説明

製品情報管理装置、方法、及びプログラム

【課題】製品及び部品の重要な特性情報や仕様項目を特定でき、効果的な設計支援(製品・部品情報管理)を実現できる技術を提供する。
【解決手段】本製品情報管理装置(100)は、製品及び部品の仕様項目とその仕様値を含む仕様データ(60)を記憶する仕様データ記憶部(21)と、仕様データ(60)を用いて、製品及び部品の複数の仕様項目の関係を示す仕様項目関係情報を算出し、記憶部(22)に記憶する処理を行う算出部(11)と、仕様項目関係情報を、ユーザに対して画面で表示する処理を行う表示部(12)と、画面で表示される仕様項目関係情報における、複数の仕様項目の関係を、ユーザの入力操作により編集し、当該編集に応じて記憶部の仕様項目関係情報及び当該画面の表示内容を更新する処理を行う編集部(13)を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品情報管理の情報処理の技術に関する。特に、過去に設計または生産した製品及び部品に関するデータを管理する製品情報管理装置に関する。特に、管理している製品及び部品のデータの処理により製品及び部品の特徴を抽出して製品及び部品の標準化などの支援に有用な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
製品情報管理に係わる先行技術例として、特開2009−288848号公報(特許文献1)、特許第3879673号(特許文献2)などがある。
【0003】
特許文献1では以下のような記載がある(要約参照)。課題として、「より効果的、効率的な複数の製品の部品共通化設計を可能にする」。解決手段として、「複数の製品、当該製品を構成する部品、当該部品による実現される機能及び当該機能の特性に関する情報の関連性についてユーザに設定させ、その設定された内容に基づき関係情報を定義して前記情報と共に製品設計情報等記憶手段3に登録する情報生成手段2と、共通化したい部品を含む製品を特定し、当該製品から成る製品群情報を生成する部品共通化処理手段4と、製品群情報にて指定された製品群及び製品群に含まれる製品を、設定された評価指標に従い評価する部品共通化評価手段6と、を有する」。
【0004】
特許文献2では以下のような記載がある(要約参照)。課題として、「標準部品を選定するユーザーは、類似度の定義を良く知らなければ適切な標準部品の選定ができない」。解決手段として、「複数の部品のデータから標準部品にふさわしい部品を選定する部品標準化支援装置において、複数の部品の属性を表わす多次元データを格納する多次元データベースと、複数の部品の生産量を表わす生産実績データを格納する生産実績データベースと、属性名と対応する近傍範囲値の入力を受け付けて近傍範囲データを作成する近傍範囲入力装置と、該多次元データベースに格納された上記多次元データと、該生産実績データベースに格納された上記生産実績データを読み出し、読み出した複数の部品のデータを上記近傍範囲データを用いて標準部品を選定し、標準部品データを出力する標準部品判定装置と、上記標準部品データを表示する表示装置とを有する」。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−288848号公報
【特許文献2】特許第3879673号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術では、設計者などのユーザ(人)が関係情報を入力する。しかし、入力する人のレベルに応じて、関係情報の入力の仕方が難しくなる。また更に、関係情報として多数の項目になってくると、その扱いが難しくなる。関係情報が多数の項目の場合であってもユーザが容易に扱えることが望ましい。
【0007】
前記特許文献1には、複数の製品の部品共通化設計を可能にする部品共通化設計支援装置が記載されている。しかし、この装置では、部品共通化設計支援のために必要な製品及び部品に関する機能及び特性に関する関係情報をユーザが設定する。そのため、ユーザは製品及び部品に関する設計知識を十分に保有している必要があり、知識を保有しないユーザは部品共通化設計を実施することは難しい。さらに、知識を保有していても、製品及び部品に関する機能及び特性情報は多数存在し、多数の情報からどの情報を使用するかを特定する時間を要し、ユーザによる関係情報の設定に時間がかかり、部品共通化にも時間がかかる。
【0008】
前記特許文献2には、部品標準化を判定するために部品の属性の近傍範囲を入力することで、標準部品を選定できる部品標準化支援装置が記載されている。しかし、同じ製品または部品の属性の近傍範囲でも製品及び部品の種類により異なり、製品及び部品の設計及び製造制約を理解した設計者しか近傍範囲を指定できず、部品標準化を実施することは難しい。
【0009】
以上を鑑み、本発明の主な目的は、製品情報管理装置などの技術において、たとえ製品及び部品の設計を十分に理解していない人(設計者)であっても、製品及び部品の重要な特性情報や仕様項目を特定し、それに基づき部品共通化や標準化などを実施することができるように、効果的な設計支援(製品・部品情報管理)を実現できる技術を提供することである。
【0010】
例えば、所定のグラフィカルユーザインタフェースの提供により、製品及び部品に関する多数の仕様情報(仕様項目)などの情報を整理して表示し、それらの中から重要な仕様項目など(例えば部品決定の条件となる重要な仕様項目など)がわかりやすくなり見つけやすくすることができ、更に、重要な仕様項目などがわかることによりコストに影響が大きい項目などを抽出しやすくすることができ、また重要な仕様項目により過去の製品・部品情報を整理することにより標準部品の抽出などが正確となり、製品コスト低減に貢献できる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明のうち代表的な形態は、製品情報管理装置などであって、以下に示す構成を有することを特徴とする。
