説明

表面デザインツール

消費者が選択した面をデザインする方法が、面の表示をディスプレイし、面の表示に適用される1つまたは複数のパターンをディスプレイし、1つまたは複数のパターンからユーザが選択した1つのパターンを受信するステップを含む。この方法は、選択されたパターンをユーザが面の表示上の、選択したパターンの大きさと形状とは無関係な位置に配置することを可能とし、配置されたパターンの少なくとも1つの特性を変更してユーザが面の表示を変更することを可能とするステップを更に含む。更に、この方法は、面の変更された表示のレンダリングを含む部屋の3次元ビューを生成し、生成された3次元ビューをユーザに提供するステップを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが表面上のデザインを開発し評価することを可能とする方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
室内の美観を改善することは、多くの消費者によって永年行われてきた。カーペット、敷物、ドラペリー、カーテン、椅子張り地などの軟質表面の表面領域を洗浄するための家庭用品および方法は、きわめて多く存在している。表面がひどく汚れたりおよび/または擦り切れたりした場合には、化学的な洗剤や削り取りのように、カーペットから何かを化学的または物理的に除くなどの除去処理が用いられることがある。しかし、そのような洗浄製品および除去処理では、その表面を完全に元の状態に回復することができないことが多く、これがしばしば消費者にとって不満となっている。
【0003】
表面の美観を改善するための付加的処理も知られている。たとえば、ペンキ塗り、模造ペンキ塗り、ステンシルによる刷り付け、縁取り、壁紙貼り、タイル張り、羽目板張り、パネル張り、装飾漆喰塗り、アップリケ貼付、表面積層、モールディングなどにより、望ましくないものの上に層を重ねたり、覆ったり、隠したりする処理がある。
【0004】
一般的に、そのような付加的処理のデザインは、消費者からの要求を受けてデザイン専門家が行なってきた。結果的に、そのような処理のデザインプロセスとしては一般的に、消費者がショールームを訪問するか、またはデザイン専門家が消費者の家庭を訪問することが必要であり、時間とコストのかかるものとなっている。
【0005】
従って、消費者がコンピュータ支援のデザインプログラムを利用して、自分自身で簡便にデザインできるようにするニーズが高まっていた。このようなコンピュータ支援のデザインプログラムは、たとえばインターネットのウェブサイトを介するオンライン形態や、パッケージソフトウェアの購入によるオフライン形態の、いずれでも利用可能となっている。コンピュータ支援デザインプログラムの第1の例では、消費者が、衣類、事務・学用品、運動具などの製品を選択し、写真、文字、ロゴなどを用いてその製品を自分の好みに合わせて変更する。コンピュータ支援プログラムの第2の例では、家具を購入、および/または配置換えする前に、消費者が家具を選択し、3次元的に表示された部屋の中に配置する。しかし、上記の第1および第2のコンピュータ支援デザインプログラムは、消費者が自分自身でデザインすることを適切に支援することはできず、消費者は、第1の例では既存のデザインを選んで製品を変更すること、また第2の例では部屋の中で家具を再配置することができるだけである。
【0006】
カリフォルニア州サンノゼ市のアドビコーポレーション(Adobe Corporation)が開発したアドビイラストレータ(Adobe Illustrator)(登録商標)、またはカナダ、オタワ市のコーレルコーポレーション(Corel Corporation)が開発したコーレルドロー(Corel Draw)(登録商標)などの2次元デザインプログラムでは、ユーザが2次元の図を描くことができる。これらのプログラムはベクトル描画ツールであり、ユーザは、直線、円弧、曲線などを使って形状を構成することができる。これらの描画ツールでは、ユーザが色を選択し、描画した形状の上に塗ることもできるようになっている。
【0007】
しかし、このような従来のプログラムでは、たとえば、Shahらによる特許文献1、Bassらによる特許文献2、および、本願と同一日に出願された特許文献3(これらのそれぞれは引用によりその全体がここに援用されるものとする)に記述の付加的処理を用いて、ユーザが表面デザインをすることはできない。これらの付加的処理は、カーペット、敷物、ドラペリー、カーテン、椅子張り地などのような軟質表面へ顧客がデザインをすることを可能とする。一実施形態では、1つまたは複数のステンシルと着色剤とを用いてデザインが適用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許出願第12/152,322号
【特許文献2】米国特許出願第12/152,405号
【特許文献3】代理人整理番号第J−5043号
【特許文献4】米国特許第6,563,510号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、そのようなデザインの実行を支援する、便利で効果的なプログラムのニーズが存在する。更にはこのようなプログラムで、ユーザが表面に施すデザインを、適用しようとする実環境を模した仮想環境において確認してから決定することができれば、それは更なる利点となるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一実施形態によれば、消費者が選択した面をデザインする方法は、面の表示をディスプレイし、面の表示に適用され得る1つまたは複数のパターンをディスプレイし、そして、1つまたは複数のパターンからユーザが選択した1つのパターンを受信するステップを含む。この方法は、ユーザに選択されたパターンを面の表示上の、選択されたパターンの大きさや形状とは無関係な位置にユーザが配置することを可能とし、配置されたパターンの少なくとも1つの特性を変更することにより、ユーザがパターンを変更して面の変更された表示を作成することを可能とするステップも含む。更に、本方法は、面の変更された表示のレンダリングを含む、部屋の3次元ビューを生成し、生成された3次元ビューをユーザに提供するステップを含む。
【0011】
