製鉄原料の篩装置および製鉄原料の篩装置への投入方法
【課題】製鉄原料(鉄鉱石、塊鉱石、石炭、コークス等)を篩装置(振動篩、揺動反発式選別機等)に投入する際に、摩耗や閉塞を引き起こすことなく、製鉄原料を幅方向に分散させた状態で篩面に投入することができる製鉄原料の篩装置および製鉄原料の篩装置への投入方法を提供する。
【解決手段】揺動反発式選別機17の篩面の上方で、下部シュート12bの正面に拡散部材13が設置されており、その拡散部材13の上に、投入する製鉄原料10と同じ製鉄原料の山14が形成されていて、製鉄原料の山14の斜面に向けて製鉄原料10が投入されると、投入された製鉄原料10が製鉄原料の山14の斜面に沿って下方向に流れ、揺動反発式選別機17の篩面の幅方向に拡散するようになっている。
【解決手段】揺動反発式選別機17の篩面の上方で、下部シュート12bの正面に拡散部材13が設置されており、その拡散部材13の上に、投入する製鉄原料10と同じ製鉄原料の山14が形成されていて、製鉄原料の山14の斜面に向けて製鉄原料10が投入されると、投入された製鉄原料10が製鉄原料の山14の斜面に沿って下方向に流れ、揺動反発式選別機17の篩面の幅方向に拡散するようになっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製鉄原料の篩装置および製鉄原料の篩装置への投入方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、粉粒状の製鉄原料(鉄鉱石、塊鉱石、石炭、コークス等)を篩装置(振動篩、揺動反発式選別機等)に投入する際には、搬送コンベアや振動フィーダ等の搬送設備を用いて、製鉄原料(以下、単に「原料」ともいう)を篩装置の篩面に投入している。
【0003】
しかし、搬送設備(例えば、ベルトコンベア)の幅に比べて、篩装置(例えば、振動篩)の幅が数倍になる場合、振動篩面の原料投入地点に原料が集中し、原料が振動篩面上を移送するにつれて、徐々に幅方向に拡散していく。このため、振動篩面の原料投入地点から原料が幅方向に十分に拡散する地点までの間は、振動篩面積が有効に活用されない。
【0004】
そこで、原料を幅方向に拡散させて振動篩面に投入する方法として、特許文献1に記載の方法が開示されている。
【0005】
すなわち、特許文献1では、コンベアと振動篩の間に複数の堰板を備えた拡散装置を設け、原料をコンベアから拡散装置を経由して振動篩に投入することで、原料が幅方向に拡散した状態で振動篩の篩面に投入されるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6−296894号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に開示の技術では、以下のような問題がある。
【0008】
(a)原料を拡散装置に投入する度に、最初の堰板に原料が衝突することで、堰板が摩耗していく。
【0009】
(b)堰板によって形成された流路内を原料が通過する際にも、流路壁面と原料とが擦れ合い、流路側面が摩耗していく。
【0010】
(c)水分を含む等の付着性の高い原料を投入する場合には、流路内での閉塞の懸念がある。
【0011】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、製鉄原料(鉄鉱石、塊鉱石、石炭、コークス等)を篩装置(振動篩、揺動反発式選別機等)に投入する際に、摩耗や閉塞を引き起こすことなく、製鉄原料を幅方向に分散させた状態で篩面に投入することができる製鉄原料の篩装置および製鉄原料の篩装置への投入方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有する。
【0013】
[1]製鉄原料の篩装置であって、篩面の上方に設置された拡散部材の上に、投入する製鉄原料と同じ製鉄原料の山が形成されていて、前記製鉄原料の山の斜面に向けて製鉄原料が投入されると、製鉄原料が前記製鉄原料の山の斜面に沿って下方向に流れ、篩面の幅方向に拡散するようになっていることを特徴とする製鉄原料の篩装置。
【0014】
[2]製鉄原料の篩装置への投入方法であって、篩面の上方に設置した拡散部材の上に、投入する製鉄原料と同じ製鉄原料の山を形成しておき、前記製鉄原料の山の斜面に向けて製鉄原料を投入して、製鉄原料を前記製鉄原料の山の斜面に沿って下方向に落下させて、篩面の幅方向に拡散されるようにすることを特徴とする製鉄原料の篩装置への投入方法。
【発明の効果】
【0015】
本発明においては、製鉄原料(鉄鉱石、塊鉱石、石炭、コークス等)を篩装置(振動篩、揺動反発式選別機等)に投入する際に、摩耗や閉塞を引き起こすことなく、製鉄原料を幅方向に分散させた状態で篩面に投入することができる。
