表示装置
【課題】表示装置を提供する。
【解決手段】所定間隔離れて互いに対向するように配置される第1基板及び第2基板と;第1基板と第2基板との間に設けられるものであって、第1基板と第2基板との間の空間を区画して複数の発光セルを形成する複数の隔壁と;発光セルの内部に充填される励起ガスと;発光セルの内壁に形成される発光体層と;第1基板の内側に発光セルごとに設けられて、励起ガスを励起させる第1電子ビームを発光セルの内部に放出させるものであって、第1基板の内面に形成される第1電極と、第1電極上に形成されるものであって、窒化ホウ素バンブーシュートからなる第1電子放出源を備える第1電子放出手段と;を備える表示装置である。
【解決手段】所定間隔離れて互いに対向するように配置される第1基板及び第2基板と;第1基板と第2基板との間に設けられるものであって、第1基板と第2基板との間の空間を区画して複数の発光セルを形成する複数の隔壁と;発光セルの内部に充填される励起ガスと;発光セルの内壁に形成される発光体層と;第1基板の内側に発光セルごとに設けられて、励起ガスを励起させる第1電子ビームを発光セルの内部に放出させるものであって、第1基板の内面に形成される第1電極と、第1電極上に形成されるものであって、窒化ホウ素バンブーシュートからなる第1電子放出源を備える第1電子放出手段と;を備える表示装置である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に係り、さらに詳細には、駆動電圧を下げることができ、寿命を延長させうる新たな表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置の一種であるPDP(Plasma Display Panel:PDP)は、電気的放電を利用して画像を形成する装置であって、輝度や視野角などの表示性能に優れており、その使用が日々増加している。このようなPDPは、電極に印加される電圧によって、電極の間でガス放電が起こり、この放電過程で発生する紫外線(Ultra Violet:UV)の放射によって、蛍光体が励起されて可視光を発散することによって画像を形成する。
【0003】
前記PDPは、その放電形式によって直流(Direct Current:DC)型と交流(Alternating Current:AC)型とに分類されうる。直流型PDPは、あらゆる電極が放電空間に露出される構造であって、対応電極間に電荷の移動が直接的に行われる。交流型PDPは、少なくとも一つの電極が誘電体層で取り囲まれ、対応する電極間に直接的な電荷の移動が行われない代わりに、壁電荷によって放電が行われる。
【0004】
また、PDPは、電極の配置構造によって対向放電型と面放電型とに分類されうる。対向放電型PDPは、対をなす二つの維持電極がそれぞれ上部基板及び下部基板に配置された構造であって、放電が基板に垂直方向に起こる。面放電型PDPは、対をなす二つの維持電極が同じ基板上に配置された構造であって、放電が基板に平行方向に起こる。
【0005】
前記対向放電型PDPは、発光効率は高い一方、プラズマにより蛍光体層が容易に劣化されるという短所があって、近来には面放電型PDPが主流をなしている。
【0006】
図1には、従来の一般的な面放電型PDPが示されている。そして、図2A及び図2Bには、図1に示すPDPを横方向及び縦方向に切断した断面が示されている。
【0007】
図1、図2A及び図2Bに示すように、従来のPDPは、所定間隔で互いに対面する上部基板20及び下部基板10を備える。前記上部基板20と下部基板10との間の空間は、プラズマ放電が起こる放電空間になる。
【0008】
下部基板10の上面には、複数のアドレス電極11がストライプ状に配列されており、このアドレス電極11は。第1誘電体層12により埋め込まれている。前記第1誘電体層12の上面には、前記放電空間を区画して放電セル14を形成し、この放電セル14の間の電気的、光学的干渉を防止する複数の隔壁13が互いに所定間隔離れて形成されている。そして、前記放電セル14の内面には、蛍光体層15が所定厚さに塗布されており、前記放電セル14の内部には、放電ガスが充填される。
【0009】
上部基板20は、可視光が透過されうる透明基板として主にガラスからなり、隔壁13が形成された下部基板10に結合される。前記上部基板20の下面には、アドレス電極11と直交するストライプ状の維持電極21a、21bが対をなして形成されている。前記維持電極21a、21bは、可視光が透過されるように、主にITO(Indium Tin Oxide)のような透明な導電性の材料からなる。そして、前記維持電極21a、21bのライン抵抗を減らすために、維持電極21a、21bのそれぞれの下面には、金属材質からなるバス電極22a、22bが維持電極21a、21bより狭幅に形成されている。このような維持電極21a、21b及びバス電極22a、22bは、透明な第2誘電体層23により埋め込まれている。前記第2誘電体層23の下面には、酸化マグネシウム(MgO)からなる保護膜24が形成されている。
【0010】
前記のような構造のPDPで、前記保護膜24は、プラズマ粒子のスパッタリングによる第2誘電体層23の損傷を防止し、2次電子を放出して放電電圧を下げる役割を行う。しかし、MgOからなる保護膜は、2次電子放出係数が低いため、放電空間内で十分な電子放出効果を奏すのに限界がある。
【0011】
このような問題点を解決するためのPDPとして、図3には、特許文献1に開示されたPDPの断面が示されている。
【0012】
図3に示すように、上部基板40と下部基板30とが互いに対向するように配置され、その間に放電空間を形成する。上部基板40と下部基板30との間には、前記放電空間を区画して放電セル34を形成する複数の隔壁33が設けられる。前記下部基板30の上面には、アドレス電極31が形成され、前記アドレス電極31は、前記下部基板30の上面に形成される第1誘電体層32によって埋め込まれる。そして、前記上部基板40の下面には、維持電極41が形成され、前記維持電極41は、前記上部基板40の下面に形成される第2誘電体層43によって埋め込まれる。前記第2誘電体層43の下面には、保護膜44及び炭素ナノチューブ(Carbon NanoTube:CNT)45が順次に積層された2次電子増幅構造体が形成される。このようなPDPでは、2次電子増幅構造体によって効率及び輝度が向上し、放電電圧が降下するという長所があるが、放電中にCNT 45が破壊されて、パネルの寿命が短縮される可能性がある。
【0013】
一方、前述の従来のPDPでは、放電ガスがイオン化されて、プラズマ放電が起こる過程で励起状態のキセノン(Xe)が安定化されつつUVが発生する。したがって、画像を形成するためには、放電ガスをイオン化させうる程度に高いエネルギーが必要となるので、駆動電圧が大きく、発光効率は低いという問題点がある。
【特許文献1】米国特許第6,346,775号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、前記問題点を解決するためになされたものであって、駆動電圧を下げ、寿命を延長させうる新たな表示装置を提供するところにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記目的を解決するために、本発明の具現例に係る表示装置は、所定間隔離れて互いに対向するように配置される第1基板及び第2基板と;前記第1基板と第2基板との間に設けられるものであって、前記第1基板と第2基板との間の空間を区画して複数の発光セルを形成する複数の隔壁と;前記発光セルの内部に充填される励起ガスと;前記発光セルの内壁に形成される発光体層と;前記第1基板の内側に前記発光セルごとに設けられて、前記励起ガスを励起させる第1電子ビームを前記発光セルの内部に放出させるものであって、前記第1基板の内面に形成される第1電極と、前記第1電極上に形成されるものであって、窒化ホウ素バンブーシュート(Boron Nitride Bamboo Shoot:BNBS)からなる第1電子放出源を備える第1電子放出手段と;を備える。
【0016】
ここで、前記第1電子ビームは、前記励起ガスを励起させるのに必要なエネルギーより大きく、前記励起ガスをイオン化させるのに必要なエネルギーより小さなエネルギーを有することが望ましい。
【0017】
前記第2基板の内面には、前記発光セルごとに第2電極がさらに形成されうる。
【0018】
また、前記第1電子放出源の発光セルに向った面に近接して配置される第3電極がさらに備えられうる。この場合、前記第1電極、第2電極及び第3電極に印加される電圧をそれぞれV1、V2及びV3とするとき、V1<V3<V2またはV1<V2=V3を満たすことが望ましい。
【0019】
前記第2電極は、メッシュ構造を有しうる。 前記第2基板の内面には、前記第2電極を覆うように誘電体層がさらに形成され、前記誘電体層上には、保護膜が形成されうる。
【0020】
前記励起ガスは、Xeを含み、前記第1電子ビームは、8.28eV〜12.13eVのエネルギーを有することが望ましい。
【0021】
前記表示装置は、前記第2基板の内側に前記発光セルごとに設けられて、前記励起ガスを励起させる第2電子ビームを前記発光セル内部に放出させるものであって、前記第2基板の内面に形成される第2電極と、前記第2電極上に形成されるものであって、BNBSからなる第2電子放出源と、を備える第2電子放出手段をさらに備えうる。
【0022】
前記第1電子放出源の発光セルに向った面に近接して配置された第3電極、及び前記第2電子放出源の発光セルに向った面に近接して配置された第4電極をさらに備えうる。この場合、 前記第1電極、第2電極、第3電極及び第4電極に印加される電圧をそれぞれV1、V2、V3及びV4とするとき、V1<V3及びV2<V4を満たすことが望ましい。
【0023】
本発明の他の具現例に係る表示装置は、所定間隔離れて互いに対向するように配置されて、その間に複数の発光セルを形成する第1基板及び第2基板と、前記発光セルの内部に充填される励起ガスと、前記発光セルの内壁に形成される発光体層と、前記第1基板と第2基板との間に前記発光セルごとに設けられるものであって、前記励起ガスを励起させる第1電子ビーム及び第2電子ビームを前記発光セルの内部に放出させる第1電子放出手段及び第2電子放出手段と、を備え、前記第1電子放出手段は、前記発光セルの一側に配置される第1電極と、前記第1電極の内側面に形成されるものであって、BNBSからなる第1電子放出源と、を備え、前記第2電子放出手段は、前記発光セルの他側に配置される第2電極と、前記第2電極の内側面に形成されるものであって、BNBSからなる第2電子放出源と、を備える。
【0024】
前記第1基板の内面には、アドレス電極が発光セルごとにさらに形成され、前記第1基板の内面には、前記アドレス電極を覆うように誘電体層が形成されうる。
【0025】
本発明のさらに他の具現例に係る表示装置は、 所定間隔離れて互いに対向するように配置される第1基板及び第2基板と、前記第1基板と第2基板との間に設けられるものであって、前記第1基板と第2基板との間の空間を区画して複数の発光セルを形成する複数の隔壁と、前記発光セルの内部に充填される励起ガスと、前記発光セルの内壁に形成される発光体層と、前記第2基板の内側に前記発光セルごとに設けられるものであって、前記励起ガスを励起させる第1電子ビーム及び第2電子ビームを前記発光セルの内部に放出させる第1電子放出手段及び第2電子放出手段と、を備え、前記第1電子放出手段は、前記第2基板の一側内面に形成される第1電極と、前記第1電極の内面に形成されるものであって、BNBSからなる第1電子放出源と、を備え、前記第2電子放出手段は、前記第2基板の他側内面に配置される第2電極と、前記第2電極の内面に形成されるものであって、BNBSからなる第2電子放出源と、を備える。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る表示装置は、電子放出源を備える電子放出手段が励起ガスを単に励起させうるエネルギーを有する電子ビームを放出させることによって、従来のプラズマディスプレイパネルより低い電圧で駆動されうる。また、前記電子放出源は、電子放出特性に非常に優れたBNBSからなっているので、駆動電圧をさらに下げて消費電力を減らしうる。そして、前記BNBSは、イオンによる衝撃にも耐えるほどに非常にかたい構造を有しているので、表示装置の寿命も延長しうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳細に説明する。図面で同じ参照符号は、同じ構成要素を示す。
