説明

表示装置

【課題】高い装飾効果を奏する表示装置を提供すること。
【解決手段】マイクロレンズアレイの後方に、所定の視差形状を発光する有機EL素子を配置して表示装置を構成する。有機EL素子が発光する所定の視差形状がマイクロレンズアレイを通して観察されることで所望の形状が立体的に且つ鮮明に視認されることになり、立体感・奥行き感に富み、高級感にも溢れる発光態様が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所望の形状(文字、数字など)を発光表示する表示装置に関する。本発明の表示装置は例えば車両の装飾(例えば自動車スカッフプレート部の装飾、車両室内天井の装飾)、建物の装飾(例えば家屋の表札の装飾、家屋やビルディング内の天井の装飾)に利用される。
【背景技術】
【0002】
文字等を発光表示することによって装飾効果を得る、自動車用のスカッフプレート装置が実用化されている。従来の透過型発光式のスカッフプレート装置100の一例を図9に示す。スカッフプレート装置100では導光板102の上に所望の文字等の形状を打ち抜いた文字板101(例えばアルミ板)が積み重ねられる。導光板102の裏面には白色印刷が施されている。導光板102の端面に対向する位置には光源103が配置される。このようなスカッフプレート装置100では光源103が点灯すると、導光板102の端面を介して導光板102内に光が導入される。導入された光は導光板102の裏面側で反射作用を受け、これによって導光板102の上面方向の光が生成する。その結果、導光板102の上面から光が放出される。放出された光は文字板101に至り、その一部は文字板101に形成された打ち抜き部を介して外部に取り出される。以上の作用によって所定の文字等が発光表示される。以上の構成の他、様々な工夫を凝らした表示装置が提案されている(例えば、特許文献1〜3を参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−279817号公報
【特許文献2】特開2005−221661号公報
【特許文献3】特開2006−062431号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上の従来型のスカッフプレート装置では文字等が発光表示されることで一定の装飾効果が得られるものの、平面的な光り方となることから装飾効果が十分に高いとはいえない。また、高級感にも欠ける。文字板を厚くすることである程度の立体感を出すことは可能であるが、文字板の厚さ分の立体感が得られるのが限度である。また、文字板を厚くすることによって得られる発光像は単純的な立体感を伴うものにすぎない。このように、文字板を厚くするという手段では装飾効果の飛躍的な向上は期待できない。また、文字板の厚さは装置全体の厚さに直結することから、装置のデザイン等の制約上、文字板を厚くすることには限界がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は以上の課題に鑑み、以下の構成からなる表示装置を提供する。即ち本発明は、
マイクロレンズアレイと、及び
前記マイクロレンズアレイの後方に配置され、所定の視差形状を発光する有機EL素子と、
を備える表示装置である。
【発明の効果】
【0006】
以上の構成では有機EL素子が発光状態となったとき、有機EL素子の発光面から所定の視差形状が発光する(その他の領域は発光しない)。そして、有機EL素子が発光する当該視差形状がマイクロレンズアレイを通して観察されることによって所望の形状が立体的に且つ鮮明な状態で視認される。このように、立体感・奥行き感に富み、高級感にも溢れる発光態様が得られ、高い装飾効果を発揮する。本発明によれば空間的な広がりも演出することができる。従って、例えば車両室内天井や建物内の天井などの装飾に利用されれば、空間に奥行き感を付与したり、開放感を演出したりすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
(マイクロレンズアレイ)
本発明の表示装置はマイクロレンズアレイを利用して立体的な表示を行う。即ち、本発明ではマイクロレンズ方式の立体視の原理を利用する。マイクロレンズ方式では片面側に微細な凸レンズが規則的に配列したマイクロレンズアレイが用いられる。マイクロレンズアレイ方式では両眼視差に加え、マイクロレンズと視差画像(立体画像)との間に発生するモアレ現象を利用した立体視が得られる。マイクロレンズアレイ方式は見る方向を選ばず、不快なちらつき現象も少ない。マイクロレンズアレイ方式では所定の形状が浮き上がって見える(手前に突出して見える)表示又はその反対(奥へと沈んで見える)の表示、或いはこれらの組合せからなる表示を任意に設定することができる。本発明では奥へと沈んで見える表示、又は奥へと沈んで見える表示と浮き上がって見える表示が混在した表示に設定することが好ましい。高い立体感ないし奥行き感を出すためである。後者の場合は更に、二種類の異なる表示態様が混在することによる立体感が得られ、立体感及び意外性が向上する。
