複式メータユニット
【課題】エルボ継手やサドル分水栓によらずとも、単独で接続の向きを選択できる複式メータユニットを提供する。
【解決手段】メータボックス内に複数の水道用メータを並列に装着可能な複式メータユニットであって、前記メータボックスの上流側の前壁と平行する直管部を有し、該直管部から下流に向かって垂直に複数の分岐口部を設けた分岐配管と、前記分岐口部に接続され、前記メータボックスの下流側の後壁に宅内引き込み管の二次側接続口を設けた水道用メータの脱着ユニットを複数並列に備え、前記分岐配管は、前記直管部の両端2カ所と上流側周面1カ所の合計3カ所、または前記両端2カ所のみに、給水管と選択的に接続可能で、かつ、未接続口はプラグで閉塞可能な一次側接続口を設けてなる。
【解決手段】メータボックス内に複数の水道用メータを並列に装着可能な複式メータユニットであって、前記メータボックスの上流側の前壁と平行する直管部を有し、該直管部から下流に向かって垂直に複数の分岐口部を設けた分岐配管と、前記分岐口部に接続され、前記メータボックスの下流側の後壁に宅内引き込み管の二次側接続口を設けた水道用メータの脱着ユニットを複数並列に備え、前記分岐配管は、前記直管部の両端2カ所と上流側周面1カ所の合計3カ所、または前記両端2カ所のみに、給水管と選択的に接続可能で、かつ、未接続口はプラグで閉塞可能な一次側接続口を設けてなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、一のメータボックスに複数の水道用メータを並列に装着可能な複式メータユニットの改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
水道用メータは1世帯に1つ設置するが、本出願人は、主に、アパート等の低層集合住宅向けとして、図11に示すような、例えば4世帯分(4つ)の水道用メータMを1つのメータボックス本体10に集約できる複式メータユニットを既に開示している(特許文献1)。なお、同図では4連式のものを例示したが、このほか2連式や3連式等の複式メータユニットも存在する。
【0003】
上記複式メータユニットは、工場出荷時に予めメータボックス本体10の一次側と二次側に止水栓11や逆止弁12を含む必要な配管13・14が組み付けられているため、現場では通水試験後、一次側配管13と二次側配管14間に水道用メータMを取り付けるだけで配管作業が完了する。また、数個の水道用メータMを1つのメータボックス本体10に集約したことにより、世帯ごとに水道用メータMを1つずつ設置するよりも、省スペース化が図られ、さらに、数世帯分をまとめて同時検針することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−293282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された複式メータユニットは、メータボックス本体10に予め一次側配管13および二次側配管14が組み付けられており、このうち一次側配管13は、図11に示すように、一次側接続口15aに対して互いに管軸が平行する2〜4口の分岐口部15bを直管部15cを介して一体に設けた分岐配管15を有し、前記分岐口部15bそれぞれに止水栓11および伸縮ユニオン16を接続した構造となっている。
【0006】
このように、一のメータボックスに複数の水道用メータを装着するという発想はそれまでなく、本出願人によって初めて開示されたものであるが、なお改良の余地があったものである。即ち、先に開示した特許文献1の複式メータユニットは、一次側接続口15aが直管部15cの中央に1つしかないため、接続の向きが固定的であった。これに対して、実際の施工現場において、水道本管側の給水管と住宅側の宅内引き込み管は必ずしも同軸に位置せず、例えば、給水管と宅内引き込み管が直角に配管されるような場合は、エルボ継手やサドル分水栓等によって配管の向きを合わせたうえで複式メータユニットを設置する必要があった。したがって、従来の複式メータユニットの場合、多様な現場配管に対応するために、継手数や分岐数が増し、配管作業が繁雑であるとともに、向き合わせによって配管に余計な応力がかかりやすいといった問題があった。
【0007】
