説明

装身具乃至治療具

【課題】手軽に、心身共にリラックスできて、血行促進を図ることができる器具を提案する。

【解決手段】
香り成分を有する硬質体、前記硬質体を生体に密着的に身装するための身装部材よりなると共に複数の硬質体を配列させることで、経穴の位置を調べずとも、容易に経穴に硬質体を当接できる。
又、芳香作用と併せて、硬質体の形状を魔除け、お守りといった精神的安定性をあたえるものの形状にすることにより、心身両面から血行促進作用を与える治療具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芳香性成分と皮膚を刺激する突起状の硬質部材を身体に貼着し、装身して使用する装身具乃至治療具であって、好ましくは良好な心的作用を伴う形状を有する装身具乃至治療具に関する。
【背景技術】
【0002】
現代の食生活、ストレスによる成人病の増加は、健康への関心を高めることとなり、成人病を初めとする各種疾病に対する予防策が数多く講じられている。
その中でも、ハーブ等を利用した芳香療法は、様々な疾病治療又は予防に効果があり、有効な療法として注目され、健常者においても関連商品が利用されている。
芳香療法(アロマテラピー)は、精油(エッセンシャルオイル)を空中、水中に発散させた環境を形成して、経皮、経鼻からの浸透を図ることで、肥満、不眠、いらいら等の解消を図り得るものであり、アロマポット等で精油を加熱して、空気中に発散させる器具、精油等を含浸したシートを装身するといった装身具が提案されている。
芳香療法に限らず、脱臭を併せて目的とした携帯型の芳香具(におい袋)、や香水も古くから存在しているが、嗜好にあわせたもの、治療として有効であることを信じているものでなければ治療、予防になる場合は少ない。
又、生活習慣病といわれている疾病の多くは食生活と共に仕事上、生活上のストレスが原因であるが、ストレスは、様々な要因が複合的に重なり合って生じるものであり、各種マッサージを行ったとしても、それだけでは、治療や予防に持続的な効果は期待できず、一過性でしかも、体調が整わなければ効果が無いなど、その場、その場の条件を考慮しなければ、十分な効果が期待できないのである。
【0003】
【特許文献1】特開2004−313448号公報
【特許文献2】特開平9−267425号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
芳香療法は、アロマ成分の経鼻からの吸収を促す手法が採られ、その他、風呂への成分の添加により経皮から吸収させる手法もあるが、その何れもが、よりリラックスした環境下において、相乗的に効果が期待されているものである。
よりリラックスした環境がなかなか形成できない多忙な人々にとって、その効果は充分に得られず、環境を整えるには、準備と手間をかける必要がある。
即ち、心身共に効果がある装身具乃至治療具であって、煩雑な作業を必要とせず、手軽に利用できしかも、使用する者を癒やしながら治療できる心身両面に対する適当な刺激が希求されているのである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記に鑑み本発明は、体の経穴(つぼ)を刺激する突起部を有する貼着シートに芳香性成分を加えることで、経穴を刺激した状態における血行循環の改善を芳香剤の経鼻又は経皮吸収による精神的安定状態による可急的な向上を実現し、単に貼るだけで、より効果のある治療又は予防を実現する。
更に本発明は、この突起部を複数個併設することで、経穴への確実な刺激をはかることを実現する。
更に本発明は、突起部の形状を、お守り、シーサー等の魔除け等より良好な心的作用を期待する形状を具えるものとすることで、心身的なリラクリゼーションを、単に貼着するだけで得ようとするものである。
更に、利用する人にとって、身飾したい団体、機関が使用するシンボル立体マーク等をアレンジして得られる立体物等も場合によっては好適に使用できる。
経穴(つぼ)は、筋間のことであり、筋へつながる神経や血管が集中している場所であることから、この部位を刺激することで、組織の緊張状態も改善され、特に神経血管を有効に刺激できる為、芳香による精神的弛緩との相乗効果がより期待できるのである。
又、経穴の刺激は、内臓との連結性が示唆される経路への刺激になって内臓への有効な刺激をあたえることができ、その部位によっては、五感機能の向上に至ることから、精油成分の五感からの浸透に作用し、その結果として、仕事中であっても、より心的安らぎ、自律神経の改善を求める事ができ、血行の促進を図ることが可能となる。
