説明

表示装置

【課題】非点灯時の装飾性を高めることができる。
【解決手段】遮光部21と開口部22とが交互に配列されパララックスバリアを形成するマスク20と、このマスク20の裏面側に設けられた特定の表示画像を形成する画像形成部11とを具備し、マスク20における遮光部21の表面側が鏡面処理層21aとされている表示装置10を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイなどに用いられる表示装置に関し、詳しくは画像が立体視可能に表示される表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像を裸眼で立体視可能に表示する立体視表示方式として、パララックスバリア方式やレンズアレイ方式といった視差を利用した方式が知られている。このうちパララックスバリア方式は、遮光部と開口部が交互かつ所定の繰り返しピッチで並んだマスクを用い(パララックスバリア)、その背後に複数の視点ごとの画像を分割して、上記繰り返しピッチで並べた画像を配置し、視差を利用して視点ごとに異なる画像が見えるようにしたものである。なお、視点ごとの画像を並べた画像(以下、分割画像ともいう)は、通常、印刷画像か液晶表示画面上の表示画像として形成される。
【0003】
パララックスバリア方式においては、分割画像とマスクとを一定の距離だけ離して設ける必要がある。例えば図6に示すように、分割画像としての印刷画像112を印刷ベース111に形成した画像形成シート110を用い、この画像形成シート110とマスク120の間に一定厚みのスペーサ130を挟み込む手法が採用できる。あるいは例えば、スペーサ130裏面に直接画像を印刷する手法なども採用できる。マスク120としては、例えば、透明シートの印刷ベース121に黒色の遮光インクの印刷によって一定の繰り返しピッチの遮光部122を形成したものが採用される。
【0004】
このような印刷画像を用いる立体視表示方式としては、例えば、図6の例のように、画像形成シート110の背後から光を照射するバックライト140を組み込んだ内照式のものが知られている。なお、図6において、符号141は光源、142は反射板である。
また、印刷によらずに特定の画像を表示する立体視表示方式としては、例えば、切削やレーザ加工、その他成形によって導光板に凹凸の加工を施し、この凹凸で導光板を伝播した光を反射散乱させ、この反射散乱光がなすパターンを画像として表示させるものがある(例えば特許文献1)。この導光板を用いる立体視表示方式では、一定の厚みを持つ導光板を前記スペーサとして機能させて、専用部材を省いた構成とすることも可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−295117号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、パララックスバリア方式においては、遮光性確保のため、通常、マスクを黒色印刷によって形成する。しかしながら、バックライトや導光板の光源を点灯しない非点灯時には、観察者のいる表面側からは、黒色のマスク面と暗い画像が見えるだけの状態であり、装飾性に欠けていた。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、非点灯時の装飾性を高めることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するべく、以下の構成を提供する。
本発明は、遮光部と開口部とが交互に配列されパララックスバリアを形成するマスクと、このマスクの裏面側に設けられた特定の表示画像を形成する画像形成部とを具備し、前記マスクにおける前記遮光部の表面側が鏡面処理層であることを特徴とする表示装置を提供する。
また、本発明は、前記マスクにおける前記遮光部の裏面側が無反射処理層であることを特徴とする表示装置を提供する。
また、本発明は、前記画像形成部が、前記マスクの裏面側に配置した導光板と、この導光板にその端面から光を入射させる光源とを具備し、前記導光板が、前記光源から前記導光板に入射された入射光を反射、散乱させて導光板表面からマスクに向けて出射させる反射散乱部を有し、前記画像形成部が、前記導光板の反射散乱部からの反射散乱光がなす所定のパターンを表示画像として形成することを特徴とする表示装置を提供する。
