説明

製品成形システムおよび加工ユニット

【課題】金属薄板を加工して製品を成形する製品成形システムまたは加工ユニットにおいて、成形する製品の寸法に合わせて、幅および奥行き等の2つの寸法変更を容易に行うことができ、寸法の異なる製品を順次作製することができる製品成形システムおよび加工ユニットを提供する。
【解決手段】 製品成形装置100は、上金型121と下金型122の少なくとも一方は、成形する製品の寸法に合わせて、上金型121の下金型122に対する相対的な移動方向H1に垂直な仮想平面G1に沿って変位可能な複数の分割下層金型123A〜123Dを含み、分割下層金型123A〜123Dは、仮想平面G1に沿って延びる仮想軸線X1の軸線方向D1と、仮想平面G1に沿って延び、仮想軸線X1と交差する方向に延びる仮想軸線Y1の軸線方向M1とのいずれの方向にも移動可能に設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品成形システムおよび加工ユニットに関し、特に金属薄板などの被加工部材から製品を成形する製品成形システムおよび金属薄板に加工を施す加工ユニットであって、成形される製品の寸法変更を容易に行うことができる製品成形システムおよび加工ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から寸法変更に伴う金属金型段取りの自動化が図られた加工装置等が従来から知られている。
【0003】
たとえば、特開平9−108738号公報に記載された板金曲げ加工装置は、上金型と下金型とを備え、下金型は横長の支持部材に対してその長手方向に複数分割した分割下金型を有する。そして、左右の分割下金型を駆動機構によって支持部材の長手方向に相対スライドさせて、中央の分割下金型に接近および離反調節可能としている。
【0004】
この板金曲げ加工装置においては、より広い範囲でワークの寸法変更に対応可能とすると共に、寸法変更に伴う金型段取りの自動化を容易に行えるようにしている。
【特許文献1】特開平9−108738号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来の板金曲げ加工装置においては、左右の分割下金型は、支持部材の延在方向に移動可能とされているのみである。このため、2次元的な広がりを有する金属薄板において、幅および奥行き等の異なる2つの方向の寸法が異なる金属薄板等を成形して、寸法の異なる製品を成形することができない。
【0006】
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、金属薄板を加工して製品を成形する製品成形システムまたは加工ユニットにおいて、成形する製品の寸法に合わせて、幅および奥行き等の2つの寸法変更を容易に行うことができ、寸法の異なる製品を順次作製することができる製品成形システムおよび加工ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る製品成形システムは、金属薄板にパンチ加工を施すことで製品を成形可能な製品成形システムであって、金属薄板または金属薄板に加工を施された中間品に打ち抜き加工を施す第1ユニットと、金属薄板または中間品に曲げ加工を施す第2ユニットとを備える。そして、上記の第1ユニットは、第1金型と、第1金型に対して相対的に移動可能に設けられ、第1金型と協働して打ち抜き加工を施す第2金型とを有する。さらに、上記第2ユニットは、第3金型と、第3金型に対して相対的に移動可能に設けられ、第3金型と協働して曲げ加工を施す第4金型とを有する。上記第1金型と第2金型との少なくとも一方は、成形する製品の寸法に合わせて、第2金型の第1金型に対する相対的な移動方向に垂直な第1仮想平面に沿って変位可能な複数の打抜き分割金型を含む。そして、上記第3金型と第4金型との少なくとも一方は、成形する製品の寸法に合わせて、第4金型の第3金型に対する相対的な移動方向に垂直な第2仮想平面に沿って変位可能な複数の曲げ分割金型を含む。上記打抜き分割金型は、第1仮想平面に沿って延びる第1仮想軸線の軸線方向と、第1仮想平面に沿って延び、第1仮想軸線と交差する方向に延びる第2仮想軸線の軸線方向とのいずれの方向にも移動可能に設けられる。
【0008】
好ましくは、上記曲げ分割金型は、第2仮想平面に沿って延びる第3仮想軸線の軸線方向と、第2仮想平面に沿って延び、第3仮想軸線と交差する方向に延びる第4仮想軸線の軸方向とのいずれの方向にも移動可能に設けられる。
【0009】
