複数の媒体入力トレイを有するネットワークインクジェットプリンタユニット
ネットワーク環境において使用するためのインクジェットプリンタ(1)であって、印字のための媒体の1つ以上のシートを供給するための少なくとも1つの媒体入力トレイ(4)と、媒体のシートへと画像を印字するための印刷エンジンであって、取り外し可能なページ幅のインクジェット印字ヘッドを含む印刷エンジン(3)と、印字のため上記少なくとも1つの媒体入力トレイ(4)から上記印刷エンジン(3)へと媒体のシートを送達するための配送路と、を有する本体(2)を備え、上記本体(2)の基部が、印字のための媒体の1つ以上のシートを供給するための少なくとも1つの補助媒体入力トレイを受け入れるように構成され、上記基部に、上記配送路を通って上記印刷エンジンへと送達するべく媒体のシートを上記補助媒体入力トレイから受け入れるための開口が設けられている、インクジェットプリンタである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像入力装置からの画像を印字するためのプリンタユニットに関し、特に、印字用の画像データを受け取るために画像入力装置へと容易に接続できる一体化データコネクタを有するプリンタユニットに関する。
[同時係属中の出願]
以下の出願が、本件出願の出願人によって本件出願と同時に出願されている。
【表1】
これら同時係属中の出願の開示は、参照として本明細書に組み込まれたものとする。上記の出願は、それらの出願時の事件整理番号によって特定されているが、対応する出願番号が割り当てられ次第、事件整理番号を割り当てられた出願番号に置き換える予定である。
【0002】
[関連出願への相互参照]
本件発明の出願人または譲受人によって出願された以下の特許または特許出願は、参照として本明細書に組み込まれたものとする。
【表2】
いくつかの出願は、事件整理番号によって列挙されている。これらは、出願番号が明らかになった時点で置き換える予定である。
【背景技術】
【0003】
国際公開公報第00/64679号において、本件出願の出願人によって開発され提案されているプリンタなど、例えば少なくとも1インチ当たり1200ドットかつ毎分30ページ超の印字を行う高速かつ高品質なプリンタが開発されるとともに、印字ヘッドアセンブリを通過する印字媒体に高精度の送りおよび取り扱いを提供することが必要になっている。これは、そのようなプリンタが、印字媒体が印字ヘッドを通過するときに印字媒体へと直接印字を行うために、印字媒体のシートの全幅にわたって延びる走査の不要なページ幅の印字ヘッドを使用しているためである。したがって、印字媒体の経路を正確に制御することが、良好な印字品質を確保するために必須である。これは、両面印字が2つの隣接する印字ヘッドを使用することによって提供される場合に特に当てはまる。
【0004】
したがって、再印字の必要を生じさせて高速な印字能力の提供という利点を損ないうる複数ページの同時供給などを警戒するため、印字ヘッドへと供給される印字媒体について異常の存在を検出するというニーズが存在する。
【0005】
伝統的に、プリンタユニットは、電子文書および画像を印字のためにプリンタユニットへと容易にダウンロードできるようにするため、自宅およびオフィス環境においてパーソナルコンピュータへと接続されるべく使用されてきた。典型的には、標準的な接続ケーブルが、プリンタユニットをコンピュータへと接続するために設けられ、そのようなケーブルは、一般的には、画像データの伝達のための電気的接続を確立するため、プリンタに設けられた標準的なソケットおよびコンピュータに組み合わされたソケットと対をなすように構成されている。
【0006】
このような接続システムは、プリンタユニットをコンピュータなどの恒久的または半恒久的な画像ソースへと接続するためには充分であるが、典型的には特有の接続リードを必要とするデジタルカメラなどの携帯型の画像ソースの間の電気的接続を容易に確立するためには、適していない。
【0007】
ビデオ画像や静止画像を生成できるデジタルカメラは、主として使用が容易であること、および画像がフィルムのロールにではなく電子的に保存されることから、ますます一般的になってきている。この点に関し、保存された画像について従来からの写真を生成するためには、画像がカメラから画像プリンタへとダウンロードされ、画像プリンタにおいて画像が写真用紙などの媒体へと印字される。これは、カメラから画像を受け取って、選択された画像を適切なサイズの用紙へと印字するための専用のプリンタユニットが設けられている小売店において実行することができる。そのような小売店においては、プリンタユニットからプリンタユニットへの画像データの伝送を容易にするため、カメラを専用のプリンタユニットのある位置にドッキングさせることができ、あるいは提供されるケーブルによって接続することができる。プリンタユニットが、そのような作業を実行するために専用であるため、典型的にはプリンタユニットに、市販の種々のデジタルカメラに適合するよう幅広い範囲のコネクタが設けられている。
【0008】
最近では、デジタルカメラなどの携帯型のソースから画像データを受け取り、そのようなソースからの画像を印字することができる市販のプリンタユニットが、多数導入されるようになっている。典型的には、そのようなプリンタユニットには、携帯型のソースに設けられた接続ケーブルを受け入れて、印字のために画像を伝達すべく携帯型のソースとプリンタユニットとの通信を可能にする標準的なソケットが設けられている。これらの場合において、携帯型のソースをプリンタユニットへと接続するために接続ケーブルが必要とされる場合、ユーザーが接続ケーブルを容易に入手できなければならず、すなわちユーザーがケーブルを携行する必要がある。この点に関し、便利さの点で、ユーザーが常にカメラと一緒にケーブルを持ち運ぶとは限らず、あるいは接続ケーブルを置き忘れる可能性があり、印字を促進するために代わりのケーブルの利用が必要とされる可能性がある。
【0009】
したがって、デジタルカメラなどの画像入力装置からデータを受け取ることができるプリンタユニットであって、印字のために画像入力装置から画像データを受け取るためにコネクタ要素を一体に備えるプリンタユニットを提供する必要がある。
【発明の開示】
【0010】
第1の態様において、本発明は、ネットワーク環境において使用するためのインクジェットプリンタユニットであって、
印字のための媒体の1つ以上のシートを供給するための少なくとも1つの媒体入力トレイと、
媒体のシートへと画像を印字するための印刷エンジンであって、取り外し可能なページ幅のインクジェット印字ヘッドを含む印刷エンジンと、
印字のため上記少なくとも1つの媒体入力トレイから上記印刷エンジンへと媒体のシートを送達するための配送路と、
を有する本体を備え、
上記本体の基部が、印字のための媒体の1つ以上のシートを供給するための少なくとも1つの補助媒体入力トレイを受け入れるように構成され、上記基部に、上記配送路を通って上記印刷エンジンへと送達するべく媒体のシートを上記補助媒体入力トレイから受け入れるための開口が設けられているインクジェットプリンタユニットを提供する。
【0011】
場合により、上記本体の基部が、縁部分および中央部分を備え、中央部分が縁部分よりも突き出している。
【0012】
場合により、上記中央部分が、上記補助媒体入力トレイに設けられた凹所に受け入れられる。
【0013】
場合により、上記開口が、上記基部の縁部分に形成されている。
【0014】
場合により、上記配送路が、上記開口から上記印刷エンジンまで延びている。
【0015】
場合により、上記開口が、上記配送路に直接連通しており、上記開口によって受け入れられた媒体のシートが上記配送路に受け入れられる。
場合により、上記配送路が、媒体のシートを上記印刷エンジンへと送達するための1つ以上の搬送ローラーを備える。
【0016】
場合により、上記印刷エンジンが、制御システムを備え、上記制御システムが、上記印刷エンジンへの媒体のシートの配送を制御するため上記1つ以上の搬送ローラーの動作を制御する。
【0017】
場合により、上記印刷エンジンが、上記配送路から媒体のシートを受け入れるための導入口を備え、上記配送路が、媒体のシートを上記導入口へと送達するように構成されている。
【0018】
場合により、上記印刷エンジンがカートリッジを備え、上記ページ幅の印字ヘッドが、上記カートリッジに設けられている。
【0019】
場合により、上記カートリッジが、上記ページ幅の印字ヘッドによる印字のためのインクを貯蔵するための1つ以上のインク貯蔵用リザーバを備える。
【0020】
場合により、上記カートリッジを上記印刷エンジンから取り外すことができる。
【0021】
場合により、上記印刷エンジンがクレードルを備え、上記クレードルが、上記カートリッジを受け入れるように構成されている。
【0022】
場合により、上記クレードルが、上記本体に取り付けられ、上記配送路からの媒体のシートを受け入れるための導入口を含む。
【0023】
さらなる態様においては、上記印刷エンジンが着脱式のカートリッジをさらに備えるインクジェットプリンタユニットであって、画像入力装置から画像データを受け取るためのデータ入力手段をさらに備え、上記データ入力手段が、上記画像入力装置へと接続して印字のため上記画像入力装置から上記印刷エンジンへの上記画像データの伝達を容易にするように上記プリンタユニットから引き延ばすことができるコネクタを含むインクジェットプリンタユニットが提供される。
【0024】
さらなる態様においては、印字のため上記印刷エンジンへと媒体の1つ以上のシートを供給するための少なくとも1つの補助媒体入力トレイであって、上記本体を上に載せて支持するようになっている少なくとも1つの補助媒体入力トレイをさらに備え、上記印刷エンジンが、上記媒体の表面へとインクを排出するため少なくとも30000個のインク送出ノズルが配置されるページ幅の印字ヘッドを含むインクジェットプリンタユニットが提供される。
【0025】
さらなる態様においては、上記印刷エンジンが上記印字ヘッドの動作を制御するための制御システムを有するインクジェットプリンタユニットであって、印字のため上記印刷エンジンへと媒体の1つ以上のシートを供給するための、上記本体を上に載せて支持するようになっている少なくとも1つの補助媒体入力トレイをさらに備え、
上記印字ヘッドに、媒体の表面へとインクの個々の滴を排出するための複数のインク排出ノズルが配置されており、上記制御システムが、少なくとも毎秒5000万回の判断を行う速度で、ノズルがインク滴を排出するか否かを判断するインクジェットプリンタユニットが提供される。
【0026】
第2の態様において、本発明は、
画像入力装置から画像データを受け取るためのデータ入力手段と、
上記画像データに関する画像を印字するための印刷エンジンであって、カートリッジおよびページ幅の印字ヘッドを備え、上記ページ幅の印字ヘッドが、上記カートリッジについて着脱可能である印刷エンジンと
を備えるプリンタユニットであって、
上記印刷エンジンが、上記データ入力手段が、上記画像入力装置へと接続して印字のため上記画像入力装置から上記印刷エンジンへの上記画像データの伝達を容易にするように上記プリンタユニットから引き延ばすことができるコネクタを含むプリンタユニットを提供する。
【0027】
場合により、上記コネクタが、上記画像入力装置へと接続されていないときに、実質的に上記プリンタユニットの内部に収容されるように引き込み可能である。
【0028】
場合により、上記コネクタが、電気ケーブルおよびプラグを備える。
【0029】
場合により、上記プラグが、上記画像入力装置に設けられたソケット内に受け入れられるようになっている。
【0030】
場合により、上記電気ケーブルがUSBケーブルである。
【0031】
場合により、上記コネクタが、ピクトブリッジコネクタである。
【0032】
場合により、上記画像入力装置がデジタルカメラである。
【0033】
場合により、上記カートリッジが、上記ページ幅の印字ヘッドによる印字のためのインクを貯蔵するための1つ以上のインク貯蔵用リザーバを備える。
【0034】
場合により、上記印刷エンジンがクレードルを備え、上記クレードルが、上記カートリッジを受け入れるように構成されている。
【0035】
さらなる態様においては、
印字のための媒体の1つ以上のシートを供給するための少なくとも1つの媒体入力トレイと、印字のため上記少なくとも1つの媒体入力トレイから上記印刷エンジンへと媒体のシートを送達するための配送路と、を有する本体を備え、
上記本体の基部が、印字のための媒体の1つ以上のシートを供給するための少なくとも1つの補助媒体入力トレイを受け入れるように構成され、上記基部に、上記配送路を通って上記印刷エンジンへと送達するべく媒体のシートを上記補助媒体入力トレイから受け入れるための開口が設けられているインクジェットプリンタユニットが提供される。
【0036】
さらなる態様においては、
印字のための媒体の1つ以上のシートを供給するための少なくとも1つの媒体入力トレイと、
印字のため上記印刷エンジンへと媒体の1つ以上のシートを供給するための少なくとも1つの補助媒体入力トレイであって、上記本体を上に載せて支持するようになっている少なくとも1つの補助媒体入力トレイと、を有する本体をさらに備え、
上記印刷エンジンが、上記媒体の表面へとインクを排出するため少なくとも30000個のインク送出ノズルが配置されるページ幅の印字ヘッドを含むインクジェットプリンタユニットが提供される。
【0037】
さらなる態様においては、上記印刷エンジンが上記印字ヘッドの動作を制御するための制御システムを有するインクジェットプリンタユニットであって、
印字のための媒体の1つ以上のシートを供給するための少なくとも1つの媒体入力トレイと、
印字のため上記印刷エンジンへと媒体の1つ以上のシートを供給するための少なくとも1つの補助媒体入力トレイであって、上記本体を上に載せて支持するようになっている少なくとも1つの補助媒体入力トレイと、を有する本体をさらに備え、
上記印字ヘッドに、媒体の表面へとインクの個々の滴を排出するための複数のインク排出ノズルが配置されており、上記制御システムが、少なくとも毎秒5000万回の判断を行う速度で、ノズルがインク滴を排出するか否かを判断するインクジェットプリンタユニットが提供される。
【0038】
第3の態様において、本発明は、ネットワーク環境において使用するためのインクジェットプリンタユニットであって、本体を備え、上記本体が、
印字のための媒体の1つ以上のシートを供給するための少なくとも1つの媒体入力トレイと、
媒体のシートへと画像を印字するための印刷エンジンと、
印字のため上記印刷エンジンへと媒体の1つ以上のシートを供給するための少なくとも1つの補助媒体入力トレイであって、上記本体を上に載せて支持するようになっている少なくとも1つの補助媒体入力トレイと、
を有しており、
上記印刷エンジンが、上記媒体の表面へとインクを排出するため少なくとも30000個のインク送出ノズルが配置されるページ幅の印字ヘッドを含むインクジェットプリンタユニットを提供する。
【0039】
場合により、上記ページ幅の印字ヘッドに、上記媒体の表面へとインクを排出するため少なくとも10,000個のインク送出ノズルが配置されている。
【0040】
場合により、上記ページ幅の印字ヘッドに、上記媒体の表面へとインクを排出するため少なくとも20,000個のインク送出ノズルが配置されている。
【0041】
場合により、上記ページ幅の印字ヘッドに、上記媒体の表面へとインクを排出するため少なくとも50,000個のインク送出ノズルが配置されている。
【0042】
場合により、上記印刷エンジンがカートリッジを備え、上記ページ幅の印字ヘッドが、上記カートリッジに設けられている。
【0043】
場合により、上記カートリッジが、上記ページ幅の印字ヘッドによる印字のためのインクを貯蔵するための1つ以上のインク貯蔵用リザーバを備える。
【0044】
場合により、上記カートリッジを上記印刷エンジンから取り外すことができる。
【0045】
場合により、上記印刷エンジンがクレードルを備え、上記クレードルが、上記カートリッジを受け入れるように構成されている。
【0046】
場合により、上記クレードルが、上記本体に取り付けられ、上記カートリッジを上記クレードルの内部に固定するための固定機構を含む。
【0047】
場合により、上記本体が、上記補助媒体入力トレイの表面上に支持され、上記本体が上記表面に入れ子状の構成で係合する。
【0048】
場合により、上記本体の底部に、上記補助媒体入力トレイから供給される媒体の1つ以上のシートを受け入れるための細長い開口が設けられている。
【0049】
場合により、上記補助媒体入力トレイによって供給される媒体の1つ以上のシートが、上記細長い開口から上記本体内に形成された配送路を通って上記印刷エンジンへと送達される。
【0050】
場合により、上記配送路が、媒体の1つ以上のシートを上記印刷エンジンへと搬送するための1つ以上の搬送ローラーを備える。
【0051】
場合により、上記プリンタユニットの本体の上記媒体入力トレイによって供給される媒体の1つ以上のシートが、上記本体内に形成された配送路を通って上記入力媒体トレイから上記印刷エンジンへと送達される。
【0052】
場合により、上記搬送ローラーが、上記印刷エンジンへの媒体のシートの送達速度を制御するため、上記印刷エンジンに設けられた制御システムによって制御される。
【0053】
場合により、上記印刷エンジンが、上記配送路を通って送達される媒体のシートを受け入れるための導入口を備える。
【0054】
場合により、上記印刷エンジンが、上記導入口を通じて媒体のシートを受け取って、上記シートを印字のために上記ページ幅の印字ヘッドを通過して送るための駆動機構を備える。
【0055】
場合により、上記駆動機構が、駆動ローラーおよびピンチローラーを備え、上記駆動ローラーが、上記印刷エンジンの制御システムの制御のもとで印刷エンジンモータによって駆動される。
【0056】
場合により、上記印刷エンジンが、上記ページ幅の印字ヘッドの下流に配置された出口機構であって、印字済み媒体のシートを受け取って上記シートを収集のための収集領域へと送達するための出口機構を備える。
【0057】
場合により、上記出口機構が、出口ローラーおよびアイドラホイールを備え、上記出口ローラーが、上記印刷エンジンの制御システムの制御のもとで印刷エンジンモータによって駆動される。
【0058】
さらなる態様においては、上記印刷エンジンが着脱式であるページ幅のインクジェット印字ヘッドを含むインクジェットプリンタユニットであって、印字のため上記少なくとも1つの媒体入力トレイから上記印刷エンジンへと媒体のシートを送達するための配送路をさらに備え、上記本体の基部が、印字のための媒体の1つ以上のシートを供給するための少なくとも1つの補助媒体入力トレイを受け入れるように構成され、上記基部に、上記配送路を通って上記印刷エンジンへと送達するべく媒体のシートを上記補助媒体入力トレイから受け入れるための開口が設けられているインクジェットプリンタユニットが提供される。
【0059】
さらなる態様においては、上記印刷エンジンが、カートリッジと上記カートリッジに対して着脱可能であるページ幅の印字ヘッドとを含むインクジェットプリンタユニットであって、画像入力装置から画像データを受け取るためのデータ入力手段をさらに備え、上記データ入力手段が、上記画像入力装置へと接続して印字のため上記画像入力装置から上記印刷エンジンへの上記画像データの伝達を容易にするように上記プリンタユニットから引き延ばすことができるコネクタを含むインクジェットプリンタユニットが提供される。
【0060】
さらなる態様においては、上記印刷エンジンが上記印字ヘッドの動作を制御するための制御システムを含むインクジェットプリンタユニットであって、
印字のため上記印刷エンジンへと媒体の1つ以上のシートを供給するための少なくとも1つの補助媒体入力トレイをさらに備え、上記補助媒体入力トレイが、上記本体を上に載せて支持するようになっており、上記印字ヘッドに、媒体の表面へとインクの個々の滴を排出するための複数のインク排出ノズルが配置されており、上記制御システムが、少なくとも毎秒5000万回の判断を行う速度で、ノズルがインク滴を排出するか否かを判断するインクジェットプリンタユニットが提供される。
【0061】
第4の態様において、本発明は、
印字のための媒体の1つ以上のシートを供給するための少なくとも1つの媒体入力トレイ、ならびに上記媒体へと画像を印字するための印字ヘッドおよび上記印字ヘッドの動作を制御するための制御システムを有する印刷エンジン、を有する本体と、
印字のため上記印刷エンジンへと媒体の1つ以上のシートを供給するための少なくとも1つの補助媒体入力トレイであって、上記本体を上に載せて支持するようになっている少なくとも1つの補助媒体入力トレイと、
を備えるインクジェットプリンタユニットであって、
上記印字ヘッドに、媒体の表面へとインクの個々の滴を排出するための複数のインク排出ノズルが配置されており、上記制御システムが、少なくとも毎秒5000万回の判断を行う速度で、ノズルがインク滴を排出するか否かを判断するインクジェットプリンタユニットを提供する。
【0062】
場合により、上記印字ヘッドに、媒体の表面へとインクの個々の滴を排出するための複数のインク排出ノズルが配置されており、上記制御システムが、少なくとも毎秒1億回の判断を行う速度で、ノズルがインク滴を排出するか否かを判断する。
【0063】
場合により、上記印字ヘッドに、媒体の表面へとインクの個々の滴を排出するための複数のインク排出ノズルが配置されており、上記制御システムが、少なくとも毎秒3億回の判断を行う速度で、ノズルがインク滴を排出するか否かを判断する。
【0064】
場合により、上記印字ヘッドに、媒体の表面へとインクの個々の滴を排出するための複数のインク排出ノズルが配置されており、上記制御システムが、少なくとも毎秒10億回の判断を行う速度で、ノズルがインク滴を排出するか否かを判断する。
【0065】
場合により、上記印字ヘッドがページ幅の印字ヘッドである。
【0066】
場合により、上記印刷エンジンがカートリッジを備え、上記印字ヘッドが、上記カートリッジに設けられている。
【0067】
場合により、上記カートリッジが、上記印字ヘッドによる印字のためのインクを貯蔵するための1つ以上のインク貯蔵用リザーバを備える。
【0068】
場合により、上記カートリッジを上記印刷エンジンから取り外すことができる。
【0069】
場合により、上記印刷エンジンがクレードルを備え、上記クレードルが、上記カートリッジを受け入れるように構成されている。
【0070】
場合により、上記クレードルが、上記本体に取り付けられ、上記カートリッジを上記クレードルの内部に固定するための固定機構を含む。
【0071】
場合により、上記本体が、上記補助媒体入力トレイの表面上に支持され、上記本体が上記表面に入れ子状の構成で係合する。
【0072】
場合により、上記本体の底部に、上記補助媒体入力トレイから供給される媒体の1つ以上のシートを受け入れるための細長い開口が設けられている。
【0073】
場合により、上記補助媒体入力トレイによって供給される媒体の1つ以上のシートが、上記細長い開口から上記本体内に形成された配送路を通って上記印刷エンジンへと送達される。
【0074】
場合により、上記配送路が、媒体の1つ以上のシートを上記印刷エンジンへと搬送するための1つ以上の搬送ローラーを備える。
【0075】
場合により、上記プリンタユニットの本体の上記媒体入力トレイによって供給される媒体の1つ以上のシートが、上記本体内に形成された配送路を通って上記入力媒体トレイから上記印刷エンジンへと送達される。
【0076】
場合により、上記搬送ローラーが、上記印刷エンジンへの媒体のシートの送達速度を制御するため、上記制御システムによって制御される。
【0077】
場合により、上記印刷エンジンが、上記配送路を通って送達される媒体のシートを受け入れるための導入口を備える。
【0078】
場合により、上記印刷エンジンが、上記導入口を通じて媒体のシートを受け取って、上記シートを印字のために上記ページ幅の印字ヘッドを通過して送るための駆動機構を備える。
【0079】
場合により、上記駆動機構が、駆動ローラーおよびピンチローラーを備え、上記駆動ローラーが、上記印刷エンジンの制御システムの制御のもとで印刷エンジンモータによって駆動される。
【0080】
場合により、上記印刷エンジンが、上記ページ幅の印字ヘッドの下流に配置された出口機構であって、印字済み媒体のシートを受け取って上記シートを収集のための収集領域へと送達するための出口機構を備える。
【0081】
場合により、上記出口機構が、出口ローラーおよびアイドラホイールを備え、上記出口ローラーが、上記印刷エンジンの制御システムの制御のもとで印刷エンジンモータによって駆動される。
【0082】
さらなる態様においては、上記印字ヘッドが着脱式のページ幅のインクジェット印字ヘッドであるインクジェットプリンタユニットであって、印字のため上記少なくとも1つの媒体入力トレイから上記印刷エンジンへと媒体のシートを送達するための配送路をさらに備え、上記本体の基部が、印字のための媒体の1つ以上のシートを供給するための少なくとも1つの補助媒体入力トレイを受け入れるように構成され、上記基部に、上記配送路を通って上記印刷エンジンへと送達するべく媒体のシートを上記補助媒体入力トレイから受け入れるための開口が設けられているインクジェットプリンタユニットが提供される。
【0083】
さらなる態様においては、上記印刷エンジンが、カートリッジと上記カートリッジに対して着脱可能であるページ幅の印字ヘッドとを備えるインクジェットプリンタユニットであって、画像入力装置から画像データを受け取るためのデータ入力手段をさらに備え、上記データ入力手段が、上記画像入力装置へと接続して印字のため上記画像入力装置から上記印刷エンジンへの上記画像データの伝達を容易にするように上記プリンタユニットから引き延ばすことができるコネクタを含むインクジェットプリンタユニットが提供される。
【0084】
さらなる態様においては、上記印字ヘッドが、上記媒体の表面へとインクを排出するため少なくとも30000個のインク送出ノズルが配置されるページ幅の印字ヘッドであるインクジェットプリンタユニットが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0085】
図1〜10に示されているように、典型的な形態において、本発明は、1つ以上のソースから印字ジョブを受け取り、それらジョブを高速かつ少なくとも1600dpiのフルカラー写真品質で印字するためにネットワークまたはワークグループにおいて使用することができるインクジェットプリンタユニット1に具現化されている。以下の詳細な説明および特許請求の範囲において、印字速度特にはppmという用語について述べるときはすべて、フルプロセスカラー画像(スポットカラーではない)で印字されたページを指し、上記ページの少なくとも80%が画像で覆われている必要があると理解すべきである。例えば、60ppmの印字が可能なプリンタユニットとは、印字媒体について、フルプロセスカラーで印字され、画像が少なくとも80%を占めているページを、1分間に60ページ印字を行うことができるプリンタユニットを指す。したがって、既存のプリンタユニットとの比較はすべて、この印字の要件にもとづいて行われる。
【0086】
プリンタユニット1は、印刷エンジン3と、上記印刷エンジン3による印字のための媒体の供給源を貯蔵するための2つの入力媒体トレイ4とを収容すべく構成された実質的に矩形の本体2を有する。本体2は、上面5が印刷エンジン3による印字後に印字済み媒体を収集するための媒体出力領域6を形成するように構成されている。この構成配置において、プリンタユニット1は、古典的な写真サイズの媒体、ならびにA4サイズの媒体およびU.S.リーガルサイズ(8.5インチ×14インチ)の媒体など、幅広いサイズの媒体に対応するように寸法および形状付けられている。
【0087】
図3により明瞭に示されているように、プリンタユニット1の前部には、LCDタッチスクリーンの形式であってもよいユーザーインターフェイスユニット7が設けられている。ユーザーインターフェイスユニット7は、ユーザーへと情報を伝えるとともに、ユーザーが表示画面上の選択肢を選択することによってプリンタユニット1の動作を制御すべくプリンタユニット1へと直接情報を入力できるようにしている。ユーザーインターフェイスユニット7がユーザーへと表示できる情報の種類、およびユーザーがプリンタユニットへと入力できる情報の種類は、さまざまであってもよいが、典型的には、プリンタユニット1に貯蔵されたインクの状態または紙詰まりなどの修正の必要性、などに関連でき、さらにはインク再充填手順に関する情報であってもよい。タッチスクリーンLCDの使用は、表示を特定の言語にあわせてプログラムでき、おそらくは上記プリンタユニットが使用される国に特有である個別の印または文字をプリンタユニット1上に設ける必要がなくなるため、ユーザーインターフェイスとして特に有益である。しかしながら、ユーザーインターフェイスユニット7が、従来からのボタンなど、ユーザーとプリンタユニット1とのやり取りを可能にするいくつかある種々の形態であってもよいことを、理解すべきである。
【0088】
入力媒体トレイ4は、プリンタユニット1の前部からアクセスされ、したがってトレイ4の前面8が、プリンタユニット2の前面の大部分を形成している。図9および図10に示されているように、入力媒体トレイ4は、媒体を印刷エンジン3による印字のためにトレイへと装填できるよう、トレイの内部へのアクセスを可能にするため、本体2から外向きにスライドするように構成されている。この点に関し、トレイ4の前面8には、トレイの内部へのアクセスに必要なスライド動作を容易にすべく、トレイ4の把持を可能にするためのハンドル9が設けられている。トレイ4の内部は、種々のサイズの媒体を収容するように構成され、図示のとおり、上部トレイの容量が下部トレイの容量よりも小さくなるように構成されており、すなわち上部トレイが250枚のシートを収容することができ、下部トレイが500枚のシートを収容することができる。しかしながら、トレイの収容能力がさまざまであってもよく、場合によりは両トレイが同じ収容能力を有してもよいことを、理解すべきである。
【0089】
