説明

被記録材支持装置、記録装置

【課題】 被記録材支持装置の各突条部の配置及び間隔の自由度を高めること、並びに縁なし記録を実行可能な記録装置において、被記録材の裏汚れが生じてしまう虞を低減させることである。
【解決手段】 はがきサイズ又はKGサイズの記録紙Pの右端位置に対応させて右エッジガイド73を符号Aで示した方向へ移動させると、右エッジガイド73の下端部731が回動レバー21の先端を押動し、回動レバー21が符号Bで示した方向へ回動する。回動レバー21と歯車係合している軸体22が符号Cで示した方向へ回転し、右可動リブ534は、向かって左隣にある突条部531に近接する方向(符号Dで示した方向)へ変位する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被記録材の搬送方向に沿って形成される複数の突条部が搬送方向と交差する方向へ離間して並設され、突条部の頂部で当該被記録材を支持する被記録材支持装置、該被記録材支持装置を備えた記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェットプリンタ等の記録装置においては、被記録材の搬送方向に沿って形成される複数の突条部(プラテンリブ等)が搬送方向と交差する方向へ離間して並設され、その突条部の頂部で当該被記録材を支持する、いわゆるプラテン等の被記録材支持装置を備えた記録装置が公知である(例えば、特許文献1を参照)。記録装置において、このような構成の被記録材支持装置を採用する主な目的としては、以下の2つの目的を挙げることができる。
【0003】
第1の目的は、記録紙等の被記録材の記録面にインク等が噴射されることで生ずる、いわゆるコックリングと呼ばれる被記録材の波打ち変形に起因して、被記録材の記録面が浮き上がって記録ヘッド等のインク噴射手段に接触する虞を低減させることである。つまり、コックリングによる被記録材の波打ち変形の凹凸形状に合わせて突条部を適切に配置することによって、波打ち変形の凸部分の裏側を突条部で支持することができ、波打ち変形の凹部分を突条部間に逃がすことができる。それによって、波打ち変形による被記録材の浮き上がりを抑制することができるので、被記録材の記録面が記録ヘッド等のインク噴射手段に接触する虞を低減させることができる。
【0004】
また、第2の目的は、被記録材に余白なく記録を実行する縁なし記録を実行する際に被記録材の外側に打ち捨てられたインクが被記録材の裏面に付着してしまう、いわゆる被記録材の裏汚れを防止することである。被記録材に余白なくインクを噴射するためには、被記録材のスキューや搬送誤差、寸法誤差等を考慮して、被記録材より充分大きなインク噴射領域を設定し、被記録材の外側へもインクを噴射しながら記録を実行する必要がある。このとき、記録装置の外側へ噴射されるインクが当該被記録材を支持している突条部と当該被記録材の外側にある突条部との間に打ち捨てられるようにする。それによって、被記録材を裏面側から摺接支持する部分にインクが噴射されてしまうことを防止することができるので、被記録材の外側に打ち捨てられたインクが被記録材の裏面に付着してしまうことを防止することができる(例えば、特許文献1を参照)。
【0005】
このような被記録材支持装置(プラテン等)に関する従来技術の一例としては、以下のものが公知である。
例えば、被記録材の両面に記録を実行可能な記録装置において、複数の突条部を有するプラテン全体を被記録材の搬送方向と交差する方向へ移動する移動手段を設けた記録装置が公知である。表面記録時にコックリングにより生じた被記録材の波打ち変形の凹凸は、裏面記録時には凹凸が反転するため、そのままでは突条部の頂部に波打ち変形の凹部分の裏側が接した状態で被記録材が浮き上がってしまう虞が生ずる。当該従来技術は、裏面記録実行時には、プラテン全体を突条部間隔の半分の距離だけ、被記録材の搬送方向と交差する方向移動させる。それによって、裏面記録実行時にも突条部の頂部に波打ち変形の凸部の裏側が接した状態となるため、裏面記録実行時の被記録材の浮き上がりを防止することができる、というものである(例えば、特許文献2を参照)。
【0006】
また、同様にプラテン全体を被記録材の搬送方向と交差する方向へ移動させる従来技術としては、被記録材にインクを噴射する多数のノズルを有する記録ヘッドに対して、そのノズル間隔の半分の間隔だけプラテン全体を微少移動させる微動機構を備えた記録装置が公知である。このような微動機構を設けることによって、本来のノズル間隔に対応した解像度よりも高解像度の画像記録を実現することができる、というものである(例えば、特許文献3を参照)。
【0007】
さらに、被記録材支持装置(プラテン等)に関する他の従来技術としては、全ての突条部を一斉に上下動させる手段を備えた記録装置が公知である。当該記録装置は、被記録材に対してインク噴射後、被記録材を搬送方向へ搬送する間のみプラテンリブが被記録材の裏面から離間する方向へ退避移動するので、搬送中の被記録材にプラテンリブが接触しない。それによって、被記録材とプラテンリブとの摺接面に発生する摩擦音を低減することができるとともに、プラテンリブの摩耗を防止することができる、というものである(例えば、特許文献4を参照)。
【特許文献1】特開2004−322635号公報
【特許文献2】特開2006−192838号公報
【特許文献3】特開2007−130777号公報
【特許文献4】特開2007−144723号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
