説明

補助動力発生装置

【課題】膨張機が収容されたハウジングの外部に取り出された回転駆動力を熱機関とは別に設けられた駆動源の動力を補う補助動力として利用する。
【解決手段】本発明の補助動力発生装置は、膨張機3を備えた熱機関4と、膨張機3で発生する回転駆動力を膨張機3のハウジング5の外部へ取り出す動力伝達軸6とを有する補助動力発生装置であって、膨張機3のハウジング5はその隔壁7で囲まれた内部に膨張機3の駆動部2を収容しており、動力伝達軸6は、隔壁7を間に介して膨張機3のハウジング5の内外に分断されているとともに膨張機3の回転駆動力をハウジング5の外部に伝達するべく磁気カップリング10を備えており、磁気カップリング10を介して取り出された回転駆動力を熱機関4とは別に設けられた駆動源16の動力で回転機械11を駆動させる際に駆動源16の動力を補う補助動力に用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱機関で発生した動力をこの熱機関の外部に取り出して、この熱機関とは別に設けられた駆動源の動力を補う補助動力として利用することができる補助動力発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
熱機関の中でも外燃機関は、水や、アンモニア、ペンタン、フロン、代替フロンなどの低沸点媒体(水より沸点の低い媒体)などの作動媒体(作動流体とも言う)をランキンサイクルなどの熱力学サイクルによって膨張させたり凝縮させたりすることで熱を動力に変換する(熱エネルギーを運動エネルギーに変換する)構成となっている。このような熱機関は作動媒体の蒸気を膨張させる膨張機を備えており、膨張機は外部から気密状に隔離されたハウジングの内部に収容されている。この膨張機で得られた回転駆動力は軸を介して膨張機が収容されているハウジング外に取り出され、コンプレッサ、ブロア、ポンプ、発電機などの回転機械を回転させるために用いられる。
【0003】
例えば、特許文献1には、作動流体の膨張により回転力を発生する膨張機構と、膨張機構の回転力によって駆動される発電機と、膨張機構の回転力によって駆動されるポンプ機構とを備えた流体機械において、前記ポンプ機構を容量可変に構成したことを特徴とする流体機械が開示されている。
また、特許文献2には、ランキンサイクルの熱エネルギーを回転動力へと変換する膨張機と、回転動力により駆動されてランキンサイクルの圧力を上げる給液ポンプと、回転駆動力を発生するモータとを備え、これらで回転軸を共有した流体機械が開示されている。
【0004】
これらの装置(流体機械)は、いずれも熱機関の一部である膨張機と、発電機やポンプなどの回転機械などを1つのハウジング内に一緒に収容したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−185772号公報
【特許文献2】特開2005−30386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1や特許文献2の装置(流体機械)においては、作動媒体の漏洩を防止するために膨張機を収容するハウジングにシールを設けることが必要不可欠になる。
ここで特許文献1や特許文献2の図1の記載例のように、膨張機と、発電機やポンプなどの回転機械とを1つのハウジング内に一緒に収容する場合、膨張機と回転機械とを繋ぐ軸の軸シールを不要とすることができる場合がある。しかしながら、ハウジングや回転機械として専用品が必要となり、汎用品が使用できないという問題が有る。また、動力発生装置やこれを用いた発電設備のイニシャルコストアップに繋がりやすい。
【0007】
一方で特許文献2の図19や図20の記載例のように、動力伝達のための回転軸がハウジングを貫通して外部に突き出るような場合、特に大気中に放出されることが好ましくないような低沸点媒体を作動媒体に用いるバイナリ発電などにおいては、軸のシールは重要である。特許文献2の図19や図20の設備では、回転機(モータ9)と膨張機との間にシャフトシールが設けられていて、作動媒体が回転機側に漏洩しない構造を採用している。しかしながら、こういったシャフトシールを採用しても、作動媒体の漏洩を確実に防止することが難しく、また煩雑なシャフトシールのメンテナンスが必要である。また、動力発生装置やこれを用いた発電設備のランニングコストアップに繋がりやすい。
【0008】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、一つのハウジング内に熱機関と回転機とを一緒に収容したり動力を伝達する軸に軸シール機構を採用したりしなくても、作動媒体の漏洩を防止しつつ膨張機で発生した回転駆動力を膨張機が収容されたハウジングの外部に効率よく伝達することができ、回転駆動力を熱機関とは別に設けられた駆動源の動力で駆動する回転機械に送ってこの駆動源の動力を補う補助動力として利用することが
