袋および袋の製造方法
【課題】収納空間を仕切りで仕切ることで収納物品を分けて収納でき、しかも、仕切りによって仕切られた空間よりも大きな収納物品を収納できるようにする。
【解決手段】
収納物を収納するための収納空間が側壁3に囲まれて構成されるとともに、この収納空間を仕切る仕切り5が側壁間に形成された袋1であって、前記仕切り5は、収納空間を仕切る仕切状態と、この仕切状態を解除した解除状態とに状態を変更可能に構成されている。
【解決手段】
収納物を収納するための収納空間が側壁3に囲まれて構成されるとともに、この収納空間を仕切る仕切り5が側壁間に形成された袋1であって、前記仕切り5は、収納空間を仕切る仕切状態と、この仕切状態を解除した解除状態とに状態を変更可能に構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を収納可能な袋およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、飲食品その他の物品を購入等した場合に使用される袋には、通常、紙製で折り畳み自在とされたものが用いられる。この袋には底部と側壁によって内側に所定の大きさの収納空間が構成されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の袋では、袋内に複数の物品が収納される場合に、収納空間において複数の物品が混入することになり、各物品の出し入れが煩雑となるおそれがあった。さらに、収納空間の大きな袋内に、飲料を入れた容器を収納した場合、この容器が倒れて内容物が流出するおそれがあった。
【0004】
このようなことを防止するには、例えば、既製の袋の内部に仕切りを設けて所定の種類の物品ごとに分けて収納することが望ましい。しかしながら、袋を常に仕切りで仕切っている状態では、大きな物品を収納したい場合に、仕切りが邪魔になって収納できない場合もある。
【0005】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、収納空間を仕切りで仕切ることで収納物品を分けて収納でき、しかも、仕切りによって仕切られた空間よりも大きな収納物品を収納できるようにした袋、およびこの袋を効率良く製造できる製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記の課題を解決するために以下の技術的手段を講じた。
【0007】
すなわち、本発明は、収納物を収納するための収納空間が側壁に囲まれて構成されるとともに、この収納空間を仕切る仕切りが側壁間に形成された袋であって、前記仕切りは、収納空間を仕切る仕切状態と、この仕切状態を解除した解除状態とに状態を変更可能に構成されてなることを特徴とする。
【0008】
かかる構成によれば、仕切りが袋の収納空間を仕切る仕切状態と、この仕切状態を解除した解除状態とに状態を変更できることから、仕切状態では、複数の収納物品を分けて収納することができる。そして、この仕切状態から解除状態に状態を変更すれば、袋の収納空間が元に戻り、仕切状態において仕切られていた空間には入らないような大きな物品をも収納できるようになる。
【0009】
また、本発明は、収納物を収納するための収納空間が側壁に囲まれて構成されるとともに、この収納空間を仕切る仕切りが側壁間に形成され、この仕切りが、収納空間を仕切る仕切状態と、この仕切状態を解除した解除状態とに状態を変更可能に構成されてなる袋を製造する袋の製造方法であって、袋の側壁を形成するための複数の側壁形成部と、袋の底部を形成するための複数の底部形成部と、仕切りを形成するための仕切り形成部とを備えた袋形成用台紙を、各側壁形成部および各底部形成部ごとに折り曲げ、所定位置で接合することによって袋を形成することを特徴とする。
【0010】
かかる袋の製造方法によれば、袋を形成する前の袋形成用台紙に側壁形成部、底部形成部、および仕切形成部を形成しておき、この袋形成用台紙を折り曲げ、所定位置で接合することによって、最終的に完成された袋には、その収納空間を仕切る仕切りが既に形成された状態となっており、これによって、袋を形成した後に、その内部に仕切りを取り付けるといった煩雑な作業を省略することができ、複数の物品を分けて収納可能な袋を効率よ
製造することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、袋の収納空間を仕切りで仕切ることで収納物品を分けて収納できるとともに、仕切りによって仕切られた空間よりも大きな物品を収納できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明に係る袋およびこの袋の製造方法を実施するための最良の形態を、図面に基づき説明する。
【0013】
図1〜図8は、本発明に係る袋および袋の製造方法の第1実施形態を示している。本実施形態において、袋1は、図1、図2に示すように、所定の形状に構成された紙製の袋形成用台紙2を所定の形状に折り曲げ、所定位置で貼り合わせることによって、内部の収納空間を形成する側壁3(3a〜3d)および底部4、そして、内部の収納空間を仕切る仕切り5を備えて形成される。袋形成用台紙2は、袋1の側壁3(3a〜3d)を形成するための複数の側壁形成部11〜14と、袋1の底部4を形成するための複数の底部形成部21〜26と、袋1内の収納空間を仕切る仕切り5を形成するための仕切形成部18を備える。
【0014】
本実施形態では、袋形成用台紙2は四角形状、より具体的には長方形状に構成されている。また、袋形成用台紙2には、4つの側壁形成部11〜14が並設されている。以下、各側壁形成部11〜14のそれぞれを、順に、第1側壁形成部11ないし第4側壁形成部14という。各側壁形成部11〜14は、図2に示すように、長方形状に構成されている。
【0015】
第1側壁形成部11の幅は、これと隣り合う第2側壁形成部12の幅よりも大きくなっている。また、第2側壁形成部12の幅は、これと隣り合う第3側壁形成部13の幅よりも小さくなっている。また、第3側壁形成部13の幅は、第4側壁形成部14との幅よりも大きくなっている。本実施形態では、第1側壁形成部11の幅と第3側壁形成部13の幅とが等しくされ、第2側壁形成部12と第4側壁形成部14の幅が等しくされている。
【0016】
なお、これらの側壁形成部11〜14が並べられている方向を「横方向」という。また、各側壁形成部11〜14の長手方向に直交する方向を「幅方向」という。この幅方向と横方向は同じ方向であるが、主として袋形成用台紙2を基準としたときに、「横方向」の語を用い、側壁形成部11〜14その他の要素については、「幅方向」の語を用いて説明する。
【0017】
第4側壁形成部14の端部には、この第4側壁形成部14を他の側壁形成部(例えば第1側壁形成部11)に接合するための接合部(以下「第1接合部」という)31が形成されている。また、各側壁形成部11〜14間には、これら側壁形成部11〜14を区切る境界線(以下「第1境界線」という)Aが設けられている。また、第1側壁形成部11と第1接合部31との間には、これらを区切る境界線(以下「第2境界線」という)Bが設けられている。
【0018】
仕切形成部18は、その幅方向の一端部が、第1側壁形成部11の幅方向の端部に一体に形成されている。また、この仕切形成部18の幅方向の他端部には、他の側壁形成部に接合される接合部(以下「第2接合部」という)32が一体に形成されている。この仕切形成部18と第1側壁形成部11との間には、この第1側壁形成部11と仕切形成部18とを区切る境界線(以下「第3境界線」という)Cが設けられている。また、仕切形成部18と第2接合部32との間には、これらを区切る境界線(以下「第4境界線」という)Dが設けられている。
【0019】
また、この仕切形成部18は、図2に示すように、長方形状とされており、その長手方向における長さは、各側壁形成部11〜14の長手方向の長さと等しくなっている。また、この仕切形成部18の中途部には、貫通孔や開口部等が設けられていてもよい。
【0020】
仕切形成部18は、その幅方向の中途部の境界線(以下「第5境界線」という)Eを介して2分されている。以下、この仕切形成部18において第5境界線Eによって分けられた一方の部分を第1の部分18aといい、他方の部分を第2の部分18bという。
【0021】
仕切形成部18の第1の部分18aは、第2接合部32と第2の部分18bとの間に形成されている。また、仕切形成部18の第2の部分18bは、第1の部分18aと第1側壁形成部11との間に形成されている。
【0022】
底部形成部21〜26は、各側壁形成部11〜14の長手方向の一端部側、および仕切形成部18の長手方向の一端部側に設けられている。本実施形態では、袋形成用台紙2に6つの底部形成部21〜26が設けられており、第1側壁形成部11ないし第4側壁形成部14のそれぞれ、および第1の部分18a、第2の部分18bに対応して1つずつ設けられている。以下、各底部形成部21〜26を、第1底部形成部21ないし第6底部形成部26という。
【0023】
図2に示すように、袋形成用台紙2の横方向の端部に形成される第1底部形成部21と第6底部形成部26とには、これら以外の他の底部形成部と接合される接合部(以下「第3接合部」という)33が形成されている。また、第3接合部33と第2接合部32との間、および第3接合部33と第1接合部31との間には、これらを区切る境界線(以下「第6境界線」という)Fが形成されている。また、この第3接合部33と第1底部形成部21との間、および、第3接合部33と第6底部形成部26との間には、これらを区切る境界線(以下「第7境界線」という)Gが形成されている。
【0024】
各底部形成部21〜26間には、これらの底部形成部21〜26のそれぞれを区切る境界線(以下「第8境界線」という)Hが設けられている。また、第3底部形成部23ないし第6底部形成部26と、各側壁形成部11〜14との間には、これらを区切る境界線(以下「第9境界線」という)Iが設けられている。図2に示すように、第9境界線Iは、第1境界線Aと一致しており、両者は同一の直線として表されている。したがって、各側壁形成部11〜14の幅と、これに対応する各底部形成部23〜26の幅は等しくなっている。
【0025】
さらに、第1底部形成部21と第1の部分18aとの間、および第2底部形成部22と仕切形成部18の第2の部分18bとの間には、これらを区切る境界線(以下「第10境界線」という)Jが設けられている。第10境界線Jの位置には、第1の部分18aおよび第2の部分18bと、第1底部形成部21、第2底部形成部22とを分離するように、この第10境界線Jに沿って(一致するように)切れ込み6が入れられている。
【0026】
以下、上記構成の袋形成用台紙2を用いて袋1を製造する方法を説明する。
【0027】
まず、袋形成用台紙2を第1境界線Aおよび第2境界線Bに沿って所定の形状に折り曲げる。すなわち、図3、図4に示すように、第1側壁形成部11と第2側壁形成部12とがほぼ直角となるように、その間の第1境界線Aの位置で折り曲げ、さらに、第2側壁形成部12と第3側壁形成部13がほぼ直角となるように、その間の第1境界線Aの位置で折り曲げる。このようにすることで、第1側壁形成部11と第2側壁形成部12と第3側壁形成部13とは、図3に示すように、平面視でコの字状となるように折り曲げられる。
【0028】
このとき、第1側壁形成部11に対応する第3底部形成部23と、第2側壁形成部12に対応する第4底部形成部24とがほぼ直角となるように、その間の第8境界線Hの位置で折り曲げられる。同様に、第2側壁形成部12に対応する第4底部形成部24と、第3側壁形成部13に対応する第5底部形成部25とがほぼ直角となるように、その間の第8境界線Hの位置で折り曲げられる。
【0029】
そして、第1側壁形成部11と仕切形成部18の第2の部分18bとがほぼ直角となるように、その間の第2境界線Bの位置で折り曲げられる。また、仕切形成部18の第1の部分18aと第2の部分18bとがほぼ直角となるように、その間の第5境界線Eの位置でこれに沿って折り曲げられる。このようにすることで、第1側壁形成部11と第1の部分18aと第2の部分18bとは、図3に示すように、平面視でコ字状となるように折り曲げられる。
【0030】
このとき、第1側壁形成部11に対応する第3底部形成部23と、仕切形成部18の第2の部分18bに対応する第2底部形成部22とがほぼ直角を為すように、その間の第8境界線Hの位置で折り曲げられる。また、仕切形成部18の第1の部分18aに対応する第1底部形成部21と、第2の部分18bに対応する第2底部形成部22とがほぼ直角を為すように、その間の第8境界線Hの位置で折り曲げられる。
【0031】
そして、仕切形成部18の第1の部分18aおよび第2の部分18bが、第3側壁形成部13および第4側壁形成部14に囲まれるように、第3側壁形成部13に対して第4側壁形成部14をその間の第1境界線Aに沿って、ほぼ直角に折り曲げられる。同様に、第4側壁形成部14に対応する第6底部形成部26が、第3側壁形成部13に対応する第5側壁形成部25に対してほぼ直角となるように折り曲げられる。そして、この第4側壁形成部14を第2の部分18bの外面に重ね、第6底部形成部26を、仕切形成部18の第2の部分18bに対応している第2底部形成部22に重ねる。
【0032】
さらに、第1接合部31が第4側壁形成部14に対してほぼ直角となるように、これらの間の第2境界線Bの位置で折り曲げられる。同様に、第6底部形成部26側の第3接合部33が、この第6底部形成部26とほぼ直角となるように、その間の第7境界線Gの位置で折り曲げられる。
【0033】
次に、第4側壁形成部14の端部に形成されている第1接合部31に接着剤を塗布するとともに、この第1接合部31を第1側壁形成部11に重ねて接合・接着する。同様に、第6底部形成部26側の第3接合部33に接着剤を塗布するとともに、この第3接合部33を第1側壁形成部11に対応する第3底部形成部23の一方の面(外面)に接合・接着する。
【0034】
このようにすることで、第1側壁形成部11と第4側壁形成部14とが第1接合部31を介して繋がれ、第3底部形成部23と第6底部形成部26とが第3接合部33を介して繋がれることとなる。これによって、袋形成用台紙2は、第1側壁形成部11ないし第4側壁形成部14、および第3底部形成部23ないし第26底部形成部26によって筒状(四角筒状)に構成される。
【0035】
なお、このとき、第2境界線Bと第3境界線Cとが一致した状態となり、第6底部形成部26と第3接合部33との間の第7境界線Gと、第2底部形成部22と第3底部形成部23との間の第8境界線Hとが一致した状態となっている。
【0036】
次に、第1の部分18aの端部に形成されている第2接合部32に接着剤を塗布し、第3側壁形成部13の一方の面(内面)に接合・接着する。このとき、第1の部分18aと第2の部分18bとがほぼ直角をなし、それぞれ第3側壁形成部13、第4側壁形成部14に接した状態にして、第2接合部32を第3側壁形成部13の内面に接合させる。
【0037】
同様に、第1底部形成部21側の第3接合部33に接着剤を塗布し、この第3接合部33を、第3側壁形成部13に対応する第5底部形成部25の一方の面(内面)に接合・接着する。これによって、袋形成用台紙2は、第1底部形成部21と第3底部形成部23とが重なり、第2底部形成部22と第6底部形成部26とが重なった状態となる。
【0038】
そして、最終的にできあがった袋1が折り畳み可能となるように、第2側壁形成部12(第2側壁3b)と、第4側壁形成部14(第4側壁3d)と、この第4側壁形成部14に重なっている仕切形成部18の第2の部分18bを折り曲げる。具体的には、図5に示すように、第2側壁形成部12、第4側壁形成部14、および仕切形成部18の第2の部分18bにおいて、その幅方向の中心位置を通り、これらの側壁形成部12,14の長手方向に沿う直線に沿って、これらの側壁形成部12,14が対向する対向方向の内側に凹むように各側壁形成部12,14を折り曲げ、前記第2の部分18bと第4側壁形成14と同じように折り曲げる。
【0039】
また、第2側壁形成部12に対応して設けられた第4底部形成部24と、第4側壁形成部14に対応して設けられた第6底部形成部26と、この第6底部形成部26と重なっている第2底部形成部22とを、その幅方向の中心を通る直線に沿って、第2側壁形成部12、第4側壁形成部14と同様に折り曲げる。これにより、筒状にされた袋形成用台紙2を図5に示す如く、第1側壁形成部11と第3側壁形成部とが接触するように折り畳むことができるようになる。
【0040】