コックリングによる被記録材の波打ち変形による被記録材の浮き上がりを効果的に防止するためには(第1の目的)、被記録材支持装置において、その記録装置で使用可能なサイズの被記録材の全てにそれぞれ対応可能なように、各突条部の配置及び間隔を適切に設定する必要がある。すなわち、各突条部の配置及び間隔は、その記録装置で使用可能なサイズの被記録材の種類等に応じて必然的に定まってしまう部分が多く、その自由度は低い。そして、近年は、記録装置で使用可能な被記録材として多種多様なサイズの被記録材が存在する。そのため、被記録材支持装置における各突条部の配置及び間隔の自由度は、ますます低くなる傾向となる。
【0009】
また、前記の通り、被記録材に余白なくインクを噴射するためには、被記録材より大きなインク噴射領域を設定して、被記録材の外側へもインクを噴射しながら記録を実行する必要がある。このとき、あるサイズの被記録材のインク噴射領域内に、そのサイズより一回り大きなサイズの被記録材に対応する突条部が配置されていると、その突条部の頂部にインクが噴射されてしまうことになる。つまり、いわゆる被記録材の裏汚れを防止するという目的(第2の目的)が達成できないことになってしまう。
【0010】
そして、特にデジタル写真プリント等に使用される比較的小さいサイズの被記録材(L判サイズ、はがきサイズ、KGサイズ等)においては、異なるサイズの被記録材の寸法差が比較的小さい。そのため、あるサイズの被記録材に縁なし記録を実行するときのインク噴射領域と、そのサイズより一回り大きなサイズの被記録材に対応する突条部との干渉が生じやすくなる。また、あるサイズの被記録材に縁なし記録を実行するときのインク噴射領域に干渉しないように突条部を配置すると、今度は、そのサイズより一回り大きなサイズの被記録材をその突条部で適切に支持することができなくなる虞がある。それによって、その被記録材の一部が突条部間に垂れ下がり、その被記録材の裏面が突条部間に打ち捨てられたインクに接触して裏汚れが生じてしまうことになる。
【0011】
このようなことから、特に近年の多種多様なサイズの被記録材を使用可能な記録装置においては、被記録材の裏汚れが生じやすくなる傾向にあるという課題があった。また、このような課題は、前記の従来技術のいずれにおいても解決することはできない。
【0012】
本発明は、このような状況に鑑み成されたものであり、その課題は、被記録材支持装置の各突条部の配置及び間隔の自由度を高めること、並びに縁なし記録を実行可能な記録装置において、被記録材の裏汚れが生じてしまう虞を低減させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を達成するため、本発明の第1の態様は、被記録材の搬送方向に沿って形成される複数の突条部が前記搬送方向と交差する方向へ離間して並設され、前記突条部の頂部で当該被記録材を支持する被記録材支持装置であって、少なくとも複数の前記突条部のいずれか一の突条部は、前記搬送方向と交差する方向へ変位可能に配設されている可動突条部である、ことを特徴とした被記録材支持装置である。
【0014】
このように、被記録材の搬送方向と交差する方向へ変位可能に配設されている可動突条部を設けることによって、被記録材支持装置に支持される被記録材のサイズに応じて、被記録材の搬送方向と交差する方向における突条部の配置及び間隔を変更することができる。したがって、この被記録材支持装置を備えた記録装置においては、異なる被記録材のサイズごとに、被記録材の搬送方向と交差する方向における理想的な突条部の配置及び間隔を実現することが可能になる。すなわち、被記録材の搬送方向と交差する方向へ変位可能に配設されている可動突条部を設けることによって、被記録材支持装置の各突条部の配置及び間隔の自由度を高めることができる。
【0015】
また、例えば、あるサイズの被記録材に縁なし記録を実行する時のインク噴射領域と、そのサイズより一回り大きなサイズの被記録材に対応する突条部とが干渉してしまう場合には、その突条部を可動突条部とすれば良い。それによって、あるサイズの被記録材に縁なし記録を実行する時には、その突条部を本来の位置より外方へ変位させておけば、インク噴射領域とその突条部との干渉を容易かつ確実に回避することができる。したがって、その突条部の頂部にインクが噴射されてしまうことを確実に回避することができるので、突条部の頂部に噴射されたインクにより被記録材の裏汚れが生じてしまうことを未然に防止することができる。
【0016】
そして、そのサイズより一回り大きなサイズの被記録材に記録を実行する時には、その突条部を本来の位置へ変位させておけば、本来の理想的な突条部の配置及び間隔で被記録材を支持しながら記録を実行することができる。したがって、被記録材の一部が突条部間に垂れ下がり、その被記録材の裏面が突条部間に打ち捨てられたインクに接触して裏汚れが生じてしまうことを確実に防止することができる。
【0017】
これにより、本発明の第1の態様に記載の被記録材支持装置によれば、被記録材支持装置の各突条部の配置及び間隔の自由度を高めることができるという作用効果が得られる。また、本発明の第1の態様に記載の被記録材支持装置によれば、縁なし記録を実行可能な記録装置において、被記録材の裏汚れが生じてしまう虞を低減させることができるという作用効果が得られる。
【0018】
