように、主画面Mを表示装置31の表示画面31Dに対して、右下にレイアウトし、副画面SDを表示装置31の表示画面31Dの左下に配置する。
【0035】
[1.3]2画面表示(ピクチャーインピクチャー表示)の場合
図6は、視聴者の顔の位置と表示画面との位置関係と多画面(2画面のピクチャーインピクチャー)表示時の画面レイアウトとの関係の説明図である。
図6においても、通常表示(1画面表示)から多画面表示に切り替えた場合の多画面表示時のレイアウトについて説明している。
図6(a)に示すように、コントローラ25dは、カメラユニット部12により撮像した画面に基づいて、ユーザUの顔の位置Pが表示装置31の表示画面31Dに対してどのような位置にあるのかを判別する。すなわち、ユーザUの顔の位置Pが表示装置31の表示画面31Dに対して、左側あるいは右側のいずれにあるかを判別する。
そして、ユーザUの顔の位置Pが表示装置31の表示画面31Dに対して、左側にあると判別した場合には、主画面Mは、通常表示の場合と全く同一のまま、図6(b)に示すように、主画面M内であって、表示装置31の表示画面31Dに対して、右下に副画面SDを配置する。
【0036】
また、ユーザUの顔の位置Pが表示装置31の表示画面31Dに対して、右側にあると判別した場合には、主画面Mは、通常表示の場合と全く同一のまま、図6(c)に示すように、主画面M内であって、表示装置31の表示画面31Dに対して、左下に副画面SDを配置する。
なお、以上の説明においては、副画面SDは、右下あるいは左下に配置したが、右上あるいは左上に配置することも可能である。
[1.4]第1実施形態の効果
以上の説明のように、本第1実施形態によれば、視聴中の主画面の見やすさを確保しつつ、多画面表示に移行することができ、使い勝手が向上する。
【0037】
[2]第2実施形態
以上の第1実施形態は、視聴者であるユーザが一人の場合について説明したが、本第2実施形態は、視聴者であるユーザが二人であって、それぞれの主画面が異なる場合の実施形態である。
図7は、第2実施形態の表示装置の概要構成斜視図である。図7において、図1と同様の部分には同一の符号を付すものとする。
ディジタルテレビジョン10は、第1実施形態と同様にユーザU1あるいはユーザ12のいずれかが操作して、ディジタルテレビジョン10の装置本体11を制御するためのリモートコントローラ11Rを備えている。
以下の説明においては、リモートコントローラ11RをユーザU1が操作する場合について説明する。
【0038】
次に第2実施形態の動作について説明する。
図8は第2実施形態の処理フローチャートである。
まず、コントローラ25dは、リモートコントローラ11Rにより、表示装置31の表示を多画面表示に切り替える操作、あるいは、多画面表示中に主画面のチャンネルを切り替える操作がなされたか否かを判別する(ステップS21)。
ステップS21の判別において、リモートコントローラ11Rにより、表示装置31の表示を多画面表示に切り替える操作及び多画面表示中に主画面のチャンネルを切り替える操作のいずれもなされなかった場合には(ステップS21;No)、処理を終了する。
【0039】
ステップS21の判別において、リモートコントローラ11Rにより、表示装置31の表示を多画面表示に切り替える操作、あるいは、多画面表示中に主画面のチャンネルを切り替える操作がなされた場合には(ステップS21;Yes)、コントローラ25dは、カメラユニット部12を制御して視聴者であるユーザUを撮像させる。
これにより、カメラユニット部12は、視聴者であるユーザを検出するために撮像を行い、コントローラ25dは、カメラユニット部12の撮像結果に基づいて、ユーザU1、U2の顔の位置が表示装置31の表示画面に対し、どのような位置にあるかを検出する(ステップS22)。
続いてコントローラ25dは、リモートコントローラ11Rの制御信号の出力元を複数の受光センサの受光強度の違いから検出したり、カメラユニット部12の撮像結果に基づいて操作者がユーザU1あるいはユーザU2のいずれであるかを検出したりする(ステップS23)。
【0040】
そして、コントローラ25dは、視聴者、かつ、リモートコントローラ11Rの操作者であるユーザ(ユーザU1あるいはユーザU2)の顔の位置が表示装置31の表示画面に対し、どのような位置にあるかに基づいて、画面レイアウトを決定し(ステップS24)、画面切替表示を行う(ステップS25)。
【0041】
図9は、視聴者であるユーザU1、U2の顔の位置と表示画面との位置関係と多画面(2画面)表示時の画面レイアウトとの関係の説明図である。
図9は、通常表示(1画面表示)から多画面表示に切り替えた場合の多画面表示時のレイアウトについて説明している。
