複数プログラムの表示を画面部分修正で融合する方法
【課題】下層に移動させるが表示上は手前に見せたいレイヤーの表示物を特定レイヤーにおいて模擬画像で代替することにより、子レイヤー間に他の親レイヤーを挟むなど、付加プログラムと受入側プログラムの画面表示内容の組合せ態様の自由度を拡大すること。
【解決手段】通常レイヤーL2を実際は特定レイヤーTより下層へ移動させるが、代りに、特定レイヤーTの相対的な上層である子レイヤーT3に模擬画像4Mを描画し表示させる。また、操作を受け付ける新たな表示物である警告(ダイアログ)5Pを特定レイヤーTの最上層T4に描画し位置させる。
【解決手段】通常レイヤーL2を実際は特定レイヤーTより下層へ移動させるが、代りに、特定レイヤーTの相対的な上層である子レイヤーT3に模擬画像4Mを描画し表示させる。また、操作を受け付ける新たな表示物である警告(ダイアログ)5Pを特定レイヤーTの最上層T4に描画し位置させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータでブラウザのプラグインのような付加プログラムを用いる場合における画面表示技術の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、アプリケーションなどコンピュータ・プログラムの画面表示では、例えばウェブブラウザ(以下「プラウザ」とも呼ぶ)がウェブページ表示ウィンドウの上に重ねて、「○○しますか?」のような警告ダイアログを表示するなど、表示物を複数重ねる(重畳する)場合が多い。
【0003】
このように重畳されるウィンドウなどの各表示物は、オブジェクトなどとも呼ばれ、オペレーティングシステム(OS)などの基本ソフトウェアが個々の層すなわち表示レイヤーとして管理し、表示順序を制御している。このように多層のレイヤー間で表示順序を制御する画面表示制御の構造を、多層レイヤー構造と呼ぶ。
【0004】
このような多層レイヤー構造は、単一の多層レイヤー構造や一重多層レイヤー構造などと呼ぶ一階層のみの単純な場合もあるが、異なるプログラム間で入れ子の関係を持つ場合がある。このような関係にかかわる例として、音声やアニメーションを組み合わせたウェブコンテンツすなわちインタラクティブ動画ファイルがある。その代表例はアドビシステムズ株式会社のFlash(登録商標)ファイルで、Flashファイルの再生用プログラムであるFlashプレーヤーは、ブラウザに組み込んで従属動作させるいわゆるプラグイン・プログラム(以下単に「プラグイン」とも呼ぶ)である。
【0005】
ここで、プラグインを受け入れている側のブラウザなどを受入側プログラムと呼び、それに対し、上記のようなインタラクティブ動画ファイルとそれを実行しているプラグインを、付加プログラムと総称することとする。この場合、付加プログラム側では、自らの表示内容を構成する内部的な複数のレイヤー(以下「子レイヤー」と呼ぶ)を管理し重ねる順序を制御可能であるが、それら子レイヤー群は、ブラウザ側にとっては、管理と制御の単位としている表示レイヤーの一つに過ぎない。
【0006】
以下、ブラウザが管理と制御の単位とする表示レイヤーを「親レイヤー」とも呼び、親レイヤーの一つで付加プログラムが管理と制御の単位とするものを「特定レイヤー」とも呼び、特定レイヤー以外の親レイヤーを「通常レイヤー」とも呼ぶこととする。特定レイヤーは、付加プログラム側で内部的には、一又は二以上の子レイヤーで構成される。
【0007】
このように、受入側プログラムの管理単位である親レイヤーの一つすなわち特定レイヤーとして、子レイヤー群が一連のまとまりを持つ構造を、二重多層レイヤー構造と呼ぶ。この二重多層レイヤー構造において、付加プログラムは、受入側プログラムの機能を呼び出すことにより、自らの子レイヤー群に該当する特定レイヤーと通常レイヤーとの表示順序すなわち上下関係を操作することは可能である。
【0008】
なお、画面上の同じ部分に、付加プログラムの特定レイヤーと、ブラウザのHTMLに基づく通常レイヤーが存在するとき、マウス操作の対象となるのは、手前側となっているいずれか一方のレイヤーである。
【特許文献1】特開2002−334115号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、上記のような二重多層レイヤー構造において、付加プログラム側の特定レイヤーが複数の子レイヤー群から構成されたり、子レイヤー間の表示順序を切替可能であることは、付加プログラム側の内部事情に過ぎず、受入側プログラム側からは単一の親レイヤーとしてワンセットで管理することしかできない。このため、従来では、複数の子レイヤーを、親レイヤーを間に挟んで隣接しない状態で使用することはできず、付加プログラムと受入側プログラムの組合せ態様が制限されるという課題があった。
【0010】
すなわち、親レイヤーが背面に有っても、手前側となっている特定レイヤー内で子レイヤーの階層を複数重ねることができたが、付加プログラムの特定レイヤーより手前にHTMLなどに基づく他の親レイヤーが有る場合、その手前側に再度、付加プログラムによる他の子レイヤーを表示することは、子レイヤー同士の間に親レイヤーを挟むことになるため、不可能という課題が存在した。
【0011】
これらの課題は、受入側プログラムと付加プログラムを組合わせた連携動作により複雑もしくは高度な機能を実現したり用途を拡大するための障害となっており、その解決が潜在的に待望されていた。
【0012】
