複合内部導体を有する同軸ケーブルの製造方法及び装置
同軸ケーブルの作製方法は、内部導体を規定するために、導電性チューブの形成と、当該チューブ内での硬化可能材料の硬化とを具えている。形成には、導電細条を前進させ、そして当該導電細条を曲げて、長手方向の継ぎ目を有するチューブにすることが含まれる。硬化可能材料は、形成に引き続いて導電細条に分配される。或いは、硬化可能材料は、導電細条を前進させる前に、予め導電細条に分配しておくこともできる。この分配には、硬化可能材料として、又は硬化可能材料の一部若しくは全部を保持するものとして、牽引コードを用いることができる。この方法はさらに、内部導体を包囲する誘電体層を形成し、そして当該誘電体層を包囲する外部導体を形成するステップも含むことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブルの分野、特に同軸ケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
同軸ケーブルは高周波電気信号を搬送するのに広く使用されている。同軸ケーブルは、比較的高い帯域幅及び低い信号損失を有し、機械的に丈夫であり、かつ比較的低コストである。同軸ケーブルは、典型的には、細長内部導体、チューブ状の外部導体、及び内部導体と外部導体とを分離する誘電体を具えている。誘電体は、例えばプラスチック発泡材料とすることができる。外部導体を包囲するために、外部絶縁ジャケットを適用することができる。
【0003】
同軸ケーブルの特に有利な用途は、携帯電話又は無線基地局における電子機器を、近くのアンテナ塔の頂部に取付けられたアンテナに接続することにある。例えば、装置シェルタ内に置かれた送信機及び受信機は、アンテナ塔にあるアンテナに、同軸ケーブルを介して結合させることができる。典型的な取付けは、比較的大きな直径の主同軸ケーブルを、装置シェルタとアンテナ塔の頂部との間に延在させて、信号損失を低減させることにある。例えば、ノースカロライナ州ヒッコリーのCommScope社では、そのような用途のためにCellReach(登録商標)同軸ケーブルを提供している。
【0004】
特に、そのような大きな直径の主同軸ケーブルについては、CommScope社では通常、導電性チューブで包囲される誘電体ロッドを含む複合内部導体を使用している。動作周波数における表皮深度は比較的浅いため、導電性チューブを使用することで、コストは低減し、かつ機械的に良好な特性を得ることができる。導電性チューブは、典型的には、金属細条をチューブに成形し、そして長手方向の継ぎ目を溶接することによって形成される。誘電体ロッドは、チューブ内部の湿気を防止する作用もある。
【0005】
Adamsの米国特許第6,326,551号には、水分吸収材料を内部に有し、溶接したチューブ状の内部導体を具える、複合芯を有する同軸ケーブルが開示されている。この複合芯は、ケーブルが屈曲している間はケーブルを支持し、かつ優れた信号伝送特性の維持を促進するのみならず、腐食を起こす湿気がケーブル内に入り込んでくることをも防ぐ。
【0006】
従って、このような同軸ケーブルの製造は、誘電体ロッドを前もって形成する別のステップを必要とするだけでなく、この誘電体ロッドを、導電性チューブを形成すべき導電細条又は他の材料に対して、適切に位置付ける必要もある。このような多工程の製造方法は複雑で時間がかかる。従って、複合芯を有する同軸ケーブルの製造費用もかなり増大し得る。
【発明の開示】
【0007】
従って、前述した背景に鑑み、本発明の目的は、複合芯を有する同軸ケーブルを効率的に作製する方法及び装置を提供することにある。
【0008】
上記目的、並びに本発明による他の目的、特徴、及び利点は、導電性チューブを形成し、そしてこの導電性チューブ内で硬化可能材料を硬化させて、これにより内部導体を規定するという同軸ケーブル生成方法によって提供される。さらにこの方法は、内部導体の周囲に誘電体層を形成し、かつこの誘電体層の周囲に外部導体を形成することを含む。硬化可能材料は、水分を遮断し、かつ状態を支持する性質も有している。この方法によれば、例えば単一パスでこのような同軸ケーブルを製造することにより、このようなケーブルを製造する他の態様と比べて効率よく、かつ低コストでケーブルを作製することが可能となる。
【0009】
従って、誘電体層及び外部導体の形成は、導電性チューブの形成に引き続き行うことが可能である。ここでいう硬化とは、硬化可能材料を硬化させ、これが導電性チューブを完全に充填し、これにより効果的に水分を遮断する、ということを含む。或いは、内部導体の長手方向に離間した部分を、硬化可能材料が半径方向に充填するようにもできる。この方法はまた、硬化可能材料を硬化させて、安定した内部導体を形成し、その後同軸ケーブルを巻取りリールに巻きつけることを含むこともできる。
【0010】
硬化可能材料はまた、膨張もすることができる。従って上記方法は、硬化可能で膨張可能な材料を、導電性チューブ内部で膨張させることを含むこともできる。さらに、この材料を硬化及び/又は膨張させることには、例えば化学反応、温度変化、圧力変化、又は光学的エネルギーに対する照射の少なくともひとつを伴って生じる硬化及び/又は膨張を含めることができる。
【0011】
この方法による導電性チューブの形成には、導電細条を走行経路に沿って進め、この導電細条を曲げて、長手方向の継ぎ目を有するチューブにし、そして長手方向の継ぎ目を溶接することが含まれる。この方法にはさらに、溶接した後に導電性チューブの直径を縮小させることを含めることができる。
【0012】
実施例によっては、導電性チューブの形成に引き続き、導電細条に硬化可能材料を与えることができる。或いは、導電細条を走行経路に沿って進める前に、導電細条に硬化可能材料を与えておくこともできる。硬化可能材料には、ポリウレタン、ポリスチレン、及びポリオレフィンの少なくともひとつを含ませることができる。
【0013】
好適実施例においては、硬化可能材料を与えるために、少なくとも1つの細長牽引部材を導電性チューブ内に固定することもできる。例えば、この少なくとも1つの牽引部材は、硬化可能材料を少なくとも部分的に保持することができる。この牽引部材即ち牽引コードは、例えば供給リールから供給することができる。
【0014】
この方法には、導電性チューブ内部に接着剤層を被着することを含めることもできる。この方法にはさらに、外部導体を包囲するジャケットを形成することを含むこともできる。そしてこのジャケットの形成は、内部導体、誘電体層、及び外部導体の形成に引き続き行うことができる。
【0015】
本発明の他の要点は、同軸ケーブルを製造するための装置に関するものである。この装置は、導電細条を、硬化可能材料を包囲する導電性チューブに形成して内部導体を規定する、導電性チューブ形成機を具えている。内部導体を包囲する誘電体層を形成するために、チューブ形成機の下流に誘電体形成機を設けることができ、そしてこの誘電体層を包囲する外部導体を形成するために、誘電体形成機の下流に外部導体形成機を設けることができる。
【0016】
本発明の更に他の要点は、導電性チューブ、当該チューブ内の硬化材料、及び当該硬化材料内に埋設する少なくとも1つの細長部材を具える内部導体を含む同軸ケーブルに関するものである。同軸ケーブルは、前記内部導体を包囲する誘電体層、及び当該誘電体層を包囲する外部導体を含むことは勿論である。少なくとも1つの細長部材は、少なくとも1つの牽引コードで構成することができる。
【0017】
以下本発明を、好適な実施例を示している添付図面につき詳細に説明する。しかしながら、本発明は多様な形態で実現し得るものであり、ここで述べる実施例に限定されるものではない。以下の実施例が与えられるのは、本発明の開示が十分で完全なものになり、かつ当業者に本発明の範囲を十分伝えるようにするためである。同じ参照番号は、全体を通じて同じ要素を示しており、またプライム符号表記及び多重プライム符号表記は、変更実施例における同様な要素を表している。
【0018】
まず図1〜3を参照するに、本発明による同軸ケーブル12を形成する方法及び装置20につき説明する。流れ図18のステップにより示すように、開始ステップ(ブロック22)の後に、本発明による方法は、図示のように硬化可能材料26を入れて導電性チューブ24の形成ステップ(ブロック28)に続く。硬化可能材料26の硬化は、導電性チューブ内部で生じ(ブロック80)、これにより内部導体を規定する。破線で示すように、この硬化はほとんど瞬時的に行うことも、又は残りのステップの間に行うこともできる。硬化可能材料26は、機械的に安定な状態にして例えば座屈現象を防ぐために、少なくとも巻取りリール82に巻き付ける前には十分に硬化させるのが望ましい。
