説明

表示装置

【課題】より簡単な構成にて、大型化に伴う操作の不都合を解決できる上に、利用者の操作の利便さを図ることが出来る表示装置を提供する。
【解決手段】表示部2の表示画面上での位置指定を受け付ける位置指定受付部5を介して、表示位置受付部7が画像の表示に係る指示を受け付ける指示受付画像の表示位置に係る指定を利用者から受け付ける。表示位置受付部7が利用者から受け付けた指示に係る表示位置に表示制御部3が前記指示受付画像を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示部に表示すべき画像の表示に係る指示を受け付ける指示受付画像を該表示部に表示する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、タッチパネルを備える表示装置が普及されており、ディスプレイの大型化に伴い、表示装置も大型化されつつある。
【0003】
しかし、その高さ及び幅が人の身長を上回る大型の表示装置においては、前記タッチパネルに利用者の手が届かない範囲が生じるという操作の不都合の問題があった。
【0004】
この問題に対して、例えば、特許文献1には、マスタ表示装置と、スレーブ表示装置とを備え、マスタ表示装置及びスレーブ表示装置を接続し、操作入力をマスタ表示装置に固定することにより、プレゼンテーターの空間的な移動を低減し、スレーブ表示装置への画面表示の切り替え、表示したデータの編集等を容易且つ直感的に行えるマルチディスプレイ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−198734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1のマルチディスプレイ装置においては、マスタ表示装置及びスレーブ表示装置を同時に必要とする複雑な構成を必要とする。
【0007】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、表示部の表示画面上の位置指定を受け付ける位置指定受付手段を介して、画像の表示に係る指示を受け付ける指示受付画像の表示位置の指定を受け付け、該表示位置に該指示受付画像を表示することにより、簡単な構成にて、大型化に伴う操作の不都合を解決できる上に、利用者の操作の利便さを図ることが出来る表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る表示装置は、画像を表示する表示部と、該画像の表示に係る指示を受け付ける指示受付画像を該表示部に表示する表示手段と、前記表示部の表示画面上の位置指定を受け付ける位置指定受付手段とを備える表示装置において、前記位置指定受付手段を介して前記指示受付画像の表示位置の指定を受け付ける表示位置受付手段を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明にあっては、前記位置指定受付手段を介して、前記表示位置受付手段が前記指示受付画像の表示位置の指定を受け付ける。前記表示位置受付手段が受け付けた指定に係る表示位置に、前記表示手段が前記指示受付画像を表示する。
【0010】
本発明に係る表示装置は、前記表示手段は一又は複数の指示受付画像を表示するように構成されていることを特徴とする。
【0011】
本発明にあっては、前記表示位置受付手段が受け付けた指定に係る表示位置に、前記表示手段が前記指示受付画像を表示する。更に、前記表示位置受付手段が他の指定を受け付けた場合、前記表示位置受付手段が受け付けた他の指定に係る他の表示位置に、前記表示手段が別の指示受付画像を表示する。
【0012】
本発明に係る表示装置は、前記位置指定受付手段による位置指定の受付は、前記表示部の表示画面の所定範囲に対して行われ、前記表示手段は、前記所定範囲内に前記指示受付画像を表示するように構成されていることを特徴とする。
【0013】
本発明にあっては、前記位置指定受付手段による位置指定の受付が、例えば、前記表示部の表示画面の所定範囲に対して部分的に行われことができる。前記表示手段は、前記表示画面の所定範囲内に前記指示受付画像を表示する。
【0014】
本発明に係る表示装置は、前記所定範囲を変更する範囲変更手段を備えることを特徴とする。
【0015】
本発明にあっては、前記範囲変更手段によって、前記所定範囲が変更され、前記表示手段は、変更後の所定範囲内に前記指示受付画像を表示する。
【0016】
本発明に係る表示装置は、前記所定範囲を表す旨の通知を行う通知手段を備えることを特徴とする。
【0017】
本発明にあっては、前記通知手段が前記所定範囲を表す旨の通知を行うので、利用者は、例えば、前記所定範囲の変更があった場合であっても、その位置を認識することが出来る。
【0018】
本発明に係る表示装置は、前記表示部の前方側を撮像する撮像手段と該撮像手段による撮像映像に基づき、前記表示手段が前記指示受付画像を表示するように構成されていることを特徴とする。
【0019】
本発明にあっては、前記表示手段は、前記撮像手段による撮像映像に基づき、前記表示部の所定位置に、所定方法にて、前記指示受付画像を表示する。
【0020】
本発明に係る表示装置は、前記撮像手段による撮像画像に基づき、利用者の特定身体部位の位置を検出する身体検出手段を備え、該身体検出手段の検出結果に基づき、前記表示手段が前記指示受付画像の表示位置を変更するように構成されている特徴とする。
【0021】
本発明にあっては、前記撮像手段による撮像画像に基づき、前記身体検出手段が利用者の特定身体部位(例えば、顔、肩、上半身等)の位置を検出する。前記身体検出手段の検出結果に基づき、前記表示手段が前記指示受付画像の表示位置を、当該利用者の特定身体部位の位置に対応する位置に変更する。
【0022】
