装飾発光体
審美的に魅力的な雰囲気を提供する装飾発光体(10)である。前記装飾発光体(10)はシェード(40)を含んでもよい。前記シェード(40)は使い捨てであってよい。前記装飾発光体(10)はまた、基部(20)を含んでもよい。光源(27)もまた同様に含むことができる。本発明はまた、本発明の装飾発光体の製造方法に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、審美的に魅力的な雰囲気を提供する装飾発光体に関する。
【背景技術】
【0002】
魅力的な雰囲気を提供するために香りのろうそくを使用することは当該技術分野において既知である。しかしながら、香りのろうそくは扱いにくい場合があり、また直火の使用に関連した問題をもたらし得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明はこれらの制限を克服する。本発明の装飾発光体は、審美的に魅力的な雰囲気を提供する。炎を利用しないので、直火の使用に付随した懸念がない。さらに、本装飾発光体はワックス系ではないため、香りのろうそくにつきものであり得る液だれ及び乱雑状態に対する懸念がない。さらには、発光体のシェード(shade)は容易に取り換え可能及び使い捨て可能であり、香り及び装飾スタイルに関する豊富な選択範囲をユーザーに提供するので、本発明の発光体はユーザー柔軟性を提供する。
【0004】
本発明のさまざまな特徴、態様、利点、及び変形は、添付の特許請求の範囲と共に本開示を読むことにより当業者には明らかになるであろう。また、かかる特徴、態様、利点、及び変形は特許請求の範囲内に含まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様において、本発明は装飾発光体に関する。装飾発光体は、基部、光源、及び単数または複数の使い捨てのシェードを含み得る。約50%〜約100%が揮発性組成物からなる組成物をシェードに含浸させてもよく、揮発性組成物は約600〜約1800のコヴァッツインデックスを含む少なくとも1つの成分を含む。
【0006】
使い捨てシェードは、香料成分を含む揮発性組成物を含浸してもよく、香料成分は、沸点が約20℃〜約250℃及びClogP値が約−2〜約3である成分の第1群、沸点が約20℃〜約250℃及びClogP値が約3〜約9である成分の第2群、沸点が約250℃〜約400℃及びClogP値が約−2〜約3である成分の第3群、沸点が約250℃〜約400℃及びClogP値が約3〜約9である成分の第4群、又はこれらの組み合わせから選択される。
【0007】
使い捨て物品(The disposable)は、揮発性組成物を含んでもよく、シェードが空気に暴露された後約24時間以内に揮発性組成物の約50%以上がシェードから失われる。使い捨てシェードは、約5mL/m2〜約1000mL/m2の流体保持能力及び約0.1μm〜約100μmの平均孔径を有する材料からなり得る。
【0008】
本発明の別の態様では、装飾発光体用組成物が提供される。組成物は揮発性組成物を含み、揮発性組成物は、約60ミリグラム〜約15グラムの揮発性組成物を使い捨てシェードに添加可能な量で提供される。使い捨てシェードに添加される前に、揮発性組成物はアンプル、パウチ、点滴瓶、サッシェ、スプレー、ブローフィルシール容器又はこれらの組み合わせに収容される。揮発性組成物は、約600〜約1800のコヴァッツインデックスを有してもよい。
【0009】
本発明のさらに別の態様では、装飾発光体は基部及び使い捨てシェードを含む。シェードは前記基部に結合されている。基部は連結要素を有し、シェードは相互連結要素を有し、これにより基部の連結要素がシェードの相互連結要素と接触する。
【0010】
本発明の別の態様では、約0.008mm〜約5mmの厚さを有する材料からなり、さらに揮発性組成物を含む使い捨てシェードが提供される。
【0011】
本発明のさらなる態様では、使い捨てシェード及び変化表示を含む装飾発光体が提供される。
【0012】
本発明のさらなる態様では、装飾発光体の製造方法が提供される。本方法は、
a)光源を含む基部を提供する工程、
b)使い捨てシェードを提供する工程、及び
c)基部がシェードと連通するように、基部を使い捨てシェードと連結する工程、を含む。
【0013】
本発明の別の態様では、使い捨てシェードを平坦な形状又は実質的に平坦な形状で提供する工程、及び使い捨てシェードを実質的に平坦でない形状に広げる工程、を含む装飾発光体の製造方法が提供される。
【0014】
本発明のさらなる態様では、ユーザーが装飾発光体の構成要素をカスタマイズする方法が提供される。方法は、
a)各装飾発光体要素のそれぞれのオプション含む双方向性の見本陳列を提供する工程、
b)ユーザーに双方向性の見本陳列へのアクセスを提供する工程、及び
c)ユーザーが、ユーザーが選択した各装飾発光体要素の各オプションが組み込まれた装飾発光体のサンプルの双方向性の見本陳列を見ることを可能にするために、各装飾発光体要素のどのオプションを双方向性の見本陳列からユーザーが好むのかを、ユーザーが選択するのを可能にする工程、を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
ここで、本発明の様々な実施形態に関する詳細な参照を行い、かかる参照の例が添付図面に示される。図面を通して、同様の参照番号は同様の部分を示している。特に指示がない限り、本明細書中の百分率、割合及び比は全て重量基準である。
【0016】
特に記載する場合を除き、分量、百分率、部分、及び比を含めたすべての量は、「約」という言葉によって加減されるものと理解され、量は、有効数字を示すことを意図したものではない。
【0017】
特に指定される場合を除き、冠詞「a」、「an」及び「the」は「単数または複数の」を意味する。
【0018】
本明細書で使用するとき、「含む」は、最終結果に影響を及ぼさないその他の工程及びその他の成分を含み得ることを意味している。この用語は、「からなる」及び「から本質的になる」という用語を包含する。本発明の組成物及び方法/プロセスは、本明細書に記載される本発明の必須要素及び限定、並びに本明細書に記載されるいかなる追加又は任意の成分、構成、構成要素、工程、若しくは限定をも含む、それらからなる、及びそれらから本質的になることができる。
【0019】
本明細書で使用するとき、「使い捨て」は、数回使用した後に廃棄されるものを指す。
【0020】
本明細書で使用するとき、「耐久性のある(durable)」は、何度も使用可能なものを指す。
【0021】
本明細書で使用するとき、「表示」は、画像又は模様を創り出す任意の所望の配列をいう。
【0022】
本明細書で使用するとき、「不透明度」は、物質を通過する光の量の表示をいう。不透明度が高いほど物質を通過する光の量は少ない。一般に、不透明度は、裏当て黒時の物質及び裏当て白時の同一物質の反射率測定から計算され、ここで:
%不透明度=(Y裏当テ黒/Y裏当テ白)×100である
(式中、YはYのCIE三刺激値である)。
【0023】
本明細書で使用するとき、「揮発性材料」は揮発可能な材料を指す。
【0024】
本明細書で使用するとき、「揮発性染料」は、揮発可能な可溶性又は不溶性の着色物質を指す。化学的組成は、単一成分又は混合物であり得る。
【0025】
本明細書を通じて与えられるあらゆる最大数の限定は、あらゆる低い数値の限定を、あたかもそのような低い数値の限定がここにはっきりと表現されているかのように含むと理解されなければならない。本明細書全体を通じて記載される最小数値限定は、それより大きいあらゆる数値限定を、そのような大きい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように含む。本明細書全体を通じて記載される数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に入るそれよりも狭いあらゆる数値範囲を、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明確に記載されているかのように含む。
【0026】
装飾発光体
本発明の装飾発光体は、基部、ライト(light)、及びライトを囲むをシェードを含み得る。装飾発光体はまた、別個に、及び/又は基部、シェード、又はそれらの組み合わせと共に含まれ得る揮発性組成物も含み得る。シェードは、基部と共に及び/又はライトと共に含まれてもよい。あるいは、独立型物品として別個に提供されてもよい。シェードは表示を含み得る。一つの非限定的な例において、表示は使用中に目視遷移を受け得る。
【0027】
A.基部
図1〜7を参照すると、本発明の装飾発光体10は基部20を含み得る。基部20は、シェード40を受容及び支持するための寸法及び形状とされ得る。ライト27はまた基部に結合されていてもよい。ライト27が存在する場合、ライト27及び/又はライトを点滅させるスイッチに電力を供給するために、電源26もまた存在してもよい。バッテリー、家庭用電流、太陽エネルギー等を含む、任意の電源26を使用することができるが、これらに限定されない。バッテリーを使用する場合には、交換目的のために容易にアクセスできるよう、任意に扉などのアクセスパネルを含むのが望ましい。例えば、図7を参照すると、基部20の基底23は、アクセスパネルの役割を果たし得る。加えて、揮発性組成物が基部20に使われていてもよい。所望であれば、基部20は装飾されてもよい。一般に、基部20は、組み立てられた装飾発光体10の重量をティッピング(tipping)なしで支持するのに十分なほど重くなければならない。基部20は当業者によく知られる多くの方法で形成されてもよく、その非限定的な例には、射出成形、圧縮成形、及び熱成形が挙げられる。基部20は単数または複数のポリマーを含んでもよく、その一つの非限定的な例は熱可塑性ポリマーである。典型的には、ライト/光源27は、カバー22を利用して保護される。所望であれば、カバー22はまた、ライト/光源27から光が拡散するのを助長する光拡散器として機能することも可能である。1つの非限定的な実施形態において、カバー22は、揮発性組成物の構成要素など基部20と接触する可能性のある様々な物質に対して耐性のある、透明熱可塑性カバーなどの、熱可塑性カバーであってもよい。好適なポリマーの1つの非限定的な例は、BAREXの名前で入手可能でありイノビーン社(Innovene)(イリノイ州、シカゴ(Chicago, Illinois)製の、射出成形グレードの撃性変性アクリロニトリルである。その他の好適な材料には、射出成形及び/又は熱成形グレードのスチレンアクリロニトリル(「SAN])、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(「PET」)、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0028】
図14及び15を参照すると、一つの非限定的な実施形態において、シェード440などのシェードの底部用設置領域(resting area)を提供するために、カバー22(図示)の周囲又は基部20(図示せず)の周囲に、ステップ又はレッジ(ledge)293を有することが望ましい。あるいは、その非限定的な例にピン及び突出部を含む単数または複数の部材(図示せず)が、シェード(例えば、図1〜6、図10〜11、図13、及び図15〜19に示されるシェード40、シェード410又はシェード440)をカバー22及び/又は基部20上に定置して保持するために、シェードと嵌合するように使用され得るカバー22及び/又は基部20に含まれてもよい。当該部材は往復式又は固定式、又はこれらの組み合わせであってよい。所望であれば、シェードは、カバー22及び/又は基部20の往復運動部材(1又は複数)と嵌合するように設計され得る単数または複数の往復運動部材を含んでもよい。加えて又は別の方法としては、所望であれば、カバー22、基部20、及び/又はシェード40に含まれる往復運動部材は、往復運動部材が嵌合すると装飾発光体のライトが作動するように、スイッチとして機能し得る。
【0029】
B.ライト
図1〜7を参照すると、本発明はまたライト/光源27を含み得る。一般に、光源27は基部20に結合されるが、シェード40に限定されない別の領域に位置してもよい。さらに、所望であれば、図7に示されるような1超過のライト/光源27が存在してもよい。好適な光源には、発光ダイオード(「LED」)、フィラメント電球(filament-based bulbs)を含むがこれに限定されない白熱光源、及びエレクトロルミネセント、化学発光、カソードルミネセンス、トリボルミネセント、及び光輝性材料を含むがこれらに限定されない蛍光光源が挙げられる。
【0030】
一つの非限定的な実施形態において、光源は、単数または複数のLEDである。LEDは、黄色、白、赤、緑、青、ピンク又はこれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない任意のいくつもの色であり得る。本発明で用いるのに好適なLEDの一つの非限定的な例は、パートNo.MV8305(フェアチャイルド・セミコンダクター(Fairchild Semiconductor)(メイン州、サウスポートランド(South Portland, Maine)より入手可能)である。
【0031】
本発明の一つの非限定的な実施形態において、光源27は、図7に示されるような装飾発光体10の基部20の中に存在する土台25上に装着される。シェード40が基部20に接触したときに、光源27のスイッチが自動的に入るように設計されてもよい。これは多くの方法によって実現させることが可能であり、その一つの非限定的な例は、シェード40が基部20に接触したときに嵌合する、表面に装着された接触型スイッチ(図示せず)を利用している。所望であれば、光源は、シェード40が基部20と接触して定置された後、予め定められた時間が経過した後に光源27のスイッチが自動的に切れるように、基部20に組み込まれたタイマー(図示せず)に接続されてもよい。別の非限定的な実施形態(図示せず)において、光源はシェード40の中に存在してもよい。これは多くの方法によって実現することが可能である。例えば、表面に装着される接触型スイッチ(図示せず)は、シェード40が基部20と接触すると光源27のスイッチが入るように、シェード40の上に装着されてもよい。あるいは、エレクトロルミネセント及び/又は化学発光材料を光源として使用することができる。一つの非限定的な実施例において、エレクトロルミネセント材料は、シェード40の一部として、基部20の一部として、又はこれらの組み合わせのいずれかで提供される。例えば、シェード40及び/又は基部20は、全体又は一部をエレクトロルミネセント材料で製造することができる。本発明で使用するのに好適なエレクトロルミネセント材料の一つの非限定的な例は、ナヴァト・エレクトロルミネセント社(Novatech Electroluminescent Incorporated)(カリフォルニア州、チノ(Chino, California))から入手可能なEL(EL)である。
【0032】
さらに別の非限定的な実施形態において、吸収性及び/又は多孔質のシェード20に、蛍光染料を有するフェニルシュウ酸エステルを含浸させることができる。シェード20は、過酸化水素を含有し得る破裂可能なパウチを含んでもよい。次に、ユーザーはパウチを破裂させ、その結果過酸化水素がフェニルシュウ酸エステル/染料と接触することを可能とする。パウチに含まれている過酸化水素を、シェード20に含浸させてあるフェニルシュウ酸エステル/染料と接触させることにより、2つの物質間の化学発光反応を介して光を提供する。
【0033】
所望であれば、光源から光度の異なる光が提供されてもよい。光源は、電源(非限定的な例にはバッテリー及び/又はAC電源が挙げられる)、マイクロコントローラ、スイッチ、及び単数または複数のLEDと結合されていてもよい。本発明で使用するのに好適なマイクロコントローラの一つの非限定的な例は、テキサス州、ダラスのテキサス・インスツルメンツより入手可能なパートNO.MSP430F122である。光度は、パルス幅変調方式(「PWM」)を用いてマイクロコントローラによって変化させてもよい。PWMは、LEDに放出される電力の量を瞬時にデジタル制御する方法をいう。図8は、本発明の光源を制御するのに好適な回路を示す、電気配線図の一つの非限定的な実施例を示している。図8を参照すると、マイクロコントローラ200は、LEDの光度を変化させるアルゴリズムを実行するようにプログラミングされていてもよい。本質的に、ろうそくの炎の光度及び動きなどの視覚的特徴をそっくりまねるようにマイクロコントローラ200をプログラミングすることが可能である。例えば、典型的なろうそくの炎は、光度の変化を作り出すかなりの量の左右の動きを一般的に有している。本発明の光源を制御するために使用するマイクロコントローラ200は、光度の変化をとらえるようプログラミングされ得る。例えば、左右の動きは、2つのLEDを並べて定置し、パルス幅変調方式を用いて光度及び動きを変えることによって得ることができる。代替的非限定的な実施例において、LEDの強度を無作為に変えるようにマイクロコントローラ200をプログラミングしてもよい。別の実施例において、LEDの強度を時間と共に強める又は弱めるようにマイクロコントローラ200をプログラミングしてもよい。
【0034】
C.シェード
図1〜7を参照すると、本発明の装飾発光体10は、シェード40をさらに含む。シェード40は、基部20と連結させて及び/又は光源と連結させて備えることが可能である。あるいは、シェード40は独立型物品として別個に設けられてもよい。本発明のシェード40は、使い捨てであることが望ましい。シェード40は1回使い捨てシェード40であってもよいし、1回を超えて使用するように設計された使い捨てシェード40であることも可能である。あるいは、図13〜15に示されるように、装飾発光体10はより耐久性のある外側シェード410及び使い捨ての内側シェード440を含んでもよい。一つの非限定的な実施例において、内側シェード440が外側シェード410を捨てる必要なく香りを放出するために使用される使い捨てシェードであり得る一方で、外側シェード410は耐久性のある装飾的なシェードであり得る。内側シェード440は使い捨てであるため容易に交換することができ、所望であればユーザーは異なる香りを体験することが可能である。
【0035】
典型的には、光源に連結させて使用する場合にシェード40は、光源の相当部分を囲む。例えば、シェード40は光源の周囲の少なくとも約90°を囲み、又は光源の周囲の少なくとも約180°を囲み、あるいは光源を完全に囲む。
【0036】
シェード40は基材を含む。基材は単一材料又は材料の組み合わせから製造され得る。シェード40は、透明、半透明、不透明、又はこれらの組み合わせであることができる。一般に、シェード40は、基材の一部分に光を通過させ、十分に堅く、形状を保つことの可能な任意の材料又は材料の組み合わせから製造される。好適な材料の非限定的なリストには、セルロース性の材料、非セルロース性の材料、及びそれらの組み合わせが挙げられる。これらの非限定的な例には、発泡熱可塑プラスチックを含むがこれに限定されない熱可塑性プラスチック、並びにポリエチレン、ポリプロピレン、及びエチレンビニルアセテート(「EVA」)を含むがこれらに限定されないポリオレフィン系材料;ポリウレタンを含むがこれに限定されない熱硬化性樹脂;紙;べラム;パーチメント;皮;織布材料;及び不織布が挙げられる。一つの好適な不織布は、BBAファイバーウエブ(BBA/Fiberweb)(サウスカロライナ州、シンプソンビル)から入手可能なSYNERGEX6130である。
【0037】
シェード40は、図9に示されるような材料300の単数または複数の層からなることができる。各層は、単数または複数の種類の材料を含み得る。シェードの各層の厚さは、モデルNo.22P−10(ロードアイランド州、プロビデンス(Providence, Rhode Island)のマール・フェデラル社(Mahr-Federal)から入手可能)などの手持ち式すき間ゲージで測定した場合、約0.008mm〜約5mm又は約0.01mm〜約1mmであり、シェードの平均全厚さは約0.02mm〜約5mm又は約0.04mm〜約1mmである。
【0038】
層は、層状可撓性構造を作製するのに既知の任意の手段によって結合することができ、当該手段の非限定的な例には、接着剤結合、熱的又は超音波結合、押し出し被覆、押出成形積層、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【0039】
一つの非限定的な実施形態において、シェード40は、例えば重力又は毛管抵抗力に起因する液だれ又は放出なしに揮発性組成物を保持することの可能な吸収性材料の少なくとも1つの層を含んでもよい。好適な吸収性材料には、シェード材料の約5mL/m2〜約1000mL/m2又は約10mL/m2〜約400mL/m2の流体保持能力を有する多孔質材料が挙げられるが、これらに限定されない。好適な吸収性材料には、繊維性セルロース系材料、繊維性熱可塑性系材料(スパンボンドポリプロピレン、スパンボンドポリエステル等を非限定的に含む)、及びその他の繊維性材料(グラスファイバーを非限定的に含む)が挙げられるがこれらに限定されず、当該材料は約10%〜約95%の細孔容積又は、約20%〜約90%の細孔容積を有し、細孔容積平均は約0.1μm〜約100μm又は約0.3μm〜約80μmである。その他の好適な吸収性材の非限定的な例は、熱可塑性樹脂から製造される発泡体であり、当該発泡体の一つの非限定的な例は、連続気泡ポリエチレン発泡体(例えば、マサチューセッツ州、ハイアニス(Hyannis, Massachusets)のセンチネルプロダクツ社(Sentinel Products Corporation)から入手可能な発泡体)、ウレタン、セルロース及び/又はデンプン、及び揮発性組成物を含有及び放出するための開口領域を少なくとも20%有するミクロ孔質のポリマーフィルムである。孔径分布及び%細孔容積は、例えば、トリ/プリンストン(TRI/Princeton)(ニュージャージー州、プリンストン(Princeton, New Jersey))から入手可能なトリ自動ポリシメータ(TRI autoporisimeter)を用いて測定することが可能である。好適な吸収性材料の例には、BBAファイバーウエブ社(サウスカロライナ州、シンプソンビル)製造のSYNERGEX6130及びセルティシュー社(Cellutissue Corporation)(コネチカット州、イーストハートフォード(East Hartford, Connecticut))製造のグレード(GRADE)7020が挙げられるがこれらに限定されない。
【0040】
所望であれば、吸収性材料は、揮発性組成物の放出を助長する、又は揮発性組成物状に保持するのを助長するために、親水性、疎水性、親油性、あるいは疎油性、又はこれらの組み合わせのいずれかになるように処理されてもよい。所望であれば、吸収性材料の全部又は一部分を処理してもよい。例えば、吸収性材料の全面を処理すること又は揮発性組成物がシェードの縁部に移動するのを防ぐため若しくは制限するために、縁部だけを処理することが望ましい。例えば、一つの非限定的シナリオにおいて、シェードの縁部に沿った約5mm〜約20mmを疎油性コーティングで処理することは、主に油性香料がシェードの縁部に移行するのを防ぐ可能性があり得る。
【0041】
所望であれば、シェードを2層に構成することが可能であり、外層は、例えば、内層に含浸させた液状の揮発性組成物に対して実質的に不透過性である障壁材からなる。外層は、ユーザーと内層に含浸した揮発性組成物との接触を最小限にすることを助長する働きをし得る。あるいは、シェード40は図9に示されるように3層に構成することが可能であり、内層310は揮発性組成物を含浸させた吸収性材料を含むことができ、中間層320は内層310に含浸した揮発性組成物に対して実質的に不透過性である障壁材を含むことができ、外層330は第2の材料を含むことができ、当該材料の非限定的な例には多孔質材料、多孔性でない材料、又はこれらの組み合わせが含まれる。好適な障壁材には、多孔性でないフィルム、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エチレンビニルアルコール(「EVOH」)、酸化アルミニウム被覆ポリエステル、二酸化ケイ素被覆ポリエステル、好適な例がPETの金属化ポリエステル、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。障壁層の厚さは、シェード40の可撓性を維持するために、典型的には約0.005mm〜約1mmの又は約0.01mm〜約0.1mmである。この実施形態の別のバリエーションでは、中間障壁層を省いてもよい。
【0042】
さらに別の実施形態(図示せず)において、揮発性組成物は、シェード40から切り離されているがシェード40に接続される、別個の基材に取り付けられることができる。別個の基材は、任意にパッチ(patch)又はラベルの形態であってもよい。一つの非限定的な実施形態において、別個の基材は、別個の基材がより小さな場所又は領域に揮発性組成物をより高い割合で含有することが可能となるように、シェード40よりさらに吸収性があり、厚くてもよい。さらに、例えばより厚みのある別個の基材をシェード40の底面に貼り付けることにより、シェードに支え及び安定性を提供する働きをすることができる。別個の基材として使用することのできる好適な吸収性材料の一つの例は、EMI・スペシャリティー・ペーパーズ(EMI Specialty Papers)(コネチカット州、レディング(Redding, Connecticut))から入手可能な製造番号7620Wである。
【0043】
シェード40は、それ自体の重さを受けるのに、また基部20(使用される場合)を被って容易に被嵌するのに十分な程堅くなくてはならない。一般に、シェード40は、約1グラム〜約200グラムの間、又は約5グラム〜約100グラムの偏向力(deflection force)(即ち、非強化及び強化プラスチック並びに電気絶縁材料の曲げ特性の標準試験方法(Flexural Properties of Unreinforced and Reinforced Plastics and Electrical Insulating Materials)と題するASTM D790−03に従って、スパン距離25.4mm(マサチューセッツ州、ノーウッド(Norwood, Massachusetts)のインストロン社(Instron Corporation)製のインストロン圧縮/引張り試験機モデル番号550RC5451上で測定)で測定したときに、長さ50mm、幅12.7mm及び厚さ1.6mm未満の試料を3mm偏向させるのに必要な抵抗力)、及び約0.1ギガパスカル〜約10ギガパスカル(「GPa」)の間の曲げ弾性率を有するのが望ましい。
【0044】
シェード40を含む基材は、透明、半透明、不透明、又はこれらの組み合わせであってよい。典型的には、シェード40を含む材料は、組み立てられたときにシェード40の少なくとも一部が半透明、透明、又はこれらの組み合わせに見えるように選択される。さらに、シェード40は、シェード材料が除去される部分を有していてもよく、この一つの非限定的な実施例は、模様がシェード40に打ち抜きされており、材料の打ち抜き部分がシェード40から除去される場合である。シェード40は、約0%〜約100%、又は約20%〜約80%、あるいは約25%〜約70%の範囲の不透明度を有し得る。基材の不透明度は、領域によって及び/又は所定の時間枠内で異なっていてもよい。例えば、シェード40は、組成物(組成物の非限定的な例が香料のような、揮発性組成物である)で部分的に濡れた場合、組成物が蒸発した後で異なる特定の不透明度を有してもよい。不透明度を測定するために使用する一つの好適な機器は、ハンター・アソシエイツ・ラボラトリー(Hunter Associates Laboratory)(バージニア州、レストン(Reston, Virginia))が製造するハンター・ラボスキャン(Hunter LabScan)XEである。
【0045】
一つの非限定的な実施形態において、シェード40の外側に向いた側面(outwardly-facing side)は、自然な外観の材料から製造され、模様又は画像を印刷又はエンボスすることができる。一実施形態において、図1〜7に示すように、薄い、平らな材料又は材料の組み合わせを管状形状に折り曲げ、次に管が広がるのを防ぐために1つの端部340に沿って固着する。所望であれば、シェード40が平坦になるのを可能にするために折り目を有することができる。例えば、包装上、シェード40を平坦又は実質的に平坦な形状で消費者に提供するのが望ましい場合がある。消費者は使用の際にシェード40を開き、平坦でない形状又は実質的に平坦でない形状に広げる。当該形状の非限定的な例には、円錐、管、球体、立方体、多角形、又はその他任意の形状が挙げられる。