【0019】
ブロック30では、導電性チューブ24の周囲に誘電体層32を形成する。ブロック36では、誘電体層の周囲に外部導体34を形成する。
【0020】
装置20には、図示のように、導電細条38に硬化可能材料26を分配する硬化可能材料ディスペンサ46と、この硬化可能材料ディスペンサの下流に、硬化可能材料の分配に引き続き導電細条をチューブに形成する導電性チューブ形成機58とが含まれている。さらに装置20には図示のように、導電性チューブ形成機58の下流に、内部導体の周囲に誘電体層32を形成する誘電体形成機68と、この誘電体形成機の下流に、誘電体層の周囲に外部導体34を形成する外部導体形成機72とが含まれている。
【0021】
図示したように、導電性チューブ24の形成、及び硬化可能材料26の硬化には、ブロック40にて走行経路(図2の矢印39により示す)に沿って導電細条38を進めること、及び導電性チューブ24の形成に引き続き、ブロック42にて導電細条に硬化可能材料を与えることが含まれている。導電細条38は、図示のように、走行経路39に沿って進める際に、ブロック44にて、曲げられて導電性チューブ24を形成する。これについては以下さらに詳細に説明する。チューブ形成機58は、当業者には周知である、一連の成形ロールを具えることができる。
【0022】
硬化可能材料を分配する前に、ブロック50にて、走行経路39に沿って硬化可能材料ディスペンサ46の上流に随意で設置する接着剤ディスペンサ49を用いて、導電細条38の表面に、接着剤層48を随意で被着することもできる。当業者には周知のように、接着剤層48は、硬化可能材料26を導電細条38の表面に、より良好に結合させる働きをする。
【0023】
図示のように、硬化可能材料26は、導電性チューブ形成機58よりも少し上流で、硬化可能材料ディスペンサ46により分配されるが、この硬化可能材料は、導電細条38が実際にチューブに整形されている際に分配することもできることは当業者であれば明らかである。既知の注入法を使用することで、導電性チューブ24が形成される際に又はその直後に、硬化可能材料を注入することができることは、当業者には明らかである。いずれの場合も、以下に説明するように、硬化可能材料26を製造ステップ中に硬化させることで、多くの効果的な利点が得られる。
【0024】
さらに硬化可能材料は、図示のように、導電性チューブ形成機58による導電性チューブ24の形成に伴い、導電細条38に与えられるが、この硬化可能材料は、チューブ形成のラインの中で与える必要はないということは当業者には明らかである。その代わりに、導電性チューブ形成機58による導電性チューブ24の形成とは別に、或いはラインから外れた所で、硬化可能材料26を導電細条38に分配することもできる。これについて図4〜5を参照に以下説明する。
【0025】
ブロック28’において、導電性チューブ24’の形成、及び硬化可能材料26’の硬化は、導電細条38’を導電性チューブに形成する前に、硬化可能材料を導電細条に分配することで開始する(ブロック52)。従って、上記のように、硬化可能材料26’は、他の処理ステップが行われている所とは異なる場所で、及び/又は同軸ケーブルの製造者とは異なる製造者によって、導電細条38’に分配することもできる。
【0026】
装置20’には、硬化可能材料26’が既に分配されている導電細条38’を供給するための、導電細条供給部51’が含まれている。図示のように、導電細条供給部51’は送出しリールであり、導電性チューブ24’を形成する間に、導電細条38’はそのリールから直接供給される。導電細条38’は、硬化可能材料26’が既にその表面に与えられているので、前進され(ブロック54)、そしてブロック56にて曲げられて導電性チューブ24’に形成されるので、硬化可能材料26’は導電性チューブ内部に存在するようになる。
【0027】
硬化可能材料26,26’は、導電細条38,38’の表面に、導電性チューブの形成と同時に加えられる、又は予め加えられているので、導電細条を曲げることにより形成した導電性チューブ24,24’の内部で硬化可能材料が硬化するため、その後に続く生産ステップに進むことができる。従って装置20,20’及び関連する方法は、複合芯を有する同軸ケーブルの製造に通常使用される慣例のステップを不要にする。最初にロッドを形成し、次いでこのロッドを適当な位置に置いて、ロッドの周りに導電性チューブを形成する慣例の製造装置及び方法とは対象的に、本発明では、導電性チューブ内部の硬化可能材料26,26’の硬化と同時、又はほぼ同時に、導電性チューブ24,24’を形成することができる。この結果、腐食を誘発する湿気の進入を防ぐ複合芯を有し、また同軸ケーブル12,12’を強化支持する、より有効に作製される内部導体が得られる。
【0028】
さらに図6及び7を参照して、他の製造方法及び装置20”につき説明する。この例では、内部導体24”に硬化可能材料26”を分配する補助として、牽引部材即ち牽引コード29”を用いる。さらに具体的には、牽引部材29”は、この部材の供給リール27”から送り出され、この牽引部材の終端はチューブ24”内に詰め込まれるか、或いは他の方法でチューブ24”内に固定される(ブロック53”)。ブロック55”にて、ディスペンサ46”が、牽引部材29”に硬化可能材料26”を分配し、そして導電細条は、ブロック56”にてチューブ状に曲げられる。従って牽引部材29”は、硬化可能材料26”を導電性チューブ24”の中に引き込む作用をする。さらに、この手法により、硬化可能材料26”の分量を比較的正確に計量することができる。
【0029】
牽引部材29”は、次のようないずれかの材料とすることができる。即ち、例えば、天然又は合成繊維材料、及びヤーン、織物、樹脂、ガラス強化エポキシ(ファイバグラス)、光学ガラス、ガラスロービング、ゴム、ワイヤとすることができる。他の材料も使用することができることは、当業者には明らかである。実施例によっては、牽引部材29”に、硬化可能材料の少なくとも部分を含めることもできる。例えば、牽引部材29”に、2部混合物の1部を含めることができる。また牽引部材29”は、硬化可能材料で一部又は全部を覆うことができる。これは例えば、この部材を浸漬型のアプリケータ又はディスペンサに通過させたり、フラッドアプリケータ、粉剤塗布、又は他の類型のアプリケータ又はディスペンサなどを通過させることでできる。当然、実施例によっては、供給リール27”から送り出される前に、牽引部材に硬化可能材料を被着又は分配することもできる。さらに、他の実施例においては、1以上の牽引部材29”を用いることもできる。
【0030】
牽引部材29”は、硬化可能材料26”を保持する能力を増大させるように構成又は変更することもできる。例えば、牽引部材は、硬化可能材料を吸収する編物用ヤーン又は織物とすることができる。牽引部材29”は、モールディング、押出し加工、機械加工、組立て、又は他の工程により製造することができ、これにより、より多くの硬化可能材料26”を保持すべく表面積が増大する効果を有するようになる。牽引部材26”は、例えばリブ状、フィン状、突起状、円板状、剛毛状のような、放射状に外側へと延在する外部の特徴を有するように形成することもできる。これらの外部の特徴は、表面積を増大させることにより保持能力を増大させ、また半径方向の輪郭パターンが所望となるように、ケーブルの長さ方向に一様に分布するようにも一様に分布しないようにも、硬化可能材料を散布することを可能にする。当業者には明らかなように、硬化可能材料のタイプ、及びこの材料を活性化させ、かつ硬化させるのに用いる技術に応じて、牽引部材29”及び/又は部材の外部の特徴は、硬化を補助すべく構造体を経て熱を伝導するのに及び/又は化学反応体、ガス、電気、又は光学的エネルギーを転送するのに役に立つ。
【0031】