なお、表示対象の重畳に関する技術として、ウェブサイトなどを表示するコンテンツ領域と、表示するウェブサイトを複数候補中から切り替えるナビゲーション領域を、透明にするなどして重ね合わせる提案は存在するが(特許文献1参照)、上記のような二重多層レイヤー構造の課題に関連するものではなかった。
【0013】
上記のような子レイヤー間に親レイヤーを挟む関係を実現するために、仮に、単一のウェブブラウザに対して、互いに種類の異なるプラグインを複数適用しようとしても、個々のプラグインのレイヤー同士が別個独立であるうえ、プラグイン間の情報授受など連携動作の実現は困難かつ煩雑で、上記のような課題を実際的に改善するものではなかった。
【0014】
本発明は、上記のような従来技術の課題を解決するもので、その目的は、下層に移動させるが表示上は手前に見せたいレイヤーの表示物を特定レイヤーにおいて模擬画像で代替することにより、子レイヤー間に他の親レイヤーを挟むなど、付加プログラムと受入側プログラムの画面表示内容の組合せ態様の自由度を拡大することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の目的を達成するため、本発明の一態様は、コンピュータが、受入側プログラム上で、付加プログラムを実行する情報処理装置において、前記受入側プログラムは、前記コンピュータの演算制御部を制御することにより、その受入側プログラムが管理の単位とする一又は二以上の表示レイヤーであって前記付加プログラムの表示内容に対応する特定レイヤーを含むもの、の表示順を制御する表示レイヤー制御手段を実現し、前記付加プログラムは、前記コンピュータの演算制御部を制御することにより、前記特定レイヤーに、他の前記表示レイヤーの少なくとも一部を透過するための透明部分を設定する透過設定手段と、 前記特定レイヤーを構成する一又は二以上の子レイヤーについて、その生成、抹消及び表示順の制御を行うとともに、新たな表示物を描画して表示させ並びに表示を終了させる、表示制御手段と、前記特定レイヤーにおける前記新たな表示物の表示に関し、前記受入側プログラムの前記表示レイヤー制御手段の機能を呼び出すことにより、前記特定レイヤーと他の表示レイヤーの上下位置の順序を制御する、順序制御手段と、を実現し、前記順序制御手段は、(1)前記特定レイヤーに新たな表示物を前記表示制御手段が表示する際、前記特定レイヤーよりも他の表示レイヤーを下層に位置させ、(2)前記新たな表示物を表示している間、一部の表示レイヤーを操作対象とする場合には、前記特定レイヤーよりも前記操作対象とする表示レイヤーは上層側に位置させ、(3)前記新たな表示物の表示を前記表示制御手段が終了する際、前記特定レイヤーよりも他の表示レイヤーを上層の位置に復帰させ、さらに、前記付加プログラムは、前記コンピュータの演算制御部を制御することにより、前記特定レイヤーが前記透明部分を有し、前記特定レイヤーより下層に第一の表示レイヤーが位置し、前記特定レイヤーより上層に前記操作対象とする第二の表示レイヤーが位置する状態で、前記第二の表示レイヤーよりもさらに上層側となるように前記表示制御手段により前記特定レイヤーの子レイヤーに新たな表示物を表示しようとする場合に、前記第二の表示レイヤーに表示していた既存表示物の表示内容を表す情報を前記受入側プログラムから取得する情報取得手段と、前記情報取得手段で取得した前記表示内容を表す情報に基づいて、前記第二の表示レイヤーに表示されている前記既存表示物の外観を模擬した模擬画像を生成する模擬画像生成手段と、模擬画像生成手段で生成した前記模擬画像を、前記特定レイヤーにおける相対的な上層である子レイヤーに、前記第二の表示レイヤーの前記既存表示物と同じ表示配置で表示させる模擬画像表示手段と、を実現し、前記表示制御手段は、前記模擬画像を表示している前記子レイヤーよりも、さらに上層側の子レイヤーに前記新たな表示物を表示することを特徴とする。
【0016】
上記態様を方法という見方から捉えた態様は、コンピュータが、受入側プログラム上で、付加プログラムを実行する情報処理方法において、前記受入側プログラムは、前記コンピュータの演算制御部を制御することにより、その受入側プログラムが管理の単位とする一又は二以上の表示レイヤーであって前記付加プログラムの表示内容に対応する特定レイヤーを含むもの、の表示順を制御する表示レイヤー制御処理ステップを実行し、前記付加プログラムは、前記コンピュータの演算制御部を制御することにより、他の前記表示レイヤーの少なくとも一部を透過するための透明部分を前記特定レイヤーに設定する透過設定処理ステップと、前記特定レイヤーを構成する一又は二以上の子レイヤーについて、その生成、抹消及び表示順の制御を行うとともに、新たな表示物を描画して表示させ並びに表示を終了させる、表示制御処理ステップと、前記特定レイヤーにおける前記新たな表示物の表示に関し、前記受入側プログラムの前記表示レイヤー制御処理ステップの機能を呼び出すことにより、前記特定レイヤーと他の表示レイヤーの上下位置の順序を制御する、順序制御処理ステップと、を実現し、前記順序制御処理ステップは、(1)前記特定レイヤーに新たな表示物を前記表示制御処理ステップが表示する際、前記特定レイヤーよりも他の表示レイヤーを下層に位置させ、(2)前記新たな表示物を表示している間、一部の表示レイヤーを操作対象とする場合には、前記特定レイヤーよりも前記操作対象とする表示レイヤーは上層側に位置させ、(3)前記新たな表示物の表示を前記表示制御処理ステップが終了する際、前記特定レイヤーよりも他の表示レイヤーを上層の位置に復帰させ、さらに、前記付加プログラムは、前記コンピュータの演算制御部を制御することにより、前記特定レイヤーが前記透