説明

表示順序特定装置及び表示順序特定プログラム

【課題】ユーザが、簡単な操作により、表示部へ表示する各画像の表示順序、及び各画像の表示期間について設定できる、表示順序特定装置又は表示順序特定プログラムを提供する。
【解決手段】本発明に係る表示順序特定装置は、表示部へ表示する複数の画像の表示順序を特定する表示順序特定装置であって、ユーザによる前記複数の画像を順次選択していく操作を受け付けて、前記ユーザが前記画像を選択する操作を行うたびに、前記操作に応じた操作情報を順次出力する操作受付手段と、前記操作受付手段が順次出力する前記操作情報それぞれに基づいて、前記ユーザによって選択された前記画像を順次特定するとともに、前記画像を特定した順序に基づいて前記表示順序を特定する表示順序特定手段と、を備え、前記表示順序特定手段は、さらに、前記操作情報に基づいて、前記ユーザによって選択された前記画像の前記表示部への表示期間を特定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示部へ表示する複数の画像の表示順序を特定する、表示順序特定装置及び表示順序特定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の技術として、特許文献1には、表示部において画像を一覧表示させた状態で、ユーザからの画像の選択操作を受け付け、これにより順次選択される画像の順番を、画像の表示順序として設定し、設定した画像の表示順序に従って、各画像をスライドショー表示させる技術について開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、ユーザが、十字キー等のキー入力部を操作することにより、表示部に表示する各画像の表示順序と、各画像の表示時間とを、それぞれ設定し、設定した各画像の表示順序と、各画像の表示時間に従って、画像を表示させる技術について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−288068号公報
【特許文献2】特開2006−186932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に係る技術は、ユーザが、スライドショー表示させる画像を簡単に選択して設定できるものの、設定できるのは画像の表示順序のみであり、各画像の表示時間は設定されない。このため、特許文献1に係る技術は、スライドショー表示される各画像が全て同じ時間で表示され、スライドショーが単調という問題があった。
【0006】
一方、特許文献2に係る技術では、ユーザが、十字キー等のキー入力部を操作することにより、表示部に表示する各画像の表示順序、及び各画像の表示時間について、それぞれ設定できるので、上記特許文献1のように、スライドショーが単調でつまらないということも少なくなる。しかし、表示部に表示する画像の表示順序と、各画像の表示時間について、ユーザが、十字キー等のキー入力部を操作して設定しなければならず、操作が非常に面倒である、という問題があった。つまり、ユーザは、一つの画像を選択する際に、画像の選択と画像の表示時間の設定との二つの操作を個別に行う必要があるため、ユーザの操作が面倒になるという不都合があった。
【0007】
そこで、本発明は、このような点に鑑み、その目的とするところは、ユーザが、簡単な操作により、表示部へ表示する各画像の表示順序及び各画像の表示時間について設定できる、表示順序特定装置及び表示順序特定プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の第1の観点に係る表示順序特定装置は、
表示部へ表示する複数の画像の表示順序を特定する表示順序特定装置であって、
ユーザによる前記複数の画像を順次選択していく操作を受け付けて、前記ユーザが前記画像を選択する操作を行うたびに、前記操作に応じた操作情報を順次出力する操作受付手段と、
前記操作受付手段が順次出力する前記操作情報それぞれに基づいて、前記ユーザによって選択された前記画像を順次特定するとともに、前記画像を特定した順序に基づいて前記表示順序を特定する表示順序特定手段と、を備え、
前記表示順序特定手段は、さらに、前記操作情報に基づいて、前記ユーザによって選択された前記画像の前記表示部への表示期間を特定する。
【0009】
また、本発明の第2の観点に係る表示順序特定プログラムは、コンピュータを、
表示部へ表示する複数の画像の表示順序を特定する表示順序特定装置であって、
ユーザによる前記複数の画像を順次選択していく操作を受け付けて、前記ユーザが前記画像を選択する操作を行うたびに、前記操作に応じた操作情報を順次出力する操作受付手段と、
前記操作受付手段が順次出力する前記操作情報それぞれに基づいて、前記ユーザによって選択された前記画像を順次特定するとともに、前記画像を特定した順序に基づいて前記表示順序を特定する表示順序特定手段と、を備え、
前記表示順序特定手段は、さらに、前記操作情報に基づいて、前記ユーザによって選択された前記画像の前記表示部への表示期間を特定する、