図8を参照に示すように、牽引部材29”により、製造者は、長手方向に相隔たる所望の位置のパターンで、硬化可能材料を分散させることもできる。特に、ケーブル12”の導電性チューブ24”内に、相隔たる栓26a”,26b”を形成することができる。また図示のようにケーブル12”には、誘電体層32”及び外部導体34”が含まれている。このような相隔たる栓26a”,26b”の配置にすると、当業者には明らかなように、内部導体を経て水分又は湿気が移動するのを防止し、かつ硬化可能材料26”の計量に求められる正確さを緩和し得る。相隔たる栓26a”,26b”はまた、ケーブル12”に必要な硬化可能材料の量を減少させ、従ってコストも低減させる。当然、当業者には周知のように、相隔たる栓26a”,26b”は、ここで論じたもの以外の他の製造方法により生産することもできる。
【0032】
硬化可能材料26は、膨張も可能とすることができる。例えば、硬化可能材料は、ポリウレタン、ポリスチレン、又はポリオレフィンのような、種々の熱硬化性又は熱可塑性の樹脂のいずれかにすることができる。従って、当業者には明らかなように、硬化可能材料は、導電細条がチューブに形成される前に、例えば粘稠液の、導電細条への被覆として注入及び計量することができる。粘稠液の被覆は、これも当業者には明らかなように、製造中に所望な程度まで所望な割合で膨張が生じるように、調剤して膨張可能にすることができる。
【0033】
硬化可能材料は形成と同時に或いは予め導電細条に被着されているため、当業者には周知の処理によって、同軸ケーブルの形成中に膨張及び/又は硬化を活性化させることができる。これらの処理には、化学反応、温度変化、圧力変化、光学的活性化の少なくともひとつが含まれる。従って、図9A〜9Cに示すように、硬化可能かつ膨張可能な材料は、導電性チューブの形成の後及び/又はこの間に膨張することができる。
【0034】
図10に示すように、他の実施例において、装置20”’にはさらに、主ディスペンサ46a”’からの材料Aの硬化及び/又は膨張を開始するために、導電細条38”’に活性化化学物質又は材料(即ち材料B)を被着するための補助材料ディスペンサ46b”’を含ませることができる。換言すると、硬化可能材料26”’は、このように2つの出発物質(即ち材料A及びB)を具えている。例えば、材料A及びBは、エポキシ化合物の先駆物質、又はポリウレタンとすることができる。他の実施例では、後の処理のために導電細条38”’が供給される前に、導電細条38”’に予め主材料(材料A)を被着しておくことができる。2以上の化学物質又は材料を使用して、硬化可能材料を創造し及び活性化することができることも、当業者には明らかである。
【0035】
図11に示す実施例の装置20””は、導電性チューブ形成機58””によって形成される導電性チューブ24””に熱を供給するヒータ90””を具えている。ヒータ90””が供給する熱は、当業者には明らかなように、硬化可能材料26””を硬化及び/又は膨張させるために使用することができる。当業者には明らかなように、ヒータ90””は他の場所に設置することもできる。
【0036】
図12を参照に示すように、硬化可能材料は、圧力変化により硬化及び/又は膨張させることもできる。従って装置20””’は、硬化可能材料ディスペンサ46””’に圧力を供給する圧力源92””’を具え、この圧力により硬化可能材料26””’は、導電細条38””’に分配される際に膨張するようになる。
【0037】
さらに図13を参照に示すように、装置20”””は、硬化可能材料26”””を光学的に硬化及び/又は膨張させるための光源94”””を具えることができる。当業者には明らかなように、光源94”””は既定の波長の光を供給することができる。硬化可能材料26”””はここでも、硬化可能材料ディスペンサ46”””によって導電細条38”””に分配することができ、或いは、後の処理のため導電細条が供給される前に、導電細条38”””に予め分配しておくこともできる。
【0038】
再び図1〜3に戻り、かつ今度は図14のケーブルの横断面図も参照するに、製造過程、装置、及びケーブルの他の要点を説明する。チューブ形成機58の下流の導電性チューブ24は、長手方向の継ぎ目25を有している。この長手方向の継ぎ目25は、図示のように、継ぎ目溶接機62にて、溶接作業(ブロック60)により封止する。継ぎ目溶接機62は、例えば高周波誘導溶接機とすることができる。代わりに他の溶接装置、例えば当業者には周知の、ガスタングステンアーク溶接機、プラズマアーク溶接機、レーザ溶接機などを使用することもできる。当業者には明らかなように、長手方向の継ぎ目25のエッジを互いに結合させる、さらに他の装置及び技術を使用することもできる。
【0039】
導電性チューブ24の直径は、図示のように、縮小機64(ブロック63)の縮小用金型によって、縮小した直径D(図14)にまで縮小することができる。当業者には明らかなように、導電性チューブ24の直径を縮小するために、他の技術及び装置を使用することができる。当然、他の例では、直径を縮小する必要がないこともある。縮小した直径Dは、比較的大口径タイプの同軸ケーブルにおいては、0.3〜0.9インチの範囲とするのがよい。
【0040】
導電性チューブ24の内部表面は図示のように平滑であるが、当業者には明らかなように、この内部表面は平滑である必要はなく、かつ導電性チューブはこれ以外の表面の形態を有するようにもできる。例えば、導電性チューブ24は、図示のような平滑な表面ではなく、波形の表面を有するようにもできる。
【0041】
誘電体層32は、図示のように、ブロック36にて誘電体形成機68によって導電性チューブ24の周囲に形成される。誘電体形成機68は、例えば、当業者には明らかなように、内部導体の周辺に誘電性ポリマフォームを押出形成するために、クロスヘッドの押出機を具えることができ、そしてそれよりも下流で、誘電性フォームを冷却又は固化させるために、一連の冷却用トラフ又はタンクを具えることができる。
【0042】
ブロック36にて、外部導体34は、図示のように外部導体形成機72によって形成される。またこの外部導体形成機は、導電細条を、誘電体層32の周囲で一層大きなチューブに形成し、そしてこの結果生成される長手方向の継ぎ目を溶接し、それにより外部導体34を規定することもできる。ブロック76にて、ジャケット形成機78を使用することにより、外部導体34の周囲に例えばポリエチレンのジャケット74を形成することもでき、このジャケット形成機は、当業者には明らかなように押出形成機を具えることができる。
【0043】
従って誘電体層32及び外部導体34の形成は、導電性チューブ24の形成に引き続き行うことができる。同様に、ジャケット74の形成は、内部導体、誘電体層32、及び外部導体34の形成に引き続き行うことができる。内部導体のための誘電体ロッドが一又は連続する複数の処理ステップで別に作製される慣例の方法に比べて、連続的なインライン製造方法により、かなりのコストが節約される。
【0044】
このようなステップで形成された同軸ケーブル12は、図示のように、ブロック84にて巻取りリール82に巻回される。この方法は、図示のように停止ステップ(ブロック86)にて終了する。
【0045】
本発明は、上述した実施例のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲の範疇で幾多の変更を加え得ることは当業者に明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明による複合芯を有する同軸ケーブルを形成する方法を示す流れ図である。
【図2】図1の流れ図が示す方法を実行する装置の概略線図である。
【図3】図1の流れ図の一部のより詳細な流れ図である。
【図4】図1の流れ図の一部の変更例の、より詳細な流れ図である。
【図5】図4の流れ図が示す方法による、同軸ケーブルを形成する装置の変更例の概略線図である。
【図6】図1の流れ図の一部の他の変更例の、より詳細な流れ図である。
【図7】図6の流れ図が示す方法による、同軸ケーブルを形成する装置の他の変更例の一部の概略線図である。
【図8】本発明によるケーブルの実施例の長手方向断面図である。
【図9A】本発明による硬化可能材料が硬化中の、同軸ケーブルの一部の横断面図である。
【図9B】本発明による硬化可能材料が硬化中の、同軸ケーブルの一部の横断面図である。
【図9C】本発明による硬化可能材料が硬化中の、同軸ケーブルの一部の横断面図である。
【図10】本発明による同軸ケーブルを形成する装置の他の実施例の概略線図である。
【図11】本発明による同軸ケーブルを形成する装置の、さらに他の実施例の概略線図である。