本発明の第2の態様は、前述した第1の態様に記載の被記録材支持装置において、前記突条部及び前記可動突条部の周囲にインク吸収材が配設されており、前記可動突条部は、当該可動突条部の側部で前記インク吸収材を変形させつつ当該可動突条部の頂部が前記搬送方向と交差する方向へ変位するように支持されている、ことを特徴とした被記録材支持装置である。
【0019】
縁なし記録実行時には、突条部間にインクが打ち捨てられながら記録が実行される。したがって、突条部及び可動突条部の周囲にインク吸収材を配設することによって、打ち捨てられたインクが突条部間に堆積されることを防止することができる。それによって、縁なし記録実行時に突条部間に打ち捨てられたインクが被記録材の裏側に付着して裏汚れが生じてしまう虞を低減させることができる。
【0020】
そして、可動突条部は、当該可動突条部の側部でインク吸収材を変形させつつ変位するので、可動突条部の側部とインク吸収材との間に隙間がほとんど生じないようにすることができる。それによって、突条部間に打ち捨てられたインクの一部がインク吸収材と可動突条部との間の隙間から記録装置内部へ漏れ出てしまう虞を低減させることができる。
【0021】
本発明の第3の態様は、前述した第1の態様又は第2の態様に記載の被記録材支持装置と、前記被記録材支持装置に支持されている被記録材の記録面にインクを噴射するインク噴射手段と、前記被記録材支持装置に支持されている被記録材を前記搬送方向へ搬送する搬送手段と、を備えた記録装置である。
本発明の第3の態様に記載の記録装置によれば、被記録材支持装置に支持されている被記録材の記録面にインクを噴射するインク噴射手段と、被記録材支持装置に支持されている被記録材を搬送方向へ搬送する搬送手段とを備えた記録装置において、前述した第1の態様又は第2の態様に記載の発明による作用効果を得ることができる。
【0022】
本発明の第4の態様は、前述した第3の態様に記載の記録装置において、前記可動突条部を変位させる変位手段を備えている、ことを特徴とした記録装置である。
可動突条部を変位させる変位手段を設けることによって、ユーザが可動突条部を手で直接操作することなく可動突条部を変位させることが可能になる。
【0023】
本発明の第5の態様は、前述した第4の態様に記載の記録装置において、前記変位手段は、弾性を有する軸体を回動させることで前記可動突条部が変位する、ことを特徴とした記録装置である。
【0024】
このように、可動突条部と変位手段とを弾性を有する軸体を介して係合させることによって、記録装置に対する変位手段の組み付け誤差やガタつき等をその軸体の弾性変形で吸収することが可能になる。それによって、記録装置に対する変位手段の組み付け誤差やガタつき等により可動突条部の位置精度が低下してしまうことを防止することができる。また、変位手段において可動突条部の可動幅を超える動作が生じても、軸体の弾性変形によりある程度吸収することができるので、変位手段又は可動突条部に部品の破損や脱落等が生じてしまう虞を低減させることができる。
【0025】
本発明の第6の態様は、前述した第4の態様又は第5の態様に記載の記録装置において、被記録材を前記搬送手段へ給送する給送装置を備え、前記給送装置は、載置面に載置された給送されるべき被記録材の前記搬送方向と交差する方向の両端位置を規制する規制手段を有し、前記載置面に載置された給送されるべき被記録材の大きさに応じて、前記規制手段が前記変位手段と係合して前記可動突条部が変位する、ことを特徴とした記録装置である。
【0026】
このように、可動突条部は、載置面に載置された給送されるべき被記録材の大きさに応じて規制手段が変位手段と係合することにより変位する。すなわち、本発明の第6の態様に記載の記録装置は、載置面に載置された給送されるべき被記録材の大きさに応じて規制手段をユーザが操作することによって、その規制手段の操作に連動して変位手段が動作し、その被記録材の理想的な突条部の配置及び間隔が自動的に設定されることになる。したがって、可動突条部を変位させる手動操作をユーザが失念してしまったり誤った操作をしてしまったりすることを未然に防止することができるので、縁なし記録において被記録材の裏汚れが生じてしまう虞を確実に低減させることができる。
【0027】
本発明の第7の態様は、前述した第3〜第6の態様のいずれかに記載の記録装置において、前記可動突条部は、前記被記録材支持装置に支持されて前記搬送方向へ搬送される被記録材に対して、第1の大きさの被記録材に余白なくインクを噴射する際のインク噴射領域の外側に退避する第1変位位置と、前記第1の大きさの被記録材より大きい第2の大きさの被記録材を支持可能な第2変位位置とをとり得る、ことを特徴とした記録装置である。
【0028】
可動突条部の変位位置を第1変位位置とすることによって、第1の大きさの被記録材に縁なし記録を実行する際のインク噴射領域の外側に、可動突条部を退避させることができる。それによって、第1の大きさの被記録材に縁なし記録を実行する際には、その可動突条部の頂部にインクが噴射されてしまうことを確実に回避することができる。したがって、第1の大きさの被記録材に縁なし記録を実行した後、第2の大きさの被記録材に記録を実行する際に、その第2の大きさの被記録材に裏汚れが生じてしまうことを未然に防止することができる。
【0029】