【0016】
すなわち、以下のような効果を得ることができる。
【0017】
(A)製鉄原料を幅方向に拡散させて篩面に投入することで、篩面の原料投入地点から幅方向面積を有効に使うことができ、篩い効率を向上させることができる。
【0018】
(B)製鉄原料の山に製鉄原料を投入して拡散させるので、拡散機構(拡散部材、製鉄原料の山)の摩耗を引き起こすことがない。
【0019】
(C)水分を含む等の付着性の高い製鉄原料を投入する場合でも、製鉄原料の山に安息角以上の製鉄原料が堆積することはないので、拡散機構(拡散部材、製鉄原料の山)での閉塞を引き起こすことがない。
【0020】
(D)拡散部材の幅と高さ位置を変えることで、製鉄原料の山の幅や拡散方向を変更することができ、篩面の幅に応じて、投入する製鉄原料の拡散幅を自由に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態1を示す側面図である。
【図2】本発明の実施形態1を示す正面図である。
【図3】本発明の実施形態1の他の例を示す正面図である。
【図4】本発明の実施形態2を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施形態3を示すフロー図である。
【図6】本発明の実施例1を示す側面図である。
【図7】本発明の実施例1を示す正面図である。
【図8】本発明の実施例1における拡散性評価を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
[実施形態1]
本発明の実施形態1の側面図を図1に示し、正面図を図2に示す。
【0024】
図1、図2に示すように、この実施形態1においては、ベルトコンベア11と振動篩16との間に2段シュート12が設置されている。そして、2段シュート12の上段シュート12aは、ベルトコンベア11の幅と同じ幅であり、製鉄原料10が供給されると、供給方向に原料特有の安息角θで斜面10aが形成されるように製鉄原料10が積み上げられる。一方、2段シュート12の下部シュート12bは、振動篩16の篩面と同じ幅である。
【0025】
その上で、この実施形態1においては、振動篩16の篩面の上方で、下部シュート12bの正面に拡散部材13が設置されており、その拡散部材13の上に、投入する製鉄原料10と同じ製鉄原料の山14が形成されている。
【0026】
これによって、製鉄原料の山14の斜面に向けて製鉄原料10が投入されると、投入された製鉄原料10が製鉄原料の山14の斜面に沿って下方向に落下して流れ、振動篩16の篩面の幅方向に拡散するようになっている。
【0027】
なお、拡散部材13の長さL、幅Wや、拡散部材13の上面から下部シュート12bの上端12btまでの高さHは、製鉄原料10の拡散させる幅と、製鉄原料10の安息角によって決定する。ここで、前記拡散部材13上に形成される製鉄原料の山14の形状は、製鉄原料の安息角θにより決定される。
【0028】
なお、図1、図2に示す例では、拡散部材13上の製鉄原料の山14の頂点14tと、下部シュート12bの上端12btが一致するように前記拡散部材13の位置を調整した。しかし、前記拡散部材13の位置を上方にずらし、図3のように製鉄原料の山14を形成することで、篩面の中央付近への堆積量を増やすことができる。このように、前記拡散部材13の位置を調整することで、篩面上への製鉄原料の拡散状態を調整することもできる。
【0029】
[実施形態2]
本発明の実施形態2の斜視図を図4に示す。
【0030】
図4に示すように、この実施形態2は、基本的な構成は上述した実施形態1と同じであり、実施形態1における振動篩16を揺動反発式選別機17に置き換えたものである。
【0031】
すなわち、この実施形態2においては、揺動反発式選別機17の篩面の上方で、下部シュート12bの正面に拡散部材13が設置されており、その拡散部材13の上に、投入する製鉄原料10と同じ製鉄原料の山14が形成されている。
【0032】
これによって、製鉄原料の山14の斜面に向けて製鉄原料10が投入されると、投入された製鉄原料10が製鉄原料の山14の斜面に沿って下方向に流れ、揺動反発式選別機17の篩面の幅方向に拡散するようになっている。
【0033】
[実施形態3]
本発明の実施形態3におけるフロー図を図5に示す。
【0034】
図5に示すように、この実施形態3は、基本的な構成は上述した実施形態2と同じであるが、製鉄原料10を塊鉱石とし、揺動反発式選別機17に投入して、塊鉱石10表面の付着粉を除去した後、高炉18に装入するようにしている。
【実施例1】