装置として機能させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る表示順序特定装置及び表示順序特定プログラムによれば、ユーザが、簡単な操作により、表示部へ表示する各画像の表示順序及び各画像の表示時間について設定できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る表示順序特定装置の各部の関係を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る表示順序特定装置のハードウェア構成を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る表示順序特定装置の概略外観図であって、センシング領域を説明するための領域である。
【図4】本発明の一実施形態に係る表示順序特定装置が行う表示順序特定処理のフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態に係る表示順序特定装置の表示部に表示された選択用画面を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る表示順序特定装置の選択用センシング領域を説明するための図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る表示順序特定装置が表示する拡大サムネイルを説明するための図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る表示順序特定装置が使用する計測時間−表示期間テーブルのデータ内容を説明するための図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る表示順序特定装置が使用する押圧力−表示期間テーブルのデータ内容を説明するための図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る表示順序特定装置が使用する表示順序データベースのデータ内容を説明するための図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る表示順序特定装置が行う表示処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。なお、本発明は下記の実施形態及び図面によって限定されるものではない。下記の実施形態及び図面に変更(構成要素の削除も含む)を加えることができるのはもちろんである。また、以下の説明では、本発明の理解を容易にするために、重要でない公知の技術的事項の説明を適宜省略する。
【0013】
まず、本実施形態に係る表示順序特定装置100の構成を図1及び図2を参照して説明する。
【0014】
表示順序特定装置100は、制御部110と、記憶部120と、操作受付部130と、表示部140と、読出・書込部150と、を備える。本実施形態に係る表示順序特定装置100は、デジタルフォトスタンド等のデジタル写真を表示する表示装置(コンピュータの一例)である。表示順序特定装置100はデジタルカメラ、パーソナルコンピュータ等のコンピュータであってもよい。表示順序特定装置100がパーソナルコンピュータ等である場合は、表示順序特定装置100は、記憶部120、表示部140等を備えなくても良い。この場合の表示順序特定装置100は、適宜、外部の、記憶部、表示部等に接続される。
【0015】
制御部110は、表示順序特定装置100全体を制御する。制御部110は、表示順序特定部110aと表示制御部110bとを備える。表示順序特定部110aは、記憶媒体50が記憶する少なくとも一部の複数の画像データを用い、表示部140に表示する画像、表示順序、及び表示時間を特定する後述の表示順序特定処理を行う。表示順序特定部110aは、例えば、表示部140に表示する画像、表示順序、及び表示時間を特定した表示順序データベース(DB)123を生成することによって、表示部140に表示する画像、表示順序、及び表示時間を特定する。制御部110は、表示順序データベース123を記憶部120に記録する。表示制御部110bは、表示順序特定部110aが特定した表示順序に従って(例えば、表示順序データベース123を参照して)、複数の画像を読出・書込部150に順次表示する表示処理を行う(所謂スライドショー)。
【0016】
制御部110(特に、表示順序特定部110a及び表示制御部110b)は、例えば、CPU(Central Processing Unit)111と一次記憶装置112とタイマ113とによって実現される。CPU111は、制御プログラム122に従って、表示順序特定装置100全体を制御し、また、表示順序特定装置100(特に、表示順序特定部110a及び表示制御部110b)が行う処理(特に、表示順序特定処理及び表示処理)を行う。制御プログラム122は、後述の二次記憶装置121に記録され、一次記憶装置112に読み出される。CPU111は、一次記憶装置112に読み出された制御プログラム122の指令に基づいて前記の処理を行う。制御部110の機能の一部は、各種専用回路(例えばデータを圧縮するエンコーダ、データを伸長するデコーダ等)によって実現されてもよい。この場合、各種専用回路がCPU111の機能の一部を担う。