【0028】
図4は、本発明の実施形態に係る表示装置の一部を示す断面図である。
【0029】
図4に示すように、下部基板の第1基板110と、上部基板の第2基板120とが所定間隔離れて互いに対向するように配置されている。ここで、前記第1基板110及び第2基板120は、透明なガラス基板からなりうる。そして、前記第1基板110と第2基板120との間には、第1基板110と第2基板120との間の空間を区画して複数の発光セル114を形成し、前記発光セル114間の電気的・光学的クロストークを防止する複数の隔壁113が設けられている。前記発光セル114の内壁には、発光体層115が所定の厚さに塗布されている。前記発光体層115をなす蛍光体としては、主にUVによって励起されて可視光を発生させる発光蛍光体が使用されるが、その他にも、陰極線発光蛍光体や量子ドットが含まれて使用されてもよい。そして、前記発光セル114の内部には、一般的に、Xeを含む励起ガスが充填される。以下、本発明における励起ガスとは、電子ビームなどの外部エネルギーにより励起されてUVを発生させうるガスを言う。一方、本発明の励起ガスの一部は、放電ガスとして作用することも可能である。
【0030】
前記第1基板110の上面には、電子放出手段が発光セル114ごとに設けられている。ここで、前記電子放出手段は、前記第1基板110の上面に形成される第1電極131と、前記第1電極131の上面に形成される電子放出源140と、を備える。そして、前記第2基板120の下面には、第2電極132が発光セル114ごとに前記電子放出手段と交差する方向に形成されている。ここで、前記第1電極131及び第2電極132は、それぞれカソード電極及びアノード電極である。前記第2電極132は、可視光が透過されるようにITOのような透明な導電性物質からなりうる。そして、前記第2基板120の下面には、前記第2電極132を覆うように、誘電体層(図示せず)が形成され、前記誘電体層の表面には、MgOからなる保護膜(図示せず)がさらに形成されうる。
【0031】
一方、本発明で、前記電子放出源140は、BNBSからなる。前記BNBSは、sp3結合性5H−BNの名称であって、日本の物質材料研究機構(National Institute for Material Science:NIMS)によって開発されて、2004年3月に公開された新たな物質である。図5には、BNBSの形状を示す顕微鏡写真が示されている。図5に示すように、BNBSは、先端の部分が竹の子状にとがった形状に形成されていることが分かり、このような形状により、BNBSと名づけられた。このようなBNBSは、可視光領域である約380〜780nmの波長領域で透明な性質を有するだけでなく、負(−)の電子親和度を有するために、電子放出特性にも非常に優れていると知られている。具体的に、BNBSは、同じ電界でCNTに比べて、数百倍大きい電流密度を示すので、CNTに比べて電子放出特性に非常に優れている。また、図6には、BNBSの結晶構造が概略的に示されているので、これを参照すれば、BNBSのような窒化ホウ素系の物質は、キュービック形態の結晶構造を有する。このようなキュービック形態の結晶構造によって、BNBSのような窒化ホウ素系の物質は、ダイアモンドに次いで安定的かつしっかりした性質を有する(Handbook of refractory carbides an dnitrides,Hugh O.Pierson,Noyes publication,Table 13.6p.236,1966)。
【0032】
前記BNBSからなる電子放出源140は、第1電極131に所定の電圧が印加されることによって、前記発光セル114の内部に電子ビームを放出させ、放出された電子は、第1電極131と第2電極132との間の電圧により第2電極132側に加速される。このような過程で、前記電子ビームは、励起ガスを励起させ、励起された励起ガスは、安定化されつつUVを発生させる。そして、前記UVは、発光体層115を励起させて可視光を発生させ、このように発生した可視光は、第2基板120方向に出射されて画像を形成する。ここで、前記電子放出源140をなす物質であるBNBSは、前述したように、CNTよりはるかに優れた電子放出特性を有する。
【0033】
一方、前記電子放出源140から放出された電子ビームは、励起ガスを励起させるのに必要なエネルギーより大きく、励起ガスのイオン化に必要なエネルギーよりは小さいエネルギーを有することが望ましい。したがって、前記第1電極131及び第2電極132には、前記電子ビームが励起ガスを励起させうる最適化された電子エネルギーを有するように電圧が印加される。
【0034】
図7には、UV発生源であるXeのエネルギー準位が概略的に示されている。図7に示すように、Xeをイオン化させるためには、12.13eVのエネルギーが必要であり、Xeを励起させるためには、8.28eV以上のエネルギーが必要であるということが分かる。具体的には、Xeを1S5、1S4、1S2状態にそれぞれ励起させるためには、8.28eV、8.45eV、9.57eVのエネルギーが必要となる。このように励起されたキセノンXe*は、安定化されつつ約147nmのUVが発生する。そして、励起状態のキセノンXe*と基底状態のXeとが衝突すれば、エキシマキセノンXe2*が生成されるが、このようなエキシマキセノンXe2*が安定化されれば、約173nmのUVが発生する。
【0035】
これにより、本発明で、Xeを含む励起ガスが使用される場合、電子放出源140から発光セル114の内部に放出される電子ビームは、Xeを励起させるために約8.28eV〜12.13eVのエネルギーを有しうる。
【0036】
図8は、本発明の他の実施形態に係る表示装置を示す一部断面図である。図8に示すように、互いに対向するように配置されている第1基板110と第2基板120との間には、第1基板110と第2基板120との間の空間を区画して複数の発光セル114を形成し、前記発光セル114の間の電気的かつ光学的なクロストークを防止する複数の隔壁113が設けられている。前記発光セル114の内壁には、発光体層115が所定の厚さに塗布されている。そして、前記発光セル114の内部には、一般的に、Xeを含む励起ガスが充填される。前記第1基板110の上面には、電子放出手段が発光セル114ごとに設けられている。ここで、前記電子放出手段は、前記第1基板110の上面に形成される第1電極131’と、前記第1電極131’の上面に形成される電子放出源140’と、前記電子放出源140’に近接して形成された第3電極133とを備える。本実施形態においても、前記電子放出源140’は、窒化ホウ素バンブーシュート(Boron Nitride Bamboo Shoot:BNBS)からなる。前記第3電極133は、所定の高さに形成された誘電体支持層143により前記電子放出源140’の放電セル114に向った面に近接して位置する。
【0037】
そして、前記第2基板120の下面には、第2電極132’が発光セル114ごとに前記電子放出手段と交差する方向に形成されている。ここで、前記第1電極131’、第2電極132’及び第3電極133は、それぞれカソード電極、アノード電極、及びグリッド電極になる。前記第2電極132’は、可視光が透過されるようにITO(Indium Tin Oxide)のような透明な導電性の物質からなりうる。そして、前記第2基板120の下面には、前記第2電極132’を覆うように誘電体層(図示せず)が形成され、前記誘電体層の表面には、酸化マグネシウム(MgO)からなる保護膜(図示せず)がさらに形成されうる。
【0038】
図9Aないし図9Dには、図4に示す表示装置で各電極に印加されうる電圧のパターンを例として示している。
【0039】
図9Aに示すように、第1電極131’、第2電極132’及び第3電極133にそれぞれパルス形態の電圧が印加されるが、このとき、前記第1電極131’、第2電極132’及び第3電極133に印加される電圧をV1、V2及びV3とすれば、V1<V3<V2を満たすように、各電極に所定の電圧が印加される。前記のような電圧が印加されれば、電極131’及び第3電極133に印加された電圧によって、電子放出源140’から発光セル114の内部に電子ビームが放出され、このように放出された電子ビームは、第3電極133及び第2電極132’に印加された電圧によって、第2電極132’側に加速され、この過程で励起ガスが励起される。このとき、第2電極132の電圧を調節して、励起ガスの一部が放電状態に調節されることも可能である。一方、前記第2電極132’は、図9Bに示すように、接地されていてもよい。この場合には、前記第2電極132に到達する電子が外部に抜け出ることになる。
【0040】
図9Cに示すように、第1電極131’、第2電極132’及び第3電極133に印加される電圧をV1、V2及びV3とすれば、V1<V3=V2を満たすように、各電極に所定の電圧が印加される。前記のような電圧が印加されれば、第1 電極131’及び第3電極133に印加された電圧によって、電子放出源140から発光セル114の内部に電子ビームが放出され、このように放出された電子ビームによって励起ガスが励起される。一方、前記第2電極132’及び第3電極133は、図9Dに示すように接地されていてもよい。この場合には、前記第2電極132’に到達する電子が外部に抜け出ることになる。
【0041】
このように、本発明の実施形態に係る表示装置は、電子放出源140を含む電子放出手段が、励起ガスを単に励起だけさせうるエネルギーを有する電子ビームを放出させることによって、従来のプラズマディスプレイパネルより低い電圧で駆動されうる。また、前記電子放出源140は、電子放出特性に非常に優れたBNBSからなっているので、駆動電圧をさらに下げうる。そして、前記BNBSは、発光セル114の内部で励起ガスの一部が放電状態にある場合、イオンによる衝撃にも耐える程に非常にかたい構造を有しているので、表示装置の寿命も延長しうる。
【0042】
図10は、本発明の実施形態に係る平板ディスプレイ装置の変形例を示す図面である。以下では、前述した実施形態と異なる点のみを説明する。図10に示すように、第2基板120の下面に形成された第2電極132”は、発光セル114から発生した可視光が透過されるようにメッシュ構造に形成されている。
【0043】
以上では、第1基板110が下部基板になり、第2基板120が上部基板になる場合が説明されたが、本実施形態は、電子放出源140が形成された第1基板110が上部基板になり、第2基板120が下部基板になる場合にも適用されうる。
【0044】
図11は、本発明の他の実施形態に係る表示装置の一部を概略的に示す断面図である。
【0045】
図11に示すように、第1基板210と第2基板220とが一定の間隔を空けて互いに対向するように配置されている。そして、前記第1基板210と第2基板220との間には、第1基板210と第2基板220との間の空間を区画して複数の発光セル214を形成する複数の隔壁213が設けられている。前記発光セル214の内壁には、発光体層215が塗布されており、前記発光セル214の内部には、Xeを含む励起ガスが充填される。
【0046】
