複数のイメージセンサーを有するスキャナーのイメージ生成方法及びイメージ生成システム
【課題】本発明は、複数のイメージセンサーを有するスキャナーのイメージ生成方法及びイメージ生成システムを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の複数のイメージセンサーを有するスキャナーのイメージ生成方法は、複数のイメージセンサーを有するスキャナーのガラスプレートに参考図案を形成するステップと、各々のイメージセンサーがガラスプレートを介して原稿の一部をスキャンして生成したサブイメージを獲得し、前記サブイメージは、前記ガラスプレートの上の一部分の参考図案のイメージを含むステップと、各々のサブイメージが含む一部分の参考図案のイメージを基準位置として、全てのサブイメージを畳み合わせて、原稿の完全なイメージを復元するステップと、を備える。本発明は、複数のイメージセンサーを有するスキャナーのイメージ生成システムも提供する。
【解決手段】本発明の複数のイメージセンサーを有するスキャナーのイメージ生成方法は、複数のイメージセンサーを有するスキャナーのガラスプレートに参考図案を形成するステップと、各々のイメージセンサーがガラスプレートを介して原稿の一部をスキャンして生成したサブイメージを獲得し、前記サブイメージは、前記ガラスプレートの上の一部分の参考図案のイメージを含むステップと、各々のサブイメージが含む一部分の参考図案のイメージを基準位置として、全てのサブイメージを畳み合わせて、原稿の完全なイメージを復元するステップと、を備える。本発明は、複数のイメージセンサーを有するスキャナーのイメージ生成システムも提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、複数のイメージセンサーを有するスキャナーのイメージ生成方法及びイメージ生成システムに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
イメージスキャナーは画像や文書などの原稿をデジタル静止画像情報化するための機器である。高画素イメージスキャナーにおいて、高規格の感光光学モジュール及び高速イメージ処理チップは、コストを高くし、且つイメージスキャナーに対する薄型化要求に加えて、単一の高画素感光光学モジュールは、視角が小さい、光程が長い、球面収差が大きいなどの欠点が存在するので、高画素イメージスキャナーの設計難度を増加する。このような背景から複数のイメージセンサーを有するスキャナーが開発された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
しかし、複数のイメージセンサーを有するスキャナーにおいて、各々のイメージセンサーが原稿の一部をスキャンして生成したサブイメージをどのように原稿全体の完全なイメージに復元するかは、重要な課題になる。
【０００４】
本発明の目的は、前記課題を解決することであり、複数のイメージセンサーを有するスキャナーのイメージ生成方法及びイメージ生成システムを提供し、各々のイメージセンサーが原稿の一部をスキャンして生成したサブイメージを原稿全体の完全なイメージに復元することができる。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
本発明に係る複数のイメージセンサーを有するスキャナーのイメージ生成方法は、複数のイメージセンサーを有するスキャナーのガラスプレートに参考図案を形成するステップと、各々のイメージセンサーがガラスプレートを介して原稿の一部をスキャンして生成したサブイメージを獲得し、前記サブイメージは、前記ガラスプレートの上の一部分の参考図案のイメージを含むステップと、各々のサブイメージが含む一部分の参考図案のイメージを基準位置として、全てのサブイメージを畳み合わせて、原稿の完全なイメージを復元するステップと、を備える。
【０００６】
本発明に係る参考図案が形成されたガラスプレート及び複数のイメージセンサーを有するスキャナーのイメージ生成システムは、各々のイメージセンサーがガラスプレートを介して原稿の一部をスキャンして生成したサブイメージを獲得するために用いられるサブイメージ獲得モジュールと、各々のサブイメージが含む参考図案のイメージを基準位置として、全てのサブイメージを畳み合わせて原稿の完全なイメージに復元するために用いられるサブイメージ畳み合わせモジュールと、を備える。
【発明の効果】
【０００７】
