説明

製造品目を定めてこの製造品目に関するデータを記憶するための方法及び装置

識別される製造品目を定めて製造品目のロットのデータを記憶するための方法及び装置を提供する。この方法は、コード生成器において、下限識別子及び上限識別子によって定められた範囲のロットの品目識別子を生成するステップを含む。ロット内の各製造品目に、この範囲内にある品目識別子をマーク付けすることにより、製造品目のサプライチェーンの任意のポイントにおいて製造品目のロット内の各製造品目を識別する。製造品目に割り当てられる品目識別子の数は、この範囲内の品目識別子の数よりも少ない。この範囲の下限品目識別子、この範囲の上限品目識別子、及びこの範囲内の、製造品目に割り当てられていない品目識別子の指示を電子データベースに記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、識別される製造品目を定めてこの製造品目のロットのデータを記憶する方法及び装置に関する。また、本発明は、ある団体がロット内の製造品目を識別する方法、及びある団体がロット内の製造された総品目数を特定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
貿易財の生産者及び国内当局にとって、密輸及び偽造による収益の損失は甚大である。さらに、低品質な偽造品の違法販売は顧客及び製造業者に害を及ぼす。例えば、税金又は国内の規制から逃れるために、合法的な生産品が違法に輸入又は取引されることもある。また、薬剤などのその他の製品にとってもこのことは特に重要である。
【0003】
例えば、タバコ製品などの特別課税が掛かる商品にとっては、密輸及び偽造の問題は特に深刻である。これらの問題は、ブランド価値の高い他の多くの種類の貿易品、特に香水類、アルコール類、時計類、及び一般的な贅沢品などの国際貿易品にも存在する。従って、製造業者、顧客、販売業者、輸入業者、国内当局及びその他の指定団体は、これらの商品が正規品であることを容易に検証できる必要がある。さらに、国内当局及びその他の指定団体は、特に特別課税が掛かる商品の製造された品目の量が指定量を守っていることを容易に検証できる必要がある。
【0004】
製造品目を識別するための改善された方法及び装置、特に、製造品目の認証及び生産量の確認に使用できる方法及び装置が必要とされている。
【0005】
製造過程中に個々の製造品目を識別するために、シリアル化を使用することができる。「シリアル化」とは、例えば一意のシリアルナンバーなどの対象を一連のビットに変換して、これを記憶媒体上に保持し、又は通信リンクを介して送信できるようにするプロセスのことである。シリアル化は、セキュアであっても又は非セキュアであってもよい。すなわち、以下に限定されるわけではないが、暗号化及びデジタル署名などの暗号メカニズムで一意のシリアルナンバーを保護してもよく、又は保護しなくてもよい。
【0006】
通常、製造品目はロット単位で製造される。ロットの連続稼働が開始した後に、個々の製造品目には(識別子としても知られている)シリアルナンバーがマーク付けされる。製造過程中に製造業者が品目を確実に識別し、認証し、追跡できることを求める規制がますます導入されている。品質が極めて重要であり、顧客及び製造業者にとって低品質が致命的となるような商品では、このことが特に重要である。また、品質又はブランド価値が極めて重要な商品にとっては、偽造によって生じ得る収益及び評判の損失は甚大であり、できる限りこれと闘うべきである。
【0007】
製造業者、販売業者、小売業者及びエンドユーザが後から識別を行うためにシリアル化を使用することもできる。国内当局及び監督機関などの、製造、流通及び小売過程外のその他の団体のためにシリアル化を使用することもできる。指定団体は、例えば税金上の理由で、実際の製造された品目数を特定できる必要がある。このことは、量検証として知られている。
【0008】
特定の製造ロット内の全ての品目に関して、1つの組から識別子を導出することができる。例えば、これらの識別子は全て、ロット識別子を含むことができる。すなわち、あるユニットが製造されたロットを明示的に識別できる識別子が使用される。或いは、あるユニットが製造されたロットを非明示的に識別するために識別子を使用することもできる。例えば、この識別子は、製造詳細情報(場所、日付、時間など)を定め、これにより特定のロットを示すことができる。このような識別コードは、製造に関する情報を提供することができ、これを使用して、製造及び流通過程にある品目を追跡することができる。
【0009】
また、一群の品目に対して一群の識別子が作成されるが、多くの場合、実際に製造された品目に全ての識別子が使用されるわけではない。これには様々な理由が考えられる。例えば、製造過程では、品目の空白及び並べ替えが存在することがあり、これにより実際に使用する識別子にも空白及び並べ替えが存在することが便利となる。製造過程の後半には、品質上の理由で不合格となった製品が識別されることもある。
【0010】
製造過程中に製造品目にシリアル化を使用することには明らかに利点がある。しかしながら、製造過程が高速製造過程であり、数多くの品目が高生産率で製造されている場合には、シリアル化に必要な記憶空間量が大きくなる。この結果、必要データ記憶量が法外なものとなる可能性がある。また、通信リンクを介してデータを送信する必要がある場合、法外に大きな帯域幅が必要となる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、製造品目のロットを識別するための、特に製造品目のロットのシリアル化のための改善された方法及び装置が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の態様によれば、識別される製造品目を定めて製造品目のロットのデータを電子データベースに記憶する方法が提供され、この方法は、コード生成器において、下限識別子及び上限識別子によって定められた範囲の、ロットの品目識別子を生成するステップと、ロット内の各製造品目に前記範囲内にある品目識別子をマーク付けすることにより、製造品目のサプライチェーン内の任意のポイントにおいて、製造品目のロット内の各製造品目を識別するステップと、前記範囲の下限品目識別子、前記範囲の上限品目識別子、及び前記範囲内の、製造品目に割り当てられていない品目識別子の指示を電子データベースに記憶するステップとを含み、製造品目に割り当てられる品目識別子の数が、前記範囲内の品目識別子の数よりも少ない。