好ましくは、上記打抜き分割金型は、互いに相対移動可能に設けられた複数の第1層分割金型と、各第1層分割金型上に設けられ、互いに相対移動可能に設けられた複数の第2層分割金型とを含む。
【0010】
本発明に係る加工ユニットは、上記金属薄板または該金属薄板に加工が施された中間品にパンチ加工を施す加工ユニットであって、第1金型と、該第1金型に対して相対的に移動可能に設けれ、第1金型と協働して、パンチ加工を施す第2金型とを備える。そして、上記第1金型と第2金型とは、第2金型の第1金型に対する相対的な移動方向に対して垂直な仮想平面に沿って延びる第1仮想軸線の軸線方向と、仮想平面に沿って延び、第1仮想軸線と交差する方向に延びる第2仮想軸線の軸線方向とのいずれの方向にも移動可能に設けられる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る製品成形システムおよび加工ユニットによれば、金型段取りを自動で行うことを可能とすることで、幅および奥行き等の2つの寸法変更を容易に行うことができ、寸法の異なる製品を順次作製することができる
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1から図17を用いて、本発明の実施の形態に係る製品成形装置100について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る製品成形装置100の模式図である。この図1に示すように、製品成形装置100は、金属薄板が蓄積された材料供給装置101と、第1加工ユニット102〜第6加工ユニット107と、制御ユニット110とを備えている。
【0013】
各第1加工ユニット102〜第6加工ユニット107には、それぞれ、金属薄板W1または金属薄板W1に加工が施された第1中間品W2〜第6中間品W7に打抜き加工または曲げ加工を施す金型および金型を駆動する駆動部が収容されている。
【0014】
制御ユニット110は、製作する製品の寸法に合わせて、各第1加工ユニット102〜第6加工ユニット107に収容された各金型の動きを制御する。そして、制御ユニット110からの指令に基づいて、各加工ユニットに収容された駆動部が各金型を駆動して、成形する製品の寸法に合わせて、曲げ加工や打抜き加工等のパンチ加工を施す。
【0015】
図2は、第1加工ユニット102に収容された金型120を模式的に示す斜視図である。この図2を参照して、金型120は、上金型121と、この上金型121の下方に配置された下金型122と、下金型122を駆動する駆動部111と、上金型121を駆動する駆動部112とを備えている。
【0016】
下金型122は、複数の分割下層金型123A〜123Dと、各分割下層金型123A〜123D上に設けられた複数の分割上層金型124A〜124Dとを備えている。
【0017】
ここで、分割下層金型123A〜123Dは、互いに、移動方向H1と直交する仮想平面G1に沿って変位可能に設けられており、各分割下層金型123A〜123Dは、互いに相対移動可能に設けられている。
【0018】
具体的には、各分割下層金型123A〜123Dは、仮想平面G1に沿って延びる仮想軸線X1の軸線方向M1と、仮想軸線Y1の軸線方向D1とのいずれの方向にも移動可能に設けられている。
【0019】
そして、たとえば、分割下層金型123A,123C上には、2つの分割上層金型124A,124Cが設けられており、互いに方向P1に移動可能に設けられている。分割下層金型123B,123D上にも、2つの分割上層金型124B,124Dが設けられており、互いに方向P2に移動可能に設けられている。なお、方向P1,P2は、仮想軸線X1および仮想軸線Y1に対して45度に角度で交差するようになっている。
【0020】
各分割上層金型124A〜124Dの上面上には、金属薄板W1の一部を打抜くパンチ部125が形成されている。上金型121は、下金型122と同様に構成されている。この第1加工ユニット102においては、金属薄板W1に打抜き加工を施して、図3に示すように、多様な切欠部130〜132が形成された第1中間品W2を成形する。
【0021】
そして、金型120を用いて、金属薄板W1から第1中間品W2を成形する際には、まず、下金型122の上面上に金属薄板W1が位置決めされる。その後、上金型121が下金型122に向けて変位して、上金型121と下金型122とが金属薄板W1を挟み込むことで、図3に示す第1中間品W2が形成される。
【0022】