前記第1基板210の上面には、第1電子放出手段が発光セル214ごとに設けられており、前記第2基板220の下面には、第2電子放出手段が発光セル214ごとに前記第1電子放出手段と交差する方向に設けられている。ここで、前記第1電子放出手段は、第1基板210の上面に形成される第1電極231と、前記第1電極231の上面に形成される第1電子放出源241とを備える。そして、前記第2電子放出手段は、第2基板220の下面に形成される第2電極232と、前記第2電極232の下面に形成される第2電子放出源242とを含む。ここで、前記第1電子放出源241及び第2電子放出源242は、前述のように、電子放出特性に優れた物質であるBNBSからなる。
【0047】
前記第1電子放出源241は、第1電極231に所定の電圧が印加されることによって前記発光セル214の内部に第1電子ビーム(E1−ビーム)を放出させる。そして、前記第2電子放出源242は、第2電極232に所定の電圧が印加されることによって前記発光セル214の内部に第2電子ビーム(E2−ビーム)を放出させる。ここで、前記第1電子ビーム及び第2電子ビームは、各電極に印加される電圧によって発光セル214の内部に交互に放出されうる。前記第1電子ビーム及び第2電子ビームは、それぞれ励起ガスを励起させ、このように励起された励起ガスは、安定化されつつ発光体層215を励起させるUVを発生させる。したがって、前記第1電子ビーム及び第2電子ビームは、前述のように、励起ガスを励起させるのに必要なエネルギーより大きく、励起ガスをイオン化させるのに必要なエネルギーより小さいエネルギーを有することが望ましい。具体的に、Xeを含む励起ガスが使用される場合、前記第1電子ビーム及び第2電子ビームは、Xeを励起させるのに必要な約8.28eV〜12.13eVのエネルギーを有しうる。
【0048】
前記第2電極232は、可視光が透過されるように、ITOのような透明な導電性物質からなりうる。一方、前記第1基板210及び第2基板220のうち何れか一つの基板には、複数のアドレス電極(図示せず)がさらに形成されうる。
【0049】
図12には、図11に示す表示装置において、各電極に印加されうる電圧パターンを例として示している。
【0050】
図12に示すように、第1電極231及び第2電極232にそれぞれパルス形態の電圧が印加されるが、第1電極231に印加された電圧によって、第1電子放出源241から発光セル214の内部に第1電子ビームが放出され、第2電極232に印加された電圧によって、第2電子放出源242から発光セル214の内部に第2電子ビームが放出される。ここで、前記第1電子ビーム及び第2電子ビームは、互いに交互に発光セル214の内部に放出されて励起ガスを励起させる。
【0051】
図13は、本発明のさらに他の実施形態に係る表示装置の一部を概略的に示す断面図である。
【0052】
図13に示すように、第1基板310と第2基板320とが一定の間隔を空けて互いに対向するように配置され、その間には、複数の発光セル314を区画する隔壁313が配置される。前記第1基板310の上面には、複数のアドレス電極311が形成されており、このようなアドレス電極311は、誘電体層312によって埋め込まれる。そして、前記発光セル314の内壁には、発光体層315が塗布されており、前記発光セル314の内部には、Xeを含む励起ガスが充填される。
【0053】
前記第1基板310と第2基板320との間には、前記発光セル314ごとに第1電子放出手段及び第2電子放出手段が設けられている。ここで、前記第1電子放出手段は、発光セル314の一側に形成された第1電極331と、前記第1電極331の内側面に形成される第1電子放出源341とを含む。そして、前記第2電子放出手段は、発光セル314の他側に形成される第2電極332と、前記第2電極332の内側面に形成される第2電子放出源342とを含む。ここで、前記第1電子放出源341及び第2電子放出源342は、前述のように、電子放出特性に優れた物質であるBNBSからなる。
【0054】
前記第1電子放出源341は、第1電極331に所定の電圧が印加されることによって前記発光セル314の内部に第1電子ビーム(E1−ビーム)を放出させる。そして、前記第2電子放出源342は、第2電極332に所定の電圧が印加されることによって前記発光セル314の内部に第2電子ビーム(E2−ビーム)を放出させる。ここで、前記第1電子ビーム及び第2電子ビームは、発光セル314の内部に交互に放出される。前記第1電子ビーム及び第2電子ビームは、それぞれ励起ガスを励起させ、このように励起された励起ガスは、安定化されつつ発光体層315を励起させるUVを発生させる。したがって、前記第1電子ビーム及び第2電子ビームは、前述のように、励起ガスを励起させるのに必要なエネルギーより大きく、励起ガスをイオン化させるのに必要なエネルギーより小さいエネルギーを有することが望ましい。具体的に、Xeを含む励起ガスが使用される場合、前記第1電子ビーム及び第2電子ビームは、Xeを励起させるのに必要な約8.28eV〜12.13eVのエネルギーを有しうる。
【0055】
前記のような構造の表示装置において、各電極には、図12に示すパターンの電圧が印加され、これについての詳細な説明は前述したので省略する。
【0056】
一方、本実施形態に係る表示装置においては、各電子放出手段が第1電極431または第2電極432と、前記各電極上に形成された電子放出源441、442とから構成されているが、各電子放出手段は、図8に示すように、カソード電極131’と、前記カソード電極131’上に形成された電子放出源140’と、及び前記電子放出源140’に近接して配置されたグリッド電極133とから構成されてもよい。
【0057】
図14は、本発明のさらに他の実施形態に係る表示装置の一部を概略的に示す断面図である。
【0058】
図14に示すように、下部基板の第1基板410と上部基板の第2基板420とが一定の間隔を空けて互いに対向するように配置されている。そして、前記第1基板410と第2基板420との間には、第1基板410と第2基板420との間の空間を区画して複数の発光セル414を形成する複数の隔壁413が設けられている。前記発光セル414の内壁には、発光体層415が塗布されており、前記発光セル414の内部には、Xeを含む励起ガスが充填される。
【0059】
前記第1基板410の上面には、複数のアドレス電極411が形成されており、このようなアドレス電極411は、誘電体層412によって埋め込まれる。前記第2基板420の下面には、第1電子放出手段及び第2電子放出手段が発光セルごとに設けられている。ここで、前記第1電子放出手段及び第2電子放出手段は、アドレス電極411と交差する方向に設けられる。前記第1電子放出手段は、第2基板420の下面の一側に形成される第1電極431と、前記第1電極431の下面に形成される第1電子放出源441とを備える。そして、前記第2電子放出手段は、第2基板420の下面の他側に形成される第2電極432と、前記第2電極432の下面に形成される第2電子放出源442とを備える。ここで、前記第1電子放出源441及び第2電子放出源442は、前述のように、電子放出特性に優れた物質であるBNBSからなる。
【0060】
前記第1電子放出源441は、第1電極431に所定の電圧が印加されることによって前記発光セル414の内部に第1電子ビーム(E1−ビーム)を放出させる。そして、前記第2電子放出源442は、第2電極432に所定の電圧が印加されることによって前記発光セル414の内部に第2電子ビーム(E2−ビーム)を放出させる。ここで、前記第1電子ビーム及び第2電子ビームは、発光セル414の内部に交互に放出される。前記第1電子ビーム及び第2電子ビームのそれぞれは、励起ガスを励起させ、このように励起された励起ガスは、安定化されつつ発光体層415を励起させるUVを発生させる。したがって、前記第1電子ビーム及び第2電子ビームは、前述のように、励起ガスを励起させるのに必要なエネルギーより大きく、励起ガスをイオン化させるのに必要なエネルギーより小さいエネルギーを有することが望ましい。具体的に、Xeを含む励起ガスが使用される場合、前記第1電子ビーム及び第2電子ビームは、Xeを励起させるのに必要な約8.28eV〜12.13eVのエネルギーを有しうる。
【0061】
前記第1電極431及び第2電極432は、可視光が透過されるように、ITOのような透明な導電性物質からなりうる。前記のような構造の表示装置において、各電極には、図12に示すパターンの電圧が印加され、これについての詳細な説明は前述したので省略する。そして、以上では、第1基板410が下部基板になり、第2基板420が上部基板になる場合が説明されたが、本実施形態は、第1基板410が上部基板になり、第2基板420が下部基板になる場合にも適用されうる。
【0062】
図15は、本発明のさらに他の実施形態に係る表示装置の一部を概略的に示す断面図である。
【0063】
図15に示すように、第1基板510と第2基板520との間には、隔壁513により区画された発光セル514が形成され、前記発光セル514の内壁には、発光体層515が形成され、発光セル515の内部には、励起によってUVを発生させる励起ガスが充填されている。
【0064】
前記第1基板510上には、各発光セル514ごとに対をなして配置されている第1電子放出手段及び第2電子放出手段が設けられる。前記第1電子放出手段及び第2電子放出手段は、互いに同一面上に配置されている。前記第1電子放出手段は、前記第1基板510の面に配置された第1電極531と、前記第1電極531に対向して配置された第1電子放出源541と、前記電子放出源541と隣接して配置された第3電極533とを備える。これと同様に、前記第2電子放出手段は、前記第1基板510の面に配置された第2電極532と、前記第2電極532に対向して配置された第2電子放出源542と、前記電子放出源542と隣接して配置された第4電極534とを備える。前記第1電極531及び第2電極532は、カソード電極として作用し、前記第3電極533及び第4電極534は、グリッド電極として作用する。前記第3電極533及び第4電極534は、誘電体支持層543、544により第1基板510から所定の高さに位置して、対応する電子放出源541、542の電子放出面に近接して位置する。前記電子放出手段と対向する第2基板520には、前記第1電極531、第2電極532と交差する方向に延びる第5電極535が配置され、前記第5電極535は、誘電体層521により覆われている。
【0065】
以下では、本実施形態に係る表示装置の駆動方法について説明する。図16には、第1電極531、第2電極532、第3電極533及び第4電極534にそれぞれ印加される電圧波形が示されている。図16に示すように、各電極531、532、533、534には、パルス波形の電圧が印加される。このとき、前記第1電極531、第2電極532、第3電極533及び第4電極534に印加される電圧をそれぞれV1、V2、V3、V4とすれば、各電極531、532、533、534には、V1<V3、V2<V4の関係を満たすパルス電圧が印加される。第1電極531及び第3電極533に電子放出パルスが印加されることによって、第1電子ビーム(E1−ビーム)が放出され、次いで、第2電極532及び第4電極534にさらに他の電子放出パルスが印加されることによって、第2電子ビーム(E2−ビーム)が発光セル514の空間に放出される。このとき、前記第1電極531及び第2電極532に交互にパルスを有する交流電圧が印加されれば、パルスが印加される時間に合わせて、第1電子ビーム(E1−ビーム)及び第2電子ビーム(E2−ビーム)が交互に発光セル514の内部に放出される。このとき、前記第1電子放出手段及び第2電子放出手段は、同じ面上で同じ方向に向うように配置されているので、第1電子ビーム(E1−ビーム)及び第2電子ビーム(E2−ビーム)は、実質的に同じ方向に向って放出される。一方、図面に示されてはいないが、前記第5電極535に印加される電圧をV5とするとき、第3電極533、第4電極534及び第5電極にV3、V4≦V5の関係を満たす電圧をそれぞれ印加すれば、発光セル514の空間に放出された第1電子ビーム(E1−ビーム)及び第2電子ビーム(E2−ビーム)は、前記第5電極535の静電力を受けて進行方向に加速されうる。このような点において、前記第5電極535は、アノード電極としての機能を行い、前記第5電極には、例えば、グラウンド電圧が印加されうる。