また、本発明は、前記鏡面処理層がめっき又は蒸着により形成した金属層であることを特徴とする表示装置を提供する。
また、本発明は、前記マスクの前記遮光部のうち、鏡面処理層を形成した部分以外の部分が、表面側から特定の色で彩色されていることを特徴とする表示装置を提供する。
また、本発明は、前記マスクでは、遮光部に対する開口部の割合が30%以下であることを特徴とする表示装置を提供する。
また、本発明は、前記導光板の裏面に、前記反射散乱部として前記光源からの光を反射する反射面を有するドット状の切り欠きであるドット状反射部を複数設け、前記ドット状反射部の反射面は、前記導光板の裏面に対して40〜60度の角度で光源側に傾斜して形成されていることを特徴とする表示装置を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の表示装置によれば、非点灯時の装飾性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る第1実施形態の表示装置の縦断面図である。
【図2】図1の表示装置の平面図である。
【図3】装置表面を形成する表層部(表面形成積層体)として、ベースフィルム片面に鏡面処理層である遮光部からなるマスクが形成され、マスク裏面に無反射処理層が形成されていないものを採用した構成の表示装置の縦断面図である。
【図4】反射散乱部として凹凸加工部を形成した導光板を採用した表示装置を示す縦断面図である。
【図5】本発明に係る第2実施形態の表示装置の縦断面図である。
【図6】従来のバックライト内照式の表示装置を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態に係る表示装置について図面を参照して説明する。
【0012】
(第1実施形態)
図1、図2に示すように、本発明の第1実施形態である表示装置10は、導光板を用いたパララックスバリア方式の表示装置であって、導光板11と、この導光板11にその外周の端面から光を入射するための光源12と、前記導光板11の表面11a側に配置されパララックスバリアを形成するマスク20とを具備する概略構成となっている。
そして、この表示装置10は、前記導光板11に前記光源12から入射された入射光を反射、散乱させて導光板表面11aからマスク20に向けて出射させる凹凸(凹部及び/又は凸部)である反射散乱部13が形成されており、前記入射光を反射散乱部13にて反射、散乱させ導光板11からマスク20側に出射させた光(反射散乱光)によって、画像を観察者側であるマスク20表面側(図1上側、図2紙面手前側。詳細には後述の表面形成積層体19の表面側)から立体視可能に表示するものである。
【0013】
前記表示装置10は前記光源12として発光ダイオード14(発光素子。以下、LEDとも言う。LED:Light Emitting Diode)を採用している。
図1、図2に例示した表示装置10は、矩形板状の導光板11の外周の4端面のひとつ(図2において符号11cの端面)に沿って延在する細長ケース15aの長手方向の複数箇所にLED14を収納してなる光源ユニット15と、この光源ユニット15のLED14に給電して点灯させる給電装置16をも含む。
前記光源ユニット15は、前記細長ケース15aの導光板11側の開口から前記LED14の出射光を導光板11に入射する。導光板11には前記端面11c(以下、入射端面とも言う)からLED14の出射光が入射される。
給電装置16は、例えば商用電力を直流電力に変換してLED14に給電するためのAC/DCコンバータ等の不図示の電力変換回路を内蔵するものであるが、本発明に係る表示装置は直流電源からLED14に直接給電する構成も採用可能である。
【0014】
なお、光源12としてはLED14に限定されず、例えば蛍光灯、冷陰極管、白熱電球等も採用可能である。
また、導光板11はその外周に、前記光源12からの出射光を入射するための端面を有する構成であれば良く、上述のように矩形状のものに限定されず、その形状に特には限定は無い。
【0015】
導光板11は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、シクロポリオレフィン樹脂等の合成樹脂材料を用いて透明な板形状に形成されている。導光板11は、表面11a側から背景を透かして見ることができる程度の光透過性を有することが好ましい。
【0016】
