説明

表示装置

【課題】導光板からの漏れ光を遮断して、品位低下を防止することを目的とする。
【解決手段】バックライト24は、光源26を搭載した配線基板28と、光源26の光を端面から入射して表面32から出射する導光板30と、配線基板28を導光板30の表面32の端部に貼り付ける遮光粘着シート52と、導光板30の表面32に重ねられた光拡散シート38を含む。導光板30の表面32は、面光源としての有効領域34と、光が入射する端面から有効領域34までの入光領域36と、を含む。配線基板28及び遮光粘着シート52は、入光領域36に位置する部分を有する。光拡散シート38は、有効領域34から入光領域36にわたって配置され、入光領域36では少なくとも遮光粘着シート52に重ねられる。遮光粘着シート52よりも有効領域34に近い側で、入光領域36は、光拡散シート38によって隙間なく覆われている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
サイドライト方式のバックライトを備える表示装置では、導光板の端面に入射した光が、導光板の内部を進行して、表面から出射するようになっている(特許文献1)。バックライトの光源としてLED(Light Emitting Diode)が一般に使用されている。LEDは、フレキシブル配線基板に搭載されて導光板の端面に対向するように配置される。また、導光板の表面には光学シートが配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−276531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フレキシブル配線基板を、遮光両面テープによって導光板の表面の端部に取り付ける場合、導光板の表面側で、遮光両面テープと光学シートとの間に導光板が露出する隙間が形成される。この隙間から出た光は、光学シートを通らずに、表示パネルの端面からその内部に進入する。そのため、表示パネルを斜めから見ると、LEDの光が直接見えてしまい、表示品位を低下させるという問題があった。
【0005】
本発明は、導光板からの漏れ光を遮断して、品位低下を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明に係る表示装置は、表示パネルと、前記表示パネルの面光源として使用されるバックライトと、を有し、前記バックライトは、前記面光源よりも狭い発光領域を有する光源と、前記光源を搭載した配線基板と、前記光源の光を端面から入射して表面から出射する導光板と、前記配線基板を前記導光板の前記表面の端部に貼り付ける遮光粘着シートと、前記導光板の前記表面に重ねられた光拡散シートと、を含み、前記導光板の前記表面は、前記面光源としての有効領域と、前記光が入射する前記端面から前記有効領域までの入光領域と、を含み、前記配線基板及び前記遮光粘着シートは、前記入光領域に位置する部分を有し、前記光拡散シートは、前記有効領域から前記入光領域にわたって配置され、前記入光領域では少なくとも端部が前記遮光粘着シートに重ねられ、前記遮光粘着シートよりも前記有効領域に近い側で、前記入光領域は、前記光拡散シートにより必要な部分が隙間なく覆われていることを特徴とする。本発明によれば、光拡散シートと遮光粘着シートが重ねられて隙間がないため、導光板からの漏れ光を遮断して、品位低下を防止することができる。
【0007】
(2)(1)に記載された表示装置において、前記遮光粘着シートの少なくとも一部は、前記配線基板と前記導光板の間に介在することを特徴としてもよい。
【0008】
(3)(1)に記載された表示装置において、前記遮光粘着シートは、前記配線基板の前記導光板とは反対を向く面上から前記導光板の前記表面上にわたって粘着することを特徴としてもよい。
【0009】
(4)(2)又は(3)に記載された表示装置において、前記遮光粘着シートは、前記配線基板との重複部を有し、前記重複部から前記有効領域の方向にはみ出し、前記配線基板の外側で前記光拡散シートに重なることを特徴としてもよい。
【0010】
(5)(4)に記載された表示装置において、前記導光板の上に配置された前記光拡散シートの上に前記遮光粘着シートが重なることを特徴としてもよい。
【0011】
(6)(4)に記載された表示装置において、前記導光板の上に配置された前記遮光粘着シートの上に前記光拡散シートが重なることを特徴としてもよい。
【0012】
(7)(4)から(6)のいずれか1項に記載された表示装置において、前記光拡散シートは、前記遮光粘着シートとの重複を避けた非重複部を含み、前記重複部及び前記非重複部の境目をまたぐように遮光膜が形成されていることを特徴としてもよい。