また、複式メータユニットを何組か併用して、より多数の水道用メータを設置する場合、従来の技術であると、単式のメータユニットと同様、ユニットごとに給水管を分岐継手等で分岐する必要があった。
【0008】
本発明は上述した課題に鑑みなされたもので、その目的とするところは、エルボ継手やサドル分水栓によらずとも、単独で接続の向きを選択できる複式メータユニットを提供することである。また、複数組のユニットを同時施工する場合でも、ユニット同士を直結することで、継手、接続数、分岐数の増加を抑えることができる複式メータユニットを提供することも目的の一つである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目的を達成するために本発明では、メータボックス内に複数の水道用メータを並列に装着可能な複式メータユニットであって、前記メータボックスの上流側の前壁と平行する直管部を有し、該直管部から下流に向かって垂直に複数の分岐口部を設けた分岐配管と、前記分岐口部に接続され、前記メータボックスの下流側の後壁に宅内引き込み管の二次側接続口を設けた水道用メータの脱着ユニットを複数並列に備え、前記分岐配管は、前記直管部の両端2カ所と上流側周面1カ所の合計3カ所、または前記両端2カ所のみに、給水管と選択的に接続可能で、かつ、未接続口はプラグで閉塞可能な一次側接続口を設けるという手段を用いた。
【0010】
分岐配管は給水系統を水道用メータの設置数だけ分岐するもので、3カ所または2カ所に設けた一次側接続口から一を選んで給水管に接続することにより、二次側接続口の向きを現場の配管状況に応じて変えることができる。本発明では、少なくとも分岐配管の直管部の両端2カ所に一次側接続口を設け、これに上流側周面1カ所の前方口を加えた三方口とすることで、二次側接続口の向きを90度ごとに3パターンに変えることができる。また、直管部の両端2カ所のみに一次側接続口を設けた二方口にあっては、常に、二次側接続口の向きが給水管に対して90度となり、他方に付け替えることで二次側接続口の向きを反転させることができる。なお、三方口と二方口の何れにおいても、給水管等を接続しない空きの一次側接続口はプラグによって閉塞する。このとき、三方口の複式メータユニットについては、二方口の構成を全て備えるから、二方口の適用範囲を全てカバーでき、前方口を閉塞すれば、実質的に二方口の複式メータユニットと同じ用途に使用することができることはもちろんである。
【0011】
一次側接続口には給水管を接続するほか、一次側接続口のうち一同士をニップル等の継手を介して接続することにより、2以上のメータボックスが連結可能である。例えば、給水管との接続には三方口の前方口を用い、その両端口の一方に二方口の一方をニップルで接続することにより、給水管を分岐せずとも、2組の複式メータユニットを直結することができる。このほか、三方口同士、二方口同士、さらに、給水管側から二方口、三方口の順に、複数のメータボックスを連結する態様も本発明に含まれ、そのとき任意の一の一次側接続口同士を接続することができる。特に、両端口同士を接続してメータボックスを複数連結する態様では、直管部が直列に配されるから、水圧の損失が小さい状態で複数のメータボックスを連結することができる。
【0012】
なお、三方口における前方口は、直管部の前壁側(上流側)の周面の任意箇所に設けることができるが、両端口から均等距離に位置する該直管部の中央に設けることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の複式メータユニットによれば、一次側接続口が90度ごとに3つある三方口、または180度の関係で2つある二方口としたので、その中の一の一次側接続口を選んで給水管に接続することで、二次側接続口の向きを90度ごとに3パターン、または180度反転する2パターンで選択することができる。給水管と宅内引き込み管の管軸が直交する場合でも、エルボ継手を使うことなく、両管の間に接続することができ、配管に余計な応力がかからない。また、一次側接続口同士はニップルで連結可能であるため、給水管を分岐することなく、数組の複式メータユニットを直結して配管することができる。この場合、設置面積、掘削量とも単式ユニットと比べて大幅に削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第一実施形態に係る複式メータユニットの平面図