【図12】本発明による同軸ケーブルを形成する装置の、さらに他の実施例の概略線図である。
【図13】本発明による同軸ケーブルを形成する装置の他の実施例の概略線図である。
【図14】本発明により形成した同軸ケーブルの横断面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブルの分野、特に同軸ケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
同軸ケーブルは高周波電気信号を搬送するのに広く使用されている。同軸ケーブルは、比較的高い帯域幅及び低い信号損失を有し、機械的に丈夫であり、かつ比較的低コストである。同軸ケーブルは、典型的には、細長内部導体、チューブ状の外部導体、及び内部導体と外部導体とを分離する誘電体を具えている。誘電体は、例えばプラスチック発泡材料とすることができる。外部導体を包囲するために、外部絶縁ジャケットを適用することができる。
【0003】
同軸ケーブルの特に有利な用途は、携帯電話又は無線基地局における電子機器を、近くのアンテナ塔の頂部に取付けられたアンテナに接続することにある。例えば、装置シェルタ内に置かれた送信機及び受信機は、アンテナ塔にあるアンテナに、同軸ケーブルを介して結合させることができる。典型的な取付けは、比較的大きな直径の主同軸ケーブルを、装置シェルタとアンテナ塔の頂部との間に延在させて、信号損失を低減させることにある。例えば、ノースカロライナ州ヒッコリーのCommScope社では、そのような用途のためにCellReach(登録商標)同軸ケーブルを提供している。
【0004】
特に、そのような大きな直径の主同軸ケーブルについては、CommScope社では通常、導電性チューブで包囲される誘電体ロッドを含む複合内部導体を使用している。動作周波数における表皮深度は比較的浅いため、導電性チューブを使用することで、コストは低減し、かつ機械的に良好な特性を得ることができる。導電性チューブは、典型的には、金属細条をチューブに成形し、そして長手方向の継ぎ目を溶接することによって形成される。誘電体ロッドは、チューブ内部の湿気を防止する作用もある。
【0005】
Adamsの米国特許第6,326,551号には、水分吸収材料を内部に有し、溶接したチューブ状の内部導体を具える、複合芯を有する同軸ケーブルが開示されている。この複合芯は、ケーブルが屈曲している間はケーブルを支持し、かつ優れた信号伝送特性の維持を促進するのみならず、腐食を起こす湿気がケーブル内に入り込んでくることをも防ぐ。
【0006】
従って、このような同軸ケーブルの製造は、誘電体ロッドを前もって形成する別のステップを必要とするだけでなく、この誘電体ロッドを、導電性チューブを形成すべき導電細条又は他の材料に対して、適切に位置付ける必要もある。このような多工程の製造方法は複雑で時間がかかる。従って、複合芯を有する同軸ケーブルの製造費用もかなり増大し得る。
【発明の開示】
【0007】
従って、前述した背景に鑑み、本発明の目的は、複合芯を有する同軸ケーブルを効率的に作製する方法及び装置を提供することにある。
【0008】
上記目的、並びに本発明による他の目的、特徴、及び利点は、導電性チューブを形成し、そしてこの導電性チューブ内で硬化可能材料を硬化させて、これにより内部導体を規定するという同軸ケーブル生成方法によって提供される。さらにこの方法は、内部導体の周囲に誘電体層を形成し、かつこの誘電体層の周囲に外部導体を形成することを含む。硬化可能材料は、水分を遮断し、かつ状態を支持する性質も有している。この方法によれば、例えば単一パスでこのような同軸ケーブルを製造することにより、このようなケーブルを製造する他の態様と比べて効率よく、かつ低コストでケーブルを作製することが可能となる。
【0009】
従って、誘電体層及び外部導体の形成は、導電性チューブの形成に引き続き行うことが可能である。ここでいう硬化とは、硬化可能材料を硬化させ、これが導電性チューブを完全に充填し、これにより効果的に水分を遮断する、ということを含む。或いは、内部導体の長手方向に離間した部分を、硬化可能材料が半径方向に充填するようにもできる。この方法はまた、硬化可能材料を硬化させて、安定した内部導体を形成し、その後同軸ケーブルを巻取りリールに巻きつけることを含むこともできる。
【0010】
硬化可能材料はまた、膨張もすることができる。従って上記方法は、硬化可能で膨張可能な材料を、導電性チューブ内部で膨張させることを含むこともできる。さらに、この材料を硬化及び/又は膨張させることには、例えば化学反応、温度変化、圧力変化、又は光学的エネルギーに対する照射の少なくともひとつを伴って生じる硬化及び/又は膨張を含めることができる。
【0011】
この方法による導電性チューブの形成には、導電細条を走行経路に沿って進め、この導電細条を曲げて、長手方向の継ぎ目を有するチューブにし、そして長手方向の継ぎ目を溶接することが含まれる。この方法にはさらに、溶接した後に導電性チューブの直径を縮小させることを含めることができる。
【0012】
実施例によっては、導電性チューブの形成に引き続き、導電細条に硬化可能材料を与えることができる。或いは、導電細条を走行経路に沿って進める前に、導電細条に硬化可能材料を与えておくこともできる。硬化可能材料には、ポリウレタン、ポリスチレン、及びポリオレフィンの少なくともひとつを含ませることができる。
【0013】
好適実施例においては、硬化可能材料を与えるために、少なくとも1つの細長牽引部材を導電性チューブ内に固定することもできる。例えば、この少なくとも1つの牽引部材は、硬化可能材料を少なくとも部分的に保持することができる。この牽引部材即ち牽引コードは、例えば供給リールから供給することができる。
【0014】
この方法には、導電性チューブ内部に接着剤層を被着することを含めることもできる。この方法にはさらに、外部導体を包囲するジャケットを形成することを含むこともできる。そしてこのジャケットの形成は、内部導体、誘電体層、及び外部導体の形成に引き続き行うことができる。
【0015】
本発明の他の要点は、同軸ケーブルを製造するための装置に関するものである。この装置は、導電細条を、硬化可能材料を包囲する導電性チューブに形成して内部導体を規定する、導電性チューブ形成機を具えている。内部導体を包囲する誘電体層を形成するために、チューブ形成機の下流に誘電体形成機を設けることができ、そしてこの誘電体層を包囲する外部導体を形成するために、誘電体形成機の下流に外部導体形成機を設けることができる。
【0016】
本発明の更に他の要点は、導電性チューブ、当該チューブ内の硬化材料、及び当該硬化材料内に埋設する少なくとも1つの細長部材を具える内部導体を含む同軸ケーブルに関するものである。同軸ケーブルは、前記内部導体を包囲する誘電体層、及び当該誘電体層を包囲する外部導体を含むことは勿論である。少なくとも1つの細長部材は、少なくとも1つの牽引コードで構成することができる。
【0017】
以下本発明を、好適な実施例を示している添付図面につき詳細に説明する。しかしながら、本発明は多様な形態で実現し得るものであり、ここで述べる実施例に限定されるものではない。以下の実施例が与えられるのは、本発明の開示が十分で完全なものになり、かつ当業者に本発明の範囲を十分伝えるようにするためである。同じ参照番号は、全体を通じて同じ要素を示しており、またプライム符号表記及び多重プライム符号表記は、変更実施例における同様な要素を表している。
【0018】
まず図1〜3を参照するに、本発明による同軸ケーブル12を形成する方法及び装置20につき説明する。流れ図18のステップにより示すように、開始ステップ(ブロック22)の後に、本発明による方法は、図示のように硬化可能材料26を入れて導電性チューブ24の形成ステップ(ブロック28)に続く。硬化可能材料26の硬化は、導電性チューブ内部で生じ(ブロック80)、これにより内部導体を規定する。破線で示すように、この硬化はほとんど瞬時的に行うことも、又は残りのステップの間に行うこともできる。硬化可能材料26は、機械的に安定な状態にして例えば座屈現象を防ぐために、少なくとも巻取りリール82に巻き付ける前には十分に硬化させるのが望ましい。
【0019】
ブロック30では、導電性チューブ24の周囲に誘電体層32を形成する。ブロック36では、誘電体層の周囲に外部導体34を形成する。
【0020】