次に、底部形成部21〜26のそれぞれを、第9境界線Iに沿って、所定の形状に折り曲げ、所定位置で接合することによって、袋1の底部4を形成する。具体的には、まず、袋形成用台紙2を折り畳むことにより、折り重なった第1底部形成部21ないし第6底部形成部26を、第9境界線Iに沿ってまとめて折り曲げ、さらに、第4底部形成部24と第6底部形成部26、およびこの第6底部形成部26と重なっている第2底部形成部22とを、これらが対向する対向方向(第4底部形成部と第6底部形成部とが対向する方向)の内方に折り曲げ、折り目をつける(図5、図6参照)。
【0041】
このとき、図6に示すように、第4底部形成部24と第6底部形成26との間の、第3底部形成部23と第5底部形成部25の2箇所に、袋1の底部4を塞ぐための閉塞部35が形成される。この2つの閉塞部35を、図7に示すように、互いに重なり合うように折り曲げ、これらの閉塞部35同士、および閉塞部35と第4底部形成部24、第6底部形成部26の折り曲げられた部分とを接着する。
【0042】
以上により、筒状にされた袋形成用台紙2の一端部に底部4が形成され、これによって、袋1が完成する。なお、完成した袋1には、第1側壁形成部11によって、第1側壁3aが構成され、同じように、第2側壁形成部12ないし第4側壁形成部14のそれぞれによって、第2側壁部3bないし第4側壁部3dが構成される。以下、第1側壁部3aないし第4側壁部3dをまとめて単に側壁3という場合がある。また、袋1には、側壁3の基部に、第1底部形成部21ないし第6底部形成部26のそれぞれによって、底部4が形成され、さらに、袋1には、仕切形成部18によって、収納空間を仕切る仕切り5が形成される。
【0043】
なお、仕切り5は、上述のように、仕切形成部18の長手方向の長さが、各側壁形成部11〜14の長さと等しくなっていることから、その高さが、側壁3の高さと等しくなっている。
【0044】
以上のように製造された袋1は、その収納空間を仕切り5によって仕切ることができるようになる。具体的には、この仕切り5は、袋1内の収納空間を仕切る仕切状態(図1、図4参照)と、この仕切状態を解除して収納空間を元に戻す解除状態(図3参照)とに状態を変更可能となる。より具体的には、この仕切り5は、袋形成用台紙2の仕切形成部18(第1の部分18aおよび第2の部分18b)と第1底部形成部21および第2底部形成部22との間に、切れ込み6が形成されることにより、袋1の底部4から分離され、これによって、その位置を変更できるようになっている。
【0045】
仕切り5が図1、図4に示す仕切状態にあるとき、この仕切り5(仕切形成部18)の第1の部分18aが第1側壁形成部11から第3側壁形成部13にわたる側壁間において、袋1の収納空間を仕切って(区切って)いる。このとき、仕切り5の第2の部分18bは、第1の部分18aに対してほぼ直角を為している。また、第2の部分18bは、第1側壁3a(第1側壁形成部11)に沿って、この第1側壁3aに接触した(重なった)状態となっている。
【0046】
すなわち、仕切り5の第1の部分18aは、仕切り5が仕切状態にあるとき、袋1の側壁間にわたって収納空間を仕切る仕切部となっている。また、仕切り5の第2の部分18bは、仕切部である第1の部分18aを支持する支持部である。本実施形態では、仕切り5に、1つの仕切部および1つの支持部が設けられている。
【0047】
仕切り5の仕切状態を解除するときには、第1の部分18aが第3側壁3c(第3側壁形成部13)に接触するように移動させ、第2の部分18bが第4側壁3d(第4側壁形成部14)に接触するように移動させる。このとき、平面視において、仕切り5の第1の部分18aと第2の部分18bの折れ曲がり方が、仕切状態の場合とは逆になる。また、解除状態において、仕切り5の第1の部分18aと第2の部分18bとの間の第5境界線Eは、第3側壁3c(第3側壁形成部13)と第4側壁3d(第4側壁形成部)との間の第1境界線Aと一致した状態となる。
【0048】
仕切り5のうち、仕切部である第1の部分18aは、仕切り5が仕切状態にあるとき、袋1の側壁間を仕切る位置(以下「仕切位置」という)にあり、仕切状態から解除状態に変更されたとき、仕切位置から袋1の側壁3(第4側壁3d)に接触する位置(以下「解除位置」という)に移動する。すなわち、仕切部である第1の部分18aは、袋1の収納空間を仕切る仕切位置と、収納空間を元に戻す解除位置とに位置変更可能になっている。そして、この第1の部分18aを支持する支持部である第2の部分18bは、第1の部分18aを、仕切位置と解除位置とに位置を変更できるように支持している。
【0049】
以上説明した袋1によれば、仕切り5が仕切状態にあるときには、複数の物品を仕切り5によって分けられた空間ごとに分けて収納できるようになる。そして、仕切り5の仕切状態を解除して解除状態としたときには、仕切状態において仕切り5に仕切られた空間よりも大きな物品を収納することができ、収納物品の種類や大きさに応じて多様な袋1の使用が可能になる。
【0050】
さらに、袋1は、折り畳み自在に構成され、仕切り5も袋1に応じて折り畳み自在に構成されていることから、この袋1を保管する場合に、場所をとらず、しかも不使用時に運搬等する場合においても非常に便利である。
【0051】
また、袋1の製造方法において、側壁3を形成するための複数の側壁形成部11〜14と、袋1の底部4を形成するための複数の底部形成部21〜26と、仕切り5を形成するための仕切り形成部28(28a,28b)とを備えた袋形成用台紙2を、各側壁形成部11〜14および各底部形成部21〜26ごとに折り曲げ、各接合部31〜33を介して所定位置で接合して袋1を形成することにより、出来上がった袋1には、既に仕切り5が構成されている。
【0052】
したがって、袋1が形成された後に、袋1とは別体の仕切り5を、わざわざ側壁3の内面に取り付けるといった作業をする必要がなくなり、これによって、製造工程を省略し、袋1を効率良く製造できるようになっている。
【0053】
しかも、袋1は、長方形状の袋形成用台紙2から製造されることから、袋成型用台紙2を複雑な形状で構成しなくてもよい。したがって、予め一般に用いられる所定の規格の長方形状の紙を用意するだけで袋1を容易に製造することができ、この点で特に有用である。
【0054】
さらに、側壁形成部11〜14と底部形成部21〜26とともに仕切形成部18を一体に設けていることから、袋1を製造するための部材を袋形成用台紙2のみの1部材とすることができ、この点において、袋1の製造工程を簡略化するとともに、袋1を製造するための部材(袋形成用台紙2)の管理面においても効率の良いものになる。
【0055】
また、袋形成用台紙2は、仕切形成部18と、第1底部形成部21、第2底部形成部22とを分離するための切れ込み6を入れるだけで、この袋形成用台紙2を部分的に切断することなしに、袋1を構成することができる。すなわち、この袋形成用台紙2は、切断されたときの切り屑等を一切出さずに袋1に形成され、余計なゴミを出さないという点で特に有用なものである。
【0056】
また、仕切形成部18の中途部に貫通孔、開口部等を設けることで、袋1に収納された収納物を、この貫通孔、開口部等によって係止できるようになる。したがって、例えば、液体の入った容器を袋1に収納する場合に、この容器の転倒を防止できるようになり、この点において特に有用である。
【0057】
図9は、袋1の第2実施形態を示している。この第2実施形態では、仕切形成部18の構成が第1実施形態と異なる。第1実施形態では、仕切り5の高さと側壁3の高さが同じであったが、この第2実施形態では、仕切り5の高さが側壁3の高さよりも低くなっている。図9に示すように、仕切形成部18は、第1実施形態と同様に、第1の部分18a、第2の部分18bを有しており、これらと第1底部形成部21および第2底部形成部22との間の第10境界線Jと一致して切れ込み6が形成されているが、この切れ込み6とは別の切れ込み8が、第1の部分18aおよび第2の部分18bの中途部に形成されている。
【0058】
この切れ込み8を形成するとともに、この仕切形成部18において、この切れ込み8よりも上方の部分を第3側壁形成部13および第4側壁形成部14の内面に固着することにより、この切れ込み8よりも下方の部分が仕切り5として構成される。すなわち、この第2実施形態では、仕切形成部18において前記切れ込み8よりも上方の部分が分離されることにより、袋1に形成される仕切り5が、前記分離された分だけその高さが低くなるのである。
【0059】
第2実施形態のその他の構成および製造方法は、第1実施形態と同様であり、第2実施形態が第1実施形態と共通する部分には、共通符号を付してその説明を割愛する。この第2実施形態においても、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0060】
図10〜図12は、本発明に係る袋1の第3実施形態を示している。上述した第1、第2実施形態では、袋1に1つの仕切り5が形成された例を示したが、この第2実施形態では、袋1に複数の仕切り5を形成できる。本実施形態では、袋1に2つの仕切り5a、5bを形成する例を説明する。
【0061】
図10に示すように、袋1を形成するための袋形成用台紙2は、4つの側壁形成部11〜14と、9つの底部形成部21〜29と、2つの仕切形成部41、42と、第1実施形態と同様な3つの接合部31〜33を備える。以下、4つの側壁形成部のそれぞれを、第1実施形態と同様に、第1側壁形成部ないし第4側壁形成部という。また、9つの底部形成部を、それぞれ第1底部形成部ないし第9底部形成部という。また、2つの仕切形成部を、それぞれ第1仕切形成部41、第2仕切形成部42という。また、3つの接合部31〜33を第1実施形態と同様に、第1接合部31ないし第3接合部33という。
【0062】
また、袋形成用台紙2には、第1実施形態と同様に、各側壁形成部11〜14を区切る第1境界線A、第4側壁形成部14と第1接合部31とを区切る第2境界線B、第1側壁部11と仕切形成部(第1仕切形成部)とを区切る第3境界線C、仕切形成部(第2仕切形成部42)と第2接合部32とを区切る第4境界線D、後述する仕切形成部(第1仕切形成部41、第2仕切形成部41)の第1の部分41a,42aと第2の部分41b,42bを区切る第5境界線E、第1接合部31および第2接合部32と、第3接合部33とを区切る第6境界線F、底部形成部(第1底部形成部21、第9底部形成部29)と第3接合部33とを区切る第7境界線G、各底部形成部21〜29を区切る第8境界線H、各側壁形成部11〜14と、対応する底部形成部26〜29とを区切る第9境界線I、および、各仕切形成部41,42と、対応する底部形成部(第1底部形成部21ないし第5底部形成部25)とを区切る第10境界線Jが形成されている。
【0063】
本実施形態では、袋形成用台紙2において、第1側壁形成部11ないし第4側壁形成部14のそれぞれに対応して、第6底部形成部26ないし第9底部形成部29が設けられている。
【0064】
第1仕切形成部41は、第2仕切形成部42と第1側壁形成部11との間に設けられており、第1実施形態の仕切形成部28と同様に、第1の部分41a、および第2の部分41bを有している。第1仕切形成部41の第1の部分41aと第2の部分41bは第5境界線Eによって区切られている。また、本実施形態において、第1の部分41aの幅と第2の部分41bの幅は等しくなっている。また、第1の部分41aの幅、第2の部分41bの幅は、袋形成用台紙2が筒状に構成されたときの、第1側壁形成部11と第3側壁形成部13との離間間隔、すなわち、袋1の第1側壁3aと第3側壁3cとの離間間隔とほぼ等しくなっている。換言すれば、この第1の部分41aの幅、第2の部分41bの幅は、第1側壁形成部11と第3側壁形成部13とを離間させる第2側壁形成部12または第4側壁形成部14の幅(第2側壁3bまたは第4側壁3dの幅)とほぼ等しくなっている。
【0065】
また、第2仕切形成部42も第1仕切形成部41と同様に、第1の部分42aおよび第2の部分42bを有している。第2仕切形成部42の第1の部分42aと第2の部分42bとは、その幅が等しくされており、これらは、第1仕切形成部41の場合と同様に、第5境界線Eによって区切られている。また、この第2仕切形成部42の第2の部分42bの幅方向の端部には、第2接合部32が設けられている。
【0066】
第1仕切形成部41と第2仕切形成部42との間には、これらの仕切形成部41,42を連結するとともに、これらの仕切形成部41,42を側壁3に固定するために側壁形成部(例えば第3側壁形成部13)に接合される接合部(以下「第4接合部」という)34が形成されている。第4接合部34は、第1仕切形成部41の第1の部分41aと第2仕切形成部42の第1の部分42aとを連結している。本実施形態において、第4接合部34は、その幅が、第1仕切形成部41、第2仕切形成部42の第1の部分41aまたは第2の部分41bの幅とほぼ等しくなっている。この第4接合部34は、図11、図12に示すように、接着剤等の固着手段を介して、第3側壁形成部13の一方の面(内面)に接合されている。
【0067】
また、袋形成用台紙2には、この第4接合部34と、第1仕切形成部41および第2仕切形成部42とを区切る境界線(以下「第11境界線」という)Kが設けられている。具体的には、第11境界線Kは、第4接合部34と第1仕切形成部41の第1の部分41aとの間、および第4接合部34と第2仕切形成部42の第1の部分42aとの間に表されている。
【0068】
なお、本実施形態では、第1仕切形成部41の第1の部分41aに第4底部形成部24が対応し、その第2の部分41bに、第5底部形成部25が対応している。また、第2仕切形成部42の第1の部分42aに第2底部形成部が対応し、その第2の部分42bに第1底部形成部21が対応している。また、第4接合部34には、第3底部形成部23が対応している。
【0069】
また、袋形成用台紙2には、第1実施形態と同様に、第1仕切形成部41、第2仕切形成部42と、底部形成部(第1底部形成部、第2底部形成部、第4底部形成部、および5底部形成部)との間に、切れ込み6が形成されている。この切れ込み6は、第10境界線Jに沿って形成されている。これにより、第1仕切形成部41と第2仕切形成部42とは、対応する底部形成部21,22,24,25から分離されている。なお、この切れ込みは、第4接合部34と第3底部形成部23との間に形成されてもよいが、形成されていなくてもよい。
【0070】
以下、第3実施形態に係る袋1の製造方法について説明する。
【0071】
まず、第1実施形態と同様に、第1側壁形成部11と第2側壁形成部12とがほぼ直角となるように、袋形成用台紙2を、その間の第1境界線Aの位置で折り曲げる。同様に、第2側壁形成部12と第3側壁形成部13とがほぼ直角となるように、その間の第1境界線Aの位置で袋形成用台紙2を折り曲げる。
【0072】
次に、第1側壁形成部11と、第1仕切形成部41の第2の部分41bとがほぼ直角となるように、その間の第3境界線Cの位置で袋形成用台紙2を折り曲げる。そして、第2仕切形成部42の第1の部分42aと第2の部分42bとがほぼ直角となるように、その間の第5境界線Eの位置で、袋形成用台紙2を折り曲げる。さらに、この第2仕切形成部42の第2の部分42bと第2接合部32とがほぼ直角となるように、その間の第4境界線Dの位置で袋形成用台紙2を折り曲げる。同様に、この第2接合部32に対応する第3接合部33と第1底部形成部21とがほぼ直角となるように、その間の第7境界線Gの位置で袋形成用台紙2を折り曲げる。
【0073】
そして、第3側壁形成部13と第4側壁形成部14とがほぼ直角となるように、その間の第1境界線Aの位置で袋形成用台紙2を折り曲げる。さらに、第4側壁形成部14と、第1接合部31とがほぼ直角となるように、その間の第2境界線Bの位置で袋形成用台紙2を折り曲げる。
【0074】
次に、第2仕切形成部42と第2接合部32の間の第4境界線Dを第1側壁形成部11と第2側壁形成部12との間の第1境界線Aと一致させ、第1接合部31を、第1側壁形成部11の一方の面(内面)に接着剤等により接合し、第1底部形成部21側の第3接合部33を、第1側壁形成部11に対応する第6底部形成部26の一方の面(内面)に接着剤等により接合する。
【0075】
そして、第1仕切形成部41および第2仕切形成部42を第2側壁形成部12、第3側壁形成部13、および第4側壁形成部14によって覆うようにし、第3側壁形成部13と第4側壁形成部14との間の第1境界線Aを、第1仕切形成部41の第1の部分41aと第2の部分41bとを区切る第5境界線Eに一致させる。さらに、第4側壁形成部14と第1接合部31との間の第2境界線Bを、第1側壁形成部11と第1仕切形成部41との間の第3境界線Cに一致させ、第1接合部31を第1側壁形成部11の他方の面(外面)に、接着剤等によって接合する。同様に、第9底部形成部29側の第3接合部33を第6底部形成部26の他方の面(外面)に接着剤等により接合する。
