説明

表示装置

【課題】梱包サイズを小さくすることができる表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置100は、画像を表示する表示面Sを有する表示部1と、表示部1を台上に立てた状態で支持し、この状態で表示面Sに向かって見て前後方向に延びる奥行きを有するスタンド2と、スタンド2を、表示部1に対し、表示面Sに向かって見て左右方向に平行な軸周りに回転可能に、かつスタンド2の奥行き方向に移動可能に接続する接続部600とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示部を支持するスタンドを備える表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶テレビや液晶モニタには、平板状の表示部を台上に垂直に配置するためのスタンドを備えるものがある。通常、スタンドは、表示部が前方または後方へ倒れることを防止するために、表示部より大きく前後に迫り出すように形成される。
【0003】
このような表示装置の梱包方法としては、梱包サイズの小型化のために、表示部とスタンドとを切り離した状態で梱包する方法が知られている。例えば、特許文献1は、液晶テレビを、本体部、スタンド支柱、およびスタンドベースに分解して梱包することを開示している。
【0004】
しかし、表示部にスタンドを取り付けるなどの組立作業は、使用者に負担を与える。そこで、使用者の負担を軽減しながら梱包の小型化を実現するために、スタンドを折り畳むことが可能な表示装置が提案されている。例えば、特許文献2は、表示部とスタンドとを回動可能に支持するヒンジ部を備え、スタンドを表示部の背面側へ90度回動させて折り畳むことが可能な表示装置を提案している。また、特許文献3は、スタンドの中間にスタンド下部を前上方へ折り畳み可能に支持するヒンジ部を備えた薄型表示装置を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−131100号公報
【特許文献2】特開2007−293151号公報
【特許文献3】特開2005−140807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2および3に記載の表示装置は、スタンドを折り畳んだ状態において、ヒンジ部およびスタンドが表示部の下端よりも下方に大きくはみ出す構造となっている。このため、これらの表示装置では、梱包箱の上下方向のサイズが大きくなってしまい、梱包サイズの小型化が十分でない。
【0007】
本発明は、梱包サイズを小さくすることができる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る表示装置は、
画像を表示する表示面を有する表示部と、
前記表示部を台上に立てた状態で支持し、この状態で前記表示面に向かって見て前後方向に延びる奥行きを有するスタンドと、
前記スタンドを、前記表示部に対し、前記表示面に向かって見て左右方向に平行な軸周りに回転可能に、かつ前記スタンドの奥行き方向に移動可能に接続する接続部と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る表示装置は、
画像を表示する表示面を有する表示部と、
可搬型の記録媒体が出し入れされる出し入れ口を有し、前記出し入れ口の背面側に延びる長手方向を有する記録媒体駆動装置と、
を備え、
前記記録媒体駆動装置は、前記表示部に対し、前記表示面に向かって見て左右方向に平行な軸周りに回転可能に接続され、前記出し入れ口が前記表示面の前方を向く第1の装置回転位置と、当該第1の装置回転位置よりも前記長手方向が前記表示面と平行に近い第2の装置回転位置との間で回転可能である、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、梱包サイズを小さくすることができる表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施の形態1における表示装置の一部透視右側面図である。
【図2】図1の状態における表示装置の背面斜視図である。
【図3】実施の形態1における表示部とスタンドとの接続部を拡大して示す右側面図である。
【図4】実施の形態1における表示装置の一部透視右側面図である。
【図5】図4の状態における表示装置の背面斜視図である。
【図6】実施の形態1における表示装置の一部透視右側面図である。
【図7】図6の状態における表示装置の背面斜視図である。
【図8】図7の状態における表示装置の固定構造を拡大して示す一部破断背面斜視図である。
【図9】図2の状態における表示装置の固定構造を拡大して示す背面斜視図である。
【図10】実施の形態1における表示装置が梱包された様子を示す一部透視右側面図である。
【図11】実施の形態2における表示装置の一部透視右側面図である。
【図12】実施の形態2における表示装置の一部透視右側面図である。
【図13】実施の形態2における表示装置の正面斜視図である。
【図14】実施の形態2における表示装置の正面斜視図である。
【図15】実施の形態2における表示装置が梱包された様子を示す一部透視右側面図である。
【図16】実施の形態2における表示装置の右側面図である。
【図17】実施の形態2における表示装置の正面斜視図である。
【図18】実施の形態2における表示装置の上面斜視図である。
【図19】実施の形態3における表示装置の一部透視右側面図である。
【図20】図19の状態における表示装置の背面斜視図である。
【図21】実施の形態3における表示部とスタンドとの接続部を拡大して示す右側面図である。
【図22】実施の形態3における表示装置の一部透視右側面図である。
【図23】図22の状態における表示装置の背面斜視図である。
【図24】実施の形態3における表示装置の一部透視右側面図である。
【図25】図24の状態における表示装置の背面斜視図である。
【図26】図25の状態における表示装置の固定構造を拡大して示す一部破断背面斜視図である。
【図27】図20の状態における表示装置の固定構造を拡大して示す背面斜視図である。
【図28】実施の形態3における表示装置が梱包された様子を示す一部透視右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
実施の形態1.