【0013】
(8)(2)に記載された表示装置において、前記光拡散シートは、前記配線基板の前記導光板とは反対を向く面上に至るように配置され、前記配線基板を介して前記遮光粘着シートに重なることを特徴としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明を適用した実施形態に係る表示装置を示す断面図である。
【図2】実施形態の変形例1に係る表示装置を示す断面図である。
【図3】実施形態の変形例2に係る表示装置を示す断面図である。
【図4】実施形態の変形例3に係る表示装置を示す断面図である。
【図5】実施形態の変形例4に係る表示装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本発明を適用した実施形態に係る表示装置を示す断面図である。表示装置は、表示パネル10を有する。表示パネル10は、光の通過及び遮断を制御して画像を表示する光シャッター方式のものである。図1に示す表示パネル10は、液晶表示パネルであって、ガラス等からなる一対の基板12,14とその間に挟まれた液晶(図示せず)を含み、一対の基板12,14の外側にそれぞれ偏光板18を有する。
【0017】
一方(図1で下側)の基板12は、他方(図1で上側)の基板14からはみ出している。一方の基板12の他方の基板14からはみ出した部分には、他方の基板14に対向する側の面に、液晶を駆動するためのドライバ回路を内蔵する集積回路チップ20が搭載されている。また、集積回路チップ20が搭載される部分には、フレキシブル配線基板22が取り付けられている。
【0018】
表示装置は、表示パネル10の面光源として使用されるバックライト24を有する。バックライト24は、光源26を有する。光源26は、LED(Light Emitting Diode)などの点光源である。点光源は、面光源に比べて発光領域が狭い。光源26は、白色光を発するようになっている。
【0019】
光源26は、FPC(Flexible Printed Circuit)などの配線基板28に搭載されており、配線基板28の図示しない配線パターンと電気的に接続されている。配線基板28は、光源26を下側(表示パネル10とは反対側)に向けて配置されている。配線基板28は、光源26と重複する部分と、光源26の搭載領域の外側の部分と、を含む。配線基板28は、表示パネル10の少なくとも端部と重なるように配置されている。また、配線基板28は、集積回路チップ20と重なるように配置されている。配線基板28は、遮光性を有しておらず、光を透過するが透明ではない。
【0020】
バックライト24は、導光板30を含む。導光板30は、光源26(点光源)の光を面光源に変換して表示パネル10に照射するためのものである。導光板30の端面に、光源26から光が入射する。光源26からの光が入射するように、導光板30の端部が光源26の隣に配置されている。光源26の上に配線基板28が位置し、配線基板28の端部が導光板30と重なるようになっている。光源26と導光板30は接触していてもよいし、両者間に隙間があってもよい。導光板30の表面32から、光が面状に出射する。導光板30の面発光する表面32は、表示パネル10と対向する。導光板30の表面32は、面光源としての有効領域34と、光が入射する端面から有効領域34までの入光領域36と、を含む。
【0021】
バックライト24は、導光板30の表面32に重ねられた光拡散シート38を含む。光拡散シート38は、導光板30の上(表示パネル10に近い側)に配置されている。光拡散シート38は、導光板30の有効領域34から入光領域36にわたって配置されている。光拡散シート38は弱い光拡散作用を持つので、これを光が透過することで光分布への影響が弱められる。光拡散シート38の上(表示パネル10に近い側)には、複数のプリズムシート40が配置されている。プリズムシート40を光が透過することで、光を正面に集光させ、正面輝度を向上させることができる。光拡散シート38及びプリズムシート40を併せて光学シートとよばれる。また、導光板30の下(表示パネル10とは反対側)には反射シート42が配置されている。
【0022】
表示装置は、内フレーム44を有し、内フレーム44の内側にバックライト24が配置されている。内フレーム44は、樹脂成形品であってモールドともよばれる。内フレーム44は、表示パネル10を支持するようになっている。表示パネル10は、両面テープ46で内フレーム44に貼り付けられている。図1に示す例では、両面テープ46の左側の端部の下面が内フレーム44に粘着し、両面テープ46の右側の端部の上面が表示パネル10の偏光板18に粘着している。両面テープ46は遮光性を有する。両面テープ46は、光源26を搭載した配線基板28を覆うとともに配線基板28からはみ出している。したがって、両面テープ46によって、光源26から配線基板28を透過する光及び配線基板28の周囲から漏れ出る光が遮断される。なお、両面テープ46は、配線基板28及びプリズムシート40にも粘着している。
