説明

表示装置

【課題】
本発明は、発光表示と反射表示の両方の表示を可能とし、その発光表示特性を向上すると共に、反射表示寿命を長寿命化する表示装置を提供する。
【解決手段】
本発明の表示装置は、第1基板1と、第1基板1上に設けられた第1電極6及び第2電極7と、第1基板1に離間対向して設けられた第2基板2と、第2基板2上に設けられた第3電極3と、第1基板1と第2基板2との間の第1基板側1に設けられ、電気化学的な酸化若しくは還元を経て発光する発光材料を含む第1層5と、第1基板と第2基板との間の第2基板側に設けられ、電気化学的な酸化若しくは還元により変色する着色材料を含む第2層4と、さらに、第1層5と第2層4の間に、前記発光材料や前記発光材料の酸化種若しくは還元種に対しては非透過性若しくは難透過性の電解質層である第3層8を具備することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレクトロケミルミネッセンス(ECL)現象を示すECL材料と、エレクトロクロミック(EC)現象を示すEC材料とを用いた表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
屋外と屋内で使用する携帯電話等のディスプレイとして、反射表示と発光表示の両方が可能な半透過型LCDが普及してきている。この半透過型LCDは画素の一部に凹凸形状の反射層を設けて反射表示を行い、その他の領域に透過表示部を設け、この透過表示部の下にバックライトを設けることにより、発光表示を行う。(例えば特許文献1参照)
【0003】
このようなディスプレイの場合、発光表示に関しては、バックライトの明るさ次第で十分明るく見やすい表示が可能である。ところが、反射表示に関しては、偏向板を用いるという液晶の表示原理上の制約や、1画素を反射表示と発光表示との2領域に分割することによる表示面積の制約を受けて、十分なコントラストを有した、見やすい表示が得られない。
【0004】
一方、コントラストの高い反射表示を可能とするディスプレイとして、エレクトロクロミックディスプレイ(ECD)がある。この表示装置は電気化学的な酸化、若しくは還元により変色するエレクトロクロミック(EC)材料と、電解質とが、2つの電極間に配置されている構造からなる(例えば特許文献2参照)。しかしながら、ECDは反射表示のみであるため、暗いところでは表示が見えにくい。
【0005】
このような課題に対して、本出願人は単一の画素で、反射と発光の両方の表示ができる表示装置を提案している。(特願2003−360535号)。
【0006】
この提案においては、反射表示は、電気化学的な酸化還元により変色するエレクトロクロミック(EC)現象を利用し、発光表示は、電気化学的な酸化還元により発生したイオンラジカルの衝突によって生じた励起状態の失活過程で発光するエレクトロケミルミネッセンス(ECL)現象を利用する。
【0007】
図5に、上記表示装置の概略断面図を示す。図5において表示装置は、第1基板11と、第1基板11上に設けられた第1電極16及び第2電極17と、第1基板11に離間対向して設けられた第2基板12と、第2基板12の第1基板11側に設けられた第3電極13とを有する。またさらに第1基板11と第2基板12との間の第2基板12側には電気化学的な酸化若しくは還元により変色するEC材料を含む第2層14が設けられる。第1基板11と第2基板12との間の第1基板11側には、電解質材料中に電気化学的な酸化若しくは還元を経て発光するECL材料を含む第1層15が設けられる。一組の第1電極16、第2電極17及び第3電極13で1つの画素を形成する。
【0008】
第1層15(以下「ECL層」とする。)には、ECL材料が含まれ、電圧が印加されると、この材料が電極近傍で酸化されてカチオンラジカル(酸化種)、還元されてアニオンラジカル(還元種)となる。この両者が会合するとECL材料の励起状態が生成し、その失活過程において発光が起きる。この現象を利用して、発光表示を行う。
【0009】
また第2層14(以下「EC層」とする。)には、EC材料が含まれ、電圧の印加により、電気化学的な酸化若しくは還元反応が起こる。それにより発色若しくは消色等の変色が起きる。この現象を利用して反射表示を行う。
【0010】
発光表示が指示されたときには、第1及び第2電極16,17の間に交流電圧が印加される。反射表示が指示されたときには第3電極13の電圧が制御され、必要に応じてこの発光表示と反射表示とを切り替えて使用する。
【0011】
しかしながら、このような構造の表示装置においては、以下のような問題点があることが明らかになった。つまりECL層(第1層15)において、ECL現象の効率が低下するというものである。ECL現象の効率を低下させる原因の一つには、電極上で発生したカチオンラジカル、及びアニオンラジカルが拡散してしまい、互いに会合する前に失活することが考えられる。
【0012】