また、可動突条部の変位位置を第2変位位置とすることによって、第2の大きさの被記録材を支持可能な位置へ可動突条部を配置することができる。すなわち、第2の大きさの被記録材を支持する上で理想的な位置に、可動突条部を配置することが可能になる。それによって、第2の大きさの被記録材への記録実行中に、その第2の大きさの被記録材の一部が突条部間に垂れ下がってしまうことを確実に防止することができる。すなわち、縁なし記録実行時にその突条部間に打ち捨てられたインクが被記録材の裏面に接触して付着してしまうことを確実に防止することができる。したがって、第2の大きさの被記録材に記録を実行しているときに、その第2の大きさの被記録材に裏汚れが生じてしまうことを未然に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0031】
<インクジェットプリンタの概略構成>
まず、本発明に係る「記録装置」としてのインクジェットプリンタ50の概略構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。
図1は、インクジェットプリンタ50の要部斜視図である。図2は、インクジェットプリンタ50の側断面図である。
【0032】
インクジェットプリンタ50は、「被記録材支持装置」としてのプラテン53に支持されている「被記録材」としての記録紙Pを搬送方向Yへ搬送する「搬送手段」として、搬送駆動ローラ51、搬送従動ローラ52、排出駆動ローラ54及び排出従動ローラ55を備えている。また、インクジェットプリンタ50は、プラテン53に支持されている記録紙Pの記録面にインクを噴射する「インク噴射手段」として、記録ヘッド63を備えている。さらに、インクジェットプリンタ50は、記録紙Pを「搬送手段」へ給送する「給送手段」としての自動給送装置70を備えている。
【0033】
自動給送装置70は、ホッパ71、左エッジガイド72、右エッジガイド73、給送用ローラ74及び分離パッド75を備えている。ホッパ71の載置面711には、給送する記録紙Pが載置される。ホッパ71は、給送用ローラ74の回転に連動して動作する揺動機構(図示せず)により、給送用ローラ74へ向けて揺動する。それによって、載置面711に載置されている記録紙Pを給送用ローラ74の外周面に付勢して係合させることができる。
【0034】
また、ホッパ71には、対をなす対称構造の「規制手段」としての左エッジガイド72及び右エッジガイド73が記録紙Pの幅方向X(搬送方向Yと交差する方向)へスライド変位可能に配設されている。そして、自動給送装置70は、左エッジガイド72又は右エッジガイド73のいずれか一方の移動に対して他方を相反する方向へ同じ移動量で移動させる、図示していない連動機構を備えている。つまり、自動給紙装置70は、左エッジガイド72又は右エッジガイド73のいずれか一方を操作することによって、左エッジガイド72と右エッジガイド73との間隔を載置面711に載置する記録紙Pの大きさに応じて調節することができ、かつ載置面711に載置される記録紙Pの大きさにかかわらず、常に幅方向Xの記録紙Pの中心位置が所定位置となるように、載置面711に載置された記録紙Pの幅方向Xの両端位置を規制することができる。
【0035】
給送用ローラ74は、給送用ローラ軸741に一体的に配設されており、給送用モータ76の回転力で給送用ローラ軸741が回転することによって回転する。分離パッド75は、公知の分離手段である。給送用ローラ74の外周面と分離パッド75とで挟持された複数の記録紙Pは、分離パッド75の分離面の摩擦抵抗によって、給送用ローラ74の外周面に接している記録紙Pが他の記録紙Pから分離される。そして、最上位の記録紙Pは、給送用ローラ74の回転により、搬送駆動ローラ51と搬送従動ローラ52との当接面へ向けて給送される。
【0036】
搬送駆動ローラ51は、表面に高摩擦被膜が施されており、図示していない搬送用モータの駆動力が伝達されて搬送方向Yへ回転する。搬送従動ローラ52は、従動ローラホルダ521に軸支されており、図示していない付勢手段によって搬送駆動ローラ52の外周面に付勢されている。自動給送装置70により給送された記録紙Pは、搬送駆動ローラ51と搬送従動ローラ52とで挟持され、搬送駆動ローラ51の駆動回転により搬送方向Yへ所定の搬送量でプラテン53上を搬送される。
【0037】
記録ヘッド63は、キャリッジ62の底部に配設されている。記録ヘッド63のヘッド面には、インクを噴射するための多数の噴射ノズルが配設されている。キャリッジ62は、記録ヘッド63のヘッド面とプラテン53上の記録紙Pの記録面とが略平行となる状態を維持しつつ記録紙Pの幅方向Xへ往復動可能に、キャリッジガイド軸61に支持されている。
【0038】
プラテン53は、「突条部」としての多数のプラテンリブ531並びに「可動突条部」としての左可動リブ533及び右可動リブ534を有している。プラテンリブ531、左可動リブ533及び右可動リブ534は、記録紙Pの搬送方向Yに沿って形成されている。複数のプラテンリブ531は、図示の如く幅方向Xへ離間して並設されており、その一部として左可動リブ533及び右可動リブ534が設けられている。
【0039】
プラテン53上を搬送される記録紙Pは、このプラテンリブ531、左可動リブ533及び右可動リブ534の頂部で裏面側から支持される。記録ヘッド63のヘッド面と記録紙Pの記録面との間隔は、このプラテンリブ531、左可動リブ533及び右可動リブ534の頂部によって規定される。尚、左可動リブ533及び右可動リブ534の詳細については後述する。
【0040】