本発明の複数のイメージセンサーを有するスキャナーのイメージ生成方法及びイメージ生成システムにおいて、スキャナーのガラスプレートに参考図案を形成することにより、各々のイメージセンサーが前記ガラスプレートを介して原稿の一部をスキャンして生成したサブイメージは、前記ガラスプレートの上の一部分の参考図案のイメージを含み、各々のサブイメージが含む一部分の参考図案のイメージを基準位置として、全てのサブイメージを畳み合わせて、原稿の完全なイメージを復元して、複数のイメージセンサーを有するスキャナーにおけるサブイメージの位置合わせ及び畳み合わせ問題を解決した。
【図面の簡単な説明】
【０００８】
【図１】本発明の実施形態に係る複数のイメージセンサーを有するスキャナーの構造を示す図である。
【図２】本発明の実施形態に係る複数のイメージセンサーを有するスキャナーのイメージ生成方法のフローチャートである。
【図３】本発明の実施形態に係る複数のイメージセンサーを有するスキャナーのガラスプレートを３×３の９つのエリアに分割することを示す図である。
【図４】本発明の実施形態に係る複数のイメージセンサーを有するスキャナーの隣接する２つのイメージセンサーからの光線がガラスプレートに入射する場合に屈折することを示す概略図である。
【図５】本発明の実施形態に係る複数のイメージセンサーを有するスキャナーの隣接する２つのイメージセンサーが別々に原稿の一部をスキャンして生成した２つのサブイメージを示す図である。
【図６】図５に示す２つのサブイメージを畳み合わせる過程を示す図である。
【図７】本発明の実施形態に係る複数のイメージセンサーを有するスキャナーのイメージ生成システムの機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【０００９】
図１を参照すると、本発明の実施形態に係る複数のイメージセンサーを有するスキャナーは、ガラスプレート１０及び前記ガラスプレート１０の下方に位置する複数のイメージセンサー２０を備える。前記ガラスプレート１０は、スキャンしようとする原稿を載置するために用いられる。複数の前記イメージセンサー２０は、２次元マトリックスを構成し、個々に前記原稿の一部をスキャンしてサブイメージを生成する。イメージ処理ユニットは、各々の前記イメージセンサー２０によって生成したサブイメージを原稿全体の完全なイメージに復元する。
【００１０】
図２を参照すると、本発明の実施形態に係る複数のイメージセンサーを有するスキャナーのイメージ生成方法は、以下のステップを備える。
【００１１】
ステップＳ２０２：複数のイメージセンサーを有するスキャナーのガラスプレートに参考図案を形成する。
【００１２】
図３に示すように、複数の前記イメージセンサー２０が構成する２次元マトリックスに基づいて、前記ガラスプレート１０に補助線を引いて、前記ガラスプレート１０を複数のエリアに分割し、各々の前記イメージセンサー２０を前記ガラスプレート１０の１つのエリアに対応させる。本実施形態において、前記補助線は点線である。図３を参照すると、３×３のマトリックスを構成する複数のイメージセンサー２０を有するスキャナーにおいて、前記ガラスプレート１０は３×３の９つのエリアに分割されて、各々の前記イメージセンサー２０はそれぞれ前記ガラスプレート１０の１つのエリアに対応される。前記ガラスプレート１０に引いた補助線は、所定の幅を有するので、前記ガラスプレート１０に載置した原稿を遮る。図４を参照すると、隣接する２つのイメージセンサー１及び２からの光線は、同一の補助線の両側（Ｐ点及びＱ点）から前記ガラスプレート１０に入射する場合に屈折して、出射光はＲ点に集まる。前記ガラスプレート１０の厚さはｈであり、前記ガラスプレート１０が空気に対する屈折率はｎであり、光線の入射角はθiであり、光線の出射角はθｔであり、補助線の幅はｗであり、本実施形態において、θiは２つの隣接したイメージセンサーの発散角の１/２である。屈折の法則（ｎ＝ｓｉｎθi/ｓｉｎθｔ）及び三角関数の定義（ｗ＝２×ｈ×ｔａｎθｔ）によれば、ｗは以下のように方程式を使用して得られる。
【００１３】
【数１】
【００１４】
前記Ｒ点は、前記イメージセンサー１によって生成したサブイメージが含む補助線の内側であるとともに、前記イメージセンサー２によって生成したサブイメージが含む補助線の内側であるので、前記イメージセンサー１によって生成したサブイメージ及び前記イメージセンサー２によって生成したサブイメージを畳み合わせる場合、前記Ｒ点は正確に位置合わせるための基準位置とすることができる。
【００１５】
ステップＳ２０４：各々のイメージセンサーがガラスプレートを介して原稿の一部をスキャンして生成したサブイメージを獲得し、前記サブイメージは、前記ガラスプレートの上の一部分の参考図案のイメージを含む。
【００１６】