本発明に係る表示装置は、前記撮像手段による撮像画像に基づき、利用者の身体的特徴を検出する特徴検出手段を備え、該特徴検出手段の検出結果に基づき、前記表示手段が前記指示受付画像の構成を変更するように構成されていることを特徴とする。
【0023】
本発明にあっては、前記撮像手段による撮像画像に基づき、前記特徴検出手段が利用者の身体的特徴(例えば、年齢、性別等)を検出する。前記特徴検出手段の検出結果に基づき、前記表示手段が前記指示受付画像の構成(例えば、フォントサイズ、背景色等)を変更する。
【0024】
本発明に係る表示装置は、前記撮像手段による撮像映像に基づき、所定範囲内の利用者の有無を判定する判定手段を備え、該判定手段の判定結果に基づき、前記表示手段が前記指示受付画像を表示するように構成されていることを特徴とする。
【0025】
本発明にあっては、前記撮像手段による撮像映像に基づき、前記判定手段が前記表示部の前方側の所定範囲内での利用者の有無を判定する。例えば、前記判定手段が前記所定範囲内に利用者が居ると判定した場合、前記表示手段が前記指示受付画像を表示し、前記判定手段が前記所定範囲内に利用者が居ないと判定した場合、前記表示手段が表示中の前記指示受付画像を削除する。
【0026】
本発明に係る表示装置は、前記身体検出手段は、所定の時間間隔で利用者の特定身体部位の位置を検出するように構成されていることを特徴とする。
【0027】
本発明にあっては、前記身体検出手段は、所定の時間間隔で利用者の特定身体部位の位置を繰り返して検出し、前記身体検出手段の検出の都度、斯かる結果に応じて、前記表示手段が前記指示受付画像の表示位置を変更するので、利用者の位置変更に対応できる。
【0028】
本発明に係る表示装置は、前記範囲変更手段は、前記身体検出手段の検出結果に基づき、前記表示部の表示画面の前記所定範囲を変更するように構成されていることを特徴とする。
【0029】
本発明にあっては、前記身体検出手段は、所定の時間間隔で利用者の特定身体部位の位置を繰り返して検出し、前記身体検出手段の検出の都度、斯かる結果に応じて、前記範囲変更手段が前記表示部の表示画面の前記所定範囲を変更する。
【0030】
本発明に係る表示装置は、前記表示部は複数のサブ表示部からなり、一部のサブ表示部が前記位置指定受付手段を備えるように構成されていることを特徴とする。
【0031】
本発明にあっては、前記表示部が複数のサブ表示部からなり、該複数のサブ表示部の中、一部のサブ表示部が前記位置指定受付手段を備え、前記位置指定受付手段による位置指定の受付が、所定のサブ表示部において部分的に行われる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、より簡単な構成にて、大型化に伴って表示装置で生じる、操作の不都合を解決すると共に、利用者の操作の利便さを図ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施の形態1の大型表示装置の票部構成を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1の大型表示装置における、制御ウィンドウの表示例を示す例示図である。
【図3】本発明の実施の形態1の大型表示装置における、制御ウィンドウの表示例を示す例示図である。
【図4】本発明の実施の形態1の大型表示装置における、制御ウィンドウの表示例を示す例示図である。
【図5】本発明の実施の形態2の大型表示装置の票部構成を示す機能ブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態2の大型表示装置において、判定部による判定に係るX軸の所定範囲を説明する説明図である。
【図7】本発明の実施の形態2の大型表示装置において、記憶部に記憶されているウィンドウ構成テーブルの一例を示す例示図である。
【図8】本発明の実施の形態2の大型表示装置の外見を模式的に示す模式図である。
【図9】本発明の実施の形態2の大型表示装置における、身体検出部の検出結果に基づく制御ウィンドウの表示制御を説明する説明図である。
【図10】本発明の実施の形態2の大型表示装置における、身体特徴検出部の検出結果に基づく制御ウィンドウの表示制御を説明する説明図である。
【図11】本発明の実施の形態2の大型表示装置における、制御ウィンドウの表示の処理を説明するフローチャートである。
【図12】本発明の実施の形態2の大型表示装置における、利用者の移動に対応した制御ウィンドウの表示を説明する説明図である。
【図13】本発明の実施の形態3の大型表示装置の票部構成を示す機能ブロック図である。
【図14】本発明の実施の形態3の大型表示装置の位置指定受付部の構成を説明する説明図である。
【図15】本発明の実施の形態3の大型表示装置において、位置指定受付部の位置指定の受付可能な部分の変更処理の一例を示す例示図である。
【図16】本発明の実施の形態3の大型表示装置における、前記通知を説明する例示図である。
【図17】本発明の実施の形態3の大型表示装置における、制御ウィンドウの表示の処理を説明するフローチャートである。
【図18】本発明の実施の形態3の大型表示装置における、制御ウィンドウの表示の処理を説明するフローチャートである。
【図19】本発明の実施の形態3における、S201からS206までの処理結果を示す例示図である。
【図20】本発明の実施の形態3における、S207からS212までの処理結果を示す例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
(実施の形態1)
以下に、本発明の実施の形態1に係る表示装置を、大型表示装置に適用した場合を例として、図面に基づいて詳述する。
図1は本発明の実施の形態1の大型表示装置100の票部構成を示す機能ブロック図である。大型表示装置100はCPU1、ROM4及びRAM6を備えている。