できる補助動力発生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するため、本発明の補助動力発生装置は次の技術的手段を講じている。
すなわち、本発明の補助動力発生装置は、膨張機を備えた熱機関と、前記膨張機で発生する回転駆動力を当該膨張機のハウジングの外部へ取り出す動力伝達軸とを有する補助動力発生装置であって、前記膨張機のハウジングはその隔壁で囲まれた内部に前記膨張機の駆動部を収容しており、前記動力伝達軸は、前記隔壁を間に介して前記膨張機のハウジングの内外に分断されているとともに前記膨張機の回転駆動力を当該ハウジングの外部に伝達するべく磁気カップリングを備えており、前記磁気カップリングを介して取り出された回転駆動力を前記熱機関とは別に設けられた駆動源の動力で回転機械を駆動させる際に当該駆動源の動力を補う補助動力に用いることを特徴とするものである。
【0010】
好ましくは、前記磁気カップリングを介して取り出された回転駆動力が伝達される動力伝達経路に、前記回転機械への前記補助動力の伝達状態を制御するクラッチ機構が設けられているとよい。
好ましくは、前記磁気カップリングを介して取り出された回転駆動力が伝達される動力伝達経路に、前記動力伝達軸の回転速度を変速するとともに前記補助動力を下流側へ伝達する変速機が設けられているとよい。
【0011】
好ましくは、前記磁気カップリングを介して取り出された回転駆動力が伝達される動力伝達経路に、前記補助動力を用いて発電を行う発電機が設けられているとよい。
好ましくは、前記膨張機のハウジングの内部には、前記膨張機の駆動部を介して取り出された回転駆動力を用いて発電を行うとともに前記補助動力を下流側へ伝達する発電機が設けられているとよい。
【0012】
好ましくは、前記回転機械が供給されたガスを高圧に圧縮する圧縮機であって、前記圧縮機の駆動源がモータとされており、前記モータの動力でガス圧縮機を駆動させる際に、前記熱機関で発生した回転駆動力を当該モータの動力を補う補助動力に用いるとよい。
好ましくは、前記熱機関は、熱源から供給された熱量により液体の作動媒体を気化させる蒸発器と、前記蒸発器で気化した作動流体を膨張させて回転駆動力を発生させる膨張機と、前記膨張機で膨張した作動流体を凝縮させて液体の作動媒体に変化させる凝縮器と、液体の作動媒体を蒸発器に圧送する媒体循環ポンプと、を備えるバイナリサイクル機関であって、前記熱機関の蒸発器には、前記圧縮機で断熱圧縮されたガスが有する熱量が、液体の作動媒体を気化させる熱源として供給されるとよい。
【0013】
好ましくは、前記回転機械は、2つ以上の圧縮機を備えた多段圧縮機であって、各圧縮機から吐出された高圧のガスが、前記熱機関内の作動媒体を気化させる熱源として前記蒸発器へ供給されるとよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の補助動力発生装置によれば、一つのハウジング内に熱機関と回転機械とを一緒に収容したり動力を伝達する軸に軸シール機構を採用したりしなくても、作動媒体の漏洩を防止しつつ膨張機で発生した回転駆動力を膨張機が収容されたハウジングの外部に効率よく伝達することができ、回転駆動力を熱機関とは別に設けられた駆動源の動力で駆動する回転機械に送ってこの駆動源の動力を補う補助動力として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施形態の補助動力発生装置を示す図である。
【図2】第2実施形態の補助動力発生装置を示す図である。
【図3】第3実施形態の補助動力発生装置を示す図である。
【図4】第4実施形態の補助動力発生装置を示す図である。
【図5】第5実施形態の補助動力発生装置を示す図である。
【図6】第6実施形態の補助動力発生装置を示す図である。
【図7】第7実施形態の補助動力発生装置を示す図である。
【図8】膨張機からモータへの動力伝達の様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
「第1実施形態」
以下、本発明に係る補助動力発生装置1の第1実施形態を、図面に基づき説明する。
図1に示すように、第1実施形態の補助動力発生装置1は、作動流体Tの蒸気の膨張により回転駆動する駆動部2(本実施形態においてはスクリュロータ2)を有する膨張機3を備えた熱機関4と、この膨張機3で発生する回転駆動力を膨張機3が収容されたハウジング5の外部へ取り出す動力伝達軸6とを有するものである。このハウジング5はその隔壁7で囲まれた内部に膨張機3の駆動部2を収容している。動力伝達軸6は、隔壁7を間に介してハウジング5の内に位置する駆動軸8とハウジング5外に位置する従動軸9とに分断されている。また分断された動力伝達軸6、即ち、駆動軸8と従動軸9には、膨張機3の回転駆動力をハウジング5の外部に伝達するために磁気カップリング10が設けられている。このように、補助動力発生装置1は、駆動軸8および従動軸9からなる動力伝達軸6と磁気カップリング10とで構成されており、動力伝達軸6によって回転駆動力をハウジング5の外部に伝達するとともに熱機関4とは別に設けられた回転機械11に送って、この回転機械11の補助動力として利用する構成とされている。