【0013】
本発明によれば、製造品目を識別して製造品目のロットのデータを電子データベースに記憶する方法も提供され、この方法は、コード生成器において、下限識別子及び上限識別子によって定められた範囲の、ロットの品目識別子を生成するステップと、ロット内の各製造品目に前記範囲内にある品目識別子をマーク付けすることにより、製造品目のサプライチェーン内の任意のポイントにおいて、製造品目のロット内の各製造品目を識別するステップと、前記範囲の下限品目識別子、前記範囲の上限品目識別子、及び前記範囲内の、製造品目に割り当てられていない品目識別子の表現を電子データベースに記憶するステップとを含み、製造品目に割り当てられる品目識別子の数が、前記範囲内の品目識別子の数よりも少ない。
【0014】
実際に製造品目に割り当てられる品目識別子を、より多くの装置識別子を含む範囲を基準にして定めることにより、製造又は流通及び供給プロセス内の空白、並べ替え、及び不合格品を考慮することができる。製造業者又はその他の団体は、実際に必要な数の識別子をこの範囲から自由に使用することができる。使用されていない識別子が偽造者によって使用される恐れはない。このことは、ロット内の製造品目の正確な数を予め定める必要がないことを意味する。このことは、1つの大きさの範囲を、いくつかの異なる種類及びサイズのロットの識別及びデータ記憶に使用できることも意味する。また、範囲内の使用されていない品目識別子を示唆、指示、又は表現することによって実際に製造品目に割り当てられた品目識別子を定めることにより、必要データ記憶量を減少させることができる。品目識別子は、各製造品目に対して一意であることが好ましい。しかしながら、品目識別子が各製造品目に対して一意でないことも可能である。
【0015】
本発明の第1の態様の方法では、製造品目のロットを識別して製造品目のロットのデータを記憶することができる。本発明の第1の態様の方法では、個々の製造品目を識別することができる。これにより、製造中に及びサプライチェーン内で、製造業者及び販売業者が品目を追跡できるようにすることができる。これにより、第3の団体が、特定の製造品目が本物であることを検証するとともに、個々の製造品目の製造詳細情報を特定できるようにすることもできる。この方法では、製造業者又は第3の団体が、製造された品目の正確な数を特定すること、すなわち量検証を行うこともできる。
【0016】
各製造品目に品目識別子をマーク付けするステップは、サプライチェーン内のいずれかのポイントで行われる。このサプライチェーンポイントは、製造ライン、輸入点、流通点、購入者、販売業者、又はサプライチェーン内の他のいずれかのリンクを含むことができる。
【0017】
各製造品目は、エンドユーザのための個別品目であってもよい。或いは、各製造品目は、その他の装置の容器であってもよい。タバコ製品の場合、各製造品目は、喫煙物品のパック、カートン又は出荷ケース、又は出荷ケース用のパレットであってもよい。その他の製造品目の場合、各製造品目は、個々の箱又は袋、同様の品目の容器、輸送コンテナ、又は輸送コンテナ用のパレットであってもよい。
【0018】
いくつかの実施形態では、範囲の下限品目識別子を表すデータが明示的に記憶される。他の実施形態では、下限品目識別子を表すデータが明示的に記憶されず、例えば業界標準又は公知の値を基準として非明示的に記憶される。範囲の上限品目識別子を表すデータも記憶される。範囲内の、製造品目に割り当てられていない品目識別子を設定できる限り、これらの品目識別子の「指示」は多くの形をとることができる。この指示は、表現、信号、又はプロンプトを含むことができる。この指示は、範囲内の、製造品目に割り当てられていない品目識別子を表すデータの記憶を含むこともできる。これとは別に、又はこれに加えて、この指示は、例えば、コンピュータプログラム、プリンタ又はカメラなどの装置、又は別の装置からの外部入力を含むこともできる。或いは、この指示は、品目が製造ラインを移動するときにこれらをスキャンする人間のオペレータからの入力を含むこともできる。
【0019】
1つの実施形態では、範囲内の、製造品目に割り当てられていない品目識別子の指示が、製造品目に割り当てられていない1又はそれ以上の個々の品目識別子の指示を含む。
【0020】
これに加えて、又はこれとは別に、範囲内の、製造品目に割り当てられていない品目識別子の指示は、製造品目に割り当てられていない品目識別子の1又はそれ以上のさらなる範囲の指示を含むこともできる。
【0021】
範囲内の、製造品目に割り当てられていない品目識別子が、1又はそれ以上の個々の非割り当て品目識別子として指示又は表現されるか、品目識別子の1又はそれ以上の非割り当て範囲として指示又は表現されるか、或いは個々の非割り当て品目識別子と品目識別子の非割り当て範囲の両方として指示又は表現されるかは、範囲内の、製造品目に割り当てられていない特定の品目識別子に依存することが好ましい。場合によっては、範囲内の、製造品目に割り当てられていない品目識別子が非割り当て範囲として指示又は表現された場合に必要記憶量が減少する。場合によっては、範囲内の、製造品目に割り当てられていない品目識別子が個々の非割り当て品目識別子として指示又は表現された場合に必要記憶量が減少する。場合によっては、範囲内の、製造品目に割り当てられていない品目識別子が個々の非割り当て品目識別子と品目識別子の非割り当て範囲の両方として指示又は表現された場合に必要記憶量が減少する。使用する記憶域は、最小の空間量を要する記憶域となる。