なお、本発明において、透明であるとは、導光板裏面11b側に形成された反射散乱部13からの反射散乱光をマスク20表面側(詳細には後述の表面形成積層体19の表面側)から視認できる程度の光透過性をもつことをいう。この定義は本発明において共通に用いられる。
【0017】
図1に示すように、図示例の表示装置10にあっては、導光板11の反射散乱部13として、導光板11の裏面11b側に形成された断面視V字状の切り欠き(断面略三角形状の凹状の切り欠き)であるドット状反射部17を採用している。ドット状反射部17は、対向する2面のうちの一方が前記入射端面11cに向かって前側、前記2面の他方が後側に配置されるように形成されており、前側(入射端面11c側)の面が、前記光源12から導光板11に入射された入射光を導光板表面11a側に反射(散乱も生じる)して導光板表面11aから出射させる反射面17aとされている。
【0018】
ドット状反射部17は、導光板11の裏面11bから表面11aに向けて導光板11の板厚寸法Tよりも小さい高さ寸法γで内部に内側空間を有して凹設されている。そして、ドット状反射部17は、その内側の空気と導光板11との屈折率差によって光源12からの入射光を反射面17aによって導光板表面11a側に反射、散乱させる。
【0019】
反射面17aは、導光板裏面11bから表面11a側に行くに従って入射端面11cから離隔する、導光板裏面11bに対して傾斜された面である。
反射面17aは、導光板裏面11bに対して傾斜角度α(導光板裏面11bの前記反射面17aから後側に位置する部分に対する傾斜角度)が40度以上60度以下となるように光源12側に傾斜して形成されている。これにより、ドット状反射部17の反射面17aに高い反射効率を確保でき、反射光の視認性を高めることができる。また、前記傾斜角度αは50度以上55度以下であることがさらに好ましい。
【0020】
また、前記反射面17aは平滑な平坦面とされている。このことも、反射面17aにおける光の反射効率の向上に有効に寄与する。
【0021】
上述のドット状反射部17であれば、少ない平面視の面積(導光板裏面11bに占める形成面積が小さい)でも効率的に光を反射することができるので、微細な表現でもより明るい画像を表示することが可能となる。
【0022】
なお、導光板11に形成する反射散乱部13としては、上述のドット状反射部17に限定されず、例えば図4に例示するように、導光板裏面11b側の複数箇所に例えばレーザ加工、サンドブラスト等によって形成した凹凸加工部18や、シボ加工部等であっても良い。
また、反射散乱部は、光源12から導光板11に入射された入射光を導光板表面11a側に反射、散乱させ、導光板表面11aから出射させることが可能な構成であれば良く、導光板表面11a側の複数箇所に形成しても良い。
【0023】
図1に示すように、前記マスク20は、具体的には、透明のベースフィルム23の片面に形成された遮光部21とスリット状の開口部22とが交互に配列された構成となっている。前記開口部22は例えば30〜100μm程度のスリット幅で互いに平行に形成されている。図2に示すように、前記遮光部21は前記開口部22を介してストライプ状をなすように互いに平行に形成されている。なお、図2は、ベースフィルム23を透視して示した図である。
【0024】
前記遮光部21の表面側は、鏡面処理層21aである。該鏡面処理層21aは、めっき又は蒸着により形成した金属層であり、遮光性を有している。遮光部21の前記ベースフィルム23に被着されている表面は鏡面を形成している。
なお、鏡面処理層21aは、金属めっき層、金属蒸着層以外、例えば、金属パウダーを混入分散したインクの印刷等によって形成しても良い。
【0025】
前記マスク20の裏面側は、各鏡面処理層21aに積層した無反射処理層21bであり、無反射処理されている。
図示例の表示装置10において前記無反射処理層21bは具体的には黒色インクの印刷によって形成した黒色無反射層(黒色印刷層)である。
前記無反射処理層21bは、導光板11側からの出射光がマスク20裏面にて反射して導光板11内の迷光を生じることを防ぐ機能を果たす。この無反射処理層21bは、マスク20の各遮光部21を構成する鏡面処理層21aの裏面全面を覆うように形成される。
また、マスク20の遮光部21の裏面側の無反射処理は、黒色印刷層である前記黒色無反射層の形成に限定されず、例えば金属蒸着等による無反射処理(いわゆる無反射蒸着)なども採用可能である。
【0026】
