補てつ肢又は装具用の取り換え可能なフェアリング
フェアリングは補てつ肢又は装具の外観を変えるため補てつ肢又は装具上に取り付けられる。補てつ肢の外面は完全な肢のミラー画像であってもよく、該装具の外面は負傷肢に対応する外面を有してもよい。フェアリングは補てつ肢又は装具の周りに密接に適合するので、該フェアリングの内面は完全な肢のミラー画像又は負傷した肢の外面に対応する表面を有する。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は2010年9月14日出願の、名称“補てつ肢又は装具用の取り換え可能なフェアリング”の、米国特許出願公開第12/881,419号明細書、2009年11月9日出願の、名称“誂えの装具、ギブス及びデバイスと設計、製作用方法”の、米国特許出願公開第12/615,196号明細書そして2009年11月9日出願の、名称“誂えの装具、ギブス及びデバイスと設計、製作用方法”の、PCT特許出願公開第PCT/US09/63766号明細書、の優先権を請求する。米国特許出願公開第12/881,419号明細書、米国特許出願公開第12/615,196号明細書及びPCT特許出願公開第PCT/US09/63766号明細書は引用によりここに組み入れられる。
【技術分野】
【0002】
本発明は一般的に補てつ肢及び装具用フェアリングに関し、特にCADを利用して設計、製作される補てつ肢及び装具用の取り換え可能なフェアリングに関する。
【背景技術】
【0003】
補てつ肢は上腕又は脚の様な、失った四肢に取って代わり、病気及び事故を含む種々の理由で必要とされる。人工肢は又、人が肢を欠いて又は損なった肢(複数を含む)を有して生まれた時も必要である。使用補てつ肢の種類は切断又は消失の程度及び失った肢の場所により主として決定される。脛骨補てつは、膝下でユーザーに取り付けられる、下脚、足根関節及び足を含む人工脚である。経大腿補てつは、膝の上でユーザーの切断肢に取り付けられる、上脚及び機械的膝を有する人工脚である。前腕補てつは、肘の下でユーザーに取り付けられる、前腕及び手を含む人工上腕である。上腕骨補てつは、肘の上でユーザーに取り付けられる人工上腕である。
【0004】
アフリカの大きな部分を含む世界の発展途上地域では、切断の主因は工業、車両及び戦争に関連する事故である。北米及び欧州の様なより発展した地域では、切断の主因はがん、感染症、及び循環系を含む病気である。米国では、毎年約100,000の脚が糖尿病、血管疾病、事故及びがんで失われる。それ程多くの切断があるので、補てつ肢の実質的なニーヅがある。
【0005】
補てつ肢の技術は非常に改良されて来た。特に、向上した可動性と機能性を提供する人工の膝及び足が補てつ脚用に開発されて来た。補てつ肢の技術及び機械工学は大いに進化したが、該デバイスを意図する人間の美容には、非常に僅かの考慮しか払われなかった。図1を参照すると、窩122を有するモダンな補てつ脚102が示されており、該窩はユーザーの切断した脚の端部と係合する凹面を有する。該窩122は典型的にパッド付きプラスチック構造体であり、該構造体は切断肢の端部上に圧縮力を分布させる。該窩122の底部はチタン又はアルミニウム製の管状支持部である塔124に取り付けられる。該塔は押し出し過程により製造される。該塔124の底部は人工足126に取り付けられ、該人工足は成形プラスチック構造体であってもよい。補てつ脚102は又発泡材被覆128を有し、より均一な形状を提供するために窩122及び塔124に取り付けられる。種々の窩122、塔124及び足126はボルト、ねじ、そして接着剤を含むフアスナーを使って一緒に結合されてもよい。
【0006】
現在の補てつ術の於ける問題は該術が人間の形の基本的対称性を無視することである。対称性は個人の健康の可視的提示であり、非対称性は不健康と感知される。神経質な震え、卒中、ハンセン病、象皮病、他の様な多くの医学的条件は非対称外観として患者で示される。同様に、現在の補てつ肢の非対称性は、ユーザーが‘医学的必要性’を有すること
を伝え、装着者が損傷を受けている或いは欠陥を有するメッセージを強める。
【0007】
多くの切断患者にとって、補てつ肢の非対称な外観は彼等の物理的不快感より迷惑である。補てつ肢の非対称な外観を誤魔化す課題は殆ど不可能であり、それは補てつ肢を創るため使われる窩121、塔123及び足125は種々の製造メーカーからの部品の集まりだからである。該窩121と塔123は身体の左又は右の側用に特に設計されないので、該部品は対称な外観を有せない。
【0008】
肌色のエレクトロメトリックな発泡材のカバー127で外観を改善する努力も問題がある。断面の直径は窩121、塔123、そして足125よりも均一であるが、カバー127は人体の脚の精密な寸法表現ではない。シミュレートされた人間の筋肉組織は生体の様でないのが典型的で、死んだ組織を示唆する。
【0009】
同様に、装具は負傷した肢を支持し、保護するよう設計されるのが典型的だが、どんな種類の対称な外観も提供しない。回復時、身体の部分を支持し、保護するため使われる種々の種類の装具がある。装具は関節の動きを制限するため使われ、負傷を避け、関節が負傷方向の動きを防止することにより治癒するのを可能にする点で有用である。装具は弾性があり、幾つかの堅い部品を有する伸張材料で作られるか、又はヒンジ付けされる。弾性のある装具は非凡な風通しの良さと着用の快感を提供する綿、ライクラ(lycra)、ナイロン又は他の混紡品の様な織布で作られることが多い。これらの装具は肘、手首、脚及び膝に適合して、自然な運動の自由度を提供する。
【0010】
必要なものは形が対称性で、又ユーザーが外観を変え、個人的化することを可能にする改良型補てつ肢及び装具である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許出願公開第12/881,419号明細書、2010年9月14日出願
【特許文献2】米国特許出願公開第12/615,196号明細書、2009年11月9日出願
【特許文献3】PCT出願公開第PCT/US09/63766号明細書
【特許文献4】米国特許第7,797,072号明細書
【発明の概要】
【0012】
本発明は、ユーザーが肢又は装具の外観を個人的化し、変更することを可能にする取り外し可能なフェアリングを有する改良補てつ肢及び装具に向けられている。該補てつ肢及びフェアリングはコンピュータ支援設計(CAD)ソフトウエア及びコンピュータ制御製作過程を使って補てつ設計者により創られる。該補てつ肢が脚として説明されるが、同じ過程が補てつ上腕を作るために使われてもよく、この様であるから、補てつ上腕は本発明の範囲内に入るよう意図されている。補てつ上腕に加えて、足、脚、上腕、手を含む装具及び背部装具は本発明の範囲内に入るよう意図されている。
【0013】
補てつ設計者は最初にコンピュータ支援設計システムを使って仮想の肢及びフェアリングを創る。補てつ脚の設計は窩、上脚、膝、下脚及び足を含んでもよい。もしユーザーが完全な脚を有するなら、マッチする外面を有する補てつ脚が設計され得る。マッチする補てつ脚を精密に創るために、該ユーザーの完全な脚の表面が最初に測定される。完全な脚の測定は光学測定デバイスで行われるのが好ましい。好ましい実施例では、写真測定過程が使われるが、該過程では患者の表面データが患者の複数の写真から得られる。患者の表面を精密に測定するために、種々の異なる仕方で患者の皮膚に基準点が付けられてもよい
。例えば、写真測定又はレーザー走査が行われてもよい。
【0014】
該表面は各写真で視認出来る少なくとも12の良く分布した基準点と、対象の面全体用の少なくとも20の基準点を有すべきである。より多い基準点は対象のより精密な測定に帰着する。マークは患者上に、又は患者により着用されるストッキネットの様なフォームフィッテイングカバー上に、直接置かれるインク、鉛筆、クレヨン、グリース、グラファイト、テープ、ステッカー又は他のマーキングにより形成されたドットであってもよい。実施例では、フォームフィッテイングカバリングの布はドット、模様付きパッド又は交差線の格子で印刷されるので、該カバリングが患者により着用されるや否や、患者は1セットの基準点を有する。なおもう1つの実施例では、光のパターンを患者上に投影するために光投影器が使われてもよい。該光のパターンはスポット点の配列、交叉線の格子又は患者上の点の画像が検出されることを可能にするどんな他のパターンであってもよい。該患者上の光が役立つのは、該マーキングが投影器で患者上に投影される白又はカラーの光のマーカーである時である。多数のプロジェクター又はミラーが該光を患者の全ての必要面上に投影するため必要である。
【0015】
患者の身体表面の表面輪郭を得るための基準点に加えて、又、医者又は開業医は装具の他の特徴の位置を示すために患者の身体の範囲をマーク付けしてもよい。例えば、マーキングは、装具の終端エッジ(複数を含む)、パッド付け範囲、骨の隆起、皮膚の敏感な範囲、孔、窓、病理学的サイト(骨折又は手術サイト配置)、下にある解剖構造(棘突起及び脊柱の整合を外す)、該装具が患者の輪郭に対し精密には作られるべきでない凹部範囲、及び該装具内に形成されるべき他の特徴部を示してもよい。該マーキングは患者上又は患者が着るフォームフィッティングカバーの上に直接作られるべきである。基準点の様に、該追加のマーキングはインク、鉛筆、クレヨン、グリース、グラフアイト、テープ、ステッカー、又は他のマーキングであってもよく、そしてはっきりした可視的コントラストを提供せねばならない。該マーキングは該マーキングに於いて形成されるべき特徴部の種類を示すために、カラーに依るか又は他の仕方でコード化されてもよい。識別された領域での変形の程度又は量、窓の種類又は他の装具の特徴を示すために種々のコード化が使われてもよい。マーキングは追加的情報を提供する3次元的な物(複数を含む)であってもよい。例えば、ロッド、矢印又は他の物体マーカーが関節の回転軸又は他の特徴部を示してもよい。
【0016】
患者がマーク付けされた後、ギブス又は装具を要する患者の身体の部分は1つ以上のスチルカメラ又はビデオカメラの前に置かれる。該カメラは患者の身体の1つ以上の側に面し、既知の距離だけ相互に隔てられる。或る実施例では、周囲広い中で身体の静止画像又は写真の完全なセットが取られるよう、患者の周りにカメラのセットが配置される。好ましい実施例では、該カメラは2つのカメラのグループで配置される。該2つのカメラは相互から離れるようカメラを隔てるブラケット上に設置される。該2つのカメラは患者又は患者の肢の方へ略同じ方向で狙いを付けられるが、或る角度だけオフセットされる。好ましい実施例では、該カメラのレンズは第1平面では相互に平行であり、第2平面では相互の方へ角度付けられる。その隔たりと角度は、該2つのカメラが患者の身体の同じ部分を含む映像を、僅かに異なる角度から各々が取ることを可能にする。該身体上の基準点は表面輪郭を得るために該映像から3角法で測定される。もし患者全体を巡る写真が必要なら、カメラの3つ又は4つのグループが患者の周りに配置され、患者に向けられる。該カメラはカメラの全部を同時に駆動する1つのスイッチに接続される。該カメラは又フラッシュ機構に接続されてもよい。1つのカメラ用のフラッシュは駆動される1つのカメラのシャッターでトリガーされてもよい。患者を狙った他のカメラは、該フラッシュの光に応答してそれらのシャッターを駆動させる光センサーを有してもよい。かくして第1カメラの駆動は直ちに全ての他のカメラを駆動する。全映像が1秒の数分の1で取られるので、身体はカメラの前又は間に置かれ、普通は長時間患者を不動化する又は身体又は肢を静止し
た侭保持する必要は無い。
【0017】
この速い画像取り込みの特徴は、小児スパイカギブス包帯又は獣医用装具の様な小児科又は獣医学医療デバイス用には特に重要である。他の種類の走査過程用に乳児又は動物を静止して保つことは非常に難しい。大抵の子供及び動物にとっては、ギブス作り及び装具作りは著しい痛み及び病気状態に付随するトラウマ的経験である。ギブス及び装具の取り付け及び取り外しの両者は不快感を伴う。多くの取り付けでは、子供及び動物はギブスの取り付け用に鎮静剤か又は麻酔か何れかを要する。例えば、股関節スパイカギブス包帯は手術室内で誘導睡眠中に患者に取り付けられることが最も頻繁である。
【0018】
子供の解剖構造の3次元画像の取込は子供が走査持続中不動に保持されることを要する。さもなければ、子供は沈静剤を要する。大抵の小児科応用では、写真測定のみが瞬間に近い3次元画像取り込みを提供する。マーキングと写真測定を組み合わせて、子供は装具用の仮想適合を受け、一方沈静剤や麻酔剤の必要を最小化し、トラウマの経験を減じる。多くの乳児は実質的量の乳児脂肪を有するので、乳児のマーク付けは下にある解剖構造の位置の識別用の最も効率的手段である。この技術の共通の応用は小児用スパイカギブス包帯、ペーブリック(Pavlik)装具、内反足ギブス、メタ細動脈内転ギブス、ブラウント病(Blounts disease)ギブス/装具、短下肢装具、小児足根関節ギブス、小児歩行ギブス、脊椎−テーエルエスオー装具(spine−TLSO braces)、ハロー身体ギブス、頸部カラー、斜頸装具及び他の医療デバイス、を含むが、それらに限定されない。画像からデータを得ることにより、長時間乳児又は動物を静止して保つ必要はない。
【0019】
もう1つの実施例では、単一3次元カメラが1つのカメラを介した軸外れ画像を同時に多数取り込んでもよい。該単一カメラはフィルムの1フレーム上に多数画像を取り込む。該多数画像は該3次元画像を取り込むために使われる。もし患者が非常に静止して留まれば、異なる角度で多数画像を取り込むために、患者の周りを動かされる単一カメラで患者の多数画像を撮ることも可能である。又、単一カメラは、適当な角度と位置から患者の画像を取り込むレンズシステムに結合されてもよい。
【0020】
精確な表面位置を得るために、身体上の基準点の各々は2つ以上の写真又は画像内で視認可能でなければならない。該画像はコンピュータ表面再生プログラムにより解析される。該プログラムは身体の表面形状を決定するために、デジタル画像相関としても知られる写真測定を通して基準点を3角法で測定する。基準点に加えて、患者上にマーク付けされる該デバイスの追加の特徴も画像内に示され、CADプログラムオペレーターに視認可能である。該特徴は装具又はデバイスのエッジ、孔、パッド、窓、ヒンジ、種々の材料、及び他の特徴を含んでもよい。システムオペレータ又はCADソフトウエアは該特徴を識別し、装具又はデバイス上のマーク付けされた場所に該特徴を追加してもよい。装具又はギブスが必要な時、患者は何等かの内部の傷害を負傷しており、MRI又はX線の様な追加情報が利用可能なことが多い。実施例では、写真測定は、アクセス可能である必要がある場所又は領域、又はすり傷に敏感な骨の位置、を識別するためにMRI又はX線データと組み合わされてもよい。該MRI及び/又はX線データを一体化することにより、該デバイスはもっと精密になり得る。他の様式からのデータの使用は、運動装具のより精密な範囲を与えるために、関節の回転軸を全平面内で精密に識別するのに特に有用である。
【0021】
他の実施例では、脚全体に亘る表面点用に、完全な脚を走査し、外面のデジタル表現である測定値を得るためにレーザー測定デバイスが使われてもよい。該脚を走査するために好適なレーザー走査器はポルヘムス(Polhemus)、ハンディスキャン3デー(HandiScan 3D)及びシングラブ(Thinglab)から入手可能である。代わりに、該脚は他の手段により測定されてもよい。デジタル走査データは次いでCADシ
ステムにより使われる面に変換されてもよい。この走査データ変換ソフトウエアはジェオマジック(GeoMagic)から入手可能である。完全な脚表面のデジタル表現は次いで、補てつ肢用の外面データとして使われる完全な肢のミラー画像を創るために、CADソフトウエアにより操作されてもよい。該補てつ設計者は該ミラー画像面を補てつ脚の他の部品と接合し、組立補テツ脚を表示するために該CADソフトウエアを使ってもよい。補てつ及びフェアリング設計用の好適なCADソフトウエアはプロ/エンジニヤ(Pro/Engineer)から入手可能である。背景で論じた様に、美容及び情緒的理由で、補てつ肢は完全な脚と対称な外観を有することが重要である。
【0022】
窩形状は、着用時該補テツ脚が快適であるように該切断肢の端部と非常に密接に対応せねばならない。該窩設計データは補てつ外科医により提供されるのが典型的である。脚表面データの様に、窩設計データは切断肢の端部の光学走査により得られてもよい。代わりに、該切断肢の端部は種々の機械的測定デバイスで手動により測定されてもよい。これらの測定値は窩表面形状を創るために使われるが、該表面形状は実質的には該切断肢の端部の逆の形状である。該窩設計は切断肢と該窩壁との間に置かれるパッド用材料を計算に入れてもよい。
【0023】
該ミラー画像完全肢データ及び窩データに加えて、補てつ脚は足を必要とする。実施例では、足は種々の寸法及びモデルで製造される在庫品である。或る足はユーザーがより効率的に走ることを可能にするエネルギー貯蔵部材を有する。代わりに、該足は完全な足にマッチするよう寸法取りされてもよい。在庫足のデジタル表現は該設計システムへアクセス可能なデータベースに記憶される。代わりに、足データは上記で説明したレーザー走査過程によりユーザーの完全な足のミラー画像データを創ることにより得られてもよい。
【0024】
補てつ設計者は、コンピュータ上に表示される完全な仮想補てつ脚を創るために、該脚表面データを窩及び足データと組み合わせるよう該CADシステムを使用する。ジーユーアイ(GUI)は一体設計ツールを使って補てつ脚部品が容易に変えられるようにする。これらのジーユーアイ制御装置は、該補てつ設計者が種々の方法で該補てつ設計を変えることを可能にする。ジーユーアイツールは該脚と共に使われた足を変えるため使われてもよい。該ジーユーアイツールは又特定のカラー、模様付けそして表面特徴を含むよう該脚を修正するため使われてもよい。かくしてユーザーは、完全な脚に対し実質的にミラー画像の補てつ脚を創るか、又は外観が非常に異なる脚を創ることが出来る。
【0025】
実施例では、補てつの脚又は装具は又、該補てつ脚又は装具の一部分をカバーする除去可能な層であるフェアリングを有してもよい。該フェアリングは除去され又は取り換えられ得るので、ユーザーは該補てつ脚又は装具の一部分の外観を変えることが出来る。該フェアリングはユーザーにより望まれる様に容易に変えられる。CADシステムは又補てつ設計者が種々のフェアリング設計を有する該補てつ脚又は装具を見ることを可能にする。例えば、該ジーユーアイはフェアリング材料制御器を有し、該制御器はユーザーが、金属、プラスチック、織物、革他を含む種々の材料製の多くの仮想フェアリングを見ることを可能にする。補てつ設計者は又該フェアリング用取り付け機構を選択するために該CADシステムを使用出来る。該取り付け機構は接着剤、ファスナー、磁石他を含んでもよい。該フェアリングは普通の肉体活動時取り付けられて留まるよう、補てつ脚又は装具に確実に取り付けられねばならない。該CADシステムが特に有用なのは、該システムがユーザーが製作前に特徴部とフェアリングの何等かの望ましい組み合わせを設計し見ることを可能にするからである。
【0026】
物理的外観に加えて、該補てつ脚又は装具は必要な使用法に充分な程強くあらねばならない。補てつ脚は走ったり、ジャンプする時ユーザーの重量及び衝撃を支えることが出来ねばならず、補てつ上腕は普通の使用力に耐えることが出来ねばならない。実施例では、