また、プラテンリブ531、左可動リブ533及び右可動リブ534の周囲には、インク吸収材532が配設されている。インク吸収材532は、記録紙Pの四辺に余白なく記録を実行する際に記録ヘッド63から記録紙Pの外側に打ち捨てられたインクを吸収し、保持する。このように、リブ間にインク吸収材532を配設することによって、縁なし記録時にリブ間に打ち捨てられたインクがリブ間に堆積されることを防止することができる。それによって、縁なし記録実行時にリブ間に打ち捨てられたインクが記録紙Pの裏側に付着して裏汚れが生じてしまう虞を低減させることができる。
【0041】
プラテン53上を搬送される記録紙Pは、キャリッジ62が搬送方向Yと略直交する方向へ往復動しながら記録ヘッド63のヘッド面から記録紙Pの記録面へインクを噴射する動作と、搬送駆動ローラ51の駆動回転により搬送方向Yへ所定の搬送量で記録紙Pを搬送する動作とが交互に繰り返されることによって、記録面への記録が実行される。インク噴射後の記録紙Pは、排出駆動ローラ54と排出従動ローラ55とで挟持され、排出駆動ローラ54の駆動回転により搬送方向Yへ搬送されて排出される。
【0042】
<本発明の第1実施例>
つづいて、本発明に係るインクジェットプリンタ50の第1実施例について、図3〜図10を参照しながら詳細に説明する。
【0043】
図3及び図4は、インクジェットプリンタ50の要部を図示した斜視図である。図5及び図6は、インクジェットプリンタ50の要部を図示した平面図である。図7及び図8は、プラテン53の一部を拡大図示した斜視図である。
また、図3、図5及び図7は、L判サイズの記録紙Pに記録を実行するときの状態を図示したものであり、図4、図6及び図8は、はがきサイズ又はKGサイズの記録紙Pに記録を実行するときの状態を図示したものである。
【0044】
右可動リブ534は、幅方向Xへ変位可能に、プラテン53に配設されている。インクジェットプリンタ50は、この右可動リブ534を変位させる「変位手段」として、回動レバー21及び軸体22を備えている。回動レバー21は、一端側に設けられた回動軸部211を中心に回動可能に軸支されている。回動軸部211は、外周面に略等間隔に凹凸が形成されている。軸体22は、軸心を回転中心として回転可能に軸支されている。軸体22の一端側には、回動レバー21の回動軸部211と噛合する歯車221が設けられており、軸体22の他端側には、右可動リブ534が一体に配設されている。
【0045】
ここで、軸体22は、ある程度の弾性変形が可能に構成するのが好ましい。つまり、右可動リブ534と回動レバー21とを弾性を有する軸体22を介して係合させることによって、インクジェットプリンタ50に対する回動レバー21や軸体22の組み付け誤差やガタつき等を、その軸体22の弾性変形で吸収することができる。それによって、インクジェットプリンタ50に対する回動レバー21や軸体22の組み付け誤差やガタつき等により右可動リブ534の位置精度が低下してしまうことを防止することができる。また、右可動リブ534の可動幅を超えるような回動レバー21の回動動作が生じても軸体22の弾性変形によりある程度吸収することができるので、回動レバー21、軸体22又は右可動リブ534の破損や脱落等が生じてしまう虞を低減させることができる。
【0046】
右可動リブ534は、図示していない付勢手段によって、向かって左隣にある突条部531から離間する方向(向かって右方向)へ付勢されている。また、右エッジガイド73は、載置面71に載置された記録紙Pの幅方向Xの右端位置を規制する。その状態において、その記録紙Pが「第1の大きさの被記録材」としてのL判サイズの記録紙Pである場合には、右エッジガイド73の下端部731は、回動レバー21から離間した状態となる(図3、図5)。したがって、L判の記録紙Pに記録を実行するときは、右可動リブ534は、図示の如く向かって左隣にある突条部531から離間する方向(向かって右方向)へ変位した状態となる(図3、図5、図7)。
【0047】
他方、載置面71に載置された記録紙PがL判サイズより大きい「第2の大きさの被記録材」としてのはがきサイズ又はKGサイズの記録紙Pである場合には、その記録紙Pの大きさに応じて、右エッジガイド73の下端部731が回動レバー21と係合し、右可動リブ534が変位する。すなわち、はがきサイズ又はKGサイズの記録紙Pの右端位置に対応させて右エッジガイド73を符号Aで示した方向へ移動させると、右エッジガイド73の下端部731が回動レバー21の先端を押動し、回動レバー21が符号Bで示した方向へ回動する。それによって、軸体22が符号Cで示した方向へ回転し(図4、図6)、右可動リブ534は、図示の如く向かって左隣にある突条部531に近接する方向(符号Dで示した方向)へ変位する(図6、図8)。
【0048】
尚、左可動リブ533は、右可動リブ534と全く同じ構造で左右対称となるように配設されており、右可動リブ534と同様の「変位手段」が全く同じ構造で左右対称となるように配設されているので、詳細な説明は省略する。左可動リブ533は、はがきサイズ又はKGサイズの記録紙Pの左端位置に対応させて左エッジガイド72を移動させると、それに連動して、向かって右隣にある突条部531に近接する方向へ変位する(図1)。
【0049】
このように、載置面711に載置された給送されるべき記録紙Pの大きさに応じて左エッジガイド72又は右エッジガイド73をユーザが操作することによって、その操作に連動して左可動リブ533及び右可動リブ534が変位し、その記録紙Pの理想的なプラテンリブ531の配置及び間隔が自動的に設定されることになる。したがって、左可動リブ533及び右可動リブ534を変位させる手動操作をユーザが失念してしまったり誤った操作をしてしまったりすることを未然に防止することができる。