図4に示されているように、プリンタユニット1の後部は、電力およびデータの接続を、電力取り入れ口10およびネットワークイーサネットソケット11(「イーサネット」は登録商標)ならびにUSBデバイスソケット12の形態で含む。電力取り入れ口10は、プリンタユニット1を、動作電力を受け取るために電源コンセントへと接続できるようにしており、この動作電力を、後に本明細書にて明らかにされるプリンタユニット1の種々の構成要素を動作させるべく、分配することができる。同様に、プリンタユニット1を、さまざまなユーザーが印字のためにプリンタユニット1へと印字ジョブを送信することができるよう、ネットワークイーサネットソケット11またはUSBデバイスソケット12を介して、1つ以上のコンピュータ端末へと接続することができる。これを制御する方法については、本明細書においてさらに詳しく後述する。
【0090】
図5に示されているように、ピクトブリッジ(pictbridge)コネクタ13が、本体2の印刷エンジン3を収容している領域から離れて、本体2の側面に設けられている。ピクトブリッジコネクタ13は、プリンタユニット1と典型的にはデジタルカメラまたはレコーダである画像入力装置との間の直接接続を提供する。この点に関し、デジタルカメラを、プリンタユニット1へと容易に接続することができ、デジタルカメラから写真画像をダウンロードして、写真品質の媒体へと高速フルカラー写真画像を印字できるプリンタユニット1によって印字することができ、標準的な写真を迅速かつ容易に生み出すことができる。
【0091】
一形態においては、ピクトブリッジコネクタ13は、プリンタユニットの本体2から容易に引き出してデジタルカメラなどに設けられた適当なソケットへと接続できる引き込み可能なコード配置の形態である。これは、デジタルカメラをプリンタユニット1へと接続するためにユーザーが個別の接続コードを用意しなくてもよいようにしている。何故ならば、そのような個別のコードは、多くの場合、ユーザーにとってカメラと一緒に携行することが容易ではなく、ユーザーがカメラからの写真を容易に印字することを妨げる可能性があるためである。コネクタ13は、プリンタユニットの本体2の内部に巻き取られる電気ケーブルであって、一端においてプリンタユニットの制御システムに接続され、自由端においてプラグ部分を終端とする電気ケーブルを含むことができる。この電気ケーブルを本体から引き出して、プラグ部分をデジタルカメラなどに設けられた適切なポートに収容することができ、これら2つの装置間の電気通信を容易に行なうことができる。この点に関し、ケーブルは、標準的なUSBケーブルおよびプラグであってもよく、デジタルカメラに設けられた標準的なUSBポートに収容される。
【0092】
図6および11に示されているように、プリンタユニット1の印刷エンジン3に近接する方の側面には、さもなければ入力媒体トレイ4から印刷エンジン3へと搬送することが困難であると考えられる厚い媒体を印字のために印刷エンジン3へと供給することができるよう、手動供給機構14が設けられている。典型的には、手動供給機構は、8.5インチまでの幅かつ200gsm超の媒体について使用される。図6に示されているように、手動供給機構14は、使用されない場合には、プリンタユニット1の表面と同一面であるように構成され、厚い媒体への印字が必要とされる場合に、手動供給機構14は、図11に示すような動作位置まで枢動して係止され、厚い媒体を印字のために印刷エンジン3へと供給することができる。印字のための印刷エンジン3への搬送に先立って媒体の整列を容易にするため、手動供給機構14にマージンスライダ15が設けられている。
【0093】
媒体出力領域6を、図7の上面図から見て取ることができ、大まかには、印刷エンジン3の下流に形成された実質的に平坦かつ矩形の表面で構成されている。
【0094】
プリンタユニットの底部が図8に示されており、大まかには底面16で構成されており、プリンタユニットを卓上または棚などの実質的に平坦な表面上に支持できるようにするため、底面16に複数の足部分17が設けられている。足部分17は、支持面上に配置されたときにプリンタユニット1に保持安定性をもたらすゴムパッドの形態であってもよい。さらに、プリンタユニット1の底部には、本体2の手動供給機構14を有する側に近接する領域に、細長い開口18が設けられている。この細長い開口の目的は、本明細書においてさらに詳しく後述する。
【0095】
図12および13に示されているように、印刷エンジン3は、印刷エンジン3へのアクセスを可能にすべく本体2へと枢動可能に取り付けられたカバー19の直下に位置している。印刷エンジン3は、大まかには、クレードルユニット21に収容されたカートリッジユニット20で構成され、クレードルユニット21が、プリンタユニット1の本体2内に固定されている。カートリッジユニット20は、係止アーム22を解除することによってクレードルユニット21から取り外すことができ、次いで、図12に示されているように、必要であればカートリッジユニット20を容易に交換することができる。
【0096】
図13は、必要に応じて印刷エンジン3にインクまたは他の適切な印字用流体を補充できる方法を示している。この点に関し、カートリッジユニット20は、補充ユニット24を受け入れるようになっている補充ポート23を表面に形成して有する。補充ユニット24を補充ポート23に接触させ、枯渇した消耗品を補充すべく、インクまたは他の印字用流体をカートリッジユニット20へと送り出す。補充後に補充ユニット24がカートリッジユニット20から取り去られ、印字を続行すべくカバー19が閉じられる。印刷エンジンおよび補充プロセスのさらなる詳細については、本明細書においてさらに詳しく後述する。
【0097】
図14は、プリンタユニット1の断面図であり、プリンタユニット1による媒体の貯蔵および取り扱いの様相をさらに詳しく示している。すでに述べたように、複数の入力媒体トレイ4が、垂直配置で本体2内に保持されており、上部媒体トレイおよび下部媒体トレイを形成している。図14に示した実施形態においては、上部媒体トレイの容量がより小さく、下部媒体トレイに収容された媒体とは異なるサイズの媒体を収容している。
【0098】
印刷エンジン3は、媒体トレイ4からの媒体が印字のため印刷エンジン3へと垂直な搬送経路をとるよう、媒体トレイ4の上方において本体2の一端に配置されている。この点に関し、各媒体トレイ4には、媒体トレイに存在する媒体から最上位のシートを分離させて、このシートを搬送ローラー26へと送達するピッカーローラー25が設けられている。ピッカーローラー25は、正しい種類の媒体が必要とされる速度にて印刷エンジンへと送達されるよう、印刷エンジン3に設けられた制御システムの制御の下で動作するモータ(図示されていない)によって駆動される。図示のピッカーローラー25は、D型のローラーであり、回転の際にローラーの外周の一部が媒体に接触し、媒体を搬送ローラー26へと送り込む。ピッカーローラー25が回転するにつれ、このローラーの外周の実質的に平坦な部分が、媒体のシートに接近する。これにより、ローラー25とシートとの接触が緩くなり、シートがローラー25の作用から解放され、シートが搬送ローラー26の作用のもとで前進できるようになる。確実に媒体の最上位のシートがピッカーローラー25に対して正しく位置するよう、トレイ4内に存在する媒体は、弾性ばね部材27によってローラー25に向かって押し付けられており、ピッカーローラー25によって媒体の最上位のシートが送出されたとき、次のシートが送出のための位置に位置するように保証している。D型のローラーが媒体取り出し機構の技術分野において周知であり、したがって本明細書においてはそれらの動作についてさらには説明しないことを理解できる。また、本発明の技術的範囲を超えることなく、本発明に他の種類の取り出し機構を適用できることを、理解すべきである。
【0099】
図15により明瞭に示されているように、ピッカーローラー25の作用のもとで、媒体の最上位のシートが搬送ローラー26の近傍へと供給され、トレイガイド28に接触する。トレイガイド28は、トレイ4から印刷エンジン3へと垂直方向に延びる共通の内部供給スロット29に媒体のシートを送達するため、シートへと垂直向きの配送経路を付与するように形作られている。ひとたび共通の内部供給スロット29に進入すると、媒体のシートは搬送ローラー26によって捕らえられ、搬送ローラー26はシートを印刷エンジン3へと送達する。シートが下方の入力媒体トレイ4から取り上げられる場合には、下方のトレイ4から印刷エンジン3へとシートが垂直に通過するときに、シートが上方のトレイ4の搬送ローラーへと運ばれ、上方のトレイ4の搬送ローラーがシートを印刷エンジン3へと送達する。この点に関し、シートを下方のトレイ4から搬送するために、シートは2つ以上の搬送ローラーの作用のもとにある。
【0100】
搬送ローラー26は、一定の速度で駆動されるモータ(図示されていない)によって駆動され、その速度は、理想的な印字速度が確実に維持されるよう印刷エンジンの制御システムによって制御される。搬送ローラーの近傍にアイドルローラー30が設けられ、挟み付け領域を形成して媒体のシートへと接触し、印刷エンジン3へのシートの送出を助けている。
【0101】
図15に明瞭に示されているように、共通の内部供給スロット29は、上端において、印刷エンジン3に設けられた導入口31へと媒体を送達するように形作られている。この点に関し、印刷エンジン3の導入口31に案内部材32が設けられており、媒体のシートの印刷エンジン3の駆動機構への方向付けを助け、これによりシートが、駆動機構の作用のもとで印字のために印字ヘッドを通過して搬送される。これを、以下でさらに詳しく検討する。
【0102】
図16に示されているように、厚い媒体を印字のために印刷エンジン3へと送達するため、手動供給機構14を、厚い媒体のシートを支持するための位置へと枢動させる。この位置において、厚い印字媒体のシートが、プリンタユニットの本体2に設けられた外部入力スロット33を通って、印刷エンジン3の導入口31へと直接送達される。
【0103】
既に述べたように、本発明の一特定の用途は、印字のため複数のソースから印字ジョブを受け取ることができるネットワークプリンタユニットまたはワークグループプリンタユニットとしての使用である。この点に関し、プリンタの収容能力は、ソースの数に応じて、媒体を絶えず補充する必要なく多数の印字ジョブを処理できるような収容能力でなければならない。すでに述べたように、上部入力媒体トレイが、250枚のA4媒体のシートを収容できる能力を有する一方で、下部入力媒体トレイは、500枚のA4媒体のシートを収容できる能力を有するように構成されている。この収容能力は、多数の用途において充分であると考えられるが、いくつかの用途、特にはプリンタユニット1が大きな印字ジョブを有する多数の個人によってアクセスされる用途においては、プリンタユニット1の媒体収容能力を大きくする必要がある可能性がある。
【0104】
これを達成できる方法が、図17に示されており、拡張トレイアセンブリ34が、媒体収容能力を増大させるためプリンタユニット1へと追加されている。図示の実施形態において、拡張トレイアセンブリ34は、既存の下部入力媒体トレイに類似しており、約500枚のA4媒体のシートの収容能力を有する。このように、拡張トレイアセンブリ34を追加することによって、プリンタユニット1の媒体収容能力が、1250枚のA4媒体のシートを収容できるよう3分の2だけ大きくなる。
【0105】
図18および19にさらに明瞭に示されているように、拡張トレイアセンブリ34は、プリンタユニット1を入れ子式の係合で受け入れるように構成されており、拡張トレイアセンブリ34の上縁35が、プリンタユニット1の基部を収容する凹状領域を画定するため、拡張トレイアセンブリの上面から外向きに隆起し、あるいは突き出している。この構成配置において、プリンタユニット1が、拡張トレイアセンブリ34上に入れ子状の構成でしっかりと支持され、拡張トレイアセンブリ34の上のプリンタユニット1の安定性が確保される。
【0106】
拡張トレイアセンブリ34は、大まかには、プリンタユニット1に関してすでに説明した形式の入力媒体トレイ4を受け入れるフレーム部36を備える。入力媒体トレイ4は、トレイに媒体を補充する必要が生じた場合に、ユーザーがトレイ4を把持してフレーム部36からスライドさせてトレイの内部へとアクセスできるよう、すでに述べた同じ様相にてハンドル9を有する。プリンタユニット1の入力媒体トレイと同様、拡張トレイアセンブリのトレイは、種々のサイズの媒体に調節可能である。
【0107】
図20を参照すると、さらに拡張トレイアセンブリ34は、用紙トレイに貯蔵された媒体を印字のためにプリンタユニット1の印刷エンジン3へと運ぶことができるようにするいくつかの要素を含む。この点に関し、拡張トレイアセンブリ34の上面が、その縁に沿って延びる媒体排出スロット37を有する。媒体排出スロット37は、プリンタユニットが拡張トレイアセンブリ34の上に配置されたときに、プリンタユニットの本体2の底面に形成された細長い開口18に整列するように構成されている。後述するように、排出スロット37は細長い開口18に整列することで、媒体のシートが拡張トレイアセンブリ34から印刷エンジン3へと通過することができる。
【0108】
拡張トレイアセンブリ34は、ピッカー機構38を、媒体排出スロット37の近傍の領域においてフレーム部36の内側に設けて有する。ピッカー機構は、媒体の最上位のシートを、入力媒体トレイ内に設けられた媒体の積層から取り上げて分離するために設けられている。ピッカー機構38は、ピッカーモータ39およびピッカーローラー40で構成され、プリンタユニット1に関してすでに説明した同じ様相で動作する。ピッカーローラー40は、D型ローラーの形態であって、ピッカーモータ39によってピッカー歯車42を介して回転させられる中心軸41に設けられている。さらに、搬送機構43が、ピッカー機構38から媒体のシートを受け取って、内部の媒体通路53を通って媒体排出スロット37からプリンタユニットの本体2へと送達するため、ピッカー機構38に隣接して設けられている。
【0109】
搬送機構は、搬送モータ44および搬送ローラー45を備え、プリンタユニット1に設けられた搬送ローラーに関してすでに説明した同じ様相で動作する。2つの搬送ローラー45が、搬送モータ44によって搬送歯車48を介して駆動される上部軸46に設けられている。案内要素49が、上部軸46の搬送ローラー45に隣接して設けられ、プリンタユニット1の上述の案内部材32と同じ様相で動作し、すなわち媒体のシートを共通の内部供給スロット29へと方向付けるよう動作する。さらに2つの搬送ローラー45が、やはり搬送モータ44によって第2の搬送歯車50を介して駆動される下部軸47に設けられている。この搬送ローラー45の目的については、以下でさらに詳しく説明する。
【0110】
ピッカーモータ39および搬送モータ44は、拡張トレイアセンブリ34のフレーム部36に設けられた制御システム51によって制御される。モータ39、44を動作させるための電力を受け取り、モータの動作を印刷エンジン3の印字要件に応じて制御すべく制御システム51のためのデータを受け取るため、電力およびデータ用の接点52が、拡張トレイアセンブリ34の上面に設けられている。電力およびデータ用の接点52は、プリンタユニット1が拡張トレイアセンブリ34へと載せられたとき、プリンタユニット1の下面に設けられた対応する電力およびデータ用の接点(図示されていない)と対をなすように構成されている。
【0111】
さらに拡張トレイアセンブリ34のフレーム部36は、搬送機構43に近接して設けられたアクセスフラップ54を含む。このようなアクセスフラップ54の目的は、この近傍での紙詰まりの場合に、拡張トレイアセンブリ34のこの領域へのアクセスを可能にすることにある。この点に関し、万一この領域において紙詰まりが生じた場合には、アクセスフラップ54を容易に動かして、ユニット全体を大きく分解する必要なく不具合を修正することができる。
【0112】
図21および22は、拡張トレイアセンブリ34の上に配置されたプリンタユニット1を、断面図で示している。図21から明らかに見て取れるように、拡張トレイアセンブリ34の上縁35が、内側にプリンタ本体2の基部を入れ子状の配置で受け入れるように構成されている。この方法において、プリンタ本体2の基部が、縁領域および縁領域を越えて突き出す中央領域を有しており、この中央領域が、拡張トレイアセンブリの上縁35の内側に収容される。この構成が、拡張トレイアセンブリの内部媒体通路53がプリンタユニットの本体を通って延びている共通の内部供給スロット29の延長部を構成するよう、拡張トレイアセンブリ34に形成された媒体排出スロット37と本体2の基部に設けられた細長い開口18との整列を助けている。
【0113】
図22は、媒体のシートを拡張トレイアセンブリ34の入力用紙トレイから前進させることができる方法を、さらに詳しく示している。すでに述べたように、ピッカーローラー40が、最上位のシートを分離させて、上部軸46の搬送ローラー45へと送達する。アイドルローラー55が案内要素49に設けられ、搬送ローラー45による搬送のために媒体のシートを捕らえるべく機能する。搬送ローラー45の作用のもとで、媒体のシートが内部媒体通路53に沿って媒体排出スロット37を出て、プリンタユニットの本体2の内部供給スロット29へと案内される。媒体のシートの前縁が、内部供給スロット29に沿ってこの実質的に垂直な経路を上方へと進み続けて、さらなる搬送ローラー26に接触し、これによって、さらに内部供給スロット29に沿って印刷エンジン3へと進められる。
【0114】
図22に明瞭に示されているように、拡張トレイアセンブリ34の底面に進入スロット56が設けられており、プリンタユニット1の媒体収容能力をさらに向上させるべく、システムにさらなる拡張トレイアセンブリを追加できるようにしている。この点に関し、拡張トレイアセンブリ34において下部軸47に設けられる搬送ローラー45の目的は、上述の方法にて拡張トレイアセンブリ34の直下に配置されるさらなる拡張トレイアセンブリから供給される媒体のシートのために、搬送設備を提供することにある。
【0115】
2つの拡張トレイアセンブリ34を使用するプリンタユニット1が、図23に示されている。理解されるとおり、使用される拡張トレイアセンブリ34の数は、プリンタユニット1の所望の収容能力にきわめて大きく依存する。使用される拡張トレイアセンブリ34の数を増やすことによって、プリンタユニット1の高さが増加し、したがってプリンタユニット1に、図24および25に示すような専用のスタンドユニット57を備えてもよい。
【0116】
本発明のこの実施形態においては、スタンドユニット57が、拡張トレイアセンブリ34が配置される様相に関してすでに説明した方法とほぼ同じ方法で、一番下の拡張トレイアセンブリ34を入れ子の構成で受け入れるように構成されている。スタンドユニット57の高さが、プリンタユニット1が複数の拡張トレイアセンブリ34を使用しつつ、依然としてユーザーがプリンタユニットを容易に使用でき、かつユーザーインターフェイスユニット7に容易にアクセスできる高さであることができるようにしている。スタンドユニット57は、机の空間を解放して、中心位置へと容易に配置することができる自己完結のスタンドアロンのユニットを提供するという追加の利点を有する。さらにスタンドユニット57は、図24に示すように、プリンタユニットによって使用するための媒体を貯蔵するための貯蔵能力を有することができる。この場合、スタンドユニット57の本体が、前部に形成されたドア58によってアクセスできる戸棚の形態であってもよい。プリンタユニットの媒体供給が補充を必要とする場合に、スタンドユニットの内部が、媒体を載せて貯蔵することができる棚(図示されていない)を含むことができる。さらに、図25に示すように、スタンドユニット57は、スタンドユニット57およびプリンタユニット1が整然としたスタンドアロンの印字ステーションであるよう、プリンタユニット1へと電力およびデータを供給する電力ケーブルおよびデータケーブルを覆うためのカバー手段59を含むことができる。
【0117】
すでに述べたように、本発明のプリンタユニット1は、受け取った印字ジョブの種類に応じて種々の印字タスクを実行できるネットワークプリンタユニットまたはワークグループプリンタユニットを提供できるようにする。この点に関し、プリンタユニット1は、標準的なモノクロの文字または画像を毎分60ページ(ppm)の速度で印字でき、フルカラーの写真画像を1600dpiおよび60ppmで印字できるインクジェットプリンタユニットである。図47に概略的に示されているように、使用時、プリンタユニット1は、すでに説明したデータ接続を介してコンピュータシステム102などの外部のソースからプリントデータを受信する。外部のコンピュータシステム102を、文書を受信し(ステップ103)、バッファし(ステップ104)、ラスタ化し(ステップ106)、次いでプリンタユニット1への伝達のために圧縮する(ステップ108)など、文書の印字に係る種々のステップを実行するようにプログラムすることができる。
【0118】
プリンタユニット1は、文書を外部のコンピュータシステム102から、圧縮された複数レイヤーのページ画像の形態で受け取り、プリンタユニット1内に設けられた制御システム51が、画像をバッファし(ステップ110)、次いでさらなる処理のために画像を拡大する(ステップ112)。拡大された連続階調層がディザリングされ(ステップ114)、次いで拡大ステップからの黒の層が、ディザリング済みの連続階調層へと合成される(ステップ116)。さらに、符号化されているデータをレンダリングして(ステップ118)、(所望であれば)人間の目にとって実質的に不可視である赤外インクを使用して印字されるさらなるレイヤーを形成してもよい。黒の層、ディザリング済みの連続階調層、および赤外レイヤーが組み合わされ(ステップ120)、印字のために印字ヘッド集積回路へと供給(ステップ122)されるページが形成される。
【0119】
この特定の構成においては、印字すべき文書に関するデータが、文字および線画のための高解像度の2値マスクレイヤーと、画像および背景色のための中解像度の連続階調カラー画像レイヤーとに分割されている。場合により、画像または一様な色から取り出したカラーデータで文字または線画をテクスチャ化するための中‐高解像度の連続階調テクスチャレイヤーを追加することによって、カラーの文字を支持することができる。この印字アーキテクチャは、これらの連続階調層を、画像データまたは一様色データと称することができる抽象的な「画像」および「テクスチャ」レイヤーに表わすことによって一般化する。このコンテンツにもとづくデータの複数レイヤーへの分割は、当業者であれば理解できるように、基本モードのミクスドラスターコンテント(MRC)モードに従っている。MRC基本モードと同様、この印字アーキテクチャは、印字すべきデータが重なり合ういくつかの場合において、中間物を作り出す。特に、一形態においては、すべての重なり合いが、中間物を明示的に具現化するプロセス(衝突回避)において、3レイヤーの表現へと還元される。
【0120】
すでに述べたように、データは、主としてソフトウェアベースのコンピュータシステム102によって実行される画像の前処理によって、圧縮された複数レイヤーのページ画像の形態でプリンタユニット1へと送達される。次に、プリンタユニット1が、このデータを、図48にさらに詳しく示されているような主としてハードウェアベースのシステムを使用して処理する。
【0121】
データを受け取ると、ディストリビュータ230が、そのデータを独自の表現からハードウェア特有の表現へと変換し、ハードウェア装置へのデータ伝達に関する制約または要件を観察して、データが確実に正しいハードウェア装置へと送られるようにする。ディストリビュータ230は、変換済みのデータを、複数のパイプライン232のうちの適切な1つへと分配する。パイプラインは互いに同一であり、基本的には、印字可能なドット出力一式を生成するため、解凍、スケーリング、およびドット合成の機能を提供する。
【0122】
各パイプライン232は、データを受け取るためのバッファ234を含む。連続階調復元装置236が、カラー連続階調平面を解凍し、マスク復元装置が、モノトーン(文字)レイヤーを解凍する。連続階調スケーラ240およびマスクスケーラ242が、上記ページが印字される媒体のサイズを考慮するため、解凍された連続階調平面およびマスク平面をそれぞれスケーリングする。
【0123】
次いで、スケーリングされた連続階調平面が、ディザ器244によってディザリングされる。一形態においては、確率論的分散ドットディザが使用される。クラスタドット(または、振幅変調)ディザと異なり、分散ドット(または、周波数変調)ディザは、目測によって空間的に統合されたとき、ほぼドット解像度の限界に至る高い空間周波数(すなわち、画像の詳細)を再現すると同時に、それらの完全な色の深さまでの低い空間周波数を再現する。確率論的ディザマトリクスは、画像全体へと貼り付けられたときに好ましくない低周波のパターンが比較的存在しないように、注意深く設計される。したがって、そのサイズは、典型的には、特定の数の強度レベルを支持するために必要な最小サイズ(例えば、257の強度レベルについて、16×16×8ビット)よりも大きい。
【0124】
次いで、ディザリングされた平面が、印字に適したドットデータをもたらすために、ドット対ドットの基準でドット合成装置246にて合成される。このデータが、データ配布・駆動用の電子機器248へと送られ、次いで電子機器248が、データを正しいノズルアクチュエータ250へと配布し、次いでノズルアクチュエータ250が、本明細書においてさらに詳しく後述する方法で、インクを正しい時期に正しいノズル252から放出させる。
【0125】
理解されるように、印字のために画像を処理すべくプリンタユニット1において使用される構成要素は、データが提示される方法に大きく依存する。この点に関し、より多くの処理をプリンタユニット1内で実行することによってコンピュータシステム102への依存を少なくするため、プリンタユニット1において、さらなるソフトウェアおよび/またはハードウェア構成要素を使用することが可能である。あるいは、プリンタユニット1において使用されるソフトウェアおよび/またはハードウェア構成要素を少なくして、プリンタユニット1において実行する処理を少なくし、プリンタユニット1へとデータを伝達する前に画像をより高度に処理するため、コンピュータシステム102に依存してもよい。これらのタスクを実行すべく本発明の制御システム51を構成する方法を、以下でさらに詳しく説明する。
【0126】
図12に示し、すでに説明したように、プリンタユニット1の印刷エンジン3は、カートリッジユニット20およびクレードルユニット21という2つの主たる部分で構成されるインクジェット印刷エンジンである。カートリッジユニット20が、クレードルユニット21内に収容されるべく構成され、係止アーム22によって適切な位置に係止される。
【0127】
図15を参照すると、カートリッジユニット20は、プリンタユニット1の入力媒体トレイ4および拡張トレイアセンブリ34から供給される媒体のシートへとインクを印字するための印字ヘッド集積回路60を収容する本体の形態である。さらに、カートリッジユニット20の本体は、印字ヘッド集積回路60による印字のためのインクを貯蔵するためのインク貯蔵用リザーバ61を収容している。印字ヘッド集積回路60は、印字対象の媒体の全幅にわたって延びるようカートリッジユニット20の本体の全長に沿って配置されたページ幅の印字ヘッド集積回路である。従来のインクジェットプリンタユニットと対照的に、本発明の印字ヘッド集積回路60は、動作の最中も適切な位置に固定され、媒体を走査することがなく、すなわち媒体を横切って移動することがない。したがって、本発明の印刷エンジンは、印字ヘッドが往復する従来からのプリンタシステムにおいて現時点で可能な速度に比べ、はるかに高速な印字速度を実現することが可能である。
【0128】
インク取り扱い・貯蔵用リザーバ61は、印字のための種々の種類のインクおよび印字用流体を個別に貯蔵する複数のポリエチレン膜ポケットの形態である。例えば、カートリッジユニット20に、フルカラー印字のためのシアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックのインク、ならびに特定の印字用途のための赤外インク、およびインクの定着を助けるインク固定剤を貯蔵するための6つの個別のポリエチレン膜リザーバを設けることができる。すでに述べたように、リザーバ61のそれぞれは、カートリッジユニット20の本体の周囲に形成された補充ポート23に設けられた対応する導入口と流通している。したがって、図13に示すようにインク補充ユニット24を補充ポート23に接触させ、圧力のもとでインクをリザーバ61へと送達することによって、リザーバ61へと個々に補充を行なうことができる。補充されるインクの完全性を保証するため、インク補充ユニット24に、カートリッジユニット20の本体に設けられる対応する読み取り器によって読み取られるQAチップを備えてもよい。補充を容易にするため、ポリエチレン膜リザーバ61は、注入時に流体を収容すべく膨張し、印字プロセスにおいてインク/流体が消費されるにつれてリザーバが潰れるように構成される。インク貯蔵用リザーバ61が、当業者であれば理解できるようにインクをカートリッジユニット20の本体内に個々に貯蔵できる他の形態であってもよいことを、理解できる。
【0129】
リザーバ61に貯蔵されたインクおよび印字用の流体は、特定の色のインクまたは固定剤など特定の流体を運ぶように構成された一連の管路を介して、印字ヘッド集積回路60へと送達される。このようなシステムは、流体が印字ヘッド集積回路60の全長に沿って設けられた正しいインク送出ノズルへと配布されるように保証する。これを達成する方法、およびカートリッジユニット20の全体構成が、本件出願の出願人による出願事件番号RRA01US〜RRA33USの米国特許出願に記載されており、これらの開示は、すべて参照として本明細書に組み込まれるものとする。上記出願は、それらの出願事件番号によって特定されているが、対応する出願番号が割り当てられたならば、それら出願番号にて置き換える予定である。
【0130】
すでに述べたように、カートリッジユニット20の印字ヘッド集積回路60は、標準的なA4またはUSレター用紙の幅を有する媒体と等価である最大約21.6cmに至る種々の幅の印字媒体を収容するため、約22.4cm(8.8インチ)の幅に広がるように構成されたページ幅の印字ヘッド集積回路である。しかしながら、プリンタユニット1の動作要件および使用が予定される印字媒体の種類に大きく依存して、ページ幅の印字ヘッド集積回路を、より大きな幅、またはより小さな幅を有するように製造してもよいことを、理解できる。所望の幅を実現するため、印字ヘッド集積回路60を、それぞれに複数のインク送出ノズルが設けられている1つ以上の集積回路を隣接して取り付けて製作してもよい。