別の実施形態によれば、面をデザインする方法は、それぞれが1つまたは複数の配置されたパターンを含む、事前設定された1つまたは複数の面の表示の中からユーザが選択した面の表示をディスプレイするステップを含む。更に、本方法は、選択された面の事前設定の表示をユーザが変更することを可能とし、面の表示のレンダリングを含む、部屋の3次元ビューを生成し、生成された3次元ビューをユーザに対してディスプレイするステップを含む。
【0012】
更に別の実施形態によると、面をデザインするシステムは、面の表示と、面の表示の上に適用することのできる1つまたは複数のパターンとをディスプレイするディスプレイ装置と、面の変更された表示を作るためのユーザからの命令を受信するように構成された入力装置とを含む。この命令は、1つまたは複数のパターンから1つのパターンを選択するステップと、選択されたパターンを面の表示上に配置するステップと、および/または選択されたパターンの少なくとも1つの特性を変更するステップとを含むことができる。更に、このシステムは、面の変更された像のレンダリングを含む、部屋の3次元ビューを生成するようにプログラムされたプロセッサを含む。
【0013】
本発明の他の態様および利点は、以下の詳細な説明を考慮することにより明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1の実施形態によるシステムのブロック図である。
【図2】図1のシステムによって実行される、第2の実施形態によるプログラムを説明するフローチャートである。
【図3】面の表示のレンダリングを含む部屋の3次元ビューを生成するために実行される、第3の実施形態によるプログラムを説明するフローチャートである。
【図4A】第4の実施形態による、デザインレイアウトの画面を示す図である。
【図4B】第4の実施形態による、デザインレイアウトの画面を示す図である。
【図4C】第4の実施形態による、デザインレイアウトの画面を示す図である。
【図4D】第4の実施形態による、デザインレイアウトの画面を示す図である。
【図5A】第5の実施形態による、3次元表示の画面を示す図である。
【図5B】第5の実施形態による、3次元表示の画面を示す図である。
【図6A】第6の実施形態による、デザインレイアウトの画面を示す図である。
【図6B】第6の実施形態による、デザインレイアウトの画面を示す図である。
【図6C】第6の実施形態による、デザインレイアウトの画面を示す図である。
【図7】第7の実施形態による、3次元表示の画面を示す図である。
【図8A】第8の実施形態による、印刷/保存/点検の画面を示す図である。
【図8B】第8の実施形態による、印刷/保存/点検の画面を示す図である。
【図9】1つまたは複数のユーザを管理してそれらのユーザに推奨を行う、第9の実施形態によるプログラムを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1はコンピュータ22を含むシステム20を示している。コンピュータ22は更に、出力装置26と入力装置28とコンピュータメモリ30とに接続されたプロセッサ24を更に含んでいる。プロセッサ24は、マイクロソフトウィンドウズ(登録商標)、マックOS、リナックスなどの当業者には明らかな、任意の適切なオペレーティングシステム上で動作するハードウェアとソフトウェアとを含んでいる。一実施形態において、ソフトウェアは、アドビフラッシュプレーヤ8などのマルチメディアソフトウェアと、インターネットエクスプローラ、ファイアフォックス、サファリ、またはオペラなどのインターネットブラウザとを含んでいる。プロセッサ24は、コンピュータメモリ30に格納されたプログラムと入力装置28を介して受信される命令とに従って、システム20の動作を制御する。更に、プロセッサ24は、デザイン対象である面の表示などのユーザへの情報をディスプレイするための出力装置26を制御する。入力装置28は、キーボード、マウス、フラッシュドライブやCDまたはDVD装置からデータを受信するUSBドライブ、或いは、ユーザがコンピュータ22に命令を入力できるその他の任意の種類の装置などの、1つまたは複数の装置を含むことが可能である。一実施形態では、出力装置26はディスプレイ画面、および/またはプリンタである。非制限的な例としては、コンピュータ22はユーザのパーソナルコンピュータおよび/またはキオスクであってよい。コンピュータに対する他の当業者に明らかな変更を行うことも可能である。
【0016】
図1のシステムは、コンピュータ22およびその他の複数のコンピュータ22a〜22nと、有線または無線34で接続されたサーバ32を含んで、コンピュータ相互およびサーバと通信できるコンピュータネットワークを形成していてもよい。このその他のコンピュータ22a〜22nは、コンピュータ22と同様に、それぞれに出力装置、入力装置およびメモリを含んでいてもよい。更に、サーバ32は、サーバメモリ36のような適切なハードウェアと、当業者に明らかな任意の適切なオペレーティングシステムでの動作に適合するソフトウェアとを含む。一実施形態においては、接続34はインターネット接続であり、サーバ32は、コンピュータ22がたとえばウェブサイトを介してアクセス可能な、インターネットベースのアプリケーションをサポートする。この実施形態においては、サーバ32は、たとえばアパッチウェブサーバのような任意の適切なサーバであってよく、アプリケーションは、たとえばPHP5などの、任意の既知の言語で記述されていてよく、サーバメモリ36中のデータは、たとえばMySQLのような任意の既知のシステムを利用して管理されてよく、インターネット接続は、たとえばDSLやWi−Fiのような任意の適切な接続であってよい。当業者に明らかなような、システム20に対する更なる変更を行うことも可能である。
【0017】
一実施形態において、図1の各コンピュータ22は、独立型システムまたはサーバ32を必要としないキオスクとして動作する。しかし、このような独立型システムは、当業者には明らかなように、定期的にサーバ32に接続されて関連するデータを送受信することができる。
【0018】