【図2】同、正面視断面図
【図3】同、左側面図
【図4】同、右側面視断面図
【図5】同、底面視断面図
【図6】同、ユニットの設置態様を示した説明図
【図7】本発明の第二実施形態に係る複式メータユニットの平面図
【図8】同、ユニットの設置態様を示した説明図
【図9】同ユニットと従来技術の設置態様を比較した説明図
【図10】本発明の複式メータユニットの他の組合せ等を示した説明図
【図11】従来の複式メータユニット(4連式)を示した平面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好ましい実施の形態を添付した図面に従って説明する。図1〜5は、本発明の第一実施形態に係る複式メータユニットの6面をほぼ完全に示したものであり、これらの図において、1はメータボックスの下枡、2は下枡1に装着可能なメータボックスの上枡、3は下枡1内の上流寄りに固定した分岐配管、4は分岐配管3の下流側に設けた水道用メータMの着脱ユニットである。着脱ユニット4は、止水栓4aと逆止弁4bの間に水道用メータMが着脱可能な継手4c・4dを構築したもので、分岐配管3の分岐数と同数備えることで、メータボックス内に複数の水道用メータMを並列に装着できるようにしたものである。なお、この実施形態では、同時に最大4個の水道用メータMを装着可能な4連式の複式メータユニットを例示している。
【0016】
分岐配管3は、下枡1に上流側前壁1aと平行して固定され、両端が下枡1の左右側壁1b・1cから突出する長尺な直管部3aを主管として、その二次側周面に4つの分岐口部3bを下流側に向かって垂直に突設している。これら分岐口部3bそれぞれには、止水栓4a側からメータ脱着ユニット4・・・4が接続され、その逆止弁4b側の端部には下枡1の下流側後壁1dから外部に突出して二次側接続口5・・・5が設けられ、これら二次側接続口5それぞれに4戸分の宅内引き込み管それぞれを接続可能としたものである。
【0017】
一方、水道本管側の給水管と接続する一次側接続口6〜8は、分岐配管3における直管部3aの両端3c・3dの2カ所と、直管部3aの上流側周面1カ所の合計3カ所に設けている。これによって、当該実施形態の分岐配管3は、直管部3aの上流側周面の中央から下枡1の前壁1aに突出する前方口6と、直管部3aの両端3c・3dから下枡1の左右側壁1b・1cに突出する2つの両端口7・8とが90度の関係を有する三方口を構成している。言い換えると、前方口6の口軸は二次側接続口5と平行する一方、これらに対して両端口7・8は90度の向きに指向する。
【0018】
よって、上記構成の複式メータユニットによれば、図6に示すように、給水管FPと宅内引き込み管PPの配管向きが一致する場合は、前方口6に給水管FPを接続することで対処できることはもちろんのこと(同図(a)参照)、給水管FPと宅内引き込み管PPの配管向きが90度の関係にある場合でも、両端口7・8の一方に給水管FPを接続することで(同図(b)及び(c)参照)、エルボ継手を使用することなく、両管FP・FFを接続することができる。なお、図6中の9は、給水管が接続されない空きの一次側接続口を閉塞するプラグである。
【0019】
上述のように、一次側接続口を三方口とすることで、二次側接続口5の向きを90度ごと3パターンに変えられるのであるが、第二実施形態を示した図7のように、前方口を省略し、両端口7・8のみの二方口とした複式メータユニットとすることも可能である。なお、一次側接続口を二方口とした以外、その他の構成は上記第一実施形態と同じである。
【0020】
この第二実施形態の二方口の複式メータユニットによれば、その両端口7・8の一方に給水管FPを接続すると、図8に示すように、当該一次側接続口7に対して二次側接続口5が常に90度回転した向きになり、やはりエルボ継手を使用することなく、90度の関係にある給水管FPと宅内引き込み管PPを接続することができる。
【0021】