【0017】
一次記憶装置112は、例えば、RAM(Random Access Memory)によって構成され、CPU111のワーキングメモリ等として機能する。CPU111が処理中に使用するデータ及び生成したデータは一次記憶装置112に一時記録される。CPU111に入出力されるデータは一次記憶装置112に一時記録される。
【0018】
タイマ113は、時間を計測する。CPU111は、タイマ113を用いて時間を計測する。
【0019】
記憶部120は、制御部110が処理中に使用する又は生成したデータ(データベース等を含む)や制御部110が記憶媒体50から読み出した画像データ等を適宜記憶する。記憶部120は、表示順序データベース123を記憶する。記憶部120は、例えば、二次記憶装置121によって実現される。二次記憶装置121には、制御プログラム122、表示順序データベース123等が記録される。制御プログラム122、表示順序データベース123等のプログラムやデータは、CPU111によって一次記憶装置112に読み出されて、CPU111によって使用、参照等される。二次記憶装置121は、ハードディスク、フラッシュメモリ等の記憶装置によって構成される。
【0020】
操作受付部130は、ユーザの操作を受け付け、受け付けた操作に応じた操作データ(操作情報)を制御部110に出力する。操作受付部130は、例えば、接触式センサ131と入力キー132とによって実現される。
【0021】
接触式センサ131は、例えば、表示部140の枠(表示順序特定装置100の筐体でもある。)に設けられた(図3参照)、例えば、静電容量式、感圧式等のタッチセンサである。接触式センサ131は、被接触物(ユーザの指等)の接触位置を検出するための領域であるセンシング領域131a(図3の点線で囲んだ領域)を有する。ユーザが指等でセンシング領域131aに触れると、接触式センサ131はセンシング領域131aにおける、ユーザの指等が接触した位置(ある範囲を持った位置でよい)を特定する位置情報を含む操作情報を出力する。接触式センサ131が感圧式のタッチセンサの場合(つまり接触式センサ131が感圧センサでもある場合)には、接触式センサ131は、適宜、タッチセンサへの押圧力を特定する押圧力情報も出力する操作情報に含める。
【0022】
入力キー132は、ユーザからの押圧操作に応じたオン信号等を操作情報として出力する。入力キー132は、例えば、画像選択の終了に用いられる終了キー、スライドショーの開始及び停止に用いられる再生・停止キー等の1以上のキーによって構成される。
【0023】
表示部140は、制御部110から供給される画像データに基づいて画像、操作画面等を表示する。表示部140は、例えば、駆動回路141と表示パネル142とから実現される。駆動回路141は、CPU111から供給される画像データに従って表示パネル142を駆動し、表示パネル142に画像、操作画面等を表示させる。表示パネル142は、液晶パネル、有機EL(Electro Luminescence)パネル等によって構成される。
【0024】
読出・書込部150は、記憶媒体50に対してデータ(例えば画像データ)を読み書きする。読出・書込部150は、例えば、メディアコントローラ151によって実現される。メディアコントローラ151は、メモリーカード51に対してデータを読み書きする。
【0025】
記憶媒体50は、各種のデータを記憶する。記憶媒体50は、デジタルカメラが撮影した撮影画像(例えばデジタル写真)を表すデータである画像データを記録する。記憶媒体50は、メモリーカード51によって実現される。メモリーカード51は、フラッシュメモリ等のメモリを使用したものである。
【0026】
次に、表示順序特定装置100(特に表示順序特定部110a)が行う表示順序特定処理を説明する(図4参照)。
【0027】
この処理は、例えば、ユーザが表示順序特定装置100に表示順序特定処理を開始させるような操作を操作受付部130を介して行ったことを契機として開始する。
【0028】
また、記憶媒体50には、所定期間連写撮影された連写画像を表す各画像データ(静止画像データ)が一つのグループとして予め記録されているものとし、表示順序特定部110aは、このグループ内の各画像データを用いて表示順序特定処理を行うものとする。表示順序特定部110aは、記憶媒体50に記録された画像データ全て、又は、記憶媒体50に記録された所定のグループ(例えば同一のフォルダ内に記録された複数の画像データ)内の複数の画像データ等を用いて表示順序特定処理を行ってもよい。
【0029】
表示順序特定部110aは、表示順序特定処理の開始後、選択用画面を表示部140に表示する(ステップS401)。
【0030】