【0022】
例えば、1つの連続する品目識別子が製造品目に割り当てられていない場合、最小の空間量を必要とする記憶域が、個々の非割り当て品目識別子として存在する場合もある。例えば、3又はそれ以上の連続する品目識別子が製造品目に割り当てられていない場合、最小の空間量を必要とする記憶域が、品目識別子の非割り当て範囲として存在する場合もある。例えば、2つの連続する品目識別子が製造品目に割り当てられていない場合、最少の空間量を必要とする記憶域が、個々の非割り当て品目識別子として又は品目識別子の非割り当て範囲として存在する場合もある。これは、データ記憶の特質によって決まる。
【0023】
範囲内の、製造品目に割り当てられていない品目識別子の指示が1又はそれ以上の非割り当て範囲を含む場合、個々の非割り当て範囲を下限品目識別子及び上限品目識別子によって定めることができる。
【0024】
1つの実施形態では、範囲内の各品目識別子を生成するステップが、識別コードを生成するステップと、複数の暗号を提供するステップと、この複数の暗号から導出された秘密によって識別コードにデジタル署名するステップとを含み、この複数の暗号が、製造品目上の識別子を認証するためのチェックセンターに提供される。この実施形態では、符号なし識別コード及び符号付き識別コードを記憶しなくてよい場合もある。しかしながら、必要であれば、識別コードを記憶することができる。
【0025】
1つの実施形態では、各品目識別子が、それぞれの製造品目に関連する製造詳細情報を含む。
【0026】
代替の実施形態では、各品目識別子が、それぞれの製造品目に関連する製造詳細情報の暗号化版である。この実施形態では、識別子自体を記憶せずに、暗号化に使用した製造詳細情報及び暗号化キーのみを記憶することが好ましい。
【0027】
各製造品目の製造詳細情報は、製造場所、製造日、製造時間、及び増分カウンタのカウンタ値のうちの1又はそれ以上を含むことが好ましい。製造詳細情報は、各製造品目に対して一意であることが好ましい。これを実現するために、1つの実施形態では、製造詳細情報が、増分カウンタのカウンタ値のみを含む。代替の実施形態では、製造詳細情報が、製造時間のみを含む。しかしながら、好ましい実施形態では、製造詳細情報が、製造場所、製造日、製造時間、及び増分カウンタのカウンタ値を含む。この実施形態では、増分カウンタを時間間隔ごとにリセットすることができる。
【0028】
製造場所は、製造センター及び特定の生産ラインの一方又は両方、或いはコード生成器の識別符号を含むことができる。コード生成器の識別符号は、識別子が生成されたポイントを一意に識別する識別子である。製造時間は、望む通りに正確に指定することができ、これは恐らく製造品目の生産速度に依存する。例えば、製造時間を時間のみに関して指定することができる。或いは、製造時間を時間及び分に関して指定することもできる。或いは、製造時間を時間、分、及び秒に関して指定することもできる。
【0029】
ロット内の各製造品目にマーク付けするステップは、インクジェット印刷、ホログラフィック印刷、レーザ印刷、或いは品目上に品目識別子を印刷又はマーク付けすることを可能にするその他のいずれかの印刷又はマーク付けを含むことができる。ロット内の各製造品目にマーク付けするステップは、各品目への印刷又はマーク付け、外部包装への印刷又はマーク付け、粘着ラベル又はタグへの印刷又はマーク付け、或いは他のいずれかの適当な印刷又はマーク付けを含むことができる。サプライチェーンポイントは、製造品目上にマーク付けされた品目識別子を検出するためのセンサを含むことができる。このセンサは、各品目識別子が製造品目上に正しくマーク付けされたことを確認することができる。
【0030】
本発明の第1の態様の方法を、品目の製造過程に組み込むことができる。本発明の第1の態様の方法を、品目の輸入又は流通過程に組み込むこともできる。
【0031】
本発明の第2の態様によれば、第2の団体が製造品目を識別する方法が提供され、この方法は、識別される製造品目を定めて製造品目のロットのデータを記憶する方法を、第1の団体が、本発明の第1の態様に記載の方法に基づいて実行するステップと、第1の団体が、このロットの品目識別子の範囲を第2の団体へ送るステップとを含む。
【0032】
この場合、第2の団体は、上記範囲から特定の製造品目を識別して検証することができる。しかしながら、第2の団体へは、下限識別子及び上限識別子によって定められた品目識別子の範囲しか送られないので、これにより必要送信量が大幅に減少する。なお、品目識別子の範囲は上限識別子及び下限識別子によって定められるが、多くの場合、第2の団体へ下限識別子を送る必要はない。例えば、業界標準などに従って下限品目識別子を予め定めることができ、この場合、上限品目識別子のみを送ることによって十分に範囲が定められる。
【0033】
1つの実施形態では、この方法が、範囲内の非割り当て品目識別子、すなわち製造品目に割り当てられていない品目識別子の指示を第1の団体が第2の団体へ送るステップをさらに含む。
【0034】
この場合、第2の団体は、範囲内の、製造品目に割り当てられていない品目識別子の指示とともに、実際に使用された品目識別子をこの範囲から特定することができる。しかしながら、個々の識別子を記憶又は送信する必要がないので、必要記憶量及び必要送信量が大幅に減少し、記憶及び送信のセキュリティが高まる。
【0035】
本発明の第3の態様によれば、ロット内の製造された品目の総数を第2の団体が特定する方法が提供され、この方法は、識別される製造品目を定めて製造品目のロットのデータを記憶する方法を、第1の団体が、本発明の第1の態様に記載の方法に基づいて実行するステップと、第1の団体が、このロットの品目識別子の範囲を第2の団体へ送るステップと、第1の団体が、前記範囲内の、ロット内の製造品目に割り当てられていない品目識別子の指示を第2の団体へ送るステップとを含み、第2の団体が、この品目識別子の範囲及び製造品目に割り当てられていない品目識別子の指示を使用して、ロット内の製造された品目数を特定することができる。