【0050】
ここで、「可動突条部」としての左可動リブ533及び右可動リブ534の機能及び作用について、以下、図9及び図10を参照しながら、右可動リブ534を例に、さらに詳細に説明する。
図9及び図10は、プラテン53の右可動リブ534が配設されている部分を模式的に図示した平面図である。図9は、L判サイズの記録紙Pへの記録実行時を図示したものであり、図10は、はがきサイズ又はKGサイズの記録紙Pへの記録実行時を図示したものである。
【0051】
右可動リブ534は、L判サイズ(横幅89mm×長さ127mm)、の記録紙Pに記録を実行するときには必要のないリブである。しかし、右可動リブ534は、はがきサイズ(横幅100mm×長さ148mm)又はKGサイズ(横幅102mm×長さ152mm)の記録紙Pへ記録を実行する際には必要なリブである。つまり、右可動リブ534は、コックリングによる記録紙Pの浮き上がりや記録紙Pの一部が垂れ下がることによる裏汚れ防止という観点から、本来的には、図9の一点鎖線で図示した位置に固定して設けられるべきリブである。
【0052】
しかし、L判サイズの横幅とはがきサイズの横幅との差は、約11mmしかない。特に、当該実施例におけるインクジェットプリンタ50のように、記録紙Pの幅方向Xの中心を基準位置とする構成である場合には、その差は半分の約5.5mmしかないことになる。そのため、記録紙Pの寸法誤差や搬送誤差等を考慮して充分広い縁なし記録領域を設定したときに、L判サイズの記録紙Pの縁なしインク噴射領域の右端位置と、はがきサイズ又はKGサイズの記録紙Pの右側端位置との間に、図示の如く、ほとんどマージンがない状態となる可能性がある。
【0053】
そのような状態では、仮にこの図9の一点鎖線で図示した位置にリブ(突条部)を固定して設けると、L判サイズの記録紙Pに縁なし記録を実行する際のインク噴射領域(縁なしインク噴射領域)と干渉してしまうことになる。そのため、L判サイズの記録紙Pに縁なし記録を実行したときに、そのリブの頂部にインクが噴射されてしまい、はがきサイズ又はKGサイズの記録紙Pに記録を実行するときに、そのリブの頂部に噴射されたインクが記録紙Pの裏面に付着して裏汚れが生じてしまうことになる。
【0054】
他方、仮に、そのリブをL判サイズの記録紙Pの縁なしインク噴射領域より外側に設ければ、このような記録紙Pの裏汚れを回避することは可能になる。しかし、それによって、本来ははがきサイズ又はKGサイズの記録紙Pの右側端近傍を支持すべきリブが、はがきサイズ又はKGサイズの記録紙Pの右側端より外側に配置されてしまうことになる。つまり、はがきサイズ又はKGサイズの記録紙Pに記録を実行する際に、その記録紙Pの右側端を支持すべきリブが存在しないことになり、その結果、その記録紙Pの右側端近傍が垂れ下がってインク吸収材532に接触し、裏面にインクが付着して裏汚れが生じてしまうことになる。
【0055】
本発明に係るプラテン53において、右可動リブ534は、搬送方向Yへ搬送される記録紙Pに対して、L判サイズの記録紙Pの縁なしインク噴射領域の外側に退避する第1変位位置(図9)と、はがきサイズ又はKGサイズの記録紙Pの右側端近傍を支持可能な第2変位位置(図10)とをとり得るように配設されている。
【0056】
L判サイズの記録紙Pに縁なし記録を実行するときには、右可動リブ534を第1変位位置とすることによって、L判サイズの記録紙Pの縁なしインク噴射領域の外側に右可動リブ534を退避させることができる(図9)。それによって、L判サイズの記録紙Pに縁なし記録を実行するときには、右可動リブ534の頂部にインクが噴射されてしまうことを確実に回避することができる。したがって、L判サイズの記録紙Pに縁なし記録を実行した後、はがきサイズ又はKGサイズの記録紙Pに記録を実行する際に裏汚れが生じてしまうことを未然に防止することができる。
【0057】
はがきサイズ又はKGサイズの記録紙Pに記録を実行するときには、右可動リブ534を第2変位位置とすることによって、はがきサイズ又はKGサイズの記録紙Pを支持可能な位置へ右可動リブ534を配置することができる(図10)。それによって、はがきサイズ又はKGサイズの記録紙Pへの記録実行中に、その記録紙Pの一部がプラテンリブ531の間に垂れ下がってしまうことを確実に防止することができる。すなわち、縁なし記録実行時にインク吸収材532に打ち捨てられたインクが記録紙Pの裏面に接触して付着してしまうことを確実に防止することができる。したがって、はがきサイズ又はKGサイズの記録紙Pに記録を実行しているときに、その記録紙Pに裏汚れが生じてしまうことを未然に防止することができる。
【0058】
このようにして、本発明に係るプラテン53は、搬送方向Yと交差する方向へ変位可能な左可動リブ533及び右可動リブ534を設けることによって、プラテン53に支持される記録紙Pのサイズに応じて、搬送方向Yと交差する方向におけるプラテンリブ531の配置及び間隔を変更することができる。すなわち、本発明に係るプラテン53を備えたインクジェットプリンタ50においては、異なる記録紙Pのサイズごとに、搬送方向Yと交差する方向における理想的なプラテンリブ531の配置及び間隔を実現することが可能になる。
【0059】