図2を参照すると、システム20によって実装されたプログラムの一実施形態では、ブロック40からスタートし、当該ブロックにおいて新規のユーザを登録するか、登録済みのユーザをログインすることができる。この登録/ログインの手順は、当技術分野においては周知である。たとえば、登録手順では通常、ユーザ名(たとえば、Eメールアドレス)、パスワード、および/または、住所、クレジットカード番号などのその他のユーザ固有の情報を入力する。ユーザが入力したこの情報は、コンピュータ22のコンピュータメモリ30の中にローカルに格納されるか、またはサーバメモリ36に格納される。ログイン手順の一実施例は、ユーザ名とパスワードの入力と、入力された内容がコンピュータメモリ30および/またはサーバメモリ36に格納されているユーザ名とパスワードに一致するかどうかを判定することを含む。入力内容が一致すれば、ユーザは承認されて次のステップへ進むことができる。しかし、入力内容が一致しない場合にはユーザは承認されず、ログイン情報を再入力するか、ゲストユーザとして次のステップへ進むか、のいずれかを行うことが許される。更に別の実施例では、ユーザがパスワードを忘れた場合には、ユーザのEメールアドレスへパスワードを送信するように要求することができる。またはその代わりに、ブロック40において、ユーザは登録やログインをせずに匿名のままでいるようにすることができる。
【0019】
ブロック40の次に、制御は判定ブロック42へ移り、事前に定義された面の表示をロードするかどうかを判定する。この実施形態では、事前に定義された面の表示は、後で詳細に述べるように、そこに配置された1つまたは複数のパターンを含んでいる。事前に定義された表示をロードするかどうかのブロック42の判定は、当業者に明らかなように、ユーザ入力があるかないか、またはその他の基準に沿ってなされる。事前に定義された表示をロードする場合、制御はブロック44に移って、事前に定義された表示のロードを行う。一実施形態において、事前に定義された表示は、ユーザによって過去にデザインされ、コンピュータメモリ30および/またはサーバメモリ36に格納され、かつユーザがログインした後に選択することが可能となっている、1つまたは複数の表示の中から選択される。別の実施形態では、事前に定義された表示は、1つまたは複数のデフォルト表示、または1つまたは複数の異なるユーザによってデザインされた表示の中から選択される。ここで、そのような表示は、コンピュータメモリ30および/またはサーバメモリ36に格納され、ログインしたユーザであれ、匿名のユーザであれ任意のユーザに対して利用可能となっている。
【0020】
ブロック42に戻って、事前に定義された表示のロードがされない場合には、制御はブロック46へ移り、面表示のためのレイアウトを生成する。一実施形態において、レイアウト生成は、たとえば、10フィート(約3m)x10フィート(約3m)の正方形、または半径2mの円、というような面表示の大きさ、および/または形状を指定し、生成されたレイアウトを面のブランク表示、つまりその上に何もパターンのない表示としてディスプレイすることを含む。ブロック44または46から制御はブロック48へ移り、事前に定義された表示であれ、ブランク表示であれ、ディスプレイされた面表示を変更して所望のデザインを得る。レイアウト変更手順は後でより詳細に述べるが、通常、その面表示の上の任意の所望位置に配置可能な、1つまたは複数のパターンを選択することが含まれる。別の実施形態においては、ブロック48の変更手順は、たとえば色の追加や変更、パターンの上乗せ、方向の変更などのような、パターンの他の特性を変更することを更に含む。
【0021】
ブロック48で表示が変更された後、制御はブロック50に移って、変更された表示のレンダリングを含む、部屋の3次元ビューを生成する。こうして、変更された表示を内容的に乏しいデザイン画面で見るのではなく、模擬された実環境の中でユーザはその表示を評価し、そのデザインを実装するために必要なものを購入する前に、および/またはデザイン専門家に依頼してそのデザインを実装する前に、変更した表示がどのように見えるかを確認することができる。たとえば、部屋の3次元ビューとしては居間または寝室などがあり、変更された表示としては床、壁、天井などのデザインがある。ユーザが変更した表示に満足すれば、判定ブロック52が変更プロセスが完了したか否かを判定する。ユーザが更なる変更を希望する場合は、制御ループは判定ブロック52からブロック48へ戻り、ユーザが満足するまで表示の更なる変更を行うことができる。変更が完了すると、制御はブロック54へ移り、当業者には明らかなように、変更済みの表示を保存および/または印刷することができる。更に、ブロック56で、この後詳細に述べるように、点検処理が実装されてもよい。他の実施形態において、当業者には明らかなように、図2のフローチャートは、より少ない、または多くの処理を含むものであってもよいし、それらの処理を任意の所望の順序で行うものであってもよい。
【0022】
図3を参照すると、面の2次元表示のレンダリングを含む部屋の3次元ビューを生成するために実行されるプログラムの一実施形態は、ブロック60から始まる。ブロック60では、ユーザが変更した面表示などの面の2次元表示と、部屋の3次元ビューとを、コンピュータメモリ30および/またはサーバメモリ36などのメモリから読み出す。次に、制御はブロック62に移り、2次元表示が3次元ビューの中の面の位置と方向に合うように配向される。たとえば、2次元表示の向きを変えてこれを3次元ビューの床または壁に整合させることができる。ブロック64で、2次元表示を歪めたり、および/または倍率を変えたりすることにより、3次元ビューの中の部屋の大体の寸法に合わせることができる。ブロック66で、部屋の3次元ビューにおける陰影および/または照明を、面の2次元表示に施すことができる。ブロック66に続いて、ブロック68では、2次元表示を、3次元ビューにレンダリングまたは重ね書きする。別の実施形態では、上述のブロックの幾つかは、同時に、および/または違う順序で実行されてもよい。更に、当業者には明らかなように、図3のフローチャートにおいて、ブロック削除したり追加したりすることができる。
【0023】
図4A〜8Bの様々な画面は、システム20が生成し、ユーザに対してディスプレイ装置上にディスプレイしたものである。一実施形態では、図4A〜8Bは、たとえばユーザの家庭のパーソナルコンピュータ、および/または店舗のキオスクからアクセス可能なウェブサイト上に一連の画面として実装できる。様々な画面のアニメーション/レンダリングは、アドビフラッシュプレーヤまたはAJAXなどの任意の既知のプラットフォームまたは技術を利用して実行することができる。図4Aにおいて、ユーザは、「長さ」ボックス70と「幅」ボックス72に面の寸法を入力し、マウスなどの入力装置によって制御されるカーソル78によって、「グリッド形成」ボタン74または「次へ」ボタン76をクリックして、面を表示するためのレイアウトを作成する。本実施例においては、ユーザは、10フィート(約3m)x10フィート(約3m)の寸法を入力し、カーソル78で「グリッド形成」ボタン74をクリックして、画面の右側部分に面80の2次元表示を生成した。図4Aにおいて、2次元表示は面80の平面図であり、そこには、面上にパターンを配置するのに便利な、1フィート(約30cm)四方のブロックからなる参照グリッド82が含まれる。表示80の寸法と参照グリッド82は、当業者に明らかなように、面の大きさ、および/または参照グリッドを形成するブロックの寸法とに応じて拡大、縮小することができる。ユーザが「次へ」のボタン76をクリックすると、参照グリッド82なしの面80の表示を含む次の画面がディスプレイされる。