なお、図1においては、前記ベースフィルム23の片面に前記マスク20を形成した構成の表面形成積層体19を、前記無反射処理層21b側である裏面側が導光板11側となる向きで導光板11の表面11aに重ね合わせて配置した構成の表示装置10を例示しているが、表面形成積層体19は導光板11から離隔させて配置しても良い。また、表面形成積層体19と導光板11との間に透明板等のスペーサを介在配置しても良い。
表面形成積層体19は、前記ベースフィルム23側の面である表面が表示装置10の装置表面を形成するものであり、表示装置10の表層部(装置表層部)として機能する。
【0027】
この表示装置10にあっては、反射散乱部13が前記入射光を反射して導光板表面11aから出射させた出射光のうち、マスク20の開口部22を通過したもののみが表面形成積層体19表面側(装置表面側)に放射され、表面形成積層体19表面側(観察者側)にて視認される。
前記反射散乱部13は、導光板11の複数箇所(平面視複数箇所)に形成されており、その配列パターンによって、観察者側の複数の視点ごとの画像を分割してマスク20の開口部22のピッチで並べた画像を形成し、かつ観察者側から視差を利用して視点ごとに異なる画像が見えるように配列されている。
【0028】
この表示装置10にあっては、前記導光板11自体、さらに詳細には前記反射散乱部13の配列パターンが、本発明に係る画像形成部を構成する。
また、この表示装置10は、導光板11の反射散乱部13からの反射散乱光自体によって、観察者側に画像を立体視可能に表示する構成であるので、バックライトを使用する既述の内照式の表示装置に比べて非常に明るく鮮明な画像表示が可能である。
【0029】
この表示装置10によれば、光源12の点灯時には、装置表面側(観察者側)にて、導光板11の反射散乱部13からの反射散乱光によって立体視可能な画像を観察できる。また、光源12の非点灯時には、装置表面側から、透明のベースフィルム23を介して、マスク20の鏡面処理層21a(遮光部)表面が形成する鏡面が目視可能となる。このため、従来構成の表示装置と比べて、光源12の非点灯時の装飾性を良好にすることができる。
【0030】
マスク20の遮光部21に対する開口部22の割合は30%以下、より好ましくは10%以下であり、光源12の非点灯時には装置表面側から開口部22を観察者が視認することは困難である。このため、光源12の非点灯時(消灯時)には、マスク20の鏡面処理層21a(遮光部)表面が形成する鏡面が、実質的に開口部が存在しない滑らかな連続面に視認される。
光源12の非点灯時に装置表面側から連続する滑らかな鏡面に視認されるマスク20の鏡面処理層21a(遮光部)表面は、例えば前記マスク20の表面側全面が黒、青、赤等に彩色された彩色面である場合に比べて視覚的に奥行きを感じさせる。消灯状態の光源12を点灯させたときに表面形成積層体19の装置表面側から鏡面に見える部分から表面側に立体視可能な画像が出現することは、マスク20の表面側全面が黒、青、赤等に彩色された彩色面である場合に比べて観察者に意外感を与える。このため、画像出現の有無が観察者にとって認識しやすくなる。
【0031】
また、図2に示すように、この表示装置10は、表面形成積層体19に装置表面側から目視可能であり、特定の色で彩色された彩色部24を有しており、装置表面側(観察者側)から見て一部が前記彩色部24、他の部分が前記彩色部24が存在せず、マスク20の鏡面処理層21a(遮光部)表面が形成する鏡面を透明プラスチック製フィルムであるベースフィルム23を介して装置表面側から目視可能な領域(以下、鏡面視認可能部25とも言う)とされている。
前記彩色部24の形成は、光源12の非点灯時の装飾性を一層良好にすることに有効に寄与するものである。
【0032】
図示例の表示装置10は、装置表面側(観察者側)から見て、表面形成積層体19の中央部に前記鏡面視認可能部25が円形に確保され、該鏡面視認可能部25以外の部分全体が前記彩色部24とされている。
図示例の表面形成積層体19の前記彩色部24は、黒色以外の色のカラーインクの表面形成積層体19表面への塗布、印刷等によって形成された塗膜層によって構成されている。この彩色部24は、ここでは遮光性の塗膜であるが、透光性の着色塗膜を採用することも可能である。また、彩色部24としては塗膜層の他、例えば、表面形成積層体19表面をなすベースフィルム23表面に形成しためっき層(無電解めっき層)、蒸着膜などであっても良い。