【0131】
次に、ノズルおよび対応するアクチュエータを備える本発明における使用に適した印字ヘッドのノズル機構の種類の例を、図26〜35を参照して説明する。図35は、シリコン基板8015上に形成されたノズル機構801のアレイを示している。ノズル機構801のそれぞれが同一である一方で、ノズル機構801のグループが、異なる色のインクまたは固定剤の供給を受けるように構成されている。この点に関し、ノズル機構が、列に配置されるとともに、互いにずらされており、印字の際に単列のノズルにおいて可能な間隔よりも密なインクドット間の間隔を可能にしている。このような構成は、上述のようにノズルの密集を提供可能にしている。さらに、複数の列は、(所望であれば)冗長性を可能にし、ノズルあたりの所定の故障率を許容している。
【0132】
各ノズル機構801は、集積回路製造技術の産物である。特には、ノズル機構801が、マイクロ電気機械システム(MEMS)を規定している。
【0133】
分かり易さのため、および説明を容易にするため、ただ1つのノズル機構801について、構成および動作を図26〜34を参照して説明する。
【0134】
インクジェット印字ヘッドチップ60は、0.35ミクロン 1 P4M 12ボルトCMOSマイクロプロセシング電子機器が配置されるシリコンウエハ基板8015を含む。
【0135】
二酸化ケイ素(あるいは、ガラス)層8017が、基板8015上に位置している。二酸化ケイ素層8017は、CMOS絶縁層を規定している。CMOS最上位金属が、二酸化ケイ素層8017上に位置する整列した一対のアルミニウム電極コンタクト層8030を規定している。シリコンウエハ基板8015および二酸化ケイ素層8017の両者は、おおむね円形の断面(平面において)を有するインク導入チャネル8014を規定すべくエッチングされている。CMOS金属1、CMOS金属2/3、およびCMOS最上位金属のアルミニウム拡散バリア8028が、インク導入チャネル8014の周囲で二酸化ケイ素層8017に配置されている。拡散バリア8028は、駆動用電子機器層8017のCMOS酸化物層を通っての水酸化物イオンの拡散を防止するように機能する。
【0136】
窒化ケイ素の層8031の形態であるパッシベーション層が、アルミニウムコンタクト層8030および二酸化ケイ素層8017を覆って位置している。パッシベーション層8031のうち、コンタクト層8030の上方に位置する各部位は、コンタクト8030へのアクセスを提供するための開口8032を自身に規定して有する。
【0137】
ノズル機構801は、環状のノズル壁8033によって規定されたノズル室8029を含み、ノズル室8029は、上端において、ノズル屋根8034および平面において円形である半径方向内側のノズルリム804で終息している。インク導入チャネル8014が、ノズル室8029と流通している。ノズル壁の下端には、可動シールリップ8040を含む可動リム8010が位置している。囲み壁8038が、可動ノズルを囲んでおり、ノズルが図26に示すように静止しているときに可動リム8010に隣接する静止シールリップ8039を含む。静止シールリップ8039と可動シールリップ8040との間に捕らえられたインクの表面張力によって、流体シール8011が形成されている。これが、室からのインクの漏れを防止する一方で、囲み壁8038とノズル壁8033との間に低抵抗の結合をもたらしている。
【0138】
図33に最もよく示されているように、放射状に延びる複数の凹所8035が、ノズルリム804の周囲において屋根8034に規定されている。凹所8035は、ノズルリム804を過ぎて逃げ出すインクの結果としての半径方向のインク流れを封じ込めるべく機能する。
【0139】
ノズル壁8033は、おおむねU字の形状を有して基部8037において窒化ケイ素層8031に取り付けられたキャリア8036に取り付けられたレバー構成の一部を形成している。
【0140】
さらにレバー構成は、ノズル壁から延び、横補強梁8022が組み込まれているレバーアーム8018を含む。レバーアーム8018は、チッ化チタン(TiN)から形成されて図29および34に最もよく示されているようにノズル機構の両側に位置している一対の受動梁806に取り付けられている。受動梁806の他端は、キャリア8036に取り付けられている。
【0141】
さらにレバーアーム8018は、TiNから形成されたアクチュエータ梁807に取り付けられている。このアクチュエータ梁への取り付けが、受動梁806への取り付けと比べて、わずかではあるが決定的に高い位置において行われている点に、注目できる。
【0142】
図26および32に最もよく示されているように、アクチュエータ梁807は、平面において実質的にU字であり、電極809と対向する電極8041との間の電流経路を定めている。電極809および8041のそれぞれは、コンタクト層8030内のそれぞれの点に電気的に接続されている。コンタクト809を介して電気的に接続されると同時に、アクチュエータ梁は、アンカ808へと機械的に係止されている。アンカ808は、ノズル機構の動作時に、図26〜28の左方へのアクチュエータ梁807の運動を束縛するように構成されている。
【0143】
アクチュエータ梁807のTiNは導電性であるが、充分に高い電気抵抗を有しており、電流が電極809および8041の間を通過するとき、自ら発熱する。受動梁806を通って電流が流れることはなく、したがって受動梁806は膨張しない。
【0144】
使用時、静止状態にある装置は、表面張力の作用下でメニスカス803を規定するインク8013によって満たされている。インクは、メニスカスによって室8029内に保持され、他の何らかの物理的作用が存在しないとき、漏れ出すことはほとんどない。
【0145】
図27に示すように、インクをノズルから発射するため、電流がコンタクト809および8041の間に通され、アクチュエータ梁807を通過する。梁807の抵抗による梁807自身の発熱が、梁の膨張を生じさせる。アクチュエータ梁807の寸法および設計は、膨張の大部分が図26〜28に関して水平方向であることを意味している。左方への膨張はアンカ808によって制限されており、したがってアクチュエータ梁807のレバーアーム8018に近い方の端部が、右方へと駆動される。
【0146】
受動梁806は、相対的に水平方向の柔軟性を欠くため、レバーアーム8018の大きな水平方向の移動を許さない。一方で、受動梁およびアクチュエータ梁のそれぞれのレバーアームへの取り付け点が相対的に変位するため、ねじり運動が引き起こされ、レバーアーム8018がおおむね下方へと動かされる。この運動は、実質的に枢動またはヒンジ運動である。しかしながら、真の枢支点が存在していないことが、この回転が受動梁806の曲がりによって定められる枢支領域を中心とすることを意味している。
【0147】
レバーアーム8018の下方への運動(および、わずかな回転)が、ノズル壁8033の受動梁806からの距離によって増幅される。ノズル壁および屋根の下方への運動が、室8029内の圧力を上昇させ、図27に示すようにメニスカスの隆起を生じさせる。インクの表面張力が、この運動によって流体シール8011がインクの漏れ出しを許すことなく引き伸ばされることを意味する点に、注目できる。
【0148】
図28に示すように、適切な時点において駆動電流が停止され、アクチュエータ梁807が速やかに冷却して収縮する。この収縮によって、レバーアームの休止位置への復帰が開始され、結果として室8029内の圧力の低下が生じる。隆起したインクのモーメントおよびその固有の表面張力の相互作用、ならびにノズル室8029の上方への運動によって引き起こされる負の圧力が、隆起メニスカスの薄化、および最終的には放出を生じさせ、隣接の印字媒体に接するまで上方へと動き続けるインク滴802を規定する。
【0149】
滴802が離れた直後に、メニスカス803は、図28に示す凹状の形状を形成する。表面張力が、インクが導入口8014を通って上方へと吸い込まれて、ノズル機構およびインクを図26に示した静止状態へと戻すまで、室8029の圧力を比較的低く保つ。
【0150】
上述の構成において、カートリッジユニット20の印字ヘッド集積回路60は、5000〜100,000個の上述のノズルを、その表面に沿って配置して有することができる。低‐中解像度の簡単な単色印字用途においては、ページ幅の印字ヘッド集積回路60は、所望の画像または文字を印字するために、その全長に沿って約5000個のノズルを配置するだけでもよい。一方で、1600dpiまたは1600dpi程度の写真品質の画像については、印字ヘッド集積回路60が、各色につき13824個のノズルを有する可能性がある。したがって、プリンタユニット1が4色(C、M、Y、K)で印字を行なうことができる場合、印字ヘッド集積回路60は、その表面に沿って約53396個のノズルを配置して有する。さらに、印字ヘッド集積回路60が6つの印字用流体(C、M、Y、K、IR、および固定剤)を印字できる場合、結果として印字ヘッド集積回路60の表面に82944個のノズルが設けられる。
【0151】
次に、媒体へとインクを送出すべく印字ヘッド集積回路60において個々のノズル機構801を制御する方法を、図36〜39を参照して説明する。
【0152】
図36は、印字ヘッド集積回路60、および印刷エンジン3の制御システムへの印字ヘッド集積回路60の接続について、概要を示している。上述のとおり、印字ヘッド集積回路60は、各ノズルの発射を行なうための繰り返しロジックを含むノズルコアアレイ401、およびノズルの発射を行うためにタイミング信号を生成するためのノズル制御ロジック402を含む。ノズル制御ロジック402が、高速リンクを介して制御システムからデータを受け取る。
【0153】
ノズル制御ロジック402は、電気コネクタの形態であってもよいリンク407を介して、印字のためにノズルアレイコアへとシリアルデータを送るように構成されている。ノズルアレイコア401についての状態および他の動作上の情報が、やはり電気コネクタに設けることができる他のリンク408を介して、ノズル制御ロジック402へと返信される。
【0154】
ノズルアレイコア401が、図37および38にさらに詳しく示されている。図37において、ノズルアレイコア401がノズル列501のアレイを備えることが見て取れる。アレイは、発射/選択シフトレジスタ502および最大6つのカラーチャネルを含み、それぞれのカラーチャネルが、対応するドットシフトレジスタ503によって表わされている。
【0155】
図38に示されているように、発射/選択シフトレジスタ502は、順方向路発射シフトレジスタ600、逆方向路発射シフトレジスタ601、および選択シフトレジスタ602を含む。各ドットシフトレジスタ503は、奇数ドットシフトレジスタ603および偶数ドットシフトレジスタ604を含む。奇数および偶数ドットシフトレジスタ603および604は、データが一方向において奇数シフトレジスタ603によってクロックされ、次いで逆方向において偶数シフトレジスタ604によってクロックされるように、一端において接続されている。最後の偶数ドットシフトレジスタを除くすべての偶数ドットシフトレジスタの出力が、マルチプレクサ605の1つの入力へと供給される。マルチプレクサのこの入力は、製造後検査の際に信号(corescan)によって選択される。通常の動作においては、corescan信号が、マルチプレクサ605の他方の入力へと供給されるドットデータ入力Dot[x]を選択する。これにより、各色についてのDot[x]が、それぞれのドットシフトレジスタ503へと供給される。
【0156】
次に、1つの列Nを、図38を参照して説明する。図示の実施形態においては、列Nが、6つのドットシフトレジスタのそれぞれのための奇数データ値606および偶数データ値607を備える12のデータ値を含む。さらに列Nは、進み発射シフトレジスタ600からの奇数発射値608、および戻り発射シフトレジスタ601からの偶数発射値609を含み、これらが入力としてマルチプレクサ610へと供給される。マルチプレクサ610の出力は、選択シフトレジスタ602の選択値611によって制御される。選択値がゼロであるとき、奇数発射値が出力され、選択値が1であるとき、偶数発射値が出力される。
【0157】
奇数および偶数データ値606および607のそれぞれが、対応する奇数ドットラッチ612および偶数ドットラッチ613にそれぞれ入力として供給される。
【0158】
各ドットラッチおよびその関連のデータ値が、単位セル614などの単位セルを形成する。単位セルは、図39にさらに詳しく示されている。ドットラッチ612は、奇数ドットシフトレジスタ603の要素を構成しているD型フリップ‐フロップ614によって保持されたデータ値606の出力を受け付けるD型フリップ‐フロップである。フリップ‐フロップ614へと入力されるデータは、奇数ドットシフトレジスタの先の要素の出力から供給される(上記要素がシフトレジスタの第1の要素である場合には、その入力はDot[x]値である)。データは、LsyncLに供給される負のパルスが受け取られたとき、フリップ‐フロップ614の出力からラッチ612へとクロックされる。
【0159】
ラッチ612の出力は、3入力ANDゲート615への入力の1つとして供給される。ANDゲート615への他の入力は、Fr信号(マルチプレクサ610の出力から)およびパルスプロファイル信号Prである。ノズルの発射時間は、パルスプロファイル信号Prによって制御され、例えば、低い電力供給ゆえに生じる低電圧条件(着脱式の電源の実施形態において)を考慮に入れるため、長くすることができる。これにより、発射時に各ノズルから比較的一貫した量のインクが効率的に放射されるように保証される。上述の実施形態においては、プロファイル信号Prが各ドットシフトレジスタについて同じであり、複雑さ、コスト、および性能の間のバランスをもたらしている。しかしながら、他の実施形態においては、Pr信号を全体的に印加(すなわち、すべてのノズルについて同じ)することができ、あるいは各単位セルまたは各ノズルに合わせて個々に作成することも可能である。
【0160】
ひとたびデータがラッチ612に装填されると、発射許可信号Frおよびパルスプロファイル信号Prが、ANDゲート615に加えられて重ね合わされ、ロジック1を収容している各ラッチ612について、インクのドットを打ち出すべくノズルを動作させる。
【0161】
各ノズルチャネルについての信号を、以下の表に要約する。
【表3】
図39に示されているように、発射信号Frは斜めに引き回されており、現在の列において色の発射を可能にし、次の列の次の色の発射を可能にし、以下同様である。これは、時間を遅延させる方法で6つの列にわたって分散させることで、電流の需要を平均化している。
【0162】
ドットラッチおよび種々のシフトレジスタを形成しているラッチは、この実施形態においては完全にスタティックであり、CMOSにもとづいている。ラッチの設計および構成は、集積回路の工学および設計の技術分野の当業者にとって既知であり、したがって本明細書にて詳しく説明することはしない。
【0163】
ノズルの速度は、約60ppmで印字を行なうことができるプリンタユニット1においては20kHzにもなり、より高速な場合には、それ以上になりうる。このノズル速度の範囲において、印字ヘッド60の全体によって発射されうるインクの量は、少なくとも毎秒5000万滴である。しかしながら、高速かつ高品質の印字を提供すべくノズルの数が増やされているため、少なくとも毎分1億個の滴、好ましくは少なくとも毎分3億個の滴、さらに好ましくは少なくとも毎分10億個の滴を、送出することができる。
【0164】
したがって、このような速度での印字に対応するため、印刷エンジンの制御システムは、各ノズルがインク滴を発射するか否かを、少なくとも毎秒5000万ドットの速度で計算しなければならず、高速かつ高品質な印字用途においては、印字速度に応じて、少なくとも毎秒1億ドット、好ましくは少なくとも毎秒3億ドット、さらに好ましくは少なくとも毎秒10億ドットの速度で計算しなければならない。
【0165】
A4用紙の最大幅にて印字を行うプリンタユニット1においては、上述のノズル数および印字速度の範囲が、少なくとも毎秒50cm2の面積印字速度をもたらし、高速においては、印字速度に応じて、少なくとも毎秒100cm2、好ましくは少なくとも毎秒200cm2、さらに好ましくは少なくとも毎秒500cm2の面積印字速度をもたらす。
【0166】
理解されるとおり、この構成においては、カートリッジユニット20が、インクおよび他の印字用流体を貯蔵して、印刷エンジン制御システムの制御のもとでインク/印字用流体を媒体の表面へと送出するように特に設計されている。この点に関し、印字ヘッド集積回路60の1つ以上のノズルが故障した場合、または印字ヘッド集積回路60へとインクを送達する管路に何らかの問題が生じた場合に、印刷エンジン3の全体を交換する必要なく、カートリッジユニット20を容易に交換することができる。
【0167】
図15を参照すると、クレードルユニット21が、印刷エンジン3の第2の部分を形成しており、媒体出力領域6の上方の高い位置でプリンタユニットの本体2内に固定されている。カバー19が、印刷エンジン3を覆って設けられており、印刷エンジン3へのアクセスを可能にすべく開放位置へと枢動される。この位置において、クレードルユニット21は、デジタルカメラまたはネットワーク上の1つ以上のパーソナルコンピュータなどの外部のデータソースから、プリンタユニットの本体2に設けたデータコネクタを介してデータを受け取ることができる。同様に、電力を、適切な電気接続(図示されていない)を介して電力取り入れ口10からクレードルユニット21へと供給し、必要に応じて関連のシステム構成要素へと分配することができる。
【0168】
図12に示されているように、制御データおよび電力をカートリッジユニット20へと伝えることができるよう、クレードルユニット21には、クレードルユニット21の長さに沿って配置された複数の電気接点62が設けられており、これらの電気接点62が、クレードルユニット21へとカートリッジユニット20が挿入されたときに、カートリッジユニット20の長さに沿って設けられた対応する電気接点(図示されていない)と対をなす。この点に関し、クレードルユニット21は、内部にカートリッジユニット20を収容するように形作られている。
【0169】
クレードルユニット21の本体は、印刷エンジン3を通って用紙を搬送するための駆動モータ63、駆動ローラー64、およびピンチローラー65を備える。また、非使用時に印字ヘッド集積回路60をキャッピングし、さらにカートリッジユニット20の印字ヘッド集積回路60に対して他の形式の保守を実行するための印字ヘッド保守ユニット66が設けられている。さらに、クレードルユニットは、プリンタユニット1の全体動作を制御するために必要とされる電子機器を含む制御システム67を収容している。
【0170】
駆動モータ63は、双方向能力を有する標準的なブラシレスDCモータである。駆動モータ63は、歯車によって駆動ローラー64に係合し、印字ヘッド集積回路60を通過する印字媒体の送達を制御するため、駆動ローラー64へと駆動の運動を提供する。すでに述べたように、プリンタユニット1および拡張トレイアセンブリ34の搬送ローラー26、45が媒体を印刷エンジン3へと送達するが、印刷エンジン3に達すると、次いで媒体は、駆動モータ63および駆動ローラー64の作用のもとで印字のために印字ヘッド集積回路60を通過して進められる。この点に関し、モータ63による駆動ローラー64の駆動速度は、用紙がこの実施形態においては60ppmの速度である所望の速度に精密に制御された様相で印字ヘッド60を通過して送られるよう、制御システム67によって制御される。駆動ローラー64がピンチローラー65に係合し、ローラー64、65が協働して媒体のシートを捕らえ、媒体を印字ヘッド集積回路60を通過して前進させる。
【0171】
さらにクレードルユニット21には、やはり歯車によって駆動モータ63に係合した印字ヘッド保守ユニット66が設けられている。印字ヘッド保守ユニット66は、カートリッジユニット20の印字ヘッド集積回路60をキャップするための位置へと動かされるようなっているされたキャッピング要素を含む。そのような場合、プリンタユニット1のアイドル状態が検出されると、制御システム67が、印字ヘッド保守ユニット66と駆動モータ63との係合を開始させ、印字ヘッド保守ユニット66を印字ヘッド集積回路60とのキャッピング係合へと移動させる。キャッピング係合は、基本的には、印字ヘッド集積回路60のインク送出ノズルの周囲の周辺シールを構成し、インク送出ノズル内に存在するインクからの水分の蒸発を少なくし、インクの乾燥およびノズルの詰まりを防止する。同様に、印字が着手されたと判断されると、制御システム67が印字ヘッド集積回路60からのキャップの取り外しを開始し、印字ヘッド保守ユニット66を非キャップ位置へと戻すことができるようにする。さらに、印字ヘッド保守ユニット66が、必要に応じて印字ヘッド60のふき取りまたは吸い取りなど、他の特徴を実行してもよい。
【0172】
すでに間接的に述べられているとおり、クレードルユニットの制御システム67が、プリンタユニット1の種々の構成要素の動作を制御し、外部のソースから受信した印字データを処理して、上記データを印字すべく印字ヘッド集積回路60を制御する。図40が、このシステムの一実施形態のブロック図を提示している。
【0173】
この構成においては、制御システム67が、小規模事業所用プリンタエンジンチップ(SoPEC)に具現化されている。図示のとおり、SoPECデバイスは、中央処理装置(CPU)サブシステム301、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)サブシステム302、および印刷エンジンパイプライン(PEP)サブシステム303という、3つの個別のサブシステムで構成されている。
【0174】
CPUサブシステム301は、他のサブシステムのすべての様相を制御および設定するCPUを含む。CPUサブシステム301は、プリンタユニット1のすべての要素の互いのやり取りおよび同期について全般的な支持を提供し、QAチップへの低速通信を制御する。さらにCPUサブシステム301は、汎用入出力(GPIO、モータの制御を含む)、割り込みコントローラユニット(ICU)、LSSマスタ、および汎用タイマーなど、CPUを助けるための種々の周辺装置を含む。CPUサブシステムのシリアル通信ブロック(SCB)が、フルスピードのUSB1.1インターフェイスをホストへと提供するとともに、SoPEC間インターフェイス(ISI)を他のSoPECデバイス(図示されていない)へと提供する。
【0175】
DRAMサブシステム302は、CPU、シリアル通信ブロック(SCB)、およびPEPサブシステム内の各ブロックからの要求を受け付ける。DRAMサブシステム302、特にはDRAMインターフェイスユニット(DIU)が、種々の要求を仲裁し、どの要求がDRAMへのアクセスを勝ち取るべきかを判定する。DIUは、すべての要求者についてDRAMへの充分なアクセスを可能にするよう、設定されたパラメータにもとづいて仲裁をおこなう。さらに、DIUは、ページサイズ、バンク数、およびリフレッシュレートなど、DRAMの実装の詳細が表に出ないようにする。
【0176】
印刷エンジンパイプライン(PEP)サブシステム303は、圧縮されたページをDRAMから受け取り、それらを印字ヘッドと直接通信する印字ヘッドインターフェイス(PHI)へと向けられた所与の印字ラインのための2値のドットへとレンダリングする。ページ拡大パイプラインの第1段は、連続階調デコーダユニット(CDU)、ロスレス2値デコーダ(LBD)、および必要であればタグエンコーダ(TE)である。CDUが、JPEG圧縮された連続階調(典型的には、CMYK)レイヤーを拡大し、LBDが、圧縮された2値レイヤー(典型的には、K)を拡大し、プリンタユニット1がネットページ能力を有する場合には、TEが、後の(典型的には、IRインクまたはKインクでの)レンダリングのためにネットページタグをエンコードする。第1段からの出力は、バッファ一式、すなわち連続階調FIFOユニット(CFU)、スポットFIFOユニット(SFU)、およびタグFIFOユニット(TFU)である。CFUバッファおよびSFUバッファは、DRAMに実装されている。
【0177】
第2段は、ハーフトーン合成ユニット(HCU)であり、連続階調層をディザリングし、得られる2値ディザ済みレイヤーに位置タグおよび2値スポットレイヤーを合成する。
【0178】
いくつかの合成の選択肢を、上記SoPECデバイスと一緒に使用されている印字ヘッドに応じて実装することができる。この段階から、最大6チャネルの2値データが生み出されるが、すべてのチャネルが印字ヘッドに存在していなくてもよい。例えば、印字ヘッドがCMYのみであって、KがCMYチャネルへと押し込まれ、IRが無視されてもよい。あるいは、IRインクが利用できない場合(または、検査の目的の場合)には、エンコードされたタグを、Kで印字してもよい。
【0179】
第3段においては、故障ノズル補償器(DNC)が、色の冗長性および故障ノズルのデータの周囲のドットへの誤差拡散によって、印字ヘッド内の故障ノズルを補償する。
【0180】
得られた2値6チャネルのドットデータ(典型的には、CMYK、赤外、固定剤)がバッファリングされ、ドットラインライタユニット(DWU)を介してDRAMに保存された線バッファ一式に書き込まれる。
【0181】
最後に、ドットデータが再びDRAMから取り出され、ドットFIFOを介して印字ヘッドインターフェイスへと渡される。ドットFIFOがシステムのクロックレート(pclk)で線ローダーユニット(LLU)からデータを受け取る一方で、印字ヘッドインターフェイス(PHI)がFIFOからデータを取り去り、システムのクロックレートの2/3倍の速度で印字ヘッドへと送る。
【0182】
好ましい形態においては、DRAMが、2.5Mバイトのサイズであり、そのうちの約2Mバイトが、圧縮されたページ保存データのために利用可能である。圧縮されたページは、2つ以上のバンドにて受信され、バンドの数がメモリに保存される。ページのバンドが、印字のためにPEPサブシステム303によって消費されたとき、新たなバンドをダウンロードすることができる。新たなバンドは、現在のページのためのものであってもよく、あるいは次のページのためのものであってもよい。
【0183】
バンドを使用することによって、圧縮されたページの全体がダウンロードされる前に、ページの印字を開始することが可能になるが、データが印字のために常に利用可能であり、あるいはバッファアンダーランが生じることがないよう、注意を払わなければならない。
【0184】
組み込みのUSBデバイスが、ホストPCから圧縮されたページデータおよび制御コマンドを受け付け、DRAM(または、後述のように、多SoPECシステムにおける他のSoPECデバイス)へのデータ伝達を促進する。
【0185】
他の実施形態においては、複数のSoPECデバイスを使用することができ、特定の実装に応じて種々の機能を実行することができる。例えば、いくつかの場合においては、SoPECデバイスを、単に自身の搭載するDRAMのために使用することができる一方で、他のSoPECデバイスを、上述の種々の解凍およびフォーマット機能に向けることができる。これは、プリンタがページの印字を上記ページのすべてのデータを受け取る前に開始し、かつ残りのデータが時間内に受信されない場合に生じうるバッファアンダーランの可能性を少なくする。そのメモリバッファ能力のために別のSoPECデバイスを追加することで、追加のチップの他の能力のいずれもが使用されなくても、バッファできるデータの量が2倍になる。
【0186】
各SoPECシステムは、プリンタ機械の品質を保証し、印字の際に印字ヘッドのノズルが損傷しないようインク供給の品質を保証し、印字ヘッドおよび機械が損傷しないようソフトウェアの品質を保証するため、互いに協働するように設計されたいくつかの品質保証(QA)装置を有することができる。
【0187】
通常は、各印字SoPECが、最大印字速度などの情報プリンタ属性を保存する関連のプリンタQAを有する。システムにおいて使用されるインクカートリッジも、残りのインクの量などのカートリッジ情報を保存するインクQAチップを含む。印字ヘッドも、ROM(有効には、EEPROM)として機能するように構成され、故障ノズルのマッピングおよび印字ヘッドの特性などの印字ヘッド詳細情報を保存するQAチップを有する。SoPECデバイスのCPUは、場合により、実質的にシリアルEEPROMとして機能するQAチップからプログラムコードを読み込んで実行することができる。最後に、SoPECデバイスのCPUは、論理QAチップ(すなわち、ソフトウェアQAチップ)を動作させる。
【0188】
通常は、システムのすべてのQAチップは物理的に同一であり、フラッシュメモリの内容のみがお互いを区別している。
【0189】
各SoPECデバイスは、システム認証およびインク使用計算のためQA装置と通信できる2つのLSSシステムバスを有する。バスごとに多数のQA装置を使用することができ、それらのシステムにおける位置は、プリンタQA装置とインクQA装置とが個別のLSSバスに位置すべきである点を除き、制約はされていない。
【0190】
使用時、論理QAが、残りのインクを割り出すためにインクQAと通信する。インクQAからの回答が、プリンタQAに関して認証される。プリンタQAからの確認そのものが論理QAによって認証され、インクQAからの回答に追加の認証レベルを間接的に加える。
【0191】
印字ヘッドQA以外のQAチップ間で渡されるデータは、デジタル署名によって認証される。好ましい実施形態においては、データについてHMAC‐SHA1認証が使用され、プログラムコードについてRSAが使用されるが、他の仕組みを代わりに使用してもよい。
【0192】
理解されるように、制御システム67のSoPECデバイスが、このようにしてプリンタユニット1の全体の動作を制御し、基本的なデータ処理のタスクを実行し、印字媒体の取り扱いを促進すべくプリンタユニット1の個々の構成要素の動作の同期および制御を実行する。この点に関し、制御システム67のSoPECデバイスが、拡張トレイアセンブリ34に設けられた制御システム51へと制御信号を送信して、拡張トレイアセンブリ34から印刷エンジン3への媒体の送達を制御することができる。
【0193】