図５を参照すると、前記ガラスプレート１０が３×３の９つのエリアに分割される場合、エリアＡ（右上から左下への斜線部分）に対応するイメージセンサーが原稿の一部をスキャンして生成したサブイメージ５２は、前記原稿の前記エリアＡに対応するイメージを含むばかりでなく、前記ガラスプレート１０に引いた一部分の補助線のイメージも含み、エリアＢ（左上から右下への斜線部分）に対応するイメージセンサーが原稿の一部をスキャンして生成したサブイメージ５４は、前記原稿の前記エリアＢに対応するイメージを含むばかりでなく、前記ガラスプレート１０に引いた一部分の補助線のイメージも含む。前記サブイメージ５２及び前記サブイメージ５４が含む一部分の補助線のイメージは、前記サブイメージ５２及び前記サブイメージ５４を畳み合せる際の位置合わせ基準線とする。前記サブイメージ５２含む空白エリアは、前記原稿の前記エリアＡ以外のエリアに対応するイメージを代表する。前記サブイメージ５４含む空白エリアは、前記原稿の前記エリアＢ以外のエリアに対応するイメージを代表する。
【００１７】
ステップＳ２０６：各々のサブイメージが含む一部分の参考図案のイメージを基準位置として、全てのサブイメージを畳み合わせて、原稿の完全なイメージを復元する。本実施形態において、前記参考図案は補助線である。具体的に説明すると、先ず、各々のイメージセンサーによって生成したサブイメージの補助線のイメージを位置決め、次に、隣接する２つのイメージセンサーによって生成した２つのサブイメージが含む補助線のイメージに基づいて、２つの前記サブイメージを位置合わせてから畳み合わせ、次に、上記のステップを繰り返して、全てのイメージセンサーが生成したサブイメージを畳み合わせて、原稿の完全なイメージを形成する。前記補助線の幅ｗが前記数１を満足する実施形態において、隣接する２つのサブイメージが含む補助線の内辺縁のイメージを識別し且つ位置合わせ基準位置として、２つの前記サブイメージを位置合わせて畳み合わせる。
【００１８】
図６を参照すると、前記サブイメージ５２及び前記サブイメージ５４を畳み合わせる過程を示す。前記サブイメージ５２が含む縦向きの補助線のイメージと前記サブイメージ５４が含む左側の縦向きの補助線のイメージは同一の補助線のイメージであるので、前記サブイメージ５２が含む縦向きの補助線のイメージと前記サブイメージ５４が含む左側の縦向きの補助線のイメージを重ね合わせ、且つ前記サブイメージ５２が含む横向きの補助線のイメージと前記サブイメージ５４が含む横向きの補助線のイメージを同じ直線に位置させて、前記エリアＡ及び前記エリアＢをドッキングしてから、前記サブイメージ５２及び前記サブイメージ５４の空白エリアを削除して、前記サブイメージ５２及び前記サブイメージ５４を畳み合わせたイメージを獲得する。
【００１９】
図７は、本発明の実施形態に係る複数のイメージセンサーを有するスキャナーのイメージ生成システムの機能ブロック図である。前記複数のイメージセンサーを有するスキャナーのイメージ生成システムは、サブイメージ獲得モジュール７０２と、サブイメージ畳み合わせモジュール７０４と、を備える。
【００２０】
前記サブイメージ獲得モジュール７０２は、各々のイメージセンサーがガラスプレートを介して原稿の一部をスキャンして生成したサブイメージを獲得するために用いられる。前記サブイメージは、前記ガラスプレートの上の一部分の参考図案のイメージを含む。前記参考図案は、点線のような補助線であり、前記ガラスプレートを複数のエリアに分割する場合、各々のエリアは１つのイメージセンサーに対応する。前記補助線は幅を有し、前記補助線の幅ｗは以下のように方程式を使用して得られる。
【００２１】
【数２】
【００２２】
ｈは、前記ガラスプレートの厚さであり、ｎは、前記ガラスプレートが空気に対する屈折率であり、θiは、２つの隣接したイメージ・センサーの発散角の１/２である。
【００２３】
前記サブイメージ畳み合わせモジュール７０４は、各々のサブイメージが含む参考図案のイメージを基準位置として、全てのサブイメージを畳み合わせて原稿の完全なイメージに復元するために用いられる。
【００２４】
前記サブイメージ畳み合わせモジュール７０４は、各々のサブイメージが含む補助線の内辺縁のイメージを識別する基準識別サブモジュール７０４１と、各々のサブイメージが含む補助線の内辺縁のイメージを位置合わせ基準位置として、全てのサブイメージを位置合わせる位置合わせサブモジュール７０４２と、位置合わせた全てのサブイメージを原稿の完全なイメージに復元するイメージ復元サブモジュール７０４３と、を備える。
【００２５】
以上、本発明を実施例に基づいて具体的に説明したが、本発明は、上述の実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の変更が可能であることは勿論であって、本発明の技術的範囲は、以下の特許請求の範囲から決まる。
【符号の説明】
【００２６】