【0012】
本製品情報管理装置は、製品、及び製品に使われる部品(構成部品)の情報を管理するコンピュータ情報処理(ソフトウェアプログラム処理など)を行う装置であって、製品及び部品の仕様項目とその仕様値(仕様項目値)を含む仕様データを記憶部に記憶・登録等する処理を行う第1の手段と、前記仕様データを用いて前記製品及び部品の複数の仕様項目の関係を示す情報を算出し、前記記憶部に記憶する処理を行う第2の手段と、前記仕様項目関係情報を、ユーザに対して画面で表示する処理を行う第3の手段とを有する。また、本装置は、前記画面で表示される仕様項目関係情報における、複数の仕様項目の関係を、ユーザの入力操作により編集し、当該編集に応じて前記記憶部の仕様項目関係情報及び当該画面の表示内容を更新する処理を行う編集部を有する。
【0013】
前記算出部(第2の手段)は、前記仕様項目関係情報として、仕様項目の組における両者間の関係値αを算出し、関係値データとして前記記憶部に記憶する処理と、仕様項目の組における影響値βを算出し、影響値データとして前記記憶部に記憶する処理と、前記関係値αをもとに複数の仕様項目における関連仕様項目群を設定する処理と、前記影響値βをもとに前記関連仕様項目群における代表仕様項目を設定する処理とを行う。
【発明の効果】
【0014】
本発明のうち代表的な形態によれば、製品情報管理装置などの技術において、たとえ製品及び部品の設計を十分に理解していない人(設計者)であっても、製品及び部品の重要な特性情報や仕様項目を特定し、それに基づき部品共通化や標準化などを実施することができるように、効果的な設計支援(製品・部品情報管理)を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施の形態のシステム(製品情報管理装置を含む)の全体の構成を示す図である。
【図2】補足として図1の製品情報管理装置の詳しい構成例を示す図である。
【図3】本実施の形態の製品情報管理装置による処理全体のフロー図である。
【図4】図3の仕様項目関係値(α)算出処理(S302)のフロー図である。
【図5】図3の仕様項目影響値(β)算出処理(S303)のフロー図である。
【図6】製品及び部品に関する仕様データ(60)のテーブル例を示す図である。
【図7】仕様項目関係値データ(70)のテーブル例を示す図である。
【図8】仕様項目影響値データ(80)のテーブル例を示す図である。
【図9】仕様項目関係表示の画面例(その1)を示す図である。
【図10】仕様項目関係表示の画面例(その2)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態(製品情報管理装置など)を詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0017】
[システム(1)]
図1は、本実施の形態のシステム(製品情報管理システム)を構成する製品情報管理装置100及び周辺機器などを含んで成る構成例を示している。システム全体は、製品情報管理装置100、それに接続される入出力装置31、及び通信ネットワーク41を介して接続される遠隔入出力装置42を有する。ユーザ(製品情報管理者、設計者など)は、入出力装置31の操作を通じて本製品情報管理装置100の機能を利用する。製品情報管理装置100は、一般的な計算機(PC等)で構成でき、例えばソフトウェアプログラム処理により本特徴的な処理機能(演算装置10の各処理部を含む)を実現する。
【0018】
製品情報管理装置100は、演算装置10、記憶装置20、入出力I/F(インタフェース)装置30、通信装置40、及びバスなどで構成される。
【0019】
入出力装置31は、ユーザの操作により、仕様値データ等の入力や関連する設計情報の出力などを行う入力装置や出力装置であり、例えばキーボード、マウス、ディスプレイ、プリンタなどがある。入出力I/F装置30は、各入出力装置31とデータ交換などのインタフェース制御(周辺デバイス制御)の処理を行う部分である。本システムでは、演算装置10の処理及び入出力I/F装置30の処理に基づいて、ディスプレイ(31)の画面で、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)を構成し、各種の情報を表示する。
【0020】
通信装置40は、本装置(100)を通信ネットワーク41へ接続する通信インタフェース処理を行う。遠隔入出力装置42は、インターネットやLAN等の通信ネットワーク41を介して、ユーザが遠隔地で本装置(100)に対してデータ入出力等を可能とする場合に用いる。遠隔入出力装置42を用いる場合、本装置(100)の通信装置40との間で通信ネットワーク41を介しデータ交換などの処理を行う。例えば、本装置(100)をWebサーバ装置とし、遠隔入出力装置42をWebブラウザを備えた端末装置などとしてもよい。
【0021】
演算装置10は、例えばCPU,RAM,ROM等の公知の要素により構成される。演算装置10は、処理部として、算出部(仕様項目関係算出部)11、表示部(仕様項目関係表示部)12、編集部(仕様項目関係編集部)13を有する。
【0022】
なお、本装置(100)は、図示しないが、OS、ミドルウェア、アプリケーションなどの公知の要素を有し、特にディスプレイ(31)にGUI画面をWebページ形式などで表示するための既存の処理機能を備える。演算装置10(各処理部)は、上記の既存の処理機能を用いて、所定の画面を描画し表示する処理や、画面でユーザ入力されるデータ情報の処理などを行う。