【0036】
この場合、第2の団体は、範囲内の、製造品目に割り当てられていない品目識別子の指示とともに、ロット内で製造された品目の正確な数及び使用された品目識別子をこの範囲から特定することができる。すなわち、第2の団体は、量検証を実行することができる。このことは、特に税金上又は規制上の理由で有用となり得る。しかしながら、個々の識別子を記憶又は送信する必要がないので、必要送信量が大幅に減少し、送信のセキュリティが高まる。なお、この場合も、品目識別子の範囲は上限識別子及び下限識別子によって定められるが、多くの場合、第2の団体へ下限識別子を送る必要はない。例えば、業界標準などに従って下限品目識別子を予め定めることができ、この場合、上限品目識別子のみを送ることによって範囲が十分に定められる。
【0037】
第1の団体は、製造業者又は輸入業者又は販売業者とすることができる。或いは、第1の団体は、シリアル化を専門とする外部団体であってもよい。第2の団体は、例えば監督機関又は国内当局などの検証団体とすることができる。
【0038】
本発明の第4の態様によれば、本発明の第1の態様の方法によって識別される製造品目が提供される。
【0039】
本発明の第5の態様によれば、識別される製造品目を定めて製造品目のロットのデータを記憶するための装置が提供され、この装置は、下限識別子及び上限識別子によって定められた範囲の、ロットの品目識別子を生成するためのコード生成器と、このロット内の各製造品目に前記範囲内にある品目識別子をマーク付けすることによって製造品目のロット内の各製造品目を識別するためのマーカを含む、製造品目のサプライチェーンポイントと、前記範囲の下限品目識別子、前記範囲の上限品目識別子、及び前記範囲内の、製造品目に割り当てられていない品目識別子の指示を記憶するための電子データベースとを備え、製造品目に割り当てられる品目識別子の数が、前記範囲内の品目識別子の数よりも少ない。
【0040】
本発明の第5の態様の装置では、製造品目のロットを識別して製造品目のロットのデータを記憶することができる。本発明の第5の態様の装置では、個々の製造品目を識別することができる。これにより、製造中に及びサプライチェーン内で、製造業者及び販売業者が品目を追跡できるようにすることができる。これにより、第3の団体が、特定の製造品目が本物であることを検証するとともに、個々の製造品目の製造詳細情報を特定できるようにすることもできる。この装置では、製造業者又は第3の団体が、製造された品目の正確な数を特定すること、すなわち量検証を行うこともできる。
【0041】
範囲内の、製造品目に割り当てられていない品目識別子の指示は、製造品目に割り当てられていない1又はそれ以上の個々の品目識別子の指示を含むことができる。
【0042】
これに加えて、又はこれとは別に、範囲内の、製造品目に割り当てられていない品目識別子の指示は、製造品目に割り当てられていない1又はそれ以上のさらなる範囲の指示を含むこともできる。
【0043】
第1の範囲内の、製造品目に割り当てられていない品目識別子が、1又はそれ以上の個々の非割り当て品目識別子として識別又は表現されるか、品目識別子の1又はそれ以上の非割り当て範囲として識別又は表現されるか、或いは個々の非割り当て品目識別子と品目識別子の非割り当て範囲の両方として識別又は表現されるかは、範囲内の、製造品目に割り当てられていない特定の品目識別子に依存することが好ましい。
【0044】
1つの実施形態では、コード生成器が、範囲内の品目識別子ごとに、識別コードを生成し、複数の暗号を提供し、この複数の暗号から導出される秘密によって識別コードにデジタル署名するように構成され、この複数の暗号が、製造品目上の識別子を認証するためのチェックセンターに提供される。この実施形態では、符号なし識別コード及び符号付き識別コードを記憶しなくてよい場合もある。しかしながら、必要であれば、識別コードを記憶することができる。
【0045】
1つの実施形態では、各品目識別子が、それぞれの製造品目に関連する製造詳細情報を含む。
【0046】
代替の実施形態では、各品目識別子が、それぞれの製造品目に関連する製造詳細情報の暗号化版である。
【0047】
この装置を、品目を製造、流通、又は輸入するための装置に組み込むこともできる。
【0048】
本発明の1つの態様に関連して説明する特徴を、本発明の別の態様に適用することもできる。
【0049】
図1〜図3を参照しながら、本発明をほんの一例としてさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】製造ラインにおいて製造品目に品目識別子を適用するための、本発明の方法の実施形態を示す図である。
【図2】製造品目の識別子を含む識別ラベルを有する製造品目の第1の実施形態を示す図である。
【図3】製造品目の識別子を含む識別ラベルを有する製造品目の第2の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
図1に、生産ラインにおいて本発明の実施形態を実施するための例示的な方法を示す。製造ライン100において特定のロットの製造が開始される前に、プロセッサ107が、このロットの製造品目に使用すべき品目識別子の範囲101を定める。この実施形態では、この範囲101が、プロセッサ107がアクセスできるデータベース105に記憶される。
【0052】
製造中、各製造品目109に(直接、或いは包装又はラベル上に)品目識別子111が適用される。実際に製造品目に使用される品目識別子111は、範囲101全体から選択される。この実施形態では、実際に使用される識別子が、データベースの103に記憶される。
【0053】