【0076】
このとき、第4接合部34の一方の面にも接着剤等を塗布しておき、この第4接合部34を第3側壁形成部13の一方の面(内面)に接合する。
【0077】
以上により、袋形成用台紙2は、第1底部形成部11と第4底部形成部14とが第1接合部33によって繋がれ、第6底部形成部26と第9底部形成部29とが第3接合部33によって繋がれることにより、四角筒状に構成される。
【0078】
次に、第1実施形態と同様に、袋1を折り畳み自在に構成すべく、四角筒状の袋形成用台紙2の第2側壁形成部12、第4側壁形成部14に折り目をつけた後、図5〜図8に示すように、底部形成部21〜29を所定の手順で折り曲げて、閉塞部35を介して袋形成用台紙2の基部を閉塞することで底部4を形成させ、以上によって袋1が完成する。
【0079】
完成した袋1の内側には、第2接合部32が第1側壁形成部11に接合され、そして、第4接合部34が第3側壁形成部13に接合されることにより、第1仕切形成部41による仕切り(以下「第1仕切り」という)5aと、第2仕切形成部42による仕切り(以下「第2仕切り」という)5bの2つの仕切り5a,5bが形成される。各仕切り5a,5bは、収納空間を仕切る仕切状態と、この仕切状態を解除する解除状態とに状態を変更可能に構成される。各仕切り5a、5bは、第1実施形態、第2実施形態と同様に、第1の部分41a,42aが袋1の側壁間にわたって収納空間を仕切る仕切部となり、第2の部分41b,42bが仕切部を支持する支持部となっている。
【0080】
第1仕切り5aおよび第2仕切り5bが仕切状態にあるとき、図12に示すように、各仕切り5a,5bの第1の部分41a,42aが、第1側壁3aから第3側壁3cにわたる側壁間を仕切り、これによって袋1の元々の収納空間が3つの小さな収納空間に区切られる。
【0081】
このとき、第1仕切り5aの第2の部分41bは、第1側壁3a(第1側壁形成部11によって形成された側壁)の内面に接触した(重なった)状態となり、第2仕切り5bの第2の部分42bも同様に、第1側壁3aの内面に接触した(重なった)状態となる。このとき、各第2の部分41b,42bは、各第1の部分41a,42aに対してほぼ直角を為している。また、各仕切り5a,5bが仕切状態にあるとき、第1仕切り5aと第2仕切り5bとは所定の間隔で離間された状態となる。この第1仕切り5aと第2仕切り5bとの間隔は、第4接合部34の幅(幅方向の長さ)に等しい。
【0082】
第1仕切り5aの状態を仕切状態から解除状態へと変更したとき、図11に示すように、第1仕切り5a(第1仕切形成部41)は、第1の部分41aが第3側壁3cの内面に接触し(重なり)、第2の部分41bが第4側壁3dの内面に接触した(重なった)状態となる。このとき、第1の部分41aと第2の部分41bの間の第5境界線Eは、第3側壁3c(第3側壁形成部13)と第4側壁3d(第4側壁形成部14)との間の第1境界線Aと一致した状態となる。また、このとき、第1仕切り5aの第1の部分41aと第2の部分41bは、ほぼ直角を為して折れ曲がった状態となるが、その曲がり方は、仕切状態における曲がり方とは逆になる。
【0083】
また、第2仕切り5bの状態を仕切状態から解除状態に変更したとき、図11に示すように、第2仕切り5b(第2仕切形成部42)は、第1の部分42aが、第3側壁3cの内面に接触し(重なり)、第2の部分42bが第2側壁3bの内面に接触した(重なった)状態となる。このとき、第1の部分42aと第2の部分42bの間の第5境界線Eは、第3側壁3c(第3側壁形成部13)と第2側壁3b(第2側壁形成部12)との間の第1境界線Aと一致した状態となる。また、このとき、第2仕切り5b(第2仕切形成部42)の第1の部分42aと第2の部分42bは、ほぼ直角を為して折れ曲がった状態となるが、その曲がり方は仕切状態における曲がり方とは逆になる。
【0084】
上記の袋1および袋1の製造方法によれば、第1実施形態と同様の作用効果を奏する他、袋1の収納空間を仕切る2つの仕切り5a,5bが設けられることにより、多数種類の収納物品を種類別に分けて収納できるようになる。
【0085】
なお、袋1に形成される仕切りの数は2に限らず、3以上であってもよい。例えば、袋1に3つの仕切りを形成する場合には、上記のように、袋形成用台紙2に、第1仕切形成部41および第2仕切形成部42を形成するとともに、第2仕切形成部42に、さらに、第3仕切形成部を一体に形成しておく。
【0086】
この場合において、第2仕切形成部42に一体に形成されていた第2接合部32を、この第3仕切形成部の幅方向の端部に一体に形成する。さらに、このとき、第1仕切形成部41と第2仕切形成部42とを連結する第4接合部34と同様な接合部(以下「第5接合部」という)を第2仕切形成部42と第3仕切形成部との間に形成し、この第5接合部を第4接合部34と同様に、第3側壁3aの内面に接合する。このように、袋1に形成したい仕切りの数に応じて、接合部と仕切形成部の数を増加させることにより、所望の数の仕切りを袋1に形成することができる。
【0087】
図13〜図15は、本発明の第4実施形態を示している。本実施形態に係る袋形成用台紙2は、第1実施形態と同様に、複数の側壁形成部11〜15と、複数の底部形成部21〜28と、仕切形成部18とを有する。
【0088】
袋形成用台紙2には、5つの側壁形成部11〜15が設けられており、それぞれを第1側壁形成部11ないし第5側壁形成部15という。各側壁部11〜15は、第1実施形態と同様に、第1境界線Aによって区切られている。各側壁形成部11〜15は、第1側壁形成部11から第5側壁形成部15の順に、袋形成用台紙2の横方向に沿って一体に繋がって形成されている。また、第5側壁形成部15の幅方向の一端部には、この第5側壁形成部15を他の側壁形成部に固定するための接合部(以下、第1実施形態と同様に「第1接合部」という)31が設けられている。
【0089】
第5側壁形成部15と第1接合部31とは、第2境界線Bによって区切られている。また、第1側壁形成部11の幅方向の一端部には、仕切形成部18が一体に繋がって形成されている。この第1側壁形成部11と仕切形成部18とは、第3境界線Cによって区切られている。
【0090】
また、本実施形態では、第2側壁形成部12の幅と、第4側壁形成部14の幅とがほぼ等しくされている。また、第3側壁形成部13の幅が最も大きくなっており、しかも、第1側壁形成部11の幅と第5側壁形成部15の幅との和が、この第3側壁形成部13の幅とほぼ等しくなっている。
【0091】
また、袋形成用台紙2には、8つの底部形成部21〜28が設けられており、それぞれを第1底部形成部21ないし第8底部形成部28という。各底部形成部21〜28は、第1実施形態と同様に、第8境界線Hによって区切られている。
【0092】
また、仕切形成部は、幅方向の所定位置において、第5境界線Eによって3つの部分に区切られている。この部分のそれぞれを、第1の部分18aないし第3の部分18cという。本実施形態では、第1の部分18aの幅と第3の部分18cの幅とがほぼ等しくされている。また、第1の部分18aと第3の部分18cとの間に位置する第2の部分18bの幅は、第1の部分18a、第2の部分18bの幅より大きくなっている。そして、この第2の部分18bの幅は、第2側壁形成部12、第4側壁形成部14の幅とほぼ等しくなっている。
【0093】
仕切形成部18の第1の部分18aの幅方向の端部には、第1実施形態と同様にこの仕切形成部18を固定するための第2接合部32が形成されている。この第1の部分18aと第2接合部32は、第4境界線Dによって区切られている。また、仕切形成部18の第3の部分18cは、第1側壁形成部11と繋がっている。
【0094】
また、第1底部形成部21の幅方向の一端部、および第8底部形成部28の幅方向の一端部には、第1実施形態と同様な第3接合部33が形成されている。第1底部形成部21および第8底部形成部28と、第3接合部33は、第1実施形態と同様に第7境界線Gによって区切られている。
【0095】
この第3接合部33は、第1実施形態と同様に、第8底部形成部28側の第3接合部33が、第6境界線Fを挟んで第1接合部31と一体に繋がって設けられており、第1底部形成部21側の第3接合部33が第6境界線Fを挟んで第2接合部32と一体に繋がって設けられている。
【0096】
また、本実施形態では、第1底部形成部21が仕切形成部18の第1の部分18aに対応してこれと繋がって形成されており、第2底部形成部22が、仕切形成部18の第2の部分18bに、そして、第3底部形成部23が第3の部分18cに対応して繋がって形成されている。また、第4底部形成部24ないし第8底部形成部28が、それぞれ、第1側壁形成部11ないし第5側壁形成部15に対応して繋がって形成されている。
【0097】
また、第1側壁形成部11ないし第5側壁形成部15と、これらに対応する第4底部形成部24ないし第8底部形成部28とは、第9境界線Iによって区切られている。また、仕切形成部18の第1の部分18aないし第3の部分18cと、これらに対応する第1底部形成部21ないし第3底部形成部23とは、第10境界線Jによって区切られている。
【0098】
また、第1実施形態と同様に、仕切形成部18(第1の部分18aないし第3の部分18c)と、これに対応する第1底部形成部21ないし第3底部形成部23との間には、仕切形成部18を第1底部形成部21ないし第3底部形成部23から分離させるべく、第10境界線Jに沿って、切れ込み6が設けられている。
【0099】
以下、本実施形態に係る袋形成用台紙2を用いて袋1を製造する方法について説明する。
【0100】
まず、第1実施形態と同様に、袋形成用台紙2の第1側壁形成部11と第2側壁形成部12とがほぼ直角となるように、その間の第1境界線Aの位置で袋形成用台紙2を折り曲げる。そして、第2側壁形成部12と第3側壁形成部13とがほぼ直角となるように、その間の第1境界線Aの位置で折り曲げる。これにより、第1側壁形成部11ないし第3側壁形成部13の部分が平面視でコ字状に構成される。
【0101】
次に、第4側壁形成部14と第5側壁形成部15とがほぼ直角となるように、その間の第1境界線Aの位置で袋形成用台紙2を折り曲げる。これにより、第3底部形成部23ないし第5底部形成部15が平面視においてコ字状に構成される。
【0102】
次に、仕切形成部18の第2の部分18bと、第3の部分18cとがほぼ直角となるように、その間の第5境界線Eの位置で仕切形成部18を折り曲げる。そして、仕切形成部18の第2の部分18bと第1の第1の部分18aとがほぼ直角となるように、その間の第5境界線Eの位置で、仕切形成部18を折り曲げる。これによって、仕切形成部18の第1の部分18aないし第3の部分18cは、平面視コ字状に折り曲げられる。
【0103】
次に、この仕切形成部18を第4側壁形成部14および第5側壁形成部15によって覆うようにするとともに、第2接合部32に接着剤等を塗布し、この第2接合部32を第3側壁形成部13の一方の面(内面)に接合する。同様に、第1底部形成部21側の第3接合部33に、接着剤等を塗布し、この第3接合部33を、第3側壁形成部13に対応している第6底部形成部26に接合する。
【0104】
そして、第1接合部31にも接着剤等を塗布し、この第1接合部31を第1側壁形成部11に接合する。同様に、第8底部形成部28側の第3接合部33に接着剤等を塗布し、第1側壁形成部11に対応する第4底部形成部24に接合する。これにより、第5側壁形成部15と第1側壁形成部11とが第1接合部31を介して繋がれ、第8底部形成部28と第4底部形成部24とが第3接合部33を介して繋がれた状態となる。
【0105】
このように、第1接合部32を介して第1側壁形成部11と第5側壁形成部15とを繋げるとともに、第2接合部32を第3側壁形成部13に接合することで、袋形成用台紙2は、第1側壁形成部11ないし第5側壁形成部15によって筒状(四角筒状)に形成されるとともに、仕切形成部18がこの筒状となされた袋形成用台紙の内側に固定される。
【0106】
次に、第1実施形態と同様に、第1底部形成部21ないし第8底部形成部28を所定の手順で折り曲げ、閉塞部35(図7、図8参照)を形成するとともに、この閉塞部35を介して筒状の袋形成用台紙2の一端部を閉塞することにより、袋1が完成する。なお、この袋1は、第1実施形態と同様に折り畳み自在に構成されることが望ましい。
【0107】
完成した袋は、第1側壁形成部11と、これに繋がった第5側壁形成部とによって、袋の第1側壁3aが構成され、第2側壁形成部12ないし第4側壁形成部14によって、袋1の第2側壁3bないし第4側壁3dが構成される。
【0108】
完成した袋1は、仕切形成部18によって形成された仕切り5が、この袋1の収納空間を仕切る仕切状態と、この仕切状態を解除する解除状態とに状態を変更できるようになる。すなわち、仕切り5が仕切状態にある場合、図15に示すように、この仕切り5(仕切形成部18)の第2の部分18aが、第1側壁3aから第3側壁3cにわたって袋1の収納空間を仕切り、これによって、袋1には、元々の収納空間よりも小さな2つの収納空間ができる。
【0109】
このとき、仕切り5(仕切形成部18)の第1の部分18aは、第3側壁3cの内面に接した状態となる。換言すれば、仕切り5の第1の部分18aは、第2接合部32に対する角度がほぼ0°となるように折り曲げられる。
【0110】
そして、仕切り5(仕切形成部18)の第3の部分18cは、第1側壁3aの内面に接した状態となる。より具体的には、第3の部分18cは、第1側壁3aを構成する第1側壁形成11の内面に接した状態となる。換言すれば、仕切り5の第3の部分18cは、第1側壁3a(第1側壁形成部11)に対する角度がほぼ0°となるように折り曲げられる。
【0111】
このとき、仕切り5の第1の部分18aと第2の部分18bは、ほぼ直角となり、同様に、第3の部分18cと第2の部分18bもほぼ直角となる。
【0112】
この仕切状態から解除状態へと仕切り5の状態を変更したとき、図14に示すように、仕切り5の第1の部分18aは、第2接合部32に対する角度がほぼ180°となった状態で、第3側壁3cの内面に接した状態となる。また、仕切り5の第2の部分18bは、第4側壁3dの内面に接した状態となる。また、仕切り5の第3の部分18cは、第1側壁3aのうち、第1側壁形成部11に相当する部分に対する角度がほぼ180°となった状態で、第1側壁3aの内面に接した状態となる。より具体的には、この第3の部分18cは、第1側壁3aのうち、第5側壁形成部15に相当する部分の内面に接触した状態となる。
【0113】
このとき、仕切り5の第1の部分18aと第2の部分18bはほぼ直角となり、同様に、第3の部分18cと第2の部分18bとほぼ直角となる。
【0114】
仕切り5が仕切状態と解除状態とに状態を変更する際の作用を説明する。仕切り5を解除状態から仕切状態に変更する場合、第4側壁4dに接している仕切り5の第2の部分18bを、この第4側壁4dから離れるように移動させる。このとき、第2の部分18bに繋がっている第1の部分18aおよび第3の部分18cもそれぞれ第1側壁3a、第3側壁3cから離れる。そして、仕切り5の第1の部分18aは、第2接合部32との間の第4境界線Dの位置を基点として、第2接合部32との角度がほぼ0°となるように、すなわち、この第2接合部32に接するように回動する。
【0115】
第3の部分18cは、第1側壁3aのうち、第1側壁形成部11に相当する部分との間の第3境界線Cの位置を基点として、この第1側壁形成部11との角度がほぼ0°となるように、すなわち、この第1側壁形成部11に接するように回動する。
【0116】
このように、仕切り5の第1の部分18aおよび第3の部分18cを回動させることによって、これらと繋がる第2の部分18bは、袋1の中央付近に移動する。なお、袋1は紙製であるので、この第2の部分18bの移動に際して、この第2の部分18bが移動し易いように、第1の部分18aないし第3の部分18cは適宜変形する。
【0117】
仕切り5の第1の部分18aが第2接合部32および第3側壁3cに接触し、第3の部分18cが第1側壁3aの第1側壁形成部11の部分に接触し、これらと第2の部分18bがほぼ直角を為す位置にきたとき、仕切り5は仕切状態となる。
【0118】
仕切り5を仕切状態から解除状態に変更する場合には、第1の部分18aが第2接合部32とほぼ180°をなすように回動させ、第3の部分18cが第1側壁3aの第1側壁形成部11の部分とほぼ180°をなすように回動させる。そして、第2の部分18bを第4側壁4dの内面に接触させるように移動させる。