図15に示してすでに説明したように、クレードルユニット21の本体は、印字のための媒体を受け取るため、導入口31を印字ヘッド集積回路60の上流に設けて有する。導入口31は、搬送ローラー26によって送達される印字媒体の前縁を受け取り、印字媒体の前縁を駆動ローラー64およびピンチローラー65に向けて案内するうえで役に立つ案内部材32を含む。
【0194】
排出口68が、印字ヘッド集積回路60の下流においてクレードルユニット21の本体に設けられ、印字媒体に印刷エンジン3から出るための経路を提供している。この点に関し、印字ヘッド集積回路60による印字の後に、印字済み媒体の前縁が、駆動ローラー64およびピンチローラー65の作用のもとで排出口68を通って印刷エンジン3から出る。印字済み媒体を媒体出力領域6へと送り出すため、用紙出口機構69が、排出口68に隣接して設けられている。
【0195】
用紙出口機構69は、プリンタユニット1のカバー19に形成することができ、あるいはプリンタユニット2のクレードルユニット21の外表面に形成することができ、出口ローラー70および複数のアイドラホイール71で構成される。出口ローラー70は、クレードルユニット21を横切って延びる細長い軸によって設けられ、媒体の把持を助けるためゴム材料などを備える外殻を有することができる。出口ローラー70は、駆動歯車(図示されていない)を介してクレードルユニット21の駆動モータ63によって駆動される。この構成において、クレードルユニット21の制御システム51が、用紙出口機構69の動作を、確実にクレードルユニット21の駆動ローラー64の速度およびタイミングに対応する適切な時期および速度で開始されるように制御することができる。
【0196】
用紙出口機構69のアイドラホイール71は、印字済み媒体を捕捉して媒体出力領域6へと送達するため、出口ローラー70と協働して機能する。アイドラホイール71は、出口ローラー70の表面に回転接触するよう、柔軟に取り付けられている。図13に示されているように、アイドラホイール71は、媒体を捕捉するべく出口ローラー70の表面に当接して回転するように、出口ローラー70に沿って規則的な間隔で配置することができるスターホイールの形態である。
【0197】
用紙出口機構69を、印刷エンジン3の外部にあるものとして示して説明したが、用紙出口機構を印刷エンジン3の内部に取り入れてもよいと考えられることを、理解すべきである。さらに、用紙出口機構69が、スターホイールを有するものとして示されているが、当業者にとって明らかであって依然として本発明の技術的範囲に包含されるとおり、他の種類のアイドラホイールまたはローラーを使用してもよい。
【0198】
上述のように、本発明は、種々の色および品質の要件を有する複数のジョブを受け取って印字するため、ネットワークまたはワークグループ環境において使用することができるインクジェットプリンタユニット1にある。しかしながら、さらに本発明が、多目的のプリンタユニットを提供するため画像読み取り器またはスキャナなどの他の機能を取り入れていてもよい。
【0199】
図41に示すように、代案となる実施形態において、プリンタユニット1は、本体2に形成されたフォトカード導入口72を含む。フォトカード導入口72によって、ユーザーは、従来からのデジタルカメラなどからフォトカードを取り出し、導入口72へと直接挿入することができる。この点に関し、クレードルユニットの制御システム51が、フォトカードから画像データを受け取り、上記データを印字のために処理することができる。フォトカードを受け入れるための導入口72を設けることで、写真画像を遠方のコンピュータを介してプリンタユニット1へと送信する必要なく、写真をプリンタユニット1によって容易に印字することができる。
【0200】
図42〜44は、本発明のさらに他の実施形態を示しており、プリンタユニットが、フラットベッドスキャナユニットの形態の画像読み取り装置73を含む。図示のとおり、画像読み取り装置73が、プリンタユニットの上面5に設けられており、画像読み取り装置73の蓋74が、印刷エンジン3から印字済み媒体を収集する媒体出力領域6を形成している。
【0201】
図43にさらに明らかに示されているように、画像読み取り装置73の蓋74は、画像読み取り器76による読み取りのために文書を載せることができる読み取り面75へのアクセスを提供するため、上方へと枢動可能である。読み取り面75は、読み取りのために文書を表を下にして置くことができる平坦なガラス面である。この点に関し、蓋74は、読み取り対象の文書に接触して読み取りプロセスの最中に文書の位置を確実に維持するうえで役に立つパッド77を、内面に備えることができる。パッド77は、発泡材料から製作でき、読み取りプロセスを助ける一貫した背景を提供するため、典型的には白色である。
【0202】
図44にさらに明らかであるように、画像読み取り装置73の画像読み取り器76は、読み取り対象の文書を横切って移動して、文書上に形成されている画像に関するデータを収集するスキャナーヘッドの形態である。スキャナーヘッドを構成する方法は、当業者には周知であり、画像読み取り器76が、読み取り面75の下方中央に配置されたベルト78に沿って移動する。この種の画像読み取り装置は、当分野においてよく理解されており、本件出願においてさらに詳しく説明することはしない。
【0203】
本発明のこの実施形態において、画像を画像読み取り装置73によってスキャンすることができ、スキャンした画像に関するデータを、処理のためにカートリッジユニット20の制御システム51へと送ることができる。画像の処理に続いて、制御システム51は、適切な媒体上に画像の印字を開始することができ、印字された文書を、媒体出力領域6から収集することができる。プリンタユニット1が、フルカラーの写真品質の画像を60ppmの速度で提供できるため、文書、特には写真画像を、既存のインクジェット装置ではこれまで不可能であった速度で容易にコピーすることができる。あるいは、スキャンした画像に関するデータを、印字工程を行うことなくプリンタユニット1から遠方のコンピュータへと送信してもよく、これは、ユーザーインターフェイスユニットによってユーザーから受け取った指令に従って制御システム51によって実行できる。図45および46に示されているように、プリンタユニット1に、各ページを個々に読み取り面75へと配置する必要なく複数ページの文書の読み取りを可能にする自動文書供給器79を設けることができる。このような供給器79は、当分野において周知である。
【0204】
本発明を、本発明の典型的な実施形態を参照して図示および説明したが、本発明の技術的範囲および技術的思想から離れることなく、さまざまな変更が当業者にとって明らかであり、当業者であればそのような変更を容易に行なうことができる。したがって、添付の特許請求の範囲の技術的範囲は、本明細書において記載した説明に限定されるものではなく、特許請求の範囲は広く解釈されるべきものである。
【図面の簡単な説明】
【0205】
【図1】本発明の一実施形態によるプリンタユニットの前面斜視図である。
【図2】図1のプリンタユニットの後面斜視図である。
【図3】図1のプリンタユニットの正面図である。
【図4】図1のプリンタユニットの背面図である。
【図5】図1のプリンタユニットの側面図である。
【図6】図5に示したプリンタユニットの側面と反対側の側面を示す図1のプリンタユニットの側面図である。
【図7】図1のプリンタユニットの上面図である。
【図8】図1のプリンタユニットの底面図である。
【図9】上部媒体トレイが途中まで引き出されている状態を示す図1のプリンタユニットの前面斜視図である。
【図10】下部媒体トレイが途中まで引き出されている状態を示す図1のプリンタユニットの前面斜視図である。
【図11】印字のための媒体を手動で供給するため手動供給機構が使用されている状態を示す図1のプリンタユニットの後面斜視図である。
【図12】カバーが開かれカートリッジユニットが印刷エンジンから取り去られている状態を示す図1のプリンタユニットの後面斜視図である。
【図13】インク補充ユニットが、印刷エンジンのカートリッジユニットの補充を行うために使用されている状態を示す図1のプリンタユニットの前面斜視図である。
【図14】図3のプリンタユニットの断面図である。
【図15】プリンタユニットにより使用されている媒体取り扱い機構をよりわかりやすく示した図14の拡大図である。
【図16】手動供給機構の使用を示した図14のプリンタユニットの断面図である。
【図17】印字のためにさらなる媒体を供給するための拡張トレイアセンブリが使用されている状態を示す図1のプリンタユニットの前面斜視図である。
【図18】図17の構成の前面分解斜視図である。
【図19】図17の構成の後面分解斜視図である。
【図20】図17の拡張トレイの部分断面後面斜視図である。
【図21】図17のプリンタユニット構成の断面図である。
【図22】媒体が拡張トレイからプリンタユニットへと搬送される様相をよりわかりやすく示した図21の拡大図である。
【図23】印字のためにプリンタユニットへとさらなる媒体を供給するために2つの拡張トレイアセンブリが使用されている状態を示す図1のプリンタユニットの前面斜視図である。
【図24】印字のためにプリンタユニットへとさらなる媒体を供給するために3つの拡張トレイアセンブリが使用され、スタンドユニット上に直立姿勢に支持された状態を示す図1のプリンタユニットの前面斜視図である。
【図25】図24の構成の後面斜視図である。
【図26】本発明において使用されるインクを排出するための、静止状態にある1つのノズルの縦断面図である。
【図27】初期の動作段階の最中にある図26のノズルの縦断面図である。
【図28】より後期の動作段階にある図27のノズルの縦断面図である。
【図29】図28に示した動作状態にある図18のノズルの斜視部分縦断面図である。
【図30】インクを省略した図26のノズルの斜視縦断面図である。
【図31】図30のノズルの縦断面図である。
【図32】図27に示した動作状態にある図26のノズルの斜視部分縦断面図である。
【図33】図26のノズルの平面図である。
【図34】分かり易くするためレバーアームおよび可動ノズルが取り除かれた図26のノズルの平面図である。
【図35】図26に示した形式の複数のノズル機構を取り入れる印字ヘッド集積回路の一部分についての斜視縦断面図である。
【図36】本発明において使用するために適したCMOS駆動および制御ブロックを示す概略図である。
【図37】図36のCMOSブロックにおけるノズル列とドットシフトレジスタとの間の関係を示す概略図である。
【図38】単位セルならびにその図37のノズル列およびドットシフトレジスタとの関係を示すさらに詳細な概略図である。
【図39】本発明における使用に適した1つのプリンタノズルについての論理を示す回路図である。
【図40】本発明のプリンタユニットにおいて使用される制御システムの一実施形態を示すブロック図である。
【図41】印字のためにフォトカードを受け入れるための導入口を有する図1のプリンタユニットの前面斜視図である。
【図42】画像読み取り装置が取り入れられている図1のプリンタユニットの前面斜視図である。
【図43】画像読み取り装置の蓋が途中まで開かれ、読み取りのために文書を受け入れるための画像読み取り面が示された図42のプリンタユニットの前面斜視図である。
【図44】図42のプリンタユニットの前面断面図である。
【図45】読み取りのため画像読み取り装置へと文書を供給するための自動文書供給機を有する図42のプリンタユニットの前面斜視図である。
【図46】図45のプリンタユニットの他の前面斜視図である。
【図47】本発明のプリンタユニットを取り入れる印字システムにおける文書データの流れの概略図である。
【図48】本発明のプリンタユニットの制御システムにおいて使用されるアーキテクチャの一実施形態を示すさらに詳細な概略図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像入力装置からの画像を印字するためのプリンタユニットに関し、特に、印字用の画像データを受け取るために画像入力装置へと容易に接続できる一体化データコネクタを有するプリンタユニットに関する。
[同時係属中の出願]
以下の出願が、本件出願の出願人によって本件出願と同時に出願されている。
【表1】
これら同時係属中の出願の開示は、参照として本明細書に組み込まれたものとする。上記の出願は、それらの出願時の事件整理番号によって特定されているが、対応する出願番号が割り当てられ次第、事件整理番号を割り当てられた出願番号に置き換える予定である。
【0002】
[関連出願への相互参照]
本件発明の出願人または譲受人によって出願された以下の特許または特許出願は、参照として本明細書に組み込まれたものとする。
【表2】
いくつかの出願は、事件整理番号によって列挙されている。これらは、出願番号が明らかになった時点で置き換える予定である。
【背景技術】
【0003】
国際公開公報第00/64679号において、本件出願の出願人によって開発され提案されているプリンタなど、例えば少なくとも1インチ当たり1200ドットかつ毎分30ページ超の印字を行う高速かつ高品質なプリンタが開発されるとともに、印字ヘッドアセンブリを通過する印字媒体に高精度の送りおよび取り扱いを提供することが必要になっている。これは、そのようなプリンタが、印字媒体が印字ヘッドを通過するときに印字媒体へと直接印字を行うために、印字媒体のシートの全幅にわたって延びる走査の不要なページ幅の印字ヘッドを使用しているためである。したがって、印字媒体の経路を正確に制御することが、良好な印字品質を確保するために必須である。これは、両面印字が2つの隣接する印字ヘッドを使用することによって提供される場合に特に当てはまる。
【0004】
したがって、再印字の必要を生じさせて高速な印字能力の提供という利点を損ないうる複数ページの同時供給などを警戒するため、印字ヘッドへと供給される印字媒体について異常の存在を検出するというニーズが存在する。
【0005】
伝統的に、プリンタユニットは、電子文書および画像を印字のためにプリンタユニットへと容易にダウンロードできるようにするため、自宅およびオフィス環境においてパーソナルコンピュータへと接続されるべく使用されてきた。典型的には、標準的な接続ケーブルが、プリンタユニットをコンピュータへと接続するために設けられ、そのようなケーブルは、一般的には、画像データの伝達のための電気的接続を確立するため、プリンタに設けられた標準的なソケットおよびコンピュータに組み合わされたソケットと対をなすように構成されている。
【0006】
このような接続システムは、プリンタユニットをコンピュータなどの恒久的または半恒久的な画像ソースへと接続するためには充分であるが、典型的には特有の接続リードを必要とするデジタルカメラなどの携帯型の画像ソースの間の電気的接続を容易に確立するためには、適していない。
【0007】
ビデオ画像や静止画像を生成できるデジタルカメラは、主として使用が容易であること、および画像がフィルムのロールにではなく電子的に保存されることから、ますます一般的になってきている。この点に関し、保存された画像について従来からの写真を生成するためには、画像がカメラから画像プリンタへとダウンロードされ、画像プリンタにおいて画像が写真用紙などの媒体へと印字される。これは、カメラから画像を受け取って、選択された画像を適切なサイズの用紙へと印字するための専用のプリンタユニットが設けられている小売店において実行することができる。そのような小売店においては、プリンタユニットからプリンタユニットへの画像データの伝送を容易にするため、カメラを専用のプリンタユニットのある位置にドッキングさせることができ、あるいは提供されるケーブルによって接続することができる。プリンタユニットが、そのような作業を実行するために専用であるため、典型的にはプリンタユニットに、市販の種々のデジタルカメラに適合するよう幅広い範囲のコネクタが設けられている。
【0008】
最近では、デジタルカメラなどの携帯型のソースから画像データを受け取り、そのようなソースからの画像を印字することができる市販のプリンタユニットが、多数導入されるようになっている。典型的には、そのようなプリンタユニットには、携帯型のソースに設けられた接続ケーブルを受け入れて、印字のために画像を伝達すべく携帯型のソースとプリンタユニットとの通信を可能にする標準的なソケットが設けられている。これらの場合において、携帯型のソースをプリンタユニットへと接続するために接続ケーブルが必要とされる場合、ユーザーが接続ケーブルを容易に入手できなければならず、すなわちユーザーがケーブルを携行する必要がある。この点に関し、便利さの点で、ユーザーが常にカメラと一緒にケーブルを持ち運ぶとは限らず、あるいは接続ケーブルを置き忘れる可能性があり、印字を促進するために代わりのケーブルの利用が必要とされる可能性がある。
【0009】
したがって、デジタルカメラなどの画像入力装置からデータを受け取ることができるプリンタユニットであって、印字のために画像入力装置から画像データを受け取るためにコネクタ要素を一体に備えるプリンタユニットを提供する必要がある。
【発明の開示】
【0010】
第1の態様において、本発明は、ネットワーク環境において使用するためのインクジェットプリンタユニットであって、
印字のための媒体の1つ以上のシートを供給するための少なくとも1つの媒体入力トレイと、
媒体のシートへと画像を印字するための印刷エンジンであって、取り外し可能なページ幅のインクジェット印字ヘッドを含む印刷エンジンと、
印字のため上記少なくとも1つの媒体入力トレイから上記印刷エンジンへと媒体のシートを送達するための配送路と、
を有する本体を備え、
上記本体の基部が、印字のための媒体の1つ以上のシートを供給するための少なくとも1つの補助媒体入力トレイを受け入れるように構成され、上記基部に、上記配送路を通って上記印刷エンジンへと送達するべく媒体のシートを上記補助媒体入力トレイから受け入れるための開口が設けられているインクジェットプリンタユニットを提供する。
【0011】
場合により、上記本体の基部が、縁部分および中央部分を備え、中央部分が縁部分よりも突き出している。
【0012】
場合により、上記中央部分が、上記補助媒体入力トレイに設けられた凹所に受け入れられる。
【0013】
場合により、上記開口が、上記基部の縁部分に形成されている。
【0014】
場合により、上記配送路が、上記開口から上記印刷エンジンまで延びている。
【0015】
場合により、上記開口が、上記配送路に直接連通しており、上記開口によって受け入れられた媒体のシートが上記配送路に受け入れられる。
場合により、上記配送路が、媒体のシートを上記印刷エンジンへと送達するための1つ以上の搬送ローラーを備える。
【0016】
場合により、上記印刷エンジンが、制御システムを備え、上記制御システムが、上記印刷エンジンへの媒体のシートの配送を制御するため上記1つ以上の搬送ローラーの動作を制御する。
【0017】
場合により、上記印刷エンジンが、上記配送路から媒体のシートを受け入れるための導入口を備え、上記配送路が、媒体のシートを上記導入口へと送達するように構成されている。
【0018】
場合により、上記印刷エンジンがカートリッジを備え、上記ページ幅の印字ヘッドが、上記カートリッジに設けられている。
【0019】
場合により、上記カートリッジが、上記ページ幅の印字ヘッドによる印字のためのインクを貯蔵するための1つ以上のインク貯蔵用リザーバを備える。
【0020】
場合により、上記カートリッジを上記印刷エンジンから取り外すことができる。
【0021】
場合により、上記印刷エンジンがクレードルを備え、上記クレードルが、上記カートリッジを受け入れるように構成されている。
【0022】
場合により、上記クレードルが、上記本体に取り付けられ、上記配送路からの媒体のシートを受け入れるための導入口を含む。
【0023】
さらなる態様においては、上記印刷エンジンが着脱式のカートリッジをさらに備えるインクジェットプリンタユニットであって、画像入力装置から画像データを受け取るためのデータ入力手段をさらに備え、上記データ入力手段が、上記画像入力装置へと接続して印字のため上記画像入力装置から上記印刷エンジンへの上記画像データの伝達を容易にするように上記プリンタユニットから引き延ばすことができるコネクタを含むインクジェットプリンタユニットが提供される。
【0024】
さらなる態様においては、印字のため上記印刷エンジンへと媒体の1つ以上のシートを供給するための少なくとも1つの補助媒体入力トレイであって、上記本体を上に載せて支持するようになっている少なくとも1つの補助媒体入力トレイをさらに備え、上記印刷エンジンが、上記媒体の表面へとインクを排出するため少なくとも30000個のインク送出ノズルが配置されるページ幅の印字ヘッドを含むインクジェットプリンタユニットが提供される。
【0025】
さらなる態様においては、上記印刷エンジンが上記印字ヘッドの動作を制御するための制御システムを有するインクジェットプリンタユニットであって、印字のため上記印刷エンジンへと媒体の1つ以上のシートを供給するための、上記本体を上に載せて支持するようになっている少なくとも1つの補助媒体入力トレイをさらに備え、
上記印字ヘッドに、媒体の表面へとインクの個々の滴を排出するための複数のインク排出ノズルが配置されており、上記制御システムが、少なくとも毎秒5000万回の判断を行う速度で、ノズルがインク滴を排出するか否かを判断するインクジェットプリンタユニットが提供される。
【0026】
第2の態様において、本発明は、
画像入力装置から画像データを受け取るためのデータ入力手段と、
上記画像データに関する画像を印字するための印刷エンジンであって、カートリッジおよびページ幅の印字ヘッドを備え、上記ページ幅の印字ヘッドが、上記カートリッジについて着脱可能である印刷エンジンと
を備えるプリンタユニットであって、
上記印刷エンジンが、上記データ入力手段が、上記画像入力装置へと接続して印字のため上記画像入力装置から上記印刷エンジンへの上記画像データの伝達を容易にするように上記プリンタユニットから引き延ばすことができるコネクタを含むプリンタユニットを提供する。
【0027】
場合により、上記コネクタが、上記画像入力装置へと接続されていないときに、実質的に上記プリンタユニットの内部に収容されるように引き込み可能である。
【0028】
場合により、上記コネクタが、電気ケーブルおよびプラグを備える。
【0029】
場合により、上記プラグが、上記画像入力装置に設けられたソケット内に受け入れられるようになっている。
【0030】
場合により、上記電気ケーブルがUSBケーブルである。
【0031】
場合により、上記コネクタが、ピクトブリッジコネクタである。
【0032】
場合により、上記画像入力装置がデジタルカメラである。
【0033】
場合により、上記カートリッジが、上記ページ幅の印字ヘッドによる印字のためのインクを貯蔵するための1つ以上のインク貯蔵用リザーバを備える。
【0034】
場合により、上記印刷エンジンがクレードルを備え、上記クレードルが、上記カートリッジを受け入れるように構成されている。
【0035】
さらなる態様においては、
印字のための媒体の1つ以上のシートを供給するための少なくとも1つの媒体入力トレイと、印字のため上記少なくとも1つの媒体入力トレイから上記印刷エンジンへと媒体のシートを送達するための配送路と、を有する本体を備え、
上記本体の基部が、印字のための媒体の1つ以上のシートを供給するための少なくとも1つの補助媒体入力トレイを受け入れるように構成され、上記基部に、上記配送路を通って上記印刷エンジンへと送達するべく媒体のシートを上記補助媒体入力トレイから受け入れるための開口が設けられているインクジェットプリンタユニットが提供される。
【0036】
さらなる態様においては、
印字のための媒体の1つ以上のシートを供給するための少なくとも1つの媒体入力トレイと、
印字のため上記印刷エンジンへと媒体の1つ以上のシートを供給するための少なくとも1つの補助媒体入力トレイであって、上記本体を上に載せて支持するようになっている少なくとも1つの補助媒体入力トレイと、を有する本体をさらに備え、
上記印刷エンジンが、上記媒体の表面へとインクを排出するため少なくとも30000個のインク送出ノズルが配置されるページ幅の印字ヘッドを含むインクジェットプリンタユニットが提供される。
【0037】
さらなる態様においては、上記印刷エンジンが上記印字ヘッドの動作を制御するための制御システムを有するインクジェットプリンタユニットであって、
印字のための媒体の1つ以上のシートを供給するための少なくとも1つの媒体入力トレイと、
印字のため上記印刷エンジンへと媒体の1つ以上のシートを供給するための少なくとも1つの補助媒体入力トレイであって、上記本体を上に載せて支持するようになっている少なくとも1つの補助媒体入力トレイと、を有する本体をさらに備え、
上記印字ヘッドに、媒体の表面へとインクの個々の滴を排出するための複数のインク排出ノズルが配置されており、上記制御システムが、少なくとも毎秒5000万回の判断を行う速度で、ノズルがインク滴を排出するか否かを判断するインクジェットプリンタユニットが提供される。
【0038】
第3の態様において、本発明は、ネットワーク環境において使用するためのインクジェットプリンタユニットであって、本体を備え、上記本体が、
印字のための媒体の1つ以上のシートを供給するための少なくとも1つの媒体入力トレイと、
媒体のシートへと画像を印字するための印刷エンジンと、
印字のため上記印刷エンジンへと媒体の1つ以上のシートを供給するための少なくとも1つの補助媒体入力トレイであって、上記本体を上に載せて支持するようになっている少なくとも1つの補助媒体入力トレイと、
を有しており、
上記印刷エンジンが、上記媒体の表面へとインクを排出するため少なくとも30000個のインク送出ノズルが配置されるページ幅の印字ヘッドを含むインクジェットプリンタユニットを提供する。
【0039】
場合により、上記ページ幅の印字ヘッドに、上記媒体の表面へとインクを排出するため少なくとも10,000個のインク送出ノズルが配置されている。
【0040】
場合により、上記ページ幅の印字ヘッドに、上記媒体の表面へとインクを排出するため少なくとも20,000個のインク送出ノズルが配置されている。
【0041】
場合により、上記ページ幅の印字ヘッドに、上記媒体の表面へとインクを排出するため少なくとも50,000個のインク送出ノズルが配置されている。
【0042】
場合により、上記印刷エンジンがカートリッジを備え、上記ページ幅の印字ヘッドが、上記カートリッジに設けられている。
【0043】
場合により、上記カートリッジが、上記ページ幅の印字ヘッドによる印字のためのインクを貯蔵するための1つ以上のインク貯蔵用リザーバを備える。
【0044】
場合により、上記カートリッジを上記印刷エンジンから取り外すことができる。
【0045】
場合により、上記印刷エンジンがクレードルを備え、上記クレードルが、上記カートリッジを受け入れるように構成されている。
【0046】
場合により、上記クレードルが、上記本体に取り付けられ、上記カートリッジを上記クレードルの内部に固定するための固定機構を含む。
【0047】
場合により、上記本体が、上記補助媒体入力トレイの表面上に支持され、上記本体が上記表面に入れ子状の構成で係合する。
【0048】
場合により、上記本体の底部に、上記補助媒体入力トレイから供給される媒体の1つ以上のシートを受け入れるための細長い開口が設けられている。
【0049】
場合により、上記補助媒体入力トレイによって供給される媒体の1つ以上のシートが、上記細長い開口から上記本体内に形成された配送路を通って上記印刷エンジンへと送達される。
【0050】
場合により、上記配送路が、媒体の1つ以上のシートを上記印刷エンジンへと搬送するための1つ以上の搬送ローラーを備える。
【0051】
場合により、上記プリンタユニットの本体の上記媒体入力トレイによって供給される媒体の1つ以上のシートが、上記本体内に形成された配送路を通って上記入力媒体トレイから上記印刷エンジンへと送達される。
【0052】
場合により、上記搬送ローラーが、上記印刷エンジンへの媒体のシートの送達速度を制御するため、上記印刷エンジンに設けられた制御システムによって制御される。
【0053】
場合により、上記印刷エンジンが、上記配送路を通って送達される媒体のシートを受け入れるための導入口を備える。
【0054】
場合により、上記印刷エンジンが、上記導入口を通じて媒体のシートを受け取って、上記シートを印字のために上記ページ幅の印字ヘッドを通過して送るための駆動機構を備える。
【0055】
場合により、上記駆動機構が、駆動ローラーおよびピンチローラーを備え、上記駆動ローラーが、上記印刷エンジンの制御システムの制御のもとで印刷エンジンモータによって駆動される。
【0056】
場合により、上記印刷エンジンが、上記ページ幅の印字ヘッドの下流に配置された出口機構であって、印字済み媒体のシートを受け取って上記シートを収集のための収集領域へと送達するための出口機構を備える。
【0057】
場合により、上記出口機構が、出口ローラーおよびアイドラホイールを備え、上記出口ローラーが、上記印刷エンジンの制御システムの制御のもとで印刷エンジンモータによって駆動される。
【0058】
さらなる態様においては、上記印刷エンジンが着脱式であるページ幅のインクジェット印字ヘッドを含むインクジェットプリンタユニットであって、印字のため上記少なくとも1つの媒体入力トレイから上記印刷エンジンへと媒体のシートを送達するための配送路をさらに備え、上記本体の基部が、印字のための媒体の1つ以上のシートを供給するための少なくとも1つの補助媒体入力トレイを受け入れるように構成され、上記基部に、上記配送路を通って上記印刷エンジンへと送達するべく媒体のシートを上記補助媒体入力トレイから受け入れるための開口が設けられているインクジェットプリンタユニットが提供される。
【0059】
さらなる態様においては、上記印刷エンジンが、カートリッジと上記カートリッジに対して着脱可能であるページ幅の印字ヘッドとを含むインクジェットプリンタユニットであって、画像入力装置から画像データを受け取るためのデータ入力手段をさらに備え、上記データ入力手段が、上記画像入力装置へと接続して印字のため上記画像入力装置から上記印刷エンジンへの上記画像データの伝達を容易にするように上記プリンタユニットから引き延ばすことができるコネクタを含むインクジェットプリンタユニットが提供される。
【0060】
さらなる態様においては、上記印刷エンジンが上記印字ヘッドの動作を制御するための制御システムを含むインクジェットプリンタユニットであって、