【0017】
なお、第1実施形態では、熱機関4としてバイナリサイクルを例示する。とはいえ、熱機関4としては、熱を動力に変換する機関であれば、どのような機関も含まれる。バイナリサイクルのようなランキンサイクルを利用した機関以外にも、例えば蒸気機関、蒸気タービン、スターリングサイクルのような外燃機関、あるいはガスタービンのような内燃機関が含まれる。
【0018】
図1に示すように、バイナリサイクルは、液体の作動流体Tを蒸発させる蒸発器13と、この蒸発器13で蒸発した作動流体Tの蒸気を膨張させて駆動部2(例えば、後述するスクリュロータ2)を回転駆動させる膨張機3と、この膨張機3で膨張した作動流体Tの蒸気を凝縮させて液体の作動流体Tに変化させる凝縮器12と、この凝縮器12で凝縮した液体の作動流体Tを蒸発器13に圧送することにより作動流体Tを循環させる媒体循環ポンプ14と、を閉ループ状に接続された循環流路上に備えている。
【0019】
膨張機3は、膨張する前後の蒸気の圧力差を利用して回転駆動するスクリュロータ2(駆動部2)を有している。スクリュロータ2は、駆動軸8を中心に回転自在となっており、発生した回転駆動力を駆動軸8を介してこの駆動軸8に接続された磁気カップリング10に伝達可能となっている。
膨張機3のスクリュロータ(駆動部)2の周囲にはハウジング5(隔壁7)が設けられており、このハウジング5により内部と外部とを気密的に隔離できるようになっている。この気密的に隔離されたハウジング5の内部には、スクリュロータ2と共にバイナリサイクルで用いられる低沸点媒体の作動流体Tが収容されている。
【0020】
上述した膨張機のスクリュロータで生起した回転駆動力を、この膨張機が設けられた熱機関(上述したバイナリサイクルなど)とは別に設けられた駆動源の動力で駆動する回転機械に伝達してこの回転機械を駆動する補助動力に用いる場合には、通常は膨張機と回転機械との間に膨張機で発生した回転駆動力を回転機械に伝達可能な動力伝達手段を設けなくてはならない。
【0021】
従来、このような動力伝達手段として、膨張機のハウジングの内外を貫通するように設けられた回転軸が採用される場合には、この回転軸とハウジングとの間から作動流体が漏洩することを抑制する軸シールの設置が必要不可欠となっていた。このような軸シールを設けると、装置のメンテナンスが煩雑となって、ランニングコストのアップに繋がったり、収容された作動流体の漏出の虞もあるため好ましくない。この問題を解決するために、従来は一つのハウジング内に膨張機と回転機械とを一緒に収容して作動流体の漏出を防止することも行われていた。このように膨張機と回転機械とを一つのハウジングに一緒に収容すると、両者間の軸シールが不要となる場合があるが、回転機械として適用できるものの範囲が非常に限られてしまい、イニシャルコストのアップに繋がったり、汎用品が使用できないため好ましくない。
【0022】
そこで、本発明の補助動力発生装置1には、隔壁7を介して膨張機3の回転駆動力をハウジング5外に伝達する磁気カップリング10を有するものとしている。すなわち、補助
動力発生装置1は、膨張機3と回転機械11との間で回転駆動力を伝達可能とするために、隔壁7を間に介して駆動軸8と従動軸9とに分断された動力伝達軸6と、さらに隔壁7を介してハウジング5の内外に分かれているこれら両軸を磁気的に連結する磁気カップリング10とを備えており、これらの動力伝達軸6と磁気カップリング10とを有する動力伝達経路15を具備している。そして、磁気カップリング10を介して取り出された回転駆動力を上述した熱機関4(バイナリサイクル)とは別に設けられた駆動源16の動力で駆動する回転機械11に送って、この回転機械11を駆動するための補助動力に用いている。
【0023】
また、磁気カップリング10を介して取り出された回転駆動力が伝達される動力伝達経路15には、動力伝達軸6の回転速度を変速するとともに補助動力を下流側へ伝達する変速機17と、回転機械11への補助動力の伝達状態を制御するクラッチ機構18とが設けられている。
次に、補助動力発生装置1を構成する磁気カップリング10、動力伝達軸6、変速機17、クラッチ機構18、並びにこの補助動力発生装置1で発生した補助動力を用いる回転機械11について説明する。
【0024】
図1に示すように、動力伝達軸6の一つである駆動軸8は、膨張機3のスクリュロータ2の回転軸心に沿って配備された回転軸である。駆動軸8の一端(図1の左側)は膨張機3の駆動部2であるスクリュロータ2に連結されており、他端(図1の右側)は隔壁7の近傍にまで伸びていて、この他端側の先端には駆動側磁石の装着された磁気カップリング10の外筒体20が設けられている。