【0119】
なお、本実施形態では、仕切り5(仕切形成部18)の第2の部分18bが、袋1の側壁間にわたって収納空間を仕切る仕切部となっており、第1の部分18aおよび第3の部分18cが第1の部分18bを支持する支持部となっている。すなわち、本実施形態では、仕切り5に、1つの仕切部と、2つの支持部が設けられている。
【0120】
本実施形態におけるその他の構成は、第1実施形態と同様であり、本実施形態が第1実施形態と共通する部分には共通符号を付してその説明を割愛する。本実施形態においても、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0121】
図16〜図18は、本発明の第5実施形態を示している。本実施形態に係る袋形成用台紙2は、5つの側壁形成部(以下、それぞれを、「第1側壁形成部」ないし「第5側壁形成部」という)11〜15と、7つの底部形成部(以下、それぞれを、「第1底部形成部」ないし「第7底部形成部」という)21〜27と、仕切形成部18とを有する。
【0122】
本実施形態では、第4実施形態と同様に、第5側壁形成部15の幅方向の一端部に第1接合部31が形成されており、仕切形成部18の幅方向の一端部に、第2接合部32が形成されている。また、本実施形態に係る袋形成用台紙2は、第1底部形成部21の幅方向の一端部、および第7底部形成部の幅方向の一端部に、第3接合部33が形成されている。
【0123】
仕切形成部18は、第1実施形態と同様に、第1の部分18aおよび第2の部分18bを有する。仕切形成部18の第1の部分18aには第2接合部32が繋がって形成されており、第2の部分18bは、第1側壁形成部11と繋がって形成されている。
【0124】
また、本実施形態では、この仕切形成部18の第1の部分18aに第1底部形成部21が対応して設けられ、第2の部分18bに第2底部形成部22が対応して設けられている。そして、第1側壁形成部11ないし第5側壁形成部15のそれぞれには、第3底部形成部23ないし第7底部形成部27が対応して形成されている。
【0125】
また、袋形成用台紙2には、各側壁形成部11〜15同士を区切る第1境界線A、第5側壁形成部15と第1接合部31とを区切る第2境界線B、第1側壁形成部11と仕切形成部18(第2の部分18b)を区切る第3境界線C、仕切形成部18の第1の部分18aと第2接合部32とを区切る第4境界線D、仕切形成部18の第1の部分18aと第2の部分18bとを区切る第5境界線E、第1接合部31、第2接合部32と、第3接合部33とを区切る第6境界線F、第1底部形成部21、第7底部形成部27と、第3接合部33とを区切る第7境界線G、各底部形成部21〜27同士を区切る第8境界線H、第1側壁形成部11ないし第5側壁形成部15、これらに対応する第3底部形成部23ないし第7底部形成部27とを区切る第9境界線I、仕切形成部18の第1の部分18a、第2の部分18b、これらに対応する第1底部形成部21、第2底部形成部22とを区切る第10境界線J、が形成されている。
【0126】
また、袋形成用台紙2には、仕切形成部18の第1の部分18aおよび第2の部分18bを、これらに対応する第1底部形成部21、第2底部形成部22から分離すべく、その間の第10境界線Jに沿って切れ込み6が形成されている。
【0127】
以下、本実施形態に係る袋形成用台紙2を用いて袋1を形成する方法を説明する。
【0128】
まず、第4実施形態と同様に、袋形成用台紙2の第1側壁形成部11と第2側壁形成部12とがほぼ直角となるように、その間の第1境界線Aの位置で袋形成用台紙2を折り曲げる。そして、第2側壁形成部12と第3側壁形成部13とがほぼ直角となるように、その間の第1境界線Aの位置で折り曲げる。これにより、第1側壁形成部11ないし第3側壁形成部13の部分が平面視でコ字状に構成される。
【0129】
次に、第4側壁形成部14と第5側壁形成部15とがほぼ直角となるように、その間の第1境界線Aの位置で袋形成用台紙2を折り曲げる。
【0130】
次に、仕切形成部18の第1の部分18aと第2の部分18bとがほぼ直角となるように、その間の第5境界線Eの位置で仕切形成部18を折り曲げる。そして、第1の部分18aに繋がっている第2接合部32に接着剤等を塗布するとともに、この第2接合部32を第4側壁形成部14の一方の面(内面)に接合する。これにより、仕切形成部18は、第1側壁形成部11と第4側壁形成部14とに繋がった状態になる。同様に、第1の部分18aに対応している第1底部形成部21側の第3接合部33に接着剤等を塗布するとともに、この第3接合部33を第4側壁形成部14に対応する第6底部形成部26の一方の面(内面)に接合する。
【0131】
そして、第5側壁形成部15を仕切形成部18の第2の部分18bに重ねるようにし、第1接合部31に接着剤等を塗布するとともに、この第1接合31を第1側壁形成部11に接合する。同様に、第7底部形成部27側の第3接合部33に接着剤等を塗布するとともに、この第3接合部33を第1側壁形成部11に対応している第3底部形成部23に接合する。これにより、第1側壁形成部11と第5側壁形成部15とが第1接合部31を介して繋がり、第3底部形成部23と第7底部形成部27とが第3接合部33を介して繋がった状態となり、袋形成用台紙2は、筒状(四角筒状)に構成されることになる。
【0132】
次に、第1実施形態と同様に、第1底部形成部21ないし第8底部形成部28を所定の手順で折り曲げ、閉塞部35(図7、図8参照)を形成するとともに、この閉塞部35を介して筒状の袋形成用台紙2の一端部を閉塞することにより、袋1が完成する。なお、この袋1は、第1実施形態と同様に折り畳み自在に構成されることが望ましい。完成した袋1は、第1側壁形成部11と、これに繋がった第5側壁形成部とによって、袋の第1側壁3aが構成され、第2側壁形成部12ないし第4側壁形成部14によって、袋1の第2側壁3bないし第4側壁3dが構成される。
【0133】
完成した袋1は、仕切形成部18によって形成された仕切り5が、この袋1の収納空間を仕切る仕切状態と、この仕切状態を解除する解除状態とに状態を変更できるようになる。すなわち、仕切り5が仕切状態にある場合、図18に示すように、仕切り5の第1の部分18aと第2の部分18bとがほぼ直角を為した状態で、第1側壁3aと第4側壁3dの側壁間にわたって、袋1の収納空間を仕切り、この袋1内には、大きな収納空間とこの収納空間よりも小さな収納空間の2つの収納空間が形成される。具体的には、袋1の第1側壁3aのうち、第1側壁形成部11に相当する部分と、第2側壁3bと、第3側壁3cと、第4側壁4dの一部と、仕切り5によって、大きな収納空間が形成され、第1側壁3aのうち、第5側壁形成部15に相当する部分と、第4側壁4dの一部と、仕切り5によって小さな収納空間が形成される。
【0134】
上述した第1の実施形態では、仕切り5がほぼ平行で互いに対向する第1側壁3aと第3側壁3cとの側壁間で収納空間を仕切るものであったが、本実施形態では、ほぼ直角を為す第1側壁3aと第4側壁3dとの側壁間にわたって収納空間を仕切ることができる。
【0135】
また、上述した第1実施形態では、仕切り5に1つの仕切部(第1の部分18a)と、1つの支持部(第2の部分18b)が設けられていたが、本実施形態では、第1の部分18aと第2の部分18bの両方が、収納空間を仕切る仕切部となっている。すなわち、本実施形態では、仕切り5に2つの仕切部が設けられている。そして、本実施形態における仕切り5には、第1実施形態のような仕切部を支持する支持部が設けられていない。
【0136】
本実施形態におけるその他の構成は、第1実施形態と同様であり、本実施形態が第1実施形態と共通する部分には共通符号を付してその説明を割愛する。本実施形態においても、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0137】
図19は、本発明の第6実施形態を示している。本実施形態は、上述した第1実施形態ないし第5実施形態に係る袋1について、さらなる機能を付加するものである。本実施形態に係る袋1には、上述した仕切り5(図示略)の他に、収納空間に収納された物品を支持する支持手段45が設けられている。支持手段45には、図19(a)に示すように、袋形成用台紙2とは別体とされた紙部材が用いられる。
【0138】
この支持手段45は、袋形成用台紙2の側壁形成部11〜14に接合される接合部46と、収納物品を支持する支持部47とを有する。接合部46と支持部47との間には、これらを区切る境界線Xが設けられており、支持部47は、接合部46が側壁形成部に接合した状態において、この境界線Xの位置を基点として、上下動可能に構成され、袋1の側壁3の内面に沿う待機状態(図19(b)において実線で示す状態)と、側壁3の内面から突出して収納物品を支持可能な使用状態(図19(b)において二点差線で示す状態)とに、状態を変更できるようになっている。
【0139】
この支持部47の中途部には、収納物品を挿通可能な挿通孔48が貫通形成されている。この挿通孔48は円形に形成されているが、この形状に限定されず、四角形状、楕円状その他の種々の形状に形成され得る。
【0140】
この支持部47は、袋1の側壁3の内面に接合された接合部46に対して、角度変更可能に構成されている。この支持部47は、図19(b)において二点鎖線で示すように、ほぼ水平方向を向いた使用状態において、挿通孔48に収納物品が挿通されることにより、収納物品が倒れないように支持できるようになっている。この支持部47によって支持される収納物品としては、例えば、液体が入った瓶、缶、コップのようなものや、長尺状に構成されたもの等がある。支持部47は、水平方向を向いた状態に限らず、この方向からずれた方向に突出した状態においても収納物品を支持することができる。
【0141】
このように、本実施形態では、袋1の収納空間を仕切り5によって仕切る仕切状態とすることによって、複数の収納物品を分けて収納し、この仕切状態を解除することによって、大きな物品をも収納できるようになるだけでなく、さらに支持手段45を介して収納物品が倒れないように支持することができ、この点で特に有用なものになる。
【0142】
なお、本発明は上記の実施形態に限らず、種々の変更・変形が可能である。
【0143】
例えば、側壁形成部11〜14に、袋1の使用者の指が入る程度の大きさの孔(開口部)を形成しておき、袋1を形成したときに、この孔に指をかけて把持部とする構成を採用してもよい。これによって、袋1に収納物を収納した場合に、この袋1の保持が容易になり、しかも、側壁形成部11〜14に予め所定の大きさの孔を形成しておくだけで、袋1が形成されたときに自動的に把持部が構成されることになり、袋1に把持部(取っ手)を事後的に設けるといった手間を省くことができ、この点で特に有用である。勿論、本発明では、袋1が形成された後に把持部を設けるようにすることを除外するものではない。
【0144】
上記の実施形態では、袋形成用台紙2の材質として紙を用いたものを例示したが、これに限らず、布その他の材質の袋形成用台紙2を用いることも可能である。例えば袋形成用台紙2を布で構成した場合には、各接合部の接合は、縫い糸による縫合によってなされてもよい。すなわち、本発明において、「接合」とは、複数の部分を重ね合わせる等して、その部分を接着剤、両面テープ等による接着や、縫合等の手段(接合手段)を用いて一体に固定することをいう。
【0145】
上記の実施形態では、袋形成用台紙2によって形成された袋1は、折り畳み自在となったものを例示したが、本発明は、これに限らず、折り畳み自在となっていない袋1についても適用可能である。
【0146】
上記の実施形態において例示した境界線(第1境界線Aないし第11境界線K)は、所定のインクで直線的に印刷されたものでもよく、また、例えば、複数の側壁形成部11〜14のそれぞれに異なる色を付け、この色の違いによって生じる境界を境界線(第1境界線A)として用いてもよい。また、例えば、側壁形成部11〜14と底部形成部21〜26とを分ける折り目を付けておき、この折り目を境界線(第9境界線I)として用いてもよい。また、これらの境界線には、実際に袋形成用台紙2に表されるもの以外にも、例えば、袋の製造機械によって自動的に製造される場合に、この製造工程を管理するコンピュータにおいて仮想的に引かれるものも含まれる。
【0147】
上記の第3実施形態では、第1仕切形成部41と第2仕切形成部42とを連結する第4接合部34の幅(幅方向の長さ)が、第1仕切形成部41の第1の部分41a、第2の部分41b、第2仕切形成部42の第1の部分42a、第2の部分42bの幅とほぼ等しくされた例を示したが、これに限定されない。
【0148】
例えば、第4接合部34の幅を第1の部分41aまたは第2の部分41bの幅よりも、大きくした場合には、第1仕切り5aと第2仕切り5bが仕切状態にあるときの、これらの間隔を大きくすることができる。また、第4接合部34の幅を仕切形成部41,42の第1の部分41a,42a、または第2の部分41b,42bの幅よりも小さくした場合には、第1仕切り5aと第2仕切り5bが仕切状態にあるときの、これらの離間間隔を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0149】
【図1】第1実施形態に係る袋を示す斜視図である。
【図2】袋形成用台紙の正面図である。
【図3】仕切りが解除状態にある袋の平面図である。
【図4】仕切りが仕切状態にある袋の平面図である。
【図5】筒状に構成される袋形成用台紙の斜視図である。
【図6】袋の底部形成過程における袋形成用台紙の斜視図である。
【図7】袋の底部形成過程における袋形成用台紙の斜視図である。
【図8】底部が形成されたときの袋の斜視図である。
【図9】第2実施形態に係る袋形成用台紙の正面図である。
【図10】第3実施形態に係る袋形成用台紙の正面図である。
【図11】仕切りが解除状態にある袋の平面図である。
【図12】仕切りが仕切状態にある袋の平面図である。
【図13】第4実施形態に係る袋形成用台紙の正面図である。
【図14】仕切が解除状態にある袋の平面図である。
【図15】仕切が仕切状態にある袋の平面図である。
【図16】第5実施形態に係る袋形成用台紙の正面図である。
【図17】仕切が解除状態にある袋の平面図である。
【図18】仕切が仕切状態にある袋の平面図である。
【図19】第6実施形態に係る袋を示し、(a)は、その要部の平面図、(b)は、その要部の側面断面図である。
【符号の説明】
【0150】
1…袋、2…袋形成用台紙、3(3a〜3d)…側壁(第1側壁〜第4側壁)、4…底部、5(5a,5b)…仕切り(第1仕切り、第2仕切り)、6…切れ込み、8…切れ込み、11…第1側壁形成部、12…第2側壁形成部、13…第3側壁形成部、14…第4側壁形成部、15…第5側壁形成部、18…仕切形成部、18a…第1の部分,18b…第2の部分、18c…第3の部分、21…第1底部形成部、22…第2底部形成部、23…第3底部形成部、24…第4底部形成部、25…第5底部形成部、26…第6底部形成部、27…第7底部形成部、28…第8底部形成部、29…第9底部形成部、31…第1接合部、32…第2接合部、33…第3接合部、34…第4接合部、35…閉塞部、11…第1仕切形成部、41a…第1の部分、41b…第2の部分、42…第2仕切形成部、42a…第1の部分、42b…第2の部分、45…支持手段、46…接合部、47…支持部、48…挿通孔、A…第1境界線、B…第2境界線、C…第3境界線、D…第4境界線、E…第5境界線、F…第6境界線、G…第7境界線、H…第8境界線、I…第9境界線、J…第10境界線、K…第11境界線、X…境界線
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を収納可能な袋およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、飲食品その他の物品を購入等した場合に使用される袋には、通常、紙製で折り畳み自在とされたものが用いられる。この袋には底部と側壁によって内側に所定の大きさの収納空間が構成されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の袋では、袋内に複数の物品が収納される場合に、収納空間において複数の物品が混入することになり、各物品の出し入れが煩雑となるおそれがあった。さらに、収納空間の大きな袋内に、飲料を入れた容器を収納した場合、この容器が倒れて内容物が流出するおそれがあった。
【0004】
