説明

複数の性フェロモン物質を含む徐放性製剤及び防除方法

【課題】 一種類の害虫でも化学構造的に異なる性フェロモン物質を混合する場合や複数の害虫の性フェロモン物質を混合する場合の同時放出の制御を可能とし、害虫の発生期間に適合させて性フェロモン物質を一定速度以上で放出することができる性フェロモン物質の徐放性製剤及びその防除方法を提供する。
【解決手段】 炭素数10〜18の脂肪族直鎖状アルデヒドから選ばれる一種類以上である第1性フェロモン物質と、アルデヒド類を有しない炭素数7〜20の脂肪族誘導体から選ばれる一種類以上である第2性フェロモン物質とを含有する性フェロモン徐放性製剤であって、該第1性フェロモン物質の全部又は該第1性フェロモン物質の全部と該第2性フェロモン物質の一部が入れられた高分子材料の第1室と、残りの性フェロモン物質が入れられた高分子材料の第2室を備えてなる性フェロモン徐放性製剤を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の性フェロモン物質について同時放出の制御を可能とするための性フェロモンの徐放性製剤及び防除方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、害虫性フェロモンの最も有効な利用方法としては、化学的に合成された性フェロモン物質をある一定農度以上に圃場に滞留させることで、害虫の配偶行動を撹乱させ、その結果交尾阻害を引き起こさせる交信撹乱法が、実用化段階に進んできている。この際重要になってくるのは、合成した性フェロモン物質を長期間、一定速度以上で放出させるための放出制御製剤(ディスペンサー)の開発と対象害虫の交信撹乱しなければならない期間の設定である。
【0003】
単一の害虫の性フェロモン物質を一定期間、一定速度で放出制御することは、性フェロモン物質も一種類か、もしくは化学構造的に類似の化合物であるから比較的容易である場合が多い。しかし、中には化学構造的に全く異なる化合物を性フェロモン物質として持つ害虫も存在し、それらを同一のディスペンサーに封入して放出制御することは、これまで困難であった。更に、一般的には、ある種の作物での害虫相が単一であるケースは極めて稀であり、特に日本をはじめ害虫相が複雑な地域では、複数の害虫を同時に防除しなければならない場合がほとんどである。
【0004】
化学構造的に異なる化合物を同時に放出させる場合、徐放性製剤の設計において困難な点は、
(1)官能基の違いにより沸点差(蒸気圧差)が大きく異なり、放出制御できない、
(2)同一の官能基を持つ化合物であっても炭素数の違いにより、沸点差(蒸気圧差)が大きく異なり、放出制御できない、
(3)バリアー性のない多孔質担体に担持させたような製剤では、蒸発面積を一定にしても、蒸気圧の大きな化合物が速く放出されてしまう、
等である。また、複数の害虫を同時に防徐する場合においては、害虫毎にその発生期間が異なっていること等が設計上の困難な点として挙げられる。
【0005】
一方、対象害虫の中にはニカメイガ、タバコガ、オオタバコガ、コナガ、チャノホソガ、モモゴマダラノメイガ、ネーブルオレンジワーム、スパイニーボールワーム及びシバツトガ等のようにアルデヒド化合物を性フェロモン物質として有するものも数多くある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般的に、アルデヒド化合物はその構造上の特徴から酸化、重合等の変成が非常に大きい物質である。しかも、共役ジエンや1,4−ぺンタジエン系の化合物等の二重結合を少なくとも二つ以上有する脂肪族直鎖状アセテートと共存する場合、その変性が助長されることを本発明者らは見出している。
このように、従来の高分子製の容器を用いて、アルデヒド化合物とともにアルコール化合物及び/又は共役ジエン構造や1,4−ぺンタジエン構造を含むアセテート化合物を含む混合性フェロモン溶液を放出制御し、一種類の害虫でも化学構造的に異なる性フェロモン物質を混合する場合や複数害虫の性フェロモン物質を混合した場合は、製剤内部に充填した組成のままの比率で放出させることは困難であるばかりでなく、交信撹乱を行なう場合に、変性によルアルデヒド化合物の損失が大きく、その効果が著しく低かった。
例えば、日本の芝では、一般に、Z−11−ヘキサデセナール及びZ−9−ヘキサデセナールの二種類のアルデヒド化合物を性フェロモン物質とするシバツトガ(Parapediasia teterrella)と、1,4−ぺンタジエン系のアセテート化合物であるZ,E−9,12−テトラデカジエニルアセテートとZ−9−テトラデセニルアセタートを性フェロモン物質とするスジキリヨトウ(Spodoptera exempta)の二種類の害虫を同時に防除することが必須と考えられるが、現在まで、安定した交信撹乱効果が得られる徐放性製剤は開発されていない。