【0025】
一方、動力伝達軸6の一つである従動軸9は、駆動軸8と同軸な方向に沿って配備された回転可能な軸である。従動軸9の一端(図1の左側)は膨張機3側に向かって伸びていて、この一端には従動側磁石の装着された内挿体22が設けられており、他端(図1の右側)は後述する回転機械11に接続されている。
磁気カップリング10は、駆動軸8に設けられた外筒体20と、従動軸9に設けられた内挿体22とで構成されている。外筒体20は、回転機械11側(反スクリュロータ2側)を向いて開口する有底円筒状の部材であり、非磁性体から形成されている。外筒体20には駆動軸8が同軸状に連結されており、またその円筒状に形成された部分には、互いに対向するように、周方向に離れて配備された2個の駆動側磁石が設けられている。
【0026】
内挿体22は、円柱体であり、外筒体20同様に非磁性体から形成されている。内挿体22は、外筒体20の内側に遊挿可能となっており、内挿体22の外周面(外筒体20の内側に挿し込まれる部分の外周面)には駆動側磁石に応じた数の従動側磁石が取り付けられている。
これら駆動側磁石と従動側磁石とは、互いに異なる磁極を対面させるようにして配備されていて、両磁石の間に隔壁7を透過して磁気的な引力が誘起されるようになっており、駆動軸8の回転駆動力を従動軸9に伝達できるようになっている。
【0027】
なお、駆動側磁石及び従動側磁石は、図例ではネオジウム磁石やサマリウムコバルト磁石のような永久磁石であるが、電磁石を用いても良い。
上述した従動軸9には磁気カップリング10を介してハウジング5の外部に取り出された回転駆動力が伝達されており、この従動軸9を介して変速機17に回転駆動力を伝達可能とされている。この変速機17は、入力側(従動軸9)の回転速度を回転機械11に最適な回転速度に変速して出力側(従動軸9)に回転駆動力を伝達するものである。また、従動軸9には回転機械11の回転軸(後述するポンプ駆動軸23)が接続されている。このようにして変速機17で変速された回転駆動力は回転機械11の補助動力として下流側へ伝達される。この変速機17には歯車やベルトなどを用いたものを利用することができる。また、変速機17には、入力側の軸の回転数に対して、出力側の軸の回転数を減速するもの、増速するもの、等速にするものなどを用いることができる。
【0028】
クラッチ機構18は、回転機械11への補助動力の伝達状態を制御するものであり、動力伝達経路15上の変速機17の出力側(従動軸9)に設けられて回転機械11に対する回転駆動力の伝達を遮断・接続することが可能となっている。このクラッチ機構18は、
互いに対面して配備された一対のクラッチ板(図示略)と、これら一対のクラッチ板を接離自在に操作する操作レバー24とを有している。そして、操作レバー24を用いてクラッチ板同士を面状態で接触させたり離間させたりすることで、回転機械11に対する回転駆動力の伝達を遮断可能となっている。なお、クラッチ機構18は、伝達状態を制御する際に任意に滑り状態を生じさせることができる摩擦クラッチを好適に用いることができ、またレバー操作以外の電磁操作や流体圧操作するものであってもよい。
【0029】
回転機械11は、上述した熱機関4(バイナリサイクル)とは別に設けられた駆動源16の動力で駆動されるものであり、駆動源16の動力で装置内部の部材を回転させて作動されるポンプやコンプレッサなどのような流体機械、あるいは自動車や船舶のようにエンジン(駆動源16)を用いる機械において、エンジン(駆動源16)の回転駆動力を用いて回転される部材が挙げられる。また、このような回転機械11には、例えばガソリンエンジンやディーゼルエンジンを駆動源16として発電を行う発電機25などを用いても良い。さらに、回転機械11の駆動源16には、内燃機関を利用したガソリンエンジンやディーゼルエンジンだけでなく電動モータなどを用いても良い。
【0030】
ところで、本発明の補助動力発生装置1は、熱機関4の膨張機3から回転機械11の回転ロータまでの動力伝達経路15がどのような並びになっているか、また発電機25が付帯されるか否かで、以降の第1実施形態〜第6実施形態に示すようなさまざまな実施形態を考えることができる。
図1に示すように、第1実施形態の補助動力発生装置1は、磁気カップリング10を介してハウジング5の外部に取り出された回転駆動力を動力伝達軸6の従動軸9を介して回転機械11に送る動力伝達経路15を有している。そして、この動力伝達経路15上には、磁気カップリング10から変速機17、クラッチ機構18、駆動源16が順番に並んでおり、駆動源16を経由した回転駆動力が最後にポンプロータ26に出力される構成となっている。つまり、この第1実施形態の補助動力発生装置は、膨張機3からポンプロータ26までの動力伝達経路15上に駆動源16である電動モータが存在するものであって、発電機25を付帯しない装置の例を示すものである。