【0023】
記憶装置20は、例えばHDDやMO等の公知の要素により構成され、仕様データ記憶部21、及び仕様項目関係記憶部22を含む、記憶部ないし対応するデータ情報(例えばデータベースやテーブル)を有する構成である。またこれらの各データ情報及びプログラム等は、通信ネットワーク41を介して外部から取得・参照される形としてもよい。
【0024】
仕様データ記憶部21は、対象とする製品及び当該製品を構成する部品に関する仕様データ60を記憶する部分であり、例えば既存データ(他システムで管理・作成された情報)を用いることができる。
【0025】
仕様項目関係記憶部22は、演算装置10での本特徴的な機能により処理されるデータ情報が記憶される部分であり、仕様項目関係値データ70と、仕様項目影響値データ80とを含む。仕様項目関係値データ70は、仕様データ60(21)における製品/部品の仕様項目間の関係値を示すデータである。仕様項目影響値データ80は、製品/部品の仕様項目間の影響値を示すデータである。
【0026】
[システム(2)]
図2は、補足として、図1の製品情報管理装置100の詳しい構成例を示している(対応処理は後述される)。算出部11は、関係値α算出処理、関連仕様項目群設定処理、影響値β算出処理、代表仕様項目設定処理などを含む。表示部12は、仕様項目情報表示処理、仕様項目関係情報表示処理を含む。仕様項目情報表示処理は、仕様データ60を用いて仕様項目情報(製品・部品情報)を画面G0(図示しない)へ表示する処理である(従来技術)。例えば図6のようなテーブルをそのまま表示してもよい。仕様項目関係情報表示処理は、各データ(60,70,80)を用いて仕様項目関係情報(一覧情報(g101)、関係情報(g102)など)を画面G1へ表示する。編集部13は、ユーザによる画面G1の情報内容の編集に応じて、表示内容及び対応データ情報(60,70,80)を更新する。
【0027】
[仕様データ]
図6は、仕様データ記憶部21に記憶される仕様データ60のデータテーブル例である。テーブルの縦軸(行)には、これまでに設計された製品または部品のデータ(レコード)が並ぶ。図6の例では、部品ID(6a)及び部品名(6b)で識別される部品データが並んでいる(即ち部品の仕様データを管理している)が、製品ID,製品名などに変えて製品データにする場合も同様である。部品ID(6a)は多数(例えば百〜十万のオーダー)の製品/部品を一意に識別可能な値が使用される。
【0028】
横軸(列)には、6c以降の各項目において、部品ID(6a)で示す部品に関する仕様データ項目(仕様項目)が並んでおり、各レコードでその具体的な値(仕様データ値(仕様値))が格納されている。図6の例では、部品の仕様項目として、出力(6c)、電流(6d)、消費電力(6e)、回転数(6f)、重量(6g)、奥行(6h)、周波数(6i)、等がある。例えば、部品ID=“P001”、部品名=「ポンプ」の部品の仕様データとして、出力(6c)=50,電流(6d)=2.5,消費電力(6e)=85,回転数(6f)=3000,重量(6g)=13.0,といった値データが記憶されている。
【0029】
[仕様項目関係値データ]
図7は、仕様項目関係記憶部22に記憶される仕様項目関係値データ70のデータテーブル例を示す。関係値は、主に仕様項目の群(グループ)の設定(決定)に係わる情報である。縦軸と横軸の各項目には、図6(60)に示した仕様項目(仕様項目名)(6c〜6i等)が列挙されている。これら縦横の各々の仕様項目の交差するセル部分には、両者の関係値が相関係数の形で格納される。説明上、関係値をα、相関係数をRとする。本実施の形態では、仕様項目間の関係値αとして相関係数Rを用いた場合を説明する。
【0030】
相関係数Rは、二つの仕様項目の間に関係の方向を持たない値である。そのため、本テーブルでは、対角方向に同じデータが登録されている。例えば、「出力」行の「電流」列の値(701)は0.58であり、「電流」行の「出力」列の値も同じである。
【0031】
また本テーブルに有する関連仕様項目群ID(702)の列のデータは、仕様項目の纏まり(群、グループ)を表すデータ(識別情報)である。本例では、当該IDを“群001”のように表記している。例えば、仕様項目における「出力」と「電流」と「消費電力」が一つの纏まりである場合、これら3つの仕様項目の仕様項目群ID(702)は同じ値“群001”になる。
【0032】
[仕様項目影響値データ]
図8は、仕様項目関係記憶部22に記憶される仕様項目影響値データ80のデータテーブル例を示す。影響値は、主に仕様項目の代表の設定(決定)に係わる情報である。本テーブルでは、仕様データ60(21)における仕様項目で関連した仕様項目群における仕様項目間の影響値を記憶する。図7の仕様項目関係値データ70のテーブルで、関連仕様項目群ID(702)が同一である(1つ以上の)仕様項目により、本仕様項目影響値データ80のテーブルを作成する(演算装置10による)。図7の例では、例えば関連仕様項目群ID(701)が群001である3つの仕様項目である出力(6c),電流(6d),消費電力(6e)により、図8のような仕様項目影響値データ80のテーブルを作成している。同様に、群ID(701)ごとに仕様項目影響値データ80のテーブルが作成される。
【0033】