さらに、本発明に係るインクジェットプリンタ50は、上記のように左可動リブ533及び右可動リブ534を変位させる「変位手段」を設けるのが好ましい。それによって、左可動リブ533及び右可動リブ534をユーザが手で直接操作することなく変位させることが可能になる。
【0060】
この「変位手段」は、例えば、上記のように左エッジガイド72及び右エッジガイド73と連動して動作するようにしても良いし、別個に操作レバー等を設けて、その操作レバーをユーザが操作することにより左可動リブ533及び右可動リブ534を手動で変位させることができるように構成しても良い。それによって、インクジェットプリンタ50の操作性を向上させることができる。或いは、センサ等で検出した記録紙Pのサイズに応じて、モータ等の駆動力源の駆動力で左可動リブ533及び右可動リブ534を自動的に変位させるように構成しても良い。それによって、ユーザによる左可動リブ533及び右可動リブ534の変位操作が不要になるので、インクジェットプリンタ50の利便性を向上させることができる。
【0061】
尚、本発明に係るプラテン53における「可動突条部」は、特に上記の左可動リブ533及び右可動リブ534に限定されるものではなく、プラテン53に設けられた多数のプラテンリブ531のいずれにも適用可能である。また、「可動突条部」の数も特に特定の数に限定されるものではないことは言うまでもない。すなわち、プラテン53に設けられるプラテンリブ531の全てを「可動突条部」とし、それらが別個独立に個々に変位するようにしても良い。さらには、複数設けた「可動突条部」は、それぞれが理想的な配置及び間隔となるように、記録紙Pのサイズ等に応じて、その変位量が個々に異なるようにすることもできる。
【0062】
<本発明の第2実施例>
つづいて、本発明に係るインクジェットプリンタ50の第2実施例について、図11〜図13を参照しながら説明する。
【0063】
図11は、第2実施例における「変位手段」を図示した斜視図である。図12及び図13は、第2実施例におけるインクジェットプリンタ50の要部を図示した斜視図である。図12は、L判サイズの記録紙Pに記録を実行するときの状態を図示したものであり、図13は、はがきサイズ又はKGサイズの記録紙Pに記録を実行するときの状態を図示したものである。
尚、第2実施例は、「変位手段」の構成が異なる以外は、第1実施例と同様であるため、共通する部分の図示及び説明は省略する。また、第1実施例と同様に、右可動リブ534を例に説明し、左可動リブ533についての説明は省略する。
【0064】
第2実施例においては、右可動リブ534は、軸体22と別個の独立した部品として構成されており、その底部には、ラックが設けられている(図示せず)。右可動リブ534は、プラテン53の所定位置に設けられたガイドレール(図示せず)に支持されており、その頂部が他のプラテンリブ531の頂部と同じ高さの支持面を構成した状態のまま幅方向Xへスライドするように変位可能に配設されている。また、第1実施例と同様に、右可動リブ534は、図示していない付勢手段によって、向かって左隣にある突条部531から離間する方向(向かって右方向)へ付勢されている。
【0065】
回動レバー21は、一端側に設けられた回動軸部211を中心に回動可能に軸支されている。回動軸部211は、外周面に略等間隔に凹凸が形成されている。軸体22は、軸心を回転中心として回転可能に軸支されている。軸体22の一端側には、回動レバー21の回動軸部211と噛合する歯車221が設けられており、軸体22の他端側には、右可動リブ534のラックと噛合するピニオン歯車222が設けられている。
【0066】
回動レバー21が符号Bで示した方向へ回動することによって、軸体22が符号Cで示した方向へ回転する。それによって、右可動リブ534は、符号Dで示した方向へスライド変位する。このように、ラックピニオン機構により右可動リブ534がスライド変位する構成とすることによって、右可動リブ534の頂部が他のプラテンリブ531の頂部と同じ高さの支持面を構成した状態を高精度に維持しつつ、右可動リブ534を幅方向Xへ変位させることができる。それによって、右可動リブ534の変位位置にかかわらず、プラテン53に支持されている記録紙Pの記録面と記録ヘッド63のヘッド面との間隔をより高精度に規定することができる。
【0067】
<本発明の第3実施例>
つづいて、本発明に係るインクジェットプリンタ50の第3実施例について、図14を参照しながら説明する。
【0068】
図14は、第3実施例におけるプラテン53の右可動リブ534の支持状態を模式的に図示した正面図である。
尚、第3実施例は、インク吸収材532の形状が異なる以外は、第1実施例と同様であるため、共通する部分の図示及び説明は省略する。また、第1実施例と同様に、右可動リブ534を例に説明し、左可動リブ533についての説明は省略する。
【0069】
右可動リブ534の周囲に配設されているインク吸収材532は、図示の如く右可動リブ534の右側部24R及び左側部24Lに略隙間なく当接するように形成されている。右可動リブ534は、軸体22に一体に設けられており、軸体22の回転により幅方向Xへ変位する。右可動リブ534は、幅方向Xの一方側へ(符号Dで示した方向へ)変位するときは、左側部24Lがインク吸収材532の一部を符号Eで示した方向へ押し下げるように変形させながら変位する(図14(a))。また、右可動リブ534は、幅方向Xの他方側へ(符号Fで示した方向へ)変位するときは、右側部24Rがインク吸収材532の一部を符号Gで示した方向へ押し下げるように変形させながら変位する(図14(b))。
