説明

複数の筒状エレメント上のバーコードを読取る方法及びその装置

【課題】エレメント・バーコードを完全に読取ることができる複数の筒状エレメント上のバーコードを読取る方法及びその装置を提供する。
【解決手段】複数の筒状エレメント上のバーコードを読取る装置は、作動台1、プッシャ3、捕捉装置5、伝動器6及びエレメント・リーダー7を備える。作動台1は、伝達経路と伝達経路上に設けられた検査エリアとを有する。プッシャ3は、作動台1上に配置され、立設した複数の筒状エレメント9を伝達経路に沿って検査エリアに入れ、筒状エレメント9の外壁にエレメント・バーコードが貼付される。捕捉装置5は、検査エリアの頂部に配置され、検査エリアに入る筒状エレメント9を捕捉し、所定の高さ位置まで移動させる。伝動器6は、検査エリア内に配置され、捕捉装置5により捕捉された所定の高さ位置にある筒状エレメント9を所定回転角度で回転させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筒状エレメント(cylindrical element)上のバーコードに関し、特に、電池などの筒状エレメントを回転させてバーコードを読取る方法と、筒状エレメントを捕捉して所定の高さ位置に移動させてから、筒状エレメントを回転させてバーコードを読取るエレメントの搬送トレー・バーコードを読取る方法と、バーコードを読取る装置と、に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子、光電、機械の分野における製品の部品組立て工程では、バーコード・リーダーを使用し、手作業によりエレメント・バーコードを一つずつ読取り、エレメントの連番などの情報を記録することができるように、識別用のバーコードがエレメントの表面に貼付されることがある。
【0003】
一般に、バーコードが貼付されるエレメントは、形状がブロック状、筒状などである。例えば、エレメントが電池の場合、特許文献1及び特許文献2では、搬送治具(又は搬送トレーとも称する)上に複数のブロック状電池を載置し、電池上にバーコードがそれぞれ貼付され、バーコードデータをリーダーにより読取って記録する技術が開示されているが、バーコードを読取る技術の詳細については開示されていない。特許文献3では、バーコードを読取る方式により、複数の筒状電池を記録し、電池の作動位置を検知する技術が開示されているが、手作業によりリーダーを操作し、筒状電池上のバーコードデータを逐一走査して記録しなければならなかったため、バーコードデータを走査するのが不便である上、読取りにエラーが発生し易いという問題点がある。また、特許文献4では、手作業により逐一リーダを操作してバーコードを走査する方式を改善した技術が開示され、ガイドレール上にリーダーを配置し、手作業で移動したり電気方式で駆動したりして垂直方向及び水平方向で移動させ、架台上に配置された複数の筒状電池のバーコードを走査する際、表面が弧状である筒状エレメント上に貼付されたバーコードを、所定の弧長範囲内に入れる必要がある。そのため、手作業又はその他の方式により筒状電池を回転させて位置決めさせずに、リーダーを移動させるだけでは、弧状の表面上に貼付されたバーコードを走査する際、走査が不完全となったり、読取りに失敗したりすることがある上、弧状の表面に貼付されたバーコードの位置がずれたときに、バーコード・リーダーにより読取ることが困難となる虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】台湾特許出願公開第201010160号公報
【特許文献2】台湾特許出願公開第201010161号公報
【特許文献3】中国特許第200620063148号公報
【特許文献4】中国特許第20062006634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、リーダーを移動させるだけでは、筒状エレメントの弧状表面に貼付されたバーコードを正確に走査することが困難だった従来技術の問題点を解決する複数の筒状エレメント上のバーコードを読取る方法及びその装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態によれば、作動台上に、伝達経路を設け、前記伝達経路上に検査エリアを設ける工程と、プッシャを使用し、外壁にエレメント・バーコードを貼付して立設させた複数の筒状エレメントを前記伝達経路に沿って前記検査エリアに入れる工程と、前記検査エリアに入った前記筒状エレメントを伝動器により所定の回転角度で回転させる工程と、回転している前記筒状エレメント上の前記エレメント・バーコードをエレメント・リーダーにより読取り、前記検査エリアに入った前記筒状エレメントを識別して記録する工程と、を含むことを特徴とする複数の筒状エレメント上のバーコードを読取る方法が提供される。