【0046】
所望であれば、シェードをハイバリアなパウチに個々に包装してもよく、これは組成物の揮発性成分の漏れを防止することを助ける。ソノコフレキシブルパッケージング(Sonoco Flexible Packaging)(オハイオ州、フランクリン(Franklin, Ohio))から入手可能な1つの好適なパウチの材料は、アルミニウムフォイル障壁層及び裏面印刷されたPET外層に積層されたアクリロニトリルシーラントフィルム押出成形(商標名BAREXとして販売)の積層体を含む。香料の包装シーラントフィルムへの吸収を最小にすることができるため、BAREXシーラント層が望ましい。その他の好適なシーラント層の非限定的な例には、様々なポリオレフィン類、EVOH、金属化ポリエステル等のブレンド又は単層が挙げられるがこれらに限定されない。あるいは、ハイバリアな再密閉可能パウチに包装された複数のシェードを有することが可能である。パウチは、ジップロック機能、粘着テープ、又はこれらの組み合わせを非限定的に含む、当業者には周知の様々な方法によって再密閉可能とすることができる。
【0047】
別の非限定的な実施例において、図17〜19に示されるように、シェードと包装が一体であるように作製するのが望ましい。これにより個別包装の必要のない一体形エアフレッシュニングパッケージ(air freshening packag)を提供する。上述されたように、シェードは、図17に示すように内側吸収層540及び外側障壁層520を有する多層系として構成されてもよい。所望であれば、障壁層520の外側に任意で追加的な修飾外層(decorative outer layer)(図示せず)を足してもよい。障壁層520は、上記のように香料の移動を防止するのに好適な材料からなり得る。本実施例において、障壁層520はまた製品の保管寿命を通して香料の損失を最少とする包装層にもなる。図18及び19を参照すると、多層構造は丸められ、突合せ部(butt)又は重ねシームあるいは当該技術分野において既知のその他の方法によって、封止縁部555に沿って当該多層構造自体に封止される。この管状は、次に、内側に香料を収容するために、図18に示されるように封止縁部550に沿って両方の開放端部を固着する。そのようにすることで、シェードの全ての側面が封止されて香料の損失が防止され、シェードは一次包装になる。シェード/包装570の封止縁部550は、次に、ハサミで又は図17に示されるような穿孔540を利用して切断する、テープを剥がす、ストリップを引張る、又は任意のその他の便利で簡単なバリアパウチ(barrier pouche)の開口手段を含むがこれらに限定されない当業者に既知の多くの方法によって除去され得る。次に、シェード/包装570はユーザーによって開放構造にセットされることができ、当該構造の一つの非限定的な実施例が図19に示される立方体である。開放構造になると、その結果、香料がシェード/包装から放出されることが可能になる。任意に、要素560を使用して、折られた立方体の形状を開放立方体形状(open cube)に保持することができる。かかる要素560の非限定的な実施例は、図18に示されるようなアルミニウムフォイルの一片又はスズのひも(tie)である。さらなる選択肢(図示せず)は、立方体の形状保持を助けるために立方体形状の上部周辺に取り付けられるフレームであり得る。
【0048】
内側吸収層が、破るのが困難なPET又はその他の合成繊維からなる場合は、内側吸収層を障壁層に延伸させないようにして内側吸収層がシェード/包装の封止末端部分に入り込むのを防ぐことが望ましい。一体型のシェード/包装が透明な障壁層からなるのが好ましい場合があり、当該障壁層の非限定的な実施例は、光が発光体シェードを通過するのを可能にするEVOH及び/又は二酸化ケイ素である。
【0049】
別の非限定的な実施形態において、シェードは、当該両方のシェードの形状及び寸法を同様にすることができる、又は互いに異なる寸法及び/又は形状とすることができるように、内側及び外側シェードなどの複数の構成要素を含んでもよい。所望であれば、外側又は内側のシェードあるいはその両方は、香料入り、無香料、又は一方が香料入りである、のいずれかであってもよい。この非限定的な実施例が、図13〜15に示されている図13及び15を参照すると、内側シェード440は香料入りであり得る一方で、外側シェード410は香料入りでない装飾シェードであり得る。内側シェード440を、外側シェード410を妨げずに基部20及び/又はカバー22上に容易に挿入できるように、内側シェード440を外側シェード410と形状は同様にするがそれよりわずかに小さくすることが可能である。図15を参照すると、(図13の線13−13に沿った断面図)外側シェード410及び内側シェード440が基部20及びカバー22の上に載っているのが見て取れる。基部20は、内側シェード440を外側シェード41内にセンタリングしやすくするのを助けるために、任意でレッジ293を含んでもよい。外側シェード410は、内側シェード440と同様の材料で製造することができ、又は外側シェード410をより装飾的な及び/あるいはより高価な材料で製造することもできる。所望であれば、内側シェード440を外側シェード410よりも簡素な形状としてもよく、例えば芳香剤を含ませて内側シェード440をより頻繁に交換することを可能とすることができ、その一方で外側シェード410は反復使用することができる。外側シェード410は単回又は数回使用することができ、又は装飾要素として多数回使用することを意味する耐久性のあるシェードとすることも可能である。所望であれば、内側シェード440が使い捨てであり得る一方で、外側シェード410は耐久性又は半耐久性であり得る。あるいは、外側シェード410は使い捨てであり得、一方内側シェード440は耐久性又は半耐久性であり得る。またさらに、所望であれば、外側シェード410及び内側シェード440の両方が耐久あるいは半耐久性であってもよく、又は外側シェード410及び内側シェード440の両方が使い捨てであってもよい。より耐久性のある外側シェード410は耐久性のある半透明材料で製造することができ、当該材料の非限定的な例には、ガラス;好ましくは射出成形可能なポリカーボネート、CPET、ポリプロピレン、又はその他のプラスチック類などのプラスチック類;ベラム;特殊紙などのセルロース性材料;あるいはさまざまな織布及び不織布材が挙げられる。耐久シェードは、半透明ではない、光が通過するのを可能とする開口部を有する材料から製造することができる。半透明でなく耐久性のある紙を作製することの可能な材料の非限定的な例は、厚い/高いキャリパーの紙構造、金属、着色されたプラスチック材料、又はこれらの組み合わせを含む。個別の内側及び外側シェードを使用することにより、費用、香料適合性及びインク適合性に関する制限なく、より装飾的な材料を外側シェードに使用することができる。さらに、個別の内側及び外側シェードを使用することにより、ユーザーが装飾的なシェードを別の香料入りシェードとさまざまに組み合わせることが可能となる。これにより、小売店が在庫に維持する必要のあるバリエーションの数を潜在的に減少させることも可能となる。
【0050】
所望であれば、香料入りシェード300は単数または複数の持ち手を有して構成されてもよく、当該持ち手の非限定的な実施例は、ユーザーの手に香料が付着する可能性なしにシェード300を取り扱うことを可能とする図16A及び16Bに示されるようなタブ301である。タブ301はまた、シェード300を図16Bに示すような立方体形状などの形状に形成するのを可能とするために、タブ301を内側に圧迫することにより、シェード300をつかむ簡単な方法も提供する。所望であれば、タブ301はまた、シェード300を形成する層が、接着剤結合、熱封止等などによって結合されるシール領域を形成することも可能である。
【0051】
D.揮発性組成物
本発明の装飾発光体10は、揮発性組成物をさらに含んでもよい。本明細書で使用するとき、用語「香り(scent)」「芳香剤(fragrance)」「アロマ(aroma)」及び「香料(perfume)」は置き換え可能に使用される。本発明の揮発性組成物は、これらを含むと限定されないないが、揮発性染料、芳香剤組成物、殺虫剤、芳香剤、防臭剤、脱臭剤、アロマコロジー、アロマテラピー、芳香油として機能する揮発性材料;又は空気を調湿する、変化させる、ないしは別の方法で空気に放つ、あるいは周囲を変化させるように作用する任意のその他の物質を包含し得る。防臭剤又は悪臭抑制組成物は、消臭材料(その非限定例は反応性アルデヒドである)(米国特許出願公開番号第2005/0124512号に開示されている)、臭気阻止材料、臭気マスキング材料、又は感覚修正材料(sensory modifying materials)(その非限定例はイオノンである)(米国特許出願公開番号第2005/0124512号に開示されている)、及びこれらの組み合わせから選択される物質を含み得る。
【0052】
典型的には、揮発性組成物はシェード40及び/又は基部20内に含まれる。揮発性組成物は、また別個のサッシェ(sachet)又はパウチ(図示せず)に含まれてもよい。本明細書で使用するとき、用語「サッシェ」は置き換え可能に使用される。一般に、シェード40、基部20、別個のサッシェ等、又はこれらの組み合わせに含まれる揮発性組成物は、シェード、基部、別個のサッシェ等、又はこれらの組み合わせにつき約60ミリグラム〜約15グラムの量、あるいはシェード40、基部20、別個のサッシェ又はこれらの組み合わせにつき約120ミリグラム〜約5グラム、若しくはシェード40、基部20、別個のサッシェ又はこれらの組み合わせにつき約250ミリグラム〜約1グラムの量で含まれる。一つの非限定的な実施形態において、シェード40に、約0.1グラム〜約2グラムの揮発性組成物、又は約0.3グラム〜約0.8グラムの揮発性組成物を含浸させる。一つの非限定的な実施形態において、空気にさらされた後の揮発性組成物は、当該揮発性組成物が配置された場所の温度が21℃及び相対湿度が約50%だと仮定すると、約24時間以内に、又は約12時間以内に、あるいは約6時間以内に、シェード40、基部20、サッシェ等から約50%以上が奪われる。
【0053】
一実施形態において、揮発性組成物は香料組成物を含み得る。香料組成物は短期間の香り体験を提供することができる。本発明の範囲内において、香りの強さを調節する多くの方法が想定される。いくつかのケースでは、当該方法は香料組成物製品であり得、又はシェード40、基部20あるいは香料組成物が添加される任意の面上、又はこれらの組み合わせの設計であり得る。例えば、香料組成物は、より速い放出特性を組成物に付与する特徴を有するように配合されることが可能である。香料は、単数または複数の香料成分を通常含む。多くの場合、これら成分は異なる揮発度、沸点、及び臭気検出閾値を有している。香料組成物が空気中に揮発するとき、高揮発度の成分(「トップノート」と呼ばれる)は、揮発して、低揮発度の成分(「ミドルノート」と呼ばれる)及び最も低い揮発性の成分(「ボトムノート」と呼ばれる)よりも人の臭覚によってより早く感知される成分である。香料が最初に放出された後、全体的な香料の特徴は、トップノートが次第に少なくなり、ボトムノートはより多くなるので、時間と共に変わる。
【0054】
香料組成物は、本発明のような香料組成物放出装置で適切に使用される構成成分を含み得る。構成成分に制限はないが、成分のコヴァッツインデックス(「KI」)に基づいて選択され得る(無極性のシリコーン固定相としての5%フェニル−メチルポリシロキサン上で測定される)。KIは、検体の揮発特性(例えば、揮発性組成物の構成成分)を、ガスクロマトグラフィーカラムの上に、該カラム上の一連のn−アルカン(直鎖アルカン)に関連付けて定置する。典型的なガスクロマトグラフ(「GC」)カラムは、アジレントテクノロジーズ(Agilent Technologies)(カリフォルニア州、パロアルト(Palo Alto, California))から入手可能なDB−5カラムである。この定義により、直鎖アルカンのKIを100nにセットし、ここでnはn−アルカンの炭素原子の数である。次に、それぞれ補正保持時間t'n及びttNである炭素原子の数が「n」及び「N]である2つのn−アルカンの間の検体のKI、x、時間t'における溶出を次のように計算する:
【0055】
【数1】
【0056】
無極性から微極性のCG固定相では、検体のKIはそれらの相対的な揮発度と相互関連している。例えば、KIの小さい検体は、KIの大きい検体よりもより揮発性である傾向がある。検体をそれらの対応するKIでランク付けすると、液化ガス分配系における検体の蒸発速度の良好な比較が提供される。本発明の揮発性組成物は、KI値が約600〜約1800、又は約800〜約1700、あるいは約900〜約1600である少なくとも1つの成分を有し得る。当該揮発性組成物は、KI値が約50%〜約100%、又は約70%〜約100%、あるいは約80%〜約100%である単数または複数の成分を含み得る。
【0057】
コヴァッツインデックスとは別に又はそれに加えて、揮発性組成物構成成分はそれらの沸点(即ち「B.P.」)及びオクタノール/水分配係数即ち「P」)に基づいて選択されることが可能である。本明細書において言及される沸点は、0.10MPa(760mmHg)である通常の標準気圧のもとで測定される。標準である0.10MPa(760mmHg)での多くの香料成分の沸点は、ステファン・アークタンダー著及び発行(1969年)の「パヒューム・アンド・フレーバー・ケミカルズ(Perfume and Flavor Chemicals)(アロマ・ケミカルズ(Aroma Chemicals))に見い出すことができる。香料成分のオクタノール/水分配係数は、オクタノール中の平衡濃度と水中の平衡濃度との間の比である。
【0058】
揮発性組成物で用いられる香料の成分分配係数は、基底10に対するそれらの対数logPの形態でより簡便に示されてもよい。多くの香料成分のlogP値が報告されている。例えば、デイライト・ケミカル・インフォメーション・システムズ社(Daylight Chemical Information Systems, Inc.)(デイライトCIS(Daylight CIS))(カリフォルニア州、アーバイン(Irvine, California))から入手可能な、ポモナ92データベース(Pomona92 database)を参照のこと。しかしながら、logP値は、これもまたデイライトCISから入手可能な「CLOGP」プログラムによって最も好都合に算出される。このプログラムはまた実測logP値も、それらがポモナ92データベースにおいて入手可能な場合には、一覧にしている。算出されたlogP(「ClogP」)は、ハンシュ及びレオ(Hansch and Leo)のフラグメントアプローチ(fragment approach)(総括医薬品化学(Comprehensive Medicinal Chemistry)」、第4巻、C.ハンシュ(C.Hansch)、P.G.サメンス(P.G.Sammens)、J.B.テイラー(J.B.Taylor)、及びC.A.ラムスデン(C.A.Ramsden)編集、295頁、ペルガモン・プレス(Pergamon Press)1990年)により決定される。フラグメントアプローチは、各香料成分の化学構造に基づいており、原子の数と種類、原子の結合性、及び化学結合を考慮に入れている。ClogP値は、最も信頼でき、またこの物理化学的特性の評価に広く用いられており、典型的には揮発性組成物の香料成分の選択において実験的なlogP値の代わりに用いられる。
【0059】
香料組成物は、成分の単数または複数の群から選択される香料成分を含んでもよい。成分の第1の群は、約20℃〜約250℃の沸点、約25℃〜約240℃の沸点、又は約30℃〜約235℃の沸点を有する香料成分を含む。香料成分の第1の群は、約−2〜約3又は約−1〜約2.5のClogP値を有する香料成分を含んでもよい。特定の実施形態では、香料成分の第1の群から選択された香料成分は、存在するとき、香料組成物の約20%〜約100重量%、香料組成物の約40%〜約100重量%、又は香料組成物の約50%〜約100重量%の濃度で存在し得る。
【0060】
香料成分の第2の群は、約20℃〜約250℃の沸点、約25℃〜約240℃の沸点、又は約30℃〜約235℃の沸点を有する香料成分を含んでもよい。香料成分の第2の群は、約3〜約9、又は約3.5〜約7のClogP値を有する香料成分を含んでもよい。特定の実施形態では、第2の香料成分は、存在するとき、香料組成物の約20%〜約100重量%、香料組成物の約40%〜約100重量%、又は香料組成物の約50%〜約100重量%の濃度で存在し得る。
【0061】
香料成分の第3の群は、約250℃〜約400℃、又は約260℃〜約375℃の沸点を有する香料成分を含んでもよい。香料成分の第3の群は、およそ約−2〜約3又は約−1〜約2.5のClogP値を有する香料成分を含んでもよい。特定の実施形態では、香料成分の第3の群から選択された香料成分は、存在するとき、香料組成物の約0.5%〜約90重量%、又は香料組成物の約1%〜約80重量%の濃度で存在し得る。
【0062】
香料成分の第4の群は、約250℃〜約400℃、又は約260℃〜約375℃の沸点を有する香料成分を含んでもよい。香料成分の第4の群は、約3〜約9、又は約3.5〜約7のClogP値を有する香料成分を含んでもよい。特定の実施形態では、香料成分の第4の群から選択された香料成分は、存在するとき、香料組成物の約0.5%〜約90重量%、又は約1%〜約80重量%の濃度で存在し得る。
【0063】
香料組成物を配合する場合、一部の香料組成物はまた、溶媒、希釈剤、増量剤、展延剤、固定剤等として機能するなどのその他の機能性を有してもよい。これら材料の非限定的な例は、エチルアルコール、カルビトール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチルフタレート、トリエチルシトレート、ミリスチン酸イソプロピル、及びベンジルベンゾエートである。
【0064】
本発明の揮発性組成物を放出する上記の用法に加えて、これら組成物を放出する非限定的な好適な方法が以下に記載される。一つの非限定的な実施形態において、揮発性組成物は、パウチの少なくとも一側面に半透膜を有するパウチによって放出される。パウチはシェード40に取り付けられてもよい。膜は、顕著な液体漏れをきたすことなく、香料の蒸気が通過するのを可能にすることの可能ないくつかの既知の材料から選択され得る。好適な膜材料の例には、ポリエチレン及びミクロ孔質のポリエチレン、エチレンビニルアセテート、ミクロ孔質のポリテトラフルオラエチレン(polytetraflouralethylene)(「PTFE」)、並びに当該技術分野において既知のその他のミクロポア膜が挙げられるが、これらに限定されない。これら膜は、揮発性活性物質が、例えばポリエチレンの薄膜を用いた膜材料を通過する急速な拡散によってか、ミクロ孔質のPTFEなどの材料の多孔質領域を通過する蒸発のいずれかによって放出されるのを可能にする。
【0065】
シェード40の香りの強さは、シェード40の幅及び/又は高さを変化させることにより、並びに材料及び/又は材料特性の孔径を変えることによって所望により変化させることができる。異なる度合いの香りの強さを放出するため、並びにどのシェード40を部屋に又は折々で使用すべきかをエンドユーザーに効率的に伝えるために、高さが異なるが幅は同じシェード40を提供することができる。例えば、外周が20cmで高さが22cmの、本発明の香料入りシェード40は、リビングルーム又はファミリールームに適切なサイズであり得、外周が20cmで高さが10cmの香料入りシェード40は風呂又は狭い空間に適切なサイズであり得る。典型的には、シェード40の外周は、シェード40が同じ基部にフィットするように同様である。
【0066】
また、揮発性組成物の基材からの放出速度は、層を設けることで制御することが可能であり、放出速度は異なる期間持続するようにカスタマイズすることができる。例えば、基材は単数または複数の層を有してもよい。個々の層は、様々な時間間隔で香料を放出するように設計された間欠的又は連続的な層であり得る。層は、紫外線、酸素、水分変化、又はその他の刺激で活性化され得る。
【0067】
別の非限定的な実施形態において、揮発性組成物の放出は、シェード40の材料特性を変化させることにより変えることができる。理論に束縛されることを意図しないが、一般に、熱可塑性などのポリマーに含浸された揮発性組成物は、吸収性又は多孔質材料に装填された揮発性組成物よりも放出が遅い。空気に暴露された多孔質材料は、揮発性組成物が面上で蒸発するのを可能とし、ポリマーに含浸させた揮発性組成物はポリマーを通過して拡散する揮発性組成物を一般に必要とする。例えば、EVA又はポリオレフィンのような熱可塑性材料には香料を含浸させることができ、熱可塑性樹脂の拡散特性及び/又は厚さは異なる速度で香料を放出するように調整することが可能である。熱可塑性樹脂に開放気泡又は閉塞気泡を組み込むことはまた、拡散特性に多大な影響を与え、これらの気泡は材料を飽和する又は材料を吸収する香料の濃度を有効に変えることが可能である。理論に束縛されることを意図しないが、一般に、開放気泡は揮発性組成物が直接空気に暴露されて蒸発するのを可能とし、従って組成物が気泡壁を通って拡散する必要性を最小限にするので、開放気泡/孔は閉塞気泡より速く揮発性組成物を放出する。プラスチック壁にこれらの孔又は気泡を作るための、熱可塑性樹脂の押出し又は射出プロセスにおいて、様々な発泡剤及び/又はガスを組み込むことが可能であることは当該技術分野において既知である。熱可塑性樹脂押出しプロセスで組み込まれる得る発泡剤の好適な製造元の1つは、エンゲルハード社(Engelhard Corporation)(ニュージャージー州、イーゼリン(Iselin, New Jersey))である。トレクセル社(Trexel Incorporated)(マサチューセッツ州、ウォバーン(Woburn, Massachusetts))は、本発明で使用するのに好適な閉塞気泡のような材料を製造するためにガスを熱可塑性樹脂に射出する技術の提供元である。本発明で使用するのに好適な開放気泡を有する熱可塑性発泡体の非限定的な例は、センチネルプロダクツ社(マサチューセッツ州、ハイアニス)から入手可能なセレクト(CELLECT)発泡体である。
【0068】
揮発性組成物の放出を制御する別の手段は、揮発性組成物をカプセルの形態で封入することであり、非限定的な例には、マイクロカプセル又はデンプンカプセルが挙げられる。香りを放出するようにカプセルを設計することの可能な多くの手段が存在する。例えば、カプセルを破裂させることによって、又はカプセル壁を通過して拡散することによってのどちらかで、香りを放出させることが可能である。別の実施例において、空気中の水分がカプセル壁を破裂させるときに、香りがマイクロカプセルから放出される。あるいは、マイクロカプセルの破れ又は破裂を引き起こす接着層を剥がすことによって、カプセル破裂させることができる。カプセルの寸法及び材料特性は、拡散を制御することによって調整することもできる。
【0069】
別の非限定的な実施形態において、香料がシェード40の内側に位置する場合、香料の蒸発速度を変化させるためにシェード40の内側を通る空気流を変えることで、香料の放出を制御することができる。理論に束縛されることを意図しないが、香料及びシェードの設計に依存して、香料からの蒸気が上方又は下方に流れることを除いては、これは煙突効果であると考えられる。香料は蒸発するときに自然に空気を冷却すると考えられ、従って、冷たい空気は重いという理由から、空気流は自然と下向きになる。典型的には、ほとんどの香料は、生来空気より重く、従って香料は「沈む」即ち下方に流れる傾向がある。香りの放出を最大にするため、シェード40の上部及び底部を完全に開いて、空気流を最大とすることが望ましい。さらに、シェード40の上部及び底部の開口部が大きいほど、この開口部を通ってより多くの空気が流れる。蒸発速度が遅い傾向にある高分子量又は高KI値を含む香料にとって、これは特に望ましい。香りの放出を最少にするため、シェード40の上部及び底部の開口部を周囲から実質的に閉塞することが望ましい。例えば、シェード40の上部及び/又はび底部は、図10に示されるような通気口220を有することができる。さらに、又は別の方法として、図11及び12を参照すると、基部20はまた通気口220を含んでもよい。所望であれば、通気口は、香料の蒸発速度を調節/調整するために(ある程度まで)開放する又は閉塞することができるように設計され得る。シェード40の上部及び/又は基部20で空気流を調節するようにする、非限定的な方法は多くある。例えば、一つの非限定的な実施例において、調節可能なスライド(図示せず)を基部20の底部に備えることができ、これによりユーザーは、シェード40の内側を通って空気が流れるようにするために開口部を回転又はスライドさせることができる。別の非限定的な実施例において、シェード40の上部は上部を通過する空気流を制御するために調節され得る。一つの非限定的な実施例では、シェード40の上部に嵌合し、上部の通気口を開ける又は閉めるために回転又はスライドさせて開ける一体型スライド要素を有するA字形フレーム(図示せず)を使用する。これを行うための別の非限定的手段は、折り畳んだときに、折り畳まれた形状を維持する材料の使用である。例えば、シェード40の上部は薄い金属などの材料からなり得る。シェード40の上部の両側に圧力を印加したときに開口部を閉じるように当該2つの側面は互いに寄り合い、これによりシェード40の開口部を通過する空気流を制限する。別の非限定的な実施例において、シェード40の上部開口部は、引っ張りひも(draw string)、薄い金属ワイヤ結着等を使用して制御されることができる。
【0070】
香料の蒸発速度を制御するため別の非限定的な実施形態では、空気流を動かすことを助けるために、少量の熱を用いることができる。理論に束縛されることを意図しないが、適切な通気と合わせて温度を約0.2℃〜約1℃上昇させると、潜在的にシェード40の内側を通る空気流が高くなる可能性がある。わずかな温度の上昇を伴うこの煙突効果は、多くの異なる方法で得ることができ、当該方法にはライトの熱出力、電気回路網、電池式ヒーターなどの小さなヒーターを介する方法、又はシェード40及び/又は基部20に組み込まれる酸化鉄などの熱生成反応化学物質を介する方法などが含まれるが、これらに限定されない。一つの非限定的な方法においては、酸化鉄粒子を芳香剤でコーティング又は封入してシェード40に適用することができる。シェード40は、次に内部を窒素フラッシュしたパウチの中に定置することができ、パウチが開けられるまで酸化鉄の酸化を防ぐ。内部を窒素フラッシュしたパウチはまた、酸素が芳香剤を酸化するのを防止し、加えて消費者が使用する前に芳香剤が蒸発するのを防ぐ。パウチがユーザーによって開けられると、香料で封入された酸化鉄が温まり、その結果香料の蒸発速度が速くなる。これにより低揮発性香料をより簡単に部屋に分散させることができ、蒸発香料放出系を使用して優れた香りの品質を提供する。
【0071】
シェード40は、複数の香り及び/又は異なる時間間隔で放出する香りを有し得る。場合によっては、特定の香りを最初の4時間放出し、次の4時間は異なる香りを放出し始めるのが望ましい場合がある。これは、シェード40の一つの面を上記の一つの技術を用いて処理し、その他の面には異なる技術(例えば、異なる材料、コーティング、厚さ、その他)を用いることにより成し得る。これにより、香りをより長い期間にわたって長持ちさせる、又はユーザーが香りに順応することを軽減するのを補助するために、交互に香りを提供するという利益を提供する。
【0072】
アンプル、パウチ、点滴瓶、サッシェ、スプレー、又は流体をシェード40に提供する任意のその他の手段を用いて、香料を含むがこれに限定されない揮発性組成物をユーザーがシェード40に添加する又は補充することも可能である。
【0073】
非限定的な実施例は、ユーザーがパウチの隅部を裂いてシェード40に内容物を絞り出すことにより提供される、約0.5mL〜約5mLの香料組成物を含有する、個々に収容されたパウチの使用であり得る。別の非限定的な実施例では、約0.5mL〜約5mLの香料を、コンタクトレンズ溶液用の容器として使用される1回用量用容器と同様の、小さな個々用又は複数用ブローフィルシール容器に収容することができる。かかる1回用量の包装の製造装置の好適な製造元の1つは、ロメラグUSA社(Rommelag USA Incorporated)(ニュージャージー州、エジソン(Edison, New Jersey))である。あるいは、香料をシェード40の上に封入及び装填してもよく、ユーザーが時々水をスプレーすることで揮発性組成物を放出させることができる。