【0007】
一方、複数の害虫を同時交信撹乱するためには、それぞれのディスペンサーを作成し、それぞれの害虫発生期間に合致するように設置して防除することも考えられるが、製剤のコストが高くなることに加え、ディスぺンサーの設置にも多大な労力が必要となり、農業の省力化に逆行するものである。
【0008】
このように、現在より省力化した形で一種類の害虫でも化学構造的に異なる性フェロモン物質を混合する場合や複数の性フェロモン物質を混合した場合に性フェロモン物質を首尾良く放出する徐放性製剤の開発が望まれていた。
本発明の目的は、一種類の害虫でも化学構造的に異なる性フェロモン物質を混合する場合や複数の害虫の性フェロモン物質を混合する場合の同時放出の制御を可能とし、特に、アルデヒド化合物とともにアルコール化合物及び/又はアセテート等が共存する場合に、アルデヒド化合物の性フェロモン物質の変性を防止することにある。また、複数の害虫の性フェロモン物質を混合する場合、害虫の発生期間に適合させて性フェロモン物質を一定速度以上で放出することができる性フェロモン物質の徐放性製剤及びその防除方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題の解決のため、複数害虫の性フェロモン物質における同時放出の制御が可能で、特に、アルデヒド化合物とともにアルコール化合物及び/又はアセテート等の化合物が共存する場合に、アルデヒド化合物の変性を防止し、害虫の発生期間に適合させて性フェロモン物質を一定速度以上で放出することができる性フェロモン徐放性製剤を検討した。そして、アルデヒドを一種類以上有する性フェロモン物質の全部又はアルデヒドを一種類以上有する性フェロモン物質の全部とアルコール化合物等の一部を一方の高分子材料に封入し、残りの性フェロモン物質を他方の高分子材料に封入し、好ましくは、両者を平行に接合して一体化することにより、上記目的を達成できることを見出して本発明を完成した。
【0010】
具体的には、炭素数10〜18の脂肪族直鎖状アルデヒドから選ばれる一種類以上である第1性フェロモン物質と、アルデヒド類を有しない炭素数7〜20の脂肪族誘導体から選ばれる一種類以上である第2性フェロモン物質とを含有する性フェロモン徐放性製剤であって、該第1性フェロモン物質の全部又は該第1性フェロモン物質の全部と該第2性フェロモン物質の一部が入れられた高分子材料の第1室と、残りの性フェロモン物質が入れられた高分子材料の第2室を備えてなる性フェロモン徐放性製剤を提供する。
また、炭素数10〜18の脂肪族直鎖状アルデヒドから選ばれる一種類以上である第1性フェロモン物質と、アルデヒド類を有しない炭素数7〜20の脂肪族誘導体から選ばれる一種類以上である第2性フェロモン物質とを含有する性フェロモン徐放性製剤用容器であって、該第1性フェロモン物質の全部又は該第1性フェロモン物質の全部と該第2性フェロモン物質の一部を収納するための高分子材料の第1室と、残りの性フェロモン物質を収納するための高分子材料の第2室を備えてなる性フェロモン徐放性製剤用容器を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の徐放性製剤及び防除方法によれば、複数の害虫を対象とした性フェロモン物質の同時放出の制御を可能とし、特に、アルデヒド化合物とともにアルコール化合物及び/又はアセテート等が共存する場合に、アルデヒド化合物の性フェロモン物質の変性を防止し、害虫の発生期間に適合させて性フェロモン物質を一定速度以上で放出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、これについて詳しく説明する。
本発明の複数害虫の性フェロモン物質の一例として、日本の芝を対象として例示すると以下の表1のようになる。
【0013】
【表1】

【0014】
上記化合物を高分子製の膜からなるチューブ細管、カプセル及びラミネ−ト等で包み、この膜をバリアーとして放出を制御しようとすると、その放出制御因子としては、(1)封入された性フェロモン物質の蒸気圧、(2)性フェロモン物質の官能基と高分子材料との親和性(溶解パラメーター)の違いから均一な放出が得られないだけでなく、容器中ではアルデヒド化合物とアルコール化合物とがアセタール化を起こし、アルデヒド化合物の残存量が著しく減少してしまい、放出速度が低下してしまう。更に、容器表面では紫外線等の影響を受けて変性した1,4−ぺンタジエン系の化合物の変性物によりアルデヒド化合物の変性が促進され、アルデヒド化合物の放出量が減少してしまうと同時に、容器表面にそれらのバリアー層を形成してしまうため、その他の化合物も著しい放出の低下を起こしてしまう。