１０ ガラスプレート
２０ イメージセンサー
７０２ サブイメージ獲得モジュール
７０４ サブイメージ畳み合わせモジュール
７０４１ 基準識別サブモジュール
７０４２ 位置合わせサブモジュール
７０４３ イメージ復元サブモジュール
【技術分野】
【０００１】
本発明は、複数のイメージセンサーを有するスキャナーのイメージ生成方法及びイメージ生成システムに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
イメージスキャナーは画像や文書などの原稿をデジタル静止画像情報化するための機器である。高画素イメージスキャナーにおいて、高規格の感光光学モジュール及び高速イメージ処理チップは、コストを高くし、且つイメージスキャナーに対する薄型化要求に加えて、単一の高画素感光光学モジュールは、視角が小さい、光程が長い、球面収差が大きいなどの欠点が存在するので、高画素イメージスキャナーの設計難度を増加する。このような背景から複数のイメージセンサーを有するスキャナーが開発された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
しかし、複数のイメージセンサーを有するスキャナーにおいて、各々のイメージセンサーが原稿の一部をスキャンして生成したサブイメージをどのように原稿全体の完全なイメージに復元するかは、重要な課題になる。
【０００４】
本発明の目的は、前記課題を解決することであり、複数のイメージセンサーを有するスキャナーのイメージ生成方法及びイメージ生成システムを提供し、各々のイメージセンサーが原稿の一部をスキャンして生成したサブイメージを原稿全体の完全なイメージに復元することができる。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
本発明に係る複数のイメージセンサーを有するスキャナーのイメージ生成方法は、複数のイメージセンサーを有するスキャナーのガラスプレートに参考図案を形成するステップと、各々のイメージセンサーがガラスプレートを介して原稿の一部をスキャンして生成したサブイメージを獲得し、前記サブイメージは、前記ガラスプレートの上の一部分の参考図案のイメージを含むステップと、各々のサブイメージが含む一部分の参考図案のイメージを基準位置として、全てのサブイメージを畳み合わせて、原稿の完全なイメージを復元するステップと、を備える。
【０００６】
本発明に係る参考図案が形成されたガラスプレート及び複数のイメージセンサーを有するスキャナーのイメージ生成システムは、各々のイメージセンサーがガラスプレートを介して原稿の一部をスキャンして生成したサブイメージを獲得するために用いられるサブイメージ獲得モジュールと、各々のサブイメージが含む参考図案のイメージを基準位置として、全てのサブイメージを畳み合わせて原稿の完全なイメージに復元するために用いられるサブイメージ畳み合わせモジュールと、を備える。
【発明の効果】
【０００７】
本発明の複数のイメージセンサーを有するスキャナーのイメージ生成方法及びイメージ生成システムにおいて、スキャナーのガラスプレートに参考図案を形成することにより、各々のイメージセンサーが前記ガラスプレートを介して原稿の一部をスキャンして生成したサブイメージは、前記ガラスプレートの上の一部分の参考図案のイメージを含み、各々のサブイメージが含む一部分の参考図案のイメージを基準位置として、全てのサブイメージを畳み合わせて、原稿の完全なイメージを復元して、複数のイメージセンサーを有するスキャナーにおけるサブイメージの位置合わせ及び畳み合わせ問題を解決した。
【図面の簡単な説明】
【０００８】
【図１】本発明の実施形態に係る複数のイメージセンサーを有するスキャナーの構造を示す図である。
【図２】本発明の実施形態に係る複数のイメージセンサーを有するスキャナーのイメージ生成方法のフローチャートである。
【図３】本発明の実施形態に係る複数のイメージセンサーを有するスキャナーのガラスプレートを３×３の９つのエリアに分割することを示す図である。
【図４】本発明の実施形態に係る複数のイメージセンサーを有するスキャナーの隣接する２つのイメージセンサーからの光線がガラスプレートに入射する場合に屈折することを示す概略図である。
【図５】本発明の実施形態に係る複数のイメージセンサーを有するスキャナーの隣接する２つのイメージセンサーが別々に原稿の一部をスキャンして生成した２つのサブイメージを示す図である。
【図６】図５に示す２つのサブイメージを畳み合わせる過程を示す図である。
【図７】本発明の実施形態に係る複数のイメージセンサーを有するスキャナーのイメージ生成システムの機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【０００９】
