説明

表示装置

【課題】例えば、カラー表示の反射型の表示装置の場合には、外光照度が低くなると表示画像の輝度も低くなる。画像の視認性の観点から、外光照度に応じて彩度と輝度の関係を調整して視認性に優れた画像を表示することができる表示装置を提供する。
【解決手段】本開示に係る表示装置は、加法混色用副画素と輝度調整用副画素とを含む画素が2次元マトリクス状に配列されて成る表示部、及び、輝度調整用副画素における最大階調の輝度を外光照度に応じて制御する信号制御部、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
外光の反射率を制御することによって画像を表示する反射型の表示装置や、背面に配置されたバックライトからの光の透過率を制御することによって画像を表示する透過型の表示装置が知られている。また、反射型の表示装置と透過型の表示装置の双方の利点を併せ持つ表示装置として、例えば、反射領域と透過領域とを含む画素を備えた半透過型の表示装置も提案されている。
【0003】
そして、カラー液晶表示装置などの表示装置にあっては、色再現範囲の拡大や高輝度化に伴い、表示画素を、3原色を表示する副画素の他に更に他色(白色、シアン等)を表示する副画素を加えた組から構成することも提案されている。
【0004】
例えば、特許第3167026号公報に開示されたカラー画像表示装置は、入力信号から加色3原色法における3種類の色信号を生成する手段と、これらの3色相の色信号より各々同比率にて加色して得られる補助信号を生成し、補助信号と、補助信号を3色相の信号から減算した3種類の色信号の計4種の表示信号を表示器に供給する手段を有する。尚、3種類の色信号によって赤色表示副画素、緑色表示副画素及び青色表示副画素が駆動され、補助信号によって白色表示副画素が駆動される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3167026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば、カラー表示の反射型の表示装置の場合には、外光照度が低くなると表示画像の輝度も低くなる。このような場合、画像の視認性の観点からは、彩度は低く抑えてより輝度が高い画像を表示するほうが好ましい。一方、外光照度が充分高い場合には表示画像の輝度を充分確保することができるので、輝度および彩度が高い画像を表示するほうが好ましい。このように、外光照度に応じて彩度と輝度の関係を調整して視認性に優れた画像を表示することができる表示装置が求められている。
【0007】
従って、本開示の目的は、外光照度に応じて彩度と輝度の関係を調整して視認性に優れた画像を表示することができる表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するための本開示に係る表示装置は、
加法混色用副画素と輝度調整用副画素とを含む画素が2次元マトリクス状に配列されて成る表示部、及び、
輝度調整用副画素における最大階調の輝度を外光照度に応じて制御する信号制御部、
を備えている表示装置である。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る表示装置にあっては、輝度調整用副画素における最大階調の輝度を外光照度に応じて制御する信号制御部を備えている。これによって、外光照度に応じて彩度と輝度の関係が調整された画像を表示することができるので、視認性に優れた画像を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、第1の実施形態に係る表示装置の模式的な斜視図である。
【図2】図2は、第(m,n)番目の画素を含む部分の表示部の模式的な回路図である。
【図3】図3は、第(m,n)番目の画素を含む部分の表示部における各種構成要素の配置を説明するための模式的な平面図である。
【図4】図4は、図3のA−Aで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図である。
【図5】図5は、信号制御部の模式的なブロック図である。
【図6】図6の(A)は、最大階調において輝度調整用副画素の画素電極に印加される電圧と外光照度の値との関係、及び、表示部の色域のNTSC比と外光照度の値との関係を説明するための、模式的なグラフである。図6の(B)は、輝度調整用副画素の画素電極に印加される電圧と外光反射率との関係を説明するための模式的なグラフである。
【図7】図7は、第2の実施形態に係る表示装置について、第(m,n)番目の画素を含む部分の表示部における各種構成要素の配置を説明するための模式的な平面図である。
【図8】図8の(A)は、最大階調において輝度調整用副画素の画素電極に印加される電圧と外光照度の値との関係、及び、表示部の色域のNTSC比と外光照度の値との関係を説明するための、模式的なグラフである。図8の(B)は、外光照度が変化したときの色度変化を説明するための模式的なグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、実施形態に基づき本開示を説明する。本開示は実施形態に限定されるものではなく、実施形態における種々の数値や材料は例示である。以下の説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。尚、説明は、以下の順序で行う。
1.本開示に係る表示装置の全般に関する説明
2.第1の実施形態
3.第2の実施形態(その他)
【0012】
[本開示に係る表示装置の全般に関する説明]
