説明

表示駆動方法、駆動装置、電気光学装置及び電子機器

【課題】表示周波数が高くなっても画素への書き込み時間を確保し、且つ、対向電極の最適電圧のずれを解消する表示駆動方法等を提供する。
【解決手段】マルチプレクス駆動により、右目用画像に対応した画像データ及び左目用画像に対応した画像データに基づいて、表示パネルを交互に駆動する表示駆動方法は、右目用画像に対応した複数の右目用駆動タイミングに対応したタイミング情報を設定する右目用駆動タイミング設定ステップと、このタイミング情報に基づいて、順次、表示パネルを駆動する右目用駆動ステップと、左目用画像に対応した複数の左目用駆動タイミングに対応したタイミング情報を設定する左目用駆動タイミング設定ステップと、このタイミング情報に基づいて、順次、表示パネルを駆動する左目用駆動ステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示駆動方法、駆動装置、電気光学装置及び電子機器等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、液晶パネルを用いた液晶プロジェクターでは、投射映像の高精細化に対する要求が高く、液晶パネルの画素数は非常に多くなっている。そのため、駆動装置は、出力数に制限がある中で液晶パネルを駆動しなければならなくなっている。そこで、駆動装置は、例えば液晶パネルのゲート線を走査しながら、1ソース出力を複数のソース線に分割して各ソース線を駆動するマルチプレクス駆動を行う。
【0003】
一方、近年では、液晶プロジェクターに対して、投射映像の3D化に対する要求も高まっている。右目用画像と左目用画像とを交互に表示するために、駆動装置は、単純に元画像の表示周波数の2倍の周波数で液晶パネルを駆動する必要がある。しかしながら、実際には右目用画像が視聴者の左目に入ったり左目用画像が視聴者に右目に入ったりすることによるクロストークをなくし、且つ、輝度の低下を防止するためには、駆動装置は、元画像の表示周波数の4倍以上の周波数で駆動することが望まれる。
【0004】
例えば特許文献1には、充電期間の前半期間にインピーダンス変換回路の出力電圧を負荷容量に供給し、充電期間の後半期間にインピーダンス変換回路をバイパスして直接に負荷容量に電圧を供給する電圧供給装置が開示されている。これにより、液晶パネルのソース線を、高精度、且つ、高速に、必要な充電電圧にまで充電することができる。また、例えば特許文献2には、画像信号を表示パネルの所定本数のデータ線を1群とするデータ線群に対応した信号部分に分割し、データ線群をなすデータ線の各々に信号部分を振り分けられる順番を表示パネル毎に変更するようにした駆動装置が開示されている。更にまた、例えば特許文献3には、タイミングの設定を行い、入力されるタイミングに応じて表示場所を変更するための信号を変化させるマトリクス表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−188615号公報
【特許文献2】特開2009−122157号公報
【特許文献3】特開平11−24624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、高精細な3D映像を表示するために、特許文献1〜特許文献3に開示された技術を用いても、液晶パネルの画素への書き込み時間を十分に確保することができないという問題がある。
【0007】
また、この種の液晶パネルでは、液晶素子の印加電圧の極性を周期的に変更する極性反転駆動が行われる。このとき、画素を構成するトランジスターを介した対向電極の電圧が、液晶素子の印加電圧の極性に応じて異なる。そのため、対向電極の最適電圧が極性反転駆動を繰り返すと共にずれてくるという現象が生ずる。しかしながら、特許文献1〜特許文献3に開示された技術を用いても、この種の現象を解消することはできないという問題がある。
【0008】
本発明は、以上のような技術的課題に鑑みてなされたものである。本発明の幾つかの態様によれば、表示周波数が高くなっても画素への書き込み時間を確保し、且つ、対向電極の最適電圧のずれを解消する表示駆動方法、駆動装置、電気光学装置及び電子機器等を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明の第1の態様は、表示パネルのゲート線を走査しながら1本のソース出力を複数のソース線に分割して各ソース線を駆動するマルチプレクス駆動により、右目用画像に対応した画像データ及び左目用画像に対応した画像データに基づいて、前記表示パネルを交互に駆動する表示駆動方法が、前記右目用画像に対応した複数の右目用駆動タイミングに対応したタイミング情報を第1の駆動タイミングレジスターに設定する右目用駆動タイミング設定ステップと、前記第1の駆動タイミングレジスターに設定されるタイミング情報に基づいて、前記複数の右目用駆動タイミングのそれぞれの駆動タイミングで、順次、前記表示パネルを駆動する右目用駆動ステップと、前記左目用画像に対応した複数の左目用駆動タイミングに対応したタイミング情報を第2の駆動タイミングレジスターに設定する左目用駆動タイミング設定ステップと、前記第2の駆動タイミングレジスターに設定されるタイミング情報に基づいて、前記複数の左目用駆動タイミングのそれぞれの駆動タイミングで、順次、前記表示パネルを駆動する左目用駆動ステップとを含み、前記右目用駆動ステップ及び前記左目用駆動ステップの各々では、前記ソース線をプリチャージした後に前記表示パネルを駆動し、又は前記ソース線をプリチャージすることなく前記表示パネルを駆動する。
【0010】
本態様においては、右目用画像及び左目用画像それぞれについて複数の駆動タイミングを設定できると共に、複数のプリチャージ電圧レベルを設定することができるようにしている。これにより、3D映像のように高速に画素に書き込む必要があるときには、右目用画像及び左目用画像それぞれについて、駆動タイミングを変更しながら交互に表示させることができるようになる。また、右目用画像及び左目用画像それぞれについて、ソース線のプリチャージを行ったり、該プリチャージを省いたりすることができるので、極性反転駆動における正極性期間のみを長くすることもできる。そのため、対向電極の最適電圧が極性反転駆動を繰り返すと共にずれてくるという現象を解消することができるようになる。
【0011】
(2)本発明の第2の態様に係る表示駆動方法は、第1の態様において、前記右目用駆動タイミング設定ステップ及び前記左目用駆動タイミング設定ステップの各々では、1水平走査期間又は1垂直走査期間毎に、少なくとも1つのタイミング情報を前記第1の駆動タイミングレジスター又は前記第2の駆動タイミングレジスターに設定する。
【0012】
本態様によれば、1水平走査期間又は1垂直走査期間毎に、右目用画像又は左目用画像の駆動タイミングを変更できるようにしたので、画素の書き込み時間の確保に、柔軟に対応することができるようになる。
【0013】
(3)本発明の第3の態様に係る表示駆動方法は、第1の態様又は第2の態様において、前記右目用駆動ステップ及び前記左目用駆動ステップの各々では、各画像の表示周波数が直前の画像の表示周波数以下となるように前記表示パネルを駆動する。
【0014】
本態様によれば、右目用画像及び左目用画像のクロストークを低減する一方で、表示に影響する最後の画像のみ画素の書き込み時間を確保することができるようになる。
【0015】
(4)本発明の第4の態様に係る表示駆動方法は、第3の態様において、前記右目用駆動ステップ及び前記左目用駆動ステップの各々では、同一の表示周波数で連続する第1の画像〜第p(pは2以上の整数)の画像の各画像データに基づいて駆動する場合、前記第1の画像に対応した画像データに基づいて駆動するときは前記ソース線をプリチャージすることなく前記マルチプレクス駆動を行い、前記第pの画像に対応した画像データに基づいて駆動するときは前記ソース線をプリチャージした後に前記マルチプレクス駆動を行う。
【0016】
本態様によれば、プリチャージ時間を省略して、画素の書き込み時間を確保する一方、表示に影響する最後の画像については、プリチャージ時間を確保して、表示に影響がないようにすることができる。
【0017】
(5)本発明の第5の態様に係る表示駆動方法は、第1の態様乃至第4の態様のいずれかにおいて、前記右目用駆動タイミング設定ステップ及び前記左目用駆動タイミング設定ステップの各々では、前記ソース線のプリチャージのイネーブル情報、前記ソース線のプリチャージタイミング、前記ソース出力を前記複数のソース線に分割する分割タイミング、前記表示パネルの表示周波数、前記ソース線のポストチャージタイミング、及び前記表示パネルへのソース出力タイミングの少なくとも1つを含むタイミング情報を設定する。
【0018】
本態様によれば、画素への書き込み時間を種々の方法で確保することができるようになる。
【0019】
(6)本発明の第6の態様に係る表示駆動方法は、第5の態様において、前記ソース線のプリチャージ電圧レベルを設定するプリチャージ電圧レベル設定ステップを含む。
【0020】
本態様によれば、プリチャージ電圧レベルを最適化することでプリチャージ期間を短縮することができるので、画素への書き込み時間を確保することができるようになる。
【0021】
(7)本発明に第7の態様に係る表示駆動方法は、第1の態様乃至第5の態様のいずれかにおいて、前記右目用駆動ステップ及び前記左目用駆動ステップの各々では、直前の1水平走査期間分の画像データ及び当該1水平走査期間分の画像データに対応したプリチャージ電圧レベルに前記ソース線をプリチャージした後に前記マルチプレクス駆動を行う。
【0022】
本態様によれば、プリチャージ電圧レベルを最適化することができるので、短期間でも確実にプリチャージを行うことができるようになり、表示に影響を与えることなく、画素への書き込み時間を確保することができるようになる。
【0023】