明部分を有し、前記特定レイヤーより下層に第一の表示レイヤーが位置し、前記特定レイヤーより上層に前記操作対象とする第二の表示レイヤーが位置する状態で、前記第二の表示レイヤーよりもさらに上層側となるように前記表示制御処理ステップにより前記特定レイヤーの子レイヤーに新たな表示物を表示しようとする場合に、前記第二の表示レイヤーに表示していた既存表示物の表示内容を表す情報を前記受入側プログラムから取得する情報取得処理ステップと、前記情報取得処理ステップで取得した前記表示内容を表す情報に基づいて、前記第二の表示レイヤーに表示されている前記既存表示物の外観を模擬した模擬画像を生成する模擬画像生成処理ステップと、模擬画像生成処理ステップで生成した前記模擬画像を、前記特定レイヤーにおける相対的な上層である子レイヤーに、前記第二の表示レイヤーの前記既存表示物と同じ表示配置で表示させる模擬画像表示処理ステップと、を実現し、前記表示制御処理ステップは、前記模擬画像を表示している前記子レイヤーよりも、さらに上層側の子レイヤーに前記新たな表示物を表示することを特徴とする。
【0017】
上記態様をコンピュータ・プログラムという見方から捉えた態様は、受入側プログラム及び付加プログラムをセットとして組み合わせたプログラムシステムであって、前記各プログラムが相互に連携してコンピュータの演算制御部を制御することにより、前記受入側プログラムの実行に従属して前記付加プログラムを実行するプログラムシステムにおいて、前記受入側プログラムは、前記コンピュータの演算制御部を制御することにより、その受入側プログラムが管理の単位とする一又は二以上の表示レイヤーであって前記付加プログラムの表示内容に対応する特定レイヤーを含むもの、の表示順を制御する表示レイヤー制御処理ステップを実行させ、前記付加プログラムは、前記コンピュータの演算制御部を制御することにより、前記特定レイヤーに、他の前記表示レイヤーの少なくとも一部を透過するための透明部分を設定する透過設定処理ステップと、前記特定レイヤーを構成する一又は二以上の子レイヤーについて、その生成、抹消及び表示順の制御を行うとともに、新たな表示物を描画して表示させ並びに表示を終了させる、表示制御処理ステップと、前記特定レイヤーにおける前記新たな表示物の表示に関し、前記受入側プログラムの前記表示レイヤー制御処理ステップの機能を呼び出すことにより、前記特定レイヤーと他の表示レイヤーの上下位置の順序を制御する、順序制御処理ステップと、を実行させ、前記順序制御処理ステップは、(1)前記特定レイヤーに新たな表示物を前記表示制御処理ステップが表示する際、前記特定レイヤーよりも他の表示レイヤーを下層に位置させ、(2)前記新たな表示物を表示している間、一部の表示レイヤーを操作対象とする場合には、前記特定レイヤーよりも前記操作対象とする表示レイヤーは上層側に位置させ、(3)前記新たな表示物の表示を前記表示制御処理ステップが終了する際、前記特定レイヤーよりも他の表示レイヤーを上層の位置に復帰させ、さらに、前記付加プログラムは、前記コンピュータの演算制御部を制御することにより、前記特定レイヤーが前記透明部分を有し、前記特定レイヤーより下層に第一の表示レイヤーが位置し、前記特定レイヤーより上層に前記操作対象とする第二の表示レイヤーが位置する状態で、前記第二の表示レイヤーよりもさらに上層側となるように前記表示制御処理ステップにより前記特定レイヤーの子レイヤーに新たな表示物を表示しようとする場合に、前記第二の表示レイヤーに表示していた既存表示物の表示内容を表す情報を前記受入側プログラムから取得する情報取得処理ステップと、前記情報取得処理ステップで取得した前記表示内容を表す情報に基づいて、前記第二の表示レイヤーに表示されている前記既存表示物の外観を模擬した模擬画像を生成する模擬画像生成処理ステップと、模擬画像生成処理ステップで生成した前記模擬画像を、前記特定レイヤーにおける相対的な上層である子レイヤーに、前記第二の表示レイヤーの前記既存表示物と同じ表示配置で表示させる模擬画像表示処理ステップと、を実行させ、前記表示制御処理ステップは、前記模擬画像を表示している前記子レイヤーよりも、さらに上層側の子レイヤーに前記新たな表示物を表示することを特徴とする。
【0018】
以上のように、受入側プログラム上における表示レイヤー(親レイヤー)の順序を付加プログラムから動的に入替え制御し、HTMLなどによる他の親レイヤーについて、操作受付などの場面では特定レイヤーより上層にする一方、付加プログラムで新たな表示物について描画や操作受付などを行う際は、前記他の親レイヤーを特定レイヤーより実際は下層に移動するが、特定レイヤーに設ける透明部分から透過させて視覚上はあたかも新たな表示物の直下の層に見せ、新表示物の用済み・消去時には前記他の親レイヤーを特定レイヤーより上層に復帰させる。これにより、視覚上は子レイヤー間に他の親レイヤーを挟むような一重多層レイヤー構造同等の表示内容が実現でき、プログラムの組合せ態様が多様化できる。
【0019】
しかも、特定レイヤーからみて、他の親レイヤーを下層としても、操作対象とする親レイヤーに限って特定レイヤーより上層側とするので、特定レイヤーの表示物とHTMLによる文字入力欄など親レイヤーの表示物を、他の親レイヤーに機能や外観を邪魔されることなく組合わせて最上層で利用可能となり、付加プログラムと受入側プログラムの組合せについて態様をさらにいっそう多様化し用途を拡大することが可能となる。
【0020】