本開示に係る表示装置にあっては、反射型の表示部や透過型の表示部の他、両者の特徴を併せ持った半透過型の表示部も用いることができる。これらの表示部として、液晶表示パネルなどの表示パネルを挙げることができる。あるいは又、自発光型の表示部を用いることもできる。自発光型の表示部として、エレクトロルミネッセンス表示パネル、プラズマ表示パネル等を挙げることができる。
【0013】
輝度調整用副画素における最大階調の輝度を外光照度に応じて制御する信号制御部は、例えば、外光の強度を測定する光センサや、光センサからの出力に基づいて最大階調の輝度を規定する電圧の値を制御するといった信号制御回路から構成することができる。光センサとして、フォトダイオードやフォトトランジスタといった周知のセンサを用いることができる。また、信号制御回路は、演算回路、D/Aコンバータ、電圧発生回路などといった周知の回路から構成することができる。これらの回路は、周知の回路素子を用いて構成することができる。
【0014】
上述したように、表示部は、反射型、透過型または半透過型の表示部である構成とすることができる。中でも、反射型または半透過型の表示部を用いた構成の表示装置にあっては、外光照度に応じて視認性に優れた画像を表示することができる。
【0015】
本開示に係る表示装置において、画素は加法混色用副画素を含む。通常、異なる3原色の加法混色によってカラー表示を行うので、画素が、加法混色用副画素として、第1原色(例えば赤色)を表示する第1副画素、第2原色(例えば緑色)を表示する第2副画素、及び、第3原色(例えば青色)を表示する第3副画素を含む構成を挙げることができる。但し、画素に含まれる加法混色用副画素の数は3に限るものではない。例えば、色再現性を拡張するための第4原色を表示する第4副画素などを含む構成や、これに加えて更に第5原色を表示する第5副画素を含む構成とすることができる。あるいは又、表示することができる色域を2色の加法混色に留めた構成として、画素が、加法混色用副画素として2つの副画素を含む構成とすることもできる。尚、「原色」とは、通常は他の色の混色で得られない色を意味するが、本開示においては必ずしもこれに限定されるものではない。
【0016】
上述した好ましい構成を含む本開示に係る表示装置にあっては、輝度調整用副画素における最大階調の輝度は、外光照度が高くなるにつれて低くなるように制御される構成とすることができる。尚、例えば、外光照度が或る第1規準値より低い場合には輝度調整用副画素における最大階調の輝度が設計上の最大値となるようにする構成であってもよいし、外光照度が或る第2基準値(但し、第2基準値>第1基準値)より高い場合には輝度調整用副画素における最大階調の輝度が設計上の最小値となるようにする構成であってもよい。
【0017】
上述した各種の好ましい構成を含む本開示に係る表示装置にあっては、輝度調整用副画素の階調は、加法混色用副画素の輝度情報を表す信号に基づいて制御される構成とすることができる。例えば、加法混色用副画素として、第1副画素、第2副画素、及び、第3副画素を含む場合には、それぞれに対応する3種の信号に基づいて生成された輝度情報を表す信号によって制御される構成とすることができる。この場合において、輝度情報を表す信号は、Y刺激値を表す信号である構成とすることができる。Y刺激値は、国際照明委員会(Commission Internationale de L'eclairage:CIE)が規定するXYZ表色系などにおいて輝度値を意味し、例えば、等色式における原刺激の量R,G,Bのそれぞれに所定の係数を加えて加算することによって算出することができる。
【0018】
上述した各種の好ましい構成を含む本開示に係る表示装置にあっては、輝度調整用副画素は加法混色用副画素が表示する色よりも彩度が低い色を表示する構成とすることができる。この場合において、輝度調整用副画素は白色を表示する構成とすることができる。
【0019】
あるいは又、上述した各種の好ましい構成を含む本開示に係る表示装置にあっては、輝度調整用副画素は加法混色用副画素が表示する色とは異なる色を表示する構成とすることができる。この場合において、輝度調整用副画素は黄色又はシアンを表示する構成とすることができる。
【0020】
後述する各実施形態においては、アクティブマトリクス方式のカラー液晶表示パネルを表示部として用いる。
【0021】
液晶表示パネルは、例えば、透明共通電極を備えたフロントパネル、画素電極を備えたリアパネル、及び、フロントパネルとリアパネルとの間に配置された液晶材料から成る。透過型の場合には、画素電極は透明な導電材料から成る構成とすればよい。また、反射型の場合には、画素電極は光を反射する材料から成る構成とすることができるし、あるいは又、画素電極とは独立した反射板を設けておき、画素電極は透明な導電材料から成る構成とすることもできる。半透過型においても同様である。
【0022】
液晶表示パネルの動作モードは特に限定するものではない。例えば、所謂TN(Twisted Nematic)モードで駆動される構成であってもよいし、VA(Vertical Alignment)モードあるいはIPS(In-Plane Switching)モードで駆動される構成であってもよい。また、ノーマリーホワイト方式であってもよいしノーマリーブラック方式であってもよい。
【0023】
より具体的には、フロントパネルは、例えば、ガラスから成る基板と、基板の内面に設けられた透明共通電極(例えば、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)から成る)と、基板の外面に設けられた偏光フィルムとから構成されている。基板の内面に、アクリル樹脂やエポキシ樹脂から成るオーバーコート層によって被覆されたカラーフィルターが設けられている。そして、フロントパネルは、更に、オーバーコート層上に透明共通電極が形成された構成を有している。尚、必要な場合には、透明共通電極上に配向膜が形成される。