特に、この二方口と上記三方口の複式メータユニットを併用することで、図9に示すように、単式のメータユニットや従来の複式メータユニットに比べて、分岐継手(チーズ継手)やエルボ継手の数を大幅に減らした配管が可能となる。即ち、6戸分の水道用メータを給水管FPに対して直角に配置しようとする場合、本発明であれば、両端口7・8同士をニップルNで連結することで2組の複式メータユニットを直結できるため、分岐継手やエルボ管が一切不要であるのに対して、単式のメータユニットであると、6組のメータユニットに対応して5つの分水栓DCと2つのエルボ継手EJが必要となり、従来の複式メータユニットであっても分水栓DCが1つとエルボ継手EJが2つ必要となる。
【0022】
なお、本発明においては、一次側接続口が90度ごとの三方口または180度関係の二方口であればよく、どれを給水管に接続し、どれをプラグによって閉塞するかは現場の配管状況に応じて選択すればよく、図10の(a)〜(f)に示すように、三方口同士、三方口と二方口を適宜組み合わせて使用することも可能である。このとき連結数は2〜3で十分であるが、4以上のユニットを連結することを排除するものではない。また、上記実施形態では4連式と3連式のメータユニットを例示したが、本発明において1ユニットのメータ数は図示した4つや3つに限らず、2つ(2連式)若しくは5つ(5連式)以上のものも本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0023】
1 メータボックスの下枡
2 上枡
3 分岐配管
4 着脱ユニット
5 二次側接続口
6〜8 一次側接続口
【技術分野】
【0001】
この発明は、一のメータボックスに複数の水道用メータを並列に装着可能な複式メータユニットの改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
水道用メータは1世帯に1つ設置するが、本出願人は、主に、アパート等の低層集合住宅向けとして、図11に示すような、例えば4世帯分(4つ)の水道用メータMを1つのメータボックス本体10に集約できる複式メータユニットを既に開示している(特許文献1)。なお、同図では4連式のものを例示したが、このほか2連式や3連式等の複式メータユニットも存在する。
【0003】
上記複式メータユニットは、工場出荷時に予めメータボックス本体10の一次側と二次側に止水栓11や逆止弁12を含む必要な配管13・14が組み付けられているため、現場では通水試験後、一次側配管13と二次側配管14間に水道用メータMを取り付けるだけで配管作業が完了する。また、数個の水道用メータMを1つのメータボックス本体10に集約したことにより、世帯ごとに水道用メータMを1つずつ設置するよりも、省スペース化が図られ、さらに、数世帯分をまとめて同時検針することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−293282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された複式メータユニットは、メータボックス本体10に予め一次側配管13および二次側配管14が組み付けられており、このうち一次側配管13は、図11に示すように、一次側接続口15aに対して互いに管軸が平行する2〜4口の分岐口部15bを直管部15cを介して一体に設けた分岐配管15を有し、前記分岐口部15bそれぞれに止水栓11および伸縮ユニオン16を接続した構造となっている。
【0006】
このように、一のメータボックスに複数の水道用メータを装着するという発想はそれまでなく、本出願人によって初めて開示されたものであるが、なお改良の余地があったものである。即ち、先に開示した特許文献1の複式メータユニットは、一次側接続口15aが直管部15cの中央に1つしかないため、接続の向きが固定的であった。これに対して、実際の施工現場において、水道本管側の給水管と住宅側の宅内引き込み管は必ずしも同軸に位置せず、例えば、給水管と宅内引き込み管が直角に配管されるような場合は、エルボ継手やサドル分水栓等によって配管の向きを合わせたうえで複式メータユニットを設置する必要があった。したがって、従来の複式メータユニットの場合、多様な現場配管に対応するために、継手数や分岐数が増し、配管作業が繁雑であるとともに、向き合わせによって配管に余計な応力がかかりやすいといった問題があった。
【0007】
また、複式メータユニットを何組か併用して、より多数の水道用メータを設置する場合、従来の技術であると、単式のメータユニットと同様、ユニットごとに給水管を分岐継手等で分岐する必要があった。