この問題を解決する手段として、第1電極16及び第2電極17と第2層14との間隔を短くし、発生したカチオンラジカル、及びアニオンラジカルが拡散できる体積を小さくした素子構造にする方法がある。ところが、こうすると、反応性の高いラジカルECL分子が、拡散によってEC層(第2層14)に到達しやすくなるために、ECL分子がEC層に接触して副反応が生じ、使用時間が長期化した際に、EC層の劣化が生じることが懸念される。
【0013】
【特許文献1】特開2003−241188公報(第3−5頁、第3図)
【特許文献2】特開2003−21848公報(第4−14頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、反射表示と発光表示の双方を可能とする表示装置において、上記問題に鑑みて、ECL層の発光特性を高効率化すると共に、EC層の劣化防止を可能とし、発光表示特性の向上及び反射表示特性の長寿命化を可能にすることができる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の第1の側面は、第1基板と、前記第1基板上に設けられた第1電極及び第2電極と、前記第1基板に離間対向して設けられた第2基板と、前記第2基板上に設けられた第3電極と、前記第1基板と前記第2基板との間の前記第1基板側に設けられ、電気化学的な酸化若しくは還元を経て発光する発光材料を含む第1層と、前記第1基板と前記第2基板との間の前記第2基板側に設けられ、電気化学的な酸化若しくは還元により変色する着色材料を含む第2層と、前記第1層と前記第2層との間に設けられ、前記発光材料、または前記の発光材料の酸化種若しくは還元種に対しては非透過性若しくは難透過性の電解質層である第3層を具備することを特徴とする表示装置である。
【0016】
本発明の第2の側面は、第1基板と、前記第1基板上に設けられた第1電極及び第2電極と、前記第1基板に離間対向して設けられた第2基板と、前記第2基板上に設けられた第3電極と、前記第1基板と前記第2基板との間の前記第1基板側に設けられ、電気化学的な酸化若しくは還元を経て発光する発光材料を含む第1層と、前記第1基板と前記第2基板との間の前記第2基板側に設けられ、電気化学的な酸化若しくは還元により変色する着色材料を含む第2層と、前記第1層と前記第2層との間に設けられ、架橋ポリマーを含む電解質層である第3層を具備することを特徴とする表示装置である。
【0017】
前記第2の側面で、前記第3層としては、前記架橋ポリマーに支持塩を分散してなる層が挙げられる。また、前記第3層を構成する前記架橋性ポリマーは、イオン性解離基を導入した架橋ポリマーであることが挙げられる。また、前記第3層は、不織布に前記架橋ポリマーが含浸されているものであってよい。前記架橋ポリマーはスチレン−スチレンスルホン酸塩共重合体であることが望ましい。
【0018】
本発明の第3の側面は、第1基板と、前記第1基板上に設けられた第1電極及び第2電極と、前記第1基板に離間対向して設けられた第2基板と、前記第2基板上に設けられた第3電極と、前記第1基板と前記第2基板との間の前記第1基板側に設けられ、電気化学的な酸化若しくは還元を経て発光する発光材料を含む第1層と、前記第1基板と前記第2基板との間の前記第2基板側に設けられ、電気化学的な酸化若しくは還元により変色する着色材料を含む第2層と、前記第1層と前記第2層との間に設けられ、ポリエーテル類ポリマーに支持塩が分散した電解質層である第3層を具備することを特徴とする表示装置である。前記第3の側面で、前記ポリエーテル類ポリマーがポリエチレンオキサイドであることが望ましい。また、前記第3層は、不織布に前記支持塩と前記ポリエーテル類ポリマーとが含浸されていることが望ましい。
【0019】
前記第1〜第3の側面において、前記第3層は、リチウム塩を含むことが望ましい。また、前記第1層が、前記発光材料及び支持塩を含む固体層若しくは液体層であり、前記第2層が、前記着色材料を含む固体層であることが望ましい。さらに、前記第1層が、前記発光材料及び支持塩を含む固体層であり、前記第2層が、前記着色材料及び支持塩を含む固体層であることが望ましい。また、前記第1電極、及び前記第2電極と前記第3層との距離が2μm以下であることが望ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、反射表示と発光表示の両方を可能とする表示装置において、発光表示特性を向上すると共に、反射表示寿命を長寿命化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に、本発明の実施形態に係る表示装置について詳細に説明する。
図1、図2に本実施形態に係る表示装置の概略断面図を示す。図1、2において表示装置は、第1基板1と、第1基板1上に設けられた第1電極6及び第2電極7と、第1基板1に離間対向して設けられた第2基板2と、第2基板上2に設けられた第3電極3とを有する。
【0022】
第1基板1と第2基板2との間の第1基板1側には、電気化学的な酸化若しくは還元を経て発光する発光材料を含む第1層5が設けられる。第1基板1と第2基板2との間の第2基板2側には、電気化学的な酸化若しくは還元により変色する着色材料を含む第2層4が設けられる。