【0006】
本発明における硬質体は、例えば、直径1mm〜8mmで、中心の高さが0.5mm〜1.5mm位の円盤状、円柱状の硬質状物であって。中心が膨らんだ形状が例示されるが、適用部位、経穴(つぼ)の大きさ等によってその他の大きさ、形状であってもよい。
硬質体は、炭化珪素、窒化珪素、アルミナ、ジルコニア、バイオガラス、リン酸カルシウム、長石、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、フェライト、などのセラミックス材、ゲルマニウム、シリコン、その他の半導体、麦岩石、軽石、大理石、その他の鉱物、貴金属、チタン、磁性部材、PET、PP、PC、シリコーン、ポリエチレン、フッ素樹脂、エポキシ、ポリスチレン、アクリル系樹脂、ウレタン等からなる硬質ポリマー、その他のプラスチックであって、好ましくは生体との接触部分で生体反応性がないもの、キチン、コラーゲン等の生体材料、珊瑚、硬質紙、木片、コルク、天然ゴム、合成ゴム、当該樹脂等とセラミックスの複合材(ハイブリッド)、その他樹脂と樹脂の複合材、セラミックス同士での複合材、その他の複合材が例示される。
複合材は光硬化、熱硬化処理を行うアクリル酸エステル誘導体やメタクリル酸エステル等の重合性単量体と重合剤、二酸化珪素、アルミナ、ジルコニア等の無機材微粒子及び芳香性成分の組み合わせによる構成であってもよい。
本発明で示される硬質とは、皮膚に対し、ある程度の刺激を与えられる程度の硬さを備えていれば良く、より強い外部からの刺激に対して変形性を有しても良く、硬質体の材質等も特に上述に限定されない。
又、一つの硬質体を複数の上述した素材を積層、組み合わせて構成したり、上述した複合材と単体との積層、組み合わせであっても良い。
【0007】
芳香性成分を有するとは、例えば、セラミックス、樹脂等の多孔質状の硬質体であれば、芳香性成分を含浸させたり、溶液状、ゲル状の芳香性成分を多孔質状の硬質部材に含浸させたりしたもの等を示す。
緻密体や、含浸が充分に行われないものの場合は、麝香等のベースノートといわれる芳香持続時間が長い成分を表面に塗布したものであっても良い。
尚、使用後数時間程度の芳香の場合は、トップノート、ミドルノートの様な芳香発散時間が短い香料類が使用されればよい。
本発明の突起部は、芳香性成分を樹脂に練り込む等して配合し、硬化させたものであっても良い。
芳香性成分としては、例えばシンナミックアルデヒド、オイゲノール、ピネン、ブチルイソシアネート、カフェイン、ヘキセノール等を含む芳香性生薬成分、シンナモン、ジャスミン、ラベンダー、レモン、ローズマリー、バニラ、イランイラン、スペアミント、バラ油、パチュリ等の植物性ハーブ成分、
ムスク、シベット、竜全香、カストリウム等の相手をひきよせる分泌成分でもある動物性香料、フェロモン成分、
β−カリオフィレン、ムスク・ケトン、ベチベロール、アップルベース、バナナベース、C6、C7、C8脂肪酸のエステル、酪酸エステル類、プロピオン酸エステル類等合成芳香成分であって、使用者の好みに応じたもの、香粧品用調合香料等の複合香料等、これら成分の一又は複数を合成してあられるものであっても良い。
尚、これら芳香性成分は、成分や濃度によって、皮膚刺激性を持つものもあるため、皮膚と接触して使用される場合は、ほおば油などにより10〜50倍に希釈したもの、化粧品に配合される配合料程度が好ましい場合もある。
尚、硬質体は、500℃〜800℃で焼成した素焼き程度のものも好ましく、素焼きした硬質体に1種類以上の芳香性成分を含浸させ乾燥させるか、又は、含浸させた状態で使用する。
【0008】
本発明の形状は、少なくとも経穴を直接刺激できる一乃至複数の突起と、これをシート状に支持しながら、生体皮膚へ貼着できるものあるいは、生体に貼着されないが、皮膚へ刺激可能な突起が、靴下に抑えられながら、生体と接触している状態、ポケットに、突起が生体方向へ向かって配置されている状態となり得る構成が好ましい。この場合は、粘着層は不要な方が好ましく、必要に応じて外部から、突起部を生体方向へ押すことで、刺激を与えるととができ、又、芳香により相乗的な血行促進を図ることができる。
複数の突起がある場合は、それぞれの突起に異なる芳香性成分を配置し、個々の揮発部位を別々の剥離紙等で密封して、貼着使用時に、気分により、又は時間によって、個々の剥離紙を剥がして、異なる芳香性成分を発散させても良い。又、
個々の突起に含浸させた芳香性成分を同じものとし、使用時好みに応じて剥離紙を剥がしたり、芳香性を強くしたい場合は、複数の剥離紙を剥がしたりして芳香性成分の発散を制御しても良い。