【0066】
以上の実施形態で説明された表示装置は、画像を形成する装置だけでなく、液晶表示装置(LCD)のバックライトとして主に使用される平板ランプにも適用されうる。
【0067】
以上で、本発明に係る望ましい実施形態が説明されたが、これは、例示的なものに過ぎず、当業者ならば、これから多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるという点が理解できるであろう。したがって、本発明の真の技術的な保護範囲は、特許請求の範囲によって決まらねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、表示装置に関連した技術分野に好適に適用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】従来のPDPの分離斜視図である。
【図2A】図1に示すPDPの断面図である。
【図2B】図1に示すPDPの断面図である。
【図3】従来の他のPDPの断面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る表示装置の概略的な断面図である。
【図5】BNBSの形状を拡大して示す顕微鏡写真である。
【図6】BNBSの結晶構造を概略的に示す図面である。
【図7】Xeのエネルギー準位を示すグラフである。
【図8】本発明の他の実施形態に係る表示装置の概略的な断面図である。
【図9A】本発明の実施形態に係る表示装置で、各電極に印加されうる電圧を示す図面である。
【図9B】本発明の実施形態に係る表示装置で、各電極に印加されうる電圧を示す図面である。
【図9C】本発明の実施形態に係る表示装置で、各電極に印加されうる電圧を示す図面である。
【図9D】本発明の実施形態に係る表示装置で、各電極に印加されうる電圧を示す図面である。
【図10】本発明の実施形態に係る表示装置の変形例を示す概略的な断面図である。
【図11】本発明の他の実施形態に係る表示装置の概略的な断面図である。
【図12】本発明の他の実施形態に係る表示装置で、各電極に印加されうる電圧を示す図面である。
【図13】本発明のさらに他の実施形態に係る表示装置の概略的な断面図である。
【図14】本発明のさらに他の実施形態に係る表示装置の概略的な断面図である。
【図15】本発明のさらに他の実施形態に係る表示装置の概略的な断面図である。
【図16】本発明のさらに他の実施形態に係る表示装置において、各電極に印加されうる電圧を示す図面である。
【符号の説明】
【0070】
110、210、310、410 第1基板
113、213、413 隔壁
114、214、314、414 発光セル
115、215、315、415 発光体層
120、220、320、420 第2基板
131、231、331、431 第1電極
132、132’、232、332、432 第2電極
133、133’、233、333、433 第3電極
140 電子放出源
234、334、434 第4電極
241、341、441 第1電子放出源
242、342、442 第2電子放出源
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に係り、さらに詳細には、駆動電圧を下げることができ、寿命を延長させうる新たな表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置の一種であるPDP(Plasma Display Panel:PDP)は、電気的放電を利用して画像を形成する装置であって、輝度や視野角などの表示性能に優れており、その使用が日々増加している。このようなPDPは、電極に印加される電圧によって、電極の間でガス放電が起こり、この放電過程で発生する紫外線(Ultra Violet:UV)の放射によって、蛍光体が励起されて可視光を発散することによって画像を形成する。
【0003】
前記PDPは、その放電形式によって直流(Direct Current:DC)型と交流(Alternating Current:AC)型とに分類されうる。直流型PDPは、あらゆる電極が放電空間に露出される構造であって、対応電極間に電荷の移動が直接的に行われる。交流型PDPは、少なくとも一つの電極が誘電体層で取り囲まれ、対応する電極間に直接的な電荷の移動が行われない代わりに、壁電荷によって放電が行われる。
【0004】
また、PDPは、電極の配置構造によって対向放電型と面放電型とに分類されうる。対向放電型PDPは、対をなす二つの維持電極がそれぞれ上部基板及び下部基板に配置された構造であって、放電が基板に垂直方向に起こる。面放電型PDPは、対をなす二つの維持電極が同じ基板上に配置された構造であって、放電が基板に平行方向に起こる。
【0005】
前記対向放電型PDPは、発光効率は高い一方、プラズマにより蛍光体層が容易に劣化されるという短所があって、近来には面放電型PDPが主流をなしている。
【0006】
図1には、従来の一般的な面放電型PDPが示されている。そして、図2A及び図2Bには、図1に示すPDPを横方向及び縦方向に切断した断面が示されている。
【0007】
図1、図2A及び図2Bに示すように、従来のPDPは、所定間隔で互いに対面する上部基板20及び下部基板10を備える。前記上部基板20と下部基板10との間の空間は、プラズマ放電が起こる放電空間になる。
【0008】
下部基板10の上面には、複数のアドレス電極11がストライプ状に配列されており、このアドレス電極11は。第1誘電体層12により埋め込まれている。前記第1誘電体層12の上面には、前記放電空間を区画して放電セル14を形成し、この放電セル14の間の電気的、光学的干渉を防止する複数の隔壁13が互いに所定間隔離れて形成されている。そして、前記放電セル14の内面には、蛍光体層15が所定厚さに塗布されており、前記放電セル14の内部には、放電ガスが充填される。
【0009】
上部基板20は、可視光が透過されうる透明基板として主にガラスからなり、隔壁13が形成された下部基板10に結合される。前記上部基板20の下面には、アドレス電極11と直交するストライプ状の維持電極21a、21bが対をなして形成されている。前記維持電極21a、21bは、可視光が透過されるように、主にITO(Indium Tin Oxide)のような透明な導電性の材料からなる。そして、前記維持電極21a、21bのライン抵抗を減らすために、維持電極21a、21bのそれぞれの下面には、金属材質からなるバス電極22a、22bが維持電極21a、21bより狭幅に形成されている。このような維持電極21a、21b及びバス電極22a、22bは、透明な第2誘電体層23により埋め込まれている。前記第2誘電体層23の下面には、酸化マグネシウム(MgO)からなる保護膜24が形成されている。
【0010】
前記のような構造のPDPで、前記保護膜24は、プラズマ粒子のスパッタリングによる第2誘電体層23の損傷を防止し、2次電子を放出して放電電圧を下げる役割を行う。しかし、MgOからなる保護膜は、2次電子放出係数が低いため、放電空間内で十分な電子放出効果を奏すのに限界がある。
【0011】
このような問題点を解決するためのPDPとして、図3には、特許文献1に開示されたPDPの断面が示されている。
【0012】
図3に示すように、上部基板40と下部基板30とが互いに対向するように配置され、その間に放電空間を形成する。上部基板40と下部基板30との間には、前記放電空間を区画して放電セル34を形成する複数の隔壁33が設けられる。前記下部基板30の上面には、アドレス電極31が形成され、前記アドレス電極31は、前記下部基板30の上面に形成される第1誘電体層32によって埋め込まれる。そして、前記上部基板40の下面には、維持電極41が形成され、前記維持電極41は、前記上部基板40の下面に形成される第2誘電体層43によって埋め込まれる。前記第2誘電体層43の下面には、保護膜44及び炭素ナノチューブ(Carbon NanoTube:CNT)45が順次に積層された2次電子増幅構造体が形成される。このようなPDPでは、2次電子増幅構造体によって効率及び輝度が向上し、放電電圧が降下するという長所があるが、放電中にCNT 45が破壊されて、パネルの寿命が短縮される可能性がある。
【0013】
一方、前述の従来のPDPでは、放電ガスがイオン化されて、プラズマ放電が起こる過程で励起状態のキセノン(Xe)が安定化されつつUVが発生する。したがって、画像を形成するためには、放電ガスをイオン化させうる程度に高いエネルギーが必要となるので、駆動電圧が大きく、発光効率は低いという問題点がある。
【特許文献1】米国特許第6,346,775号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、前記問題点を解決するためになされたものであって、駆動電圧を下げ、寿命を延長させうる新たな表示装置を提供するところにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記目的を解決するために、本発明の具現例に係る表示装置は、所定間隔離れて互いに対向するように配置される第1基板及び第2基板と;前記第1基板と第2基板との間に設けられるものであって、前記第1基板と第2基板との間の空間を区画して複数の発光セルを形成する複数の隔壁と;前記発光セルの内部に充填される励起ガスと;前記発光セルの内壁に形成される発光体層と;前記第1基板の内側に前記発光セルごとに設けられて、前記励起ガスを励起させる第1電子ビームを前記発光セルの内部に放出させるものであって、前記第1基板の内面に形成される第1電極と、前記第1電極上に形成されるものであって、窒化ホウ素バンブーシュート(Boron Nitride Bamboo Shoot:BNBS)からなる第1電子放出源を備える第1電子放出手段と;を備える。
【0016】
ここで、前記第1電子ビームは、前記励起ガスを励起させるのに必要なエネルギーより大きく、前記励起ガスをイオン化させるのに必要なエネルギーより小さなエネルギーを有することが望ましい。
【0017】
前記第2基板の内面には、前記発光セルごとに第2電極がさらに形成されうる。
【0018】
また、前記第1電子放出源の発光セルに向った面に近接して配置される第3電極がさらに備えられうる。この場合、前記第1電極、第2電極及び第3電極に印加される電圧をそれぞれV1、V2及びV3とするとき、V1<V3<V2またはV1<V2=V3を満たすことが望ましい。
【0019】
前記第2電極は、メッシュ構造を有しうる。 前記第2基板の内面には、前記第2電極を覆うように誘電体層がさらに形成され、前記誘電体層上には、保護膜が形成されうる。
【0020】
前記励起ガスは、Xeを含み、前記第1電子ビームは、8.28eV〜12.13eVのエネルギーを有することが望ましい。
【0021】
前記表示装置は、前記第2基板の内側に前記発光セルごとに設けられて、前記励起ガスを励起させる第2電子ビームを前記発光セル内部に放出させるものであって、前記第2基板の内面に形成される第2電極と、前記第2電極上に形成されるものであって、BNBSからなる第2電子放出源と、を備える第2電子放出手段をさらに備えうる。
【0022】
前記第1電子放出源の発光セルに向った面に近接して配置された第3電極、及び前記第2電子放出源の発光セルに向った面に近接して配置された第4電極をさらに備えうる。この場合、 前記第1電極、第2電極、第3電極及び第4電極に印加される電圧をそれぞれV1、V2、V3及びV4とするとき、V1<V3及びV2<V4を満たすことが望ましい。
【0023】