【0023】
さらに、第2層4と第1層5との間には、電解質層である第3層8が設けられる。第3層8は、前記発光材料分子自体や、前記発光材料の酸化種(カチオンラジカル)若しくは環元種(アニオンラジカル)に対しては非透過性若しくは透過し難い性質を有する層である。
【0024】
一組の第1電極6、第2電極7及び第3電極3で1つの画素を形成する。第1電極6と第2電極7とはほぼ同じ大きさとしている。また、第3電極3は画素ごとにパターンニングされている。
【0025】
第1層5には、電圧の印加により電気化学的な酸化若しくは還元反応が生じ励起した材料が失活する際に発光する発光材料、つまり電気化学発光(エレクトロケミルミネッセンス、ECL)を示す材料が含まれる。
【0026】
第1層5においてはECL材料が電極近傍で酸化されて酸化種すなわちカチオンラジカル、還元されて環元種すなわちアニオンラジカルとなり、この両者が会合してECL材料の励起状態が生成し、その失活過程において発光する。この現象を利用して、発光表示を行う。第1層5においてはECL材料の酸化、還元が容易に行われるようにECL材料と共に支持塩が存在することが望ましい。
【0027】
また、第2層4には、電圧の印加により、電気化学的な酸化若しくは還元反応が起こり、変色する着色材料、つまり、エレクトロクロミック(EC)現象を示す材料が含まれる。
【0028】
第2層4では、EC材料が還元されることにより発色若しくは消色し、酸化されることにより消色若しくは発色する等の変色現象を起こす。例えば、WOを用いた場合には、酸化反応により消色して透明となり、還元反応により発色して青色となる。この現象を利用して、反射表示を行う。
【0029】
この表示装置は、例えば表示切替スイッチを有し、これにより上述した発光表示か反射表示かを選択的に指示することができる。利用者は、例えば、使用環境に応じていずれかの表示を選択指示することができる。このスイッチの指示情報に応じて駆動回路により所定の電圧を第1乃至第3電極に供給することにより、いずれかの表示が行われる。例えば、発光表示が指示された場合には、第1及び第2電極間に交流電圧が印加される。反射表示が指示された場合には、第3電極の電圧が制御される。
【0030】
なお、図1においては、第2基板2の第3電極3と、その上の第2層4には、画素毎にパターニングされている。図2においては、第2基板2の第3電極3は画素毎にパターンニングされており、その上に設けられた第2層4は、画素毎にパターニングせずに、複数の画素に対して共通の層としている。図1、図2の構成のどちらでも良い。
【0031】
また、図1においては、参照電極は設けられていないが、図2においては第1基板1上に参照電極10を設けている。図1では、参照電極を設けていないが設けた構成であってもよい。参照電極10は図2に示すように、画素毎に設けても良いし、表示装置中に1箇所若しくは複数箇所に設けても良い。図1、図2の構成のどちらでも良い。
【0032】
本実施形態においては、第2層4を固体層とし、第1層5を固体層若しくは液体層としている。第2層4および第1層5が共に固体層であることは、液漏れや溶媒蒸発による性能低下を抑制するという点で望ましい。
【0033】
以下に、本実施形態の表示装置の駆動方法(参照電極を含む系)について説明する。
まず、反射表示を行う際には、EC材料が還元する電位、若しくは酸化する電位となるよう第3電極3に電圧を印加することにより行う。第1電極6及び第2電極7は同電位にしておき、第3電極3間に印加される電圧の極性の反転を行う。第2層4のEC材料は、例えば、酸化によって消色、還元によって発色する材料を用いた。
【0034】
図3に、第3電極3の電位と、そのときの第2層4が発色/消色の状態の例を示す。図3に示されるように、例えば第3電極3の電位を一定時間ΔtだけV(Vは、EC材料の負の値の還元電位)となるよう設定すると、EC層4中のEC材料が還元されて発色する(吸光度大)。一定時間後、第3電極3の電位を0としても、EC材料はメモリ性を有することから、発色した状態が継続する。消色するには、第3電極3の電位としてV(Vは、EC材料の正の値の酸化電位)を与えると、EC材料が酸化されて消色する(吸光度小)。
【0035】
参照電極10を用いる場合には、発色/消色のための第3電極3の電位を、参照電極10に対する電位とすれば良い。
【0036】
使用するEC材料によっては、第1層5や第3層8に含まれる支持塩が解離して生成したイオンが、この反射表示のEC(酸化・還元)反応に関わる。例えば、WOを用いたEC層4を適用した場合、ECL材料を含む第1層5中に、或いは第3層8中にLiを含むもの(支持塩としては例えばLiCFSO等)を使用する。この場合、(1)式のようなEC反応が起こる。
【化1】


酸化反応((1)式の左辺)では消色(透明)、還元反応((1)式の右辺)では変色(青色)する。
【0037】