(8)本発明の第8の態様は、第1の画像に対応した画像データ及び第2の画像に対応した画像データに基づいて、表示パネルのソース線を駆動する駆動装置が、前記第1の画像に対応した複数の駆動タイミングのタイミング情報が設定される第1の駆動タイミングレジスターと、前記第2の画像に対応した複数の駆動タイミングのタイミング情報が設定される第2の駆動タイミングレジスターと、1本のソース出力を表示パネルの複数のソース線に分割して各ソース線を駆動するマルチプレクス駆動により、前記第1の駆動タイミングレジスター又は前記第2の駆動タイミングレジスターに設定されたタイミング情報に基づき前記ソース線を駆動する駆動部とを含み、前記駆動部は、前記第1の画像に対応した複数の駆動タイミングのそれぞれの駆動タイミングで、順次、前記ソース線を駆動し、前記第2の画像に対応した複数の駆動タイミングのそれぞれの駆動タイミングで、順次、前記ソース線を駆動する。
【0024】
本態様においては、第1の画像及び第2の画像それぞれについて複数の駆動タイミングを設定できると共に、複数のプリチャージ電圧レベルを設定することができるようにしている。これにより、高速に画素に書き込む必要があるときには、第1の画像及び第2の画像それぞれについて、駆動タイミングを変更しながら交互に表示させることができるようになる。また、第1の画像及び第2の画像それぞれについて、ソース線のプリチャージを行ったり、該プリチャージを省いたりすることができるので、極性反転駆動における正極性期間のみを長くすることもできる。そのため、対向電極の最適電圧が極性反転駆動を繰り返すと共にずれてくるという現象を解消することができるようになる。
【0025】
(9)本発明の第9の態様に係る駆動装置は、第8の態様において、第1のプリチャージ電圧レベルに対応した設定情報が設定される第1のプリチャージ電圧レジスターと、第2のプリチャージ電圧レベルに対応した設定情報が設定される第2のプリチャージ電圧レジスターとを含み、前記駆動部は、前記第1の画像に対応した複数の駆動タイミングの少なくとも1つの駆動タイミングで、前記第1のプリチャージ電圧レベルに前記ソース線をプリチャージした後に前記マルチプレクス駆動を行い、前記第2の画像に対応した複数の駆動タイミングの少なくとも1つの駆動タイミングで、前記第2のプリチャージ電圧レベルに前記ソース線をプリチャージした後に前記マルチプレクス駆動を行う。
【0026】
本態様によれば、プリチャージ電圧レベルを最適化することでプリチャージ期間を短縮することができるので、画素への書き込み時間を確保することができるようになる。
【0027】
(10)本発明の第10の態様に係る駆動装置では、第8の態様において、前記駆動部は、直前の1水平走査期間分の画像データ及び当該1水平走査期間分の画像データに対応したプリチャージ電圧レベルに前記ソース線をプリチャージした後に前記マルチプレクス駆動を行う。
【0028】
本態様によれば、プリチャージ電圧レベルを最適化することができるので、短期間でも確実にプリチャージを行うことができるようになり、表示に影響を与えることなく、画素への書き込み時間を確保することができるようになる。
【0029】
(11)本発明の第11の態様は、電気光学装置が、前記表示パネルと、第8の態様乃至第10の態様のいずれか記載の駆動装置とを含む。
【0030】
本態様によれば、表示周波数が高くなっても画素への書き込み時間を確保し、且つ、対向電極の最適電圧のずれを解消する電気光学装置を提供することができるようになる。
【0031】
(12)本発明の第12の態様は、電子機器が、第8の態様乃至第10の態様のいずれか記載の駆動装置を含む。
【0032】
本態様によれば、表示周波数が高くなっても画素への書き込み時間を確保し、且つ、対向電極の最適電圧のずれを解消する駆動装置が適用された電子機器を提供することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】第1の実施形態における駆動装置を備えた液晶表示装置の構成例を示す図。
【図2】第1の実施形態における表示同期信号の説明図。
【図3】表示同期信号が伝送される1対の差動信号線上の送信データの説明図。
【図4】図1のI/F部の構成例のブロック図。
【図5】図4の画像データ取込回路の処理例のフロー図。
【図6】図4の画像データ取込回路の処理例のフロー図。
【図7】図1のソースドライバーの構成例のブロック図。
【図8】図7の駆動制御部の構成例のブロック図。
【図9】第1の実施形態における駆動装置による液晶パネルの表示駆動の制御例のフロー図。
【図10】第1の実施形態における駆動装置による液晶パネルの表示駆動の制御例のフロー図。
【図11】第1の実施形態における液晶表示装置が適用されるプロジェクターシステムの構成の概要を示す図。
【図12】図11の光学系の構成の概要を示す図。
【図13】図11又は図12の液晶装置の制御例の説明図。
【図14】プリチャージ電圧レベルの設定例の説明図。
【図15】第1の実施形態の比較例におけるマルチプレクス駆動の駆動タイミングの一例を示す図。
【図16】第1の実施形態におけるマルチプレクス駆動の駆動タイミングの一例を示す図。
【図17】第2の実施形態における駆動制御部の構成例のブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成のすべてが本発明の課題を解決するために必須の構成要件であるとは限らない。
【0035】
〔第1の実施形態〕
図1に、本発明の第1の実施形態における駆動装置を備えた液晶表示装置の構成例を示す。
【0036】
液晶表示装置(広義には、電気光学装置)10は、液晶パネル(表示パネル、電気光学パネル)12と、駆動装置50とを備えている。駆動装置50は、I/F部96と、ソースドライバー20と、ゲートドライバー40とを備えている。液晶表示装置10の外部には、電源回路60と、画像データ供給装置70とが設けられている。なお、液晶表示装置10は、図1の構成に限定されず、電源回路60又は画像データ供給装置70の少なくとも一部の機能を内蔵してもよい。また、画像データ供給装置70の機能は、表示コントローラー及び中央演算処理装置(Central Processing Unit:CPU)を有するホストにより分割して備えられていてもよい。
【0037】
液晶パネル12は、例えばアクティブマトリクス型の液晶パネルにより構成される。液晶パネル12を構成する液晶基板には、図1のY方向に複数配列され、それぞれX方向に伸びるゲート線G1〜GM(Mは2以上の自然数)が配置される。また、この液晶基板には、X方向に複数配列され、それぞれY方向に伸びるソース線(データ線)S11〜S81、S12〜S82、・・・、S1N〜S8N(Nは2以上の自然数)が配置される。更に、この液晶基板には、ソース信号供給線S1〜SN(ソース電圧供給線、又はソース電流供給線)が設けられ、各ソース信号供給線に対応してデマルチプレクサーDMUX1〜DMUXNが設けられる。なお、デマルチプレクサーDMUX1〜DMUXNは、ソースドライバー20に内蔵されていてもよい。
【0038】
この液晶基板には、ゲート線(走査線)G1〜GMとソース線S11〜S81、S12〜S82、・・・、S1N〜S8Nとの交差点に対応する位置に、薄膜トランジスターが設けられる。例えば、ゲート線Gj(jはM以下の自然数)とソース線S1k(kはN以下の自然数)との交差点に対応する位置に、薄膜トランジスターTjk−1が設けられる。薄膜トランジスターTjk−1は、ゲート電極がゲート線Gjに接続され、ソース電極がソース線S1kに接続され、ドレイン電極が画素電極PEjk−1に接続される。この画素電極PEjk−1と対向電極CE(共通電極、コモン電極)との間には、液晶容量CLjk−1(液晶素子、広義には電気光学素子)が形成される。
【0039】
デマルチプレクサーDMUX1〜DMUXNは、ソース信号供給線に供給された時分割のソース電圧をソース線に分割(分離、デマルチプレクス)して供給する。具体的には、デマルチプレクサーDMUXkは、各ソース線に対応するスイッチ素子(複数のデマルチプレクス用スイッチング素子)を備える。そして、ソースドライバー20からのデマルチプレクス用スイッチ信号SEL1〜SEL8(マルチプレクス制御信号)によってスイッチ素子がオン・オフ制御され、ソース信号供給線Skに供給されたソース電圧がソース線S1k〜S8kに分割して供給される。
【0040】
なお、図1では、説明を簡単にするために、ソース信号供給線Skに対応するデマルチプレクサーDMUXk及びソース線S1k〜S8kのみを図示している。また、ソース線S1k〜S8kとゲート線Gjとの交差点に対応する位置に設けられた薄膜トランジスターのみを図示している。他のソース信号供給線に対応するデマルチプレクサー及びソース線、他のソース線とゲート線との交差点に対応する位置に設けられる薄膜トランジスターについても同様である。
【0041】
I/F部96は、画像データ供給装置70から供給される画像データ、該画像データに対応した表示同期信号(垂直同期信号VSYNC、水平同期信号HSYNC)、及び画素クロックの受信インターフェース処理を行う。また、画像データ供給装置70は、駆動装置50に対して表示制御信号(極性反転信号POL)を供給することができるようになっており、CMOS−IFにより画像データ供給装置70から駆動装置50に直接に出力する。I/F部96において取り込まれた画像データ等は、ソースドライバー20やゲートドライバー40にも供給される。
【0042】
ソースドライバー20は、画像データ(階調データ)に基づいて時分割されたソース電圧をソース信号供給線S1〜SNに出力し、ソース信号供給線S1〜SNを駆動する。一方、ゲートドライバー40は、液晶パネル12のゲート線G1〜GMを走査(順次駆動)する。
【0043】
電源回路60は、外部から供給される基準電圧(電源電圧)に基づいて、液晶パネル12の駆動に必要な各種の電圧レベル(例えば、階調電圧生成用の基準電圧)や、対向電極CEの対向電極電圧VCOMの電圧レベルを生成する。
【0044】