【0031】
上述した補助動力発生装置1では、磁気カップリング10を介してハウジング5の外部に取り出された回転駆動力は、磁気カップリング10に連結された従動軸9を介して最初に変速機17に伝達される。そして、変速機17で回転機械11を駆動させるのに最適な回転速度に変速された後、変速後の回転駆動力はクラッチを介して回転機械11の駆動源16に伝達(入力)される。本実施形態の回転機械11は、駆動源16の動力をポンプ駆動軸23を介してポンプロータ26に伝達し、このポンプロータ26を回転駆動することにより作動(吸引や吐出)するポンプとなっている。
【0032】
そして、上述したように変速機17で変速された後の回転駆動力は、駆動源16自体の回転駆動力と合わさってこのポンプ駆動軸23に直接的に入力されており、ポンプ駆動軸23において磁気カップリング10を介してハウジング5の外部に取り出された回転駆動力と駆動源16で発生した動力とを合わせた動力が伝達されることにより、発生源が異なる2つの回転駆動力を併用してポンプを駆動できるようになっている。
【0033】
言い換えれば、第1実施形態の補助動力発生装置1は、磁気カップリング10を介してハウジング5の外部に取り出された回転駆動力を、電動モータの動力でポンプを駆動させる際の補助動力に用いた例であるということもできる。このような補助動力発生装置1を用いれば、磁気カップリング10を介してハウジング5の外部に取り出された回転駆動力を補助動力として用いることができ、駆動源16である電動モータの消費電力の削減に効果がある。また、電動モータに代えてガソリンエンジンを駆動源16として用いた場合には、燃費向上に効果がある。
「第2実施形態」
なお、上述した第1実施形態は、動力伝達経路15上に磁気カップリング10、変速機17、クラッチ機構18、駆動源16、ポンプロータ26が順番に並んだものであったが、駆動源16とポンプロータ26との並びを動力伝達経路15上で入れ替えて配置することもできる。
【0034】
すなわち、図2に示すように、第2実施形態の補助動力発生装置1は、ポンプロータ26のポンプ駆動軸23の両端に変速機17と駆動源16である電動モータとが分かれて接続されているものであって、発電機25を付帯しない装置の例を示すものである。
このような補助動力発生装置1を用いても、磁気カップリング10を介してハウジング5の外部に取り出された回転駆動力を補助動力として用いることができ、駆動源16の消費電力の削減や燃費向上に効果がある。
「第3実施形態」「第4実施形態」
なお、上述した第1実施形態及び第2実施形態は発電機25を付帯しない補助動力発生装置1の例であったが、以降に示す第3実施形態〜第6実施形態は発電機25を付帯した補助動力発生装置1の例である。
【0035】
すなわち、図3に示すように、第3実施形態の補助動力発生装置1には、変速機17よりも回転機械11側の動力伝達経路15上に発電機25が設けられている。そして、磁気カップリング10を介してハウジング5の外部に取り出された回転駆動力を用いてまず発電機25を回転させて発電を行い、発電で余った余剰の回転駆動力を回転機械11に送り、この余剰の回転駆動力を駆動源16の動力を補う補助動力としている。
【0036】
このような助動力発生装置1を用いれば、バイナリサイクル(熱機関4)を利用して発電を行う発電サイクルに対して、この発電サイクルの発電に用いられなかった回転駆動力を回転機械11の駆動源16の動力を補う補助動力として用いることができ、駆動源16の消費電力の削減や燃費向上に効果がある。
一方、図3に示す第3実施形態の駆動源16とポンプロータ26との並びを動力伝達経路15上で入れ替えて配置すれば、図4に示す第4実施形態の補助動力伝達装置1になる。
【0037】
なお、第4実施形態の補助動力伝達装置1では、回転機械11の駆動源16である電動モータと発電機25とを兼用する発電機能付きモータ27が用いられている。このような発電機能付きモータ27は、ポンプロータ26を回転駆動するのに動力が不足するときは電動モータとして動作するが、動力が余っているときは発電機25として動作する。
このような補助動力発生装置1を用いても、バイナリサイクル(熱機関4)を利用して発電を行う発電サイクルに対して、この発電サイクルの発電に用いられなかった回転駆動力を回転機械11の駆動源16の動力を補う補助動力として用いることができ、駆動源16の消費電力の削減や燃費向上に効果を発揮することができる。
「第5実施形態」「第6実施形態」
なお、上述した第3実施形態や第4実施形態では発電機25は膨張機3のハウジング5外に設けられていたが、以下の第5実施形態や第6実施形態に示すように発電機25を膨張機3のハウジング5内に設けることもできる。
【0038】