本発明の他の具現例に係る表示装置は、所定間隔離れて互いに対向するように配置されて、その間に複数の発光セルを形成する第1基板及び第2基板と、前記発光セルの内部に充填される励起ガスと、前記発光セルの内壁に形成される発光体層と、前記第1基板と第2基板との間に前記発光セルごとに設けられるものであって、前記励起ガスを励起させる第1電子ビーム及び第2電子ビームを前記発光セルの内部に放出させる第1電子放出手段及び第2電子放出手段と、を備え、前記第1電子放出手段は、前記発光セルの一側に配置される第1電極と、前記第1電極の内側面に形成されるものであって、BNBSからなる第1電子放出源と、を備え、前記第2電子放出手段は、前記発光セルの他側に配置される第2電極と、前記第2電極の内側面に形成されるものであって、BNBSからなる第2電子放出源と、を備える。
【0024】
前記第1基板の内面には、アドレス電極が発光セルごとにさらに形成され、前記第1基板の内面には、前記アドレス電極を覆うように誘電体層が形成されうる。
【0025】
本発明のさらに他の具現例に係る表示装置は、 所定間隔離れて互いに対向するように配置される第1基板及び第2基板と、前記第1基板と第2基板との間に設けられるものであって、前記第1基板と第2基板との間の空間を区画して複数の発光セルを形成する複数の隔壁と、前記発光セルの内部に充填される励起ガスと、前記発光セルの内壁に形成される発光体層と、前記第2基板の内側に前記発光セルごとに設けられるものであって、前記励起ガスを励起させる第1電子ビーム及び第2電子ビームを前記発光セルの内部に放出させる第1電子放出手段及び第2電子放出手段と、を備え、前記第1電子放出手段は、前記第2基板の一側内面に形成される第1電極と、前記第1電極の内面に形成されるものであって、BNBSからなる第1電子放出源と、を備え、前記第2電子放出手段は、前記第2基板の他側内面に配置される第2電極と、前記第2電極の内面に形成されるものであって、BNBSからなる第2電子放出源と、を備える。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係る表示装置は、電子放出源を備える電子放出手段が励起ガスを単に励起させうるエネルギーを有する電子ビームを放出させることによって、従来のプラズマディスプレイパネルより低い電圧で駆動されうる。また、前記電子放出源は、電子放出特性に非常に優れたBNBSからなっているので、駆動電圧をさらに下げて消費電力を減らしうる。そして、前記BNBSは、イオンによる衝撃にも耐えるほどに非常にかたい構造を有しているので、表示装置の寿命も延長しうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳細に説明する。図面で同じ参照符号は、同じ構成要素を示す。
【0028】
図4は、本発明の実施形態に係る表示装置の一部を示す断面図である。
【0029】
図4に示すように、下部基板の第1基板110と、上部基板の第2基板120とが所定間隔離れて互いに対向するように配置されている。ここで、前記第1基板110及び第2基板120は、透明なガラス基板からなりうる。そして、前記第1基板110と第2基板120との間には、第1基板110と第2基板120との間の空間を区画して複数の発光セル114を形成し、前記発光セル114間の電気的・光学的クロストークを防止する複数の隔壁113が設けられている。前記発光セル114の内壁には、発光体層115が所定の厚さに塗布されている。前記発光体層115をなす蛍光体としては、主にUVによって励起されて可視光を発生させる発光蛍光体が使用されるが、その他にも、陰極線発光蛍光体や量子ドットが含まれて使用されてもよい。そして、前記発光セル114の内部には、一般的に、Xeを含む励起ガスが充填される。以下、本発明における励起ガスとは、電子ビームなどの外部エネルギーにより励起されてUVを発生させうるガスを言う。一方、本発明の励起ガスの一部は、放電ガスとして作用することも可能である。
【0030】
前記第1基板110の上面には、電子放出手段が発光セル114ごとに設けられている。ここで、前記電子放出手段は、前記第1基板110の上面に形成される第1電極131と、前記第1電極131の上面に形成される電子放出源140と、を備える。そして、前記第2基板120の下面には、第2電極132が発光セル114ごとに前記電子放出手段と交差する方向に形成されている。ここで、前記第1電極131及び第2電極132は、それぞれカソード電極及びアノード電極である。前記第2電極132は、可視光が透過されるようにITOのような透明な導電性物質からなりうる。そして、前記第2基板120の下面には、前記第2電極132を覆うように、誘電体層(図示せず)が形成され、前記誘電体層の表面には、MgOからなる保護膜(図示せず)がさらに形成されうる。
【0031】
一方、本発明で、前記電子放出源140は、BNBSからなる。前記BNBSは、sp3結合性5H−BNの名称であって、日本の物質材料研究機構(National Institute for Material Science:NIMS)によって開発されて、2004年3月に公開された新たな物質である。図5には、BNBSの形状を示す顕微鏡写真が示されている。図5に示すように、BNBSは、先端の部分が竹の子状にとがった形状に形成されていることが分かり、このような形状により、BNBSと名づけられた。このようなBNBSは、可視光領域である約380〜780nmの波長領域で透明な性質を有するだけでなく、負(−)の電子親和度を有するために、電子放出特性にも非常に優れていると知られている。具体的に、BNBSは、同じ電界でCNTに比べて、数百倍大きい電流密度を示すので、CNTに比べて電子放出特性に非常に優れている。また、図6には、BNBSの結晶構造が概略的に示されているので、これを参照すれば、BNBSのような窒化ホウ素系の物質は、キュービック形態の結晶構造を有する。このようなキュービック形態の結晶構造によって、BNBSのような窒化ホウ素系の物質は、ダイアモンドに次いで安定的かつしっかりした性質を有する(Handbook of refractory carbides an dnitrides,Hugh O.Pierson,Noyes publication,Table 13.6p.236,1966)。
【0032】
前記BNBSからなる電子放出源140は、第1電極131に所定の電圧が印加されることによって、前記発光セル114の内部に電子ビームを放出させ、放出された電子は、第1電極131と第2電極132との間の電圧により第2電極132側に加速される。このような過程で、前記電子ビームは、励起ガスを励起させ、励起された励起ガスは、安定化されつつUVを発生させる。そして、前記UVは、発光体層115を励起させて可視光を発生させ、このように発生した可視光は、第2基板120方向に出射されて画像を形成する。ここで、前記電子放出源140をなす物質であるBNBSは、前述したように、CNTよりはるかに優れた電子放出特性を有する。
【0033】
一方、前記電子放出源140から放出された電子ビームは、励起ガスを励起させるのに必要なエネルギーより大きく、励起ガスのイオン化に必要なエネルギーよりは小さいエネルギーを有することが望ましい。したがって、前記第1電極131及び第2電極132には、前記電子ビームが励起ガスを励起させうる最適化された電子エネルギーを有するように電圧が印加される。
【0034】
図7には、UV発生源であるXeのエネルギー準位が概略的に示されている。図7に示すように、Xeをイオン化させるためには、12.13eVのエネルギーが必要であり、Xeを励起させるためには、8.28eV以上のエネルギーが必要であるということが分かる。具体的には、Xeを1S5、1S4、1S2状態にそれぞれ励起させるためには、8.28eV、8.45eV、9.57eVのエネルギーが必要となる。このように励起されたキセノンXe*は、安定化されつつ約147nmのUVが発生する。そして、励起状態のキセノンXe*と基底状態のXeとが衝突すれば、エキシマキセノンXe2*が生成されるが、このようなエキシマキセノンXe2*が安定化されれば、約173nmのUVが発生する。
【0035】
これにより、本発明で、Xeを含む励起ガスが使用される場合、電子放出源140から発光セル114の内部に放出される電子ビームは、Xeを励起させるために約8.28eV〜12.13eVのエネルギーを有しうる。
【0036】
図8は、本発明の他の実施形態に係る表示装置を示す一部断面図である。図8に示すように、互いに対向するように配置されている第1基板110と第2基板120との間には、第1基板110と第2基板120との間の空間を区画して複数の発光セル114を形成し、前記発光セル114の間の電気的かつ光学的なクロストークを防止する複数の隔壁113が設けられている。前記発光セル114の内壁には、発光体層115が所定の厚さに塗布されている。そして、前記発光セル114の内部には、一般的に、Xeを含む励起ガスが充填される。前記第1基板110の上面には、電子放出手段が発光セル114ごとに設けられている。ここで、前記電子放出手段は、前記第1基板110の上面に形成される第1電極131’と、前記第1電極131’の上面に形成される電子放出源140’と、前記電子放出源140’に近接して形成された第3電極133とを備える。本実施形態においても、前記電子放出源140’は、窒化ホウ素バンブーシュート(Boron Nitride Bamboo Shoot:BNBS)からなる。前記第3電極133は、所定の高さに形成された誘電体支持層143により前記電子放出源140’の放電セル114に向った面に近接して位置する。
【0037】
そして、前記第2基板120の下面には、第2電極132’が発光セル114ごとに前記電子放出手段と交差する方向に形成されている。ここで、前記第1電極131’、第2電極132’及び第3電極133は、それぞれカソード電極、アノード電極、及びグリッド電極になる。前記第2電極132’は、可視光が透過されるようにITO(Indium Tin Oxide)のような透明な導電性の物質からなりうる。そして、前記第2基板120の下面には、前記第2電極132’を覆うように誘電体層(図示せず)が形成され、前記誘電体層の表面には、酸化マグネシウム(MgO)からなる保護膜(図示せず)がさらに形成されうる。
【0038】
図9Aないし図9Dには、図4に示す表示装置で各電極に印加されうる電圧のパターンを例として示している。
【0039】
図9Aに示すように、第1電極131’、第2電極132’及び第3電極133にそれぞれパルス形態の電圧が印加されるが、このとき、前記第1電極131’、第2電極132’及び第3電極133に印加される電圧をV1、V2及びV3とすれば、V1<V3<V2を満たすように、各電極に所定の電圧が印加される。前記のような電圧が印加されれば、電極131’及び第3電極133に印加された電圧によって、電子放出源140’から発光セル114の内部に電子ビームが放出され、このように放出された電子ビームは、第3電極133及び第2電極132’に印加された電圧によって、第2電極132’側に加速され、この過程で励起ガスが励起される。このとき、第2電極132の電圧を調節して、励起ガスの一部が放電状態に調節されることも可能である。一方、前記第2電極132’は、図9Bに示すように、接地されていてもよい。この場合には、前記第2電極132に到達する電子が外部に抜け出ることになる。
【0040】
図9Cに示すように、第1電極131’、第2電極132’及び第3電極133に印加される電圧をV1、V2及びV3とすれば、V1<V3=V2を満たすように、各電極に所定の電圧が印加される。前記のような電圧が印加されれば、第1 電極131’及び第3電極133に印加された電圧によって、電子放出源140から発光セル114の内部に電子ビームが放出され、このように放出された電子ビームによって励起ガスが励起される。一方、前記第2電極132’及び第3電極133は、図9Dに示すように接地されていてもよい。この場合には、前記第2電極132’に到達する電子が外部に抜け出ることになる。
【0041】