その後、成形された第1中間品W2は、図1に示す第2加工ユニット103に搬送され、新たな金属薄板W11が金型120に載置される。ここで、寸法の異なる製品を順次製作する場合には、前に搬送された金属薄板W1の幅および奥行きの長さと、新たに載置された金属薄板W11の幅および奥行きの長さとが異なる場合がある。なお、本実施の形態に示す例においては、新たに搬送された金属薄板W11の各寸法は、金属薄板W1よりも小さいものとする。
【0023】
この際、図1に示す制御ユニット110は、新たな金属薄板W11が下金型122上に位置決めされる前に、駆動部111を駆動して、分割下層金型123A〜123Dおよび分割上層金型124A〜124Dをそれぞれ所定の位置に移動させる。
【0024】
その後、図4に示すように、金属薄板W11が、位置調整がなされた下金型122上に載置され、上金型121と下金型122とが金属薄板W11に打抜き加工を施して、図5に示すような第1中間品W12を成形し、その後、第1中間品W12が図1に示す第2加工ユニット103に搬送される。
【0025】
図6は、第2加工ユニット103に収容された金型140等を模式的に示す斜視図である。この図6に示すように、第2加工ユニット103には、上金型141と、下金型142と、駆動部113,114とが設けられている。
【0026】
上金型141は、移動方向H2に移動可能に設けられており、下金型142に対して相対的に近接および離間可能に設けられており、下金型142と協働して、搬送された第1中間品W2に打抜き加工を施す。
【0027】
上金型141は、移動方向H2に垂直な仮想平面G2に沿って移動可能に設けられた分割金型143A〜143Dを備えている。各分割金型143A〜143Dは、駆動部114からの駆動力によって互いに相対移動可能とされている。
【0028】
具体的には、各分割金型143A〜143Dは、仮想平面G2に沿って延びる仮想軸線X2の軸線方向M2と、仮想平面G2に沿って延び、仮想軸線X2と交差する方向に延びる仮想軸線Y2の軸線方向D2に変位可能とされている。
【0029】
下金型142は、複数の分割金型144A〜144Dを備えている。各分割金型144A〜144Dは、駆動部113からの駆動力によって軸線方向M2および軸線方向D2に互いに相対移動可能に設けられている。
【0030】
そして、分割金型143A〜143Dと、分割金型144A〜144Dとが第1中間品W2の一部を打抜くことで、図7に示すような第2中間品W3を製作する。第2中間品W3は、略四角形状の第1中間品W2の角部を切り落とすことで成形されており、略十字形状とされている。
【0031】
第2中間品W3は、基部136と、この基部136から突出する一対の片部134と、基部136から突出する一対の片部133とを備えている。片部133の両側辺部には、溶接代部135が形成されており、片部133の端辺には、片部133より幅が狭い端辺部138が形成されている。片部134の端部にも、片部134の幅よりも狭い端辺部137が形成されている。
【0032】
金型140によって製作された第2中間品W3は、その後、図1に示す第3加工ユニット104に搬送される。その後、新たな第1中間品W2が下金型142上に載置される。ここで、たとえば、上記図5に示す第1中間品W12等のように、先に加工した第1中間品W2と異なる寸法の第1中間品に加工を施す際には、各駆動部113および駆動部114は、図1に示す制御ユニット110からの指令に基づいて、各分割金型143A〜143Dおよび分割金型144A〜144Dを移動させる。
【0033】
そして、各分割金型143A〜143Dおよび分割金型144A〜144Dの移動が完了した後に、下金型142上に、第1中間品W12を載置して、打抜き加工を施す。
【0034】
このように、金型の交換等を行わずに、寸法の異なる第1中間品に打抜き加工を施すことができる。
【0035】
図8は、第3加工ユニット104に収容された金型150等を模式的に示す斜視図である。この図8に示すように、第3加工ユニット104には、金型150と、駆動部115〜117とを備えている。
【0036】
金型150は、2つの外金型152と、2つの内金型151とを備えており、内金型151は移動方向H3に移動可能に設けられており、外金型152に向けて近接および離間可能に設けられている。外金型152同士は、移動方向H3に対して垂直な仮想平面G3に沿う仮想軸線X3の軸線方向M3に、間隔を隔てて設けられており、駆動部116からの駆動力によって互いに軸線方向M3に近接および離間可能に設けられている。また、内金型151同士も、軸線方向M3に間隔を隔てて設けられており、駆動部115からの駆動力によって、互いに軸線方向M3に近接および離間可能に設けられている。