【0070】
このように、右可動リブ534の変位位置にかかわらず、右可動リブ534の右側部24R及び左側部24Lとインク吸収材532との間に隙間がほとんど生じないようにするのが好ましい。それによって、右可動リブ534の周辺のインク吸収材532に打ち捨てられたインクの一部がインク吸収材532と右可動リブ534との間の隙間からインクジェットプリンタ50の内部へ漏れ出てしまう虞を低減させることができる。
【0071】
以上説明したように、本発明に係るプラテン53によれば、プラテンリブ531の配置及び間隔の自由度を高めることができる。また、縁なし記録を実行可能なインクジェットプリンタ50において、記録紙Pの裏汚れが生じてしまう虞を低減させることができる。
【0072】
尚、本発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】インクジェットプリンタの要部斜視図。
【図2】インクジェットプリンタの側断面図。
【図3】インクジェットプリンタの要部を拡大図示した斜視図。
【図4】インクジェットプリンタの要部を拡大図示した斜視図。
【図5】インクジェットプリンタの要部を拡大図示した平面図。
【図6】インクジェットプリンタの要部を拡大図示した平面図。
【図7】プラテンの一部を拡大図示した斜視図。
【図8】プラテンの一部を拡大図示した斜視図。
【図9】プラテンの一部を模式的に図示した平面図。
【図10】プラテンの一部を模式的に図示した平面図。
【図11】第2実施例における「変位手段」を図示した斜視図。
【図12】第2実施例におけるインクジェットプリンタの要部斜視図。
【図13】第2実施例におけるインクジェットプリンタの要部斜視図。
【図14】第3実施例におけるプラテンの要部を模式的に図示した正面図。
【符号の説明】
【0074】
21 回動レバー、22 軸体、23 頂部、50 インクジェットプリンタ、51 搬送駆動ローラ、52 搬送従動ローラ、53 プラテン、54 排出駆動ローラ、55 排出従動ローラ、61 キャリッジガイド軸、62 キャリッジ、63 記録ヘッド、70 自動給送装置、71 ホッパ、72 左エッジガイド、73 右エッジガイド、74 給送用ローラ、75 分離パッド、531 プラテンリブ、532 インク吸収材、533 左可動リブ、534 右可動リブ、P 記録紙、X 記録紙の幅方向、Y 記録紙の給送方向及び搬送方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被記録材の搬送方向に沿って形成される複数の突条部が前記搬送方向と交差する方向へ離間して並設され、前記突条部の頂部で当該被記録材を支持する被記録材支持装置であって、
少なくとも複数の前記突条部のいずれか一の突条部は、前記搬送方向と交差する方向へ変位可能に配設されている可動突条部である、ことを特徴とした被記録材支持装置。
【請求項2】
請求項1に記載の被記録材支持装置において、前記突条部及び前記可動突条部の周囲にインク吸収材が配設されており、
前記可動突条部は、当該可動突条部の側部で前記インク吸収材を変形させつつ当該可動突条部の頂部が前記搬送方向と交差する方向へ変位するように支持されている、ことを特徴とした被記録材支持装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の被記録材支持装置と、
前記被記録材支持装置に支持されている被記録材の記録面にインクを噴射するインク噴射手段と、
前記被記録材支持装置に支持されている被記録材を前記搬送方向へ搬送する搬送手段と、を備えた記録装置。
【請求項4】
請求項3に記載の記録装置において、前記可動突条部を変位させる変位手段を備えている、ことを特徴とした記録装置。
【請求項5】
請求項4に記載の記録装置において、前記変位手段は、弾性を有する軸体を回動させることで前記可動突条部が変位する、ことを特徴とした記録装置。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の記録装置において、被記録材を前記搬送手段へ給送する給送装置を備え、
前記給送装置は、載置面に載置された給送されるべき被記録材の前記搬送方向と交差する方向の両端位置を規制する規制手段を有し、
前記載置面に載置された給送されるべき被記録材の大きさに応じて、前記規制手段が前記変位手段と係合して前記可動突条部が変位する、ことを特徴とした記録装置。
【請求項7】
請求項3〜6のいずれか1項に記載の記録装置において、前記可動突条部は、前記被記録材支持装置に支持されて前記搬送方向へ搬送される被記録材に対して、
第1の大きさの被記録材に余白なくインクを噴射する際のインク噴射領域の外側に退避する第1変位位置と、
前記第1の大きさの被記録材より大きい第2の大きさの被記録材を支持可能な第2変位位置とをとり得る、ことを特徴とした記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−73152(P2009−73152A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−246865(P2007−246865)
【出願日】平成19年9月25日(2007.9.25)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】