補てつ肢の強さは負荷支持塔の様な内部構造体により提供されてもよい。負荷支持しない外面は負荷支持塔の周りに取り付けられてもよい。より軽い構造体を創るために、該塔と外面の間に空虚空間が存在してもよい。他の実施例では、該肢は負荷支持部材として機能する外面を有して作られる。同様に、装具は負傷した肢を適当に支えるのに充分な物理的強度を提供せねばならない。補てつ肢及び装具を作るため使われる材料は非常に強いので、該システムは薄い壁の外面を設計してもよい。補てつ肢はことによると期待される負荷と外面壁を適当に支える内部構造体を有してもよい。
【0027】
CADシステムが補てつ脚の負荷支持部材を設計するため使われてもよい。補てつ設計者はユーザーの重量と活動レベルを該CADシステム内に入力し、次いで期待される負荷に基づいて必要な強度が計算されてもよい。該CADシステムは次いで該負荷要求を支えることが出来る負荷支持構造体を設計することが出来る。上記で論じられる様に、該負荷指示部材は負荷全体を支える内部の細長い構造体であるか、代わって構造体全体が負荷支持をする一体化設計であってもよい。該CADシステムは、内部負荷支持か或いは一体化構成か両者用に必要な強度を有する負荷支持構造体を設計するため使われてもよい。
【0028】
又、該CADシステムは補てつ脚設計に重要な情報を補てつ設計者に提供してもよい。例えば、補てつ脚の重量は、必要な強度、必要な材料容積そして材料の密度により変化する。一旦設計が完了すると、材料の容積と重量が決定出来る。フェアリングの重量は同様にユーザーにより選択される設計及び材料容積に基づいて決定される。該システムは該脚又は装具とフェアリングの見積もられた重量を設計過程で表示することが出来る。該補てつ設計者は該重量がユーザー用に適切かどうかを決定することが出来る。もし該重量が重すぎるなら、もっと軽量の材料を使うよう該補てつ脚及びフェアリングの設計は修正されてもよい。理想的には、該脚は、ユーザー用に必要な強度を提供しながら、出来るだけ軽くあるべきである。
【0029】
装具の実施例では、装具は、該負傷した肢の表面データに対応する内面を有する装具を作るために、負傷した肢を走査しそして表面データを使うことにより設計される。装具設計過程は引用により組み入れられる特許文献4で説明されている。一旦該設計が終了すると、該CADシステムにより作られた設計データは補てつ脚又は装具とフェアリングを作るため使われ得る。1実施例では、補てつ脚は、ユーザーの重量を支える内部負荷支持部材を囲む1つ以上の非負荷支持部品として作られてもよい。代わりに、該脚は、負荷支持部材の1部である外面を有する一体化構造体として作られてもよい。該補てつ脚は、追加の機械的強度を提供出来る内部フレームワークに結合された外部シェルを有してもよい。該設計データは外壁を規定する断面のシリースと、該補てつ脚を作るため使われる該補てつ脚の長さに沿う何等かの内部フレームワークと、を有する。他の実施例では、該補てつ脚又は装具は、期待される負荷を支えるのに必要な負荷支持強度を提供する外部シェルとして完全に中空のモノコック設計であってもよい。
【0030】
好ましい実施例では、該補てつ脚及び装具は、材料の槽に向けられるエネルギービームを使う迅速プロトタイプ化過程を通して作られる。同様な製作過程は付加的製造法、迅速製造法、成層製造法、3次元プリント法、レーザーシンタリング、電子ビーム溶融法(EBM)そして溶融材料堆積法(FDM)として公知である。これらの製作過程は材料を横切るよう屈折させられ、露光された材料を硬化させるエネルギービームを使う。
【0031】
断面設計データは、シーケンシャルなシリーズの層で該脚又は装具の部品の各々を作る製作機械により使われる。材料の各層が硬化されると、該脚又は装具の部品の完成部分が該槽内に垂直に移され、次の断面層が形成され、隣接する形成された層へ融着される。全層が形成されると、該補てつ脚又は装具が完成する。実施例では、下脚、上脚、窩、装具そしてフェアリングが別々の部品として作られ、該部品が該補てつ脚を創るため組み立て
られる。足と膝は在庫部品であるため、これらの部分は作られる必要はない。
【0032】
フェアリング製作方法は選択される材料と設計に左右される。もしフェアリングが革の様な薄く柔軟な材料で作られるなら、該フェアリング設計データは、該フェアリング材料を該設計形状に精密にカットするためコンピュータ制御カット機械により使われてもよい。代わりに、該フェアリングが、上記説明の迅速プロトタイプ化の方法を使って、該補てつ脚又は装具の外面の輪郭にマッチする3次元フェアリングを形成するため、柔軟なプラスチック材料又は金属シートで製作されてもよい。該フェアリングは該補てつ肢又は装具の周りに置かれ、該フェアリングの内面は完全な肢の外面のミラー画像か又は負傷肢の外面に対応してもよい。
【0033】
又、異なるフェアリング部品を組み合わせることも可能である。例えば、カーブしたプラスチックフェアリングが革の様な薄い柔軟材料でカバーされてもよい。かくして、該フェアリングはプラスチック及び革製とすることも出来る。
【0034】
該脚部品、装具そしてフェアリングの追加の処理が望ましい外観を得るために、組立の前に行われてもよい。表面処理は金属メッキ、ペイント塗装、カバー掛け、表面模様付け他を含む。例えば、もし金属仕上げが指定されたら、該部品は、公知の金属層付着過程を使って金属層でメッキされる。追加の表面処理が該金属層に適用されてもよい。例えば、該金属層はブラシ掛け、磨き、サンドブラスト掛け等をされてもよい。
【0035】
一旦、全ての部品が形成され、表面仕上げが適用されると、該補てつ脚又は装具は組み立てられる。該フェアリングは接着剤又はファスナーで該脚又は装具に取り付けられる。代わりに、該フェアリングは、もし該フェアリングがより堅く、該フェアリングが該脚又は装具の一部分を囲むなら、該補てつ脚又は装具の周りにクランプされてもよい。又、該補てつ脚又は装具は該フェアリングを位置的に保持するよう機能する表面特徴部を有してもよい。例えば、該フェアリングのエッジに対応する凹部が該補てつ脚又は装具の外面に形成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
本発明は図面と連携する本発明の下記詳細な説明を参照することにより充分に理解される。
【図1】従来技術の補てつ脚の図面である。
【図2】背部装具製作用に医師によりマーク付けされる患者を図解する。
【図3】マーク付けされ、撮影される患者を図解する。
【図4】複数のカメラにより撮影される患者の平面図を図解する。
【図5】患者の1部分のデジタル表現を表示するコンピュータを図解する。
【図6】背部装具用の設計過程を表示するコンピュータを図解する。
【図7】該デジタル表現から設計される基本的背部装具を図解する。
【図8】完全な脚と、切断肢の端部と、を測定するため使われる走査デバイスの図面である。
【図9】補てつ脚の負荷支持部品の図面である。
【図10】補てつ脚を設計するため使われるテンプレートにより囲まれた負荷支持部品の図面である。
【図11】望ましい形状に微調整された負荷支持部品を囲むフレームワークの図面である。
【図12】補てつ脚のフレームワーク上に置かれたフェアリングの図面である。
【図13】脛骨フェアリングの背面図である。
【図14】位置付けられた脛骨フェアリングと、露出された腓骨範囲と、を有する補てつ脚の背面図である。
【図15】補てつ脚設計を表示するコンピュータスクリーンを図解する。
【図16】凹部範囲を有する補てつ脚の図面である。
【図17−18】ニッケル仕上げと取り付けられた革フェアリングとを有する補てつ脚の図面である。
【図19】外面に取り付けられたフェアリングを有する上腕装具を図解する。
【実施例1】
【0037】
本発明は人体の肢の表面輪郭にマッチする外面を有する補てつ脚、又は人体の肢の表面輪郭にマッチする内面を有する装具である。又外面は修正されるのでユーザーは補てつ脚又は装具の外見を変えることが出来る。取り換え可能なフェアリングが該補てつ脚又は装具の一部分をカバーするよう設計される。該補てつ肢又は装具と、フェアリングと、はコンピュータ上で設計され、該設計データは、コンピュータ制御される製作機械を使って該補てつ脚又は装具の部品を作るために使われる。該補てつ肢又は装具はコンピュータ支援設計(CAD)プログラムを使って設計者により設計されるのが好ましい。
【0038】
発明された補てつ脚の実施例は人体の脛骨として機能する負荷支持部品を有する。該負荷支持部品の上端は切断肢の端部と契合する窩に取り付けられ、該負荷支持部品の下端は人工の足と結合される。該足は可撓性を有し、該負荷支持部品と該人工足の間の動きを許容する。該足は又ユーザーが走る時該補てつ脚の肉体的動作を改善するエネルギー貯蔵部品を有してもよい。該窩、膝及び足の動きのみならず、該窩、膝及び足の相対位置を含む該補てつ脚の機械的データは補てつ外科医により提供されてもよい。この機械的データは該補てつ脚の残りを設計するため使われるCADプログラムに入力される。適当なCADプログラムの例はパラメトリックテクノロジー社(Parametric Technology Corporation)によるプロ/エンジニヤ(Pro/Engineer)である。他のCADソフトウエアはダッソーシステム、エス.エイ.(Dassault Systemes,S.A.)の子会社であるソリッドワークス社(SolidWorks Corporation)によるソリッドワークス(SolidWorks)を含む。
【0039】
好ましい実施例では、該補てつ脚の外面はユーザーの完全な脚にマッチするミラー画像であるか、又はユーザーの完全な脚の画像から尺度合わせされる。その広い意味の写真測定は対象の平坦な2次元画像を真の3次元対象面に戻し変換することにより写真の過程を逆転させる。3次元対象を再生するには2枚以上の異なる写真が必要である。完全な写真測定過程では、2枚の写真が該3次元物体を完全に再生するのに充分な情報を提供する。不運にして、写真及び測定過程は一般に完全ではないので、2枚の写真に基づく3次元対
象の再生も欠陥を有する。写真測定対象測定過程は、より多くの写真を取り、精度を改善する特別情報を使うことにより改善出来る。写真測定過程は、多数の写真から得られる測定値から対象の表面を表す3次元座標のセットを作る。
【0040】
写真測定は3角法での測定の原理を使うが、そこでは空間内の交叉する線が、全ての3つのXYZ寸法での点の位置を計算するため使われる。実施例では、脚又は身体部分を同時に撮影するため多数のカメラが使われる。1セットの点を3角法で測定するために、該セット内の全ての映像についてカメラ位置と、“配向”とも呼ばれる狙い角と、を知らねばならない。リセクションと呼ばれる過程が各カメラ用のカメラ位置と狙い角計算を行う。該カメラは又、該カメラの誤差が規定され、取り除かれるよう校正されるべきである。
【0041】
3角法測定は、3次元点測定値を作るため写真測定で使われる原理である。空間内で数学的に交叉し収斂する線により、点の精密な位置が決定され得る。写真測定は、同時に3角法で測定される点の数への仮想的な限定は無いので、多数点を同時測定出来る。少なくとも2つ以上の異なる位置から映像を取り、各映像内の同じターゲットを測定する、ことにより各カメラ位置からターゲットまでの“視線”が展開される。カメラ位置と狙い方向は既知なので、該線は各ターゲット点のXYZ座標を作るために数学的に交叉させられる。
【0042】
リセクションは、カメラ位置と、カメラの配向としても知られる狙い方向と、に基づき、写真データから対象の座標を決定するため使われる手順である。見えて、画像内のXYZ座標で知られる全ての点はこの配向を決定するため使われるのが典型的である。精確なリセクション用に、各写真内に12以上の良く分布した点を有するのがよい。もし対象上の点のXYZ座標が既知であれば、該カメラの配向は計算される。カメラの位置と狙い方向の両者がリセクション用に必要であることを実感することは重要である。カメラの位置を知るだけでは充分でなく、何故ならばカメラが同じ位置に配置されても、どんな方向でも狙い得るからである。結果として、3座標で規定されるカメラの位置と、3つの角度座標で規定されるカメラが何処を狙っているかと、が知られねばならない。かくして、3つの値はターゲット点のX、Y及びZ座標を規定するため必要だが、6つの値、すなわち位置用のXYZ座標、及び狙う方向用のXYZ角度、が映像上の点を規定するため必要である。
【0043】
又撮影される面は、各写真上に現れる、精密な面測定用の最小数の良く分布された基準点を有すべきである。該基準点は、写真上で明らかに示される視認可能なコントラストを提供する、対象上に置かれた可視マークであってもよい。各写真上には少なくとも12の良く分布した基準点と対象の面全体について少なくとも20の点が存在すべきである。該基準点は対象上にそして写真を通して等しく分布されるべきである。基準点の数が多い程、対象の面はより精密に測定され得る。
【0044】
患者の皮膚をインクマーカーでマーク付けすることは可能であるが、好ましい実施例では、患者は弾性的綿チューブ、ストッキネット、レオタード、ボデイスーツの様なフォームフィッティング材料でカバーされる。他の実施例では、体はフォームフィッティング材料で捲かれてもよい。もう1つの実施例では、身体表面は、該身体に適合し、マーク付けされ、画像取り込み後は容易に除去される、柔軟なプラスチック又はゴム材料の様な除去可能な材料でスプレイされる又はペイントされてもよい。図2を参照すると、患者101は該患者の体、上腕及び脚をカバーするボデイスーツ103を着て図解されている。かくして、該マーキングは患者よりも寧ろフォームフィッテイング材料に付けられる。該マーキングはインク、鉛筆、クレヨン、グリース、グラファイト、テープ又はマーキングデバイスにより放たれるどんな他の粒子を含んでもよい。他の実施例では、該マーキングはペン先端と患者をカバーする材料又は他のマーキングの間の化学的又は磁気的反応を有してもよい。該ペン先端は視認可能な化学反応又は磁気材料線を創るよう該材料上で動かされてもよい。該マーキングは又接着性ステッカー、光点、又は患者上に投影される光格子を含んでもよい。
【0045】
実施例では、コンピュータプログラムが全測定点の最終XYZ座標を作るために写真測定値を処理する。これを行うために、該プログラムはターゲット点を3角法で測定し、映像をリセクトする。該プログラムは又カメラを校正する。3次元測定の典型的精度は理想的動作条件下では非常に高い。例えば、該測定値は50−100ミクロン(0.002インチから0.004インチ)まで精確である。しかしながら、写真測定の測定値の精度は著しく変わり、それは精度が幾つかの相互に関係する要因に依るからである。重要な精度要因にはカメラの分解能及び品質、測定される対象の寸法、取られる写真数、対象及び相互に対する映像の幾何学的レイアウトが含まれる。
【0046】
写真測定の測定値は無次元である。写真測定の測定値をスケール合わせするため、少なくとも1つの既知距離が必要である。該既知距離は対象上にマーク付けされた距離でもよい。例えば、或る目標点の現実の座標が既知であれば、これらの点間の距離は決定され、該点は測定値をスケール合わせするため使われる。もう1つの可能性はその上にターゲットを有する固定具を使い、対象と共に該固定具を測定することである。該固定具上のターゲット間の距離は既知であるから、該距離は対象上の基準点間の他の測定値をスケール合わせするため使われ得る。この様な固定具は普通スケールバーと呼ばれる。
【0047】
実施例では、本発明の方法は損傷肢用のギブス又は装具を作るために使われる。該損傷肢の一連の写真が取られる。もし骨が損傷していれば該写真が取られる前に骨折は整復されるべきである。次いで上記で説明した写真測定処理法が損傷肢の表面座標を得るため使われる。肢上の共通表面点を規定するために、該肢上に基準点が置かれてもよい。該基準点は単に何等かの際だったカラー又は反射の点、パターン、形、物、表象、又は容易に見える他の光学的標識であってもよい。好ましい実施例では、該基準点は肢全体、又は装具が作られる身体の部分、の周りに置かれ、等しく配分される。
【0048】
基準点に加えて、患者は又装具のエッジ又は他の特徴を規定するためマーク付けされる。図2を参照すると、医者は該装具のエッジの位置を規定するためボデイスーツ103をペン105でマーク付けする。該エッジマーキングは体又は肢の周りに延びる1本以上の連続線107であってもよい。他の実施例では、該エッジは装具のエッジを規定し、装具設計時に接続される1連のマークにより規定されてもよい。該装具内に開口部を創るために患者上に追加の線109がマーク付けされてもよい。例えば、患者は縫い目で閉じられ、堅い装具と接触されるべきでない手術で損傷した範囲を有する。該装具内に開口部を提供することにより、該患者の縫い目は該装具構造体に対し押し付けられないであろう。図2では、医者は患者の体のこの部分付近に円を画いたので、該装具はこの範囲用のカットアウトを有するよう設計される。医者は又ボデイスーツ103上に注意書きをしてもよい。該医者はL6ディスクの位置を示すために、患者上にインクで“L6”を書いた。医者は又大腿の大転子に十字111を、肩甲骨に破線113をインクでマーク付けした。これらの解剖構造の位置は装具の設計に重要であり、従ってボデイスーツ103上にマーク付けされる。該線、装具エッジ、孔、及び表記を規定するため使われるマーキングは黒又はカラーインク、鉛筆、クレヨン、グリース、グラフアイト、テープ又は何等かの他の可視線マーキングであってもよい。写真測定は写真を使うので、デジタル映像はその線又は他のマーキングを全部記録する。
【0049】
図3を参照すると、複数のデジタルカメラ121で患者の写真が取られる。この例で、カメラ121はブラケット123上に設置され、既知間隔だけ水平方向に隔てられる。該カメラ121は同じ水平位置を有し、レンズは同じ平面内にあり、相互の方に内方へ角度
付けされている。レンズの角度は約5から45度の間にある。患者101とカメラ121の間の距離も既知である。2つのカメラ121は同時に駆動されるので、2枚以上の写真が同じ位置の患者101を表す。身体輪郭の情報を得るために、身体の全表面が装具によりカバーされるよう、マーク付きボデイスーツ103を着た患者101の映像が全体の広さ内で種々の角度から取られる。各写真は少なくとも12の基準点を有すべきである。該写真を処理し、写真内の該基準点と他の線とマーキングを3角法で測定することにより、身体表面を表す座標が得られる。
【0050】
図4を参照すると、患者101とボデイスーツ103を撮影するため使われるカメラ121システムの平面図が図解される。実施例では、ブラケット123上に設置され、開いた空間内に位置付けられた複数のカメラ121を含む装置が患者101を撮影するため使われる。カメラ121は患者101の方へ向けられ、2つのカメラ121グループとなって配置される。カメラ121はカメラを保持するブラケット123上に設置されているので、該カメラは略同じ方向に向けられているが相互の方へ僅かに角度付けられている。カメラ121は水平方向に整合されるが垂直軸線の周りに僅かに回されたレンズを有して位置付けられるので、カメラ121のレンズは平行ではない。この角度はカメラ121が該面の差を解析することを可能にするので、人間のステレオ視認に於ける程多く3次元表現が生じる。
【0051】
この例では、カメラ121の4つのグループが患者101の周りに設置され、各グループは2つのカメラ121を有する。かくして、各々が異なる角度からの8枚の患者101の写真が取られる。カメラ121により取られた映像は一緒になって体幹全体をカバーする。カメラ121の位置は関心のある範囲に依り動かされてもよい。図解では、カメラ121は背部装具用のデータを集めるよう構成されている。しかしながら、もし脚装具が作られるなら、カメラ121は脚付近の位置に下げられてもよい。
【0052】