印字のため上記印刷エンジンへと媒体の1つ以上のシートを供給するための少なくとも1つの補助媒体入力トレイをさらに備え、上記補助媒体入力トレイが、上記本体を上に載せて支持するようになっており、上記印字ヘッドに、媒体の表面へとインクの個々の滴を排出するための複数のインク排出ノズルが配置されており、上記制御システムが、少なくとも毎秒5000万回の判断を行う速度で、ノズルがインク滴を排出するか否かを判断するインクジェットプリンタユニットが提供される。
【0061】
第4の態様において、本発明は、
印字のための媒体の1つ以上のシートを供給するための少なくとも1つの媒体入力トレイ、ならびに上記媒体へと画像を印字するための印字ヘッドおよび上記印字ヘッドの動作を制御するための制御システムを有する印刷エンジン、を有する本体と、
印字のため上記印刷エンジンへと媒体の1つ以上のシートを供給するための少なくとも1つの補助媒体入力トレイであって、上記本体を上に載せて支持するようになっている少なくとも1つの補助媒体入力トレイと、
を備えるインクジェットプリンタユニットであって、
上記印字ヘッドに、媒体の表面へとインクの個々の滴を排出するための複数のインク排出ノズルが配置されており、上記制御システムが、少なくとも毎秒5000万回の判断を行う速度で、ノズルがインク滴を排出するか否かを判断するインクジェットプリンタユニットを提供する。
【0062】
場合により、上記印字ヘッドに、媒体の表面へとインクの個々の滴を排出するための複数のインク排出ノズルが配置されており、上記制御システムが、少なくとも毎秒1億回の判断を行う速度で、ノズルがインク滴を排出するか否かを判断する。
【0063】
場合により、上記印字ヘッドに、媒体の表面へとインクの個々の滴を排出するための複数のインク排出ノズルが配置されており、上記制御システムが、少なくとも毎秒3億回の判断を行う速度で、ノズルがインク滴を排出するか否かを判断する。
【0064】
場合により、上記印字ヘッドに、媒体の表面へとインクの個々の滴を排出するための複数のインク排出ノズルが配置されており、上記制御システムが、少なくとも毎秒10億回の判断を行う速度で、ノズルがインク滴を排出するか否かを判断する。
【0065】
場合により、上記印字ヘッドがページ幅の印字ヘッドである。
【0066】
場合により、上記印刷エンジンがカートリッジを備え、上記印字ヘッドが、上記カートリッジに設けられている。
【0067】
場合により、上記カートリッジが、上記印字ヘッドによる印字のためのインクを貯蔵するための1つ以上のインク貯蔵用リザーバを備える。
【0068】
場合により、上記カートリッジを上記印刷エンジンから取り外すことができる。
【0069】
場合により、上記印刷エンジンがクレードルを備え、上記クレードルが、上記カートリッジを受け入れるように構成されている。
【0070】
場合により、上記クレードルが、上記本体に取り付けられ、上記カートリッジを上記クレードルの内部に固定するための固定機構を含む。
【0071】
場合により、上記本体が、上記補助媒体入力トレイの表面上に支持され、上記本体が上記表面に入れ子状の構成で係合する。
【0072】
場合により、上記本体の底部に、上記補助媒体入力トレイから供給される媒体の1つ以上のシートを受け入れるための細長い開口が設けられている。
【0073】
場合により、上記補助媒体入力トレイによって供給される媒体の1つ以上のシートが、上記細長い開口から上記本体内に形成された配送路を通って上記印刷エンジンへと送達される。
【0074】
場合により、上記配送路が、媒体の1つ以上のシートを上記印刷エンジンへと搬送するための1つ以上の搬送ローラーを備える。
【0075】
場合により、上記プリンタユニットの本体の上記媒体入力トレイによって供給される媒体の1つ以上のシートが、上記本体内に形成された配送路を通って上記入力媒体トレイから上記印刷エンジンへと送達される。
【0076】
場合により、上記搬送ローラーが、上記印刷エンジンへの媒体のシートの送達速度を制御するため、上記制御システムによって制御される。
【0077】
場合により、上記印刷エンジンが、上記配送路を通って送達される媒体のシートを受け入れるための導入口を備える。
【0078】
場合により、上記印刷エンジンが、上記導入口を通じて媒体のシートを受け取って、上記シートを印字のために上記ページ幅の印字ヘッドを通過して送るための駆動機構を備える。
【0079】
場合により、上記駆動機構が、駆動ローラーおよびピンチローラーを備え、上記駆動ローラーが、上記印刷エンジンの制御システムの制御のもとで印刷エンジンモータによって駆動される。
【0080】
場合により、上記印刷エンジンが、上記ページ幅の印字ヘッドの下流に配置された出口機構であって、印字済み媒体のシートを受け取って上記シートを収集のための収集領域へと送達するための出口機構を備える。
【0081】
場合により、上記出口機構が、出口ローラーおよびアイドラホイールを備え、上記出口ローラーが、上記印刷エンジンの制御システムの制御のもとで印刷エンジンモータによって駆動される。
【0082】
さらなる態様においては、上記印字ヘッドが着脱式のページ幅のインクジェット印字ヘッドであるインクジェットプリンタユニットであって、印字のため上記少なくとも1つの媒体入力トレイから上記印刷エンジンへと媒体のシートを送達するための配送路をさらに備え、上記本体の基部が、印字のための媒体の1つ以上のシートを供給するための少なくとも1つの補助媒体入力トレイを受け入れるように構成され、上記基部に、上記配送路を通って上記印刷エンジンへと送達するべく媒体のシートを上記補助媒体入力トレイから受け入れるための開口が設けられているインクジェットプリンタユニットが提供される。
【0083】
さらなる態様においては、上記印刷エンジンが、カートリッジと上記カートリッジに対して着脱可能であるページ幅の印字ヘッドとを備えるインクジェットプリンタユニットであって、画像入力装置から画像データを受け取るためのデータ入力手段をさらに備え、上記データ入力手段が、上記画像入力装置へと接続して印字のため上記画像入力装置から上記印刷エンジンへの上記画像データの伝達を容易にするように上記プリンタユニットから引き延ばすことができるコネクタを含むインクジェットプリンタユニットが提供される。
【0084】
さらなる態様においては、上記印字ヘッドが、上記媒体の表面へとインクを排出するため少なくとも30000個のインク送出ノズルが配置されるページ幅の印字ヘッドであるインクジェットプリンタユニットが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0085】
図1〜10に示されているように、典型的な形態において、本発明は、1つ以上のソースから印字ジョブを受け取り、それらジョブを高速かつ少なくとも1600dpiのフルカラー写真品質で印字するためにネットワークまたはワークグループにおいて使用することができるインクジェットプリンタユニット1に具現化されている。以下の詳細な説明および特許請求の範囲において、印字速度特にはppmという用語について述べるときはすべて、フルプロセスカラー画像(スポットカラーではない)で印字されたページを指し、上記ページの少なくとも80%が画像で覆われている必要があると理解すべきである。例えば、60ppmの印字が可能なプリンタユニットとは、印字媒体について、フルプロセスカラーで印字され、画像が少なくとも80%を占めているページを、1分間に60ページ印字を行うことができるプリンタユニットを指す。したがって、既存のプリンタユニットとの比較はすべて、この印字の要件にもとづいて行われる。
【0086】
プリンタユニット1は、印刷エンジン3と、上記印刷エンジン3による印字のための媒体の供給源を貯蔵するための2つの入力媒体トレイ4とを収容すべく構成された実質的に矩形の本体2を有する。本体2は、上面5が印刷エンジン3による印字後に印字済み媒体を収集するための媒体出力領域6を形成するように構成されている。この構成配置において、プリンタユニット1は、古典的な写真サイズの媒体、ならびにA4サイズの媒体およびU.S.リーガルサイズ(8.5インチ×14インチ)の媒体など、幅広いサイズの媒体に対応するように寸法および形状付けられている。
【0087】
図3により明瞭に示されているように、プリンタユニット1の前部には、LCDタッチスクリーンの形式であってもよいユーザーインターフェイスユニット7が設けられている。ユーザーインターフェイスユニット7は、ユーザーへと情報を伝えるとともに、ユーザーが表示画面上の選択肢を選択することによってプリンタユニット1の動作を制御すべくプリンタユニット1へと直接情報を入力できるようにしている。ユーザーインターフェイスユニット7がユーザーへと表示できる情報の種類、およびユーザーがプリンタユニットへと入力できる情報の種類は、さまざまであってもよいが、典型的には、プリンタユニット1に貯蔵されたインクの状態または紙詰まりなどの修正の必要性、などに関連でき、さらにはインク再充填手順に関する情報であってもよい。タッチスクリーンLCDの使用は、表示を特定の言語にあわせてプログラムでき、おそらくは上記プリンタユニットが使用される国に特有である個別の印または文字をプリンタユニット1上に設ける必要がなくなるため、ユーザーインターフェイスとして特に有益である。しかしながら、ユーザーインターフェイスユニット7が、従来からのボタンなど、ユーザーとプリンタユニット1とのやり取りを可能にするいくつかある種々の形態であってもよいことを、理解すべきである。
【0088】
入力媒体トレイ4は、プリンタユニット1の前部からアクセスされ、したがってトレイ4の前面8が、プリンタユニット2の前面の大部分を形成している。図9および図10に示されているように、入力媒体トレイ4は、媒体を印刷エンジン3による印字のためにトレイへと装填できるよう、トレイの内部へのアクセスを可能にするため、本体2から外向きにスライドするように構成されている。この点に関し、トレイ4の前面8には、トレイの内部へのアクセスに必要なスライド動作を容易にすべく、トレイ4の把持を可能にするためのハンドル9が設けられている。トレイ4の内部は、種々のサイズの媒体を収容するように構成され、図示のとおり、上部トレイの容量が下部トレイの容量よりも小さくなるように構成されており、すなわち上部トレイが250枚のシートを収容することができ、下部トレイが500枚のシートを収容することができる。しかしながら、トレイの収容能力がさまざまであってもよく、場合によりは両トレイが同じ収容能力を有してもよいことを、理解すべきである。
【0089】
図4に示されているように、プリンタユニット1の後部は、電力およびデータの接続を、電力取り入れ口10およびネットワークイーサネットソケット11(「イーサネット」は登録商標)ならびにUSBデバイスソケット12の形態で含む。電力取り入れ口10は、プリンタユニット1を、動作電力を受け取るために電源コンセントへと接続できるようにしており、この動作電力を、後に本明細書にて明らかにされるプリンタユニット1の種々の構成要素を動作させるべく、分配することができる。同様に、プリンタユニット1を、さまざまなユーザーが印字のためにプリンタユニット1へと印字ジョブを送信することができるよう、ネットワークイーサネットソケット11またはUSBデバイスソケット12を介して、1つ以上のコンピュータ端末へと接続することができる。これを制御する方法については、本明細書においてさらに詳しく後述する。
【0090】
図5に示されているように、ピクトブリッジ(pictbridge)コネクタ13が、本体2の印刷エンジン3を収容している領域から離れて、本体2の側面に設けられている。ピクトブリッジコネクタ13は、プリンタユニット1と典型的にはデジタルカメラまたはレコーダである画像入力装置との間の直接接続を提供する。この点に関し、デジタルカメラを、プリンタユニット1へと容易に接続することができ、デジタルカメラから写真画像をダウンロードして、写真品質の媒体へと高速フルカラー写真画像を印字できるプリンタユニット1によって印字することができ、標準的な写真を迅速かつ容易に生み出すことができる。
【0091】
一形態においては、ピクトブリッジコネクタ13は、プリンタユニットの本体2から容易に引き出してデジタルカメラなどに設けられた適当なソケットへと接続できる引き込み可能なコード配置の形態である。これは、デジタルカメラをプリンタユニット1へと接続するためにユーザーが個別の接続コードを用意しなくてもよいようにしている。何故ならば、そのような個別のコードは、多くの場合、ユーザーにとってカメラと一緒に携行することが容易ではなく、ユーザーがカメラからの写真を容易に印字することを妨げる可能性があるためである。コネクタ13は、プリンタユニットの本体2の内部に巻き取られる電気ケーブルであって、一端においてプリンタユニットの制御システムに接続され、自由端においてプラグ部分を終端とする電気ケーブルを含むことができる。この電気ケーブルを本体から引き出して、プラグ部分をデジタルカメラなどに設けられた適切なポートに収容することができ、これら2つの装置間の電気通信を容易に行なうことができる。この点に関し、ケーブルは、標準的なUSBケーブルおよびプラグであってもよく、デジタルカメラに設けられた標準的なUSBポートに収容される。
【0092】
図6および11に示されているように、プリンタユニット1の印刷エンジン3に近接する方の側面には、さもなければ入力媒体トレイ4から印刷エンジン3へと搬送することが困難であると考えられる厚い媒体を印字のために印刷エンジン3へと供給することができるよう、手動供給機構14が設けられている。典型的には、手動供給機構は、8.5インチまでの幅かつ200gsm超の媒体について使用される。図6に示されているように、手動供給機構14は、使用されない場合には、プリンタユニット1の表面と同一面であるように構成され、厚い媒体への印字が必要とされる場合に、手動供給機構14は、図11に示すような動作位置まで枢動して係止され、厚い媒体を印字のために印刷エンジン3へと供給することができる。印字のための印刷エンジン3への搬送に先立って媒体の整列を容易にするため、手動供給機構14にマージンスライダ15が設けられている。
【0093】
媒体出力領域6を、図7の上面図から見て取ることができ、大まかには、印刷エンジン3の下流に形成された実質的に平坦かつ矩形の表面で構成されている。
【0094】
プリンタユニットの底部が図8に示されており、大まかには底面16で構成されており、プリンタユニットを卓上または棚などの実質的に平坦な表面上に支持できるようにするため、底面16に複数の足部分17が設けられている。足部分17は、支持面上に配置されたときにプリンタユニット1に保持安定性をもたらすゴムパッドの形態であってもよい。さらに、プリンタユニット1の底部には、本体2の手動供給機構14を有する側に近接する領域に、細長い開口18が設けられている。この細長い開口の目的は、本明細書においてさらに詳しく後述する。
【0095】
図12および13に示されているように、印刷エンジン3は、印刷エンジン3へのアクセスを可能にすべく本体2へと枢動可能に取り付けられたカバー19の直下に位置している。印刷エンジン3は、大まかには、クレードルユニット21に収容されたカートリッジユニット20で構成され、クレードルユニット21が、プリンタユニット1の本体2内に固定されている。カートリッジユニット20は、係止アーム22を解除することによってクレードルユニット21から取り外すことができ、次いで、図12に示されているように、必要であればカートリッジユニット20を容易に交換することができる。
【0096】
図13は、必要に応じて印刷エンジン3にインクまたは他の適切な印字用流体を補充できる方法を示している。この点に関し、カートリッジユニット20は、補充ユニット24を受け入れるようになっている補充ポート23を表面に形成して有する。補充ユニット24を補充ポート23に接触させ、枯渇した消耗品を補充すべく、インクまたは他の印字用流体をカートリッジユニット20へと送り出す。補充後に補充ユニット24がカートリッジユニット20から取り去られ、印字を続行すべくカバー19が閉じられる。印刷エンジンおよび補充プロセスのさらなる詳細については、本明細書においてさらに詳しく後述する。
【0097】
図14は、プリンタユニット1の断面図であり、プリンタユニット1による媒体の貯蔵および取り扱いの様相をさらに詳しく示している。すでに述べたように、複数の入力媒体トレイ4が、垂直配置で本体2内に保持されており、上部媒体トレイおよび下部媒体トレイを形成している。図14に示した実施形態においては、上部媒体トレイの容量がより小さく、下部媒体トレイに収容された媒体とは異なるサイズの媒体を収容している。
【0098】
印刷エンジン3は、媒体トレイ4からの媒体が印字のため印刷エンジン3へと垂直な搬送経路をとるよう、媒体トレイ4の上方において本体2の一端に配置されている。この点に関し、各媒体トレイ4には、媒体トレイに存在する媒体から最上位のシートを分離させて、このシートを搬送ローラー26へと送達するピッカーローラー25が設けられている。ピッカーローラー25は、正しい種類の媒体が必要とされる速度にて印刷エンジンへと送達されるよう、印刷エンジン3に設けられた制御システムの制御の下で動作するモータ(図示されていない)によって駆動される。図示のピッカーローラー25は、D型のローラーであり、回転の際にローラーの外周の一部が媒体に接触し、媒体を搬送ローラー26へと送り込む。ピッカーローラー25が回転するにつれ、このローラーの外周の実質的に平坦な部分が、媒体のシートに接近する。これにより、ローラー25とシートとの接触が緩くなり、シートがローラー25の作用から解放され、シートが搬送ローラー26の作用のもとで前進できるようになる。確実に媒体の最上位のシートがピッカーローラー25に対して正しく位置するよう、トレイ4内に存在する媒体は、弾性ばね部材27によってローラー25に向かって押し付けられており、ピッカーローラー25によって媒体の最上位のシートが送出されたとき、次のシートが送出のための位置に位置するように保証している。D型のローラーが媒体取り出し機構の技術分野において周知であり、したがって本明細書においてはそれらの動作についてさらには説明しないことを理解できる。また、本発明の技術的範囲を超えることなく、本発明に他の種類の取り出し機構を適用できることを、理解すべきである。
【0099】
図15により明瞭に示されているように、ピッカーローラー25の作用のもとで、媒体の最上位のシートが搬送ローラー26の近傍へと供給され、トレイガイド28に接触する。トレイガイド28は、トレイ4から印刷エンジン3へと垂直方向に延びる共通の内部供給スロット29に媒体のシートを送達するため、シートへと垂直向きの配送経路を付与するように形作られている。ひとたび共通の内部供給スロット29に進入すると、媒体のシートは搬送ローラー26によって捕らえられ、搬送ローラー26はシートを印刷エンジン3へと送達する。シートが下方の入力媒体トレイ4から取り上げられる場合には、下方のトレイ4から印刷エンジン3へとシートが垂直に通過するときに、シートが上方のトレイ4の搬送ローラーへと運ばれ、上方のトレイ4の搬送ローラーがシートを印刷エンジン3へと送達する。この点に関し、シートを下方のトレイ4から搬送するために、シートは2つ以上の搬送ローラーの作用のもとにある。
【0100】
搬送ローラー26は、一定の速度で駆動されるモータ(図示されていない)によって駆動され、その速度は、理想的な印字速度が確実に維持されるよう印刷エンジンの制御システムによって制御される。搬送ローラーの近傍にアイドルローラー30が設けられ、挟み付け領域を形成して媒体のシートへと接触し、印刷エンジン3へのシートの送出を助けている。
【0101】
図15に明瞭に示されているように、共通の内部供給スロット29は、上端において、印刷エンジン3に設けられた導入口31へと媒体を送達するように形作られている。この点に関し、印刷エンジン3の導入口31に案内部材32が設けられており、媒体のシートの印刷エンジン3の駆動機構への方向付けを助け、これによりシートが、駆動機構の作用のもとで印字のために印字ヘッドを通過して搬送される。これを、以下でさらに詳しく検討する。
【0102】
図16に示されているように、厚い媒体を印字のために印刷エンジン3へと送達するため、手動供給機構14を、厚い媒体のシートを支持するための位置へと枢動させる。この位置において、厚い印字媒体のシートが、プリンタユニットの本体2に設けられた外部入力スロット33を通って、印刷エンジン3の導入口31へと直接送達される。
【0103】
既に述べたように、本発明の一特定の用途は、印字のため複数のソースから印字ジョブを受け取ることができるネットワークプリンタユニットまたはワークグループプリンタユニットとしての使用である。この点に関し、プリンタの収容能力は、ソースの数に応じて、媒体を絶えず補充する必要なく多数の印字ジョブを処理できるような収容能力でなければならない。すでに述べたように、上部入力媒体トレイが、250枚のA4媒体のシートを収容できる能力を有する一方で、下部入力媒体トレイは、500枚のA4媒体のシートを収容できる能力を有するように構成されている。この収容能力は、多数の用途において充分であると考えられるが、いくつかの用途、特にはプリンタユニット1が大きな印字ジョブを有する多数の個人によってアクセスされる用途においては、プリンタユニット1の媒体収容能力を大きくする必要がある可能性がある。
【0104】
これを達成できる方法が、図17に示されており、拡張トレイアセンブリ34が、媒体収容能力を増大させるためプリンタユニット1へと追加されている。図示の実施形態において、拡張トレイアセンブリ34は、既存の下部入力媒体トレイに類似しており、約500枚のA4媒体のシートの収容能力を有する。このように、拡張トレイアセンブリ34を追加することによって、プリンタユニット1の媒体収容能力が、1250枚のA4媒体のシートを収容できるよう3分の2だけ大きくなる。
【0105】
図18および19にさらに明瞭に示されているように、拡張トレイアセンブリ34は、プリンタユニット1を入れ子式の係合で受け入れるように構成されており、拡張トレイアセンブリ34の上縁35が、プリンタユニット1の基部を収容する凹状領域を画定するため、拡張トレイアセンブリの上面から外向きに隆起し、あるいは突き出している。この構成配置において、プリンタユニット1が、拡張トレイアセンブリ34上に入れ子状の構成でしっかりと支持され、拡張トレイアセンブリ34の上のプリンタユニット1の安定性が確保される。
【0106】
拡張トレイアセンブリ34は、大まかには、プリンタユニット1に関してすでに説明した形式の入力媒体トレイ4を受け入れるフレーム部36を備える。入力媒体トレイ4は、トレイに媒体を補充する必要が生じた場合に、ユーザーがトレイ4を把持してフレーム部36からスライドさせてトレイの内部へとアクセスできるよう、すでに述べた同じ様相にてハンドル9を有する。プリンタユニット1の入力媒体トレイと同様、拡張トレイアセンブリのトレイは、種々のサイズの媒体に調節可能である。
【0107】
図20を参照すると、さらに拡張トレイアセンブリ34は、用紙トレイに貯蔵された媒体を印字のためにプリンタユニット1の印刷エンジン3へと運ぶことができるようにするいくつかの要素を含む。この点に関し、拡張トレイアセンブリ34の上面が、その縁に沿って延びる媒体排出スロット37を有する。媒体排出スロット37は、プリンタユニットが拡張トレイアセンブリ34の上に配置されたときに、プリンタユニットの本体2の底面に形成された細長い開口18に整列するように構成されている。後述するように、排出スロット37は細長い開口18に整列することで、媒体のシートが拡張トレイアセンブリ34から印刷エンジン3へと通過することができる。
【0108】
拡張トレイアセンブリ34は、ピッカー機構38を、媒体排出スロット37の近傍の領域においてフレーム部36の内側に設けて有する。ピッカー機構は、媒体の最上位のシートを、入力媒体トレイ内に設けられた媒体の積層から取り上げて分離するために設けられている。ピッカー機構38は、ピッカーモータ39およびピッカーローラー40で構成され、プリンタユニット1に関してすでに説明した同じ様相で動作する。ピッカーローラー40は、D型ローラーの形態であって、ピッカーモータ39によってピッカー歯車42を介して回転させられる中心軸41に設けられている。さらに、搬送機構43が、ピッカー機構38から媒体のシートを受け取って、内部の媒体通路53を通って媒体排出スロット37からプリンタユニットの本体2へと送達するため、ピッカー機構38に隣接して設けられている。
【0109】
搬送機構は、搬送モータ44および搬送ローラー45を備え、プリンタユニット1に設けられた搬送ローラーに関してすでに説明した同じ様相で動作する。2つの搬送ローラー45が、搬送モータ44によって搬送歯車48を介して駆動される上部軸46に設けられている。案内要素49が、上部軸46の搬送ローラー45に隣接して設けられ、プリンタユニット1の上述の案内部材32と同じ様相で動作し、すなわち媒体のシートを共通の内部供給スロット29へと方向付けるよう動作する。さらに2つの搬送ローラー45が、やはり搬送モータ44によって第2の搬送歯車50を介して駆動される下部軸47に設けられている。この搬送ローラー45の目的については、以下でさらに詳しく説明する。
【0110】
ピッカーモータ39および搬送モータ44は、拡張トレイアセンブリ34のフレーム部36に設けられた制御システム51によって制御される。モータ39、44を動作させるための電力を受け取り、モータの動作を印刷エンジン3の印字要件に応じて制御すべく制御システム51のためのデータを受け取るため、電力およびデータ用の接点52が、拡張トレイアセンブリ34の上面に設けられている。電力およびデータ用の接点52は、プリンタユニット1が拡張トレイアセンブリ34へと載せられたとき、プリンタユニット1の下面に設けられた対応する電力およびデータ用の接点(図示されていない)と対をなすように構成されている。
【0111】
さらに拡張トレイアセンブリ34のフレーム部36は、搬送機構43に近接して設けられたアクセスフラップ54を含む。このようなアクセスフラップ54の目的は、この近傍での紙詰まりの場合に、拡張トレイアセンブリ34のこの領域へのアクセスを可能にすることにある。この点に関し、万一この領域において紙詰まりが生じた場合には、アクセスフラップ54を容易に動かして、ユニット全体を大きく分解する必要なく不具合を修正することができる。
【0112】
図21および22は、拡張トレイアセンブリ34の上に配置されたプリンタユニット1を、断面図で示している。図21から明らかに見て取れるように、拡張トレイアセンブリ34の上縁35が、内側にプリンタ本体2の基部を入れ子状の配置で受け入れるように構成されている。この方法において、プリンタ本体2の基部が、縁領域および縁領域を越えて突き出す中央領域を有しており、この中央領域が、拡張トレイアセンブリの上縁35の内側に収容される。この構成が、拡張トレイアセンブリの内部媒体通路53がプリンタユニットの本体を通って延びている共通の内部供給スロット29の延長部を構成するよう、拡張トレイアセンブリ34に形成された媒体排出スロット37と本体2の基部に設けられた細長い開口18との整列を助けている。
【0113】
図22は、媒体のシートを拡張トレイアセンブリ34の入力用紙トレイから前進させることができる方法を、さらに詳しく示している。すでに述べたように、ピッカーローラー40が、最上位のシートを分離させて、上部軸46の搬送ローラー45へと送達する。アイドルローラー55が案内要素49に設けられ、搬送ローラー45による搬送のために媒体のシートを捕らえるべく機能する。搬送ローラー45の作用のもとで、媒体のシートが内部媒体通路53に沿って媒体排出スロット37を出て、プリンタユニットの本体2の内部供給スロット29へと案内される。媒体のシートの前縁が、内部供給スロット29に沿ってこの実質的に垂直な経路を上方へと進み続けて、さらなる搬送ローラー26に接触し、これによって、さらに内部供給スロット29に沿って印刷エンジン3へと進められる。
【0114】
図22に明瞭に示されているように、拡張トレイアセンブリ34の底面に進入スロット56が設けられており、プリンタユニット1の媒体収容能力をさらに向上させるべく、システムにさらなる拡張トレイアセンブリを追加できるようにしている。この点に関し、拡張トレイアセンブリ34において下部軸47に設けられる搬送ローラー45の目的は、上述の方法にて拡張トレイアセンブリ34の直下に配置されるさらなる拡張トレイアセンブリから供給される媒体のシートのために、搬送設備を提供することにある。
【0115】
2つの拡張トレイアセンブリ34を使用するプリンタユニット1が、図23に示されている。理解されるとおり、使用される拡張トレイアセンブリ34の数は、プリンタユニット1の所望の収容能力にきわめて大きく依存する。使用される拡張トレイアセンブリ34の数を増やすことによって、プリンタユニット1の高さが増加し、したがってプリンタユニット1に、図24および25に示すような専用のスタンドユニット57を備えてもよい。
【0116】
本発明のこの実施形態においては、スタンドユニット57が、拡張トレイアセンブリ34が配置される様相に関してすでに説明した方法とほぼ同じ方法で、一番下の拡張トレイアセンブリ34を入れ子の構成で受け入れるように構成されている。スタンドユニット57の高さが、プリンタユニット1が複数の拡張トレイアセンブリ34を使用しつつ、依然としてユーザーがプリンタユニットを容易に使用でき、かつユーザーインターフェイスユニット7に容易にアクセスできる高さであることができるようにしている。スタンドユニット57は、机の空間を解放して、中心位置へと容易に配置することができる自己完結のスタンドアロンのユニットを提供するという追加の利点を有する。さらにスタンドユニット57は、図24に示すように、プリンタユニットによって使用するための媒体を貯蔵するための貯蔵能力を有することができる。この場合、スタンドユニット57の本体が、前部に形成されたドア58によってアクセスできる戸棚の形態であってもよい。プリンタユニットの媒体供給が補充を必要とする場合に、スタンドユニットの内部が、媒体を載せて貯蔵することができる棚(図示されていない)を含むことができる。さらに、図25に示すように、スタンドユニット57は、スタンドユニット57およびプリンタユニット1が整然としたスタンドアロンの印字ステーションであるよう、プリンタユニット1へと電力およびデータを供給する電力ケーブルおよびデータケーブルを覆うためのカバー手段59を含むことができる。
