説明

装飾パネル

【課題】本発明は、嵌め込み片を簡単かつ確実に嵌め込むことができる装飾パネルの提供を課題とする。
【解決手段】発泡合成樹脂材料からなる基本シート材21と、基本シート材21の表面に展着される薄肉板状の合成樹脂材料からなる表面シート材22と、基本シート材21の裏面に展着される薄肉板状の合成樹脂材料からなる裏面シート23とから構成されるパネル本体2を有する。パネル本体2において所定形状の嵌め込み片4が一ないし複数に打ち抜かれ、嵌め込み片4がパネル本体2の打ち抜かれた部分24に嵌脱自在に嵌め込まれる

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内の壁掛けや置物などの室内アートに適用される装飾パネルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、室内アートとしてジグソーパズルを飾ることが知られている(特許文献1参照)。このジグソーパズルは、一般に基板上に複数のパズル片を互いに組み合わせながら嵌め込んでいくものである。このジグソーパズルを室内アートの壁掛けや置物として略垂直状態に立て掛ける場合、パズル片を基板上に嵌め込んだだけの状態であるとパズル片が基板上から抜け落ちてしまうという難点があった。
【0003】
このため、パズル片の抜け落ちを防止するため、完成したジグソーパズルの表面から糊剤を塗布するなどして基板上に固定したり、あるいは透明のアクリル板などで表面を押さえつけた状態でフレームに収容していた。
【0004】
しかしながら、従来のジグソーパズルではパズル片が非常に多く完成に時間と手間がかかる上に、上述のように室内アートとして飾るためには糊剤やフレームを別途必要とするために煩雑であるという問題があった。
【0005】
一方、基板上に少数の嵌め込み片を単に嵌め込む知育玩具が知られている(特許文献2、3参照)。これだと少数の嵌め込み片を基板上の同形状の空洞に嵌め込んでいくだけなので、子供でも簡単に完成することができる。
【0006】
しかしながら、この嵌め込み知育玩具でも、ジグソーパズルと同様に略垂直状態に立て掛けたりすると基板上から嵌め込み片が抜け落ちてしまうという難点があった。
【0007】
もとより、ジグソーパズルのように糊材やフレームで固定することも考えられなくもないが、知育玩具にとって重要なのは繰り返し行うことであって、これだと繰り返して使用することが難しくなるという問題があった。
【0008】
さらに、ジグソーパズルおよび嵌め込み玩具のいずれにおいても共通するが、一般に装飾が印刷されているのは表面のみであって、一種類の装飾しか閲覧することができないという問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−217999号公報
【特許文献2】特開2006−136454号公報
【特許文献3】実開平02−13597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであって、第1に、嵌め込み片を簡単かつ確実に嵌め込むことができ、略垂直状態に立て掛けた場合でも嵌め込み状態を保持することができ、第2に、表面と裏面の2種類の装飾の閲覧に供することができる装飾パネルの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る装飾パネルは、上記課題を解決するために、発泡合成樹脂材料からなる基本シート材と、該基本シート材の表面に展着される薄肉板状の合成樹脂材料からなる表面シート材と、前記基本シート材の裏面に展着される薄肉板状の合成樹脂材料からなる裏面シートとから構成されるパネル本体を有し、該パネル本体において所定形状の嵌め込み片が一ないし複数に打ち抜かれ、該嵌め込み片が前記パネル本体の打ち抜かれた部分に嵌脱自在に嵌め込まれることを特徴とする。これによればパネル本体の基本シート材と嵌め込み片の基本シート材との間において、発泡合成樹脂材料による弾性力と摩擦力により外力の補助なしでパネル本体に嵌め込み状態を保持することができる。
【0012】
また、前記表面シートおよび裏面シートの両面に装飾が印刷されているのが好ましい。これによればパネル本体の表裏面に装飾が印刷されることになるため、適宜、装飾パネルを表裏に反転することにより閲覧に供する装飾を変更することができる。