図１を参照すると、本発明の実施形態に係る複数のイメージセンサーを有するスキャナーは、ガラスプレート１０及び前記ガラスプレート１０の下方に位置する複数のイメージセンサー２０を備える。前記ガラスプレート１０は、スキャンしようとする原稿を載置するために用いられる。複数の前記イメージセンサー２０は、２次元マトリックスを構成し、個々に前記原稿の一部をスキャンしてサブイメージを生成する。イメージ処理ユニットは、各々の前記イメージセンサー２０によって生成したサブイメージを原稿全体の完全なイメージに復元する。
【００１０】
図２を参照すると、本発明の実施形態に係る複数のイメージセンサーを有するスキャナーのイメージ生成方法は、以下のステップを備える。
【００１１】
ステップＳ２０２：複数のイメージセンサーを有するスキャナーのガラスプレートに参考図案を形成する。
【００１２】
図３に示すように、複数の前記イメージセンサー２０が構成する２次元マトリックスに基づいて、前記ガラスプレート１０に補助線を引いて、前記ガラスプレート１０を複数のエリアに分割し、各々の前記イメージセンサー２０を前記ガラスプレート１０の１つのエリアに対応させる。本実施形態において、前記補助線は点線である。図３を参照すると、３×３のマトリックスを構成する複数のイメージセンサー２０を有するスキャナーにおいて、前記ガラスプレート１０は３×３の９つのエリアに分割されて、各々の前記イメージセンサー２０はそれぞれ前記ガラスプレート１０の１つのエリアに対応される。前記ガラスプレート１０に引いた補助線は、所定の幅を有するので、前記ガラスプレート１０に載置した原稿を遮る。図４を参照すると、隣接する２つのイメージセンサー１及び２からの光線は、同一の補助線の両側（Ｐ点及びＱ点）から前記ガラスプレート１０に入射する場合に屈折して、出射光はＲ点に集まる。前記ガラスプレート１０の厚さはｈであり、前記ガラスプレート１０が空気に対する屈折率はｎであり、光線の入射角はθiであり、光線の出射角はθｔであり、補助線の幅はｗであり、本実施形態において、θiは２つの隣接したイメージセンサーの発散角の１/２である。屈折の法則（ｎ＝ｓｉｎθi/ｓｉｎθｔ）及び三角関数の定義（ｗ＝２×ｈ×ｔａｎθｔ）によれば、ｗは以下のように方程式を使用して得られる。
【００１３】
【数１】
【００１４】
前記Ｒ点は、前記イメージセンサー１によって生成したサブイメージが含む補助線の内側であるとともに、前記イメージセンサー２によって生成したサブイメージが含む補助線の内側であるので、前記イメージセンサー１によって生成したサブイメージ及び前記イメージセンサー２によって生成したサブイメージを畳み合わせる場合、前記Ｒ点は正確に位置合わせるための基準位置とすることができる。
【００１５】
ステップＳ２０４：各々のイメージセンサーがガラスプレートを介して原稿の一部をスキャンして生成したサブイメージを獲得し、前記サブイメージは、前記ガラスプレートの上の一部分の参考図案のイメージを含む。
【００１６】
図５を参照すると、前記ガラスプレート１０が３×３の９つのエリアに分割される場合、エリアＡ（右上から左下への斜線部分）に対応するイメージセンサーが原稿の一部をスキャンして生成したサブイメージ５２は、前記原稿の前記エリアＡに対応するイメージを含むばかりでなく、前記ガラスプレート１０に引いた一部分の補助線のイメージも含み、エリアＢ（左上から右下への斜線部分）に対応するイメージセンサーが原稿の一部をスキャンして生成したサブイメージ５４は、前記原稿の前記エリアＢに対応するイメージを含むばかりでなく、前記ガラスプレート１０に引いた一部分の補助線のイメージも含む。前記サブイメージ５２及び前記サブイメージ５４が含む一部分の補助線のイメージは、前記サブイメージ５２及び前記サブイメージ５４を畳み合せる際の位置合わせ基準線とする。前記サブイメージ５２含む空白エリアは、前記原稿の前記エリアＡ以外のエリアに対応するイメージを代表する。前記サブイメージ５４含む空白エリアは、前記原稿の前記エリアＢ以外のエリアに対応するイメージを代表する。
【００１７】
ステップＳ２０６：各々のサブイメージが含む一部分の参考図案のイメージを基準位置として、全てのサブイメージを畳み合わせて、原稿の完全なイメージを復元する。本実施形態において、前記参考図案は補助線である。具体的に説明すると、先ず、各々のイメージセンサーによって生成したサブイメージの補助線のイメージを位置決め、次に、隣接する２つのイメージセンサーによって生成した２つのサブイメージが含む補助線のイメージに基づいて、２つの前記サブイメージを位置合わせてから畳み合わせ、次に、上記のステップを繰り返して、全てのイメージセンサーが生成したサブイメージを畳み合わせて、原稿の完全なイメージを形成する。前記補助線の幅ｗが前記数１を満足する実施形態において、隣接する２つのサブイメージが含む補助線の内辺縁のイメージを識別し且つ位置合わせ基準位置として、２つの前記サブイメージを位置合わせて畳み合わせる。