アクチュエーターがカメラ121の各々に接続され、全部のカメラに肢を同時に撮影させるため使われてもよい。代わりに、カメラ121の対は同時の対象の画像を取り込むために全てが同時に映像を取るよう同期化されてもよい。シャッター速度は僅か数分の1秒であるのが典型的であるから、長時間患者101を絶対的に静止するよう保つ必要はない。他の実施例では、1つのカメラが患者の多数画像を取り込むよう使われてもよい。この実施例では、該カメラは多数画像を同時に又は短時間内で取り込んでもよい。該カメラは各々が異なる画像を取り込む多数レンズを有してもよい。代わりに患者はカメラに対し移動してもよい。患者を回し又は患者の周りでカメラを回し、そして多数の写真を取ることにより、1つのカメラが表面の特徴と他のマーカーデータを得るため使われる多数画像を取り込むことが出来る。
【0053】
上記で論じた様に、写真が処理され、3次元データを発生するため使われるが、該データは患者101の外面を精密に記述する。該3次元データは次いで装具又はギブスを設計し、作るために使われる。該表面データは非常に精密なので、装具又はギブスは全ての検出された表面輪郭を見越した誂えの適合性を有する。該誂え適合の内面に加えて、エッジ又は装具特徴もエッジ又は特徴マーキングにより明らかに規定され、装具又はギブスの設計に役立つよう使われる。
【0054】
或る場合には、患者の身体的条件により、写真測定画像が精密な装具に帰着しないことがある。例えば、もし患者が肢を損傷していれば、損傷の範囲は腫れている。かくして、肢のどんな写真も腫れてない肢より遙かに大きい走査データに帰着する。実施例では、もし該患者が損傷した肢と同様な完全な肢を有するなら、該完全な肢が撮影され、該完全な肢から得られた表面データが、該損傷肢の装具用に必要なデータを創るために、ミラーの仕方で逆にされてもよい。該装具は、腫れが減じた時装具が患者用に用意されるよう設計
され、作られる。
【0055】
写真測定は光学的及びレーザーによる走査を含む他種表面走査法を上回る種々の利点を有し、何故ならば該写真測定は医者により患者上に置かれた身体又は装具の特別の部分を示すよう使われるマーキングを検出するため使用されるからである。例えば、医者は何等かの数の記号を区別するために、該医者が後で誂えデバイス過程で参照するインク又は他のマーキングを患者上に画いてもよい。これらのマーキングは、誂えの補テツ器/矯正器の境界、骨隆起範囲、脂肪組織のひだ、特殊基準椎骨、避けるべき身体上の敏感範囲(発疹、臍、黒子他)、高い換気を要する範囲、邪魔のない運動を可能にする関節周りの空き範囲、セットアップ記号、装具内に後で追加圧力を付加する‘シム’用の基準境界そして種々の他の情報、を示してもよい。該身体マーキングは患者上の種々の種類の基準点を識別するため使われるカラーの点、線又は表象、模様付きマーカー、反射性又は他のコードであってもよい。例えば、患者は装具又はギブスの望ましい境界を示すため第1カラーでマーク付けされる。該患者は骨隆起又は敏感範囲を示すため第2カラー又は模様付きマーカーでマーク付けされる。骨隆起又は下にある骨の解剖構造は皮膚破れの傾向のある範囲であるから、装具はこれらの範囲への擦過傷又は損傷を避けるためにこれらの範囲上で特別の特徴を有してもよい。例えば、設計過程時、オペレーターは骨の解剖構造としてマーク付けされた患者の身体の範囲上で装具を小さくしてもよい。例は肩胛骨の領域上への装具の配置である。肩胛骨とその境界を手で触診するが、表面形態に基づき決定するのは難しい。装具は適当に機能するように肩胛骨に適合せねばならない。本技術では、肩胛骨のエッジ又は本体の場所が患者上でマーク付けされ、装具の本体は装具の輪郭内の誂えパッド又は逃げで骨のエッジに適合する。
【0056】
装具は患者に快適である様なパッドを要する。パッドの位置は上記説明の様に患者上にマーク付けされる。例えば、パッドの位置及び形はパッドの形の中のコード化されたマーキングで示されてもよい。CADシステムは該パッドマーキングを検出し、指定された形にマッチするパッドを作ることが出来る。製作過程時、パッドは厚さ及び堅さの範囲内の柔らかい弾性のある材料で作られる。例えば、CADデータはパッド材料の在庫シートからパッドをカットするよう使われてもよい。該CADシステムは又該パッドを適合させるよう装具を設計する。例えば、装具はコード化され、マーク付けされた範囲に形成される凹部、又は他の取り付け機構を有するよう設計され、製作される。患者表面データが装具とパッドの両者を形成するため使われるので、それらは非常に精密に相適合する。もしパッド位置上で装具内に設計される換気孔があれば、該パッドは又装具内の換気孔と整合された換気孔付きで設計される。
【0057】
装具が患者に適合すると、医者は複数のパッドを有し、患者用の最良パッド厚さを選択出来る。装具は強く、耐久性ある材料で作られるので、パッドは装具の使用と共に着用され、周期的に取り換えられる必要がある。医者は装具データから作られた追加のパッドを有してもよい。追加のパッドは又、該パッドが装具に適合する外面と、腸骨稜の様な骨の隆起の様な複雑な面形状を有する範囲で患者の解剖構造に適合する内面と、を有するよう付加的製造過程を使って作られてもよい。
【0058】
他の実施例では、該コード化されたマーキングはパターン、表象、模様付きパッド、バーコード、3次元物体又は患者上に置かれた又はマーク付けされた他の標識であってもよい。該コード化されたマーキングは黒又はカラーのインク、鉛筆、クレヨン、グリース、グラファイト、テープ、又は何等かの他の可視線マーキングであってもよい。これらのカメラはそれらのデータ入力用に写真の画像を使うので、患者上の該コード化されたマーキング又は地形は装具/ギブス設計ソフトウエアにより識別される。本発明の過程は種々のパッド模様のみならず種々のカラーコーディングも区別することが出来る。該模様は溝、エッチされたパターン、凸又は凹面、他を有してもよい。各模様はマーカー位置の装具の
種々の特徴を表す。検出システムソフトウエアはコード化されたカラー又は模様を自動的に検出し、識別する。該ソフトウエアは患者上に位置付けられたコード化されたカラー又は模様に付随する装具の請求される特徴を自動的に設計する。追加のマーキングは患者のデジタル表現に転送され、装具又はギブスの設計を助けるために使われる。
【0059】
走査された身体データが装具を設計するため使われる過程が図5−9で図解される。図5はCADスクリーン221上の人間体幹201の走査された画像を図解する。体幹201の輪郭は精確に測られ、患者上に置かれた追加のマーキングも走査データ上に図解される。この例で、医者は患者の大腿骨の大転子の十字211を画くので該装具は脚の動き用にこの範囲内に特別の空間を有するよう設計される。線のマーキング208は装具の望ましい境界を示し、線212は装具の側内の孔を示す。黒又はカラーのインク、鉛筆、クレヨン、グリース、グラファィト、テープ又は何等かの他の可視マーキング媒体で書かれた表記“L6”は又写真測定走査データから視認又は検出出来る。
【0060】
図6を参照すると、装具のエッジを表す線208がハイライトにされる。装具内に形成されるべき孔を表す線212は装具設計者によりハイライトにされた。この実施例では、該線をハイライトにするためにマウスに制御されるカーソル215が使われる。他の実施例では、設計者は線全体をハイライトにするために該線上のクリックを選択してもよい。この例では、暗い線は装具から除かれるべき線の部分を表す。しかしながら、何等かの他の視認可能なマーキングが除去されるべき線の部分を識別するために使われてもよい。
【0061】
或る状況では、装具又はデバイスは患者の被走査面データに完全にはマッチしない。例えば、設計者は又大腿骨の大転子の位置を表すマークされた十字211を見越してもよい。該マーキングは写真測定時取り込まれた画像上に示され、十字は大転子の位置を示す指定された表象であってもよい。ソフトウエアは次いで装具のこの部分を膨張させることにより大転子の上の装具の設計を調整する。
【0062】
もう1つの例では、患者は側弯症を有し、患者の普通の姿勢を変える矯正背部装具を必要とする。該装具は湾曲奇形を整復するために背部の湾曲を矯正するため使われる。背部の写真が上記説明の表面データを得るため取られてもよい。しかしながら、表面が表面特徴として背骨を示さないなら、現実の脊椎位置は検出されない。背部の棘突起を明らかに示すために、医者は各々の位置をマーク付けする必要がある。該マーキングは特定の骨を識別するか、又は損傷した骨を示すために、コード化されてもよい。該マークは黒又はカラーのインク、鉛筆、クレヨン、グリース、グラファイト、テープ、又は何等かの他の可視線マーキングであってもよい。該マーキングは該骨を囲み、十字マークであるか、又は骨の位置を明らかに識別する何等かの他のマークであってもよい。写真測定画像が処理される時、棘突起の位置は明らかに示される。背面と棘突起位置は次いで背部装具を設計するため使われる。
【0063】
検出された脊椎の位置を使う背部装具を設計するよりも、該背部データは患者の背部を真っ直ぐにする装具を創るために変型されるのがよい。設計者は、脊柱の全長及び湾曲の測定値と、装具の望ましい湾曲変更値と、を得る。装具と正常背部位置の間の差は患者の医師により指定されてもよい。設計者は、装具により規定される望ましい内部容積を保持しながら、より真っ直ぐな背部装具を設計するために記録された背部湾曲を調整する。1実施例では、設計プログラムは、装具の1つの部分の調整が該装具の他の部分に持ち越されることを許容する装具設計の調整用システムを有する。例えば、もし背部データが撮影された脊柱湾曲を示すなら、設計者は該湾曲を整復するよう尖りを操作することも出来る。尖り部分のみを調整するより、該プログラムは装具の周囲部分への同様な調整を行うので、矯正装具は患者に適当に適合する。例えば、装具は、各々が異なる棘突起に対応する多くの異なる薄い水平セクションに分けられてもよい。1つのセクションが動かされると
、他のセクションはより少ない程度に動くので、側弯湾曲は整復される。CAD設計上で装具の他のセクションの動きをスケール合わせするアルゴリズムが使われてもよい。1つのセクションが動かされる時、装具の種々のセクションを自動的に調整することにより、装具設計は簡単化され、精密になる。
【0064】
他の実施例では、設計された装具又はギブスは患者から取られた写真測定の測定値から変わってもよい。例えば、患者は外傷又は炎症で腫れていてもよい。装具設計システムは該腫れを見越し、設計者が、腫れが引いた後患者に適合するもっと小さい装具を創ることを可能にする。実施例では、該システムは完全な侭の肢の写真を使い、腫れた肢の装具用のガイドとしてそのミラー画像面データを使う。該完全な侭の肢は損傷した肢に完全にはマッチしないが、多くの場合、適当な装具又はギブスを形成するには充分に精確である。
【0065】
図7では、孔線209内部の範囲と、エッジ208の外側の体幹範囲と、が除かれた体幹が図解される。示されてないが、該CADソフトウエアを操作する設計者は装具210のどんな図面でも示すよう該図解された体幹を回転することが出来る。基本的装具設計品を創生するために内部体幹面に材料厚さが付加されてもよい。写真測定システムによりマーキングが精密に検出されるので、マーク付けされたエッジと孔位置の全部がデジタル表現に転送され、必要な装具境界と特徴部は患者を再検査又は再測定することなく精密に識別される。該過程は装具210の基本設計を完成する。
【0066】
同様な写真測定過程が補てつ肢の外面形状を創るため使われてもよい。他の実施例では、完全な脚の表面データは写真測定過程により得られ、該CADプログラムに入力される。図8を参照すると、完全な3次元デジタル画像を得るために、完全な脚205は多数の側からデジタルカメラ207により撮影される。該デジタルカメラ207は、脚205の表面上の多くの点の形状測定値のデータセットを創る。該3次元デジタル画像の精度と詳細は脚205のより多くの写真を取ることにより改善される。完全な脚205のデータを得ることに加えて、説明される写真測定過程は又切断肢209の端部の表面測定データを得るため使われてもよい。又該デジタルカメラ207はカラー情報を集めるために使われるので、完全な脚205の正確なカラー(複数を含む)が決定され、補てつ脚を創るために使われる。写真測定は完全な脚の表面を決める好ましい方法であるが、他の実施例では、この情報を得るために、何等かの他の光学式、電磁式、レーザー走査式又は機械式の方法が使われてもよい。幾つかの走査システムはミリメートルより細かい解像度で表面輪郭を検出出来るが、説明された走査は完全な脚の外観を修復するためにはこのレベルの精度を要しない。
【0067】
該走査データはCADプログラムにより読まれる使用可能な表面フアイルに変換される。特に、完全な脚205の走査からの表面データは完全な脚205の形状を再生過程を通して外挿してもよい。該再生過程は、多角形モデルを形成する多数の小さな多角形形状から連続面を作るために、点クラウドとして知られる、隣接点を該被走査脚データからの線と結合するアルゴリズムを使う。該再生過程で作られるデータは、完全な脚205の面に近くマッチする連続3次元デジタル表現である。同じ再生過程は切断肢209の端部の表面データを得るために使われてもよい。走査器データ再生過程を行うため使われるソフトウエアの例はジオマジック(GeoMagic)によるジオマジックスタジオ(Geomagic Studio)及びパラメトリックテクノロジー社(Parametric Technology Corporation)によるプロ/エンジニヤ(Pro/Engineer)用のプラグインモジュールであるプロスキャンツール(Pro Scan Tools)である。
【0068】
完全な脚用の再生面フアイルはCADプログラムに入力される。補てつ設計者はミラー画像デジタル表現を創るために完全な脚のデータを逆転し、操作するために該CADプロ
グラムを使ってもよい。このミラー画像データは次いで補てつ脚の外面の設計で使われる。補てつ肢又は装具の外側構造体又はフェアリングが時には正常肢に比べて過小寸法に見えることが見出された。これは生物学的パララックスである。この過小寸法の外観を補償するために、該外面又はフェアリングの幅が比例的に拡大されてもよい。この拡大は約1から15%であってもよい。かくして、完全な肢のミラー画像は走査され、装具、フェアリング又は補てつ肢の外面用の表面データが得られてもよい。この外面の幅又は半径方向断面寸法はミラー画像データより1−15%だけ増加させられる。長さ寸法は完全な肢にマッチするので、長さは実質的に相互にマッチする。かくして、外面は完全な肢の幅に尺度合わせされた画像となる。
【0069】
切断肢209の端部の表面を表すデータは又、補てつ脚窩の内面を表すデジタルデータを創るよう操作され、逆転される。該窩と切断肢209の端部との間のパッド付け用にことによると幾らかの空間を許容するためにこの面を拡張することが必要かも知れない。
【0070】
該脚と該窩のデータは該補てつ脚の外面を形成するために使われるが、機械的部品も充分な機能設計用に求められる。図9を参照すると、該切断肢209の端部に対する人工膝331及び足335の正確な相対配置を決めるためにユーザーは補てつ外科医と相談してもよい。補てつ外科医は完全な肢205の測定値を使い、この情報を、補てつ脚内の窩、人工膝331及び足335の相対位置を決めるスタート点として使う。
【0071】
膝331は人体の膝の運動を真似する多数のリンク機構組立体を含む在庫品である。種々の寸法の患者と種々の期待される使用法用に種々の膝が必要となる。これらの膝の寸法と動きはコンピュータデータ記憶部内に記憶されている。補てつ外科医は患者用に最適な膝を選択し、該選択された膝331のデジタル表現が補てつ脚を精密に設計するため使われる。
【0072】
補てつ脚と共に使われる人工足335も在庫品である。人工膝の様に、種々の種類の足のデジタル表現が入手可能である。適当な足が患者用に補てつ外科医により選択され、そのデジタル表現が補てつ脚の設計で使われる。例えば、図9に示す足335は、圧縮力がヒール341及びトウ343に印加された時、エネルギー貯蔵とクッション作用を提供するよう柔軟な材料で作られる。この種の足は、規則的に走ることを好む非常に活発な人用に特に有用である。代わって、足又は該足335上に置かれるフェアリングは、上記で説明した様に完全な脚をレーザー走査することにより創られるユーザーの完全な足のミラー表現に基づいてもよい。
【0073】
切断肢209の端部に対する人工膝331及び足335の配置は補てつ外科医により指定され、CADプログラム内に入力される。これらの部品はコンピュータ上で補てつ脚内に表示される。該CADプログラムは部品を拡大、回転、追加又は除去するか、又は変更するよう該部品を操作し、補てつ脚の運動を示すことが出来る。全ての内部の機械的設計情報は、将来の変型又は補てつ製作用にコンピュータに読み込み可能なフォーマットで保存される。
【0074】
内部の機械的部品データとミラー画像表面データはCADプログラムで補てつ設計者により創られた仮想補てつ脚内で一緒に合体される。該表面データと該内部機械部品の合体は種々の方法で行われてもよい。1実施例では、外面は薄い材料製で、完全な脚のミラー画像形状を有する、非負荷支持構造のフェアリングである。該フェアリングは内部フレームワークを形成する断面テンプレートのシリーズ及び縦部材と結合されるが、該フレームワークは内部機械的部品に取り付けられる。該外面は非負荷支持性であるので、該内部部品と外側フェアリングは別個の構造体である。もう1つの実施例では、外面と機械的部品は一体化構造体となるよう設計され、外面は負荷支持強度の1部を提供する。
【0075】
図10を参照すると、補てつ脚の非負荷支持外面部の実施例が図解される。テンプレート451は脚の長さに沿う平行構成で内部部品の周りに置かれる。各テンプレート451は外面を超えて延び、各々はフェアリング453の対応する内面まで微調整される。フェアリング453は補てつ脚(又は装具)の周りに置かれ、テンプレート451の各々と交差する。該フェアリング453とテンプレート451とが仮想空間内で図解されるので、それらは設計段階の時は相互に通過し合う。該フェアリング453は装具及び補てつ肢の両実施例では実質的に類似である。
【0076】
図11を参照すると、補てつ脚889のフェアリング453の外面が示され、フェアリング453は膝331の下では除去されている。テンプレート451は、フェアリング453の内面を超えて延びるテンプレート451の部分を取り除くようカットされている。追加の縦部材461が該テンプレート451に取り付けられ、補てつ脚889の長さに沿って延びている。縦部材461の外側エッジは又フェアリングの内面と対応する。テンプレート451と縦部材461はフェアリング453の形状を保持するのを助ける内部フレームワーク463を提供する。補てつ設計者は該フレームワーク463の強度を制御するために該テンプレート451と縦部材461を変えてもよい。与えられた強度のより多くのテンプレート451と縦部材461はより強いフレームワーク463と補てつ脚に帰着する。
【0077】
装具の実施例では、装具は又、テンプレート451と、該テンプレート451に取り付けられた縦部材461と、を有してもよい。装具の内面は負傷肢の外形に適合する。
【0078】