【0007】
前記筒状エレメントを捕捉装置により捕捉し、前記検査エリアにおいて所定の高さ位置まで移動させ、伝動器が前記所定の高さ位置で前記捕捉装置を回転させると、前記筒状エレメントが回転し、前記エレメント・リーダーにより前記エレメント・バーコードを読取った後、前記所定高さ位置にある前記筒状エレメントを前記捕捉装置により移動させて復位させる工程をさらに含むことが好ましい。
【0008】
前記筒状エレメントを搬送トレーに収納し、前記プッシャにより前記搬送トレーを駆動し、前記伝達経路に沿って移動させる工程をさらに含むことが好ましい。
【0009】
前記搬送トレー上には、搬送トレー・バーコードが貼付され、前記搬送トレー上に貼付された前記搬送トレー・バーコードは、前記伝達経路上の搬送トレー・リーダーにより読取られ、前記伝達経路上の前記搬送トレーを識別して記録することが好ましい。
【0010】
前記プッシャには、前記伝達経路に沿って移動する支持台が配置され、前記搬送トレーは、前記支持台上に位置し、前記プッシャにより、前記支持台を駆動し、前記搬送トレーを移動させることが好ましい。
【0011】
前記支持台により前記搬送トレーを移動させるとき、前記支持台上の伸縮可能な係止用爪により前記搬送トレーを保持することが好ましい。
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の第2の形態によれば、作動台、プッシャ、捕捉装置、伝動器及びエレメント・リーダーを備える複数の筒状エレメント上のバーコードを読取る装置であって、前記作動台は、伝達経路と、前記伝達経路上に設けられた検査エリアと、を有し、前記プッシャは、前記作動台上に配置され、立設した複数の筒状エレメントを前記伝達経路に沿って検査エリアに入れ、前記筒状エレメントの外壁にエレメント・バーコードが貼付され、前記捕捉装置は、前記検査エリアの頂部に配置され、前記検査エリアに入る前記筒状エレメントを捕捉し、所定の高さ位置まで移動させ、前記伝動器は、前記検査エリア内に配置され、前記捕捉装置に接続され、前記捕捉装置により捕捉された所定の高さ位置にある前記筒状エレメントを所定回転角度で回転させ、前記エレメント・リーダーは、前記検査エリア内に配置され、回転する前記筒状エレメント上の前記エレメント・バーコードを読取り、前記検査エリアに入る前記筒状エレメントを識別して記録し、前記捕捉装置は、前記エレメント・リーダーにより前記エレメント・バーコードを読取った後、前記所定の高さ位置にある前記筒状エレメントを復位させることを特徴とする複数の筒状エレメント上のバーコードを読取る装置が提供される。
【0013】
前記筒状エレメントは、搬送トレーに収納され、前記プッシャは、前記伝達経路に沿って前記搬送トレーを移動させることが好ましい。
【0014】
前記搬送トレー上には、搬送トレー・バーコードが貼付され、前記伝達経路上に搬送トレー・リーダーが配置され、前記搬送トレー・リーダーにより、前記搬送トレーの前記搬送トレー・バーコードを読取り、前記伝達経路上の前記搬送トレーを識別して記録することが好ましい。
【0015】
前記プッシャは、前記伝達経路に沿って移動する支持台を有し、前記搬送トレーは、前記支持台上に位置し、前記プッシャは、前記支持台を駆動し、前記搬送トレーを移動させることが好ましい。
【0016】
前記支持台の端部には、伸縮可能な係止用爪が設けられ、前記支持台により前記搬送トレーを移動させる際、前記係止用爪により前記搬送トレーを保持することが好ましい。
【0017】