例えば、図5及び図6に示すように、膨張機3の駆動部2(スクリュロータ2)と磁気カップリング10の外筒体20との間の動力伝達経路15上(駆動軸8上)に発電機25を設けて発電を行い、発電に用いられなかった回転駆動力をハウジング5の外部に取り出して回転機械11を駆動する補助動力に用いることもできる。
このような補助動力発生装置1を用いても、発電サイクルの発電に用いられなかった回転駆動力を回転機械11の駆動源16の動力を補う補助動力として用いることができ、駆動源16の消費電力の削減や燃費向上に効果を発揮することができる。
「第7実施形態」
さて、本発明の補助動力伝達装置1が動力アシストする対象である回転機械11は、多くの場合、回転作業に伴い多量の熱を発生する。
【0039】
例えば、回転機械11が空気などのガスVを高圧に圧縮するガス圧縮機50の場合には、断熱圧縮により高温であって非常に多くの熱量を有した高圧のガスVを生成することとなる。このとき、生成された高圧のガスVは、クーラ54などの冷却装置により使用目的に応じて必要な温度にまで冷却される。つまり、ガス圧縮機50すなわち回転機械11で発生した熱量は廃熱されることが常であった。
【0040】
そこで、本願発明者らは、回転機械11で生成された熱を本発明の補助動力伝達装置1
に導入することで、有効な熱の再利用を行うことにした。
本発明の補助動力伝達装置1の第7実施形態(回転機械11の熱の再利用)について、図面に基づき説明する。
図7に示すように、第7実施形態に係る補助動力伝達装置1の構成は、以下の点で第1実施形態の装置(図1参照)と略同じである。
【0041】
すなわち、第7実施形態の補助動力伝達装置1、言い換えれば、第7実施形態の熱機関4はバイナリサイクルを利用した機関を用いている。
具体的には、補助動力伝達装置1は、熱源から供給された熱量により液体の作動流体T(作動媒体)を蒸発させる蒸発器13と、この蒸発器13で蒸発した作動流体Tの蒸気を膨張させて駆動部2を回転駆動させる膨張機3と、この膨張機3で膨張した作動流体Tの蒸気を凝縮させて液体の作動流体Tに変化させる凝縮器12と、この凝縮器12で凝縮した液体の作動流体Tを蒸発器13に圧送することにより作動流体Tを循環させる媒体循環ポンプ14と、を備えている。
【0042】
これらの蒸発器13、膨張機3、凝縮器12、媒体循環ポンプ14は、作動流体T(低沸点の有機媒体、例えば、代替フロン(R245fa)など)を循環させる閉ループ状の循環配管55により順に接続されている。
さらに、膨張機3を構成する駆動部2(スクリュロータ)は熱機関4内に密閉状態で収容されており、駆動部2が回転して発生する回転駆動力を熱機関4の外部へ取り出す動力伝達軸6には磁気カップリング10が設けられている。この構成も第1実施形態と略同じである。この磁気カップリング10を介して膨張機3で発生する回転駆動力を熱機関4の外部に伝達するとともに、回転機械11に送って、この回転機械11の補助動力として利用する構成とされている点も同じである。
【0043】
加えて、第7実施形態の補助動力伝達装置1と回転機械11との間には、動力伝達軸6の回転速度を変速するとともに補助動力を下流側へ伝達する変速機17と、回転機械11への補助動力の伝達状態を制御するクラッチ機構18とが設けられている点も同じである。
その一方で、第7実施形態に係る補助動力伝達装置1の構成は、以下の点で第1実施形態と大きく異なっている。
【0044】
まず、バイナリサイクルで構成された補助動力伝達装置1が動力アシストする対象である回転機械11として、供給されたガスVを高圧に圧縮する「ガス圧縮機」が採用されている。
ガス圧縮機50は、外部からガスV(例えば、30℃程度)を導入し、導入したガスVをガス圧縮機50内の圧縮手段(ロータ)51,52の回転により断熱圧縮し、高圧のガスVにするものである。このとき、生成されたガスVは、昇温(例えば、180℃程度)されて多量の熱を有するようになる。
【0045】
第7実施形態のガス圧縮機50は、軸直列に接続した複数の圧縮手段(一段目の圧縮手段51、二段目の圧縮手段52)と、この複数の圧縮手段を駆動させるモータ53とを備え、且つ潤滑油を用いないオイルフリー式の多段ガス圧縮機とされている。駆動力を発生するモータ53は電動モータである。しかしながら、モータ53として油圧ポンプで駆動する油圧モータを用いてもよい。この油圧モータは、膨張機3からの動力により駆動されるとよい。
【0046】
このようなガス圧縮機50では、外部から導入されたガスVが、一段目の圧縮手段で圧縮されて高圧のガスVになり、まずは、補助動力伝達装置1に備えられた第1蒸発器56(詳細は後述)の一次側へ流入するようになっている。第1蒸発器56を流通したガスVは、二段目の圧縮手段に送られてさらに圧縮され高圧のガスVになる。生成された高圧のガスVは、補助動力伝達装置1に備えられた第2蒸発器57(詳細は後述)の一次側へ流入し、第2蒸発器57を流通したガスVは、クーラ54などの冷却装置により使用目的に応じて必要な温度にまで冷却される。