補てつ設計者は又動く補てつ脚の範囲内で柔軟であるようフェアリング453を設計してもよい。図12を参照すると、脛骨フェアリング453は補てつ脚889のフレーム463及び足335の上に置かれる。非負荷支持フェアリング453はナイロン6又は12の様な高強度で柔軟なポリアミド製であってもよい。この実施例では、フェアリング453は補てつ脚の脛骨及び腓骨の周りを取り巻く。該フェアリング453は又足335及び膝331の何等かの期待される動きと共に曲がる。図解される様に、フェアリング453は膝331の前のみをカバーする狭いセクションを有するよう設計されてもよい。膝331に於けるこの薄いフェアリング幅は該フェアリング453がこの範囲でより柔軟であることを可能にする。フェアリング453は足335の前のみをカバーするよう設計されてもよく、該設計は容易な動きを可能にする。密接な適合用に、フェアリング453の内面は補てつ脚889のフレームワーク463の外面とマッチする。かくして、フェアリング453の内面は患者の完全な肢の外面の輪郭に対応する。
【0079】
図13を参照すると、補てつ脚889の後部部分が図解される。この実施例で、フェアリング453は、補てつ脚889の上部部分の周りを殆ど完全に取り巻き、切断肢206の端部と窩をカバーする。該フェアリング453は腓骨部分671をカバーせず、該フレームワーク463を形成するテンプレート451及び縦部材461は露出される。テンプレート451の様に、該縦部材461は内側負荷支持部材から該フェアリング内面まで延びる。他の実施例では、補てつ設計者は該フェアリング453を腓骨部分671付近に延ばすか、又は該補てつ脚889の腓骨部分671の周りを取り巻く別のフェアリングを追加する。
【0080】
図14を参照すると、補てつ脚の脛骨のみをカバーし、膝の上に延びないフェアリング663の内面図が図解される。該フェアリング663は足根関節の所で曲がり、補てつ脚の足部分に取り付けられるよう設計される。フェアリング663の厚さは補てつ設計者により調整される。薄い材料程より柔軟であるから、曲がるよう設計される範囲は、フェアリング663の動かない部分より薄い壁で設計される。フェアリングは厚さが均一であっ
てもよく、フェアリング453の内面及び外面の両者は患者の完全な肢の検出された外面輪郭に対応する。同様に、もしフェアリングが装具実施例で使用されれば、該フェアリング453の内面及び外面は患者の負傷した肢の検出された外面輪郭に対応する。
【0081】
前に開示した実施例では、内部の負荷支持部材の周りに設置されるフレームワーク及びフェアリングを創るためにCADソフトウエアが使用された。他の実施例では、脚の外面は内部フレームワークに接着され、両者は負荷支持部材として機能する。図15を参照すると、内部フレームワークに接着され、負荷支持部材として一緒に機能する外面981を有する補てつ脚987がCADプログラムを使って設計される。該補てつ脚987は膝関節983及び足関節985に直接取り付けられる。この実施例では、該フェアリングは、フレームワーク上に直接よりも寧ろ、補てつ脚987の外面981上に置かれる別部品として設計される。
【0082】
或る場合、ユーザーは、補てつ脚が完全な脚の正確なレプリカではないよう、脚とフェアリングの設計を変えることを願うかも知れない。同様に、装具とフェアリングは負傷肢に正確にはマッチせぬよう設計されてもよい。ユーザーは又補てつ脚用に多数の互換可能なフェアリングを有することを欲するかも知れない。該補てつ設計者はフェアリング及び脚又は装具用の元の設計データを修正するCADソフトウエアを使用し、ユーザーが独特の個人的なデザインを創ってもよい。脚、装具及びフェアリングはどんな望まれる外観を有するように設計されてもよい。
【0083】
1実施例では、CADシステムは設計者が脚、装具及びフェアリングの外観を容易に変えることを可能にするグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を有してもよい。ジーユーアイは該フェアリング、装具及び脚が特定のカラー、材料、マーキング及び表面特徴部を伴って見られることを可能にする制御部を有してもよい。各選択されたカラーの中で、補てつ設計者は又、不透明、半透明、玉虫色及びメタリックの様なカラー効果を付加することにより外観を変えることが出来る。ジーユーアイは又脚がクロム、亜鉛、金、銀、ニッケル、及び他の合金の様な金属メッキ部分を伴って見られることを可能にする制御部を有してもよい。ジーユーアイ制御部は又装具又は補てつ脚の表面に面仕上げを施すよう使われてもよい。該システムは設計者が艶無し、艶消し、艶あり、半艶、反射性、ブラシ掛け、磨き、模様付き又は他の仕上げを有する補てつ脚を見ることを可能にしてもよい。これらの変型はフェアリング及び脚全体に対して、或いは何れかの露出部分に対して行ってもよい。ユーザーは、設計者が該ジーユーアイ制御部を通して仮想の装具又は脚に適用する望ましい表面外観を選択することが出来る。該CADプログラムは全ての望ましい特徴部を有する仮想の装具又は補てつ脚及びフェアリングを素早く表示する。設計者とユーザーは製作前に該装具又は補てつ設計の詳細の全てをチェックすることが出来る。
【0084】
図15を参照すると、個人的補てつ脚987及びフェアリング991設計の例が図解される。この例で、補てつ設計者は、脚987の外面に適用された艶消しニッケル仕上げ995で部分的にカバーされた補てつ脚987を開発した。この実施例で、該ニッケル仕上げ995は膝関節995及び足関節985に適用された。装飾的であるのに加えて、膝関節983及び足関節985上のスムーズなニッケル仕上げ995は又脚987の運動を改善するスムーズな摺動面を提供出来る。ニッケル仕上げ995は又装飾的特徴部として脛骨の中央部分及び脚987の頂部付近に適用される。又補てつ設計者は又大抵の脚987の周りにスムーズに捲かれる黒革フェアリング991を設計するために該CADプログラムを使った。同様なフェアリングは脚装具に付けられてもよい。
【0085】
フェアリング及び表面のカラー及び仕上げの変更に加えて、補てつ設計者は又補てつ肢の外面を修正してもよい。図16を参照すると、表面修正の例が図解される。この例で、補てつ設計者は腓骨の部分に沿って延びる補てつ脚881内の凹面879を追加した。図
16は凹面879をスムーズな凹形として示す補てつ脚881の断面を図解する。他の実施例では、該補てつ脚の面はミラー画像面上に広がるよう補てつ設計者により修正されてもよい。
【0086】
補てつ設計者が補てつ脚及びフェアリングの設計を完了すると、該CADソフトウエアで作られた該設計データは該脚及びフェアリングを誂えで作るために使われる。迅速プロトタイプ化は、金属プラスチック及び砂を含む種々の材料から部品を作るためにデジタル設計データとソフトウエアを使うシステムの総合カテゴリーである。これらの機械は液体又は粉体材料の槽を横切って屈折させられるエネルギービームを使う。該エネルギービームへの露光は該材料を一緒に溶融、硬化させる。これらの製作機械は全ての誂えの補てつ肢部品を創ることが出来る。
【0087】
該迅速プロトタイプ化機械で補てつ脚部品を作るために、CAD設計データは修正されねばならない。部品用の普通のCAD設計データが、該部品の長さに沿って延びる多くの平行断面のベクトルデータに変換される。該CADソフトウエアと該製作機械との間で伝送されるデータは部品断面の形を多くの接続された3角形の子面により近似する。より小さい子面はより高い品質の面を作るが、より多くの計算時間を要し、非常に大きい製造データセットを創る。
【0088】
部品断面用のベクトルデータは迅速プロトタイプ化用走査器制御器により読まれるが、該制御器は該ベクトルデータを動き情報に変換し、該動き情報はエネルギービーム走査ヘッドへ送られる。レーザービームの実施例では、該迅速プロトタイプ化機械は材料槽上で該レーザービームをX及びY座標で屈折させる2つのミラーを有する走査ヘッドを備える。次いで該製作情報は、各部品断面を連続して創るために、プリントヘッド断面を制御するよう使われる。該走査ヘッド制御器は該製作データを読み、液体、粉体又はシート材料の連続する層をレーザー光の精密パターンに露光するよう該プリントヘッドに強制する。一旦該層が完全に形成されると、該部品は該槽内へ移されるので、材料の薄槽が前に形成された層をカバーする。該過程は多数回繰り返され、新しい層が形成され、前に形成された層に融着される。電子ビームによる実施例では、電子ビームは材料槽上で磁場を用いてX及びY座標で屈折される。部品断面は、部品製作が完了するまで順次形成される。
【0089】
付加式製作迅速プロトタイプ化の主要な利点は、補てつ脚内のテンプレート及び縦部材の内部フレームワークの様な非常に複雑な形状と幾何学的特徴部を創る能力である。軽量で強い補てつ脚が、迅速プロトタイプ化機械で、光重合体の様なプラスチック材料から作られる。図17は迅速プロトタイプ化機械を使って作られ完成した光重合体脚887を図解する。
【0090】
該迅速プロトタイプ化過程は熱可塑材、光重合体、金属粉、共晶金属、チタン合金、及び他の材料を含む種々の材料に適用される。幾つかの適当な迅速プロトタイプ化機械の例はエーオーエス社(EOS GmbH)によるレーザーシンタリング機械、アーカムエイビー(Arcam AB)による電子ビームシンタリング機械、そしてスリーデーシステム社(3D Systems Corp.)によるレーザーステレオリトグラフィー機械(laser stereo lithography machine)を含む。同様の製作過程は、付加的製造、迅速製造、積層製造、3次元プリンティング(3D printing)、レーザーシンタリング、電子ビーム溶融(EBM)、溶融材料堆積(FDM)他の名前により公知である。全てのこれらの製作過程は、部品全体が完成するまで、各層を形成する精密パターンの材料を固体化するよう、材料の槽上でエネルギー付与したビームを走査する同じ動作原理を使う。
【0091】
迅速プロトタイプ化は好ましい製作方法であるが、補てつ肢部品を形成する他の可能な
方法がある。1実施例では、該設計情報はコンピュータ数値制御装置(CNC)により使われ、該シーエヌシーは材料の選択的除去により材料の固体ブロックから部品を作るよう工作機械を制御する。コンピュータ制御器はプログラムインストラクションを読み、動力付与された機械的切削工具を駆動する。該シーエヌシーシステムは表面データの外挿を数値式に導き、該部品を創るよう切削工具を制御する。該シーエヌシー過程は迅速プロトタイプ化製作過程より遙かに低効率の彫刻過程であり、実質的な量のスクラップ材料を作る。
【0092】
フェアリングは又デザインデータを使って製作されてもよい。最も適当な製作過程はフェアリング材料に依る。例えば、もしフェアリングが柔軟材料で作られるなら、フェアリング設計データは平らなシート在庫品からフェアリングをカットするよう使用される。該フェアリング設計データはシート材料をフェアリングの形に精密カットするためにコンピュータ制御機械により使われる。該フェアリングは次いでファスナー又は接着剤で補てつ脚の表面に直接取り付けられる。もし該フェアリングがより堅い材料で作られるなら、該設計データは該フェアリングをカットするため使われる。次いで該フェアリングは必要な3次元形状を形成するために曲げられるか又は成形される。説明した迅速プロトタイプ化過程を使って3次元のフェアリングを作ることも可能である。上記で説明した脚部品製作方法の様に、該迅速プロトタイプ化機械は断面層のシーケンシャルなシリーズから該フェアリングを作るために該フェアリング設計データを使う。
【0093】
補てつ肢のもう1つの典型的要求はカラーである。望まれるカラーが製作過程中に補てつ部品、装具又はフェアリングに付けられてもよい。実施例では、フェアリング、装具及び脚部品のカラーは該脚を作るため使われる材料と混ぜられる顔料を通して付けられてもよい。該カラーは構造体中に存在し、取り除かれることは不可能である。代わりに、該カラーは該脚、装具及びフェアリングの外面上にカラー層を形成するために、別の塗装、染め付け、付着又は他のカラー付け過程で、脚部品又は装具に付けられてもよい。
【0094】
もう1つの実施例では、金属又はセラミック層が脚、装具及びフェアリングの外面上に付着させられてもよい。金属層を付着させるため使われる方法は脚、装具又はフェアリングの基礎材料に左右される。金属層は無電解又は化学的メッキ過程により非電導性プラスチック部品上に付着させられる。もしメッキされる部品が電導性材料であるなら、該金属層を付着させるために電気化学的メッキ過程が使われてもよい。該補てつ部品にカラー又は金属層が付けられた後、追加の表面仕上げ過程が行われてもよい。表面仕上げの例は公知の機械的又は化学的過程を通して適用される艶無し、艶消し、艶あり、半艶、反射性、ブラシ掛け、磨き、模様付けを含む。該脚、装具及びフェアリングに保護用透明プラスチック又はペイントコーティングが付けられてもよい。
【0095】
最後の製作過程はフェアリングを該補てつ脚又は装具に取り付ける過程である。該フェアリングは多くの種々の方法で取り付けられる。論じられた様に、好ましい実施例では、フェアリングはユーザーにより容易に取り換えられる取り外し可能な構造体である。該フェアリングを部材に保持するために解除可能なファスナーが使われてもよい。解除可能なファスナーの例はボルト、バックル、ボタン、クランプ、クリップ、ピン、保持器、リベット、バンド、スナップ、縫いつけ、ストラップ、留め鋲(tacks)、紐、ジッパー、他を含む。該フェアリングは又接着剤で脚又は装具に取り付けられてもよい。代わりの実施例では、フェアリングは脚又は装具に恒久的に取り付けられる。フェアリングを脚にもっと恒久的に取り付ける過程は半田付け、溶接及び融合を含む。
【0096】
図18は表面が金属メッキされ、フェアリングが取り付けられた後の補てつ脚887を図解する。該補てつ脚887、膝関節及び足根関節の露出範囲はニッケル仕上げ895を有する。該ニッケル仕上げは無電解ニッケルメッキ過程を使ってプラスチック脚上に付け
られた。フェアリング921はスムーズな黒革材料からカットされ、脛骨及び腓骨部分付近に広がる凹部範囲内の脚887の外面に取り付けられた。該革フェアリング921は、該フェアリング921が取り除かれ、もう1つのフェアリングと取り換えられることを可能にする接着剤で該補てつ脚887に取り付けられた。
【0097】
図19を参照すると、実質的に同様なフェアリングが上腕装具901の様な装具上に取り付けられてもよい。実施例では、上腕装具901の内面は、説明した写真測定過程により得られた負傷上腕905の表面地形に対応する。該装具901は均一な厚さを有する。かくして、外面も又該負傷上腕の表面地形に対応する。フェアリング903は該装具901の付近に置かれる。該フェアリング903は装具901の付近に適合するよう設計されるので、装具901に接触するフェアリング903の内面は身体の負傷部分の外面にマッチする輪郭を有する。フェアリング903は上記説明の様に金属、プラスチックス、革、他の様な種々の異なる材料を含んでもよい。この例では、該フェアリングは種々のカラー、材料、孔、他の何れかで形成される図式的パターンでマーク付けされてもよい。該フェアリング903は解除可能なファスナー又は接着剤で装具901に取り付けられてもよい。
【0098】
本発明のシステムが特定の実施例を参照して説明されたが、しかしながら、本発明のシステムの範囲から離れることなくこれらの実施例に追加、削除及び変更が行われ得ることは理解される。例えば、補てつ脚を設計及び製作するために説明された同じ過程は、窩、肘、細長い部材及び人工手を有する補てつ上腕の設計及び製作に適用されてもよい。種々の部品を有する補てつ肢が説明されたが、これらの部品及び説明された構成は修正され、種々の他の構成で再配置されてもよいことはよく理解されるであろう。
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は2010年9月14日出願の、名称“補てつ肢又は装具用の取り換え可能なフェアリング”の、米国特許出願公開第12/881,419号明細書、2009年11月9日出願の、名称“誂えの装具、ギブス及びデバイスと設計、製作用方法”の、米国特許出願公開第12/615,196号明細書そして2009年11月9日出願の、名称“誂えの装具、ギブス及びデバイスと設計、製作用方法”の、PCT特許出願公開第PCT/US09/63766号明細書、の優先権を請求する。米国特許出願公開第12/881,419号明細書、米国特許出願公開第12/615,196号明細書及びPCT特許出願公開第PCT/US09/63766号明細書は引用によりここに組み入れられる。
【技術分野】
【0002】
本発明は一般的に補てつ肢及び装具用フェアリングに関し、特にCADを利用して設計、製作される補てつ肢及び装具用の取り換え可能なフェアリングに関する。
【背景技術】
【0003】
補てつ肢は上腕又は脚の様な、失った四肢に取って代わり、病気及び事故を含む種々の理由で必要とされる。人工肢は又、人が肢を欠いて又は損なった肢(複数を含む)を有して生まれた時も必要である。使用補てつ肢の種類は切断又は消失の程度及び失った肢の場所により主として決定される。脛骨補てつは、膝下でユーザーに取り付けられる、下脚、足根関節及び足を含む人工脚である。経大腿補てつは、膝の上でユーザーの切断肢に取り付けられる、上脚及び機械的膝を有する人工脚である。前腕補てつは、肘の下でユーザーに取り付けられる、前腕及び手を含む人工上腕である。上腕骨補てつは、肘の上でユーザーに取り付けられる人工上腕である。
【0004】
アフリカの大きな部分を含む世界の発展途上地域では、切断の主因は工業、車両及び戦争に関連する事故である。北米及び欧州の様なより発展した地域では、切断の主因はがん、感染症、及び循環系を含む病気である。米国では、毎年約100,000の脚が糖尿病、血管疾病、事故及びがんで失われる。それ程多くの切断があるので、補てつ肢の実質的なニーヅがある。
【0005】
補てつ肢の技術は非常に改良されて来た。特に、向上した可動性と機能性を提供する人工の膝及び足が補てつ脚用に開発されて来た。補てつ肢の技術及び機械工学は大いに進化したが、該デバイスを意図する人間の美容には、非常に僅かの考慮しか払われなかった。図1を参照すると、窩122を有するモダンな補てつ脚102が示されており、該窩はユーザーの切断した脚の端部と係合する凹面を有する。該窩122は典型的にパッド付きプラスチック構造体であり、該構造体は切断肢の端部上に圧縮力を分布させる。該窩122の底部はチタン又はアルミニウム製の管状支持部である塔124に取り付けられる。該塔は押し出し過程により製造される。該塔124の底部は人工足126に取り付けられ、該人工足は成形プラスチック構造体であってもよい。補てつ脚102は又発泡材被覆128を有し、より均一な形状を提供するために窩122及び塔124に取り付けられる。種々の窩122、塔124及び足126はボルト、ねじ、そして接着剤を含むフアスナーを使って一緒に結合されてもよい。
【0006】
現在の補てつ術の於ける問題は該術が人間の形の基本的対称性を無視することである。対称性は個人の健康の可視的提示であり、非対称性は不健康と感知される。神経質な震え、卒中、ハンセン病、象皮病、他の様な多くの医学的条件は非対称外観として患者で示される。同様に、現在の補てつ肢の非対称性は、ユーザーが‘医学的必要性’を有すること
を伝え、装着者が損傷を受けている或いは欠陥を有するメッセージを強める。
【0007】
多くの切断患者にとって、補てつ肢の非対称な外観は彼等の物理的不快感より迷惑である。補てつ肢の非対称な外観を誤魔化す課題は殆ど不可能であり、それは補てつ肢を創るため使われる窩121、塔123及び足125は種々の製造メーカーからの部品の集まりだからである。該窩121と塔123は身体の左又は右の側用に特に設計されないので、該部品は対称な外観を有せない。
【0008】
肌色のエレクトロメトリックな発泡材のカバー127で外観を改善する努力も問題がある。断面の直径は窩121、塔123、そして足125よりも均一であるが、カバー127は人体の脚の精密な寸法表現ではない。シミュレートされた人間の筋肉組織は生体の様でないのが典型的で、死んだ組織を示唆する。