装置20には、図示のように、導電細条38に硬化可能材料26を分配する硬化可能材料ディスペンサ46と、この硬化可能材料ディスペンサの下流に、硬化可能材料の分配に引き続き導電細条をチューブに形成する導電性チューブ形成機58とが含まれている。さらに装置20には図示のように、導電性チューブ形成機58の下流に、内部導体の周囲に誘電体層32を形成する誘電体形成機68と、この誘電体形成機の下流に、誘電体層の周囲に外部導体34を形成する外部導体形成機72とが含まれている。
【0021】
図示したように、導電性チューブ24の形成、及び硬化可能材料26の硬化には、ブロック40にて走行経路(図2の矢印39により示す)に沿って導電細条38を進めること、及び導電性チューブ24の形成に引き続き、ブロック42にて導電細条に硬化可能材料を与えることが含まれている。導電細条38は、図示のように、走行経路39に沿って進める際に、ブロック44にて、曲げられて導電性チューブ24を形成する。これについては以下さらに詳細に説明する。チューブ形成機58は、当業者には周知である、一連の成形ロールを具えることができる。
【0022】
硬化可能材料を分配する前に、ブロック50にて、走行経路39に沿って硬化可能材料ディスペンサ46の上流に随意で設置する接着剤ディスペンサ49を用いて、導電細条38の表面に、接着剤層48を随意で被着することもできる。当業者には周知のように、接着剤層48は、硬化可能材料26を導電細条38の表面に、より良好に結合させる働きをする。
【0023】
図示のように、硬化可能材料26は、導電性チューブ形成機58よりも少し上流で、硬化可能材料ディスペンサ46により分配されるが、この硬化可能材料は、導電細条38が実際にチューブに整形されている際に分配することもできることは当業者であれば明らかである。既知の注入法を使用することで、導電性チューブ24が形成される際に又はその直後に、硬化可能材料を注入することができることは、当業者には明らかである。いずれの場合も、以下に説明するように、硬化可能材料26を製造ステップ中に硬化させることで、多くの効果的な利点が得られる。
【0024】
さらに硬化可能材料は、図示のように、導電性チューブ形成機58による導電性チューブ24の形成に伴い、導電細条38に与えられるが、この硬化可能材料は、チューブ形成のラインの中で与える必要はないということは当業者には明らかである。その代わりに、導電性チューブ形成機58による導電性チューブ24の形成とは別に、或いはラインから外れた所で、硬化可能材料26を導電細条38に分配することもできる。これについて図4〜5を参照に以下説明する。
【0025】
ブロック28’において、導電性チューブ24’の形成、及び硬化可能材料26’の硬化は、導電細条38’を導電性チューブに形成する前に、硬化可能材料を導電細条に分配することで開始する(ブロック52)。従って、上記のように、硬化可能材料26’は、他の処理ステップが行われている所とは異なる場所で、及び/又は同軸ケーブルの製造者とは異なる製造者によって、導電細条38’に分配することもできる。
【0026】
装置20’には、硬化可能材料26’が既に分配されている導電細条38’を供給するための、導電細条供給部51’が含まれている。図示のように、導電細条供給部51’は送出しリールであり、導電性チューブ24’を形成する間に、導電細条38’はそのリールから直接供給される。導電細条38’は、硬化可能材料26’が既にその表面に与えられているので、前進され(ブロック54)、そしてブロック56にて曲げられて導電性チューブ24’に形成されるので、硬化可能材料26’は導電性チューブ内部に存在するようになる。
【0027】
硬化可能材料26,26’は、導電細条38,38’の表面に、導電性チューブの形成と同時に加えられる、又は予め加えられているので、導電細条を曲げることにより形成した導電性チューブ24,24’の内部で硬化可能材料が硬化するため、その後に続く生産ステップに進むことができる。従って装置20,20’及び関連する方法は、複合芯を有する同軸ケーブルの製造に通常使用される慣例のステップを不要にする。最初にロッドを形成し、次いでこのロッドを適当な位置に置いて、ロッドの周りに導電性チューブを形成する慣例の製造装置及び方法とは対象的に、本発明では、導電性チューブ内部の硬化可能材料26,26’の硬化と同時、又はほぼ同時に、導電性チューブ24,24’を形成することができる。この結果、腐食を誘発する湿気の進入を防ぐ複合芯を有し、また同軸ケーブル12,12’を強化支持する、より有効に作製される内部導体が得られる。
【0028】
さらに図6及び7を参照して、他の製造方法及び装置20”につき説明する。この例では、内部導体24”に硬化可能材料26”を分配する補助として、牽引部材即ち牽引コード29”を用いる。さらに具体的には、牽引部材29”は、この部材の供給リール27”から送り出され、この牽引部材の終端はチューブ24”内に詰め込まれるか、或いは他の方法でチューブ24”内に固定される(ブロック53”)。ブロック55”にて、ディスペンサ46”が、牽引部材29”に硬化可能材料26”を分配し、そして導電細条は、ブロック56”にてチューブ状に曲げられる。従って牽引部材29”は、硬化可能材料26”を導電性チューブ24”の中に引き込む作用をする。さらに、この手法により、硬化可能材料26”の分量を比較的正確に計量することができる。
【0029】
牽引部材29”は、次のようないずれかの材料とすることができる。即ち、例えば、天然又は合成繊維材料、及びヤーン、織物、樹脂、ガラス強化エポキシ(ファイバグラス)、光学ガラス、ガラスロービング、ゴム、ワイヤとすることができる。他の材料も使用することができることは、当業者には明らかである。実施例によっては、牽引部材29”に、硬化可能材料の少なくとも部分を含めることもできる。例えば、牽引部材29”に、2部混合物の1部を含めることができる。また牽引部材29”は、硬化可能材料で一部又は全部を覆うことができる。これは例えば、この部材を浸漬型のアプリケータ又はディスペンサに通過させたり、フラッドアプリケータ、粉剤塗布、又は他の類型のアプリケータ又はディスペンサなどを通過させることでできる。当然、実施例によっては、供給リール27”から送り出される前に、牽引部材に硬化可能材料を被着又は分配することもできる。さらに、他の実施例においては、1以上の牽引部材29”を用いることもできる。
【0030】
牽引部材29”は、硬化可能材料26”を保持する能力を増大させるように構成又は変更することもできる。例えば、牽引部材は、硬化可能材料を吸収する編物用ヤーン又は織物とすることができる。牽引部材29”は、モールディング、押出し加工、機械加工、組立て、又は他の工程により製造することができ、これにより、より多くの硬化可能材料26”を保持すべく表面積が増大する効果を有するようになる。牽引部材26”は、例えばリブ状、フィン状、突起状、円板状、剛毛状のような、放射状に外側へと延在する外部の特徴を有するように形成することもできる。これらの外部の特徴は、表面積を増大させることにより保持能力を増大させ、また半径方向の輪郭パターンが所望となるように、ケーブルの長さ方向に一様に分布するようにも一様に分布しないようにも、硬化可能材料を散布することを可能にする。当業者には明らかなように、硬化可能材料のタイプ、及びこの材料を活性化させ、かつ硬化させるのに用いる技術に応じて、牽引部材29”及び/又は部材の外部の特徴は、硬化を補助すべく構造体を経て熱を伝導するのに及び/又は化学反応体、ガス、電気、又は光学的エネルギーを転送するのに役に立つ。
【0031】
図8を参照に示すように、牽引部材29”により、製造者は、長手方向に相隔たる所望の位置のパターンで、硬化可能材料を分散させることもできる。特に、ケーブル12”の導電性チューブ24”内に、相隔たる栓26a”,26b”を形成することができる。また図示のようにケーブル12”には、誘電体層32”及び外部導体34”が含まれている。このような相隔たる栓26a”,26b”の配置にすると、当業者には明らかなように、内部導体を経て水分又は湿気が移動するのを防止し、かつ硬化可能材料26”の計量に求められる正確さを緩和し得る。相隔たる栓26a”,26b”はまた、ケーブル12”に必要な硬化可能材料の量を減少させ、従ってコストも低減させる。当然、当業者には周知のように、相隔たる栓26a”,26b”は、ここで論じたもの以外の他の製造方法により生産することもできる。