【0008】
本発明は上述した課題に鑑みなされたもので、その目的とするところは、エルボ継手やサドル分水栓によらずとも、単独で接続の向きを選択できる複式メータユニットを提供することである。また、複数組のユニットを同時施工する場合でも、ユニット同士を直結することで、継手、接続数、分岐数の増加を抑えることができる複式メータユニットを提供することも目的の一つである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目的を達成するために本発明では、メータボックス内に複数の水道用メータを並列に装着可能な複式メータユニットであって、前記メータボックスの上流側の前壁と平行する直管部を有し、該直管部から下流に向かって垂直に複数の分岐口部を設けた分岐配管と、前記分岐口部に接続され、前記メータボックスの下流側の後壁に宅内引き込み管の二次側接続口を設けた水道用メータの脱着ユニットを複数並列に備え、前記分岐配管は、前記直管部の両端2カ所と上流側周面1カ所の合計3カ所、または前記両端2カ所のみに、給水管と選択的に接続可能で、かつ、未接続口はプラグで閉塞可能な一次側接続口を設けるという手段を用いた。
【0010】
分岐配管は給水系統を水道用メータの設置数だけ分岐するもので、3カ所または2カ所に設けた一次側接続口から一を選んで給水管に接続することにより、二次側接続口の向きを現場の配管状況に応じて変えることができる。本発明では、少なくとも分岐配管の直管部の両端2カ所に一次側接続口を設け、これに上流側周面1カ所の前方口を加えた三方口とすることで、二次側接続口の向きを90度ごとに3パターンに変えることができる。また、直管部の両端2カ所のみに一次側接続口を設けた二方口にあっては、常に、二次側接続口の向きが給水管に対して90度となり、他方に付け替えることで二次側接続口の向きを反転させることができる。なお、三方口と二方口の何れにおいても、給水管等を接続しない空きの一次側接続口はプラグによって閉塞する。このとき、三方口の複式メータユニットについては、二方口の構成を全て備えるから、二方口の適用範囲を全てカバーでき、前方口を閉塞すれば、実質的に二方口の複式メータユニットと同じ用途に使用することができることはもちろんである。
【0011】
一次側接続口には給水管を接続するほか、一次側接続口のうち一同士をニップル等の継手を介して接続することにより、2以上のメータボックスが連結可能である。例えば、給水管との接続には三方口の前方口を用い、その両端口の一方に二方口の一方をニップルで接続することにより、給水管を分岐せずとも、2組の複式メータユニットを直結することができる。このほか、三方口同士、二方口同士、さらに、給水管側から二方口、三方口の順に、複数のメータボックスを連結する態様も本発明に含まれ、そのとき任意の一の一次側接続口同士を接続することができる。特に、両端口同士を接続してメータボックスを複数連結する態様では、直管部が直列に配されるから、水圧の損失が小さい状態で複数のメータボックスを連結することができる。
【0012】
なお、三方口における前方口は、直管部の前壁側(上流側)の周面の任意箇所に設けることができるが、両端口から均等距離に位置する該直管部の中央に設けることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の複式メータユニットによれば、一次側接続口が90度ごとに3つある三方口、または180度の関係で2つある二方口としたので、その中の一の一次側接続口を選んで給水管に接続することで、二次側接続口の向きを90度ごとに3パターン、または180度反転する2パターンで選択することができる。給水管と宅内引き込み管の管軸が直交する場合でも、エルボ継手を使うことなく、両管の間に接続することができ、配管に余計な応力がかからない。また、一次側接続口同士はニップルで連結可能であるため、給水管を分岐することなく、数組の複式メータユニットを直結して配管することができる。この場合、設置面積、掘削量とも単式ユニットと比べて大幅に削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第一実施形態に係る複式メータユニットの平面図
【図2】同、正面視断面図
【図3】同、左側面図
