説明

表示装置

【課題】色再現性と共に、発光効率を向上させる。
【解決手段】有機EL表示装置で、赤色層の表色範囲は、λpr≧3.93557E-03Wr2+1.07200E-01Wr+6.10199E+02であり、λpr≧610nmであればNTSC規格を満足し、緑色層の表色範囲は、3.33879E-03Wg2+3.03246E-02Wg+5.18496E+02≦λpg≦-5.09468E-03Wg2+4.45905E-02Wg+5.37887E+02、515nm≦λpg≦540nmであり、Wg<50nmであればNTSC規格を満足し、青色層の表色範囲は、-2.59294E-03Wb2+2.59334E-02Wb+4.64771E+02≦λpb≦-5.24375E-03Wb2+9.70218E-02Wb+4.71672E+02、450nm≦λpb≦480nmであり、Wb<70nmであればNTSC規格を満足する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関し、より詳しくは、平板表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、知られている平板表示装置としては、液晶表示装置(liquid crystal displayay:LCD)、プラズマ表示装置(plasma displaypanel:PDP)、有機発光表示装置(organic light emitting display:OLED)、電界効果表示装置(field effect display:FED)、電気泳動表示装置(eletrophoretic displaydevice)などがある。
【0003】
この中で有機発光表示装置は、2つの電極と、その間に位置する有機発光層とを含み、1つの電極から注入された電子(electron)と、他の電極から注入された正孔(hole)とが、有機発光層で結合して励起子(exciton)を形成し、励起子がエネルギーを放出しながら発光する。
【0004】
有機発光表示装置の表色範囲が、CIE(Comission International de l’Eclairage chromaticity)1931色座標系やCIE1976色座標系で、NTSC規格やsRGB規格の標準表色範囲を満足するか否かが、有機発光表示装置の色再現性の評価基準となる。
【0005】
特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4などに、有機発光表示装置の色再現性、発光スペクトルのピーク波長及び幅に対する内容は記載されているが、有機発光層の発光スペクトルの特性を利用して、有機発光表示装置の色再現性及び発光効率を同時に向上させられる条件及び方法に対する具体的な内容は記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開第2004−127563号公報
【特許文献2】特開第2004−227854号公報
【特許文献3】特開第2009−134906号公報
【特許文献4】特開第2009−500790号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記背景技術の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、色再現性及び発光効率を同時に向上させた表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係る表示装置は、基板、前記基板上に形成される第1電極、前記第1電極上に形成される赤色有機発光層、緑色有機発光層、及び青色有機発光層を含む有機発光層、並びに前記有機発光層上に形成される第2電極を含み、前記赤色有機発光層の発光スペクトルのピーク波長をλpr、スペクトル幅をWr、前記緑色有機発光層の発光スペクトルのピーク波長をλpg、スペクトル幅をWg、前記青色有機発光層の発光スペクトルのピーク波長をλpb、スペクトル幅をWbとするとき、前記赤色有機発光層の表色範囲は、λpr≧3.93557E−03Wr+1.07200E−01Wr+6.10199E+02であり、λpr≧610nmであれば、NTSC規格を満足し、前記緑色有機発光層の表色範囲は、3.33879E−03Wg+3.03246E−02Wg+5.18496E+02≦λpg≦−5.09468E−03Wg+4.45905E−02Wg+5.37887E+02であり、515nm≦λpg≦540nmであり、Wg<50nmであれば、NTSC規格を満足し、前記青色有機発光層の表色範囲は、−2.59294E−03Wb+2.59334E−02Wb+4.64771E+02≦λpb≦−5.24375E−03Wb+9.70218E−02Wb+4.71672E+02であり、450nm≦λpb≦480nmであり、Wb<70nmであれば、NTSC規格を満足し、前記赤色有機発光層、緑色有機発光層、及び青色有機発光層のうちの少なくとも1つは、前記NTSC規格を満足することができる。
【0009】
発光効率をNとするとき、N≦2.00825E−04Wr−3.22298E−02Wr−3.20433E−01Wr+2.17611E+02を満足することができる。
【0010】
1.67474E−03Wg+6.63925E−01Wg+3.51841E+02≦N≦−3.76770E−02Wg+9.27327E−02Wg+4.71869E+02を満足することができる。
【0011】
−1.81418E−05Wb+7.22825E−03Wb−5.25447E−02Wb+4.30597E+01≦N≦−1.24710E−04Wb+1.13588E−02Wb−9.99978E−02Wb+5.79470E+01を満足することができる。
【0012】
また、本発明の他の実施形態に係る表示装置は、基板、前記基板上に形成される第1電極、前記第1電極上に形成される赤色有機発光層、緑色有機発光層、及び青色有機発光層を含む有機発光層、並びに前記有機発光層上に形成される第2電極を含み、前記赤色有機発光層の発光スペクトルのピーク波長をλpr、スペクトル幅をWr、前記緑色有機発光層の発光スペクトルのピーク波長をλpg、スペクトル幅をWg、前記青色有機発光層の発光スペクトルのピーク波長をλpb、スペクトル幅をWbとするとき、前記赤色有機発光層の表色範囲は、λpr≧3.93557E−03Wr+1.07200E−01Wr+6.10199E+02であり、λpr≧610nmであれば、NTSC規格を満足し、前記緑色有機発光層の表色範囲は3.33879E−03Wg+3.03246E−02Wg+5.18496E+02≦λpg≦−5.09468E−03Wg+4.45905E−02Wg+5.37887E+02であり、515nm≦λpg≦540nmであり、Wg<50nmであれば、NTSC規格を満足し、前記青色有機発光層の表色範囲は、−2.59294E−03Wb+2.59334E−02Wb+4.64771E+02≦λpb≦−6.83799E−05Wb+5.65420E−04Wb−8.40121E−02Wb+4.68232E+02であり、460nm≦λpb≦470nmであり、Wb<40nmであれば、NTSC規格及びsRGB規格を満足し、前記赤色有機発光層、緑色有機発光層、及び青色有機発光層のうちの少なくとも1つは、前記NTSC規格を満足するか、またはNTSC規格及びsRGB規格を満足することができる。
【0013】
また、本発明の他の実施形態に係る表示装置は、基板、前記基板上に形成される第1電極、前記第1電極上に形成される赤色有機発光層、緑色有機発光層、及び青色有機発光層を含む有機発光層、並びに前記有機発光層上に形成される第2電極を含み、前記赤色有機発光層の発光スペクトルのピーク波長をλpr、発光スペクトルの幅をWr、前記緑色有機発光層の発光スペクトルのピーク波長をλpg、発光スペクトルの幅をWg、前記青色有機発光層の発光スペクトルのピーク波長をλpb、発光スペクトルの幅をWbとするとき、前記赤色有機発光層の表色範囲は、λpr≧3.72604E−03Wr+8.35845E−01Wr+6.07097E+02であり、λpr≧605nmであれ、sRGB規格を満足し、前記緑色有機発光層の表色範囲は、2.75023E−03Wg+9.61132E−03Wg+5.14566E+02≦λpg≦−3.05147E−03Wg+4.10247E−03Wg+5.52619E+02であり、510nm≦λpg≦555nmであり、Wg<80nmであれば、sRGB規格を満足し、前記青色有機発光層の表色範囲は−3.68126E−05Wb−1.81334E−03Wb−2.99417E−03Wb+4.61104E+02≦λpb≦−6.83799E−05Wb+5.65420E−04Wb−8.40121E−02Wb+4.68232E+02であり、430nm≦λpb≦470nmであり、Wb<80nmであれば、sRGB規格を満足し、前記赤色有機発光層、緑色有機発光層、及び青色有機発光層のうちの少なくとも1つは、前記sRGB規格を満足することができる。