図1は、本実施の形態における表示装置100の一部透視右側面図である。図2は、図1の状態における表示装置100の背面斜視図である。表示装置100は、画像を表示する装置であり、例えばテレビジョン放送を受信して表示するテレビ装置である。ただし、表示装置100は、テレビ装置に限られず、例えばコンピュータの画面を表示するモニタであってもよい。表示装置100は、表示部1とスタンド2とを備える。
【0013】
表示部1は、画像を表示する表示面Sを有する。表示面Sは、左右方向および上下方向に広がる平面形状を有し、具体的には、左右方向の辺と上下方向の辺とを有する矩形形状を有する。表示部1は、薄型または平板状の形状を有する。具体的には、表示部1は、左右方向(幅方向)および上下方向(高さ方向)に長く、前後方向(奥行き方向)に薄い形状を有する。
【0014】
ここで、本明細書において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」とは、それぞれ、表示面Sに向かって見たときの(具体的には、表示面Sを正面から見たときの)、上、下、左、右、前、後を意味する。図1では、紙面に垂直な方向が左右方向に対応し、紙面の上下方向が上下方向に対応し、紙面の左右方向が前後方向に対応する。
【0015】
図1の例では、表示部1は、映像表示パネル24、ベゼル31、バックカバー32、および回路基板23を有する。
【0016】
映像表示パネル24は、例えば、液晶パネル、プラズマディスプレイパネル(PDP)、有機ELパネルであり、表示面Sを有する。
【0017】
ベゼル31は、映像表示パネル24の前面側(正面側)の周囲を覆う枠状のカバーであり、バックカバー32は、映像表示パネル24の後面側(背面側)を覆うカバーである。
【0018】
回路基板23は、画像表示など、表示部1の動作を制御するものである。本例では、図2に示されるように、映像表示パネル24の背面に、左右に1つずつ、2つの回路基板23が取り付けられている。
【0019】
バックカバー32の背面には、後述する第1スタンドホルダ601を格納するための領域として、凹状の格納領域(窪み)150が設けられている。図2では、格納領域150は、左右に分割して取り付けられた2つの回路基板23の間に形成されている。また、格納領域150は、例えば、バックカバー32の背面と映像表示パネル24の背面との間に設けられる。格納領域150の範囲は、例えば、第1スタンドホルダ601が回転して格納されるに必要な大きさに設定される。
【0020】
スタンド2は、表示部1を台(または卓)上に立てた状態で支持するものであり、表示装置100を台上に自立させるためのものである。具体的には、スタンド2は、表示部1を台上に垂直に配置した状態で支持する。スタンド2は、表示部1を台上に立てた状態で支持する状態において、表示面Sに向かって見て前後方向に延びる奥行きを有する。すなわち、スタンド2は、表示部1が前方または後方に転倒しないように、スタンド2の奥行き方向(表示部1の前後方向)に所定の長さを有する。本例では、スタンド2は、奥行き方向および幅方向(左右方向)に延びる薄板状の形状を有する。また、スタンド2は、表示部1を台上に立てた状態において台の設置面と対向または接触する底面(座面)2bを有する。
【0021】
図1および図2は、表示部1がスタンド2により台上に立てられた状態を示している。この状態は、表示装置100が台上(または卓上)で使用される状態であり、卓上使用状態または通常使用状態と言える。
【0022】
以下、表示部1とスタンド2との接続について説明する。なお、本明細書において、「垂直」、「平行」とは、それぞれ、厳密な意味での垂直、平行に限定されるものではなく、略垂直、略平行を含む。
【0023】
スタンド2は、表示部1に対し、表示面Sに向かって見て左右方向(または表示部1の左右方向)に平行な軸AX周りに回転可能に接続される。また、スタンド2は、スタンド2の奥行き方向(または底面2bの前後方向)に移動可能(または並進可能)に接続される。具体的には、表示装置100は、表示部1とスタンド2とを接続する接続部600を有し、この接続部600は、スタンド2を、表示部1に対し、軸AX周りに回転可能に、かつスタンド2の奥行き方向に移動可能に接続する。軸AXは、表示部1の下端と上端との間に位置する。
【0024】
図3は、表示部1とスタンド2との接続部600を拡大して示す右側面図である。図3において、接続部600は、表示部1とスタンド2とを接続する接続部材である第1スタンドホルダ601を含む。この第1スタンドホルダ601は、表示部1に対し、軸AX周りに回転可能に接続される。具体的には、表示部1には、軸AXを画定する左右一対の回転軸5a,5bが設けられており、第1スタンドホルダ601は、当該回転軸5a,5bに対して回転可能に接続される。
【0025】
スタンド2は、第1スタンドホルダ601に対し、スタンド2の奥行き方向に移動可能に接続される。図3では、スタンド2には第2スタンドホルダ602が固定されており、この第2スタンドホルダ602が、第1スタンドホルダ601に対して、奥行き方向に移動可能に接続される。
【0026】
以下、図1〜図3を参照して、接続部600の構成をより詳しく説明する。
第1スタンドホルダ601は、右側面部601aと、左側面部601bと、これらの上端同士を接続する上面部601cとを有する。上面部601cには、それぞれ回転軸5a,5bと回転可能に接続される左右一対のアーム601d,601eが設けられている。具体的には、アーム601d,601eのそれぞれの上端部には、左右方向に延びる孔が設けられており、アーム601d,601eの孔に、それぞれ回転軸5a,5bが挿通される。右側面部601aおよび左側面部601bには、それぞれスタンド2の奥行き方向に延びる(すなわち長手方向が奥行き方向と平行な)長孔7が設けられている。この長孔7は、スタンド2をスライドさせるためのものであり、スライド孔とも言える。
【0027】
第2スタンドホルダ602は、右側面部602aと、左側面部602bと、これらの下端同士を接続する底面部602cとを有する。右側面部602aおよび左側面部602bは、それぞれ右側面部601aおよび左側面部601bの左右方向外側に位置し、底面部602cは、上面部601cと対向するように第1スタンドホルダ601の下方に位置する。右側面部602aおよび左側面部602bには、それぞれ、左右方向内向きに凸となるように、スタンド2の奥行き方向に間隔を空けて一対のスライド軸8a,8bが設けられている。
【0028】
右側面部602aのスライド軸8a,8bは、右側面部601aの長孔7に挿入され、左側面部602bのスライド軸8a,8bは、左側面部601bの長孔7に挿入される。スライド軸8a,8bは、長孔7内を当該長孔7の長手方向に沿って移動することができ、これによりスタンド2が奥行き方向に移動可能になっている。
【0029】
以下、図1〜図7を参照して、スタンド2の可動範囲および各状態における位置について説明する。
【0030】
スタンド2は、スタンド2の奥行き方向が表示面Sに垂直となる第1の回転位置(図1参照)と、スタンド2の奥行き方向が表示面Sに平行となる第2の回転位置(図4および図6参照)との間で、軸AX周りに回転可能に構成される。第2の回転位置では、スタンド2は、表示部1の後方に位置する。また、スタンド2は、第1の回転位置においてスタンド2の奥行き方向手前側の端部2fが表示部1の前方に位置する第1の移動位置(図1参照)と、当該位置よりも奥行き方向奥側の第2の移動位置との間で、奥行き方向に移動可能に構成される。望ましくは、図6に示されるように、スタンド2が第2の回転位置かつ第2の移動位置にある場合、手前側の端部2fは、表示部1の下端と略同じか上方に位置する。