【0037】
金型150を用いて、第2中間品W3に加工を施す際には、まず、外金型152上にW3が位置決めされる。この際、第2中間品W3の各端辺部138が各外金型152上に配置される。
【0038】
そして、内金型151が外金型152に近接するように変位して、外金型152と内金型151とで端辺部138を挟み込むことで、第2中間品W3の端辺部138に曲げ加工を施して、第3中間品W4が成形される。第3中間品W4を成形した後に、内金型151は、外金型152から離れるように移動する。
【0039】
図9に示すように、第3中間品W4を成形した後、駆動部117は、第3中間品W4を略90度回転させて、端辺部137を外金型152上に配置させる。
【0040】
その後、図10に示すように、再度内金型151が外金型152に近接するように変位して、内金型151と外金型152とで端辺部137に曲げ加工を施す。これにより、図11に示すように、端辺部138および端辺部137に曲げ加工が施された第4中間品W5が成形される。
【0041】
成形された第4中間品W5は、その後、第4加工ユニット105に搬送され、金型150には、第2中間品W3が搬送される。
【0042】
ここで、寸法の異なる製品を順次製作する場合には、製作する製品の寸法に合わせて、金型150に搬送される第2中間品W3の寸法も異なる。
【0043】
このため、新たに搬送された第2中間品W3の寸法が、前に搬送された第2中間品W3の寸法と異なる場合がある。この場合には、新たな第2中間品W3が金型150に載置される前に、駆動部115および駆動部116は制御ユニット110からの指令に基づいて、各内金型151および外金型152の位置調整を行う。
【0044】
具体的には、駆動部116が各外金型152の軸線方向M3の間隔を調整すると共に、駆動部115が内金型151の軸線方向M3の間隔を調整する。このような調整が完了した後に、図示されない位置決め機構が、新たな第2中間品W3を外金型152上に位置決めする。
【0045】
図12は、第4加工ユニット105内に収容された金型160等を模式的に示す斜視図である。この図12に示すように、金型160は、下金型161と、移動方向H4に移動可能に設けられ、下金型161に向けて近接および離間可能に設けられた上金型162とを備えている。
【0046】
上金型162は、複数の上分割金型164A〜164Dを備えており、下金型161も、複数の下分割金型163A〜163Dを備えている。
【0047】
ここで、上分割金型164A〜164Dは、移動方向H4に対して垂直な仮想平面G4に沿って移動可能に設けられている。
【0048】
各上分割金型164A〜164Dは、駆動部119からの駆動力によって、仮想平面G4に沿って延びる仮想軸線X4の軸線方向M4と、仮想軸線Y4の軸線方向D4に移動可能に設けられている。下分割金型163A〜163Dは、駆動部118からの駆動力によって、軸線方向M4と、軸線方向D4とに移動可能に設けられている。
【0049】
この金型160を用いて、搬送された第4中間品W5に曲げ加工を施して第5中間品W6を成形する際には、まず、第4中間品W5を下金型161上に載置する。
【0050】
その後、上金型162が下金型161に近接するように移動し、上金型162と下金型161とが第4中間品W5の溶接代部135を片部133に対して立ち上げるように曲げ、図13に示すような第5中間品W6を成形する。
【0051】
そして、成形された第5中間品W6は、第5加工ユニット106に搬送され、新たな第4中間品W5が下金型161上に載置される。
【0052】
ここで、寸法の異なる製品を作製する際には、前に搬送された第4中間品W5の寸法と、新たに搬送される第4中間品W5の寸法とが異なる場合がある。
【0053】
このような場合には、各駆動部118および駆動部119は、制御ユニット110からの指令に基づいて、下分割金型163A〜163Dおよび上分割金型164A〜164Dの位置調整を行う。
【0054】
具体的には、搬送される第4中間品W5の寸法に合わせて、下分割金型163A〜163D同士の軸線方向M4間の間隔や軸線方向M4の間隔を調整すると共に、上分割金型164A〜164Dの位置調整を行う。
【0055】
そして、位置調整が完了した後に、新たな第5中間品W6を下金型161上に載置して、加工を施す。