図8の仕様項目値影響データ80のテーブルでは、縦軸と横軸に仕様項目(仕様項目名)を列挙し、縦軸の仕様項目を説明変数(X)、横軸の仕様項目を被説明変数(Y)とした場合の影響値を、縦横の交差するセル(801)に、基本として記憶している。なお説明上、影響値をβとする。回帰分析:Y=AXにおいて、X:説明変数、Y:被説明変数(目的変数)、A:回帰係数とする。本実施の形態における影響値βとは、説明変数Xの仕様項目の値が被説明変数Yの仕様項目の値の決定に影響する度合いを示す値である。本実施の形態では、一例として、影響値βとして回帰係数Aを用いた構成を説明する。
【0034】
図8のデータでは、例えば「出力」(6c)を説明変数Xとし、「電流」(6d)を被説明変数Yとした場合の回帰係数Aの値=0.72が、「出力」行と「電流」列の交差するセルに影響値β(801)として記憶されている。また逆に「電流」(6d)を説明変数Xとして、「出力」(6c)を被説明変数Yとした場合の回帰係数Aの値=0.68が影響値β(802)として記憶されている。図7のテーブルとは異なり、対角に登録されている値が必ずしも一致しない。
【0035】
また図8のテーブルにおける「合計」列(803)は、当該行における説明変数Xである仕様項目の影響値βを合計した値を記憶する。例えば、「出力」行において、「電流」列の値0.72と「消費電力」列の値0.80とを合計した値1.52が当該合計列(803)に記憶されている。
【0036】
また図8のテーブルにおける「代表仕様項目フラグ」列(804)は、本テーブルに記憶されている仕様項目の中で代表となる仕様項目に値1を記憶している。図8の例では、「出力」行において代表仕様項目フラグ(804)の値を1とし、他の行(電流,消費電力)には当該フラグ値を記憶していないことにより、仕様項目「出力」(6c)が代表仕様項目であることを示している。
【0037】
なお本実施の形態では、一つの仕様項目影響値データ80のテーブルで、一つの仕様項目のみ、代表仕様項目フラグ(804)を1として代表に設定するが、別の形態として、二つ以上の仕様項目を代表(1)として設定可能としてもよい。
【0038】
[演算装置]
図1に戻り、演算装置10の各処理部について説明する。算出部(仕様項目関係算出部)11は、仕様データ記億部21に記憶されている仕様データ60(図6)を取り出し、仕様項目間の関係値α(相関係数R)と影響値β(回帰係数A)を算出する処理を行う(関係値α算出部、影響値β算出部を有する)。そして算出部11は、上記算出した関係値αのデータ(70)と影響値βのデータ(80)を、仕様項目関係記憶部22(70,80)に格納する(図7,図8)。図4,図5には算出部11(関係値α算出部、影響値β算出部)の処理内容を示す(後述)。
【0039】
表示部(仕様項目関係表示部)12は、仕様項目関係記憶部22に記憶されているデータ(70,80)における、仕様項目間の関係値αと、関連仕様項目群ID(702)と、代表仕様項目フラグ(804)とを用いることにより、仕様項目(複数)の関係を画面に表示する処理を行う。図9,図10に表示部12による表示画面の一例を示す(後述)。
【0040】
[処理]
図3は、本実施の形態の製品情報管理装置100(演算装置10)による動作・処理の全体を示す(Sは処理ステップを示す)。
【0041】
(S301) 仕様項目関係算出部11は、仕様データ記憶部21に記憶されている仕様データ60から、処理対象となる部品(または製品)の仕様データ(仕様項目とその仕様値)を取り出す。
【0042】
(S302) 算出部11(特に関係値α算出部)は、上記取り出した全ての仕様データの仕様項目間の関係値α(相関係数R)の算出と、当該仕様項目(関係値α)に関する関連仕様項目群(群ID)(702)の設定とを行う。S302で算出したデータは、仕様項目関係記憶部22の仕様項目関係値データ70に格納する。詳細は図4で示される。
【0043】
(S303) 算出部11(特に影響値β算出部)は、上記S302で設定された関連仕様項目群(702)の中での仕様項目間の影響値βを算出し、当該影響値βにより関連仕様項目群の中の仕様項目から代表仕様項目(フラグ)(804)を設定(決定)する。S303で算出したデータは、仕様項目関係記憶部22の仕様項目影響値データ80に記憶する。詳細は図5で示される。
【0044】
(S304) 次に、仕様項目関係表示部12により、仕様項目関係記憶部22に記憶されている仕様項目関係値データ70などを取り出し、関係する仕様項目の一覧などの情報を画面(31)に表示する処理を行う。図9の画面G1の左側の仕様項目一覧(g101)がその表示例である。例えば複数の仕様項目を、代表仕様項目(g111)、関連仕様項目(g112)などの関係に応じて、ツリー状に表示し、チェックボックス等(g103)で状態表示や選択指定操作を可能とし、ボタン等(g121〜g123)で各処理指示を可能とする。
【0045】
(S305) 表示部12は、上記画面G1(g101)に表示した仕様項目の何れかに対するユーザによる指示入力を受け付け、当該指示(指定)された仕様項目について、仕様項目関係情報を表示する処理を行う。画面G1の右側の仕様項目関係表示(g102)がその表示例である。上記指示入力は、チェックボックスのチェック、ボタン押下、仕様項目のクリック、図示しないメニューからの選択、入力フォームへの文字入力など、各種のGUI手段により可能である。
【0046】
(S306) 表示部12は、上記表示した画面G1において、ユーザによる関係表示閾値(関係性の高い仕様項目を表示するための閾値)の変更(修正)を受け付ける。例えば画面G1のg102の関係表示閾値(g104)のスライドバーを操作することで閾値を可変できる。当該閾値の変更を受けた場合、表示部12は、S302に戻り、算出部11により、当該変更後の閾値に応じて、仕様項目関係値αを(再度)算出し、算出した値により記憶部(22)の仕様項目関係値データ70の内容を更新し、更新後の内容となるように表示部12により再度画面(G1)を表示する。