【0031】
より詳しく説明すると、図1の卓上使用状態においては、表示部1を台上に垂直に配置するために、スタンド2は、表示部1に対して垂直となっている。すなわち、スタンド2の奥行き方向は、表示面S(または表示部1)に対して垂直になっている。また、卓上使用状態においては、表示部1の転倒を防止するために、スタンド2の奥行き方向手前側の端部2fは、表示部1の前方に位置しており、奥行き方向奥側の端部2rは、表示部1の後方に位置している。このとき、スタンド2のスライド位置は、奥行き方向手前側(図1では最も手前側)となっており、より奥側に移動可能になっている。
【0032】
上記の状態から、スタンド2を軸AX周りに90度回転させると、図4および図5に示される状態になる。この状態では、スタンド2は、表示面S(または表示部1)に対して平行になっている。すなわち、スタンド2の奥行き方向は、表示面Sに対し平行になっている。また、スタンド2は、表示部1の後方に位置している。スタンド2の奥行き方向手前側の端部2fは、表示部1の下端よりも下方に位置している。図4では、端部2fは、表示部1の下端よりも長さAだけ下方に迫り出した位置にある。
【0033】
上記の状態から、スタンド2を奥行き方向奥側(方向V)に移動させると、スタンド2の手前側端部2fの表示部1の下端からの迫り出しの長さが小さくなる。本例では、スタンド2は、奥行き方向奥側に少なくとも長さAに相当する長さだけ移動可能に構成されている。具体的には、長孔7の長手方向の長さは、スライド軸8a,8bが少なくとも長さAに相当する長さだけ移動できるように設定されている。したがって、スタンド2を奥行き方向奥側(方向V)に移動させることにより、例えば図6および図7に示される状態になる。この状態では、スタンド2の奥行き方向手前側の端部2fは、表示部1の下端と略同じか上方に位置している。そして、スタンド2およびスタンド2に係る構成要素(例えば第1スタンドホルダ601および第2スタンドホルダ602)は、表示部1の正面領域内(または表示部1の下端から上端までの範囲内)に、すべて収められている。すなわち、表示部1の正面から見た場合に、スタンド2およびスタンド2に係る構成要素は見えない。
【0034】
さらに、表示装置100は、スタンド2を表示部1に対して固定するための固定構造を有する。本例では、固定構造は、第1スタンドホルダ601および第2スタンドホルダ602を表示部1に固定するための構造を含む。
【0035】
図8は、図7の状態における表示装置100の固定構造を拡大して示す一部破断背面斜視図である。図9は、図2の状態における表示装置100の固定構造を拡大して示す背面斜視図である。以下、図8および図9を参照して、第1スタンドホルダ601および第2スタンドホルダ602を表示部1に固定するための構造について具体的に説明する。
【0036】
図8に示されるように、表示部1には、その下端近傍に左右一対の固定用雌ねじ孔11a,11bが形成されている。第1スタンドホルダ601において、右側面部601aおよび左側面部601bには、それぞれ、スタンド2の奥行き方向に垂直なフランジ部601fおよび601gが設けられている。フランジ部601f,601gには、それぞれ固定用雌ねじ孔11a,11bに対応する固定用貫通孔12a,12bが形成されている。第2スタンドホルダ602において、右側面部602aおよび左側面部602bには、それぞれ、スタンド2の奥行き方向に垂直なフランジ部602fおよび602gが設けられている。フランジ部602f,602gには、それぞれ固定用雌ねじ孔11a,11bに対応する固定用貫通孔13a,13bが形成されている。
【0037】
図9に示されるように、卓上使用状態では、表示部1に設けられた固定用雌ねじ孔11aと、第1スタンドホルダ601に設けられた固定用貫通孔12aと、第2スタンドホルダ602に設けられた固定用貫通孔13aとのそれぞれの中心が同一軸線上に配置される。同様に、表示部1に設けられた固定用雌ねじ孔11bと、第1スタンドホルダ601に設けられた固定用貫通孔12bと、第2スタンドホルダ602に設けられた固定用貫通孔13bとのそれぞれの中心が同一軸線上に配置される。固定用雌ねじ11a,11bのそれぞれに対応して、固定用雄ねじ14a,14bが用意される。固定用雄ねじ14aは、固定用貫通孔13a,12aを通って固定用雌ねじ11aと結合し、固定用雄ねじ14bは、固定用貫通孔13b,12bを通って固定用雌ねじ11bと結合する。これにより、第1スタンドホルダ601および第2スタンドホルダ602が表示部1に固定され、スタンド2が表示部1に固定される。
【0038】
次に、表示装置100を梱包する作業について説明する。
まず、作業者は、図1および図2に示される卓上使用状態から、スタンド2を軸AX周りに回転させ、図4および図5に示されるように、スタンド2の奥行き方向(または底面2b)が表示面S(または表示部1)と平行な状態にする。このとき、第1スタンドホルダ601は、格納領域150に収まる。また、スタンド2の手前側の端部2fは、表示部1の下端よりも長さAだけ下方に迫り出した位置にある。
【0039】
ついで、図4および図5に示される状態から、スタンド2を奥行き方向奥側(上方向V)に移動させる。これにより、図6および図7に示されるように、スタンド2およびスタンド2に係る構成要素(例えば接続部600)が、表示部1の正面領域内にすべて収まる。すなわち、表示部1を正面から見た場合に、スタンド2およびスタンド2に係る構成要素が見えない状態となる。
【0040】
ついで、上記梱包用の状態(または折り畳み状態)となった表示装置100を、図10に示されるように、梱包箱20に収納し、その四隅にクッション21を配置する。
【0041】
上記の作業は、具体的には、例えば次のように行われる。作業者は、表示面Sが台と平行に向き合い、スタンド2が台の端からはみ出すように、表示装置100を台上に倒す。ついで、表示装置100から固定用雄ねじ14a,14bを外し、スタンド2を回転およびスライドさせ、梱包用の状態にして、梱包箱20に収納する。
【0042】
なお、スタンド2の回転およびスライドの手順は、上記に限定されず、例えば上記と逆順であってもよい。
【0043】
次に、表示装置100を開梱して設置する作業について説明する。
まず、作業者は、図6および図7に示される梱包用の状態から、スタンド2を奥行き方向手前側に移動させ、図4および図5に示される状態にする。
【0044】
ついで、図4および図5に示される状態から、スタンド2を軸AX周りに回転させ、図1および図2に示される卓上使用状態にする。
【0045】
ついで、固定用雄ねじ14a,14bを取り付けて、スタンド2を表示部1に締結し固定する。この場合、ねじ留め操作は、表示部1の背面方向から行われることができ、高い作業性が提供される。
【0046】
上記の作業は、具体的には、例えば次のように行われる。作業者は、梱包箱20から表示装置100を取り出す。そして、表示面Sが台と平行に向き合い、表示部1の下端と台の端とが一致するように、表示部1を台上に伏せて置く。ついで、スタンド2をスライドおよび回転させた後に、スタンド2を表示部1にねじ留めする。最後に、表示装置100を回転させて起こし、スタンド2を台上に配置する。