【0015】
そこで、本発明者らは種々の検討の結果、一種類の害虫でも化学構造的に異なる性フェロモン物質を混合する場合や複数害虫の性フェロモン物質を混合する場合には、その複数の性フェロモン物質のうち、炭素数10〜18の脂肪族直鎖状アルデヒドから選ばれる一種類以上の性フェロモン物質の全部、又は炭素数10〜18の脂肪族直鎖状アルデヒドから選ばれる一種類以上の性フェロモン物質の全部とアルデヒド類を有しない炭素数7〜20の脂肪族誘導体から選ばれる一種類以上の性フェロモン物質の一部を高分子材料の第1室に封入し、残りのアルデヒド類を有しない炭素数7〜20の脂肪族誘導体から選ばれる一種類以上の性フェロモン物質を高分子材料の第2室に封入したものが、好ましくは平行に接合され一体化した製剤とすることで、アルデヒド化合物である性フェロモン物質の変性を防ぎ、その他の性フェロモン物質も同時に長期間放出させることができることを見出し、本発明を完成した。
【0016】
本発明に用いられる性フェロモン物質としては、炭素数10〜18の脂肪族直鎖状アルデヒドと、アルデヒド類を有しない炭素数7〜20の脂肪族誘導体が挙げられる。
アルデヒド類を有しない炭素数7〜20の脂肪族誘導体としては、炭素数7〜20の鱗翅目の脂肪族直鎖状アルコールと、飽和又は二重結合を一つ以上有する炭素数12〜20の脂肪族直鎖状アセテートと、炭素数10〜20の脂肪族直鎖状ケトンと、炭素数10〜20の脂肪族炭化水素とからなる一群から選ばれる性フェロモン物質が挙げられる。
本発明は、特に、脂肪族直鎖状アルデヒドとともに炭素数7〜20脂肪族直鎖状アルコール及び/又は二重結合を二つ以上有する炭素数12〜20の脂肪族直鎖状アセテートを同時に放出させる場合に有用である。
【0017】
本発明の炭素数10〜18の脂肪族直鎖状アルデヒドとしては、Z−5−デセナール、10−ウンデセナール、n−ドデカナール、Z−5−ドデセナール、Z−7−ドデセナール、Z−9−ドデセナール、E9−ドデセナール、E5Z10−ドデカジエナール、Z5E7−ドデカジエナール、Z5Z7−ドデカジエナール、E7Z9−ドデカジエナール、E8E10−ドデカジエナール、E8Z10−ドデカジエナール、Z8E10−ドデカジエナール、E9,11−ドデカジエナール、Z9,11−ドデカジエナール、n−テトラデカナール、Z5−テトラデセナール、Z7−テトラデセナール、Z9−テトラデセナール、E11−テトラデセナール、Z11−テトラデセナール、E8Z10−テトラデカジエノール、E8E10−テトラデカジエナール、Z9E11−テトラデカジエナール、Z9Z11−テトラデカジエナール、Z9E12−テトラデカジエナール、10,12−テトラデカジエノール、E11,13−テトラデカジエナール、Z11,13−テトラデカジエナール、Z9E11,13−テトラデカトリエノール、Z10−ぺンタデセナール、E9Z11−ぺンタデカジエナール、n−ヘキサデカナール、Z7−ヘキサデセナール、Z9−ヘキサデセナール、E10−ヘキサデセナール、Z10−ヘキサデセナール、E11−ヘキサデセナール、Z11−ヘキサデセナール、Z12−ヘキサデセナール、E6Z11−ヘキサデカジエナール、Z7E11−ヘキサデカジエナール、Z7Z11−ヘキサデカジエナール、E9Z11−ヘキサデカジエナール、Z9E11−ヘキサデカジエナール、Z9E12−ヘキサデカジエナール、E10E12−ヘキサデカジエナール、E10Z12−ヘキサデカジエナール、Z10E12−ヘキリデカジエナール、Z10Z12−ヘキサデカジエナール、E11E13−ヘキサデカジエナール、E11Z13−ヘキサデカジナール、Z11E13−ヘキサデカジエナール、Z11Z13−ヘキサデカジエナール、Z13−ヘキサデセン−11−エナール、E4E6Z11−ヘキサデカトリエナール、E10E12E14−ヘキサデカトリエナール、E10E12Z14−ヘキサデカトリエナール、n−オクタデカナール、E2−オクタデセナール、Z9−オクタデセナール、E11−オクタデセナール、Z11−オクタデセナール、E13−オクタデセナール、Z13−オクタデセナール、E14−オクタデセナール、E2Z13−オクタデカジエナール、Z3Z13−オクタデカジエナール、Z9Z12−オクタデカジエナール、E11E14−オクタデカジエナ−ル、Z11Z13−オクタデカジエノール、Z13Z15−オクタデカジエナール、Z9Z12Z15−オクタデカトリエナール等が例示される。