ところで、奥側の親レイヤーのHTML領域などが特定レイヤーの透明部分から見え、その手前に特定レイヤーの表示物があり、さらに手前側に別の親レイヤーの既存表示物、という三階層の状態で、さらに上層側に付加プログラムの新たな表示物を表示する際、親レイヤーごと既存表示物も特定レイヤーより下層に移動すると、透明部分と一致しないため全部又は一部が見えなくなって外観が乱れる問題が生じる。
【0021】
この場合にも、その既存表示物と同じ外観と位置の模擬画像を付加プログラム側で生成し代替表示したうえで新たな表示物を表示することにより、どのレイヤーについても自然な表示を維持できる。加えて、実際は下層に移動した親レイヤーの模擬画像を、その奥と手前の子レイヤー間で挟む上記のような表示内容は、何階層でも繰り返せるので、プログラムの組合せ態様や処理内容が無限に多様化でき、複雑高度な機能も平易な構成で容易に実装可能となる。
【0022】
本発明の他の態様は、上記いずれかの態様(情報処理装置、方法又はプログラムシステム)において、前記受入側プログラムは、ウェブブラウザ・プログラムを利用して動作するHTMLファイルであり、前記付加プログラムは、ウェブブラウザ・プログラム用のプレーヤーであるプラグイン・プログラムを利用して動作する、インタラクティブ動画ファイルであることを特徴とする。
【0023】
このように、汎用性に優れるウェブブラウザ用HTMLと、そのプラグインにより多彩な表現を可能とするインタラクティブ動画ファイルを用いることで、インターネットウェブサイトに代表されるクライアントサーバシステムの分野において、最小限の導入手順で多様な情報処理内容が広範囲に実現容易となる。
【0024】
本発明の他の態様は、演算制御部と、クライアント装置であるコンピュータと通信ネットワーク経由で通信する通信手段と、データ記憶手段と、を備え、前記プログラムシステムの全部又は一部を前記クライアント装置に提供するサーバコンピュータにおいて、前記データ記憶手段は、処理対象データと、前記受入側プログラム又は付加プログラムの少なくとも一部をなす部品データと、を記憶し、前記クライアント装置から前記通信ネットワーク経由で受信する画面操作内容の情報に応じて、前記データ記憶手段に記憶されている処理対象データを処理するデータ処理手段と、前記データ処理手段での前記処理の結果と、前記データ記憶手段に記憶されている前記部品データと、をもとに、前記プログラムシステムの全部又は一部を作成するとともに前記クライアント装置に提供する、情報提供手段と、を前記演算制御部が実現することを特徴とする。
【0025】
本発明の他の態様は、上記態様を方法という見方から捉えたもので、演算制御部と、クライアント装置であるコンピュータと通信ネットワーク経由で通信する通信手段と、データ記憶手段と、を備えたサーバコンピュータから、前記プログラムシステムの全部又は一部を前記クライアント装置に提供する情報処理方法において、前記データ記憶手段は、処理対象データと、前記受入側プログラム又は付加プログラムの少なくとも一部をなす部品データと、を記憶し、前記クライアント装置から前記通信ネットワーク経由で受信する画面操作内容の情報に応じて、前記データ記憶手段に記憶されている処理対象データを処理するデータ処理ステップと、前記データ処理手段での前記処理の結果と、前記データ記憶手段に記憶されている前記部品データと、をもとに、前記プログラムシステムの全部又は一部を作成するとともに前記クライアント装置に提供する、情報提供処理ステップと、を前記演算制御部が実行することを特徴とする。
【0026】
このように、クライアント装置であるコンピュータに対し、サーバから、受入側プログラムや付加プログラムの全体又は一部分を提供して実行させることにより、Ajaxのようにサーバとの通信結果に応じて画面表示を動的に変更する情報処理の複雑高度化が容易になり、インターネットにおけるHTTPやウェブを基盤としたクライアントサーバシステムの応用範囲が拡大可能となる。
【0027】
また、以上各態様との組合せが可能な他の好ましい追加の態様として、下層に移動させるが表示上は手前に見せたいレイヤーの表示物を透過する透明部分を持つように、特定レイヤーの表示全体を作り直すことにより、子レイヤー間に他の親レイヤーを挟むなど、付加プログラムと受入側プログラムの画面表示内容の組合せ態様の自由度を拡大する例を示す。
【0028】
既に述べた各態様と、以下のような追加の態様とは、画面表示内容の組合せ態様の自由度を拡大するアプローチが互いに異なるので、両者の機能(構成もしくは方法)を組み合わせたうえ、例えば、各態様において、(1)適用分野や利用目的に応じ、サーバコンピュータから提供するプログラムシステムの作成時にいずれか一方の機能を動的に切替選択する手段もしくは処理ステップを設けたり、(2)前記受入側プログラム又は前記付加プログラムの種類又は機能を検出し、もしくは実行環境となるコンピュータにおけるCPU能力の大小を検出して、それら検出結果に基づいていずれか一方の機能を動的に切替選択する手段もしくは処理ステップを設けたり、(3)利用者による設定操作を受け付けると共にその設定内容に基づいて、いずれか一方の機能を動的に切替選択する手段もしくは処理ステップを設けることにより、本発明の適用対象と有効性が拡大可能となる。
【0029】