前記搬送トレーの端部には、前記搬送トレーを保持する前記係止用爪を挿入する係合溝が設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明の複数の筒状エレメント上のバーコードを読取る方法及びその装置は、筒状エレメントに貼付されたエレメント・バーコードが、エレメント・リーダーの走査範囲内で所定の回転角度回転し、回転中にエレメント・リーダーにより走査されると、エレメント・バーコードを完全に読取ることができる上、筒状エレメント上に貼付されたエレメント・バーコードをエレメント・リーダーにより自動的に走査し、バーコード・データを自動的に読取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1実施形態による複数の筒状エレメント上のバーコードを読取る方法を示す流れ図である。
【図2a】本発明の第1実施形態による複数の筒状エレメント上のバーコードを読取る装置を示す模式図である。
【図2b】本発明の第1実施形態による複数の筒状エレメント上のバーコードを読取る装置を示すもう一つの模式図である。
【図3】本発明の第1実施形態による複数の筒状エレメント上のバーコードを読取る方法を示す流れ図である。
【図4】本発明の第1実施形態による複数の筒状エレメント上のバーコードを読取る方法を示す流れ図である。
【図5】本発明の第2実施形態による複数の筒状エレメント上のバーコードを読取る装置を示す斜視図である。
【図6】本発明の第2実施形態による複数の筒状エレメント上のバーコードを読取る装置を示す平面図である。
【図7】図6の線A−Aに沿った断面図である。
【図8】図6の線B−Bに沿った断面図である。
【図9】図8の部分拡大図である。
【図10】本発明の第2実施形態による複数の筒状エレメント上のバーコードを読取る装置を使用するときの状態を示す平面図である。
【図11】図10の搬送トレー及び支持台を使用するときの状態を示す平面図である。
【図12】図7の次の使用状態を示す側面図である。
【図13】図12の次の使用状態を示す側面図である。
【図14】図13の次の使用状態を示す側面図である。
【図15】図7のもう一つの使用状態を示す側面図である。
【図16】図6のエレメント・リーダーと筒状エレメントとの関係を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、これによって本発明が限定されるものではない。
【0021】
<第1実施形態>
図1に図2a及び図5を併せて参照する。図1、図2a及び図5に示すように、本発明の第1実施形態による複数の筒状エレメント上のバーコードを読取る方法は、以下の工程S10〜S60を含む。
【0022】
工程S10:作動台1上に直線状の伝達経路10(図6及び図7参照)を設け、伝達経路10上に検査エリア13を設ける。
【0023】
工程S20:作動台1上には、プッシャ3が配置されている(図6及び図7参照)。プッシャ3は、実際にはモータと、モータにより駆動されるベルトと、複数のローラ、ボルトなどのエレメントと、を含む。プッシャ3を使用し、立設した複数の筒状エレメント9を伝達経路10に沿って検査エリア13に進入させる。本実施形態の筒状エレメント9は、電池を例にしており、円弧面91が外壁に設けられている。円弧面91上には、エレメント・バーコード22が貼付されている。このエレメント・バーコード22に記載されるデータには、筒状エレメント9の連番、種類、製造メーカ、製造日などが含まれる。
【0024】
工程S30:検査エリア13内には、伝動器6が配置されている(図6及び図7参照)。伝動器6は、実際にはモータと、モータにより駆動されるベルトなどのエレメントと、を含む。伝動器6を使用し、検査エリア13に入った筒状エレメント9を所定の回転角度で回転させる(図16参照)。この所定の回転角度とは、720度以下である。
【0025】
工程S40:検査エリア13内にエレメント・リーダー7が位置すると(図6及び図7参照)、エレメント・リーダー7を使用し、回転中の筒状エレメント9上のエレメント・バーコード22を読取り、筒状エレメント9を所定の回転角度で回転させることにより、筒状エレメント9の円弧面91及びエレメント・バーコード22をエレメント・リーダー7の走査範囲に通過させることにより(図16参照)、エレメント・リーダー7によりエレメント・バーコード22を完全に読取り、検査エリア13に入った筒状エレメント9を自動的に識別して記録する。エレメント・リーダー7が筒状エレメント9において回転する角度が720度より小さいとき、エレメント・バーコード22の読取りを完了し、所定回転角度を720度より小さくする。
【0026】