【0014】
N≦2.00641E−04Wr−3.39506E−02Wr−1.74361E−01Wr+2.36449E+02を満足することができる。
1.67474E−03Wg+6.63925E−01Wg+3.51841E+02≦N≦−3.76770E−02Wg+9.27327E−02Wg+4.71869E+02を満足することができる。
【0015】
−6.35427E−05Wb+6.22130E−03Wb−6.94293E−02Wb+3.71279E+01≦N≦−1.09978E−04Wb+8.57988E−03Wb−1.13843E−01Wb+4.84272E+01を満足することができる。
【0016】
また、本発明の他の実施形態に係る表示装置は、基板、前記基板上に形成される第1電極、前記第1電極上に形成される赤色有機発光層、緑色有機発光層、及び青色有機発光層を含む有機発光層、前記有機発光層上に形成される第2電極を含み、前記赤色有機発光層の発光スペクトルのピーク波長をλpr、発光スペクトルの幅をWr、前記緑色有機発光層の発光スペクトルのピーク波長をλpg、発光スペクトルの幅をWg、前記青色有機発光層の発光スペクトルのピーク波長をλpb、発光スペクトルの幅をWbとするとき、前記赤色有機発光層の表色範囲は、λpr≧3.72604E−03Wr+8.35845E−01Wr+6.07097E+02であり、λpr≧605nmであれば、sRGB規格を満足し、前記緑色有機発光層の表色範囲は、2.75023E−03Wg+9.61132E−03Wg+5.14566E+02≦λpg≦−3.05147E−03Wg+4.10247E−03Wg+5.52619E+02であり、510nm≦λpg≦555nmであり、Wg<80nmであれば、sRGB規格を満足し、前記青色有機発光層の表色範囲は、−2.59294E−03Wb+2.59334E−02Wb+4.64771E+02≦λpb≦−6.83799E−05Wb+5.65420E−04Wb−8.40121E−02Wb+4.68232E+02であり、460nm≦λpb≦470nmであり、Wb<40nmであれば、NTSC規格及びsRGB規格を満足し、前記赤色有機発光層、緑色有機発光層、及び青色有機発光層のうちの少なくとも1つは、前記sRGB規格を満足するか、またはNTSC規格及びsRGB規格を満足することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、発光スペクトルのピーク波長とスペクトル幅とが所定条件を満足する有機発光層を形成することによって、表示装置の表色範囲がNTSC規格またはsRGB規格を満足するようにして、色再現性を向上させると共に、発光効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施形態に係る有機発光表示装置の配置図である。
【図2】図1の有機発光表示装置のII−II線に沿った断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る有機発光表示装置の発光スペクトルのピーク波長とスペクトル幅との関係を示したCIE1931表色系である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る有機発光表示装置の赤色発光スペクトルのピーク波長とスペクトル幅との関係を拡大図示したCIE1931表色系である。
【図5】表1及び表2に表われたNTSC規格及びsRGB規格における赤色発光スペクトルのピーク波長とスペクトル幅との関係を示したグラフである。
【図6】図5のグラフに発光効率(N)の等高線を示したグラフである。
【図7】本発明の第1実施形態に係る有機発光表示装置の発光スペクトルのスペクトル幅及びピーク波長と発光効率との関係を表わしたグラフである。
【図8】本発明の第2実施形態による有機発光表示装置の緑色発光スペクトルのピーク波長とスペクトル幅との関係を拡大図示したCIE1931表色系である。
【図9】表7及び表8に表したNTSC規格及びsRGB規格における緑色発光スペクトルのピーク波長とスペクトル幅との関係を示すグラフである。
【図10】図9のグラフに発光効率(N)の等高線を示したグラフである。
【図11】本発明の第2実施形態による有機発光表示装置の発光スペクトルのスペクトル幅及びピーク波長と発光効率との関係を示したグラフである。
【図12】本発明の第3実施形態に係る有機発光表示装置の青色発光スペクトルのピーク波長とスペクトル幅との関係を拡大図示したCIE1931表色系である。
【図13】表13及び表14に表われたNTSC規格及びsRGB規格における青色発光スペクトルのピーク波長とスペクトル幅との関係を示すグラフである。
【図14】図13のグラフに発光効率(N)の等高線を示したグラフである。
【図15】本発明の第3実施形態に係る有機発光表示装置の発光スペクトルのスペクトル幅及びピーク波長と発光効率との関係を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付した図面を参照して、本発明の種々の実施形態について、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は種々の相異なる形態に実現でき、ここで説明する実施形態に限られない。
【0020】
また、図面における各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜のために任意で示したものであり、本発明が必ずしも示されたものに限られることではない。
【0021】
それでは、本発明の第1実施形態に係る有機発光表示装置について、図1及び図2を参照して詳細に説明する。
【0022】
図1は本発明の第1実施形態に係る有機発光表示装置の配置図であり、図2は、図1の有機発光表示装置をII−II線に沿った断面図である。
【0023】
図1及び図2に示したように、表示基板110は、1つの画素ごとにそれぞれ形成されたスイッチング薄膜トランジスタ10、駆動薄膜トランジスタ20、蓄電素子80、及び有機発光素子70を含む。表示基板110は、一方向に沿って配置されるゲートライン151、ゲートライン151と絶縁交差するデータライン171、及び共通電源ライン172をさらに含む。ここで、1つの画素は、ゲートライン151、データライン171、及び共通電源ライン172を境界と定義されるが、必ずしもこれに限定されることではない。
【0024】
有機発光素子70は、第1電極710、第1電極710上に形成された有機発光層720、及び有機発光層720上に形成された第2電極730を含む。ここで、第1電極710は正孔注入電極である陽(+)極であり、第2電極730は電子注入電極である陰(−)極となる。第1電極710及び第2電極730からそれぞれ正孔と電子とが有機発光層720の内部に注入される。注入された正孔と電子とが結合した励起子(exciton)が励起状態から基底状態に落ちるとき、発光が行われる。
【0025】
蓄電素子80は、層間絶縁膜160を介在して配置された第1蓄電板158と第2蓄電板178とを含む。ここで、層間絶縁膜160は誘電体となる。蓄電素子80で蓄電された電荷と両蓄電板158、178の間の電圧によって、蓄電容量が決定される。
【0026】
スイッチング薄膜トランジスタ10は、スイッチング半導体層131、スイッチングゲート電極152、スイッチングソース電極173、及びスイッチングドレイン電極174を含み、駆動薄膜トランジスタ20は、駆動半導体層132、駆動ゲート電極155、駆動ソース電極176、及び駆動ドレイン電極177を含む。
【0027】
スイッチング薄膜トランジスタ10は、発光しようとする画素を選択するスイッチング素子として使用される。スイッチングゲート電極152はゲートライン151に接続される。スイッチングソース電極173はデータライン171に接続される。スイッチングドレイン電極174はスイッチングソース電極173から離隔配置され、第1蓄電板158と接続される。
【0028】