すなわち、追加の態様として、本発明の一態様は、コンピュータが、受入側プログラム上で、付加プログラムを実行する情報処理装置において、前記受入側プログラムは、前記コンピュータの演算制御部を制御することにより、その受入側プログラムが管理の単位とする一又は二以上の表示レイヤーであって前記付加プログラムの表示内容に対応する特定レイヤーを含むもの、の表示順を制御する表示レイヤー制御手段を実現し、前記付加プログラムは、前記コンピュータの演算制御部を制御することにより、前記特定レイヤーを構成する一又は二以上の子レイヤーについて、その生成、抹消及び表示順の制御を行うとともに、新たな表示物を描画して表示させ並びに表示を終了させる、表示制御手段と、前記特定レイヤーにおける前記新たな表示物の表示に関し、前記受入側プログラムの前記表示レイヤー制御手段の機能を呼び出すことにより、前記特定レイヤーと他の表示レイヤーの上下位置の順序を制御する、順序制御手段と、情報取得手段と、透過設定手段と、を実現し、一又は二以上の既存表示物を表示している他の表示レイヤーの全部又は一部が前記特定レイヤーより上層に位置する状態から、前記他の表示レイヤーよりもさらに上層側となるように前記表示制御手段により前記特定レイヤーに新たな表示物を前記表示制御手段で表示しようとする場合に、(1)前記順序制御手段が、前記特定レイヤーよりも前記他の表示レイヤーを下層に位置させ、(2)前記情報取得手段が、前記他の表示レイヤーに表示していた一又は二以上の前記既存表示物の表示範囲を表す情報を前記受入側プログラムから取得し、(3)前記透過設定手段が、前記情報取得手段で取得した前記表示範囲を表す情報に基づいて、その表示範囲について、前記既存表示物を透過するための透明部分を前記特定レイヤーのうち既存の子レイヤーに設定し、(4)前記表示制御手段が、前記既存の子レイヤーよりもさらに上層側の子レイヤーに前記新たな表示物を表示することを特徴とする。
【0030】
上記態様を方法という見方から捉えた態様は、コンピュータが、受入側プログラム上で、付加プログラムを実行する情報処理方法において、前記受入側プログラムは、前記コンピュータの演算制御部を制御することにより、その受入側プログラムが管理の単位とする一又は二以上の表示レイヤーであって前記付加プログラムの表示内容に対応する特定レイヤーを含むもの、の表示順を制御する表示レイヤー制御処理ステップを実行し、前記付加プログラムは、前記コンピュータの演算制御部を制御することにより、前記特定レイヤーを構成する一又は二以上の子レイヤーについて、その生成、抹消及び表示順の制御を行うとともに、新たな表示物を描画して表示させ並びに表示を終了させる、表示制御処理ステップと、前記特定レイヤーにおける前記新たな表示物の表示に関し、前記受入側プログラムの前記表示レイヤー制御処理ステップの機能を呼び出すことにより、前記特定レイヤーと他の表示レイヤーの上下位置の順序を制御する、順序制御処理ステップと、情報取得処理ステップと、透過設定処理ステップと、を実現し、一又は二以上の既存表示物を表示している他の表示レイヤーの全部又は一部が前記特定レイヤーより上層に位置する状態から、前記他の表示レイヤーよりもさらに上層側となるように前記表示制御手段により前記特定レイヤーに新たな表示物を前記表示制御手段で表示しようとする場合に、(1)前記順序制御処理ステップは、前記特定レイヤーよりも前記他の表示レイヤーを下層に位置させ、(2)前記情報取得処理ステップは、前記他の表示レイヤーに表示していた一又は二以上の前記既存表示物の表示範囲を表す情報を前記受入側プログラムから取得し、(3)前記透過設定処理ステップは、前記情報取得処理ステップで取得した前記表示範囲を表す情報に基づいて、その表示範囲について、前記既存表示物を透過するための透明部分を前記特定レイヤーのうち既存の子レイヤーに設定し、(4)前記表示制御処理ステップは、前記既存の子レイヤーよりも、さらに上層側の子レイヤーに前記新たな表示物を表示することを特徴とする。
【0031】
上記態様をコンピュータ・プログラムという見方から捉えた態様は、受入側プログラム及び付加プログラムをセットとして組み合わせたプログラムシステムであって、前記各プログラムが相互に連携してコンピュータの演算制御部を制御することにより、前記受入側プログラムの実行に従属して前記付加プログラムを実行するプログラムシステムにおいて、前記受入側プログラムは、前記コンピュータの演算制御部を制御することにより、その受入側プログラムが管理の単位とする一又は二以上の表示レイヤーであって前記付加プログラムの表示内容に対応する特定レイヤーを含むもの、の表示順を制御する表示レイヤー制御処理ステップを実行させ、前記付加プログラムは、前記コンピュータの演算制御部を制御することにより、前記特定レイヤーを構成する一又は二以上の子レイヤーについて、その生成、抹消及び表示順の制御を行うとともに、新たな表示物を描画して表示させ並びに表示を終了させる、表示制御処理ステップと、前記特定レイヤーにおける前記新たな表示物の表示に関し、前記受入側プログラムの前記表示レイヤー制御処理ステップの機能を呼び出すことにより、前記特定レイヤーと他の表示レイヤーの上下位置の順序を制御する、順序制御処理ステップと、情報取得処理ステップと、透過設定処理ステップと、を実行させ、一又は二以上の既存表示物を表示している他の表示レイヤーの全部又は一部が前記特定レイヤーより上層に位置する状態から、前記他の表示レイヤーよりもさらに上層側となるように前記表示制御手段により前記特定レイヤーに新たな表示物を前記表示制御手段で表示しようとする場合に、(1)前記順序制御処理ステップは、前記特定レイヤーよりも前記他の表示レイヤーを下層に位置させ、(2)前記情報取得処理ステップは、前記他の表示レイヤーに表示していた一又は二以上の前記既存表示物の表示範囲を表す情報を前記受入側プログラムから取得し、(3)前記透過設定処理ステップは、前記情報取得処理ステップで取得した前記表示範囲を表す情報に基づいて、その表示範囲について、前記既存表示物を透過するための透明部分を前記特定レイヤーのうち既存の子レイヤーに設定し、(4)前記表示制御処理ステップは、前記既存の子レイヤーよりも、さらに上層側の子レイヤーに前記新たな表示物を表示することを特徴とする。