剥離紙の剥離は、全て剥がす必要はなく、又、剥離紙を用いず、穿設したり、単に破ったりして、芳香性成分の発散をさせてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明は芳香性成分を有する硬質体を生体に貼着することで、消臭はもちろん、局所押圧下における経穴刺激による、筋間の神経血管の刺激による血行促進と、経穴に関連する経路への刺激による内臓器官への良好な刺激を図ることで、自律神経の安定を図り、経鼻、経皮から浸透する芳香性成分による神経系の刺激の相乗的効果を単に装着するだけで得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は、少なくとも経穴等の生体局所を刺激する突起部と、突起部の生体への刺激面とは逆方向に設けた芳香剤含浸部と、生体へ突起部を装着するための装着部材との組み合わせよりなり、硬質体の形状も、円盤状又は1乃至複数の鋭角部をもつ円筒状等が例示されるが、経穴をより効果的に刺激したり、芳香効果を効率良く供給するものであれば、その他の形状であっても良く、特に、魔除け、お守り、占い、等、身装することで精神的安定性を求めようとするものの形状を具えたものが、自律神経系への良好な刺激を形成する。
硬質状体の構成も、皮膚との接触面が緻密状、交差する溝、微小な連続した凹凸をもつもの、多孔質状、或いは、繊維状等を有するもの、シーサー、七福神の形状のようなお守り、魔除け的な形状、キャラクター、ペット等の愛玩性のあるものの形状、彫刻家の彫刻等の一部又は全体の形状であっても良い。
本発明は例えば、絆創膏のような粘着シートに硬質体を粘着結合させた状態のものを生体治療部位に貼り付けるだけでよく、硬質体が皮膚を押圧すると共に芳香効果、精神安定効果を感覚器に与え、有効な血行促進を図る。
本発明では、硬質体を人体に密着的に身装できればよいことから、下着類、シャツ、靴下、リストバンド、腕時計、帽子、マフラー、ベルト等に装着し、人体に密着して使用する形態であってもよい。
本発明は、芳香効果を利用者自身へ与える他、麝香等の異性を引きつけるフェロモン的な成分を配合しても良い。即ち、本発明は、相手、特に異性の関心を引きつける為の香料、成分を含有することで、期待感、自己満足感等による精神的安定を図ることができるのである。
尚、フェロモンの様な分泌物に由来するもの、より微量な芳香性部材の為、事実上無臭状態に近いものを使用する場合であっても、突起部を皮膚に貼着した状態で、当該芳香性部材が、経皮的経鼻的吸収が行われ得るようであれば、本発明で示す芳香性部材に含まれるものである。
【実施例1】
【0011】
図1は、本発明の一実施例を示す図である。図1(a)は、皮膚へ当接される面を示し、(b)は、反対の面であって、主に芳香を発散させる面を示す。
図1(a)において、
10は、支持シートであって、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂、天然ゴム、和紙、その他の紙、綿布、不織布などで形成されたシートであって、柔軟性を有するものが好ましいが、例えばあしの裏等へ装着する場合などは、硬質性を有していても良い。
11は、粘着剤であり、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコン系粘着剤等が例示され、感圧性を有するもの等、現に絆創膏等に使用されている成分が有効に使用される。
その他、カラヤガム、トララカントガム等の天然多糖類、PVA等と、多価アルコールとの組み合わせによるゲル基材でも良い。
12は硬質体であって、セラミックス緻密体、樹脂緻密体、セラミックスと樹脂の複合緻密材 又は、セラミックス多孔質体、素焼き、木片、竹片、コルク、紙類、これらの複合多孔体等よりなる。
13は、芳香部であって、硬質体の一部であり、植物精油、動物性精油、フェロモン等の芳香性部材を含浸、塗布した状態の部位である。
緻密体の場合は、製造時、芳香性成分を配合するか、表面に塗布する。塗布する際は、芳香性成分に多糖類等の粘着成分を配合して、付着性を高めても良い。
14は、発散部であり、支持シート10に貫通するように穿設され、前記芳香部13上に配置され、外部へ芳香性成分等が気化発散するための部分である。
発散部14の孔径は、硬質体12の面積の70%以下が好ましく、それ以上だと、硬質体12が剥がれ落ちたりするため好ましくない。尚、孔状でなくても、ガーゼ、不織布、メッシュ等であってもよく、硬質体12が剥がれ落ちないように補強可能な状態を形成し得る。