【0032】
硬化可能材料26は、膨張も可能とすることができる。例えば、硬化可能材料は、ポリウレタン、ポリスチレン、又はポリオレフィンのような、種々の熱硬化性又は熱可塑性の樹脂のいずれかにすることができる。従って、当業者には明らかなように、硬化可能材料は、導電細条がチューブに形成される前に、例えば粘稠液の、導電細条への被覆として注入及び計量することができる。粘稠液の被覆は、これも当業者には明らかなように、製造中に所望な程度まで所望な割合で膨張が生じるように、調剤して膨張可能にすることができる。
【0033】
硬化可能材料は形成と同時に或いは予め導電細条に被着されているため、当業者には周知の処理によって、同軸ケーブルの形成中に膨張及び/又は硬化を活性化させることができる。これらの処理には、化学反応、温度変化、圧力変化、光学的活性化の少なくともひとつが含まれる。従って、図9A〜9Cに示すように、硬化可能かつ膨張可能な材料は、導電性チューブの形成の後及び/又はこの間に膨張することができる。
【0034】
図10に示すように、他の実施例において、装置20”’にはさらに、主ディスペンサ46a”’からの材料Aの硬化及び/又は膨張を開始するために、導電細条38”’に活性化化学物質又は材料(即ち材料B)を被着するための補助材料ディスペンサ46b”’を含ませることができる。換言すると、硬化可能材料26”’は、このように2つの出発物質(即ち材料A及びB)を具えている。例えば、材料A及びBは、エポキシ化合物の先駆物質、又はポリウレタンとすることができる。他の実施例では、後の処理のために導電細条38”’が供給される前に、導電細条38”’に予め主材料(材料A)を被着しておくことができる。2以上の化学物質又は材料を使用して、硬化可能材料を創造し及び活性化することができることも、当業者には明らかである。
【0035】
図11に示す実施例の装置20””は、導電性チューブ形成機58””によって形成される導電性チューブ24””に熱を供給するヒータ90””を具えている。ヒータ90””が供給する熱は、当業者には明らかなように、硬化可能材料26””を硬化及び/又は膨張させるために使用することができる。当業者には明らかなように、ヒータ90””は他の場所に設置することもできる。
【0036】
図12を参照に示すように、硬化可能材料は、圧力変化により硬化及び/又は膨張させることもできる。従って装置20””’は、硬化可能材料ディスペンサ46””’に圧力を供給する圧力源92””’を具え、この圧力により硬化可能材料26””’は、導電細条38””’に分配される際に膨張するようになる。
【0037】
さらに図13を参照に示すように、装置20”””は、硬化可能材料26”””を光学的に硬化及び/又は膨張させるための光源94”””を具えることができる。当業者には明らかなように、光源94”””は既定の波長の光を供給することができる。硬化可能材料26”””はここでも、硬化可能材料ディスペンサ46”””によって導電細条38”””に分配することができ、或いは、後の処理のため導電細条が供給される前に、導電細条38”””に予め分配しておくこともできる。
【0038】
再び図1〜3に戻り、かつ今度は図14のケーブルの横断面図も参照するに、製造過程、装置、及びケーブルの他の要点を説明する。チューブ形成機58の下流の導電性チューブ24は、長手方向の継ぎ目25を有している。この長手方向の継ぎ目25は、図示のように、継ぎ目溶接機62にて、溶接作業(ブロック60)により封止する。継ぎ目溶接機62は、例えば高周波誘導溶接機とすることができる。代わりに他の溶接装置、例えば当業者には周知の、ガスタングステンアーク溶接機、プラズマアーク溶接機、レーザ溶接機などを使用することもできる。当業者には明らかなように、長手方向の継ぎ目25のエッジを互いに結合させる、さらに他の装置及び技術を使用することもできる。
【0039】
導電性チューブ24の直径は、図示のように、縮小機64(ブロック63)の縮小用金型によって、縮小した直径D(図14)にまで縮小することができる。当業者には明らかなように、導電性チューブ24の直径を縮小するために、他の技術及び装置を使用することができる。当然、他の例では、直径を縮小する必要がないこともある。縮小した直径Dは、比較的大口径タイプの同軸ケーブルにおいては、0.3〜0.9インチの範囲とするのがよい。
【0040】
導電性チューブ24の内部表面は図示のように平滑であるが、当業者には明らかなように、この内部表面は平滑である必要はなく、かつ導電性チューブはこれ以外の表面の形態を有するようにもできる。例えば、導電性チューブ24は、図示のような平滑な表面ではなく、波形の表面を有するようにもできる。
【0041】
誘電体層32は、図示のように、ブロック36にて誘電体形成機68によって導電性チューブ24の周囲に形成される。誘電体形成機68は、例えば、当業者には明らかなように、内部導体の周辺に誘電性ポリマフォームを押出形成するために、クロスヘッドの押出機を具えることができ、そしてそれよりも下流で、誘電性フォームを冷却又は固化させるために、一連の冷却用トラフ又はタンクを具えることができる。
【0042】
ブロック36にて、外部導体34は、図示のように外部導体形成機72によって形成される。またこの外部導体形成機は、導電細条を、誘電体層32の周囲で一層大きなチューブに形成し、そしてこの結果生成される長手方向の継ぎ目を溶接し、それにより外部導体34を規定することもできる。ブロック76にて、ジャケット形成機78を使用することにより、外部導体34の周囲に例えばポリエチレンのジャケット74を形成することもでき、このジャケット形成機は、当業者には明らかなように押出形成機を具えることができる。
【0043】
従って誘電体層32及び外部導体34の形成は、導電性チューブ24の形成に引き続き行うことができる。同様に、ジャケット74の形成は、内部導体、誘電体層32、及び外部導体34の形成に引き続き行うことができる。内部導体のための誘電体ロッドが一又は連続する複数の処理ステップで別に作製される慣例の方法に比べて、連続的なインライン製造方法により、かなりのコストが節約される。
【0044】
このようなステップで形成された同軸ケーブル12は、図示のように、ブロック84にて巻取りリール82に巻回される。この方法は、図示のように停止ステップ(ブロック86)にて終了する。
【0045】
本発明は、上述した実施例のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲の範疇で幾多の変更を加え得ることは当業者に明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明による複合芯を有する同軸ケーブルを形成する方法を示す流れ図である。
【図2】図1の流れ図が示す方法を実行する装置の概略線図である。
【図3】図1の流れ図の一部のより詳細な流れ図である。
【図4】図1の流れ図の一部の変更例の、より詳細な流れ図である。
【図5】図4の流れ図が示す方法による、同軸ケーブルを形成する装置の変更例の概略線図である。
【図6】図1の流れ図の一部の他の変更例の、より詳細な流れ図である。
【図7】図6の流れ図が示す方法による、同軸ケーブルを形成する装置の他の変更例の一部の概略線図である。
【図8】本発明によるケーブルの実施例の長手方向断面図である。
【図9A】本発明による硬化可能材料が硬化中の、同軸ケーブルの一部の横断面図である。
【図9B】本発明による硬化可能材料が硬化中の、同軸ケーブルの一部の横断面図である。
【図9C】本発明による硬化可能材料が硬化中の、同軸ケーブルの一部の横断面図である。
【図10】本発明による同軸ケーブルを形成する装置の他の実施例の概略線図である。
【図11】本発明による同軸ケーブルを形成する装置の、さらに他の実施例の概略線図である。
【図12】本発明による同軸ケーブルを形成する装置の、さらに他の実施例の概略線図である。
【図13】本発明による同軸ケーブルを形成する装置の他の実施例の概略線図である。
【図14】本発明により形成した同軸ケーブルの横断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部導体を規定するために、導電性チューブ(24)を形成するステップ、及び当該導電性チューブ内部に硬化可能材料(26)を硬化させるステップと、