【0032】
このように、特定レイヤーの手前にある親レイヤーの既存表示物よりもさらに手前側に、特定レイヤーの新たな表示物を表示する際、既存表示物の親レイヤーを特定レイヤーより実際は下層に移動する一方、手前となる特定レイヤーに透明部分を設定し透過させることで、視覚上あたかも特定レイヤーの表示物同士の間に位置するような一重多層レイヤー構造に準じたサンドイッチ状態の表示内容が実現できる。
【0033】
特に、透明部分については、レイヤー順の入替え時に動的に設定するので、固定の位置やサイズで事前に設定したりそれに拘束されること無く、状況に応じた最適な表示位置等の自由度と柔軟性が実現できる。
【0034】
また、上記のようなサンドイッチ状態は、3層に限らず、さらに、別の親レイヤーの既存表示物(4層目)や、特定レイヤーの新たな表示物(5層目)、のように階層を増やす場合にも同様に対処可能である。すなわち、奥と手前の各既存表示物について、特定レイヤーより下層側(実際は4層目と5層目)に移動はするが、表示範囲を重ねた多角形状に設定する透明部分(実際は3層目)を透過することで、奥の既存表示物は一番奥(実際は5層目)より浮き上がって視覚上の4層目に、透明部分の層は視覚上の5層目に見える(意識されない場合を含む)。
【0035】
また、手前の既存表示物(実際は4層目)は、その表示領域だけを型抜きした特定レイヤーの表示物を手前(実際は2層目)に表示することで、その手前側(視覚上の2層目)に浮き上がって見える。実際と視覚上が一致するのは、最も手前の一層目である。
【0036】
このように、表示物について、親レイヤーを、その奥と手前の子レイヤー間で挟む上記のような表示内容は何階層でも繰り返せるので、プログラムの組合せ態様や処理内容が無限に多様化でき、複雑高度な機能も平易な構成で容易に実装可能となる。
【0037】
本発明の他の態様は、上記いずれかの態様(情報処理装置)において、前記透過設定手段は、前記透明部分を設定しようとするレイヤーに表示されている内容を静止画像に変換する手段と、前記表示範囲を表す情報に基づいて、前記静止画像のうち前記表示範囲の部分を透明に設定する手段と、透明な部分を設定した前記静止画像を(新たなレイヤーとして)表示させる手段と、静止画像のもととなった前記レイヤーを前記表示制御手段に消去させる手段と、を有することを特徴とする。
【0038】
上記態様を方法という見方から捉えた態様は、既に述べたいずれかの態様(情報処理方法)において、前記透過設定処理ステップは、前記透明部分を設定しようとするレイヤーに表示されている内容を静止画像に変換する処理ステップと、前記表示範囲を表す情報に基づいて、前記静止画像のうち前記表示範囲の部分を透明に設定する処理ステップと、透明な部分を設定した前記静止画像を表示させる処理ステップと、静止画像のもととなった前記レイヤーを前記表示制御手段に消去させる処理ステップと、を有することを特徴とする。
【0039】
上記態様をコンピュータ・プログラムという見方から捉えた態様は、既に述べたいずれかの態様(プログラムシステム)において、前記付加プログラムは、前記コンピュータの演算制御部を制御することにより、前記透過設定処理ステップにおいて、前記透明部分を設定しようとするレイヤーに表示されている内容を静止画像に変換する処理ステップと、前記表示範囲を表す情報に基づいて、前記静止画像のうち前記表示範囲の部分を透明に設定する処理ステップと、透明な部分を設定した前記静止画像を表示させる処理ステップと、静止画像のもととなった前記レイヤーを前記表示制御手段に消去させる処理ステップと、を実行させることを特徴とする請求項B9記載のプログラムシステム。
【0040】
このように、下層とする既存表示物を透過して上層に見せる透明部分を特定レイヤーに作る態様として、特定レイヤーの表示内容を静止画像に変換のうえ、透過GIFのように任意の形状で透明部分を作成するという簡素な画像処理を用いることにより、実際に稼動する特定レイヤーの再作成をせずに済み、CPU負荷軽減と迅速な画面処理に役立つ。この態様は、特定レイヤーの用途や内容上、アニメーションや応答の動作継続が必須でない場合に、特に適する。
【0041】
本発明の他の態様は、上記いずれかの態様(情報処理装置)において、前記透過設定手段は、地色を透明とする空のレイヤー上に、前記表示範囲を表す情報に基づいて、前記一又は二以上の既存表示物の前記表示範囲を囲むように矩形範囲を複数配置するとともにそのレイヤーにより、前記透明部分を設定しようとする前記レイヤーを代替させることを特徴とする。
【0042】
上記態様を方法という見方から捉えた態様は、既に述べたいずれかの態様(情報処理方法)において、前記透過設定処理ステップは、地色を透明とする空のレイヤー上に、前記表示範囲を表す情報に基づいて、前記一又は二以上の既存表示物の前記表示範囲を囲むように矩形範囲を複数配置するとともにそのレイヤーにより、前記透明部分を設定しようとする前記レイヤーを代替させることを特徴とする。
【0043】
上記態様をコンピュータ・プログラムという見方から捉えた態様は、既に述べたいずれかの態様(プログラムシステム)において、前記付加プログラムは、前記コンピュータの演算制御部を制御することにより、前記透過設定処理ステップにおいて、地色を透明とする空のレイヤー上に、前記表示範囲を表す情報に基づいて、前記一又は二以上の既存表示物の前記表示範囲を囲むように矩形範囲を複数配置するとともにそのレイヤーにより、前記透明部分を設定しようとする前記レイヤーを代替させることを特徴とする。