【0024】
一方、リアパネルは、例えば、ガラスから成る基板と、基板の内面に形成されたスイッチング素子と、スイッチング素子によって導通/非導通が制御される画素電極(例えば、ITOから成る)から構成されている。必要な場合には、画素電極を含む全面に配向膜が形成され、また、基板の外面に偏光フィルムや光学補償フィルムなどが設けられる。
【0025】
液晶表示パネルを構成する各種の部材や材料は、周知の部材や材料から構成することができる。スイッチング素子として、例えば薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)といった3端子素子や、MIM(Metal Insulator Metal)素子、バリスタ素子、ダイオード等の2端子素子を例示することができる。これらのスイッチング素子には、例えば行方向に延びる走査線や列方向に延びる信号線が接続されている。
【0026】
表示部の形状は特に限定するものではなく、横長の矩形状であってもよいし縦長の矩形状であってもよい。表示部の画素(ピクセル)の数M×Nを(M,N)で表記したとき、例えば横長の矩形状の場合には(M,N)の値として、(640,480)、(800,600)、(1024,768)等の画像表示用解像度の幾つかを例示することができ、縦長の矩形状の場合には相互に値を入れ替えた解像度を例示することができるが、これらの値に限定するものではない。
【0027】
表示部に光を照射する照明部を用いる場合には、周知の照明部を用いることができる。照明部の構成は、特に限定するものではない。一般に、照明部は、光源や導光板などといった周知の部材から構成することができる。
【0028】
本明細書に示す各種の条件は、厳密に成立する場合の他、実質的に成立する場合にも満たされる。例えば、「赤色」とは実質的に赤色として認識されれば足り、「緑色」とは実質的に緑色として認識されれば足りる。「青色」、「白色」、「黄色」、「シアン」についても同様である。設計上あるいは製造上生ずる種々のばらつきの存在は許容される。
【0029】
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、本開示に係る表示装置に関する。
【0030】
図1は、第1の実施形態に係る表示装置の模式的な斜視図である。
【0031】
表示装置1は、加法混色用副画素12AR,12AG,12ABと輝度調整用副画素12AADとを含む画素12が2次元マトリクス状に配列されて成る表示部10を備えている。表示部10は反射型の表示部である。より具体的には、表示部10は、反射型のカラー液晶表示パネルから成る。
【0032】
また、表示装置1は、輝度調整用副画素12ADにおける最大階調の輝度を外光照度に応じて制御する信号制御部80を備えている。信号制御部80は、外光(環境光)の強さ(照度)を検出する光センサ82と、光センサ82からの出力などに基づいて制御を行う信号制御回路81とを備えている。光センサ82は例えばフォトダイオードから成り、光起電力効果によって、外光の強さに応じて光センサ出力(電圧)が変化する。尚、光センサ82は、外光を受光することができ、且つ、表示部10に表示される画像からの光の影響を受けない場所に配置されている。尚、図1においては、後述する図2に示す走査回路101の図示を省略した。
【0033】
加法混色用副画素12AR,12AG,12ABを、それぞれ、第1副画素12AR、第2副画素12AG、第3副画素12ABと呼ぶ場合がある。第1副画素12ARは第1原色として赤色を表示し、第2副画素12ABは第2原色として緑色を表示し、第3副画素12ABは第3原色として青色を表示する。一方、輝度調整用副画素12AADは、加法混色用副画素が表示する色よりも彩度が低い色を表示する。具体的には、輝度調整用副画素12AADは白色を表示する。
【0034】
信号制御部80の動作に基づいて、輝度調整用副画素12ADにおける最大階調の輝度は外光照度に応じて制御される。具体的には、輝度調整用副画素12ADにおける最大階調の輝度は、外光照度が高くなるにつれて低くなるように制御される。尚、輝度調整用副画素12ADの階調は、加法混色用副画素12AR,12AG,12ABの輝度情報を表す信号に基づいて制御される。より具体的には、輝度情報を表す信号は、Y刺激値を表す信号である。信号制御部80の構成や動作については、後述する図5および図6を参照して、後で詳しく説明する。
【0035】
尚、以下の記載において、加法混色用副画素と輝度調整用副画素の種類を限定せず単に「副画素12AR,12AG,12AB,12AAD」などと表す場合がある。
【0036】
説明の都合上、表示部10の表示領域11はX−Z平面と平行であり、画像を観察する側が+Y方向であるとする。表示部10は、図において+Y方向側のフロントパネル、−Y方向側のリアパネル、フロントパネルとリアパネルとの間に配置された液晶材料等から構成されている。尚、図示の都合上、図1においては表示部10を1枚のパネルとして表した。表示部10は矩形状であり、画素12が配列された表示領域11も矩形状である。符号13A,13B,13C,13Dは表示部10の辺を示す。後述する図10に示す他の実施形態における表示部においても同様である。
【0037】
表示領域11には、行方向(図においてX方向)にM個、列方向(図においてZ方向)にN個、合計M×N個の画素12が配列されている。第m列(但し、m=1,2・・・,M)、第n行目(但し、n=1,2・・・,N)の画素12を、第(m,n)番目の画素12あるいは画素12(m,n)と表す。表示部10の画素数(M,N)は、例えば(768,1024)である。他の実施形態における表示部においても同様である。
【0038】