【0024】
図4Bにおいて、分類リストからパターン分類84を選択する。パターン分類84は、パターン分類を視覚表示したボタン/アイコンとしてディスプレイされる。図4Bにおいて、パターン分類84は、正方形84a、円84b、帯84c、波と渦84d、フラ・ダ・リ84e、葉84f、花84g、葉と枝84h、円と四角84i、ダイアモンド84j、を含む。パターン分類84を選択するには、ユーザは所望のパターン分類をカーソル78でクリックしさえすればよい。当業者には明らかなように、別の実施形態では、パターン分類84はこれより少なくても、多くてもよい。様々な実施形態において、パターン分類84は、コンピュータメモリ30、および/またはサーバメモリ36内に格納されたデフォルト分類であってよいし、またはユーザがデザインしたパターン分類であってもよい。ユーザがデザインしたパターン分類や、その分類に含まれるユーザがデザインしたパターンは、USBポートに差し込まれたフラッシュメモリドライブやCDドライブなどのような入力装置28を介してシステム20に供給されてもよいし、インターネットを利用してアップロードされてもよい。ある実施形態では、ユーザがデザインしたパターンを電子的に変換したもの(たとえば、スキャンしたものとか、ドローアプリケーションからのファイルなど)をシステムに与えることによって、ユーザがシステムに供給してもよい。あるシステムの実施形態は、ユーザがデザインしたパターンをそのユーザに関連付けて、そのユーザのみが利用できるよう限定する。別の実施形態では、ユーザがデザインしたパターンを、そのシステム20の他のユーザも利用できる。
【0025】
ユーザがパターン分類84を選択すると、その選択したパターン分類に関連する1つまたは複数のパターン86がパターンの視覚表示となったボタン/アイコンとしてディスプレイされ、ユーザはそこから選択する。ある実施形態においては、カーソル78をパターン分類84上に所定の時間よりも長く置くと、選択されたパターン分類に関連する1つまたは複数のパターン86がディスプレイされる。図4Cは、ユーザが葉のパターン分類84fを選択した状態を示す。4つの異なるパターン86a、86b、86c、86dが示されており、ユーザは所望のパターンをカーソル78でクリックすることによりその中から選択することができる。所望のパターン86をクリックすると、そのパターンはカーソル78に「付着した」状態となり、カーソルの画面内の動きに付随する。このようにして、ユーザは面80の表示の所望の位置へカーソル78を動かし、その所望位置で、もう一度クリックしてパターン86をそこへ配置することができる。一実施形態では、面80の表示上のパターン86の位置が、参照グリッド82に制限されないようになっている。グリッドは単に参照として利用されるだけであり、選択されたパターンの寸法と形状とにかかわらず面80の上の任意の位置にパターンを配置することができる。更に、ユーザは、利用するディスプレイ装置および位置決め装置の能力内であれば、実質的に面80上の任意の場所に、参照グリッド82とは独立にパターンを配置することができる。この実施形態においては更に、参照グリッド82はユーザが1つまたは複数のパターン86を面80上に位置合わせする際の補助として利用されるだけであり、寸法や形状などのそのパターンの特性には何ら関与しない。当業者には明らかなように、面80の表示および参照グリッド82の寸法に合うように、パターン86の大きさは拡大縮小することが可能である。更には、たとえば、キーボード上のスペースバーや他のキーを押すことにより、約45度と言うような事前に設定された量だけパターンを回転させたり、パターン上をクリックしてメニューを表示させて方向を変更したり、その他の、当業者には明らかな方法などにより、選択されたパターン86の方向は変更することができる。図4Cは一実施例を示しており、第1の葉86a’が面80のほぼ中央に配置され、第2の葉86a”が約180度回転されて、第1の葉86a’の下に配置される。更に図4Cの画面では、ユーザは「消しゴム」ボタン88を押して消しゴムアイコン(表示せず)をディスプレイさせてカーソル78に「付着させ」て、カーソルの画面内の動きに付随させることができる。そうしてユーザは、消しゴムアイコンを動かして面80の表示上のパターン86の上に置き、次にクリックしてそのパターンを消去することができる。図4Cはまた、「カーソル」ボタン90を示しており、ユーザがクリックすることによりカーソル78を、他のアイコンが付着していない元の状態に戻すことが可能である。更に、カーソル78をその元の状態で使用すると、面80の表示の中に配置されているパターン86の上でクリックすることにより、ユーザは、以下に述べる手順を利用して、そのパターンの位置および/または向きを変更することが可能である。更には、「前へ」のボタン92はユーザを以前の画面へ戻すことが可能であり、「次へ」のボタン76は、ユーザが次の画面へ進むことを可能とする。「前へ」ボタン92と「次へ」ボタン76をクリックすることに加えて、ユーザは画面上部の様々なタブ94をクリックして、画面間をナビゲートすることが可能である。
【0026】