【0044】
このように、下層とする既存表示物を透過して上層に見せる透明部分を特定レイヤーに作る態様として、透明部分を残すように矩形を複数組み合わせて特定レイヤー全体を改めて作り直すことにより、互いに一部の重なる複数の既存表示物も所望の多角形状の透明部分で透過可能となり、特定レイヤーのアニメーションや応答の動作を維持したまま、親レイヤーを子レイヤーで挟むような画面表示が容易に実現可能となる。
【発明の効果】
【0045】
以上のように、本発明によれば、下層に移動させるが表示上は手前に見せたいレイヤーの表示物を特定レイヤーにおいて模擬画像で代替することにより、子レイヤー間に他の親レイヤーを挟むなど、付加プログラムと受入側プログラムの画面表示内容の組合せ態様の自由度を拡大することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
次に、本発明を実施するための2つの最良の形態について、図に沿って説明する。なお、まず第1の実施形態について「本実施形態」と呼んで説明し、その後、第2の実施形態(第2実施形態)について説明する。また、背景技術や課題などで既に述べた内容と共通の前提事項については適宜省略する。
【0047】
〔1.構成〕
まず、第1の実施形態すなわち本実施形態は、下層に移動させるが表示上は手前に見せたいレイヤーの表示物を特定レイヤーにおいて模擬画像で代替することにより、子レイヤー間に他の親レイヤーを挟むなど、付加プログラムと受入側プログラムの画面表示内容の組合せ態様の自由度を拡大するもので、図1の構成図に示すように、情報処理装置であるパーソナルコンピュータ(以下単に「コンピュータ」と呼ぶ)2と、ウェブサーバコンピュータ(以下単に「サーバ」と呼ぶ)5と、をインターネットに代表される通信ネットワークN経由の通信で組み合わせるクライアントサーバシステムである。
【0048】
〔1−1.コンピュータとプログラムの構成〕
このうち、コンピュータ2は、受入側プログラムであるウェブブラウザ・プログラム(以下「ブラウザ」と呼ぶ)B上で、付加プログラムであるプラグイン(例えば、既に説明したFlashなど)Pを実行する情報処理装置である。
【0049】
このコンピュータ2について、ハードウェアの詳細は一般的であるため省略するが、ネットワークとの通信装置80、HDDや主メモリ等の記憶装置81、マウスなどの入出力手段82などを有するほか、CPUなどの演算制御部83を前記ブラウザBやプラグインPなどのソフトウェアで制御することにより、図1に示す各要素(後述)を実現しており、コンピュータ2に対応する方法や、コンピュータプログラムとしても把握可能である。
【0050】
より詳細には、受入側プログラムは、ウェブブラウザ・プログラムと、このウェブブラウザ・プログラムの機能を利用しながらウェブブラウザ・プログラム上で動作するHTMLファイル(CSS:Cascading Style Sheetsなど、文書の視覚的構造を規定するスタイルシートや、ブラウザが解釈して実行するスクリプトを、HTMLファイルの内部、またはHTMLファイルに記載された参照先に独立して用意された外部ファイルとして用いる場合をも含むものとする)と、の組合せであるが、以下、説明の便宜上「ブラウザB」と総称する。
【0051】
すなわち、ここで総称するブラウザBは、演算制御部83を制御することにより、HTMLファイルに基づいて液晶などの表示装置85に画面表示を行うほか、CSSなどに基づいて表示レイヤー間の表示順を制御する親レイヤー制御手段10を実現している。この親レイヤー制御手段10の機能を呼び出すことにより、プラグインPからも、各親レイヤーLの上下関係や表示内容を制御可能である。
【0052】
ここで、本実施形態における二重多層レイヤー構造では、図2の概念的に示すように、ブラウザBが管理の単位とする一又は二以上の表示レイヤーL(L1,L2…)を「親レイヤー」と呼ぶこととし、親レイヤーLの一つで、プラグインPの表示内容に対応するものは「特定レイヤー」Tと呼ぶこととし、さらに、特定レイヤーT以外の他の親レイヤーは「通常レイヤー」とも呼ぶこととする。この特定レイヤーTは、一又は二以上の子レイヤーT1,T2…で構成される。
【0053】
また、付加プログラムは、より具体的には、インタラクティブ動画ファイルFFをブラウザB上で動作させるためのプレーヤーFPであるプラグイン・プログラムと、このプレーヤーFPの機能を利用しながらプレーヤーFP上で動作するインタラクティブ動画ファイルFFと、の組合せであり、本実施形態における特徴的な各機能要素は、インタラクティブ動画ファイルFFの記述内容にしたがい、プレーヤーFPを介して演算制御部を制御することにより実現されるが、以下、説明の便宜上「プラグインP」と表す。
【0054】
なお、ブラウザBの要素のうちウェブブラウザ・プログラムと、プラグインPの要素のうちプレーヤーFPと、については従来と共通の汎用品でもよい。また、ブラウザBの親レイヤー制御手段10の機能は、一般的には、例えばブラウザのJavaScript(登録商標)言語において、「document.getElementById([レイヤー参照識別子]).style.zIndex=(Z座標値)」のような命令指示を用いることにより、呼び出すことができるが、具体的にはプラグインPとブラウザBのインターフェースによる。
【0055】