【0074】
別の非限定的な実施形態において、シェード40の外側を脱臭成分で処理するのが望ましい場合がある。かかる成分の非限定的な例には、二酸化チタン、シクロデキストリン、金属酸化物、ポリオキソメタレート等が含まれる。理論に束縛されることを意図しないが、シェード40の内側又は外側に脱臭成分を有することで、臭気を芳香剤で遮蔽するよりも、又は上記した反応性アルデヒドのような反応性芳香剤成分を使用するよりも優れた臭気離脱効果を実現する手段が提供されると考えられる。空気が香料を蒸発させる前に、空気流が脱臭成分を横断する場所に脱臭成分を定置するのが理想的であると考えられる。これで脱臭成分は空気から香料を除去しない。場所の非限定的な実施例には、空気がシェードに流れ込む、シェード40の縁部に沿った場所が含まれる。
【0075】
E.任意の追加的な構成要素
本発明はまたその他の任意の構成要素を含んでもよく、当該成分の非限定的な実施例は、装飾発光体10の状態をユーザーに伝達する信号である。例えば、プロセスが開始及び/又は終了したときを示す信号であってよい。使用可能な信号の非限定的な例には、色、音声及び/又は嗅覚信号が含まれる。
【0076】
場合によっては、光のパターン、強さ、又は持続時間を、シェード40の使用期間、シェード40の設計、香りの種類及び/又は香り放出の強さに基づいて調節するために光源がシェード40を認識することが望ましい場合がある。これにより、優れた光源27、香り、及び/又は動的な表示パターンの体験(即ち、使用中に表示の外観が変化する)を提供するスマートな装置が可能となる。あるいは、これはシェードの香りが失われ、取り換えの時期であることを認識するために使用することができる。
【0077】
これを行うことができる一つの非限定的手段は、基部20と通信する無線ICタグ(「FRID」)などの小さなマイクロチップを組み込むことである。例えば、FRIDチップをシェード40に組み込み、FRIDチップを検出可能なFRIDセンサを基部20に組み込むことができる。一つの非限定的な実施例において、FRIDセンサは、光源27のスイッチを入れる信号を送信するためにシェード40中のFRIDチップを検出することによりシェード40が存在しているかどうかを検出することができ、別の非限定的な実施例において、FRIDセンサは、FRIDチップを有するシェード40の揮発性組成物が失われたかどうかを検出することができる。本発明で使用するのに好適なFRIDチップ及びセンサは、テキサス・インスツルメンツ(テキサス州、ダラス)より入手可能である。
【0078】
これを達成する別の手段は、基部20内に配置されたフォトアイ(photo-eye)などの光センサによって検出される色識別領域をシェード40に設けることである。当該部位の一つの非限定的な実施例は、シェード40が、基部20のフォトアイによって検出され得る所与の領域に特定の色を有する部位であり、次に基部20がこの色を検出して光源27を作動させることができる。この色識別領域は、シェード40の使用期間に関して基部20と通信する、及び/又はシェード40を交換する必要があるときに通信するために、経時的に色を変化させるように設計することも可能である。
【0079】
任意に、シェード40は基部20と相まって機能して、期間表示を提供してもよい。例えば、期間表示は、シェード40の香りが失われたという信号を提供し得る。例えば、シェード40がある期間使用された後に、光源27が暗くなる、又は機能しなくなるようにしてもよい。これを達成する非限定的手段は、光源の制御電気回路網と電気的接続をするために、リトルヒューズ社(Littelfuse Corporation)(イリノイ州、デスプレーンズ(Des Plaines, Illinois))製のヒューズなどの、面上に搭載されるヒューズを組み込むことである。この場合、設定された期間が香りの持続期間と一致した後、光源マイクロコントローラからの電気系統のスパイクがヒューズを開かせることができる。基部20がシェード40上の開放型ヒューズ(open fuse)を感知した場合、ライトは機能しない、又は暗くなる。別の方法は、濡れているときに電気がシェード40の濡れた領域を通って伝導し、当該領域が乾燥している場合は電気が伝導しないように、シェード40の濡れた領域又はシェード40の電解質を含む領域を有することである。別の方法は、濡れている場合は電気が濡れた領域を通って伝導し、当該領域が乾燥している場合は電気が伝導しないように、シェード40の濡れた領域又はシェード40の電解質を含む領域を有することである。これは次に、シェード40が十分に使用されて交換が必要である光源への、通信信号として使用され得る。別の方法は、シェード40の底部位置に、薄い導電性金属を組み込むことである。理論に束縛されることを意図しないが、金属の抵抗は経時的に増加すると考えられる。次に、光源は抵抗を測定し、これに基づきシェード40の使用期間を決定することができる。
【0080】
別の非限定的な実施例において、シェード40は変色性色素を含んでもよい。変色性色素は、ライト基部内に位置するフォトアイなどの光センサで検出される。例えば、シェード40が、例えばシェードを含む包装をユーザーが開けることで作動されると、シェード40底部の色の変化が起こり始める。色の変化は、例えば、酸化インク及び/又は空気中に存在する二酸化炭素と反応するインクを使用することにより発生する。この色の変化は、多くの時間又は日数を要するように設計することが可能であり、及びライト基部と通信して、それが新しいシェードか交換の必要な古いシェードかに関する信号を送信するために使用することが可能である。色の変化はまた、潜在的に香り及び所望の強さを伝え、ライトが、強さ、持続時間、又は当該ライトの点滅パターンを変えるように、調節することが可能である。色の変化は、基部がどの種類のシェード40が存在しているかを識別するように、シェード40の予め定められたコードに対応し得る。例えば、黒のドットをある香り体験に付随させ、青のドットを異なる香り体験に付随させることができる。
【0081】
シェード40内のこれらヒューズ及び/又は回路コネクタは、正しい設計の新しいシェードが基部20に定置されない限り、基部20が適切に動作するのをさらに防ぐという追加的利益を有している。さらに別の非限定的な実施例において、シェード40及び/又は基部20は、表示を含み得る。表示は静的であってもよく、あるいは動的であってもよい。一つの非限定的な実施例において、基部20は表示を有する、延伸する領域/スリーブを含み得る。表示は光の使用を介して可視又は非可視であり得る。当該表示の非限定的な例は、フラットパネル・ディスプレイ又は光ファイバーの使用により提供される光を含む。表示は、審美的に魅力的な物品を提供する装飾模様又は画像の形態であってもよい。加えて又は別の方法として、表示は、例えばシェード40を取り換える必要があるとき及び/又は香りが失われたときなどに、ユーザーに信号を提供するために使用される。シェード40は、香料又はオイルとの接触期間中安定しているインク(即ち、にじんだり、溶解したり、又は簡単に抹消されないインク)で印刷される。一つの非限定的な実施例において、表示はインクジェットプリンターを利用して印刷されてもよい。好適なインクジェットプリンターの一つの非限定的な例は、ヒューレットパッカード社(Hewlett Packard Corporation)(カリフォルニア州、パロアルト(Palo Alto, California))から入手可能なインクカートリッジパーツNo.51645A及びC6578Dを具備したDESKJET950Cインクジェットプリンターである。表示はまた、フレキソ印刷、スクリーン印刷、グラビア、オフセット印刷、エアーナイフ、ロール適用、ブレードコーティング等を含むがこれらに限定されない任意の既知の印刷方式で印刷され得る。
【0082】
シェード40は、ユーザーによる活性化に続いて視覚変化を起こす表示を含み得る。一つの非限定的な実施例において、シェード40には、ユーザーによる活性化に続いて視覚変化を起こす表示が印刷される。別の方法としては又は上記に加えて、シェード40全体又はシェード40の一部分は、活性化後の不透明度変化を含むがこれに限定されない視覚変化を起こす。活性化は、例えば、シェード20の二次包装からの除去、パウチの破裂、フィルムの除去、フィルムの追加、液体の追加、又は視覚変化に影響する刺激となるその他の動作を含む。考えられる刺激には、周囲の外気中の酸素、二酸化炭素、又は湿度の変化、周囲の外気中のその他の蒸気の量の変化、pH又は温度の変化、紫外線又は赤外線への暴露、あるいはその他の刺激が含まれる。視覚変化は、現れる、消える、色を変化させる、強さを変化させる、不透明度を変化させる装飾模様、又はこれら効果の任意の組み合わせの装飾模様の形態であってよい。視覚変化は一般に、活性化後の最初の8時間、活性化後の最初の4時間、又は活性化後の最初の2時間の間に発生する。
【0083】
視覚変化はさまざまな手段で引き起こされる。例えば、シェードを囲んでいる大気の空気組成物(即ち、酸素、二酸化炭素、窒素等)が変化した結果、装飾模様が現れる、消える、色を変える場合がある。一つの非限定的な実施形態において、酸素濃度計を使用してもよく、シェードに酸素濃度計を印刷し、内部を窒素又は別の不活性ガスでフラッシュしたハイバリアな(例えば、金属化PET又はフォイル)パウチに定置し、続いて酸素がパウチに入るのを防ぐために封止する。活性化の際、例えば、パウチから除去する際、大気中の酸素への暴露が濃度計の酸化の引き金となって色の変化が起こる。好適な酸素濃度計及び酸素濃度計の作製方法は、例えば、米国特許第4,349,509号、同第4,526,752号、同第4,812,053号及び同第6,703,245号に開示されている。あるいは、別の非限定的な実施例は、シェード40の存在下で空気中二酸化炭素濃度の変化によって引き起こされ得る視覚変化である。
【0084】
例えばpHの変化に起因して装飾模様が現れても、消えても、色が変化してもよい。pHの変化に伴い色を変える好適な指示薬には、少しの名前を挙げるだけでもフェノールフタレイン、チモールフタレイン、m−ニトロフェノール、エチルレッド、及び今コンゴレッドが挙げられるがこれらに限定されない。これら酸塩基指示薬は、CRCハンドブック(CRC Handbook)第60版、1979年発行、D150〜D153頁に見出すことができる。その他の周知の指示薬には、サリチル酸、アクリジンなどの薬蛍光指示薬、及びCRCハンドブックに記載のようなその他の指示が挙げられる。あるいは、揮発性酸又は塩基をシェードに組み込み、シェードを完全に包囲して揮発性成分の蒸発又は移動を防ぐ、障壁可剥性層又はハイバリア包装で安定を保つことができる。層を剥離する又は障壁包装を開ける際、揮発性成分が蒸発し、pHの変化を引き起こし、こうしてこれら構成成分が存在しているシェード40の色変化を引き起こす。一つの非限定的な実施例において、pHの変化は、シェード40を囲む大気の二酸化炭素含有量の変化によっても引き起こされ得る。例えば、シェード40は、一般の大気よりも二酸化炭素が豊富な又は少ない大気の下で、実質的に二酸化炭素不透過性の障壁包装に入れられてもよい。
【0085】
毛細管現象/ウィッキング(wicking)作用の結果、装飾模様が現れる、消える、色が変化する、強さが変化する場合がある。一つの非限定的な実施形態において、これは別個のパウチ又はシェード40に取り付けられた容器に収容される流体の供給源を提供することによって達成され得る。別個のパウチを破裂させる際、流体は毛管現象の結果としてシェード40を通って吸上げられてもよい。乾燥しているときには目に見えないが濡れた状態で現れる、水により活性化される染料又はpHにより活性化される染料をシェード40に印刷することができる。あるいは、流体は、染料、流体のpHを変化させるpH変化成分、香料を含むがこれに限定されない揮発性組成物、又はこれらの組み合わせを含有してもよい。任意に、製品のユーザーは、水を材料の上に注入又はスプレーするか、シェード40と接触して流体がシェード40までウィッキング(wicking)するのを可能とする保持容器(holding reservoir)に水を添加するかのいずれかによって、シェード40に水を添加してもよい。保持容器は基部20に組み込まれてもよく、シェード40に取り付けられてもよく、独立した部品であってもよく、又はこれらの組み合わせであってもよい。
【0086】
別の非限定的な実施形態において、紫外線又は赤外線に暴露した結果、装飾模様が現れる、消える、色を変化させる場合がある。基部20は、変化に影響を与えるために、例えば紫外線又は赤外線の光源を含んでよい。例えば、基部20は、約410nmより短い波長で光を放射する単数または複数のLEDなどの光源27を含んでもよい。好適なLEDの例は、ラメックス社(Lumex Incorporated)(イリノイ州、パラタイン(Palatine, Illinois))から入手可能な、パーツNo.SSL−LX5093SUVCである。光源を有する紫外線又は赤外線LEDと共に、シェード40は、当該技術分野において既知のフォトクロミック色素のようなフォトクロミック色素を含有する表示を含んでもよい。好適なフォトクロミック色素の非限定的な例は、クロマティックテクノロジー社(Chromatic Technologies Incorporated)(コロラド州、コロラドスプリングス(Colorado Springs, Colorado))から提供され、商標名ダイナカラー・フォトクロミックインク(DYNACOLOR PHOTOCHROMIC INK)のフォトクロミック色素である。紫外線又は赤外線LEDは、フォトクロミックインクで印刷された表示の視覚変化に影響を与えるように配置される。揮発性染料の蒸発の結果、装飾模様が消える、あるいは色又は強さが変化する場合がある。好適な揮発性染料の非限定的な例には、グアイアズレン(1,4−ジメチル−7−(1−メチルエチルアズレン(methyletheylazulene)、CAS番号489−84−9)及びアズレン(ビシクロ[5.3.0]デカペンタエン、CAS番号275−51−4)が挙げられる。揮発性染料は、メタノール、エタノール、アセトン、イソプロパノール又はその他の揮発性溶媒などの溶媒に溶解してもよく、あるいは当該技術分野において既知の結合剤などのその他の成分と組み合わせてインクを配合してもよい。
【0087】
視覚変化を作り出す別の非限定的手段は、シェード40の少なくとも一部分が活性化後に不透明度変化を受けるように、シェード40を設計することである。不透明度変化に影響を与える1つの方法は、シェード40の少なくとも一部分を構成する多孔質材料から揮発性組成物を蒸発させることによる。本発明で使用するのに好適な多孔質シェード材料は、水及び/又は香料などの揮発性組成物で濡らした場合に、材料の厚さ及び種類に依存して不透明度が通常には約5%〜約30%減少する。例えば、ポリエステル不織布であり、当該不織布の好適な一つの非限定的な例は、乾燥時の坪量約100g/m2の不透明度は約63%であるが、揮発性芳香剤で濡らすと約43%に減少する、BBA/ファイバーウエブ(BBA/Fiberweb)から入手可能なSYNERGEX6130である。芳香剤が約1時間にわたって蒸発すると、不透明度は約43%から変化してゆっくりと元の63%に戻り得る。不透明度の変化はまた、光源からの光がどのように拡散するかにも影響を与え、従って、シェード40が変化しているという視覚信号を消費者に提供するのに使用することが可能である。別の非限定的な例において、キムワイプス(KIM WIPES)(登録商標)ティッシュ(ウィスコンシン州、ニーナ(Neenah, Wisconsin)のキンバリー・クラーク社(Kimberly Clark Corporation)製)は、乾燥時の不透明度は約48%であり、香料などの液状揮発性組成物によって濡れたときの不透明度は、約25%であり得る。
【0088】
不透明度変化が十分大きい場合、シェード40の変化する不透明度はまた、シェード40に印刷された図形を暴露する又は隠すのにも使用される。例えば、典型的には約0.01μmと約15μmとの間の平均孔径を有するミクロ細孔は、乾燥時には不透明だが流体で濡れると半不透明になる。この目的のために好適な材料には、空孔容量/全材料の容量(「V/V」)が約50%〜約99%V/Vの細孔容積を有する、ミクロ孔質のポリエチレン、ポリプロピレン、ニトロセルロース、及びポリエステルが挙げられるがこれらに限定されない。好適な材料の例は、ディーエスエム・ソルテック社(DSM Solutech)(ヘーレン、オランダ(Heerlen, Netherlands))から入手可能な、商標名ソルポール(SOLUPOR)、グレード7P03A,5P09B及び10P05Aで入手可能な材料である。一つの非限定的な例において、これらミクロ多孔質材料は、厚さ、材料の種類、及び孔径によって、不透明度の減少が約20%〜約70%であり得る。例えば、公称坪量が約7g/m2であるソルポール(SOLUPOR)7P03Aの不透明度は、乾燥時には約95%及び濡れているときには、約45%である。図形又は画像をシートの一つの面に印刷することができ、流体が蒸発するにつれ、当該シートはゆっくりと不透明になり、最終的にはほとんど光を通過させない。当初は、特に光源からなどの背面照明によって、別の側面から図形を見ることができる。シェードが乾燥するにつれさらに不透明になっていき、シェード40を通過する光がより少なくなり、加えて、図形をもはや見えなくしてしまう。
【0089】
シェード材料の孔径は、典型的には約0.01μm〜約50μm、又は約0.05μm〜約5μmであり、濡れたときには透明性を提供する一方で、乾燥時には最も高い不透明度を提供する。揮発性組成物を吸収するための平均孔径直径は、典型的には約0.1μ〜約100μm、又は約1μ〜約50μm平均孔径直径である。このように、色素を使用せずに不透明及び吸収性である材料の平均孔径直径は、約0.1μ〜約50μmであり得る。これにより、単一材料が香料などの流体を保持することが可能であり、乾燥時には半不透明なシェード、及び液状組成物で濡れたときには、半透明であるシェードを提供することが可能となる。あるいは、多層構造をシェードに用いることができ、1つの層は約0.01μm〜約50μmの孔径を有する不透明に変化させる層として機能し、追加の層の平均孔径は約0.1μ〜約100μmであり揮発性組成物を保持するように設計される。
【0090】
別の非限定的な実施形態において、基部20とシェード40との間の適切な整合及び/又は認識を確実にするために、基部20の類似形状/相互形状に対応する特有の形状/形態を有するシェード40を有するのが望ましくあり得る。好適な非限定的な例にはタブが挙げられ、当該タブはシェード40上に配置され、ベース上に当該タブを収容するための対応する嵌入を有してシェード40上に位置する。別の非限定的な例は、ピン/穴構造であってよい。
【0091】
キット
これらに限定されないが、シェード40、基部20、光源ライト/ライト27、シェード40を保持する封止パウチ、及び揮発性組成物を含む本発明の装飾発光体の構成要素は、キットとして提供される。あるいは、装飾発光体の構成要素の単数または複数は、別個に提供されてもよい。例えば、一つの非限定的な実施形態において、装飾発光体のシェード40は単数または複数のその他の構成要素をキットの一部として備えてもよく、又は個別に備えても及び/又は販売されてもよい。別の非限定的な実施例において、揮発性組成物をキットの一部として備えてもよい。例えば、シェードに組み込まれてもよく、又は別個のサッシェ、パウチ、アンプル、ボトル等に入れて提供されてもよい。さらに別の非限定的な実施形態において、揮発性組成物は、ユーザーが別個に購入してもよい注入容器又は補充ユニットの一部として別個に提供されてもよい。さらなる非限定的な実施形態において、基部及び/又は光源は装飾発光体のその他の構成要素と共に提供されてもよく、それぞれは1単位として提供されてもよく、又は個別に具備されても及び/又は販売されてもよい。例えば、ユーザーにとっては、使用される光源の種類を選択できること、あるいはライト及び/又は基部の交換に融通がきくことが望ましい場合がある。
【0092】
ユーザー個々の好みに従って装飾発光体10をカスタマイズするために、装飾発光体10を含む個別の構成要素を選択する能力を有することがユーザーにとってさらに望ましい場合がある。例えば、双方向性の見本陳列は、ユーザーが、装飾発光体10に含まれることを望む構成要素(例えば、シェード40、基部20、光源/光源27、揮発性組成物)をユーザーが選択/カスタマイズすることを可能にする。双方向性の見本陳列は、ユーザーが手動で制御することができ、ユーザーがコンピュータで制御することができ、又はこれらの組み合わせが可能となる。この双方向性の見本陳列は電子的に、例えばインターネット/仮想ウエブサイトを介して提供されることができ、又は商業立地などの物理的サイトに設置されることができ、あるいは小包郵便によって及び/又は新聞/雑誌の折り込みを介してユーザーの家に配達されることができる。手動の双方向性見本陳列の一つの非限定的な実施例において、各装飾発光体要素の各オプションは、各構成要素用に選択されるオプションに基づいて、ユーザーが装飾発光体10がどのように見えるかを眺められるよう1つの構成要素を次の構成要素の上に積み重ねるために、見本陳列の1つの列に沿って可動式回転盤(wheel)の上に配置される。代替案として又は上記に加えて、揮発性組成物の様々な見本、例えば香料もまた、ユーザーが最終的に購入することを決める前にユーザーの好みに最も見合った装飾発光体10を総体的にカスタマイズ/選択する利益を有することができるように、構成要素と共に例えばこする及び香りを嗅ぐタイプの形態で積み重ねることができる。
【0093】
自己学習型商品
本発明は、(1)本発明の装飾発光体10、及び2)ユーザーに装飾発光体10をどのように利用するかをユーザーに指示する一連の説明を含む商品を包含する。
【0094】
一つの実施形態において、商品は、一連の説明を伴う本発明の装飾発光体10を含み、ここで説明は、装飾発光体10の利用方法にユーザーが従うように指示をする。説明は活字、絵で表す、記号/アイコン等、並びにこれらの組み合わせの形態であってよい。一実施形態において、かかる説明は、1)装飾発光体10を面上に定置すること、及び2)シェード40を包装から除去することにより及び/又はシェード40を基部20に定置することにより装飾発光体10を活性化すること、をユーザーに指示する。
【0095】
本明細書において、そのような説明を言及するとき「関連する」は、一連の説明を装飾発光体10の消費者に知らせるように、説明が装飾発光体10の上に直接印刷されている;装飾発光体10の上に直接印刷されている;装飾発光体10及び/又は容器のパッケージに付いているラベルに印刷されている;あるいはパンフレット、活字広告、電子広告、放送若しくはインターネットでの広告、及び/又は他の媒体;が挙げられるが、それらに限定されない異なる方法により示されるもののいずれかであることを意味する。
【実施例】
【0096】
本発明に関する非限定的な実施例を以下に開示する。
(実施例1)
ウィッキングシェード(wicking shade)は破裂するパウチをシェードの基部に組み込むことにより製造される。破裂するパウチは、ペシネー・プラスチック・パッケージング社(Pechiney Plastic Packaging)(ウィスコンシン州、ニーナ(Neenah, Wisconsi))製のハイバリア金属化PETラミネートで、デュポン社(DuPon)(デラウェア州、ウィルミントン(Wilmington, Delaware))から入手可能なサーリン(SURLYN)(登録商標)シーラントをを用いて製造される。パウチの一方の側面を低温(約93℃に対してパウチの別の2つの側面は約149℃)で封止して、押圧した場合に約22.2N(5ポンド(2.3キログラム))未満で破裂する壊れやすい封止を作製する。パウチに約3mLの水、緑の食品着色染料を3滴、及び松の香りの香油約1mLを充填する。吸収紙の15cm×28cm(6インチ×11インチ)片(当該吸収紙の非限定的な実施例は、紙、タオル、化粧紙、及びトイレットペーバーである)を坪量50g/m2で取り出し、それを一つの面が吸収紙で別の面がポリエチレンフィルムになるように、ポリエチレンフィルムの0.0254mm(1mil)の層に積層する。次に、紙の面を木の形の鋳型で覆い、紙にラッカーコーティングをスプレーして制御された流体のウィッキングのために紙に多孔質及び多孔性でない領域を作製する。次に破裂可能なパウチをシェード材料側の紙の上に定置し、底縁部をパウチの上に折り畳み、パウチが緩んでシェードの中で動かないように封止する。続いてシェードを、6.35mm(0.25インチ)のオーバーラップを有する管の形態に折り畳み、15cm(6インチ)の縁部に沿って封止し、高さ約23cm(9インチ)、オーバーラップにより、周囲27cm(10.5インチ)の管を作製する。ポリエチレン側が管の外側に位置し、紙が内側にくるようにシェードを折り畳む。破裂したときに、流体は基部の近傍に放出し、紙及び紙/フィルム積層体の毛管特性に基づいてゆっくりと木をウィッキングするように、破裂可能なパウチを木の基部に配置する。次にシェードを20cm×13cm(8インチ×5インチ)のフォイルパウチ上に定置して封止する。
【0097】
消費者はフォイルパウチを開けることによってシェードを使用する。これは、消費者が封止領域をフォイルパウチの一方の縁部に沿って裂くことにより達成される。シェードを取り外し、電池式ライト基部を覆って定置する。破裂可能なパウチ中の香り/着色色素は、シェードを圧迫することで活性化し、破裂可能なパウチが位置する領域のライト基部をシェードの底部に配置する。そのようにすることでパウチが破裂し、約3cc〜約4ccの流体が放出される。次にこの流体はシェードと接触する。シェードのフィルム側がシェードの底面及び外側を乾燥状態に保つので、シェードの外側及びシェードの底部は濡れた状態にならない。約30分後に、流体はシェードの約5cm(2インチ)までウィッキングする。120分のうちに、流体はシェードの全長である15cm(6インチ)までウィッキングする。この特定の実施例において、着色色素は紙の多孔質領域のみをウィッキングするので、ウィッキングが起こると木の模様が現れる。パウチを破裂させた際、初めは香りは発散されないが、パウチの中の香り/オイル混合物が紙をウィッキングして蒸発するにつれて香りがむしろゆっくりと放出されるように、ウィッキングした流体は香りもまた発散される。
【0098】
(実施例2)
CTIペーパーUSA(CTI Paper USA)(ウィスコンシン州、サンプレーリー(Sun Prairie Wisconsin))から「パーチメント・ホワイト・グラマ・ナチュラル(Parchment White Glama Natural)」の名前で販売されていおり、公称坪量が110g/m2である半透明の紙、厚さが約0.03mmの低密度ポリエチレンフィルム、及びセルティシューインコーポレイテッド(Cellutissue Incorporated)からグレード7020(grade 7020)として販売される、公称坪量が約23g/m2のクレープ加工されたティシュペーパー、からなる3つの層を含むシェードを、低密度ポリエチレンが2つの紙の層の間にくるように配置する。当該3つの層を、次に十分な温度に設定した熱ロールラミネーターを用いて及び層が容易に分離するのを防ぐための積層圧力をかけて熱的に結合する。
【0099】
上記の3層積層体を折り畳み、切断して、周囲が190mm及び高さが220mmの管を形成する。クレープ加工されたティッシュペーパーが、円筒の内側に位置するように管を形成する。管の継ぎ目を、移動接着テープ(3M社(3M Corporation)(ミネソタ州、セントポール(St. Paul, Minnesota))から9471LEとして販売)を適用して固定し、約1.3cm(0.5インチ)オーバーラップさせる。続いて、管を折って平坦な構造を形成する。
【0100】
(表1)に示される、組成物を有する揮発性組成物約0.7g(ここで、揮発性組成物の90重量%超過が、約1500未満のKI値を有する)を、当該3層積層体のうちのクレープ加工されたティッシュペーパーの層に、移動ピペットを使用して適用する。次に3層積層管を、金属化されたポリバッグ(ユーライン社(ULine Corporation)(イリノイ州、ウォーキーガン(Waukegan, Illinois))からパールNo.S−6176で入手可能)の中に迅速に定置し、熱封止する。
【0101】
約16時間後、3層積層管を金属化されたバッグから取り出し、管状に開き、温度約21℃(70°F)の室内に定置する。約6時間後、金属化されたバッグから取り出したときに元々シェードの中にあった香料の約50%がシェードから蒸発している。約24時間後、金属化されたバッグから取り出したときに元々シェードの中にあった香料の約70重量%超過がシェードから蒸発している。