図4Dの画面は一実施形態を示しており、ここでは、ユーザは、面80上の1つまたは複数のパターン86に対して色96を選択し着色することができる。本実施形態では、複数の色96が視覚表示でボタン/アイコンとしてディスプレイされ、これらは、コンピュータメモリ30、および/またはサーバメモリ36内に格納されている。図4Dには、スパイス(Spice)96a、ベールド・セージ(VeiledSage)96b、エスプレッソ(Espresso)96c、アーティスティック・ゴールド(ArtisticGold)96d、カントリー・ベリー(CountryBerry)96e、キャジュアル・ブルー(CasualBlue)96f、ボーイ・ブルー(BoyBlue)96g、ジョビアル・ピンク(JovialPink)96h、の色が含まれている。しかしながら、当業者には明らかなように、他の実施形態では、これより少ない色、または多い色から選択することができる。本実施形態においてパターン86に色96を塗るには、ユーザがカーソル78で所望の色をクリックすると、ペンキバケツのアイコン98がカーソルに付着して、カーソルの画面上の動きに付随する。ペンキバケツアイコン98のついたカーソル78をパターン86の上へ移動してクリックするとそこを着色できる。パターン86の色96が選択された色に変化して、塗られた色を目で確認できる。図4Dでは、ユーザが葉86a”にアーティスティック・ゴールド96dを塗った例が示されている。別の実施形態では、色96はパターン86に基づいて選択することができる。すなわち、それぞれのパターンに適用できる色はパターンによって変わる。更に別の実施形態では、パターン86a’または86a”などのパターンをクリックして、ポップアップメニューまたはドロップダウンメニューを表示させ、ユーザが色96を選択することが可能である。
【0027】
ある実施形態では、パターンに色が塗布されたことをユーザに示す視覚確認は、面や、パターンおよび/または色の上に塗られた色がどのように見えるかの表示でもある。たとえば、ユーザが葉のパターン86a”にアーティスティック・ゴールドの色96dを塗ったとすると、ディスプレイされる視覚確認は、面80の色とパターン86a”の下にある他の任意のパターン(表示せず)の色とで混合されたアーティスティック・ゴールド96dの色を模擬するものである。模擬された色は、アーティスティック・ゴールド96dの色の着色材と消費者が選択した(たとえば、上述の軟質の面、壁、家具などのような)面との相互作用(たとえば不透明性、色混合など)を考慮に入れたものであってよい。ある実施形態においては、消費者が選択した面の色を、前以ってシステム中に構成された面の中から選択するか、または消費者が選択した面のサンプルの色を計測する測色計やスキャナを利用することにより、ユーザが提供してもよい。本開示に有効なそのような色スキャナは、Riceらに付与された米国特許第6,563,510号(特許文献4)に開示されている。その特許の全体はここに援用されるものとする。従って、模擬された色としては、ユーザが模擬された色を作るのに消費者の選択面に提供した色を用いてもよい。
【0028】
ユーザは、面80上の1つまたは複数のパターン86に色96を塗り終えると、「次へ」のボタン76をクリックして、図5Aの画面へ移る。特に、ユーザが面80の表示の変更を終えると、ユーザは、変更された表示80のレンダリングを含む、部屋100の3次元ビューを生成させるようシステム20に命令することができる。本実施形態においては、変更された表示80を、部屋の視覚表示のついたボタン/アイコンとしてディスプレイされている複数の異なる部屋の中にレンダリングすることができる。図5Aの部屋100には、事務所100a、居間100b、私室100c、寝室100d、子供部屋100eが含まれている。当業者には明らかなように、他の実施形態において、部屋100はこれより少なくても多くてもよい。様々な部屋100a〜100eの3次元ビューは、コンピュータメモリ30および/またはサーバメモリ36に保存され、ユーザの要求により、コンピュータ22および/またはサーバ32にそれぞれ取り込まれるか、または他の任意の方法で、選択に利用できる。更に、異なるそれぞれの部屋100は、大きさ、照明と陰影、家具配置が異なり、表示が適用される実際の環境に最も近い仮想環境の中で、ユーザは変更された表示80を見ることができる。
【0029】
図5Bは、変更された表示80が床の上にレンダリングされた、私室100c’の3次元ビューを示す。部屋100の3次元ビューの上に変更された表示80をレンダリングすることは、任意の既知の手順を利用して実行することが可能である。一実施形態では、レンダリング手順には、通常、変更された表示80と部屋100の3次元ビューを読み出し、変更された表示80を選択された3次元ビューの床の位置と方向に合わせ、3次元ビューにおける大体の部屋の大きさに従って変更された表示80を変形または拡大縮小し、3次元ビューを変更された表示の上に重ねる、ことが含まれる。別の実施形態においては、レンダリング手順は更に、模擬色を生成し、重ね合わせのステップの前または後に、変更された表示80上に部屋100の3次元ビューに関連する陰影および/または照明を施す、ことを含む。ユーザが変更された面80に満足できない場合には、「前へ」のボタン92または適当なタブ94をクリックして、表示80を更に変更することができる。ユーザが変更された面80に満足した場合には、当業者には明らかなように、ユーザは「印刷」ボタン102、または「保存」ボタン104をカーソル78でクリックし、変更された表示をそれぞれ印刷または保存することができる。非限定的な実施例として、ユーザが「印刷」ボタン102を押すと、印刷画面(表示せず)がディスプレイされて、ユーザはプリンタを選択し、1つまたは複数の設定を行って、変更された表示80を印刷することができる。別の非限定的な実施例では、ユーザが「保存」ボタン104をクリックすると、保存画面(表示せず)がディスプレイされて、変更された表示80に対して新規名を入力するか、古い表示に上書きするかにより、変更された表示80を保存する場所を指定して表示を保存することができる。変更された表示80を保存する場所は、コンピュータメモリ30および/またはサーバメモリ36の上であっても、またはフラッシュメモリ装置やCDなどの外部装置上であってもよい。更に、ある実施形態では、面80の保存された表示に関連する情報も又格納される。そのような情報としては、表示を生成したユーザのユーザ名、表示の寸法、使用されたパターン、使用されたパターンの色、位置、方向、などが含まれる。このような「印刷」ボタン102および「保存」ボタン104は、たとえば図4B〜4Dなどの様々な画面の全体にわたって利用できる。
【0030】