【0035】
本発明の実施例を述べる。
【0036】
この実施例において用いた篩装置の斜視図を図6に示し、正面図を図7に示す。基本的には、上述した本発明の実施形態1、2と同じであるが、ここでは、振動篩16や揺動反発式選別機17を省いている。
【0037】
投入する製鉄原料10には、1〜50mm程度の粒度範囲を持つ塊鉱石を使用した。なお、この塊鉱石10の安息角θは、水分含有量が3質量%程度のとき、実測で40度程度である。なお、安息角θは、水分含有量によって変化する。
【0038】
ベルトコンベア11の幅は500mm、2段シュート12の上部シュート12aの幅も500mmであり、2段シュート12の下部シュート12bの幅は、振動篩16や揺動反発式選別機17の幅を1500mmと想定して、1500mmとした。
【0039】
そして、拡散部材13は、塊鉱石10を幅方向に1000mm(=1500mm−500mm)拡散させるために、幅Wは1000mmとし、高さHと長さLは、拡散部材13上の塊鉱石の山14の頂点14tと、下部シュート12bの上端12btが一致するように調整した。
【0040】
なお、下部シュート12bの出側に、幅方向に回収ボックス19(Box1〜Box5)を並べて、各回収ボックス19に回収される回収物(塊鉱石10)の重量比率によって、拡散性を評価した。
【0041】
図8に、この実施例での拡散性評価を示す。塊鉱石10が幅方向にほぼ均等に拡散されていることがわかる。
【符号の説明】
【0042】
10 製鉄原料(例えば、塊鉱石)
10a 製鉄原料の斜面
11 ベルトコンベア
12 2段シュート
12a 2段シュートの上部シュート
12b 2段シュートの下部シュート
12bt 下部シュートの上端
13 拡散部材
14 製鉄原料の山(例えば、塊鉱石の山)
14t 製鉄原料の山の頂点
16 振動篩
17 揺動反発式選別機
18 高炉
19 回収ボックス
【技術分野】
【0001】
本発明は、製鉄原料の篩装置および製鉄原料の篩装置への投入方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、粉粒状の製鉄原料(鉄鉱石、塊鉱石、石炭、コークス等)を篩装置(振動篩、揺動反発式選別機等)に投入する際には、搬送コンベアや振動フィーダ等の搬送設備を用いて、製鉄原料(以下、単に「原料」ともいう)を篩装置の篩面に投入している。
【0003】
しかし、搬送設備(例えば、ベルトコンベア)の幅に比べて、篩装置(例えば、振動篩)の幅が数倍になる場合、振動篩面の原料投入地点に原料が集中し、原料が振動篩面上を移送するにつれて、徐々に幅方向に拡散していく。このため、振動篩面の原料投入地点から原料が幅方向に十分に拡散する地点までの間は、振動篩面積が有効に活用されない。
【0004】
そこで、原料を幅方向に拡散させて振動篩面に投入する方法として、特許文献1に記載の方法が開示されている。
【0005】
すなわち、特許文献1では、コンベアと振動篩の間に複数の堰板を備えた拡散装置を設け、原料をコンベアから拡散装置を経由して振動篩に投入することで、原料が幅方向に拡散した状態で振動篩の篩面に投入されるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6−296894号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に開示の技術では、以下のような問題がある。
【0008】
(a)原料を拡散装置に投入する度に、最初の堰板に原料が衝突することで、堰板が摩耗していく。
【0009】
(b)堰板によって形成された流路内を原料が通過する際にも、流路壁面と原料とが擦れ合い、流路側面が摩耗していく。
【0010】
(c)水分を含む等の付着性の高い原料を投入する場合には、流路内での閉塞の懸念がある。
【0011】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、製鉄原料(鉄鉱石、塊鉱石、石炭、コークス等)を篩装置(振動篩、揺動反発式選別機等)に投入する際に、摩耗や閉塞を引き起こすことなく、製鉄原料を幅方向に分散させた状態で篩面に投入することができる製鉄原料の篩装置および製鉄原料の篩装置への投入方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有する。
【0013】
[1]製鉄原料の篩装置であって、篩面の上方に設置された拡散部材の上に、投入する製鉄原料と同じ製鉄原料の山が形成されていて、前記製鉄原料の山の斜面に向けて製鉄原料が投入されると、製鉄原料が前記製鉄原料の山の斜面に沿って下方向に流れ、篩面の幅方向に拡散するようになっていることを特徴とする製鉄原料の篩装置。