【0035】
ROM4には各種の制御プログラムが予め格納されており、RAM6はデータを一時的に記憶し、記憶順、記憶位置等に関係なく読み出すことが可能である。また、RAM6は、例えば、ROM4から読み出されたプログラム、該プログラムを実行することにより発生する各種データ等を記憶する。
【0036】
CPU1は、ROM4に予め格納されている制御プログラムをRAM6上にロードして実行することによって、バスNを介して下記の各種ハードウェアの制御を行い、装置全体を本発明の大型表示装置100として動作させる。
【0037】
また、大型表示装置100は、画像及び該画像の表示に係る指示を受け付ける制御ウィンドウ(指示受付画像)が表示される表示部2と、該表示部2への画像、前記制御ウィンドウ等の表示を制御する表示制御部3と、利用者から表示部2の表示画面上の位置指定を受け付ける位置指定受付部5と、利用者から前記制御ウィンドウの表示位置の指定を受け付ける表示位置受付部7と、表示部2に表示すべき画像の画像データが記憶されている記憶部9と、所定時刻からの時間の経過を測る計時部8とを備えている。
【0038】
表示部2は、例えば大型LCDモニタであり、画像及び前記制御ウィンドウが表示される。該制御ウィンドウには、当該画像の表示を制御するための複数のソフトキーが設けられている。例えば、該制御ウィンドウには「拡大」、「縮小」、「回転」、「削除」等のソフトキーが設けられており、利用者は前記制御ウィンドウを操作することによって、当該画像の表示を制御することができる。
【0039】
表示制御部3は、表示部2への画像の表示、前記制御ウィンドウの表示等を制御する。例えば、CPU1の指示に応じて画像を表示部2に表示し、又は表示位置受付部7が受け付けた前記制御ウィンドウの表示位置の指定に基づき、1つ又は複数の制御ウィンドウを表示部2に表示させ、該制御ウィンドウを移動させる。
【0040】
位置指定受付部5は、いわゆるタッチパネルであり、表示部2の表示画面を覆うように設けられている。位置指定受付部5は利用者のタッチ操作により表示部2の表示画面上における位置指定を受け付ける。利用者の指先のタッチ操作による圧力の変化を検知し、又は静電気による電気信号を検知して、利用者の指先の接触点の表示部2の表示画面上の座標を検出し、該座標を特定する信号を発生する。位置指定受付部5が受け付けた位置指定に係る座標を特定する信号はCPU1に送出される。
【0041】
CPU1は、位置指定受付部5から前記信号(座標)を取得して、表示部2に表示されているソフトキーの内、該座標に対応する位置のソフトキーが操作されたものと認識する。従って、位置指定受付部5を介して利用者からの指定を受け付けることが出来る。
【0042】
表示位置受付部7は、位置指定受付部5を監視して、利用者から前記制御ウィンドウの表示位置の指定を受け付ける。利用者が所定の操作(例えば、2回タッチ、長押し等)をした場合、該操作に係る位置を、前記制御ウィンドウの表示位置の指定として受け付ける。
【0043】
以下、本発明の実施の形態1の大型表示装置100における制御ウィンドウの表示について説明する。
図2から図4は本発明の実施の形態1の大型表示装置100における、制御ウィンドウWの表示例を示す例示図である。表示部2の表示画面21を覆うように位置指定受付部5が設けられており、表示画面21には制御ウィンドウWが表示されている。制御ウィンドウWには、表示部2に表示した画像の表示を制御する複数のソフトキーが設けられている。
【0044】
例えば、利用者が位置指定受付部5のA位置を所定時間内に2回タッチ操作した場合、すなわち、位置指定受付部5が所定時間内に、同一位置の位置指定を2回受け付けた場合、表示位置受付部7は当該位置を制御ウィンドウWの表示位置として受け付ける。
【0045】
このようにして、表示位置受付部7が表示位置の指定を受け付けた場合、表示制御部3は、表示位置受付部7が受け付けた指定に係る表示位置に制御ウィンドウWを表示し、現在表示中の制御ウィンドウWを削除する。これによって、図3に示すように、制御ウィンドウWを移動表示させることが出来る。なお、これに限るものでなく、いわゆるドラッグ操作ができるように構成しても良い。
【0046】
一方、他の利用者が位置指定受付部5のB位置(図2参照)を所定時間長押した場合、すなわち、位置指定受付部5が所定時間内に、同一位置の位置指定を2回以上繰り返し受け付けた場合、表示位置受付部7は当該位置を新しい制御ウィンドウWの表示位置として受け付ける。
【0047】
このようにして、表示位置受付部7が表示位置の指定を受け付けた場合、表示制御部3は、表示位置受付部7が受け付けた指定に係る表示位置に新しい制御ウィンドウWを表示する。これによって、図4に示すように、複数の制御ウィンドウWを表示することが出来る。
【0048】
(実施の形態2)
以下に、本発明の実施の形態2の大型表示装置100について、図面に基づき詳述する。
図5は本発明の実施の形態2の大型表示装置100の票部構成を示す機能ブロック図である。実施の形態2の大型表示装置100は、実施の形態1に比べ、身体特徴検出部10と、撮像部11と、身体検出部12と、判定部13とをさらに備えている。
【0049】
撮影部11は、表示部2の前方側の利用者の身体が撮像できる位置に設けられている。撮像部11は、既存の技術を用いるものである。例えば、撮像部11は、CCD(Charge Coupled Device)のようなイメージセンサ等の撮像素子を有し、撮像画像を生成する。また、撮像部11は、例えば、赤外線を用いて利用者のモーション、位置等を認識できる奥行きカメラ機能を有している。従って、撮像部11は、利用者が表示部2から所定距離内に居る場合のみ、該利用者の画像を撮像することが出来る。
【0050】