このようなことを防止するには、例えば、既製の袋の内部に仕切りを設けて所定の種類の物品ごとに分けて収納することが望ましい。しかしながら、袋を常に仕切りで仕切っている状態では、大きな物品を収納したい場合に、仕切りが邪魔になって収納できない場合もある。
【0005】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、収納空間を仕切りで仕切ることで収納物品を分けて収納でき、しかも、仕切りによって仕切られた空間よりも大きな収納物品を収納できるようにした袋、およびこの袋を効率良く製造できる製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記の課題を解決するために以下の技術的手段を講じた。
【0007】
すなわち、本発明は、収納物を収納するための収納空間が側壁に囲まれて構成されるとともに、この収納空間を仕切る仕切りが側壁間に形成された袋であって、前記仕切りは、収納空間を仕切る仕切状態と、この仕切状態を解除した解除状態とに状態を変更可能に構成されてなることを特徴とする。
【0008】
かかる構成によれば、仕切りが袋の収納空間を仕切る仕切状態と、この仕切状態を解除した解除状態とに状態を変更できることから、仕切状態では、複数の収納物品を分けて収納することができる。そして、この仕切状態から解除状態に状態を変更すれば、袋の収納空間が元に戻り、仕切状態において仕切られていた空間には入らないような大きな物品をも収納できるようになる。
【0009】
また、本発明は、収納物を収納するための収納空間が側壁に囲まれて構成されるとともに、この収納空間を仕切る仕切りが側壁間に形成され、この仕切りが、収納空間を仕切る仕切状態と、この仕切状態を解除した解除状態とに状態を変更可能に構成されてなる袋を製造する袋の製造方法であって、袋の側壁を形成するための複数の側壁形成部と、袋の底部を形成するための複数の底部形成部と、仕切りを形成するための仕切り形成部とを備えた袋形成用台紙を、各側壁形成部および各底部形成部ごとに折り曲げ、所定位置で接合することによって袋を形成することを特徴とする。
【0010】
かかる袋の製造方法によれば、袋を形成する前の袋形成用台紙に側壁形成部、底部形成部、および仕切形成部を形成しておき、この袋形成用台紙を折り曲げ、所定位置で接合することによって、最終的に完成された袋には、その収納空間を仕切る仕切りが既に形成された状態となっており、これによって、袋を形成した後に、その内部に仕切りを取り付けるといった煩雑な作業を省略することができ、複数の物品を分けて収納可能な袋を効率よ
製造することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、袋の収納空間を仕切りで仕切ることで収納物品を分けて収納できるとともに、仕切りによって仕切られた空間よりも大きな物品を収納できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明に係る袋およびこの袋の製造方法を実施するための最良の形態を、図面に基づき説明する。
【0013】
図1〜図8は、本発明に係る袋および袋の製造方法の第1実施形態を示している。本実施形態において、袋1は、図1、図2に示すように、所定の形状に構成された紙製の袋形成用台紙2を所定の形状に折り曲げ、所定位置で貼り合わせることによって、内部の収納空間を形成する側壁3(3a〜3d)および底部4、そして、内部の収納空間を仕切る仕切り5を備えて形成される。袋形成用台紙2は、袋1の側壁3(3a〜3d)を形成するための複数の側壁形成部11〜14と、袋1の底部4を形成するための複数の底部形成部21〜26と、袋1内の収納空間を仕切る仕切り5を形成するための仕切形成部18を備える。
【0014】
本実施形態では、袋形成用台紙2は四角形状、より具体的には長方形状に構成されている。また、袋形成用台紙2には、4つの側壁形成部11〜14が並設されている。以下、各側壁形成部11〜14のそれぞれを、順に、第1側壁形成部11ないし第4側壁形成部14という。各側壁形成部11〜14は、図2に示すように、長方形状に構成されている。
【0015】
第1側壁形成部11の幅は、これと隣り合う第2側壁形成部12の幅よりも大きくなっている。また、第2側壁形成部12の幅は、これと隣り合う第3側壁形成部13の幅よりも小さくなっている。また、第3側壁形成部13の幅は、第4側壁形成部14との幅よりも大きくなっている。本実施形態では、第1側壁形成部11の幅と第3側壁形成部13の幅とが等しくされ、第2側壁形成部12と第4側壁形成部14の幅が等しくされている。
【0016】
なお、これらの側壁形成部11〜14が並べられている方向を「横方向」という。また、各側壁形成部11〜14の長手方向に直交する方向を「幅方向」という。この幅方向と横方向は同じ方向であるが、主として袋形成用台紙2を基準としたときに、「横方向」の語を用い、側壁形成部11〜14その他の要素については、「幅方向」の語を用いて説明する。
【0017】
第4側壁形成部14の端部には、この第4側壁形成部14を他の側壁形成部(例えば第1側壁形成部11)に接合するための接合部(以下「第1接合部」という)31が形成されている。また、各側壁形成部11〜14間には、これら側壁形成部11〜14を区切る境界線(以下「第1境界線」という)Aが設けられている。また、第1側壁形成部11と第1接合部31との間には、これらを区切る境界線(以下「第2境界線」という)Bが設けられている。
【0018】
仕切形成部18は、その幅方向の一端部が、第1側壁形成部11の幅方向の端部に一体に形成されている。また、この仕切形成部18の幅方向の他端部には、他の側壁形成部に接合される接合部(以下「第2接合部」という)32が一体に形成されている。この仕切形成部18と第1側壁形成部11との間には、この第1側壁形成部11と仕切形成部18とを区切る境界線(以下「第3境界線」という)Cが設けられている。また、仕切形成部18と第2接合部32との間には、これらを区切る境界線(以下「第4境界線」という)Dが設けられている。
【0019】
また、この仕切形成部18は、図2に示すように、長方形状とされており、その長手方向における長さは、各側壁形成部11〜14の長手方向の長さと等しくなっている。また、この仕切形成部18の中途部には、貫通孔や開口部等が設けられていてもよい。
【0020】
仕切形成部18は、その幅方向の中途部の境界線(以下「第5境界線」という)Eを介して2分されている。以下、この仕切形成部18において第5境界線Eによって分けられた一方の部分を第1の部分18aといい、他方の部分を第2の部分18bという。
【0021】
仕切形成部18の第1の部分18aは、第2接合部32と第2の部分18bとの間に形成されている。また、仕切形成部18の第2の部分18bは、第1の部分18aと第1側壁形成部11との間に形成されている。
【0022】
底部形成部21〜26は、各側壁形成部11〜14の長手方向の一端部側、および仕切形成部18の長手方向の一端部側に設けられている。本実施形態では、袋形成用台紙2に6つの底部形成部21〜26が設けられており、第1側壁形成部11ないし第4側壁形成部14のそれぞれ、および第1の部分18a、第2の部分18bに対応して1つずつ設けられている。以下、各底部形成部21〜26を、第1底部形成部21ないし第6底部形成部26という。
【0023】
図2に示すように、袋形成用台紙2の横方向の端部に形成される第1底部形成部21と第6底部形成部26とには、これら以外の他の底部形成部と接合される接合部(以下「第3接合部」という)33が形成されている。また、第3接合部33と第2接合部32との間、および第3接合部33と第1接合部31との間には、これらを区切る境界線(以下「第6境界線」という)Fが形成されている。また、この第3接合部33と第1底部形成部21との間、および、第3接合部33と第6底部形成部26との間には、これらを区切る境界線(以下「第7境界線」という)Gが形成されている。
【0024】
各底部形成部21〜26間には、これらの底部形成部21〜26のそれぞれを区切る境界線(以下「第8境界線」という)Hが設けられている。また、第3底部形成部23ないし第6底部形成部26と、各側壁形成部11〜14との間には、これらを区切る境界線(以下「第9境界線」という)Iが設けられている。図2に示すように、第9境界線Iは、第1境界線Aと一致しており、両者は同一の直線として表されている。したがって、各側壁形成部11〜14の幅と、これに対応する各底部形成部23〜26の幅は等しくなっている。
【0025】
さらに、第1底部形成部21と第1の部分18aとの間、および第2底部形成部22と仕切形成部18の第2の部分18bとの間には、これらを区切る境界線(以下「第10境界線」という)Jが設けられている。第10境界線Jの位置には、第1の部分18aおよび第2の部分18bと、第1底部形成部21、第2底部形成部22とを分離するように、この第10境界線Jに沿って(一致するように)切れ込み6が入れられている。
【0026】
以下、上記構成の袋形成用台紙2を用いて袋1を製造する方法を説明する。
【0027】
まず、袋形成用台紙2を第1境界線Aおよび第2境界線Bに沿って所定の形状に折り曲げる。すなわち、図3、図4に示すように、第1側壁形成部11と第2側壁形成部12とがほぼ直角となるように、その間の第1境界線Aの位置で折り曲げ、さらに、第2側壁形成部12と第3側壁形成部13がほぼ直角となるように、その間の第1境界線Aの位置で折り曲げる。このようにすることで、第1側壁形成部11と第2側壁形成部12と第3側壁形成部13とは、図3に示すように、平面視でコの字状となるように折り曲げられる。
【0028】
このとき、第1側壁形成部11に対応する第3底部形成部23と、第2側壁形成部12に対応する第4底部形成部24とがほぼ直角となるように、その間の第8境界線Hの位置で折り曲げられる。同様に、第2側壁形成部12に対応する第4底部形成部24と、第3側壁形成部13に対応する第5底部形成部25とがほぼ直角となるように、その間の第8境界線Hの位置で折り曲げられる。
【0029】
そして、第1側壁形成部11と仕切形成部18の第2の部分18bとがほぼ直角となるように、その間の第2境界線Bの位置で折り曲げられる。また、仕切形成部18の第1の部分18aと第2の部分18bとがほぼ直角となるように、その間の第5境界線Eの位置でこれに沿って折り曲げられる。このようにすることで、第1側壁形成部11と第1の部分18aと第2の部分18bとは、図3に示すように、平面視でコ字状となるように折り曲げられる。
【0030】
このとき、第1側壁形成部11に対応する第3底部形成部23と、仕切形成部18の第2の部分18bに対応する第2底部形成部22とがほぼ直角を為すように、その間の第8境界線Hの位置で折り曲げられる。また、仕切形成部18の第1の部分18aに対応する第1底部形成部21と、第2の部分18bに対応する第2底部形成部22とがほぼ直角を為すように、その間の第8境界線Hの位置で折り曲げられる。
【0031】
そして、仕切形成部18の第1の部分18aおよび第2の部分18bが、第3側壁形成部13および第4側壁形成部14に囲まれるように、第3側壁形成部13に対して第4側壁形成部14をその間の第1境界線Aに沿って、ほぼ直角に折り曲げられる。同様に、第4側壁形成部14に対応する第6底部形成部26が、第3側壁形成部13に対応する第5側壁形成部25に対してほぼ直角となるように折り曲げられる。そして、この第4側壁形成部14を第2の部分18bの外面に重ね、第6底部形成部26を、仕切形成部18の第2の部分18bに対応している第2底部形成部22に重ねる。
【0032】
さらに、第1接合部31が第4側壁形成部14に対してほぼ直角となるように、これらの間の第2境界線Bの位置で折り曲げられる。同様に、第6底部形成部26側の第3接合部33が、この第6底部形成部26とほぼ直角となるように、その間の第7境界線Gの位置で折り曲げられる。
【0033】
次に、第4側壁形成部14の端部に形成されている第1接合部31に接着剤を塗布するとともに、この第1接合部31を第1側壁形成部11に重ねて接合・接着する。同様に、第6底部形成部26側の第3接合部33に接着剤を塗布するとともに、この第3接合部33を第1側壁形成部11に対応する第3底部形成部23の一方の面(外面)に接合・接着する。
【0034】
このようにすることで、第1側壁形成部11と第4側壁形成部14とが第1接合部31を介して繋がれ、第3底部形成部23と第6底部形成部26とが第3接合部33を介して繋がれることとなる。これによって、袋形成用台紙2は、第1側壁形成部11ないし第4側壁形成部14、および第3底部形成部23ないし第26底部形成部26によって筒状(四角筒状)に構成される。
【0035】
なお、このとき、第2境界線Bと第3境界線Cとが一致した状態となり、第6底部形成部26と第3接合部33との間の第7境界線Gと、第2底部形成部22と第3底部形成部23との間の第8境界線Hとが一致した状態となっている。
【0036】
次に、第1の部分18aの端部に形成されている第2接合部32に接着剤を塗布し、第3側壁形成部13の一方の面(内面)に接合・接着する。このとき、第1の部分18aと第2の部分18bとがほぼ直角をなし、それぞれ第3側壁形成部13、第4側壁形成部14に接した状態にして、第2接合部32を第3側壁形成部13の内面に接合させる。
【0037】
同様に、第1底部形成部21側の第3接合部33に接着剤を塗布し、この第3接合部33を、第3側壁形成部13に対応する第5底部形成部25の一方の面(内面)に接合・接着する。これによって、袋形成用台紙2は、第1底部形成部21と第3底部形成部23とが重なり、第2底部形成部22と第6底部形成部26とが重なった状態となる。
【0038】
そして、最終的にできあがった袋1が折り畳み可能となるように、第2側壁形成部12(第2側壁3b)と、第4側壁形成部14(第4側壁3d)と、この第4側壁形成部14に重なっている仕切形成部18の第2の部分18bを折り曲げる。具体的には、図5に示すように、第2側壁形成部12、第4側壁形成部14、および仕切形成部18の第2の部分18bにおいて、その幅方向の中心位置を通り、これらの側壁形成部12,14の長手方向に沿う直線に沿って、これらの側壁形成部12,14が対向する対向方向の内側に凹むように各側壁形成部12,14を折り曲げ、前記第2の部分18bと第4側壁形成14と同じように折り曲げる。
【0039】
また、第2側壁形成部12に対応して設けられた第4底部形成部24と、第4側壁形成部14に対応して設けられた第6底部形成部26と、この第6底部形成部26と重なっている第2底部形成部22とを、その幅方向の中心を通る直線に沿って、第2側壁形成部12、第4側壁形成部14と同様に折り曲げる。これにより、筒状にされた袋形成用台紙2を図5に示す如く、第1側壁形成部11と第3側壁形成部とが接触するように折り畳むことができるようになる。
【0040】
次に、底部形成部21〜26のそれぞれを、第9境界線Iに沿って、所定の形状に折り曲げ、所定位置で接合することによって、袋1の底部4を形成する。具体的には、まず、袋形成用台紙2を折り畳むことにより、折り重なった第1底部形成部21ないし第6底部形成部26を、第9境界線Iに沿ってまとめて折り曲げ、さらに、第4底部形成部24と第6底部形成部26、およびこの第6底部形成部26と重なっている第2底部形成部22とを、これらが対向する対向方向(第4底部形成部と第6底部形成部とが対向する方向)の内方に折り曲げ、折り目をつける(図5、図6参照)。
【0041】
このとき、図6に示すように、第4底部形成部24と第6底部形成26との間の、第3底部形成部23と第5底部形成部25の2箇所に、袋1の底部4を塞ぐための閉塞部35が形成される。この2つの閉塞部35を、図7に示すように、互いに重なり合うように折り曲げ、これらの閉塞部35同士、および閉塞部35と第4底部形成部24、第6底部形成部26の折り曲げられた部分とを接着する。
【0042】
以上により、筒状にされた袋形成用台紙2の一端部に底部4が形成され、これによって、袋1が完成する。なお、完成した袋1には、第1側壁形成部11によって、第1側壁3aが構成され、同じように、第2側壁形成部12ないし第4側壁形成部14のそれぞれによって、第2側壁部3bないし第4側壁部3dが構成される。以下、第1側壁部3aないし第4側壁部3dをまとめて単に側壁3という場合がある。また、袋1には、側壁3の基部に、第1底部形成部21ないし第6底部形成部26のそれぞれによって、底部4が形成され、さらに、袋1には、仕切形成部18によって、収納空間を仕切る仕切り5が形成される。
【0043】
なお、仕切り5は、上述のように、仕切形成部18の長手方向の長さが、各側壁形成部11〜14の長さと等しくなっていることから、その高さが、側壁3の高さと等しくなっている。