また、この彩色部24は、光源12の非点灯時の装飾性を良好にするべく、文字、模様、図形のいずれかを形成するように設けられる。図2のように、円形の鏡面視認可能部25を確保する構成に限定されない。
【0033】
図2に例示した表示装置10は、表面形成積層体19の前記鏡面視認可能部25の裏面側のみならず、彩色部24が形成された部分の背後(裏面側)にも導光板11が存在し、導光板11の反射散乱部13からの反射散乱光によって前記鏡面視認可能部25のみならず、前記彩色部24が形成された部分の表面側にも立体視可能な画像表示が可能となっている。
【0034】
ところで、図3に示すように、本発明は、導光板11を適用した表示装置10Aとして、マスク20の遮光部21の裏面側に無反射処理層21bを設けず、遮光部21の鏡面処理層21aをマスク20の背後(裏面側)の導光板11に直接対面配置した構成も含む。
この表示装置10Aでは、前記遮光部21を構成する鏡面処理層21aが導光板11に対面配置され、導光板11の反射散乱部13からの反射散乱光が鏡面処理層21aの鏡面に照射可能になっている。このため、この表示装置10Aでは、光源12の点灯時に、導光板11の反射散乱部13にて反射散乱された光の一部がマスク20の鏡面処理層21aにて反射して導光板11に戻り、導光板11内で多重反射を繰り返して迷光(符号SLで示す)を生じやすい。これにより、この表示装置10Aでは、マスク20の鏡面処理層21a(遮光部)の裏面側に無反射処理層21bを設けた構成の表示装置10に比べて、コントラストの向上の点で不利である。
【0035】
これに対し、図1、図2に示した表示装置10では、マスク20の鏡面処理層21a(遮光部)の裏面側が無反射処理層21bによって覆われ無反射処理されているため、光源12の点灯時に、導光板11の反射散乱部13からの反射散乱光がマスク20の鏡面処理層21a裏面にて反射されることは無く、マスク20側から導光板11に再入射する光の発生を防止できるため、前記迷光を生ずることがない。このため、図3に例示した表示装置10Aに比べて、観察者側にて目視される画像のコントラストの向上を容易に実現できる。
【0036】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態の表示装置について説明する。なお、以下の第2実施形態において、上述した第1実施形態との共通部分には共通の符号を付し、説明を簡略化あるいは省略する。
【0037】
図5に示すように、本発明の第2実施形態の表示装置50は、表面形成積層体19の背後(裏面側)に、透明シートである印刷ベース51aに印刷によって所定の画像(分割画像)を形成する透光性印刷層51bを設けた構成の画像形成シート51(印刷物)と、この画像形成シート51の背後(裏面側)から該画像形成シート51に光を照射するバックライト52(光源)とを具備する内照式のパララックスバリア方式の表示装置である。
【0038】
また、図示例の表示装置50は具体的には、表面形成積層体19、画像形成シート51、バックライト52の他に、前記表面形成積層体19と画像形成シート51との間に介在された透明板であるスペーサ53、及び画像形成シート51の背後に設けられた反射板54も具備する構成となっている。
【0039】
前記バックライト52としては特に限定は無く、例えば蛍光灯、冷陰極管、白熱電球。LED等を採用できる。
また、前記バックライト52は、前記反射板54の表面側(画像形成シート51側)に配置されている。前記反射板54は前記バックライト52からの出射光のうち、前記バックライト52から装置裏面側に放射された光を反射して装置表面側(図5において表面形成積層体19の上側)に向ける機能を果たす。前記バックライト52は前記反射板54表面側の複数箇所に配置されている。
図示例の前記反射板54は折板状に形成されているが、反射板の形状としては折板状に限定されず、例えば平板状のもの等も採用可能である。
【0040】
この表示装置50にあっては、前記バックライト52から出射され画像形成シート51及びスペーサ53を透過し前記マスク20の開口部22を通過して表面形成積層体19表面側(装置表面側)に放射される光によって、装置表面側にて立体視可能な画像表示を実現できる。