マイクロレンズアレイの材質は特に限定されない。例えば透明樹脂(例えばポリスチレン、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリシンクロオレフィン)やガラスの成形によってマイクロレンズアレイを作製することができる。尚、マイクロレンズアレイの構成及び作製法の一例が国際公開第95/09372号パンフレットに開示される。
【0008】
(有機EL素子)
マイクロレンズアレイの後方(即ちレンズ面と反対側)に有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子が備えられる。有機EL素子を利用することによって薄型化や消費電力の低減化が図られる。有機EL素子の基本的な構造は透明電極(陽極)と背面電極(陰極)との間にEL層(典型的にはホール輸送層、発光層及び電子輸送層を含む)を形成したものであるが(例えば特開2002−124391号公報を参照)、このような構造を備えたものに限らず、様々な構造の有機EL素子を本発明に適用することが可能である(例えば、特開平11−102166号公報、特開2001−332389号公報、特開2004−111158号公報、特開2005−353504号公報を参照)。
【0009】
本発明では有機EL素子が所定の視差形状を発光する。その結果、マイクロレンズアレイを構成する各凸レンズの後方において視差形状が発光し、マイクロレンズアレイを通してみれば所定の形状が奥へと沈んで(又は浮き上がって)見えることになる。このような立体感のある発光表示が行われるように設定された形状が「視差形状」である。発光表示させる形状は、所望の文字(任意のひらがな、カタカナ、漢字、アルファベットなど)、数字(算用数字、漢数字)、記号(数学記号、地図記号など)、図形(丸、三角、四角など)又はこれらの任意の組合せ(以下、これらをまとめて「文字等」という)で構成される。
【0010】
本発明における有機EL素子の構成の一例は、発光させる視差形状に対応する形状に形成されたEL層を備えるものである。当該有機EL素子ではEL層の形状に応じた発光が得られる。EL層は例えばスクリーン印刷やインクジェット印刷等によって形成することができる。
【0011】
有機EL素子の発光面において、視差形状に対応する領域以外の部分を不透光性材料で遮蔽することによっても、視差形状を発光する有機EL素子となる。不透光性材料からなるインクを用いたスクリーン印刷やインクジェット印刷等を発光面に施すことによって当該構成の有機EL素子を得ることができる。不透光性材料からなる印刷が施された透光性シート又はフィルム等を発光面に貼付することによっても当該構成の有機EL素子を得ることができる。
一方、発光面にカラー印刷やカラーフィルムの貼付を行うことによって、視差形状が周囲の色と異なる色で発光するように構成した有機EL素子を本発明に用いてもよい。
【0012】
所定の視差形状を発光する有機EL素子を絶縁層を利用して構成することもできる。即ち本発明では、陽極(透明電極)と陰極(背面電極)との間に所定形状の絶縁層を備えた有機EL素子を用いることにしてもよい。絶縁層の形成位置は特に限定されず、例えば陽極とEL層の間や、EL層と陰極の間などに絶縁層を形成することができる。絶縁層は両電極間に印加された電圧を部分的に遮断する。これによって、絶縁層が形成された領域は非発光領域となり、絶縁層が形成されない領域が発光領域となる。絶縁層は例えば、感光性樹脂(アジド系樹脂、ジアゾ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂等)を用いて、電極表面への塗布、パターン露光、及び現像からなる一連の工程によって形成することができる。
【0013】
(シート状部材)
本発明の好ましい一形態ではシート状部材が備えられる。シート状部材は、マイクロレンズアレイを覆うようにマイクロレンズアレイの前方に配置される。シート状部材には所定形状の透過領域が形成されている。このようなシート状部材を使用した場合、マイクロレンズアレイと有機EL素子によって発光表示された所定の形状がシート状部材の透過領域を通して見えることになる。これによって、異なる距離で二つの形状(シート状部材の透過領域の形状と、発光表示される形状)が観察されることになり、高い立体感ないし奥行き感が得られる。