この実施形態では、実際に使用される品目識別子がデータベース103に記憶され、通常は多くのロットを製造できるので、このような情報が大量に必要とされる。この識別子は、製造業者及び販売業者、並びに国内当局及び監督機関などの製造及び流通過程外の団体が後で識別を行うために使用することができる。
【0054】
図2に、識別子111を有する製造品目109を示す。図2の実施形態では、製造品目識別子111が、機械で読める識別子201及び人間が読める識別子203という2つの部分を含む。図2の実施形態では、人間が読める識別子203が40桁の数字である。この40桁の数字が、EAN−128(別名GS1−128)バーコードに符号化され、これが機械で読める識別子201を形成する。この実施形態では、識別子203、従って識別子201も、個々の特定の製造品目に対して一意である。この実施形態では、通常、識別子201及び203が、以下に限定されるわけではないが、製造日(YYMMDD)、製造時間(HHMMSS)、製造センター、及び箱詰め機の番号を含む情報を識別する。顧客側の出荷ケース受領者が既に分かっている場合には、これを識別することもできる。
【0055】
図3には、識別子111を有する製造品目109を示す。図3の実施形態では、製造品目識別子111が、データ行列301の形の2Dバーコードに符号化された12桁の英数字コードを含む。この12桁のコードは、製造品目上に直接、又は製造品目の包装又はラベル上に印刷することもできる。他の形の識別子を使用することもできる。
【0056】
シリアル化は、セキュアであっても、又は非セキュアであってもよい。すなわち、製造品目上で使用される識別子を暗号化してもよく、又はしなくてもよい。従って、第3の団体が識別子から情報を引き出せる場合もあれば、引き出せない場合もある。1つの実施形態では、各識別子が、識別コードに署名を加えたものを含む。識別コードは、暗号化することができる。署名は、複数の暗号から導出された秘密から生成される。この複数の暗号は、予め計算したランダム符号とすることができる。さらに識別コード自体から秘密を導出することもできる。この実施形態では、識別コード自体を記憶する必要はない。しかしながら、複数の暗号を使用して、特定の識別コードが本物であることを認証することができる。
【0057】
上述したように、一群の品目に対して一群の識別子を定めるものの、実際に製造された品目に全ての識別子を使用するわけではないということは、製造業者にとって有利なことが多い。この場合、未検証の品目上の特定のコードが、実際に製造品目に使用された本物のコードであるか、或いは実際には製造品目に使用されなかった本物のコードであるかを明解に判断する方法が必要である。このようにして、製造された製品の量を第3の団体が特定することができる。またその後、この第3の団体は、製造業者の主張に基づく製造された製品の量が、実際の製造された製品の量と実際に一致することを検証することができる。このことは、例えば、税金又は規制上の理由などのいくつかの理由で重要となり得る。また、特定のコードが本物ではあるが、実際に製造品目に割り当てられていないことが判明した場合、これにより、この問題の品目が偽造品であることが明らかになる。
【0058】
本出願人は、製造品目のロットをシリアル化する方法を以前に提案した。この方法では、最初にロットの品目識別子の範囲を定める。その後、時間情報に基づいて、及び最小時間間隔(すなわち製造時間)の増分カウンタを使用して、これらの識別子をシリアル化に使用する。増分カウンタは、個々の最小時間間隔の開始時にリセットされる。既に述べたように、この最小時間間隔は望む通り正確に指定することができ、これは製造の速度に依存する。例えば、最小時間間隔を、時間、分、秒、又はこれらのいずれかの組み合わせに関して指定することができる。
【0059】
個々の製造品目識別子は、12桁の英数字コードとすることができる。この12桁の英数字コードを、製造品目自体の上で、図3に示すようなデータ行列の形の2Dバーコードに符号化することができる。この12桁のコードを、製造品目上に人間が読める形で印刷することもできる。最小時間間隔中に使用される実際の品目識別子は、定められた品目識別子の範囲全体を含むわけではない。記憶され又は第2の団体へ送信される品目識別子は、ロット内の全ての最小時間間隔中に実際に使用された個々の品目識別子である。
【0060】
使用する全ての12桁の英数字コードを記憶しなければならないので、これには大量の記憶又は送信能力が必要となる。出願人が以前に提案した方法を実施する特定の例について検討する。ロット内の最小時間間隔に対して定めた50個の識別子のうち、識別子1〜19、21〜48及び50を実際に使用する場合、以下のデータを記憶し又は送信する必要がある。

表1
【0061】
各12桁の英数字コードに8バイトの記憶域が必要な場合(大文字及び桁のみの場合)、ロット内の最小時間間隔のために48×8バイト=384バイトの記憶域が必要となる。この例では1つの喫煙物品当たり8バイトが必要となるので、世界中で製造される膨大な数の喫煙物品を考えると、必要なデータベースサイズは巨大なものとなり、必要な送信帯域幅も膨大なものとなる。
【0062】
そこで、必要なデータ記憶量及び送信量を減少させる、製造品目のロットを識別して製造品目のロットのデータを記憶する方法を提供する本発明の実施形態を説明する。
【0063】
この実施形態では、製造品目のロット内の個々の最小間隔を報告間隔として記述する。各製造品目識別子は、12桁の英数字コードとすることができる。この12桁の英数字コードを、製造品目自体上で、図3に示すようなデータ行列の形の2Dバーコードに符号化することができる。この12桁コードを、製造品目上に人間が読める形で印刷することもできる。使用する実際の品目識別子は、定められた品目識別子の範囲全体を含むわけではない。
【0064】