身体検出部12は、例えば、撮像部11による撮像画像に基づき、利用者の特定身体部位(例えば、顔)を検出する。本実施の形態においては、身体検出部12は、既存の技術を用いて、人間の顔を検出する処理を行う。例えば、身体検出部12は、撮像部11による撮像画像の中から肌の色に近い領域を検出し、検出した領域内に、目、眉及び口等の人間の顔に含まれる特徴的な形状の図形が含まれるか否かを判定し、該特徴的な形状の図形が含まれている場合、顔であると認識して該顔の位置を検出する。なお、身体検出部12は利用者の顔を検出することに限るものでない。例えば、身体検出部12が、利用者の上半身、肩、首、目等を検出するように構成しても良い。
【0051】
判定部13は、撮像部11による撮像画像に基づき、表示部2の前方側の所定範囲内に利用者が居るか否かを判定する。例えば、図6に示すように、表示部2の幅方向(横方向)を当該撮像画像上のX軸とした場合、前記撮像画像のX軸の所定範囲内に利用者が居るか否かを、撮像部11による撮像画像に基づいて判定する。換言すれば、撮像部11は、利用者が表示部2から前方側の所定距離内に居る場合のみ、当該利用者の画像を撮像することから、判定部13は、表示部2から前方側の所定距離内であって、表示部2の幅方向の所定範囲内に利用者が居るか否かを判定することとなる。
【0052】
身体特徴検出部10は、撮像部11による撮像画像に基づき、利用者の身体的特徴を検出する。該身体的特徴とは、例えば、利用者の年齢、性別等である。身体特徴検出部10は撮像部11による撮像画像に基づき、上述した手法により、利用者の顔を認識し、利用者の顔の輪郭又は目、並びにまゆ毛、鼻、口などの位置関係、しわ又はたるみなどから、利用者の年齢、性別等を推定する。
【0053】
また、実施の形態2の記憶部9にはウィンドウ構成テーブルが記憶されている。該ウィンドウ構成テーブルには、制御ウィンドウWを構成する構成要素(例えば、文字のフォント、ボタンサイズ、背景色等)を特定する情報が含まれている。
【0054】
図7は本発明の実施の形態2の大型表示装置100において、記憶部9に記憶されているウィンドウ構成テーブルの一例を示す例示図である。ウィンドウ構成テーブルには、年齢及び性別毎の、制御ウィンドウWの背景色、文字フォント及びソフトキーサイズが記載されている。
【0055】
前記ウィンドウ構成テーブルには、例えば、利用者が50歳以上であると推定された場合、50歳未満であると推定された場合より、制御ウィンドウWのソフトキー及びフォントサイズが大きく設定されており、50歳以上であって視力の悪い利用者による操作に備えることが出来る。
【0056】
実施の形態2の表示制御部3は、判定部13、身体検出部12及び身体特徴検出部10による処理結果に基づき、制御ウィンドウWの表示を行う。以下に、詳しく説明する。
【0057】
図8は本発明の実施の形態2の大型表示装置100の外見を模式的に示す模式図である。実施の形態2の大型表示装置100においては、表示部2の縁部の上部中央に、撮像部11を備えている。
【0058】
図9は本発明の実施の形態2の大型表示装置100における、身体検出部12の検出結果に基づく制御ウィンドウWの表示制御を説明する説明図である。
例えば、撮像部11による撮像画像に基づき、身体検出部12によって、当該利用者の顔の位置が検出された場合、表示制御部3は、身体検出部12によって検出された利用者の顔の位置に対応する表示部2上の位置に制御ウィンドウWを表示する。すなわち、当該利用者の身長如何、表示部2の高さ如何に関わらず、当該利用者の顔の位置に対応する表示部2上の位置に制御ウィンドウWが表示される。従って、表示部2が大型である場合、利用者の手が届かず、操作に不具合が生じることを未然に防止すると共に、操作における利用者の利便さを図ることが出来る。
【0059】
一方、図10は本発明の実施の形態2の大型表示装置100における、身体特徴検出部10の検出結果に基づく制御ウィンドウWの表示制御を説明する説明図である。
例えば、身体特徴検出部10が、撮像部11による撮像画像に基づき、利用者の身体的特徴を検出し、利用者の年齢が50以上であり、性別は男性であると推定した場合を例に説明する。表示制御部3は、身体特徴検出部10による利用者の身体的特徴の検出結果に基づき、記憶部9のウィンドウ構成テーブルを参考に制御ウィンドウWを表示する。すなわち、身体特徴検出部10によって、利用者が50歳以上の男性と推定されたので、制御ウィンドウWの背景色を白にし、フォントサイズを40ポイントにし、各ソフトキーの大きさが6cm×4cmになるように、制御ウィンドウWを表示する。図10に示す制御ウィンドウWの各ソフトキーの大きさが、図9に示す制御ウィンドウWの各ソフトキーの大きさより大きいことが見て取れる。
【0060】
なお、判定部13によって、表示部2から前方側に所定距離内であって、表示部2の幅方向の所定範囲内に利用者が居ないと判定された場合、表示制御部3は、計時部8の計時結果に基づき、例えば、所定時間が経過した場合に表示中の制御ウィンドウWを削除する。
【0061】
図11は本発明の実施の形態2の大型表示装置100における、制御ウィンドウWの表示の処理を説明するフローチャートである。
【0062】
常に、撮像部11は表示部2から前方側を撮像しており、撮像部11による撮像画像に基づき、判定部13は、表示部2から前方側に所定距離内であって、表示部2の幅方向の所定範囲内に利用者がいるか居ないか判定する(S101)。判定部13による該判定については上述したとおりであり、詳しい説明は省略する。
【0063】
判定部13によって、表示部2から前方側に所定距離内であって、表示部2の幅方向の所定範囲内に利用者が居ないと判定された場合(S101:NO)、CPU1は待機する。
【0064】