工程S50:読取る必要がある筒状エレメント9が伝達経路10上にあるか否かを判断する。本実施形態では、作動台1上のセンサ(図示せず)を使用し、伝達経路10及び検査エリア13を検知し、筒状エレメント9が読取られたか否かを判断する。読取る必要がある筒状エレメント9が存在するとセンサが判断した場合(図14参照)、工程S20を繰り返して行う。読取る必要がある筒状エレメント9がもう無いとセンサが判断した場合、工程S60を繰り返して行う。このように、工程S20〜50を繰り返して行い、検査エリア13に入った筒状エレメント9上のエレメント・バーコード22を読み取って記録する。
【0027】
工程S60:プッシャ3が筒状エレメント9の駆動を停止すると(図15参照)、全ての動作工程が終了する。
【0028】
本発明の第1実施形態による複数の筒状エレメント上のバーコードを読取る方法は、工程S10と工程S20との間に、以下の工程S11及び工程S12を含んでもよい(図3参照)。
【0029】
工程S11:まず、搬送トレー(carrying tray)8を取り出す(図11参照)。この搬送トレー8の端部には、搬送トレー・バーコード21が貼付される。搬送トレー・バーコード21には、識別可能な必要なデータが記載され、搬送トレー8上に、伝達経路10の軸方向で複数の収納孔81が間隔をおいて設けられ(図8及び図9参照)、搬送トレー8の収納孔81内に、立設された筒状エレメント9を収納し、搬送トレー8上で筒状エレメント9を伝達経路10の軸方向で間隔をおいて配列させる。搬送トレー8の端部には、少なくとも1つの位置決めに用いる係合溝82が設けられている。
【0030】
工程S12:プッシャ3には、伝達経路10に沿って移動する支持台30が配置される(図6及び図7参照)。作動台1の両端には、伝達経路10の第1の端部11及び第2の端部12がそれぞれ設けられている。検査エリア13は、第1の端部11と第2の端部12との間に位置する。作動台1上には、伝達経路10に沿って2つのスライドレール14が設けられ、支持台30の両側底部は、スライドレール14上にそれぞれ摺設され、スライドレール14により案内されて変位する。搬送トレー8は、第1の端部11を介して伝達経路10に入り(図10参照)、支持台30上に載置され、搬送トレー8の端部に位置する搬送トレー・バーコード21が第2の端部12に向かって移動し、支持台30の端部には、伸縮可能な係止用爪31を挿入して搬送トレー8を保持するために用いる係合溝82が設けられている(図8及び図9参照)。工程S13において、プッシャ3の支持台30を使用し、伝達経路10に沿って第1の端部11から第2の端部12にかけて搬送トレー8を移動させ(図7及び図12参照)、伝達経路10上の第2の端部12に位置する搬送トレー・リーダー4を利用し、伝達経路10上の搬送トレー8の搬送トレー・バーコード21を読取り、伝達経路10上の搬送トレー8を識別して記録する。
【0031】
続いて、上述の工程S20を行い、プッシャ3の支持台30を使用し、伝達経路10に沿って第2の端部12から第1の端部11にかけて搬送トレー8を移動させ(図15参照)、伝達経路10に沿って検査エリア13に支持台30を入れ、伝達経路10に沿って筒状エレメント9が検査エリア13に入った後、検査エリア13から第1の端部11に向かって徐々に移動する。
【0032】
本発明の第1実施形態による複数の筒状エレメント上のバーコードを読取る方法は、工程S20と工程S50との間に、以下の工程S21,S30,S40,S41を含んでもよい(図4参照)。
【0033】
工程S21:検査エリア13の頂部には、捕捉装置(capturing means)5が掛け渡すように配置され(図6〜8参照)、この捕捉装置5は、伝達経路10に対して垂直方向に移動する把持爪51を有する。また捕捉装置5は、実際にはモータと、モータにより駆動されるベルト、ボルトなどのエレメントと、を含む。筒状エレメント9が第1の端部11から移動し始め、検査エリア13を通過する際、捕捉装置5の把持爪51を上から下方向にかけて移動させ、検査エリア13に入った筒状エレメント9を捕捉し(図12及び図13参照)、検査エリア13の頂部方向に向けて筒状エレメント9を所定の高さ位置131に移動させる(図14参照)。
【0034】
続いて、上述の工程S30を行い、検査エリア13の頂部に掛け渡すように配置された伝動器6(図6〜8参照)は、捕捉装置5の把持爪51上に位置し、把持爪51により上下に移動する(図13参照)。この構成により、伝動器6を使用し、所定の高さ位置131で捕捉装置5の把持爪51を駆動し、補足した筒状エレメント9を所定の回転角度で回転させる(図15及び図16参照)。