例えば、所望の形状の打ち抜き部を有する金属板や、不透光性材料の印刷によって所望の形状の透過領域が形成された透光板や透明フィルムなどをシート状部材として利用することができる。
【0014】
(ハーフミラー層)
本発明の好ましい一形態ではマイクロレンズアレイの前方(即ち観察者側)にハーフミラー層が備えられる。かかる構成では表示装置が非表示状態(昼間などの外部照度が高いとき等)のときはハーフミラー作用によって表示装置の観察面側が金属調となる。これによって、非表示状態のときに内部が観察されることによる意匠性の低下を防止しつつ金属色による特有の意匠性が付与される。一方、表示装置が表示状態のときはハーフミラー層を通して所望形状の発光像が観察される。このように非表示状態から表示状態に移行する際、観察面側の色調・質感が急激に変化し、同時に所望形状が出現する。これによって意外性を演出することができる。
【0015】
ハーフミラー層は例えば所定膜厚の金属層(Al、Ag、Auなど)を用いて形成することができる。また、金属層と光透過性の樹脂などからなる保護層とを順次積層することにより形成することもできる。このようなハーフミラー層の形成方法の一例を示す。まずAl薄膜からなる金属層を形成する。金属層はハーフミラー効果が得られるような厚さとする。例えば、金属層を光の透過率が約15〜20%となるような厚さとすることができる。続いて、エポキシ樹脂等の透明な樹脂を印刷、塗布等により金属層に重ねて形成し保護層とする。ハーフミラー層の構成、及び形成方法はこれに限られず公知のものをそれぞれ採用できる。また、保護層の表面、又は金属層と保護層との間などにインク層を設けることもできる。インク層は例えば黄色等の色のインクを印刷、塗布等することにより形成することができる。
【実施例】
【0016】
本発明の実施例である表示装置1を図1及び図2に示す。図1は表示装置1の斜視図、図2は図1のA−A線位置での断面図である。以下、これらの図面を参照しながら表示装置1の構成及び表示態様を説明する。尚、表示装置1は自動車のスカッフプレート部の装飾に利用される。
【0017】
表示装置1では発光手段として有機EL素子10が用いられる。図2に示すようにカバー60内において最下部に有機EL素子10が配置され、有機EL素子10の上にはマイクロレンズアレイ20が載置される。マイクロレンズアレイ20の上には空間をおいて文字板30が配置される。マイクロレンズアレイ20と文字板30との間の空間は必須ではない。但し、この空間によってマイクロレンズアレイ20と文字板30との間に一定の距離が設けられ、より立体感のある表示が可能となる。
文字板30の上面にはハーフミラーフィルム40が貼付されている。ハーフミラーフィルム40の上には保護板50が被せられる。以上のように表示装置1では、カバー60内においてEL素子10、マイクロレンズアレイ20、文字板30、ハーフミラーフィルム40及び保護板50がこの順番で観察面側(図面の上側)に向かって並ぶ。尚、有機EL素子10、マイクロレンズアレイ20等の各部材の平面視形状は略同一形状の矩形である。
【0018】
図3に示す通り、有機EL素子10は背面電極(陰極)層11、誘電体層12、EL層13及び透明電極(陽極)層14が順に積層した構造を備える。背面電極層11の下及び透明電極層14の上にはそれぞれ、透光性フィルムからなる保護層15、16が備えられる。EL層13は所定の形状に形成されている。これによって、配線61を介して通電すると有機EL素子10の発光面(上面)からはEL層13の形状に対応した光が射出する。これによって所望の形状が発光することになる。この実施例ではマイクロレンズアレイ20を通して観たときに、規則的に配列したマルVの文字が沈んで見える発光像を生成するようにEL層13を構成した。このような所望の形状のEL層13はインクジェット印刷やスクリーン印刷などによって形成することがきる。有機EL素子10の発光色は任意である。例えば青色光を発光する有機EL素子10とする。
【0019】
尚、車両搭載時にはハーネスを介して有機EL素子10へ電力が供給される。また、有機EL素子10には図示しない電源制御回路が接続されており、例えば車幅灯に連動した発光制御を有機EL素子10は受けることになる。
【0020】
マイクロレンズアレイ20は上面側に半球状の微細なレンズが規則的に配列した構造を有する(図4)。マイクロレンズアレイ20は公知の方法(例えば国際公開第95/09372号パンフレットを参照)で作製することができる。以下、マイクロレンズアレイ20の製造法の一例を示す。まず、透明樹脂からなるシート状の基材21を用意する。次に、レンズ形成用樹脂材料をはじく樹脂材料を、基材21のレンズ形成面においてレンズを形成しない領域へ塗布、印刷等し、区画線を形成する。続いて、レンズ形成用樹脂材料を塗布、印刷等する。その結果、区画線がレンズ形成用樹脂をはじき、区画線によって囲繞される領域内でレンズ形成用樹脂材料が凸状に盛り上がる。この状態で硬化処理し、微細なレンズ22が規則的に配列したマイクロレンズアレイ20を得る。基材21及びレンズ22の材料としては各種の光学樹脂、ガラスなどを用いることができる。この方法で得られるマイクロレンズアレイ20は基材21とその上に形成されたレンズ22とからなる。但し、基材とレンズとが一体成型されたマイクロレンズアレイを用いることもできる。