一方、判定部13によって、表示部2から前方側に所定距離内であって、表示部2の幅方向の所定範囲内に利用者が居ると判定された場合(S101:YES)、CPU1は、撮像部11による撮像画像及び計時部8の計時結果に基づき、利用者の顔が表示部2(表示画面21)に向かっており、所定時間停止していたか否かを判定する(S102)。
【0065】
CPU1は利用者の顔が所定時間停止していなかったと判定した場合(S102:NO)、処理をS101に戻す。一方、CPU1は利用者の顔が所定時間停止していたと判定した場合(S102:YES)、身体検出部12に利用者の特定身体部位の位置を検出するように指示する。
【0066】
身体検出部12は、CPU1の指示に応じて、撮像部11による撮像画像に基づき、利用者の特定身体部位の位置を検出する(S103)。詳しくは、上述したように、利用者の顔の位置を検出するものであり、身体検出部12による顔の位置の検出については上述したとおりであり、詳しい説明を省略する。検出された利用者の顔の位置に対応する表示部2上の位置を表す座標がRAM6に記憶される。
【0067】
次いで、身体特徴検出部10は、撮像部11による撮像画像に基づき、利用者の身体的特徴を検出する(S104)。詳しくは、身体特徴検出部10は、利用者の年齢、性別等を推定する。身体特徴検出部10による利用者の年齢、性別等の推定については、上述したとおりであり、詳しい説明を省略する。
【0068】
また、表示制御部3は、身体検出部12及び身体特徴検出部10による処理結果に基づき、制御ウィンドウWの表示を行う(S105)。身体検出部12及び身体特徴検出部10による処理結果に基づく、表示制御部3による制御ウィンドウWの表示については上述したとおりであり、詳しい説明を省略する。
【0069】
次いで、CPU1は計時部8に計時開始を指示する。CPU1の指示に応じて計時部8は計時を開始する。CPU1は計時部8の計時結果に基づき、制御ウィンドウWの表示開始から所定時間が経過しているか否かを判定する(S106)。
【0070】
CPU1は制御ウィンドウWの表示開始から所定時間が経過していないと判定した場合(S106:NO)、所定時間が経過するまで待機する。
【0071】
一方、CPU1は、制御ウィンドウWの表示から所定時間が経過していると判定した場合(S106:YES)、身体検出部12に利用者の特定身体部位の位置を検出するように指示する。
【0072】
身体検出部12は、CPU1の指示に応じて、その際、撮像部11によって撮像された撮像画像に基づき、再び利用者の特定身体部位の位置を検出する(S107)。すなわち、上述したように、利用者の顔の位置を検出し、検出された利用者の顔の位置を表す座標がRAM6に記憶される。
【0073】
CPU1は前回(S103)に検出された利用者の顔の位置に係る座標と、今回(S107)に検出された利用者の顔の位置に係る座標とを比較することにより、斯かる2つの座標のX座標に変更があるか否かを判定する(S108)。
【0074】
CPU1はX座標に変更がないと判定した場合(S108:NO)、処理をS106に戻すと共に、計時部8に計時開始を指示する。
【0075】
一方、CPU1はX座標に変更があると判定した場合(S108:YES)、該X座標の変更が所定の閾値以上であるか否かを判定する(S109)。前記閾値は、例えば、実際の50cmの距離に相当する値であるものとする。
【0076】
CPU1は前記X座標の変更が所定の閾値以上でないと判定した場合(S109:NO)、処理をS106に戻すと共に、計時部8に計時開始を指示する。一方、CPU1は前記X座標の変更が所定の閾値以上であると判定した場合(S109:YES)、今回(S107)に新しく検出された利用者の顔の位置に基づいて制御ウィンドウWを再表示するように、表示制御部3に指示する。
【0077】
表示制御部3は、CPU1の指示に応じて、現在表示中の制御ウィンドウWを削除して、新しく検出された利用者の顔の位置に基づいて制御ウィンドウWを再表示する(S110)。
【0078】
従って、本発明の実施の形態2の大型表示装置100においては、利用者が移動した場合でも対応することが出来る。図12は本発明の実施の形態2の大型表示装置100における、利用者の移動に対応した制御ウィンドウWの表示を説明する説明図である。説明の便宜上、以下においては、利用者が大型表示装置100を用いてプレゼンテーションを行う場合であり、身体特徴検出部10によって、利用者が50歳以下の男性であると推定された場合を例として説明する。
【0079】
例えば、利用者がA位置に居た時に制御ウィンドウWが表示され、その後、利用者が、大型表示装置100の幅方向に1m程度離れたB位置に移動したとする。前記制御ウィンドウWの表示から所定時間が経過した場合、身体検出部12が、B位置に居る利用者の顔の位置を検出する。
【0080】
利用者が所定の距離を移動したので、CPU1によって利用者の顔の位置に係るX座標に変更があると判定され、かつ、利用者の顔の位置に係るX座標の変更が所定の閾値以上であるので、新しくB位置にて検出された利用者の顔の位置に基づいて、表示制御部3が制御ウィンドウWを再表示する。
【0081】
これによって、利用者の移動によって、利用者の手が届かなくなり、操作に不具合が生じることを未然に防止できると共に、操作における利用者の利便さを図ることが出来る。
【0082】
実施の形態1と同様の部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0083】
(実施の形態3)
以下に、本発明の実施の形態3の大型表示装置100について、図面に基づき詳述する。
【0084】
図13は本発明の実施の形態3の大型表示装置100の票部構成を示す機能ブロック図である。実施の形態3の大型表示装置100は、実施の形態2に比べ、範囲変更部14と、通知部15とをさらに備えている。