このように、本発明の実施形態に係る表示装置は、電子放出源140を含む電子放出手段が、励起ガスを単に励起だけさせうるエネルギーを有する電子ビームを放出させることによって、従来のプラズマディスプレイパネルより低い電圧で駆動されうる。また、前記電子放出源140は、電子放出特性に非常に優れたBNBSからなっているので、駆動電圧をさらに下げうる。そして、前記BNBSは、発光セル114の内部で励起ガスの一部が放電状態にある場合、イオンによる衝撃にも耐える程に非常にかたい構造を有しているので、表示装置の寿命も延長しうる。
【0042】
図10は、本発明の実施形態に係る平板ディスプレイ装置の変形例を示す図面である。以下では、前述した実施形態と異なる点のみを説明する。図10に示すように、第2基板120の下面に形成された第2電極132”は、発光セル114から発生した可視光が透過されるようにメッシュ構造に形成されている。
【0043】
以上では、第1基板110が下部基板になり、第2基板120が上部基板になる場合が説明されたが、本実施形態は、電子放出源140が形成された第1基板110が上部基板になり、第2基板120が下部基板になる場合にも適用されうる。
【0044】
図11は、本発明の他の実施形態に係る表示装置の一部を概略的に示す断面図である。
【0045】
図11に示すように、第1基板210と第2基板220とが一定の間隔を空けて互いに対向するように配置されている。そして、前記第1基板210と第2基板220との間には、第1基板210と第2基板220との間の空間を区画して複数の発光セル214を形成する複数の隔壁213が設けられている。前記発光セル214の内壁には、発光体層215が塗布されており、前記発光セル214の内部には、Xeを含む励起ガスが充填される。
【0046】
前記第1基板210の上面には、第1電子放出手段が発光セル214ごとに設けられており、前記第2基板220の下面には、第2電子放出手段が発光セル214ごとに前記第1電子放出手段と交差する方向に設けられている。ここで、前記第1電子放出手段は、第1基板210の上面に形成される第1電極231と、前記第1電極231の上面に形成される第1電子放出源241とを備える。そして、前記第2電子放出手段は、第2基板220の下面に形成される第2電極232と、前記第2電極232の下面に形成される第2電子放出源242とを含む。ここで、前記第1電子放出源241及び第2電子放出源242は、前述のように、電子放出特性に優れた物質であるBNBSからなる。
【0047】
前記第1電子放出源241は、第1電極231に所定の電圧が印加されることによって前記発光セル214の内部に第1電子ビーム(E1−ビーム)を放出させる。そして、前記第2電子放出源242は、第2電極232に所定の電圧が印加されることによって前記発光セル214の内部に第2電子ビーム(E2−ビーム)を放出させる。ここで、前記第1電子ビーム及び第2電子ビームは、各電極に印加される電圧によって発光セル214の内部に交互に放出されうる。前記第1電子ビーム及び第2電子ビームは、それぞれ励起ガスを励起させ、このように励起された励起ガスは、安定化されつつ発光体層215を励起させるUVを発生させる。したがって、前記第1電子ビーム及び第2電子ビームは、前述のように、励起ガスを励起させるのに必要なエネルギーより大きく、励起ガスをイオン化させるのに必要なエネルギーより小さいエネルギーを有することが望ましい。具体的に、Xeを含む励起ガスが使用される場合、前記第1電子ビーム及び第2電子ビームは、Xeを励起させるのに必要な約8.28eV〜12.13eVのエネルギーを有しうる。
【0048】
前記第2電極232は、可視光が透過されるように、ITOのような透明な導電性物質からなりうる。一方、前記第1基板210及び第2基板220のうち何れか一つの基板には、複数のアドレス電極(図示せず)がさらに形成されうる。
【0049】
図12には、図11に示す表示装置において、各電極に印加されうる電圧パターンを例として示している。
【0050】
図12に示すように、第1電極231及び第2電極232にそれぞれパルス形態の電圧が印加されるが、第1電極231に印加された電圧によって、第1電子放出源241から発光セル214の内部に第1電子ビームが放出され、第2電極232に印加された電圧によって、第2電子放出源242から発光セル214の内部に第2電子ビームが放出される。ここで、前記第1電子ビーム及び第2電子ビームは、互いに交互に発光セル214の内部に放出されて励起ガスを励起させる。
【0051】
図13は、本発明のさらに他の実施形態に係る表示装置の一部を概略的に示す断面図である。
【0052】
図13に示すように、第1基板310と第2基板320とが一定の間隔を空けて互いに対向するように配置され、その間には、複数の発光セル314を区画する隔壁313が配置される。前記第1基板310の上面には、複数のアドレス電極311が形成されており、このようなアドレス電極311は、誘電体層312によって埋め込まれる。そして、前記発光セル314の内壁には、発光体層315が塗布されており、前記発光セル314の内部には、Xeを含む励起ガスが充填される。
【0053】
前記第1基板310と第2基板320との間には、前記発光セル314ごとに第1電子放出手段及び第2電子放出手段が設けられている。ここで、前記第1電子放出手段は、発光セル314の一側に形成された第1電極331と、前記第1電極331の内側面に形成される第1電子放出源341とを含む。そして、前記第2電子放出手段は、発光セル314の他側に形成される第2電極332と、前記第2電極332の内側面に形成される第2電子放出源342とを含む。ここで、前記第1電子放出源341及び第2電子放出源342は、前述のように、電子放出特性に優れた物質であるBNBSからなる。
【0054】
前記第1電子放出源341は、第1電極331に所定の電圧が印加されることによって前記発光セル314の内部に第1電子ビーム(E1−ビーム)を放出させる。そして、前記第2電子放出源342は、第2電極332に所定の電圧が印加されることによって前記発光セル314の内部に第2電子ビーム(E2−ビーム)を放出させる。ここで、前記第1電子ビーム及び第2電子ビームは、発光セル314の内部に交互に放出される。前記第1電子ビーム及び第2電子ビームは、それぞれ励起ガスを励起させ、このように励起された励起ガスは、安定化されつつ発光体層315を励起させるUVを発生させる。したがって、前記第1電子ビーム及び第2電子ビームは、前述のように、励起ガスを励起させるのに必要なエネルギーより大きく、励起ガスをイオン化させるのに必要なエネルギーより小さいエネルギーを有することが望ましい。具体的に、Xeを含む励起ガスが使用される場合、前記第1電子ビーム及び第2電子ビームは、Xeを励起させるのに必要な約8.28eV〜12.13eVのエネルギーを有しうる。
【0055】
前記のような構造の表示装置において、各電極には、図12に示すパターンの電圧が印加され、これについての詳細な説明は前述したので省略する。
【0056】
一方、本実施形態に係る表示装置においては、各電子放出手段が第1電極431または第2電極432と、前記各電極上に形成された電子放出源441、442とから構成されているが、各電子放出手段は、図8に示すように、カソード電極131’と、前記カソード電極131’上に形成された電子放出源140’と、及び前記電子放出源140’に近接して配置されたグリッド電極133とから構成されてもよい。
【0057】
図14は、本発明のさらに他の実施形態に係る表示装置の一部を概略的に示す断面図である。
【0058】
図14に示すように、下部基板の第1基板410と上部基板の第2基板420とが一定の間隔を空けて互いに対向するように配置されている。そして、前記第1基板410と第2基板420との間には、第1基板410と第2基板420との間の空間を区画して複数の発光セル414を形成する複数の隔壁413が設けられている。前記発光セル414の内壁には、発光体層415が塗布されており、前記発光セル414の内部には、Xeを含む励起ガスが充填される。
【0059】
前記第1基板410の上面には、複数のアドレス電極411が形成されており、このようなアドレス電極411は、誘電体層412によって埋め込まれる。前記第2基板420の下面には、第1電子放出手段及び第2電子放出手段が発光セルごとに設けられている。ここで、前記第1電子放出手段及び第2電子放出手段は、アドレス電極411と交差する方向に設けられる。前記第1電子放出手段は、第2基板420の下面の一側に形成される第1電極431と、前記第1電極431の下面に形成される第1電子放出源441とを備える。そして、前記第2電子放出手段は、第2基板420の下面の他側に形成される第2電極432と、前記第2電極432の下面に形成される第2電子放出源442とを備える。ここで、前記第1電子放出源441及び第2電子放出源442は、前述のように、電子放出特性に優れた物質であるBNBSからなる。
【0060】
前記第1電子放出源441は、第1電極431に所定の電圧が印加されることによって前記発光セル414の内部に第1電子ビーム(E1−ビーム)を放出させる。そして、前記第2電子放出源442は、第2電極432に所定の電圧が印加されることによって前記発光セル414の内部に第2電子ビーム(E2−ビーム)を放出させる。ここで、前記第1電子ビーム及び第2電子ビームは、発光セル414の内部に交互に放出される。前記第1電子ビーム及び第2電子ビームのそれぞれは、励起ガスを励起させ、このように励起された励起ガスは、安定化されつつ発光体層415を励起させるUVを発生させる。したがって、前記第1電子ビーム及び第2電子ビームは、前述のように、励起ガスを励起させるのに必要なエネルギーより大きく、励起ガスをイオン化させるのに必要なエネルギーより小さいエネルギーを有することが望ましい。具体的に、Xeを含む励起ガスが使用される場合、前記第1電子ビーム及び第2電子ビームは、Xeを励起させるのに必要な約8.28eV〜12.13eVのエネルギーを有しうる。
【0061】
前記第1電極431及び第2電極432は、可視光が透過されるように、ITOのような透明な導電性物質からなりうる。前記のような構造の表示装置において、各電極には、図12に示すパターンの電圧が印加され、これについての詳細な説明は前述したので省略する。そして、以上では、第1基板410が下部基板になり、第2基板420が上部基板になる場合が説明されたが、本実施形態は、第1基板410が上部基板になり、第2基板420が下部基板になる場合にも適用されうる。
【0062】
図15は、本発明のさらに他の実施形態に係る表示装置の一部を概略的に示す断面図である。
【0063】
図15に示すように、第1基板510と第2基板520との間には、隔壁513により区画された発光セル514が形成され、前記発光セル514の内壁には、発光体層515が形成され、発光セル515の内部には、励起によってUVを発生させる励起ガスが充填されている。
【0064】
前記第1基板510上には、各発光セル514ごとに対をなして配置されている第1電子放出手段及び第2電子放出手段が設けられる。前記第1電子放出手段及び第2電子放出手段は、互いに同一面上に配置されている。前記第1電子放出手段は、前記第1基板510の面に配置された第1電極531と、前記第1電極531に対向して配置された第1電子放出源541と、前記電子放出源541と隣接して配置された第3電極533とを備える。これと同様に、前記第2電子放出手段は、前記第1基板510の面に配置された第2電極532と、前記第2電極532に対向して配置された第2電子放出源542と、前記電子放出源542と隣接して配置された第4電極534とを備える。前記第1電極531及び第2電極532は、カソード電極として作用し、前記第3電極533及び第4電極534は、グリッド電極として作用する。前記第3電極533及び第4電極534は、誘電体支持層543、544により第1基板510から所定の高さに位置して、対応する電子放出源541、542の電子放出面に近接して位置する。前記電子放出手段と対向する第2基板520には、前記第1電極531、第2電極532と交差する方向に延びる第5電極535が配置され、前記第5電極535は、誘電体層521により覆われている。