図9(a)に示すように、コントローラ25dは、カメラユニット部12により撮像した画面に基づいて、視聴者であり、かつ、リモートコントローラ11Rの操作者であるユーザU1の顔の位置P1とユーザU2の顔の位置P2が表示装置31の表示画面31Dに対してどのような位置にあるのかを判別する。
すなわち、ユーザU1の顔の位置P1が表示装置31の表示画面31Dに対して、左側あるいは右側のいずれにあるかを判別する。
【0042】
そして、視聴者であり、かつ、リモートコントローラ11Rの操作者であるユーザU1の顔の位置P1が表示装置31の表示画面31Dに対して、左側にあると判別した場合には、主画面Mを通常表示の場合と画面アスペクト比はほぼあるいは全く同一のまま、図9(b)に示すように、表示装置31の表示画面31Dに対して、左側にレイアウトし、副画面SDを表示装置31の表示画面31Dの右側に配置する。
また、視聴者であり、かつ、リモートコントローラ11Rの操作者であるユーザU1の顔の位置P1が表示装置31の表示画面31Dに対して、右側にあると判別した場合には、主画面Mを通常表示の場合と画面アスペクト比はほぼあるいは全く同一のまま、図9(c)に示すように、表示装置31の表示画面31Dに対して、右側にレイアウトし、副画面SDを表示装置31の表示画面31Dの左側に配置する。
【0043】
以上の説明のように、本第2実施形態によれば、ユーザが複数存在し、ユーザのいずれかがリモートコントローラ11Rの操作を行っている場合でも、操作を行っているユーザを特定して、多画面表示に容易に移行し、あるいは、多画面表示中に対応する画面の操作(例えば、チャンネル切替)を行うことができる。
【0044】
[3]実施形態の変形例
本実施形態の表示装置で実行される制御プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
また、本実施形態の表示装置で実行される制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の表示装置で実行される制御プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0045】
また、本実施形態の表示装置の制御プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0046】
10 ディジタルテレビジョン(表示装置)
11 装置本体
11R リモートコントローラ
12 カメラユニット部
25d コントローラ(顔位置検出手段、画面表示制御手段)
M 主画面
SD、SD1〜SD7 副画面
U、U1、U2 ユーザ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主画面を含む複数画面を表示画面に同時に表示可能な表示装置において、
視聴者の顔の前記表示画面に対する位置を検出する顔位置検出手段と、
前記表示画面上で、前記検出した顔の位置に対応づけた位置に前記主画面を表示する画面表示制御手段と、
を備えた表示装置。
【請求項2】
前記画面表示制御手段は、前記主画面を前記検出した顔の正面に配置して表示する、
請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記画面表示制御手段は、前記主画面以外の副画面を前記主画面の表示位置を基準として配置する、
請求項1又は請求項2記載の表示装置。
【請求項4】
複数の視聴者を検出した場合に、前記複数の視聴者のうち、操作者以外の視聴者の視聴に影響を低減して、多画面表示に移行する、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示装置をリモート制御するリモートコントローラを備え、
前記リモートコントローラの制御信号の送信位置に基づいて、前記操作者を特定する、
請求項4記載の表示装置。
【請求項6】
主画面を含む複数画面を表示画面に同時に表示可能な表示装置で実行される表示制御方法において、
視聴者の顔の前記表示画面に対する位置を検出する顔位置検出過程と、
前記主画面を前記検出した顔の位置に対応づけて表示する画面表示制御過程と、
を備えた表示制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−253440(P2012−253440A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−122548(P2011−122548)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】