次に、発光表示を行う際には、第3電極3には電圧を印加せず、第1電極6と第2電極7との間に交流電圧を印加する。図4に、第1電極6の参照電極10に対する電位と、そのときの第1層(ECL層)5の発光/非発光の状態の例を示す。第2電極7の参照電極に対する電位は図示しないが、発光状態の期間に、第1電極6と逆極性の電位になる。図4に示されるように、例えば第1電極6の電位がV(Vは、ECL材料がアニオンラジカルになる負の値の還元電位)とV(Vは、ECL材料がカチオンラジカルになる正の値の酸化電位)となるように交互に印加し、これとは逆極性の電圧を第2電極7に印加すると、これらの電極6,7で、ECL材料のアニオンラジカル、カチオンラジカルが交互に生成し、これらが会合すると、ECL材料の励起状態が生成し、その失活過程において発光が起こる。このような電圧を印加しなければ、非発光状態となる。交流電圧の周波数としては、例えば数十Hzとすればよい。
【0038】
本実施形態によれば、反射表示と発光表示の両方を切り替えることにより、1つの表示装置で2つのモードを行うことが可能となる。また、反射表示と発光表示とで、電解質を共通として用いることから、反射表示用のセルと発光表示用のセルを重ねることによる表示装置の大型化を防ぐことができる。さらに、画素を2分割して、各々の領域で反射表示と発光表示とを行う方式ではないことから、画素領域を有効に活用することができる。
【0039】
さらに、第3層8の作用について説明する。第3層8は電解質層であるため、EC層におけるEC材料の反応に必要なイオンや電荷の移動や供給が確保される。さらに、この層は、ECL分子、またはECL分子のアニオンラジカル若しくはカチオンラジカルが非透過あるいは透過し難い性質を有するものを適用する。そのため、発光表示中にECL層においてアニオンラジカル若しくはカチオンラジカルとなったECL分子がEC層に接触して起こる副反応を抑制でき、EC層の劣化を抑制することができる。
【0040】
なお前記第1電極6及び前記第2電極7と、前記第3層8との距離はできるだけ短いほうがECL層で発生したアニオンラジカル若しくはカチオンラジカルの拡散を抑制でき、発光効率の低下を抑えることができるため望ましい。具体的には、2μm以下であることが望ましいが、このような短距離化は、ECL分子とEC層との接触を抑制する第3層8の存在により実現することができる。
【0041】
次に、図1,2に示す本実施形態の表示装置に対して用いられる各構成について、詳しく説明する。
【0042】
第1基板1はガラス、プラスチック(PET,PEN、PES、PC)等を用いることができる。観測面を第1基板1側とする場合には、第1基板1は可視光領域で吸収が少ない材料を用いることが好ましい。
【0043】
第1基板1上に設けられる第1電極6及び第2電極7は、透明電極(第1基板側を観測面とする場合)としては、金属酸化物半導体では、遷移金属の酸化物、例えば、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、亜鉛、錫、インジウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステンの酸化物、SrTiO,CaTiO,BaTiO,MgTiO、SrNbのようなペロブスカイト、あるいはこれらの複合酸化物または酸化物混合物、GaN、等を用いることが出来る。また、反射電極(第1基板側を観測面の反対側とする場合)としては、Al、Ag等を用いることが出来る。
【0044】
また、大きさとしては、開口率を上げるために大きい方が好ましく、第1電極6と第2電極7とは、同じ材料で、同じ大きさとすることが好ましい。
【0045】
第2基板2は第1基板1と同じ材料等を用いることができる。観測面を第2基板2側とする場合には、第2基板2は可視光領域で吸収が少ない材料を用いることが好ましい。
【0046】
第2基板2上に設けられる第3電極3は第1電極6や第2電極7と同じ材料等を用い、大きさとしては、開口率を上げるために大きい方が好ましく、第1電極6や第2電極7と対向して設けることが好ましい。
【0047】
第3電極3上には、EC材料を含む第2層4が設けられる。
【0048】
EC材料としては、無機材料である、MnO、CoOOH、NiOOH、CuO、RuO、Rh、IrO、プルシアンブルー、WO、MoO、TiO、V、Nb、AgI、等や、低分子有機材料である、ビオロゲン系有機材料、オルソクロラニル、4−ベンゾイルピリジウム誘導体、ルテニウムートリス、ルテニウムービス、オスミウムートリス、オスミウムーピス型の遷移金属錯体、多核錯体、またはルテニウムーシスージアクアービピリシル錯体、またはフタロシアニン色素、ナフタロシアニン色素、ポルフィリン色素、ペリレン色素、アントラキノン色素、アゾ色素、キノフタロン色素、ナフトキノン色素、シアニン色素、メロシアニン色素、ジフタロシアニン錯体、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレニリデンマロノニトリル、テトラシアノキノジメタン、等や、導電性高分子である、ポリピロール誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリアニリン誘導体、ポリアズレン誘導体、ポリイソチアナフテン、ポリ(N−メチルイソインドール)、ポリ(ジチエノ[3,4−b:3’,4’−d]チオフェン)、ポリジアリルアミン誘導体、ポリピロロピロール誘導体、Ru錯体系導電性高分子、等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0049】