【0018】
本発明のアルデヒド類を有しない炭素数7〜20の脂肪族誘導体は、好ましくは、炭素数7〜20の脂肪族直鎖状アルコールと、二重結合を二つ以上有する炭素数12〜20の脂肪族直鎖状アセテートとからなる一群から選ばれる性フェロモン物質である。これは、炭素数10〜18の脂肪族直鎖状アルデヒドから選ばれる性フェロモン物質とは、混合しないことが好ましい。
【0019】
炭素数7〜20の脂肪族直鎖状アルコールとしては、飽和脂肪族直鎖状アルコール又は二重結合を一つ又は二つ以上有する脂肪族直鎖状アルコールが好ましい。具体的には、n−ヘプタノール、Z4−ヘプテノール、Z6−ノネノール、Z6,8−ノナジエノール、E6,8−ノナジエオール、n−デカノール、Z5−デセノール、E5−デセノール、n−ウンデカノール、ウンデセノール、11−クロロ−E8E10−ウンデカジエノール、n−ドデカノール、Z5−ドデセノール、Z7−ドデセノール、E7−ドデセノール、Z8−ドデセノール、E8−ドデセノール、Z9−ドデセノール、E9−ドデセノール、E10−ドデセノール、11−ドデセノール、Z5E7−ドデカジエノール、E5Z7−ドデカジエノール、E5E7−ドデカジエノール、Z7Z9−ドデカジエノール、Z7E9−ドデカジエノール、E7Z9−ドデカジエノール、Z8Z10−ドデカジエノール、Z8E10−ドデカジエノール、E8Z10−ドデカジエノール、E8E10−ドデカジエノール、8,9−ジフロロ−E8E10−ドデカジエノール、10,11−ジフロ−E8E10一ドデカジエノール、8,9,10,11−テトラフルオロ−E8E10−ドデカジエノール、Z9,11−ドデカジエノール、E9,11−ドデカジエノール、n−トリデカノール、n−テトラデカノール、Z5−テトラデセノール、E5−テトラデセノール、Z7−テトラデセノール、Z8−テトラデセノール、Z9−テトラデセノール、E9−テトラデセノール、Z11−テトラデセノール、E11−テトラデセノール、Z9Z11−テトラデカジエノール、Z9E11−テトラデカジエノール、Z9Z12−テトラデカジエノール、Z9E12−テトラデカジエノール、Z10Z12−テトラデカジエノール、E10E12−テトラデカジエノール、n−ぺンタデカノール、6,10,14−トリメチル−2−ぺンタデカノール、n−ヘキサデカノール、Z9−ヘキサデセノール、Z11−ヘキサデセノール、E11−ヘキサデセノール、Z7Z11−ヘキサデカジエノール、Z7E11−ヘキサデカジエノール、E10Z12−ヘキサデカジエノール、E10E12−ヘキサデカジエノール、Z11Z13−ヘキサデカジエノール、Z11E13−ヘキサデカジエノール、E11Z13−ヘキサデカジエノール、E11Z13−ヘキサデカジエノール、Z13−ヘキサデセン−11−エン−オール、E4Z6Z10−ヘキサデカトリエノール、E4E6Z10−ヘキサデカトリエノール、n−オクタデカノール、Z13−オクタデセノール、E2Z13−オクタデカジエノール、Z3Z13−オクタデカジエノール、E3Z13−オクタデカジエノール及びn−エイコサノール等が挙げられる。
【0020】
アルデヒド類を有しない二重結合を二つ以上有する炭素数12〜20の脂肪族直鎖状アセテートとしては、共役ジエン及び/又は1,4−ペンタジエン系のアセテート化合物が好ましい。具体的には、Z3E5−デカジエニルアセテート、E3E5−デカジエニルアセテート、Z7,9−デカジエニルアセテート、Z3E5−ドデカジエニルアセテート、E3Z5−ドデカジエニルアセテート、Z5E7−ドデカジエニルアセテート、E5Z7−ドデカジエニルアセテート、Z9Z9−ドデカジエニルアセテート、Z7E9−ドデカジエニルアセテート、E7Z9−ドデカジニルアセテート、E7E9−ドデカジエニルアセテート、Z8Z10−ドデカジエニルアセテート、Z8E10−ドデカジエニルアセテート、E8Z10−ドデカジエニルアセテート、E8E10−ドデカジエニルアセテート、9,11−ドデカジエニルアセテート、E4Z7−トリデカジエニルアセテート、11−メチル−Z9,12−トリデカジニルアセテート、E3E5−テトラデカジエニルアセテート、E8E10−テトラデカジエニルアセテート、Z9Z11−テトラデカジエニルアセテート、Z9E11−テトラデカジエニルアセテート、E9Z11−テトラデカジエニルアセテート、E9E11−テトラデカジエニルアセテート、Z9Z12−テトラデカジエニルアセテート、Z9E12−テトラデカジエニルアセテート、E9E12−テトラデカジエニルアセテート、Z10Z12