【0035】
続いて、上述の工程S40を行う。エレメント・リーダー7は、検査エリア13の頂部に掛け渡すように配置されるため(図6〜8参照)、伝達経路10に沿って移動する筒状エレメント9を邪魔することがない。このエレメント・リーダー7は、所定の高さ位置131で回転する筒状エレメント9上のエレメント・バーコード22を読取るために用いる。
【0036】
工程S41において、捕捉装置5の把持爪51は、所定の高さ位置131の筒状エレメント9を下向きに移動させて復位させる(図13参照)。続いて、上述の工程S50を行う。
【0037】
上述の構成により、エレメント・バーコード22は、エレメント・リーダー7の走査範囲内で筒状エレメント9が所定角度回転する際に、エレメント・リーダー7により走査し、エレメント・リーダー7によりエレメント・バーコード22を完全に読取ることにより、バーコード・リーダーを移動させるだけでは、筒状エレメントの弧状の表面上に貼付されたバーコードを有効に走査することが困難であるという従来技術の問題点を解決することができる上、筒状エレメント9のエレメント・バーコード22のデータを自動的に読取り、記録することができる。筒状エレメント9が電池である場合、搬送トレー8に筒状エレメント9を収納し、上述のバーコードを自動的に識別した後に、後続のバインド工程(binding)を行う。これにより、電池を容易に製造することができる。
【0038】
本実施形態の把持爪51及びエレメント・リーダー7は、複数セットを配列させ(図5〜図8参照)、捕捉装置5の把持爪51を同期で駆動して移動させてもよい(図13参照)。伝動器6は、把持爪51を駆動させて同期で回転させる。搬送トレー8上の収納孔81は、複数セットを並列配置し(図11参照)、マトリクス状に間隔をあけて配列された収納孔81により、筒状エレメント9をマトリクス状に間隔をあけて配列させる。このため、同一列に配列された筒状エレメント9,9a,9bが、伝達経路10に沿って検査エリア13内に入ると、エレメント・リーダー7により同期で走査することができる(図2b参照)。
【0039】
<第2実施形態>
図5〜図8を参照する。図5〜図8に示すように、本発明の第2実施形態による筒状エレメント上のバーコードを読取る装置は、少なくとも作動台1、プッシャ3、捕捉装置5、伝動器6及びエレメント・リーダー7から構成される。作動台1は、直線状の伝達経路10と、伝達経路10上に設けられた検査エリア13と、を有する。伝達経路10上には搬送トレー・リーダー4が設けられている。プッシャ3は、作動台1上に配置され、作動台1の頂部に設けられた支持台30を有する。支持台30の端部には、伸縮可能な係止用爪31が設けられ(図9参照)、係止用爪31は、実際には、支持台30の端部に配置されたシリンダ32により駆動され、伸縮動作を行う。
【0040】
支持台30上には、搬送トレー8を載置することができる(図10及び図11参照)。搬送トレー8上には、立設した複数の筒状エレメント9が収納され、搬送トレー8の端部には、搬送トレー・バーコード21が貼付されている。搬送トレー・リーダー4は、搬送トレー8の搬送トレー・バーコード21を読取り(図12参照)、伝達経路10上の搬送トレー8を識別して記録する。搬送トレー8の端部には、少なくとも1つの係合溝82が設けられている。筒状エレメント9の外壁には、円弧面91が設けられている。円弧面91上には、エレメント・バーコード22が貼付されている。係止用爪31を係合溝82内に挿入すると、支持台30上に搬送トレー8が保持される。この構成により、プッシャ3は、支持台30を駆動し、搬送トレー8を伝達経路10に沿って移動させ(図15参照)、筒状エレメント9を検査エリア13に進入させる。
【0041】
支持架台50は、伝達経路10の上方に掛け渡すように、作動台1上に配置されている。捕捉装置5は、支持架台50上に、検査エリア13の頂部に掛け渡すように配置され、支持架台50上で上下に移動する(図13参照)。検査エリア13に入る筒状エレメント9を捕捉するとともに、筒状エレメント9を所定の高さ位置131まで上向きに移動させる(図14参照)。伝動器6は、捕捉装置5に接続され、検査エリア13の頂部に位置し、捕捉装置5で筒状エレメント9を捕捉し、所定の高さ位置131まで移動させてから所定の回転角度で回転させる(図16参照)。