【0009】
同様に、装具は負傷した肢を支持し、保護するよう設計されるのが典型的だが、どんな種類の対称な外観も提供しない。回復時、身体の部分を支持し、保護するため使われる種々の種類の装具がある。装具は関節の動きを制限するため使われ、負傷を避け、関節が負傷方向の動きを防止することにより治癒するのを可能にする点で有用である。装具は弾性があり、幾つかの堅い部品を有する伸張材料で作られるか、又はヒンジ付けされる。弾性のある装具は非凡な風通しの良さと着用の快感を提供する綿、ライクラ(lycra)、ナイロン又は他の混紡品の様な織布で作られることが多い。これらの装具は肘、手首、脚及び膝に適合して、自然な運動の自由度を提供する。
【0010】
必要なものは形が対称性で、又ユーザーが外観を変え、個人的化することを可能にする改良型補てつ肢及び装具である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許出願公開第12/881,419号明細書、2010年9月14日出願
【特許文献2】米国特許出願公開第12/615,196号明細書、2009年11月9日出願
【特許文献3】PCT出願公開第PCT/US09/63766号明細書
【特許文献4】米国特許第7,797,072号明細書
【発明の概要】
【0012】
本発明は、ユーザーが肢又は装具の外観を個人的化し、変更することを可能にする取り外し可能なフェアリングを有する改良補てつ肢及び装具に向けられている。該補てつ肢及びフェアリングはコンピュータ支援設計(CAD)ソフトウエア及びコンピュータ制御製作過程を使って補てつ設計者により創られる。該補てつ肢が脚として説明されるが、同じ過程が補てつ上腕を作るために使われてもよく、この様であるから、補てつ上腕は本発明の範囲内に入るよう意図されている。補てつ上腕に加えて、足、脚、上腕、手を含む装具及び背部装具は本発明の範囲内に入るよう意図されている。
【0013】
補てつ設計者は最初にコンピュータ支援設計システムを使って仮想の肢及びフェアリングを創る。補てつ脚の設計は窩、上脚、膝、下脚及び足を含んでもよい。もしユーザーが完全な脚を有するなら、マッチする外面を有する補てつ脚が設計され得る。マッチする補てつ脚を精密に創るために、該ユーザーの完全な脚の表面が最初に測定される。完全な脚の測定は光学測定デバイスで行われるのが好ましい。好ましい実施例では、写真測定過程が使われるが、該過程では患者の表面データが患者の複数の写真から得られる。患者の表面を精密に測定するために、種々の異なる仕方で患者の皮膚に基準点が付けられてもよい
。例えば、写真測定又はレーザー走査が行われてもよい。
【0014】
該表面は各写真で視認出来る少なくとも12の良く分布した基準点と、対象の面全体用の少なくとも20の基準点を有すべきである。より多い基準点は対象のより精密な測定に帰着する。マークは患者上に、又は患者により着用されるストッキネットの様なフォームフィッテイングカバー上に、直接置かれるインク、鉛筆、クレヨン、グリース、グラファイト、テープ、ステッカー又は他のマーキングにより形成されたドットであってもよい。実施例では、フォームフィッテイングカバリングの布はドット、模様付きパッド又は交差線の格子で印刷されるので、該カバリングが患者により着用されるや否や、患者は1セットの基準点を有する。なおもう1つの実施例では、光のパターンを患者上に投影するために光投影器が使われてもよい。該光のパターンはスポット点の配列、交叉線の格子又は患者上の点の画像が検出されることを可能にするどんな他のパターンであってもよい。該患者上の光が役立つのは、該マーキングが投影器で患者上に投影される白又はカラーの光のマーカーである時である。多数のプロジェクター又はミラーが該光を患者の全ての必要面上に投影するため必要である。
【0015】
患者の身体表面の表面輪郭を得るための基準点に加えて、又、医者又は開業医は装具の他の特徴の位置を示すために患者の身体の範囲をマーク付けしてもよい。例えば、マーキングは、装具の終端エッジ(複数を含む)、パッド付け範囲、骨の隆起、皮膚の敏感な範囲、孔、窓、病理学的サイト(骨折又は手術サイト配置)、下にある解剖構造(棘突起及び脊柱の整合を外す)、該装具が患者の輪郭に対し精密には作られるべきでない凹部範囲、及び該装具内に形成されるべき他の特徴部を示してもよい。該マーキングは患者上又は患者が着るフォームフィッティングカバーの上に直接作られるべきである。基準点の様に、該追加のマーキングはインク、鉛筆、クレヨン、グリース、グラフアイト、テープ、ステッカー、又は他のマーキングであってもよく、そしてはっきりした可視的コントラストを提供せねばならない。該マーキングは該マーキングに於いて形成されるべき特徴部の種類を示すために、カラーに依るか又は他の仕方でコード化されてもよい。識別された領域での変形の程度又は量、窓の種類又は他の装具の特徴を示すために種々のコード化が使われてもよい。マーキングは追加的情報を提供する3次元的な物(複数を含む)であってもよい。例えば、ロッド、矢印又は他の物体マーカーが関節の回転軸又は他の特徴部を示してもよい。
【0016】
患者がマーク付けされた後、ギブス又は装具を要する患者の身体の部分は1つ以上のスチルカメラ又はビデオカメラの前に置かれる。該カメラは患者の身体の1つ以上の側に面し、既知の距離だけ相互に隔てられる。或る実施例では、周囲広い中で身体の静止画像又は写真の完全なセットが取られるよう、患者の周りにカメラのセットが配置される。好ましい実施例では、該カメラは2つのカメラのグループで配置される。該2つのカメラは相互から離れるようカメラを隔てるブラケット上に設置される。該2つのカメラは患者又は患者の肢の方へ略同じ方向で狙いを付けられるが、或る角度だけオフセットされる。好ましい実施例では、該カメラのレンズは第1平面では相互に平行であり、第2平面では相互の方へ角度付けられる。その隔たりと角度は、該2つのカメラが患者の身体の同じ部分を含む映像を、僅かに異なる角度から各々が取ることを可能にする。該身体上の基準点は表面輪郭を得るために該映像から3角法で測定される。もし患者全体を巡る写真が必要なら、カメラの3つ又は4つのグループが患者の周りに配置され、患者に向けられる。該カメラはカメラの全部を同時に駆動する1つのスイッチに接続される。該カメラは又フラッシュ機構に接続されてもよい。1つのカメラ用のフラッシュは駆動される1つのカメラのシャッターでトリガーされてもよい。患者を狙った他のカメラは、該フラッシュの光に応答してそれらのシャッターを駆動させる光センサーを有してもよい。かくして第1カメラの駆動は直ちに全ての他のカメラを駆動する。全映像が1秒の数分の1で取られるので、身体はカメラの前又は間に置かれ、普通は長時間患者を不動化する又は身体又は肢を静止し
た侭保持する必要は無い。
【0017】
この速い画像取り込みの特徴は、小児スパイカギブス包帯又は獣医用装具の様な小児科又は獣医学医療デバイス用には特に重要である。他の種類の走査過程用に乳児又は動物を静止して保つことは非常に難しい。大抵の子供及び動物にとっては、ギブス作り及び装具作りは著しい痛み及び病気状態に付随するトラウマ的経験である。ギブス及び装具の取り付け及び取り外しの両者は不快感を伴う。多くの取り付けでは、子供及び動物はギブスの取り付け用に鎮静剤か又は麻酔か何れかを要する。例えば、股関節スパイカギブス包帯は手術室内で誘導睡眠中に患者に取り付けられることが最も頻繁である。
【0018】
子供の解剖構造の3次元画像の取込は子供が走査持続中不動に保持されることを要する。さもなければ、子供は沈静剤を要する。大抵の小児科応用では、写真測定のみが瞬間に近い3次元画像取り込みを提供する。マーキングと写真測定を組み合わせて、子供は装具用の仮想適合を受け、一方沈静剤や麻酔剤の必要を最小化し、トラウマの経験を減じる。多くの乳児は実質的量の乳児脂肪を有するので、乳児のマーク付けは下にある解剖構造の位置の識別用の最も効率的手段である。この技術の共通の応用は小児用スパイカギブス包帯、ペーブリック(Pavlik)装具、内反足ギブス、メタ細動脈内転ギブス、ブラウント病(Blounts disease)ギブス/装具、短下肢装具、小児足根関節ギブス、小児歩行ギブス、脊椎−テーエルエスオー装具(spine−TLSO braces)、ハロー身体ギブス、頸部カラー、斜頸装具及び他の医療デバイス、を含むが、それらに限定されない。画像からデータを得ることにより、長時間乳児又は動物を静止して保つ必要はない。
【0019】
もう1つの実施例では、単一3次元カメラが1つのカメラを介した軸外れ画像を同時に多数取り込んでもよい。該単一カメラはフィルムの1フレーム上に多数画像を取り込む。該多数画像は該3次元画像を取り込むために使われる。もし患者が非常に静止して留まれば、異なる角度で多数画像を取り込むために、患者の周りを動かされる単一カメラで患者の多数画像を撮ることも可能である。又、単一カメラは、適当な角度と位置から患者の画像を取り込むレンズシステムに結合されてもよい。
【0020】
精確な表面位置を得るために、身体上の基準点の各々は2つ以上の写真又は画像内で視認可能でなければならない。該画像はコンピュータ表面再生プログラムにより解析される。該プログラムは身体の表面形状を決定するために、デジタル画像相関としても知られる写真測定を通して基準点を3角法で測定する。基準点に加えて、患者上にマーク付けされる該デバイスの追加の特徴も画像内に示され、CADプログラムオペレーターに視認可能である。該特徴は装具又はデバイスのエッジ、孔、パッド、窓、ヒンジ、種々の材料、及び他の特徴を含んでもよい。システムオペレータ又はCADソフトウエアは該特徴を識別し、装具又はデバイス上のマーク付けされた場所に該特徴を追加してもよい。装具又はギブスが必要な時、患者は何等かの内部の傷害を負傷しており、MRI又はX線の様な追加情報が利用可能なことが多い。実施例では、写真測定は、アクセス可能である必要がある場所又は領域、又はすり傷に敏感な骨の位置、を識別するためにMRI又はX線データと組み合わされてもよい。該MRI及び/又はX線データを一体化することにより、該デバイスはもっと精密になり得る。他の様式からのデータの使用は、運動装具のより精密な範囲を与えるために、関節の回転軸を全平面内で精密に識別するのに特に有用である。
【0021】
他の実施例では、脚全体に亘る表面点用に、完全な脚を走査し、外面のデジタル表現である測定値を得るためにレーザー測定デバイスが使われてもよい。該脚を走査するために好適なレーザー走査器はポルヘムス(Polhemus)、ハンディスキャン3デー(HandiScan 3D)及びシングラブ(Thinglab)から入手可能である。代わりに、該脚は他の手段により測定されてもよい。デジタル走査データは次いでCADシ
ステムにより使われる面に変換されてもよい。この走査データ変換ソフトウエアはジェオマジック(GeoMagic)から入手可能である。完全な脚表面のデジタル表現は次いで、補てつ肢用の外面データとして使われる完全な肢のミラー画像を創るために、CADソフトウエアにより操作されてもよい。該補てつ設計者は該ミラー画像面を補てつ脚の他の部品と接合し、組立補テツ脚を表示するために該CADソフトウエアを使ってもよい。補てつ及びフェアリング設計用の好適なCADソフトウエアはプロ/エンジニヤ(Pro/Engineer)から入手可能である。背景で論じた様に、美容及び情緒的理由で、補てつ肢は完全な脚と対称な外観を有することが重要である。
【0022】
窩形状は、着用時該補テツ脚が快適であるように該切断肢の端部と非常に密接に対応せねばならない。該窩設計データは補てつ外科医により提供されるのが典型的である。脚表面データの様に、窩設計データは切断肢の端部の光学走査により得られてもよい。代わりに、該切断肢の端部は種々の機械的測定デバイスで手動により測定されてもよい。これらの測定値は窩表面形状を創るために使われるが、該表面形状は実質的には該切断肢の端部の逆の形状である。該窩設計は切断肢と該窩壁との間に置かれるパッド用材料を計算に入れてもよい。
【0023】
該ミラー画像完全肢データ及び窩データに加えて、補てつ脚は足を必要とする。実施例では、足は種々の寸法及びモデルで製造される在庫品である。或る足はユーザーがより効率的に走ることを可能にするエネルギー貯蔵部材を有する。代わりに、該足は完全な足にマッチするよう寸法取りされてもよい。在庫足のデジタル表現は該設計システムへアクセス可能なデータベースに記憶される。代わりに、足データは上記で説明したレーザー走査過程によりユーザーの完全な足のミラー画像データを創ることにより得られてもよい。
【0024】
補てつ設計者は、コンピュータ上に表示される完全な仮想補てつ脚を創るために、該脚表面データを窩及び足データと組み合わせるよう該CADシステムを使用する。ジーユーアイ(GUI)は一体設計ツールを使って補てつ脚部品が容易に変えられるようにする。これらのジーユーアイ制御装置は、該補てつ設計者が種々の方法で該補てつ設計を変えることを可能にする。ジーユーアイツールは該脚と共に使われた足を変えるため使われてもよい。該ジーユーアイツールは又特定のカラー、模様付けそして表面特徴を含むよう該脚を修正するため使われてもよい。かくしてユーザーは、完全な脚に対し実質的にミラー画像の補てつ脚を創るか、又は外観が非常に異なる脚を創ることが出来る。
【0025】
実施例では、補てつの脚又は装具は又、該補てつ脚又は装具の一部分をカバーする除去可能な層であるフェアリングを有してもよい。該フェアリングは除去され又は取り換えられ得るので、ユーザーは該補てつ脚又は装具の一部分の外観を変えることが出来る。該フェアリングはユーザーにより望まれる様に容易に変えられる。CADシステムは又補てつ設計者が種々のフェアリング設計を有する該補てつ脚又は装具を見ることを可能にする。例えば、該ジーユーアイはフェアリング材料制御器を有し、該制御器はユーザーが、金属、プラスチック、織物、革他を含む種々の材料製の多くの仮想フェアリングを見ることを可能にする。補てつ設計者は又該フェアリング用取り付け機構を選択するために該CADシステムを使用出来る。該取り付け機構は接着剤、ファスナー、磁石他を含んでもよい。該フェアリングは普通の肉体活動時取り付けられて留まるよう、補てつ脚又は装具に確実に取り付けられねばならない。該CADシステムが特に有用なのは、該システムがユーザーが製作前に特徴部とフェアリングの何等かの望ましい組み合わせを設計し見ることを可能にするからである。
【0026】
物理的外観に加えて、該補てつ脚又は装具は必要な使用法に充分な程強くあらねばならない。補てつ脚は走ったり、ジャンプする時ユーザーの重量及び衝撃を支えることが出来ねばならず、補てつ上腕は普通の使用力に耐えることが出来ねばならない。実施例では、
補てつ肢の強さは負荷支持塔の様な内部構造体により提供されてもよい。負荷支持しない外面は負荷支持塔の周りに取り付けられてもよい。より軽い構造体を創るために、該塔と外面の間に空虚空間が存在してもよい。他の実施例では、該肢は負荷支持部材として機能する外面を有して作られる。同様に、装具は負傷した肢を適当に支えるのに充分な物理的強度を提供せねばならない。補てつ肢及び装具を作るため使われる材料は非常に強いので、該システムは薄い壁の外面を設計してもよい。補てつ肢はことによると期待される負荷と外面壁を適当に支える内部構造体を有してもよい。
【0027】
CADシステムが補てつ脚の負荷支持部材を設計するため使われてもよい。補てつ設計者はユーザーの重量と活動レベルを該CADシステム内に入力し、次いで期待される負荷に基づいて必要な強度が計算されてもよい。該CADシステムは次いで該負荷要求を支えることが出来る負荷支持構造体を設計することが出来る。上記で論じられる様に、該負荷指示部材は負荷全体を支える内部の細長い構造体であるか、代わって構造体全体が負荷支持をする一体化設計であってもよい。該CADシステムは、内部負荷支持か或いは一体化構成か両者用に必要な強度を有する負荷支持構造体を設計するため使われてもよい。
【0028】
又、該CADシステムは補てつ脚設計に重要な情報を補てつ設計者に提供してもよい。例えば、補てつ脚の重量は、必要な強度、必要な材料容積そして材料の密度により変化する。一旦設計が完了すると、材料の容積と重量が決定出来る。フェアリングの重量は同様にユーザーにより選択される設計及び材料容積に基づいて決定される。該システムは該脚又は装具とフェアリングの見積もられた重量を設計過程で表示することが出来る。該補てつ設計者は該重量がユーザー用に適切かどうかを決定することが出来る。もし該重量が重すぎるなら、もっと軽量の材料を使うよう該補てつ脚及びフェアリングの設計は修正されてもよい。理想的には、該脚は、ユーザー用に必要な強度を提供しながら、出来るだけ軽くあるべきである。
【0029】
装具の実施例では、装具は、該負傷した肢の表面データに対応する内面を有する装具を作るために、負傷した肢を走査しそして表面データを使うことにより設計される。装具設計過程は引用により組み入れられる特許文献4で説明されている。一旦該設計が終了すると、該CADシステムにより作られた設計データは補てつ脚又は装具とフェアリングを作るため使われ得る。1実施例では、補てつ脚は、ユーザーの重量を支える内部負荷支持部材を囲む1つ以上の非負荷支持部品として作られてもよい。代わりに、該脚は、負荷支持部材の1部である外面を有する一体化構造体として作られてもよい。該補てつ脚は、追加の機械的強度を提供出来る内部フレームワークに結合された外部シェルを有してもよい。該設計データは外壁を規定する断面のシリースと、該補てつ脚を作るため使われる該補てつ脚の長さに沿う何等かの内部フレームワークと、を有する。他の実施例では、該補てつ脚又は装具は、期待される負荷を支えるのに必要な負荷支持強度を提供する外部シェルとして完全に中空のモノコック設計であってもよい。
【0030】
好ましい実施例では、該補てつ脚及び装具は、材料の槽に向けられるエネルギービームを使う迅速プロトタイプ化過程を通して作られる。同様な製作過程は付加的製造法、迅速製造法、成層製造法、3次元プリント法、レーザーシンタリング、電子ビーム溶融法(EBM)そして溶融材料堆積法(FDM)として公知である。これらの製作過程は材料を横切るよう屈折させられ、露光された材料を硬化させるエネルギービームを使う。
【0031】
断面設計データは、シーケンシャルなシリーズの層で該脚又は装具の部品の各々を作る製作機械により使われる。材料の各層が硬化されると、該脚又は装具の部品の完成部分が該槽内に垂直に移され、次の断面層が形成され、隣接する形成された層へ融着される。全層が形成されると、該補てつ脚又は装具が完成する。実施例では、下脚、上脚、窩、装具そしてフェアリングが別々の部品として作られ、該部品が該補てつ脚を創るため組み立て
られる。足と膝は在庫部品であるため、これらの部分は作られる必要はない。
【0032】
フェアリング製作方法は選択される材料と設計に左右される。もしフェアリングが革の様な薄く柔軟な材料で作られるなら、該フェアリング設計データは、該フェアリング材料を該設計形状に精密にカットするためコンピュータ制御カット機械により使われてもよい。代わりに、該フェアリングが、上記説明の迅速プロトタイプ化の方法を使って、該補てつ脚又は装具の外面の輪郭にマッチする3次元フェアリングを形成するため、柔軟なプラスチック材料又は金属シートで製作されてもよい。該フェアリングは該補てつ肢又は装具の周りに置かれ、該フェアリングの内面は完全な肢の外面のミラー画像か又は負傷肢の外面に対応してもよい。
【0033】