第1の実施形態にあっては、画素12は、反射型の副画素12AR,12AG,12AB,12AADの組から構成されている。先ず、表示部10の詳細について説明する。その後、信号制御部80の構成や動作の詳細について説明する。
【0039】
図2は、第(m,n)番目の画素を含む部分の表示部の模式的な回路図である。
【0040】
表示装置1は、行方向に延び一端が走査回路101に接続されたN本の走査線22、列方向に延び一端が信号制御回路81に接続された4×M本の信号線26、走査線22と信号線26とに接続され、走査線22からの走査信号に応じて動作するトランジスタ(TFT)を備えた反射型の副画素12AR,12AG,12AB,12AADを備えた表示装置である。
【0041】
画素12(m,n)には、第n行目の走査線22(以下、走査線22nと表す場合がある)が接続される。副画素12ARには、第(4×m−3)列目の信号線26が接続され、副画素12AGには、第(4×m−2)列目の信号線26が接続される。また、副画素12AGには、第(4×m−1)列目の信号線26が接続され、副画素12AADには、第(4×m)列目の信号線26が接続される。尚、図面や以下の記載において「×」の表記を省略する場合がある。また、例えば、第(4×m)列目の信号線26を信号線264mと表す場合がある。
【0042】
図2に示す液晶容量LC1は、フロントパネルに設けられた透明共通電極と、リアパネルに設けられた画素電極と、フロントパネルとリアパネル間に挟持されている液晶材料層とから成る。また、保持容量C1は、画素電極などに導通する補助電極によって構成されている。尚、後述する図3および図4においては、補助電極の図示を省略した。
【0043】
表示装置1には、表示すべきカラー画像に応じた入力信号VDR,VDG,VDBが外部から供給される。入力信号VDR,VDG,VDBは、それぞれ、赤色表示用、緑色表示用、青色表示用の信号である。信号制御回路81の動作に基づいて、信号VDR,VDG,VDBから、副画素12AR,12AG,12AB,12AADを駆動するための映像信号VSR,VSG,VSB,VSADが生成される。入力信号VDR,VDG,VDBと映像信号VSR,VSG,VSB,VSADとの関係については、図5を参照して後ほど詳しく説明する。映像信号VSRによって副画素12ARが駆動され、映像信号VSGによって副画素12AGが駆動され、映像信号VSBによって副画素12ABが駆動され、映像信号VSADによって副画素12AADが駆動される。
【0044】
尚、以下の記載において、入力信号の種類を限定せずに単に「入力信号VD」と表す場合がある。同様に、映像信号の種類を限定せずに単に「映像信号VS」と表す場合がある。
【0045】
図3は、第(m,n)番目の画素を含む部分の表示部における各種構成要素の配置を説明するための模式的な平面図である。図4は、図3のA−Aで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図である。
【0046】
図4に示すように、表示部10は、リアパネル20、フロントパネル50、及び、両パネル間に挟持されている液晶材料層40を備えている。
【0047】
フロントパネル50は、例えばガラスから成る基板51、基板51の内面に設けられた透明共通電極54(例えば、ITOから成る)、及び、基板51の外面に設けられた1/4波長板61と、1/4波長板61を覆う偏光フィルム62を備えている。後述する他の実施形態においても同様である。
【0048】
基板51の液晶材料層40側には、それぞれ隣接する副画素の間に対応して配置されたブラックマトリックス52と、ブラックマトリックス52で囲まれた領域内に配置されたカラーフィルターと、ブラックマトリックス52とカラーフィルターを含む全面を覆う透明共通電極54と、透明共通電極54を含む全面を覆う上部配向膜55が設けられている。図4における参照番号53Rは赤色のカラーフィルターである。
【0049】
尚、図3のB−Bで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図は、図4において、符号12ARを符号12AGと読み替え、赤色のカラーフィルター53Rを緑色のカラーフィルター53Gと読み替えればよい。同様に、図3のC−Cで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図は、図4において、符号12ARを符号12ABと読み替え、赤色のカラーフィルター53Rを青色のカラーフィルター53Bと読み替えればよい。同様に、図3のD−Dで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図は、図4において、符号12ARを符号12AADと読み替え、赤色のカラーフィルター53Rを白色のカラーフィルター(換言すれば、単なる透明なフィルター)53ADと読み替えればよい。
【0050】
リアパネル20は、例えば、ガラスから成る基板21、基板21の内面に形成されたTFTから成るスイッチング素子、及び、スイッチング素子によって導通/非導通が制御される画素電極(例えば、ITOから成る)とを備えている。
【0051】
より具体的には、基板21の液晶材料層40側には、第1絶縁膜23と第2絶縁膜25とが積層して形成されている。基板21と第1絶縁膜23との間には、走査線22が形成されている。第1絶縁膜23と第2絶縁膜25との間には、TFTを形成する半導体薄膜24が形成されている。第2絶縁膜25上には、信号線26が形成されている。TFTの一方のソース・ドレイン電極には信号線26の舌部が接続されている。他方のソース・ドレイン電極には、導通部26Aを介して、画素電極30が接続されている。尚、導通部26Aは、例えば、信号線26の形成にあわせて同時にパターンニングされて形成されている。