前記内部導体を包囲する誘電体層(32)を形成するステップと、
前記誘電体層(32)を包囲する外部導体(34)を形成するステップと、
を具えている、同軸ケーブル(12)の製造方法。
【請求項2】
前記誘電体層(32)及び前記外部導体(34)を形成するステップが、前記導電性チューブ(24)の形成に引き続き行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記硬化可能材料を硬化させるステップが、前記導電性チューブ(24)を完全に充填すべく硬化可能材料(26)を硬化させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記硬化可能材料を硬化させるステップが、前記導電性チューブ(24)の長手方向に離間した部位を、半径方向に充填すべく硬化可能材料(26)を硬化させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記同軸ケーブル(12)を巻取りリール(82)に巻回させるステップも含み、かつ前記硬化可能材料を硬化させるステップが、前記巻取りリール(82)に巻回させる前に、安定した内部導体を形成すべく前記硬化可能材料(26)を硬化させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記硬化可能材料(26)が膨張可能でもあり、かつ前記導電性チューブ(24)を形成するステップはさらに、前記導電性チューブ(24)内部で前記硬化可能かつ膨張可能な材料(26)を膨張させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記膨張処理は、化学反応、温度変化、圧力変化、及び光学的エネルギーの照射のうち少なくとも1つにより膨張させることを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記導電性チューブ(24)の形成が、
導電細条(38)を走行経路に沿って前進させるステップと、
前記導電細条(38)を、前記走行経路に沿って前進させる際に、長手方向の継ぎ目を有するチューブに折り曲げるステップと、
前記長手方向の継ぎ目を溶接するステップと、
を具えている、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記導電性チューブ(24)の形成がさらに、前記導電細条(38)を前記走行経路に沿って前進させながら、前記導電細条(38)に前記硬化可能材料(26)を分配することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記導電性チューブ(24)の形成がさらに、前記導電細条(38)を前記走行経路に沿って前進させる前に、前記導電細条(38)に前記硬化可能材料(26)を分配しておくことを具える、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記導電性チューブ(24)の形成が、前記硬化可能材料(26)を分配するために前記導電性チューブ(24)内で固定された少なくとも1つの細長牽引部材(29”)を使用することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの細長牽引部材(29”)が、前記硬化可能材料(26)の少なくとも部分を保持する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記導電性チューブ(24)の形成がさらに、溶接後に前記内部導体の直径を縮小することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記導電性チューブ(24)の形成がさらに、前記導電性チューブ(24)内に接着剤層(48)を被着することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記硬化可能材料(26)が、ポリウレタン、ポリスチレン、及びポリオレフィンの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記内部導体、前記誘電体層(32)、及び前記外部導体(34)の形成に引き続き、さらに前記外部導体(34)を包囲するジャケット(74)を形成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記導電性チューブ(24)が銅を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
内部導体を規定するために、導電細条(38)を、硬化可能材料(26)を包囲する導電性チューブ(24)に形成する導電性チューブ形成機(58)と、
前記チューブ形成機の下流にて、前記内部導体を包囲する誘電体層(32)を形成する誘電体形成機(68)と、
前記誘電体形成機(68)の下流にて、前記誘電体層(32)を包囲する外部導体(34)を形成する外部導体形成機(72)と、
を具える、複合内部芯を有する同軸ケーブル(12)を製造するための装置(20)。
【請求項19】
前記誘電体形成機(68)は、前記導電性チューブ(24)の形成に引き続き前記誘電体層(32)を形成し、かつ前記外部導体形成機(72)は、前記導電性チューブ(24)の形成に引き続き前記外部導体(34)を形成する、請求項18に記載の装置(20)。
【請求項20】
前記導電性チューブ(24)を完全に充填するために、前記導電細条(38)に前記硬化可能材料(26)を分配するディスペンサ(46)をさらに具える、請求項18に記載の装置(20)。
【請求項21】
前記導電性チューブ(24)の長手方向に離間した部位を半径方向に充填する硬化可能材料(26)を分配するディスペンサ(46)をさらに具える、請求項18に記載の装置(20)。
【請求項22】
前記外部導体形成機(72)の下流にて、巻取りリール(82)をさらに具え、かつ前記硬化可能材料(26)は、前記巻取りリール(82)に巻回する前に、安定した内部導体を形成する、請求項18に記載の装置(20)。
【請求項23】
前記硬化可能材料(26)が膨張可能でもあり、さらに前記硬化可能かつ膨張可能な材料を膨張させる膨張機を具える、請求項18に記載の装置(20)。
【請求項24】
前記導電性チューブ形成機(58)は、前記導電細条(38)を走行経路に沿って前進させる際に、前記導電細条(38)を長手方向の継ぎ目を有する導電性チューブ(24)に形成し、かつ前記導電性チューブ形成機の下流にて、さらに継ぎ目溶接機を具える、請求項18に記載の装置(20)。
【請求項25】
前記導電細条(38)を前記走行経路に沿って前進させながら、前記導電細条(38)に硬化可能材料(26)を分配するディスペンサ(46)をさらに具える、請求項24に記載の装置(20)。
【請求項26】
前記硬化可能材料(26)が、前記導電細条(38)を前記走行経路に沿って前進させる前に、前記導電細条(38)上にあるようにした、請求項24に記載の装置(20)。
【請求項27】
前記硬化可能材料(26)を分配するために、前記導電性チューブ(24)内部に固定した少なくとも1つの細長牽引部材(29”)の供給源をさらに具える、請求項24に記載の装置(20)。
【請求項28】
前記外部導体形成機(72)の下流にて、前記外部導体(34)を包囲するジャケット(74)を形成するジャケット形成機(78)をさらに具える、請求項18に記載の装置(20)。
【請求項1】
内部導体を規定するために、導電性チューブ(24)を形成するステップ、及び当該導電性チューブ内部に硬化可能材料(26)を硬化させるステップと、
前記内部導体を包囲する誘電体層(32)を形成するステップと、
前記誘電体層(32)を包囲する外部導体(34)を形成するステップと、
を具えている、同軸ケーブル(12)の製造方法。
【請求項2】