【0085】
本発明の実施の形態3の大型表示装置100では、位置指定受付部5による、表示部2の表示画面21上の位置指定の受付が、表示部2の表示画面21の所定範囲に対して行われるように構成されている。
【0086】
詳しくは、本発明の実施の形態3の大型表示装置100の位置指定受付部5は、部分的にオンオフすることが出来る。すなわち、本発明の実施の形態3の大型表示装置100の位置指定受付部5は、必要に応じて、一部分のみがオン状態にされ、該一部分に対応する表示画面21の所定範囲の画像のみに対する利用者のタッチ操作(位置指定)を受け付けることができるように構成されている。以下においては、図14に示すように、位置指定受付部5が、4つのサブ位置指定受付部51、52、53、54からなる場合であって、必要に応じて何れか1つ又は複数のサブ位置指定受付部からのみ位置指定を受け付ける場合について説明する。
【0087】
範囲変更部14は、位置指定の受付が可能なオン状態にすべき、位置指定受付部5の範囲を変更する。すなわち、範囲変更部14はサブ位置指定受付部51、52、53、54を電気的に制御することによって、何れか1つ又は複数のサブ位置指定受付部のみをオン状態にし、これに係る範囲からのみ位置指定の受付ができるようにする。これによって、利用者からの位置指定の受付の対象となる表示画面21の所定範囲も変更される。
【0088】
図15は本発明の実施の形態3の大型表示装置100において、位置指定受付部5の位置指定の受付可能な部分の変更処理の一例を示す例示図である。
【0089】
例えば、本発明の実施の形態3の大型表示装置100をプレゼンテーションに使用する場合において、大型表示装置100の左側又は右側の何れか一方に原稿台Sが設置されることから、利用者(発表者)の位置が大型表示装置100の左側又は右側の何れか一方に固定されると予測できる場合がある。斯かる場合、範囲変更部14によって、サブ位置指定受付部52、54のみがオン状態になり、サブ位置指定受付部51、53はオフ状態にすることができる。従って、本発明の実施の形態3の大型表示装置100は運転コストを削減することが出来る。
【0090】
一方、以上のように、表示部2の表示画面21上の位置指定の受付が、表示部2の表示画面21の所定範囲に対して選択的に行われる場合、すなわち、サブ位置指定受付部51、52、53、54の中、何れか1つ又は複数のサブ位置指定受付部のみがオン状態である場合に、今現在、どのサブ位置指定受付部がオン状態であるかを肉眼にて判断することは非常に難しい。そこで、通知部15は、今現在、オン状態であるサブ位置指定受付部を表す通知を行う。換言すれば、通知部15は、今現在、位置指定の受付が可能なサブ位置指定受付部に対応する、表示部2の表示画面21の範囲を表す通知を利用者に対して行う。
【0091】
図16は本発明の実施の形態3の大型表示装置100における、前記通知を説明する例示図である。例えば、範囲変更部14によってサブ位置指定受付部53のみがオン状態にされているものとする。
【0092】
この場合、通知部15は、今現在、オン状態であるサブ位置指定受付部は、サブ位置指定受付部53である旨を利用者に通知する。すなわち、サブ位置指定受付部53に対応する、表示部2の表示画面21の範囲(以下対応範囲という)に表示される画像に対する利用者のタッチ操作(位置指定)のみを、今現在、受け付けることができる旨を利用者に通知する。通知方法としては、例えば、通知部15は、表示部2の表示画面21の対応範囲に表示すべき部分画像の明度を他の部分より高くして表示することにより、前記通知を行う。また、これに限るものでなく、前記対応範囲に係る画像が点滅表示されるように構成しても良い。
【0093】
図17及び図18は本発明の実施の形態3の大型表示装置100における、制御ウィンドウWの表示の処理を説明するフローチャートである。以下の説明においては、上述したように、位置指定受付部5が、4つのサブ位置指定受付部51、52、53、54からなり、必要に応じて何れか1つ又は複数のサブ位置指定受付部からのみ位置指定を受け付ける場合を例に挙げる。
【0094】
撮像部11による撮像画像に基づき、常に、判定部13は、表示部2から前方側に所定距離内であって、表示部2の幅方向の所定範囲内に利用者がいるか居ないか判定する(S201)。判定部13による該判定については上述したとおりであり詳しい説明は省略する。
【0095】
判定部13によって、表示部2から前方側に所定距離内であって、表示部2の幅方向の所定範囲内に利用者が居ないと判定された場合(S201:NO)、CPU1は待機する。
【0096】
一方、判定部13によって、表示部2から前方側に所定距離内であって、表示部2の幅方向の所定範囲内に利用者が居ると判定された場合(S201:YES)、CPU1は、撮像部11による撮像画像及び計時部8の計時結果に基づき、利用者の顔が表示部2(表示画面21)に向かっており、かつ所定時間停止していたか否かを判定する(S202)。
【0097】
CPU1は利用者の顔が所定時間停止していなかったと判定した場合(S202:NO)、処理をS201に戻す。一方、CPU1が利用者の顔が所定時間停止していたと判定した場合(S202:YES)、身体検出部12は、撮像部11による撮像画像に基づき、利用者の特定身体部位の位置を検出する(S203)。詳しくは、上述したように、利用者の顔の位置を検出するものであり、身体検出部12による顔の位置の検出については上述したとおりであるので、詳しい説明を省略する。この際、検出された利用者の顔の位置に対応する表示部2上の位置を表す座標がRAM6に記憶される。
【0098】
次いで、身体特徴検出部10は、撮像部11による撮像画像に基づき、利用者の身体的特徴を検出する(S204)。詳しくは、身体特徴検出部10は、利用者の年齢、性別等を推定する。身体特徴検出部10による利用者の年齢、性別等の推定については、上述したとおりであり、詳しい説明を省略する。