【0052】
TFTは、走査線22からの信号に従って動作するスイッチング素子として機能する。走査線22からの走査信号に応じたTFTの動作に基づいて、信号制御回路81から信号線26を介して、画素電極30に映像信号VSR,VSG,VSB,VSADが印加される。
【0053】
第2絶縁膜25の上には第1層間絶縁層27が形成されている。第1層間絶縁層27の副画素に対応する部分の表面には凹凸が形成されており、その凹凸上に、例えばアルミニウムが蒸着されて成る反射板28が形成されている。反射板28の上には第2層間絶縁層29が形成されており、第2層間絶縁層29の上に、画素電極30が形成されている。そして、画素電極30を含む全面を覆う下部配向膜31が設けられている。
【0054】
図3に示すように、画素電極30は矩形状に形成されている。画素電極30は、図3と図4に示すように、絶縁層29,27を貫くコンタクトを介して導通部26Aに接続されている。
【0055】
液晶材料層40は下部配向膜31と上部配向膜55とに接する。これらの配向膜31,55によって、電界が印加されていない状態における液晶分子の分子軸の方向が規定される。
【0056】
図4に示す透明共通電極54には、図2に示す電圧Vcom(例えば0[ボルト])が印加される。従って、画素電極30と透明共通電極54との間に形成される電界の強さは、画素電極30に印加される電圧(即ち、映像信号VS)によって制御される。そして、画素電極30と透明共通電極54との間に形成される電界によって液晶材料層40を構成する液晶分子の配向状態が制御される。
【0057】
図4において符号d1で表す液晶材料層40の厚さは、図示せぬスペーサ等によって所定の値に保持されている。液晶材料層40は、電圧が印加されていないときに1/4波長板として機能し、印加される電圧の絶対値が大きくなるほど1/4波長板としての機能の強さが弱まる。印加される電圧の絶対値が或る程度大きければ、液晶材料層40は単なる透明層として機能する。
【0058】
外光は偏光フィルム62を通過して直線偏光となり、次いで、1/4波長板61に入射して位相が1/4波長ずれた状態で、液晶材料層40に入射する。
【0059】
液晶材料層40に電圧が印加されていないときには、液晶材料層40を透過する際に光の位相は更に1/4波長ずれる。そして、その状態で光は反射板28に達して反射する。反射した光は、液晶材料層40を透過する際に位相が更に1/4波長ずれる。そして、その状態で1/4波長板61に入射する。1/4波長板61を透過し、偏光フィルム62に入射する光の位相差の合計は1波長となる。これは位相のずれがないことを意味し、光はそのまま偏光フィルム62を透過して観察者側に出射し、副画素の輝度が高い状態となる。
【0060】
一方、充分な値の電圧が印加されて液晶材料層40が単なる透明層として機能する場合、液晶材料層40を透過する際に光の位相は変化しない。上述したように、外光は偏光フィルム62を通過して直線偏光となり、次いで、1/4波長板61に入射して位相が1/4波長ずれた状態で、液晶材料層40に入射する。反射板によって反射した光が再度1/4波長板61に入射する際には、位相のずれは1/4波長のままである。従って、反射した光が1/4波長板61を透過して偏光フィルム62に入射する際の位相差の合計は1/2波長となる。これは、90度回転した直線偏光を意味するので、光の偏光方向と偏光フィルム62の偏光軸とが直交する。光は観察者側に出射せず、副画素の輝度が低い状態となる。
【0061】
以上説明したように、副画素の輝度(換言すれば、外光の反射率)は、液晶材料層40に印加される電圧の絶対値が小さくなるほど高くなる。即ち、表示部10はノーマリーホワイト方式で動作する。尚、ノーマリーブラック方式で動作する表示部を用いることもできる。その場合には、印加電圧と輝度との関係とが逆になることを考慮して制御を行えばよい。
【0062】
次いで、信号制御部80の構成や動作の詳細について説明する。
【0063】
図5は、信号制御部80の模式的なブロック図である。
【0064】
上述したように、信号制御部80は、外光の強さを検出する光センサ82と、光センサ82からの光センサ出力S1などに基づいて制御を行う信号制御回路81とを備えている。
【0065】
信号制御回路81は、輝度調整用副画素入力信号生成部83、D/A変換部84A,84B、及び、規準電圧生成部85を備えている。これらは、論理回路や演算回路などから構成されており、周知の回路素子などを用いて構成することができる。信号制御回路81を構成する各部および図2に示す走査回路101の動作タイミングは、図示せぬタイミングコントローラによって制御される。
【0066】
輝度調整用副画素入力信号生成部83は、表示すべきカラー画像に応じて外部から入力される入力信号VDR,VDG,VDBに基づいて、輝度調整用副画素12ADに対応する入力信号VDADを生成する。輝度調整用副画素12ADの階調は、加法混色用副画素12AR,12AG,12ABのそれぞれに対応する3種の信号VDR,VDG,VDBに基づいて生成された信号VDADによって制御される。具体的には、3種の信号に基づいて生成された信号VDADは、Y刺激値を表す信号である。
【0067】
説明の都合上、入力信号VDR,VDG,VDBは、8ビットに離散化された0〜255階調であるとする。尚、離散化は8ビットに限定するものではなく、表示装置の設計等に応じて適宜選択すればよい。
【0068】
輝度調整用副画素入力信号生成部83には、入力信号VDR,VDG,VDBが入力される。輝度調整用副画素入力信号生成部83は、入力信号VDRを刺激値R、入力信号VDGを刺激値G、入力信号VDBを刺激値Bとして、以下の式(1)に示すY刺激値を計算する。尚、式(1)に示す係数の値はsRGB(standard RGB)の場合の一例であり、これに限定するものではない。