第2層4は、無機材料を用いる場合は、蒸着、スパッタ、気相成長、ゾルゲル法や微粒子焼結等の手法で成膜する。また、低分子有機材料を用いる場合は、蒸着、塗布・乾燥(溶液化して)する。また、導電性高分子では、塗布・乾燥(溶液化して)や電解重合する。これらにより固体層が出来る。
【0050】
第1電極6及び第2電極7を形成した第1基板1と、第3電極3と第2層4とを積層した第2基板2との間には、ECL材料を含む第1層5が設けられる。
【0051】
ECL材料としては、多環芳香族化合物である、ナフタセン誘導体(ルブレン、5,12−ジフェニルナフタセン)、アントラセン誘導体(9,10−ジフェニルアントラセン)、ペンタセン誘導体(6,10−ジフェニルペンタセン)、ペリフランテン誘導体(ジベンゾテトラ(メチルフェニル)ペリフランテン)、等や、π電子共役高分子である、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、等や、ヘテロ芳香族化合物である、クマリン等や、キレート金属錯体である、Ru(bpy)32−等や、有機金属化合物である、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム等や、キレートランタノイド錯体などがあげられる。
【0052】
第1層5は、ECL材料の酸化・還元反応を容易に生じさせるために、支持塩を含むことが望ましく、その際支持塩をイオンに解離させるために、溶媒(液体電解質用)、若しくはこの溶媒で膨潤したゲル状の高分子(固体電解質用)が共に含まれることが望ましい。
この支持塩としては、Tetrabutylammonium perchlorate、ヘキサフルオロりん酸カリウム、トリフッ化メタンスルホン酸リチウム、過塩素酸リチウム、テトラフルオロほう酸テトラ−n−ブチルアンモニウム、tripropyl amine、tetra-n-butylammonium fluoroborate、等があげられる。
【0053】
また、前記溶媒としては、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレンカーボネート、o−ジクロロベンゼン、グリセリン、水、エチルアルコール、プロピルアルコール、ジメチルカーボネート、エチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、NMP、2−メチルテトラヒドロフラン、トルエン、テトラヒドロフラン、ベンゾニトリル、シクロヘキサン、ノルマルヘキサン、アセトン、ニトロベンゼン、1,3−ジオキソラン、フラン、ベンゾトリフルオリド、等があげられる。
【0054】
また、ゲル状の高分子としては、ポリアクリルニトリル(PAN)、フッ化ビニリデン(VDF)と6フッ化プロピレン(HFP)の共重合体、ポリエチレンオキシド(PEO)、等が挙げられる。
【0055】
この第1層5を液体層とする場合は、上述の溶媒に支持塩及びECL材料を溶解させて用いれば良く、第1電極6及び第2電極7を形成した第1基板1と、第3電極3と第2層4と第3層8を積層した第2基板2との間に注入すれば良い。また、第1層5を固体層とする場合は、支持塩と溶媒を含むゲル状高分子の溶液(溶媒多め)を塗布・乾燥で形成すれば良い。
【0056】
第2層4上には、第3層8が設けられる。第3層8は電解質層であり、かつECL材料分子や前記ECL材料のカチオンラジカル若しくはアニオンラジカルに対しては非透過性若しくは難透過性を有する。
【0057】
第3層8において、キャリアとなるのは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩またはプロトン酸を用いることができる。陰イオンとしては、SCN、Cl、Br、I、BF、PF、CFSO、SbF、AsF、ClO、B(C等が挙げられる。陽イオンとしては、Li、Na、K等のアルカリ金属カチオンや(C、(C等の有機カチオン等が挙げられ、特にリチウムイオンが含有されることは、電荷の移動度を向上するために望ましい。
【0058】
第3層8を構成する電解質層としては、例えば、以下の1)、2)が挙げられる。
【0059】
1)架橋ポリマーを含有する電解質層
架橋ポリマーは線状構造をもっているポリマーの分子をお互いに化学結合させ網目構造にして得られたポリマーである。架橋ポリマーは、3次元網目構造の密な構造を有しており、溶媒に対する溶解性が低く、機械的強度が高い。それに加えて、密な構造であるために、ECL材料分子や、ECL材料のカチオンラジカル若しくはアニオンラジカルを通しにくい性質を持っている。
【0060】