駆動薄膜トランジスタ20は、選択された画素内の有機発光素子70の有機発光層720を発光させるための駆動電源を第1電極710に印加する。駆動ゲート電極155は第1蓄電板158と接続される。駆動ソース電極176及び第2蓄電板178はそれぞれ共通電源ライン172と接続される。駆動ドレイン電極177は、電極コンタクトホール(contact hole)182によって有機発光素子70の第1電極710と接続される。
【0029】
このような構造により、スイッチング薄膜トランジスタ10はゲートライン151に印加されるゲート電圧によって作動して、データライン171に印加されるデータ電圧を駆動薄膜トランジスタ20に伝達する役割を果たす。共通電源ライン172から駆動薄膜トランジスタ20に印加される共通電圧と、スイッチング薄膜トランジスタ10から伝達されるデータ電圧との差に相当する電圧が蓄電素子80に保存され、蓄電素子80に保存された電圧に対応する電流が駆動薄膜トランジスタ20を通じて有機発光素子70に流れて、有機発光素子70が発光するようになる。
【0030】
以下、図4を参照して本発明の一実施形態に係る有機発光表示装置の構造について、積層順序に従って具体的に説明する。
【0031】
表示基板110をなす第1基板部材111は、ガラス、石英、セラミック、プラスチックなどからなる絶縁性基板で形成される。第1基板部材111の上にバッファ層120が形成される。バッファ層120は、不純元素の浸透を防止し、表面を平坦化する役割を果たすもので、このような役割を果たせる多様な物質で形成することができる。バッファ層120の上には駆動半導体層132が形成される。駆動半導体層132は多結晶シリコン膜で形成される。また、駆動半導体層132は、不純物がドーピングされないチャネル領域135と、チャネル領域135の両側にp+ドーピングされて形成されたソース領域136及びドレイン領域137を含む。駆動半導体層132の上には窒化ケイ素(SiNx)または酸化ケイ素(SiO)などで形成されたゲート絶縁膜140が形成される。ゲート絶縁膜140の上に駆動ゲート電極155を含むゲート配線が形成される。また、ゲート配線は、ゲートライン151、第1蓄電板158、及びその他の配線をさらに含む。駆動ゲート電極155は、駆動半導体層132の少なくとも一部、特にチャネル領域135と重畳するように形成される。
【0032】
ゲート絶縁膜140上には、駆動ゲート電極155を覆う層間絶縁膜160が形成される。ゲート絶縁膜140及び層間絶縁膜160は、駆動半導体層132のソース領域136及びドレイン領域137を露出する複数の貫通孔を共に有する。層間絶縁膜160は、ゲート絶縁膜140と同様に、窒化ケイ素(SiNx)または酸化ケイ素(SiO)などのセラミック(ceramic)系の素材を用いて作られる。
【0033】
層間絶縁膜160の上には駆動ソース電極176及び駆動ドレイン電極177を含むデータ配線が形成される。また、データ配線は、データライン171、共通電源ライン172、第2蓄電板178、及びその他の配線をさらに含む。駆動ソース電極176及び駆動ドレイン電極177は、それぞれ層間絶縁膜160及びゲート絶縁膜140に形成された複数の貫通孔によって駆動半導体層132のソース領域136及びドレイン領域137と接続される。
【0034】
このように、駆動半導体層132、駆動ゲート電極155、駆動ソース電極176、及び駆動ドレイン電極177を含む駆動薄膜トランジスタ20が形成される。駆動薄膜トランジスタ20の構成は、上述した例に限定されず、当該技術分野の専門家が容易に実施できる公知された構成で多様に変形することができる。
【0035】
層間絶縁膜160上にはデータ配線172、176、177、178を覆う平坦化膜180が形成される。平坦化膜180は、その上に形成される有機発光素子70の発光効率を上げるために、段差をなくして平坦化させる役割を果たす。また、平坦化膜180はドレイン電極177の一部を露出させる電極コンタクトホール182を有する。
【0036】
平坦化膜180の上には有機発光素子70の第1電極710が形成される。つまり、有機発光表示装置100は複数の画素ごとにそれぞれ配置された複数の第1電極710を含む。このとき、複数の第1電極710は互いに離隔配置される。第1電極710は平坦化膜180の電極コンタクトホール182を通じてドレイン電極177と接続される。
【0037】
また、平坦化膜180の上には第1電極710を露出する開口部を有する画素定義膜190が形成される。つまり、画素定義膜190は各画素ごとに形成された複数の開口部を有する。第1電極710は画素定義膜190の開口部に対応するように配置される。第1電極710の上には有機発光層720が形成され、有機発光層720上には第2電極730が形成される。このように、第1電極710、有機発光層720、及び第2電極730を含む有機発光素子70が形成される。
【0038】
有機発光層720は低分子有機物または高分子有機物からなる。また、有機発光層720は、発光層と、正孔注入層(hole−injection layer、HIL)、正孔輸送層(hole−transporting layer、HTL)、電子輸送層(electron−transporting layer、ETL)、及び電子注入層(electron−injection layer、EIL)のうちのいずれか1つ以上を含む多重膜に形成することができる。これら全てを含む場合、正孔注入層が陽極である第1電極710上に配置され、その上に正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層が順次に積層される。
【0039】
第1電極710と第2電極730はそれぞれ透明な導電性物質で形成してもよく、半透過型または反射型導電性物質で形成してもよい。第1電極710及び第2電極730を形成する物質の種類によって、有機発光表示装置100は、前面発光型、背面発光型、または両面発光型とすることができる。
【0040】
第2電極730の上には封止基板210が表示基板110に対して対向配置される。封止基板210は、有機発光素子が形成された表示基板110において、少なくとも表示領域(DA)を封止する基板であって、前面発光型または両面発光型の場合、ガラスまたはプラスチックなどの透明な材質で形成され、背面発光型の場合、金属などの不透明な材質で形成される。このような封止基板210は板状を有する。
【0041】
上記で、有機発光層720は、赤色有機発光層720R、緑色有機発光層720G、及び青色有機発光層720Bを含む。
【0042】
赤色有機発光層の赤色発光スペクトルのピーク波長(peak wavelength)をλpr、スペクトル幅(FWHM)をWrと定義するとき、NTSC規格を満足する赤色有機発光層の赤色発光スペクトルのピーク波長(λpr)は、次の数式1の通りである。
【0043】
[数式1]
λpr≧3.93557E−03Wr+1.07200E−01Wr+6.10199E+02
λpr≧610nm
【0044】
以下に、図3乃至図5を参照して、数式1について詳細に説明する。
【0045】
図3は、本発明の第1実施形態に係る有機発光表示装置の発光スペクトルのピーク波長とスペクトル幅との関係を示したCIE1931表色系である。
【0046】
図3には、NTSC規格とsRGB規格の標準表色範囲を表す三角形を示したCIE1931表色系が示されている。
【0047】
図3において、有機発光層の表色範囲がNTSC規格やsRGB規格の標準表色範囲を満足するためには、それぞれの規格で2つの標準色を連結して生じる3つの直線のうちの2つと、単一波長の発光に相当する外周部の曲線によって囲まれた領域に、有機発光層の実際発光色の座標が位置しなければならない。
【0048】
図4は、本発明の第1実施形態に係る有機発光表示装置の赤色発光スペクトルのピーク波長とスペクトル幅との関係を拡大図示したCIE1931表色系である。
【0049】
図4には、赤色発光スペクトルのピーク波長が600nm、610nm、620nm、630nmである場合に対して、スペクトル幅を5nmから100nmまで、5nm間隔で変化させたとき、赤色の色座標が変化することを示した。
【0050】
図4に示したように、赤色色座標は赤色発光スペクトルのピーク波長や幅を変更する場合、単一波長を連結した線上を移動する。つまり、スペクトル幅が増加することによって、赤色の色座標は矢印方向に移動する。
【0051】
表1には赤色の色座標がNTSC規格の赤色に最も近くなるピーク波長を表し、表2にはsRGB規格の青色と赤色を連結した直線を赤色側に延長したとき、単一波長の色座標を連結した曲線と交差する点に最も近くなるときのピーク波長を表した。
【0052】
【表1】