【0047】
なお、スタンド2の回転およびスライドの手順は、上記に限定されず、例えば上記と逆順であってもよい。
【0048】
以上説明した本実施の形態によれば、下記(1)〜(7)の効果が得られ得る。
(1)本実施の形態では、スタンドは、表示部に対し、表示面に向かって見て左右方向に平行な軸周りに回転可能に、かつスタンドの奥行き方向に移動可能に接続される。本実施の形態によれば、梱包サイズを小さくすることができる。具体的には、スタンドを左右方向に平行な軸周りに回転させることにより、表示装置の前後方向のサイズを小さくすることができる。また、スタンドの回転に加えて、スタンドをスタンドの奥行き方向に移動させることにより、表示装置の上下方向のサイズを小さくすることができる。これにより、梱包箱のサイズ(または外寸)を小型化することができ、搬送コストや在庫管理における空間占有容積を低減することができる。また、特許文献1のように、表示部とスタンドとを切り離した状態で梱包する場合と比較して、組立作業による使用者への負担を抑えることができる。また、複雑な機構を必要としない単純な構造で実現される折り畳み式スタンドを提供することが可能となる。
【0049】
(2)スタンドの回転軸は、表示部の下端と上端との間に位置する。本態様によれば、特許文献2,3のように回転軸が表示部の下端よりも下方に位置する場合と比較して、折り畳み後の表示装置の上下方向のサイズを小さくすることができ、梱包箱の上下方向のサイズを小さくすることができる。
【0050】
(3)スタンドは、スタンドの奥行き方向が表示面に垂直となる第1の回転位置と、スタンドの奥行き方向が表示面に平行となる第2の回転位置との間で、上記軸周りに回転可能である。本態様によれば、スタンドを第1の回転位置から第2の回転位置に回転させることにより、スタンドを表示面に平行にすることができ、表示装置の前後方向のサイズ(奥行きサイズ)を小さくすることができ、梱包箱の前後方向のサイズを小さくすることができる。
【0051】
(4)スタンドは、第2の回転位置において表示部の後方に位置する。本態様によれば、スタンドと表示部との接続部を表示部の後方に配置することができ、接続部が正面から見えないまたは目立たないようにすることができる。
【0052】
(5)スタンドは、第2の回転位置において表示部の後方に位置する。さらに、スタンドは、第1の回転位置においてスタンドの奥行き方向手前側の端部が表示部の前方に位置する第1の移動位置と、当該第1の移動位置よりも奥行き方向奥側の第2の移動位置との間で、奥行き方向に移動可能である。本態様では、スタンドが第1の回転位置かつ第1の移動位置にある場合、スタンドの奥行き方向手前側の端部は表示部の前方に位置するので、表示部を垂直に立てた場合に、表示部の前方への転倒を防止することができる。また、本態様では、スタンドを第1の回転位置から第2の回転位置に回転させた場合、スタンドの奥行き方向手前側の端部は表示部の下端よりも下方に位置することになるが、スタンドを第1の移動位置から第2の移動位置に移動させることにより、スタンドの奥行き方向手前側の端部を上方に移動させることができる。これにより、表示装置の上下方向のサイズを小さくすることができ、梱包箱の上下方向のサイズを小さくすることができる。
【0053】
(6)上記(5)の場合において、スタンドが第2の回転位置かつ第2の移動位置にある場合、スタンドの奥行き方向手前側の端部は、表示部の下端と略同じか上方に位置する。本態様によれば、表示部の下端からのスタンドの迫り出しを略または完全に無くすことができる。
【0054】
(7)接続部は、表示部とスタンドとを接続する接続部材を含み、接続部材は、表示部に対し、上記軸周りに回転可能に接続され、スタンドは、接続部材に対し、スタンドの奥行き方向に移動可能に接続される。本態様によれば、簡易な構成により、スタンドを表示部に対し回転可能かつ移動可能に接続することができる。
【0055】
実施の形態2.
図11および図12は、本実施の形態における表示装置200の一部透視右側面図である。図13および図14は、本実施の形態における表示装置200の正面斜視図である。上記実施の形態1における表示装置100は、表示部1に対してスタンド2が回転および移動可能に構成されるものであったが、本実施の形態2における表示装置200は、ディスクドライブ3を有し、このディスクドライブ3が表示部1に対して回転可能に構成されるものである。以下、本実施の形態における表示装置200について説明するが、上記実施の形態1と同じまたは対応する部分については、同一の符号を付し、説明を省略または簡略化する。
【0056】
スタンド2は、実施の形態1のものと略同様のものであるが、図11では、表示部1に固定的に取り付けられている。具体的には、スタンド2には、スタンド2と表示部1との連結部材としてのスタンドホルダ6が固定される。このスタンドホルダ6は、図12に示されるように、表示部1に対して左右一対の固定用雄ねじ14a,14bで締結され固定される。
【0057】
図11は、表示部1がスタンド2により台上に立てられている状態を示している。この状態は、表示装置200が台上(または卓上)で使用される状態であり、卓上使用状態または通常使用状態と言える。
【0058】
ディスクドライブ3は、可搬型の記録媒体であるディスク(例えば光ディスク)を駆動する装置であり、具体的にはディスクの再生または記録を行うものである。本例では、ディスクドライブ3は、広く市場で流通する汎用品である。
【0059】
ディスクドライブ3は、ディスクが出し入れされる出し入れ口を有する。具体的には、ディスクドライブ3は、出し入れ口として、ディスクトレー41を進退させるための開口を有する。この開口は、ディスクトレー41が引き込まれた状態において、ディスクトレー41の先端の面であるディスク挿入面42により塞がれる。
【0060】
また、ディスクドライブ3は、出し入れ口から入れられたディスクを収容することができるように、出し入れ口の背面側に延びる長手方向を有する。本例では、ディスクドライブ3は、ディスクトレー41を収容することができるように、ディスクトレー41の進退方向(またはディスクの出し入れ方向)に延びる長手方向を有する。具体的には、図11に示されるように、ディスクドライブ3の長手方向を表示面Sに垂直に配置した状態において、ディスクドライブ3は、前後方向(奥行き方向)および左右方向(幅方向)に長く、上下方向(高さ方向)に薄い形状を有する。
【0061】
ディスクドライブ3は、表示部1に対し、表示面Sに向かって見て左右方向(または表示部1の左右方向)に平行な軸AX周りに回転可能に接続される。軸AXは、表示部1の下端と上端との間に位置する。
【0062】
図11の例では、表示装置200は、ディスクドライブ3を保持する保持部材であるディスクドライブホルダ4a,4bを有する。ディスクドライブホルダ4a,4bは、ここではディスクドライブ3を両側面から挟持する左右一対の部材である。ディスクドライブホルダ4a,4bは、表示部1に対し、軸AX周りに回転可能に接続される。具体的には、表示部1には、軸AXを画定する左右一対の回転軸5a,5bが設けられており、ディスクドライブホルダ4a,4bは、当該回転軸5a,5bに対して回転可能に接続される。具体的には、ディスクドライブホルダ4a,4bには、それぞれ左右方向に延びる孔が設けられており、ディスクドライブホルダ4a,4bの孔に、それぞれ回転軸5a,5bが挿通される。