【0056】
図14は、第5加工ユニット106に収容された金型170等を模式的に示す斜視図である。この図14に示すように、金型170は、下金型171と、上金型172とを備える。
【0057】
下金型171は、仮想平面G5に沿って延びる仮想軸線X5の軸線方向D5方向に間隔を隔てて設けられた下分割金型173A,174Bを備える。上金型172は、軸線方向D5に間隔をあけて設けられた上分割金型174A,174Bを備える。
【0058】
各下金型171A,171Bは、駆動部181からの駆動力によって、軸線方向D5に移動可能に設けられており、上分割金型174A,174Bは、駆動部182からの駆動力によって、軸線方向D5に移動可能に設けられている。
【0059】
そして、金型170は、下金型171および上金型172が協働して、第5中間品W6の片部133を基部136に対して立ち上げるように加工して、図15に示すような第6中間品W7を成形する。成形された第6中間品W7は、第6加工ユニット107に搬送される。
【0060】
その後、新たな第5中間品W6が、金型170に搬送される。ここで、寸法の異なる製品を順次成形する場合には、先に搬送された第6中間品W7と新たに搬送された第6中間品W7の寸法が異なる場合がある。
【0061】
この場合には、新たな第6中間品W7が金型170に供給される前に、駆動部181および駆動部182は、制御ユニット110からの指令に基づいて、下分割金型173A,173Bおよび上分割金型174A,174Bの軸線方向D5の位置調整を行う。
【0062】
そして、下分割金型173A,173Bおよび上分割金型174A,174Bの位置調整が完了した後に、新たな第5中間品W6が搬送され、この搬送された第5中間品W6に加工を施す。
【0063】
図16は、第6加工ユニット107に収容された金型190等を模式的に示す斜視図である。
【0064】
金型190は、下金型192と、下金型192に対して移動方向H6に移動可能に設けられ、下金型192に対して近接および離間可能に設けられた上金型191とを備えている。
【0065】
下金型192は、移動方向H6に対して垂直な仮想平面G6に沿って延びる仮想軸線Y6の軸線方向M6に間隔を隔てて設けられた下分割金型193A,193Bを備えている。この下分割金型193Aと、下分割金型193Bは、それぞれ、駆動部からの動力によって軸線方向M6に移動可能に設けられている。
【0066】
上金型191は、軸線方向M6に間隔を隔てて設けられた上分割金型194A,194Bを備えており、上分割金型194Aと上分割金型194Bとは、いずれも、駆動部からの動力によって、軸線方向M6に移動可能に設けられている。
【0067】
この金型190においては、上金型191と下金型192とが協働して、図15に示す第6中間品W7の片部134を基部136に対して立ち上げるように加工して、図17に示す製品W8を製作する。製作された製品W8は、第6加工ユニット107から搬出される。
【0068】
そして、新たな第6中間品W7が金型190に供給される。この際、異なる寸法の製品W8を製作するために、前に搬入された第6中間品W7と寸法の異なる第6中間品W7が搬入される場合がある。
【0069】
この場合には、新たな第6中間品W7が金型190に搬入される前に、上分割金型194A,194Bの間隔および下分割金型193A,193Bの間隔が調整され、その後、新たな第6中間品W7が搬入される。
【0070】
上記のように、本実施の形態に係る製品成形装置100によれば、各第1加工ユニット102〜第6加工ユニット107内に収容された各金型の段取りを自動で行うことができるので、順次寸法の異なる製品W8を製作することができる。
【0071】
なお、本実施の形態においては、箱型形状の製品W8を製作しているが、最終成形品としては、当該形状に限られない。さらに、新たな加工ユニットを追加することで、製品W8に溶接を施すようにしてもよい。
【0072】
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0073】
製品成形システムおよび加工ユニットに関し、特に金属薄板などの被加工部材から製品を成形する製品成形システムおよび金属薄板に加工を施す工ユニットに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明の実施の形態に係る製品成形装置の模式図である。
【図2】第1加工ユニットに収容された金型等を模式的に示す斜視図である。