【0047】
以上述べたガス圧縮機50(回転機械11)は、1つのコンポーネントとして、ユーザに供給されているものであって、それ単体で稼働可能なものである。本実施形態の補助動
力伝達装置1は、このガス圧縮機50に付加的に取り付けられ、ガス圧縮機50に対して動力アシストを行うものとなっている。
一方、第7実施形態の補助動力伝達装置1自体(熱機関4自体)としては、以下の点で第1実施形態と異なっている。
【0048】
すなわち、補助動力伝達装置1は、並列に配備された第1蒸発器56、第2蒸発器57を有している。つまり、蒸発器13が媒体循環ポンプ14の下流側に2つ以上備えられている。
第1蒸発器56、第2蒸発器57の入側には、媒体循環ポンプ14の下流側に接続された循環配管55から並列に分岐した配管がそれぞれ繋がっている。第1蒸発器56、第2蒸発器57の出側から延びる配管は、膨張機3の上流側の循環配管55にそれぞれ繋がるようになっている。
【0049】
このような補助動力伝達装置1に関し、第1蒸発器56では、一段目の圧縮手段で生成された高圧のガスVの熱量を利用して(熱交換して)、液体の作動流体Tを気化させて、蒸気の作動流体Tを生成する。また、第2蒸発器では、第1蒸発器56と同様に、二段目の圧縮手段52で生成された高圧のガスVの熱量を利用して(熱交換して)、液体の作動流体Tを気化させて、蒸気の作動流体Tを生成する。このようにして生成された蒸気の作動流体Tは、第1蒸発器56及び第2蒸発器57の出側に接続された循環配管55を通って膨張機3に送られる。
【0050】
膨張機3では、第1蒸発器56及び第2蒸発器57で生成された作動流体Tの蒸気が膨張し、膨張前後の作動流体Tの圧力差を利用して駆動部2が回転駆動する。
膨張機3で生じた回転駆動力は、磁気カップリング10を介して熱機関4の外部に取り出され、変速機17(減速機)に伝達される。変速機17では、ガス圧縮機50を駆動させるのに最適な回転速度に変速された後、変速後の回転駆動力はクラッチ機構18を介してガス圧縮機50のモータ53に伝達される。
【0051】
このようにすることで、ガス圧縮機50で生成された高圧ガスVの熱量を捨てることなく再利用することができ、膨張機3の駆動部2で発生した回転駆動力をガス圧縮機50に備えられたモータ53の補助動力として利用することが可能となり、エネルギ効率の良いガス圧縮機50を実現することができるようになる。
なお、膨張機3において膨張後の作動流体Tの挙動などは、第1実施形態と略同じであるため、説明を省略する。
【0052】
さて、第7実施形態の説明においては、ガス圧縮機50の圧縮手段51,52を軸直列に接続すると述べたが、具体的な接続方法には、図8に示すように他の形態(非軸直列)を採用することができる。
例えば、図8(a)に示すように、補助動力発生装置の膨張機3の出力軸には、変速機17とクラッチ機構18とが接続されていて、クラッチ機構18の出力軸に、ガス圧縮機50のモータ53が接続される構成を採用してもよい。モータ53の駆動軸にはブルギア58が接続されている。このブルギア58には2つのピニオンギア59が噛み合わされており、ブルギア58の回転駆動力を各ピニオンギア59に伝達している。2つのピニオンギア59は、ブルギア58を挟むように配置されており、一段目の圧縮手段51、二段目の圧縮手段52の駆動軸にそれぞれ接続されている。
【0053】
これにより、膨張機3で発生した回転駆動力をモータ53の回転駆動力と共にブルギアに伝達し、このブルギア58に噛み合うピニオンギア59を通じて、一段目の圧縮手段51及び二段目の圧縮手段52に伝達している。
また、図8(b)に示すように、補助動力発生装置の膨張機3の出力軸にはピニオンギア(第1ピニオンギア60)が接続され、この第1ピニオンギア60はブルギア58に噛み合うような構成を採用することもできる。このブルギア58はモータ53の駆動軸に接続されている。
【0054】
モータ53の駆動軸に取り付けられたブルギア58には、別のピニオンギア(第2ピニオンギア61)が噛み合わされており、この第2ピニオンギア61は一段目の圧縮手段51の駆動軸に接続されている。さらに、ブルギア58には別のピニオンギア(第3ピニオ
ンギア62)が噛み合わされており、この第3ピニオンギア62は二段目の圧縮手段52の駆動軸に接続されている。
【0055】
これにより、膨張機3で発生した回転駆動力をモータ53からの駆動力が伝達されるブルギア58に伝達し、このブルギア58を介して噛み合うピニオンギア59に伝え、一段目の圧縮手段51及び二段目の圧縮手段52に伝達することができる。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0056】