尚、発散部14は、必ずしも必要ではなく、支持シートと皮膚の貼着面の隙間から漏れる様に外部へ発散させても良い。
【0012】
図1で示す実施例は、肩、腰、足の裏等の経穴部に硬質体12が位置するように当接されれば好ましいが、経穴に当接されなくても、刺激が感じられ、経鼻又は経皮吸収可能な状態であれば特に限定されない。
尚、芳香部13は、経皮との接触が無いように形成されるが、これに限らず、その全てに含浸されていても良い。
尚、本実施例では、硬質体に芳香部を形成した構造としているが、これに限らず、シートの表裏何れか一方又は両方に芳香部を形成したものであっても良い。
尚、全ての硬質体に芳香性成分が形成されても良く、その場合は、皮膚との接触の際、皮膚に刺激を与えるものでない程度の濃度が含まれることが好ましい。
硬質体12を多孔質セラミックスとした場合の製法例は、既存の方法を利用して、上述の大きさの硬質体を得れば足りるが、例えば、特開平11−300713号公報に記載されたセラミックススラリーを−80℃〜−10℃前後に冷却した鋳型に流し込み減圧後、脱水処理を施した後、乾燥することで、様々な形状の多孔質体を得る手法が好適に利用される。
【実施例2】
【0013】
図2は、硬質体を複数15a、15b、15cにしたものであり、芳香性成分は、その中の一つ15aに含浸した状態の芳香部16としている。硬質体15aの裏面には、発散部17が一乃至複数形成されている。
尚、発散部17は、必ずしも孔状でなくてもよく、ガーゼ、不織布等の多孔質性シートに置き換えたものでも良い。
硬質体15a、15b、15cの高さは、一様である場合の他、中央の硬質体15bが他より、高いか低い場合であっても良く、その大きさも、異なるものであっても良い。
又、硬質体の材質も、例えば中央の硬質体15bが他がセラミックスで、その周りの硬質体15aと15cを樹脂製にしたり、更に3つ以上の硬質体を使用して、星座などのパターン化した配列を形成する場合等は、色や、形状を変えたものにしても良い。
本実施例を生体貼着した際の例を図4(a)、(b)に示す。
図4(a)は、人Mの肩に貼り付けた状態であり、(b)は、(a)のX−X’で切断した場合の断面である。本実施例は、何れの硬質体15a、15b、15cにも、芳香部16a、16b、16c及び発散部17a、17b、17cが形成されており、外部へ芳香剤が揮発発散しやすくなっている。
本実施例は、経穴の部分を探さなくても、高い確率で、探すのが困難な経穴部に当接可能な構成であり、容易につぼ刺激ができる構成を示す。
又、これら複数の硬質体の配列間隔によっては、複数の経穴を刺激でき、より相乗効果を期待する刺激が期待できる。
【実施例3】
【0014】
図3は、本発明の他の実施例であり、図3(a)は、当接面とは反対の面を示し、(b)は、当接面を示す。
図3(a)において、18は、芳香剤配合シートであり、シート状不織布、スポンジに精油が含浸されているものをPET、PP等の袋状の非揮発性部材の内部に含むものであって、支持シート10と一体的に形成されている。
19は、発散部であり、芳香剤配合シートの表面に1乃至複数個の孔部が穿設してある。
発散部19は、その他、不織布、ガーゼ、多孔質プラスチック、多孔質セラミック等、芳香性成分が外部へ発散可能なものであっても良い。
20は、上述した材料により形成され、その一部又は全部に芳香成分が含浸又は塗布された硬質体である。硬質体20は、様々な形状を有することが好ましいが、例えば、20aは、ハート型をした恋愛のお守りとして使用される場合のものであり、20bは、沖縄の魔除けとして知られているシーサーの頭部をかたどった硬質体である。その他は、先頭が尖った円柱体状を示している。
シーサー様の硬質体20bは、複雑な形状をしており、経穴を刺激する際、バリーションのある刺激を与えることを可能とする。その他、お守りに利用される七福神、鬼面、福面、ひょっとこ、おかめ、家紋、熊手、鯛、亀、鶴、鳩、蛇、小判、干支、打出の小槌、破魔矢、鬼瓦模様等の縁起を担ぐものやおめでたい象徴、福、喜、平和、金等を立体文字状又は立体絵文字状にしたものなど、身につけることで、安寧を得られると思われるもの、スペード、ダイヤ等外国のお守り、その他、平和を主張するシンボル等であっても良い。
色彩も硬質体の形状、目的に併せて配色され、支持シート10も透明又は半透明なもの、絵柄を有するもの、硬質体20、20a、20bを外部から見ることができるものが適宜利用される。