具体的には、例えば、表示順序特定部110aは、読出・書込部150を介して記憶媒体50から連写画像を表す複数の画像データを全て取得し、記憶部120に記録する。ここで、画像データは、例えば、jpeg形式のデータである。表示順序特定部110aは、さらに、この画像データのデータ形式を表示部140(駆動回路141)が扱えるデータ形式(例えば、RGB形式)に変換して記憶部120に前記の画像データとは別に記録する。なお、変換前後における画像データは、互いに、対応付いて記録され、表示順序特定部110aは、一方から他方を特定できる。この特定は、画像データのID、画像データの記録場所(アドレス)によって行われる。
【0031】
次に、表示順序特定部110aは、記憶部120に記録した画像データ(変換後のデータ)を順次読み出し、順次読み出した各画像データについて所定の処理(例えば、画像の縮小)を行い、処理後の画像データを用いて、処理後の各画像データが表現する各画像(以下、サムネイルという。)を一覧表示した選択用画像を表す画像データ(表示部140(駆動回路141)が扱えるデータ形式のデータ)である選択用画像データを生成する。選択用画像は、後述の表示処理、すなわち、スライドショーで表示部140に表示する画像をユーザに選択させるための画像である。表示順序特定部110aは、選択用画像データを表示部140に供給し、選択用画像を表示部140に選択用画面として表示させる。
【0032】
選択用画面の例を図5に示す。図5のように選択用画面は、各画像データによって表現されるサムネイル501乃至505を画面内の上方に表示した画面になる。表示順序特定部110aは、予め設定されている画像(以下、フォーマット画像という。)の所定位置にサムネイルを組み込むような処理(以下、組み込み処理という。)を行うことによって、選択用画像を表す画像データを生成する。フォーマット画像を表す画像データは記憶部120に記録されており、表示順序特定部110aはこの画像データを記憶部120から読み出し、この画像データとサムネイルの画像データとを用いて組み込み処理を行う。
【0033】
なお、組み込み処理の際に、表示順序特定部110aは、予め設定されている方法に基づいて、サムネイルをフォーマット画像に組み込む。例えば、表示順序特定部110aは、ランダムでサムネイル画像をフォーマット画像に組み込んでも良いし、右から左に、撮影時期が古い順(つまり時系列順)に並ぶようにサムネイル画像をフォーマット画像に組み込む。表示順序特定部110aは、選択用画面を表示するときに、選択用画面内の各サムネイルそれぞれが表示面140aのどの領域に位置しているかを常に認識している。これは、サムネイルの識別と、選択用画像へのサムネイルの組み込み位置の特定とによって行われる。また、表示順序特定部110aは、サムネイルを表す前記の画像データと、このサムネイルの元の画像の画像データ(記憶部120に記録されている。)と、の関係も常に認識している。この認識は、画像データのID、画像のアドレスによって行われる。
【0034】
このようにして、表示順序特定部110aは、選択用画面を表示部140に表示する(図5参照)。なお、サムネイルが多数(例えば、図5の場合では、6以上)の場合には、表示順序特定部110aは、表示部140の横方向よりも横方向のサイズが大きい選択用画像を表す選択用画像データを生成し、選択用画面として、選択用画像の一部を表示させる。そして、例えば、後述のステップS406における処理中等の適宜のタイミングで、表示順序特定部110aは、ユーザの操作受付部130の操作(例えば、センシング領域131aの横方向端部を指で触れる操作)に応じて、選択用画像を表示画面上で移動させて、選択用画面をスクロールさせる処理を行っても良い。
【0035】
次に表示順序特定部110aは、n=0を設定し(ステップS402)、n=n+1を設定する(ステップS403)。このnは、スライドショーにおける画像の表示順序を特定する値となる。
【0036】
次に表示順序特定部110aは、選択終了であるかを判断する(ステップS404)。表示順序特定部110aは、例えば、ユーザによる入力キー132(ここでは、終了キーとして機能する)の押圧操作があったかどうか(例えば、入力キー132を押圧操作した操作情報が制御部110に供給されているかどうか)によってこの判断をする。
【0037】
表示順序特定部110aは、前記の押圧操作があったと判断すると、選択終了であると判断し(ステップS404;Yes)、本処理を終了する。
【0038】
表示順序特定部110aは、前記の押圧操作がなかったと判断すると、選択終了でないと判断し(ステップS404;No)、センシング領域131aの選択用センシング領域531aa乃至531ae(図6参照、センシング領域131a内の点線で囲んだ領域)のいずれかの領域内に被接触物が接触したかを判断する(ステップS405)。つまり、ユーザが選択用センシング領域531aa乃至531aeのいずれかに触れたかを判断する。選択用センシング領域531aa乃至531aeは、それぞれ、ユーザがサムネイルを選択するために、指を接触させる領域である。図6のように、センシング領域131aにおける選択用センシング領域531aa乃至531aeと、選択用画面内の各サムネイル501乃至505を表示する位置、つまり、表示領域601乃至605(図6参照、点線で囲んだ領域)の位置とは、それぞれ、近傍の位置のもの(例えば、図6における上下方向において近いもので、例えば、最も近い位置のもの)同士が互いに対応するものとして扱われる。例えば、一つの選択用センシング領域(例えば、選択用センシング領域531aa)が選択された場合、この近傍の位置にある(例えば、すぐ下にある)表示領域(例えば、表示領域601)に表示されたサムネイル(例えば、サムネイル501)が選択されたことになる。