【0047】
(S307) 次に、仕様項目関係編集部13は、上記表示部12により表示された画面(31)(G1)で、ユーザによる仕様項目関係の変更(修正)を受け付け、当該変更を受けた場合、当該変更データによって仕様項目関係記憶部22のデータ(70,80)を更新する。例えば、新たに関連仕様項目として追加する対象の仕様項目のチェック(指定)を受ける。また例えば、関連仕様項目から除外する対象の仕様項目のチェック(指定)を受ける。また例えば、代表仕様項目を変更する先の仕様項目のチェック(指定)を受ける。
【0048】
(S308) 上記代表仕様項目の変更などにより、編集部13により仕様項目関係記憶部22のデータ(70,80)が更新されている場合(Y)、S304に戻り、変更後の内容となるように表示部12により再度画面(G1)を表示する。
【0049】
(S309) 以上の処理・操作に基づき、対象の全ての代表仕様項目がユーザにより確認・修正済みの状態となった場合、代表仕様項目を用いた所定の処理の実行をユーザ操作により受け付ける。この所定の処理の例としては、標準部品を抽出する処理、部品コストに影響する仕様項目を抽出する処理、などがある(公知技術)。
【0050】
標準部品を抽出する処理としては、過去の部品使用の実績から部品の代表仕様項目の値の頻度分布を確認し、頻度が高い仕様値の部品は頻繁に使われる部品で、標準部品として抽出するといった処理に利用できる。同様に、過去の部品の使用実績から部品の代表仕様項目とコストの相関関係を算出することで、コストと相関の高い仕様項目を抽出するといった処理に使われる。
【0051】
[画面]
図9,図10を用いて、前記表示部12や編集部13によりS304,S305等で表示するGUI画面例について説明する。図9は、仕様項目関係表示画面G1(前述の仕様項目一覧(g101)及び仕様項目関係(g102)を表示した状態)を示し、図10の画面G1bは、図9の画面G1の状態からユーザ操作により仕様項目の関係を変更しデータを更新した後の状態を示す。表示部12は、対象とする製品/部品ごとに、本画面(G1)の内容を生成する。画面G1の例では、部品「ポンプ」に関する情報を表示する例を示している。表示部12は、仕様データ記憶部21に記憶されている仕様データ60と、仕様項目関係記憶部22に記憶されている仕様項目関係値データ70、及び仕様項目影響値データ80を用いて、画面G1の左側の領域に、部品「ポンプ」に関する「仕様項目一覧」(g101)を表示する(前記S304)。
【0052】
図9の画面G1の仕様項目一覧表示(g101)において、例えば部品「ポンプ」を最上位のノードとして、それに従属(関係)する各仕様項目(代表仕様項目)のノードを線でつなげてツリー状に表示し(g111)、更に各仕様項目(代表仕様項目)のノードの下位に対しても従属(関係)する各仕様項目(関連仕様)(同じ群における代表仕様項目以外の仕様項目)を線でつなげてツリー状に表示する(g112)。
【0053】
表示部12は、仕様項目関係値データ70の仕様項目群ID(702)を用いて、仕様項目の纏まりを上記ツリー状で表示する。また仕様項目影響値データ80の代表仕様項目フラグ(804)を用いて、表示上の上位となる代表仕様項目を表示する(g111)。図7のデータ(70)の例からは、関連仕様項目群ID(702)が群001(同一)である3つの仕様項目「出力」「電流」「消費電力」が図示のようにツリー状で纏めて表示され、また図8の群001のデータ(80)の例から、代表仕様項目がフラグ(804)により「出力」であるため、図示のように「出力」を上位(代表)として、「消費電力」「電流」を下位(関連)として表示される。また例えば関連仕様項目(g112)を関係値αが大きい順などで表示する。
【0054】
また、各仕様項目について、ユーザによる選択・指定の操作を可能とする表示部分(GUI部品)である例えばチェックボックス(g103)を設ける。この部分(g103)をユーザが選択(チェック)し、「仕様項目関係表示」ボタン(g123)が押下されると、表示部12は、画面G1の右側の領域に、左側の領域(g101)の内容と対応して、当該選択された仕様項目(例「出力」)に応じた仕様項目関係表示情報(g102)を表示する(前記S305)。即ち複数の仕様項目間の関係を詳細にグラフィカル(本例ではネットワーク(マップ)状)に表示する。
【0055】
例えばG1の仕様項目間関係表示(g102)の状態では、代表仕様項目「出力」(g108)のノードが中心に強調して表示され、その周りに、各仕様項目「電流」「消費電力」「回転数」「重量」「奥行き」「周波数」のノードが表示され、「出力」と各仕様項目との関係が関係値αのデータ(70)に応じて両者のリンク線(g105等)で表示される。リンク(g105等)では、関係値α及び関係表示閾値(g104)などに応じて、太さや色などを変えて表示される。関係表示閾値(g104)は例えばスライドバーの形でユーザにより可変に設定可能である。G1の状態では閾値=0.50である。図10のG1bの状態では、α≧0.5となる仕様項目「電流」「消費電力」(各関係値α=0.58,0.62)については、太いリンク線で表示され、対応する各仕様項目のチェックボックスにチェックが付けられて表示されている。関係値αが小さい仕様項目についてはリンク線を表示しない、あるいは破線などで表示する。
【0056】