図3(b)では様々な形状の硬質体20、20a、20bを羅列しているが、あくまで形状の一例であって、この中の一つだけを図1のように配置したものであっても良く、これらの硬質体の個数、配列は、適宜選択される。
又、硬質体のパターンを星座パターン、愛、恋。福等の文字パターン、その他、お守り、魔除けなどに用いられる絵馬、絵文字のパターンとしても良く、これらの具体的構成に限るものでなく、如何なる形状であっても良い。
この様な精神的に安らぎや期待、希望、適度な高揚、支え等を得ることができる形状、パターンをもつ硬質体及び配列によれば、身飾する者の心の豊かさを期待することができ、しかも芳香性成分による相乗的作用、経穴の確実なる刺激による総合的な心地よさを単に貼るだけで得ることを可能とするのである。
【実施例4】
【0015】
図5は、本発明の他の実施例であり、硬質体を硬質性シートで成形したものである。
151は、硬質体であり、PVA、ポリエチレン、PET、ポリプロピレン等の硬質性樹脂シートを成形したもの、その他セラミックス、紙、木片を成形したもの等が例示される。硬質体151は、生体と反応しない素材であれば特に限定されない。
152は、芳香部であり、樹脂に練り込んで形成されたゲル状のもの、多孔質樹脂、セラミックスに含浸したものが例示される。
153は、発散部であり、芳香部152が配置された部分の支持シート10上に孔部が複数穿設されてなるものであって、芳香性成分を外部へ発散させるためのものである。発散部153は、その他、不織布、ガーゼ、多孔質セラミックス、その他の多孔質プラスチックシート等で形成されても良い。
21は、剥離部材であり、ポリラミクラフト紙、ポリラミ上質紙、クレーコート紙、プラスチックフィルム等の柔軟性、密封性部材で形成され、使用時まで、発散部153を覆っており、使用時剥離して使用するものである。
【0016】
本実施例を使用する場合は硬質体151面を皮膚に当接し、剥離部材153を剥離して用いるものであるが、皮膚に対し刺激性を持つ芳香性成分が皮膚に接触しないため、炎症を起こさない点で好ましく、又製造も容易である。
当該構成は、一つの硬質体構成を示すが、これに限らず、複数の上述したパターンを有するもので形成されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0017】
本発明は、単に貼るだけで血行促進を心身同時に行う事ができる治療具であって、どこでも手軽に血行促進を図ることができると共に、お守り、魔除けなど、人の精神的よりどころとなるものを手軽に身近に置くことができたり、人を惹きつけることができるという期待感を増幅させることができることから、精神的安定性をより向上させられ、リラクリゼーションを手軽に得られるものを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施例を示す図。
【図2】本発明の他の実施例を示す図。
【図3】本発明の他の実施例を示す図。
【図4】本発明の実施例を説明する為の図。
【図5】本発明の他の実施例を示す図。
【符号の説明】
【0019】
10 支持シート
11 粘着剤
12 硬質体
13 芳香部
14 発散部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
芳香性成分を有する一乃至複数の硬質体、前記硬質体を生体に身装するための身装部材よりなる装身具乃至治療具。
【請求項2】
前記硬質体が、芳香性成分を含浸する含浸部材と皮膚接触面用の緻密硬質部材を組み合わせることで得られる請求項1に記載の装身具乃至治療具。
【請求項3】
前記硬質体が、素焼き、セラミックス、鉱物、半導体、樹脂、竹片、木片、コルク、紙類等から選ばれた1乃至複数の組み合わせ又は、これらから選ばれたものからなる複合材に芳香性成分を含有させてなる請求項1に記載の装身具乃至治療具。
【請求項4】
前記硬質体が、精神的安定乃至良好な心的作用が得られる形状を有している請求項1に記載の装身具乃至治療具。
【請求項5】
前記芳香性成分が、シンナモン、ジャスミン、ラベンダー、レモン、ローズマリー、バニラ、グレープフルーツ等の植物性天然香料、ムスク、シベット、竜全香、カストリウム等の動物性天然香料、フェロモン、酪酸エステル、プロピオン酸エステル等の合成芳香成分から1乃至複数選ばれてなる請求項1に記載の装身具乃至治療具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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