画像データ供給装置70は、液晶表示装置10が表示する画像に対応した画像データを生成し、該画像データを駆動装置50(具体的にはソースドライバー20)に供給する。また、画像データ供給装置70は、駆動装置50及び電源回路60を制御する。例えば、画像データ供給装置70は、駆動装置50に対して、動作モードの設定や内部で生成した表示同期信号の供給を行う。画像データ供給装置70は、例えば図示しないホストにより設定された内容に従って、これらの制御を行う。そのため、画像データ供給装置70と駆動装置50との間には、例えば複数対の差動信号線が設けられており、画像データの各ビット、表示同期信号、及び画素クロックがシリアル転送されるようになっている。なお、画像データ供給装置70から駆動装置50に出力する表示制御信号についても、表示同期信号と同様にシリアル転送するようにしてもよい。また、表示制御信号のうち例えば極性反転信号POLは、駆動装置50の内部で生成するようにしてもよい。
【0045】
図2に、第1の実施形態における表示同期信号の説明図を示す。図2は、表示同期信号、画像データ及びこれに対応するデータイネーブル信号DEのタイミングの一例を表す。
【0046】
第1の実施形態における表示同期信号は、垂直同期信号VSYNC及び水平同期信号HSYNCにより構成される。垂直同期信号VSYNCは、1垂直走査期間を規定する信号である。水平同期信号HSYNCは、1水平走査期間を規定する信号である。画像データの先頭は、水平同期信号HSYNCを基準に予め決められた期間(画素クロック数分)により決められる。画像データの有効期間は、データイネーブル信号DEによって特定される。このデータイネーブル信号DEは、駆動装置50において生成される。
【0047】
図3に、表示同期信号が伝送される1対の差動信号線上の送信データの説明図を示す。
【0048】
画像データ供給装置70は、画素クロックや画像データの各ビットをシリアルデータとして転送すると共に、図3に示す構成を有する送信データを駆動装置50に供給することができる。この送信データの1転送単位内には、水平同期信号HSYNCや垂直同期信号VSYNCの格納位置が決められている。水平同期信号HSYNCの格納位置には、予め決められた例えば24ビットのデータ“0111・・・・・10”(最上位ビット及び最下位ビットが“0”で、残りが“1”のデータ)が格納される。垂直同期信号VSYNCの格納位置には、予め決められた例えば24ビットのデータ“11・・・11”(全ビットが“1”のデータ)が格納される。
【0049】
また、この送信データには、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCからなる表示同期信号と時分割でコマンドデータの格納位置が決められている。コマンドデータは、駆動装置50による液晶パネル12の表示の制御を行うためのデータである。コマンドデータの格納位置には、格納するコマンドデータに対応した例えば24ビットのビットデータが格納される。そのため、表示同期信号の転送期間以外の空き期間を利用して、駆動装置50を制御するためのコマンドに対応したコマンドデータを転送することができるようになっている。これにより、画像データ供給装置70は、例えば1水平走査期間毎にコマンドデータを送信することで、1水平走査期間毎に駆動装置50の制御内容を変更することができるようになる。また、コマンドデータの格納次第で任意の時間間隔で駆動装置50を制御することができ、例えば1垂直走査期間毎にコマンドデータを送信し、駆動装置50を制御することも可能である。
【0050】
図4に、図1のI/F部96の構成例のブロック図を示す。図4は、I/F部96に加えて画像データ供給装置70も図示している。図4において、図1と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
【0051】
画像データ供給装置70は、画像データ、画像データに対応した表示同期信号、表示制御信号、及び画素クロックを生成する。このような画像データ供給装置70は、送信I/F回路72を備えている。送信I/F回路72は、差動送信器SD〜SD14及び出力バッファーOBUFを備えている。差動送信器SD〜SD12のそれぞれは、画像データを例えば12ビット幅のシリアルデータに変換することにより得られる各ビットに対応して設けられる。差動送信器SD〜SD12は、12対の差動信号線D0P、D0N、D1P、D1N、・・・、D11P、D11Nを介して、画像データを駆動装置50に対して送信する。差動送信器SD13は、表示同期信号及びコマンドデータが時分割される表示同期データSYNCを送信する。具体的には、差動送信器SD13は、1対の差動信号線SYNCP、SYNCNを介して、この表示同期データを駆動装置50に対して送信する。差動送信器SD14は、画素クロックを送信する。具体的には、差動送信器SD14は、1対の差動信号線CLKP、CLKNを介して、画素クロックを駆動装置50に対して送信する。出力バッファーOBUFは、極性反転信号POLに対応した送信信号を駆動装置50に対して出力する。この極性反転信号POLは、液晶素子の印加電圧の極性反転周期を規定する信号である。
【0052】
I/F部96は、受信I/F回路97と、画像データ取込回路98とを備えている。受信I/F回路97は、送信I/F回路92の差動送信器に対応して、差動受信器RD〜RD14、入力バッファーIBUFを備えている。受信I/F回路97は、差動信号線を介して差動受信器において受信した差動信号を増幅して、対応する受信信号を受信したり、信号線を介して入力バッファーにおいて増幅して受信信号を受信する。具体的には、受信I/F回路97は、画像データの各ビットに対応した差動信号線を介して受信した差動信号を増幅して、12ビットの画像データD0〜D11を受信する。また受信I/F回路97は、表示同期データに対応した差動信号線SYNCP、SYNCNを介して受信した差動信号を増幅して、表示同期データSYNCを受信する。更に、受信I/F回路97は、画素クロックに対応した差動信号線CLKP、CLKNを介して受信した差動信号を増幅して、画素クロックCLKを受信する。更にまた、受信I/F回路97は、信号線を介して受信した信号を受信して、極性反転信号POLを受信する。
【0053】
I/F部96では、差動受信器RD〜RD12により受信された画像データが、差動受信器RD13、RD14により受信された表示同期データ及び画素クロックを用いて、画像データ取込回路98において取り込まれる。また、入力バッファーIBUFにより受信された極性反転信号POLは、一旦、画像データ取込回路98に取り込まれた後、ソースドライバー20等に供給されるようになっている。
【0054】
画像データ取込回路98は、受信I/F回路97において受信された画素クロックCLKに基づき、表示同期データSYNCに含まれる表示同期信号より規定される画像データD0〜D11を取り込む。具体的には、画像データ取込回路98は、一旦、m(mは2以上の整数)相のデータ取込クロックで画像データを取り込む。それと共に、画像データ取込回路98は、n(nは2以上の整数、但し、n≦m)相の取込基準クロックで、該画像データの先頭を規定する水平同期信号HSYNCを取り込む。n相の取込基準クロック及びm相のデータ取込クロックは、画素クロックCLKを分周することにより得られる。画像データ取込回路98は、n相の取込基準クロックのうち、水平同期信号HSYNCを取り込んだ取込基準クロックを判定する。また、画像データ取込回路98は、m相のデータ取込クロックにより画像データを取り込む(1次ラッチ)。そして、画像データ取込回路98は、判定された取込基準クロックに応じて、既に取り込まれている画像データを並び替え、並び替えた画像データをラッチする(2次ラッチ)。こうすることで、高い周波数で画像データ供給装置70から画像データ等が供給される場合であっても、画像データ取込回路98は、正確に画像データ等を取り込むことができるようになる。
【0055】
例えば、nはm/2であることが望ましい。こうすることで、取込基準クロックの立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジに同期したデータ取込クロックを用いることができ、非常に簡素な構成で取込基準クロック及びデータ取込クロックを生成することができる。
【0056】
また、画像データ取込回路98は、取り込まれた水平同期信号HSYNCを基準に、コマンドデータを取り込むことができる。画像データ取込回路98は、取り込んだコマンドデータをソースドライバー20に供給する。これにより、ソースドライバー20は、画像データ供給装置70からのコマンドに対応した制御が行われる。
【0057】
図5及び図6に、図4の画像データ取込回路98の処理例のフロー図を示す。図5は、画像データ取込回路98における表示同期データSYNCの取込処理のフロー図を表す。図5では、表示同期データSYNCを4(=n)相の取込基準クロックCLK1〜CLK4で取り込む例を示している。図6は、画像データ取込回路98における画像データの取込処理のフロー図を表す。図6では、画像データを8(=m)相のデータ取込クロックCLKA〜CLKHで取り込む例を示している。
【0058】
まず、画像データ取込回路98は、4相の取込基準クロックCLK1〜CLK4で表示同期データSYNCを取り込む(ステップST10)。この表示同期データSYNCには、画像データの先頭を規定する水平同期信号HSYNC及びコマンドデータが含まれる。次に、画像データ取込回路98は、ステップST10で取り込んだ信号パターンが、予め決められたVSYNCパターン又はHSYNCパターンと一致するか否かを判定する。こうすることで、ステップST10において取り込まれた表示同期信号(特に、水平同期信号HSYNC)が、どの取込基準クロックで取り込まれたかを判定することができる。
【0059】
具体的には、画像データ取込回路98は、ステップST10で取り込んだ信号パターンが、VSYNCパターンと一致するか否かを判定する(ステップST12)。ステップST10で取り込んだ信号パターンがVSYNCパターンと一致すると判定されたとき(ステップST12:Y)、画像データ取込回路98は、垂直同期信号VSYNCが転送されてきたと判定する(ステップST14、エンド)。
【0060】