又、異なるフェアリング部品を組み合わせることも可能である。例えば、カーブしたプラスチックフェアリングが革の様な薄い柔軟材料でカバーされてもよい。かくして、該フェアリングはプラスチック及び革製とすることも出来る。
【0034】
該脚部品、装具そしてフェアリングの追加の処理が望ましい外観を得るために、組立の前に行われてもよい。表面処理は金属メッキ、ペイント塗装、カバー掛け、表面模様付け他を含む。例えば、もし金属仕上げが指定されたら、該部品は、公知の金属層付着過程を使って金属層でメッキされる。追加の表面処理が該金属層に適用されてもよい。例えば、該金属層はブラシ掛け、磨き、サンドブラスト掛け等をされてもよい。
【0035】
一旦、全ての部品が形成され、表面仕上げが適用されると、該補てつ脚又は装具は組み立てられる。該フェアリングは接着剤又はファスナーで該脚又は装具に取り付けられる。代わりに、該フェアリングは、もし該フェアリングがより堅く、該フェアリングが該脚又は装具の一部分を囲むなら、該補てつ脚又は装具の周りにクランプされてもよい。又、該補てつ脚又は装具は該フェアリングを位置的に保持するよう機能する表面特徴部を有してもよい。例えば、該フェアリングのエッジに対応する凹部が該補てつ脚又は装具の外面に形成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
本発明は図面と連携する本発明の下記詳細な説明を参照することにより充分に理解される。
【図1】従来技術の補てつ脚の図面である。
【図2】背部装具製作用に医師によりマーク付けされる患者を図解する。
【図3】マーク付けされ、撮影される患者を図解する。
【図4】複数のカメラにより撮影される患者の平面図を図解する。
【図5】患者の1部分のデジタル表現を表示するコンピュータを図解する。
【図6】背部装具用の設計過程を表示するコンピュータを図解する。
【図7】該デジタル表現から設計される基本的背部装具を図解する。
【図8】完全な脚と、切断肢の端部と、を測定するため使われる走査デバイスの図面である。
【図9】補てつ脚の負荷支持部品の図面である。
【図10】補てつ脚を設計するため使われるテンプレートにより囲まれた負荷支持部品の図面である。
【図11】望ましい形状に微調整された負荷支持部品を囲むフレームワークの図面である。
【図12】補てつ脚のフレームワーク上に置かれたフェアリングの図面である。
【図13】脛骨フェアリングの背面図である。
【図14】位置付けられた脛骨フェアリングと、露出された腓骨範囲と、を有する補てつ脚の背面図である。
【図15】補てつ脚設計を表示するコンピュータスクリーンを図解する。
【図16】凹部範囲を有する補てつ脚の図面である。
【図17−18】ニッケル仕上げと取り付けられた革フェアリングとを有する補てつ脚の図面である。
【図19】外面に取り付けられたフェアリングを有する上腕装具を図解する。
【実施例1】
【0037】
本発明は人体の肢の表面輪郭にマッチする外面を有する補てつ脚、又は人体の肢の表面輪郭にマッチする内面を有する装具である。又外面は修正されるのでユーザーは補てつ脚又は装具の外見を変えることが出来る。取り換え可能なフェアリングが該補てつ脚又は装具の一部分をカバーするよう設計される。該補てつ肢又は装具と、フェアリングと、はコンピュータ上で設計され、該設計データは、コンピュータ制御される製作機械を使って該補てつ脚又は装具の部品を作るために使われる。該補てつ肢又は装具はコンピュータ支援設計(CAD)プログラムを使って設計者により設計されるのが好ましい。
【0038】
発明された補てつ脚の実施例は人体の脛骨として機能する負荷支持部品を有する。該負荷支持部品の上端は切断肢の端部と契合する窩に取り付けられ、該負荷支持部品の下端は人工の足と結合される。該足は可撓性を有し、該負荷支持部品と該人工足の間の動きを許容する。該足は又ユーザーが走る時該補てつ脚の肉体的動作を改善するエネルギー貯蔵部品を有してもよい。該窩、膝及び足の動きのみならず、該窩、膝及び足の相対位置を含む該補てつ脚の機械的データは補てつ外科医により提供されてもよい。この機械的データは該補てつ脚の残りを設計するため使われるCADプログラムに入力される。適当なCADプログラムの例はパラメトリックテクノロジー社(Parametric Technology Corporation)によるプロ/エンジニヤ(Pro/Engineer)である。他のCADソフトウエアはダッソーシステム、エス.エイ.(Dassault Systemes,S.A.)の子会社であるソリッドワークス社(SolidWorks Corporation)によるソリッドワークス(SolidWorks)を含む。
【0039】
好ましい実施例では、該補てつ脚の外面はユーザーの完全な脚にマッチするミラー画像であるか、又はユーザーの完全な脚の画像から尺度合わせされる。その広い意味の写真測定は対象の平坦な2次元画像を真の3次元対象面に戻し変換することにより写真の過程を逆転させる。3次元対象を再生するには2枚以上の異なる写真が必要である。完全な写真測定過程では、2枚の写真が該3次元物体を完全に再生するのに充分な情報を提供する。不運にして、写真及び測定過程は一般に完全ではないので、2枚の写真に基づく3次元対
象の再生も欠陥を有する。写真測定対象測定過程は、より多くの写真を取り、精度を改善する特別情報を使うことにより改善出来る。写真測定過程は、多数の写真から得られる測定値から対象の表面を表す3次元座標のセットを作る。
【0040】
写真測定は3角法での測定の原理を使うが、そこでは空間内の交叉する線が、全ての3つのXYZ寸法での点の位置を計算するため使われる。実施例では、脚又は身体部分を同時に撮影するため多数のカメラが使われる。1セットの点を3角法で測定するために、該セット内の全ての映像についてカメラ位置と、“配向”とも呼ばれる狙い角と、を知らねばならない。リセクションと呼ばれる過程が各カメラ用のカメラ位置と狙い角計算を行う。該カメラは又、該カメラの誤差が規定され、取り除かれるよう校正されるべきである。
【0041】
3角法測定は、3次元点測定値を作るため写真測定で使われる原理である。空間内で数学的に交叉し収斂する線により、点の精密な位置が決定され得る。写真測定は、同時に3角法で測定される点の数への仮想的な限定は無いので、多数点を同時測定出来る。少なくとも2つ以上の異なる位置から映像を取り、各映像内の同じターゲットを測定する、ことにより各カメラ位置からターゲットまでの“視線”が展開される。カメラ位置と狙い方向は既知なので、該線は各ターゲット点のXYZ座標を作るために数学的に交叉させられる。
【0042】
リセクションは、カメラ位置と、カメラの配向としても知られる狙い方向と、に基づき、写真データから対象の座標を決定するため使われる手順である。見えて、画像内のXYZ座標で知られる全ての点はこの配向を決定するため使われるのが典型的である。精確なリセクション用に、各写真内に12以上の良く分布した点を有するのがよい。もし対象上の点のXYZ座標が既知であれば、該カメラの配向は計算される。カメラの位置と狙い方向の両者がリセクション用に必要であることを実感することは重要である。カメラの位置を知るだけでは充分でなく、何故ならばカメラが同じ位置に配置されても、どんな方向でも狙い得るからである。結果として、3座標で規定されるカメラの位置と、3つの角度座標で規定されるカメラが何処を狙っているかと、が知られねばならない。かくして、3つの値はターゲット点のX、Y及びZ座標を規定するため必要だが、6つの値、すなわち位置用のXYZ座標、及び狙う方向用のXYZ角度、が映像上の点を規定するため必要である。
【0043】
又撮影される面は、各写真上に現れる、精密な面測定用の最小数の良く分布された基準点を有すべきである。該基準点は、写真上で明らかに示される視認可能なコントラストを提供する、対象上に置かれた可視マークであってもよい。各写真上には少なくとも12の良く分布した基準点と対象の面全体について少なくとも20の点が存在すべきである。該基準点は対象上にそして写真を通して等しく分布されるべきである。基準点の数が多い程、対象の面はより精密に測定され得る。
【0044】
患者の皮膚をインクマーカーでマーク付けすることは可能であるが、好ましい実施例では、患者は弾性的綿チューブ、ストッキネット、レオタード、ボデイスーツの様なフォームフィッティング材料でカバーされる。他の実施例では、体はフォームフィッティング材料で捲かれてもよい。もう1つの実施例では、身体表面は、該身体に適合し、マーク付けされ、画像取り込み後は容易に除去される、柔軟なプラスチック又はゴム材料の様な除去可能な材料でスプレイされる又はペイントされてもよい。図2を参照すると、患者101は該患者の体、上腕及び脚をカバーするボデイスーツ103を着て図解されている。かくして、該マーキングは患者よりも寧ろフォームフィッテイング材料に付けられる。該マーキングはインク、鉛筆、クレヨン、グリース、グラファイト、テープ又はマーキングデバイスにより放たれるどんな他の粒子を含んでもよい。他の実施例では、該マーキングはペン先端と患者をカバーする材料又は他のマーキングの間の化学的又は磁気的反応を有してもよい。該ペン先端は視認可能な化学反応又は磁気材料線を創るよう該材料上で動かされてもよい。該マーキングは又接着性ステッカー、光点、又は患者上に投影される光格子を含んでもよい。
【0045】
実施例では、コンピュータプログラムが全測定点の最終XYZ座標を作るために写真測定値を処理する。これを行うために、該プログラムはターゲット点を3角法で測定し、映像をリセクトする。該プログラムは又カメラを校正する。3次元測定の典型的精度は理想的動作条件下では非常に高い。例えば、該測定値は50−100ミクロン(0.002インチから0.004インチ)まで精確である。しかしながら、写真測定の測定値の精度は著しく変わり、それは精度が幾つかの相互に関係する要因に依るからである。重要な精度要因にはカメラの分解能及び品質、測定される対象の寸法、取られる写真数、対象及び相互に対する映像の幾何学的レイアウトが含まれる。
【0046】
写真測定の測定値は無次元である。写真測定の測定値をスケール合わせするため、少なくとも1つの既知距離が必要である。該既知距離は対象上にマーク付けされた距離でもよい。例えば、或る目標点の現実の座標が既知であれば、これらの点間の距離は決定され、該点は測定値をスケール合わせするため使われる。もう1つの可能性はその上にターゲットを有する固定具を使い、対象と共に該固定具を測定することである。該固定具上のターゲット間の距離は既知であるから、該距離は対象上の基準点間の他の測定値をスケール合わせするため使われ得る。この様な固定具は普通スケールバーと呼ばれる。
【0047】
実施例では、本発明の方法は損傷肢用のギブス又は装具を作るために使われる。該損傷肢の一連の写真が取られる。もし骨が損傷していれば該写真が取られる前に骨折は整復されるべきである。次いで上記で説明した写真測定処理法が損傷肢の表面座標を得るため使われる。肢上の共通表面点を規定するために、該肢上に基準点が置かれてもよい。該基準点は単に何等かの際だったカラー又は反射の点、パターン、形、物、表象、又は容易に見える他の光学的標識であってもよい。好ましい実施例では、該基準点は肢全体、又は装具が作られる身体の部分、の周りに置かれ、等しく配分される。
【0048】
基準点に加えて、患者は又装具のエッジ又は他の特徴を規定するためマーク付けされる。図2を参照すると、医者は該装具のエッジの位置を規定するためボデイスーツ103をペン105でマーク付けする。該エッジマーキングは体又は肢の周りに延びる1本以上の連続線107であってもよい。他の実施例では、該エッジは装具のエッジを規定し、装具設計時に接続される1連のマークにより規定されてもよい。該装具内に開口部を創るために患者上に追加の線109がマーク付けされてもよい。例えば、患者は縫い目で閉じられ、堅い装具と接触されるべきでない手術で損傷した範囲を有する。該装具内に開口部を提供することにより、該患者の縫い目は該装具構造体に対し押し付けられないであろう。図2では、医者は患者の体のこの部分付近に円を画いたので、該装具はこの範囲用のカットアウトを有するよう設計される。医者は又ボデイスーツ103上に注意書きをしてもよい。該医者はL6ディスクの位置を示すために、患者上にインクで“L6”を書いた。医者は又大腿の大転子に十字111を、肩甲骨に破線113をインクでマーク付けした。これらの解剖構造の位置は装具の設計に重要であり、従ってボデイスーツ103上にマーク付けされる。該線、装具エッジ、孔、及び表記を規定するため使われるマーキングは黒又はカラーインク、鉛筆、クレヨン、グリース、グラフアイト、テープ又は何等かの他の可視線マーキングであってもよい。写真測定は写真を使うので、デジタル映像はその線又は他のマーキングを全部記録する。
【0049】
図3を参照すると、複数のデジタルカメラ121で患者の写真が取られる。この例で、カメラ121はブラケット123上に設置され、既知間隔だけ水平方向に隔てられる。該カメラ121は同じ水平位置を有し、レンズは同じ平面内にあり、相互の方に内方へ角度
付けされている。レンズの角度は約5から45度の間にある。患者101とカメラ121の間の距離も既知である。2つのカメラ121は同時に駆動されるので、2枚以上の写真が同じ位置の患者101を表す。身体輪郭の情報を得るために、身体の全表面が装具によりカバーされるよう、マーク付きボデイスーツ103を着た患者101の映像が全体の広さ内で種々の角度から取られる。各写真は少なくとも12の基準点を有すべきである。該写真を処理し、写真内の該基準点と他の線とマーキングを3角法で測定することにより、身体表面を表す座標が得られる。
【0050】
図4を参照すると、患者101とボデイスーツ103を撮影するため使われるカメラ121システムの平面図が図解される。実施例では、ブラケット123上に設置され、開いた空間内に位置付けられた複数のカメラ121を含む装置が患者101を撮影するため使われる。カメラ121は患者101の方へ向けられ、2つのカメラ121グループとなって配置される。カメラ121はカメラを保持するブラケット123上に設置されているので、該カメラは略同じ方向に向けられているが相互の方へ僅かに角度付けられている。カメラ121は水平方向に整合されるが垂直軸線の周りに僅かに回されたレンズを有して位置付けられるので、カメラ121のレンズは平行ではない。この角度はカメラ121が該面の差を解析することを可能にするので、人間のステレオ視認に於ける程多く3次元表現が生じる。
【0051】
この例では、カメラ121の4つのグループが患者101の周りに設置され、各グループは2つのカメラ121を有する。かくして、各々が異なる角度からの8枚の患者101の写真が取られる。カメラ121により取られた映像は一緒になって体幹全体をカバーする。カメラ121の位置は関心のある範囲に依り動かされてもよい。図解では、カメラ121は背部装具用のデータを集めるよう構成されている。しかしながら、もし脚装具が作られるなら、カメラ121は脚付近の位置に下げられてもよい。
【0052】
アクチュエーターがカメラ121の各々に接続され、全部のカメラに肢を同時に撮影させるため使われてもよい。代わりに、カメラ121の対は同時の対象の画像を取り込むために全てが同時に映像を取るよう同期化されてもよい。シャッター速度は僅か数分の1秒であるのが典型的であるから、長時間患者101を絶対的に静止するよう保つ必要はない。他の実施例では、1つのカメラが患者の多数画像を取り込むよう使われてもよい。この実施例では、該カメラは多数画像を同時に又は短時間内で取り込んでもよい。該カメラは各々が異なる画像を取り込む多数レンズを有してもよい。代わりに患者はカメラに対し移動してもよい。患者を回し又は患者の周りでカメラを回し、そして多数の写真を取ることにより、1つのカメラが表面の特徴と他のマーカーデータを得るため使われる多数画像を取り込むことが出来る。
【0053】
上記で論じた様に、写真が処理され、3次元データを発生するため使われるが、該データは患者101の外面を精密に記述する。該3次元データは次いで装具又はギブスを設計し、作るために使われる。該表面データは非常に精密なので、装具又はギブスは全ての検出された表面輪郭を見越した誂えの適合性を有する。該誂え適合の内面に加えて、エッジ又は装具特徴もエッジ又は特徴マーキングにより明らかに規定され、装具又はギブスの設計に役立つよう使われる。
【0054】
或る場合には、患者の身体的条件により、写真測定画像が精密な装具に帰着しないことがある。例えば、もし患者が肢を損傷していれば、損傷の範囲は腫れている。かくして、肢のどんな写真も腫れてない肢より遙かに大きい走査データに帰着する。実施例では、もし該患者が損傷した肢と同様な完全な肢を有するなら、該完全な肢が撮影され、該完全な肢から得られた表面データが、該損傷肢の装具用に必要なデータを創るために、ミラーの仕方で逆にされてもよい。該装具は、腫れが減じた時装具が患者用に用意されるよう設計
され、作られる。
【0055】
写真測定は光学的及びレーザーによる走査を含む他種表面走査法を上回る種々の利点を有し、何故ならば該写真測定は医者により患者上に置かれた身体又は装具の特別の部分を示すよう使われるマーキングを検出するため使用されるからである。例えば、医者は何等かの数の記号を区別するために、該医者が後で誂えデバイス過程で参照するインク又は他のマーキングを患者上に画いてもよい。これらのマーキングは、誂えの補テツ器/矯正器の境界、骨隆起範囲、脂肪組織のひだ、特殊基準椎骨、避けるべき身体上の敏感範囲(発疹、臍、黒子他)、高い換気を要する範囲、邪魔のない運動を可能にする関節周りの空き範囲、セットアップ記号、装具内に後で追加圧力を付加する‘シム’用の基準境界そして種々の他の情報、を示してもよい。該身体マーキングは患者上の種々の種類の基準点を識別するため使われるカラーの点、線又は表象、模様付きマーカー、反射性又は他のコードであってもよい。例えば、患者は装具又はギブスの望ましい境界を示すため第1カラーでマーク付けされる。該患者は骨隆起又は敏感範囲を示すため第2カラー又は模様付きマーカーでマーク付けされる。骨隆起又は下にある骨の解剖構造は皮膚破れの傾向のある範囲であるから、装具はこれらの範囲への擦過傷又は損傷を避けるためにこれらの範囲上で特別の特徴を有してもよい。例えば、設計過程時、オペレーターは骨の解剖構造としてマーク付けされた患者の身体の範囲上で装具を小さくしてもよい。例は肩胛骨の領域上への装具の配置である。肩胛骨とその境界を手で触診するが、表面形態に基づき決定するのは難しい。装具は適当に機能するように肩胛骨に適合せねばならない。本技術では、肩胛骨のエッジ又は本体の場所が患者上でマーク付けされ、装具の本体は装具の輪郭内の誂えパッド又は逃げで骨のエッジに適合する。
【0056】
装具は患者に快適である様なパッドを要する。パッドの位置は上記説明の様に患者上にマーク付けされる。例えば、パッドの位置及び形はパッドの形の中のコード化されたマーキングで示されてもよい。CADシステムは該パッドマーキングを検出し、指定された形にマッチするパッドを作ることが出来る。製作過程時、パッドは厚さ及び堅さの範囲内の柔らかい弾性のある材料で作られる。例えば、CADデータはパッド材料の在庫シートからパッドをカットするよう使われてもよい。該CADシステムは又該パッドを適合させるよう装具を設計する。例えば、装具はコード化され、マーク付けされた範囲に形成される凹部、又は他の取り付け機構を有するよう設計され、製作される。患者表面データが装具とパッドの両者を形成するため使われるので、それらは非常に精密に相適合する。もしパッド位置上で装具内に設計される換気孔があれば、該パッドは又装具内の換気孔と整合された換気孔付きで設計される。
【0057】