−テトラデカジエニルアセテート、Z10E12−テトラデカジエニルアセテート、E10Z12−テトラデカジエニルアセテート、E10E12−テトラデカジエニルアセテート、E11,13−テトラデカジエニルアセテート、Z8Z10−ぺンタデカジエニルアセテート、Z8E10−ぺンタデカジエニルアセテート、E8Z10−ぺンタデカジエニルアセテート、E8E10−ぺンタデカジエニルアセテート、Z8Z10−ヘキサデカジエニルアセテート、Z10E12−ヘキサデカジエニルアセテート、E10Z12−ヘキサデカジエニルアセテート、E10E12−ヘキサデカジエニルアセテート、Z11Z13−ヘキサデカジエニルアセテート、Z11E13−ヘキサデカジエニルアセテート、E11Z13−ヘキサデカジエニルアセテート、E11E13−ヘキサデカジエニルアセテート及びZ11E14−ヘキサデカジエニルアセテート等が例示される。
【0021】
アルデヒド類を有しない炭素数7〜20の脂肪族誘導体は、好ましくは、飽和又は二重結合を一つ有する炭素数12〜20の脂肪族直鎖状アセテートと、炭素数10〜20の脂肪族直鎖状ケトンと、炭素数10〜20の脂肪族炭化水素とからなる一群から選ばれる性フェロモン物質である。これは、炭素数10〜18の脂肪族直鎖状アルデヒドから選ばれる性フェロモン物質とは、混合してもよい。
【0022】
アルデヒド類を有しない飽和又は二重結合を一つ有する炭素数12〜20の脂肪族直鎖状アセテートとしては、デシルアセテート、Z3−デセニルアセテート、E4−デセニルアセテート、Z4−デセニルアセテート、E5−デセニルアセテート、Z5−デセニルアセテート、E7−デセニルアセテート、Z7−デセニルアセテート、ウンデシルアセテート、Z7−ウンデセニルアセテート、Z8−ウンデセニルアセテート、E9−ウンデセニルアセテート、Z9−ウンデセニルアセテート、ドデシルアセテート、E3−ドデセニルアセテート、Z3−ドデセニルアセテート、E4−ドデセニルアセテート、E5−ドデセニルアセテート、Z5−ドデセニルアセテート、E7−ドデセニルアセテート、Z7−ドデセニルアセテート、E8−ドデセニルアセテート、Z8−ドデセニルアセテート、E9−ドデセニルアセテート、Z9−ドデセニルアセテート、E10−ドデセニルアセテート、Z10−ドデセニルアセテート、11−ドデセニルアセテート、10−メチルドデセニルアセテート、トリデシルアセテート、E3−トリデセニルアセテート、E4−トリデセニルアセテート、Z4−トリデセニルアセテート、E6−トリデセニルアセテート、E8−トリデセニルアセテート、Z8−トリデセニルアセテート、E9−トリデセニルアセテート、Z9−トリデセニルアセテート、Z10−トリデセニルアセテート、E11−トリデセニルアセテート、Z11−トリデセニルアセテート、テトラデシルアセテート、E3−テトラデセニルアセテート、Z3−テトラデセニルアセテート、E5−テトラデセニルアセテート、Z5−テトラデセニルアセテート、E6−テトラデセニルアセテート、Z6−テトラデセニルアセテート、E7−テトラデセニルアセテート、Z7−テトラデセニルアセテート、E8−テトラデセニルアセテート、Z8−テトラデセニルアセテート、E9−テトラデセニルアセテート、Z9−テトラデセニルアセテート、E10−テトラデセニルアセテート、Z10−テトラデセニルアセテート、E11−テトラデセニルアセテート、Z11−テトラデセニルアセテート、E12−テトラデセニルアセテート、Z12−テトラデセニルアセテート、12−メチルテトラデセニルアセテート、ペンタデシルアセテート、Z8−ペンタデセニルアセテート、E9−ペンタデセニルアセテート、Z9−ペンタデセニルアセテート、Z10−ペンタデセニルアセテート、E12−ペンタデセニルアセテート、Z12−ペンタデセニルアセテート、ヘキサデシルアセテート、Z3−ヘキサデセニルアセテート、E5−ヘキサデセニルアセテート、Z5−ヘキサデセニルアセテート、E6−ヘキサデセニルアセテート、Z7−ヘキサデセニルアセテート、Z9−ヘキサデセニルアセテート、Z10−ヘキサデセニルアセテート、E11−ヘキサデセニルアセテート、Z11−ヘキサデセニルアセテート、Z12−ヘキサデセニルアセテート、ヘプタデシルアセテート、Z11−ヘプタデセニルアセテート、オクタデシルアセテート、E2−オクタデセニルアセテート、Z11−オクタデセニルアセテート、E13−オクタデセニルアセテート等が挙げられる。
【0023】