ステップST10で取り込んだ信号パターンが第1のHSYNCパターンと一致しないと判定されたとき(ステップST14:N)、画像データ取込回路98は、信号パターンが、第1のHSYNCパターンと一致するか否かを判定する(ステップST16)。信号パターンが第1のHSYNCパターンと一致すると判定されたとき(ステップST16:Y)、画像データ取込回路98は、水平同期信号HSYNCが取込基準クロックCLK1で取り込まれたと判定する(ステップST18、エンド)。
【0061】
ステップST10で取り込んだ信号パターンが第1のHSYNCパターンと一致しないと判定されたとき(ステップST16:N)、画像データ取込回路98は、上記の信号パターンが第2のHSYNCパターンと一致するか否かを判定する(ステップST20)。信号パターンが第2のHSYNCパターンと一致すると判定されたとき(ステップST20:Y)、画像データ取込回路98は、水平同期信号HSYNCが取込基準クロックCLK2で取り込まれたと判定する(ステップST22、エンド)。
【0062】
ステップST10で取り込んだ信号パターンが第2のHSYNCパターンと一致しないと判定されたとき(ステップST20:N)、画像データ取込回路98は、上記の信号パターンが第3のHSYNCパターンと一致するか否かを判定する(ステップST24)。信号パターンが第3のHSYNCパターンと一致すると判定されたとき(ステップST24:Y)、画像データ取込回路98は、水平同期信号HSYNCが取込基準クロックCLK3で取り込まれたと判定する(ステップST26、エンド)。
【0063】
ステップST10で取り込んだ信号パターンが第3のHSYNCパターンと一致しないと判定されたとき(ステップST24:N)、画像データ取込回路98は、上記の信号パターンが第4のHSYNCパターンと一致するか否かを判定する(ステップST28)。信号パターンが第4のHSYNCパターンと一致すると判定されたとき(ステップST28:Y)、画像データ取込回路98は、水平同期信号HSYNCを取込基準クロックCLK4で取り込まれたと判定する(ステップST30、エンド)。
【0064】
ステップST10で取り込んだ信号パターンが第4のHSYNCパターンと一致しないと判定されたとき(ステップST28:N)、画像データ取込回路98は、上記の信号パターンがコマンドデータと一致するか否かを判定する(ステップST32)。ステップST10で取り込んだ信号パターンがコマンドデータと一致すると判定されたとき(ステップST32:Y)、画像データ取込回路98は、該コマンドデータを取り込む(ステップST34、エンド)。
【0065】
ステップST10で取り込んだ信号パターンがコマンドデータと一致しないと判定されたとき(ステップST32:N)、画像データ取込回路98は、そのまま一連の処理を終了する(エンド)。
【0066】
順次送られる画像データについては、画像データ取込回路98は、図6に示すように、8相のデータ取込クロックCLKA〜CLKHを用いて画像データを一旦取り込む(ステップST40)。即ち、画像データ取込回路98は、8相のデータ取込クロックCLKA〜CLKHで画像データを1次ラッチする。
【0067】
次に、画像データ取込回路98は、図5のステップST18、ステップST22、ステップST26、又はステップST30における判定結果を用いて、ステップST40で取り込んだ画像データを並び替える(ステップST42)。即ち、4相の取込基準クロックCLK1〜CLK4のうち水平同期信号HSYNCが取り込まれた取込基準クロックに応じて、ステップST40において取り込まれた画像データを並び替える。ステップST42では、4相の取込基準クロックCLK1〜CLK4により取り込まれたデータが水平同期信号HSYNCに対応したパターンと一致する取込基準クロックに応じて、ステップST10において取り込まれたデータを並び替える。
【0068】
そして、画像データ取込回路98は、ステップST42において並び替えられた画像データを、2次ラッチし(ステップST44)、一連の処理を終了する(エンド)。
【0069】
以上のように、画像データ取込回路98は、高速に表示同期データが転送されて水平同期信号HSYNCのパルス幅が非常に短くなった場合でも、正確に水平同期信号HSYNCと、これに対応する画像データとを取り込むことができるようになる。この際、画素クロックCLKを分周して得られるm相のデータ取込クロック及びn相の取込基準クロックを用いたので、高速に動作する分周回路等に余分な制御を行う必要がなく、この制御に伴う動作不具合(例えばヒゲの発生)の可能性をなくすこともできる。
【0070】
画像データ取込回路98は、こうして水平同期信号HSYNCを基準として画像データを取り込み、該画像データが有効であることを示すデータイネーブル信号DEを生成し、該データイネーブル信号DEを表示同期信号等と共にソースドライバー20に出力する。
【0071】
図7に、図1のソースドライバー20の構成例のブロック図を示す。
【0072】
ソースドライバー20は、データラッチ22と、ラインラッチ24と、多重化回路26とを備えている。更にソースドライバー20は、基準電圧発生回路(階調電圧発生回路)28と、DAC(Digital-to-Analog Converter、広義にはデータ電圧生成回路)30と、ソース線駆動回路(駆動部)32と、駆動制御部34と、プリチャージ電圧発生回路36とを備える。
【0073】
データラッチ22は、I/F部96において取り込まれた画像データをラッチする。具体的には、I/F部96において取り込まれた画像データのうちデータイネーブル信号DEにより有効な画像データをラッチする。
【0074】
ラインラッチ24は、I/F部96において取り込まれた表示同期信号のうち水平同期信号HSYNCに対応した表示用のラッチパルスLPに基づいて、データラッチ22にラッチされた1水平走査期間分の画像データをラッチする。
【0075】
多重化回路26は、ラインラッチ24にラッチされた各ソース線に対応する画像データを受け、8本分のソース線に対応する画像データを時分割多重し、各ソース信号供給線に対応する時分割多重された画像データを出力する。多重化回路26は、駆動制御部34からのデマルチプレクス用スイッチ信号SEL1〜SEL8に基づいて、画像データを多重化する。
【0076】
駆動制御部34は、極性反転信号POLにより規定される極性反転周期で液晶パネル12の液晶素子への印加電圧の極性が反転するように、ソースドライバー20を構成する各部を制御する。駆動制御部34は、例えばラッチパルスLP、ソース電圧の時分割タイミングを規定するデマルチプレクス用スイッチ信号SEL1〜SEL8、プリチャージ電圧制御信号PVSを生成する。駆動制御部34は、I/F部96において取り込まれた水平同期信号HSYNCに対応して、表示用のタイミングに応じてラッチパルスLPを生成し、例えばラインラッチ24に出力する。また、駆動制御部34は、ソース線の駆動タイミングに応じてデマルチプレクス用スイッチ信号SEL1〜SEL8を生成し、デマルチプレクス用スイッチ信号SEL1〜SEL8を多重化回路26及びデマルチプレクサーDMUX1〜DMUXNに出力する。更に、駆動制御部34は、ソース線のプリチャージの有無又はプリチャージ電圧に応じたプリチャージ電圧制御信号PVSを生成し、プリチャージ電圧制御信号PVSをプリチャージ電圧発生回路36に出力する。なお、図7において、駆動制御部34が制御するソースドライバー20を構成する各部への制御信号については、詳細な図示を省略している。
【0077】
このような駆動制御部34は、画像データ取込回路98によって取り込まれたコマンドデータに基づいて制御される。このコマンドデータは、ソース線のプリチャージのイネーブル情報、ソース線のプリチャージタイミング、ソース出力を複数のソース線に分割する分割タイミング、液晶パネル12の表示周波数、ソース線のポストチャージタイミング、及び液晶パネル12へのソース出力タイミングの少なくとも1つを指定するデータである。プリチャージのイネーブル情報は、マルチプレクス駆動前に行うプリチャージのイネーブル又はディセーブルを指定する情報である。プリチャージタイミングは、プリチャージのために行うデマルチプレクス用スイッチ信号SEL1〜SEL8それぞれの変化タイミングである。分割タイミングは、マルチプレクス駆動のために行うデマルチプレクス用スイッチ信号SEL1〜SEL8それぞれの変化タイミングである。表示周波数は、液晶パネル12の駆動周波数に相当する。ポストチャージタイミングは、マルチプレクス駆動後に行うポストチャージのために行うデマルチプレクス用スイッチ信号SEL1〜SEL8それぞれの変化タイミングである。ソース出力タイミングは、マルチプレクス駆動の際のソース出力のタイミングである。これらのいずれかに対応したコマンドデータを受けた駆動制御部34は、該コマンドデータに応じてソースドライバー20の各部を制御し、ソースドライバー20の駆動タイミングを制御することができる。
【0078】
基準電圧発生回路28は、複数の基準電圧(階調電圧)を生成し、DAC30に供給する。基準電圧発生回路28は、例えば電源回路60から供給される電圧レベルに基づいて、複数の基準電圧を生成する。
【0079】
DAC30は、デジタルの画像データに基づいて、各ソース線に供給すべきアナログの階調電圧を生成する。具体的には、DAC30は、多重化回路26からの時分割多重された画像データと、基準電圧発生回路28からの複数の基準電圧を受けて、時分割多重された画像データに対応する時分割多重された階調電圧を生成する。
【0080】
ソース線駆動回路32は、DAC30からの階調電圧をバッファリング(広義にはインピーダンス変換)してソース信号供給線S1〜SNにソース電圧を出力し、ソース線S11〜S81、S12〜S82、・・・、S1N〜S8Nを駆動する。例えば、ソース線駆動回路32は、各ソース信号供給線に設けられたボルテージフォロワー接続の演算増幅器により、階調電圧をバッファリングする。このようなソース線駆動回路32は、階調電圧に基づくソース線の駆動前にソース線のプリチャージを行うことができる。また、ソース線駆動回路32は、階調電圧に基づくソース線の駆動後に、所与のポストチャージ電圧を用いてソース線のポストチャージを行うことができる。
【0081】