装具が患者に適合すると、医者は複数のパッドを有し、患者用の最良パッド厚さを選択出来る。装具は強く、耐久性ある材料で作られるので、パッドは装具の使用と共に着用され、周期的に取り換えられる必要がある。医者は装具データから作られた追加のパッドを有してもよい。追加のパッドは又、該パッドが装具に適合する外面と、腸骨稜の様な骨の隆起の様な複雑な面形状を有する範囲で患者の解剖構造に適合する内面と、を有するよう付加的製造過程を使って作られてもよい。
【0058】
他の実施例では、該コード化されたマーキングはパターン、表象、模様付きパッド、バーコード、3次元物体又は患者上に置かれた又はマーク付けされた他の標識であってもよい。該コード化されたマーキングは黒又はカラーのインク、鉛筆、クレヨン、グリース、グラファイト、テープ、又は何等かの他の可視線マーキングであってもよい。これらのカメラはそれらのデータ入力用に写真の画像を使うので、患者上の該コード化されたマーキング又は地形は装具/ギブス設計ソフトウエアにより識別される。本発明の過程は種々のパッド模様のみならず種々のカラーコーディングも区別することが出来る。該模様は溝、エッチされたパターン、凸又は凹面、他を有してもよい。各模様はマーカー位置の装具の
種々の特徴を表す。検出システムソフトウエアはコード化されたカラー又は模様を自動的に検出し、識別する。該ソフトウエアは患者上に位置付けられたコード化されたカラー又は模様に付随する装具の請求される特徴を自動的に設計する。追加のマーキングは患者のデジタル表現に転送され、装具又はギブスの設計を助けるために使われる。
【0059】
走査された身体データが装具を設計するため使われる過程が図5−9で図解される。図5はCADスクリーン221上の人間体幹201の走査された画像を図解する。体幹201の輪郭は精確に測られ、患者上に置かれた追加のマーキングも走査データ上に図解される。この例で、医者は患者の大腿骨の大転子の十字211を画くので該装具は脚の動き用にこの範囲内に特別の空間を有するよう設計される。線のマーキング208は装具の望ましい境界を示し、線212は装具の側内の孔を示す。黒又はカラーのインク、鉛筆、クレヨン、グリース、グラファィト、テープ又は何等かの他の可視マーキング媒体で書かれた表記“L6”は又写真測定走査データから視認又は検出出来る。
【0060】
図6を参照すると、装具のエッジを表す線208がハイライトにされる。装具内に形成されるべき孔を表す線212は装具設計者によりハイライトにされた。この実施例では、該線をハイライトにするためにマウスに制御されるカーソル215が使われる。他の実施例では、設計者は線全体をハイライトにするために該線上のクリックを選択してもよい。この例では、暗い線は装具から除かれるべき線の部分を表す。しかしながら、何等かの他の視認可能なマーキングが除去されるべき線の部分を識別するために使われてもよい。
【0061】
或る状況では、装具又はデバイスは患者の被走査面データに完全にはマッチしない。例えば、設計者は又大腿骨の大転子の位置を表すマークされた十字211を見越してもよい。該マーキングは写真測定時取り込まれた画像上に示され、十字は大転子の位置を示す指定された表象であってもよい。ソフトウエアは次いで装具のこの部分を膨張させることにより大転子の上の装具の設計を調整する。
【0062】
もう1つの例では、患者は側弯症を有し、患者の普通の姿勢を変える矯正背部装具を必要とする。該装具は湾曲奇形を整復するために背部の湾曲を矯正するため使われる。背部の写真が上記説明の表面データを得るため取られてもよい。しかしながら、表面が表面特徴として背骨を示さないなら、現実の脊椎位置は検出されない。背部の棘突起を明らかに示すために、医者は各々の位置をマーク付けする必要がある。該マーキングは特定の骨を識別するか、又は損傷した骨を示すために、コード化されてもよい。該マークは黒又はカラーのインク、鉛筆、クレヨン、グリース、グラファイト、テープ、又は何等かの他の可視線マーキングであってもよい。該マーキングは該骨を囲み、十字マークであるか、又は骨の位置を明らかに識別する何等かの他のマークであってもよい。写真測定画像が処理される時、棘突起の位置は明らかに示される。背面と棘突起位置は次いで背部装具を設計するため使われる。
【0063】
検出された脊椎の位置を使う背部装具を設計するよりも、該背部データは患者の背部を真っ直ぐにする装具を創るために変型されるのがよい。設計者は、脊柱の全長及び湾曲の測定値と、装具の望ましい湾曲変更値と、を得る。装具と正常背部位置の間の差は患者の医師により指定されてもよい。設計者は、装具により規定される望ましい内部容積を保持しながら、より真っ直ぐな背部装具を設計するために記録された背部湾曲を調整する。1実施例では、設計プログラムは、装具の1つの部分の調整が該装具の他の部分に持ち越されることを許容する装具設計の調整用システムを有する。例えば、もし背部データが撮影された脊柱湾曲を示すなら、設計者は該湾曲を整復するよう尖りを操作することも出来る。尖り部分のみを調整するより、該プログラムは装具の周囲部分への同様な調整を行うので、矯正装具は患者に適当に適合する。例えば、装具は、各々が異なる棘突起に対応する多くの異なる薄い水平セクションに分けられてもよい。1つのセクションが動かされると
、他のセクションはより少ない程度に動くので、側弯湾曲は整復される。CAD設計上で装具の他のセクションの動きをスケール合わせするアルゴリズムが使われてもよい。1つのセクションが動かされる時、装具の種々のセクションを自動的に調整することにより、装具設計は簡単化され、精密になる。
【0064】
他の実施例では、設計された装具又はギブスは患者から取られた写真測定の測定値から変わってもよい。例えば、患者は外傷又は炎症で腫れていてもよい。装具設計システムは該腫れを見越し、設計者が、腫れが引いた後患者に適合するもっと小さい装具を創ることを可能にする。実施例では、該システムは完全な侭の肢の写真を使い、腫れた肢の装具用のガイドとしてそのミラー画像面データを使う。該完全な侭の肢は損傷した肢に完全にはマッチしないが、多くの場合、適当な装具又はギブスを形成するには充分に精確である。
【0065】
図7では、孔線209内部の範囲と、エッジ208の外側の体幹範囲と、が除かれた体幹が図解される。示されてないが、該CADソフトウエアを操作する設計者は装具210のどんな図面でも示すよう該図解された体幹を回転することが出来る。基本的装具設計品を創生するために内部体幹面に材料厚さが付加されてもよい。写真測定システムによりマーキングが精密に検出されるので、マーク付けされたエッジと孔位置の全部がデジタル表現に転送され、必要な装具境界と特徴部は患者を再検査又は再測定することなく精密に識別される。該過程は装具210の基本設計を完成する。
【0066】
同様な写真測定過程が補てつ肢の外面形状を創るため使われてもよい。他の実施例では、完全な脚の表面データは写真測定過程により得られ、該CADプログラムに入力される。図8を参照すると、完全な3次元デジタル画像を得るために、完全な脚205は多数の側からデジタルカメラ207により撮影される。該デジタルカメラ207は、脚205の表面上の多くの点の形状測定値のデータセットを創る。該3次元デジタル画像の精度と詳細は脚205のより多くの写真を取ることにより改善される。完全な脚205のデータを得ることに加えて、説明される写真測定過程は又切断肢209の端部の表面測定データを得るため使われてもよい。又該デジタルカメラ207はカラー情報を集めるために使われるので、完全な脚205の正確なカラー(複数を含む)が決定され、補てつ脚を創るために使われる。写真測定は完全な脚の表面を決める好ましい方法であるが、他の実施例では、この情報を得るために、何等かの他の光学式、電磁式、レーザー走査式又は機械式の方法が使われてもよい。幾つかの走査システムはミリメートルより細かい解像度で表面輪郭を検出出来るが、説明された走査は完全な脚の外観を修復するためにはこのレベルの精度を要しない。
【0067】
該走査データはCADプログラムにより読まれる使用可能な表面フアイルに変換される。特に、完全な脚205の走査からの表面データは完全な脚205の形状を再生過程を通して外挿してもよい。該再生過程は、多角形モデルを形成する多数の小さな多角形形状から連続面を作るために、点クラウドとして知られる、隣接点を該被走査脚データからの線と結合するアルゴリズムを使う。該再生過程で作られるデータは、完全な脚205の面に近くマッチする連続3次元デジタル表現である。同じ再生過程は切断肢209の端部の表面データを得るために使われてもよい。走査器データ再生過程を行うため使われるソフトウエアの例はジオマジック(GeoMagic)によるジオマジックスタジオ(Geomagic Studio)及びパラメトリックテクノロジー社(Parametric Technology Corporation)によるプロ/エンジニヤ(Pro/Engineer)用のプラグインモジュールであるプロスキャンツール(Pro Scan Tools)である。
【0068】
完全な脚用の再生面フアイルはCADプログラムに入力される。補てつ設計者はミラー画像デジタル表現を創るために完全な脚のデータを逆転し、操作するために該CADプロ
グラムを使ってもよい。このミラー画像データは次いで補てつ脚の外面の設計で使われる。補てつ肢又は装具の外側構造体又はフェアリングが時には正常肢に比べて過小寸法に見えることが見出された。これは生物学的パララックスである。この過小寸法の外観を補償するために、該外面又はフェアリングの幅が比例的に拡大されてもよい。この拡大は約1から15%であってもよい。かくして、完全な肢のミラー画像は走査され、装具、フェアリング又は補てつ肢の外面用の表面データが得られてもよい。この外面の幅又は半径方向断面寸法はミラー画像データより1−15%だけ増加させられる。長さ寸法は完全な肢にマッチするので、長さは実質的に相互にマッチする。かくして、外面は完全な肢の幅に尺度合わせされた画像となる。
【0069】
切断肢209の端部の表面を表すデータは又、補てつ脚窩の内面を表すデジタルデータを創るよう操作され、逆転される。該窩と切断肢209の端部との間のパッド付け用にことによると幾らかの空間を許容するためにこの面を拡張することが必要かも知れない。
【0070】
該脚と該窩のデータは該補てつ脚の外面を形成するために使われるが、機械的部品も充分な機能設計用に求められる。図9を参照すると、該切断肢209の端部に対する人工膝331及び足335の正確な相対配置を決めるためにユーザーは補てつ外科医と相談してもよい。補てつ外科医は完全な肢205の測定値を使い、この情報を、補てつ脚内の窩、人工膝331及び足335の相対位置を決めるスタート点として使う。
【0071】
膝331は人体の膝の運動を真似する多数のリンク機構組立体を含む在庫品である。種々の寸法の患者と種々の期待される使用法用に種々の膝が必要となる。これらの膝の寸法と動きはコンピュータデータ記憶部内に記憶されている。補てつ外科医は患者用に最適な膝を選択し、該選択された膝331のデジタル表現が補てつ脚を精密に設計するため使われる。
【0072】
補てつ脚と共に使われる人工足335も在庫品である。人工膝の様に、種々の種類の足のデジタル表現が入手可能である。適当な足が患者用に補てつ外科医により選択され、そのデジタル表現が補てつ脚の設計で使われる。例えば、図9に示す足335は、圧縮力がヒール341及びトウ343に印加された時、エネルギー貯蔵とクッション作用を提供するよう柔軟な材料で作られる。この種の足は、規則的に走ることを好む非常に活発な人用に特に有用である。代わって、足又は該足335上に置かれるフェアリングは、上記で説明した様に完全な脚をレーザー走査することにより創られるユーザーの完全な足のミラー表現に基づいてもよい。
【0073】
切断肢209の端部に対する人工膝331及び足335の配置は補てつ外科医により指定され、CADプログラム内に入力される。これらの部品はコンピュータ上で補てつ脚内に表示される。該CADプログラムは部品を拡大、回転、追加又は除去するか、又は変更するよう該部品を操作し、補てつ脚の運動を示すことが出来る。全ての内部の機械的設計情報は、将来の変型又は補てつ製作用にコンピュータに読み込み可能なフォーマットで保存される。
【0074】
内部の機械的部品データとミラー画像表面データはCADプログラムで補てつ設計者により創られた仮想補てつ脚内で一緒に合体される。該表面データと該内部機械部品の合体は種々の方法で行われてもよい。1実施例では、外面は薄い材料製で、完全な脚のミラー画像形状を有する、非負荷支持構造のフェアリングである。該フェアリングは内部フレームワークを形成する断面テンプレートのシリーズ及び縦部材と結合されるが、該フレームワークは内部機械的部品に取り付けられる。該外面は非負荷支持性であるので、該内部部品と外側フェアリングは別個の構造体である。もう1つの実施例では、外面と機械的部品は一体化構造体となるよう設計され、外面は負荷支持強度の1部を提供する。
【0075】
図10を参照すると、補てつ脚の非負荷支持外面部の実施例が図解される。テンプレート451は脚の長さに沿う平行構成で内部部品の周りに置かれる。各テンプレート451は外面を超えて延び、各々はフェアリング453の対応する内面まで微調整される。フェアリング453は補てつ脚(又は装具)の周りに置かれ、テンプレート451の各々と交差する。該フェアリング453とテンプレート451とが仮想空間内で図解されるので、それらは設計段階の時は相互に通過し合う。該フェアリング453は装具及び補てつ肢の両実施例では実質的に類似である。
【0076】
図11を参照すると、補てつ脚889のフェアリング453の外面が示され、フェアリング453は膝331の下では除去されている。テンプレート451は、フェアリング453の内面を超えて延びるテンプレート451の部分を取り除くようカットされている。追加の縦部材461が該テンプレート451に取り付けられ、補てつ脚889の長さに沿って延びている。縦部材461の外側エッジは又フェアリングの内面と対応する。テンプレート451と縦部材461はフェアリング453の形状を保持するのを助ける内部フレームワーク463を提供する。補てつ設計者は該フレームワーク463の強度を制御するために該テンプレート451と縦部材461を変えてもよい。与えられた強度のより多くのテンプレート451と縦部材461はより強いフレームワーク463と補てつ脚に帰着する。
【0077】
装具の実施例では、装具は又、テンプレート451と、該テンプレート451に取り付けられた縦部材461と、を有してもよい。装具の内面は負傷肢の外形に適合する。
【0078】
補てつ設計者は又動く補てつ脚の範囲内で柔軟であるようフェアリング453を設計してもよい。図12を参照すると、脛骨フェアリング453は補てつ脚889のフレーム463及び足335の上に置かれる。非負荷支持フェアリング453はナイロン6又は12の様な高強度で柔軟なポリアミド製であってもよい。この実施例では、フェアリング453は補てつ脚の脛骨及び腓骨の周りを取り巻く。該フェアリング453は又足335及び膝331の何等かの期待される動きと共に曲がる。図解される様に、フェアリング453は膝331の前のみをカバーする狭いセクションを有するよう設計されてもよい。膝331に於けるこの薄いフェアリング幅は該フェアリング453がこの範囲でより柔軟であることを可能にする。フェアリング453は足335の前のみをカバーするよう設計されてもよく、該設計は容易な動きを可能にする。密接な適合用に、フェアリング453の内面は補てつ脚889のフレームワーク463の外面とマッチする。かくして、フェアリング453の内面は患者の完全な肢の外面の輪郭に対応する。
【0079】
図13を参照すると、補てつ脚889の後部部分が図解される。この実施例で、フェアリング453は、補てつ脚889の上部部分の周りを殆ど完全に取り巻き、切断肢206の端部と窩をカバーする。該フェアリング453は腓骨部分671をカバーせず、該フレームワーク463を形成するテンプレート451及び縦部材461は露出される。テンプレート451の様に、該縦部材461は内側負荷支持部材から該フェアリング内面まで延びる。他の実施例では、補てつ設計者は該フェアリング453を腓骨部分671付近に延ばすか、又は該補てつ脚889の腓骨部分671の周りを取り巻く別のフェアリングを追加する。
【0080】
図14を参照すると、補てつ脚の脛骨のみをカバーし、膝の上に延びないフェアリング663の内面図が図解される。該フェアリング663は足根関節の所で曲がり、補てつ脚の足部分に取り付けられるよう設計される。フェアリング663の厚さは補てつ設計者により調整される。薄い材料程より柔軟であるから、曲がるよう設計される範囲は、フェアリング663の動かない部分より薄い壁で設計される。フェアリングは厚さが均一であっ
てもよく、フェアリング453の内面及び外面の両者は患者の完全な肢の検出された外面輪郭に対応する。同様に、もしフェアリングが装具実施例で使用されれば、該フェアリング453の内面及び外面は患者の負傷した肢の検出された外面輪郭に対応する。
【0081】
前に開示した実施例では、内部の負荷支持部材の周りに設置されるフレームワーク及びフェアリングを創るためにCADソフトウエアが使用された。他の実施例では、脚の外面は内部フレームワークに接着され、両者は負荷支持部材として機能する。図15を参照すると、内部フレームワークに接着され、負荷支持部材として一緒に機能する外面981を有する補てつ脚987がCADプログラムを使って設計される。該補てつ脚987は膝関節983及び足関節985に直接取り付けられる。この実施例では、該フェアリングは、フレームワーク上に直接よりも寧ろ、補てつ脚987の外面981上に置かれる別部品として設計される。
【0082】
或る場合、ユーザーは、補てつ脚が完全な脚の正確なレプリカではないよう、脚とフェアリングの設計を変えることを願うかも知れない。同様に、装具とフェアリングは負傷肢に正確にはマッチせぬよう設計されてもよい。ユーザーは又補てつ脚用に多数の互換可能なフェアリングを有することを欲するかも知れない。該補てつ設計者はフェアリング及び脚又は装具用の元の設計データを修正するCADソフトウエアを使用し、ユーザーが独特の個人的なデザインを創ってもよい。脚、装具及びフェアリングはどんな望まれる外観を有するように設計されてもよい。
【0083】
1実施例では、CADシステムは設計者が脚、装具及びフェアリングの外観を容易に変えることを可能にするグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を有してもよい。ジーユーアイは該フェアリング、装具及び脚が特定のカラー、材料、マーキング及び表面特徴部を伴って見られることを可能にする制御部を有してもよい。各選択されたカラーの中で、補てつ設計者は又、不透明、半透明、玉虫色及びメタリックの様なカラー効果を付加することにより外観を変えることが出来る。ジーユーアイは又脚がクロム、亜鉛、金、銀、ニッケル、及び他の合金の様な金属メッキ部分を伴って見られることを可能にする制御部を有してもよい。ジーユーアイ制御部は又装具又は補てつ脚の表面に面仕上げを施すよう使われてもよい。該システムは設計者が艶無し、艶消し、艶あり、半艶、反射性、ブラシ掛け、磨き、模様付き又は他の仕上げを有する補てつ脚を見ることを可能にしてもよい。これらの変型はフェアリング及び脚全体に対して、或いは何れかの露出部分に対して行ってもよい。ユーザーは、設計者が該ジーユーアイ制御部を通して仮想の装具又は脚に適用する望ましい表面外観を選択することが出来る。該CADプログラムは全ての望ましい特徴部を有する仮想の装具又は補てつ脚及びフェアリングを素早く表示する。設計者とユーザーは製作前に該装具又は補てつ設計の詳細の全てをチェックすることが出来る。