またg102で、g103と同様に、各仕様項目につきユーザによる選択・指定の操作を可能とするチェックボックス等(g106等)を設ける。また、「代表仕様変更」ボタン(g131)や「関連仕様変更」ボタン(g132)などを設け、ユーザにより対応する処理を指定して実行を可能とする。
【0057】
G1(g102)の状態で、閾値(g104)の変更(前記S306)により関連仕様項目などを自動的に変更して表示する場合、例えば以下のようになる。なお動的に表示内容を更新してもよいし、「関連仕様変更」ボタン(g132)の押下を必要としてもよい。例えば画面G1の閾値=0.50の状態から画面G1bの閾値=0.30の状態に変更される。すると、図7のデータ(70)で「出力」と「回転数」の関係値α=0.46であるため、閾値=0.30以上となる。そこで、表示部12は、新たに、「出力」と「回転数」の関係を、g201のようにリンクを強調して表示する。そして、ユーザはこの「回転数」を新たに関連仕様項目として追加することを認める場合、この「回転数」のチェックボックス(g206)にチェックを入れ、「関連仕様変更」ボタン(g132)を押下する。すると、編集部13は、指定された仕様項目「回転数」を、代表仕様項目「出力」(g108)に対する関連仕様項目とする変更を、仕様項目関係記憶部22のデータ(70,80)に反映する。編集部13は、図7の仕様項目関係値データ70の例で、仕様項目「回転数」の関連仕様項目群ID(702)を、群003から群001に修正する。また図8の群001に関する仕様項目影響値データ80の例で、仕様項目「回転数」の行と列を追加する。上記処理後、画面G1b(g201)のような内容になる。右側のg102の内容に合わせて、左側のg101の内容もg203のように更新される。各仕様項目のチェック状態は、ユーザが当該仕様項目を関連仕様項目として選択(認定)したことを示す。
【0058】
G1(g101)の状態で、ユーザにより代表仕様項目を変更する場合、例えば以下のようになる。例えば、ユーザは、現在の代表仕様項目「出力」ではなく、新たに代表仕様項目としたい仕様項目として「消費電力」のチェックボックス(g103)を選択し、「代表仕様変更」ボタン(g121)を押下する。すると、表示部12、編集部13により、影響値βのデータ(80)に対して代表仕様項目フラグ(804)を変更する処理を実行後、g101の内容を更新する。即ち「消費電力」が上位(g111)に表示され、「出力」が下位(g123)に表示される。g102でも同様に、仕様項目のノードの選択及び「代表仕様変更」ボタン(g131)を用いて実現できる。
【0059】
またG1(g101)で、ユーザにより関連仕様項目を変更する場合、例えばユーザが新たに関連仕様項目として追加したい仕様項目のチェックボックス(g103)をチェックしたり、あるいは、同じ群の関連項目から除外したい仕様項目のチェックボックス(g103)のチェックを外したりといった操作をし、「関連仕様変更」ボタン(g122)を押下する。すると、表示部12、編集部13により、関係値αのデータ(70)に対して関連仕様項目群ID(702)を変更する処理を実行後、g101の内容を更新する。上記チェックボックスの操作に限らず、ユーザにより所望の仕様項目のノードを選択してコマンドを実行したり、所望の仕様項目のノードを所望の位置へドラッグしたり、1つ以上の仕様項目のノードを選択して関連仕様項目群に設定したり、等の操作で同様に実現してもよい。
【0060】
上記のように、管理データ(60,70,80)に基づきながら、ユーザ操作によりGUI画面(G1)で複数の仕様項目の関係(関連仕様項目や代表仕様項目)をわかりやすく柔軟に変更することができる。
【0061】
また上記画面G1で、ユーザにより「代表仕様による処理」ボタン(g124)が押下されると、演算装置10は、その時点の代表仕様項目による所定の処理へ移る。代表仕様項目による所定の処理は、例えば、部品共通化や標準部品抽出の処理である。
【0062】
[処理(11,α,S302)]
図4は、仕様項目関係算出部11(特に関係値α算出部)による前記S302の仕様項目関係値算出処理の例を示す。
【0063】
(S401) 算出部11は、前記S301で取り出した仕様項目の中から一つの仕様項目(xとする)を選択する。
【0064】
(S402) 上記選択した仕様項目(x)と他の仕様項目(yとする)との関係値αを算出する。本実施の形態では、関係値αとして、下記の式1に示す相関係数Rを算出する。
【0065】
【数1】

【0066】
式1で、xiは一つの仕様項目の値、yiは他の仕様項目の値である。iは1からnまで可変である。上にバーが付いたx,yは、{xi}の平均値、{yi}の平均値を示す。iを変えたすべての仕様項目の組み合わせにより相関係数Rを算出することになる。
【0067】
(S403) 上記算出された関係値α(R)を、仕様項目関係記憶部22の仕様項目関係値データ70の該当セル(701)に記憶する(図7)。
【0068】
(S404) 処理対象のうち上記関係値αをまだ算出していない仕様項目の組み合わせがある場合、S401に戻り、他の仕様項目の組み合わせを選択して、S402以下で同様に関係値αを算出して記憶する。対象の全ての仕様項目(組み合わせ)に対して関係値αの算出が終わると、S405へ移る。
【0069】
(S405) 上記計算結果から、ある閾値(関係表示閾値)以上となる関係値α(R)を一つ選択する。そして、当該関係値αに関連する仕様項目を、新たな関連仕様項目群に設定する。図7の例では、上記閾値(関係表示閾値)を0.5としたとき、例えば「出力」行の「電流」列の関係値(701)が0.58であり、閾値以上となっているので、この関係値α=0.58が選択される。そしてこの関係値α=0.58に関連する仕様項目(「出力」「電流」)を、関連仕様項目群として、関連仕様項目群ID(702)の値を設定する(例えば群001)。