【0044】
以上のように製造された袋1は、その収納空間を仕切り5によって仕切ることができるようになる。具体的には、この仕切り5は、袋1内の収納空間を仕切る仕切状態(図1、図4参照)と、この仕切状態を解除して収納空間を元に戻す解除状態(図3参照)とに状態を変更可能となる。より具体的には、この仕切り5は、袋形成用台紙2の仕切形成部18(第1の部分18aおよび第2の部分18b)と第1底部形成部21および第2底部形成部22との間に、切れ込み6が形成されることにより、袋1の底部4から分離され、これによって、その位置を変更できるようになっている。
【0045】
仕切り5が図1、図4に示す仕切状態にあるとき、この仕切り5(仕切形成部18)の第1の部分18aが第1側壁形成部11から第3側壁形成部13にわたる側壁間において、袋1の収納空間を仕切って(区切って)いる。このとき、仕切り5の第2の部分18bは、第1の部分18aに対してほぼ直角を為している。また、第2の部分18bは、第1側壁3a(第1側壁形成部11)に沿って、この第1側壁3aに接触した(重なった)状態となっている。
【0046】
すなわち、仕切り5の第1の部分18aは、仕切り5が仕切状態にあるとき、袋1の側壁間にわたって収納空間を仕切る仕切部となっている。また、仕切り5の第2の部分18bは、仕切部である第1の部分18aを支持する支持部である。本実施形態では、仕切り5に、1つの仕切部および1つの支持部が設けられている。
【0047】
仕切り5の仕切状態を解除するときには、第1の部分18aが第3側壁3c(第3側壁形成部13)に接触するように移動させ、第2の部分18bが第4側壁3d(第4側壁形成部14)に接触するように移動させる。このとき、平面視において、仕切り5の第1の部分18aと第2の部分18bの折れ曲がり方が、仕切状態の場合とは逆になる。また、解除状態において、仕切り5の第1の部分18aと第2の部分18bとの間の第5境界線Eは、第3側壁3c(第3側壁形成部13)と第4側壁3d(第4側壁形成部)との間の第1境界線Aと一致した状態となる。
【0048】
仕切り5のうち、仕切部である第1の部分18aは、仕切り5が仕切状態にあるとき、袋1の側壁間を仕切る位置(以下「仕切位置」という)にあり、仕切状態から解除状態に変更されたとき、仕切位置から袋1の側壁3(第4側壁3d)に接触する位置(以下「解除位置」という)に移動する。すなわち、仕切部である第1の部分18aは、袋1の収納空間を仕切る仕切位置と、収納空間を元に戻す解除位置とに位置変更可能になっている。そして、この第1の部分18aを支持する支持部である第2の部分18bは、第1の部分18aを、仕切位置と解除位置とに位置を変更できるように支持している。
【0049】
以上説明した袋1によれば、仕切り5が仕切状態にあるときには、複数の物品を仕切り5によって分けられた空間ごとに分けて収納できるようになる。そして、仕切り5の仕切状態を解除して解除状態としたときには、仕切状態において仕切り5に仕切られた空間よりも大きな物品を収納することができ、収納物品の種類や大きさに応じて多様な袋1の使用が可能になる。
【0050】
さらに、袋1は、折り畳み自在に構成され、仕切り5も袋1に応じて折り畳み自在に構成されていることから、この袋1を保管する場合に、場所をとらず、しかも不使用時に運搬等する場合においても非常に便利である。
【0051】
また、袋1の製造方法において、側壁3を形成するための複数の側壁形成部11〜14と、袋1の底部4を形成するための複数の底部形成部21〜26と、仕切り5を形成するための仕切り形成部28(28a,28b)とを備えた袋形成用台紙2を、各側壁形成部11〜14および各底部形成部21〜26ごとに折り曲げ、各接合部31〜33を介して所定位置で接合して袋1を形成することにより、出来上がった袋1には、既に仕切り5が構成されている。
【0052】
したがって、袋1が形成された後に、袋1とは別体の仕切り5を、わざわざ側壁3の内面に取り付けるといった作業をする必要がなくなり、これによって、製造工程を省略し、袋1を効率良く製造できるようになっている。
【0053】
しかも、袋1は、長方形状の袋形成用台紙2から製造されることから、袋成型用台紙2を複雑な形状で構成しなくてもよい。したがって、予め一般に用いられる所定の規格の長方形状の紙を用意するだけで袋1を容易に製造することができ、この点で特に有用である。
【0054】
さらに、側壁形成部11〜14と底部形成部21〜26とともに仕切形成部18を一体に設けていることから、袋1を製造するための部材を袋形成用台紙2のみの1部材とすることができ、この点において、袋1の製造工程を簡略化するとともに、袋1を製造するための部材(袋形成用台紙2)の管理面においても効率の良いものになる。
【0055】
また、袋形成用台紙2は、仕切形成部18と、第1底部形成部21、第2底部形成部22とを分離するための切れ込み6を入れるだけで、この袋形成用台紙2を部分的に切断することなしに、袋1を構成することができる。すなわち、この袋形成用台紙2は、切断されたときの切り屑等を一切出さずに袋1に形成され、余計なゴミを出さないという点で特に有用なものである。
【0056】
また、仕切形成部18の中途部に貫通孔、開口部等を設けることで、袋1に収納された収納物を、この貫通孔、開口部等によって係止できるようになる。したがって、例えば、液体の入った容器を袋1に収納する場合に、この容器の転倒を防止できるようになり、この点において特に有用である。
【0057】
図9は、袋1の第2実施形態を示している。この第2実施形態では、仕切形成部18の構成が第1実施形態と異なる。第1実施形態では、仕切り5の高さと側壁3の高さが同じであったが、この第2実施形態では、仕切り5の高さが側壁3の高さよりも低くなっている。図9に示すように、仕切形成部18は、第1実施形態と同様に、第1の部分18a、第2の部分18bを有しており、これらと第1底部形成部21および第2底部形成部22との間の第10境界線Jと一致して切れ込み6が形成されているが、この切れ込み6とは別の切れ込み8が、第1の部分18aおよび第2の部分18bの中途部に形成されている。
【0058】
この切れ込み8を形成するとともに、この仕切形成部18において、この切れ込み8よりも上方の部分を第3側壁形成部13および第4側壁形成部14の内面に固着することにより、この切れ込み8よりも下方の部分が仕切り5として構成される。すなわち、この第2実施形態では、仕切形成部18において前記切れ込み8よりも上方の部分が分離されることにより、袋1に形成される仕切り5が、前記分離された分だけその高さが低くなるのである。
【0059】
第2実施形態のその他の構成および製造方法は、第1実施形態と同様であり、第2実施形態が第1実施形態と共通する部分には、共通符号を付してその説明を割愛する。この第2実施形態においても、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0060】
図10〜図12は、本発明に係る袋1の第3実施形態を示している。上述した第1、第2実施形態では、袋1に1つの仕切り5が形成された例を示したが、この第2実施形態では、袋1に複数の仕切り5を形成できる。本実施形態では、袋1に2つの仕切り5a、5bを形成する例を説明する。
【0061】
図10に示すように、袋1を形成するための袋形成用台紙2は、4つの側壁形成部11〜14と、9つの底部形成部21〜29と、2つの仕切形成部41、42と、第1実施形態と同様な3つの接合部31〜33を備える。以下、4つの側壁形成部のそれぞれを、第1実施形態と同様に、第1側壁形成部ないし第4側壁形成部という。また、9つの底部形成部を、それぞれ第1底部形成部ないし第9底部形成部という。また、2つの仕切形成部を、それぞれ第1仕切形成部41、第2仕切形成部42という。また、3つの接合部31〜33を第1実施形態と同様に、第1接合部31ないし第3接合部33という。
【0062】
また、袋形成用台紙2には、第1実施形態と同様に、各側壁形成部11〜14を区切る第1境界線A、第4側壁形成部14と第1接合部31とを区切る第2境界線B、第1側壁部11と仕切形成部(第1仕切形成部)とを区切る第3境界線C、仕切形成部(第2仕切形成部42)と第2接合部32とを区切る第4境界線D、後述する仕切形成部(第1仕切形成部41、第2仕切形成部41)の第1の部分41a,42aと第2の部分41b,42bを区切る第5境界線E、第1接合部31および第2接合部32と、第3接合部33とを区切る第6境界線F、底部形成部(第1底部形成部21、第9底部形成部29)と第3接合部33とを区切る第7境界線G、各底部形成部21〜29を区切る第8境界線H、各側壁形成部11〜14と、対応する底部形成部26〜29とを区切る第9境界線I、および、各仕切形成部41,42と、対応する底部形成部(第1底部形成部21ないし第5底部形成部25)とを区切る第10境界線Jが形成されている。
【0063】
本実施形態では、袋形成用台紙2において、第1側壁形成部11ないし第4側壁形成部14のそれぞれに対応して、第6底部形成部26ないし第9底部形成部29が設けられている。
【0064】
第1仕切形成部41は、第2仕切形成部42と第1側壁形成部11との間に設けられており、第1実施形態の仕切形成部28と同様に、第1の部分41a、および第2の部分41bを有している。第1仕切形成部41の第1の部分41aと第2の部分41bは第5境界線Eによって区切られている。また、本実施形態において、第1の部分41aの幅と第2の部分41bの幅は等しくなっている。また、第1の部分41aの幅、第2の部分41bの幅は、袋形成用台紙2が筒状に構成されたときの、第1側壁形成部11と第3側壁形成部13との離間間隔、すなわち、袋1の第1側壁3aと第3側壁3cとの離間間隔とほぼ等しくなっている。換言すれば、この第1の部分41aの幅、第2の部分41bの幅は、第1側壁形成部11と第3側壁形成部13とを離間させる第2側壁形成部12または第4側壁形成部14の幅(第2側壁3bまたは第4側壁3dの幅)とほぼ等しくなっている。
【0065】
また、第2仕切形成部42も第1仕切形成部41と同様に、第1の部分42aおよび第2の部分42bを有している。第2仕切形成部42の第1の部分42aと第2の部分42bとは、その幅が等しくされており、これらは、第1仕切形成部41の場合と同様に、第5境界線Eによって区切られている。また、この第2仕切形成部42の第2の部分42bの幅方向の端部には、第2接合部32が設けられている。
【0066】
第1仕切形成部41と第2仕切形成部42との間には、これらの仕切形成部41,42を連結するとともに、これらの仕切形成部41,42を側壁3に固定するために側壁形成部(例えば第3側壁形成部13)に接合される接合部(以下「第4接合部」という)34が形成されている。第4接合部34は、第1仕切形成部41の第1の部分41aと第2仕切形成部42の第1の部分42aとを連結している。本実施形態において、第4接合部34は、その幅が、第1仕切形成部41、第2仕切形成部42の第1の部分41aまたは第2の部分41bの幅とほぼ等しくなっている。この第4接合部34は、図11、図12に示すように、接着剤等の固着手段を介して、第3側壁形成部13の一方の面(内面)に接合されている。
【0067】
また、袋形成用台紙2には、この第4接合部34と、第1仕切形成部41および第2仕切形成部42とを区切る境界線(以下「第11境界線」という)Kが設けられている。具体的には、第11境界線Kは、第4接合部34と第1仕切形成部41の第1の部分41aとの間、および第4接合部34と第2仕切形成部42の第1の部分42aとの間に表されている。
【0068】
なお、本実施形態では、第1仕切形成部41の第1の部分41aに第4底部形成部24が対応し、その第2の部分41bに、第5底部形成部25が対応している。また、第2仕切形成部42の第1の部分42aに第2底部形成部が対応し、その第2の部分42bに第1底部形成部21が対応している。また、第4接合部34には、第3底部形成部23が対応している。
【0069】
また、袋形成用台紙2には、第1実施形態と同様に、第1仕切形成部41、第2仕切形成部42と、底部形成部(第1底部形成部、第2底部形成部、第4底部形成部、および5底部形成部)との間に、切れ込み6が形成されている。この切れ込み6は、第10境界線Jに沿って形成されている。これにより、第1仕切形成部41と第2仕切形成部42とは、対応する底部形成部21,22,24,25から分離されている。なお、この切れ込みは、第4接合部34と第3底部形成部23との間に形成されてもよいが、形成されていなくてもよい。
【0070】
以下、第3実施形態に係る袋1の製造方法について説明する。
【0071】
まず、第1実施形態と同様に、第1側壁形成部11と第2側壁形成部12とがほぼ直角となるように、袋形成用台紙2を、その間の第1境界線Aの位置で折り曲げる。同様に、第2側壁形成部12と第3側壁形成部13とがほぼ直角となるように、その間の第1境界線Aの位置で袋形成用台紙2を折り曲げる。
【0072】
次に、第1側壁形成部11と、第1仕切形成部41の第2の部分41bとがほぼ直角となるように、その間の第3境界線Cの位置で袋形成用台紙2を折り曲げる。そして、第2仕切形成部42の第1の部分42aと第2の部分42bとがほぼ直角となるように、その間の第5境界線Eの位置で、袋形成用台紙2を折り曲げる。さらに、この第2仕切形成部42の第2の部分42bと第2接合部32とがほぼ直角となるように、その間の第4境界線Dの位置で袋形成用台紙2を折り曲げる。同様に、この第2接合部32に対応する第3接合部33と第1底部形成部21とがほぼ直角となるように、その間の第7境界線Gの位置で袋形成用台紙2を折り曲げる。
【0073】
そして、第3側壁形成部13と第4側壁形成部14とがほぼ直角となるように、その間の第1境界線Aの位置で袋形成用台紙2を折り曲げる。さらに、第4側壁形成部14と、第1接合部31とがほぼ直角となるように、その間の第2境界線Bの位置で袋形成用台紙2を折り曲げる。
【0074】
次に、第2仕切形成部42と第2接合部32の間の第4境界線Dを第1側壁形成部11と第2側壁形成部12との間の第1境界線Aと一致させ、第1接合部31を、第1側壁形成部11の一方の面(内面)に接着剤等により接合し、第1底部形成部21側の第3接合部33を、第1側壁形成部11に対応する第6底部形成部26の一方の面(内面)に接着剤等により接合する。
【0075】
そして、第1仕切形成部41および第2仕切形成部42を第2側壁形成部12、第3側壁形成部13、および第4側壁形成部14によって覆うようにし、第3側壁形成部13と第4側壁形成部14との間の第1境界線Aを、第1仕切形成部41の第1の部分41aと第2の部分41bとを区切る第5境界線Eに一致させる。さらに、第4側壁形成部14と第1接合部31との間の第2境界線Bを、第1側壁形成部11と第1仕切形成部41との間の第3境界線Cに一致させ、第1接合部31を第1側壁形成部11の他方の面(外面)に、接着剤等によって接合する。同様に、第9底部形成部29側の第3接合部33を第6底部形成部26の他方の面(外面)に接着剤等により接合する。
【0076】
このとき、第4接合部34の一方の面にも接着剤等を塗布しておき、この第4接合部34を第3側壁形成部13の一方の面(内面)に接合する。
【0077】
以上により、袋形成用台紙2は、第1底部形成部11と第4底部形成部14とが第1接合部33によって繋がれ、第6底部形成部26と第9底部形成部29とが第3接合部33によって繋がれることにより、四角筒状に構成される。
【0078】
次に、第1実施形態と同様に、袋1を折り畳み自在に構成すべく、四角筒状の袋形成用台紙2の第2側壁形成部12、第4側壁形成部14に折り目をつけた後、図5〜図8に示すように、底部形成部21〜29を所定の手順で折り曲げて、閉塞部35を介して袋形成用台紙2の基部を閉塞することで底部4を形成させ、以上によって袋1が完成する。
【0079】
完成した袋1の内側には、第2接合部32が第1側壁形成部11に接合され、そして、第4接合部34が第3側壁形成部13に接合されることにより、第1仕切形成部41による仕切り(以下「第1仕切り」という)5aと、第2仕切形成部42による仕切り(以下「第2仕切り」という)5bの2つの仕切り5a,5bが形成される。各仕切り5a,5bは、収納空間を仕切る仕切状態と、この仕切状態を解除する解除状態とに状態を変更可能に構成される。各仕切り5a、5bは、第1実施形態、第2実施形態と同様に、第1の部分41a,42aが袋1の側壁間にわたって収納空間を仕切る仕切部となり、第2の部分41b,42bが仕切部を支持する支持部となっている。
【0080】