【0053】
【表2】

【0054】
図5は、表1及び表2に表したNTSC規格及びsRGB規格における赤色発光スペクトルのピーク波長とスペクトル幅との関係を示すグラフである。
【0055】
図5には、赤色の標準表色範囲を満足しながら表色範囲を最大限拡大させられるピーク波長とスペクトル幅の範囲が示されている。
【0056】
図5に示したように、NTSC波長境界線上及びNTSC波長境界線より左側のスペクトル幅が狭い領域が、NTSC規格を満足する赤色の表色範囲であり、sRGB波長境界線上及びsRGB波長境界線より左側のスペクトル幅が狭い領域が、sRGB規格を満足する赤色の表色範囲である。
【0057】
そして、ピーク波長とスペクトル幅との関係に関するNTSC波長境界線は、次の数式2の近似式を利用して表される。
【0058】
[数式2]
λpr=C(4)Wr+C(3)Wr+C(2)Wr+C(1)Wr+C(0)
【0059】
ここで、C(0)〜C(4)は係数を表し、4次近似式、3次近似式、及び2次近似式に対する各係数及び相関係数を下記の表3に表した。
【0060】
【表3】

【0061】
表3に表したように、近似式の次数が高ければ、NTSC波長境界線と近似式とが一致する程度が高くなるが、2次近似式も図5のNTSC波長境界線をよく表している。
【0062】
このように、発光スペクトルのピーク波長が610nmより長波長である領域にありながら、発光スペクトルのピーク波長とスペクトル幅との関係を2次近似式に表した数式1の条件を満足する赤色有機発光層を形成することによって、有機発光表示装置の赤色の表色範囲がNTSC規格を満足するようにして、色再現性を向上させることができる。
【0063】
一方、前記本発明の第1実施形態に係る有機発光表示装置がNTSC規格を満足したが、sRGB規格を満足するように形成することもできる。
【0064】
ピーク波長とスペクトル幅との関係に関するsRGB波長境界線の4次近似式、3次近似式、及び2次近似式に対する各係数及び相関係数を、下記の表4に表した。
【0065】
【表4】

表4に表したように、近似式の次数が高ければ、sRGB波長境界線と近似式とが一致する程度が高まるか、2次近似式も図5のsRGB波長境界線をよく表している。
【0066】
したがって、sRGB規格を満足する赤色有機発光層の赤色発光スペクトルのピーク波長(λpr)は、次の数式3の通りである。
【0067】
[数式3]
λpr≧3.72604E−03Wr+8.35845E−01Wr+6.07097E+02
λpr≧605nm
【0068】
このように、発光スペクトルのピーク波長が605nmより長波長である領域にありながら、発光スペクトルのピーク波長とスペクトル幅との関係を2次近似式に表した数式3の条件を満足する赤色有機発光層を形成することによって、有機発光表示装置の赤色の表色範囲がsRGB規格を満足するようにして、色再現性を向上させることができる。
【0069】
一方、有機発光表示装置の発光効率は、発光面が完全拡散面(Lambertian)であるという仮定下で、各波長(λ)における光速(LF、luminous flux)の合計に1/πをかけた値と定義され、その単位はcd/Aである。
【0070】
各波長(λ)における光速(LF)は、次の数式4によって求められる。
【0071】
【数1】

【0072】
ここで、eは電子の電荷値であり、hはプランク定数であり、cは光速であり、I(λ)は波長(λ)における光子数であって、実験的に発光スペクトルの大きさで求め、{I(λ)}は全体光子数であって、実験的に発光スペクトル全体の面積で求め、K(λ)sはCIE1931表色系に規定されている視感度関数の波長(λ)における値である。
【0073】
図6は、図5のグラフに発光効率(N)の等高線を示したグラフである。
【0074】
図6に示したように、本発明の一実施形態に係る有機発光表示装置の発光効率は、ピーク波長が短波長になるほど増加するが、スペクトル幅に対する依存性は少ない。しかし、NTSC波長境界線及びsRGB波長境界線が、図6の左側の下から右側の上にかけて横切っているため、発光効率を最大化するためにスペクトル幅を狭くするのが好ましい。これは、光微小共振器構造などを利用してスペクトル幅を狭くすることができる。
【0075】
図7は、本発明の第1実施形態に係る有機発光表示装置の発光スペクトルのスペクトル幅及びピーク波長と発光効率との関係を示したグラフである。
【0076】
図7に示したように、NTSC効率境界線上及びNTSC効率境界線より左側のスペクトル幅が狭い領域が、NTSC規格を満足しながら発光効率を最大化できるスペクトル幅及びピーク波長の範囲であり、sRGB効率境界線上及びsRGB効率境界線より左側のスペクトル幅が狭い領域が、sRGB規格を満足しながら発光効率を最大化できるスペクトル幅及びピーク波長の範囲である。例えば、発光効率を150cd/Aより大きくするためには、ピーク波長は635nmより狭くならなければならず、スペクトル幅は60nmより狭くならなければならないことが分かる。
【0077】
そして、スペクトル幅及びピーク波長と発光効率との関係に関するNTSC効率境界線は、次の数式5の近似式を利用して表すことができる。
【0078】
[数式5]
N=C(4)Wr+C(3)Wr+C(2)Wr+C(1)Wr+C(0)
【0079】
ここで、C(0)〜C(4)は係数を表し、4次近似式、3次近似式、及び2次近似式に対する各係数及び相関係数を、下記の表5に表した。
【0080】
【表5】

【0081】
表5に表したように、近似式の次数が高いほど、NTSC効率境界線と近似式とが一致する程度が高まるが、3次近似式も図7のNTSC効率境界線をよく表している。
【0082】
したがって、NTSC規格を満足する有機発光表示装置の発光効率(N)の最大値は、次の数式6の通りである。
【0083】
[数式6]
N≦2.00825E−04Wr−3.22298E−02Wr−3.20433E−01Wr+2.17611E+02
【0084】
このように、発光スペクトルのピーク波長及びスペクトル幅と発光効率との関係を3次近似式に表した数式6の条件を満足する赤色有機発光層を形成することによって、有機発光表示装置の赤色の表色範囲がNTSC規格を満足するようにして、色再現性を向上させると共に、有機発光表示装置の発光効率を向上させることができる。
【0085】
一方、上記では、NTSC規格を満足しながら発光効率を最大化できる本発明の第1実施形態に係る有機発光表示装置を記載したが、sRGB規格を満足しながら発光効率を最大化することもできる。
【0086】
発光スペクトルのピーク波長及びスペクトル幅と発光効率との関係に関するsRGB効率境界線の4次近似式、3次近似式、及び2次近似式に対する各係数及び相関係数を、下記の表6に表した。
【0087】
【表6】

【0088】
表6に表したように、近似式の次数が高いほど、sRGB効率境界線と近似式とが一致する程度が高まるが、3次近似式も図7のsRGB効率境界線をよく表している。
【0089】
したがって、sRGB規格を満足する有機発光表示装置の発光効率(N)の最大値は、次の数式7の通りである。
【0090】
[数式7]
N≦2.00641E−04Wr−3.39506E−02Wr−1.74361E−01Wr+2.36449E+02
【0091】
このように、発光スペクトルのピーク波長及びスペクトル幅と発光効率との関係を3次近似式に表した数式7の条件を満足する赤色有機発光層を形成することによって、有機発光表示装置の赤色の表色範囲がsRGB規格を満足するようにして、色再現性を向上させると共に、有機発光表示装置の発光効率を向上させることができる。
【0092】
上記の本発明の第1実施形態に係る有機発光表示装置の製造方法について、以下で詳細に説明する。
【0093】
まず、ITOからなる第1電極710が形成された有機基板111をアセトン、イソプロピルアルコール、及び純水を利用して、それぞれ15分間超音波洗浄した後、UVオゾン処理を実施する。
【0094】
次に、ガラス基板111を真空蒸着装置の内部の基板ホルダーに装着させて、真空度は10E−06Torrまで到達させた後に、ガラス基板上に複数の有機層を形成する。有機層をなすそれぞれの有機材料は、真空蒸着装置の内部に設けられた、それぞれの抵抗加熱式蒸発源に装着させて、順次に成膜する。有機発光層の場合のように、2種類の材料を同時に蒸着するときには、これら材料をそれぞれ異なる蒸発源に装着し、膜のうちに特定組成比率をなすように、蒸発源に供給する電流量を調整して実施する。蒸発速度の制御は、水晶発振式膜の厚さのセンサーを使用し、複数の材料を同時に蒸発させる場合には、少なくとも材料の種類に対応する個数の独立した膜の厚さのセンサーを使用してそれぞれの材料の蒸発速度を制御しながら、成膜を実施する。
【0095】
有機層の形成工程は、次の通りである。
【0096】
まず、ガラス基板111の第1電極710上に4、4’、4”−トリス(N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ)トリフェニルアミノ(m−MTDATA)を利用して、正孔注入層を形成する。このとき、蒸発速度0.1nm/sで60nmの厚さに形成する。
【0097】
次に、N、N’−ビス(α−ナフチル)−N,N’−ジフェニル−4,4’−ジアミン(α−NPD)を利用して、正孔輸送層を形成する。このとき、蒸発速度0.1nm/sで25nmの厚さに形成する。
【0098】
次に、赤色燐光発光材料をホスト材料中の濃度が5wt%となるように、蒸発速度を制御しながら35nmの厚さに赤色有機発光層を形成する。蒸発速度は0.2nm/sである。
【0099】
次に、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)−4−(フェニルフェノラート)アルミニウム(BAlq)を利用して、正孔遮断層を形成する。
【0100】
次に、トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム(III)(Alq)を利用して、電子輸送層を形成する。このとき、蒸発速度0.2nm/sで25nmの厚さに形成する。
【0101】
次に、リチウムキノリン(Liq)を利用して、1〜2nmの厚さに電子注入層を形成する。
【0102】
次に、アルミニウム(Al)を利用して、200nmの厚さに第2電極730を形成する。
【0103】
このような製造方法によって形成した本発明の第1実施形態に係る有機発光表示装置は、発光スペクトルのピーク波長及びスペクトル幅と発光効率との関係を表した数式1及び7の条件を満足する赤色有機発光層を形成することによって、有機発光表示装置の赤色の表色範囲がNTSCまたはsRGB規格を満足するようにして、色再現性を向上させると共に、有機発光表示装置の発光効率を向上させることができる。
【0104】
一方、上記では、赤色有機発光層に対して本発明を適用したが、緑色有機発光層に対しても本発明を適用することができる。
【0105】
図8は、本発明の第2実施形態に係る有機発光表示装置の緑色発光スペクトルのピーク波長及びスペクトル幅との関係を拡大図示したCIE1931表色系である。
【0106】
第2実施形態は、図4乃至図7に示された第1実施形態と比較して、緑色有機発光層を形成したことを除いて実質的に同一な反復される説明は省略する。
【0107】
図8において、緑色の部分で標準色を逸脱せずに、表色範囲を拡大させるためには、青色標準色と緑色標準色の色座標を連結した直線を緑色標準色側に延長したG−B延長線(G−Bextended)と、赤色標準色と緑色標準色の色座標を連結した直線を緑色標準色側に延長したG−R延長線(G−Rextended)と、単一波長での発光を接続した外周部の曲線によって囲まれた領域に、緑色発光スペクトルの色座標が存在しなければならない。
【0108】
表7には、NTSC規格に対応するG−BextendedとG−Rextendedの直線上に存在するピーク波長、色座標、発光効率をスペクトル幅に対して計算した結果を表し、表8にはsRGB規格に対応するG−BextendedとG−Rextendedの直線上に存在するピーク波長、色座標、発光効率をスペクトル幅に対して計算した結果を表した。
【0109】
【表7】