【図4】同、右側面視断面図
【図5】同、底面視断面図
【図6】同、ユニットの設置態様を示した説明図
【図7】本発明の第二実施形態に係る複式メータユニットの平面図
【図8】同、ユニットの設置態様を示した説明図
【図9】同ユニットと従来技術の設置態様を比較した説明図
【図10】本発明の複式メータユニットの他の組合せ等を示した説明図
【図11】従来の複式メータユニット(4連式)を示した平面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好ましい実施の形態を添付した図面に従って説明する。図1〜5は、本発明の第一実施形態に係る複式メータユニットの6面をほぼ完全に示したものであり、これらの図において、1はメータボックスの下枡、2は下枡1に装着可能なメータボックスの上枡、3は下枡1内の上流寄りに固定した分岐配管、4は分岐配管3の下流側に設けた水道用メータMの着脱ユニットである。着脱ユニット4は、止水栓4aと逆止弁4bの間に水道用メータMが着脱可能な継手4c・4dを構築したもので、分岐配管3の分岐数と同数備えることで、メータボックス内に複数の水道用メータMを並列に装着できるようにしたものである。なお、この実施形態では、同時に最大4個の水道用メータMを装着可能な4連式の複式メータユニットを例示している。
【0016】
分岐配管3は、下枡1に上流側前壁1aと平行して固定され、両端が下枡1の左右側壁1b・1cから突出する長尺な直管部3aを主管として、その二次側周面に4つの分岐口部3bを下流側に向かって垂直に突設している。これら分岐口部3bそれぞれには、止水栓4a側からメータ脱着ユニット4・・・4が接続され、その逆止弁4b側の端部には下枡1の下流側後壁1dから外部に突出して二次側接続口5・・・5が設けられ、これら二次側接続口5それぞれに4戸分の宅内引き込み管それぞれを接続可能としたものである。
【0017】
一方、水道本管側の給水管と接続する一次側接続口6〜8は、分岐配管3における直管部3aの両端3c・3dの2カ所と、直管部3aの上流側周面1カ所の合計3カ所に設けている。これによって、当該実施形態の分岐配管3は、直管部3aの上流側周面の中央から下枡1の前壁1aに突出する前方口6と、直管部3aの両端3c・3dから下枡1の左右側壁1b・1cに突出する2つの両端口7・8とが90度の関係を有する三方口を構成している。言い換えると、前方口6の口軸は二次側接続口5と平行する一方、これらに対して両端口7・8は90度の向きに指向する。
【0018】
よって、上記構成の複式メータユニットによれば、図6に示すように、給水管FPと宅内引き込み管PPの配管向きが一致する場合は、前方口6に給水管FPを接続することで対処できることはもちろんのこと(同図(a)参照)、給水管FPと宅内引き込み管PPの配管向きが90度の関係にある場合でも、両端口7・8の一方に給水管FPを接続することで(同図(b)及び(c)参照)、エルボ継手を使用することなく、両管FP・FFを接続することができる。なお、図6中の9は、給水管が接続されない空きの一次側接続口を閉塞するプラグである。
【0019】
上述のように、一次側接続口を三方口とすることで、二次側接続口5の向きを90度ごと3パターンに変えられるのであるが、第二実施形態を示した図7のように、前方口を省略し、両端口7・8のみの二方口とした複式メータユニットとすることも可能である。なお、一次側接続口を二方口とした以外、その他の構成は上記第一実施形態と同じである。
【0020】
この第二実施形態の二方口の複式メータユニットによれば、その両端口7・8の一方に給水管FPを接続すると、図8に示すように、当該一次側接続口7に対して二次側接続口5が常に90度回転した向きになり、やはりエルボ継手を使用することなく、90度の関係にある給水管FPと宅内引き込み管PPを接続することができる。
【0021】
特に、この二方口と上記三方口の複式メータユニットを併用することで、図9に示すように、単式のメータユニットや従来の複式メータユニットに比べて、分岐継手(チーズ継手)やエルボ継手の数を大幅に減らした配管が可能となる。即ち、6戸分の水道用メータを給水管FPに対して直角に配置しようとする場合、本発明であれば、両端口7・8同士をニップルNで連結することで2組の複式メータユニットを直結できるため、分岐継手やエルボ管が一切不要であるのに対して、単式のメータユニットであると、6組のメータユニットに対応して5つの分水栓DCと2つのエルボ継手EJが必要となり、従来の複式メータユニットであっても分水栓DCが1つとエルボ継手EJが2つ必要となる。