【0102】
【表1】
【0103】
(実施例3)
揮発性組成物が表2に記載のものである(揮発性組成物成分の80重量%超過のKI値が約1700未満である)こと以外は、実施例2と同様にシェードを製造する。約6時間後、金属化されたバッグから取り出したときに元々シェードの中にあった香料の約20重量%がシェードから蒸発している。
【0104】
【表2】
1 シルバノンCiは、クエスト・インターナショナル(Quest International)(ニュージャージー州、マウントオリーブ(Mount Olive, New Jersey))より入手可能。
【0105】
(実施例4)
シェードをBBAファイバーウエブ(サウスカロライナ州、シンプソンビル)製のSYNERGEX6130を用いて製造する。SYNERGEX材料は、坪量102g/m2及び厚さ0.3mmのカレンダー仕上げされたポリエステル繊維からなる。材料を折り曲げ、切断して周囲190mm及び高さ190mmの管を形成する。管の継ぎ目を移動接着テープ(3M社(ミネソタ州、セントポール)から9471LEとして販売)を適用して固定し、約1.3cm(0.5インチ)オーバーラップさせる。続いて、管を折って平坦な構造を形成する。
【0106】
表3に示される揮発性組成物約0.7g(ここで、揮発性組成物の成分の約62重量%のみが約1700未満のKI値を有する)を管状シェードに適用する。次に管状シェードを、金属化された0.055mm(2.2mil)ポリバッグ(ユーライン社(U-Line Corporation)からパートNo.S−6176(Part No. S-6176)で入手可能)の中に迅速に定置し、熱封止する。
【0107】
約4時間後、管状シェードを金属化されたポリバッグから取り出し、管状に開き、温度約21℃(70°F)の室内に定置する。約5時間後、金属化されたバッグから取り出したときに元々シェードの中にあった香料の約20重量%がシェードから蒸発している。24時間後、金属化されたバッグから取り出したときに元々シェードの中にあった香料の約30重量%が、シェードから蒸発している。
【0108】
【表3】
1シルバノンCiは、クエスト・インターナショナル(ニュージャージー州マウントオリーブ)より入手可能。
【0109】
(実施例5)
シェードをBBAファイバーウエブ(サウスカロライナ州、シンプソンビル)製のSYNERGEX6130を用いて製造する。SYNERGEX材料は、坪量102gsm及び厚さ0.3mmのカレンダー仕上げされたポリエステル繊維からなる。材料を折り曲げ、切断して周囲190mm及び高さ220mmの管を形成する。管の継ぎ目を、移動接着テープ(3M社(ミネソタ州、セントポール(St. Paul, Minnesota))から9471LEとして販売)を適用して固定し、約1.3cm(0.5インチ)オーバーラップさせる。続いて、管を折って平坦な構造を形成する。
【0110】
表2に示される揮発性組成物約0.7gを、管状シェードに適用する。次に管状シェードを、金属化された0.055mm(2.2mil)ポリバッグ(ユーライン社(U-Line Corporation)からパートNo.S−6176(Part No. S-6176)で入手可能)の中に迅速に定置し、熱封止する。
【0111】
約24時間後、管状シェードを金属化されたポリバッグから取り出し、管状に開き、温度約21℃(70°F)の室内に定置する。約5時間後、金属化されたバッグから取り出したときに元々シェードの中にあった香料の約50重量%超過がシェードから蒸発している。約24時間後、金属化されたバッグから取り出したときに元々シェードの中にあった香料の約65重量%超過がシェードから蒸発している。
【0112】
(実施例6)
シェードをBBAファイバーウエブ(サウスカロライナ州、シンプソンビル)製のSYNERGEX6130を用いて製造する。SYNERGEX材料は、坪量102gsm及び厚さ0.3mmのカレンダー仕上げされたポリエステル繊維からなる。材料を折り曲げ、切断して周囲190mm及び高さ220mmの管を形成する。管の継ぎ目を移動接着テープ(3M社(ミネソタ州、セントポール)から9471LEとして販売)を適用して固定し、約1.3cm(0.5インチ)オーバーラップさせる。続いて、管を折って平坦な構造を形成する。
【0113】
表1に示されるを揮発性組成物約0.7g管状シェードに適用する。次に管状シェードを、金属化された厚さ0.055mm(2.2mil)ポリバッグ(ユーライン社(U-Line Corporation)からパートNo.S−6176(Part No. S-6176)で入手可能)の中に急いで定置し、熱封止する。
【0114】
約24時間後、管状シェードを金属化されたポリバッグから取り出し、管状に開き、温度約21℃(70°F)の室内に定置する。約5時間後、金属化されたバッグから取り出したときに元々シェードの中にあった香料の約80重量%がシェードから蒸発している。約24時間後、金属化されたバッグから取り出したときに元々シェードの中にあった香料の約85重量%超過が、シェードから蒸発している。
【0115】
(実施例7)
CTIペーパーUSA(CTI Paper USA)(ウィスコンシン州、サンプレーリー(Sun Prairie Wisconsin))から「パーチメント・ホワイト・グラマ・ナチュラル(Parchment White Glama Natural)」の名前で販売されている、公称坪量が110g/m2である半透明の紙を折り畳み、切断して、周囲が190mm及び高さが220mmの管を形成する。管の継ぎ目を、移動接着テープ(3M社(ミネソタ州、セントポール)から9471LEとして販売)を適用して固定し、約1.3cm(0.5インチ)オーバーラップさせる。続いて、管を折って平坦な構造を形成する。
【0116】
吸収性材料のストリップ(EMI・スペシャリティー・ペーパーズ(EMI Specialty Papers)(コネチカット州、レディング(Redding, Connecticut))製造番号7620Wとして販売)を約1.7cm×19cmに切断し、両面接着テープ(3M社から製造番号9500PCとして販売)を使用して紙の管の内部の、管の末端部のすぐ近くに固定する。
【0117】
表1に示される組成物を有する揮発性組成物約0.45g(ここで、揮発性組成物の成分の90重量%超過が約1500未満のKI値を有する)を、材料の吸収性ストリップに移動ピペットを使用して適用する。次に、管を金属化されたポリバッグ(ユーライン社(ULine Corporation)からパートNo.S−6176(Part No. S-6176)で入手可能)の中に定置し、熱封止する。
【0118】
約48時間後、管状シェードを金属化されたバッグから取り出し、管状に開き、温度約21℃(70°F)の室内に定置する。吸収性ストリップを管の最上部としてテーブルの上に垂直に定置する。約6時間後、金属化されたバッグから取り出したときに元々シェードの中にあった香料の約50重量%がシェードから蒸発している。約24時間後、金属化されたバッグから取り出したときに元々シェードの中にあった香料の約65重量%がシェードから蒸発している。
【0119】
(実施例8)
シェードを、BBAファイバーウエブ(BBA/Fiberweb)(サウスカロライナ州、シンプソンビル)製のSYNERGEX6130を用いて製造する。SYNERGEX材料は、坪量102g/m2及び厚さ0.3mmのカレンダー仕上げされたポリエステル繊維からなる。この材料の平均孔径直径は、約10μm〜約75μmの範囲内で約34μmである。材料に従来のインクを使用して、インクジェットプリンターで図形模様をプリントする。次に、SYNERGEX材料を19cm×20cmの寸法に切断し、管に丸め、1cmのオーバーラップを有して19cmの長さに沿って封止する。SYNERGEX材料を、バートロッド(VERTROD)ブランドのインパルスヒートシーラー(impulse heat sealer)を使用して当該材料自体に熱封止する。香料を添加する前の乾燥時のシェードの不透明度が65%乾燥になるように、ハンター・ラボスキャンXEを使用して測定する。シェードに表1に示される香料組成物0.7グラムを装填する。シェードに香料を装填後迅速に不透明度を測定し、43%であることが認められた。シェードに香料組成物を適用してから4時間後には香料の50%が蒸発し、不透明度は55%に増加する。
【0120】
(実施例9)
実施例2と同様にシェードを製造する。金属化されたポリバッグの中に封入する前に、シェードの外側に「消えるインクマーカー(Disappearing Ink Marking Pen)」(ピルム−ドリッツ社(Pyrm-Dritz Corporation)(サウスカロライナ州、スパルタンバーグ(Spartanburg, South Carolina))より入手可能)を使用して花の形状の装飾デザインを描く。金属化されたバッグから取り出した後約24以内に、装飾デザインがシェードから消える。
【0121】
(実施例10)
CTIペーパーUSA(CTI Paper USA)(ウィスコンシン州、サンプレーリー(Sun Prairie WI))から「パーチメント・ホワイト・グラマ・ナチュラル」の名前で販売されている、公称坪量が110g/m2である半透明の紙の層を、ディーエスエム・ソルテック社(DSM Solutech)(ヘーレン、オランダ(Heerlen, Netherlands))よりソルポール7P03A(SOLUPOR 7PO3A)の名前で販売され公称坪量が7g/m2であるミクロ孔質の高分子量ポリエチレンの層に接着積層して、可撓性シート物品を作製する。半透明の紙にHPインクジェットプリンターを使用して装飾画像を印刷する。次に積層構造を200mm×185mmに切断し、10mmのオーバーラップを有して幅200mmに沿って丸めて、周囲190mm及び高さ185mmの楕円形状の管を作製する。ミクロ孔質のポリエチレンが外側、画像が印刷された半透明の紙が内側になるように、可撓性物品を丸める。3M社の両面接着テープ(3M9471LEとして入手可能)の層をオーバーラップ領域に使用して管が広がらないように維持する。
【0122】
表1に記載の組成物を有する揮発性組成物約2mLを、可撓性管状物品に適用する。次に可撓性物品をハイバリアなパウチの中に定置し封止して、使用する準備が整うまで物品が揮発性組成物を消失しないように維持する。可撓性管状物品を独立型芳香剤として使用することが可能であり、又は物品を直立させて保持するのを助けるために、基部上に定置することが可能である。あるいは、物品がライトの基部を覆って定置された場合は、発光体シェードとしても使用することができる。
【0123】
積層構造の試料を切断し、揮発性組成物で濡らす前後の不透明度を測定する。乾燥構造の不透明度は95%であり、濡れた構造の不透明度は45%である。乾燥すると、ミクロ孔質のポリエチレンの不透明度に起因して、管状物品即ち発光体シェードの外観は白である。濡れると、ミクロ孔質のポリエチレンは半透明であり、管の内側に照明があってもなくても内側の画像を非常に明瞭に見ることができる。10時間以上にわたって揮発性組成物が蒸発すると、シェードはさらに不透明になり、2日以内に元の不透明度である95%に戻り、画像はわずかしか見えない。この外観の変化が、芳香剤が実質的に失われており今が捨てる時期、及び新しいシェードと交換する時期であることをユーザーに伝達する一助となる。
【0124】
(実施例11)
可撓性物品を実施例10に記載のものと同じ材料で作製するが、半透明の紙の代わりにミクロ孔質のポリエチレンに画像を印刷し、印刷されたミクロ孔質のPEが管の印刷された面と共に内側に、及び印刷されていない半透明の紙が外側になるように、積層構造を管状に丸める。
【0125】
可撓性物品を表1で使用したのと同じ揮発性組成物で再度濡らすが、ここでは揮発性組成物は管の内側にある。物品の不透明度は乾燥時の95%から濡れたときの45%へと及び、ここでも濡れている場合は画像は目立つが、ミクロ孔質のポリエチレン材料の不透明度変化に起因して隠れていた。この実施例では、濡れたミクロ孔質のポリエチレンが、楕円形の管状の外側でなく、内側にあるため、揮発性組成物の放出速度はより遅い。香料は5日以上にわたって放出する。
【0126】
(実施例12)
3つのシェードを多層構造を用いて製造する。シェードの通気を調節して香料蒸発速度の効果を測定する。シェードを3つの層から作製する。外層は、アルストロム・ウインザーロックスLLC(Ahlstrom Windsor Locks LLC)(コネチカット州、ウインザーロックス(Windsor Locks, Connecticut))社の60gsmの熱封止可能な紙である。中間障壁層は、0.06mm(2.5mil)の厚さのPE/EVOH/PEインフレーションフィルムからなり、当該フィルムは、プリントパック社(Printpak Incorporated)(ジョージア州、アトランタ(Atlanta, Georgia))から入手可能である。内層は、102gsmスパンボンドポリエステル不織布からなり、当該不織布はBBAファイバーウエブ(サウスカロライナ州、シンプソンビル)から入手可能な、商標名SYNERGEX6130である。SYNERGEX材料は、厚さ0.3mmのカレンダー仕上げされたポリエステル繊維からなる。3つの層を、ホットロールラミネーター(hot roll laminator)を使用して、ロール圧0.41MPa(60psi)、ロール温度182℃(360°F)及び速度設定20で積層する。次に、油圧プレス(hydraulic press)及びスチール・ルール抜型を使用して、3層シートを寸法185mm×200mmに打ち抜く。続いて185mm×200mmのシートを、内側にSYNERGEX吸収性材料を有する長さ185mm、幅95mmの折り畳み式ボードの周囲に巻きつける。次にシェードを185mmの長さに沿って、重ねシームを用いるオーバーラップで封止する。これにより長さ185mm、周囲約192mm(8mmのオーバーラップを有する)の平坦にされた管を作製する。インパルスヒートシーラー、モデルNo.24LABMod S/N:V−49093(model No. 24LABMod S/N:V-49093)によって、0.34MPa(50psi)のバー圧力、8秒の熱パルスドゥエル(dwell)及び6秒の冷却ドゥエルで封止を行う。インパルス金属リボン(impulse metal ribbon)を加熱するための出力設定は、ダイアルで27.5である。
【0127】
形成されたシェードの内側(SYNERGEX層)にインターナショナル・フレーバー・アンド・フレグランス(International Flavors and Fragrances)(ニュージャージー州、ハズレット(Hazlet, New Jersey))より入手可能なキュウリ及びメロンの香料0.5グラムを添加する。次に、シェードを直立に保つためにシェードを楕円形の基部の上に定置し、シェードの管の開口部が上の方を向き、もう一つの開口部は楕円形の基部にピッタリと嵌まる。
【0128】
2つの異なる種類の熱形成された基部を使用してシェードを保持する。空気が基部を通って及び/又は基部とシェードとの間の接合面の間を移動する可能性が皆無かそれに近くなるよう、シェードを基部にきつく嵌合させるように、一方の基部は閉塞底部を有している。これは「通気口のない基部(no venting base)」を意味する。他方の基部は基部の中心に直径19mm(0.75インチ)の2つの穴を有し、基部の側面に6.45cm2(1平方インチ)相当面積の開口部を有している。これは「通気基部(venting base)」を意味し、空気が基部(側壁及び上部)を貫流する、従ってシェードの底部を貫流するために6.45cm2(1平方インチ)相当面積を有している。
【0129】
シェードの上部は、シェードを閉塞するためのペーパークリップ及びシェードを開放するための直径35mmの薄い環を使用して、開放されているか閉塞されているかのどちらかに、調節される。任意で、シェードを所望の形状に開放したままにする又は閉塞したたままにするのを補助するフォイルテープをシェードの上部に有することができる。3つのシェードは3つの異なる条件下でテストされる:1)閉鎖上部及び閉塞基部;2)開放上部及び閉塞基部;及び3)シェードの開放上部及び開放基部。香料蒸発速度は、シェードの重さを異なる時間間隔で計り、時間当たりの平均重量喪失を計算するために、時間間隔にわたって差を取ることで測定する。以下の表4に示されている結果は、開放上部であり閉塞底部であるといかに蒸発を増加させるか、及び通気口の付いた基部をシェードの上部及び底部を通気させて共に使用すると蒸発がさらにいかに増加するかを示している。
【0130】
【表4】
【0131】
(実施例13)
低価格の一体型香料入り製品及び包装をどのようにしたら製造できるかを示すために、一体化シェード及び包装を製造する。障壁フィルムに積層された吸収性不織布を含む2層の基材(bi-laminate substrate)を調達してシェードを製造する。上述のSYNERGEX6125PET不織布を内側吸収層に使用する。外側障壁フィルムは、プリントパック(ジョージア州、アトランタ)から供給されPET/PE/EVOH/PEからなるフィルムである。上部及び底部でSYNERGEXが1.3cm(0.5インチ)狭まり、(図20を参照のこと)吸収性材料が存在する領域が残されていないことを除いては、実施例12に記載の方法と同様に、障壁フィルムをSYNERGEX不織布に熱的に積層する。不織布が封止領域にないので、不織布のこの狭い幅がもたらされた。次に、実施例2の表1に示されているように、1グラムの香料を不織布に装填する。次に2層は、香りの付いた不織布を内側に及び障壁フィルムを外側に向けて折り畳まれる。続いて障壁フィルムが、それ自体に3つの開放端部で封止される。ハサミを要して2つの末端部のシール領域を切断することで封止包装を開けることができる。あるいは又はさらに、端部を簡単に引き剥がすのを助けるために、障壁フィルムにレーザーで切り目をつける(laser scored)ことができる。開けられた包装を立方体形状に形成し、香りを放出させるために基部に挿入されることができる。一体型包装及びシェードが全て一体となっているこのスタイルは、ハイセン・パッケージング・テクノロジーズ(Hayssen Packaging Technologies)(サウスカロライナ州、ダンカン(Duncan, South Carolina))によって製造されているような垂直又は水平のフォーム/フィル/シール機械を使用して製造することができる。
【0132】
(実施例14)
吸収性材料がYNERGEXではなく、EMI・スペシャリティー・ペーパーズ(コネチカット州、レディング(Redding, Connecticut))から入手可能な製造番号7620Wであること以外は、実施例13に記載の方法と同様に一体化シェード及び包装を製造する。続いてこのより厚い吸収性材料に香料7mLを添加し、実施例13に記載の方法と同じ方法で封止する。このシェードを封止された末端部を移動することによって開き、立方体形状を形成する。この実施例は、長持ちししかも低価格の芳香剤をどのように製造できるかを示している。より速く香りを放出させるために、立方体をいくつかの小さなブロックの上に定置して空気が立方体を貫流するのを可能とすることができる。
【0133】
本発明の特定の実施形態が説明及び記載されてきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行えることが当業者には明白であろう。従って、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。引用される文献は、全て関連部分において本明細書に参考として組み込まれる。いかなる文献の引用も、それが本発明に関する先行技術であることを承認するものとして解釈されるべきでない。
【0134】
本発明は、以下の説明に以下の添付図面を参照することで、よりよく理解されると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】本発明に従って製造される装飾発光体の実施形態の斜視図。
【図2】図1に示される装飾発光体の側面図。
【図3】本発明に従って製造される装飾発光体の実施形態の斜視図。
【図4】図3に示される装飾発光体の側面図。
【図5】本発明に従って製造される修飾発光体の斜視図。
【図6】図5に示される装飾発光体の側面図。
【図7】本発明に従って製造される修飾発光体の基部の実施形態の分解図。
【図8A】本発明に従って製造される修飾発光体用光源の実施形態の電気的概略図。
【図8B】本発明に従って製造される修飾発光体用光源の実施形態の電気的概略図。
【図9】本発明に従って製造される基材材料の実施形態の上面断面図。
【図10】本発明に従って製造される装飾発光体の実施形態の斜視図。
【図11】本発明に従って製造される装飾発光体の実施形態の斜視図。
【図12】図11の装飾発光体の底面図。
【図13】本発明に従って製造される装飾発光体の実施形態の分解図。
【図14】図13の装飾発光体の基部の斜視図。
【図15A】装飾発光体の実施形態の側面図。
【図15B】図15Aの装飾発光体の線15−15に沿った断面図。
【図16A】本発明に従って製造されるシェードの実施形態の正面図。
【図16B】図16Aのシェードの上面斜視図。
【図17】本発明に従って製造されるシェードの実施形態の正面図。
【図18】図17のシェードのシェードの正面図。
【図19】図17のシェードの斜視図。
【技術分野】
【0001】
本発明は、審美的に魅力的な雰囲気を提供する装飾発光体に関する。
【背景技術】
【0002】
魅力的な雰囲気を提供するために香りのろうそくを使用することは当該技術分野において既知である。しかしながら、香りのろうそくは扱いにくい場合があり、また直火の使用に関連した問題をもたらし得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明はこれらの制限を克服する。本発明の装飾発光体は、審美的に魅力的な雰囲気を提供する。炎を利用しないので、直火の使用に付随した懸念がない。さらに、本装飾発光体はワックス系ではないため、香りのろうそくにつきものであり得る液だれ及び乱雑状態に対する懸念がない。さらには、発光体のシェード(shade)は容易に取り換え可能及び使い捨て可能であり、香り及び装飾スタイルに関する豊富な選択範囲をユーザーに提供するので、本発明の発光体はユーザー柔軟性を提供する。
【0004】
本発明のさまざまな特徴、態様、利点、及び変形は、添付の特許請求の範囲と共に本開示を読むことにより当業者には明らかになるであろう。また、かかる特徴、態様、利点、及び変形は特許請求の範囲内に含まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様において、本発明は装飾発光体に関する。装飾発光体は、基部、光源、及び単数または複数の使い捨てのシェードを含み得る。約50%〜約100%が揮発性組成物からなる組成物をシェードに含浸させてもよく、揮発性組成物は約600〜約1800のコヴァッツインデックスを含む少なくとも1つの成分を含む。
【0006】
使い捨てシェードは、香料成分を含む揮発性組成物を含浸してもよく、香料成分は、沸点が約20℃〜約250℃及びClogP値が約−2〜約3である成分の第1群、沸点が約20℃〜約250℃及びClogP値が約3〜約9である成分の第2群、沸点が約250℃〜約400℃及びClogP値が約−2〜約3である成分の第3群、沸点が約250℃〜約400℃及びClogP値が約3〜約9である成分の第4群、又はこれらの組み合わせから選択される。
【0007】
使い捨て物品(The disposable)は、揮発性組成物を含んでもよく、シェードが空気に暴露された後約24時間以内に揮発性組成物の約50%以上がシェードから失われる。使い捨てシェードは、約5mL/m2〜約1000mL/m2の流体保持能力及び約0.1μm〜約100μmの平均孔径を有する材料からなり得る。
【0008】
本発明の別の態様では、装飾発光体用組成物が提供される。組成物は揮発性組成物を含み、揮発性組成物は、約60ミリグラム〜約15グラムの揮発性組成物を使い捨てシェードに添加可能な量で提供される。使い捨てシェードに添加される前に、揮発性組成物はアンプル、パウチ、点滴瓶、サッシェ、スプレー、ブローフィルシール容器又はこれらの組み合わせに収容される。揮発性組成物は、約600〜約1800のコヴァッツインデックスを有してもよい。
【0009】
本発明のさらに別の態様では、装飾発光体は基部及び使い捨てシェードを含む。シェードは前記基部に結合されている。基部は連結要素を有し、シェードは相互連結要素を有し、これにより基部の連結要素がシェードの相互連結要素と接触する。
【0010】
本発明の別の態様では、約0.008mm〜約5mmの厚さを有する材料からなり、さらに揮発性組成物を含む使い捨てシェードが提供される。
【0011】
本発明のさらなる態様では、使い捨てシェード及び変化表示を含む装飾発光体が提供される。
【0012】
本発明のさらなる態様では、装飾発光体の製造方法が提供される。本方法は、
a)光源を含む基部を提供する工程、
b)使い捨てシェードを提供する工程、及び
c)基部がシェードと連通するように、基部を使い捨てシェードと連結する工程、を含む。
【0013】
本発明の別の態様では、使い捨てシェードを平坦な形状又は実質的に平坦な形状で提供する工程、及び使い捨てシェードを実質的に平坦でない形状に広げる工程、を含む装飾発光体の製造方法が提供される。
【0014】
本発明のさらなる態様では、ユーザーが装飾発光体の構成要素をカスタマイズする方法が提供される。方法は、
a)各装飾発光体要素のそれぞれのオプション含む双方向性の見本陳列を提供する工程、
b)ユーザーに双方向性の見本陳列へのアクセスを提供する工程、及び
c)ユーザーが、ユーザーが選択した各装飾発光体要素の各オプションが組み込まれた装飾発光体のサンプルの双方向性の見本陳列を見ることを可能にするために、各装飾発光体要素のどのオプションを双方向性の見本陳列からユーザーが好むのかを、ユーザーが選択するのを可能にする工程、を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
ここで、本発明の様々な実施形態に関する詳細な参照を行い、かかる参照の例が添付図面に示される。図面を通して、同様の参照番号は同様の部分を示している。特に指示がない限り、本明細書中の百分率、割合及び比は全て重量基準である。
【0016】
特に記載する場合を除き、分量、百分率、部分、及び比を含めたすべての量は、「約」という言葉によって加減されるものと理解され、量は、有効数字を示すことを意図したものではない。
【0017】
特に指定される場合を除き、冠詞「a」、「an」及び「the」は「単数または複数の」を意味する。
【0018】
本明細書で使用するとき、「含む」は、最終結果に影響を及ぼさないその他の工程及びその他の成分を含み得ることを意味している。この用語は、「からなる」及び「から本質的になる」という用語を包含する。本発明の組成物及び方法/プロセスは、本明細書に記載される本発明の必須要素及び限定、並びに本明細書に記載されるいかなる追加又は任意の成分、構成、構成要素、工程、若しくは限定をも含む、それらからなる、及びそれらから本質的になることができる。
【0019】
本明細書で使用するとき、「使い捨て」は、数回使用した後に廃棄されるものを指す。
【0020】
本明細書で使用するとき、「耐久性のある(durable)」は、何度も使用可能なものを指す。
【0021】
本明細書で使用するとき、「表示」は、画像又は模様を創り出す任意の所望の配列をいう。
【0022】
本明細書で使用するとき、「不透明度」は、物質を通過する光の量の表示をいう。不透明度が高いほど物質を通過する光の量は少ない。一般に、不透明度は、裏当て黒時の物質及び裏当て白時の同一物質の反射率測定から計算され、ここで:
%不透明度=(Y裏当テ黒/Y裏当テ白)×100である
(式中、YはYのCIE三刺激値である)。
【0023】
本明細書で使用するとき、「揮発性材料」は揮発可能な材料を指す。
【0024】
本明細書で使用するとき、「揮発性染料」は、揮発可能な可溶性又は不溶性の着色物質を指す。化学的組成は、単一成分又は混合物であり得る。
【0025】
本明細書を通じて与えられるあらゆる最大数の限定は、あらゆる低い数値の限定を、あたかもそのような低い数値の限定がここにはっきりと表現されているかのように含むと理解されなければならない。本明細書全体を通じて記載される最小数値限定は、それより大きいあらゆる数値限定を、そのような大きい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように含む。本明細書全体を通じて記載される数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に入るそれよりも狭いあらゆる数値範囲を、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明確に記載されているかのように含む。