架橋ポリマーを含有する層が、電解質層として機能するためには、架橋ポリマーをマトリックスとして用い、これにアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩またはプロトン酸などの支持塩を分散させてなる層であっても良いし、イオン性解離基が導入された架橋ポリマーから構成される層であっても良い。
【0061】
架橋ポリマーに支持塩を分散させる場合、用いられる支持塩としてはフッ化リチウム(LiF)、ヨウ化ナトリウム(NaI)、ヨウ化リチウム(LiI)、過塩素酸リチウム(LiClO)、チオシアン酸ナトリウム(NaSCN)、トリフッ化メタンスルホン酸リチウム(LiCFSO)、ホウフッ化ナトリウム(LiBF)、ヘキサフッ化リン酸リチウム(LiPF)、リン酸(HPO)、硫酸(HSO)、トリフッ化メタンスルホン酸、テトラフッ化エチレンスルホン酸(C(SOH))、ヘキサフッ化ブタンスルホン酸(C(SOH))、塩化リチウム(LiCl)や臭化リチウム(LiBr)などを挙げることができる。
【0062】
前記架橋ポリマーの具体例としては、ポリエチレンオキサイド(PEO)やポリプロピレンオキサイド、ポリブチレンオキサイドなどのポリエーテル類、あるいはポリエチレンカーボネート、ポリプロピレンカーボネート等のポリカーボネート類、ポリビニリデンフルオレイド、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、ポリジメチルシロキサン等のポリシロキサン及びポリシロキサン誘導体、ポリ−β−プロピオラクトン等のポリエステル類、ポリグルタミン酸等のポリペプチド類の他、ポリホスファゼン、ポリビニルピリジン、ポリアクリロニトリル、アクリレート系樹脂、ポリエチレンイミン、ポリエチレンスルフィド等のポリマー及びこれらの誘導体ポリマーから選択される少なくとも1種に架橋反応に寄与する官能基を導入し、架橋させた架橋ポリマーが挙げられる。架橋反応に寄与する官能基としては、例えば、シンナモイル基やイオシアナート基などが具体例として挙げられる。架橋反応に寄与する官能基をポリマーに導入する方法としては、例えばエステル化反応、ウレタン化反応、ウレア化反応、エポキシからの付加反応等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0063】
架橋ポリマーを含む電解質層として、特に望ましくは、ポリスチレン−ジビニルベンゼン共重合体を基本骨格とし、これにスルホン酸塩基(−SO(Mはアルカリ金属のイオン))を導入したポリマーから構成される層が挙げられる。この共重合体を用いた際は、スルホン酸イオンと陽イオンとでイオン対を形成しながらEC層の酸化還元に必要なイオンの供給を行う。ジビニルベンゼンとスチレンの比は、取り扱いの際の頑丈さから考慮してジビニルベンゼンの割合が20wt%以下となることが望ましく、15wt%以下がより望ましい。下限値としては5wt%以上となることが望ましく、10wt%以上がより望ましい。
【0064】
2)ポリエーテル類ポリマーに支持塩が分散された電解質層
ポリエーテル類ポリマーの酸素原子には支持塩から供給される陽イオンが配位し、電圧が印加されると、近くの酸素原子にイオンが配位しながらEC層へ移動しEC層の酸化還元に必要なイオンの供給を行う。また、密な構造のポリエーテル類ポリマーは、ECL材料分子や、ECL材料のカチオンラジカル若しくはアニオンラジカルを通しにくい性質を持っている。
【0065】
前記ポリエーテル類の具体例としては、ポリエチレンオキサイドやポリプロピレンオキサイド、ポリブチレンオキサイドなどが挙げられる。特にポリエチレンオキサイドはオルトジクロロベンゼンやジメトキシエタンなど、溶媒に溶け難いことから、液層のECL層と接触しても分解し難く安定であり、しかも密度は高いためにECL分子やECL材料のカチオンラジカル若しくはアニオンラジカルが侵入することを防ぐことが可能である。
【0066】
ポリエーテル類ポリマーに分散される支持塩としては、フッ化リチウム(LiF)、ヨウ化ナトリウム(NaI)、ヨウ化リチウム(LiI)、過塩素酸リチウム(LiClO)、チオシアン酸ナトリウム(NaSCN)、トリフッ化メタンスルホン酸リチウム(LiCFSO)、ホウフッ化ナトリウム(LiBF)、ヘキサフッ化リン酸リチウム(LiPF)、リン酸(HPO)、硫酸(HSO)、トリフッ化メタンスルホン酸、テトラフッ化エチレンスルホン酸(C(SOH))、ヘキサフッ化ブタンスルホン酸(C(SOH))、塩化リチウム(LiCl)や臭化リチウム(LiBr)などを挙げることができる。
【0067】
さらに、第3層8においては、前記に示される1)架橋ポリマー(及び支持塩)、2)ポリエーテル類ポリマー及び支持塩が、不織布に含浸されていることが、第3層8の密度を上げ、ECL材料分子やECL材料のカチオンラジカル若しくはアニオンラジカルの侵入をより防止するため望ましい。
【0068】
不織布の材質としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、レーヨン、ナイロンなどの不織布などに含浸されているものがより望ましい。特にポリエチレン若しくはポリプロピレン製の不織布であると取り扱いが容易であり実用上望ましい。