【図3】第1中間品を示す斜視図である。
【図4】図2に示す状態から位置調整が施された金型を示す斜視図である。
【図5】第1中間品を示す斜視図である。
【図6】第2加工ユニットに収容された金型等を模式的に示す斜視図である。
【図7】第2中間品の斜視図である。
【図8】第2加工ユニットに収容された金型等を模式的に示す斜視図である。
【図9】第3中間品を成形した後における第2加工ユニットに収容された金型を示す斜視図である。
【図10】第4中間品を成形する際における第2加工ユニットに収容された金型を示す斜視図である。
【図11】4中間品W5の斜視図である。
【図12】第4加工ユニット内に収容された金型等を模式的に示す斜視図である。
【図13】第5中間品の斜視図である。
【図14】第5加工ユニットに収容された金型等を模式的に示す斜視図である。
【図15】第6中間品の斜視図である。
【図16】第6加工ユニットに収容された金型等を模式的に示す斜視図である。
【図17】製品を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0075】
100 製品成形装置、101 材料供給装置、102 第1加工ユニット、107 第6加工ユニット、110 制御ユニット、120 金型、121 上金型、122 下金型、123A〜123D 分割下層金型、124A〜124D 分割上層金型、G1〜G6 仮想平面、W1 金属薄板、W2〜W7 中間品、W8 製品。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属薄板にパンチ加工を施すことで製品を成形可能な製品成形システムであって、
前記金属薄板または前記金属薄板に加工を施された中間品に打ち抜き加工を施す第1ユニットと、
前記金属薄板または前記中間品に曲げ加工を施す第2ユニットとを備え、
前記第1ユニットは、第1金型と、前記第1金型に対して相対的に移動可能に設けられ、前記第1金型と協働して打ち抜き加工を施す第2金型とを有し、
前記第2ユニットは、第3金型と、前記第3金型に対して相対的に移動可能に設けられ、前記第3金型と協働して曲げ加工を施す第4金型とを有し、
前記第1金型と前記第2金型との少なくとも一方は、成形する製品の寸法に合わせて、前記第2金型の前記第1金型に対する相対的な移動方向に垂直な第1仮想平面に沿って変位可能な複数の打抜き分割金型を含み、
前記第3金型と前記第4金型との少なくとも一方は、成形する製品の寸法に合わせて、前記第4金型の前記第3金型に対する相対的な移動方向に垂直な第2仮想平面に沿って変位可能な複数の曲げ分割金型を含み、
前記打抜き分割金型は、前記第1仮想平面に沿って延びる第1仮想軸線の軸線方向と、前記第1仮想平面に沿って延び、前記第1仮想軸線と交差する方向に延びる第2仮想軸線の軸線方向とのいずれの方向にも移動可能に設けられた、製品成形システム。
【請求項2】
前記曲げ分割金型は、前記第2仮想平面に沿って延びる第3仮想軸線の軸線方向と、前記第2仮想平面に沿って延び、前記第3仮想軸線と交差する方向に延びる第4仮想軸線の軸方向とのいずれの方向にも移動可能に設けられた、請求項1に記載の製品成形システム。
【請求項3】
前記打抜き分割金型は、互いに相対移動可能に設けられた複数の第1層分割金型と、各前記第1層分割金型上に設けられ、互いに相対移動可能に設けられた複数の第2層分割金型とを含む、請求項1または請求項2に記載の製品成形システム。
【請求項4】
金属薄板または該金属薄板に加工が施された中間品にパンチ加工を施す加工ユニットであって、
第1金型と、該第1金型に対して相対的に移動可能に設けれ、前記第1金型と協働して、パンチ加工を施す第2金型とを備え、
前記第1金型と前記第2金型とは、前記第2金型の前記第1金型に対する相対的な移動方向に対して垂直な仮想平面に沿って延びる第1仮想軸線の軸線方向と、前記仮想平面に沿って延び、前記第1仮想軸線と交差する方向に延びる第2仮想軸線の軸線方向とのいずれの方向にも移動可能に設けられた、加工ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−29891(P2010−29891A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−193210(P2008−193210)
【出願日】平成20年7月28日(2008.7.28)
【出願人】(591222061)株式会社エナミ精機 (13)
【Fターム(参考)】