図6A〜6Cの画面を参照すると、ユーザが事前に定義された表示またはレイアウト106を選択し(たとえば図6Bを参照)、そのレイアウトに変更を加える、一実施形態が示されている。一実施形態においては、複数の事前に定義された表示106をユーザが選択できるようになっている。事前に定義された表示106は、コンピュータメモリ30、および/またはサーバメモリ36に保存可能であり、或いは、既知の方法によりユーザが取り込むことが可能である。一実施例では、複数の事前に定義された表示106が、前述のパターン分類と同様のパターン分類84に編成されている。図6Aにおいて、ユーザは、カーソル78でパターン分類84をクリックすることにより、その中から1つのパターン分類を選択することができる。更に、ユーザは、以前に生成し、保存した事前に定義された表示106を、「保存の取り込み」ボタン108をカーソル78でクリックすることにより、取り込むことができる。一実施形態においては、以前に生成した表示106を取り込むことが可能となるためには、「保存の取り込み」ボタン108をクリックした後、ログインをする必要がある場合もある。また、別の実施形態では、ユーザが登録されているか、あるいはログインしているかどうかに拘わらず、任意の事前に定義された表示106を取り込むことが許される。
【0031】
図6Bは、円のパターン分類84b中にあるさまざまな事前に定義された表示106a、106b、106c、106dと、様々な事前に定義された表示を構成するパターン86e、86f、86g、86hとを表している。別の実施形態においては、パターン分類84のそれぞれは、ユーザが選択可能な1つまたは複数の異なる表示106を含んでいる。図6Bにおいて、ユーザは円のパターン分類84b中の第1の表示106aを選択した。ここで第1の表示は画面の右側にディスプレイされている。その後、前述したように、ユーザは、「印刷」ボタン102または「保存」ボタン104をクリックして、表示をそれぞれ印刷、または保存することができる。しかし、それに加えて、ユーザは、「カスタマイズ」ボタン110をクリックして、事前に定義された表示106を変更することが可能である。この実施形態においては、図4A〜4Dに関して既述したのと同様な、またはそれとは異なる手法を用いて、ユーザは表示106を変更することが可能である。
【0032】
図6Cは一実施形態を示しており、ここではユーザは表示106aをカスタマイズして、表示の中央の円86fを4つの小さなフラ・ダ・リ86iに置き換え、2つの大きなフラ・ダ・リ86jを表示に追加して、変更された表示106a’を作成した。更に、図4Dに関して前述したのと同じようにして、ユーザは様々なフラ・ダ・リ86i、86jに色96を塗った。この表示への変更にユーザが満足すれば、この変更された表示106a’のレンダリングを含む、部屋100の3次元ビューの生成を、前述したように、システム20に命令することができる。図7においては、ユーザは、変更された表示106a’をレンダリングする場所として、居間100bを選択した。この後、前述したように、ユーザはボタン102、104、110をクリックすることにより、変更された表示をそれぞれ印刷、保存、および/またはカスタマイズすることができる。
【0033】
図8Aは、印刷/保存および点検の画面を表しており、それらは「印刷」ボタン102、「保存」ボタン104、および/または「点検」ボタン(表示せず)をクリックすることによりアクセスできる。前記の図4A〜7の実施形態においては、それぞれの画面の右下隅に買い物リスト120が表示されている。買い物リスト120には、表示68および/または106にパターンと色が付けられた状態で、消費者が選択した面(前述の軟質の表面、壁、家具などの)上に表示を再生するのに必要な製品のデータが書き込まれている。一実施形態においては、そのような製品として、Shahらによる米国特許出願第12/152,322号明細書、およびBassらによる米国特許出願第12,152,405号明細書(これらは既に参照により援用されている)に開示の手法に従って使用することができるステンシルや着色剤の缶が含まれる。たとえば、図4Cにおいては、買い物リスト120は、ユーザが2つのHaikaidoの曲がり葉のステンシルを必要とすることを示し、図4Dにおいては、買い物リストは、アーティスティック・ゴールドの着色剤の缶1つも必要であることを示している。同じように、図6B、6C、7の買い物リストは、消費者が選択した面の上に表示を再生するのに使用されるステンシルと複数缶の着色剤のデータが書き込まれている。図8Aを参照すると、買い物リスト120には、円の分類84b(図6B参照)の第1の表示106aを実装するのに必要な製品のデータが書き込まれている。図8Aにおいては、ユーザは、それ以前に「ログイン」ボタン122または「登録」ボタン124をクリックしていなければ、それをクリックして、それぞれログインまたは登録をすることができる。更に、前述したように、ユーザは、「印刷」ボタン102または「保存」ボタン104をクリックして、買い物リストをそれぞれ印刷、または保存することができる。本実施形態においては、図8Aの画面は、「予約」ボタン126と「発注」ボタン128も含んでいる。一実施例において、ユーザが「予約」ボタン126をクリックして買い物リスト120にリストされた1つまたは複数のアイテムを選択し、これによりそれらのアイテムを販売する店に予約がなされる。そのような店は、実際の店舗であってもよいし、オンライン/バーチャルストアであってもよい。その店には、任意の既知の手段を介して予約が通知される。一実施例において、その店のコンピュータがインターネットを介してサーバ32に接続されており、それが更にユーザのコンピュータ22に接続されている。ここで、店のコンピュータには、たとえばEメールにより、電子的に予約が通知される。別の実施例において、コンピュータ22は店のキオスクに一体化されていて、任意の既知の手段を利用して選択されたアイテムが店の在庫品の中から予約される。ユーザが「発注」ボタン128をクリックして買い物リスト120上の1つまたは複数のアイテムを選択し、これにより店へ発注がなされる。この店も同様に、実際の店舗であってもよいし、オンライン/バーチャルストアであってもよい。「発注」ボタン128をクリックした後、ユーザは、クレジットカード番号などの支払い情報を入力するように求められる。そして、ユーザは、通常発送、または至急便発送、または店での受取り、などの、さまざまな配送条件の選択をする。図8Bに示す別の実施形態の買い物カート120においては、たとえば図8Aの、バルセロナ中型同心円ステンシルとベールド・セージ着色剤などの名前ではなく、実際のステンシルの形状と着色材の色で製品が示されている。むしろ、図8Bには、面80の表示をデザインするために使用された第1と第2と第3のステンシル130a、130b、130cが示されている。こうしてユーザは、異なるパターンのそれぞれの名前を覚える必要なしに、形状を見て買い物リスト120を迅速にレビューできる。