【0110】
【表8】

【0111】
図9は、表7及び表8に表したNTSC規格及びsRGB規格における緑色発光スペクトルのピーク波長とスペクトル幅との関係を示すグラフである。
【0112】
図9には、緑色の標準表色範囲を満足しながら表色範囲を最大限拡大させることができるピーク波長とスペクトル幅の範囲が示されている。
【0113】
図9に示したように、NTSC波長境界線上及びNTSC波長境界線より左側のスペクトル幅が狭い領域が、NTSC規格を満足する緑色の表色範囲であり、sRGB波長境界線上及びsRGB波長境界線より左側のスペクトル幅が狭い領域が、sRGB規格を満足する緑色の表色範囲である。スペクトル幅が狭くなることによって、好ましいピーク波長の範囲が拡大されていくことが分かる。
【0114】
そして、ピーク波長とスペクトル幅との関係に関するNTSC波長境界線は、次の数式8の近似式を利用して表すことができる。
【0115】
[数式8]
λpg=C(4)Wg+C(3)Wg+C(2)Wg+C(1)Wg+C(0)
【0116】
ここで、λpgは緑色有機発光層の緑色発光スペクトルのピーク波長、Wgは緑色発光スペクトルのスペクトル幅、C(0)〜C(4)は係数を表し、4次近似式、3次近似式、及び2次近似式に対する各係数及び相関係数を次の表9に表した。
【0117】
【表9】

【0118】
表9に表したように、近似式の次数が高ければ、NTSC波長境界線と近似式とが一致する程度が高まるが、2次近似式も図9のNTSC波長境界線をよく表している。
【0119】
したがって、NTSC規格を満足する緑色有機発光層の緑色発光スペクトルのピーク波長(λpg)は、次の数式9の通りである。
【0120】
[数式9]
3.33879E−03Wg+3.03246E−02Wg+5.18496E+02≦λpg≦−5.09468E−03Wg+4.45905E−02Wg+5.37887E+02
515nm≦λpg≦540nm
Wg<50nm
【0121】
このように、発光スペクトルのピーク波長が515nm乃至540nm間の領域(より好ましくは、518nm乃至538nmの範囲)領域にありながら、スペクトル幅が50nmより狭い領域で、発光スペクトルのピーク波長とスペクトル幅との関係を2次近似式に表した数式9の条件を満足する緑色有機発光層を形成することによって、有機発光表示装置の緑色の表色範囲がNTSC規格を満足するようにして、色再現性を向上させることができる。
【0122】
一方、上記本発明の第2実施形態に係る有機発光表示装置がNTSC規格を満足したが、sRGB規格を満足するように形成することもできる。
【0123】
ピーク波長とスペクトル幅との関係に関するsRGB波長境界線の4次近似式、3次近似式、及び2次近似式に対する各係数及び相関係数を、下記の表10に表した。
【0124】
【表10】

【0125】
表10に表したように、近似式の次数が高ければ、sRGB波長境界線と近似式とが一致する程度が高まるが、2次近似式も図9のsRGB波長境界線をよく表している。
【0126】
したがって、sRGB規格を満足する緑色有機発光層の緑色発光スペクトルのピーク波長(λpg)は、次の数式10の通りである。
【0127】
[数式10]
2.75023E−03Wg+9.61132E−03Wg+5.14566E+02≦λpg≦−3.05147E−03Wg+4.10247E−03Wg+5.52619E+02
510nm≦λpg≦555nm
Wb<40nm
【0128】
このように、発光スペクトルのピーク波長が510nm乃至555nm間の領域(より好ましくは、514nm乃至552nmの範囲)にありながら、スペクトル幅が80nmより狭い領域で、発光スペクトルのピーク波長とスペクトル幅との関係を2次近似式に表した数式10の条件を満足する緑色有機発光層を形成することによって、有機発光表示装置の緑色の表色範囲がsRGB規格を満足するようにして、色再現性を向上させることができる。
【0129】
図10は、図9のグラフに発光効率(N)の等高線を示したグラフである。
【0130】
図9に示したように、本発明の第2実施形態に係る有機発光表示装置の発光効率は、ピーク波長が長波長となるほど増加するが、スペクトル幅が狭くなるほど増加する。また、NTSC波長境界線及びsRGB波長境界線が発光効率の等高線と接する地点が互いに異なるので、発光効率を最大化するためのスペクトルの条件が異なることがわかる。
【0131】
図11は、本発明の第2実施形態に係る有機発光表示装置の発光スペクトルのスペクトル幅及びピーク波長と発光効率との関係を示したグラフである。
図11に示したように、各ピーク波長において、発光効率はスペクトル幅が狭くなるほど増加し、各スペクトル幅においては、ピーク波長が長波長であるほど発光効率が高いことが分かる。したがって、G−B延長線(G−B extended)とG−R延長線(G−R extended)に対応するNTSC効率境界線上、及びNTSC効率境界線より左側のスペクトル幅が狭い領域が、NTSC規格を満足しながら発光効率を最大化できるスペクトル幅及びピーク波長の範囲であり、G−B延長線(G−B extended)とG−R延長線(G−R extended)に対応するsRGB効率境界線上及びsRGB効率境界線より左側のスペクトル幅が狭い領域が、sRGB規格を満足しながら発光効率を最大化できるスペクトル幅及びピーク波長の範囲である。ここで、スペクトル幅が狭くなることによって、好ましいピーク波長の範囲が拡大する傾向を示し、各スペクトル幅において、発光効率は、G−B延長線に対応するNTSC効率境界線及びsRGB効率境界線に近いほど高いことが分かる。
【0132】
そして、スペクトル幅及びピーク波長と発光効率との関係に関するNTSC効率境界線は、上記数式5の近似式を利用して表すことができる。
ここで、4次近似式、3次近似式、及び2次近似式に対する各係数及び相関係数を、下記の表11に表した。
【0133】
【表11】