【0026】
装飾発光体
本発明の装飾発光体は、基部、ライト(light)、及びライトを囲むをシェードを含み得る。装飾発光体はまた、別個に、及び/又は基部、シェード、又はそれらの組み合わせと共に含まれ得る揮発性組成物も含み得る。シェードは、基部と共に及び/又はライトと共に含まれてもよい。あるいは、独立型物品として別個に提供されてもよい。シェードは表示を含み得る。一つの非限定的な例において、表示は使用中に目視遷移を受け得る。
【0027】
A.基部
図1〜7を参照すると、本発明の装飾発光体10は基部20を含み得る。基部20は、シェード40を受容及び支持するための寸法及び形状とされ得る。ライト27はまた基部に結合されていてもよい。ライト27が存在する場合、ライト27及び/又はライトを点滅させるスイッチに電力を供給するために、電源26もまた存在してもよい。バッテリー、家庭用電流、太陽エネルギー等を含む、任意の電源26を使用することができるが、これらに限定されない。バッテリーを使用する場合には、交換目的のために容易にアクセスできるよう、任意に扉などのアクセスパネルを含むのが望ましい。例えば、図7を参照すると、基部20の基底23は、アクセスパネルの役割を果たし得る。加えて、揮発性組成物が基部20に使われていてもよい。所望であれば、基部20は装飾されてもよい。一般に、基部20は、組み立てられた装飾発光体10の重量をティッピング(tipping)なしで支持するのに十分なほど重くなければならない。基部20は当業者によく知られる多くの方法で形成されてもよく、その非限定的な例には、射出成形、圧縮成形、及び熱成形が挙げられる。基部20は単数または複数のポリマーを含んでもよく、その一つの非限定的な例は熱可塑性ポリマーである。典型的には、ライト/光源27は、カバー22を利用して保護される。所望であれば、カバー22はまた、ライト/光源27から光が拡散するのを助長する光拡散器として機能することも可能である。1つの非限定的な実施形態において、カバー22は、揮発性組成物の構成要素など基部20と接触する可能性のある様々な物質に対して耐性のある、透明熱可塑性カバーなどの、熱可塑性カバーであってもよい。好適なポリマーの1つの非限定的な例は、BAREXの名前で入手可能でありイノビーン社(Innovene)(イリノイ州、シカゴ(Chicago, Illinois)製の、射出成形グレードの撃性変性アクリロニトリルである。その他の好適な材料には、射出成形及び/又は熱成形グレードのスチレンアクリロニトリル(「SAN])、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(「PET」)、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0028】
図14及び15を参照すると、一つの非限定的な実施形態において、シェード440などのシェードの底部用設置領域(resting area)を提供するために、カバー22(図示)の周囲又は基部20(図示せず)の周囲に、ステップ又はレッジ(ledge)293を有することが望ましい。あるいは、その非限定的な例にピン及び突出部を含む単数または複数の部材(図示せず)が、シェード(例えば、図1〜6、図10〜11、図13、及び図15〜19に示されるシェード40、シェード410又はシェード440)をカバー22及び/又は基部20上に定置して保持するために、シェードと嵌合するように使用され得るカバー22及び/又は基部20に含まれてもよい。当該部材は往復式又は固定式、又はこれらの組み合わせであってよい。所望であれば、シェードは、カバー22及び/又は基部20の往復運動部材(1又は複数)と嵌合するように設計され得る単数または複数の往復運動部材を含んでもよい。加えて又は別の方法としては、所望であれば、カバー22、基部20、及び/又はシェード40に含まれる往復運動部材は、往復運動部材が嵌合すると装飾発光体のライトが作動するように、スイッチとして機能し得る。
【0029】
B.ライト
図1〜7を参照すると、本発明はまたライト/光源27を含み得る。一般に、光源27は基部20に結合されるが、シェード40に限定されない別の領域に位置してもよい。さらに、所望であれば、図7に示されるような1超過のライト/光源27が存在してもよい。好適な光源には、発光ダイオード(「LED」)、フィラメント電球(filament-based bulbs)を含むがこれに限定されない白熱光源、及びエレクトロルミネセント、化学発光、カソードルミネセンス、トリボルミネセント、及び光輝性材料を含むがこれらに限定されない蛍光光源が挙げられる。
【0030】
一つの非限定的な実施形態において、光源は、単数または複数のLEDである。LEDは、黄色、白、赤、緑、青、ピンク又はこれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない任意のいくつもの色であり得る。本発明で用いるのに好適なLEDの一つの非限定的な例は、パートNo.MV8305(フェアチャイルド・セミコンダクター(Fairchild Semiconductor)(メイン州、サウスポートランド(South Portland, Maine)より入手可能)である。
【0031】
本発明の一つの非限定的な実施形態において、光源27は、図7に示されるような装飾発光体10の基部20の中に存在する土台25上に装着される。シェード40が基部20に接触したときに、光源27のスイッチが自動的に入るように設計されてもよい。これは多くの方法によって実現させることが可能であり、その一つの非限定的な例は、シェード40が基部20に接触したときに嵌合する、表面に装着された接触型スイッチ(図示せず)を利用している。所望であれば、光源は、シェード40が基部20と接触して定置された後、予め定められた時間が経過した後に光源27のスイッチが自動的に切れるように、基部20に組み込まれたタイマー(図示せず)に接続されてもよい。別の非限定的な実施形態(図示せず)において、光源はシェード40の中に存在してもよい。これは多くの方法によって実現することが可能である。例えば、表面に装着される接触型スイッチ(図示せず)は、シェード40が基部20と接触すると光源27のスイッチが入るように、シェード40の上に装着されてもよい。あるいは、エレクトロルミネセント及び/又は化学発光材料を光源として使用することができる。一つの非限定的な実施例において、エレクトロルミネセント材料は、シェード40の一部として、基部20の一部として、又はこれらの組み合わせのいずれかで提供される。例えば、シェード40及び/又は基部20は、全体又は一部をエレクトロルミネセント材料で製造することができる。本発明で使用するのに好適なエレクトロルミネセント材料の一つの非限定的な例は、ナヴァト・エレクトロルミネセント社(Novatech Electroluminescent Incorporated)(カリフォルニア州、チノ(Chino, California))から入手可能なEL(EL)である。
【0032】
さらに別の非限定的な実施形態において、吸収性及び/又は多孔質のシェード20に、蛍光染料を有するフェニルシュウ酸エステルを含浸させることができる。シェード20は、過酸化水素を含有し得る破裂可能なパウチを含んでもよい。次に、ユーザーはパウチを破裂させ、その結果過酸化水素がフェニルシュウ酸エステル/染料と接触することを可能とする。パウチに含まれている過酸化水素を、シェード20に含浸させてあるフェニルシュウ酸エステル/染料と接触させることにより、2つの物質間の化学発光反応を介して光を提供する。
【0033】
所望であれば、光源から光度の異なる光が提供されてもよい。光源は、電源(非限定的な例にはバッテリー及び/又はAC電源が挙げられる)、マイクロコントローラ、スイッチ、及び単数または複数のLEDと結合されていてもよい。本発明で使用するのに好適なマイクロコントローラの一つの非限定的な例は、テキサス州、ダラスのテキサス・インスツルメンツより入手可能なパートNO.MSP430F122である。光度は、パルス幅変調方式(「PWM」)を用いてマイクロコントローラによって変化させてもよい。PWMは、LEDに放出される電力の量を瞬時にデジタル制御する方法をいう。図8は、本発明の光源を制御するのに好適な回路を示す、電気配線図の一つの非限定的な実施例を示している。図8を参照すると、マイクロコントローラ200は、LEDの光度を変化させるアルゴリズムを実行するようにプログラミングされていてもよい。本質的に、ろうそくの炎の光度及び動きなどの視覚的特徴をそっくりまねるようにマイクロコントローラ200をプログラミングすることが可能である。例えば、典型的なろうそくの炎は、光度の変化を作り出すかなりの量の左右の動きを一般的に有している。本発明の光源を制御するために使用するマイクロコントローラ200は、光度の変化をとらえるようプログラミングされ得る。例えば、左右の動きは、2つのLEDを並べて定置し、パルス幅変調方式を用いて光度及び動きを変えることによって得ることができる。代替的非限定的な実施例において、LEDの強度を無作為に変えるようにマイクロコントローラ200をプログラミングしてもよい。別の実施例において、LEDの強度を時間と共に強める又は弱めるようにマイクロコントローラ200をプログラミングしてもよい。
【0034】
C.シェード
図1〜7を参照すると、本発明の装飾発光体10は、シェード40をさらに含む。シェード40は、基部20と連結させて及び/又は光源と連結させて備えることが可能である。あるいは、シェード40は独立型物品として別個に設けられてもよい。本発明のシェード40は、使い捨てであることが望ましい。シェード40は1回使い捨てシェード40であってもよいし、1回を超えて使用するように設計された使い捨てシェード40であることも可能である。あるいは、図13〜15に示されるように、装飾発光体10はより耐久性のある外側シェード410及び使い捨ての内側シェード440を含んでもよい。一つの非限定的な実施例において、内側シェード440が外側シェード410を捨てる必要なく香りを放出するために使用される使い捨てシェードであり得る一方で、外側シェード410は耐久性のある装飾的なシェードであり得る。内側シェード440は使い捨てであるため容易に交換することができ、所望であればユーザーは異なる香りを体験することが可能である。
【0035】
典型的には、光源に連結させて使用する場合にシェード40は、光源の相当部分を囲む。例えば、シェード40は光源の周囲の少なくとも約90°を囲み、又は光源の周囲の少なくとも約180°を囲み、あるいは光源を完全に囲む。
【0036】
シェード40は基材を含む。基材は単一材料又は材料の組み合わせから製造され得る。シェード40は、透明、半透明、不透明、又はこれらの組み合わせであることができる。一般に、シェード40は、基材の一部分に光を通過させ、十分に堅く、形状を保つことの可能な任意の材料又は材料の組み合わせから製造される。好適な材料の非限定的なリストには、セルロース性の材料、非セルロース性の材料、及びそれらの組み合わせが挙げられる。これらの非限定的な例には、発泡熱可塑プラスチックを含むがこれに限定されない熱可塑性プラスチック、並びにポリエチレン、ポリプロピレン、及びエチレンビニルアセテート(「EVA」)を含むがこれらに限定されないポリオレフィン系材料;ポリウレタンを含むがこれに限定されない熱硬化性樹脂;紙;べラム;パーチメント;皮;織布材料;及び不織布が挙げられる。一つの好適な不織布は、BBAファイバーウエブ(BBA/Fiberweb)(サウスカロライナ州、シンプソンビル)から入手可能なSYNERGEX6130である。
【0037】
シェード40は、図9に示されるような材料300の単数または複数の層からなることができる。各層は、単数または複数の種類の材料を含み得る。シェードの各層の厚さは、モデルNo.22P−10(ロードアイランド州、プロビデンス(Providence, Rhode Island)のマール・フェデラル社(Mahr-Federal)から入手可能)などの手持ち式すき間ゲージで測定した場合、約0.008mm〜約5mm又は約0.01mm〜約1mmであり、シェードの平均全厚さは約0.02mm〜約5mm又は約0.04mm〜約1mmである。
【0038】
層は、層状可撓性構造を作製するのに既知の任意の手段によって結合することができ、当該手段の非限定的な例には、接着剤結合、熱的又は超音波結合、押し出し被覆、押出成形積層、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【0039】
一つの非限定的な実施形態において、シェード40は、例えば重力又は毛管抵抗力に起因する液だれ又は放出なしに揮発性組成物を保持することの可能な吸収性材料の少なくとも1つの層を含んでもよい。好適な吸収性材料には、シェード材料の約5mL/m2〜約1000mL/m2又は約10mL/m2〜約400mL/m2の流体保持能力を有する多孔質材料が挙げられるが、これらに限定されない。好適な吸収性材料には、繊維性セルロース系材料、繊維性熱可塑性系材料(スパンボンドポリプロピレン、スパンボンドポリエステル等を非限定的に含む)、及びその他の繊維性材料(グラスファイバーを非限定的に含む)が挙げられるがこれらに限定されず、当該材料は約10%〜約95%の細孔容積又は、約20%〜約90%の細孔容積を有し、細孔容積平均は約0.1μm〜約100μm又は約0.3μm〜約80μmである。その他の好適な吸収性材の非限定的な例は、熱可塑性樹脂から製造される発泡体であり、当該発泡体の一つの非限定的な例は、連続気泡ポリエチレン発泡体(例えば、マサチューセッツ州、ハイアニス(Hyannis, Massachusets)のセンチネルプロダクツ社(Sentinel Products Corporation)から入手可能な発泡体)、ウレタン、セルロース及び/又はデンプン、及び揮発性組成物を含有及び放出するための開口領域を少なくとも20%有するミクロ孔質のポリマーフィルムである。孔径分布及び%細孔容積は、例えば、トリ/プリンストン(TRI/Princeton)(ニュージャージー州、プリンストン(Princeton, New Jersey))から入手可能なトリ自動ポリシメータ(TRI autoporisimeter)を用いて測定することが可能である。好適な吸収性材料の例には、BBAファイバーウエブ社(サウスカロライナ州、シンプソンビル)製造のSYNERGEX6130及びセルティシュー社(Cellutissue Corporation)(コネチカット州、イーストハートフォード(East Hartford, Connecticut))製造のグレード(GRADE)7020が挙げられるがこれらに限定されない。
【0040】
所望であれば、吸収性材料は、揮発性組成物の放出を助長する、又は揮発性組成物状に保持するのを助長するために、親水性、疎水性、親油性、あるいは疎油性、又はこれらの組み合わせのいずれかになるように処理されてもよい。所望であれば、吸収性材料の全部又は一部分を処理してもよい。例えば、吸収性材料の全面を処理すること又は揮発性組成物がシェードの縁部に移動するのを防ぐため若しくは制限するために、縁部だけを処理することが望ましい。例えば、一つの非限定的シナリオにおいて、シェードの縁部に沿った約5mm〜約20mmを疎油性コーティングで処理することは、主に油性香料がシェードの縁部に移行するのを防ぐ可能性があり得る。
【0041】
所望であれば、シェードを2層に構成することが可能であり、外層は、例えば、内層に含浸させた液状の揮発性組成物に対して実質的に不透過性である障壁材からなる。外層は、ユーザーと内層に含浸した揮発性組成物との接触を最小限にすることを助長する働きをし得る。あるいは、シェード40は図9に示されるように3層に構成することが可能であり、内層310は揮発性組成物を含浸させた吸収性材料を含むことができ、中間層320は内層310に含浸した揮発性組成物に対して実質的に不透過性である障壁材を含むことができ、外層330は第2の材料を含むことができ、当該材料の非限定的な例には多孔質材料、多孔性でない材料、又はこれらの組み合わせが含まれる。好適な障壁材には、多孔性でないフィルム、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エチレンビニルアルコール(「EVOH」)、酸化アルミニウム被覆ポリエステル、二酸化ケイ素被覆ポリエステル、好適な例がPETの金属化ポリエステル、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。障壁層の厚さは、シェード40の可撓性を維持するために、典型的には約0.005mm〜約1mmの又は約0.01mm〜約0.1mmである。この実施形態の別のバリエーションでは、中間障壁層を省いてもよい。
【0042】
さらに別の実施形態(図示せず)において、揮発性組成物は、シェード40から切り離されているがシェード40に接続される、別個の基材に取り付けられることができる。別個の基材は、任意にパッチ(patch)又はラベルの形態であってもよい。一つの非限定的な実施形態において、別個の基材は、別個の基材がより小さな場所又は領域に揮発性組成物をより高い割合で含有することが可能となるように、シェード40よりさらに吸収性があり、厚くてもよい。さらに、例えばより厚みのある別個の基材をシェード40の底面に貼り付けることにより、シェードに支え及び安定性を提供する働きをすることができる。別個の基材として使用することのできる好適な吸収性材料の一つの例は、EMI・スペシャリティー・ペーパーズ(EMI Specialty Papers)(コネチカット州、レディング(Redding, Connecticut))から入手可能な製造番号7620Wである。
【0043】
シェード40は、それ自体の重さを受けるのに、また基部20(使用される場合)を被って容易に被嵌するのに十分な程堅くなくてはならない。一般に、シェード40は、約1グラム〜約200グラムの間、又は約5グラム〜約100グラムの偏向力(deflection force)(即ち、非強化及び強化プラスチック並びに電気絶縁材料の曲げ特性の標準試験方法(Flexural Properties of Unreinforced and Reinforced Plastics and Electrical Insulating Materials)と題するASTM D790−03に従って、スパン距離25.4mm(マサチューセッツ州、ノーウッド(Norwood, Massachusetts)のインストロン社(Instron Corporation)製のインストロン圧縮/引張り試験機モデル番号550RC5451上で測定)で測定したときに、長さ50mm、幅12.7mm及び厚さ1.6mm未満の試料を3mm偏向させるのに必要な抵抗力)、及び約0.1ギガパスカル〜約10ギガパスカル(「GPa」)の間の曲げ弾性率を有するのが望ましい。
【0044】
シェード40を含む基材は、透明、半透明、不透明、又はこれらの組み合わせであってよい。典型的には、シェード40を含む材料は、組み立てられたときにシェード40の少なくとも一部が半透明、透明、又はこれらの組み合わせに見えるように選択される。さらに、シェード40は、シェード材料が除去される部分を有していてもよく、この一つの非限定的な実施例は、模様がシェード40に打ち抜きされており、材料の打ち抜き部分がシェード40から除去される場合である。シェード40は、約0%〜約100%、又は約20%〜約80%、あるいは約25%〜約70%の範囲の不透明度を有し得る。基材の不透明度は、領域によって及び/又は所定の時間枠内で異なっていてもよい。例えば、シェード40は、組成物(組成物の非限定的な例が香料のような、揮発性組成物である)で部分的に濡れた場合、組成物が蒸発した後で異なる特定の不透明度を有してもよい。不透明度を測定するために使用する一つの好適な機器は、ハンター・アソシエイツ・ラボラトリー(Hunter Associates Laboratory)(バージニア州、レストン(Reston, Virginia))が製造するハンター・ラボスキャン(Hunter LabScan)XEである。
【0045】
一つの非限定的な実施形態において、シェード40の外側に向いた側面(outwardly-facing side)は、自然な外観の材料から製造され、模様又は画像を印刷又はエンボスすることができる。一実施形態において、図1〜7に示すように、薄い、平らな材料又は材料の組み合わせを管状形状に折り曲げ、次に管が広がるのを防ぐために1つの端部340に沿って固着する。所望であれば、シェード40が平坦になるのを可能にするために折り目を有することができる。例えば、包装上、シェード40を平坦又は実質的に平坦な形状で消費者に提供するのが望ましい場合がある。消費者は使用の際にシェード40を開き、平坦でない形状又は実質的に平坦でない形状に広げる。当該形状の非限定的な例には、円錐、管、球体、立方体、多角形、又はその他任意の形状が挙げられる。
【0046】
所望であれば、シェードをハイバリアなパウチに個々に包装してもよく、これは組成物の揮発性成分の漏れを防止することを助ける。ソノコフレキシブルパッケージング(Sonoco Flexible Packaging)(オハイオ州、フランクリン(Franklin, Ohio))から入手可能な1つの好適なパウチの材料は、アルミニウムフォイル障壁層及び裏面印刷されたPET外層に積層されたアクリロニトリルシーラントフィルム押出成形(商標名BAREXとして販売)の積層体を含む。香料の包装シーラントフィルムへの吸収を最小にすることができるため、BAREXシーラント層が望ましい。その他の好適なシーラント層の非限定的な例には、様々なポリオレフィン類、EVOH、金属化ポリエステル等のブレンド又は単層が挙げられるがこれらに限定されない。あるいは、ハイバリアな再密閉可能パウチに包装された複数のシェードを有することが可能である。パウチは、ジップロック機能、粘着テープ、又はこれらの組み合わせを非限定的に含む、当業者には周知の様々な方法によって再密閉可能とすることができる。
【0047】
別の非限定的な実施例において、図17〜19に示されるように、シェードと包装が一体であるように作製するのが望ましい。これにより個別包装の必要のない一体形エアフレッシュニングパッケージ(air freshening packag)を提供する。上述されたように、シェードは、図17に示すように内側吸収層540及び外側障壁層520を有する多層系として構成されてもよい。所望であれば、障壁層520の外側に任意で追加的な修飾外層(decorative outer layer)(図示せず)を足してもよい。障壁層520は、上記のように香料の移動を防止するのに好適な材料からなり得る。本実施例において、障壁層520はまた製品の保管寿命を通して香料の損失を最少とする包装層にもなる。図18及び19を参照すると、多層構造は丸められ、突合せ部(butt)又は重ねシームあるいは当該技術分野において既知のその他の方法によって、封止縁部555に沿って当該多層構造自体に封止される。この管状は、次に、内側に香料を収容するために、図18に示されるように封止縁部550に沿って両方の開放端部を固着する。そのようにすることで、シェードの全ての側面が封止されて香料の損失が防止され、シェードは一次包装になる。シェード/包装570の封止縁部550は、次に、ハサミで又は図17に示されるような穿孔540を利用して切断する、テープを剥がす、ストリップを引張る、又は任意のその他の便利で簡単なバリアパウチ(barrier pouche)の開口手段を含むがこれらに限定されない当業者に既知の多くの方法によって除去され得る。次に、シェード/包装570はユーザーによって開放構造にセットされることができ、当該構造の一つの非限定的な実施例が図19に示される立方体である。開放構造になると、その結果、香料がシェード/包装から放出されることが可能になる。任意に、要素560を使用して、折られた立方体の形状を開放立方体形状(open cube)に保持することができる。かかる要素560の非限定的な実施例は、図18に示されるようなアルミニウムフォイルの一片又はスズのひも(tie)である。さらなる選択肢(図示せず)は、立方体の形状保持を助けるために立方体形状の上部周辺に取り付けられるフレームであり得る。
【0048】
内側吸収層が、破るのが困難なPET又はその他の合成繊維からなる場合は、内側吸収層を障壁層に延伸させないようにして内側吸収層がシェード/包装の封止末端部分に入り込むのを防ぐことが望ましい。一体型のシェード/包装が透明な障壁層からなるのが好ましい場合があり、当該障壁層の非限定的な実施例は、光が発光体シェードを通過するのを可能にするEVOH及び/又は二酸化ケイ素である。
【0049】
別の非限定的な実施形態において、シェードは、当該両方のシェードの形状及び寸法を同様にすることができる、又は互いに異なる寸法及び/又は形状とすることができるように、内側及び外側シェードなどの複数の構成要素を含んでもよい。所望であれば、外側又は内側のシェードあるいはその両方は、香料入り、無香料、又は一方が香料入りである、のいずれかであってもよい。この非限定的な実施例が、図13〜15に示されている図13及び15を参照すると、内側シェード440は香料入りであり得る一方で、外側シェード410は香料入りでない装飾シェードであり得る。内側シェード440を、外側シェード410を妨げずに基部20及び/又はカバー22上に容易に挿入できるように、内側シェード440を外側シェード410と形状は同様にするがそれよりわずかに小さくすることが可能である。図15を参照すると、(図13の線13−13に沿った断面図)外側シェード410及び内側シェード440が基部20及びカバー22の上に載っているのが見て取れる。基部20は、内側シェード440を外側シェード41内にセンタリングしやすくするのを助けるために、任意でレッジ293を含んでもよい。外側シェード410は、内側シェード440と同様の材料で製造することができ、又は外側シェード410をより装飾的な及び/あるいはより高価な材料で製造することもできる。所望であれば、内側シェード440を外側シェード410よりも簡素な形状としてもよく、例えば芳香剤を含ませて内側シェード440をより頻繁に交換することを可能とすることができ、その一方で外側シェード410は反復使用することができる。外側シェード410は単回又は数回使用することができ、又は装飾要素として多数回使用することを意味する耐久性のあるシェードとすることも可能である。所望であれば、内側シェード440が使い捨てであり得る一方で、外側シェード410は耐久性又は半耐久性であり得る。あるいは、外側シェード410は使い捨てであり得、一方内側シェード440は耐久性又は半耐久性であり得る。またさらに、所望であれば、外側シェード410及び内側シェード440の両方が耐久あるいは半耐久性であってもよく、又は外側シェード410及び内側シェード440の両方が使い捨てであってもよい。より耐久性のある外側シェード410は耐久性のある半透明材料で製造することができ、当該材料の非限定的な例には、ガラス;好ましくは射出成形可能なポリカーボネート、CPET、ポリプロピレン、又はその他のプラスチック類などのプラスチック類;ベラム;特殊紙などのセルロース性材料;あるいはさまざまな織布及び不織布材が挙げられる。耐久シェードは、半透明ではない、光が通過するのを可能とする開口部を有する材料から製造することができる。半透明でなく耐久性のある紙を作製することの可能な材料の非限定的な例は、厚い/高いキャリパーの紙構造、金属、着色されたプラスチック材料、又はこれらの組み合わせを含む。個別の内側及び外側シェードを使用することにより、費用、香料適合性及びインク適合性に関する制限なく、より装飾的な材料を外側シェードに使用することができる。さらに、個別の内側及び外側シェードを使用することにより、ユーザーが装飾的なシェードを別の香料入りシェードとさまざまに組み合わせることが可能となる。これにより、小売店が在庫に維持する必要のあるバリエーションの数を潜在的に減少させることも可能となる。
【0050】
所望であれば、香料入りシェード300は単数または複数の持ち手を有して構成されてもよく、当該持ち手の非限定的な実施例は、ユーザーの手に香料が付着する可能性なしにシェード300を取り扱うことを可能とする図16A及び16Bに示されるようなタブ301である。タブ301はまた、シェード300を図16Bに示すような立方体形状などの形状に形成するのを可能とするために、タブ301を内側に圧迫することにより、シェード300をつかむ簡単な方法も提供する。所望であれば、タブ301はまた、シェード300を形成する層が、接着剤結合、熱封止等などによって結合されるシール領域を形成することも可能である。