【0014】
[2]製鉄原料の篩装置への投入方法であって、篩面の上方に設置した拡散部材の上に、投入する製鉄原料と同じ製鉄原料の山を形成しておき、前記製鉄原料の山の斜面に向けて製鉄原料を投入して、製鉄原料を前記製鉄原料の山の斜面に沿って下方向に落下させて、篩面の幅方向に拡散されるようにすることを特徴とする製鉄原料の篩装置への投入方法。
【発明の効果】
【0015】
本発明においては、製鉄原料(鉄鉱石、塊鉱石、石炭、コークス等)を篩装置(振動篩、揺動反発式選別機等)に投入する際に、摩耗や閉塞を引き起こすことなく、製鉄原料を幅方向に分散させた状態で篩面に投入することができる。
【0016】
すなわち、以下のような効果を得ることができる。
【0017】
(A)製鉄原料を幅方向に拡散させて篩面に投入することで、篩面の原料投入地点から幅方向面積を有効に使うことができ、篩い効率を向上させることができる。
【0018】
(B)製鉄原料の山に製鉄原料を投入して拡散させるので、拡散機構(拡散部材、製鉄原料の山)の摩耗を引き起こすことがない。
【0019】
(C)水分を含む等の付着性の高い製鉄原料を投入する場合でも、製鉄原料の山に安息角以上の製鉄原料が堆積することはないので、拡散機構(拡散部材、製鉄原料の山)での閉塞を引き起こすことがない。
【0020】
(D)拡散部材の幅と高さ位置を変えることで、製鉄原料の山の幅や拡散方向を変更することができ、篩面の幅に応じて、投入する製鉄原料の拡散幅を自由に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態1を示す側面図である。
【図2】本発明の実施形態1を示す正面図である。
【図3】本発明の実施形態1の他の例を示す正面図である。
【図4】本発明の実施形態2を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施形態3を示すフロー図である。
【図6】本発明の実施例1を示す側面図である。
【図7】本発明の実施例1を示す正面図である。
【図8】本発明の実施例1における拡散性評価を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
[実施形態1]
本発明の実施形態1の側面図を図1に示し、正面図を図2に示す。
【0024】
図1、図2に示すように、この実施形態1においては、ベルトコンベア11と振動篩16との間に2段シュート12が設置されている。そして、2段シュート12の上段シュート12aは、ベルトコンベア11の幅と同じ幅であり、製鉄原料10が供給されると、供給方向に原料特有の安息角θで斜面10aが形成されるように製鉄原料10が積み上げられる。一方、2段シュート12の下部シュート12bは、振動篩16の篩面と同じ幅である。
【0025】
その上で、この実施形態1においては、振動篩16の篩面の上方で、下部シュート12bの正面に拡散部材13が設置されており、その拡散部材13の上に、投入する製鉄原料10と同じ製鉄原料の山14が形成されている。
【0026】
これによって、製鉄原料の山14の斜面に向けて製鉄原料10が投入されると、投入された製鉄原料10が製鉄原料の山14の斜面に沿って下方向に落下して流れ、振動篩16の篩面の幅方向に拡散するようになっている。
【0027】
なお、拡散部材13の長さL、幅Wや、拡散部材13の上面から下部シュート12bの上端12btまでの高さHは、製鉄原料10の拡散させる幅と、製鉄原料10の安息角によって決定する。ここで、前記拡散部材13上に形成される製鉄原料の山14の形状は、製鉄原料の安息角θにより決定される。
【0028】
なお、図1、図2に示す例では、拡散部材13上の製鉄原料の山14の頂点14tと、下部シュート12bの上端12btが一致するように前記拡散部材13の位置を調整した。しかし、前記拡散部材13の位置を上方にずらし、図3のように製鉄原料の山14を形成することで、篩面の中央付近への堆積量を増やすことができる。このように、前記拡散部材13の位置を調整することで、篩面上への製鉄原料の拡散状態を調整することもできる。
【0029】
[実施形態2]
本発明の実施形態2の斜視図を図4に示す。
【0030】
図4に示すように、この実施形態2は、基本的な構成は上述した実施形態1と同じであり、実施形態1における振動篩16を揺動反発式選別機17に置き換えたものである。
【0031】
すなわち、この実施形態2においては、揺動反発式選別機17の篩面の上方で、下部シュート12bの正面に拡散部材13が設置されており、その拡散部材13の上に、投入する製鉄原料10と同じ製鉄原料の山14が形成されている。