第1仕切り5aおよび第2仕切り5bが仕切状態にあるとき、図12に示すように、各仕切り5a,5bの第1の部分41a,42aが、第1側壁3aから第3側壁3cにわたる側壁間を仕切り、これによって袋1の元々の収納空間が3つの小さな収納空間に区切られる。
【0081】
このとき、第1仕切り5aの第2の部分41bは、第1側壁3a(第1側壁形成部11によって形成された側壁)の内面に接触した(重なった)状態となり、第2仕切り5bの第2の部分42bも同様に、第1側壁3aの内面に接触した(重なった)状態となる。このとき、各第2の部分41b,42bは、各第1の部分41a,42aに対してほぼ直角を為している。また、各仕切り5a,5bが仕切状態にあるとき、第1仕切り5aと第2仕切り5bとは所定の間隔で離間された状態となる。この第1仕切り5aと第2仕切り5bとの間隔は、第4接合部34の幅(幅方向の長さ)に等しい。
【0082】
第1仕切り5aの状態を仕切状態から解除状態へと変更したとき、図11に示すように、第1仕切り5a(第1仕切形成部41)は、第1の部分41aが第3側壁3cの内面に接触し(重なり)、第2の部分41bが第4側壁3dの内面に接触した(重なった)状態となる。このとき、第1の部分41aと第2の部分41bの間の第5境界線Eは、第3側壁3c(第3側壁形成部13)と第4側壁3d(第4側壁形成部14)との間の第1境界線Aと一致した状態となる。また、このとき、第1仕切り5aの第1の部分41aと第2の部分41bは、ほぼ直角を為して折れ曲がった状態となるが、その曲がり方は、仕切状態における曲がり方とは逆になる。
【0083】
また、第2仕切り5bの状態を仕切状態から解除状態に変更したとき、図11に示すように、第2仕切り5b(第2仕切形成部42)は、第1の部分42aが、第3側壁3cの内面に接触し(重なり)、第2の部分42bが第2側壁3bの内面に接触した(重なった)状態となる。このとき、第1の部分42aと第2の部分42bの間の第5境界線Eは、第3側壁3c(第3側壁形成部13)と第2側壁3b(第2側壁形成部12)との間の第1境界線Aと一致した状態となる。また、このとき、第2仕切り5b(第2仕切形成部42)の第1の部分42aと第2の部分42bは、ほぼ直角を為して折れ曲がった状態となるが、その曲がり方は仕切状態における曲がり方とは逆になる。
【0084】
上記の袋1および袋1の製造方法によれば、第1実施形態と同様の作用効果を奏する他、袋1の収納空間を仕切る2つの仕切り5a,5bが設けられることにより、多数種類の収納物品を種類別に分けて収納できるようになる。
【0085】
なお、袋1に形成される仕切りの数は2に限らず、3以上であってもよい。例えば、袋1に3つの仕切りを形成する場合には、上記のように、袋形成用台紙2に、第1仕切形成部41および第2仕切形成部42を形成するとともに、第2仕切形成部42に、さらに、第3仕切形成部を一体に形成しておく。
【0086】
この場合において、第2仕切形成部42に一体に形成されていた第2接合部32を、この第3仕切形成部の幅方向の端部に一体に形成する。さらに、このとき、第1仕切形成部41と第2仕切形成部42とを連結する第4接合部34と同様な接合部(以下「第5接合部」という)を第2仕切形成部42と第3仕切形成部との間に形成し、この第5接合部を第4接合部34と同様に、第3側壁3aの内面に接合する。このように、袋1に形成したい仕切りの数に応じて、接合部と仕切形成部の数を増加させることにより、所望の数の仕切りを袋1に形成することができる。
【0087】
図13〜図15は、本発明の第4実施形態を示している。本実施形態に係る袋形成用台紙2は、第1実施形態と同様に、複数の側壁形成部11〜15と、複数の底部形成部21〜28と、仕切形成部18とを有する。
【0088】
袋形成用台紙2には、5つの側壁形成部11〜15が設けられており、それぞれを第1側壁形成部11ないし第5側壁形成部15という。各側壁部11〜15は、第1実施形態と同様に、第1境界線Aによって区切られている。各側壁形成部11〜15は、第1側壁形成部11から第5側壁形成部15の順に、袋形成用台紙2の横方向に沿って一体に繋がって形成されている。また、第5側壁形成部15の幅方向の一端部には、この第5側壁形成部15を他の側壁形成部に固定するための接合部(以下、第1実施形態と同様に「第1接合部」という)31が設けられている。
【0089】
第5側壁形成部15と第1接合部31とは、第2境界線Bによって区切られている。また、第1側壁形成部11の幅方向の一端部には、仕切形成部18が一体に繋がって形成されている。この第1側壁形成部11と仕切形成部18とは、第3境界線Cによって区切られている。
【0090】
また、本実施形態では、第2側壁形成部12の幅と、第4側壁形成部14の幅とがほぼ等しくされている。また、第3側壁形成部13の幅が最も大きくなっており、しかも、第1側壁形成部11の幅と第5側壁形成部15の幅との和が、この第3側壁形成部13の幅とほぼ等しくなっている。
【0091】
また、袋形成用台紙2には、8つの底部形成部21〜28が設けられており、それぞれを第1底部形成部21ないし第8底部形成部28という。各底部形成部21〜28は、第1実施形態と同様に、第8境界線Hによって区切られている。
【0092】
また、仕切形成部は、幅方向の所定位置において、第5境界線Eによって3つの部分に区切られている。この部分のそれぞれを、第1の部分18aないし第3の部分18cという。本実施形態では、第1の部分18aの幅と第3の部分18cの幅とがほぼ等しくされている。また、第1の部分18aと第3の部分18cとの間に位置する第2の部分18bの幅は、第1の部分18a、第2の部分18bの幅より大きくなっている。そして、この第2の部分18bの幅は、第2側壁形成部12、第4側壁形成部14の幅とほぼ等しくなっている。
【0093】
仕切形成部18の第1の部分18aの幅方向の端部には、第1実施形態と同様にこの仕切形成部18を固定するための第2接合部32が形成されている。この第1の部分18aと第2接合部32は、第4境界線Dによって区切られている。また、仕切形成部18の第3の部分18cは、第1側壁形成部11と繋がっている。
【0094】
また、第1底部形成部21の幅方向の一端部、および第8底部形成部28の幅方向の一端部には、第1実施形態と同様な第3接合部33が形成されている。第1底部形成部21および第8底部形成部28と、第3接合部33は、第1実施形態と同様に第7境界線Gによって区切られている。
【0095】
この第3接合部33は、第1実施形態と同様に、第8底部形成部28側の第3接合部33が、第6境界線Fを挟んで第1接合部31と一体に繋がって設けられており、第1底部形成部21側の第3接合部33が第6境界線Fを挟んで第2接合部32と一体に繋がって設けられている。
【0096】
また、本実施形態では、第1底部形成部21が仕切形成部18の第1の部分18aに対応してこれと繋がって形成されており、第2底部形成部22が、仕切形成部18の第2の部分18bに、そして、第3底部形成部23が第3の部分18cに対応して繋がって形成されている。また、第4底部形成部24ないし第8底部形成部28が、それぞれ、第1側壁形成部11ないし第5側壁形成部15に対応して繋がって形成されている。
【0097】
また、第1側壁形成部11ないし第5側壁形成部15と、これらに対応する第4底部形成部24ないし第8底部形成部28とは、第9境界線Iによって区切られている。また、仕切形成部18の第1の部分18aないし第3の部分18cと、これらに対応する第1底部形成部21ないし第3底部形成部23とは、第10境界線Jによって区切られている。
【0098】
また、第1実施形態と同様に、仕切形成部18(第1の部分18aないし第3の部分18c)と、これに対応する第1底部形成部21ないし第3底部形成部23との間には、仕切形成部18を第1底部形成部21ないし第3底部形成部23から分離させるべく、第10境界線Jに沿って、切れ込み6が設けられている。
【0099】
以下、本実施形態に係る袋形成用台紙2を用いて袋1を製造する方法について説明する。
【0100】
まず、第1実施形態と同様に、袋形成用台紙2の第1側壁形成部11と第2側壁形成部12とがほぼ直角となるように、その間の第1境界線Aの位置で袋形成用台紙2を折り曲げる。そして、第2側壁形成部12と第3側壁形成部13とがほぼ直角となるように、その間の第1境界線Aの位置で折り曲げる。これにより、第1側壁形成部11ないし第3側壁形成部13の部分が平面視でコ字状に構成される。
【0101】
次に、第4側壁形成部14と第5側壁形成部15とがほぼ直角となるように、その間の第1境界線Aの位置で袋形成用台紙2を折り曲げる。これにより、第3底部形成部23ないし第5底部形成部15が平面視においてコ字状に構成される。
【0102】
次に、仕切形成部18の第2の部分18bと、第3の部分18cとがほぼ直角となるように、その間の第5境界線Eの位置で仕切形成部18を折り曲げる。そして、仕切形成部18の第2の部分18bと第1の第1の部分18aとがほぼ直角となるように、その間の第5境界線Eの位置で、仕切形成部18を折り曲げる。これによって、仕切形成部18の第1の部分18aないし第3の部分18cは、平面視コ字状に折り曲げられる。
【0103】
次に、この仕切形成部18を第4側壁形成部14および第5側壁形成部15によって覆うようにするとともに、第2接合部32に接着剤等を塗布し、この第2接合部32を第3側壁形成部13の一方の面(内面)に接合する。同様に、第1底部形成部21側の第3接合部33に、接着剤等を塗布し、この第3接合部33を、第3側壁形成部13に対応している第6底部形成部26に接合する。
【0104】
そして、第1接合部31にも接着剤等を塗布し、この第1接合部31を第1側壁形成部11に接合する。同様に、第8底部形成部28側の第3接合部33に接着剤等を塗布し、第1側壁形成部11に対応する第4底部形成部24に接合する。これにより、第5側壁形成部15と第1側壁形成部11とが第1接合部31を介して繋がれ、第8底部形成部28と第4底部形成部24とが第3接合部33を介して繋がれた状態となる。
【0105】
このように、第1接合部32を介して第1側壁形成部11と第5側壁形成部15とを繋げるとともに、第2接合部32を第3側壁形成部13に接合することで、袋形成用台紙2は、第1側壁形成部11ないし第5側壁形成部15によって筒状(四角筒状)に形成されるとともに、仕切形成部18がこの筒状となされた袋形成用台紙の内側に固定される。
【0106】
次に、第1実施形態と同様に、第1底部形成部21ないし第8底部形成部28を所定の手順で折り曲げ、閉塞部35(図7、図8参照)を形成するとともに、この閉塞部35を介して筒状の袋形成用台紙2の一端部を閉塞することにより、袋1が完成する。なお、この袋1は、第1実施形態と同様に折り畳み自在に構成されることが望ましい。
【0107】
完成した袋は、第1側壁形成部11と、これに繋がった第5側壁形成部とによって、袋の第1側壁3aが構成され、第2側壁形成部12ないし第4側壁形成部14によって、袋1の第2側壁3bないし第4側壁3dが構成される。
【0108】
完成した袋1は、仕切形成部18によって形成された仕切り5が、この袋1の収納空間を仕切る仕切状態と、この仕切状態を解除する解除状態とに状態を変更できるようになる。すなわち、仕切り5が仕切状態にある場合、図15に示すように、この仕切り5(仕切形成部18)の第2の部分18aが、第1側壁3aから第3側壁3cにわたって袋1の収納空間を仕切り、これによって、袋1には、元々の収納空間よりも小さな2つの収納空間ができる。
【0109】
このとき、仕切り5(仕切形成部18)の第1の部分18aは、第3側壁3cの内面に接した状態となる。換言すれば、仕切り5の第1の部分18aは、第2接合部32に対する角度がほぼ0°となるように折り曲げられる。
【0110】
そして、仕切り5(仕切形成部18)の第3の部分18cは、第1側壁3aの内面に接した状態となる。より具体的には、第3の部分18cは、第1側壁3aを構成する第1側壁形成11の内面に接した状態となる。換言すれば、仕切り5の第3の部分18cは、第1側壁3a(第1側壁形成部11)に対する角度がほぼ0°となるように折り曲げられる。
【0111】
このとき、仕切り5の第1の部分18aと第2の部分18bは、ほぼ直角となり、同様に、第3の部分18cと第2の部分18bもほぼ直角となる。
【0112】
この仕切状態から解除状態へと仕切り5の状態を変更したとき、図14に示すように、仕切り5の第1の部分18aは、第2接合部32に対する角度がほぼ180°となった状態で、第3側壁3cの内面に接した状態となる。また、仕切り5の第2の部分18bは、第4側壁3dの内面に接した状態となる。また、仕切り5の第3の部分18cは、第1側壁3aのうち、第1側壁形成部11に相当する部分に対する角度がほぼ180°となった状態で、第1側壁3aの内面に接した状態となる。より具体的には、この第3の部分18cは、第1側壁3aのうち、第5側壁形成部15に相当する部分の内面に接触した状態となる。
【0113】
このとき、仕切り5の第1の部分18aと第2の部分18bはほぼ直角となり、同様に、第3の部分18cと第2の部分18bとほぼ直角となる。
【0114】
仕切り5が仕切状態と解除状態とに状態を変更する際の作用を説明する。仕切り5を解除状態から仕切状態に変更する場合、第4側壁4dに接している仕切り5の第2の部分18bを、この第4側壁4dから離れるように移動させる。このとき、第2の部分18bに繋がっている第1の部分18aおよび第3の部分18cもそれぞれ第1側壁3a、第3側壁3cから離れる。そして、仕切り5の第1の部分18aは、第2接合部32との間の第4境界線Dの位置を基点として、第2接合部32との角度がほぼ0°となるように、すなわち、この第2接合部32に接するように回動する。
【0115】
第3の部分18cは、第1側壁3aのうち、第1側壁形成部11に相当する部分との間の第3境界線Cの位置を基点として、この第1側壁形成部11との角度がほぼ0°となるように、すなわち、この第1側壁形成部11に接するように回動する。
【0116】
このように、仕切り5の第1の部分18aおよび第3の部分18cを回動させることによって、これらと繋がる第2の部分18bは、袋1の中央付近に移動する。なお、袋1は紙製であるので、この第2の部分18bの移動に際して、この第2の部分18bが移動し易いように、第1の部分18aないし第3の部分18cは適宜変形する。
【0117】
仕切り5の第1の部分18aが第2接合部32および第3側壁3cに接触し、第3の部分18cが第1側壁3aの第1側壁形成部11の部分に接触し、これらと第2の部分18bがほぼ直角を為す位置にきたとき、仕切り5は仕切状態となる。
【0118】
仕切り5を仕切状態から解除状態に変更する場合には、第1の部分18aが第2接合部32とほぼ180°をなすように回動させ、第3の部分18cが第1側壁3aの第1側壁形成部11の部分とほぼ180°をなすように回動させる。そして、第2の部分18bを第4側壁4dの内面に接触させるように移動させる。
【0119】
なお、本実施形態では、仕切り5(仕切形成部18)の第2の部分18bが、袋1の側壁間にわたって収納空間を仕切る仕切部となっており、第1の部分18aおよび第3の部分18cが第1の部分18bを支持する支持部となっている。すなわち、本実施形態では、仕切り5に、1つの仕切部と、2つの支持部が設けられている。
【0120】
本実施形態におけるその他の構成は、第1実施形態と同様であり、本実施形態が第1実施形態と共通する部分には共通符号を付してその説明を割愛する。本実施形態においても、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0121】
図16〜図18は、本発明の第5実施形態を示している。本実施形態に係る袋形成用台紙2は、5つの側壁形成部(以下、それぞれを、「第1側壁形成部」ないし「第5側壁形成部」という)11〜15と、7つの底部形成部(以下、それぞれを、「第1底部形成部」ないし「第7底部形成部」という)21〜27と、仕切形成部18とを有する。
【0122】
本実施形態では、第4実施形態と同様に、第5側壁形成部15の幅方向の一端部に第1接合部31が形成されており、仕切形成部18の幅方向の一端部に、第2接合部32が形成されている。また、本実施形態に係る袋形成用台紙2は、第1底部形成部21の幅方向の一端部、および第7底部形成部の幅方向の一端部に、第3接合部33が形成されている。
【0123】
仕切形成部18は、第1実施形態と同様に、第1の部分18aおよび第2の部分18bを有する。仕切形成部18の第1の部分18aには第2接合部32が繋がって形成されており、第2の部分18bは、第1側壁形成部11と繋がって形成されている。