【0051】
D.揮発性組成物
本発明の装飾発光体10は、揮発性組成物をさらに含んでもよい。本明細書で使用するとき、用語「香り(scent)」「芳香剤(fragrance)」「アロマ(aroma)」及び「香料(perfume)」は置き換え可能に使用される。本発明の揮発性組成物は、これらを含むと限定されないないが、揮発性染料、芳香剤組成物、殺虫剤、芳香剤、防臭剤、脱臭剤、アロマコロジー、アロマテラピー、芳香油として機能する揮発性材料;又は空気を調湿する、変化させる、ないしは別の方法で空気に放つ、あるいは周囲を変化させるように作用する任意のその他の物質を包含し得る。防臭剤又は悪臭抑制組成物は、消臭材料(その非限定例は反応性アルデヒドである)(米国特許出願公開番号第2005/0124512号に開示されている)、臭気阻止材料、臭気マスキング材料、又は感覚修正材料(sensory modifying materials)(その非限定例はイオノンである)(米国特許出願公開番号第2005/0124512号に開示されている)、及びこれらの組み合わせから選択される物質を含み得る。
【0052】
典型的には、揮発性組成物はシェード40及び/又は基部20内に含まれる。揮発性組成物は、また別個のサッシェ(sachet)又はパウチ(図示せず)に含まれてもよい。本明細書で使用するとき、用語「サッシェ」は置き換え可能に使用される。一般に、シェード40、基部20、別個のサッシェ等、又はこれらの組み合わせに含まれる揮発性組成物は、シェード、基部、別個のサッシェ等、又はこれらの組み合わせにつき約60ミリグラム〜約15グラムの量、あるいはシェード40、基部20、別個のサッシェ又はこれらの組み合わせにつき約120ミリグラム〜約5グラム、若しくはシェード40、基部20、別個のサッシェ又はこれらの組み合わせにつき約250ミリグラム〜約1グラムの量で含まれる。一つの非限定的な実施形態において、シェード40に、約0.1グラム〜約2グラムの揮発性組成物、又は約0.3グラム〜約0.8グラムの揮発性組成物を含浸させる。一つの非限定的な実施形態において、空気にさらされた後の揮発性組成物は、当該揮発性組成物が配置された場所の温度が21℃及び相対湿度が約50%だと仮定すると、約24時間以内に、又は約12時間以内に、あるいは約6時間以内に、シェード40、基部20、サッシェ等から約50%以上が奪われる。
【0053】
一実施形態において、揮発性組成物は香料組成物を含み得る。香料組成物は短期間の香り体験を提供することができる。本発明の範囲内において、香りの強さを調節する多くの方法が想定される。いくつかのケースでは、当該方法は香料組成物製品であり得、又はシェード40、基部20あるいは香料組成物が添加される任意の面上、又はこれらの組み合わせの設計であり得る。例えば、香料組成物は、より速い放出特性を組成物に付与する特徴を有するように配合されることが可能である。香料は、単数または複数の香料成分を通常含む。多くの場合、これら成分は異なる揮発度、沸点、及び臭気検出閾値を有している。香料組成物が空気中に揮発するとき、高揮発度の成分(「トップノート」と呼ばれる)は、揮発して、低揮発度の成分(「ミドルノート」と呼ばれる)及び最も低い揮発性の成分(「ボトムノート」と呼ばれる)よりも人の臭覚によってより早く感知される成分である。香料が最初に放出された後、全体的な香料の特徴は、トップノートが次第に少なくなり、ボトムノートはより多くなるので、時間と共に変わる。
【0054】
香料組成物は、本発明のような香料組成物放出装置で適切に使用される構成成分を含み得る。構成成分に制限はないが、成分のコヴァッツインデックス(「KI」)に基づいて選択され得る(無極性のシリコーン固定相としての5%フェニル−メチルポリシロキサン上で測定される)。KIは、検体の揮発特性(例えば、揮発性組成物の構成成分)を、ガスクロマトグラフィーカラムの上に、該カラム上の一連のn−アルカン(直鎖アルカン)に関連付けて定置する。典型的なガスクロマトグラフ(「GC」)カラムは、アジレントテクノロジーズ(Agilent Technologies)(カリフォルニア州、パロアルト(Palo Alto, California))から入手可能なDB−5カラムである。この定義により、直鎖アルカンのKIを100nにセットし、ここでnはn−アルカンの炭素原子の数である。次に、それぞれ補正保持時間t'n及びttNである炭素原子の数が「n」及び「N]である2つのn−アルカンの間の検体のKI、x、時間t'における溶出を次のように計算する:
【0055】
【数1】
【0056】
無極性から微極性のCG固定相では、検体のKIはそれらの相対的な揮発度と相互関連している。例えば、KIの小さい検体は、KIの大きい検体よりもより揮発性である傾向がある。検体をそれらの対応するKIでランク付けすると、液化ガス分配系における検体の蒸発速度の良好な比較が提供される。本発明の揮発性組成物は、KI値が約600〜約1800、又は約800〜約1700、あるいは約900〜約1600である少なくとも1つの成分を有し得る。当該揮発性組成物は、KI値が約50%〜約100%、又は約70%〜約100%、あるいは約80%〜約100%である単数または複数の成分を含み得る。
【0057】
コヴァッツインデックスとは別に又はそれに加えて、揮発性組成物構成成分はそれらの沸点(即ち「B.P.」)及びオクタノール/水分配係数即ち「P」)に基づいて選択されることが可能である。本明細書において言及される沸点は、0.10MPa(760mmHg)である通常の標準気圧のもとで測定される。標準である0.10MPa(760mmHg)での多くの香料成分の沸点は、ステファン・アークタンダー著及び発行(1969年)の「パヒューム・アンド・フレーバー・ケミカルズ(Perfume and Flavor Chemicals)(アロマ・ケミカルズ(Aroma Chemicals))に見い出すことができる。香料成分のオクタノール/水分配係数は、オクタノール中の平衡濃度と水中の平衡濃度との間の比である。
【0058】
揮発性組成物で用いられる香料の成分分配係数は、基底10に対するそれらの対数logPの形態でより簡便に示されてもよい。多くの香料成分のlogP値が報告されている。例えば、デイライト・ケミカル・インフォメーション・システムズ社(Daylight Chemical Information Systems, Inc.)(デイライトCIS(Daylight CIS))(カリフォルニア州、アーバイン(Irvine, California))から入手可能な、ポモナ92データベース(Pomona92 database)を参照のこと。しかしながら、logP値は、これもまたデイライトCISから入手可能な「CLOGP」プログラムによって最も好都合に算出される。このプログラムはまた実測logP値も、それらがポモナ92データベースにおいて入手可能な場合には、一覧にしている。算出されたlogP(「ClogP」)は、ハンシュ及びレオ(Hansch and Leo)のフラグメントアプローチ(fragment approach)(総括医薬品化学(Comprehensive Medicinal Chemistry)」、第4巻、C.ハンシュ(C.Hansch)、P.G.サメンス(P.G.Sammens)、J.B.テイラー(J.B.Taylor)、及びC.A.ラムスデン(C.A.Ramsden)編集、295頁、ペルガモン・プレス(Pergamon Press)1990年)により決定される。フラグメントアプローチは、各香料成分の化学構造に基づいており、原子の数と種類、原子の結合性、及び化学結合を考慮に入れている。ClogP値は、最も信頼でき、またこの物理化学的特性の評価に広く用いられており、典型的には揮発性組成物の香料成分の選択において実験的なlogP値の代わりに用いられる。
【0059】
香料組成物は、成分の単数または複数の群から選択される香料成分を含んでもよい。成分の第1の群は、約20℃〜約250℃の沸点、約25℃〜約240℃の沸点、又は約30℃〜約235℃の沸点を有する香料成分を含む。香料成分の第1の群は、約−2〜約3又は約−1〜約2.5のClogP値を有する香料成分を含んでもよい。特定の実施形態では、香料成分の第1の群から選択された香料成分は、存在するとき、香料組成物の約20%〜約100重量%、香料組成物の約40%〜約100重量%、又は香料組成物の約50%〜約100重量%の濃度で存在し得る。
【0060】
香料成分の第2の群は、約20℃〜約250℃の沸点、約25℃〜約240℃の沸点、又は約30℃〜約235℃の沸点を有する香料成分を含んでもよい。香料成分の第2の群は、約3〜約9、又は約3.5〜約7のClogP値を有する香料成分を含んでもよい。特定の実施形態では、第2の香料成分は、存在するとき、香料組成物の約20%〜約100重量%、香料組成物の約40%〜約100重量%、又は香料組成物の約50%〜約100重量%の濃度で存在し得る。
【0061】
香料成分の第3の群は、約250℃〜約400℃、又は約260℃〜約375℃の沸点を有する香料成分を含んでもよい。香料成分の第3の群は、およそ約−2〜約3又は約−1〜約2.5のClogP値を有する香料成分を含んでもよい。特定の実施形態では、香料成分の第3の群から選択された香料成分は、存在するとき、香料組成物の約0.5%〜約90重量%、又は香料組成物の約1%〜約80重量%の濃度で存在し得る。
【0062】
香料成分の第4の群は、約250℃〜約400℃、又は約260℃〜約375℃の沸点を有する香料成分を含んでもよい。香料成分の第4の群は、約3〜約9、又は約3.5〜約7のClogP値を有する香料成分を含んでもよい。特定の実施形態では、香料成分の第4の群から選択された香料成分は、存在するとき、香料組成物の約0.5%〜約90重量%、又は約1%〜約80重量%の濃度で存在し得る。
【0063】
香料組成物を配合する場合、一部の香料組成物はまた、溶媒、希釈剤、増量剤、展延剤、固定剤等として機能するなどのその他の機能性を有してもよい。これら材料の非限定的な例は、エチルアルコール、カルビトール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチルフタレート、トリエチルシトレート、ミリスチン酸イソプロピル、及びベンジルベンゾエートである。
【0064】
本発明の揮発性組成物を放出する上記の用法に加えて、これら組成物を放出する非限定的な好適な方法が以下に記載される。一つの非限定的な実施形態において、揮発性組成物は、パウチの少なくとも一側面に半透膜を有するパウチによって放出される。パウチはシェード40に取り付けられてもよい。膜は、顕著な液体漏れをきたすことなく、香料の蒸気が通過するのを可能にすることの可能ないくつかの既知の材料から選択され得る。好適な膜材料の例には、ポリエチレン及びミクロ孔質のポリエチレン、エチレンビニルアセテート、ミクロ孔質のポリテトラフルオラエチレン(polytetraflouralethylene)(「PTFE」)、並びに当該技術分野において既知のその他のミクロポア膜が挙げられるが、これらに限定されない。これら膜は、揮発性活性物質が、例えばポリエチレンの薄膜を用いた膜材料を通過する急速な拡散によってか、ミクロ孔質のPTFEなどの材料の多孔質領域を通過する蒸発のいずれかによって放出されるのを可能にする。
【0065】
シェード40の香りの強さは、シェード40の幅及び/又は高さを変化させることにより、並びに材料及び/又は材料特性の孔径を変えることによって所望により変化させることができる。異なる度合いの香りの強さを放出するため、並びにどのシェード40を部屋に又は折々で使用すべきかをエンドユーザーに効率的に伝えるために、高さが異なるが幅は同じシェード40を提供することができる。例えば、外周が20cmで高さが22cmの、本発明の香料入りシェード40は、リビングルーム又はファミリールームに適切なサイズであり得、外周が20cmで高さが10cmの香料入りシェード40は風呂又は狭い空間に適切なサイズであり得る。典型的には、シェード40の外周は、シェード40が同じ基部にフィットするように同様である。
【0066】
また、揮発性組成物の基材からの放出速度は、層を設けることで制御することが可能であり、放出速度は異なる期間持続するようにカスタマイズすることができる。例えば、基材は単数または複数の層を有してもよい。個々の層は、様々な時間間隔で香料を放出するように設計された間欠的又は連続的な層であり得る。層は、紫外線、酸素、水分変化、又はその他の刺激で活性化され得る。
【0067】
別の非限定的な実施形態において、揮発性組成物の放出は、シェード40の材料特性を変化させることにより変えることができる。理論に束縛されることを意図しないが、一般に、熱可塑性などのポリマーに含浸された揮発性組成物は、吸収性又は多孔質材料に装填された揮発性組成物よりも放出が遅い。空気に暴露された多孔質材料は、揮発性組成物が面上で蒸発するのを可能とし、ポリマーに含浸させた揮発性組成物はポリマーを通過して拡散する揮発性組成物を一般に必要とする。例えば、EVA又はポリオレフィンのような熱可塑性材料には香料を含浸させることができ、熱可塑性樹脂の拡散特性及び/又は厚さは異なる速度で香料を放出するように調整することが可能である。熱可塑性樹脂に開放気泡又は閉塞気泡を組み込むことはまた、拡散特性に多大な影響を与え、これらの気泡は材料を飽和する又は材料を吸収する香料の濃度を有効に変えることが可能である。理論に束縛されることを意図しないが、一般に、開放気泡は揮発性組成物が直接空気に暴露されて蒸発するのを可能とし、従って組成物が気泡壁を通って拡散する必要性を最小限にするので、開放気泡/孔は閉塞気泡より速く揮発性組成物を放出する。プラスチック壁にこれらの孔又は気泡を作るための、熱可塑性樹脂の押出し又は射出プロセスにおいて、様々な発泡剤及び/又はガスを組み込むことが可能であることは当該技術分野において既知である。熱可塑性樹脂押出しプロセスで組み込まれる得る発泡剤の好適な製造元の1つは、エンゲルハード社(Engelhard Corporation)(ニュージャージー州、イーゼリン(Iselin, New Jersey))である。トレクセル社(Trexel Incorporated)(マサチューセッツ州、ウォバーン(Woburn, Massachusetts))は、本発明で使用するのに好適な閉塞気泡のような材料を製造するためにガスを熱可塑性樹脂に射出する技術の提供元である。本発明で使用するのに好適な開放気泡を有する熱可塑性発泡体の非限定的な例は、センチネルプロダクツ社(マサチューセッツ州、ハイアニス)から入手可能なセレクト(CELLECT)発泡体である。
【0068】
揮発性組成物の放出を制御する別の手段は、揮発性組成物をカプセルの形態で封入することであり、非限定的な例には、マイクロカプセル又はデンプンカプセルが挙げられる。香りを放出するようにカプセルを設計することの可能な多くの手段が存在する。例えば、カプセルを破裂させることによって、又はカプセル壁を通過して拡散することによってのどちらかで、香りを放出させることが可能である。別の実施例において、空気中の水分がカプセル壁を破裂させるときに、香りがマイクロカプセルから放出される。あるいは、マイクロカプセルの破れ又は破裂を引き起こす接着層を剥がすことによって、カプセル破裂させることができる。カプセルの寸法及び材料特性は、拡散を制御することによって調整することもできる。
【0069】
別の非限定的な実施形態において、香料がシェード40の内側に位置する場合、香料の蒸発速度を変化させるためにシェード40の内側を通る空気流を変えることで、香料の放出を制御することができる。理論に束縛されることを意図しないが、香料及びシェードの設計に依存して、香料からの蒸気が上方又は下方に流れることを除いては、これは煙突効果であると考えられる。香料は蒸発するときに自然に空気を冷却すると考えられ、従って、冷たい空気は重いという理由から、空気流は自然と下向きになる。典型的には、ほとんどの香料は、生来空気より重く、従って香料は「沈む」即ち下方に流れる傾向がある。香りの放出を最大にするため、シェード40の上部及び底部を完全に開いて、空気流を最大とすることが望ましい。さらに、シェード40の上部及び底部の開口部が大きいほど、この開口部を通ってより多くの空気が流れる。蒸発速度が遅い傾向にある高分子量又は高KI値を含む香料にとって、これは特に望ましい。香りの放出を最少にするため、シェード40の上部及び底部の開口部を周囲から実質的に閉塞することが望ましい。例えば、シェード40の上部及び/又はび底部は、図10に示されるような通気口220を有することができる。さらに、又は別の方法として、図11及び12を参照すると、基部20はまた通気口220を含んでもよい。所望であれば、通気口は、香料の蒸発速度を調節/調整するために(ある程度まで)開放する又は閉塞することができるように設計され得る。シェード40の上部及び/又は基部20で空気流を調節するようにする、非限定的な方法は多くある。例えば、一つの非限定的な実施例において、調節可能なスライド(図示せず)を基部20の底部に備えることができ、これによりユーザーは、シェード40の内側を通って空気が流れるようにするために開口部を回転又はスライドさせることができる。別の非限定的な実施例において、シェード40の上部は上部を通過する空気流を制御するために調節され得る。一つの非限定的な実施例では、シェード40の上部に嵌合し、上部の通気口を開ける又は閉めるために回転又はスライドさせて開ける一体型スライド要素を有するA字形フレーム(図示せず)を使用する。これを行うための別の非限定的手段は、折り畳んだときに、折り畳まれた形状を維持する材料の使用である。例えば、シェード40の上部は薄い金属などの材料からなり得る。シェード40の上部の両側に圧力を印加したときに開口部を閉じるように当該2つの側面は互いに寄り合い、これによりシェード40の開口部を通過する空気流を制限する。別の非限定的な実施例において、シェード40の上部開口部は、引っ張りひも(draw string)、薄い金属ワイヤ結着等を使用して制御されることができる。
【0070】
香料の蒸発速度を制御するため別の非限定的な実施形態では、空気流を動かすことを助けるために、少量の熱を用いることができる。理論に束縛されることを意図しないが、適切な通気と合わせて温度を約0.2℃〜約1℃上昇させると、潜在的にシェード40の内側を通る空気流が高くなる可能性がある。わずかな温度の上昇を伴うこの煙突効果は、多くの異なる方法で得ることができ、当該方法にはライトの熱出力、電気回路網、電池式ヒーターなどの小さなヒーターを介する方法、又はシェード40及び/又は基部20に組み込まれる酸化鉄などの熱生成反応化学物質を介する方法などが含まれるが、これらに限定されない。一つの非限定的な方法においては、酸化鉄粒子を芳香剤でコーティング又は封入してシェード40に適用することができる。シェード40は、次に内部を窒素フラッシュしたパウチの中に定置することができ、パウチが開けられるまで酸化鉄の酸化を防ぐ。内部を窒素フラッシュしたパウチはまた、酸素が芳香剤を酸化するのを防止し、加えて消費者が使用する前に芳香剤が蒸発するのを防ぐ。パウチがユーザーによって開けられると、香料で封入された酸化鉄が温まり、その結果香料の蒸発速度が速くなる。これにより低揮発性香料をより簡単に部屋に分散させることができ、蒸発香料放出系を使用して優れた香りの品質を提供する。
【0071】
シェード40は、複数の香り及び/又は異なる時間間隔で放出する香りを有し得る。場合によっては、特定の香りを最初の4時間放出し、次の4時間は異なる香りを放出し始めるのが望ましい場合がある。これは、シェード40の一つの面を上記の一つの技術を用いて処理し、その他の面には異なる技術(例えば、異なる材料、コーティング、厚さ、その他)を用いることにより成し得る。これにより、香りをより長い期間にわたって長持ちさせる、又はユーザーが香りに順応することを軽減するのを補助するために、交互に香りを提供するという利益を提供する。
【0072】
アンプル、パウチ、点滴瓶、サッシェ、スプレー、又は流体をシェード40に提供する任意のその他の手段を用いて、香料を含むがこれに限定されない揮発性組成物をユーザーがシェード40に添加する又は補充することも可能である。
【0073】
非限定的な実施例は、ユーザーがパウチの隅部を裂いてシェード40に内容物を絞り出すことにより提供される、約0.5mL〜約5mLの香料組成物を含有する、個々に収容されたパウチの使用であり得る。別の非限定的な実施例では、約0.5mL〜約5mLの香料を、コンタクトレンズ溶液用の容器として使用される1回用量用容器と同様の、小さな個々用又は複数用ブローフィルシール容器に収容することができる。かかる1回用量の包装の製造装置の好適な製造元の1つは、ロメラグUSA社(Rommelag USA Incorporated)(ニュージャージー州、エジソン(Edison, New Jersey))である。あるいは、香料をシェード40の上に封入及び装填してもよく、ユーザーが時々水をスプレーすることで揮発性組成物を放出させることができる。
【0074】
別の非限定的な実施形態において、シェード40の外側を脱臭成分で処理するのが望ましい場合がある。かかる成分の非限定的な例には、二酸化チタン、シクロデキストリン、金属酸化物、ポリオキソメタレート等が含まれる。理論に束縛されることを意図しないが、シェード40の内側又は外側に脱臭成分を有することで、臭気を芳香剤で遮蔽するよりも、又は上記した反応性アルデヒドのような反応性芳香剤成分を使用するよりも優れた臭気離脱効果を実現する手段が提供されると考えられる。空気が香料を蒸発させる前に、空気流が脱臭成分を横断する場所に脱臭成分を定置するのが理想的であると考えられる。これで脱臭成分は空気から香料を除去しない。場所の非限定的な実施例には、空気がシェードに流れ込む、シェード40の縁部に沿った場所が含まれる。
【0075】
E.任意の追加的な構成要素
本発明はまたその他の任意の構成要素を含んでもよく、当該成分の非限定的な実施例は、装飾発光体10の状態をユーザーに伝達する信号である。例えば、プロセスが開始及び/又は終了したときを示す信号であってよい。使用可能な信号の非限定的な例には、色、音声及び/又は嗅覚信号が含まれる。
【0076】
場合によっては、光のパターン、強さ、又は持続時間を、シェード40の使用期間、シェード40の設計、香りの種類及び/又は香り放出の強さに基づいて調節するために光源がシェード40を認識することが望ましい場合がある。これにより、優れた光源27、香り、及び/又は動的な表示パターンの体験(即ち、使用中に表示の外観が変化する)を提供するスマートな装置が可能となる。あるいは、これはシェードの香りが失われ、取り換えの時期であることを認識するために使用することができる。
【0077】
これを行うことができる一つの非限定的手段は、基部20と通信する無線ICタグ(「FRID」)などの小さなマイクロチップを組み込むことである。例えば、FRIDチップをシェード40に組み込み、FRIDチップを検出可能なFRIDセンサを基部20に組み込むことができる。一つの非限定的な実施例において、FRIDセンサは、光源27のスイッチを入れる信号を送信するためにシェード40中のFRIDチップを検出することによりシェード40が存在しているかどうかを検出することができ、別の非限定的な実施例において、FRIDセンサは、FRIDチップを有するシェード40の揮発性組成物が失われたかどうかを検出することができる。本発明で使用するのに好適なFRIDチップ及びセンサは、テキサス・インスツルメンツ(テキサス州、ダラス)より入手可能である。
【0078】
これを達成する別の手段は、基部20内に配置されたフォトアイ(photo-eye)などの光センサによって検出される色識別領域をシェード40に設けることである。当該部位の一つの非限定的な実施例は、シェード40が、基部20のフォトアイによって検出され得る所与の領域に特定の色を有する部位であり、次に基部20がこの色を検出して光源27を作動させることができる。この色識別領域は、シェード40の使用期間に関して基部20と通信する、及び/又はシェード40を交換する必要があるときに通信するために、経時的に色を変化させるように設計することも可能である。
【0079】
任意に、シェード40は基部20と相まって機能して、期間表示を提供してもよい。例えば、期間表示は、シェード40の香りが失われたという信号を提供し得る。例えば、シェード40がある期間使用された後に、光源27が暗くなる、又は機能しなくなるようにしてもよい。これを達成する非限定的手段は、光源の制御電気回路網と電気的接続をするために、リトルヒューズ社(Littelfuse Corporation)(イリノイ州、デスプレーンズ(Des Plaines, Illinois))製のヒューズなどの、面上に搭載されるヒューズを組み込むことである。この場合、設定された期間が香りの持続期間と一致した後、光源マイクロコントローラからの電気系統のスパイクがヒューズを開かせることができる。基部20がシェード40上の開放型ヒューズ(open fuse)を感知した場合、ライトは機能しない、又は暗くなる。別の方法は、濡れているときに電気がシェード40の濡れた領域を通って伝導し、当該領域が乾燥している場合は電気が伝導しないように、シェード40の濡れた領域又はシェード40の電解質を含む領域を有することである。別の方法は、濡れている場合は電気が濡れた領域を通って伝導し、当該領域が乾燥している場合は電気が伝導しないように、シェード40の濡れた領域又はシェード40の電解質を含む領域を有することである。これは次に、シェード40が十分に使用されて交換が必要である光源への、通信信号として使用され得る。別の方法は、シェード40の底部位置に、薄い導電性金属を組み込むことである。理論に束縛されることを意図しないが、金属の抵抗は経時的に増加すると考えられる。次に、光源は抵抗を測定し、これに基づきシェード40の使用期間を決定することができる。
【0080】
別の非限定的な実施例において、シェード40は変色性色素を含んでもよい。変色性色素は、ライト基部内に位置するフォトアイなどの光センサで検出される。例えば、シェード40が、例えばシェードを含む包装をユーザーが開けることで作動されると、シェード40底部の色の変化が起こり始める。色の変化は、例えば、酸化インク及び/又は空気中に存在する二酸化炭素と反応するインクを使用することにより発生する。この色の変化は、多くの時間又は日数を要するように設計することが可能であり、及びライト基部と通信して、それが新しいシェードか交換の必要な古いシェードかに関する信号を送信するために使用することが可能である。色の変化はまた、潜在的に香り及び所望の強さを伝え、ライトが、強さ、持続時間、又は当該ライトの点滅パターンを変えるように、調節することが可能である。色の変化は、基部がどの種類のシェード40が存在しているかを識別するように、シェード40の予め定められたコードに対応し得る。例えば、黒のドットをある香り体験に付随させ、青のドットを異なる香り体験に付随させることができる。
【0081】
シェード40内のこれらヒューズ及び/又は回路コネクタは、正しい設計の新しいシェードが基部20に定置されない限り、基部20が適切に動作するのをさらに防ぐという追加的利益を有している。さらに別の非限定的な実施例において、シェード40及び/又は基部20は、表示を含み得る。表示は静的であってもよく、あるいは動的であってもよい。一つの非限定的な実施例において、基部20は表示を有する、延伸する領域/スリーブを含み得る。表示は光の使用を介して可視又は非可視であり得る。当該表示の非限定的な例は、フラットパネル・ディスプレイ又は光ファイバーの使用により提供される光を含む。表示は、審美的に魅力的な物品を提供する装飾模様又は画像の形態であってもよい。加えて又は別の方法として、表示は、例えばシェード40を取り換える必要があるとき及び/又は香りが失われたときなどに、ユーザーに信号を提供するために使用される。シェード40は、香料又はオイルとの接触期間中安定しているインク(即ち、にじんだり、溶解したり、又は簡単に抹消されないインク)で印刷される。一つの非限定的な実施例において、表示はインクジェットプリンターを利用して印刷されてもよい。好適なインクジェットプリンターの一つの非限定的な例は、ヒューレットパッカード社(Hewlett Packard Corporation)(カリフォルニア州、パロアルト(Palo Alto, California))から入手可能なインクカートリッジパーツNo.51645A及びC6578Dを具備したDESKJET950Cインクジェットプリンターである。表示はまた、フレキソ印刷、スクリーン印刷、グラビア、オフセット印刷、エアーナイフ、ロール適用、ブレードコーティング等を含むがこれらに限定されない任意の既知の印刷方式で印刷され得る。