【実施例】
【0069】
以下、図面を参照して、具体例をさらに詳細に説明する。
【0070】
(実施例1)
2.5インチ四方の表示装置を、以下のように作製した。なお、各画素は単色の電気化学反応素子からなる図2に示す構成とし、1画素のサイズを100μm四方となるように作製した。
【0071】
まず、第1基板1として厚さ1.1mmのガラスからなる基板を用い、膜厚1000ÅのITOをスパッタにより形成し、パターニングして第1電極6、第2電極7とした。参照電極10は、膜厚1000オングストロームのAgをスパッタにより形成し、パターニングした。
【0072】
第2基板2としてガラス基板を用い、厚さ1000ÅのITO膜を形成してパターニングし、第3電極3を形成した。第3電極3を形成した第2基板2の表面をUV処理して、予め合成した過酸化ポリタングステン酸水溶液4mol/l(タングステンとして)をスピンコートし、厚さ約1000オングストロームのEC層(WO膜)4を形成した。
【0073】
次に以下のようにして第3層8を形成した。
ポリエチレンオキサイド−ポリプロピレンオキサイド(PEO−PPO)ブロック共重合体トリオール10gとピリジン0.60gをベンゼン300ccに溶解させ、ベンゼン20ccに溶解させて桂皮酸クロライド1.03gを常温不活性ガス雰囲気下で滴下し、そのまま6時間反応させて置換率95%のシンナモイル化PEO−PPOを得た。得られたポリマーをメチルエチルケトンに20wt%となるように溶解し、ここにイオン解離基(エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド)あたり0.04モルのLiCFSOと増感剤である5−ニトロアセナフテンをシンナモイル基に対して5モル%溶解させ、ダイコーターを用いて膜厚6μmに制御して、EC層4上に塗布した。塗布した膜を30℃で20分間乾燥させ、ここに高圧水銀灯を用いて、光照射して架橋させ架橋性ポリマーの層(第3層8)を得た。
【0074】
第1基板1上に2μmの高さのスペーサ柱を形成し、第1電極あるいは第2電極と第3層8との間が2μmギャップとなるよう対向配置し、注入口を残して基板周囲に封止接着剤であるエポキシ樹脂で固め、セルとした。
【0075】
100mMのLiCFSOを支持塩としてDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)溶媒に溶解させた電解質に、8mMのRu(bpy)Cl(Tris(2,2´-bipyridine) ruthenium (II) chloride)をECL材料として溶解させ、このセルに注入し、ECL層5とした。
さらに予め作製しておいたAlの反射板とセルを貼り合わせて表示装置を完成した。
【0076】
第1電極あるいは第2電極と第3層8との間が2μmであるこのセルにおいて、第1電極6と第2電極7とを同電位とし、参照電極に対して第3電極3の電位を正、あるいは負になるように電圧を印加したところ、発色及び消色することがわかった。
【0077】
また、第3電極3には電圧を印加せず、第1電極6と第2電極7との間に交流電圧を印加すると、オレンジ色の発光が観測された。
【0078】
(実施例2)
以下のようにして第3層8及びECL層5を形成する以外は、実施例1と同様に表示装置を作成した。
【0079】
ポリエチレンオキサイド(平均分子量6000)とそのイオン解離基(エチレンオキサイド)あたり0.04モルのLiCFSOをアセトニトリル中で攪拌して溶液とし、EC層4上にダイコーターを用いて膜厚6μmに制御して塗布した。塗布した膜を80℃で乾燥させ第3層8とした。
【0080】
またセルに対して、オルトジクロロベンゼン中にpoly[9,9-bis(3,6-dioxaheptyl)-fluorene-2,7-diyl](BDOH-PF)が5%となるように溶解させて、このセルに注入し、ECL層5とした。
【0081】
第1電極あるいは第2電極と第3層8との間が2μmであるこのセルにおいて、第1電極6と第2電極7とを同電位とし、参照電極に対して第3電極3の電位を正、あるいは負になるように電圧を印加したところ、発色及び消色することがわかった。
【0082】
また、第3電極3には電圧を印加せず、第1電極6と第2電極7との間に交流電圧を印加すると、オレンジ色の発光が観測された。
【0083】
(実施例3)
以下のようにして第3層8を形成した以外は、実施例2と同様に表示装置を作成した。
ポリエチレン(PE)製の厚み10μmの不織布にジビニルベンゼンとスチレンスルホン酸Liを含浸させ、加熱して熱重合させ膜厚10μmのスルホニル基を有するスチレンとジビニルベンゼンの共重合体が不織布に含浸された薄膜を形成した。これをセルの大きさに切り、EC層4上に置いた。
【0084】
第1電極あるいは第2電極と第3層8との間が2μmであるこのセルにおいて、第1電極6と第2電極7とを同電位とし、参照電極に対して第3電極3の電位を正、あるいは負になるように電圧を印加したところ、発色及び消色することがわかった。