【００１８】
図６を参照すると、前記サブイメージ５２及び前記サブイメージ５４を畳み合わせる過程を示す。前記サブイメージ５２が含む縦向きの補助線のイメージと前記サブイメージ５４が含む左側の縦向きの補助線のイメージは同一の補助線のイメージであるので、前記サブイメージ５２が含む縦向きの補助線のイメージと前記サブイメージ５４が含む左側の縦向きの補助線のイメージを重ね合わせ、且つ前記サブイメージ５２が含む横向きの補助線のイメージと前記サブイメージ５４が含む横向きの補助線のイメージを同じ直線に位置させて、前記エリアＡ及び前記エリアＢをドッキングしてから、前記サブイメージ５２及び前記サブイメージ５４の空白エリアを削除して、前記サブイメージ５２及び前記サブイメージ５４を畳み合わせたイメージを獲得する。
【００１９】
図７は、本発明の実施形態に係る複数のイメージセンサーを有するスキャナーのイメージ生成システムの機能ブロック図である。前記複数のイメージセンサーを有するスキャナーのイメージ生成システムは、サブイメージ獲得モジュール７０２と、サブイメージ畳み合わせモジュール７０４と、を備える。
【００２０】
前記サブイメージ獲得モジュール７０２は、各々のイメージセンサーがガラスプレートを介して原稿の一部をスキャンして生成したサブイメージを獲得するために用いられる。前記サブイメージは、前記ガラスプレートの上の一部分の参考図案のイメージを含む。前記参考図案は、点線のような補助線であり、前記ガラスプレートを複数のエリアに分割する場合、各々のエリアは１つのイメージセンサーに対応する。前記補助線は幅を有し、前記補助線の幅ｗは以下のように方程式を使用して得られる。
【００２１】
【数２】
【００２２】
ｈは、前記ガラスプレートの厚さであり、ｎは、前記ガラスプレートが空気に対する屈折率であり、θiは、２つの隣接したイメージ・センサーの発散角の１/２である。
【００２３】
前記サブイメージ畳み合わせモジュール７０４は、各々のサブイメージが含む参考図案のイメージを基準位置として、全てのサブイメージを畳み合わせて原稿の完全なイメージに復元するために用いられる。
【００２４】
前記サブイメージ畳み合わせモジュール７０４は、各々のサブイメージが含む補助線の内辺縁のイメージを識別する基準識別サブモジュール７０４１と、各々のサブイメージが含む補助線の内辺縁のイメージを位置合わせ基準位置として、全てのサブイメージを位置合わせる位置合わせサブモジュール７０４２と、位置合わせた全てのサブイメージを原稿の完全なイメージに復元するイメージ復元サブモジュール７０４３と、を備える。
【００２５】
以上、本発明を実施例に基づいて具体的に説明したが、本発明は、上述の実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の変更が可能であることは勿論であって、本発明の技術的範囲は、以下の特許請求の範囲から決まる。
【符号の説明】
【００２６】
１０ ガラスプレート
２０ イメージセンサー
７０２ サブイメージ獲得モジュール
７０４ サブイメージ畳み合わせモジュール
７０４１ 基準識別サブモジュール
７０４２ 位置合わせサブモジュール
７０４３ イメージ復元サブモジュール
【特許請求の範囲】
【請求項１】
複数のイメージセンサーを有するスキャナーのガラスプレートに参考図案を形成するステップと、
各々のイメージセンサーがガラスプレートを介して原稿の一部をスキャンして生成したサブイメージを獲得し、前記サブイメージは、前記ガラスプレートの上の一部分の参考図案のイメージを含むステップと、
各々のサブイメージが含む一部分の参考図案のイメージを基準位置として、全てのサブイメージを畳み合わせて、原稿の完全なイメージを復元するステップと、
を備えることを特徴とする複数のイメージセンサーを有するスキャナーのイメージ生成方法。
【請求項２】
複数のイメージセンサーを有するスキャナーのガラスプレートに参考図案を形成することは、具体的に、複数の前記イメージセンサーが構成する２次元マトリックスに基づいて、前記ガラスプレートに補助線を引いて前記ガラスプレートを複数のエリアに分割し、各々の前記イメージセンサーを前記ガラスプレートの１つのエリアに対応させることを特徴とする請求項１に記載の複数のイメージセンサーを有するスキャナーのイメージ生成方法。
【請求項３】
各々のサブイメージが含む一部分の参考図案のイメージを基準位置として、全てのサブイメージを畳み合わせて、原稿の完全なイメージを復元することは、