【0070】
(S406) 更に、関連仕様項目群の仕様項目との関係値αが閾値以上で、かつ関連仕様項目群にまだ登録されていない仕様項目を探し、関連仕様項目群に追加登録する。例えば、上記α=0.58に対応した「出力」「電流」と関係する仕様項目の閾値以上である関係値αを探すと、「出力」と「消費電力」の関係値αが0.62であり閾値(0.50)以上であるため、仕様項目「消費電力」も同じ関係仕様項目群として同じ群ID(群001)を登録する。
【0071】
(S407) 上記関連仕様項目群に新たな関連仕様項目が追加登録された場合(Y)、S406に戻り、同様に、他の関連仕様項目を探して追加登録する。例えば、新たな関連仕様項目群として「消費電力」が追加された場合、S406に戻って、「消費電力」に関連する関係値αで閾値以上となるものを探し、例えば「電流」しかなく新たな仕様項目群への追加が無いので、次のS408に進む。
【0072】
(S408) 上記関連仕様項目群に登録されていない仕様項目で、かつ関係値αが閾値以上のものを探す。ある場合(Y)はS405へ戻る。例えば、仕様項目「重量」と「奥行」の関係値αが閾値以上のものとして見つかるので、S405に戻って、新たな関係仕様項目群ID(群002)が設定され、S405以下で同様に処理が行われる。
【0073】
(S409) 最後に、処理対象のすべての仕様項目のうち、上記閾値以上の関係値αが無い、残った仕様項目に対しては、登録済みの値とは異なるそれぞれの群ID(702)を設定して終了する。例えば図7の例では、仕様項目「回転数」に群003、「周波数」に群004が設定される。
【0074】
[処理(11,β,S303)]
図5は、仕様項目関係算出部11(特に影響値β算出部)による前記S303の仕様項目影響値算出処理を示す。
【0075】
(S501) 算出部11は、図7の仕様項目関係値データ70の中から、関連仕様項目群(群ID)を1つ選択する。例えば群001が選択されるとする。
【0076】
(S502) 上記選択された関連仕様項目群から1つの仕様項目(例えば「出力」)を選択して説明変数Xとし、他の仕様項目(例えば「電流」,「消費電力」)を選択して被説明変数Yとして、回帰分析により、当該説明変数Xの仕様項目からの当該被説明変数Yの仕様項目への影響値βを算出する。例えばX:「出力」、Y:「電流」とした場合の回帰係数A、並びに、X:「出力」、Y:「消費電力」とした場合の回帰係数Aを、影響値βとして算出する。この回帰係数Aは、下記の式2により算出される。
【0077】
【数2】

【0078】
式2では、xiを説明変数Xとし、yiを被説明変数Yとする。上にバーが付いたx,yは、{xi}の平均値、{yi}の平均値を示す。なお式1とは記号の意味が異なる。
【0079】
例えば、式2のxiを説明変数Xとする「出力」の仕様値で、yiの被説明変数Yとする「電流」の仕様値により、回帰係数Aが算出される。同様に「消費電力」を被説明変数Yとした場合の回帰係数Aが算出される。
【0080】
(S503) 11は、上記算出した影響値βを、仕様項目関係記憶部22の仕様項目影響値データ80に登録する(図8)。
【0081】
(S504) 上記影響値βを説明変数Xとする仕様項目ごとに、回帰係数Aの合計を算出する。例えば「出力」をXとしたときのAの合計を算出し、仕様項目関係記憶部22の仕様項目影響値データ80に登録する。例えば「出力」の場合、「電流」との回帰係数Aが0.72であり、「消費電力」との回帰係数Aが0.80なので、その合計1.52を、図8の例のように、合計(803)の欄に登録する。
【0082】
(S505) 上記影響値βの合計を算出していない仕様項目がある場合(Y)、S502に戻り、同様に処理を行う。例えば、説明変数Xとして影響値βを算出していない「電流」「消費電力」があるので、S502に戻って同様に影響値βが算出される。
【0083】
(S506) 上記処理で関連仕様項目群の影響値βが全て算出され、各説明変数Xの回帰係数Aの合計が算出されると、当該合計値が最も大きくなる仕様項目を、関連仕様項目群の代表仕様項目としてデータ(80)に設定する。例えば、図8のように群001のすべての影響値βが算出され、各説明変数Xの合計(803)が算出された後、当該合計値が最大の説明変数Xの仕様項目に対し、代表仕様項目フラグ(804)に1を設定する。図8の例では、合計が1.52と最大である仕様項目「出力」に当該フラグ=1が設定され、代表仕様項目となっている。
【0084】
(S507) 他の関連仕様項目群で代表仕様項目を設定していないものがある場合(Y)、当該仕様項目群について、S501に戻って同様に処理を繰り返す。
【0085】
[効果等]
以上説明したように本実施の形態のシステム(製品情報管理装置100)によれば、演算装置10により仕様項目関係のデータ(70,80)を用いてGUI画面(G1)を提供することにより、たとえ製品及び部品の設計を十分に理解していないユーザ(設計者)であっても、製品及び部品の重要な特性情報や仕様項目を特定し、それに基づき部品共通化や標準化などを実施することができるように、効果的な設計支援(製品・部品情報管理)を実現できる。
【0086】