【0069】

【0070】
上述したように、Y刺激値は、CIEが規定するXYZ表色系などにおいて輝度値を意味する。Y刺激値は、入力信号VDR,VDG,VDBがすべて0階調の場合には0となり、入力信号VDR,VDG,VDBがすべて255階調の場合には255となる。輝度調整用副画素入力信号生成部83は、Y刺激値を輝度調整用副画素の入力信号VDADとして出力する。入力信号VDR,VDG,VDBと同様に、入力信号VDADも0〜255階調の信号である。
【0071】
次いで、映像信号VSR,VSG,VSB,VSADについて説明する。
【0072】
D/A変換部84Aには、入力信号VDR,VDG,VDBが入力される。D/A変換部84Aは、入力信号VDR,VDG,VDBの階調値に応じた電圧信号である映像信号VSR,VSG,VSBを出力する。
【0073】
D/A変換部84Aには、D/A変換を行うための規準電圧として、電圧VREF_H,VREF_Lが印加される。電圧VREF_Hは最大階調(255階調)における電圧を規定し、その値は例えば約0[ボルト]である。電圧VREF_Lは最小階調(0階調)における電圧を規定し、その値は例えば約4[ボルト]である。
【0074】
実際には、液晶材料層40を交流駆動するために、電圧VREF_Lなどの極性は例えば表示フレーム毎に切り替えられる。説明の都合上、電圧の極性の反転は考慮しないで説明を行う。
【0075】
D/A変換部84Aが出力する映像信号VSは、入力信号VDの階調値が255に近づくほど電圧VREF_H側の値となり、入力信号VDの階調値が0に近づくほど電圧VREF_L側の値となる。
【0076】
D/A変換部84Bには、上述した入力信号VDADが入力される。D/A変換部84Bは、入力信号VDADの階調値に応じた電圧信号である映像信号VSADを出力する。但し、D/A変換部84Bでは、輝度調整用副画素12ADの最大階調の輝度を外光照度に応じて制御するために、外光照度に応じた制御が行われる。
【0077】
D/A変換部85Bには、上述した電圧VREF_Lと、規準電圧生成部85からの電圧VREF_Hvalが印加される。
【0078】
規準電圧生成部85には、光センサ82から、外光照度に応じた光センサ出力S1が入力される。説明の都合上、光センサ出力S1の値は、外光照度に応じて増加し、例えば、外光照度が1×102[ルクス]であるときに或る第1基準値L1に達し、外光照度が1×104[ルクス]であるときに或る第2基準値L2に達するとする。
【0079】
規準電圧生成部85は、光センサ出力S1が第1基準値L1以下である場合には、電圧VREF_Hvalの値を電圧VREF_Hと同様の約0[ボルト]とし、光センサ出力S1が第2基準値L2を超える場合には、電圧VREF_Hvalの値を電圧VREF_Lと同様の約4[ボルト]とする。
【0080】
また、光センサ出力S1が第1基準値L1を超え且つ第2基準値L2以下である場合、規準電圧生成部85は、光センサ出力S1の値に応じて電圧VREF_Hvalの値を増加させる。この場合には、電圧VREF_Hvalの値は、外光照度に応じて電圧VREF_Hないし電圧VREF_Lの間のいずれかの値となる。
【0081】
D/A変換部84Bの動作は、電圧VREF_Hvalの値が外光照度に応じて制御される点を除く他、D/A変換部84Aの動作と同様である。D/A変換部84Bが出力する映像信号VSADの電圧値は、入力信号VDADの階調値が255に近づくほど電圧VREF_Hval側の値となり、入力信号VDADの階調値が0に近づくほど電圧VREF_L側の値となる。
【0082】
D/A変換部84Bにおいて最大階調(255階調)における電圧を規定する電圧VREF_Hvalの値は、上述したように外光照度に応じて制御される。これによって、輝度調整用副画素12AADの最大階調の輝度が外光照度に応じて制御される。
【0083】
即ち、外光照度が1×102[ルクス]以下である場合には、電圧VREF_Hvalは、電圧VREF_Hと同様の電圧である。従って、副画素12AR,12AG,12AB,12AADは同一の条件で駆動されるので、最大階調値における外光の反射率に差は生じない。従って、基本的には、最大階調における各副画素の輝度は同様となる。
【0084】
また、外光照度が1×102[ルクス]を超えかつ1×104[ルクス]以下の場合には、電圧VREF_Hvalは、外光照度に応じて電圧VREF_Hないし電圧VREF_Lの間のいずれかの値となる。従って、外光照度が高くなるほど最大階調における輝度調整用副画素12AADの輝度は低下する。
【0085】
そして、外光照度が1×104[ルクス]を超える場合には、電圧VREF_Hvalは、最小階調(0階調)を規定する電圧VREF_Lと同様の電圧である。従って、輝度調整用副画素12AADは、副画素12AR,12AG,12ABとは異なる条件で駆動される。最大階調においても輝度調整用副画素12AADの外光の反射率はほぼ0となるので、階調値に関わらず輝度調整用副画素12AADはほぼ黒表示状態となる。
【0086】
以上説明したように、信号制御部80の動作に基づいて、輝度調整用副画素12ADにおける最大階調の輝度は外光照度に応じて制御される。具体的には、輝度調整用副画素12ADにおける最大階調の輝度が、外光照度が高くなるにつれて低くなるように制御される。図6と図7を参照して説明する。
【0087】
図6の(A)は、最大階調において輝度調整用副画素の画素電極に印加される電圧と外光照度の値との関係、及び、表示部の色域のNTSC比と外光照度の値との関係を説明するための、模式的なグラフである。図6の(B)は、輝度調整用副画素の画素電極に印加される電圧と外光反射率との関係を説明するための模式的なグラフである。図7は、表示装置の色域の変化を説明するための模式的なxy色度図である。