【0042】
支持バー70は、伝達経路10の上方で、作動台1上に掛け渡すように配置されている。エレメント・リーダー7は、支持バー70上に固設され、検査エリア13の頂部に掛け渡され、所定の高さ位置131に位置する。エレメント・リーダー7は、所定の高さ位置131で回転する筒状エレメント9上のエレメント・バーコード22を読取り、検査エリア13に入った筒状エレメント9を識別して記録する。捕捉装置5は、エレメント・リーダー7によりエレメント・バーコード22を読取った後、所定の高さ位置131に位置する筒状エレメント9を下向きに移動させて復位させる。また、搬送トレー8と支持台30との間には、互いに組み合わせて使用するポカヨケ設計(fool proof design)が施されている。このポカヨケ設計とは、組立て又は操作の間違いを防止する安全設計である。このポカヨケ設計は、搬送トレー8の端部に形成された斜面部83(図11参照)を含み、斜面部83の形状に合致したストッパ傾斜面33が支持台30の端部に設けられ、支持台30に載置される搬送トレー8の方向が正確である場合、ストッパ傾斜面33に斜面部83が当接され、支持台30の頂部の正確な位置に搬送トレー8を載置することができる。支持台30に載置する方向が正しくない場合、ストッパ傾斜面33により搬送トレー8の外壁が止められ、支持台30の頂部に搬送トレー8を完全に載置させることができなくなる。この構成により、筒状エレメント9上のエレメント・バーコード22は、エレメント・リーダー7により自動的に走査され、バーコードデータを自動的に読取ることができる。また、第2実施形態の残りの構成及び実施方式は、第1実施形態と略同じである。
【0043】
当該分野の技術を熟知する者が理解できるように、本発明の好適な実施形態を前述の通り開示したが、これらは決して本発明を限定するものではない。本発明の主旨と領域を逸脱しない範囲内で各種の変更や修正を加えることができる。従って、本発明の特許請求の範囲は、このような変更や修正を含めて広く解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0044】
1 作動台
3 プッシャ
4 搬送トレー・リーダー
5 捕捉装置
6 伝動器
7 エレメント・リーダー
8 搬送トレー
9 筒状エレメント
9a 筒状エレメント
9b 筒状エレメント
10 伝達経路
11 第1の端部
12 第2の端部
13 検査エリア
14 スライドレール
21 搬送トレー・バーコード
22 エレメント・バーコード
30 支持台
31 係止用爪
32 シリンダ
33 ストッパ傾斜面
50 支持架台
51 把持爪
70 支持バー
81 収納孔
82 係合溝
83 斜面部
91 円弧面
131 所定の高さ位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動台上に、伝達経路を設け、前記伝達経路上に検査エリアを設ける工程と、
プッシャを使用し、外壁にエレメント・バーコードを貼付して立設させた複数の筒状エレメントを前記伝達経路に沿って前記検査エリアに入れる工程と、
前記検査エリアに入った前記筒状エレメントを伝動器により所定の回転角度で回転させる工程と、
回転している前記筒状エレメント上の前記エレメント・バーコードをエレメント・リーダーにより読取り、前記検査エリアに入った前記筒状エレメントを識別して記録する工程と、を含むことを特徴とする複数の筒状エレメント上のバーコードを読取る方法。
【請求項2】
前記筒状エレメントを捕捉装置により捕捉し、前記検査エリアにおいて所定の高さ位置まで移動させ、伝動器が前記所定の高さ位置で前記捕捉装置を回転させると、前記筒状エレメントが回転し、前記エレメント・リーダーにより前記エレメント・バーコードを読取った後、前記所定高さ位置にある前記筒状エレメントを前記捕捉装置により移動させて復位させる工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の複数の筒状エレメント上のバーコードを読取る方法。
【請求項3】
前記筒状エレメントを搬送トレーに収納し、前記プッシャにより前記搬送トレーを駆動し、前記伝達経路に沿って移動させる工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の複数の筒状エレメント上のバーコードを読取る方法。