【0039】
表示順序特定部110aは、操作情報に含まれる位置情報が接触式センサ131から供給されていない場合か、もしくは、接触式センサ131から供給された位置情報が特定するセンシング領域131aが選択用センシング領域531aa乃至531aeのいずれかの領域内に入っていない場合に、どの領域内にも被接触物が接触していない(つまり、ユーザの指等が選択用センシング領域531aa乃至531aeのいずれにも触れていない)と判断する(ステップS405;No)。この場合、表示順序特定部110aは、ステップS404の処理を再度行う。このようにして、表示順序特定部110aは、ユーザの指等が選択用センシング領域531aa乃至531aeのいずれかに接触する、つまり、ユーザが所定のサムネイルを選択するまで待機するか、選択終了の指示があるまで待機する。
【0040】
接触式センサ131から供給された位置情報が特定する位置が選択用センシング領域531aa乃至531aeのいずれかの領域内に入っているかの判断は、被接触物が接触した場合に接触式センサ131から出力される操作情報に含まれる位置情報が示す、センシング領域131aにおける位置(接触位置)と、センシング領域131aにおける選択用センシング領域531aa乃至531aeの領域の位置情報(領域の範囲を示す位置情報である。)が示す位置との比較に基づいて行われる。
【0041】
上述のように、センシング領域131aにおける選択用センシング領域531aa乃至531aeは、選択用画面内の各サムネイルを表示する位置に対応して予め設定されている。また、センシング領域131aにおける選択用センシング領域531aa乃至531aeの各領域の位置情報は記憶部120に予め記録されている。
【0042】
表示順序特定部110aは、各領域の位置情報を記憶部120から読み出し、接触式センサ131が出力する位置情報が示す接触位置(表示順序特定部110aが検知した接触位置)が各領域の位置情報が示す領域いずれかに含まれる又は重なる場合に、接触位置が選択用センシング領域531aa乃至531aeのいずれかの領域内に入っていると判断する。以下では、接触位置が属する選択用センシング領域531aa乃至531aeのいずれかの領域を接触領域という。
【0043】
表示順序特定部110aは、検知した接触位置が選択用センシング領域531aa乃至531aeいずれかの領域内に入っていると判断する場合、選択用センシング領域531aa乃至531aeいずれかの領域内に被接触物が接触したと判断する(ステップS405;Yes)。
【0044】
この場合、表示順序特定部110aは、被接触物の接触位置が、前記と同一の領域内に、ステップS405の処理時から第1の所定期間留まっているかを判断する(ステップS406)。表示順序特定部110aは、例えば、第1の所定期間(0.5秒)中に接触式センサ131が出力する位置情報が示す接触位置が、全て、同一の接触領域(位置情報によって特定される。)に含まれる又は重なる場合に、被接触物の接触位置が同一の領域内に第1の所定期間留まっていると判断する(ステップS406;Yes)。表示順序特定部110aは、タイマ113等を用いて第1の期間を計測する。
【0045】
この場合、ユーザは、この接触領域(被接触物の接触位置が第1の所定期間留まった領域)に対応する(この領域の下にある)サムネイルを選択したと考えられる。なお、被接触物が選択用センシング領域531aa乃至531aeのいずれかの領域に接触したと判断できた場合に、この接触領域に対応するサムネイルをユーザが選択したとも考えられるが、ユーザは、センシング領域131aをなぞりながらサムネイルを選択する可能がある。このため、接触から第1の所定期間の間、接触位置が属する接触領域が同一である場合に、この接触領域に対応するサムネイルがユーザによって選択されたと扱うことが望ましい。これによって、表示順序特定装置100の誤動作を防げる。
【0046】
被接触物の接触位置が同一の領域内に第1の所定期間留まっていると判断する(ステップS406;Yes)と、表示順序特定部110aは、選択されたサムネイルを拡大表示する(ステップS407)。
【0047】
表示順序特定部110aは、上記のように、選択用画面のどの位置にどのサムネイルが表示されているかは認識している。また、選択用センシング領域531aa乃至531aeは、選択用画面内の各サムネイルを表示する位置に対応して予め設定されている。このため、表示順序特定部110aは、第1の所定期間の間接触位置が留まっている前記の接触領域に対応するサムネイルを特定できる。
【0048】