プリチャージ電圧発生回路36は、正極性及び負極性のそれぞれの極性について、1又は複数のプリチャージ電圧を生成し、ソース線駆動回路32に出力する。プリチャージ電圧発生回路36は、プリチャージ電圧制御信号PVSにより指定されたプリチャージ電圧を、該プリチャージ電圧制御信号PVSにより指定されたタイミングでソース線駆動回路32に供給することができる。プリチャージ電圧発生回路36は、例えば電源回路60から供給される電圧レベルに基づいて、1又は複数のプリチャージ電圧を生成する。
【0082】
図8に、図7の駆動制御部34の構成例のブロック図を示す。
【0083】
駆動制御部34は、コマンドデコーダー100と、第1の駆動タイミングレジスター110と、第2の駆動タイミングレジスター112と、セレクター114とを備えている。また、駆動制御部34は、第1のプリチャージ電圧レジスター120と、第2のプリチャージ電圧レジスター122と、セレクター124とを備えている。更に、駆動制御部34は、プリチャージ制御部130と、タイミング生成部140とを備えている。
【0084】
コマンドデコーダー100は、画像データ取込回路98によって取り込まれたコマンドデータをデコードし、デコード結果に対応した制御信号を各部に出力する。例えばコマンドデコーダー100は、コマンドデータのデコード結果をタイミング生成部140に出力することで、タイミング生成部140が生成する駆動タイミングを制御することができる。また、コマンドデコーダー100は、コマンドデータのデコード結果に対応したソース線のプリチャージのイネーブル情報に基づいて、プリチャージ制御部130を制御することができる。更に、コマンドデコーダー100は、第1の駆動タイミングレジスター110、第2の駆動タイミングレジスター112、第1のプリチャージ電圧レジスター120、又は第2のプリチャージ電圧レジスター122に、コマンドデータに対応した設定情報を設定する。
【0085】
第1の駆動タイミングレジスター110には、3D映像を表示するための右目用画像(第1の画像)に対応した複数の駆動タイミングのタイミング情報が設定される。第2の駆動タイミングレジスター112には、3D映像を表示するための左目用画像(第2の画像)に対応した複数の駆動タイミングのタイミング情報が設定される。第1の駆動タイミングレジスター110又は第2の駆動タイミングレジスター112に設定されるタイミング情報は、複数の駆動タイミングのそれぞれのタイミングを規定する情報である。なお、タイミング情報は、予め用意された複数の駆動タイミングのいずれかを指定する情報であってもよい。
【0086】
セレクター114は、第1の駆動タイミングレジスター110に設定されたタイミング情報又は第2の駆動タイミングレジスター112に設定されたタイミング情報の一方をタイミング生成部140に出力する。このセレクター114は、タイミング生成部140によって生成される選択信号に基づいて選択出力する。このとき、セレクター114では、プリチャージ制御部130によりタイミング情報のマスク制御が行われる。
【0087】
第1のプリチャージ電圧レジスター120には、第1のプリチャージ電圧レベルに対応した設定情報が設定される。第2のプリチャージ電圧レジスター122には、第2のプリチャージ電圧レベルに対応した設定情報が設定される。第1のプリチャージ電圧レベルレジスター120又は第2のプリチャージ電圧レベルレジスター122に設定される設定情報は、それぞれのプリチャージ電圧レベルを指定する情報である。なお、設定情報は、予め用意された複数のプリチャージ電圧レベルのいずれかを指定する情報であってもよい。
【0088】
セレクター124は、第1のプリチャージ電圧レジスター120に設定された設定情報又は第2のプリチャージ電圧レジスター122に設定された設定情報の一方を、プリチャージ電圧制御信号PVSとして図7のプリチャージ電圧発生回路36に出力する。このセレクター124は、タイミング生成部140によって生成される選択信号に基づいて選択出力することで、タイミング生成部140により制御されるタイミングで選択出力することができる。このとき、セレクター124では、プリチャージ制御部130により設定情報のマスク制御が行われる。
【0089】
プリチャージ制御部130は、ソース線のマルチプレクス駆動の前に行われるプリチャージの制御を行う。コマンドデータによりソース線のプリチャージのイネーブルが指定されたとき、プリチャージ制御部130は、ソース線をプリチャージした後にソース線のマルチプレクス駆動を行うように制御する。コマンドデータによりソース線のプリチャージのディセーブルが指定されたとき、プリチャージ制御部130は、ソース線をプリチャージすることなくソース線のマルチプレクス駆動を行うように制御する。これは、プリチャージ制御部130が、セレクター114で選択される駆動タイミングレジスターのタイミング情報をマスク制御することで実現することができる。
【0090】
タイミング生成部140には、垂直同期信号VSYNC、水平同期信号HSYNC、画素クロックCLK、極性反転信号POL、コマンドデコーダー100のデコード結果、及びセレクター114で選択出力されたタイミング情報が入力される。タイミング生成部140は、これらに基づいて駆動タイミングを生成し、該駆動タイミングに対応した表示用の同期信号であるラッチパルスLP、デマルチプレクス用スイッチ信号SEL1〜SEL8等を生成する。
【0091】
これにより、ソースドライバー20(ソース線駆動回路32)は、右目用画像に対応した複数の駆動タイミングのそれぞれのタイミングで、順次、第1のプリチャージ電圧レベルにソース線をプリチャージした後にマルチプレクス駆動を行うことができる。このとき、右目用画像に対応した駆動タイミングのうちプリチャージがディセーブルに指定される駆動タイミングでは、そのままマルチプレクス駆動が行われる。即ち、ソースドライバー20は、右目用画像に対応した複数の駆動タイミングの少なくとも1つの駆動タイミングで、第1のプリチャージ電圧レベルにソース線をプリチャージした後にマルチプレクス駆動を行うことができる。
【0092】
また、ソースドライバー20は、左目用画像に対応した複数の駆動タイミングのそれぞれのタイミングで、順次、第2のプリチャージ電圧レベルにソース線をプリチャージした後にマルチプレクス駆動を行うことができる。このとき、左目用画像に対応した駆動タイミングのうちプリチャージがディセーブルに指定される駆動タイミングでは、そのままマルチプレクス駆動が行われる。即ち、ソースドライバー20は、左目用画像に対応した複数の駆動タイミングの少なくとも1つの駆動タイミングで、第2のプリチャージ電圧レベルにソース線をプリチャージした後にマルチプレクス駆動を行うことができる。
【0093】
以上のような構成を有する駆動装置50は、次のように制御される。
【0094】
図9及び図10に、第1の実施形態における駆動装置50による液晶パネル12の表示駆動の制御例のフロー図を示す。図10は、図9のステップST58の詳細な制御例のフロー図を表す。
【0095】
まず、駆動装置50は、第1の駆動タイミングレジスター110に、右目用画像に対応した複数の右目用駆動タイミングのタイミング情報を設定する(ステップST50、右目用駆動タイミング設定ステップ)。これは、画像データ供給装置70からのコマンドデータを取り込むことにより実現される。従って、1水平走査期間毎又は1垂直走査期間毎に、右目用画像に対応したタイミング情報を設定することができる。
【0096】
続いて、駆動装置50は、第1のプリチャージ電圧レジスター120に、右目用画像に対応したソース線の第1のプリチャージ電圧レベルに対応した設定情報を設定する(ステップST52、プリチャージ電圧レベル設定ステップ)。これは、画像データ供給装置70からのコマンドデータを取り込むことにより実現される。なお、ステップST50において、ソース線のプリチャージを行わないと指定されたとき、ステップST52を省略してもよい。
【0097】
次に、駆動装置50は、第2の駆動タイミングレジスター112に、左目用画像に対応した複数の左目用駆動タイミングのタイミング情報を設定する(ステップST54、左目用駆動タイミング設定ステップ)。これは、画像データ供給装置70からのコマンドデータを取り込むことにより実現される。従って、1水平走査期間毎又は1垂直走査期間毎に、左目用画像に対応したタイミング情報を設定することができる。
【0098】
続いて、駆動装置50は、第2のプリチャージ電圧レジスター122に、右目用画像に対応したソース線の第2のプリチャージ電圧レベルに対応した設定情報を設定する(ステップST56、プリチャージ電圧レベル設定ステップ)。これは、画像データ供給装置70からのコマンドデータを取り込むことにより実現される。なお、ステップST54において、ソース線のプリチャージを行わないと指定されたとき、ステップST56を省略してもよい。
【0099】
その後、駆動装置50は、ステップST50又はステップST54で設定されたタイミング情報に対応した複数の駆動タイミングを生成する。駆動装置50は、ステップST52又はステップST56で設定された設定情報に対応したプリチャージ電圧を用いながら、順次、各駆動タイミングで液晶パネル12の表示駆動を行う(ステップST58、エンド)。
【0100】
ステップST58では、図10に示すように、駆動装置50は、右目用駆動タイミングのタイミング情報に基づいて最初の駆動タイミングを生成し(ステップST70)、該駆動タイミングでマルチプレクス駆動を行う。
【0101】
具体的には、駆動装置50は、ステップST70で生成した最初の駆動タイミングにおいてプリチャージがイネーブルに指定されたか否かを判定する(ステップST72)。プリチャージがイネーブルに指定されているとき(ステップST72:Y)、駆動装置50は、ステップST52で設定された設定情報に対応したプリチャージ電圧を用いて、ソース線のプリチャージを行う(ステップST74)。プリチャージがディセーブルに指定されているとき(ステップST72:N)、又はステップST74に続き、駆動装置50は、生成した最初の駆動タイミングで、右目用画像の画像データに基づきマルチプレクス駆動を行う(ステップST76)。ステップST70〜ステップST76は、右目用駆動ステップに相当する。
【0102】