【0124】
また、本実施形態では、この仕切形成部18の第1の部分18aに第1底部形成部21が対応して設けられ、第2の部分18bに第2底部形成部22が対応して設けられている。そして、第1側壁形成部11ないし第5側壁形成部15のそれぞれには、第3底部形成部23ないし第7底部形成部27が対応して形成されている。
【0125】
また、袋形成用台紙2には、各側壁形成部11〜15同士を区切る第1境界線A、第5側壁形成部15と第1接合部31とを区切る第2境界線B、第1側壁形成部11と仕切形成部18(第2の部分18b)を区切る第3境界線C、仕切形成部18の第1の部分18aと第2接合部32とを区切る第4境界線D、仕切形成部18の第1の部分18aと第2の部分18bとを区切る第5境界線E、第1接合部31、第2接合部32と、第3接合部33とを区切る第6境界線F、第1底部形成部21、第7底部形成部27と、第3接合部33とを区切る第7境界線G、各底部形成部21〜27同士を区切る第8境界線H、第1側壁形成部11ないし第5側壁形成部15、これらに対応する第3底部形成部23ないし第7底部形成部27とを区切る第9境界線I、仕切形成部18の第1の部分18a、第2の部分18b、これらに対応する第1底部形成部21、第2底部形成部22とを区切る第10境界線J、が形成されている。
【0126】
また、袋形成用台紙2には、仕切形成部18の第1の部分18aおよび第2の部分18bを、これらに対応する第1底部形成部21、第2底部形成部22から分離すべく、その間の第10境界線Jに沿って切れ込み6が形成されている。
【0127】
以下、本実施形態に係る袋形成用台紙2を用いて袋1を形成する方法を説明する。
【0128】
まず、第4実施形態と同様に、袋形成用台紙2の第1側壁形成部11と第2側壁形成部12とがほぼ直角となるように、その間の第1境界線Aの位置で袋形成用台紙2を折り曲げる。そして、第2側壁形成部12と第3側壁形成部13とがほぼ直角となるように、その間の第1境界線Aの位置で折り曲げる。これにより、第1側壁形成部11ないし第3側壁形成部13の部分が平面視でコ字状に構成される。
【0129】
次に、第4側壁形成部14と第5側壁形成部15とがほぼ直角となるように、その間の第1境界線Aの位置で袋形成用台紙2を折り曲げる。
【0130】
次に、仕切形成部18の第1の部分18aと第2の部分18bとがほぼ直角となるように、その間の第5境界線Eの位置で仕切形成部18を折り曲げる。そして、第1の部分18aに繋がっている第2接合部32に接着剤等を塗布するとともに、この第2接合部32を第4側壁形成部14の一方の面(内面)に接合する。これにより、仕切形成部18は、第1側壁形成部11と第4側壁形成部14とに繋がった状態になる。同様に、第1の部分18aに対応している第1底部形成部21側の第3接合部33に接着剤等を塗布するとともに、この第3接合部33を第4側壁形成部14に対応する第6底部形成部26の一方の面(内面)に接合する。
【0131】
そして、第5側壁形成部15を仕切形成部18の第2の部分18bに重ねるようにし、第1接合部31に接着剤等を塗布するとともに、この第1接合31を第1側壁形成部11に接合する。同様に、第7底部形成部27側の第3接合部33に接着剤等を塗布するとともに、この第3接合部33を第1側壁形成部11に対応している第3底部形成部23に接合する。これにより、第1側壁形成部11と第5側壁形成部15とが第1接合部31を介して繋がり、第3底部形成部23と第7底部形成部27とが第3接合部33を介して繋がった状態となり、袋形成用台紙2は、筒状(四角筒状)に構成されることになる。
【0132】
次に、第1実施形態と同様に、第1底部形成部21ないし第8底部形成部28を所定の手順で折り曲げ、閉塞部35(図7、図8参照)を形成するとともに、この閉塞部35を介して筒状の袋形成用台紙2の一端部を閉塞することにより、袋1が完成する。なお、この袋1は、第1実施形態と同様に折り畳み自在に構成されることが望ましい。完成した袋1は、第1側壁形成部11と、これに繋がった第5側壁形成部とによって、袋の第1側壁3aが構成され、第2側壁形成部12ないし第4側壁形成部14によって、袋1の第2側壁3bないし第4側壁3dが構成される。
【0133】
完成した袋1は、仕切形成部18によって形成された仕切り5が、この袋1の収納空間を仕切る仕切状態と、この仕切状態を解除する解除状態とに状態を変更できるようになる。すなわち、仕切り5が仕切状態にある場合、図18に示すように、仕切り5の第1の部分18aと第2の部分18bとがほぼ直角を為した状態で、第1側壁3aと第4側壁3dの側壁間にわたって、袋1の収納空間を仕切り、この袋1内には、大きな収納空間とこの収納空間よりも小さな収納空間の2つの収納空間が形成される。具体的には、袋1の第1側壁3aのうち、第1側壁形成部11に相当する部分と、第2側壁3bと、第3側壁3cと、第4側壁4dの一部と、仕切り5によって、大きな収納空間が形成され、第1側壁3aのうち、第5側壁形成部15に相当する部分と、第4側壁4dの一部と、仕切り5によって小さな収納空間が形成される。
【0134】
上述した第1の実施形態では、仕切り5がほぼ平行で互いに対向する第1側壁3aと第3側壁3cとの側壁間で収納空間を仕切るものであったが、本実施形態では、ほぼ直角を為す第1側壁3aと第4側壁3dとの側壁間にわたって収納空間を仕切ることができる。
【0135】
また、上述した第1実施形態では、仕切り5に1つの仕切部(第1の部分18a)と、1つの支持部(第2の部分18b)が設けられていたが、本実施形態では、第1の部分18aと第2の部分18bの両方が、収納空間を仕切る仕切部となっている。すなわち、本実施形態では、仕切り5に2つの仕切部が設けられている。そして、本実施形態における仕切り5には、第1実施形態のような仕切部を支持する支持部が設けられていない。
【0136】
本実施形態におけるその他の構成は、第1実施形態と同様であり、本実施形態が第1実施形態と共通する部分には共通符号を付してその説明を割愛する。本実施形態においても、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0137】
図19は、本発明の第6実施形態を示している。本実施形態は、上述した第1実施形態ないし第5実施形態に係る袋1について、さらなる機能を付加するものである。本実施形態に係る袋1には、上述した仕切り5(図示略)の他に、収納空間に収納された物品を支持する支持手段45が設けられている。支持手段45には、図19(a)に示すように、袋形成用台紙2とは別体とされた紙部材が用いられる。
【0138】
この支持手段45は、袋形成用台紙2の側壁形成部11〜14に接合される接合部46と、収納物品を支持する支持部47とを有する。接合部46と支持部47との間には、これらを区切る境界線Xが設けられており、支持部47は、接合部46が側壁形成部に接合した状態において、この境界線Xの位置を基点として、上下動可能に構成され、袋1の側壁3の内面に沿う待機状態(図19(b)において実線で示す状態)と、側壁3の内面から突出して収納物品を支持可能な使用状態(図19(b)において二点差線で示す状態)とに、状態を変更できるようになっている。
【0139】
この支持部47の中途部には、収納物品を挿通可能な挿通孔48が貫通形成されている。この挿通孔48は円形に形成されているが、この形状に限定されず、四角形状、楕円状その他の種々の形状に形成され得る。
【0140】
この支持部47は、袋1の側壁3の内面に接合された接合部46に対して、角度変更可能に構成されている。この支持部47は、図19(b)において二点鎖線で示すように、ほぼ水平方向を向いた使用状態において、挿通孔48に収納物品が挿通されることにより、収納物品が倒れないように支持できるようになっている。この支持部47によって支持される収納物品としては、例えば、液体が入った瓶、缶、コップのようなものや、長尺状に構成されたもの等がある。支持部47は、水平方向を向いた状態に限らず、この方向からずれた方向に突出した状態においても収納物品を支持することができる。
【0141】
このように、本実施形態では、袋1の収納空間を仕切り5によって仕切る仕切状態とすることによって、複数の収納物品を分けて収納し、この仕切状態を解除することによって、大きな物品をも収納できるようになるだけでなく、さらに支持手段45を介して収納物品が倒れないように支持することができ、この点で特に有用なものになる。
【0142】
なお、本発明は上記の実施形態に限らず、種々の変更・変形が可能である。
【0143】
例えば、側壁形成部11〜14に、袋1の使用者の指が入る程度の大きさの孔(開口部)を形成しておき、袋1を形成したときに、この孔に指をかけて把持部とする構成を採用してもよい。これによって、袋1に収納物を収納した場合に、この袋1の保持が容易になり、しかも、側壁形成部11〜14に予め所定の大きさの孔を形成しておくだけで、袋1が形成されたときに自動的に把持部が構成されることになり、袋1に把持部(取っ手)を事後的に設けるといった手間を省くことができ、この点で特に有用である。勿論、本発明では、袋1が形成された後に把持部を設けるようにすることを除外するものではない。
【0144】
上記の実施形態では、袋形成用台紙2の材質として紙を用いたものを例示したが、これに限らず、布その他の材質の袋形成用台紙2を用いることも可能である。例えば袋形成用台紙2を布で構成した場合には、各接合部の接合は、縫い糸による縫合によってなされてもよい。すなわち、本発明において、「接合」とは、複数の部分を重ね合わせる等して、その部分を接着剤、両面テープ等による接着や、縫合等の手段(接合手段)を用いて一体に固定することをいう。
【0145】
上記の実施形態では、袋形成用台紙2によって形成された袋1は、折り畳み自在となったものを例示したが、本発明は、これに限らず、折り畳み自在となっていない袋1についても適用可能である。
【0146】
上記の実施形態において例示した境界線(第1境界線Aないし第11境界線K)は、所定のインクで直線的に印刷されたものでもよく、また、例えば、複数の側壁形成部11〜14のそれぞれに異なる色を付け、この色の違いによって生じる境界を境界線(第1境界線A)として用いてもよい。また、例えば、側壁形成部11〜14と底部形成部21〜26とを分ける折り目を付けておき、この折り目を境界線(第9境界線I)として用いてもよい。また、これらの境界線には、実際に袋形成用台紙2に表されるもの以外にも、例えば、袋の製造機械によって自動的に製造される場合に、この製造工程を管理するコンピュータにおいて仮想的に引かれるものも含まれる。
【0147】
上記の第3実施形態では、第1仕切形成部41と第2仕切形成部42とを連結する第4接合部34の幅(幅方向の長さ)が、第1仕切形成部41の第1の部分41a、第2の部分41b、第2仕切形成部42の第1の部分42a、第2の部分42bの幅とほぼ等しくされた例を示したが、これに限定されない。
【0148】
例えば、第4接合部34の幅を第1の部分41aまたは第2の部分41bの幅よりも、大きくした場合には、第1仕切り5aと第2仕切り5bが仕切状態にあるときの、これらの間隔を大きくすることができる。また、第4接合部34の幅を仕切形成部41,42の第1の部分41a,42a、または第2の部分41b,42bの幅よりも小さくした場合には、第1仕切り5aと第2仕切り5bが仕切状態にあるときの、これらの離間間隔を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0149】
【図1】第1実施形態に係る袋を示す斜視図である。
【図2】袋形成用台紙の正面図である。
【図3】仕切りが解除状態にある袋の平面図である。
【図4】仕切りが仕切状態にある袋の平面図である。
【図5】筒状に構成される袋形成用台紙の斜視図である。
【図6】袋の底部形成過程における袋形成用台紙の斜視図である。
【図7】袋の底部形成過程における袋形成用台紙の斜視図である。
【図8】底部が形成されたときの袋の斜視図である。
【図9】第2実施形態に係る袋形成用台紙の正面図である。
【図10】第3実施形態に係る袋形成用台紙の正面図である。
【図11】仕切りが解除状態にある袋の平面図である。
【図12】仕切りが仕切状態にある袋の平面図である。
【図13】第4実施形態に係る袋形成用台紙の正面図である。
【図14】仕切が解除状態にある袋の平面図である。
【図15】仕切が仕切状態にある袋の平面図である。
【図16】第5実施形態に係る袋形成用台紙の正面図である。
【図17】仕切が解除状態にある袋の平面図である。
【図18】仕切が仕切状態にある袋の平面図である。
【図19】第6実施形態に係る袋を示し、(a)は、その要部の平面図、(b)は、その要部の側面断面図である。
【符号の説明】
【0150】
1…袋、2…袋形成用台紙、3(3a〜3d)…側壁(第1側壁〜第4側壁)、4…底部、5(5a,5b)…仕切り(第1仕切り、第2仕切り)、6…切れ込み、8…切れ込み、11…第1側壁形成部、12…第2側壁形成部、13…第3側壁形成部、14…第4側壁形成部、15…第5側壁形成部、18…仕切形成部、18a…第1の部分,18b…第2の部分、18c…第3の部分、21…第1底部形成部、22…第2底部形成部、23…第3底部形成部、24…第4底部形成部、25…第5底部形成部、26…第6底部形成部、27…第7底部形成部、28…第8底部形成部、29…第9底部形成部、31…第1接合部、32…第2接合部、33…第3接合部、34…第4接合部、35…閉塞部、11…第1仕切形成部、41a…第1の部分、41b…第2の部分、42…第2仕切形成部、42a…第1の部分、42b…第2の部分、45…支持手段、46…接合部、47…支持部、48…挿通孔、A…第1境界線、B…第2境界線、C…第3境界線、D…第4境界線、E…第5境界線、F…第6境界線、G…第7境界線、H…第8境界線、I…第9境界線、J…第10境界線、K…第11境界線、X…境界線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納物を収納するための収納空間が側壁に囲まれて構成されるとともに、この収納空間を仕切る仕切りが側壁間に形成された袋であって、
前記仕切りは、収納空間を仕切る仕切状態と、この仕切状態を解除した解除状態とに状態を変更可能に構成されてなることを特徴とする袋。
【請求項2】
収納物を収納するための収納空間が側壁に囲まれて構成されるとともに、この収納空間を仕切る仕切りが側壁間に形成され、この仕切りが、収納空間を仕切る仕切状態と、この仕切状態を解除した解除状態とに状態を変更可能に構成されてなる袋を製造する袋の製造方法であって、
袋の側壁を形成するための複数の側壁形成部と、袋の底部を形成するための複数の底部形成部と、仕切りを形成するための仕切り形成部とを備えた袋形成用台紙を、各側壁形成部および各底部形成部ごとに折り曲げ、所定位置で接合することによって袋を形成することを特徴とする袋の製造方法。
【請求項1】
収納物を収納するための収納空間が側壁に囲まれて構成されるとともに、この収納空間を仕切る仕切りが側壁間に形成された袋であって、
前記仕切りは、収納空間を仕切る仕切状態と、この仕切状態を解除した解除状態とに状態を変更可能に構成されてなることを特徴とする袋。
【請求項2】
収納物を収納するための収納空間が側壁に囲まれて構成されるとともに、この収納空間を仕切る仕切りが側壁間に形成され、この仕切りが、収納空間を仕切る仕切状態と、この仕切状態を解除した解除状態とに状態を変更可能に構成されてなる袋を製造する袋の製造方法であって、
袋の側壁を形成するための複数の側壁形成部と、袋の底部を形成するための複数の底部形成部と、仕切りを形成するための仕切り形成部とを備えた袋形成用台紙を、各側壁形成部および各底部形成部ごとに折り曲げ、所定位置で接合することによって袋を形成することを特徴とする袋の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2010−18311(P2010−18311A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−180121(P2008−180121)
【出願日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願人】(506012741)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願人】(506012741)
【Fターム(参考)】
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