【0088】
図6の(A)に示すように、外光照度Eiが高くなるほど、最大階調における輝度調整用副画素12ADの画素電極30に印加される電圧が高くなる。また、図6の(B)に示すように、輝度調整用副画素12ADの画素電極30に印加される電圧が高くなると外光反射率が低下する。尚、図6の(B)において、縦軸は、最大反射率を1として正規化した任意単位である。
【0089】
定性的には、白色といった明度が高く彩度が低い輝度調整用副画素による表示が加わると、表示される画像の輝度は高くなり、画像の彩度は低くなる。従って、いわゆるNTSC比(1976UCS色度図におけるNTSC規格の三角形の色域の面積に対する比)も、最大階調における輝度調整用副画素12ADの画素電極30に印加される電圧に応じて変化する。第1の実施形態においては、NTSC比は、外光照度が1×104[ルクス]を超えるときに40%程度であり、外光照度が下がるにつれ低下し、外光照度が1×102[ルクス]以下の場合には5%程度となる。
【0090】
従って、明所においては、輝度と彩度とをともに高くした画像を表示することができる。一方、暗所においては、彩度は低いがより輝度を高くした画像を表示することができる。このように、外光照度に応じて彩度と輝度の関係を調整して視認性に優れた画像を表示することができる。
【0091】
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、第1の実施形態の変形例である。第2の実施形態は、第1の実施形態に対し、輝度調整用副画素が表示する色が相違すると共に副画素の面積の設定が相違する。
【0092】
第2の実施形態に係る表示装置の模式的な模式的な斜視図は、図1に示す表示部10を表示部210と読み替え、表示装置1を表示装置2と読み替えればよい。また、第(m,n)番目の画素を含む部分の表示部210の模式的な回路図は、図2に示す回路図と同様である。
【0093】
上述したように、画素は、加法混色用副画素として、第1原色として赤色を表示する第1副画素12AR、第2原色として緑色を表示する第2副画素12AG、及び、第3原色として青色を表示する第3副画素12ABを備えている。輝度調整用副画素12AADは、加法混色用副画素が表示する色とは異なる色を表示する。具体的には、輝度調整用副画素12AADは黄色を表示する。尚、輝度調整用副画素12AADはシアンを表示する構成とすることもできる。
【0094】
図7は、第2の実施形態に係る表示装置について、第(m,n)番目の画素を含む部分の表示部における各種構成要素の配置を説明するための模式的な平面図である。
【0095】
第2の実施形態においては、輝度調整用副画素12ADは黄色を表示する。従って、定性的には、輝度調整用副画素12ADが動作するときに画像の色は黄色側にシフトする。このため、加法混色用副画素による表示は、補色関係となる青色側にシフトするように設定されている。具体的には、図7に示すように、青色を表示する第3副画素12ABの大きさが、第1副画素12ARや第2副画素12AGよりも大きく設定されている。各副画素が画素に対して占める割合は、表示装置の設計に応じて適宜設定すればよい。
【0096】
図7のA−Aで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図は、図4に示す断面図と同様である。図7のB−B、C−Cは、第1の実施形態に説明したと同様に、図4に示す断面図を適宜読み替えればよい。図7のD−Dで示す線において表示部を切断したときの模式的な断面図は、符号12ARを符号12AADと読み替え、赤色のカラーフィルター53Rを黄色のカラーフィルター53ADと読み替えればよい。
【0097】
信号制御部80の動作は、第1の実施形態において説明した動作と同様である。黄色の輝度調整用副画素12ADは、第1の実施形態と同様に、輝度調整用副画素用の入力信号VDADによって駆動される。
【0098】
図8の(A)は、最大階調において輝度調整用副画素の画素電極に印加される電圧と外光照度の値との関係、及び、表示部の色域のNTSC比と外光照度の値との関係を説明するための、模式的なグラフである。図8の(B)は、外光照度が変化したときの色度変化を説明するための模式的なグラフである。
【0099】
第2の実施形態においては、NTSC比は、外光照度が1×104[ルクス]を超えるときに15%程度であり、外光照度が下がるにつれ低下し、外光照度が1×102[ルクス]以下の場合には5%程度となる。
【0100】
このように、第1の実施形態で説明したと同様に、明所においては、輝度と彩度とをともに高くした画像を表示することができる。一方、暗所においては、彩度は低いがより輝度を高くした画像を表示することができる。このように、外光照度に応じて彩度と輝度の関係を調整して視認性に優れた画像を表示することができる。
【0101】
第2の実施形態においては、外光照度が高くなると、白表示の色相は青色方向に変化する。図8の(B)は、外光照度と、L***表色系に基づく色度座標の変化との関係を示す。図8の(B)のグラフに示すように、外光照度Eiが高くなると、色座標は、+a*方向かつ−b*方向に変化する。
【0102】
一般に、反射型の液晶表示パネルは、構成材料の関係で白表示が黄色を帯びるといった傾向を示す。カラーフィルターにおける分光透過率などを調整することによってこのような傾向を補正することもできるが、光の利用効率が低下するといった問題も生ずる。第2の実施形態によれば、外光照度が高い場合には白表示の色相が青方向にシフトするので、白表示が黄色を帯びるといった傾向が目立ちにくくなるといった利点も備えている。