【0085】
また、第3電極3には電圧を印加せず、第1電極6と第2電極7との間に交流電圧を印加すると、オレンジ色の発光が観測された。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る表示装置の断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る表示装置の断面図である。
【図3】本発明の実施形態の反射表示を説明する図である。
【図4】本発明の実施形態の発光表示を説明する図である。
【図5】表示装置の断面図。
【符号の説明】
【0087】
1…第1基板
2…第2基板
3…第3電極
4…第2層(EC層)
5…第1層(ECL層)
6…第1電極
7…第2電極
8…第3層
10…参照電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、
前記第1基板上に設けられた第1電極及び第2電極と、
前記第1基板に離間対向して設けられた第2基板と、
前記第2基板上に設けられた第3電極と、
前記第1基板と前記第2基板との間の前記第1基板側に設けられ、電気化学的な酸化若しくは還元を経て発光する発光材料を含む第1層と、
前記第1基板と前記第2基板との間の前記第2基板側に設けられ、電気化学的な酸化若しくは還元により変色する着色材料を含む第2層と、
前記第1層と前記第2層との間に設けられ、前記発光材料、または前記の発光材料の酸化種若しくは還元種に対しては非透過性若しくは難透過性の電解質層である第3層を具備することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
第1基板と、
前記第1基板上に設けられた第1電極及び第2電極と、
前記第1基板に離間対向して設けられた第2基板と、
前記第2基板上に設けられた第3電極と、
前記第1基板と前記第2基板との間の前記第1基板側に設けられ、電気化学的な酸化若しくは還元を経て発光する発光材料を含む第1層と、
前記第1基板と前記第2基板との間の前記第2基板側に設けられ、電気化学的な酸化若しくは還元により変色する着色材料を含む第2層と、
前記第1層と前記第2層との間に設けられ、架橋ポリマーを含む電解質層である第3層を具備することを特徴とする表示装置。
【請求項3】
前記第3層は、前記架橋ポリマーに支持塩を分散してなる層であることを特徴とする請求項2記載の表示装置。
【請求項4】
前記第3層を構成する前記架橋性ポリマーは、イオン性解離基を導入した架橋ポリマーであることを特徴とする請求項2記載の表示装置。
【請求項5】
前記第3層は、不織布に前記架橋ポリマーが含浸されていることを特徴とする請求項2記載の表示装置。
【請求項6】
前記架橋ポリマーがスチレン−スチレンスルホン酸塩共重合体であることを特徴とする請求項2記載の表示装置。
【請求項7】
第1基板と、
前記第1基板上に設けられた第1電極及び第2電極と、
前記第1基板に離間対向して設けられた第2基板と、
前記第2基板上に設けられた第3電極と、
前記第1基板と前記第2基板との間の前記第1基板側に設けられ、電気化学的な酸化若しくは還元を経て発光する発光材料を含む第1層と、
前記第1基板と前記第2基板との間の前記第2基板側に設けられ、電気化学的な酸化若しくは還元により変色する着色材料を含む第2層と、
前記第1層と前記第2層との間に設けられ、ポリエーテル類ポリマーに支持塩が分散した電解質層である第3層を具備することを特徴とする表示装置。
【請求項8】
前記ポリエーテル類ポリマーがポリエチレンオキサイドであることを特徴とする請求項7記載の表示装置。
【請求項9】
前記第3層は、不織布に前記支持塩と前記ポリエーテル類ポリマーとが含浸されていることを特徴とする請求項7記載の表示装置。
【請求項10】
前記第3層は、リチウム塩を含むことを特徴とする請求項1、2または7記載の表示装置。
【請求項11】
前記第1層が、前記発光材料及び支持塩を含む固体層若しくは液体層であり、
前記第2層が、前記着色材料を含む固体層であることを特徴とする請求項1、2または7記載の表示装置。
【請求項12】
前記第1層が、前記発光材料及び支持塩を含む固体層であり、
前記第2層が、前記着色材料及び支持塩を含む固体層であることを特徴とする請求項1、2または7記載の表示装置。
【請求項13】
前記第1電極、及び前記第2電極と前記第3層との距離が2μm以下であることを特徴とする請求項1、2または7記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−113355(P2006−113355A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−301402(P2004−301402)
【出願日】平成16年10月15日(2004.10.15)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】