【0134】
表11に表したように、近似式の次数が高いほど、NTSC効率境界線と近似式とが一致する程度が高まるが、2次近似式も図11のNTSC効率境界線をよく表している。
【0135】
したがって、NTSC規格を満足する有機発光表示装置の発光効率(N)の最大値は、次の数式11の通りである。
【0136】
[数式11]
1.67474E−03Wg+6.63925E−01Wg+3.51841E+02≦N≦−3.76770E−02Wg+9.27327E−02Wg+4.71869E+02
【0137】
このように、発光スペクトルのピーク波長及びスペクトル幅と発光効率との関係を2次近似式に表した数式11の条件を満足する緑色有機発光層を形成することによって、有機発光表示装置の緑色の表色範囲がNTSC規格を満足するようにして、色再現性を向上させると共に、有機発光表示装置の発光効率を向上させることができる。
【0138】
一方、上記では、NTSC規格を満足しながら発光効率を最大化できる本発明の第2実施形態による有機発光表示装置を記載したが、sRGB規格を満足しながら発光効率を最大化することもできる。
【0139】
発光スペクトルのピーク波長及びスペクトル幅と発光効率との関係に関するsRGB効率境界線の4次近似式、3次近似式、及び2次近似式に対する各係数及び相関係数を、下記の表12に表した。
【0140】
【表12】

【0141】
表12に表したように、近似式の次数が高いほど、sRGB効率境界線と近似式とが一致する程度が高まるが、3次近似式も図11のsRGB効率境界線をよく表している。
【0142】
したがって、sRGB規格を満足する有機発光表示装置の発光効率(N)の最大値は、次の数式12の通りである。
【0143】
[数式12]
1.67474E−03Wg+6.63925E−01Wg+3.51841E+02≦N≦−3.76770E−02Wg+9.27327E−02Wg+4.71869E+02
【0144】
このように、発光スペクトルのピーク波長及びスペクトル幅と発光効率との関係を3次近似式に表現した数式12の条件を満足する緑色有機発光層を形成することによって、有機発光表示装置の緑色の表色範囲がsRGB規格を満足するようにして、色再現性を向上させると共に、有機発光表示装置の発光効率を向上させることができる。
【0145】
上記本発明の第2実施形態に係る有機発光表示装置の製造方法は、本発明の第1実施形態に係る表示装置の製造方法と大部分同一であり、赤色燐光発光材料の代わりに緑色燐光発光材料をホスト材料中の濃度が5wt%となるように、蒸発速度を制御しながら、35nmの厚さに緑色有機発光層を形成する点だけが区別される。
【0146】
一方、上記では、赤色有機発光層または緑色有機発光層に対して本発明を適用したが、青色有機発光層に対しても本発明を適用することができる。
【0147】
図12は、本発明の第3実施形態に係る有機発光表示装置の青色発光スペクトルのピーク波長とスペクトル幅との関係を拡大図示したCIE1931表色系である。
【0148】
第3実施形態は、図4乃至図7に示された第1実施形態と比較して、青色有機発光層を形成したことを除いて、実質的に同一な反復される説明は省略する。
【0149】
図12において、青色部分で標準色を逸脱せずに、表色範囲を拡大させるためには、青色標準色と緑色標準色の色座標を連結した直線を青色標準色側に延長したB−G延長線(B−G extended)と、赤色標準色と緑色標準色の色座標を連結した直線を青色標準色側に延長したB−R延長線(B−R extended)と、単一波長での発光を連結した外周部の曲線によって囲まれた領域に、青色発光スペクトルの色座標が存在しなければならない。
【0150】
表13には、NTSC規格に対応するB−G延長線(B−G extended)とB−R延長線(B−R extended)の直線上に存在するピーク波長、色座標、発光効率をスペクトル幅に対して計算した結果を表し、表14には、sRGB規格に対応するB−G延長線(B−G extended)とB−R延長線(B−R extended)の直線上に存在するピーク波長、色座標、発光効率をスペクトル幅に対して計算した結果を表した。
【0151】
【表13】

【0152】
【表14】

【0153】
図13は、表13及び表14に表したNTSC規格及びsRGB規格における青色発光スペクトルのピーク波長とスペクトル幅との関係を示したグラフである。
【0154】
図13には、青色の標準表色範囲を満足しながら表色範囲を最大限拡大させることができるピーク波長とスペクトル幅の範囲が示しており、上側境界線はB−R延長線(B−R extended)に対応し、下側境界線はB−G延長線(B−G extended)に対応する。
【0155】
図13に示したように、NTSC波長境界線上及びNTSC波長境界線より左側のスペクトル幅が狭い領域が、NTSC規格を満足する青色の表色範囲であり、sRGB波長境界線上及びsRGB波長境界線より左側のスペクトル幅が狭い領域が、sRGB規格を満足する青色の表色範囲である。
【0156】
各スペクトル幅において、適合したピーク波長の範囲は狭く、スペクトル幅が広くなるほど、ピーク波長は短波長に移動することが分かる。例えば、ピーク波長が460nm−465nm付近であり、スペクトル幅が35nm−40nm付近で、NTSC規格のB−G延長線(B−G extended)とsRGB規格のB−R延長線(B−R extended)によって囲まれた領域に、NTSC規格とsRGB規格いずれも満足させる色座標が存在する。
そして、ピーク波長とスペクトル幅との関係に関するNTSC波長境界線は、次の数式13の近似式を利用して表すことができる。
【0157】
[数式13]
λpb=C(4)Wb+C(3)Wb+C(2)Wb+C(1)Wb+C(0)
【0158】
ここで、λpbは青色有機発光層の青色発光スペクトルのピーク波長、Wbは青色発光スペクトルのスペクトル幅、C(0)〜C(4)は係数を表し、4次近似式、3次近似式、及び2次近似式に対する各係数及び相関係数を、下記の表15に表した。
【0159】
【表15】

【0160】
表15に表したように、近似式の次数が高ければ、NTSC波長境界線と近似式とが一致する程度が高まるが、2次近似式も図13のNTSC波長境界線をよく表している。
【0161】
したがって、NTSC規格を満足する青色有機発光層の青色発光スペクトルのピーク波長(λpb)は、次の数式14の通りである。
【0162】
[数式14]
−2.59294E−03Wb+2.59334E−02Wb+4.64771E+02≦λpb≦−5.24375E−03Wg+9.70218E−02Wg+4.71672E+02
450nm≦λpb≦480nm
Wb<70nm
【0163】
このように、発光スペクトルのピーク波長が450nm乃至480nm間の領域にありながら、スペクトル幅が70nmより狭い領域(より好ましくは、発光スペクトルのピーク波長が455nm乃至472nmの範囲であり、スペクトル幅が65nmより狭い範囲)で、発光スペクトルのピーク波長とスペクトル幅との関係を2次近似式に表現した数式14の条件を満足する青色有機発光層を形成することによって、有機発光表示装置の青色の表色範囲がNTSC規格を満足するようにして、色再現性を向上させることができる。
【0164】
一方、上記本発明の第3実施形態に係る有機発光表示装置がNTSC規格を満足したが、sRGB規格を満足するように形成することもできる。
【0165】
ピーク波長とスペクトル幅との関係に関するsRGB波長境界線の4次近似式、3次近似式、及び2次近似式に対する各係数及び相関係数を、下記の表16に表した。
【0166】
【表16】