【0103】
以上、この発明の実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
【0104】
例えば、上述した実施形態において、表示部を半透過型とすることもできる。半透過型とする場合には、例えば、各副画素が、反射領域と透過領域とを備えるようにすればよい。例えば、透過領域は、図4に示す第2層間絶縁層29と反射板28の一部を除去し、その部分における液晶材料層40が1/2波長板として機能する厚さとなるようにすることで構成することができる。尚、リアパネルの外側(バックライト側)には、偏光フィルムの他、必要な光学補償フィルムを設けておけばよい。
【0105】
なお、本開示の技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)加法混色用副画素と輝度調整用副画素とを含む画素が2次元マトリクス状に配列されて成る表示部、及び、
輝度調整用副画素における最大階調の輝度を外光照度に応じて制御する信号制御部、
を備えている表示装置。
(2)表示部は反射型または半透過型である上記(1)に記載の表示装置。
(3)輝度調整用副画素における最大階調の輝度は外光照度が高くなるにつれて低くなるように制御される上記(1)又は(2)に記載の表示装置。
(4)輝度調整用副画素の階調は加法混色用副画素の輝度情報を表す信号に基づいて制御される上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の表示装置。
(5)輝度情報を表す信号はY刺激値を表す信号である上記(4)に記載の表示装置。
(6)輝度調整用副画素は加法混色用副画素が表示する色よりも彩度が低い色を表示する上記(1)乃至(5)のいずれかに記載の表示装置。
(7)輝度調整用副画素は白色を表示する上記(6)に記載の表示装置。
(8)輝度調整用副画素は加法混色用副画素が表示する色とは異なる色を表示する上記(1)に記載の表示装置。
(9)輝度調整用副画素は黄色又はシアンを表示する上記(8)に記載の表示装置。
【符号の説明】
【0106】
1,2・・・表示装置、10,210・・・表示部、11・・・表示領域、12・・・画素、12AR・・・加法混色用副画素(第1副画素)、12AG・・・加法混色用副画素(第2副画素)、12AB・・・加法混色用副画素(第3副画素)、12AAD・・・輝度調整用副画素、13A,13B,13C,13D・・・辺、20・・・リアパネル、21・・・基板、22・・・走査線、23・・・第1絶縁膜、24・・・半導体薄膜、25・・・第2絶縁膜、26・・・信号線、26A・・・導通部、27・・・第1層間絶縁層、28・・・反射板、29・・・第2層間絶縁層、30・・・画素電極、31・・・下部配向膜、40・・・液晶材料層、50・・・フロントパネル、51・・・基板、52・・・ブラックマトリックス、53R,53G,53B,53AD・・・カラーフィルター、54・・・透明共通電極、55・・・上部配向膜、61・・・1/4波長板、62・・・偏光フィルム、80・・・信号制御部、81・・・信号制御回路、82・・・光センサ、83・・・輝度調整用副画素入力信号生成部、84A,84B・・・D/A変換部、85・・・規準電圧生成部、LC1・・・液晶容量、C1・・・保持容量、VDR,VDG,VDB,VDAD・・・入力信号、VSR,VSG,VSB,VSAD・・・映像信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加法混色用副画素と輝度調整用副画素とを含む画素が2次元マトリクス状に配列されて成る表示部、及び、
輝度調整用副画素における最大階調の輝度を外光照度に応じて制御する信号制御部、
を備えている表示装置。
【請求項2】
表示部は反射型または半透過型である請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
輝度調整用副画素における最大階調の輝度は外光照度が高くなるにつれて低くなるように制御される請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
輝度調整用副画素の階調は加法混色用副画素の輝度情報を表す信号に基づいて制御される請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
輝度情報を表す信号はY刺激値を表す信号である請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
輝度調整用副画素は加法混色用副画素が表示する色よりも彩度が低い色を表示する請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
輝度調整用副画素は白色を表示する請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
輝度調整用副画素は加法混色用副画素が表示する色とは異なる色を表示する請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
輝度調整用副画素は黄色又はシアンを表示する請求項8に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−226185(P2012−226185A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−94626(P2011−94626)
【出願日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(598172398)株式会社ジャパンディスプレイウェスト (90)
【Fターム(参考)】