前記誘電体層(32)及び前記外部導体(34)を形成するステップが、前記導電性チューブ(24)の形成に引き続き行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記硬化可能材料を硬化させるステップが、前記導電性チューブ(24)を完全に充填すべく硬化可能材料(26)を硬化させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記硬化可能材料を硬化させるステップが、前記導電性チューブ(24)の長手方向に離間した部位を、半径方向に充填すべく硬化可能材料(26)を硬化させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記同軸ケーブル(12)を巻取りリール(82)に巻回させるステップも含み、かつ前記硬化可能材料を硬化させるステップが、前記巻取りリール(82)に巻回させる前に、安定した内部導体を形成すべく前記硬化可能材料(26)を硬化させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記硬化可能材料(26)が膨張可能でもあり、かつ前記導電性チューブ(24)を形成するステップはさらに、前記導電性チューブ(24)内部で前記硬化可能かつ膨張可能な材料(26)を膨張させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記膨張処理は、化学反応、温度変化、圧力変化、及び光学的エネルギーの照射のうち少なくとも1つにより膨張させることを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記導電性チューブ(24)の形成が、
導電細条(38)を走行経路に沿って前進させるステップと、
前記導電細条(38)を、前記走行経路に沿って前進させる際に、長手方向の継ぎ目を有するチューブに折り曲げるステップと、
前記長手方向の継ぎ目を溶接するステップと、
を具えている、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記導電性チューブ(24)の形成がさらに、前記導電細条(38)を前記走行経路に沿って前進させながら、前記導電細条(38)に前記硬化可能材料(26)を分配することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記導電性チューブ(24)の形成がさらに、前記導電細条(38)を前記走行経路に沿って前進させる前に、前記導電細条(38)に前記硬化可能材料(26)を分配しておくことを具える、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記導電性チューブ(24)の形成が、前記硬化可能材料(26)を分配するために前記導電性チューブ(24)内で固定された少なくとも1つの細長牽引部材(29”)を使用することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの細長牽引部材(29”)が、前記硬化可能材料(26)の少なくとも部分を保持する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記導電性チューブ(24)の形成がさらに、溶接後に前記内部導体の直径を縮小することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記導電性チューブ(24)の形成がさらに、前記導電性チューブ(24)内に接着剤層(48)を被着することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記硬化可能材料(26)が、ポリウレタン、ポリスチレン、及びポリオレフィンの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記内部導体、前記誘電体層(32)、及び前記外部導体(34)の形成に引き続き、さらに前記外部導体(34)を包囲するジャケット(74)を形成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記導電性チューブ(24)が銅を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
内部導体を規定するために、導電細条(38)を、硬化可能材料(26)を包囲する導電性チューブ(24)に形成する導電性チューブ形成機(58)と、
前記チューブ形成機の下流にて、前記内部導体を包囲する誘電体層(32)を形成する誘電体形成機(68)と、
前記誘電体形成機(68)の下流にて、前記誘電体層(32)を包囲する外部導体(34)を形成する外部導体形成機(72)と、
を具える、複合内部芯を有する同軸ケーブル(12)を製造するための装置(20)。
【請求項19】
前記誘電体形成機(68)は、前記導電性チューブ(24)の形成に引き続き前記誘電体層(32)を形成し、かつ前記外部導体形成機(72)は、前記導電性チューブ(24)の形成に引き続き前記外部導体(34)を形成する、請求項18に記載の装置(20)。
【請求項20】
前記導電性チューブ(24)を完全に充填するために、前記導電細条(38)に前記硬化可能材料(26)を分配するディスペンサ(46)をさらに具える、請求項18に記載の装置(20)。
【請求項21】
前記導電性チューブ(24)の長手方向に離間した部位を半径方向に充填する硬化可能材料(26)を分配するディスペンサ(46)をさらに具える、請求項18に記載の装置(20)。
【請求項22】
前記外部導体形成機(72)の下流にて、巻取りリール(82)をさらに具え、かつ前記硬化可能材料(26)は、前記巻取りリール(82)に巻回する前に、安定した内部導体を形成する、請求項18に記載の装置(20)。
【請求項23】
前記硬化可能材料(26)が膨張可能でもあり、さらに前記硬化可能かつ膨張可能な材料を膨張させる膨張機を具える、請求項18に記載の装置(20)。
【請求項24】
前記導電性チューブ形成機(58)は、前記導電細条(38)を走行経路に沿って前進させる際に、前記導電細条(38)を長手方向の継ぎ目を有する導電性チューブ(24)に形成し、かつ前記導電性チューブ形成機の下流にて、さらに継ぎ目溶接機を具える、請求項18に記載の装置(20)。
【請求項25】
前記導電細条(38)を前記走行経路に沿って前進させながら、前記導電細条(38)に硬化可能材料(26)を分配するディスペンサ(46)をさらに具える、請求項24に記載の装置(20)。
【請求項26】
前記硬化可能材料(26)が、前記導電細条(38)を前記走行経路に沿って前進させる前に、前記導電細条(38)上にあるようにした、請求項24に記載の装置(20)。
【請求項27】
前記硬化可能材料(26)を分配するために、前記導電性チューブ(24)内部に固定した少なくとも1つの細長牽引部材(29”)の供給源をさらに具える、請求項24に記載の装置(20)。
【請求項28】
前記外部導体形成機(72)の下流にて、前記外部導体(34)を包囲するジャケット(74)を形成するジャケット形成機(78)をさらに具える、請求項18に記載の装置(20)。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2006−511913(P2006−511913A)
【公表日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−563791(P2004−563791)
【出願日】平成15年12月19日(2003.12.19)
【国際出願番号】PCT/US2003/040497
【国際公開番号】WO2004/059667
【国際公開日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(503089548)コムスコープ インコーポレイテッド オブ ノース カロライナ (2)
【氏名又は名称原語表記】COMMSCOPE,INC.OF NORTH CAROLINA
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成15年12月19日(2003.12.19)
【国際出願番号】PCT/US2003/040497
【国際公開番号】WO2004/059667
【国際公開日】平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願人】(503089548)コムスコープ インコーポレイテッド オブ ノース カロライナ (2)
【氏名又は名称原語表記】COMMSCOPE,INC.OF NORTH CAROLINA
【Fターム(参考)】
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