【0167】
表16に示されているように、近似式の次数が高ければ、sRGB波長境界線と近似式とが一致する程度が高まるが、2次近似式も図13のsRGB波長境界線をよく表している。
【0168】
したがって、sRGB規格を満足する青色有機発光層の青色発光スペクトルのピーク波長(λpb)は、次の数式15の通りである。
【0169】
[数式15]
−3.68126E−05Wb−1.81334E−03Wb−2.99417E−03Wb+4.61104E+02≦λpb≦−6.83799E−05Wb+5.65420E−04Wb−8.40121E−02Wb+4.68232E+02
430nm≦λpb≦470nm
Wb<80nm
【0170】
このように、発光スペクトルのピーク波長が430nm乃至470nm間の領域にありながら、スペクトル幅が80nmより狭い領域(より好ましくは、発光スペクトルのピーク波長が432nm乃至467nmの範囲であり、スペクトル幅が78nmより狭い範囲)で、発光スペクトルのピーク波長とスペクトル幅との関係を2次近似式に表した数式15の条件を満足する青色有機発光層を形成することによって、有機発光表示装置の青色の表色範囲がsRGB規格を満足するようにして、色再現性を向上させることができる。
【0171】
また、発光スペクトルのピーク波長が460nm乃至470nm間の領域(より好ましくは、ピーク波長が460nm乃至467nmの範囲)であり、スペクトル幅が40nmより狭い領域で、NTSC波長境界線のうちのB−G延長線に対応する部分と、sRGB波長境界線のうちのB−R延長線に対応する部分によって囲まれた領域は、NTSC規格とsRGB規格いずれも満足させる色座標が存在する。
【0172】
このようなNTSC波長境界線のうちのB−G延長線に対応する部分と、sRGB波長境界線のうちのB−R延長線に対応する部分とは、数式13の近似式を利用して表すことができ、4次近似式、3次近似式、及び2次近似式に対する各係数及び相関係数は、上記表15及び表16に表している。
【0173】
したがって、NTSC規格及びsRGB規格を満足する青色有機発光層の青色発光スペクトルのピーク波長(λpb)は、次の数式16の通りである。
【0174】
[数式16]
−2.59294E−03Wb+2.59334E−02Wb+4.64771E+02≦λpb≦−6.83799E−05Wb+5.65420E−04Wb−8.40121E−02Wb+4.68232E+02
460nm≦λpb≦470nm
Wb<40nm
【0175】
図14は、図13のグラフに発光効率(N)の等高線を示したグラフである。
【0176】
図14に示したように、本発明の第3実施形態に係る有機発光表示装置の発光効率は、スペクトル幅の変化に対する依存性が少なく、発光効率を最大化するためのピーク波長の範囲は10nm程度で狭い。
【0177】
図15は、本発明の第3実施形態に係る有機発光表示装置の発光スペクトルのスペクトル幅及びピーク波長と発光効率との関係を示したグラフである。
【0178】
図15に示したように、各ピーク波長において、発光効率は、スペクトル幅が狭くなるほど減少し、各スペクトル幅においては、ピーク波長が長波長であるほど発光効率が高いことが分かる。したがって、B−G延長線(B−G extended)とB−R延長線(B−R extended)に対応するNTSC効率境界線上及びNTSC効率境界線より左側のスペクトル幅が狭い領域が、NTSC規格を満足しながら発光効率を最大化できるスペクトル幅及びピーク波長の範囲であり、B−G延長線(B−G extended)とB−R延長線(B−R extended)に対応するsRGB効率境界線上及びsRGB効率境界線より左側のスペクトル幅が狭い領域が、sRGB規格を満足しながら発光効率を最大化できるスペクトル幅及びピーク波長の範囲である。ここで、各スペクトル幅において、発光効率は、B−R延長線に対応するNTSC効率境界線及びsRGB効率境界線に近いほど高いことが分かる。発光効率を最大化するために、ピーク波長を長波長として、スペクトル幅を狭くしたり、ピーク波長を短波長として、スペクトル幅を広くするのが好ましい。
【0179】
そして、スペクトル幅及びピーク波長と発光効率との関係に関するNTSC効率境界線は、上記数式5の近似式を利用して表すことができる。
【0180】
ここで、4次近似式、3次近似式、及び2次近似式に対する各係数及び相関係数を、下記の表17に表した。
【0181】
【表17】

【0182】
表17に表したように、近似式の次数が高いほど、NTSC効率境界線と近似式とが一致する程度が高まるが、3次近似式も図15のNTSC効率境界線をよく表している。
【0183】
したがって、NTSC規格を満足する有機発光表示装置の発光効率(N)の最大値は、次の数式17の通りである。
【0184】
[数式17]
−1.81418E−05Wb+7.22825E−03Wb−5.25447E−02Wb+4.30597E+01≦N≦−1.24710E−04Wb+1.13588E−02Wb−9.99978E−02Wb+5.79470E+01
【0185】
このように、発光スペクトルのピーク波長及びスペクトル幅と発光効率との関係を2次近似式に表現した数式17の条件を満足する青色有機発光層を形成することによって、有機発光表示装置の青色の表色範囲がNTSC規格を満足するようにして、色再現性を向上させると共に、有機発光表示装置の発光効率を向上させることができる。
【0186】
一方、上記では、NTSC規格を満足しながら発光効率を最大化できる本発明の第3実施形態に係る有機発光表示装置を記載したが、sRGB規格を満足しながら発光効率を最大化することもできる。
【0187】
発光スペクトルのピーク波長及びスペクトル幅と発光効率との関係に関するsRGB効率境界線の4次近似式、3次近似式、及び2次近似式に対する各係数及び相関係数を、下表18に表した。
【0188】
【表18】