【0034】
別の実施形態において、システムは、推奨のパターン、レイアウト、および/または配色をユーザに提示するように構成されている。これらの推奨の提示は、能動的または受動的に起動され得る。たとえば、ユーザが「推奨」ボタン140(図6Aに示す)をクリックすれば、推奨の提示は能動的に起動される。または、図6A、6Bの画面のような画面の1つに、その推奨を単にディスプレイし、推奨の提示を受動的に行うこともできる。当業者に明らかなような、その他の方法で推奨を行うことも可能である。
【0035】
図9は、上記のシステム20がそのような推奨を提供するために実行可能なプログラムの一実施形態を示す。ここで、プログラムはブロック150で始まり、面の表示のデザイン全体を通してのユーザの活動を追跡する。一実施形態において、ユーザとは、ログインした登録ユーザである。しかし他の実施形態において、ユーザは登録する必要はなく、単に匿名のままでいることもできる。いずれの場合においても、ブロック150において、システムはユーザの活動のログを取る。これには、選択したパターンや色などのユーザの選択、パターンの個別および/またはグループでの配置、前述の「消去」ボタン88の使用、事前に定義された表示の取り込み、表示の保存、他の画面との切り替え、などが含まれる。一実施形態では、面の表示の最終的なデザインに拘わらず、ユーザの全ての活動が追跡される。ブロック152において、ユーザの活動のログから、ユーザプロファイルが作成される。プロファイルは、以前のログイン時のユーザ活動のログや、および/またはアンケートから集められた情報、などのような、ユーザの他の情報からも作成することが可能である。そのような情報として、デザインされる部屋のタイプ、部屋の大きさ、部屋の中の全体としての家具の配置、部屋の照明の度合い、ユーザの年齢および所得水準、ユーザの郵便番号、その他の、当業者にとって明らかと思われる情報、が含まれる。ユーザのプロファイルは、コンピュータメモリ30および/またはサーバメモリ36などのメモリに、デフォルトのプロファイルおよび/または他の登録ユーザおよび匿名ユーザのプロファイルと共に、格納される。ブロック154において、ユーザプロファイルがメモリから読み出されて、格納されているデフォルトのプロファイル、および/または他のユーザのプロファイルと比較され、プロファイルの類似性が特定され、類似のプロファイルを持つユーザ間で共通するデザイン選択が特定される。ユーザプロファイルの類似性を特定するために、たとえば、類似のパターン配置、色比率、部屋の大きさまたは比率、厳密なパターン/色のマッチング、類似の地理的位置など、当業者に明らかな項目を見つけ出すような、任意の適切な照合アルゴリズムを利用することが可能である。一実施形態において、照合アルゴリズムは、そのユーザにとって最も相関の大きいマッチングを特定するために、パターン、レイアウト、色、などのあるものに異なる重み付けをすることが可能である。ブロック154での比較に基づいて、ブロック156で、前述したような、ユーザへ提供する推奨が生成される。それに代わって、またはそれに関連して、ブロック154は、ブロック156の推奨を生成するために用いられたユーザの傾向を精査することが可能である。たとえば、そのようなユーザの傾向として、人気のある色やパターン、色とパターンの組み合わせ、部屋の大きさに基づく典型的なパターン密度、共通的な3次元の部屋の選択、および/またはユーザが空白の面の表示と事前設定された表示のいずれからスタートするのを好むかと言うことなどの、最も共通的なデザインの選択、つまり傾向が含まれる。別の実施形態では、システム20は、時間と日付のデータを追跡してアクセスのパターンを識別し、そのようなデータを予約および/または購入データと照合して、売り上げへ繋がる度合いを評価する。
【0036】
本明細書で記述したシステムおよび方法は、ユーザが、面の2次元表示上へ便利かつ効果的にデザインを行うことを可能とする。更に、ユーザは、デザインを適用する3次元の部屋のような、模擬された実環境において2次元デザインを評価し、そのデザインの面への適用を進めるべきか、またはそのデザインの更なる変更をすべきかを評価することが可能である。そして更に、ユーザのプロファイルと他のプロファイルとに基づいて、推奨デザインがユーザに与えられ、デザインを行う上でユーザを支援することが可能である。また、一実施形態においては、ユーザがデザインを面に適用するのに必要な製品を容易に取得或いは購入することが可能である。
【0037】
前述のそれぞれの実施形態の個々の特徴の様々な組み合わせから成る他の実施形態は、本明細書に明確に含まれるものとする。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、ユーザによる面のデザインを促進し、そのようなデザインを模擬された実環境内にディスプレイして、デザインが満足のいくものであるか変更を必要とするものであるかをユーザが評価することを支援する。
【0039】
以上の記載に関して、当業者には本発明に対する多くの変更が明らかとなろう。従って、この記載は、例示的なものとしてのみ解釈されるべきであり、当業者が本発明を行い、かつ利用することを可能とすると共に、発明実施の最良の形態を教示することを目的として提示されている。添付の特許請求の範囲内にあるすべての変更についての独占権が、留保されている。ここで引用したすべての特許、特許公報と出願、および他の参考文献は、その全体が、参照により援用されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
消費者が選択した面をデザインする方法であって、
面の表示をディスプレイし、
前記面の表示に適用され得る1つまたは複数のパターンをディスプレイし、
前記1つまたは複数のパターンからユーザが選択した1つのパターンを受信し、
前記選択されたパターンを前記面の表示の上の、前記選択されたパターンの大きさや形状とは無関係な位置にユーザが配置することを可能とし、
前記配置されたパターンの少なくとも1つの特性を変更することによりユーザが前記パターンを変更して前記面の変更された表示を作成することを可能とし、
前記面の変更された表示のレンダリングを含む、部屋の3次元ビューを生成し、