【0082】
シェード40は、ユーザーによる活性化に続いて視覚変化を起こす表示を含み得る。一つの非限定的な実施例において、シェード40には、ユーザーによる活性化に続いて視覚変化を起こす表示が印刷される。別の方法としては又は上記に加えて、シェード40全体又はシェード40の一部分は、活性化後の不透明度変化を含むがこれに限定されない視覚変化を起こす。活性化は、例えば、シェード20の二次包装からの除去、パウチの破裂、フィルムの除去、フィルムの追加、液体の追加、又は視覚変化に影響する刺激となるその他の動作を含む。考えられる刺激には、周囲の外気中の酸素、二酸化炭素、又は湿度の変化、周囲の外気中のその他の蒸気の量の変化、pH又は温度の変化、紫外線又は赤外線への暴露、あるいはその他の刺激が含まれる。視覚変化は、現れる、消える、色を変化させる、強さを変化させる、不透明度を変化させる装飾模様、又はこれら効果の任意の組み合わせの装飾模様の形態であってよい。視覚変化は一般に、活性化後の最初の8時間、活性化後の最初の4時間、又は活性化後の最初の2時間の間に発生する。
【0083】
視覚変化はさまざまな手段で引き起こされる。例えば、シェードを囲んでいる大気の空気組成物(即ち、酸素、二酸化炭素、窒素等)が変化した結果、装飾模様が現れる、消える、色を変える場合がある。一つの非限定的な実施形態において、酸素濃度計を使用してもよく、シェードに酸素濃度計を印刷し、内部を窒素又は別の不活性ガスでフラッシュしたハイバリアな(例えば、金属化PET又はフォイル)パウチに定置し、続いて酸素がパウチに入るのを防ぐために封止する。活性化の際、例えば、パウチから除去する際、大気中の酸素への暴露が濃度計の酸化の引き金となって色の変化が起こる。好適な酸素濃度計及び酸素濃度計の作製方法は、例えば、米国特許第4,349,509号、同第4,526,752号、同第4,812,053号及び同第6,703,245号に開示されている。あるいは、別の非限定的な実施例は、シェード40の存在下で空気中二酸化炭素濃度の変化によって引き起こされ得る視覚変化である。
【0084】
例えばpHの変化に起因して装飾模様が現れても、消えても、色が変化してもよい。pHの変化に伴い色を変える好適な指示薬には、少しの名前を挙げるだけでもフェノールフタレイン、チモールフタレイン、m−ニトロフェノール、エチルレッド、及び今コンゴレッドが挙げられるがこれらに限定されない。これら酸塩基指示薬は、CRCハンドブック(CRC Handbook)第60版、1979年発行、D150〜D153頁に見出すことができる。その他の周知の指示薬には、サリチル酸、アクリジンなどの薬蛍光指示薬、及びCRCハンドブックに記載のようなその他の指示が挙げられる。あるいは、揮発性酸又は塩基をシェードに組み込み、シェードを完全に包囲して揮発性成分の蒸発又は移動を防ぐ、障壁可剥性層又はハイバリア包装で安定を保つことができる。層を剥離する又は障壁包装を開ける際、揮発性成分が蒸発し、pHの変化を引き起こし、こうしてこれら構成成分が存在しているシェード40の色変化を引き起こす。一つの非限定的な実施例において、pHの変化は、シェード40を囲む大気の二酸化炭素含有量の変化によっても引き起こされ得る。例えば、シェード40は、一般の大気よりも二酸化炭素が豊富な又は少ない大気の下で、実質的に二酸化炭素不透過性の障壁包装に入れられてもよい。
【0085】
毛細管現象/ウィッキング(wicking)作用の結果、装飾模様が現れる、消える、色が変化する、強さが変化する場合がある。一つの非限定的な実施形態において、これは別個のパウチ又はシェード40に取り付けられた容器に収容される流体の供給源を提供することによって達成され得る。別個のパウチを破裂させる際、流体は毛管現象の結果としてシェード40を通って吸上げられてもよい。乾燥しているときには目に見えないが濡れた状態で現れる、水により活性化される染料又はpHにより活性化される染料をシェード40に印刷することができる。あるいは、流体は、染料、流体のpHを変化させるpH変化成分、香料を含むがこれに限定されない揮発性組成物、又はこれらの組み合わせを含有してもよい。任意に、製品のユーザーは、水を材料の上に注入又はスプレーするか、シェード40と接触して流体がシェード40までウィッキング(wicking)するのを可能とする保持容器(holding reservoir)に水を添加するかのいずれかによって、シェード40に水を添加してもよい。保持容器は基部20に組み込まれてもよく、シェード40に取り付けられてもよく、独立した部品であってもよく、又はこれらの組み合わせであってもよい。
【0086】
別の非限定的な実施形態において、紫外線又は赤外線に暴露した結果、装飾模様が現れる、消える、色を変化させる場合がある。基部20は、変化に影響を与えるために、例えば紫外線又は赤外線の光源を含んでよい。例えば、基部20は、約410nmより短い波長で光を放射する単数または複数のLEDなどの光源27を含んでもよい。好適なLEDの例は、ラメックス社(Lumex Incorporated)(イリノイ州、パラタイン(Palatine, Illinois))から入手可能な、パーツNo.SSL−LX5093SUVCである。光源を有する紫外線又は赤外線LEDと共に、シェード40は、当該技術分野において既知のフォトクロミック色素のようなフォトクロミック色素を含有する表示を含んでもよい。好適なフォトクロミック色素の非限定的な例は、クロマティックテクノロジー社(Chromatic Technologies Incorporated)(コロラド州、コロラドスプリングス(Colorado Springs, Colorado))から提供され、商標名ダイナカラー・フォトクロミックインク(DYNACOLOR PHOTOCHROMIC INK)のフォトクロミック色素である。紫外線又は赤外線LEDは、フォトクロミックインクで印刷された表示の視覚変化に影響を与えるように配置される。揮発性染料の蒸発の結果、装飾模様が消える、あるいは色又は強さが変化する場合がある。好適な揮発性染料の非限定的な例には、グアイアズレン(1,4−ジメチル−7−(1−メチルエチルアズレン(methyletheylazulene)、CAS番号489−84−9)及びアズレン(ビシクロ[5.3.0]デカペンタエン、CAS番号275−51−4)が挙げられる。揮発性染料は、メタノール、エタノール、アセトン、イソプロパノール又はその他の揮発性溶媒などの溶媒に溶解してもよく、あるいは当該技術分野において既知の結合剤などのその他の成分と組み合わせてインクを配合してもよい。
【0087】
視覚変化を作り出す別の非限定的手段は、シェード40の少なくとも一部分が活性化後に不透明度変化を受けるように、シェード40を設計することである。不透明度変化に影響を与える1つの方法は、シェード40の少なくとも一部分を構成する多孔質材料から揮発性組成物を蒸発させることによる。本発明で使用するのに好適な多孔質シェード材料は、水及び/又は香料などの揮発性組成物で濡らした場合に、材料の厚さ及び種類に依存して不透明度が通常には約5%〜約30%減少する。例えば、ポリエステル不織布であり、当該不織布の好適な一つの非限定的な例は、乾燥時の坪量約100g/m2の不透明度は約63%であるが、揮発性芳香剤で濡らすと約43%に減少する、BBA/ファイバーウエブ(BBA/Fiberweb)から入手可能なSYNERGEX6130である。芳香剤が約1時間にわたって蒸発すると、不透明度は約43%から変化してゆっくりと元の63%に戻り得る。不透明度の変化はまた、光源からの光がどのように拡散するかにも影響を与え、従って、シェード40が変化しているという視覚信号を消費者に提供するのに使用することが可能である。別の非限定的な例において、キムワイプス(KIM WIPES)(登録商標)ティッシュ(ウィスコンシン州、ニーナ(Neenah, Wisconsin)のキンバリー・クラーク社(Kimberly Clark Corporation)製)は、乾燥時の不透明度は約48%であり、香料などの液状揮発性組成物によって濡れたときの不透明度は、約25%であり得る。
【0088】
不透明度変化が十分大きい場合、シェード40の変化する不透明度はまた、シェード40に印刷された図形を暴露する又は隠すのにも使用される。例えば、典型的には約0.01μmと約15μmとの間の平均孔径を有するミクロ細孔は、乾燥時には不透明だが流体で濡れると半不透明になる。この目的のために好適な材料には、空孔容量/全材料の容量(「V/V」)が約50%〜約99%V/Vの細孔容積を有する、ミクロ孔質のポリエチレン、ポリプロピレン、ニトロセルロース、及びポリエステルが挙げられるがこれらに限定されない。好適な材料の例は、ディーエスエム・ソルテック社(DSM Solutech)(ヘーレン、オランダ(Heerlen, Netherlands))から入手可能な、商標名ソルポール(SOLUPOR)、グレード7P03A,5P09B及び10P05Aで入手可能な材料である。一つの非限定的な例において、これらミクロ多孔質材料は、厚さ、材料の種類、及び孔径によって、不透明度の減少が約20%〜約70%であり得る。例えば、公称坪量が約7g/m2であるソルポール(SOLUPOR)7P03Aの不透明度は、乾燥時には約95%及び濡れているときには、約45%である。図形又は画像をシートの一つの面に印刷することができ、流体が蒸発するにつれ、当該シートはゆっくりと不透明になり、最終的にはほとんど光を通過させない。当初は、特に光源からなどの背面照明によって、別の側面から図形を見ることができる。シェードが乾燥するにつれさらに不透明になっていき、シェード40を通過する光がより少なくなり、加えて、図形をもはや見えなくしてしまう。
【0089】
シェード材料の孔径は、典型的には約0.01μm〜約50μm、又は約0.05μm〜約5μmであり、濡れたときには透明性を提供する一方で、乾燥時には最も高い不透明度を提供する。揮発性組成物を吸収するための平均孔径直径は、典型的には約0.1μ〜約100μm、又は約1μ〜約50μm平均孔径直径である。このように、色素を使用せずに不透明及び吸収性である材料の平均孔径直径は、約0.1μ〜約50μmであり得る。これにより、単一材料が香料などの流体を保持することが可能であり、乾燥時には半不透明なシェード、及び液状組成物で濡れたときには、半透明であるシェードを提供することが可能となる。あるいは、多層構造をシェードに用いることができ、1つの層は約0.01μm〜約50μmの孔径を有する不透明に変化させる層として機能し、追加の層の平均孔径は約0.1μ〜約100μmであり揮発性組成物を保持するように設計される。
【0090】
別の非限定的な実施形態において、基部20とシェード40との間の適切な整合及び/又は認識を確実にするために、基部20の類似形状/相互形状に対応する特有の形状/形態を有するシェード40を有するのが望ましくあり得る。好適な非限定的な例にはタブが挙げられ、当該タブはシェード40上に配置され、ベース上に当該タブを収容するための対応する嵌入を有してシェード40上に位置する。別の非限定的な例は、ピン/穴構造であってよい。
【0091】
キット
これらに限定されないが、シェード40、基部20、光源ライト/ライト27、シェード40を保持する封止パウチ、及び揮発性組成物を含む本発明の装飾発光体の構成要素は、キットとして提供される。あるいは、装飾発光体の構成要素の単数または複数は、別個に提供されてもよい。例えば、一つの非限定的な実施形態において、装飾発光体のシェード40は単数または複数のその他の構成要素をキットの一部として備えてもよく、又は個別に備えても及び/又は販売されてもよい。別の非限定的な実施例において、揮発性組成物をキットの一部として備えてもよい。例えば、シェードに組み込まれてもよく、又は別個のサッシェ、パウチ、アンプル、ボトル等に入れて提供されてもよい。さらに別の非限定的な実施形態において、揮発性組成物は、ユーザーが別個に購入してもよい注入容器又は補充ユニットの一部として別個に提供されてもよい。さらなる非限定的な実施形態において、基部及び/又は光源は装飾発光体のその他の構成要素と共に提供されてもよく、それぞれは1単位として提供されてもよく、又は個別に具備されても及び/又は販売されてもよい。例えば、ユーザーにとっては、使用される光源の種類を選択できること、あるいはライト及び/又は基部の交換に融通がきくことが望ましい場合がある。
【0092】
ユーザー個々の好みに従って装飾発光体10をカスタマイズするために、装飾発光体10を含む個別の構成要素を選択する能力を有することがユーザーにとってさらに望ましい場合がある。例えば、双方向性の見本陳列は、ユーザーが、装飾発光体10に含まれることを望む構成要素(例えば、シェード40、基部20、光源/光源27、揮発性組成物)をユーザーが選択/カスタマイズすることを可能にする。双方向性の見本陳列は、ユーザーが手動で制御することができ、ユーザーがコンピュータで制御することができ、又はこれらの組み合わせが可能となる。この双方向性の見本陳列は電子的に、例えばインターネット/仮想ウエブサイトを介して提供されることができ、又は商業立地などの物理的サイトに設置されることができ、あるいは小包郵便によって及び/又は新聞/雑誌の折り込みを介してユーザーの家に配達されることができる。手動の双方向性見本陳列の一つの非限定的な実施例において、各装飾発光体要素の各オプションは、各構成要素用に選択されるオプションに基づいて、ユーザーが装飾発光体10がどのように見えるかを眺められるよう1つの構成要素を次の構成要素の上に積み重ねるために、見本陳列の1つの列に沿って可動式回転盤(wheel)の上に配置される。代替案として又は上記に加えて、揮発性組成物の様々な見本、例えば香料もまた、ユーザーが最終的に購入することを決める前にユーザーの好みに最も見合った装飾発光体10を総体的にカスタマイズ/選択する利益を有することができるように、構成要素と共に例えばこする及び香りを嗅ぐタイプの形態で積み重ねることができる。
【0093】
自己学習型商品
本発明は、(1)本発明の装飾発光体10、及び2)ユーザーに装飾発光体10をどのように利用するかをユーザーに指示する一連の説明を含む商品を包含する。
【0094】
一つの実施形態において、商品は、一連の説明を伴う本発明の装飾発光体10を含み、ここで説明は、装飾発光体10の利用方法にユーザーが従うように指示をする。説明は活字、絵で表す、記号/アイコン等、並びにこれらの組み合わせの形態であってよい。一実施形態において、かかる説明は、1)装飾発光体10を面上に定置すること、及び2)シェード40を包装から除去することにより及び/又はシェード40を基部20に定置することにより装飾発光体10を活性化すること、をユーザーに指示する。
【0095】
本明細書において、そのような説明を言及するとき「関連する」は、一連の説明を装飾発光体10の消費者に知らせるように、説明が装飾発光体10の上に直接印刷されている;装飾発光体10の上に直接印刷されている;装飾発光体10及び/又は容器のパッケージに付いているラベルに印刷されている;あるいはパンフレット、活字広告、電子広告、放送若しくはインターネットでの広告、及び/又は他の媒体;が挙げられるが、それらに限定されない異なる方法により示されるもののいずれかであることを意味する。
【実施例】
【0096】
本発明に関する非限定的な実施例を以下に開示する。
(実施例1)
ウィッキングシェード(wicking shade)は破裂するパウチをシェードの基部に組み込むことにより製造される。破裂するパウチは、ペシネー・プラスチック・パッケージング社(Pechiney Plastic Packaging)(ウィスコンシン州、ニーナ(Neenah, Wisconsi))製のハイバリア金属化PETラミネートで、デュポン社(DuPon)(デラウェア州、ウィルミントン(Wilmington, Delaware))から入手可能なサーリン(SURLYN)(登録商標)シーラントをを用いて製造される。パウチの一方の側面を低温(約93℃に対してパウチの別の2つの側面は約149℃)で封止して、押圧した場合に約22.2N(5ポンド(2.3キログラム))未満で破裂する壊れやすい封止を作製する。パウチに約3mLの水、緑の食品着色染料を3滴、及び松の香りの香油約1mLを充填する。吸収紙の15cm×28cm(6インチ×11インチ)片(当該吸収紙の非限定的な実施例は、紙、タオル、化粧紙、及びトイレットペーバーである)を坪量50g/m2で取り出し、それを一つの面が吸収紙で別の面がポリエチレンフィルムになるように、ポリエチレンフィルムの0.0254mm(1mil)の層に積層する。次に、紙の面を木の形の鋳型で覆い、紙にラッカーコーティングをスプレーして制御された流体のウィッキングのために紙に多孔質及び多孔性でない領域を作製する。次に破裂可能なパウチをシェード材料側の紙の上に定置し、底縁部をパウチの上に折り畳み、パウチが緩んでシェードの中で動かないように封止する。続いてシェードを、6.35mm(0.25インチ)のオーバーラップを有する管の形態に折り畳み、15cm(6インチ)の縁部に沿って封止し、高さ約23cm(9インチ)、オーバーラップにより、周囲27cm(10.5インチ)の管を作製する。ポリエチレン側が管の外側に位置し、紙が内側にくるようにシェードを折り畳む。破裂したときに、流体は基部の近傍に放出し、紙及び紙/フィルム積層体の毛管特性に基づいてゆっくりと木をウィッキングするように、破裂可能なパウチを木の基部に配置する。次にシェードを20cm×13cm(8インチ×5インチ)のフォイルパウチ上に定置して封止する。
【0097】
消費者はフォイルパウチを開けることによってシェードを使用する。これは、消費者が封止領域をフォイルパウチの一方の縁部に沿って裂くことにより達成される。シェードを取り外し、電池式ライト基部を覆って定置する。破裂可能なパウチ中の香り/着色色素は、シェードを圧迫することで活性化し、破裂可能なパウチが位置する領域のライト基部をシェードの底部に配置する。そのようにすることでパウチが破裂し、約3cc〜約4ccの流体が放出される。次にこの流体はシェードと接触する。シェードのフィルム側がシェードの底面及び外側を乾燥状態に保つので、シェードの外側及びシェードの底部は濡れた状態にならない。約30分後に、流体はシェードの約5cm(2インチ)までウィッキングする。120分のうちに、流体はシェードの全長である15cm(6インチ)までウィッキングする。この特定の実施例において、着色色素は紙の多孔質領域のみをウィッキングするので、ウィッキングが起こると木の模様が現れる。パウチを破裂させた際、初めは香りは発散されないが、パウチの中の香り/オイル混合物が紙をウィッキングして蒸発するにつれて香りがむしろゆっくりと放出されるように、ウィッキングした流体は香りもまた発散される。
【0098】
(実施例2)
CTIペーパーUSA(CTI Paper USA)(ウィスコンシン州、サンプレーリー(Sun Prairie Wisconsin))から「パーチメント・ホワイト・グラマ・ナチュラル(Parchment White Glama Natural)」の名前で販売されていおり、公称坪量が110g/m2である半透明の紙、厚さが約0.03mmの低密度ポリエチレンフィルム、及びセルティシューインコーポレイテッド(Cellutissue Incorporated)からグレード7020(grade 7020)として販売される、公称坪量が約23g/m2のクレープ加工されたティシュペーパー、からなる3つの層を含むシェードを、低密度ポリエチレンが2つの紙の層の間にくるように配置する。当該3つの層を、次に十分な温度に設定した熱ロールラミネーターを用いて及び層が容易に分離するのを防ぐための積層圧力をかけて熱的に結合する。
【0099】
上記の3層積層体を折り畳み、切断して、周囲が190mm及び高さが220mmの管を形成する。クレープ加工されたティッシュペーパーが、円筒の内側に位置するように管を形成する。管の継ぎ目を、移動接着テープ(3M社(3M Corporation)(ミネソタ州、セントポール(St. Paul, Minnesota))から9471LEとして販売)を適用して固定し、約1.3cm(0.5インチ)オーバーラップさせる。続いて、管を折って平坦な構造を形成する。
【0100】
(表1)に示される、組成物を有する揮発性組成物約0.7g(ここで、揮発性組成物の90重量%超過が、約1500未満のKI値を有する)を、当該3層積層体のうちのクレープ加工されたティッシュペーパーの層に、移動ピペットを使用して適用する。次に3層積層管を、金属化されたポリバッグ(ユーライン社(ULine Corporation)(イリノイ州、ウォーキーガン(Waukegan, Illinois))からパールNo.S−6176で入手可能)の中に迅速に定置し、熱封止する。
【0101】
約16時間後、3層積層管を金属化されたバッグから取り出し、管状に開き、温度約21℃(70°F)の室内に定置する。約6時間後、金属化されたバッグから取り出したときに元々シェードの中にあった香料の約50%がシェードから蒸発している。約24時間後、金属化されたバッグから取り出したときに元々シェードの中にあった香料の約70重量%超過がシェードから蒸発している。
【0102】
【表1】
【0103】
(実施例3)
揮発性組成物が表2に記載のものである(揮発性組成物成分の80重量%超過のKI値が約1700未満である)こと以外は、実施例2と同様にシェードを製造する。約6時間後、金属化されたバッグから取り出したときに元々シェードの中にあった香料の約20重量%がシェードから蒸発している。
【0104】
【表2】
1 シルバノンCiは、クエスト・インターナショナル(Quest International)(ニュージャージー州、マウントオリーブ(Mount Olive, New Jersey))より入手可能。
【0105】
(実施例4)
シェードをBBAファイバーウエブ(サウスカロライナ州、シンプソンビル)製のSYNERGEX6130を用いて製造する。SYNERGEX材料は、坪量102g/m2及び厚さ0.3mmのカレンダー仕上げされたポリエステル繊維からなる。材料を折り曲げ、切断して周囲190mm及び高さ190mmの管を形成する。管の継ぎ目を移動接着テープ(3M社(ミネソタ州、セントポール)から9471LEとして販売)を適用して固定し、約1.3cm(0.5インチ)オーバーラップさせる。続いて、管を折って平坦な構造を形成する。
【0106】
表3に示される揮発性組成物約0.7g(ここで、揮発性組成物の成分の約62重量%のみが約1700未満のKI値を有する)を管状シェードに適用する。次に管状シェードを、金属化された0.055mm(2.2mil)ポリバッグ(ユーライン社(U-Line Corporation)からパートNo.S−6176(Part No. S-6176)で入手可能)の中に迅速に定置し、熱封止する。
【0107】
約4時間後、管状シェードを金属化されたポリバッグから取り出し、管状に開き、温度約21℃(70°F)の室内に定置する。約5時間後、金属化されたバッグから取り出したときに元々シェードの中にあった香料の約20重量%がシェードから蒸発している。24時間後、金属化されたバッグから取り出したときに元々シェードの中にあった香料の約30重量%が、シェードから蒸発している。
【0108】
【表3】
1シルバノンCiは、クエスト・インターナショナル(ニュージャージー州マウントオリーブ)より入手可能。
【0109】
(実施例5)
シェードをBBAファイバーウエブ(サウスカロライナ州、シンプソンビル)製のSYNERGEX6130を用いて製造する。SYNERGEX材料は、坪量102gsm及び厚さ0.3mmのカレンダー仕上げされたポリエステル繊維からなる。材料を折り曲げ、切断して周囲190mm及び高さ220mmの管を形成する。管の継ぎ目を、移動接着テープ(3M社(ミネソタ州、セントポール(St. Paul, Minnesota))から9471LEとして販売)を適用して固定し、約1.3cm(0.5インチ)オーバーラップさせる。続いて、管を折って平坦な構造を形成する。
【0110】
表2に示される揮発性組成物約0.7gを、管状シェードに適用する。次に管状シェードを、金属化された0.055mm(2.2mil)ポリバッグ(ユーライン社(U-Line Corporation)からパートNo.S−6176(Part No. S-6176)で入手可能)の中に迅速に定置し、熱封止する。
【0111】
約24時間後、管状シェードを金属化されたポリバッグから取り出し、管状に開き、温度約21℃(70°F)の室内に定置する。約5時間後、金属化されたバッグから取り出したときに元々シェードの中にあった香料の約50重量%超過がシェードから蒸発している。約24時間後、金属化されたバッグから取り出したときに元々シェードの中にあった香料の約65重量%超過がシェードから蒸発している。
【0112】
(実施例6)
シェードをBBAファイバーウエブ(サウスカロライナ州、シンプソンビル)製のSYNERGEX6130を用いて製造する。SYNERGEX材料は、坪量102gsm及び厚さ0.3mmのカレンダー仕上げされたポリエステル繊維からなる。材料を折り曲げ、切断して周囲190mm及び高さ220mmの管を形成する。管の継ぎ目を移動接着テープ(3M社(ミネソタ州、セントポール)から9471LEとして販売)を適用して固定し、約1.3cm(0.5インチ)オーバーラップさせる。続いて、管を折って平坦な構造を形成する。
【0113】
表1に示されるを揮発性組成物約0.7g管状シェードに適用する。次に管状シェードを、金属化された厚さ0.055mm(2.2mil)ポリバッグ(ユーライン社(U-Line Corporation)からパートNo.S−6176(Part No. S-6176)で入手可能)の中に急いで定置し、熱封止する。
【0114】
約24時間後、管状シェードを金属化されたポリバッグから取り出し、管状に開き、温度約21℃(70°F)の室内に定置する。約5時間後、金属化されたバッグから取り出したときに元々シェードの中にあった香料の約80重量%がシェードから蒸発している。約24時間後、金属化されたバッグから取り出したときに元々シェードの中にあった香料の約85重量%超過が、シェードから蒸発している。
【0115】
(実施例7)
CTIペーパーUSA(CTI Paper USA)(ウィスコンシン州、サンプレーリー(Sun Prairie Wisconsin))から「パーチメント・ホワイト・グラマ・ナチュラル(Parchment White Glama Natural)」の名前で販売されている、公称坪量が110g/m2である半透明の紙を折り畳み、切断して、周囲が190mm及び高さが220mmの管を形成する。管の継ぎ目を、移動接着テープ(3M社(ミネソタ州、セントポール)から9471LEとして販売)を適用して固定し、約1.3cm(0.5インチ)オーバーラップさせる。続いて、管を折って平坦な構造を形成する。
【0116】
吸収性材料のストリップ(EMI・スペシャリティー・ペーパーズ(EMI Specialty Papers)(コネチカット州、レディング(Redding, Connecticut))製造番号7620Wとして販売)を約1.7cm×19cmに切断し、両面接着テープ(3M社から製造番号9500PCとして販売)を使用して紙の管の内部の、管の末端部のすぐ近くに固定する。
【0117】
表1に示される組成物を有する揮発性組成物約0.45g(ここで、揮発性組成物の成分の90重量%超過が約1500未満のKI値を有する)を、材料の吸収性ストリップに移動ピペットを使用して適用する。次に、管を金属化されたポリバッグ(ユーライン社(ULine Corporation)からパートNo.S−6176(Part No. S-6176)で入手可能)の中に定置し、熱封止する。
【0118】
約48時間後、管状シェードを金属化されたバッグから取り出し、管状に開き、温度約21℃(70°F)の室内に定置する。吸収性ストリップを管の最上部としてテーブルの上に垂直に定置する。約6時間後、金属化されたバッグから取り出したときに元々シェードの中にあった香料の約50重量%がシェードから蒸発している。約24時間後、金属化されたバッグから取り出したときに元々シェードの中にあった香料の約65重量%がシェードから蒸発している。
【0119】
(実施例8)