【請求項4】
前記搬送トレー上には、搬送トレー・バーコードが貼付され、
前記搬送トレー上に貼付された前記搬送トレー・バーコードは、前記伝達経路上の搬送トレー・リーダーにより読取られ、前記伝達経路上の前記搬送トレーを識別して記録することを特徴とする請求項3に記載の複数の筒状エレメント上のバーコードを読取る方法。
【請求項5】
前記プッシャには、前記伝達経路に沿って移動する支持台が配置され、
前記搬送トレーは、前記支持台上に位置し、
前記プッシャにより、前記支持台を駆動し、前記搬送トレーを移動させることを特徴とする請求項3に記載の複数の筒状エレメント上のバーコードを読取る方法。
【請求項6】
前記支持台により前記搬送トレーを移動させるとき、前記支持台上の伸縮可能な係止用爪により前記搬送トレーを保持することを特徴とする請求項5に記載の複数の筒状エレメント上のバーコードを読取る方法。
【請求項7】
作動台、プッシャ、捕捉装置、伝動器及びエレメント・リーダーを備える複数の筒状エレメント上のバーコードを読取る装置であって、
前記作動台は、伝達経路と、前記伝達経路上に設けられた検査エリアと、を有し、
前記プッシャは、前記作動台上に配置され、立設した複数の筒状エレメントを前記伝達経路に沿って検査エリアに入れ、前記筒状エレメントの外壁にエレメント・バーコードが貼付され、
前記捕捉装置は、前記検査エリアの頂部に配置され、前記検査エリアに入る前記筒状エレメントを捕捉し、所定の高さ位置まで移動させ、
前記伝動器は、前記検査エリア内に配置され、前記捕捉装置に接続され、前記捕捉装置により捕捉された所定の高さ位置にある前記筒状エレメントを所定回転角度で回転させ、
前記エレメント・リーダーは、前記検査エリア内に配置され、回転する前記筒状エレメント上の前記エレメント・バーコードを読取り、前記検査エリアに入る前記筒状エレメントを識別して記録し、前記捕捉装置は、前記エレメント・リーダーにより前記エレメント・バーコードを読取った後、前記所定の高さ位置にある前記筒状エレメントを復位させることを特徴とする複数の筒状エレメント上のバーコードを読取る装置。
【請求項8】
前記筒状エレメントは、搬送トレーに収納され、
前記プッシャは、前記伝達経路に沿って前記搬送トレーを移動させることを特徴とする請求項7に記載の複数の筒状エレメント上のバーコードを読取る装置。
【請求項9】
前記搬送トレー上には、搬送トレー・バーコードが貼付され、
前記伝達経路上に搬送トレー・リーダーが配置され、前記搬送トレー・リーダーにより、前記搬送トレーの前記搬送トレー・バーコードを読取り、前記伝達経路上の前記搬送トレーを識別して記録することを特徴とする請求項8に記載の複数の筒状エレメント上のバーコードを読取る装置。
【請求項10】
前記プッシャは、前記伝達経路に沿って移動する支持台を有し、
前記搬送トレーは、前記支持台上に位置し、
前記プッシャは、前記支持台を駆動し、前記搬送トレーを移動させることを特徴とする請求項8に記載の複数の筒状エレメント上のバーコードを読取る装置。
【請求項11】
前記支持台の端部には、伸縮可能な係止用爪が設けられ、
前記支持台により前記搬送トレーを移動させる際、前記係止用爪により前記搬送トレーを保持することを特徴とする請求項10に記載の複数の筒状エレメント上のバーコードを読取る装置。
【請求項12】
前記搬送トレーの端部には、前記搬送トレーを保持する前記係止用爪を挿入する係合溝が設けられていることを特徴とする請求項11に記載の複数の筒状エレメント上のバーコードを読取る装置。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−185793(P2012−185793A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−115314(P2011−115314)
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【出願人】(511125984)マス オートメイション コーポレイション (1)
【氏名又は名称原語表記】MAS AUTOMATION CORP.
【住所又は居所原語表記】No.6,Lane 17,Nioupu S. Rd.,Hsinchu City,TAIWAN
【Fターム(参考)】