ステップST50で設定されたタイミング情報に基づき次の右目用駆動タイミングがあるとき(ステップST78:Y)、駆動装置50は、ステップST72に戻る。一方、次の右目用駆動タイミングがないとき(ステップST78:N)、駆動装置50は、左目用駆動タイミングのタイミング情報に基づいて最初の駆動タイミングを生成し(ステップST80)、該駆動タイミングでマルチプレクス駆動を行う。
【0103】
具体的には、駆動装置50は、ステップST80で生成した最初の駆動タイミングにおいてプリチャージがイネーブルに指定されたか否かを判定する(ステップST82)。プリチャージがイネーブルに指定されているとき(ステップST82:Y)、駆動装置50は、ステップST56で設定された設定情報に対応したプリチャージ電圧を用いて、ソース線のプリチャージを行う(ステップST84)。プリチャージがディセーブルに指定されているとき(ステップST82:N)、又はステップST84に続き、駆動装置50は、生成した最初の駆動タイミングで、左目用画像の画像データに基づきマルチプレクス駆動を行う(ステップST86)。ステップST80〜ステップST86は、左目用駆動ステップに相当する。
【0104】
ステップST54で設定されたタイミング情報に基づき次の左目用駆動タイミングがあるとき(ステップST88:Y)、駆動装置50は、ステップST82に戻る。一方、ステップST88において次の左目用駆動タイミングがないとき(ステップST88:N)、駆動装置50は、次の右目用画像があるか否かを判定する(ステップST90)。次の右目用画像があるとき(ステップST90:Y)、駆動装置50は、ステップST70に戻り、制御を継続する。一方、次の右目用画像がないとき(ステップST90:N)、駆動装置50は、一連の処理を終了する(エンド)。
【0105】
以上説明したように、第1の実施形態における駆動装置50では、右目用画像及び左目用画像それぞれについて複数の駆動タイミングを設定できると共に、複数のプリチャージ電圧レベルを設定することができる。これにより、3D映像のように高速に画素に書き込む必要があるときには、右目用画像及び左目用画像それぞれについて、駆動タイミングを変更しながら交互に表示させることができるようになる。また、右目用画像及び左目用画像それぞれについて、ソース線のプリチャージを行ったり、該プリチャージを省いたりすることができるので、極性反転駆動における正極性期間のみを長くすることもできる。そのため、対向電極の最適電圧が極性反転駆動を繰り返すと共にずれてくるという現象を解消することができるようになる。
【0106】
〔電子機器〕
第1の実施形態における液晶表示装置10又は駆動装置50は、次のような電子機器に適用することができる。以下、第1の実施形態における液晶表示装置10が、電子機器としての液晶プロジェクターに適用される例を説明する。
【0107】
図11に、第1の実施形態における液晶表示装置10が適用されるプロジェクターシステムの構成の概要を示す。図11は、液晶シャッターめがねを利用したプロジェクターシステムの構成の概要を表す。
図12に、図11の光学系の構成の概要を示す。図12では、図11のプロジェクターが、いわゆる3板式の液晶プロジェクターにより構成されるものとして説明するが、これに限定されるものではない。なお、図12において図11と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
【0108】
プロジェクターシステム200は、液晶プロジェクター210と、液晶シャッターめがね250と、スクリーン260とを備えている。液晶プロジェクター210は、液晶パネル制御部220と、タイミング生成部230と、赤外線送信部240と、光学系300とを備えている。
【0109】
光学系300は、光源装置310と、画像形成ユニット320と、投射光学系340とを備えている。光源装置310は、光源312と、一対のレンズアレイ314と、重畳レンズ316とを含んで構成される。画像形成ユニット320は、ダイクロイックミラー322、324、反射ミラー326、328、330、リレーレンズ332、334、光変調装置としての液晶装置336R、336G、336B、クロスダイクロイックプリズム338を含む。液晶装置336R、336G、336Bのそれぞれは、図1の液晶パネル12を含んで構成される液晶表示装置10と同様の構成を有する透過型の液晶表示装置であり、入射された光を変調する。ダイクロイックミラー322は、光源装置310からの光を、赤色光(R)とそれ以外の色成分の光(緑色光(G)及び青色光(B))とに分離する。ダイクロイックミラー322によって分離された赤色光は、反射ミラー326によって液晶装置336Rに入射面に導かれる。ダイクロイックミラー322によって分離された緑色光及び青色光は、ダイクロイックミラー324によって緑色光と青色光とに分離される。ダイクロイックミラー324によって分離された緑色光は、液晶装置336Gの入射面に入射される。ダイクロイックミラー324によって分離された青色光は、リレーレンズ332、334を介して、反射ミラー328、330によって液晶装置336Bの入射面に導かれる。
【0110】
液晶装置336Rは、赤色光を変調する。液晶装置336Gは、緑色光を変調する。液晶装置336Bは、青色光を変調する。これらの液晶装置336R、336G、336Bによって変調される各色光は、クロスダイクロイックプリズム338によって合成される。
【0111】
投射光学系340は、クロスダイクロイックプリズム338によって合成された光により形成される画像を拡大してスクリーン上で結像する。
【0112】
液晶パネル制御部220は、赤色光(R)、緑色光(G)及び青色光(B)の各色光毎に、対応する液晶装置を駆動制御し、色光毎に変調する制御を行う。タイミング生成部230は、液晶パネル制御部220の駆動タイミングに対応した液晶シャッタータイミングを生成する。赤外線送信部240は、タイミング生成部230によって生成された液晶シャッタータイミングを、液晶シャッターめがね250に送信する。
【0113】
液晶シャッターめがね250は、赤外線受信部252と、液晶シャッター制御部254と、液晶シャッター部256とを備えている。赤外線受信部252は、赤外線送信部240によって送信された液晶シャッタータイミングを受信すると、該タイミングを液晶シャッター制御部254に通知する。液晶シャッター制御部254は、このタイミングに同期して、液晶シャッター部256のシャッター制御を行う。
【0114】
このようなプロジェクターシステム200において、液晶プロジェクター210は、右目用画像の各色成分の画像に対応した画像データに基づいて、液晶装置336R、336G、336Bが一斉に駆動される。その後、左目用画像の各色成分の画像に対応した画像データに基づいて、液晶装置336R、336G、336Bが一斉に駆動される。即ち、液晶プロジェクター210は、右目用画像と左目用画像とを時分割でスクリーン260に投射する。液晶シャッターめがね250は、原則として、液晶プロジェクター210と同期して、右目用画像が表示されているときは左目を遮光し、左目用画像が表示されているときは右目を遮光するようにシャッター制御を行う。
【0115】
このとき、液晶装置336R、336G、336Bは、以下のように制御することで、高精細化及び3D映像化に伴う画素の書き込み不足を解消し、且つ、対向電極の最適電圧のずれを防止する。
【0116】
図13に、図11又は図12の液晶装置336R、336G、336Bの制御例の説明図を示す。
【0117】
液晶装置336R、336G、336Bを構成する駆動装置(図1の駆動装置50に相当)には、右目用画像及び左目用画像のそれぞれについて、3種類の駆動タイミングが設定される。まず、駆動装置は、連続する3フレームのそれぞれを各駆動タイミングで右目用画像に対応した画像データに基づいて液晶パネル(図1の液晶パネル12に相当)を駆動する。1フレーム目は、表示周波数が480Hz、プリチャージ「無」で右目用画像を表示する。次の2フレーム目では、表示周波数が480Hz、プリチャージ「無」で右目用画像を表示する。続く3フレーム目では、表示周波数が240Hz、プリチャージ「有」で右目用画像を表示する。即ち、各画像の表示周波数が直前の画像の表示周波数以下となるように液晶パネルが駆動される。これにより、クロストークを低減すると共に、表示に影響する最後の画像のみ画素の書き込み時間を確保することができる。
【0118】
なお、2フレーム目は、プリチャージ「有」でもよい。即ち、同一の表示周波数で連続する第1の画像〜第p(pは2以上の整数)の画像の各画像データに基づいて駆動する場合、第1の画像に対応した画像データに基づいて駆動するときはソース線をプリチャージすることなくマルチプレクス駆動を行う。そして、第pの画像に対応した画像データに基づいて駆動するときはソース線をプリチャージした後にマルチプレクス駆動を行う。こうすることで、プリチャージ時間を省略して、画素の書き込み時間を確保する一方、表示に影響する最後の画像については、プリチャージ時間を確保して、表示に影響がないようにすることができる。
【0119】
第1の実施形態では、プリチャージのイネーブル情報によりマスク制御を行うため、ソースドライバー(図1のソースドライバー20に相当)に設定される駆動タイミングは2種類で済み、具体的には第1の駆動タイミングレジスターに設定される。
【0120】
同様に、駆動装置は、連続する3フレームのそれぞれを各駆動タイミングで左目用画像に対応した画像データに基づいて液晶パネルを駆動する。1フレーム目は、表示周波数が480Hz、プリチャージ「無」で左目用画像を表示する。次の2フレーム目では、表示周波数が480Hz、プリチャージ「無」で左目用画像を表示する。続く3フレーム目では、表示周波数が240Hz、プリチャージ「有」で左目用画像を表示する。即ち、各画像の表示周波数が直前の画像の表示周波数以下となるように液晶パネルが駆動される。
【0121】