シェードを、BBAファイバーウエブ(BBA/Fiberweb)(サウスカロライナ州、シンプソンビル)製のSYNERGEX6130を用いて製造する。SYNERGEX材料は、坪量102g/m2及び厚さ0.3mmのカレンダー仕上げされたポリエステル繊維からなる。この材料の平均孔径直径は、約10μm〜約75μmの範囲内で約34μmである。材料に従来のインクを使用して、インクジェットプリンターで図形模様をプリントする。次に、SYNERGEX材料を19cm×20cmの寸法に切断し、管に丸め、1cmのオーバーラップを有して19cmの長さに沿って封止する。SYNERGEX材料を、バートロッド(VERTROD)ブランドのインパルスヒートシーラー(impulse heat sealer)を使用して当該材料自体に熱封止する。香料を添加する前の乾燥時のシェードの不透明度が65%乾燥になるように、ハンター・ラボスキャンXEを使用して測定する。シェードに表1に示される香料組成物0.7グラムを装填する。シェードに香料を装填後迅速に不透明度を測定し、43%であることが認められた。シェードに香料組成物を適用してから4時間後には香料の50%が蒸発し、不透明度は55%に増加する。
【0120】
(実施例9)
実施例2と同様にシェードを製造する。金属化されたポリバッグの中に封入する前に、シェードの外側に「消えるインクマーカー(Disappearing Ink Marking Pen)」(ピルム−ドリッツ社(Pyrm-Dritz Corporation)(サウスカロライナ州、スパルタンバーグ(Spartanburg, South Carolina))より入手可能)を使用して花の形状の装飾デザインを描く。金属化されたバッグから取り出した後約24以内に、装飾デザインがシェードから消える。
【0121】
(実施例10)
CTIペーパーUSA(CTI Paper USA)(ウィスコンシン州、サンプレーリー(Sun Prairie WI))から「パーチメント・ホワイト・グラマ・ナチュラル」の名前で販売されている、公称坪量が110g/m2である半透明の紙の層を、ディーエスエム・ソルテック社(DSM Solutech)(ヘーレン、オランダ(Heerlen, Netherlands))よりソルポール7P03A(SOLUPOR 7PO3A)の名前で販売され公称坪量が7g/m2であるミクロ孔質の高分子量ポリエチレンの層に接着積層して、可撓性シート物品を作製する。半透明の紙にHPインクジェットプリンターを使用して装飾画像を印刷する。次に積層構造を200mm×185mmに切断し、10mmのオーバーラップを有して幅200mmに沿って丸めて、周囲190mm及び高さ185mmの楕円形状の管を作製する。ミクロ孔質のポリエチレンが外側、画像が印刷された半透明の紙が内側になるように、可撓性物品を丸める。3M社の両面接着テープ(3M9471LEとして入手可能)の層をオーバーラップ領域に使用して管が広がらないように維持する。
【0122】
表1に記載の組成物を有する揮発性組成物約2mLを、可撓性管状物品に適用する。次に可撓性物品をハイバリアなパウチの中に定置し封止して、使用する準備が整うまで物品が揮発性組成物を消失しないように維持する。可撓性管状物品を独立型芳香剤として使用することが可能であり、又は物品を直立させて保持するのを助けるために、基部上に定置することが可能である。あるいは、物品がライトの基部を覆って定置された場合は、発光体シェードとしても使用することができる。
【0123】
積層構造の試料を切断し、揮発性組成物で濡らす前後の不透明度を測定する。乾燥構造の不透明度は95%であり、濡れた構造の不透明度は45%である。乾燥すると、ミクロ孔質のポリエチレンの不透明度に起因して、管状物品即ち発光体シェードの外観は白である。濡れると、ミクロ孔質のポリエチレンは半透明であり、管の内側に照明があってもなくても内側の画像を非常に明瞭に見ることができる。10時間以上にわたって揮発性組成物が蒸発すると、シェードはさらに不透明になり、2日以内に元の不透明度である95%に戻り、画像はわずかしか見えない。この外観の変化が、芳香剤が実質的に失われており今が捨てる時期、及び新しいシェードと交換する時期であることをユーザーに伝達する一助となる。
【0124】
(実施例11)
可撓性物品を実施例10に記載のものと同じ材料で作製するが、半透明の紙の代わりにミクロ孔質のポリエチレンに画像を印刷し、印刷されたミクロ孔質のPEが管の印刷された面と共に内側に、及び印刷されていない半透明の紙が外側になるように、積層構造を管状に丸める。
【0125】
可撓性物品を表1で使用したのと同じ揮発性組成物で再度濡らすが、ここでは揮発性組成物は管の内側にある。物品の不透明度は乾燥時の95%から濡れたときの45%へと及び、ここでも濡れている場合は画像は目立つが、ミクロ孔質のポリエチレン材料の不透明度変化に起因して隠れていた。この実施例では、濡れたミクロ孔質のポリエチレンが、楕円形の管状の外側でなく、内側にあるため、揮発性組成物の放出速度はより遅い。香料は5日以上にわたって放出する。
【0126】
(実施例12)
3つのシェードを多層構造を用いて製造する。シェードの通気を調節して香料蒸発速度の効果を測定する。シェードを3つの層から作製する。外層は、アルストロム・ウインザーロックスLLC(Ahlstrom Windsor Locks LLC)(コネチカット州、ウインザーロックス(Windsor Locks, Connecticut))社の60gsmの熱封止可能な紙である。中間障壁層は、0.06mm(2.5mil)の厚さのPE/EVOH/PEインフレーションフィルムからなり、当該フィルムは、プリントパック社(Printpak Incorporated)(ジョージア州、アトランタ(Atlanta, Georgia))から入手可能である。内層は、102gsmスパンボンドポリエステル不織布からなり、当該不織布はBBAファイバーウエブ(サウスカロライナ州、シンプソンビル)から入手可能な、商標名SYNERGEX6130である。SYNERGEX材料は、厚さ0.3mmのカレンダー仕上げされたポリエステル繊維からなる。3つの層を、ホットロールラミネーター(hot roll laminator)を使用して、ロール圧0.41MPa(60psi)、ロール温度182℃(360°F)及び速度設定20で積層する。次に、油圧プレス(hydraulic press)及びスチール・ルール抜型を使用して、3層シートを寸法185mm×200mmに打ち抜く。続いて185mm×200mmのシートを、内側にSYNERGEX吸収性材料を有する長さ185mm、幅95mmの折り畳み式ボードの周囲に巻きつける。次にシェードを185mmの長さに沿って、重ねシームを用いるオーバーラップで封止する。これにより長さ185mm、周囲約192mm(8mmのオーバーラップを有する)の平坦にされた管を作製する。インパルスヒートシーラー、モデルNo.24LABMod S/N:V−49093(model No. 24LABMod S/N:V-49093)によって、0.34MPa(50psi)のバー圧力、8秒の熱パルスドゥエル(dwell)及び6秒の冷却ドゥエルで封止を行う。インパルス金属リボン(impulse metal ribbon)を加熱するための出力設定は、ダイアルで27.5である。
【0127】
形成されたシェードの内側(SYNERGEX層)にインターナショナル・フレーバー・アンド・フレグランス(International Flavors and Fragrances)(ニュージャージー州、ハズレット(Hazlet, New Jersey))より入手可能なキュウリ及びメロンの香料0.5グラムを添加する。次に、シェードを直立に保つためにシェードを楕円形の基部の上に定置し、シェードの管の開口部が上の方を向き、もう一つの開口部は楕円形の基部にピッタリと嵌まる。
【0128】
2つの異なる種類の熱形成された基部を使用してシェードを保持する。空気が基部を通って及び/又は基部とシェードとの間の接合面の間を移動する可能性が皆無かそれに近くなるよう、シェードを基部にきつく嵌合させるように、一方の基部は閉塞底部を有している。これは「通気口のない基部(no venting base)」を意味する。他方の基部は基部の中心に直径19mm(0.75インチ)の2つの穴を有し、基部の側面に6.45cm2(1平方インチ)相当面積の開口部を有している。これは「通気基部(venting base)」を意味し、空気が基部(側壁及び上部)を貫流する、従ってシェードの底部を貫流するために6.45cm2(1平方インチ)相当面積を有している。
【0129】
シェードの上部は、シェードを閉塞するためのペーパークリップ及びシェードを開放するための直径35mmの薄い環を使用して、開放されているか閉塞されているかのどちらかに、調節される。任意で、シェードを所望の形状に開放したままにする又は閉塞したたままにするのを補助するフォイルテープをシェードの上部に有することができる。3つのシェードは3つの異なる条件下でテストされる:1)閉鎖上部及び閉塞基部;2)開放上部及び閉塞基部;及び3)シェードの開放上部及び開放基部。香料蒸発速度は、シェードの重さを異なる時間間隔で計り、時間当たりの平均重量喪失を計算するために、時間間隔にわたって差を取ることで測定する。以下の表4に示されている結果は、開放上部であり閉塞底部であるといかに蒸発を増加させるか、及び通気口の付いた基部をシェードの上部及び底部を通気させて共に使用すると蒸発がさらにいかに増加するかを示している。
【0130】
【表4】
【0131】
(実施例13)
低価格の一体型香料入り製品及び包装をどのようにしたら製造できるかを示すために、一体化シェード及び包装を製造する。障壁フィルムに積層された吸収性不織布を含む2層の基材(bi-laminate substrate)を調達してシェードを製造する。上述のSYNERGEX6125PET不織布を内側吸収層に使用する。外側障壁フィルムは、プリントパック(ジョージア州、アトランタ)から供給されPET/PE/EVOH/PEからなるフィルムである。上部及び底部でSYNERGEXが1.3cm(0.5インチ)狭まり、(図20を参照のこと)吸収性材料が存在する領域が残されていないことを除いては、実施例12に記載の方法と同様に、障壁フィルムをSYNERGEX不織布に熱的に積層する。不織布が封止領域にないので、不織布のこの狭い幅がもたらされた。次に、実施例2の表1に示されているように、1グラムの香料を不織布に装填する。次に2層は、香りの付いた不織布を内側に及び障壁フィルムを外側に向けて折り畳まれる。続いて障壁フィルムが、それ自体に3つの開放端部で封止される。ハサミを要して2つの末端部のシール領域を切断することで封止包装を開けることができる。あるいは又はさらに、端部を簡単に引き剥がすのを助けるために、障壁フィルムにレーザーで切り目をつける(laser scored)ことができる。開けられた包装を立方体形状に形成し、香りを放出させるために基部に挿入されることができる。一体型包装及びシェードが全て一体となっているこのスタイルは、ハイセン・パッケージング・テクノロジーズ(Hayssen Packaging Technologies)(サウスカロライナ州、ダンカン(Duncan, South Carolina))によって製造されているような垂直又は水平のフォーム/フィル/シール機械を使用して製造することができる。
【0132】
(実施例14)
吸収性材料がYNERGEXではなく、EMI・スペシャリティー・ペーパーズ(コネチカット州、レディング(Redding, Connecticut))から入手可能な製造番号7620Wであること以外は、実施例13に記載の方法と同様に一体化シェード及び包装を製造する。続いてこのより厚い吸収性材料に香料7mLを添加し、実施例13に記載の方法と同じ方法で封止する。このシェードを封止された末端部を移動することによって開き、立方体形状を形成する。この実施例は、長持ちししかも低価格の芳香剤をどのように製造できるかを示している。より速く香りを放出させるために、立方体をいくつかの小さなブロックの上に定置して空気が立方体を貫流するのを可能とすることができる。
【0133】
本発明の特定の実施形態が説明及び記載されてきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行えることが当業者には明白であろう。従って、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。引用される文献は、全て関連部分において本明細書に参考として組み込まれる。いかなる文献の引用も、それが本発明に関する先行技術であることを承認するものとして解釈されるべきでない。
【0134】
本発明は、以下の説明に以下の添付図面を参照することで、よりよく理解されると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】本発明に従って製造される装飾発光体の実施形態の斜視図。
【図2】図1に示される装飾発光体の側面図。
【図3】本発明に従って製造される装飾発光体の実施形態の斜視図。
【図4】図3に示される装飾発光体の側面図。
【図5】本発明に従って製造される修飾発光体の斜視図。
【図6】図5に示される装飾発光体の側面図。
【図7】本発明に従って製造される修飾発光体の基部の実施形態の分解図。
【図8A】本発明に従って製造される修飾発光体用光源の実施形態の電気的概略図。
【図8B】本発明に従って製造される修飾発光体用光源の実施形態の電気的概略図。
【図9】本発明に従って製造される基材材料の実施形態の上面断面図。
【図10】本発明に従って製造される装飾発光体の実施形態の斜視図。
【図11】本発明に従って製造される装飾発光体の実施形態の斜視図。
【図12】図11の装飾発光体の底面図。
【図13】本発明に従って製造される装飾発光体の実施形態の分解図。
【図14】図13の装飾発光体の基部の斜視図。
【図15A】装飾発光体の実施形態の側面図。
【図15B】図15Aの装飾発光体の線15−15に沿った断面図。
【図16A】本発明に従って製造されるシェードの実施形態の正面図。
【図16B】図16Aのシェードの上面斜視図。
【図17】本発明に従って製造されるシェードの実施形態の正面図。
【図18】図17のシェードのシェードの正面図。
【図19】図17のシェードの斜視図。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装飾発光体であって、前記装飾発光体が、
a)光源を含む基部、及び
b)約50%〜約100%が揮発性組成物で構成される組成物を含浸する使い捨てシェードであって、前記揮発性組成物が、約600〜約1800のコヴァッツインデックスを有する少なくとも1つの成分を含むシェード、を含む装飾発光体。
【請求項2】
装飾発光体であって、前記装飾発光体が、
a)光源を含む基部、及び
b)香料成分を含む揮発性組成物を含浸する使い捨てシェードであって、前記香料成分が、沸点が約20℃〜約250℃及びClogP値が約−2〜約3である成分の第1群、沸点が約20℃〜約250℃及びClogP値が約3〜約9である成分の第2群、沸点が約250℃〜約400℃及びClogP値が約−2〜約3である成分の第3群、沸点が約250℃〜約400℃及びClogP値が約3〜約9である成分の第4群、又はこれらの組み合わせから選択される、使い捨てシェード、を含む装飾発光体。
【請求項3】
装飾発光体であって、前記装飾発光体が、揮発性組成物を含有する使い捨てシェードを含み、前記シェードが空気に暴露された後、約24時間以内に前記揮発性組成物の約50%以上が前記シェードから失われる装飾発光体。
【請求項4】
装飾発光体あって、前記装飾発光体が、使い捨てシェードを含み、前記シェードが約5mL/m2〜約1000mL/m2の流体保持能力及び約約0.1μm〜約100μmの平均孔径を有する材料からなる、装飾発光体。
【請求項5】
前記使い捨てシェードが内層、外層、及び障壁層からなり、前記障壁層の厚さが約0.005mm〜約1mmである、請求項4に記載の装飾発光体。
【請求項6】
前記使い捨てシェードが、約0.009N(1グラム)〜約1.96N(200グラム)の偏向力を有する、請求項5に記載の装飾発光体。
【請求項7】
前記使い捨てシェードが、約0.1ギガパスカル〜約10ギガパスカルの曲げ弾性率を有する、請求項6に記載の装飾発光体。
【請求項8】
揮発性組成物をさらに含み、前記シェードが約60ミリグラム〜約15グラムの前記揮発性組成物を含む、請求項4に記載の装飾発光体。
【請求項9】
前記シェードが、変色性色素、変色性インク、又はこれらの組み合わせをさらに含む、請求項4に記載の装飾発光体。
【請求項10】
前記変色性インクが酸化インク、空気中に存在する二酸化炭素と反応するインク、又はこれらの組み合わせである、請求項9に記載の装飾発光体。
【請求項11】
前記シェードが、活性化の後に視覚変化を受ける表示を含む、請求項4に記載の装飾発光体。
【請求項12】
前記視覚変化が、現れる、消える、色を変化させる、強さを変化させる、不透明度を変化させる、又はこれらの組み合わせである装飾模様の形態である、請求項11に記載の装飾発光体。
【請求項13】
前記活性化が、前記シェードの二次包装からの除去、パウチの破裂、フィルムの除去、フィルムの追加、液体の添加、又はこれらの組み合わせを含む、請求項11に記載の装飾発光体。
【請求項14】
前記活性化が、酸素、二酸化炭素、湿度、pH、温度、又はこれらの組み合わせの変化に起因する、請求項11に記載の装飾発光体。
【請求項15】
装飾発光体用組成物であって、前記組成物が、
シェードに約60ミリグラム〜約15グラムの揮発性組成物を添加することの可能な量で提供される前記揮発性組成物であって、前記シェードに添加する前の前記揮発性組成物が、アンプル、パウチ、点滴瓶、サッシェ、スプレー、ブローフィルシール容器又はこれらの組み合わせに収容され、前記揮発性組成物が約600〜約1800のコヴァッツインデックスを有する、組成物。
【請求項16】
前記組成物が、沸点が約20℃〜約250℃及びClogP値が約−2〜約3である成分の第1群、沸点が約20℃〜約250℃及びClogP値が約3〜約9である成分の第2群、沸点が約250℃〜約400℃及びClogP値が約−2〜約3である成分の第3群、沸点が約250℃〜約400℃及びClogP値が約3〜約9である成分の第4群、又はこれらの組み合わせから選択される香料成分をさらに含む、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
装飾発光体であって、前記装飾発光体が、
a)基部、及び
b)前記基部に結合された使い捨てシェードであって、前記基部が連結要素を含み、前記シェードが相互連結要素を有し、これにより前記基部の前記連結要素が前記シェードの前記相互連結要素と接触する、装飾発光体。
【請求項18】
装飾発光体の製造方法であって、前記方法が、
a)光源を含む基部を提供する工程、
b)使い捨てシェードを提供する工程、及び
c)前記基部が前記シェードと連通するように前記基部を前記使い捨てシェードと連結する工程、を含む方法。
【請求項19】
約600〜約1800のコヴァッツインデックスを有する揮発性組成物を有する前記使い捨てシェードを提供する工程をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
ユーザーが装飾発光体の構成要素をカスタマイズする方法であって、前記方法が、
a)各装飾発光体要素のそれぞれのオプション含む双方向性の見本陳列を提供する工程、
b)ユーザーに前記双方向性の見本陳列へのアクセスを提供する工程、及び
c)前記ユーザーが、前記ユーザーが選択した各装飾発光体要素の各オプションが組み込まれた前記装飾発光体のサンプルの前記双方向性の見本陳列を眺めることを可能にするために、前記双方向性の見本陳列から各装飾発光体のどのオプションを前記ユーザーが好むのかをユーザーが選択するのを可能にする工程、
とを含む方法。
【請求項21】
前記方法が前記ユーザーによって手動で制御され、前記ユーザーによってコンピュータで制御され、又はこれらの組み合わせである、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
装飾発光体であって、前記装飾発光体が、約0.008mm〜約5mmの厚さを有する材料からなる使い捨てシェードであって、前記シェードが揮発性組成物を含む、装飾発光体。
【請求項23】
装飾発光体であって、前記装飾発光体が、変化表示及び使い捨てシェードを含む、装飾発光体。
【請求項24】
前記変化表示が変色性インクである、請求項23に記載の装飾発光体。
【請求項25】
前記使い捨てシェードが不透明度変化材料を含む、請求項23に記載の装飾発光体。
【請求項26】
前記変化表示が温度の変化に起因しない、請求項23に記載の装飾発光体。
【請求項27】
装飾発光体が前記シェード内、前記基部内、又はこれらの組み合わせに単数または複数の通気口を有する、装飾発光体。
【請求項28】
装飾発光体の製造方法であって、前記方法が、
a)使い捨てシェードを平坦な形状又は実質的に平坦な形状で提供する工程、及び
b)前記使い捨てシェードを実質的に平坦でない形状に広げる工程、を含む方法。
【請求項1】
装飾発光体であって、前記装飾発光体が、
a)光源を含む基部、及び
b)約50%〜約100%が揮発性組成物で構成される組成物を含浸する使い捨てシェードであって、前記揮発性組成物が、約600〜約1800のコヴァッツインデックスを有する少なくとも1つの成分を含むシェード、を含む装飾発光体。
【請求項2】
装飾発光体であって、前記装飾発光体が、
a)光源を含む基部、及び
b)香料成分を含む揮発性組成物を含浸する使い捨てシェードであって、前記香料成分が、沸点が約20℃〜約250℃及びClogP値が約−2〜約3である成分の第1群、沸点が約20℃〜約250℃及びClogP値が約3〜約9である成分の第2群、沸点が約250℃〜約400℃及びClogP値が約−2〜約3である成分の第3群、沸点が約250℃〜約400℃及びClogP値が約3〜約9である成分の第4群、又はこれらの組み合わせから選択される、使い捨てシェード、を含む装飾発光体。
【請求項3】
装飾発光体であって、前記装飾発光体が、揮発性組成物を含有する使い捨てシェードを含み、前記シェードが空気に暴露された後、約24時間以内に前記揮発性組成物の約50%以上が前記シェードから失われる装飾発光体。
【請求項4】
装飾発光体あって、前記装飾発光体が、使い捨てシェードを含み、前記シェードが約5mL/m2〜約1000mL/m2の流体保持能力及び約約0.1μm〜約100μmの平均孔径を有する材料からなる、装飾発光体。
【請求項5】
前記使い捨てシェードが内層、外層、及び障壁層からなり、前記障壁層の厚さが約0.005mm〜約1mmである、請求項4に記載の装飾発光体。
【請求項6】
前記使い捨てシェードが、約0.009N(1グラム)〜約1.96N(200グラム)の偏向力を有する、請求項5に記載の装飾発光体。
【請求項7】
前記使い捨てシェードが、約0.1ギガパスカル〜約10ギガパスカルの曲げ弾性率を有する、請求項6に記載の装飾発光体。
【請求項8】
揮発性組成物をさらに含み、前記シェードが約60ミリグラム〜約15グラムの前記揮発性組成物を含む、請求項4に記載の装飾発光体。
【請求項9】
前記シェードが、変色性色素、変色性インク、又はこれらの組み合わせをさらに含む、請求項4に記載の装飾発光体。
【請求項10】
前記変色性インクが酸化インク、空気中に存在する二酸化炭素と反応するインク、又はこれらの組み合わせである、請求項9に記載の装飾発光体。
【請求項11】
前記シェードが、活性化の後に視覚変化を受ける表示を含む、請求項4に記載の装飾発光体。
【請求項12】
前記視覚変化が、現れる、消える、色を変化させる、強さを変化させる、不透明度を変化させる、又はこれらの組み合わせである装飾模様の形態である、請求項11に記載の装飾発光体。
【請求項13】
前記活性化が、前記シェードの二次包装からの除去、パウチの破裂、フィルムの除去、フィルムの追加、液体の添加、又はこれらの組み合わせを含む、請求項11に記載の装飾発光体。
【請求項14】
前記活性化が、酸素、二酸化炭素、湿度、pH、温度、又はこれらの組み合わせの変化に起因する、請求項11に記載の装飾発光体。
【請求項15】
装飾発光体用組成物であって、前記組成物が、
シェードに約60ミリグラム〜約15グラムの揮発性組成物を添加することの可能な量で提供される前記揮発性組成物であって、前記シェードに添加する前の前記揮発性組成物が、アンプル、パウチ、点滴瓶、サッシェ、スプレー、ブローフィルシール容器又はこれらの組み合わせに収容され、前記揮発性組成物が約600〜約1800のコヴァッツインデックスを有する、組成物。
【請求項16】
前記組成物が、沸点が約20℃〜約250℃及びClogP値が約−2〜約3である成分の第1群、沸点が約20℃〜約250℃及びClogP値が約3〜約9である成分の第2群、沸点が約250℃〜約400℃及びClogP値が約−2〜約3である成分の第3群、沸点が約250℃〜約400℃及びClogP値が約3〜約9である成分の第4群、又はこれらの組み合わせから選択される香料成分をさらに含む、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
装飾発光体であって、前記装飾発光体が、
a)基部、及び
b)前記基部に結合された使い捨てシェードであって、前記基部が連結要素を含み、前記シェードが相互連結要素を有し、これにより前記基部の前記連結要素が前記シェードの前記相互連結要素と接触する、装飾発光体。
【請求項18】
装飾発光体の製造方法であって、前記方法が、
a)光源を含む基部を提供する工程、
b)使い捨てシェードを提供する工程、及び
c)前記基部が前記シェードと連通するように前記基部を前記使い捨てシェードと連結する工程、を含む方法。
【請求項19】
約600〜約1800のコヴァッツインデックスを有する揮発性組成物を有する前記使い捨てシェードを提供する工程をさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
ユーザーが装飾発光体の構成要素をカスタマイズする方法であって、前記方法が、
a)各装飾発光体要素のそれぞれのオプション含む双方向性の見本陳列を提供する工程、
b)ユーザーに前記双方向性の見本陳列へのアクセスを提供する工程、及び
c)前記ユーザーが、前記ユーザーが選択した各装飾発光体要素の各オプションが組み込まれた前記装飾発光体のサンプルの前記双方向性の見本陳列を眺めることを可能にするために、前記双方向性の見本陳列から各装飾発光体のどのオプションを前記ユーザーが好むのかをユーザーが選択するのを可能にする工程、
とを含む方法。
【請求項21】
前記方法が前記ユーザーによって手動で制御され、前記ユーザーによってコンピュータで制御され、又はこれらの組み合わせである、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
装飾発光体であって、前記装飾発光体が、約0.008mm〜約5mmの厚さを有する材料からなる使い捨てシェードであって、前記シェードが揮発性組成物を含む、装飾発光体。
【請求項23】
装飾発光体であって、前記装飾発光体が、変化表示及び使い捨てシェードを含む、装飾発光体。
【請求項24】
前記変化表示が変色性インクである、請求項23に記載の装飾発光体。
【請求項25】
前記使い捨てシェードが不透明度変化材料を含む、請求項23に記載の装飾発光体。
【請求項26】
前記変化表示が温度の変化に起因しない、請求項23に記載の装飾発光体。
【請求項27】
装飾発光体が前記シェード内、前記基部内、又はこれらの組み合わせに単数または複数の通気口を有する、装飾発光体。
【請求項28】
装飾発光体の製造方法であって、前記方法が、
a)使い捨てシェードを平坦な形状又は実質的に平坦な形状で提供する工程、及び
b)前記使い捨てシェードを実質的に平坦でない形状に広げる工程、を含む方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図16A】
【図16B】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15A】
【図15B】
【図16A】
【図16B】
【図17】
【図18】
【図19】
【公表番号】特表2009−530774(P2009−530774A)
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−500477(P2009−500477)
【出願日】平成19年3月14日(2007.3.14)
【国際出願番号】PCT/US2007/006515
【国際公開番号】WO2007/106547
【国際公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月14日(2007.3.14)
【国際出願番号】PCT/US2007/006515
【国際公開番号】WO2007/106547
【国際公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
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