この実施形態によれば、記憶され又は第2の団体へ送信される品目識別子が、実際には製造品目に使用していない品目識別子とともに、定められる品目識別子の範囲の上限を基準として報告間隔内で定められる。定められる品目識別子の範囲の下限も定められるが、実施例によっては、これを記憶又は送信する必要はない。例えば、標準的な実施において、例えば下限識別子としてゼロが定められる場合、この値は記憶されない。(なお、報告間隔中に製造された品目がなかった場合には、何の情報も報告されない。)この方法は、実際に使用した全ての個々の識別子を記憶又は送信する、以前に提案した方法とは異なる。
【0065】
上記の例を本発明のこの実施形態に適用した場合について検討する。同様の最小時間間隔内で、上記で使用したものと同じ識別子(ロット内の最小時間間隔に対して定めた50個の識別子のうち、識別子1〜19、21〜48及び50)を使用すると、以下のデータを記憶又は送信する必要がある。

表2
【0066】
なお、表2では、12桁の英数字コード1が下限として定められている。これが予め定められ、全ての団体がそのことを承知している限り、この下限を明示的に記憶する必要はない。この例では、下限識別子を記憶する必要がないので、1つの上限識別子と2つの個々の識別子を記憶又は送信する必要がある。これには、(1×8バイト)+(2×8バイト)=24バイトの記憶域が必要となる。以前の例と比較すると、この例では、必要な記憶域が384バイトから24バイトに減少し、約16分の1となっている。
【0067】
さらなる例として、8時間の製造時間で効率が50%と仮定する。すなわち、この時間中には、製造可能な製造品目の50%しか製造されない。報告間隔が1分であり、1回の報告間隔につき50個の品目が製造され、シリアル化した品目識別子の1%が実際には製造品目上に使用されないと仮定する。
【0068】
以前の方法では、この製造期間にわたる全ての製造品目に必要な記憶域は、
8(時間)×60(分)×50(品目)×50%(効率)×99%(使用率)×8バイト
=95.04キロバイトの記憶域に相当する。
【0069】
本発明の実施形態によれば、この製造期間にわたる全ての製造品目に必要な記憶域は、
[(各時間間隔の上限に関して)8(時間)×60(分)×8バイト]
+[8(時間)×60(分)×50(品目)×1%(未使用)×8バイト]
=5.76キロバイトの記憶域に相当し、約16分の1となる。
【0070】
或いは、各時間間隔の下限識別子が必要な場合、この製造期間にわたる全ての製造品目に必要な記憶域は、
[(上限及び下限の両方に関して)8(時間)×60(分)×16バイト]
+[8(時間)×60(分)×50(品目)×1%(未使用)×8バイト]
=9.6キロバイトの記憶域に相当し、約10分の1となる。これでも、データ記憶域が著しく減少することを表している。
【0071】
ある実施形態では、各識別子が、コードを生成するコード生成器の識別符号、製造日及び製造時間、及び毎分(この場合、分が最小時間間隔及び報告間隔である)の開始時にリセットされる増分カウンタという情報の暗号化版である。従って、各品目識別子は、それぞれの製造品目の製造詳細情報の暗号化版である。従って、製造品目識別子情報は、表3に示すようなものになると考えられる。

表3
【0072】
なお、表3には、暗号化した品目識別子(12桁の英数字コード)と製造詳細情報の関係を示している。この実施形態では、識別子が、暗号化された形の製造詳細情報であるので、暗号化に使用したキーが分かっていれば、品目識別子と製造詳細情報をいずれも記憶する必要がない。従って、表3は、実際に記憶されるものを表していない可能性もある。この実施形態では、増分カウンタが存在することにより、たとえ毎分いくつかの品目が製造されていても、各製造品目の製造詳細情報は一意のものとなる。
【0073】
表3の実施形態を上記の例に適用することができる。12桁の英数字コードを記憶又は送信するのではなく、製造詳細情報自体を記憶又は送信する。コード生成器の識別符号には、2バイトの記憶域が必要である。製造日及び時間には、4バイトの記憶域が必要である。カウンタには、2バイトの記憶域が必要である。従って、この場合も、各品目識別子には、(2+4+2)=8バイトの記憶域が必要となる。
【0074】
以前に提案した方法の場合には、同じ間隔中に報告される48個の個々の識別子を記憶し、又は第3の団体へ送信する必要がある。従って、48パックのシガレットの報告間隔には、48×8バイト=384バイトの記憶域が必要となる。
【0075】
本発明の実施形態の場合(下限が予め定められており、これを記憶する必要がないと仮定した場合)、1つの上限識別子及び2つの個々の識別子を記憶し又は第3の団体へ送信する必要がある。従って、ロットに必要な記憶域は、(1×8)+(2×8)=24バイトとなる。これにより、約16分の1となる。実際には、製造されなかった品目の個々の増分カウンタしか記憶しないことが可能である。すなわち、個々の非割り当て識別子を増分カウンタによって単純に表すことができ、これには2バイトの記憶域しか必要ない。従って、ロットに必要な記憶域は、たった(1×8)+(2×2)=12バイトで済む。これにより、約32分の1となる。
【0076】
たとえ下限を記憶する必要があっても、ロットには、(1×8)+(1×8)+(2×8)=32バイトの記憶域しか必要なく、或いは個々の非割り当て識別子を増分カウンタによって単純に表すことができる場合には、(1×8)+(1×8)+(2×2)=20バイトの記憶域しか必要ない。これでも、必要記憶量は大きく減少する。
【0077】
以前の追加例に戻り、8時間の製造時間で効率が50%と仮定する。すなわち、この時間中には、製造可能な製造品目の50%しか製造されない。報告間隔が1分であり、1回の報告間隔につき50個の品目が製造され、シリアル化した品目識別子の1%が実際には製造品目上に使用されないとも仮定する。
【0078】
以前の方法では、この製造期間にわたる全ての製造品目に必要な記憶域は、