各々のイメージセンサーによって生成したサブイメージの補助線のイメージを位置決めるステップと、
隣接する２つのイメージセンサーによって生成した２つのサブイメージが含む補助線のイメージに基づいて、２つの前記サブイメージを位置合わせてから畳み合わせるステップと、
上記のステップを繰り返して、全てのイメージセンサーが生成したサブイメージを畳み合わせて、原稿の完全なイメージを形成するステップと、
を備えることを特徴とする請求項２に記載の複数のイメージセンサーを有するスキャナーのイメージ生成方法。
【請求項４】
前記補助線は幅を有し、前記補助線の幅ｗは以下のように方程式を使用して得られることを特徴とする請求項２に記載の複数のイメージセンサーを有するスキャナーのイメージ生成方法。
【数１】
ただし、ｈは、前記ガラスプレートの厚さであり、ｎは、前記ガラスプレートが空気に対する屈折率であり、θiは、２つの隣接したイメージ・センサーの発散角の１/２である。
【請求項５】
隣接する２つのイメージセンサーによって生成した２つのサブイメージが含む補助線のイメージに基づいて、２つの前記サブイメージを位置合わせてから畳み合わせることは、
隣接する２つのサブイメージが含む補助線の内辺縁のイメージを識別するステップと、
隣接する２つのサブイメージが含む補助線の内辺縁のイメージを位置合わせ基準位置として、隣接する２つのサブイメージを位置合わせてから畳み合わせるステップと、
を備えることを特徴とする請求項４に記載の複数のイメージセンサーを有するスキャナーのイメージ生成方法。
【請求項６】
参考図案が形成されたガラスプレート及び複数のイメージセンサーを有するスキャナーのイメージ生成システムであって、
各々のイメージセンサーがガラスプレートを介して原稿の一部をスキャンして生成したサブイメージを獲得するために用いられるサブイメージ獲得モジュールと、
各々のサブイメージが含む参考図案のイメージを基準位置として、全てのサブイメージを畳み合わせて原稿の完全なイメージに復元するために用いられるサブイメージ畳み合わせモジュールと、
を備えることを特徴とする複数のイメージセンサーを有するスキャナーのイメージ生成システム。
【請求項７】
前記参考図案は補助線であり、前記ガラスプレートは前記補助線によって複数のエリアに分割され、各々の前記イメージセンサーは前記ガラスプレートの１つのエリアに対応することを特徴とする請求項６に記載の複数のイメージセンサーを有するスキャナーのイメージ生成システム。
【請求項８】
前記補助線は幅を有し、前記補助線の幅ｗは以下のように方程式を使用して得られることを特徴とする請求項７に記載の複数のイメージセンサーを有するスキャナーのイメージ生成システム。
【数２】
ただし、ｈは、前記ガラスプレートの厚さであり、ｎは、前記ガラスプレートが空気に対する屈折率であり、θiは、２つの隣接したイメージ・センサーの発散角の１/２である。
【請求項９】
前記サブイメージ畳み合わせモジュールは、
各々のサブイメージが含む補助線の内辺縁のイメージを識別する基準識別サブモジュールと、
各々のサブイメージが含む補助線の内辺縁のイメージを位置合わせ基準位置として、全てのサブイメージを位置合わせる位置合わせサブモジュールと、
位置合わせた全てのサブイメージを原稿の完全なイメージに復元するイメージ復元サブモジュールと、
を備えることを特徴とする請求項８に記載の複数のイメージセンサーを有するスキャナーのイメージ生成システム。
【請求項１】
複数のイメージセンサーを有するスキャナーのガラスプレートに参考図案を形成するステップと、
各々のイメージセンサーがガラスプレートを介して原稿の一部をスキャンして生成したサブイメージを獲得し、前記サブイメージは、前記ガラスプレートの上の一部分の参考図案のイメージを含むステップと、
各々のサブイメージが含む一部分の参考図案のイメージを基準位置として、全てのサブイメージを畳み合わせて、原稿の完全なイメージを復元するステップと、
を備えることを特徴とする複数のイメージセンサーを有するスキャナーのイメージ生成方法。
【請求項２】
複数のイメージセンサーを有するスキャナーのガラスプレートに参考図案を形成することは、具体的に、複数の前記イメージセンサーが構成する２次元マトリックスに基づいて、前記ガラスプレートに補助線を引いて前記ガラスプレートを複数のエリアに分割し、各々の前記イメージセンサーを前記ガラスプレートの１つのエリアに対応させることを特徴とする請求項１に記載の複数のイメージセンサーを有するスキャナーのイメージ生成方法。
【請求項３】
各々のサブイメージが含む一部分の参考図案のイメージを基準位置として、全てのサブイメージを畳み合わせて、原稿の完全なイメージを復元することは、