【0023】
内フレーム44は、導光板30及び光源26を囲んで保持する。光源26が搭載された配線基板28は、両面テープ48で内フレーム44に貼り付けられている。詳しくは、配線基板28は、光源26の搭載領域から相互に反対方向に延びており、一方の端部が内フレーム44と重なって貼り付けられている。両面テープ48は、配線基板28と内フレーム44の間に介在する。両面テープ48は遮光性を有する。内フレーム44、バックライト24及び表示パネル10は、外フレーム50に収容されている。
【0024】
バックライト24は、遮光粘着シート52を含む。遮光粘着シート52は、図示しない遮光層と粘着層を含む。遮光層が黒色であれば光を吸収するので光の反射を減らすことができる。粘着層は、遮光層の両面に形成される。粘着層が絶縁体であれば、遮光層が導電体であってもよい。また両面テープ48と遮光粘着シート52は一体化されたものであってもよい。
【0025】
遮光粘着シート52は、配線基板28を導光板30の表面32の端部に貼り付けている。配線基板28及び遮光粘着シート52は、導光板30の入光領域36に位置する部分を有する。遮光粘着シート52の少なくとも一部は、配線基板28と導光板30の間に介在する。遮光粘着シート52は、配線基板28との重複部を有し、重複部から有効領域34の方向にはみ出している。遮光粘着シート52は、導光板30の入光領域36では、配線基板28の外側で光拡散シート38に重なっている。光拡散シート38は、入光領域36では少なくとも端部が遮光粘着シート52に重ねられている。遮光粘着シート52よりも有効領域34に近い側で、入光領域36は、光拡散シート38によって隙間なく覆われている。導光板30の上に配置された遮光粘着シート52の上に光拡散シート38が重なっている。
【0026】
本実施形態によれば、光拡散シート38と遮光粘着シート52が重ねられて隙間がないため、導光板30からの漏れ光を遮断して、品位低下を防止することができる。
【0027】
図2は、実施形態の変形例1に係る表示装置を示す断面図である。この例では、光拡散シート38は、遮光粘着シート52との重複部と、重複を避けた非重複部と、を含む。重複部及び非重複部の境目をまたぐように遮光膜54が形成されている。遮光膜54は印刷などによって形成することができる。遮光膜54によって、重複部及び非重複部の境目からの光漏れを防ぐことができる。その他の構成は、上記実施形態で説明した内容が該当する。
【0028】
図3は、実施形態の変形例2に係る表示装置を示す断面図である。この例では、光拡散シート38と遮光粘着シート52の位置が図1の例とは逆になっている。すなわち、導光板30の上に配置された光拡散シート38の上に遮光粘着シート52が重なる。その他の構成は、上記実施形態で説明した内容が該当する。
【0029】
図4は、実施形態の変形例3に係る表示装置を示す断面図である。この例では、光拡散シート138は、配線基板28の導光板30とは反対を向く面上に至るように配置される。詳しくは、光拡散シート138は、導光板30の有効領域34から入光領域36に延び、配線基板28の上に乗り上げている。
【0030】
光拡散シート138は、配線基板28を介して遮光粘着シート152に重なる。遮光粘着シート152は、配線基板28と導光板30に粘着するが、両者の重複位置にのみ配置され、光拡散シート138には直接的には粘着しない。
【0031】
表示パネル10を内フレーム44に貼り付ける両面テープ146は、配線基板28上で光拡散シート138の上に位置する。図1の例と比較して分かるように、図4の例では、光拡散シート138がスペーサとなって、配線基板28の上でも両面テープ146が表示パネル10に粘着する。両面テープ146の表示パネル10とは反対の面は光拡散シート138に粘着する。すなわち、両面テープ146は、表示パネル10と光拡散シート138を貼り合わせる。その他の構成は、上記実施形態で説明した内容が該当する。
【0032】
図5は、実施形態の変形例4に係る表示装置を示す断面図である。この例では、遮光粘着シート252は、配線基板28の導光板30とは反対を向く面上から導光板30の表面32上にわたって粘着している。また、遮光粘着シート252は、光源26の上方も覆っているので、配線基板28を透過した光を遮断する効果もある。