【0117】
すでに述べたように、本発明のプリンタユニット1は、受け取った印字ジョブの種類に応じて種々の印字タスクを実行できるネットワークプリンタユニットまたはワークグループプリンタユニットを提供できるようにする。この点に関し、プリンタユニット1は、標準的なモノクロの文字または画像を毎分60ページ(ppm)の速度で印字でき、フルカラーの写真画像を1600dpiおよび60ppmで印字できるインクジェットプリンタユニットである。図47に概略的に示されているように、使用時、プリンタユニット1は、すでに説明したデータ接続を介してコンピュータシステム102などの外部のソースからプリントデータを受信する。外部のコンピュータシステム102を、文書を受信し(ステップ103)、バッファし(ステップ104)、ラスタ化し(ステップ106)、次いでプリンタユニット1への伝達のために圧縮する(ステップ108)など、文書の印字に係る種々のステップを実行するようにプログラムすることができる。
【0118】
プリンタユニット1は、文書を外部のコンピュータシステム102から、圧縮された複数レイヤーのページ画像の形態で受け取り、プリンタユニット1内に設けられた制御システム51が、画像をバッファし(ステップ110)、次いでさらなる処理のために画像を拡大する(ステップ112)。拡大された連続階調層がディザリングされ(ステップ114)、次いで拡大ステップからの黒の層が、ディザリング済みの連続階調層へと合成される(ステップ116)。さらに、符号化されているデータをレンダリングして(ステップ118)、(所望であれば)人間の目にとって実質的に不可視である赤外インクを使用して印字されるさらなるレイヤーを形成してもよい。黒の層、ディザリング済みの連続階調層、および赤外レイヤーが組み合わされ(ステップ120)、印字のために印字ヘッド集積回路へと供給(ステップ122)されるページが形成される。
【0119】
この特定の構成においては、印字すべき文書に関するデータが、文字および線画のための高解像度の2値マスクレイヤーと、画像および背景色のための中解像度の連続階調カラー画像レイヤーとに分割されている。場合により、画像または一様な色から取り出したカラーデータで文字または線画をテクスチャ化するための中‐高解像度の連続階調テクスチャレイヤーを追加することによって、カラーの文字を支持することができる。この印字アーキテクチャは、これらの連続階調層を、画像データまたは一様色データと称することができる抽象的な「画像」および「テクスチャ」レイヤーに表わすことによって一般化する。このコンテンツにもとづくデータの複数レイヤーへの分割は、当業者であれば理解できるように、基本モードのミクスドラスターコンテント(MRC)モードに従っている。MRC基本モードと同様、この印字アーキテクチャは、印字すべきデータが重なり合ういくつかの場合において、中間物を作り出す。特に、一形態においては、すべての重なり合いが、中間物を明示的に具現化するプロセス(衝突回避)において、3レイヤーの表現へと還元される。
【0120】
すでに述べたように、データは、主としてソフトウェアベースのコンピュータシステム102によって実行される画像の前処理によって、圧縮された複数レイヤーのページ画像の形態でプリンタユニット1へと送達される。次に、プリンタユニット1が、このデータを、図48にさらに詳しく示されているような主としてハードウェアベースのシステムを使用して処理する。
【0121】
データを受け取ると、ディストリビュータ230が、そのデータを独自の表現からハードウェア特有の表現へと変換し、ハードウェア装置へのデータ伝達に関する制約または要件を観察して、データが確実に正しいハードウェア装置へと送られるようにする。ディストリビュータ230は、変換済みのデータを、複数のパイプライン232のうちの適切な1つへと分配する。パイプラインは互いに同一であり、基本的には、印字可能なドット出力一式を生成するため、解凍、スケーリング、およびドット合成の機能を提供する。
【0122】
各パイプライン232は、データを受け取るためのバッファ234を含む。連続階調復元装置236が、カラー連続階調平面を解凍し、マスク復元装置が、モノトーン(文字)レイヤーを解凍する。連続階調スケーラ240およびマスクスケーラ242が、上記ページが印字される媒体のサイズを考慮するため、解凍された連続階調平面およびマスク平面をそれぞれスケーリングする。
【0123】
次いで、スケーリングされた連続階調平面が、ディザ器244によってディザリングされる。一形態においては、確率論的分散ドットディザが使用される。クラスタドット(または、振幅変調)ディザと異なり、分散ドット(または、周波数変調)ディザは、目測によって空間的に統合されたとき、ほぼドット解像度の限界に至る高い空間周波数(すなわち、画像の詳細)を再現すると同時に、それらの完全な色の深さまでの低い空間周波数を再現する。確率論的ディザマトリクスは、画像全体へと貼り付けられたときに好ましくない低周波のパターンが比較的存在しないように、注意深く設計される。したがって、そのサイズは、典型的には、特定の数の強度レベルを支持するために必要な最小サイズ(例えば、257の強度レベルについて、16×16×8ビット)よりも大きい。
【0124】
次いで、ディザリングされた平面が、印字に適したドットデータをもたらすために、ドット対ドットの基準でドット合成装置246にて合成される。このデータが、データ配布・駆動用の電子機器248へと送られ、次いで電子機器248が、データを正しいノズルアクチュエータ250へと配布し、次いでノズルアクチュエータ250が、本明細書においてさらに詳しく後述する方法で、インクを正しい時期に正しいノズル252から放出させる。
【0125】
理解されるように、印字のために画像を処理すべくプリンタユニット1において使用される構成要素は、データが提示される方法に大きく依存する。この点に関し、より多くの処理をプリンタユニット1内で実行することによってコンピュータシステム102への依存を少なくするため、プリンタユニット1において、さらなるソフトウェアおよび/またはハードウェア構成要素を使用することが可能である。あるいは、プリンタユニット1において使用されるソフトウェアおよび/またはハードウェア構成要素を少なくして、プリンタユニット1において実行する処理を少なくし、プリンタユニット1へとデータを伝達する前に画像をより高度に処理するため、コンピュータシステム102に依存してもよい。これらのタスクを実行すべく本発明の制御システム51を構成する方法を、以下でさらに詳しく説明する。
【0126】
図12に示し、すでに説明したように、プリンタユニット1の印刷エンジン3は、カートリッジユニット20およびクレードルユニット21という2つの主たる部分で構成されるインクジェット印刷エンジンである。カートリッジユニット20が、クレードルユニット21内に収容されるべく構成され、係止アーム22によって適切な位置に係止される。
【0127】
図15を参照すると、カートリッジユニット20は、プリンタユニット1の入力媒体トレイ4および拡張トレイアセンブリ34から供給される媒体のシートへとインクを印字するための印字ヘッド集積回路60を収容する本体の形態である。さらに、カートリッジユニット20の本体は、印字ヘッド集積回路60による印字のためのインクを貯蔵するためのインク貯蔵用リザーバ61を収容している。印字ヘッド集積回路60は、印字対象の媒体の全幅にわたって延びるようカートリッジユニット20の本体の全長に沿って配置されたページ幅の印字ヘッド集積回路である。従来のインクジェットプリンタユニットと対照的に、本発明の印字ヘッド集積回路60は、動作の最中も適切な位置に固定され、媒体を走査することがなく、すなわち媒体を横切って移動することがない。したがって、本発明の印刷エンジンは、印字ヘッドが往復する従来からのプリンタシステムにおいて現時点で可能な速度に比べ、はるかに高速な印字速度を実現することが可能である。
【0128】
インク取り扱い・貯蔵用リザーバ61は、印字のための種々の種類のインクおよび印字用流体を個別に貯蔵する複数のポリエチレン膜ポケットの形態である。例えば、カートリッジユニット20に、フルカラー印字のためのシアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックのインク、ならびに特定の印字用途のための赤外インク、およびインクの定着を助けるインク固定剤を貯蔵するための6つの個別のポリエチレン膜リザーバを設けることができる。すでに述べたように、リザーバ61のそれぞれは、カートリッジユニット20の本体の周囲に形成された補充ポート23に設けられた対応する導入口と流通している。したがって、図13に示すようにインク補充ユニット24を補充ポート23に接触させ、圧力のもとでインクをリザーバ61へと送達することによって、リザーバ61へと個々に補充を行なうことができる。補充されるインクの完全性を保証するため、インク補充ユニット24に、カートリッジユニット20の本体に設けられる対応する読み取り器によって読み取られるQAチップを備えてもよい。補充を容易にするため、ポリエチレン膜リザーバ61は、注入時に流体を収容すべく膨張し、印字プロセスにおいてインク/流体が消費されるにつれてリザーバが潰れるように構成される。インク貯蔵用リザーバ61が、当業者であれば理解できるようにインクをカートリッジユニット20の本体内に個々に貯蔵できる他の形態であってもよいことを、理解できる。
【0129】
リザーバ61に貯蔵されたインクおよび印字用の流体は、特定の色のインクまたは固定剤など特定の流体を運ぶように構成された一連の管路を介して、印字ヘッド集積回路60へと送達される。このようなシステムは、流体が印字ヘッド集積回路60の全長に沿って設けられた正しいインク送出ノズルへと配布されるように保証する。これを達成する方法、およびカートリッジユニット20の全体構成が、本件出願の出願人による出願事件番号RRA01US〜RRA33USの米国特許出願に記載されており、これらの開示は、すべて参照として本明細書に組み込まれるものとする。上記出願は、それらの出願事件番号によって特定されているが、対応する出願番号が割り当てられたならば、それら出願番号にて置き換える予定である。
【0130】
すでに述べたように、カートリッジユニット20の印字ヘッド集積回路60は、標準的なA4またはUSレター用紙の幅を有する媒体と等価である最大約21.6cmに至る種々の幅の印字媒体を収容するため、約22.4cm(8.8インチ)の幅に広がるように構成されたページ幅の印字ヘッド集積回路である。しかしながら、プリンタユニット1の動作要件および使用が予定される印字媒体の種類に大きく依存して、ページ幅の印字ヘッド集積回路を、より大きな幅、またはより小さな幅を有するように製造してもよいことを、理解できる。所望の幅を実現するため、印字ヘッド集積回路60を、それぞれに複数のインク送出ノズルが設けられている1つ以上の集積回路を隣接して取り付けて製作してもよい。
【0131】
次に、ノズルおよび対応するアクチュエータを備える本発明における使用に適した印字ヘッドのノズル機構の種類の例を、図26〜35を参照して説明する。図35は、シリコン基板8015上に形成されたノズル機構801のアレイを示している。ノズル機構801のそれぞれが同一である一方で、ノズル機構801のグループが、異なる色のインクまたは固定剤の供給を受けるように構成されている。この点に関し、ノズル機構が、列に配置されるとともに、互いにずらされており、印字の際に単列のノズルにおいて可能な間隔よりも密なインクドット間の間隔を可能にしている。このような構成は、上述のようにノズルの密集を提供可能にしている。さらに、複数の列は、(所望であれば)冗長性を可能にし、ノズルあたりの所定の故障率を許容している。
【0132】
各ノズル機構801は、集積回路製造技術の産物である。特には、ノズル機構801が、マイクロ電気機械システム(MEMS)を規定している。
【0133】
分かり易さのため、および説明を容易にするため、ただ1つのノズル機構801について、構成および動作を図26〜34を参照して説明する。
【0134】
インクジェット印字ヘッドチップ60は、0.35ミクロン 1 P4M 12ボルトCMOSマイクロプロセシング電子機器が配置されるシリコンウエハ基板8015を含む。
【0135】
二酸化ケイ素(あるいは、ガラス)層8017が、基板8015上に位置している。二酸化ケイ素層8017は、CMOS絶縁層を規定している。CMOS最上位金属が、二酸化ケイ素層8017上に位置する整列した一対のアルミニウム電極コンタクト層8030を規定している。シリコンウエハ基板8015および二酸化ケイ素層8017の両者は、おおむね円形の断面(平面において)を有するインク導入チャネル8014を規定すべくエッチングされている。CMOS金属1、CMOS金属2/3、およびCMOS最上位金属のアルミニウム拡散バリア8028が、インク導入チャネル8014の周囲で二酸化ケイ素層8017に配置されている。拡散バリア8028は、駆動用電子機器層8017のCMOS酸化物層を通っての水酸化物イオンの拡散を防止するように機能する。
【0136】
窒化ケイ素の層8031の形態であるパッシベーション層が、アルミニウムコンタクト層8030および二酸化ケイ素層8017を覆って位置している。パッシベーション層8031のうち、コンタクト層8030の上方に位置する各部位は、コンタクト8030へのアクセスを提供するための開口8032を自身に規定して有する。
【0137】
ノズル機構801は、環状のノズル壁8033によって規定されたノズル室8029を含み、ノズル室8029は、上端において、ノズル屋根8034および平面において円形である半径方向内側のノズルリム804で終息している。インク導入チャネル8014が、ノズル室8029と流通している。ノズル壁の下端には、可動シールリップ8040を含む可動リム8010が位置している。囲み壁8038が、可動ノズルを囲んでおり、ノズルが図26に示すように静止しているときに可動リム8010に隣接する静止シールリップ8039を含む。静止シールリップ8039と可動シールリップ8040との間に捕らえられたインクの表面張力によって、流体シール8011が形成されている。これが、室からのインクの漏れを防止する一方で、囲み壁8038とノズル壁8033との間に低抵抗の結合をもたらしている。
【0138】
図33に最もよく示されているように、放射状に延びる複数の凹所8035が、ノズルリム804の周囲において屋根8034に規定されている。凹所8035は、ノズルリム804を過ぎて逃げ出すインクの結果としての半径方向のインク流れを封じ込めるべく機能する。
【0139】
ノズル壁8033は、おおむねU字の形状を有して基部8037において窒化ケイ素層8031に取り付けられたキャリア8036に取り付けられたレバー構成の一部を形成している。
【0140】
さらにレバー構成は、ノズル壁から延び、横補強梁8022が組み込まれているレバーアーム8018を含む。レバーアーム8018は、チッ化チタン(TiN)から形成されて図29および34に最もよく示されているようにノズル機構の両側に位置している一対の受動梁806に取り付けられている。受動梁806の他端は、キャリア8036に取り付けられている。
【0141】
さらにレバーアーム8018は、TiNから形成されたアクチュエータ梁807に取り付けられている。このアクチュエータ梁への取り付けが、受動梁806への取り付けと比べて、わずかではあるが決定的に高い位置において行われている点に、注目できる。
【0142】
図26および32に最もよく示されているように、アクチュエータ梁807は、平面において実質的にU字であり、電極809と対向する電極8041との間の電流経路を定めている。電極809および8041のそれぞれは、コンタクト層8030内のそれぞれの点に電気的に接続されている。コンタクト809を介して電気的に接続されると同時に、アクチュエータ梁は、アンカ808へと機械的に係止されている。アンカ808は、ノズル機構の動作時に、図26〜28の左方へのアクチュエータ梁807の運動を束縛するように構成されている。
【0143】
アクチュエータ梁807のTiNは導電性であるが、充分に高い電気抵抗を有しており、電流が電極809および8041の間を通過するとき、自ら発熱する。受動梁806を通って電流が流れることはなく、したがって受動梁806は膨張しない。
【0144】
使用時、静止状態にある装置は、表面張力の作用下でメニスカス803を規定するインク8013によって満たされている。インクは、メニスカスによって室8029内に保持され、他の何らかの物理的作用が存在しないとき、漏れ出すことはほとんどない。
【0145】
図27に示すように、インクをノズルから発射するため、電流がコンタクト809および8041の間に通され、アクチュエータ梁807を通過する。梁807の抵抗による梁807自身の発熱が、梁の膨張を生じさせる。アクチュエータ梁807の寸法および設計は、膨張の大部分が図26〜28に関して水平方向であることを意味している。左方への膨張はアンカ808によって制限されており、したがってアクチュエータ梁807のレバーアーム8018に近い方の端部が、右方へと駆動される。
【0146】
受動梁806は、相対的に水平方向の柔軟性を欠くため、レバーアーム8018の大きな水平方向の移動を許さない。一方で、受動梁およびアクチュエータ梁のそれぞれのレバーアームへの取り付け点が相対的に変位するため、ねじり運動が引き起こされ、レバーアーム8018がおおむね下方へと動かされる。この運動は、実質的に枢動またはヒンジ運動である。しかしながら、真の枢支点が存在していないことが、この回転が受動梁806の曲がりによって定められる枢支領域を中心とすることを意味している。
【0147】
レバーアーム8018の下方への運動(および、わずかな回転)が、ノズル壁8033の受動梁806からの距離によって増幅される。ノズル壁および屋根の下方への運動が、室8029内の圧力を上昇させ、図27に示すようにメニスカスの隆起を生じさせる。インクの表面張力が、この運動によって流体シール8011がインクの漏れ出しを許すことなく引き伸ばされることを意味する点に、注目できる。
【0148】
図28に示すように、適切な時点において駆動電流が停止され、アクチュエータ梁807が速やかに冷却して収縮する。この収縮によって、レバーアームの休止位置への復帰が開始され、結果として室8029内の圧力の低下が生じる。隆起したインクのモーメントおよびその固有の表面張力の相互作用、ならびにノズル室8029の上方への運動によって引き起こされる負の圧力が、隆起メニスカスの薄化、および最終的には放出を生じさせ、隣接の印字媒体に接するまで上方へと動き続けるインク滴802を規定する。
【0149】
滴802が離れた直後に、メニスカス803は、図28に示す凹状の形状を形成する。表面張力が、インクが導入口8014を通って上方へと吸い込まれて、ノズル機構およびインクを図26に示した静止状態へと戻すまで、室8029の圧力を比較的低く保つ。
【0150】
上述の構成において、カートリッジユニット20の印字ヘッド集積回路60は、5000〜100,000個の上述のノズルを、その表面に沿って配置して有することができる。低‐中解像度の簡単な単色印字用途においては、ページ幅の印字ヘッド集積回路60は、所望の画像または文字を印字するために、その全長に沿って約5000個のノズルを配置するだけでもよい。一方で、1600dpiまたは1600dpi程度の写真品質の画像については、印字ヘッド集積回路60が、各色につき13824個のノズルを有する可能性がある。したがって、プリンタユニット1が4色(C、M、Y、K)で印字を行なうことができる場合、印字ヘッド集積回路60は、その表面に沿って約53396個のノズルを配置して有する。さらに、印字ヘッド集積回路60が6つの印字用流体(C、M、Y、K、IR、および固定剤)を印字できる場合、結果として印字ヘッド集積回路60の表面に82944個のノズルが設けられる。
【0151】
次に、媒体へとインクを送出すべく印字ヘッド集積回路60において個々のノズル機構801を制御する方法を、図36〜39を参照して説明する。
【0152】
図36は、印字ヘッド集積回路60、および印刷エンジン3の制御システムへの印字ヘッド集積回路60の接続について、概要を示している。上述のとおり、印字ヘッド集積回路60は、各ノズルの発射を行なうための繰り返しロジックを含むノズルコアアレイ401、およびノズルの発射を行うためにタイミング信号を生成するためのノズル制御ロジック402を含む。ノズル制御ロジック402が、高速リンクを介して制御システムからデータを受け取る。
【0153】
ノズル制御ロジック402は、電気コネクタの形態であってもよいリンク407を介して、印字のためにノズルアレイコアへとシリアルデータを送るように構成されている。ノズルアレイコア401についての状態および他の動作上の情報が、やはり電気コネクタに設けることができる他のリンク408を介して、ノズル制御ロジック402へと返信される。
【0154】
ノズルアレイコア401が、図37および38にさらに詳しく示されている。図37において、ノズルアレイコア401がノズル列501のアレイを備えることが見て取れる。アレイは、発射/選択シフトレジスタ502および最大6つのカラーチャネルを含み、それぞれのカラーチャネルが、対応するドットシフトレジスタ503によって表わされている。
【0155】
図38に示されているように、発射/選択シフトレジスタ502は、順方向路発射シフトレジスタ600、逆方向路発射シフトレジスタ601、および選択シフトレジスタ602を含む。各ドットシフトレジスタ503は、奇数ドットシフトレジスタ603および偶数ドットシフトレジスタ604を含む。奇数および偶数ドットシフトレジスタ603および604は、データが一方向において奇数シフトレジスタ603によってクロックされ、次いで逆方向において偶数シフトレジスタ604によってクロックされるように、一端において接続されている。最後の偶数ドットシフトレジスタを除くすべての偶数ドットシフトレジスタの出力が、マルチプレクサ605の1つの入力へと供給される。マルチプレクサのこの入力は、製造後検査の際に信号(corescan)によって選択される。通常の動作においては、corescan信号が、マルチプレクサ605の他方の入力へと供給されるドットデータ入力Dot[x]を選択する。これにより、各色についてのDot[x]が、それぞれのドットシフトレジスタ503へと供給される。
【0156】
次に、1つの列Nを、図38を参照して説明する。図示の実施形態においては、列Nが、6つのドットシフトレジスタのそれぞれのための奇数データ値606および偶数データ値607を備える12のデータ値を含む。さらに列Nは、進み発射シフトレジスタ600からの奇数発射値608、および戻り発射シフトレジスタ601からの偶数発射値609を含み、これらが入力としてマルチプレクサ610へと供給される。マルチプレクサ610の出力は、選択シフトレジスタ602の選択値611によって制御される。選択値がゼロであるとき、奇数発射値が出力され、選択値が1であるとき、偶数発射値が出力される。
【0157】
奇数および偶数データ値606および607のそれぞれが、対応する奇数ドットラッチ612および偶数ドットラッチ613にそれぞれ入力として供給される。
【0158】
各ドットラッチおよびその関連のデータ値が、単位セル614などの単位セルを形成する。単位セルは、図39にさらに詳しく示されている。ドットラッチ612は、奇数ドットシフトレジスタ603の要素を構成しているD型フリップ‐フロップ614によって保持されたデータ値606の出力を受け付けるD型フリップ‐フロップである。フリップ‐フロップ614へと入力されるデータは、奇数ドットシフトレジスタの先の要素の出力から供給される(上記要素がシフトレジスタの第1の要素である場合には、その入力はDot[x]値である)。データは、LsyncLに供給される負のパルスが受け取られたとき、フリップ‐フロップ614の出力からラッチ612へとクロックされる。
【0159】
ラッチ612の出力は、3入力ANDゲート615への入力の1つとして供給される。ANDゲート615への他の入力は、Fr信号(マルチプレクサ610の出力から)およびパルスプロファイル信号Prである。ノズルの発射時間は、パルスプロファイル信号Prによって制御され、例えば、低い電力供給ゆえに生じる低電圧条件(着脱式の電源の実施形態において)を考慮に入れるため、長くすることができる。これにより、発射時に各ノズルから比較的一貫した量のインクが効率的に放射されるように保証される。上述の実施形態においては、プロファイル信号Prが各ドットシフトレジスタについて同じであり、複雑さ、コスト、および性能の間のバランスをもたらしている。しかしながら、他の実施形態においては、Pr信号を全体的に印加(すなわち、すべてのノズルについて同じ)することができ、あるいは各単位セルまたは各ノズルに合わせて個々に作成することも可能である。
【0160】
ひとたびデータがラッチ612に装填されると、発射許可信号Frおよびパルスプロファイル信号Prが、ANDゲート615に加えられて重ね合わされ、ロジック1を収容している各ラッチ612について、インクのドットを打ち出すべくノズルを動作させる。
【0161】
各ノズルチャネルについての信号を、以下の表に要約する。
【表3】
図39に示されているように、発射信号Frは斜めに引き回されており、現在の列において色の発射を可能にし、次の列の次の色の発射を可能にし、以下同様である。これは、時間を遅延させる方法で6つの列にわたって分散させることで、電流の需要を平均化している。
【0162】
ドットラッチおよび種々のシフトレジスタを形成しているラッチは、この実施形態においては完全にスタティックであり、CMOSにもとづいている。ラッチの設計および構成は、集積回路の工学および設計の技術分野の当業者にとって既知であり、したがって本明細書にて詳しく説明することはしない。
【0163】
ノズルの速度は、約60ppmで印字を行なうことができるプリンタユニット1においては20kHzにもなり、より高速な場合には、それ以上になりうる。このノズル速度の範囲において、印字ヘッド60の全体によって発射されうるインクの量は、少なくとも毎秒5000万滴である。しかしながら、高速かつ高品質の印字を提供すべくノズルの数が増やされているため、少なくとも毎分1億個の滴、好ましくは少なくとも毎分3億個の滴、さらに好ましくは少なくとも毎分10億個の滴を、送出することができる。
【0164】
したがって、このような速度での印字に対応するため、印刷エンジンの制御システムは、各ノズルがインク滴を発射するか否かを、少なくとも毎秒5000万ドットの速度で計算しなければならず、高速かつ高品質な印字用途においては、印字速度に応じて、少なくとも毎秒1億ドット、好ましくは少なくとも毎秒3億ドット、さらに好ましくは少なくとも毎秒10億ドットの速度で計算しなければならない。
【0165】
A4用紙の最大幅にて印字を行うプリンタユニット1においては、上述のノズル数および印字速度の範囲が、少なくとも毎秒50cm2の面積印字速度をもたらし、高速においては、印字速度に応じて、少なくとも毎秒100cm2、好ましくは少なくとも毎秒200cm2、さらに好ましくは少なくとも毎秒500cm2の面積印字速度をもたらす。
【0166】
理解されるとおり、この構成においては、カートリッジユニット20が、インクおよび他の印字用流体を貯蔵して、印刷エンジン制御システムの制御のもとでインク/印字用流体を媒体の表面へと送出するように特に設計されている。この点に関し、印字ヘッド集積回路60の1つ以上のノズルが故障した場合、または印字ヘッド集積回路60へとインクを送達する管路に何らかの問題が生じた場合に、印刷エンジン3の全体を交換する必要なく、カートリッジユニット20を容易に交換することができる。
【0167】
図15を参照すると、クレードルユニット21が、印刷エンジン3の第2の部分を形成しており、媒体出力領域6の上方の高い位置でプリンタユニットの本体2内に固定されている。カバー19が、印刷エンジン3を覆って設けられており、印刷エンジン3へのアクセスを可能にすべく開放位置へと枢動される。この位置において、クレードルユニット21は、デジタルカメラまたはネットワーク上の1つ以上のパーソナルコンピュータなどの外部のデータソースから、プリンタユニットの本体2に設けたデータコネクタを介してデータを受け取ることができる。同様に、電力を、適切な電気接続(図示されていない)を介して電力取り入れ口10からクレードルユニット21へと供給し、必要に応じて関連のシステム構成要素へと分配することができる。
【0168】
図12に示されているように、制御データおよび電力をカートリッジユニット20へと伝えることができるよう、クレードルユニット21には、クレードルユニット21の長さに沿って配置された複数の電気接点62が設けられており、これらの電気接点62が、クレードルユニット21へとカートリッジユニット20が挿入されたときに、カートリッジユニット20の長さに沿って設けられた対応する電気接点(図示されていない)と対をなす。この点に関し、クレードルユニット21は、内部にカートリッジユニット20を収容するように形作られている。
【0169】
クレードルユニット21の本体は、印刷エンジン3を通って用紙を搬送するための駆動モータ63、駆動ローラー64、およびピンチローラー65を備える。また、非使用時に印字ヘッド集積回路60をキャッピングし、さらにカートリッジユニット20の印字ヘッド集積回路60に対して他の形式の保守を実行するための印字ヘッド保守ユニット66が設けられている。さらに、クレードルユニットは、プリンタユニット1の全体動作を制御するために必要とされる電子機器を含む制御システム67を収容している。
【0170】
駆動モータ63は、双方向能力を有する標準的なブラシレスDCモータである。駆動モータ63は、歯車によって駆動ローラー64に係合し、印字ヘッド集積回路60を通過する印字媒体の送達を制御するため、駆動ローラー64へと駆動の運動を提供する。すでに述べたように、プリンタユニット1および拡張トレイアセンブリ34の搬送ローラー26、45が媒体を印刷エンジン3へと送達するが、印刷エンジン3に達すると、次いで媒体は、駆動モータ63および駆動ローラー64の作用のもとで印字のために印字ヘッド集積回路60を通過して進められる。この点に関し、モータ63による駆動ローラー64の駆動速度は、用紙がこの実施形態においては60ppmの速度である所望の速度に精密に制御された様相で印字ヘッド60を通過して送られるよう、制御システム67によって制御される。駆動ローラー64がピンチローラー65に係合し、ローラー64、65が協働して媒体のシートを捕らえ、媒体を印字ヘッド集積回路60を通過して前進させる。