この特定したサムネイルが選択されたサムネイルになる。表示順序特定部110aはこの特定したサムネイルを表す画像データを用いて、サムネイルを拡大した拡大画像を表す画像データを生成し、この画像データと、前記選択用画像データと、を用いて、選択用画像の所定領域(画像内の中央下部領域)に拡大画像を表示した(すでに、拡大画像がある場合、前の拡大画像の代わりに新しい拡大画像を表示する。)新たな選択用画像を表す新たな選択用画像データを生成し、ステップS401の処理と同様に、この新たな選択用画像データを用いて選択用画面の表示部140への表示を行う。なお、2回目以降のステップS404では、ここの処理で生成した新たな選択用画像データを選択用画像データとする(画像も同様)。
【0049】
ユーザが図6における選択用センシング領域531aaに第1の所定期間以上触れてサムネイル501が選択された場合、図7のように、サムネイル501が拡大された拡大サムネイル701が表示される。
【0050】
次に、表示順序特定部110aは、操作受付部130へのユーザの操作状況(つまり操作量の一例である)を特定するとともに、前記で選択されたサムネイルの元の画像(選択画像)の表示順位「n」を設定する(ステップS408)。なお、選択画像とは、サムネイルのサムネイル化される前の画像を指す。また、この選択画像を表す画像データを選択画像データ(記憶部120に記録された、jpeg形式等から変換される前のデータ)とする。サムネイル化される前後の画像データと、jpeg形式等からの変換がされる前後の画像データとは、全て互いに特定可能であるので、表示順序特定部110aは、サムネイルの画像データからこのサムネイルについての選択画像データを特定できる。
【0051】
ユーザの操作状況は、例えば、ユーザが操作受付部130を操作し続けて画像を選択し続けた期間を含む。つまり、この期間は、表示順序特定部110aが拡大表示を行った時(画像選択時)から、被接触物の接触位置が前記の接触領域に留まり続ける時間である。表示順序特定部110aは、ステップS407の処理で拡大表示を行った時から、期間の計測を開始し(例えば、タイマ113が用いられる)、表示順序特定部110aがステップS406等で検知した接触位置が、この接触位置が入っていた接触領域から外れることを検知するまで(接触式センサ131からの操作情報と接触情報の位置情報とで検知できる。)の期間を計測する。
【0052】
表示順序特定部110aは、この計測した期間に基づいて、後述のスライドショーにおける選択画像の表示期間を設定する。表示時間は、計測した前記期間を、そのまま適用してもよいし、係数倍して求めてもよいし、所定の関係式に代入して求めても良い。また、図8のような、計測時間−表示期間テーブル(記憶部120に予め記録されているものとする。)を参照して、表示期間を設定してもよい(例えば、計測した期間である計測時間(T)が0<T≦T1である場合、表示期間は、2秒と設定される(図8参照))。
【0053】
また、ユーザの操作状況は、例えば、タッチセンサが感圧式のものであって、ユーザが操作受付部130を操作して選択画像を選択したとき(例えばステップS406のとき)の押圧力であってもよい。表示順序特定部110aは、接触式センサ131から供給される操作情報に含まれる押圧力情報に基づいて表示期間を設定する。このとき、表示順序特定部110aは、押圧力情報が特定する押圧力をもとに、図9のような、押圧力−表示期間テーブル(記憶部120に予め記録されているものとする。)を参照して、表示期間を設定してもよい(例えば、押圧力(P)が0<P≦P1である場合、表示期間は、2秒と設定される(図9参照))。
【0054】
表示順序特定部110aは、「n」(表示順位)の値のデータ(以下、n値という。)と、前記で設定した表示期間を特定する表示期間データと、選択画像データを特定する画像特定データ(画像データのID、画像データの記録場所(アドレス)、選択画像データそのもの等によって構成されるデータ)と、を対応付けたデータ(以下、表示方法データという。)を記憶部120の所定の記憶領域に記録する(記録処理)。
【0055】
表示順序特定部110aは、記録処理後、ステップS403の処理に戻って処理を行う。以上によって、表示順序特定部110aは、ステップS404で選択終了と判断するまで、ステップS403乃至408の処理を繰り返し行う。この繰り返しによって、表示順序特定部110aは、前記の表示方法データを記憶部120の所定の記憶領域に蓄積する。この蓄積したデータが表示順序データベース123になる。表示順序データベース123は、図10のように、n値と、表示期間と、画像特定データと、を対応付けたデータの集合からなる。
【0056】
一方、ステップS404で選択終了と判断されると(ステップS404;Yes)、表示順序特定部110aは、表示順序特定処理を終了する。
【0057】
次に、表示順序特定装置100(特に表示制御部110b)が行う表示処理を説明する(図11参照)。表示制御部110bは、表示処理によって生成された表示順序データベース123を参照して、画像を表示部140に表示する。
【0058】