【0099】
CPU1は、RAM6に記憶されている利用者の顔の位置に係る座標に基づき、何れのサブ位置指定受付部をオン状態にするかを決定し、該決定結果に基づき、所定のサブ位置指定受付部をオン状態にするよう、範囲変更部14に指示する。例えば、CPU1は利用者の顔の位置に係る座標のX座標と、表示部2の中心を表すX座標とを比較する。CPU1は、利用者の顔の位置に係る座標のX座標が表示部2の中心から右側(図面視)に偏っていると判定した場合、CPU1は表示部2の右側のサブ位置指定受付部52、54をオン状態にすると決定し、範囲変更部14にこの旨を指示する。
【0100】
一方、CPU1が利用者の顔の位置に係る座標のX座標が表示部2の中心から左側(図面視)に偏っていると判定した場合、CPU1は表示部2の左側のサブ位置指定受付部51、53をオン状態にすると決定し、範囲変更部14にこの旨を指示する。
【0101】
範囲変更部14は、CPU1の指示に応じて、位置指定受付部5の一部範囲のみをオンにする(S205)。例えば、上述の場合においては、範囲変更部14はサブ位置指定受付部52、54のみをオン状態にし、又はサブ位置指定受付部51、53のみをオン状態にする。
【0102】
次いで、表示制御部3は、身体検出部12及び身体特徴検出部10による処理結果に基づき、制御ウィンドウWの表示を行う(S206)。身体検出部12及び身体特徴検出部10による処理結果に基づく、表示制御部3による制御ウィンドウWの表示については上述したとおりであるので、詳しい説明を省略する。
【0103】
図19は実施の形態3における、S201からS206までの処理結果を示す例示図である。
例えば、CPU1が利用者の顔の位置に係る座標のX座標が表示部2の中心から右側(図面視)に偏っていると判定した場合、CPU1は表示部2の右側のサブ位置指定受付部52、54をオン状態にすると決定する。範囲変更部14は、CPU1の指示に応じて、サブ位置指定受付部52、54をオン状態にし、サブ位置指定受付部51、53はオフ状態にする。また、表示制御部3は、身体検出部12及び身体特徴検出部10による処理結果に基づき、サブ位置指定受付部52、54に対応する表示部2の表示画面21の対応範囲に、制御ウィンドウWの表示を行う。斯かる場合、サブ位置指定受付部52、54がオン状態であるので、利用者による制御ウィンドウWのタッチ操作から位置指定を受け付けることが出来る。
【0104】
次いで、CPU1は計時部8に計時開始を指示する。CPU1の指示に応じて計時部8は計時を開始する。CPU1は計時部8の計時結果に基づき、制御ウィンドウWの表示開始から所定時間が経過しているか否かを判定する(S207)。
【0105】
CPU1は制御ウィンドウWの表示開始から所定時間が経過していないと判定した場合(S206:NO)、所定時間が経過するまで待機する。一方、CPU1が、制御ウィンドウWの表示から所定時間が経過していると判定した場合(S207:YES)、身体検出部12は、その際の撮像部11による撮像画像に基づき、再び利用者の特定身体部位の位置を検出する(S208)。すなわち、上述したように、利用者の顔の位置を検出し、検出された利用者の顔の位置に対応する表示部2上の位置を表す座標がRAM6に記憶される。
【0106】
CPU1は前回(S203)に検出された利用者の顔の位置に係る座標と、今回(S208)に検出された利用者の顔の位置に係る座標とを比較することにより、斯かる2つの座標のX座標に変更があるか否かを判定する(S209)。
【0107】
CPU1はX座標に変更がないと判定した場合(S209:NO)、処理をS207に戻すと共に、計時部8に計時開始を指示する。一方、CPU1はX座標に変更があると判定した場合(S209:YES)、該X座標の変更が所定の閾値以上であるか否かを判定する(S210)。前記閾値は、例えば、実施の形態2と同様、実際の50cmの距離に相当する値であるものとする。
【0108】
CPU1は前記X座標の変更が所定の閾値以上でないと判定した場合(S210:NO)、処理をS207に戻すと共に、計時部8に計時開始を指示する。一方、CPU1は前記X座標の変更が所定の閾値以上であると判定した場合(S210:YES)、何れのサブ位置指定受付部をオン状態にするか再び決定する。
【0109】
CPU1は、S208にて検出された利用者の顔の位置に係る座標に基づき、何れのサブ位置指定受付部をオン状態にするかを決定する。CPU1による該決定の処理に対しては上述したとおりであり、詳細な説明を省略する。CPU1は当該決定の結果に応じて、範囲変更部14に所定のサブ位置指定受付部をオン状態にするよう指示する。範囲変更部14は、CPU1の指示に応じて、位置指定受付部5の一部範囲のみをオンにすることによって範囲を変更する(S211)。
【0110】
次いで、表示制御部3は、現在表示中の制御ウィンドウWを削除して、今回(S208)に新しく検出された利用者の顔の位置に基づいて制御ウィンドウWを再表示する(S212)。
【0111】
図20は実施の形態3における、S207からS212までの処理結果を示す例示図である。例えば、図19に示すように、利用者がA位置に居た時に制御ウィンドウWが表示され、その後、利用者が、大型表示装置100の幅方向に1m程度離れたB位置に移動したとする。前記制御ウィンドウWの表示から所定時間が経過した場合、身体検出部12が、B位置に居る利用者の顔の位置を検出する。
【0112】
B位置の利用者の顔の位置に係る座標のX座標は表示部2の中心から左側(図面視)に偏っているので、CPU1は表示部2の左側のサブ位置指定受付部51、53をオン状態にすると決定する。範囲変更部14は、CPU1の指示に応じて、サブ位置指定受付部51、53をオン状態にし、サブ位置指定受付部52、54はオフ状態にする。