【0063】
以下、図11〜図14を参照して、ディスクドライブ3の可動範囲および各状態における位置について説明する。
【0064】
ディスクドライブ3は、出し入れ口が表示面Sの前方を向く第1の装置回転位置(図11参照)と、当該第1の装置回転位置よりもディスクドライブ3の長手方向が表示面Sと平行に近い第2の装置回転位置(図12参照)との間で、軸AX周りに回転可能に構成される。本例では、第1の装置回転位置において、ディスクドライブ3の長手方向は表示面Sと垂直であり、第2の装置回転位置において、ディスクドライブ3の長手方向は表示面Sと平行である。また、第1の装置回転位置において、ディスクドライブ3は、ディスクの出し入れの際にディスクの記録面が上下方向を向くように配置される。また、第2の装置回転位置において、ディスクドライブ3は、表示部1の後方に位置する。さらに、第2の装置回転位置において、ディスクドライブ3は、表示部1の下端と上端との間に位置する。
【0065】
より具体的に説明すると、卓上使用状態では、ディスクを表示面Sの前方からディスクドライブ3に出し入れできるように、ディスクドライブ3は、ディスクの出し入れ口(またはディスクの出し入れ側)が表示面Sの前方を向くように配置される。また、ディスクを台と平行な状態で出し入れできるように、ディスクドライブ3は、ディスクトレー41が台と平行になるように配置される。具体的には、図13および図14に示されるように、表示部1の下方(ベゼル31の下部)には、ディスクを挿入または抜き出すためのディスク挿入口10が設けられる。卓上使用状態においては、ディスクドライブ3は、ディスクトレー41のディスク挿入面42と、ディスク挿入口10とが対向するように配置される。例えば、ディスクドライブ3は、ディスク挿入面42がディスク挿入口10に対向して前方を向くように、表示面S(または表示部1)に対して垂直に配置される。すなわち、ディスクの出し入れ方向Bが表示面Sに対して垂直となるように配置される。
【0066】
ディスクの挿入または抜出の際には、ディスクトレー41が前方に進出し、この動作に伴いディスク挿入口10が開き、図14に示されるように、ディスクトレー41に対するディスクの着脱が可能な状態になる。ディスクの着脱は、ディスクを台と平行な状態にして行われる。ディスクの着脱の後、ディスクトレー41が後方に退避すると、この動作に伴いディスク挿入口10が閉じる。したがって、使用者は、表示装置200の正面から、通常のディスクプレーヤなどと同様の使い勝手でディスクを挿入または抜出することができる。
【0067】
一方、ディスクドライブ3が第2の装置回転位置にある状態では、図12に示されるように、ディスクドライブ3は、ディスクの出し入れ口(またはディスク挿入面42)が下方を向き、表示面Sに対して平行となるように配置される。すなわち、ディスクドライブ3は、ディスクドライブ3の長手方向(またはディスクの出し入れ方向)が表示面Sに平行となるように配置される。
【0068】
ここで、バックカバー32の背面には、ディスクドライブ3を格納するための領域として凹状の格納領域(窪み)15が設けられており、第2の装置回転位置において、ディスクドライブ3は格納領域15に収まる。格納領域15は、例えば、実施の形態1と同様に、左右に分割して取り付けられた回路基板23の間に形成される。また、格納領域15は、例えば、バックカバー32の背面と映像表示パネル24の背面との間に設けられる。格納領域15の範囲は、例えば、ディスクドライブ3が回転して格納されるのに必要な大きさに設定される。
【0069】
次に、表示装置200を梱包する作業について説明する。
まず、作業者は、図11に示される卓上使用状態から、スタンド2およびスタンドホルダ6を表示部1から取り外す。ついで、ディスクドライブ3を軸AX周りにディスク挿入面42を下として略90度回転させ、格納領域15に収める。この際、ディスクドライブ3は、表示装置200に設けられた固定構造または他の手段により、表示部1に固定されてもよい。
【0070】
ついで、上記状態となった表示装置200と、取り外されたスタンド2およびスタンドホルダ6とを、図15に示されるように、梱包箱20に収納し、その四隅にクッション21を配置する。図15では、取り外されたスタンド2およびスタンドホルダ6は、表示部1の背面側に配置されている。
【0071】
なお、表示装置200を開梱して設置する作業は、例えば上記と逆順の手順となる。卓上使用状態において、ディスクドライブ3は、表示装置200に設けられた固定構造または他の手段により、表示部1に固定されてもよい。例えば、ディスクドライブホルダ4a,4bは、左右一対の固定用雄ねじ14a,14bにより、スタンドホルダ6とともに表示部1に固定されてもよい。
【0072】
次に、本実施の形態2における表示装置200が壁掛け設置される場合について、図16および図17を参照して説明する。壁掛け設置時には、表示装置200は、壁Wに設けられた壁掛け用の部材70により、表示面Sが垂直または壁Wと平行となるように壁Wに掛けられる。この場合、スタンド2およびスタンドホルダ6は表示部1から取り外され、ディスクドライブ3はディスク挿入面42が下向きとなる位置(第2の装置回転位置)で固定される。この状態で、使用者が、図示しない操作部(例えばリモコンや表示装置200に設けられたボタン)を操作することによってイジェクト操作を行うと、図17に示されるように、ディスクトレー41が表示部1の下方に延出する。この状態において、使用者は、表示装置200の正面から、ディスクを表示面Sに対して平行にした状態で、ディスクトレー41にディスクをセットする。その後、使用者が、操作部を操作することによって引き込み操作を行うと、ディスクトレー41が引き込まれ、ディスクドライブ3内にディスクが取り込まれる。
【0073】
次に、本実施の形態2における表示装置200を工場で調整する場合について、図18を参照して説明する。工場調整時においては、表示装置200は、表示面Sが表向きになるように、製造ライン上の搬送用パレット43に寝かされるように設置される。この場合、スタンド2およびスタンドホルダ6は表示部1から取り外され、ディスクドライブ3は、表示面Sと平行になる位置(第2の装置回転位置)で固定される。この状態で、表示装置200の調整や動作確認が実施可能である。したがって、スタンドなど、表示部1を垂直に保持するための保持部品を用いることなく、表示装置200の調整や動作確認を行うことが可能である。
【0074】
以上説明した本実施の形態によれば、下記(8)〜(14)の効果が得られ得る。
(8)本実施の形態では、ディスクドライブは、表示部に対し、表示面に向かって見て左右方向に平行な軸周りに回転可能に接続され、ディスクの出し入れ口が表示面の前方を向く第1の装置回転位置と、当該第1の装置回転位置よりもディスクドライブの長手方向が表示面と平行に近い第2の装置回転位置との間で回転可能である。本実施の形態によれば、梱包サイズを小さくすることができる。具体的には、第1の装置回転位置では、出し入れ口が表示面の前方を向くので、ディスクを表示面の前方から出し入れすることが可能である。そして、ディスクドライブを第1の装置回転位置から第2の装置回転位置に回転させることにより、表示装置の前後方向のサイズを小さくすることができ、梱包箱の前後方向のサイズを小型化することができる。具体的には、上記ディスクドライブの折り畳み構造によって、表示装置の前方からディスクの挿入、取り出しが可能なディスクドライブ内蔵の表示装置の梱包サイズを小型化することができる。これにより、ディスクドライブ内蔵の表示装置の搬送コストや在庫管理における空間占有容積を低減できる。