【0022】
なお、本発明においては、一次側接続口が90度ごとの三方口または180度関係の二方口であればよく、どれを給水管に接続し、どれをプラグによって閉塞するかは現場の配管状況に応じて選択すればよく、図10の(a)〜(f)に示すように、三方口同士、三方口と二方口を適宜組み合わせて使用することも可能である。このとき連結数は2〜3で十分であるが、4以上のユニットを連結することを排除するものではない。また、上記実施形態では4連式と3連式のメータユニットを例示したが、本発明において1ユニットのメータ数は図示した4つや3つに限らず、2つ(2連式)若しくは5つ(5連式)以上のものも本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0023】
1 メータボックスの下枡
2 上枡
3 分岐配管
4 着脱ユニット
5 二次側接続口
6〜8 一次側接続口
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メータボックス内に複数の水道用メータを並列に装着可能な複式メータユニットであって、前記メータボックスの上流側の前壁と平行する直管部を有し、該直管部から下流に向かって垂直に複数の分岐口部を設けた分岐配管と、前記分岐口部に接続され、前記メータボックスの下流側の後壁に宅内引き込み管の二次側接続口を設けた水道用メータの脱着ユニットを複数並列に備え、前記分岐配管は、前記直管部の両端2カ所と上流側周面1カ所の合計3カ所、または前記両端2カ所のみに、給水管と選択的に接続可能で、かつ、未接続口はプラグで閉塞可能な一次側接続口を設けてなることを特徴とする複式メータユニット。
【請求項2】
一次側接続口のうち一同士を継手で接続して、2以上のメータボックスが連結可能である請求項1記載の複式メータユニット。
【請求項3】
接続する一次側接続口は直管部の両端2カ所に設けた一方の一次側接続口である請求項2記載の複式メータユニット。
【請求項4】
直管部の前壁側の周面1カ所は、該直管部の中央である請求項1、2または3記載の複式メータユニット。
【請求項1】
メータボックス内に複数の水道用メータを並列に装着可能な複式メータユニットであって、前記メータボックスの上流側の前壁と平行する直管部を有し、該直管部から下流に向かって垂直に複数の分岐口部を設けた分岐配管と、前記分岐口部に接続され、前記メータボックスの下流側の後壁に宅内引き込み管の二次側接続口を設けた水道用メータの脱着ユニットを複数並列に備え、前記分岐配管は、前記直管部の両端2カ所と上流側周面1カ所の合計3カ所、または前記両端2カ所のみに、給水管と選択的に接続可能で、かつ、未接続口はプラグで閉塞可能な一次側接続口を設けてなることを特徴とする複式メータユニット。
【請求項2】
一次側接続口のうち一同士を継手で接続して、2以上のメータボックスが連結可能である請求項1記載の複式メータユニット。
【請求項3】
接続する一次側接続口は直管部の両端2カ所に設けた一方の一次側接続口である請求項2記載の複式メータユニット。
【請求項4】
直管部の前壁側の周面1カ所は、該直管部の中央である請求項1、2または3記載の複式メータユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−76292(P2013−76292A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−217478(P2011−217478)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000151025)株式会社タブチ (86)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000151025)株式会社タブチ (86)
【Fターム(参考)】
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