アルデヒド類を有しない炭素数10〜20の脂肪族直鎖状ケトンとしては、ヘプタデカン−2−オン、Z12−ノナデセン−9−オン、Z6Z9−ノナデカジエン−3−オン、Z7−ノナデセン−11−オン、Z7−エイコセン−11−オン、Z6−ヘネイコセン−11−オン、Z6−ヘネイコセン−9−オン、Z6E8−ヘネイコサデイン−11−オン、Z6E9−ヘネイコサデイン−11−オン、Z6Z9−ヘネイコサデイン−11−オン、Z7−トリコサン−11−オン等が挙げられる。
【0024】
アルデヒド類を有しない炭素数10〜20の脂肪族炭化水素としては、1E11−ペンタデカジエン、1Z11−ペンタデカジエン、5,9−ジメチルペンタデカン、2−メチルヘキサデカン、3,13−ジメチルヘキサデカン、5,9−ジメチルヘキサデカン、n−ヘプタデカン、2−メチルヘプタデカン、2,5−ジメチルヘプタデカン、3,13−ジメチルヘプタデカン、5−メチルヘプタデカン、5,11−ジメチルヘプタデカン、5,9−ジメチルヘプタデカン、7−メチルヘプタデカン、7,11−ジメチルヘプタデカン、Z3Z6Z9−ヘプタデカトリエン、Z6Z9−ヘプタデカジエン、Z7−オクタデセン、10,14−ジメチル−1−オクタデセン、14−メチル−1−オクタデセン、2−メチル−Z7−オクタデセン、5,9−ジチルオクタデカン、2−メチルオクタデカン、14−メチルオクタデカン、Z3Z6Z9−オクタデカトリエン、n−ノナデカン、2−メチルノナデカン、9−メチルノナデカン、Z3Z6Z9E11−ノナデカテトラエン、Z3Z6Z9Z11−ノナデカテトラエン、1E3Z6Z9−ノナデカテトラエン、1Z3Z6Z9−ノナデカテトラエン、Z3Z6Z9−ノナデカトリエン、Z6Z9−ノナデカジエン、Z9−ノナデセン、n−エイコサン、Z9−エイコセン、Z3Z6−エイコサジエン、Z6Z9−エイコサジエン、Z3Z6Z9−エイコサトリエン、1Z3Z6Z9−エイコサテトラエン、1Z3Z6Z9−ヘネイコサテトラエン、n−ヘネイコサン、Z3Z6−ヘネイコサジエン、Z6Z9−ヘネイコサジエン、Z6Z9,20−ヘネイコサトリエン、Z3Z6Z9−ヘネイコサトリエン、Z6−13−メチルヘネイコセン、Z9−ヘネイコセン、n−ドコサエン、Z3Z6Z9−ドコサトリエン、Z6Z9−ドコサジエン、n−トリコセン、Z3Z6Z9−トリコサトリエン、Z6Z9−トリコサジエン、n−テトラコサン、n−ペンタコサン、Z3Z6Z9−ペンタコサトリエン、n−ヘキサコサン、n−ヘプタコサン、n−オクタコサン、n−ノナコサン等が挙げられる。
【0025】
本発明の徐放性製剤は、抗酸化剤や紫外線吸収剤等の安定剤や着色剤を10重量%以下であれば含有することもできる。
【0026】
本発明の性フェロモン徐放性製剤は、例えば、日本の芝を対象とした上記表1示したシバツトガ及びスジキリヨトウの場合、アルデヒドを含むシバツトガの性フェロモン物質であるZ−11−ヘキサデセナール、Z−9−ヘキサデセナールの全部及び二重結合を1つ有する脂肪族直鎖状アセテートであるZ−9−テトラデセニルアセテートを独立した高分子材料の第1室に封入し、残りのZ9E12−テトラデカジエニルアセテートを高分子材料の第2室に封入する。
なお、各室への性フェロモン物質の収納量は、徐放性製剤の放出期間、性フェロモン物質の揮発性及び容器の高分子材料との親和性等によって異なるが、好ましくは、第1室及び第2室とも50〜400mg、より好ましくは150〜300mgである。
【0027】
本発明に用いられる高分子材料は、ポリオレフィン、ポリアクリル、ポリエステル、ポリアミド、ポリメタクリル、ポリオレフィン−ビニルアルコールエステル共重合体等であり、その膜をバリアーとして用いているものであれば、一般の押出成型法による管状に加工したチュ−ブ状やカプセル、バッグ及びラミネート等が挙げられ、その加工上、可塑剤、滑剤、安定剤及び着色剤等の適宜混合は可能である。本発明では、何らかの形で連結、好ましくは一体化することが可能であれば、2つの封入した高分子材料は互いに同質であっても、異なる材質であっても適応できる。
【0028】
本発明に用いられる高分子材料製の収納室は、性フェロモン物質を収納できるものであれば特に限定されないが、例えば、高分子材料製の膜からなるチューブ細管、カプセル、ラミネート等で包み、この膜をバリアーとして放出制御できるものである。
用いられる高分子膜の寸法は、中に投入する性フェロモン物質の物性によって適宜選択することができ、また、肉厚や内外径は2つの高分子材料の第1室と第2室で同一でも、異なるものであっても良い。特に、肉厚は性フェロモン物質の蒸発速度に大きく影響されるので、必要な放出期間と性フェロモン物質の蒸気圧及び溶解パラメーターによってそれに適した厚みを選択できるが、高分子材料の第1室と第2室とで極端に肉厚に差があれば、実用上、投入時のシール加工等がしにくくなるので、実用的に可能な範囲を選択するのに注意を要する。