【0113】
また、利用者が所定の距離を移動したので、CPU1によって利用者の顔の位置に係るX座標に変更があると判定され、かつ、利用者の顔の位置に係るX座標の変更が所定の閾値以上であるので、新しくB位置にて検出された利用者の顔の位置に基づいて、表示制御部3が制御ウィンドウWを再表示する。すなわち、表示制御部3は、サブ位置指定受付部51、53に対応する表示部2の表示画面21の対応範囲に、制御ウィンドウWの表示を行う。斯かる場合、サブ位置指定受付部51、53がオン状態であるので、利用者による制御ウィンドウWのタッチ操作から位置指定を受け付けることが出来る。
【0114】
これによって、本発明の実施の形態3の大型表示装置100は利用者の移動によって、利用者の手が届かなくなり、操作に不具合が生じることを未然に防止できると共に、操作における利用者の利便さを図ることが出来る。
【0115】
さらに、本発明の実施の形態3の大型表示装置100においては、事実上、使用されていない、一部のサブ位置指定受付部をオフ状態にすることにより、コスト削減を図ることが出来る。
【0116】
実施の形態1と同様の部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0117】
本発明に係る大型表示装置100は以上の記載に限るものでない。例えば、表示部2が複数のサブ表示部からなるいわゆるマルチディスプレイであるように構成しても良い。この場合、範囲変更部14は各サブ表示部の位置指定受付部のオンオフを制御するように構成すればよい。なお、斯かる場合、スケーリング部を備え、各サブ表示部への画像の割り当てを行う必要がある。
【符号の説明】
【0118】
1 CPU
2 表示部
3 表示制御部(表示手段)
5 位置指定受付部
7 表示位置受付部
8 計時部
9 記憶部
10 身体特徴検出部(特徴検出手段)
11 撮像部
12 身体検出部
13 判定部
14 範囲変更部
15 通知部
100 大型表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示部と、該画像の表示に係る指示を受け付ける指示受付画像を該表示部に表示する表示手段と、前記表示部の表示画面上の位置指定を受け付ける位置指定受付手段とを備える表示装置において、
前記位置指定受付手段を介して前記指示受付画像の表示位置の指定を受け付ける表示位置受付手段を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記表示手段は一又は複数の指示受付画像を表示するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記位置指定受付手段による位置指定の受付は、前記表示部の表示画面の所定範囲に対して行われ、
前記表示手段は、前記所定範囲内に前記指示受付画像を表示するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記所定範囲を変更する範囲変更手段を備えることを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記所定範囲を表す旨の通知を行う通知手段を備えることを特徴とする請求項3又は4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示部の前方側を撮像する撮像手段と
該撮像手段による撮像映像に基づき、前記表示手段が前記指示受付画像を表示するように構成されていることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の表示装置。
【請求項7】
前記撮像手段による撮像画像に基づき、利用者の特定身体部位の位置を検出する身体検出手段を備え、
該身体検出手段の検出結果に基づき、前記表示手段が前記指示受付画像の表示位置を変更するように構成されている特徴とする請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記撮像手段による撮像画像に基づき、利用者の身体的特徴を検出する特徴検出手段を備え、
該特徴検出手段の検出結果に基づき、前記表示手段が前記指示受付画像の構成を変更するように構成されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記撮像手段による撮像映像に基づき、所定範囲内の利用者の有無を判定する判定手段を備え、
該判定手段の判定結果に基づき、前記表示手段が前記指示受付画像を表示するように構成されていることを特徴とする請求項6から8の何れかに記載の表示装置。
【請求項10】
前記身体検出手段は、所定の時間間隔で利用者の特定身体部位の位置を検出するように構成されていることを特徴とする請求項7に記載の表示装置。
【請求項11】
前記範囲変更手段は、前記身体検出手段の検出結果に基づき、前記表示部の表示画面の前記所定範囲を変更するように構成されていることを特徴とする請求項7又は10に記載の表示装置。
【請求項12】
前記表示部は複数のサブ表示部からなり、
一部のサブ表示部が前記位置指定受付手段を備えるように構成されていることを特徴とする請求項3から11の何れかに記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−103800(P2012−103800A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−250000(P2010−250000)
【出願日】平成22年11月8日(2010.11.8)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】