この処理は、例えば、ユーザが表示順序特定装置100に表示処理を開始させるような操作を操作受付部130を介して行ったことを契機として開始される。例えば、ユーザが操作受付部130を介し、表示順序特定処理で生成された表示順序データベース123に関連した画像のグループを表示対象として選択し、さらにユーザがスライドショー開始を操作受付部130を介して表示順序特定装置100に指示したことを契機としてこの処理が開始される。
【0059】
表示制御部110bは、この処理のときに表示順序データベース123を読み出すことで表示順序データベース123を参照する(必要に応じて一次記憶装置112に読み出す)。
【0060】
まず、表示制御部110bは、n=0を設定し(ステップS1101)、n=n+1を設定する(ステップS1102)。
【0061】
次に表示制御部110bは、表示順序データベース123を参照し、n値に対応する表示期間データと画像特定データとを特定し、特定した表示期間データから表示期間を特定するとともに、特定した画像特定データから表示部140に表示する画像データを特定する。画像特定データが画像データのID、画像データの記録場所等である場合、表示制御部110bは、これらに基づいて記憶部120から対応する画像データを読み出し取得する。また、画像特定データが画像データそのものである場合はこの画像データを用いる(取得する)。表示制御部110bは、前記のように画像特定データを用いて取得した画像データ(例えば、jpeg形式のデータ)を表示部140が扱えるデータ形式(例えば、RGB形式)に変換し、変換した画像データを表示部140に供給する。表示部140は、供給された画像データに基づいて、この画像データが表す画像を表示面140aに表示する。このときに、表示制御部110bは、前記で特定した表示期間の間(例えば、タイマ113によって計測される。)だけ画像を表示面140aに表示する(ステップS1103)。
【0062】
表示制御部110bは、ステップS1102乃至1103の処理を表示対象の画像を全て表示するまで繰り返し行う(ステップS1104)。なお、処理中にスライドショーの停止がユーザによって操作受付部130を介して指示した場合、表示制御部110bは処理を終了する。
【0063】
以上によって、表示順序特定装置100には、表示時間の異なる画像が順次表示されるので、このスライドショーはユーザが見て楽しいスライドショーになる。
【0064】
以上、本実施形態では、接触式センサ131がタッチセンサであるとしたが、接触式センサ131は、表示パネル142と協働した、静電容量式又は感圧式のタッチパネルであってもよい。なお、接触式センサ131がタッチパネルの場合、表示面140aが指紋等によって汚れてしまう場合がある。
【0065】
また、接触式センサ131は不要の場合もある。この場合、画像の選択や操作状況の特定は、入力キー132によってなされる。
【0066】
CPU111に表示順序特定処理を行わせる制御プログラム122は、表示順序特定プログラムとなる。制御プログラム122は、OS(Operation System)と協働してCPU111に後述の画像データ記録処理を行わせるものであってもよい。また、制御プログラム122は、持ち運び可能な記録媒体(CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)、又は、DVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)等)に記録され、表示順序特定装置100に供給されてもよい。また、制御プログラム122は、ネットワークを介して表示順序特定装置100に供給されてもよい。制御プログラム122が記録された一次記憶装置112、二次記憶装置121、又は、持ち運び可能な記録媒体は、コンピュータが読み取り可能なプログラム製品になる。制御プログラム122は、機能の少なくとも一部が専用回路によって実現されたコンピュータを動作させるものであってもよい。つまり、コンピュータは、全体として、上述の処理を行うものであればよく、制御プログラム122は、そのようなコンピュータを動作させるものであればよい。
【0067】
以上のように、本実施形態に係る表示順序特定装置100は、ユーザによる複数の画像を順次選択していく操作を受け付けて、ユーザが画像を選択する操作を行うたびに、操作に応じた操作情報を順次出力する操作受付部130(ステップS404乃至ステップS407等の処理の繰り返し参照)と、操作受付部130が順次出力する操作情報それぞれに基づいて、ユーザによって選択された画像を順次特定するとともに、画像を特定した順序に基づいて表示順序を特定する表示順序特定部110a(ステップS404乃至ステップS408等の処理の繰り返し参照)と、を備え、表示順序特定部110aは、さらに、操作情報に基づいて、ユーザによって選択された画像の表示部140への表示期間を特定する。これによって、一つの画像の選択について一つの操作を行うだけで(つまり、一の画像の特定について一つの操作情報に基づいて)、表示順序と表示時間を特定できるので、ユーザが、簡単な操作により、表示部へ表示する各画像の表示順序及び各画像の表示時間について設定できる。