【0029】
本発明では、高分子材料の第1室と第2室の構造は、特に限定されないが、好ましくはヒートシールや接着剤を用いて化学的に連結できる。また、テープや針金等を用いて物理的に連結してもよい。その際、高分子材料の第1室と第2室となるチューブ1と2は図1(a)に示すように独立していても、図1(b)に示すように接合部3により平行に一体化していてもよい。また、図1(c)のようにチューブの先端をヒートシール装置4を用いて化学的又は物理的に接合して連結させることで、最終的に図1(d)の断面図に示すように性フェロモンA1とA2を有する徐放性製剤としてもよい。但し、この形状に限られるものではない。
【0030】
本発明の性フェロモン徐放性製剤を第1室と第2室に収納された性フェロモン物質として説明してきた。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、第1室が複数の収納室を含んでなる態様や第2室が複数の収納室を含む態様も本発明の範囲に含まれる。
【実施例】
【0031】
以下に、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
実施例1
日本の芝の害虫であるシバツトガとスジキリヨトウの複合徐放性製剤として、下記チューブ(A)と(B)のチュ−ブが図1のように平行に一体化した20cmチューブ状製剤を調製し、25℃、0.3m/sの恒温槽中で放出を確認した。経過日数に対する各性フェロモン物質の残存率の変化を表2に示す。
(A)内径1.43mm、外径2.73mm(肉厚0.65mm)の高密度ポリエチレンチュ−ブに以下の成分が封入されたもの
Z−11−ヘキサデセナール 210mg
Z−9−ヘキサデセナール 10mg
Z−9−テトラデセニルアセテート 30mg
(B)内径1.37mm、外径2.67mm(肉厚0.65mm)の高密度ポリエチレンチュ−ブに以下の成分が封入されたもの
Z−9−テトラデセニルアセテート 170mg
Z,E−9,12−テトラデカジエニルアセテート 50mg
Z−11−ヘキサデセノール 10mg
【0032】
比較例1
内径1.40mm、外径2.70mm(肉厚0.65mm)の20cm高密度ポリエチレンチューブで、賦形性を持たせるためにアルミニウム線が接合されたものに、実施例で用いた性フェロモン物質全てを均一に混合した溶液を封入したものを調製し、この製剤を上記実施例1と同じ条件で各性フェロモン成分の残存率の経時変化を測定した。その結果を表2に示す。
【0033】
【表2】

【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の徐放性製剤の製造工程を示し、図1(a)は2本の高分子材料のチューブ、図1(b)は設けられた接合部、図1(c)はヒートシール装置を用いるシール工程、図1(d)は徐放性製剤の断面図を示す。
【符号の説明】
【0035】
1 チューブ
2 チューブ
3 接合部
4 ヒートシール装置
A1 性フェロモン物質
A2 性フェロモン物質

【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素数10〜18の脂肪族直鎖状アルデヒドから選ばれる一種類以上である第1性フェロモン物質と、アルデヒド類を有しない炭素数7〜20の脂肪族誘導体から選ばれる一種類以上である第2性フェロモン物質とを含有する性フェロモン徐放性製剤であって、該第1性フェロモン物質の全部、又は該第1性フェロモン物質の全部と該第2性フェロモン物質の一部を入れた高分子材料の第1室と、残りの性フェロモン物質を入れた高分子材料の第2室を備えてなる性フェロモン徐放性製剤。
【請求項2】
上記第1室に、上記第2性フェロモン物質を含まない上記第1性フェロモン物質の全部が入れられた請求項1に記載の性フェロモン徐放性製剤。
【請求項3】
上記第1室に、上記第1性フェロモン物質の全部と上記第2性フェロモン物質の一部が入れられた請求項1に記載の性フェロモン徐放性製剤。
【請求項4】
上記アルデヒド類を有しない炭素数7〜20の脂肪族誘導体が、炭素数7〜20の脂肪族直鎖状アルコールと、二重結合を二つ以上有する炭素数12〜20の脂肪族直鎖状アセテートとからなる一群から選ばれる性フェロモン物質である請求項2に記載の性フェロモン徐放性製剤。
【請求項5】
上記アルデヒド類を有しない炭素数7〜20の脂肪族誘導体が、飽和又は二重結合を一つ有する炭素数12〜20の脂肪族直鎖状アセテートと、炭素数10〜20の脂肪族直鎖状ケトンと、炭素数10〜20の脂肪族炭化水素とからなる一群から選ばれる性フェロモン物質である請求項3に記載の性フェロモン徐放性製剤。