マイクロレンズアレイ20を構成する各レンズの形状は所望の立体視を可能にするものであれば特に限定されない。例えば、球を平面で切断して得られる、半球よりも小さな形状のレンズによってマイクロレンズアレイ20を構成してもよい。
【0021】
文字板30はステンレス製(SUS)製であり、所望の形状の打ち抜き部(貫通孔31)を備える。この例ではLEXの文字をかたどった貫通孔31が形成されている。尚、文字板30の材質は特に限定されるものではなく、ステンレス以外の各種金属(例えばAl)や樹脂などで文字板30を形成してもよい。
【0022】
文字板30の上面に貼付されるハーフミラーフィルム40はAl材料からなる金属層を備える。ハーフミラーフィルム40の上に被せられる保護板50はポリカーボネート樹脂製である。保護板50はハーフミラーフィルム40の保護、並びに防塵及び防水等の目的で備えられる。良好な防塵及び防止効果が得られるように、保護板50の上面縁部はシーリング材によって隙間無くカバー60に接続されている。
【0023】
カバー60はステンレス製(SUS)であり、約0.5mmの厚さを有する。カバー60の片面側には縁部を残して矩形の開口部が形成されている。表示装置1ではこの開口部を通して発光文字表示が行われる。カバー60は保護部材として機能する一方で、表示装置1の意匠を構成する重要な要素となる。この実施例ではハーフミラーフィルム40による金属調の色調・質感に調和するよう、カバー60の材質を上記の通りステンレスとした。
【0024】
以上のように構成された表示装置1の表示態様を説明する。まず昼間等、外部の照度が高いときには表示装置1は非表示状態(有機EL素子10が非発光状態)となる。このときにはハーフミラーフィルム40の作用によって表示装置1の観察面側(カバー60部分を除く)は金属調の色調・質感を呈する。一方、夜間等、外部の照度が低いときに車幅灯の点灯に連動して有機EL素子10が通電されると(表示装置1の表示状態)、有機EL素子10が所定の形状を発光する。これがマイクロレンズアレイ20を通して観察されることによって、文字板30の貫通孔31部分(LEXの文字)に、鮮明に青色発光するマルVの文字23が奥へと沈んだ状態で表示される。このように文字(LEX)の中に文字(マルV)が鮮明な状態で発光表示され、しかもこれら二種類の文字が異なる距離感で観察されることから立体感・奥行き感に富み、高級感に溢れ、且つ意外性をも与える発光態様となる。
とこころで、表示装置1ではマイクロレンズ方式の立体視の原理を利用しており、不快なちらつき現象の発生が抑えられる。これによって、見る角度を選ばない、装飾性に優れ且つ高級感のある発光態様となる。一方、見る角度を変えたときのマルVの文字23の見え方の変化はLEXの文字の見え方の変化と同様ではなく、立体視特有のものとなる。これによって、あたかもマルVの文字23が表示装置1の内部で動いているかのような印象を与えることができる。
更に、表示装置1ではハーフミラーフィルム40の作用により、表示状態へ移行したときに突如として文字が出現する。これによって、表示状態へ移行した瞬間の意外性をも演出することができる。
【0025】
以上のように表示装置1では、薄型であるにもかかわらず、立体感・奥行き感に富み、高級感にも溢れ、さらには意外性をも演出するという独特な発光態様が得られ、高い装飾的効果がもたらされる。一方、表示装置1を利用すれば、単なる装飾的効果だけでなく、その立体感・奥行き感に富む発光態様によって空間的な広がりをも演出することができる。
【0026】
以上の実施例で用いた有機EL素子10は、所定の形状に形成されたEL層13を備えることによって所望の形状を発光する。本実施例で採用することが可能な有機EL素子の他の例を図6及び7に示す。尚、これらの図面では、説明の便宜上、上記実施例と同一の部材には同一の符号を付している。
図6の有機EL素子70は保護層16の上に印刷層71を備える。この印刷層71は黒色系のインクによる印刷によって所定のパターンで形成されており、保護層16の上面から射出する光の一部を遮蔽する。このような印刷層71の作用によって、有機EL素子70は所望の形状を発光する。尚、有機EL素子70では、背面電極層11、誘電体層12、EL層13a及び透明電極層14は全て平面視が同一形状(矩形)である。