【0065】
以下では、本実施形態に係る表示装置の駆動方法について説明する。図16には、第1電極531、第2電極532、第3電極533及び第4電極534にそれぞれ印加される電圧波形が示されている。図16に示すように、各電極531、532、533、534には、パルス波形の電圧が印加される。このとき、前記第1電極531、第2電極532、第3電極533及び第4電極534に印加される電圧をそれぞれV1、V2、V3、V4とすれば、各電極531、532、533、534には、V1<V3、V2<V4の関係を満たすパルス電圧が印加される。第1電極531及び第3電極533に電子放出パルスが印加されることによって、第1電子ビーム(E1−ビーム)が放出され、次いで、第2電極532及び第4電極534にさらに他の電子放出パルスが印加されることによって、第2電子ビーム(E2−ビーム)が発光セル514の空間に放出される。このとき、前記第1電極531及び第2電極532に交互にパルスを有する交流電圧が印加されれば、パルスが印加される時間に合わせて、第1電子ビーム(E1−ビーム)及び第2電子ビーム(E2−ビーム)が交互に発光セル514の内部に放出される。このとき、前記第1電子放出手段及び第2電子放出手段は、同じ面上で同じ方向に向うように配置されているので、第1電子ビーム(E1−ビーム)及び第2電子ビーム(E2−ビーム)は、実質的に同じ方向に向って放出される。一方、図面に示されてはいないが、前記第5電極535に印加される電圧をV5とするとき、第3電極533、第4電極534及び第5電極にV3、V4≦V5の関係を満たす電圧をそれぞれ印加すれば、発光セル514の空間に放出された第1電子ビーム(E1−ビーム)及び第2電子ビーム(E2−ビーム)は、前記第5電極535の静電力を受けて進行方向に加速されうる。このような点において、前記第5電極535は、アノード電極としての機能を行い、前記第5電極には、例えば、グラウンド電圧が印加されうる。
【0066】
以上の実施形態で説明された表示装置は、画像を形成する装置だけでなく、液晶表示装置(LCD)のバックライトとして主に使用される平板ランプにも適用されうる。
【0067】
以上で、本発明に係る望ましい実施形態が説明されたが、これは、例示的なものに過ぎず、当業者ならば、これから多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であるという点が理解できるであろう。したがって、本発明の真の技術的な保護範囲は、特許請求の範囲によって決まらねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、表示装置に関連した技術分野に好適に適用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】従来のPDPの分離斜視図である。
【図2A】図1に示すPDPの断面図である。
【図2B】図1に示すPDPの断面図である。
【図3】従来の他のPDPの断面図である。
【図4】本発明の実施形態に係る表示装置の概略的な断面図である。
【図5】BNBSの形状を拡大して示す顕微鏡写真である。
【図6】BNBSの結晶構造を概略的に示す図面である。
【図7】Xeのエネルギー準位を示すグラフである。
【図8】本発明の他の実施形態に係る表示装置の概略的な断面図である。
【図9A】本発明の実施形態に係る表示装置で、各電極に印加されうる電圧を示す図面である。
【図9B】本発明の実施形態に係る表示装置で、各電極に印加されうる電圧を示す図面である。
【図9C】本発明の実施形態に係る表示装置で、各電極に印加されうる電圧を示す図面である。
【図9D】本発明の実施形態に係る表示装置で、各電極に印加されうる電圧を示す図面である。
【図10】本発明の実施形態に係る表示装置の変形例を示す概略的な断面図である。
【図11】本発明の他の実施形態に係る表示装置の概略的な断面図である。
【図12】本発明の他の実施形態に係る表示装置で、各電極に印加されうる電圧を示す図面である。
【図13】本発明のさらに他の実施形態に係る表示装置の概略的な断面図である。
【図14】本発明のさらに他の実施形態に係る表示装置の概略的な断面図である。
【図15】本発明のさらに他の実施形態に係る表示装置の概略的な断面図である。
【図16】本発明のさらに他の実施形態に係る表示装置において、各電極に印加されうる電圧を示す図面である。
【符号の説明】
【0070】
110、210、310、410 第1基板
113、213、413 隔壁
114、214、314、414 発光セル
115、215、315、415 発光体層
120、220、320、420 第2基板
131、231、331、431 第1電極
132、132’、232、332、432 第2電極
133、133’、233、333、433 第3電極
140 電子放出源
234、334、434 第4電極
241、341、441 第1電子放出源
242、342、442 第2電子放出源
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定の間隔を空けて互いに対向するように配置される第1基板及び第2基板と、
前記第1基板と第2基板との間に設けられるものであって、前記第1基板と第2基板との間の空間を区画して複数の発光セルを形成する複数の隔壁と、
前記発光セルの内部に充填される励起ガスと、
前記発光セルの内壁に形成される発光体層と、
前記第1基板の内側に前記発光セルごとに設けられて、前記励起ガスを励起させる第1電子ビームを前記発光セルの内部に放出させるものであって、前記第1基板の内面に形成される第1電極と、前記第1電極上に形成されるものであって、窒化ホウ素バンブーシュートからなる第1電子放出源を備える第1電子放出手段と、を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記第1電子ビームは、前記励起ガスを励起させるのに必要なエネルギーより大きく、前記励起ガスをイオン化させるのに必要なエネルギーより小さいエネルギーを有することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第2基板の内面には、前記発光セルごとに第2電極がさらに形成されることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1電子放出源の発光セルに向った面に近接して配置される第3電極をさらに備え、
前記第1電極、第2電極及び第3電極に印加される電圧をそれぞれV1、V2及びV3とするとき、V1<V3<V2またはV1<V2=V3を満たすことを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第2電極は、メッシュ構造を有することを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第2基板の内面には、前記第2電極を覆うように誘電体層がさらに形成され、前記誘電体層上には、保護膜が形成されることを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項7】
前記励起ガスは、Xeを含み、前記第1電子ビームは、8.28eV〜12.13eVのエネルギーを有することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第2基板の内側に前記発光セルごとに設けられて、前記励起ガスを励起させる第2電子ビームを前記発光セルの内部に放出させるものであって、前記第2基板の内面に形成される第2電極と、前記第2電極上に形成されるものであって、窒化ホウ素バンブーシュートからなる第2電子放出源と、をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第2電子ビームは、前記励起ガスを励起させるのに必要なエネルギーより大きく、前記励起ガスをイオン化させるのに必要なエネルギーより小さいエネルギーを有することを特徴とする請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第1電子放出源の発光セルに向った面に近接して配置される第3電極と、
前記第2電子放出源の発光セルに向った面に近接して配置される第4電極と、をさらに備えることを特徴とする請求項8に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第1電極、第2電極、第3電極及び第4電極に印加される電圧をそれぞれV1、V2、V3及びV4とするとき、V1<V3及びV2<V4を満たすことを特徴とする請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
一定の間隔を空けて互いに対向するように配置されて、その間に複数の発光セルを形成する第1基板及び第2基板と、
前記発光セルの内部に充填される励起ガスと、
前記発光セルの内壁に形成される発光体層と、
前記第1基板と第2基板との間に前記発光セルごとに設けられるものであって、前記励起ガスを励起させる第1電子ビーム及び第2電子ビームを前記発光セルの内部に放出させる第1電子放出手段及び第2電子放出手段と、を備え、
前記第1電子放出手段は、前記発光セルの一側に配置される第1電極と、前記第1電極の内側面に形成されるものであって、窒化ホウ素バンブーシュートからなる第1電子放出源と、を備え、
前記第2電子放出手段は、前記発光セルの他側に配置される第2電極と、前記第2電極の内側面に形成されるものであって、窒化ホウ素バンブーシュートからなる第2電子放出源と、を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項13】
前記第1電子ビーム及び第2電子ビームは、前記励起ガスを励起させるのに必要なエネルギーより大きく、前記励起ガスをイオン化させるのに必要なエネルギーより小さいエネルギーを有することを特徴とする請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
前記第1電子放出源の発光セルに向った面に近接して配置される第3電極、及び前記第2電子放出源の発光セルに向った面に近接して配置される第4電極をさらに備えることを特徴とする請求項12に記載の表示装置。
【請求項15】
前記第1電極、第2電極、第3電極及び第4電極に印加される電圧をそれぞれV1、V2、V3及びV4とするとき、V1<V3及びV2<V4を満たすことを特徴とする請求項14に記載の表示装置。
【請求項16】
前記励起ガスは、Xeを含み、前記第1電子ビーム及び第2電子ビームは、それぞれ8.28eV〜12.13eVのエネルギーを有することを特徴とする請求項12に記載の平板ディスプレイ装置。
【請求項17】
前記第1基板の内面には、アドレス電極が発光セルごとにさらに形成されることを特徴とする請求項12に記載の表示装置。
【請求項18】
前記第1基板の内面には、前記アドレス電極を覆うように誘電体層が形成されることを特徴とする請求項17に記載の平板ディスプレイ装置。
【請求項19】
前記第1電子放出手段及び第2電子放出手段は、前記発光セルの互いに対向する面に形成されることを特徴とする請求項12に記載の表示装置。
【請求項20】
前記第1基板と第2基板との間には、前記発光セルを区画する隔壁が配置され、
前記第1電子放出手段及び第2電子放出手段は、互いに対向する隔壁の側面にそれぞれ形成されることを特徴とする請求項19に記載の表示装置。
【請求項21】
一定の間隔を空けて互いに対向するように配置される第1基板及び第2基板と、
前記第1基板と第2基板との間に設けられるものであって、前記第1基板と第2基板との間の空間を区画して複数の発光セルを形成する複数の隔壁と、