【請求項6】
上記炭素数7〜20の脂肪族直鎖状アルコールが、飽和脂肪族直鎖状アルコールである請求項4に記載の性フェロモン徐放性製剤。
【請求項7】
上記炭素数7〜20の脂肪族直鎖状アルコールが、二重結合を一つ又は二つ以上有する脂肪族直鎖状アルコールである請求項4に記載の性フェロモン徐放性製剤。
【請求項8】
上記二重結合を二つ以上有する炭素数12〜20の脂肪族直鎖状アセテートが、共役ジエン又は1,4−ぺンタジエン系である請求項4に記載の性フェロモン徐放性製剤。
【請求項9】
上記炭素数10〜18の脂肪族直鎖状アルデヒドが、Z−5−デセナール、10−ウンデセナール、n−ドデカナール、Z−5−ドデセナール、Z−7−ドデセナール、Z−9−ドデセナール、E9−ドデセナール、E5Z10−ドデカジエナール、Z5E7−ドデカジエナール、Z5Z7−ドデカジエナール、E7Z9−ドデカジエナール、E8E10−ドデカジエナール、E8Z10−ドデカジエナ−ル、Z8E10−ドデカジエナール、E9,11−ドデカジエナール、Z9,11−ドデカジエナール、n−テトラデカナール、Z5−テトラデセナール、Z7−テトラデセナ−ル、Z9−テトラデセナール、E11−テトラデセナール、Z11−テトラデセナール、E8Z10−テトラデカジエノール、E8E10−テトラデカジエナール、Z9E11−テトラデカジエナール、Z9Z11−テトラデカジエナール、Z9E12−テトラデカジエナール、10,12−テトラデカジエノール、E11,13−テトラデカジエナール、Z11,13−テトラデカジエナール、Z9E11,13−テトラデカトリエノール、Z10−ぺンタデセナール、E9Z11−ぺンタデカジエナール、n−ヘキサデカナール、Z7−ヘキサデセナール、Z9−ヘキサデセナール、E10−ヘキサデセナール、Z10−ヘキサデセナール、E11−ヘキサデセナール、Z11−ヘキサデセナール、Z12−ヘキサデセナール、E6Z11−ヘキサデカジエナール、Z7E11−ヘキサデカジエナール、Z7Z11−ヘキサデカジエナール、E9Z11−ヘキサデカジエナール、Z9E11−ヘキサデカジエナール、Z9E12−ヘキサデカジエナール、E10E12−ヘキサデカジエナール、E10Z12−ヘキサデカジエナール、Z10E12−ヘキリデカジエナール、Z10Z12−ヘキサデカジエナール、E11E13−ヘキサデカジエナール、E11Z13−ヘキサデカジナナ−ル、Z11E13−ヘキサデカジエナール、Z11Z13−ヘキサデカジエナール、Z13−ヘキサデセン−11−エナール、E4E6Z11−ヘキサデカトリエナール、E10E12E14−ヘキサデカトリエナール、E10E12Z14−ヘキサデカトリエナール、n−オクタデカナール、E2−オクタデセナール、Z9−オクタデセナール、E11−オクタデセナール、Z11−オクタデセナール、E13−オクタデセナール、Z13−オクタデセナール、E14−オクタデセナール、E2Z13−オクタデカジエナ−ル、Z3Z13−オクタデカジエナール、Z9Z12−オクタデカジエナ−ル、E11E14−オクタデカジエナール、Z11Z13−オクタデカジエノール、Z13Z15−オクタデカジエナール、Z9Z12Z15−オクタデカトリエナールからなる一群から選ばれる請求項1〜8のいずれかに記載の性フェロモン徐放性製剤。
【請求項10】
請求項1〜9に記載の性フェロモン徐放性製剤を用いる害虫の防除方法。
【請求項11】
炭素数10〜18の脂肪族直鎖状アルデヒドから選ばれる一種類以上である第1性フェロモン物質と、アルデヒド類を有しない炭素数7〜20の脂肪族誘導体から選ばれる一種類以上である第2性フェロモン物質とを含有する性フェロモン徐放性製剤用容器であって、該第1性フェロモン物質の全部又は該第1性フェロモン物質の全部と第2性フェロモン物質の一部を収納するための高分子材料の第1室と、残りの性フェロモン物質を収納するための高分子材料の第2室を備えてなる性フェロモン徐放性製剤用容器。

【図1】
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【公開番号】特開2006−83088(P2006−83088A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−268628(P2004−268628)
【出願日】平成16年9月15日(2004.9.15)
【出願人】(000002060)信越化学工業株式会社 (3,361)
【Fターム(参考)】