【0013】
また、前記基本シート材は発泡ポリスチレンからなるのが好ましい。これによれば製造過程においてパネル本体から嵌め込み片を打ち抜いた場合に、反りや撓みを軽減することができるとともに、パネル本体と嵌め込み片との間に塗布された接着剤や糊剤などがはみ出ることを防止できる。しかも、発泡ポリスチレンは軽量であるため、運搬や取り扱いが容易となり、展示等の作業や高い所への取り付けも簡単に行うことができる。
【0014】
また、前記表面シート材および裏面シート材はポリプロピレンからなるのが好ましい。これによれば製造過程においてパネル本体から嵌め込み片を打ち抜いた場合に、亀裂やしわが生じることを防止できる。
【0015】
また、本発明に係る置物は、上記装飾パネルに立掛具が設けられた置物であって、立掛具は、平面視コ字状に形成され、一端部を装飾パネルの右側部に回動可能に連結され、かつ他端部を装飾パネルの左側部に回動可能に連結され、設置時には該立掛具が装飾パネルの後側で傾斜しながら支承するとともに、立掛用具内において装飾パネルが表裏に反転し得ることを特徴とする。これによればパネル本体に嵌め込み片を嵌め込んだあと、立掛具が装飾パネルの後側で傾斜しながら支承することにより置物として簡単に設置することができる。また、必要に応じて立掛具内において装飾パネルを反転すれば、閲覧に供する装飾を簡単に変更することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によればパネル本体の基本シート材と嵌め込み片の基本シート材との間において、発泡合成樹脂材料による弾性力と摩擦力により外力の補助なしでパネル本体に嵌め込み状態を保持することができる。
【0017】
このため装飾パネルを略垂直状態にした場合であっても嵌め込み片が抜け落ちることが防止でき、壁掛けや置物などの室内アートに容易に適用することが可能となる。
【0018】
しかも、装飾パネルの表裏側には薄肉板状の合成樹脂材料からなる表面シート材が設けられているため、表裏面がフラットな状態となり外観の意匠性が向上するとともに、装飾の印刷を行い易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態に係る装飾パネルの正面図である。
【図2】装飾パネルの側面図である。
【図3】装飾パネルの拡大断面図である。
【図4】装飾パネルを利用した置物の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に本発明の一実施形態に係る装飾パネルについて図面を参照しつつ説明する。
【0021】
本装飾パネル(1)は、主に平板状のパネル本体(2)からなり、該パネル本体(2)の周縁部にアルミニウム製のフレーム材(3)が設けられている。
【0022】
前記パネル本体(2)は、長さ300mm、幅210mm、厚さ3mm程の平板状の発泡合成樹脂材料からなる基本シート材(21)を備える。この発泡合成樹脂材料は一般に加工もし易く、また軽量であるというメリットを有するほか、弾性力や摩擦力にも優れている材料である。
【0023】
この発泡合成樹脂材料の種類については特に限定されるものではないが、特に発泡ポリスチレンが好ましい。これによれば後述するように製造過程においてパネル本体(2)から嵌め込み片(4)を打ち抜いた場合に、反りや撓みが軽減することができるとともに、パネル本体(2)と嵌め込み片(4)との間に塗布された接着剤や糊剤などがはみ出ることを防止できる。しかも、発泡ポリスチレンは軽量であるため、運搬や取り扱いが容易となり、展示等の作業や高い所への取り付けも簡単に行うことができる。
【0024】
また、前記基本シート材(21)の表面には薄肉板状の合成樹脂材料からなる表面シート材(22)が展着されるとともに、前記基本シート材(21)の裏面にも同じく薄肉板状の合成樹脂材料からなる裏面シート材(23)が展着されている。これら表面シート材(22)および裏面シート材(23)は、いずれもパネル本体(2)と同大同形に形成されており、全面に亘って糊剤が塗布されてることによりパネル本体(2)に展着されている。
【0025】