【0033】
表示パネル10を内フレーム44に貼り付ける両面テープ246は、配線基板28上では遮光粘着シート252の上に位置する。遮光粘着シート252がスペーサとなって、両面テープ246が表示パネル10に粘着する。両面テープ246の表示パネル10とは反対の面は、配線基板28及び遮光粘着シート252に粘着する。その他の構成は、上記実施形態で説明した内容が該当する。なお、遮光粘着シート252と光拡散シート38の重複は、いずれが上であってもよい。
【0034】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、実施形態で説明した構成は、実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えることができる。
【符号の説明】
【0035】
10 表示パネル、12 基板、14 基板、18 偏光板、20 集積回路チップ、22 フレキシブル配線基板、24 バックライト、26 光源、28 配線基板、30 導光板、32 表面、34 有効領域、36 入光領域、38 光拡散シート、40 プリズムシート、42 反射シート、44 内フレーム、46 両面テープ、48 両面テープ、50 外フレーム、52 遮光粘着シート、54 遮光膜、138 光拡散シート、146 両面テープ、152 遮光粘着シート、246 両面テープ、252 遮光粘着シート。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルと、
前記表示パネルの面光源として使用されるバックライトと、
を有し、
前記バックライトは、前記面光源よりも狭い発光領域を有する光源と、前記光源を搭載した配線基板と、前記光源の光を端面から入射して表面から出射する導光板と、前記配線基板を前記導光板の前記表面の端部に貼り付ける遮光粘着シートと、前記導光板の前記表面に重ねられた光拡散シートと、を含み、
前記導光板の前記表面は、前記面光源としての有効領域と、前記光が入射する前記端面から前記有効領域までの入光領域と、を含み、
前記配線基板及び前記遮光粘着シートは、前記入光領域に位置する部分を有し、
前記光拡散シートは、前記有効領域から前記入光領域にわたって配置され、前記入光領域では少なくとも端部が前記遮光粘着シートに重ねられ、
前記遮光粘着シートよりも前記有効領域に近い側で、前記入光領域は、前記光拡散シートによって隙間なく覆われていることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載された表示装置において、
前記遮光粘着シートの少なくとも一部は、前記配線基板と前記導光板の間に介在することを特徴とする表示装置。
【請求項3】
請求項1に記載された表示装置において、
前記遮光粘着シートは、前記配線基板の前記導光板とは反対を向く面上から前記導光板の前記表面上にわたって粘着することを特徴とする表示装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載された表示装置において、
前記遮光粘着シートは、前記配線基板との重複部を有し、前記重複部から前記有効領域の方向にはみ出し、前記配線基板の外側で前記光拡散シートに重なることを特徴とする表示装置。
【請求項5】
請求項4に記載された表示装置において、
前記導光板の上に配置された前記光拡散シートの上に前記遮光粘着シートが重なることを特徴とする表示装置。
【請求項6】
請求項4に記載された表示装置において、
前記導光板の上に配置された前記遮光粘着シートの上に前記光拡散シートが重なることを特徴とする表示装置。
【請求項7】
請求項4から6のいずれか1項に記載された表示装置において、
前記光拡散シートは、前記遮光粘着シートとの重複を避けた非重複部を含み、
前記重複部及び前記非重複部の境目をまたぐように遮光膜が形成されていることを特徴とする表示装置。
【請求項8】
請求項2に記載された表示装置において、
前記光拡散シートは、前記配線基板の前記導光板とは反対を向く面上に至るように配置され、前記配線基板を介して前記遮光粘着シートに重なることを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−41077(P2013−41077A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−177436(P2011−177436)
【出願日】平成23年8月15日(2011.8.15)
【出願人】(502356528)株式会社ジャパンディスプレイイースト (2,552)
【Fターム(参考)】