8(時間)×60(分)×50(品目)×50%(効率)×99%(使用)×8バイト
=95.04キロバイトの記憶域に相当する。
【0079】
本発明の実施形態によれば、(各個々の非割り当て識別子を増分カウンタによって単純に表すことができると仮定した場合)この製造期間にわたる全ての製造品目に必要な記憶域は、
[(各時間間隔の上限に関して)8(時間)×60(分)×8バイト]
+[8(時間)×60(分)×(品目)×1%(未使用)×2バイト]
=4.32キロバイトの記憶域に相当し、約22分の1となる。
【0080】
或いは、各時間間隔の下限識別子が必要な場合、この製造期間にわたる全ての製造品目に必要な記憶域は、
[(上限及び下限の両方に関して)8(時間)×60(分)×16バイト]
+[8(時間)×60(分)×50(品目)×1%(未使用)×2バイト]
=8.16キロバイトの記憶域に相当し、約66分の1となる。これでも、データ記憶域が著しく減少することを表している。
【0081】
上記の例では、製造品目の数が比較的少ない場合についてのみ説明している。実際には、数多くの品目が製造される場合、従って数多くの品目識別子を記憶又は送信する必要がある場合の方が、本発明の利点はさらに明らかになる。例えば、上記の例において、カウンタ範囲を50ではなく400とした場合、本発明の実施形態では、記憶域を約100分の1にすることができる。
【0082】
本発明は、図1に示す製造ラインとともに使用することができる。この場合、特定のロットの製造が開始される前に、プロセッサが、このロットの製造品目に使用すべき品目識別子の範囲を定める。製造中、各製造品目に品目識別子が適用される。実際に製造品目に使用される品目識別子は、範囲全体から選択される。まず、品目上に品目識別子を適用するプリンタ又はその他の装置が、予め定められた範囲から特定の品目識別子を単純に生成又は使用しないことがある。これには様々な理由が考えられる。その後、この装置は、元々の識別子範囲を生成した生成器に対して、未使用の識別子を示す。或いは、たとえ品目識別子を製造品目に適用した場合でも、後でこれらが不合格となることもある。例えば、製造ライン上のカメラが、コードを判読できないとして不合格とすることがあり、製造ラインに沿って移動しているときにこの品目を不合格とすることもある。或いは、人間のオペレータが、コードを判読できないとして不合格とし、又は(品質管理のため、又はサンプルとしてなどの)別の理由で品目を取り除くことがある。この場合、人間のオペレータは、この不合格となった識別子を、例えば識別子を読み取るカメラを使用して識別子をスキャンすることによって識別する。この場合も、元々の識別子範囲を生成した生成器に対して、未使用の識別子が示される。
【0083】
本発明を、製造品目のロット内の製造品目の識別又は量の検証のために検証団体及び委託団体が使用することもできる。この委託団体は、使用すべき識別子の範囲を予め定め、この範囲内にある識別子を製造品目に割り当てる製造業者又は別の団体であってもよい。例えば、第2の団体は、特定の製造品目を識別し、又は製造された品目の正確な数を特定する必要がある国内当局であってもよい。
【0084】
各識別子は、識別コード及び署名を含むことができる。1つの例では、委託団体及び第2の団体の両方が署名を認識している。従って、同じロット内の1つの識別子と別の識別子の間に何らかの相関関係が存在する限り、委託団体は署名を記憶する必要がない。第2の団体が、製造される品目の詳細を知る必要がある場合、委託団体は、使用されている識別子を第2の団体に提供することができる。本発明によれば、委託団体は、使用されている個々の識別子を参照するのではなく、最初に定められた識別子の範囲を参照することによってこれを行うことができる。第2の団体が、例えば税金上の理由で、製造された品目の正確な数を知る必要がある場合、或いは第2の団体が、どの識別子が実際に使用されたかを知る必要がある場合、委託団体は、実際には製造品目に使用されていない範囲内の識別子とともに上記範囲を参照することができる。これにより、従来技術の構成と比較した場合、送信する必要のある情報量が大幅に減少する。また、これにより、実際には製造品目に使用されなかった有効なコードを第2の団体が認識して、例えば特定の品目が本物であるかどうかを明確に判断できるようになる。
【0085】
生産率に応じて識別子(説明した例では製造詳細情報)を適切に定め、必要データ記憶量を最小限に抑えるようにすることができる。この原理を、喫煙物品のパック、パックのカートン、カートンの出荷ケース、又は出荷ケースのパレットに適用することもできる。実際には、この原理を、あらゆる製造品目又は製造品目の容器に適用することができる。
【0086】
本発明は、製造品目の識別子のための必要データ記憶量及び必要送信量を減少させることを含むいくつかの利点をもたらすものである。
【符号の説明】
【0087】
100 製造ライン
101 データベース範囲
103 データベース範囲
105 データベース
107 プロセッサ
109 製造品目
111 品目識別子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別される製造品目を定めて前記製造品目のロットのデータを電子データベースに記憶する方法であって、
コード生成器において、下限識別子及び上限識別子によって定められた範囲の、前記ロットの品目識別子を生成するステップと、
前記ロット内の各製造品目に前記範囲内にある品目識別子をマーク付けすることにより、前記製造品目のサプライチェーン内の任意のポイントにおいて、前記製造品目のロット内の各製造品目を識別するステップと、
前記範囲の前記下限品目識別子、前記範囲の前記上限品目識別子、及び前記範囲内の、製造品目に割り当てられていない品目識別子の指示を前記電子データベースに記憶するステップと、