この合成樹脂材料の種類については特に限定されるものではないが、ある程度の剛性を有するもの、例えばポリプロピレンであるのが好ましい。これによれば製造過程においてパネル本体(2)から嵌め込み片(4)を打ち抜いた場合に、亀裂やしわが生じることを防止できる。
【0026】
また、該パネル本体(2)において所定形状(本実施形態では動物の顔の形状)の嵌め込み片(4)が一ないし複数に打ち抜かれており、該嵌め込み片(4)が前記パネル本体(2)の打ち抜かれた部分(24)に嵌脱自在に嵌め込まれるようになっている。
【0027】
そして、パネル本体(2)および嵌め込み片(4)はいずれも基本シート材(21)により中核を構成されるため、パネル本体(2)の基本シート材(21)と嵌め込み片(4)の基本シート材(21)との間において発泡合成樹脂材料による弾性力と摩擦力により外力の補助なしでパネル本体(2)に嵌め込み状態を保持することができる。
【0028】
このため装飾パネル(1)を略垂直状態にした場合であっても嵌め込み片(4)が抜け落ちることが防止でき、壁掛けや置物などの室内アートに容易に適用することが可能となる。
【0029】
また、表面シート材(22)および裏面シート材(23)には絵画、写真、キャラクターなどの装飾が印刷されているのが好ましい。
【0030】
これによればパネル本体(2)の表裏面に装飾が印刷されることになるため、適宜、装飾パネル(1)を表裏に反転することにより閲覧に供する装飾を変更することができる。
【0031】
なお、(31)はフレーム材(3)の両側に設けられた連結部材であり、該連結部材(31)に紐や立掛具などが掛けられることにより壁掛けや置物などの室内アートに適用することができる。
【0032】
図4は、本装飾パネル(1)を置物に適用した状態を示す拡大断面図である。
【0033】
この置物は本装飾パネル(1)に立掛具(5)が設けられたものである。この立掛具(5)は、平面視コ字状に形成され、一端部をフレーム材(3)の右側の連結部材(31)に回動可能に連結され、かつ他端部をフレーム(3)の左側の連結部材(31)に回動可能に連結されている。
【0034】
これによればパネル本体(2)に嵌め込み片(4)を嵌め込んだあと、立掛具(5)が装飾パネル(1)の後側で傾斜しながら支承することにより置物として簡単に設置することができる。また、必要に応じて立掛具(5)内において装飾パネル(1)を反転すれば、閲覧に供する装飾を簡単に変更することができる。
【符号の説明】
【0035】
1・・・装飾パネル
2・・・パネル本体
21・・・基本シート材
22・・・表面シート材
23・・・裏面シート材
3・・・フレーム材
31・・・連結部材
4・・・嵌め込み片
5・・・立掛具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡合成樹脂材料からなる基本シート材と、該基本シート材の表面に展着される薄肉板状の合成樹脂材料からなる表面シート材と、前記基本シート材の裏面に展着される薄肉板状の合成樹脂材料からなる裏面シートとから構成されるパネル本体を有し、該パネル本体において所定形状の嵌め込み片が一ないし複数に打ち抜かれ、該嵌め込み片が前記パネル本体の打ち抜かれた部分に嵌脱自在に嵌め込まれることを特徴とする装飾パネル。
【請求項2】
前記表面シートおよび裏面シートの両面に装飾が印刷されている請求項1に記載の装飾パネル。
【請求項3】
前記基本シート材は発泡ポリスチレンからなる請求項1または請求項2に記載の装飾パネル。
【請求項4】
前記表面シート材および裏面シート材はポリプロピレンからなる請求項1から請求項3のいずれかに記載の装飾パネル。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の装飾パネルに立掛具が設けられた置物であって、
立掛具は、平面視コ字状に形成され、一端部を装飾パネルの右側部に回動可能に連結され、かつ他端部を装飾パネルの左側部に回動可能に連結され、設置時には該立掛具が装飾パネルの後側で傾斜しながら支承するとともに、立掛用具内において装飾パネルが表裏に反転し得ることを特徴とする置物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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