【0027】
図7の有機EL素子72はEL層13aと透明電極層14との間に絶縁層73を備える。この絶縁層73は両電極間に印加された電圧を部分的に遮断する。これによって、絶縁層73が形成された領域は非発光領域となり、絶縁層73が形成されない領域が発光領域となる。有機EL素子72は、所定の形状に形成された絶縁層73を備えることによって所望の形状を発光する。
【0028】
一方、文字板の構成が異なる例を図8に示す。この例の文字板32はアクリル系樹脂からなり、その裏面の一部(文字領域33)にはAl系材料が蒸着されている。当該文字板32を用いた表示装置2では表示状態のときに金属調のLEXの文字が観察されるとともに、その周囲には奥へと沈んで見えるように青色発光するマルVの文字23が観察される。
【産業上の利用可能性】
【0029】
以上、本発明の適用例を説明したが、本発明の表示装置はスカッフ部に限らず自動車の様々な部位の装飾(例えばセンタクラスタ部、ステアリングホイール、バックガーニッシュ部、ドア部、又はピラー部等におけるロゴマークの表示)にも適用できる。また、自動車用に限らず、各種車両における表示プレート等の装飾、建物(家屋やビルディング等)の内装又は外装に使用される表示プレート等の装飾にも本発明を適用できる。さらには、車両室内又は建物内の天井を装飾することにも本発明を適用可能である。このような利用形態では装飾的効果に加え、空間に奥行き感を付与したり、開放感を演出したりすることができる。このように本発明を空間演出の手段として利用することも可能である。
【0030】
この発明は、上記発明の実施の形態及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
本明細書の中で明示した論文、公開特許公報、及び特許公報などの内容は、その全ての内容を援用によって引用することとする。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施例(表示装置1)の斜視図。
【図2】本発明の実施例(表示装置1)の断面図。
【図3】表示装置1に使用される有機EL素子10の構成を模式的に示す断面図。
【図4】表示装置1に使用されるマイクロレンズアレイ20の構成を模式的に示す断面図。
【図5】表示装置1の表示態様を模式的に示す斜視図。
【図6】有機EL素子の構成の一例を示す断面図。
【図7】同じく有機EL素子の構成の一例を示す断面図。
【図8】本発明の実施例(表示装置2)の表示態様を模式的に示す斜視図。
【図9】従来のスカッフプレート装置を示す斜視図。
【符号の説明】
【0032】
1、2 表示装置
10、70、72 有機EL素子
11 背面電極層
12 誘電体層
13 EL層
14 透明電極層
15、16 保護層
20 マイクロレンズアレイ
23 立体的に表示される文字
30、32 文字板
31、33 文字領域
40 ハーフミラーフィルム
50 保護板
60 カバー
71 印刷層
72 絶縁層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロレンズアレイと、及び
前記マイクロレンズアレイの後方に配置され、所定の視差形状を発光する有機EL素子と、
を備える表示装置。
【請求項2】
前記有機EL素子が、前記視差形状に対応した形状に形成されたEL層を備える、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記有機EL素子の発光面において、前記視差形状に対応する領域以外の部分が不透光性材料で遮蔽されている、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記有機EL素子が、両電極間に印加された電圧を部分的に遮断する、所定形状の絶縁層を備える、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
所定形状の透過領域を有し、前記マイクロレンズアレイの前方に配置されるシート状部材を更に備える、請求項1〜4のいずれかに記載の表示装置。
【請求項6】
前記マイクロレンズアレイの前方に配置されるハーフミラー層を更に備える、請求項1〜5のいずれかに記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−83644(P2008−83644A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−266639(P2006−266639)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【Fターム(参考)】