【0171】
さらにクレードルユニット21には、やはり歯車によって駆動モータ63に係合した印字ヘッド保守ユニット66が設けられている。印字ヘッド保守ユニット66は、カートリッジユニット20の印字ヘッド集積回路60をキャップするための位置へと動かされるようなっているされたキャッピング要素を含む。そのような場合、プリンタユニット1のアイドル状態が検出されると、制御システム67が、印字ヘッド保守ユニット66と駆動モータ63との係合を開始させ、印字ヘッド保守ユニット66を印字ヘッド集積回路60とのキャッピング係合へと移動させる。キャッピング係合は、基本的には、印字ヘッド集積回路60のインク送出ノズルの周囲の周辺シールを構成し、インク送出ノズル内に存在するインクからの水分の蒸発を少なくし、インクの乾燥およびノズルの詰まりを防止する。同様に、印字が着手されたと判断されると、制御システム67が印字ヘッド集積回路60からのキャップの取り外しを開始し、印字ヘッド保守ユニット66を非キャップ位置へと戻すことができるようにする。さらに、印字ヘッド保守ユニット66が、必要に応じて印字ヘッド60のふき取りまたは吸い取りなど、他の特徴を実行してもよい。
【0172】
すでに間接的に述べられているとおり、クレードルユニットの制御システム67が、プリンタユニット1の種々の構成要素の動作を制御し、外部のソースから受信した印字データを処理して、上記データを印字すべく印字ヘッド集積回路60を制御する。図40が、このシステムの一実施形態のブロック図を提示している。
【0173】
この構成においては、制御システム67が、小規模事業所用プリンタエンジンチップ(SoPEC)に具現化されている。図示のとおり、SoPECデバイスは、中央処理装置(CPU)サブシステム301、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)サブシステム302、および印刷エンジンパイプライン(PEP)サブシステム303という、3つの個別のサブシステムで構成されている。
【0174】
CPUサブシステム301は、他のサブシステムのすべての様相を制御および設定するCPUを含む。CPUサブシステム301は、プリンタユニット1のすべての要素の互いのやり取りおよび同期について全般的な支持を提供し、QAチップへの低速通信を制御する。さらにCPUサブシステム301は、汎用入出力(GPIO、モータの制御を含む)、割り込みコントローラユニット(ICU)、LSSマスタ、および汎用タイマーなど、CPUを助けるための種々の周辺装置を含む。CPUサブシステムのシリアル通信ブロック(SCB)が、フルスピードのUSB1.1インターフェイスをホストへと提供するとともに、SoPEC間インターフェイス(ISI)を他のSoPECデバイス(図示されていない)へと提供する。
【0175】
DRAMサブシステム302は、CPU、シリアル通信ブロック(SCB)、およびPEPサブシステム内の各ブロックからの要求を受け付ける。DRAMサブシステム302、特にはDRAMインターフェイスユニット(DIU)が、種々の要求を仲裁し、どの要求がDRAMへのアクセスを勝ち取るべきかを判定する。DIUは、すべての要求者についてDRAMへの充分なアクセスを可能にするよう、設定されたパラメータにもとづいて仲裁をおこなう。さらに、DIUは、ページサイズ、バンク数、およびリフレッシュレートなど、DRAMの実装の詳細が表に出ないようにする。
【0176】
印刷エンジンパイプライン(PEP)サブシステム303は、圧縮されたページをDRAMから受け取り、それらを印字ヘッドと直接通信する印字ヘッドインターフェイス(PHI)へと向けられた所与の印字ラインのための2値のドットへとレンダリングする。ページ拡大パイプラインの第1段は、連続階調デコーダユニット(CDU)、ロスレス2値デコーダ(LBD)、および必要であればタグエンコーダ(TE)である。CDUが、JPEG圧縮された連続階調(典型的には、CMYK)レイヤーを拡大し、LBDが、圧縮された2値レイヤー(典型的には、K)を拡大し、プリンタユニット1がネットページ能力を有する場合には、TEが、後の(典型的には、IRインクまたはKインクでの)レンダリングのためにネットページタグをエンコードする。第1段からの出力は、バッファ一式、すなわち連続階調FIFOユニット(CFU)、スポットFIFOユニット(SFU)、およびタグFIFOユニット(TFU)である。CFUバッファおよびSFUバッファは、DRAMに実装されている。
【0177】
第2段は、ハーフトーン合成ユニット(HCU)であり、連続階調層をディザリングし、得られる2値ディザ済みレイヤーに位置タグおよび2値スポットレイヤーを合成する。
【0178】
いくつかの合成の選択肢を、上記SoPECデバイスと一緒に使用されている印字ヘッドに応じて実装することができる。この段階から、最大6チャネルの2値データが生み出されるが、すべてのチャネルが印字ヘッドに存在していなくてもよい。例えば、印字ヘッドがCMYのみであって、KがCMYチャネルへと押し込まれ、IRが無視されてもよい。あるいは、IRインクが利用できない場合(または、検査の目的の場合)には、エンコードされたタグを、Kで印字してもよい。
【0179】
第3段においては、故障ノズル補償器(DNC)が、色の冗長性および故障ノズルのデータの周囲のドットへの誤差拡散によって、印字ヘッド内の故障ノズルを補償する。
【0180】
得られた2値6チャネルのドットデータ(典型的には、CMYK、赤外、固定剤)がバッファリングされ、ドットラインライタユニット(DWU)を介してDRAMに保存された線バッファ一式に書き込まれる。
【0181】
最後に、ドットデータが再びDRAMから取り出され、ドットFIFOを介して印字ヘッドインターフェイスへと渡される。ドットFIFOがシステムのクロックレート(pclk)で線ローダーユニット(LLU)からデータを受け取る一方で、印字ヘッドインターフェイス(PHI)がFIFOからデータを取り去り、システムのクロックレートの2/3倍の速度で印字ヘッドへと送る。
【0182】
好ましい形態においては、DRAMが、2.5Mバイトのサイズであり、そのうちの約2Mバイトが、圧縮されたページ保存データのために利用可能である。圧縮されたページは、2つ以上のバンドにて受信され、バンドの数がメモリに保存される。ページのバンドが、印字のためにPEPサブシステム303によって消費されたとき、新たなバンドをダウンロードすることができる。新たなバンドは、現在のページのためのものであってもよく、あるいは次のページのためのものであってもよい。
【0183】
バンドを使用することによって、圧縮されたページの全体がダウンロードされる前に、ページの印字を開始することが可能になるが、データが印字のために常に利用可能であり、あるいはバッファアンダーランが生じることがないよう、注意を払わなければならない。
【0184】
組み込みのUSBデバイスが、ホストPCから圧縮されたページデータおよび制御コマンドを受け付け、DRAM(または、後述のように、多SoPECシステムにおける他のSoPECデバイス)へのデータ伝達を促進する。
【0185】
他の実施形態においては、複数のSoPECデバイスを使用することができ、特定の実装に応じて種々の機能を実行することができる。例えば、いくつかの場合においては、SoPECデバイスを、単に自身の搭載するDRAMのために使用することができる一方で、他のSoPECデバイスを、上述の種々の解凍およびフォーマット機能に向けることができる。これは、プリンタがページの印字を上記ページのすべてのデータを受け取る前に開始し、かつ残りのデータが時間内に受信されない場合に生じうるバッファアンダーランの可能性を少なくする。そのメモリバッファ能力のために別のSoPECデバイスを追加することで、追加のチップの他の能力のいずれもが使用されなくても、バッファできるデータの量が2倍になる。
【0186】
各SoPECシステムは、プリンタ機械の品質を保証し、印字の際に印字ヘッドのノズルが損傷しないようインク供給の品質を保証し、印字ヘッドおよび機械が損傷しないようソフトウェアの品質を保証するため、互いに協働するように設計されたいくつかの品質保証(QA)装置を有することができる。
【0187】
通常は、各印字SoPECが、最大印字速度などの情報プリンタ属性を保存する関連のプリンタQAを有する。システムにおいて使用されるインクカートリッジも、残りのインクの量などのカートリッジ情報を保存するインクQAチップを含む。印字ヘッドも、ROM(有効には、EEPROM)として機能するように構成され、故障ノズルのマッピングおよび印字ヘッドの特性などの印字ヘッド詳細情報を保存するQAチップを有する。SoPECデバイスのCPUは、場合により、実質的にシリアルEEPROMとして機能するQAチップからプログラムコードを読み込んで実行することができる。最後に、SoPECデバイスのCPUは、論理QAチップ(すなわち、ソフトウェアQAチップ)を動作させる。
【0188】
通常は、システムのすべてのQAチップは物理的に同一であり、フラッシュメモリの内容のみがお互いを区別している。
【0189】
各SoPECデバイスは、システム認証およびインク使用計算のためQA装置と通信できる2つのLSSシステムバスを有する。バスごとに多数のQA装置を使用することができ、それらのシステムにおける位置は、プリンタQA装置とインクQA装置とが個別のLSSバスに位置すべきである点を除き、制約はされていない。
【0190】
使用時、論理QAが、残りのインクを割り出すためにインクQAと通信する。インクQAからの回答が、プリンタQAに関して認証される。プリンタQAからの確認そのものが論理QAによって認証され、インクQAからの回答に追加の認証レベルを間接的に加える。
【0191】
印字ヘッドQA以外のQAチップ間で渡されるデータは、デジタル署名によって認証される。好ましい実施形態においては、データについてHMAC‐SHA1認証が使用され、プログラムコードについてRSAが使用されるが、他の仕組みを代わりに使用してもよい。
【0192】
理解されるように、制御システム67のSoPECデバイスが、このようにしてプリンタユニット1の全体の動作を制御し、基本的なデータ処理のタスクを実行し、印字媒体の取り扱いを促進すべくプリンタユニット1の個々の構成要素の動作の同期および制御を実行する。この点に関し、制御システム67のSoPECデバイスが、拡張トレイアセンブリ34に設けられた制御システム51へと制御信号を送信して、拡張トレイアセンブリ34から印刷エンジン3への媒体の送達を制御することができる。
【0193】
図15に示してすでに説明したように、クレードルユニット21の本体は、印字のための媒体を受け取るため、導入口31を印字ヘッド集積回路60の上流に設けて有する。導入口31は、搬送ローラー26によって送達される印字媒体の前縁を受け取り、印字媒体の前縁を駆動ローラー64およびピンチローラー65に向けて案内するうえで役に立つ案内部材32を含む。
【0194】
排出口68が、印字ヘッド集積回路60の下流においてクレードルユニット21の本体に設けられ、印字媒体に印刷エンジン3から出るための経路を提供している。この点に関し、印字ヘッド集積回路60による印字の後に、印字済み媒体の前縁が、駆動ローラー64およびピンチローラー65の作用のもとで排出口68を通って印刷エンジン3から出る。印字済み媒体を媒体出力領域6へと送り出すため、用紙出口機構69が、排出口68に隣接して設けられている。
【0195】
用紙出口機構69は、プリンタユニット1のカバー19に形成することができ、あるいはプリンタユニット2のクレードルユニット21の外表面に形成することができ、出口ローラー70および複数のアイドラホイール71で構成される。出口ローラー70は、クレードルユニット21を横切って延びる細長い軸によって設けられ、媒体の把持を助けるためゴム材料などを備える外殻を有することができる。出口ローラー70は、駆動歯車(図示されていない)を介してクレードルユニット21の駆動モータ63によって駆動される。この構成において、クレードルユニット21の制御システム51が、用紙出口機構69の動作を、確実にクレードルユニット21の駆動ローラー64の速度およびタイミングに対応する適切な時期および速度で開始されるように制御することができる。
【0196】
用紙出口機構69のアイドラホイール71は、印字済み媒体を捕捉して媒体出力領域6へと送達するため、出口ローラー70と協働して機能する。アイドラホイール71は、出口ローラー70の表面に回転接触するよう、柔軟に取り付けられている。図13に示されているように、アイドラホイール71は、媒体を捕捉するべく出口ローラー70の表面に当接して回転するように、出口ローラー70に沿って規則的な間隔で配置することができるスターホイールの形態である。
【0197】
用紙出口機構69を、印刷エンジン3の外部にあるものとして示して説明したが、用紙出口機構を印刷エンジン3の内部に取り入れてもよいと考えられることを、理解すべきである。さらに、用紙出口機構69が、スターホイールを有するものとして示されているが、当業者にとって明らかであって依然として本発明の技術的範囲に包含されるとおり、他の種類のアイドラホイールまたはローラーを使用してもよい。
【0198】
上述のように、本発明は、種々の色および品質の要件を有する複数のジョブを受け取って印字するため、ネットワークまたはワークグループ環境において使用することができるインクジェットプリンタユニット1にある。しかしながら、さらに本発明が、多目的のプリンタユニットを提供するため画像読み取り器またはスキャナなどの他の機能を取り入れていてもよい。
【0199】
図41に示すように、代案となる実施形態において、プリンタユニット1は、本体2に形成されたフォトカード導入口72を含む。フォトカード導入口72によって、ユーザーは、従来からのデジタルカメラなどからフォトカードを取り出し、導入口72へと直接挿入することができる。この点に関し、クレードルユニットの制御システム51が、フォトカードから画像データを受け取り、上記データを印字のために処理することができる。フォトカードを受け入れるための導入口72を設けることで、写真画像を遠方のコンピュータを介してプリンタユニット1へと送信する必要なく、写真をプリンタユニット1によって容易に印字することができる。
【0200】
図42〜44は、本発明のさらに他の実施形態を示しており、プリンタユニットが、フラットベッドスキャナユニットの形態の画像読み取り装置73を含む。図示のとおり、画像読み取り装置73が、プリンタユニットの上面5に設けられており、画像読み取り装置73の蓋74が、印刷エンジン3から印字済み媒体を収集する媒体出力領域6を形成している。
【0201】
図43にさらに明らかに示されているように、画像読み取り装置73の蓋74は、画像読み取り器76による読み取りのために文書を載せることができる読み取り面75へのアクセスを提供するため、上方へと枢動可能である。読み取り面75は、読み取りのために文書を表を下にして置くことができる平坦なガラス面である。この点に関し、蓋74は、読み取り対象の文書に接触して読み取りプロセスの最中に文書の位置を確実に維持するうえで役に立つパッド77を、内面に備えることができる。パッド77は、発泡材料から製作でき、読み取りプロセスを助ける一貫した背景を提供するため、典型的には白色である。
【0202】
図44にさらに明らかであるように、画像読み取り装置73の画像読み取り器76は、読み取り対象の文書を横切って移動して、文書上に形成されている画像に関するデータを収集するスキャナーヘッドの形態である。スキャナーヘッドを構成する方法は、当業者には周知であり、画像読み取り器76が、読み取り面75の下方中央に配置されたベルト78に沿って移動する。この種の画像読み取り装置は、当分野においてよく理解されており、本件出願においてさらに詳しく説明することはしない。
【0203】
本発明のこの実施形態において、画像を画像読み取り装置73によってスキャンすることができ、スキャンした画像に関するデータを、処理のためにカートリッジユニット20の制御システム51へと送ることができる。画像の処理に続いて、制御システム51は、適切な媒体上に画像の印字を開始することができ、印字された文書を、媒体出力領域6から収集することができる。プリンタユニット1が、フルカラーの写真品質の画像を60ppmの速度で提供できるため、文書、特には写真画像を、既存のインクジェット装置ではこれまで不可能であった速度で容易にコピーすることができる。あるいは、スキャンした画像に関するデータを、印字工程を行うことなくプリンタユニット1から遠方のコンピュータへと送信してもよく、これは、ユーザーインターフェイスユニットによってユーザーから受け取った指令に従って制御システム51によって実行できる。図45および46に示されているように、プリンタユニット1に、各ページを個々に読み取り面75へと配置する必要なく複数ページの文書の読み取りを可能にする自動文書供給器79を設けることができる。このような供給器79は、当分野において周知である。
【0204】
本発明を、本発明の典型的な実施形態を参照して図示および説明したが、本発明の技術的範囲および技術的思想から離れることなく、さまざまな変更が当業者にとって明らかであり、当業者であればそのような変更を容易に行なうことができる。したがって、添付の特許請求の範囲の技術的範囲は、本明細書において記載した説明に限定されるものではなく、特許請求の範囲は広く解釈されるべきものである。
【図面の簡単な説明】
【0205】
【図1】本発明の一実施形態によるプリンタユニットの前面斜視図である。
【図2】図1のプリンタユニットの後面斜視図である。
【図3】図1のプリンタユニットの正面図である。
【図4】図1のプリンタユニットの背面図である。
【図5】図1のプリンタユニットの側面図である。
【図6】図5に示したプリンタユニットの側面と反対側の側面を示す図1のプリンタユニットの側面図である。
【図7】図1のプリンタユニットの上面図である。
【図8】図1のプリンタユニットの底面図である。
【図9】上部媒体トレイが途中まで引き出されている状態を示す図1のプリンタユニットの前面斜視図である。
【図10】下部媒体トレイが途中まで引き出されている状態を示す図1のプリンタユニットの前面斜視図である。
【図11】印字のための媒体を手動で供給するため手動供給機構が使用されている状態を示す図1のプリンタユニットの後面斜視図である。
【図12】カバーが開かれカートリッジユニットが印刷エンジンから取り去られている状態を示す図1のプリンタユニットの後面斜視図である。
【図13】インク補充ユニットが、印刷エンジンのカートリッジユニットの補充を行うために使用されている状態を示す図1のプリンタユニットの前面斜視図である。
【図14】図3のプリンタユニットの断面図である。
【図15】プリンタユニットにより使用されている媒体取り扱い機構をよりわかりやすく示した図14の拡大図である。
【図16】手動供給機構の使用を示した図14のプリンタユニットの断面図である。
【図17】印字のためにさらなる媒体を供給するための拡張トレイアセンブリが使用されている状態を示す図1のプリンタユニットの前面斜視図である。
【図18】図17の構成の前面分解斜視図である。
【図19】図17の構成の後面分解斜視図である。
【図20】図17の拡張トレイの部分断面後面斜視図である。
【図21】図17のプリンタユニット構成の断面図である。
【図22】媒体が拡張トレイからプリンタユニットへと搬送される様相をよりわかりやすく示した図21の拡大図である。
【図23】印字のためにプリンタユニットへとさらなる媒体を供給するために2つの拡張トレイアセンブリが使用されている状態を示す図1のプリンタユニットの前面斜視図である。
【図24】印字のためにプリンタユニットへとさらなる媒体を供給するために3つの拡張トレイアセンブリが使用され、スタンドユニット上に直立姿勢に支持された状態を示す図1のプリンタユニットの前面斜視図である。
【図25】図24の構成の後面斜視図である。
【図26】本発明において使用されるインクを排出するための、静止状態にある1つのノズルの縦断面図である。
【図27】初期の動作段階の最中にある図26のノズルの縦断面図である。
【図28】より後期の動作段階にある図27のノズルの縦断面図である。
【図29】図28に示した動作状態にある図18のノズルの斜視部分縦断面図である。
【図30】インクを省略した図26のノズルの斜視縦断面図である。
【図31】図30のノズルの縦断面図である。
【図32】図27に示した動作状態にある図26のノズルの斜視部分縦断面図である。
【図33】図26のノズルの平面図である。
【図34】分かり易くするためレバーアームおよび可動ノズルが取り除かれた図26のノズルの平面図である。
【図35】図26に示した形式の複数のノズル機構を取り入れる印字ヘッド集積回路の一部分についての斜視縦断面図である。
【図36】本発明において使用するために適したCMOS駆動および制御ブロックを示す概略図である。
【図37】図36のCMOSブロックにおけるノズル列とドットシフトレジスタとの間の関係を示す概略図である。
【図38】単位セルならびにその図37のノズル列およびドットシフトレジスタとの関係を示すさらに詳細な概略図である。
【図39】本発明における使用に適した1つのプリンタノズルについての論理を示す回路図である。
【図40】本発明のプリンタユニットにおいて使用される制御システムの一実施形態を示すブロック図である。
【図41】印字のためにフォトカードを受け入れるための導入口を有する図1のプリンタユニットの前面斜視図である。
【図42】画像読み取り装置が取り入れられている図1のプリンタユニットの前面斜視図である。
【図43】画像読み取り装置の蓋が途中まで開かれ、読み取りのために文書を受け入れるための画像読み取り面が示された図42のプリンタユニットの前面斜視図である。
【図44】図42のプリンタユニットの前面断面図である。
【図45】読み取りのため画像読み取り装置へと文書を供給するための自動文書供給機を有する図42のプリンタユニットの前面斜視図である。
【図46】図45のプリンタユニットの他の前面斜視図である。
【図47】本発明のプリンタユニットを取り入れる印字システムにおける文書データの流れの概略図である。
【図48】本発明のプリンタユニットの制御システムにおいて使用されるアーキテクチャの一実施形態を示すさらに詳細な概略図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクジェットプリンタユニットであって、
印字のための媒体を支持するための媒体入力アセンブリと、
媒体上に画像を印字するための印刷エンジンと、
印字済み媒体を収集するための媒体出力アセンブリであって、印字済み媒体を収集するための表面を備える画像読み取りユニットを有する媒体出力アセンブリと、
を備え、
前記印刷エンジンが、使用時に前記媒体出力アセンブリが支持面上に水平に位置するとともに前記媒体入力アセンブリが前記印刷エンジンから上方へと延びるよう、前記媒体入力アセンブリと前記媒体出力アセンブリとの間に位置している、インクジェットプリンタユニット。
【請求項2】
前記媒体入力アセンブリおよび前記印刷エンジンが、前記画像読み取り器へと取り付けられ、前記画像読み取り器が、前記プリンタユニットを作業面上に支持するように構成されている、請求項1に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項3】
前記画像読み取り器が、前記印刷エンジンから外向きに延びており、印字済み媒体が、前記画像読み取り器の上面へと収集される、請求項2に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項4】
前記印刷エンジンが、印字の後に前記印刷エンジンから前記印字済み媒体を排出するための媒体出口機構を備える、請求項3に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項5】
前記画像読み取り器の上面が、前記排出された印字済み媒体を捕捉して、前記印字済み媒体を収集のために提示するように構成されている、請求項4に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項6】
前記画像読み取り器の上面が、排出された媒体の前縁に接触して前記排出された媒体を収集のために前記画像読み取り器の上面に捕捉するストッパ部材を備える、請求項5に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項7】
前記印刷エンジンが、複数のインク排出ノズルが配置されるページ幅の印字ヘッドを備え、前記複数のインク排出ノズルが、媒体が前記印字ヘッドを通過して搬送されるときに前記媒体の表面へとインクを排出する、請求項4に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項8】
前記印字ヘッドが、カートリッジ上に設けられており、前記カートリッジを、前記印刷エンジンから取り外すことができる、請求項7に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項9】
前記カートリッジが、前記印字ヘッドによる印字のためのインクを貯蔵する少なくとも1つのインク貯蔵用リザーバを備える、請求項8に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項10】
前記印刷エンジンが、クレードルを備え、前記クレードルが、前記カートリッジを収容するように構成されている、請求項8に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項11】
前記クレードルが、前記媒体を前記媒体入力アセンブリから印字のため前記印字ヘッドを通過して搬送するための媒体搬送機構を備える、請求項10に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項12】
前記クレードルが、媒体上への前記画像の印字を促進するため前記印字ヘッドおよび前記搬送機構の動作を制御する制御システムを備える、請求項11に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項13】
前記制御システムが、さらに前記画像読み取りユニットの動作を制御する、請求項12に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項14】
インクジェットプリンタユニットであって、
印字のための媒体を支持するための媒体入力アセンブリと、
媒体上に画像を印字するための印刷エンジンと、
印字済み媒体を収集するための媒体出力アセンブリであって、印字済み媒体を収集するための表面を備える画像読み取りユニットを有する媒体出力アセンブリと、
を備え、
前記印刷エンジンが、ページ幅の印字ヘッドを有する、インクジェットプリンタユニット。
【請求項15】
前記媒体入力アセンブリおよび前記印刷エンジンが、前記画像読み取り器へと取り付けられ、前記画像読み取り器が、前記プリンタユニットを作業面上に支持するように構成されている、請求項14に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項16】
前記画像読み取り器が、前記印刷エンジンから外向きに延びており、印字済み媒体が、前記画像読み取り器の上面へと収集される、請求項15に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項17】
前記印刷エンジンが、印字の後に前記印刷エンジンから前記印字済み媒体を排出するための媒体出口機構を備える、請求項16に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項18】
前記画像読み取り器の上面が、前記排出された印字済み媒体を捕捉して、前記印字済み媒体を収集のために提示するように構成されている、請求項17に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項19】
前記画像読み取り器の上面が、排出された媒体の前縁に接触して前記排出された媒体を収集のために前記画像読み取り器の上面に捕捉するストッパ部材を備える、請求項18に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項20】
前記印刷エンジンが、複数のインク排出ノズルが配置されるページ幅の印字ヘッドを備え、前記複数のインク排出ノズルが、媒体が前記印字ヘッドを通過して搬送されるときに前記媒体の表面へとインクを排出する、請求項17に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項21】
前記印字ヘッドが、カートリッジ上に設けられており、前記カートリッジを、前記印刷エンジンから取り外すことができる、請求項20に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項22】
前記カートリッジが、前記印字ヘッドによる印字のためのインクを貯蔵する少なくとも1つのインク貯蔵用リザーバを備える、請求項21に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項23】
前記印刷エンジンが、クレードルを備え、前記クレードルが、前記カートリッジを収容するように構成されている、請求項21に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項24】
前記クレードルが、前記媒体を前記媒体入力アセンブリから印字のため前記印字ヘッドを通過して搬送するための媒体搬送機構を備える、請求項23に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項25】
前記クレードルが、媒体上への前記画像の印字を促進するため前記印字ヘッドおよび前記搬送機構の動作を制御する制御システムを備える、請求項24に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項26】
前記制御システムが、さらに前記画像読み取りユニットの動作を制御する、請求項25に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項27】