【0068】
また、本実施形態では、操作情報は、操作受付部130への操作量を示す操作量情報を含み、操作受付部130は、操作情報に含まれる操作量情報が示す操作量に応じて表示期間を特定する(ステップS408の処理参照)場合がある。この場合、ユーザの操作感に見合った表示時間を設定できる。
【0069】
また、本実施形態では、操作量は、ユーザが操作受付部120を操作し続けて画像を選択し続けた期間を含むことがある。この場合、ユーザの操作感に見合った表示時間を設定できる。
【0070】
また、本実施形態では、操作受付部120は、感圧センサ(感圧式の接触式センサ131)を含み、操作量は、ユーザが画像を選択するために感圧センサを押圧した押圧力を含むことがある。この場合、ユーザの操作感に見合った表示時間を設定できる。
【0071】
また、本実施形態では、操作受付部120は、表示部140の枠に形成された接触式センサ131である場合がある。これによって、表示面140aが指紋等によって汚れることを防止又は低減できる。また、ユーザの操作感に見合った表示時間を設定できる。
【符号の説明】
【0072】
50・・・記憶媒体、51・・・メモリーカード、100・・・表示順序特定装置、110・・・制御部、110a・・・表示順序特定部、110b・・・表示制御部、111・・・CPU、112・・・一次記憶装置、113・・・タイマ、120・・・記憶部、121・・・二次記憶装置、122・・・制御プログラム、123・・・表示順序データベース、130・・・操作受付部、131・・・接触式センサ、131a・・・センシング領域、132・・・入力キー、140・・・表示部、140a・・・表示面、141・・・駆動回路、142・・・表示パネル、150・・・読出・書込部、メディアコントローラ・・・151、501〜505・・・サムネイル、531aa〜ae・・・選択用センシング領域、601〜605・・・表示領域、701・・・拡大サムネイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部へ表示する複数の画像の表示順序を特定する表示順序特定装置であって、
ユーザによる前記複数の画像を順次選択していく操作を受け付けて、前記ユーザが前記画像を選択する操作を行うたびに、前記操作に応じた操作情報を順次出力する操作受付手段と、
前記操作受付手段が順次出力する前記操作情報それぞれに基づいて、前記ユーザによって選択された前記画像を順次特定するとともに、前記画像を特定した順序に基づいて前記表示順序を特定する表示順序特定手段と、を備え、
前記表示順序特定手段は、さらに、前記操作情報に基づいて、前記ユーザによって選択された前記画像の前記表示部への表示期間を特定する、
ことを特徴とする表示順序特定装置。
【請求項2】
前記操作情報は、前記操作受付手段への操作量を示す操作量情報を含み、
前記表示順序特定手段は、前記操作情報に含まれる前記操作量情報が示す操作量に応じて前記表示期間を特定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示順序特定装置。
【請求項3】
前記操作量は、前記ユーザが前記操作受付手段を操作し続けて前記画像を選択し続けた期間を含むことを特徴とする請求項2に記載の表示順序特定装置。
【請求項4】
前記操作受付手段は、感圧センサを含み、
前記操作量は、前記ユーザが前記画像を選択するために前記感圧センサを押圧した押圧力を含むことを特徴とする請求項2に記載の表示順序特定装置。
【請求項5】
前記操作受付手段は、前記表示部の枠に形成された接触式センサであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の表示順序特定装置。
【請求項6】
コンピュータを
表示部へ表示する複数の画像の表示順序を特定する表示順序特定装置であって、
ユーザによる前記複数の画像を順次選択していく操作を受け付けて、前記ユーザが前記画像を選択する操作を行うたびに、前記操作に応じた操作情報を順次出力する操作受付手段と、
前記操作受付手段が順次出力する前記操作情報それぞれに基づいて、前記ユーザによって選択された前記画像を順次特定するとともに、前記画像を特定した順序に基づいて前記表示順序を特定する表示順序特定手段と、を備え、
前記表示順序特定手段は、さらに、前記操作情報に基づいて、前記ユーザによって選択された前記画像の前記表示部への表示期間を特定する、
装置として機能させることを特徴とする表示順序特定プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−77957(P2011−77957A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−229010(P2009−229010)
【出願日】平成21年9月30日(2009.9.30)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】