【0189】
表18に表したように、近似式の次数が高いほど、sRGB効率境界線と近似式とが一致する程度が高まるが、3次近似式も図11のsRGB効率境界線をよく表している。
【0190】
したがって、sRGB規格を満足する有機発光表示装置の発光効率(N)の最大値は、次の数式18の通りである。
【0191】
[数式18]
−6.35427E−05Wb+6.22130E−03Wb−6.94293E−02Wb+3.71279E+01≦N≦−1.09978E−04Wb+8.57988E−03Wb−1.13843E−01Wb+4.84272E+01
【0192】
このように、発光スペクトルのピーク波長及びスペクトル幅と発光効率との関係を3次近似式に表した数式18の条件を満足する青色有機発光層を形成することによって、有機発光表示装置の青色の表色範囲がsRGB規格を満足するようにして、色再現性を向上させると共に、有機発光表示装置の発光効率を向上させることができる。
【0193】
上記本発明の第3実施形態に係る有機発光表示装置の製造方法は、本発明の第1実施形態に係る表示装置の製造方法と大部分同一であり、赤色燐光発光材料の代わりに青色燐光発光材料をホスト材料中の濃度が5wt%となるように、蒸発速度を制御しながら、35nm厚さに青色有機発光層を形成し、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)−4−(フェニルフェノラート)アルミニウム(BAlq)を利用して正孔遮断層を形成しない点だけが区別される。
【0194】
上記第1実施形態乃至第3実施形態は、有機発光表示装置の赤色、緑色、及び青色のうちの1つの色に該当する有機発光層に本発明の有機発光層を適用し、それ以外の色に該当する有機発光層は、NTSC規格またはsRGB規格を満足させない場合に関するが、有機発光表示装置の少なくとも1つの色の有機発光層が本発明の内容を満足する場合にも適用可能である。
【0195】
本発明は、有機発光表示装置に主に適用することができ、電界効果表示装置(FED)、表面伝導形電子放出表示装置(SED)、プラズマ表示装置(PDP)などの自発光型表示装置に適用することができ、冷陰極管や発光ダイオードを光源として使用する液晶表示装置にも適用可能である。
本発明について、上述の通り、好ましい実施形態を通じて説明したが、本発明はこれらに限定されず、次に記載する特許請求の範囲の概念と範囲を逸脱しない限り、多様な修正及び変形が可能であることを、本発明が属する技術分野における者であれば簡単に理解できる。
【符号の説明】
【0196】
10 スイッチング薄膜トランジスタ
20 駆動薄膜トランジスタ
70 有機発光素子
80 蓄電素子
110 表示基板
111 第1基板部材
120 バッファ層
131 スイッチング半導体層
132 駆動半導体層
135 チャネル領域135
136 ソース領域
137 ドレイン領域
140 ゲート絶縁膜
151 ゲートライン
152 スイッチングゲート電極
155 駆動ゲート電極
158 第1蓄電板
160 層間絶縁膜
171 データライン
172 共通電源ライン
173 スイッチングソース電極
174 スイッチングドレイン電極
176 駆動ソース電極
177 駆動ドレイン電極
178 第2蓄電板
180 平坦化膜
182 電極コンタクトホール
710 第1電極
720 有機発光層
720R 赤色有機発光層
720G 緑色有機発光層
720B 青色有機発光層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板、
前記基板上に形成される第1電極、
前記第1電極上に形成される赤色有機発光層、緑色有機発光層、及び青色有機発光層を含む有機発光層、並びに
前記有機発光層上に形成される第2電極を含み、
前記赤色有機発光層の発光スペクトルのピーク波長をλpr、スペクトル幅をWr、前記緑色有機発光層の発光スペクトルのピーク波長をλpg、スペクトル幅をWg、前記青色有機発光層の発光スペクトルのピーク波長をλpb、スペクトル幅をWbとするとき、
前記赤色有機発光層の表色範囲は、λpr≧3.93557E−03Wr+1.07200E−01Wr+6.10199E+02であり、λpr≧610nmであれば、NTSC規格を満足して、
前記緑色有機発光層の表色範囲は、3.33879E−03Wg+3.03246E−02Wg+5.18496E+02≦λpg≦−5.09468E−03Wg+4.45905E−02Wg+5.37887E+02であり、515nm≦λpg≦540nmであり、Wg<50nmであれば、NTSC規格を満足し、
前記青色有機発光層の表色範囲は、−2.59294E−03Wb+2.59334E−02Wb+4.64771E+02≦λpb≦−5.24375E−03Wb+9.70218E−02Wb+4.71672E+02であり、450nm≦λpb≦480nmであり、Wb<70nmであれば、NTSC規格を満足し、
前記赤色有機発光層、緑色有機発光層、及び青色有機発光層のうちの少なくとも1つは前記NTSC規格を満足する表示装置。
【請求項2】
発光効率をNとするとき、
N≦2.00825E−04Wr−3.22298E−02Wr−3.20433E−01Wr+2.17611E+02を満足する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
発光効率をNとするとき、
1.67474E−03Wg+6.63925E−01Wg+3.51841E+02≦N≦−3.76770E−02Wg+9.27327E−02Wg+4.71869E+02を満足する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
発光効率をNとするとき、
−1.81418E−05Wb+7.22825E−03Wb−5.25447E−02Wb+4.30597E+01≦N≦−1.24710E−04Wb+1.13588E−02Wb−9.99978E−02Wb+5.79470E+01を満足する、請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
基板、
前記基板上に形成される第1電極、
前記第1電極上に形成される赤色有機発光層、緑色有機発光層、及び青色有機発光層を含む有機発光層、並びに
前記有機発光層上に形成される第2電極を含み、
前記赤色有機発光層の発光スペクトルのピーク波長をλpr、スペクトル幅をWr、前記緑色有機発光層の発光スペクトルのピーク波長をλpg、スペクトル幅をWg、前記青色有機発光層の発光スペクトルのピーク波長をλpb、スペクトル幅をWbとするとき、
前記赤色有機発光層の表色範囲は、λpr≧3.93557E−03Wr+1.07200E−01Wr+6.10199E+02であり、λpr≧610nmであれば、NTSC規格を満足し、
前記緑色有機発光層の表色範囲は、3.33879E−03Wg+3.03246E−02Wg+5.18496E+02≦λpg≦−5.09468E−03Wg+4.45905E−02Wg+5.37887E+02であり、515nm≦λpg≦540nmであり、Wg<50nmであれば、NTSC規格を満足し、
前記青色有機発光層の表色範囲は、−2.59294E−03Wb+2.59334E−02Wb+4.64771E+02≦λpb≦−6.83799E−05Wb+5.65420E−04Wb−8.40121E−02Wb+4.68232E+02であり、460nm≦λpb≦470nmであり、Wb<40nmであれば、NTSC規格及びsRGB規格を満足し、
前記赤色有機発光層、緑色有機発光層、青色有機発光層のうちの少なくとも1つは、前記NTSC規格を満足するか、またはNTSC規格及びsRGB規格を満足する表示装置。
【請求項6】
基板、
前記基板上に形成される第1電極、
前記第1電極上に形成される赤色有機発光層、緑色有機発光層、及び青色有機発光層を含む有機発光層、並びに
前記有機発光層上に形成される第2電極を含み、
前記赤色有機発光層の発光スペクトルのピーク波長をλpr、発光スペクトルの幅をWr、前記緑色有機発光層の発光スペクトルのピーク波長をλpg、発光スペクトルの幅をWg、前記青色有機発光層の発光スペクトルのピーク波長をλpb、発光スペクトルの幅をWbとするとき、
前記赤色有機発光層の表色範囲は、λpr≧3.72604E−03Wr+8.35845E−01Wr+6.07097E+02であり、λpr≧605nmであれば、sRGB規格を満足し、
前記緑色有機発光層の表色範囲は2.75023E−03Wg+9.61132E−03Wg+5.14566E+02≦λpg≦−3.05147E−03Wg+4.10247E−03Wg+5.52619E+02であり、510nm≦λpg≦555nmであり、Wg<80nmであれば、sRGB規格を満足し、
前記青色有機発光層の表色範囲は、−3.68126E−05Wb−1.81334E−03Wb−2.99417E−03Wb+4.61104E+02≦λpb≦−6.83799E−05Wb+5.65420E−04Wb−8.40121E−02Wb+4.68232E+02であり、430nm≦λpb≦470nmであり、Wb<80nmであれば、sRGB規格を満足し、
前記赤色有機発光層、緑色有機発光層、及び青色有機発光層のうちの少なくとも1つは前記sRGB規格を満足する表示装置。
【請求項7】
発光効率をNとするとき、
N≦2.00641E−04Wr−3.39506E−02Wr−1.74361E−01Wr+2.36449E+02を満足する、請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
発光効率をNとするとき、
1.67474E−03Wg+6.63925E−01Wg+3.51841E+02≦N≦−3.76770E−02Wg+9.27327E−02Wg+4.71869E+02を満足する、請求項6に記載の表示装置。
【請求項9】
発光効率をNとするとき、
−6.35427E−05Wb+6.22130E−03Wb−6.94293E−02Wb+3.71279E+01≦N≦−1.09978E−04Wb+8.57988E−03Wb−1.13843E−01Wb+4.84272E+01を満足する、請求項6に記載の表示装置。
【請求項10】
基板、
前記基板上に形成される第1電極、
前記第1電極上に形成される赤色有機発光層、緑色有機発光層、及び青色有機発光層を含む有機発光層、並びに
前記有機発光層上に形成される第2電極を含み、
前記赤色有機発光層の発光スペクトルのピーク波長をλpr、発光スペクトルの幅をWr、前記緑色有機発光層の発光スペクトルのピーク波長をλpg、発光スペクトルの幅をWg、前記青色有機発光層の発光スペクトルのピーク波長をλpb、発光スペクトルの幅をWbとするとき、
前記赤色有機発光層の表色範囲は、λpr≧3.72604E−03Wr+8.35845E−01Wr+6.07097E+02であり、λpr≧605nmであれば、sRGB規格を満足し、
前記緑色有機発光層の表色範囲は、2.75023E−03Wg+9.61132E−03Wg+5.14566E+02≦λpg≦−3.05147E−03Wg+4.10247E−03Wg+5.52619E+02であり、510nm≦λpg≦555nmであり、Wg<80nmであれば、sRGB規格を満足し、
前記青色有機発光層の表色範囲は、−2.59294E−03Wb+2.59334E−02Wb+4.64771E+02≦λpb≦−6.83799E−05Wb+5.65420E−04Wb−8.40121E−02Wb+4.68232E+02であり、460nm≦λpb≦470nmであり、Wb<40nmであれば、NTSC規格及びsRGB規格を満足し、
前記赤色有機発光層、緑色有機発光層、及び青色有機発光層のうちの少なくとも1つは前記sRGB規格を満足するか、またはNTSC規格及びsRGB規格を満足する表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−19182(P2012−19182A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−235525(P2010−235525)
【出願日】平成22年10月20日(2010.10.20)
【出願人】(308040351)三星モバイルディスプレイ株式會社 (764)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Mobile Display Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】San #24 Nongseo−Dong,Giheung−Gu,Yongin−City,Gyeonggi−Do 446−711 Republic of KOREA
【Fターム(参考)】