例えば、上記実施形態では特に記載していないが、機構膨張機の回転速度をそのまま回転機械に入力できる場合においては、膨張機から回転機械までの動力伝達経路上に変速機は設けなくてもよい。また、磁気カップリングの駆動側磁石及び従動側磁石それぞれの磁石の数も2個に限らず、それ以上でもよい。
また、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
【符号の説明】
【0057】
1 補助動力発生装置
2 駆動部(スクリュロータ)
3 膨張機
4 熱機関
5 ハウジング
6 動力伝達軸
7 隔壁
8 駆動軸
9 従動軸
10 磁気カップリング
11 回転機械
12 凝縮器
13 蒸発器
14 媒体循環ポンプ
15 動力伝達経路
16 駆動源
17 変速機
18 クラッチ機構
20 外筒体
22 内挿体
23 ポンプ駆動軸
24 操作レバー
25 発電機
26 ポンプロータ
27 発電機能付きモータ
50 ガス圧縮機
51 1段目の圧縮手段(ロータ)
52 2段目の圧縮手段(ロータ)
53 モータ
54 クーラ(冷却装置)
55 循環配管
56 第1蒸発器
57 第2蒸発器
58 ブルギア
59 ピニオンギア
60 第1ピニオンギア
61 第2ピニオンギア
62 第3ピニオンギア
T 作動流体
V ガス(空気)
W 冷却水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
膨張機を備えた熱機関と、前記膨張機で発生する回転駆動力を当該膨張機のハウジングの外部へ取り出す動力伝達軸とを有する補助動力発生装置であって、
前記膨張機のハウジングはその隔壁で囲まれた内部に前記膨張機の駆動部を収容しており、
前記動力伝達軸は、前記隔壁を間に介して前記膨張機のハウジングの内外に分断されているとともに前記膨張機の回転駆動力を当該ハウジングの外部に伝達するべく磁気カップリングを備えており、
前記磁気カップリングを介して取り出された回転駆動力を前記熱機関とは別に設けられた駆動源の動力で回転機械を駆動させる際に当該駆動源の動力を補う補助動力に用いることを特徴とする補助動力発生装置。
【請求項2】
前記磁気カップリングを介して取り出された回転駆動力が伝達される動力伝達経路に、前記回転機械への前記補助動力の伝達状態を制御するクラッチ機構が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の補助動力発生装置。
【請求項3】
前記磁気カップリングを介して取り出された回転駆動力が伝達される動力伝達経路に、前記動力伝達軸の回転速度を変速するとともに前記補助動力を下流側へ伝達する変速機が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の補助動力発生装置。
【請求項4】
前記磁気カップリングを介して取り出された回転駆動力が伝達される動力伝達経路に、前記補助動力を用いて発電を行う発電機が設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の補助動力発生装置。
【請求項5】
前記膨張機のハウジングの内部には、前記膨張機の駆動部を介して取り出された回転駆動力を用いて発電を行うとともに前記補助動力を下流側へ伝達する発電機が設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の補助動力発生装置。
【請求項6】
前記回転機械が供給されたガスを高圧に圧縮する圧縮機であって、前記圧縮機の駆動源がモータとされており、
前記モータの動力でガス圧縮機を駆動させる際に、前記熱機関で発生した回転駆動力を当該モータの動力を補う補助動力に用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の補助動力発生装置。
【請求項7】
前記熱機関は、熱源から供給された熱量により液体の作動媒体を気化させる蒸発器と、前記蒸発器で気化した作動流体を膨張させて回転駆動力を発生させる膨張機と、前記膨張機で膨張した作動流体を凝縮させて液体の作動媒体に変化させる凝縮器と、液体の作動媒体を蒸発器に圧送する媒体循環ポンプと、を備えるバイナリサイクル機関であって、
前記熱機関の蒸発器には、前記圧縮機で断熱圧縮されたガスが有する熱量が、液体の作動媒体を気化させる熱源として供給されることを特徴とする請求項6に記載の補助動力発生装置。
【請求項8】
前記回転機械は、2つ以上の圧縮機を備えた多段圧縮機であって、
各圧縮機から吐出された高圧のガスが、前記熱機関内の作動媒体を気化させる熱源として前記蒸発器へ供給されることを特徴とする請求項6または7に記載の補助動力発生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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