画像読み取り器と一緒に使用するためのインクジェットプリンタユニットであって、
印字対象の媒体を支持するための媒体入力アセンブリと、画像読み取り器上の相補的な固定手段に解除可能に係合するための固定手段とを有する本体と、
ページ幅の印字ヘッドと、前記印字ヘッドの動作を制御するための制御システムとを有する印刷エンジンと、
を備え、
前記本体が、前記固定手段が前記相補的な固定手段に解除可能に係合すべく位置するよう、前記画像読み取り器と入れ子を構成するように形作られている、プリンタユニット。
【請求項28】
前記本体が、前記画像読み取りユニットに設けられた座に収容されるように形作られた基部を有する、請求項27に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項29】
前記本体の基部が、前記本体を前記画像読み取りユニットへと着脱可能に固定するため、前記画像読み取りユニットの座に設けられた複数の位置決め部材を収容するようになっている複数の凹部を備える、請求項28に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項30】
前記本体の基部が、前記本体が前記画像読み取りユニットへと固定されたときに、両者の間でデータおよび電力を伝達できるようにすべく前記本体と前記画像読み取りユニットとの間に電気経路が形成されるよう、前記画像読み取りユニットの座に設けられた電気コネクタを受け入れるための電気取り入れ口を含む、請求項29に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項31】
前記印刷エンジンの制御システムが、前記画像読み取りユニットの動作を制御し、データが、前記電気経路を介して前記制御システムと前記画像読み取りユニットとの間で伝達される、請求項30に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項32】
前記本体が、前記電気経路を介して前記画像読み取りユニットへと動作電力を供給する電源を備える、請求項31に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項33】
前記印字ヘッドが、カートリッジ上に設けられており、前記カートリッジを、前記印刷エンジンから取り外すことができる、請求項27に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項34】
前記カートリッジが、前記印字ヘッドによる印字のためのインクを貯蔵する少なくとも1つのインク貯蔵用リザーバを備える、請求項33に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項35】
前記印刷エンジンが、クレードルを備え、前記クレードルが、前記カートリッジを収容するように構成されている、請求項34に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項36】
前記クレードルが、前記媒体を前記媒体入力アセンブリから印字のため前記印字ヘッドを通過して搬送するための媒体搬送機構を備える、請求項35に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項37】
インクジェットプリンタユニットと一緒に使用するための画像読み取りユニットであって、
プリンタユニットから印字済み媒体を受け取って、前記印字済み媒体を読み取りのために提示する媒体読み取り面と、
プリンタユニット上の固定手段と解除可能に係合するための相補的な固定手段と、
を有しており、
前記相補的な固定手段が前記固定手段に解除可能に係合すべく位置するよう、前記プリンタユニットと入れ子を構成するように形作られている、画像読み取りユニット。
【請求項38】
媒体表面への画像の印字、ならびに媒体表面上の画像に関する画像情報の読み取りおよび記録のための画像処理装置であって、
印字対象の媒体を支持するための媒体入力アセンブリを有するインクジェットプリンタユニットと、
ページ幅の印字ヘッドおよび前記印字ヘッドの動作を制御するための制御システムを備える印刷エンジンと、
前記プリンタユニットから印字済み媒体を受け取って、前記印字済み媒体を読み取りのために提示する媒体読み取り面を有する画像読み取りユニットと、
を備え、
前記インクジェットプリンタユニットが、前記画像読み取りユニットに入れ子状に係合して、前記画像読み取りユニットに解除可能に固定される、画像処理装置。
【請求項39】
媒体表面への画像の印字、ならびに媒体表面上の画像に関する画像情報の読み取りおよび記録のための画像処理装置であって、
印字対象の媒体を支持するための媒体入力アセンブリを有するインクジェットプリンタユニットと、
ページ幅の印字ヘッドおよび前記印字ヘッドの動作を制御するための制御システムを備える印刷エンジンと、
前記プリンタユニットから印字済み媒体を受け取って、前記印字済み媒体を読み取りのために提示する媒体読み取り面を有する画像読み取りユニットと、
を備え、
前記インクジェットプリンタユニットが、前記画像読み取りユニットに入れ子状に係合して、前記画像読み取りユニットに解除可能に固定される、画像処理装置。
【請求項40】
媒体表面への画像の印字、ならびに媒体表面上の画像に関する画像情報の読み取りおよび記録のための画像処理装置であって、
印字対象の媒体を支持するための媒体入力アセンブリを有するインクジェットプリンタユニットと、
画像読み取り器と、印字済み媒体を受け取って前記画像情報を読み取るため前記印字済み媒体を前記画像読み取り器へと提示する媒体読み取り面を有する画像読み取りユニットと、
ページ幅の印字ヘッドおよび前記印字ヘッドの動作を制御するための制御システムを備え、前記印字ヘッドが印字対象の媒体へとインクの個々の滴を排出するための複数のインク排出ノズルを有する印刷エンジンと、
を備え、
前記制御システムが、少なくとも毎秒5000万回の判断を行う速度で、前記ノズルのそれぞれがインク滴を排出するか否かを判断する、画像処理装置。
【請求項41】
前記本体が座部分を備え、前記座部分が、内部に前記インクジェットプリンタユニットを受け入れるように形作られている、請求項40に記載の画像読み取りユニット。
【請求項42】
前記固定手段が、前記座部分に設けられ、前記座部分から延びて前記インクジェットプリンタユニットに設けられた対応する収容部材に係合するようになっている少なくとも1つの位置決め部材を備える、請求項41に記載の画像読み取りユニット。
【請求項43】
前記収容部材が凹所であり、前記位置決め部材が前記凹所内に受け入れられるように形作られている、請求項42に記載の画像読み取りユニット。
【請求項44】
電気コネクタが前記座部分に、前記インクジェットプリンタユニットに設けられた対応する電気コネクタに接触すべく設けられており、前記インクジェットプリンタユニットが前記座部分に受け入れられたとき、前記インクジェットプリンタユニットと前記画像読み取り器との間に、両者の間のデータおよび電力の伝達を可能にするための電気経路が形成される、請求項41に記載の画像読み取りユニット。
【請求項45】
前記画像読み取り器がヘッド部を備え、前記ヘッド部が、媒体の表面に形成された画像に関する画像情報を収集するため、媒体の表面に沿って移動するように構成されている、請求項44に記載の画像読み取りユニット。
【請求項46】
前記画像読み取り器によって収集された画像情報が、前記画像読み取り器と一緒に設けられたコントローラに保存される、請求項45に記載の画像読み取りユニット。
【請求項47】
前記コントローラに保存された画像情報が、処理のために前記電気経路を介して前記インクジェットプリンタユニットへと送られる、請求項46に記載の画像読み取りユニット。
【請求項48】
前記コントローラが、前記インクジェットプリンタユニットから受け取った制御コマンドに従って、前記画像読み取りユニットの動作を協調させる、請求項46に記載の画像読み取りユニット。
【請求項49】
媒体表面への画像の印字、および媒体表面上の画像に関する画像情報の読み取りのための画像処理装置であって、
印字対象の媒体を支持するための媒体入力アセンブリを有するインクジェットプリンタユニットと、
画像読み取り器と、印字済み媒体を受け取って画像情報を読み取るために前記印字済み媒体を前記画像読み取り器へと提示する媒体読み取り面とを有する画像読み取りユニットと、
ページ幅の印字ヘッドおよび前記印字ヘッドの動作を制御するための制御システムを備える印刷エンジンと、
を備え、
前記印字ヘッドが、媒体へとインクの個々の滴を排出するため、少なくとも5000個のインク排出ノズルを有する、画像処理装置
【請求項50】
前記本体が座部分を備え、前記座部分が、内部に前記インクジェットプリンタユニットを受け入れるように形作られている、請求項49に記載の画像読み取りユニット。
【請求項51】
前記固定手段が、前記座部分に設けられ、前記座部分から延びて、前記インクジェットプリンタユニットに設けられた対応する収容部材に係合するようになっている少なくとも1つの位置決め部材を備える、請求項50に記載の画像読み取りユニット。
【請求項52】
前記収容部材が凹所であり、前記位置決め部材が前記凹所内に受け入れられるように形作られている、請求項51に記載の画像読み取りユニット。
【請求項53】
電気コネクタが前記座部分に、前記インクジェットプリンタユニットに設けられた対応する電気コネクタに接触すべく設けられており、前記インクジェットプリンタユニットが前記座部分に受け入れられたとき、前記インクジェットプリンタユニットと前記画像読み取り器との間に、両者の間のデータおよび電力の伝達を可能にするための電気経路が形成される、請求項50に記載の画像読み取りユニット。
【請求項54】
前記画像読み取り器がヘッド部を備え、前記ヘッド部が、媒体の表面に形成された画像に関する画像情報を収集するため、媒体の表面に沿って移動するように構成されている、請求項53に記載の画像読み取りユニット。
【請求項55】
前記画像読み取り器によって収集さられた画像情報が、前記画像読み取り器と一緒に設けられたコントローラに保存される、請求項54に記載の画像読み取りユニット。
【請求項56】
前記コントローラに保存された画像情報が、処理のために前記電気経路を介して前記インクジェットプリンタユニットへと送られる、請求項55に記載の画像読み取りユニット。
【請求項57】
前記コントローラが、前記インクジェットプリンタユニットから受け取った制御コマンドに従って、前記画像読み取りユニットの動作を協調させる、請求項55に記載の画像読み取りユニット。
【請求項1】
インクジェットプリンタユニットであって、
印字のための媒体を支持するための媒体入力アセンブリと、
媒体上に画像を印字するための印刷エンジンと、
印字済み媒体を収集するための媒体出力アセンブリであって、印字済み媒体を収集するための表面を備える画像読み取りユニットを有する媒体出力アセンブリと、
を備え、
前記印刷エンジンが、使用時に前記媒体出力アセンブリが支持面上に水平に位置するとともに前記媒体入力アセンブリが前記印刷エンジンから上方へと延びるよう、前記媒体入力アセンブリと前記媒体出力アセンブリとの間に位置している、インクジェットプリンタユニット。
【請求項2】
前記媒体入力アセンブリおよび前記印刷エンジンが、前記画像読み取り器へと取り付けられ、前記画像読み取り器が、前記プリンタユニットを作業面上に支持するように構成されている、請求項1に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項3】
前記画像読み取り器が、前記印刷エンジンから外向きに延びており、印字済み媒体が、前記画像読み取り器の上面へと収集される、請求項2に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項4】
前記印刷エンジンが、印字の後に前記印刷エンジンから前記印字済み媒体を排出するための媒体出口機構を備える、請求項3に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項5】
前記画像読み取り器の上面が、前記排出された印字済み媒体を捕捉して、前記印字済み媒体を収集のために提示するように構成されている、請求項4に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項6】
前記画像読み取り器の上面が、排出された媒体の前縁に接触して前記排出された媒体を収集のために前記画像読み取り器の上面に捕捉するストッパ部材を備える、請求項5に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項7】
前記印刷エンジンが、複数のインク排出ノズルが配置されるページ幅の印字ヘッドを備え、前記複数のインク排出ノズルが、媒体が前記印字ヘッドを通過して搬送されるときに前記媒体の表面へとインクを排出する、請求項4に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項8】
前記印字ヘッドが、カートリッジ上に設けられており、前記カートリッジを、前記印刷エンジンから取り外すことができる、請求項7に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項9】
前記カートリッジが、前記印字ヘッドによる印字のためのインクを貯蔵する少なくとも1つのインク貯蔵用リザーバを備える、請求項8に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項10】
前記印刷エンジンが、クレードルを備え、前記クレードルが、前記カートリッジを収容するように構成されている、請求項8に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項11】
前記クレードルが、前記媒体を前記媒体入力アセンブリから印字のため前記印字ヘッドを通過して搬送するための媒体搬送機構を備える、請求項10に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項12】
前記クレードルが、媒体上への前記画像の印字を促進するため前記印字ヘッドおよび前記搬送機構の動作を制御する制御システムを備える、請求項11に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項13】
前記制御システムが、さらに前記画像読み取りユニットの動作を制御する、請求項12に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項14】
インクジェットプリンタユニットであって、
印字のための媒体を支持するための媒体入力アセンブリと、
媒体上に画像を印字するための印刷エンジンと、
印字済み媒体を収集するための媒体出力アセンブリであって、印字済み媒体を収集するための表面を備える画像読み取りユニットを有する媒体出力アセンブリと、
を備え、
前記印刷エンジンが、ページ幅の印字ヘッドを有する、インクジェットプリンタユニット。
【請求項15】
前記媒体入力アセンブリおよび前記印刷エンジンが、前記画像読み取り器へと取り付けられ、前記画像読み取り器が、前記プリンタユニットを作業面上に支持するように構成されている、請求項14に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項16】
前記画像読み取り器が、前記印刷エンジンから外向きに延びており、印字済み媒体が、前記画像読み取り器の上面へと収集される、請求項15に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項17】
前記印刷エンジンが、印字の後に前記印刷エンジンから前記印字済み媒体を排出するための媒体出口機構を備える、請求項16に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項18】
前記画像読み取り器の上面が、前記排出された印字済み媒体を捕捉して、前記印字済み媒体を収集のために提示するように構成されている、請求項17に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項19】
前記画像読み取り器の上面が、排出された媒体の前縁に接触して前記排出された媒体を収集のために前記画像読み取り器の上面に捕捉するストッパ部材を備える、請求項18に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項20】
前記印刷エンジンが、複数のインク排出ノズルが配置されるページ幅の印字ヘッドを備え、前記複数のインク排出ノズルが、媒体が前記印字ヘッドを通過して搬送されるときに前記媒体の表面へとインクを排出する、請求項17に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項21】
前記印字ヘッドが、カートリッジ上に設けられており、前記カートリッジを、前記印刷エンジンから取り外すことができる、請求項20に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項22】
前記カートリッジが、前記印字ヘッドによる印字のためのインクを貯蔵する少なくとも1つのインク貯蔵用リザーバを備える、請求項21に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項23】
前記印刷エンジンが、クレードルを備え、前記クレードルが、前記カートリッジを収容するように構成されている、請求項21に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項24】
前記クレードルが、前記媒体を前記媒体入力アセンブリから印字のため前記印字ヘッドを通過して搬送するための媒体搬送機構を備える、請求項23に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項25】
前記クレードルが、媒体上への前記画像の印字を促進するため前記印字ヘッドおよび前記搬送機構の動作を制御する制御システムを備える、請求項24に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項26】
前記制御システムが、さらに前記画像読み取りユニットの動作を制御する、請求項25に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項27】
画像読み取り器と一緒に使用するためのインクジェットプリンタユニットであって、
印字対象の媒体を支持するための媒体入力アセンブリと、画像読み取り器上の相補的な固定手段に解除可能に係合するための固定手段とを有する本体と、
ページ幅の印字ヘッドと、前記印字ヘッドの動作を制御するための制御システムとを有する印刷エンジンと、
を備え、
前記本体が、前記固定手段が前記相補的な固定手段に解除可能に係合すべく位置するよう、前記画像読み取り器と入れ子を構成するように形作られている、プリンタユニット。
【請求項28】
前記本体が、前記画像読み取りユニットに設けられた座に収容されるように形作られた基部を有する、請求項27に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項29】
前記本体の基部が、前記本体を前記画像読み取りユニットへと着脱可能に固定するため、前記画像読み取りユニットの座に設けられた複数の位置決め部材を収容するようになっている複数の凹部を備える、請求項28に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項30】
前記本体の基部が、前記本体が前記画像読み取りユニットへと固定されたときに、両者の間でデータおよび電力を伝達できるようにすべく前記本体と前記画像読み取りユニットとの間に電気経路が形成されるよう、前記画像読み取りユニットの座に設けられた電気コネクタを受け入れるための電気取り入れ口を含む、請求項29に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項31】
前記印刷エンジンの制御システムが、前記画像読み取りユニットの動作を制御し、データが、前記電気経路を介して前記制御システムと前記画像読み取りユニットとの間で伝達される、請求項30に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項32】
前記本体が、前記電気経路を介して前記画像読み取りユニットへと動作電力を供給する電源を備える、請求項31に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項33】
前記印字ヘッドが、カートリッジ上に設けられており、前記カートリッジを、前記印刷エンジンから取り外すことができる、請求項27に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項34】
前記カートリッジが、前記印字ヘッドによる印字のためのインクを貯蔵する少なくとも1つのインク貯蔵用リザーバを備える、請求項33に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項35】
前記印刷エンジンが、クレードルを備え、前記クレードルが、前記カートリッジを収容するように構成されている、請求項34に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項36】
前記クレードルが、前記媒体を前記媒体入力アセンブリから印字のため前記印字ヘッドを通過して搬送するための媒体搬送機構を備える、請求項35に記載のインクジェットプリンタユニット。
【請求項37】
インクジェットプリンタユニットと一緒に使用するための画像読み取りユニットであって、
プリンタユニットから印字済み媒体を受け取って、前記印字済み媒体を読み取りのために提示する媒体読み取り面と、
プリンタユニット上の固定手段と解除可能に係合するための相補的な固定手段と、
を有しており、
前記相補的な固定手段が前記固定手段に解除可能に係合すべく位置するよう、前記プリンタユニットと入れ子を構成するように形作られている、画像読み取りユニット。
【請求項38】
媒体表面への画像の印字、ならびに媒体表面上の画像に関する画像情報の読み取りおよび記録のための画像処理装置であって、
印字対象の媒体を支持するための媒体入力アセンブリを有するインクジェットプリンタユニットと、
ページ幅の印字ヘッドおよび前記印字ヘッドの動作を制御するための制御システムを備える印刷エンジンと、
前記プリンタユニットから印字済み媒体を受け取って、前記印字済み媒体を読み取りのために提示する媒体読み取り面を有する画像読み取りユニットと、
を備え、
前記インクジェットプリンタユニットが、前記画像読み取りユニットに入れ子状に係合して、前記画像読み取りユニットに解除可能に固定される、画像処理装置。
【請求項39】
媒体表面への画像の印字、ならびに媒体表面上の画像に関する画像情報の読み取りおよび記録のための画像処理装置であって、
印字対象の媒体を支持するための媒体入力アセンブリを有するインクジェットプリンタユニットと、
ページ幅の印字ヘッドおよび前記印字ヘッドの動作を制御するための制御システムを備える印刷エンジンと、
前記プリンタユニットから印字済み媒体を受け取って、前記印字済み媒体を読み取りのために提示する媒体読み取り面を有する画像読み取りユニットと、
を備え、
前記インクジェットプリンタユニットが、前記画像読み取りユニットに入れ子状に係合して、前記画像読み取りユニットに解除可能に固定される、画像処理装置。
【請求項40】
媒体表面への画像の印字、ならびに媒体表面上の画像に関する画像情報の読み取りおよび記録のための画像処理装置であって、
印字対象の媒体を支持するための媒体入力アセンブリを有するインクジェットプリンタユニットと、
画像読み取り器と、印字済み媒体を受け取って前記画像情報を読み取るため前記印字済み媒体を前記画像読み取り器へと提示する媒体読み取り面を有する画像読み取りユニットと、
ページ幅の印字ヘッドおよび前記印字ヘッドの動作を制御するための制御システムを備え、前記印字ヘッドが印字対象の媒体へとインクの個々の滴を排出するための複数のインク排出ノズルを有する印刷エンジンと、
を備え、
前記制御システムが、少なくとも毎秒5000万回の判断を行う速度で、前記ノズルのそれぞれがインク滴を排出するか否かを判断する、画像処理装置。
【請求項41】
前記本体が座部分を備え、前記座部分が、内部に前記インクジェットプリンタユニットを受け入れるように形作られている、請求項40に記載の画像読み取りユニット。
【請求項42】
前記固定手段が、前記座部分に設けられ、前記座部分から延びて前記インクジェットプリンタユニットに設けられた対応する収容部材に係合するようになっている少なくとも1つの位置決め部材を備える、請求項41に記載の画像読み取りユニット。
【請求項43】
前記収容部材が凹所であり、前記位置決め部材が前記凹所内に受け入れられるように形作られている、請求項42に記載の画像読み取りユニット。
【請求項44】
電気コネクタが前記座部分に、前記インクジェットプリンタユニットに設けられた対応する電気コネクタに接触すべく設けられており、前記インクジェットプリンタユニットが前記座部分に受け入れられたとき、前記インクジェットプリンタユニットと前記画像読み取り器との間に、両者の間のデータおよび電力の伝達を可能にするための電気経路が形成される、請求項41に記載の画像読み取りユニット。
【請求項45】
前記画像読み取り器がヘッド部を備え、前記ヘッド部が、媒体の表面に形成された画像に関する画像情報を収集するため、媒体の表面に沿って移動するように構成されている、請求項44に記載の画像読み取りユニット。
【請求項46】
前記画像読み取り器によって収集された画像情報が、前記画像読み取り器と一緒に設けられたコントローラに保存される、請求項45に記載の画像読み取りユニット。
【請求項47】
前記コントローラに保存された画像情報が、処理のために前記電気経路を介して前記インクジェットプリンタユニットへと送られる、請求項46に記載の画像読み取りユニット。
【請求項48】
前記コントローラが、前記インクジェットプリンタユニットから受け取った制御コマンドに従って、前記画像読み取りユニットの動作を協調させる、請求項46に記載の画像読み取りユニット。
【請求項49】
媒体表面への画像の印字、および媒体表面上の画像に関する画像情報の読み取りのための画像処理装置であって、
印字対象の媒体を支持するための媒体入力アセンブリを有するインクジェットプリンタユニットと、
画像読み取り器と、印字済み媒体を受け取って画像情報を読み取るために前記印字済み媒体を前記画像読み取り器へと提示する媒体読み取り面とを有する画像読み取りユニットと、
ページ幅の印字ヘッドおよび前記印字ヘッドの動作を制御するための制御システムを備える印刷エンジンと、
を備え、
前記印字ヘッドが、媒体へとインクの個々の滴を排出するため、少なくとも5000個のインク排出ノズルを有する、画像処理装置
【請求項50】
前記本体が座部分を備え、前記座部分が、内部に前記インクジェットプリンタユニットを受け入れるように形作られている、請求項49に記載の画像読み取りユニット。
【請求項51】
前記固定手段が、前記座部分に設けられ、前記座部分から延びて、前記インクジェットプリンタユニットに設けられた対応する収容部材に係合するようになっている少なくとも1つの位置決め部材を備える、請求項50に記載の画像読み取りユニット。
【請求項52】
前記収容部材が凹所であり、前記位置決め部材が前記凹所内に受け入れられるように形作られている、請求項51に記載の画像読み取りユニット。
【請求項53】
電気コネクタが前記座部分に、前記インクジェットプリンタユニットに設けられた対応する電気コネクタに接触すべく設けられており、前記インクジェットプリンタユニットが前記座部分に受け入れられたとき、前記インクジェットプリンタユニットと前記画像読み取り器との間に、両者の間のデータおよび電力の伝達を可能にするための電気経路が形成される、請求項50に記載の画像読み取りユニット。
【請求項54】
前記画像読み取り器がヘッド部を備え、前記ヘッド部が、媒体の表面に形成された画像に関する画像情報を収集するため、媒体の表面に沿って移動するように構成されている、請求項53に記載の画像読み取りユニット。
【請求項55】
前記画像読み取り器によって収集さられた画像情報が、前記画像読み取り器と一緒に設けられたコントローラに保存される、請求項54に記載の画像読み取りユニット。
【請求項56】
前記コントローラに保存された画像情報が、処理のために前記電気経路を介して前記インクジェットプリンタユニットへと送られる、請求項55に記載の画像読み取りユニット。
【請求項57】
前記コントローラが、前記インクジェットプリンタユニットから受け取った制御コマンドに従って、前記画像読み取りユニットの動作を協調させる、請求項55に記載の画像読み取りユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【公表番号】特表2007−518602(P2007−518602A)
【公表日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−549771(P2006−549771)
【出願日】平成16年12月20日(2004.12.20)
【国際出願番号】PCT/AU2004/001786
【国際公開番号】WO2005/070686
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(303024600)シルバーブルック リサーチ ピーティワイ リミテッド (150)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月20日(2004.12.20)
【国際出願番号】PCT/AU2004/001786
【国際公開番号】WO2005/070686
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(303024600)シルバーブルック リサーチ ピーティワイ リミテッド (150)
【Fターム(参考)】
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