【0075】
(9)ディスクドライブの回転軸は、表示部の下端と上端との間に位置する。本態様によれば、回転軸が表示部の下端よりも下方に位置する場合と比較して、折り畳み後の表示装置の上下方向のサイズを小さくすることができ、梱包箱の上下方向のサイズを小さくすることができる。
【0076】
(10)第2の装置回転位置において、ディスクドライブの長手方向が表示面と平行である。本態様によれば、第1の装置回転位置から第2の装置回転位置に回転させることにより、ディスクドライブの長手方向を表示面に平行にすることができる。これにより、ディスクドライブの前後方向への迫り出しを小さくすることができ、表示装置の前後方向のサイズを小さくすることができ、梱包箱の前後方向のサイズを小さくすることができる。
【0077】
(11)ディスクドライブは、第2の装置回転位置において表示部の後方に位置する。本態様によれば、ディスクドライブと表示部との接続部を表示部の後方に配置することができ、接続部が正面から見えないまたは目立たないようにすることができる。
【0078】
(12)ディスクドライブは、第2の装置回転位置において表示部の下端と上端との間に位置する。本態様によれば、ディスクドライブが表示部の下端または上端から迫り出す場合と比較して、表示装置の上下方向のサイズを小さくすることができ、梱包箱の上下方向のサイズを小さくすることができる。
【0079】
(13)卓上設置時には表示装置の前方からディスクの出し入れを可能とし、壁掛け設置時には、表示装置を壁面から大きく突出することなく設置し、表示装置の下側からディスクの出し入れを可能とする表示装置を提供することができる。
【0080】
(14)工場での表示装置の調整工程においては、スタンドを取り付けることなく、表示装置を調整台(例えば搬送用パレット)に寝かせたままで、表示面上の画面を見ながらの調整や、ディスクドライブの動作確認を行うことができる。
【0081】
実施の形態3.
図19は、本実施の形態3における表示装置300の一部透視右側面図である。図20は、図19の状態における表示装置300の背面斜視図である。本実施の形態3における表示装置300は、実施の形態1と同様に、表示部1に対してスタンド2が回転および移動可能に構成され、さらに実施の形態2と同様に、ディスクドライブ3が表示部1に対して回転可能に構成されるものである。以下、本実施の形態における表示装置300について説明するが、上記実施の形態1または2と同じまたは対応する部分については、同一の符号を付し、説明を省略または簡略化する。
【0082】
図19および図20は、表示部1がスタンド2により台上に立てられている状態を示している。この状態は、表示装置300が台上(または卓上)で使用される状態であり、卓上使用状態または通常使用状態と言える。
【0083】
スタンド2は、実施の形態1と同様のものであり、実施の形態1と同様に、表示部1に対し、軸AX周りに回転可能に、かつスタンド2の奥行き方向に移動可能に接続される。
【0084】
ディスクドライブ3は、実施の形態2と同様のものであり、実施の形態2と同様に、表示部1に対し、軸AX周りに回転可能に接続される。
【0085】
スタンド2とディスクドライブ3とは、別々に回転するように構成されてもよいが、本例では、表示装置300は、スタンド2と共にディスクドライブ3も併せて回転するように構成される。具体的には、スタンド2は、ディスクドライブ3に対し、スタンド2の奥行き方向に移動可能に接続され、ディスクドライブ3とともに軸AX周りに回転するように構成される。
【0086】
図21は、本実施の形態における表示部1とスタンド2との接続部600を拡大して示す右側面図である。本例では、接続部600は、ディスクドライブ3を保持する保持部材であるディスクドライブホルダ4a,4bを含む。ディスクドライブホルダ4a,4bは、ここではディスクドライブ3を両側面から挟持する左右一対の部材である。ディスクドライブホルダ4a,4bは、表示部1に対し、軸AX周りに回転可能に接続される。具体的には、表示部1には、軸AXを画定する左右一対の回転軸5a,5bが設けられており、ディスクドライブホルダ4a,4bは、当該回転軸5a,5bに対して回転可能に接続される。
【0087】
スタンド2は、ディスクドライブホルダ4a,4bに対し、スタンド2の奥行き方向に移動可能に接続される。図21では、スタンド2にはスタンドホルダ603が固定されており、このスタンドホルダ603が、ディスクホルダ4a,4bに対して、奥行き方向に移動可能に接続される。
【0088】
より具体的には、ディスクドライブホルダ4a,4bには、それぞれスタンド2の奥行き方向に延びる(すなわち長手方向が奥行き方向と平行な)長孔7が設けられている。この長孔7は、スタンド2をスライドさせるためのものであり、スライド孔とも言える。
【0089】
スタンドホルダ603は、実施の形態1における第2スタンドホルダ602と略同様のものであり、右側面部603aと、左側面部603bと、底面部603cとを有する。右側面部603aおよび左側面部603bは、それぞれディスクドライブホルダ4aおよび4bの左右方向外側に位置し、底面部603cは、ディスクドライブ3の下方に位置する。右側面部603aおよび左側面部603bには、それぞれ、左右方向内向きに凸となるように、スタンド2の奥行き方向に間隔を空けて一対のスライド軸8a,8bが設けられている。
【0090】
右側面部603aのスライド軸8a,8bは、ディスクドライブホルダ4aの長孔7に挿入され、左側面部603bのスライド軸8a,8bは、ディスクドライブホルダ4bの長孔7に挿入される。スライド軸8a,8bは、長孔7内を当該長孔7の長手方向に沿って移動することができ、これにより、スタンド2は、ディスクドライブ3に対して平行位置を維持し続けた状態で、奥行き方向に移動することができる。
【0091】
以下、図19〜図25を参照して、スタンド2およびディスクドライブ3の、可動範囲および各状態における位置について説明する。
【0092】
スタンド2は、実施の形態1と同様に、第1の回転位置(図19および図20参照)と、第2の回転位置(図22〜図25参照)との間で、軸AX周りに回転可能に構成される。また、スタンド2は、実施の形態1と同様に、第1の移動位置(図22および図23参照)と、第2の移動位置(図24および図25参照)との間で、奥行き方向に移動可能に構成される。
【0093】
ディスクドライブ3は、実施の形態2と同様に、第1の装置回転位置(図19および図20参照)と、第2の装置回転位置(図22〜図25参照)との間で、軸AX周りに回転可能に構成される。
【0094】
このように、スタンド2の可動範囲および各状態における位置は、実施の形態1と同様であり、ディスクドライブ3の可動範囲および各状態における位置は、実施の形態2と同様である。
【0095】
表示装置300は、スタンド2およびディスクドライブ3を表示部1に対して固定するための固定構造を有する。本例では、固定構造は、ディスクドライブホルダ4a,4bおよびスタンドホルダ603を表示部1に固定するための構造を含む。
【0096】