を含み、前記製造品目に割り当てられる品目識別子の数が、前記範囲内の品目識別子の数よりも少ない、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記範囲内の、製造品目に割り当てられていない品目識別子の前記指示が、製造品目に割り当てられていない1又はそれ以上の個々の品目識別子の指示を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記範囲内の、製造品目に割り当てられていない品目識別子の前記指示が、1又はそれ以上のさらなる範囲の指示を含む、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記範囲内の各品目識別子を生成するステップが、
識別コードを生成するステップと、
複数の暗号を提供するステップと、
前記複数の暗号から導出された秘密によって前記識別コードにデジタル署名するステップと、
を含み、前記複数の暗号が、前記製造品目上の識別子を認証するためのチェックセンターに提供される、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
各品目識別子が、前記それぞれの製造品目に関連する製造詳細情報を含む、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
各品目識別子が、前記それぞれの製造品目に関連する製造詳細情報の暗号化版である、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
第2の団体が製造品目を識別する方法であって、
識別される製造品目を定めて前記製造品目のロットのデータを記憶する方法を、第1の団体が、請求項1から請求項6のいずれかに記載の前記方法に基づいて実行するステップと、
前記第1の団体が、前記ロットの品目識別子の範囲を前記第2の団体へ送るステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
前記第1の団体が、前記範囲内の非割り当て品目識別子の指示を前記第2の団体へ送るステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ロット内の製造された品目の総数を第2の団体が特定する方法であって、
識別される製造品目を定めて前記製造品目のロットのデータを記憶する方法を、第1の団体が、請求項1から請求項6のいずれかに記載の前記方法に基づいて実行するステップと、
前記第1の団体が、前記ロットの品目識別子の範囲を前記第2の団体へ送るステップと、
前記第1の団体が、前記範囲内の、前記ロット内の製造品目に割り当てられていない品目識別子の指示を前記第2の団体へ送るステップと、
を含み、前記第2の団体が、前記品目識別子の範囲及び製造品目に割り当てられていない品目識別子の前記指示を使用して、前記ロット内の製造された品目数を特定することができる、
ことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1から請求項6のいずれかに記載の前記方法に基づいて識別される、
ことを特徴とする製造品目。
【請求項11】
識別される製造品目を定めて前記製造品目のロットのデータを記憶するための装置であって、
下限識別子及び上限識別子によって定められた範囲の、前記ロットの品目識別子を生成するためのコード生成器と、
前記ロット内の各製造品目に前記範囲内にある品目識別子をマーク付けすることによって前記製造品目のロット内の各製造品目を識別するためのマーカを含む、前記製造品目のサプライチェーンポイントと、
前記範囲の前記下限品目識別子、前記範囲の前記上限品目識別子、及び前記範囲内の、製造品目に割り当てられていない品目識別子の指示を記憶するための電子データベースと、
を備え、前記製造品目に割り当てられる品目識別子の数が、前記範囲内の品目識別子の数よりも少ない、
ことを特徴とする装置。
【請求項12】
前記範囲内の、製造品目に割り当てられていない品目識別子の前記指示が、製造品目に割り当てられていない1又はそれ以上の個々の品目識別子の指示を含む、
ことを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記範囲内の、製造品目に割り当てられていない品目識別子の前記指示が、製造品目に割り当てられていない1又はそれ以上のさらなる範囲の指示を含む、
ことを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記コード生成器が、前記範囲内の品目識別子ごとに、
識別コードを生成し、
複数の暗号を提供し、
前記複数の暗号から導出された秘密によって前記識別コードにデジタル署名する、
ように構成され、前記複数の暗号が、前記製造品目上の識別子を認証するためのチェックセンターに提供される、
ことを特徴とする請求項11から請求項13のいずれかに記載の装置。
【請求項15】
各品目識別子が、前記それぞれの製造品目に関連する暗号化された又は暗号化されていない製造詳細情報を含む、
ことを特徴とする請求項11から請求項14のいずれかに記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−515305(P2013−515305A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−545159(P2012−545159)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【国際出願番号】PCT/EP2010/007873
【国際公開番号】WO2011/076406
【国際公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(596060424)フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム (222)
【Fターム(参考)】