【0032】
これによって、製鉄原料の山14の斜面に向けて製鉄原料10が投入されると、投入された製鉄原料10が製鉄原料の山14の斜面に沿って下方向に流れ、揺動反発式選別機17の篩面の幅方向に拡散するようになっている。
【0033】
[実施形態3]
本発明の実施形態3におけるフロー図を図5に示す。
【0034】
図5に示すように、この実施形態3は、基本的な構成は上述した実施形態2と同じであるが、製鉄原料10を塊鉱石とし、揺動反発式選別機17に投入して、塊鉱石10表面の付着粉を除去した後、高炉18に装入するようにしている。
【実施例1】
【0035】
本発明の実施例を述べる。
【0036】
この実施例において用いた篩装置の斜視図を図6に示し、正面図を図7に示す。基本的には、上述した本発明の実施形態1、2と同じであるが、ここでは、振動篩16や揺動反発式選別機17を省いている。
【0037】
投入する製鉄原料10には、1〜50mm程度の粒度範囲を持つ塊鉱石を使用した。なお、この塊鉱石10の安息角θは、水分含有量が3質量%程度のとき、実測で40度程度である。なお、安息角θは、水分含有量によって変化する。
【0038】
ベルトコンベア11の幅は500mm、2段シュート12の上部シュート12aの幅も500mmであり、2段シュート12の下部シュート12bの幅は、振動篩16や揺動反発式選別機17の幅を1500mmと想定して、1500mmとした。
【0039】
そして、拡散部材13は、塊鉱石10を幅方向に1000mm(=1500mm−500mm)拡散させるために、幅Wは1000mmとし、高さHと長さLは、拡散部材13上の塊鉱石の山14の頂点14tと、下部シュート12bの上端12btが一致するように調整した。
【0040】
なお、下部シュート12bの出側に、幅方向に回収ボックス19(Box1〜Box5)を並べて、各回収ボックス19に回収される回収物(塊鉱石10)の重量比率によって、拡散性を評価した。
【0041】
図8に、この実施例での拡散性評価を示す。塊鉱石10が幅方向にほぼ均等に拡散されていることがわかる。
【符号の説明】
【0042】
10 製鉄原料(例えば、塊鉱石)
10a 製鉄原料の斜面
11 ベルトコンベア
12 2段シュート
12a 2段シュートの上部シュート
12b 2段シュートの下部シュート
12bt 下部シュートの上端
13 拡散部材
14 製鉄原料の山(例えば、塊鉱石の山)
14t 製鉄原料の山の頂点
16 振動篩
17 揺動反発式選別機
18 高炉
19 回収ボックス
【特許請求の範囲】
【請求項1】
製鉄原料の篩装置であって、篩面の上方に設置された拡散部材の上に、投入する製鉄原料と同じ製鉄原料の山が形成されていて、前記製鉄原料の山の斜面に向けて製鉄原料が投入されると、製鉄原料が前記製鉄原料の山の斜面に沿って下方向に流れ、篩面の幅方向に拡散するようになっていることを特徴とする製鉄原料の篩装置。
【請求項2】
製鉄原料の篩装置への投入方法であって、篩面の上方に設置した拡散部材の上に、投入する製鉄原料と同じ製鉄原料の山を形成しておき、前記製鉄原料の山の斜面に向けて製鉄原料を投入して、製鉄原料を前記製鉄原料の山の斜面に沿って下方向に落下させて、篩面の幅方向に拡散されるようにすることを特徴とする製鉄原料の篩装置への投入方法。
【請求項1】
製鉄原料の篩装置であって、篩面の上方に設置された拡散部材の上に、投入する製鉄原料と同じ製鉄原料の山が形成されていて、前記製鉄原料の山の斜面に向けて製鉄原料が投入されると、製鉄原料が前記製鉄原料の山の斜面に沿って下方向に流れ、篩面の幅方向に拡散するようになっていることを特徴とする製鉄原料の篩装置。
【請求項2】
製鉄原料の篩装置への投入方法であって、篩面の上方に設置した拡散部材の上に、投入する製鉄原料と同じ製鉄原料の山を形成しておき、前記製鉄原料の山の斜面に向けて製鉄原料を投入して、製鉄原料を前記製鉄原料の山の斜面に沿って下方向に落下させて、篩面の幅方向に拡散されるようにすることを特徴とする製鉄原料の篩装置への投入方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2012−179581(P2012−179581A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−45866(P2011−45866)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(000001258)JFEスチール株式会社 (8,589)
【Fターム(参考)】
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