各々のイメージセンサーによって生成したサブイメージの補助線のイメージを位置決めるステップと、
隣接する２つのイメージセンサーによって生成した２つのサブイメージが含む補助線のイメージに基づいて、２つの前記サブイメージを位置合わせてから畳み合わせるステップと、
上記のステップを繰り返して、全てのイメージセンサーが生成したサブイメージを畳み合わせて、原稿の完全なイメージを形成するステップと、
を備えることを特徴とする請求項２に記載の複数のイメージセンサーを有するスキャナーのイメージ生成方法。
【請求項４】
前記補助線は幅を有し、前記補助線の幅ｗは以下のように方程式を使用して得られることを特徴とする請求項２に記載の複数のイメージセンサーを有するスキャナーのイメージ生成方法。
【数１】
ただし、ｈは、前記ガラスプレートの厚さであり、ｎは、前記ガラスプレートが空気に対する屈折率であり、θiは、２つの隣接したイメージ・センサーの発散角の１/２である。
【請求項５】
隣接する２つのイメージセンサーによって生成した２つのサブイメージが含む補助線のイメージに基づいて、２つの前記サブイメージを位置合わせてから畳み合わせることは、
隣接する２つのサブイメージが含む補助線の内辺縁のイメージを識別するステップと、
隣接する２つのサブイメージが含む補助線の内辺縁のイメージを位置合わせ基準位置として、隣接する２つのサブイメージを位置合わせてから畳み合わせるステップと、
を備えることを特徴とする請求項４に記載の複数のイメージセンサーを有するスキャナーのイメージ生成方法。
【請求項６】
参考図案が形成されたガラスプレート及び複数のイメージセンサーを有するスキャナーのイメージ生成システムであって、
各々のイメージセンサーがガラスプレートを介して原稿の一部をスキャンして生成したサブイメージを獲得するために用いられるサブイメージ獲得モジュールと、
各々のサブイメージが含む参考図案のイメージを基準位置として、全てのサブイメージを畳み合わせて原稿の完全なイメージに復元するために用いられるサブイメージ畳み合わせモジュールと、
を備えることを特徴とする複数のイメージセンサーを有するスキャナーのイメージ生成システム。
【請求項７】
前記参考図案は補助線であり、前記ガラスプレートは前記補助線によって複数のエリアに分割され、各々の前記イメージセンサーは前記ガラスプレートの１つのエリアに対応することを特徴とする請求項６に記載の複数のイメージセンサーを有するスキャナーのイメージ生成システム。
【請求項８】
前記補助線は幅を有し、前記補助線の幅ｗは以下のように方程式を使用して得られることを特徴とする請求項７に記載の複数のイメージセンサーを有するスキャナーのイメージ生成システム。
【数２】
ただし、ｈは、前記ガラスプレートの厚さであり、ｎは、前記ガラスプレートが空気に対する屈折率であり、θiは、２つの隣接したイメージ・センサーの発散角の１/２である。
【請求項９】
前記サブイメージ畳み合わせモジュールは、
各々のサブイメージが含む補助線の内辺縁のイメージを識別する基準識別サブモジュールと、
各々のサブイメージが含む補助線の内辺縁のイメージを位置合わせ基準位置として、全てのサブイメージを位置合わせる位置合わせサブモジュールと、
位置合わせた全てのサブイメージを原稿の完全なイメージに復元するイメージ復元サブモジュールと、
を備えることを特徴とする請求項８に記載の複数のイメージセンサーを有するスキャナーのイメージ生成システム。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【公開番号】特開２０１２−２３１４６５（Ｐ２０１２−２３１４６５Ａ）
【公開日】平成２４年１１月２２日（２０１２．１１．２２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１２−９２７０３（Ｐ２０１２−９２７０３）
【出願日】平成２４年４月１６日（２０１２．４．１６）
【出願人】（５０００８０５４６）鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司 (1,018)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年１１月２２日（２０１２．１１．２２）
【国際特許分類】
【出願日】平成２４年４月１６日（２０１２．４．１６）
【出願人】（５０００８０５４６）鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司 (1,018)
【Ｆターム（参考）】
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