バックライト52からの出射光は、画像形成シート51の透光性印刷層51bを透過することで、前記分割画像を装置表面側から目視可能に表示する。前記画像形成シート51、さらに詳細には前記透光性印刷層51bが、本発明に係る画像形成部として機能する。画像形成シート51の透光性印刷層51bが形成する前記分割画像は、例えば文字、記号、図形、模様のうちのいずれか1つ、あるいはこれらから選択される複数の組み合わせであることが好ましい。
【0041】
この実施形態の表示装置50においても、バックライト52(光源)の消灯時には、装置表面側から透明のベースフィルム23を介して、マスク20の鏡面処理層21a(遮光部)表面が形成する鏡面が目視可能であり、装飾性を良好にすることができる。
【0042】
なお、図5に示すように、この実施形態では、遮光部21の裏面側に無反射処理層21bを具備する表面形成積層体19を採用した構成の表示装置を例示したが、本発明はこの表示装置50の表面形成積層体19から無反射処理層21bを省略した表層部を具備する構成も含む。
【0043】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明の第1実施形態、第2実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
例えば、マスクとして、スリット状の開口部が形成されたものにかえて、孔状の開口部が複数形成された構成のものを採用することも可能である。
【符号の説明】
【0044】
10…表示装置、11…導光板(画像形成部)、12…光源、13…反射散乱部、14…光源(発光ダイオード)、17…反射散乱部(ドット状反射部)、17a…反射面、18…反射散乱部(凹凸加工部)、
19…表層部(表面形成積層体)、20…マスク、21…遮光部、21a…鏡面処理層、21b…無反射処理層(黒色無反射層)、22…開口部、23…ベースフィルム、24…彩色部、25…鏡面視認可能部、
50…表示装置、51…画像形成シート、51b…透光性印刷層(画像形成部)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遮光部と開口部とが交互に配列されパララックスバリアを形成するマスクと、このマスクの裏面側に設けられた特定の表示画像を形成する画像形成部とを具備し、
前記マスクにおける前記遮光部の表面側が鏡面処理層であることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記マスクにおける前記遮光部の裏面側が無反射処理層であることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記画像形成部は、前記マスクの裏面側に配置した導光板と、この導光板にその端面から光を入射させる光源とを具備し、
前記導光板は、前記光源から前記導光板に入射された入射光を反射、散乱させて導光板表面からマスクに向けて出射させる反射散乱部を有し、
前記画像形成部は、前記導光板の反射散乱部からの反射散乱光がなす所定のパターンを表示画像として形成することを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記鏡面処理層がめっき又は蒸着により形成した金属層であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記マスクの前記遮光部のうち、鏡面処理層を形成した部分以外の部分は、表面側から特定の色で彩色されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項6】
前記マスクでは、遮光部に対する開口部の割合が30%以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記導光板の裏面に、前記反射散乱部として前記光源からの光を反射する反射面を有するドット状の切り欠きであるドット状反射部を複数設け、
前記ドット状反射部の反射面は、前記導光板の裏面に対して40〜60度の角度で光源側に傾斜して形成されていることを特徴とする請求項3に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−118331(P2012−118331A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−268543(P2010−268543)
【出願日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】