なお、2フレーム目は、プリチャージ「有」でもよい。即ち、同一の表示周波数で連続する第1の画像〜第pの画像の各画像データに基づいて駆動する場合、第1の画像に対応した画像データに基づいて駆動するときはソース線をプリチャージすることなくマルチプレクス駆動を行う。そして、第pの画像に対応した画像データに基づいて駆動するときはソース線をプリチャージした後にマルチプレクス駆動を行う。こうすることで、プリチャージ時間を省略して、画素の書き込み時間を確保する一方、表示に影響する最後の画像については、プリチャージ時間を確保して、表示に影響がないようにすることができる。
【0122】
第1の実施形態では、プリチャージのイネーブル情報によりマスク制御を行うため、ソースドライバーに設定される駆動タイミングは2種類で済み、具体的には第2の駆動タイミングレジスターに設定される。
【0123】
以上のような設定を行うことで、右目用画像及び左目用画像それぞれについて、液晶シャッター部256は、図13に示すようなタイミングで開閉制御を行うことで、高精細な3D映像を表示することができるようになる。
【0124】
このとき、右目用画像及び左目用画像のそれぞれについて、プリチャージ電圧は次のように設定することが望ましい。
【0125】
図14に、プリチャージ電圧レベルの設定例の説明図を示す。図14に示すプリチャージ電圧レベルに対応した設定情報が、図8の第1のプリチャージ電圧レジスター120及び第2のプリチャージ電圧レジスター122に設定される。
【0126】
第1のプリチャージ電圧レジスター120には、表示周波数が480Hzのときの正極性用のプリチャージ電圧レベル及び負極性用のプリチャージ電圧レベルのそれぞれに対応した設定情報が設定される。正極性用のプリチャージ電圧レベル及び負極性用のプリチャージ電圧レベルのそれぞれは、負極性のセンター電圧であることが望ましい。正極性の最高電圧と負極性の最低電圧のほぼ中間のセンター電圧をVCとすると、負極性のセンター電圧は、負極性の最低電圧とセンター電圧VCのほぼ中間の電圧である。これにより、極性反転駆動の正極性期間が短くなったとしても、直前のソース線の電圧レベルにかかわらずソース線のプリチャージを確実に行うことができるようになる。
【0127】
第2のプリチャージ電圧レジスター122には、表示周波数が240Hzのときの正極性用のプリチャージ電圧レベル及び負極性用のプリチャージ電圧レベルのそれぞれに対応した設定情報が設定される。正極性用のプリチャージ電圧レベルは、センター電圧VCであることが望ましい。負極性用のプリチャージ電圧レベルは、負極性のセンター電圧であることが望ましい。これにより、極性反転駆動の負極性期間が短くなったとしても、直前のソース線の電圧レベルにかかわらずソース線のプリチャージを確実に行うことができるようになる。
【0128】
図15に、第1の実施形態の比較例におけるマルチプレクス駆動の駆動タイミングの一例を示す。図15は、デマルチプレクス用スイッチ信号SEL1〜SEL8のタイミングの一例を表す。
【0129】
ソース線のプリチャージは、デマルチプレクス用スイッチ信号SEL1〜SEL8をすべてオン制御(Hレベルにする)することで、プリチャージ電圧が各ソース線に供給される。その後に行われるソース線の駆動は、デマルチプレクス用スイッチ信号SEL1〜SEL8のいずれか1つをオン制御することで、対応するソース線に階調電圧が供給される。ところが、デマルチプレクス用スイッチ信号SEL1〜SEL8のそれぞれは、直前の階調電圧が供給されないように十分なオフ−オフ期間Toffを有する必要がある。そのため、プリチャージタイミングや駆動タイミングが固定される場合、画素への書き込み時間を短くしようとしても、デマルチプレクス用スイッチ信号SEL1〜SEL8のオフ−オフ期間Toffを短縮できないため、信号駆動時間が短くなってしまう。
【0130】
図16に、第1の実施形態におけるマルチプレクス駆動の駆動タイミングの一例を示す。図16は、右目用画像の1フレーム目〜3フレーム目までのデマルチプレクス用スイッチ信号SEL1〜SEL8のタイミングの一例を表す。
【0131】
図15の比較例に対して、第1の実施形態によれば、プリチャージを適宜省略することで、十分なオフ−オフ期間Toffを確保しながら、右目用画像の書き込み時間を確保することができる。最低でも、1フレーム目のプリチャージ期間及びこれに続くオフ−オフ期間に相当する階調出力時間を広くとることができるようになる。
【0132】
以上説明したように、第1の実施形態における液晶表示装置10が適用された液晶プロジェクター210によれば、高精細な3D映像を表示することができるようになる。
【0133】
〔第2の実施形態〕
第1の実施形態では、正極性用のプリチャージ電圧レベル及び負極性用のプリチャージ電圧レベルを外部から設定できるようにしていたが、これに限定されるものではない。第2の実施形態では、内部で正極性用のプリチャージ電圧レベル及び負極性用のプリチャージ電圧レベルを決定することで、プリチャージの最適化を図る。以下では、第1の実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0134】
図17に、第2の実施形態における駆動制御部の構成例のブロック図を示す。図17において、図8と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
【0135】
第2の実施形態における駆動制御部34aは、駆動制御部34に代えて図7のソースドライバー20に適用することができる。駆動制御部34aは、コマンドデコーダー100aと、第1の駆動タイミングレジスター110と、第2の駆動タイミングレジスター112と、セレクター114とを備えている。また、駆動制御部34aは、プリチャージ制御部130aと、タイミング生成部140aと、演算回路150と、プリチャージ電圧制御テーブル160とを備えている。
【0136】
コマンドデコーダー100aは、画像データ取込回路98によって取り込まれたコマンドデータをデコードし、デコード結果に対応した制御信号を各部に出力する。例えばコマンドデコーダー100aは、コマンドデータのデコード結果をタイミング生成部140aに出力することで、タイミング生成部140aが生成する駆動タイミングを制御することができる。また、例えばコマンドデコーダー100aは、コマンドデータのデコード結果に対応したソース線のプリチャージのイネーブル情報に基づいて、プリチャージ制御部130aを制御することができる。更に、コマンドデコーダー100aは、第1の駆動タイミングレジスター110、第2の駆動タイミングレジスター112に、コマンドデータに対応した設定情報を設定する。
【0137】
セレクター114は、第1の駆動タイミングレジスター110に設定されたタイミング情報又は第2の駆動タイミングレジスター112に設定されたタイミング情報の一方をタイミング生成部140に出力する。このセレクター114は、タイミング生成部140aによって生成される選択信号に基づいて選択出力する。このとき、セレクター114では、プリチャージ制御部130aによりタイミング情報のマスク制御が行われる。
【0138】
演算回路150は、当該1水平走査期間分の各画素の画像データの総和と直前の1水平走査期間分の各画素の画像データの総和との差分を求め、該差分に対応した差分データをプリチャージ電圧制御テーブル160に出力する。プリチャージ電圧制御テーブル160には、予め差分データに対応したプリチャージ電圧レベルがテーブル化されており、演算回路150からの差分データに対応したプリチャージ電圧制御信号PVSを出力する。プリチャージ電圧発生回路36は、プリチャージ電圧制御信号PVSに対応したプリチャージ電圧を出力する。
【0139】
プリチャージ制御部130aは、ソース線のマルチプレクス駆動の前に行われるプリチャージの制御を行う。コマンドデータによりソース線のプリチャージのイネーブルが指定されたとき、プリチャージ制御部130aは、ソース線をプリチャージした後にソース線のマルチプレクス駆動を行うように制御する。コマンドデータによりソース線のプリチャージのディセーブルが指定されたとき、プリチャージ制御部130aは、ソース線をプリチャージすることなくソース線のマルチプレクス駆動を行うように制御する。これは、プリチャージ制御部130aが、セレクター114で選択される駆動タイミングレジスターのタイミング情報をマスク制御することで実現することができる。
【0140】
プリチャージ制御部130aは、ソース線のプリチャージを行うように制御するとき、プリチャージ電圧制御テーブル160によるプリチャージ電圧制御信号PVSの出力をイネーブルに設定する。
【0141】
タイミング生成部140aには、垂直同期信号VSYNC、水平同期信号HSYNC、極性反転信号POL、画素クロックCLK、コマンドデコーダー100aのデコード結果、及びセレクター114で選択出力されたタイミング情報が入力される。タイミング生成部140aは、これらに基づいて駆動タイミングを生成し、該駆動タイミングに対応した表示用の同期信号であるラッチパルスLP、デマルチプレクス用スイッチ信号SEL1〜SEL8等を生成する。
【0142】
以上のような第2の実施形態によれば、直前の1水平走査期間分の画像データ及び当該1水平走査期間分の画像データに対応したプリチャージ電圧レベルにソース線をプリチャージした後にマルチプレクス駆動を行うことができるようになる。このとき、プリチャージ電圧レベルを最適化することができるので、短期間でも確実にプリチャージを行うことができるようになる。
【0143】
以上、本発明に係る表示駆動方法、駆動装置、電気光学装置及び電子機器等を上記のいずれかの実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記のいずれかの実施形態に限定されるものではない。例えば、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、次のような変形も可能である。
【0144】
(1)上記のいずれかの実施形態では、液晶表示装置10の構成を図1に示す構成を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。また、上記のいずれかの実施形態では、駆動装置50の構成を図7に示す構成を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。更に、上記のいずれかの実施形態では、駆動制御部を図8又は図17に示す構成を例に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0145】