生成された前記3次元ビューを前記ユーザに提供する、ことを含む方法。
【請求項2】
前記面の表示は2次元表示である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記面は軟質の面である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの特性は、前記パターンの方向または色である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記生成することは、前記ユーザに複数の異なる部屋から選択させることと、前記パターンの色と前記消費者が選択した面の色との混合の色をシミュレーションすることとの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の異なる部屋は、大きさが異なり、かつ異なる照明、および/または家具配置を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
1人または複数のユーザに関する情報を格納し、前記格納された情報に基づいて、1つまたは複数のパターンを前記ユーザに推奨することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記消費者が選択した面上へ前記変更した面の表示を再生するために必要な製品リストを提供することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記製品リストは、形状、および/または色がリストされている、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記製品リストは、ステンシル、および/または着色剤を含み、前記方法は、前記ユーザが前記製品の少なくとも1つを購入するために発注を掛けることを可能とすることを更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記パターンは、前記ユーザが描画またはスキャンすることにより供給される、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
面をデザインする方法であって、
それぞれが1つまたは複数の配置されたパターンを含む、事前設定された1つまたは複数の面の表示の中からユーザが選択した面の表示をディスプレイし、
選択された前記面の事前設定の表示をユーザが変更することを可能とし、
前記面の表示のレンダリングを含む、部屋の3次元ビューを生成し、
生成された前記3次元ビューを前記ユーザに対してディスプレイする、ことを含む方法。
【請求項13】
前記1つまたは複数のパターンの中から選択した1つのパターンを前記ユーザから受信することと、前記ユーザが少なくとも1つの特性を変えることで前記選択したパターンを変更して前記面の変更した表示を得ることを可能とすることと、前記ユーザが前記面の表示の上に前記選択したパターンを置くことを可能とすることと、の少なくとも1つを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ユーザが前記1つまたは複数のパターンを消去して、その少なくとも1つの特性を変化させることを可能とすることを更に含み、前記少なくとも1つの特性は、配向または色である、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
1人または複数のユーザに関する情報を格納し、前記格納された情報に基づいて、1つまたは複数の前記面の事前設定の表示を前記ユーザに推奨することを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
面をデザインするシステムであって、
面の表示と、前記面の表示の上に適用することのできる1つまたは複数のパターンとをディスプレイするディスプレイ装置と、
前記面の変更された表示を作るためのユーザからの命令を受信するように構成された入力装置であって、前記命令は、前記1つまたは複数のパターンから1つのパターンを選択するステップと、前記選択されたパターンを前記面の表示上に配置するステップと、および/または前記選択されたパターンの少なくとも1つの特性を変更するステップとを含む、入力装置と、
前記面の変更された像のレンダリングを含む、部屋の3次元ビューを生成するようにプログラムされたプロセッサと、を備えるシステム。
【請求項17】
前記ディスプレイと、前記入力装置と、前記プロセッサとを収納するキオスクを更に備える、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記キオスクはサーバと、1つまたは複数の他のキオスクとに接続されている、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
1人または複数のユーザに関する情報を格納するメモリを更に備え、前記プロセッサは、前記格納された情報に基づいて1つまたは複数のパターンを前記ユーザに推奨するようにプログラムされている、請求項16に記載のシステム。
【請求項20】
前記面の1つまたは複数の事前設定された表示を格納するメモリを更に備え、前記1つまたは複数の事前設定された表示のそれぞれはその上に配置された1つまたは複数のパターンを含み、前記ユーザから受信された命令は前記ユーザが前記入力装置を介して変更することのできる事前設定された表示の選択を含む、請求項16に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【公表番号】特表2011−527038(P2011−527038A)
【公表日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−516345(P2011−516345)
【出願日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際出願番号】PCT/US2009/003941
【国際公開番号】WO2010/002475
【国際公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.リナックス
【出願人】(500106743)エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド (168)
【Fターム(参考)】