前記発光セルの内部に充填される励起ガスと、
前記発光セルの内壁に形成される発光体層と、
前記第2基板の内側に前記発光セルごとに設けられるものであって、前記励起ガスを励起させる第1電子ビーム及び第2電子ビームを前記発光セルの内部に放出させる第1電子放出手段及び第2電子放出手段と、を備え、
前記第1電子放出手段は、前記第2基板の一側の内面に形成される第1電極と、前記第1電極の内面に形成されるものであって、窒化ホウ素バンブーシュートからなる第1電子放出源と、を備え、
前記第2電子放出手段は、前記第2基板の他側の内面に配置される第2電極と、前記第2電極の内面に形成されるものであって、窒化ホウ素バンブーシュートからなる第2電子放出源と、を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項22】
前記第1電子ビーム及び第2電子ビームは、前記励起ガスを励起させるのに必要なエネルギーより大きく、前記励起ガスをイオン化させるのに必要なエネルギーより小さいエネルギーを有することを特徴とする請求項21に記載の平板ディスプレイ装置。
【請求項23】
前記第1電子放出源の前記発光セルに向った面に近接して配置される第3電極と、
前記第2電子放出源の前記発光セルに向った面に近接して配置される第4電極と、をさらに備えることを特徴とする請求項21に記載の平板ディスプレイ装置。
【請求項24】
前記第1電極、第2電極、第3電極及び第4電極に印加される電圧をそれぞれV1、V2、V3及びV4とするとき、V1<V3及びV2<V4を満たすことを特徴とする請求項23に記載の平板ディスプレイ装置。
【請求項25】
前記励起ガスは、Xeを含み、前記第1電子ビーム及び第2電子ビームは、それぞれ8.28eV〜12.13eVのエネルギーを有することを特徴とする請求項21に記載の表示装置。
【請求項26】
前記第1基板の内面には、アドレス電極が発光セルごとにさらに形成されることを特徴とする請求項21に記載の表示装置。
【請求項27】
前記第1基板の内面には、前記アドレス電極を覆うように誘電体層が形成されることを特徴とする請求項26に記載の表示装置。
【請求項1】
一定の間隔を空けて互いに対向するように配置される第1基板及び第2基板と、
前記第1基板と第2基板との間に設けられるものであって、前記第1基板と第2基板との間の空間を区画して複数の発光セルを形成する複数の隔壁と、
前記発光セルの内部に充填される励起ガスと、
前記発光セルの内壁に形成される発光体層と、
前記第1基板の内側に前記発光セルごとに設けられて、前記励起ガスを励起させる第1電子ビームを前記発光セルの内部に放出させるものであって、前記第1基板の内面に形成される第1電極と、前記第1電極上に形成されるものであって、窒化ホウ素バンブーシュートからなる第1電子放出源を備える第1電子放出手段と、を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記第1電子ビームは、前記励起ガスを励起させるのに必要なエネルギーより大きく、前記励起ガスをイオン化させるのに必要なエネルギーより小さいエネルギーを有することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第2基板の内面には、前記発光セルごとに第2電極がさらに形成されることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1電子放出源の発光セルに向った面に近接して配置される第3電極をさらに備え、
前記第1電極、第2電極及び第3電極に印加される電圧をそれぞれV1、V2及びV3とするとき、V1<V3<V2またはV1<V2=V3を満たすことを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第2電極は、メッシュ構造を有することを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第2基板の内面には、前記第2電極を覆うように誘電体層がさらに形成され、前記誘電体層上には、保護膜が形成されることを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項7】
前記励起ガスは、Xeを含み、前記第1電子ビームは、8.28eV〜12.13eVのエネルギーを有することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第2基板の内側に前記発光セルごとに設けられて、前記励起ガスを励起させる第2電子ビームを前記発光セルの内部に放出させるものであって、前記第2基板の内面に形成される第2電極と、前記第2電極上に形成されるものであって、窒化ホウ素バンブーシュートからなる第2電子放出源と、をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第2電子ビームは、前記励起ガスを励起させるのに必要なエネルギーより大きく、前記励起ガスをイオン化させるのに必要なエネルギーより小さいエネルギーを有することを特徴とする請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第1電子放出源の発光セルに向った面に近接して配置される第3電極と、
前記第2電子放出源の発光セルに向った面に近接して配置される第4電極と、をさらに備えることを特徴とする請求項8に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第1電極、第2電極、第3電極及び第4電極に印加される電圧をそれぞれV1、V2、V3及びV4とするとき、V1<V3及びV2<V4を満たすことを特徴とする請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
一定の間隔を空けて互いに対向するように配置されて、その間に複数の発光セルを形成する第1基板及び第2基板と、
前記発光セルの内部に充填される励起ガスと、
前記発光セルの内壁に形成される発光体層と、
前記第1基板と第2基板との間に前記発光セルごとに設けられるものであって、前記励起ガスを励起させる第1電子ビーム及び第2電子ビームを前記発光セルの内部に放出させる第1電子放出手段及び第2電子放出手段と、を備え、
前記第1電子放出手段は、前記発光セルの一側に配置される第1電極と、前記第1電極の内側面に形成されるものであって、窒化ホウ素バンブーシュートからなる第1電子放出源と、を備え、
前記第2電子放出手段は、前記発光セルの他側に配置される第2電極と、前記第2電極の内側面に形成されるものであって、窒化ホウ素バンブーシュートからなる第2電子放出源と、を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項13】
前記第1電子ビーム及び第2電子ビームは、前記励起ガスを励起させるのに必要なエネルギーより大きく、前記励起ガスをイオン化させるのに必要なエネルギーより小さいエネルギーを有することを特徴とする請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
前記第1電子放出源の発光セルに向った面に近接して配置される第3電極、及び前記第2電子放出源の発光セルに向った面に近接して配置される第4電極をさらに備えることを特徴とする請求項12に記載の表示装置。
【請求項15】
前記第1電極、第2電極、第3電極及び第4電極に印加される電圧をそれぞれV1、V2、V3及びV4とするとき、V1<V3及びV2<V4を満たすことを特徴とする請求項14に記載の表示装置。
【請求項16】
前記励起ガスは、Xeを含み、前記第1電子ビーム及び第2電子ビームは、それぞれ8.28eV〜12.13eVのエネルギーを有することを特徴とする請求項12に記載の平板ディスプレイ装置。
【請求項17】
前記第1基板の内面には、アドレス電極が発光セルごとにさらに形成されることを特徴とする請求項12に記載の表示装置。
【請求項18】
前記第1基板の内面には、前記アドレス電極を覆うように誘電体層が形成されることを特徴とする請求項17に記載の平板ディスプレイ装置。
【請求項19】
前記第1電子放出手段及び第2電子放出手段は、前記発光セルの互いに対向する面に形成されることを特徴とする請求項12に記載の表示装置。
【請求項20】
前記第1基板と第2基板との間には、前記発光セルを区画する隔壁が配置され、
前記第1電子放出手段及び第2電子放出手段は、互いに対向する隔壁の側面にそれぞれ形成されることを特徴とする請求項19に記載の表示装置。
【請求項21】
一定の間隔を空けて互いに対向するように配置される第1基板及び第2基板と、
前記第1基板と第2基板との間に設けられるものであって、前記第1基板と第2基板との間の空間を区画して複数の発光セルを形成する複数の隔壁と、
前記発光セルの内部に充填される励起ガスと、
前記発光セルの内壁に形成される発光体層と、
前記第2基板の内側に前記発光セルごとに設けられるものであって、前記励起ガスを励起させる第1電子ビーム及び第2電子ビームを前記発光セルの内部に放出させる第1電子放出手段及び第2電子放出手段と、を備え、
前記第1電子放出手段は、前記第2基板の一側の内面に形成される第1電極と、前記第1電極の内面に形成されるものであって、窒化ホウ素バンブーシュートからなる第1電子放出源と、を備え、
前記第2電子放出手段は、前記第2基板の他側の内面に配置される第2電極と、前記第2電極の内面に形成されるものであって、窒化ホウ素バンブーシュートからなる第2電子放出源と、を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項22】
前記第1電子ビーム及び第2電子ビームは、前記励起ガスを励起させるのに必要なエネルギーより大きく、前記励起ガスをイオン化させるのに必要なエネルギーより小さいエネルギーを有することを特徴とする請求項21に記載の平板ディスプレイ装置。
【請求項23】
前記第1電子放出源の前記発光セルに向った面に近接して配置される第3電極と、
前記第2電子放出源の前記発光セルに向った面に近接して配置される第4電極と、をさらに備えることを特徴とする請求項21に記載の平板ディスプレイ装置。
【請求項24】
前記第1電極、第2電極、第3電極及び第4電極に印加される電圧をそれぞれV1、V2、V3及びV4とするとき、V1<V3及びV2<V4を満たすことを特徴とする請求項23に記載の平板ディスプレイ装置。
【請求項25】
前記励起ガスは、Xeを含み、前記第1電子ビーム及び第2電子ビームは、それぞれ8.28eV〜12.13eVのエネルギーを有することを特徴とする請求項21に記載の表示装置。
【請求項26】
前記第1基板の内面には、アドレス電極が発光セルごとにさらに形成されることを特徴とする請求項21に記載の表示装置。
【請求項27】
前記第1基板の内面には、前記アドレス電極を覆うように誘電体層が形成されることを特徴とする請求項26に記載の表示装置。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図5】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図5】
【公開番号】特開2007−165310(P2007−165310A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−333676(P2006−333676)
【出願日】平成18年12月11日(2006.12.11)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月11日(2006.12.11)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】
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