【0084】
図15を参照すると、個人的補てつ脚987及びフェアリング991設計の例が図解される。この例で、補てつ設計者は、脚987の外面に適用された艶消しニッケル仕上げ995で部分的にカバーされた補てつ脚987を開発した。この実施例で、該ニッケル仕上げ995は膝関節995及び足関節985に適用された。装飾的であるのに加えて、膝関節983及び足関節985上のスムーズなニッケル仕上げ995は又脚987の運動を改善するスムーズな摺動面を提供出来る。ニッケル仕上げ995は又装飾的特徴部として脛骨の中央部分及び脚987の頂部付近に適用される。又補てつ設計者は又大抵の脚987の周りにスムーズに捲かれる黒革フェアリング991を設計するために該CADプログラムを使った。同様なフェアリングは脚装具に付けられてもよい。
【0085】
フェアリング及び表面のカラー及び仕上げの変更に加えて、補てつ設計者は又補てつ肢の外面を修正してもよい。図16を参照すると、表面修正の例が図解される。この例で、補てつ設計者は腓骨の部分に沿って延びる補てつ脚881内の凹面879を追加した。図
16は凹面879をスムーズな凹形として示す補てつ脚881の断面を図解する。他の実施例では、該補てつ脚の面はミラー画像面上に広がるよう補てつ設計者により修正されてもよい。
【0086】
補てつ設計者が補てつ脚及びフェアリングの設計を完了すると、該CADソフトウエアで作られた該設計データは該脚及びフェアリングを誂えで作るために使われる。迅速プロトタイプ化は、金属プラスチック及び砂を含む種々の材料から部品を作るためにデジタル設計データとソフトウエアを使うシステムの総合カテゴリーである。これらの機械は液体又は粉体材料の槽を横切って屈折させられるエネルギービームを使う。該エネルギービームへの露光は該材料を一緒に溶融、硬化させる。これらの製作機械は全ての誂えの補てつ肢部品を創ることが出来る。
【0087】
該迅速プロトタイプ化機械で補てつ脚部品を作るために、CAD設計データは修正されねばならない。部品用の普通のCAD設計データが、該部品の長さに沿って延びる多くの平行断面のベクトルデータに変換される。該CADソフトウエアと該製作機械との間で伝送されるデータは部品断面の形を多くの接続された3角形の子面により近似する。より小さい子面はより高い品質の面を作るが、より多くの計算時間を要し、非常に大きい製造データセットを創る。
【0088】
部品断面用のベクトルデータは迅速プロトタイプ化用走査器制御器により読まれるが、該制御器は該ベクトルデータを動き情報に変換し、該動き情報はエネルギービーム走査ヘッドへ送られる。レーザービームの実施例では、該迅速プロトタイプ化機械は材料槽上で該レーザービームをX及びY座標で屈折させる2つのミラーを有する走査ヘッドを備える。次いで該製作情報は、各部品断面を連続して創るために、プリントヘッド断面を制御するよう使われる。該走査ヘッド制御器は該製作データを読み、液体、粉体又はシート材料の連続する層をレーザー光の精密パターンに露光するよう該プリントヘッドに強制する。一旦該層が完全に形成されると、該部品は該槽内へ移されるので、材料の薄槽が前に形成された層をカバーする。該過程は多数回繰り返され、新しい層が形成され、前に形成された層に融着される。電子ビームによる実施例では、電子ビームは材料槽上で磁場を用いてX及びY座標で屈折される。部品断面は、部品製作が完了するまで順次形成される。
【0089】
付加式製作迅速プロトタイプ化の主要な利点は、補てつ脚内のテンプレート及び縦部材の内部フレームワークの様な非常に複雑な形状と幾何学的特徴部を創る能力である。軽量で強い補てつ脚が、迅速プロトタイプ化機械で、光重合体の様なプラスチック材料から作られる。図17は迅速プロトタイプ化機械を使って作られ完成した光重合体脚887を図解する。
【0090】
該迅速プロトタイプ化過程は熱可塑材、光重合体、金属粉、共晶金属、チタン合金、及び他の材料を含む種々の材料に適用される。幾つかの適当な迅速プロトタイプ化機械の例はエーオーエス社(EOS GmbH)によるレーザーシンタリング機械、アーカムエイビー(Arcam AB)による電子ビームシンタリング機械、そしてスリーデーシステム社(3D Systems Corp.)によるレーザーステレオリトグラフィー機械(laser stereo lithography machine)を含む。同様の製作過程は、付加的製造、迅速製造、積層製造、3次元プリンティング(3D printing)、レーザーシンタリング、電子ビーム溶融(EBM)、溶融材料堆積(FDM)他の名前により公知である。全てのこれらの製作過程は、部品全体が完成するまで、各層を形成する精密パターンの材料を固体化するよう、材料の槽上でエネルギー付与したビームを走査する同じ動作原理を使う。
【0091】
迅速プロトタイプ化は好ましい製作方法であるが、補てつ肢部品を形成する他の可能な
方法がある。1実施例では、該設計情報はコンピュータ数値制御装置(CNC)により使われ、該シーエヌシーは材料の選択的除去により材料の固体ブロックから部品を作るよう工作機械を制御する。コンピュータ制御器はプログラムインストラクションを読み、動力付与された機械的切削工具を駆動する。該シーエヌシーシステムは表面データの外挿を数値式に導き、該部品を創るよう切削工具を制御する。該シーエヌシー過程は迅速プロトタイプ化製作過程より遙かに低効率の彫刻過程であり、実質的な量のスクラップ材料を作る。
【0092】
フェアリングは又デザインデータを使って製作されてもよい。最も適当な製作過程はフェアリング材料に依る。例えば、もしフェアリングが柔軟材料で作られるなら、フェアリング設計データは平らなシート在庫品からフェアリングをカットするよう使用される。該フェアリング設計データはシート材料をフェアリングの形に精密カットするためにコンピュータ制御機械により使われる。該フェアリングは次いでファスナー又は接着剤で補てつ脚の表面に直接取り付けられる。もし該フェアリングがより堅い材料で作られるなら、該設計データは該フェアリングをカットするため使われる。次いで該フェアリングは必要な3次元形状を形成するために曲げられるか又は成形される。説明した迅速プロトタイプ化過程を使って3次元のフェアリングを作ることも可能である。上記で説明した脚部品製作方法の様に、該迅速プロトタイプ化機械は断面層のシーケンシャルなシリーズから該フェアリングを作るために該フェアリング設計データを使う。
【0093】
補てつ肢のもう1つの典型的要求はカラーである。望まれるカラーが製作過程中に補てつ部品、装具又はフェアリングに付けられてもよい。実施例では、フェアリング、装具及び脚部品のカラーは該脚を作るため使われる材料と混ぜられる顔料を通して付けられてもよい。該カラーは構造体中に存在し、取り除かれることは不可能である。代わりに、該カラーは該脚、装具及びフェアリングの外面上にカラー層を形成するために、別の塗装、染め付け、付着又は他のカラー付け過程で、脚部品又は装具に付けられてもよい。
【0094】
もう1つの実施例では、金属又はセラミック層が脚、装具及びフェアリングの外面上に付着させられてもよい。金属層を付着させるため使われる方法は脚、装具又はフェアリングの基礎材料に左右される。金属層は無電解又は化学的メッキ過程により非電導性プラスチック部品上に付着させられる。もしメッキされる部品が電導性材料であるなら、該金属層を付着させるために電気化学的メッキ過程が使われてもよい。該補てつ部品にカラー又は金属層が付けられた後、追加の表面仕上げ過程が行われてもよい。表面仕上げの例は公知の機械的又は化学的過程を通して適用される艶無し、艶消し、艶あり、半艶、反射性、ブラシ掛け、磨き、模様付けを含む。該脚、装具及びフェアリングに保護用透明プラスチック又はペイントコーティングが付けられてもよい。
【0095】
最後の製作過程はフェアリングを該補てつ脚又は装具に取り付ける過程である。該フェアリングは多くの種々の方法で取り付けられる。論じられた様に、好ましい実施例では、フェアリングはユーザーにより容易に取り換えられる取り外し可能な構造体である。該フェアリングを部材に保持するために解除可能なファスナーが使われてもよい。解除可能なファスナーの例はボルト、バックル、ボタン、クランプ、クリップ、ピン、保持器、リベット、バンド、スナップ、縫いつけ、ストラップ、留め鋲(tacks)、紐、ジッパー、他を含む。該フェアリングは又接着剤で脚又は装具に取り付けられてもよい。代わりの実施例では、フェアリングは脚又は装具に恒久的に取り付けられる。フェアリングを脚にもっと恒久的に取り付ける過程は半田付け、溶接及び融合を含む。
【0096】
図18は表面が金属メッキされ、フェアリングが取り付けられた後の補てつ脚887を図解する。該補てつ脚887、膝関節及び足根関節の露出範囲はニッケル仕上げ895を有する。該ニッケル仕上げは無電解ニッケルメッキ過程を使ってプラスチック脚上に付け
られた。フェアリング921はスムーズな黒革材料からカットされ、脛骨及び腓骨部分付近に広がる凹部範囲内の脚887の外面に取り付けられた。該革フェアリング921は、該フェアリング921が取り除かれ、もう1つのフェアリングと取り換えられることを可能にする接着剤で該補てつ脚887に取り付けられた。
【0097】
図19を参照すると、実質的に同様なフェアリングが上腕装具901の様な装具上に取り付けられてもよい。実施例では、上腕装具901の内面は、説明した写真測定過程により得られた負傷上腕905の表面地形に対応する。該装具901は均一な厚さを有する。かくして、外面も又該負傷上腕の表面地形に対応する。フェアリング903は該装具901の付近に置かれる。該フェアリング903は装具901の付近に適合するよう設計されるので、装具901に接触するフェアリング903の内面は身体の負傷部分の外面にマッチする輪郭を有する。フェアリング903は上記説明の様に金属、プラスチックス、革、他の様な種々の異なる材料を含んでもよい。この例では、該フェアリングは種々のカラー、材料、孔、他の何れかで形成される図式的パターンでマーク付けされてもよい。該フェアリング903は解除可能なファスナー又は接着剤で装具901に取り付けられてもよい。
【0098】
本発明のシステムが特定の実施例を参照して説明されたが、しかしながら、本発明のシステムの範囲から離れることなくこれらの実施例に追加、削除及び変更が行われ得ることは理解される。例えば、補てつ脚を設計及び製作するために説明された同じ過程は、窩、肘、細長い部材及び人工手を有する補てつ上腕の設計及び製作に適用されてもよい。種々の部品を有する補てつ肢が説明されたが、これらの部品及び説明された構成は修正され、種々の他の構成で再配置されてもよいことはよく理解されるであろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体用表面データを得る過程と、
該身体用の該表面データに対応する内面を有するフェアリング製作データを創る過程と、
該身体用の装具を形成する過程と、そして
フェアリングを製作するために該フェアリング製作データを使う過程であって、該フェアリングの内面が該身体用の該表面データに対応し、該フェアリングが該装具の外面周りに適合する使う過程と、を具備するフェアリングを創る方法。
【請求項2】
該フェアリングの外面に金属層を設ける過程を更に具備する請求項1記載の方法。
【請求項3】
該フェアリングの外面にカラー層を設ける過程を更に具備する請求項1記載の方法。
【請求項4】
該フェアリングの外面にカラー染料を設ける過程を更に具備する請求項1記載の方法。
【請求項5】
該装具の外面に金属層を設ける過程を更に具備する請求項1記載の方法。
【請求項6】
該装具の外面にカラー層を設ける過程を更に具備する請求項1記載の方法。
【請求項7】
該装具が複数の開口部を有するフレームワークを備える請求項1記載の方法。
【請求項8】
該フェアリングが不連続であり、該フェアリングが該装具の第1部分をカバーし、該装具の第2部分をカバーしない請求項1記載の方法。
【請求項9】
該装具の第1部分を該フェアリングでカバーする過程と、そして
該装具の第2部分を露出して残す過程と、を更に具備する請求項1記載の方法。
【請求項10】
該装具の該第1部分が該装具の上面であり、該装具の該第2部分が該装具の下面である請求項9記載の方法。
【請求項11】
該装具の該第1部分が該装具の前面であり、該装具の該第2部分が該装具の側面である請求項9記載の方法。
【請求項12】
該装具がフレームワークを有する請求項1記載の方法。
【請求項13】
該フェアリングが金属材料を有する請求項1記載の方法。
【請求項14】
該フェアリング上に仕上げ過程、すなわち、メッキ、模様付け、ブラッシ掛け、磨き又はサンドブラスト掛け、の1つ以上を行う過程を更に具備する請求項1記載の方法。
【請求項15】
該フェアリングに図式的デザインを適用する過程を更に具備する請求項1記載の方法。
【請求項16】
該身体用該表面データが肢に対応する請求項1記載の方法。
【請求項17】
該フェアリングの外面を製作するために該フェアリング製作データを使う過程であって、該フェアリングの該外面が該身体用該表面データに対応しており、該身体用該表面データより幅寸法で1−15%大きく尺度合わせされる使う過程を更に具備する請求項1記載の方法。
【請求項18】
身体用表面データを得る過程と、
該身体用の該表面データに対応する内面を有するフェアリング製作データを創る過程と、
該身体の負傷部分用の装具を形成する過程と、そして
多数の相互交換可能なフェアリングを製作するために該フェアリング製作データを使う過程であって、該フェアリングの内面が該身体用の該表面データに対応し、該フェアリングが該装具の外面周りに適合する使う過程と、を具備するフェアリングを創る方法。
【請求項19】
該装具が複数の開口部を有する請求項18記載の方法。
【請求項20】
該相互交換可能なフェアリングが不連続であり、該相互交換可能なフェアリングが該装具の第1部分をカバーし、該装具の第2部分をカバーしない請求項18記載の方法。
【請求項21】
該装具の第1部分を該相互交換可能なフェアリングでカバーする過程と、そして
該装具の第2部分を露出して残す過程と、を更に具備する請求項18記載の方法。
【請求項22】
該多数の相互交換可能なフェアリングの外面を製作するために該フェアリング製作データを使う過程であって、該フェアリングの該外面が該身体用該表面データに対応しており、該身体用該表面データより幅寸法で1−15%大きく尺度合わせされる使う過程を更に具備する請求項18記載の方法。
【請求項1】
身体用表面データを得る過程と、
該身体用の該表面データに対応する内面を有するフェアリング製作データを創る過程と、
該身体用の装具を形成する過程と、そして
フェアリングを製作するために該フェアリング製作データを使う過程であって、該フェアリングの内面が該身体用の該表面データに対応し、該フェアリングが該装具の外面周りに適合する使う過程と、を具備するフェアリングを創る方法。
【請求項2】
該フェアリングの外面に金属層を設ける過程を更に具備する請求項1記載の方法。
【請求項3】
該フェアリングの外面にカラー層を設ける過程を更に具備する請求項1記載の方法。
【請求項4】
該フェアリングの外面にカラー染料を設ける過程を更に具備する請求項1記載の方法。
【請求項5】
該装具の外面に金属層を設ける過程を更に具備する請求項1記載の方法。
【請求項6】
該装具の外面にカラー層を設ける過程を更に具備する請求項1記載の方法。
【請求項7】
該装具が複数の開口部を有するフレームワークを備える請求項1記載の方法。
【請求項8】
該フェアリングが不連続であり、該フェアリングが該装具の第1部分をカバーし、該装具の第2部分をカバーしない請求項1記載の方法。
【請求項9】
該装具の第1部分を該フェアリングでカバーする過程と、そして
該装具の第2部分を露出して残す過程と、を更に具備する請求項1記載の方法。
【請求項10】
該装具の該第1部分が該装具の上面であり、該装具の該第2部分が該装具の下面である請求項9記載の方法。
【請求項11】
該装具の該第1部分が該装具の前面であり、該装具の該第2部分が該装具の側面である請求項9記載の方法。
【請求項12】
該装具がフレームワークを有する請求項1記載の方法。
【請求項13】
該フェアリングが金属材料を有する請求項1記載の方法。
【請求項14】
該フェアリング上に仕上げ過程、すなわち、メッキ、模様付け、ブラッシ掛け、磨き又はサンドブラスト掛け、の1つ以上を行う過程を更に具備する請求項1記載の方法。
【請求項15】
該フェアリングに図式的デザインを適用する過程を更に具備する請求項1記載の方法。
【請求項16】
該身体用該表面データが肢に対応する請求項1記載の方法。
【請求項17】
該フェアリングの外面を製作するために該フェアリング製作データを使う過程であって、該フェアリングの該外面が該身体用該表面データに対応しており、該身体用該表面データより幅寸法で1−15%大きく尺度合わせされる使う過程を更に具備する請求項1記載の方法。
【請求項18】
身体用表面データを得る過程と、
該身体用の該表面データに対応する内面を有するフェアリング製作データを創る過程と、
該身体の負傷部分用の装具を形成する過程と、そして
多数の相互交換可能なフェアリングを製作するために該フェアリング製作データを使う過程であって、該フェアリングの内面が該身体用の該表面データに対応し、該フェアリングが該装具の外面周りに適合する使う過程と、を具備するフェアリングを創る方法。
【請求項19】
該装具が複数の開口部を有する請求項18記載の方法。
【請求項20】
該相互交換可能なフェアリングが不連続であり、該相互交換可能なフェアリングが該装具の第1部分をカバーし、該装具の第2部分をカバーしない請求項18記載の方法。
【請求項21】
該装具の第1部分を該相互交換可能なフェアリングでカバーする過程と、そして
該装具の第2部分を露出して残す過程と、を更に具備する請求項18記載の方法。
【請求項22】
該多数の相互交換可能なフェアリングの外面を製作するために該フェアリング製作データを使う過程であって、該フェアリングの該外面が該身体用該表面データに対応しており、該身体用該表面データより幅寸法で1−15%大きく尺度合わせされる使う過程を更に具備する請求項18記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公表番号】特表2013−509983(P2013−509983A)
【公表日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−538868(P2012−538868)
【出願日】平成22年11月8日(2010.11.8)
【国際出願番号】PCT/US2010/055793
【国際公開番号】WO2011/057177
【国際公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(597013711)スリーディー システムズ インコーポレーテッド (43)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月8日(2010.11.8)
【国際出願番号】PCT/US2010/055793
【国際公開番号】WO2011/057177
【国際公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(597013711)スリーディー システムズ インコーポレーテッド (43)
【Fターム(参考)】
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