本製品情報管理装置100(演算装置10)による自動的な処理により、仕様データ60として登録されている製品/部品の仕様項目とその仕様値のデータについて、代表仕様項目や関連仕様項目を設定することが容易に可能となる。画面G1で製品及び部品に関する多数の仕様情報(仕様項目)などを整理してわかりやすく表示し、それらの中から重要な仕様項目など(例えば標準部品の決定の条件となる重要な仕様項目など)を見つけやすくすることができる。代表仕様項目を決定した後、代表仕様項目を用いた所定の処理(前記S309)を行うことにより、製品及び部品についての標準部品などの抽出や、コストに影響の大きい重要な仕様項目の抽出などがしやすくなる。重要な仕様項目などにより過去の製品・部品情報を整理することにより、標準部品の抽出などが正確となり、標準部品による受注、設計、生産、保守などを実施でき、製品コスト低減、リードタイム短縮などに貢献できる。
【0087】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明は、生産管理システム,SCM,EDIなどに利用可能である。
【符号の説明】
【0089】
10…演算装置、11…仕様項目関係算出部、12…仕様項目関係表示部、13…仕様項目関係編集部、20…記憶装置、21…仕様データ記憶部、22…仕様項目関係記憶部、30…入出力インタフェース部、31…入出力装置、40…通信装置、41…通信ネットワーク、42…遠隔入出力装置、60…仕様データ、70…仕様項目関係値データ、80…仕様項目影響値データ、100…製品情報管理装置、G1,G1b…仕様項目関係表示画面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品及び部品の情報を管理する製品情報管理装置であって、
製品及び部品の仕様項目とその仕様値を含む仕様データを記憶する仕様データ記憶部と、
前記仕様データ記憶部の仕様データを用いて、前記製品及び部品の複数の仕様項目の関係を示す仕様項目関係情報を算出し、記憶部に記憶する処理を行う算出部と、
前記記憶部の仕様項目関係情報を、ユーザに対して画面でグラフィカルに表示する処理を行う表示部と、を有すること、を特徴とする製品情報管理装置。
【請求項2】
請求項1記載の製品情報管理装置において、
前記画面で表示される仕様項目関係情報における、複数の仕様項目の関係を、ユーザの入力操作により編集し、当該編集に応じて前記記憶部の仕様項目関係情報及び当該画面の表示内容を更新する処理を行う編集部を有すること、を特徴とする製品情報管理装置。
【請求項3】
請求項1記載の製品情報管理装置において、
前記算出部は、前記仕様項目関係情報として、仕様項目の組における両者間の関係値αを算出し、関係値データとして前記記憶部に記憶する処理と、仕様項目の組における影響値βを算出し、影響値データとして前記記憶部に記憶する処理と、前記関係値αをもとに複数の仕様項目における関連仕様項目群を設定する処理と、前記影響値βをもとに前記関連仕様項目群における代表仕様項目を設定する処理と、を行うこと、を特徴とする製品情報管理装置。
【請求項4】
請求項3記載の製品情報管理装置において、
前記算出部は、前記関係値αとして、仕様項目の組における相関係数Rを算出すること、を特徴とする製品情報管理装置。
【請求項5】
請求項3記載の製品情報管理装置において、
前記算出部は、前記影響値βとして、仕様項目の組における一方を説明変数X、他方を被説明変数Yとした回帰分析Y=AXにおける回帰係数Aを算出すること、を特徴とする製品情報管理装置。
【請求項6】
請求項3記載の製品情報管理装置において、
前記表示部は、前記画面において、製品又は部品における複数の仕様項目について、前記代表仕様項目及び前記関連仕様項目群を含む情報を、ツリー状に一覧情報として表示すること、を特徴とする製品情報管理装置。
【請求項7】
請求項3記載の製品情報管理装置において、
前記表示部は、前記画面において、製品又は部品における複数の仕様項目について、前記代表仕様項目及び前記関連仕様項目群を含む情報を、各仕様項目をノードとして、ノード間を関係値αに応じたリンク線でつなげて、ネットワーク状に表示すること、を特徴とする製品情報管理装置。
【請求項8】
請求項7記載の製品情報管理装置において、
前記画面において、前記関係値αに関する閾値を表示し、当該閾値をユーザにより可変設定可能とし、前記関係値αが閾値以上となる仕様項目を強調して表示すること、を特徴とする製品情報管理装置。
【請求項9】
コンピュータの情報処理を用いて製品及び部品の情報を管理する製品情報管理方法であって、
製品及び部品の仕様項目とその仕様値を含む仕様データを記憶部に記憶する第1の処理ステップと、
前記仕様データを用いて、前記製品及び部品の複数の仕様項目の関係を示す仕様項目関係情報を算出し、前記記憶部に記憶する処理を行う第2の処理ステップと、
前記仕様項目関係情報を、ユーザに対して画面でグラフィカルに表示する処理を行う第3の処理ステップと、を有すること、を特徴とする製品情報管理方法。
【請求項10】
コンピュータの情報処理を用いて製品及び部品の情報を管理する処理を実行させる製品情報管理プログラムであって、
製品及び部品の仕様項目とその仕様値を含む仕様データを記憶部に記憶する第1の処理と、
前記仕様データを用いて、前記製品及び部品の複数の仕様項目の関係を示す仕様項目関係情報を算出し、前記記憶部に記憶する処理を行う第2の処理と、
前記仕様項目関係情報を、ユーザに対して画面でグラフィカルに表示する処理を行う第3の処理と、を実行させること、を特徴とする製品情報管理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−114523(P2013−114523A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−261138(P2011−261138)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】