図26は、図25の状態における表示装置300の固定構造を拡大して示す一部破断背面斜視図である。図27は、図20の状態における表示装置300の固定構造を拡大して示す背面斜視図である。以下、図26および図27を参照して、ディスクドライブホルダ4a,4bおよびスタンドホルダ603を表示部1に固定するための構造について具体的に説明する。
【0097】
図26に示されるように、表示部1には、その下端近傍に左右一対の固定用雌ねじ孔11a,11bが形成されている。ディスクドライブホルダ4a,4bには、それぞれ、スタンド2の奥行き方向に垂直なフランジ部4f,4gが設けられている。フランジ部4f,4gには、それぞれ固定用雌ねじ孔11a,11bに対応する固定用貫通孔12a,12bが形成されている。スタンドホルダ603において、右側面部603aおよび左側面部603bには、それぞれ、スタンド2の奥行き方向に垂直なフランジ部603fおよび603gが設けられている。フランジ部603f,603gには、それぞれ固定用雌ねじ孔11a,11bに対応する固定用貫通孔13a,13bが形成されている。
【0098】
図27に示されるように、卓上使用状態では、表示部1に設けられた固定用雌ねじ孔11aと、ディスクドライブホルダ4aに設けられた固定用貫通孔12aと、スタンドホルダ603に設けられた固定用貫通孔13aとのそれぞれの中心が同一軸線上に配置される。同様に、表示部1に設けられた固定用雌ねじ孔11bと、ディスクドライブホルダ4bに設けられた固定用貫通孔12bと、スタンドホルダ603に設けられた固定用貫通孔13bとのそれぞれの中心が同一軸線上に配置される。固定用雌ねじ11a,11bのそれぞれに対応して、固定用雄ねじ14a,14bが用意される。固定用雄ねじ14aは、固定用貫通孔13a,12aを通って固定用雌ねじ11aと結合し、固定用雄ねじ14bは、固定用貫通孔13b,12bを通って固定用雌ねじ11bと結合する。これにより、ディスクドライブホルダ4a,4bおよびスタンドホルダ603が表示部1に固定され、スタンド2およびディスクドライブ3が表示部1に固定される。
【0099】
次に、表示装置300を梱包する作業について説明する。
まず、作業者は、図19および図20に示される卓上使用状態から、スタンド2を軸AX周りに左90度回転させる。これにより、図22および図23に示されるように、ディスクドライブ3およびディスクドライブホルダ4a,4bは格納領域15へ格納され、ディスクドライブ3およびスタンド2は表示部1に対して平行位置をとる。このとき、スタンド2の手前側端部2fは、表示部1の下端よりも長さAだけ迫り出した位置にある。
【0100】
ついで、図22および図23に示される状態から、スタンド2を奥行き方向奥側(方向V)に移動させる。これにより、図24および図25に示されるように、スタンド2およびスタンド2に係る構成要素(例えば接続部600)が、表示部1の正面領域内にすべて収まる。すなわち、表示部1を正面から見た場合に、スタンド2およびスタンド2に係る構成要素が見えない状態となる。
【0101】
ついで、上記梱包用の状態となった表示装置300を、図28に示されるように、梱包箱20に収納し、その四隅にクッション21を配置する。
【0102】
上記の作業は、具体的には、例えば次のように行われる。作業者は、表示面Sが台と平行に向き合い、スタンド2が台の端からはみ出すように、表示装置300を台上に倒す。ついで、表示装置300から固定用雄ねじ14a,14bを外し、スタンド2を回転およびスライドさせ、梱包用の状態にして、梱包箱20に収納する。
【0103】
なお、スタンド2の回転およびスライドの手順は、上記に限定されず、例えば上記と逆順であってもよい。
【0104】
次に、表示装置300を開梱して設置する作業について説明する。
まず、作業者は、図24および図25に示される梱包用の状態から、スタンド2を奥行き方向手前側に移動させ、図22および図23に示される状態にする。
【0105】
ついで、図22および図23に示される状態から、スタンド2を軸AX周りに回転させ、図19および図20に示される卓上使用状態にする。
【0106】
ついで、固定用雄ねじ14a,14bを取り付けて、スタンド2およびディスクドライブ3を表示部1に締結し固定する。この場合、ねじ留め操作は、表示部1の背面方向から行われることができ、高い作業性が提供される。
【0107】
上記の作業は、具体的には、例えば次のように行われる。作業者は、梱包箱20から表示装置300を取り出す。そして、表示面Sが台と平行に向き合い、表示部1の下端と台の端とが一致するように、表示部1を台上に伏せて置く。ついで、スタンド2をスライドおよび回転させた後に、スタンド2およびディスクドライブ3を表示部1にねじ留めする。最後に、表示装置300を回転させて起こし、スタンド2を台上に配置する。
【0108】
なお、スタンド2の回転およびスライドの手順は、上記に限定されず、例えば上記と逆順であってもよい。
【0109】
以上説明した本実施の形態によれば、上記実施の形態1および2の効果の他に、下記(15)〜(16)の効果が得られ得る。
(15)スタンドは、ディスクドライブに対し、スタンドの奥行き方向に移動可能に接続され、ディスクドライブとともに回転する。本態様によれば、ディスクドライブが表示部に対して回転可能に接続される構成において、簡易な構成により、スタンドを表示部に対し回転可能かつ移動可能に接続することができる。また、スタンドはディスクドライブに対して奥行き方向に移動可能に構成されるので、スタンドおよびディスクドライブがともに表示部に対して奥行き方向に移動するよう構成する場合と比較して、ディスクドライブを格納するための格納領域の大きさを小さく(例えば最小に)することができる。
【0110】
(16)接続部は、ディスクドライブを保持する保持部材を備え、当該保持部材は、表示部に対し、上記軸周りに回転可能に接続され、スタンドは、当該保持部材に対し、スタンドの奥行き方向に移動可能に接続される。本態様によれば、ディスクドライブの保持部材をスタンドの接続部材としても利用することができ、簡易な構成により、スタンドを表示部に対し回転可能かつ移動可能に接続することができる。
【0111】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の態様で実施することができる。
【0112】
例えば、実施の形態1〜3では、表示部1側に回転軸5a,5bを設け、スタンドホルダ(またはディスクドライブホルダ)側に回転軸に対応する孔を設ける構成を例示したが、これに限らず、表示部1側に孔を設け、スタンドホルダ(またはディスクドライブホルダ)側に回転軸を設けてもよい。
【0113】
また、実施の形態1〜3では、左右一対の回転軸5a,5bを設ける構成を例示したが、1本の長い回転軸を用いてもよい。
【0114】
また、実施の形態1,3では、スタンドホルダのスライド軸8a,8bを案内するために長孔7を設ける構成を例示したが、長孔7の代わりに、スライド軸8a,8bを案内するためのスライド溝を設けてもよい。
【0115】
また、実施の形態2,3では、ディスクドライブ3として汎用品を用い、その表示部1への取り付けに際して、別部品であるディスクドライブホルダ4a,4bを用いる構成を例示したが、ディスクドライブ3として専用のものを用意し、ディスクドライブ3に回転軸または回転軸に対応する孔を設け、ディスクドライブホルダ4a,4bを省略してもよい。
【0116】