(2)上記のいずれかの実施形態において、画像データのビット幅が12ビット、表示同期データが24ビット単位であるものとして説明したが、本発明は、画像データのビット幅や表示同期データのビット数に限定されるものではない。
【0146】
(3)上記のいずれかの実施形態では、プロジェクターシステムが、リア投写型のシステムを例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、本発明に係るプロジェクターシステムが、フロント投写型のシステムであってもよい。
【0147】
(4)上記のいずれかの実施形態における液晶表示装置10又は駆動装置50が適用される電子機器として、図17に示すものに限定されるものではない。例えば、携帯電話機、パーソナルコンピューター、情報携帯端末(PDA:Personal Digital Assistants)、デジタルスチルカメラ、テレビ、ビデオカメラ、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳、電子ペーパー、電卓、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、POS(Point of sale system)端末、プリンター、スキャナー、複写機、ビデオプレーヤー、タッチパネルを備えた機器等が挙げられる。
【0148】
(5)上記の実施形態において、本発明を表示駆動方法、駆動装置、電気光学装置及び電子機器等として説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上記のいずれかの実施形態における画像表示方法等であってもよい。
【符号の説明】
【0149】
10…液晶表示装置、 12…液晶パネル、 20…ソースドライバー、
22…データラッチ、 24…ラインラッチ、 26…多重化回路、
28…基準電圧発生回路、 30…DAC、 32…ソース線駆動回路(駆動部)、
34,34a…駆動制御部、 40…ゲートドライバー、 50…駆動装置、
60…電源回路、 70…画像データ供給装置、 72…送信I/F回路、
96…I/F部、 97…受信I/F回路、 98…画像データ取込回路、
100,100a…コマンドデコーダー、 110…第1の駆動タイミングレジスター、
112…第2の駆動タイミングレジスター、 114,124…セレクター、
120…第1のプリチャージ電圧レジスター、
122…第2のプリチャージ電圧レジスター、
130,130a…プリチャージ制御部、
140,140a,230…タイミング生成部、 150…演算回路、
160…プリチャージ電圧制御レジスター、 200…プロジェクターシステム、
210…液晶プロジェクター、 220…液晶パネル制御部、 240…赤外線送信部、
250…液晶シャッターめがね、 252…赤外線受信部、
254…液晶シャッター制御部、 256…液晶シャッター部、 260…スクリーン、
300…光学系、 310…光源装置、 312…光源、 314…レンズアレイ、
316…重畳レンズ、 320…画像形成ユニット、
322,324…ダイクロイックミラー、 326,328,330…反射ミラー、
332,334…リレーレンズ、 338…クロスダイクロイックプリズム、
340…投射光学系

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルのゲート線を走査しながら1本のソース出力を複数のソース線に分割して各ソース線を駆動するマルチプレクス駆動により、右目用画像に対応した画像データ及び左目用画像に対応した画像データに基づいて、前記表示パネルを交互に駆動する表示駆動方法であって、
前記右目用画像に対応した複数の右目用駆動タイミングに対応したタイミング情報を第1の駆動タイミングレジスターに設定する右目用駆動タイミング設定ステップと、
前記第1の駆動タイミングレジスターに設定されるタイミング情報に基づいて、前記複数の右目用駆動タイミングのそれぞれの駆動タイミングで、順次、前記表示パネルを駆動する右目用駆動ステップと、
前記左目用画像に対応した複数の左目用駆動タイミングに対応したタイミング情報を第2の駆動タイミングレジスターに設定する左目用駆動タイミング設定ステップと、
前記第2の駆動タイミングレジスターに設定されるタイミング情報に基づいて、前記複数の左目用駆動タイミングのそれぞれの駆動タイミングで、順次、前記表示パネルを駆動する左目用駆動ステップとを含み、
前記右目用駆動ステップ及び前記左目用駆動ステップの各々では、
前記ソース線をプリチャージした後に前記表示パネルを駆動し、又は前記ソース線をプリチャージすることなく前記表示パネルを駆動することを特徴とする表示駆動方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記右目用駆動タイミング設定ステップ及び前記左目用駆動タイミング設定ステップの各々では、
1水平走査期間又は1垂直走査期間毎に、少なくとも1つのタイミング情報を前記第1の駆動タイミングレジスター又は前記第2の駆動タイミングレジスターに設定することを特徴とする表示駆動方法。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記右目用駆動ステップ及び前記左目用駆動ステップの各々では、
各画像の表示周波数が直前の画像の表示周波数以下となるように前記表示パネルを駆動することを特徴とする表示駆動方法。
【請求項4】
請求項3において、
前記右目用駆動ステップ及び前記左目用駆動ステップの各々では、
同一の表示周波数で連続する第1の画像〜第p(pは2以上の整数)の画像の各画像データに基づいて駆動する場合、前記第1の画像に対応した画像データに基づいて駆動するときは前記ソース線をプリチャージすることなく前記マルチプレクス駆動を行い、前記第pの画像に対応した画像データに基づいて駆動するときは前記ソース線をプリチャージした後に前記マルチプレクス駆動を行うことを特徴とする表示駆動方法。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかにおいて、
前記右目用駆動タイミング設定ステップ及び前記左目用駆動タイミング設定ステップの各々では、
前記ソース線のプリチャージのイネーブル情報、前記ソース線のプリチャージタイミング、前記ソース出力を前記複数のソース線に分割する分割タイミング、前記表示パネルの表示周波数、前記ソース線のポストチャージタイミング、及び前記表示パネルへのソース出力タイミングの少なくとも1つを含むタイミング情報を設定することを特徴とする表示駆動方法。
【請求項6】
請求項5において、
前記ソース線のプリチャージ電圧レベルを設定するプリチャージ電圧レベル設定ステップを含むことを特徴とする表示駆動方法。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれかにおいて、
前記右目用駆動ステップ及び前記左目用駆動ステップの各々では、
直前の1水平走査期間分の画像データ及び当該1水平走査期間分の画像データに対応したプリチャージ電圧レベルに前記ソース線をプリチャージした後に前記マルチプレクス駆動を行うことを特徴とする表示駆動方法。
【請求項8】
第1の画像に対応した画像データ及び第2の画像に対応した画像データに基づいて、表示パネルのソース線を駆動する駆動装置であって、
前記第1の画像に対応した複数の駆動タイミングのタイミング情報が設定される第1の駆動タイミングレジスターと、
前記第2の画像に対応した複数の駆動タイミングのタイミング情報が設定される第2の駆動タイミングレジスターと、
1本のソース出力を表示パネルの複数のソース線に分割して各ソース線を駆動するマルチプレクス駆動により、前記第1の駆動タイミングレジスター又は前記第2の駆動タイミングレジスターに設定されたタイミング情報に基づき前記ソース線を駆動する駆動部とを含み、
前記駆動部は、
前記第1の画像に対応した複数の駆動タイミングのそれぞれの駆動タイミングで、順次、前記ソース線を駆動し、前記第2の画像に対応した複数の駆動タイミングのそれぞれの駆動タイミングで、順次、前記ソース線を駆動することを特徴とする駆動装置。
【請求項9】
請求項8において、
第1のプリチャージ電圧レベルに対応した設定情報が設定される第1のプリチャージ電圧レジスターと、
第2のプリチャージ電圧レベルに対応した設定情報が設定される第2のプリチャージ電圧レジスターとを含み、
前記駆動部は、
前記第1の画像に対応した複数の駆動タイミングの少なくとも1つの駆動タイミングで、前記第1のプリチャージ電圧レベルに前記ソース線をプリチャージした後に前記マルチプレクス駆動を行い、前記第2の画像に対応した複数の駆動タイミングの少なくとも1つの駆動タイミングで、前記第2のプリチャージ電圧レベルに前記ソース線をプリチャージした後に前記マルチプレクス駆動を行うことを特徴とする駆動装置。
【請求項10】
請求項8において、
前記駆動部は、
直前の1水平走査期間分の画像データ及び当該1水平走査期間分の画像データに対応したプリチャージ電圧レベルに前記ソース線をプリチャージした後に前記マルチプレクス駆動を行うことを特徴とする駆動装置。
【請求項11】
前記表示パネルと、
請求項8乃至10のいずれか記載の駆動装置とを含むことを特徴とする電気光学装置。
【請求項12】
請求項8乃至10のいずれか記載の駆動装置を含むことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−155172(P2012−155172A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−14862(P2011−14862)
【出願日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】