また、実施の形態3では、スタンドの回転軸とディスクドライブの回転軸とが互いに同じである場合を例示したが、両者の回転軸は互いに異なっていてもよい。
【0117】
また、実施の形態2,3では、記録媒体駆動装置としてディスクを駆動するディスクドライブを例示したが、記録媒体駆動装置は、ディスク以外の可搬型の記録媒体を駆動する装置であってもよい。
【符号の説明】
【0118】
1 表示部、 2 スタンド、 3 ディスクドライブ、 4a,4b ディスクドライブホルダ、 5a,5b 回転軸、 600 接続部、 6,603 スタンドホルダ、 601 第1スタンドホルダ、 602 第2スタンドホルダ、 7 長孔、 8a,8b スライド軸、 10 ディスク挿入口、 11a,11b 固定用雌ねじ孔、 12a,12b,13a,13b 固定用貫通孔、 14a,14b 固定用雄ねじ、 15,150 格納領域、 20 梱包箱、 21 クッション、 23 回路基板、 24 映像表示パネル、 31 ベゼル、 32 バックカバー、 41 ディスクトレー、 42 ディスク挿入面、 43 搬送用パレット、 100,200,300 表示装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示面を有する表示部と、
前記表示部を台上に立てた状態で支持し、この状態で前記表示面に向かって見て前後方向に延びる奥行きを有するスタンドと、
前記スタンドを、前記表示部に対し、前記表示面に向かって見て左右方向に平行な軸周りに回転可能に、かつ前記スタンドの奥行き方向に移動可能に接続する接続部と、
を備えることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記軸は、前記表示部の下端と上端との間に位置することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記スタンドは、前記スタンドの奥行き方向が前記表示面に垂直となる第1の回転位置と、前記スタンドの奥行き方向が前記表示面に平行となる第2の回転位置との間で、前記軸周りに回転可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記スタンドは、前記第2の回転位置において前記表示部の後方に位置することを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記スタンドは、前記第1の回転位置において前記スタンドの奥行き方向手前側の端部が前記表示部の前方に位置する第1の移動位置と、当該第1の移動位置よりも奥行き方向奥側の第2の移動位置との間で、前記奥行き方向に移動可能であることを特徴とする請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記スタンドが前記第2の回転位置かつ前記第2の移動位置にある場合、前記スタンドの奥行き方向手前側の端部は、前記表示部の下端と略同じか上方に位置することを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記接続部は、前記表示部と前記スタンドとを接続する接続部材を含み、
前記接続部材は、前記表示部に対し、前記軸周りに回転可能に接続され、
前記スタンドは、前記接続部材に対し、前記スタンドの奥行き方向に移動可能に接続される、
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
可搬型の記録媒体が出し入れされる出し入れ口を有し、前記出し入れ口の背面側に延びる長手方向を有する記録媒体駆動装置を備え、
前記記録媒体駆動装置は、前記表示部に対し、前記表示面に向かって見て左右方向に平行な軸周りに回転可能に接続され、前記出し入れ口が前記表示面の前方を向く第1の装置回転位置と、当該第1の装置回転位置よりも前記長手方向が前記表示面と平行に近い第2の装置回転位置との間で回転可能である、
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記記録媒体駆動装置の回転軸は、前記表示部の下端と上端との間に位置することを特徴とする請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第2の装置回転位置において前記長手方向が前記表示面と平行であることを特徴とする請求項8または9に記載の表示装置。
【請求項11】
前記記録媒体駆動装置は、前記第2の装置回転位置において前記表示部の後方に位置することを特徴とする請求項8から10のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項12】
前記記録媒体駆動装置は、前記第2の装置回転位置において前記表示部の下端と上端との間に位置することを特徴とする請求項8から11のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項13】
前記スタンドは、前記記録媒体駆動装置に対し、前記スタンドの奥行き方向に移動可能に接続され、前記記録媒体駆動装置とともに回転することを特徴とする請求項8から12のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項14】
前記接続部は、前記記録媒体駆動装置を保持する保持部材を含み、
前記保持部材は、前記表示部に対し、前記軸周りに回転可能に接続され、
前記スタンドは、前記保持部材に対し、前記スタンドの奥行き方向に移動可能に接続される、
ことを特徴とする請求項8から13のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項15】
画像を表示する表示面を有する表示部と、
可搬型の記録媒体が出し入れされる出し入れ口を有し、前記出し入れ口の背面側に延びる長手方向を有する記録媒体駆動装置と、
を備え、
前記記録媒体駆動装置は、前記表示部に対し、前記表示面に向かって見て左右方向に平行な軸周りに回転可能に接続され、前記出し入れ口が前記表示面の前方を向く第1の装置回転位置と、当該第1の装置回転位置よりも前記長手方向が前記表示面と平行に近い第2の装置回転位置との間で回転可能である、
ことを特徴とする表示装置。
【請求項16】
前記軸は、前記表示部の下端と上端との間に位置することを特徴とする請求項15に記載の表示装置。
【請求項17】
前記第2の装置回転位置において前記長手方向が前記表示面と平行であることを特徴とする請求項15または16に記載の表示装置。
【請求項18】
前記記録媒体駆動装置は、前記第2の装置回転位置において前記表示部の後方に位置することを特徴とする請求項15から17のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項19】
前記記録媒体駆動装置は、前記第2の装置回転位置において前記表示部の下端と上端との間に位置することを特徴とする請求項15から18のいずれか1項に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2012−247675(P2012−247675A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−120279(P2011−120279)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】