これら受入側プログラムであるブラウザBと、付加プログラムであるプラグインPは、セットすなわち組み合わせであるプログラムシステムであって、両者が制御及びデータの受渡し等により相互に連携してコンピュータの演算制御部を制御することにより、ブラウザBの実行に従属してプラグインPを実行するプログラムシステムを構成している。
【0056】
なお、ブラウザBとプラグインPの組合せで実現される具体的な適用(アプリケーション)分野と処理内容は、例えば、電子メール操作、ワードプロセッサ、表計算、プレゼンテーションや図の作成など各種考えられる。そのようなアプリケーション分野に応じて必要な処理内容は、個別具体的なHTMLファイルHF及びインタラクティブ動画ファイルFFに、相互の連携内容として、また、必要な場合はサーバとの連携内容を含めて記述されるが、本実施形態の以下のような特徴は、アプリケーションの分野や課題などを問わず汎用的なものである。
【0057】
すなわち、プラグインPは演算制御部83を制御することにより、透過設定手段20と、順序制御手段22と、表示制御手段24と、他の処理手段26と、情報取得手段28と、模擬画像生成手段30と、模擬画像表示手段32と、を実現する。
【0058】
このうち、表示制御手段24は、特定レイヤーTを構成する前記各子レイヤーT(T1,T2…)について、生成、抹消、表示順の制御を行うとともに、表示物の描画、抹消など、表示に関する制御を行う手段である。また、順序制御手段は、特定レイヤーTにおける新たな表示物の表示に関し、ブラウザBの親レイヤー制御手段10の機能を呼び出すことにより、特定レイヤーTと通常レイヤーL(L1,L2…)の上下位置の順序を制御する手段である。
【0059】
〔1−2.サーバの構成〕
次に、サーバ5は、上記のようなブラウザBで用いるHTMLファイルと、プラグインPの動作を決するFlashファイルなどのインタラクティブ動画ファイルFFを、コンピュータ2に提供するものである。このサーバ5は、演算制御部51と、メモリやHDD(ハードディスクドライブ)などの記憶装置52と、クライアント装置であるコンピュータ2と通信ネットワークN経由で通信する通信手段54と、を備えるとともに、記憶装置52の一部をデータ記憶手段56として用いる。
【0060】
このデータ記憶手段56は、情報処理の適用(アプリケーション)分野に応じた電子メールデータなど処理対象データと、部品データと、を記憶する手段で、ここでいう部品データは、ユーザや処理場面を問わない共通のHTML部分やCSSなど、受入側プログラムや付加プログラム(HTMLファイルHF、インタラクティブ動画ファイルFFなど)の少なくとも一部をなすものである。
【0061】
また、このサーバ5では、演算制御部51を図示しないコンピュータプログラムで制御することにより、後述するようなデータ処理手段58と、情報提供手段60と、を実現している。
【0062】
なお、コンピュータ2及びサーバ5の構成要素として図1に示した上記各手段は、後述する各作用や機能を実現・実行する処理手段であり、それぞれに対応する情報処理のステップを、それぞれのコンピュータ・プログラムが演算制御部83や51に実行させることで実現できるが、各要素の一部又は全部は、技術的条件や実装態様などに応じ、ワイヤードロジックなど電子的回路によって実現してもよい。
【0063】
〔2.基本的作用〕
上記のように構成される本実施形態では、サーバ5において、データ処理手段58が、コンピュータ1から通信ネットワークN経由で受信する画面操作内容の情報に応じて、データ記憶手段56に記憶されている処理対象データを処理し、情報提供手段60がCGI機能により、データ処理手段58での前記処理の結果と、データ記憶手段56に記憶されている前記部品データと、をもとに、HTMLファイルHFと、インタラクティブ動画ファイルFFと、の全部又は一部を作成するとともに、通信ネットワークN経由でコンピュータ2に提供する(情報提供処理ステップ)。
【0064】
そして、このようにサーバ5から提供されるHTMLファイルHFと、インタラクティブ動画ファイルFFと、により実現されるコンピュータ2での作用すなわち処理手順について、図3(1)の初期状態で始まる画面表示例と、図4のフローチャートに示す処理手順と、を例に説明する。
【0065】
まず、図3(1)の画面は、ブラウザBによりHTMLファイルHFの記述にしたがって実現される領域(以下「HTML領域」と呼ぶこととする)2Hと、プラグインで実現される領域(以下「プラグイン領域」と呼ぶこととする。)1Pと、を同時に表示することで構成される。なお、プラグイン領域1Pは、マウスクリックなどの操作に応じた処理をそれぞれ起動するボタンなどの表示物X1〜X4を備える。
【0066】
そして、図3(1)表示状態に対応するレイヤーの階層構造を概念的に示すのが図3(2)である。なお、背景レイヤーL0は、地色などを規定しており、他の状態でも常に最背面(最下層)である。
【0067】
図4の処理手順は、図3(1)の表示を行ったうえ、図5(1)の表示状態へ遷移させ、その後、もとの図3(1)の状態へ戻す処理手順の概要を示すものである。この処理手順では、まず、図3(1)の表示状態を実現するために、透過設定手段20が、通常レイヤーLの少なくとも一部を透過するための透明部分1Tを特定レイヤーTに設定する(ステップS11。透過設定処理ステップ)。すなわち、各レイヤーには、不透明な箇所と透明な箇所を動的に設定可能であり、透過設定手段20は、プラグインPの子レイヤー群中の相対的な下層レイヤーに、後に下層に移動させても透過して見せたい通常レイヤーの表示物と同じ位置及びサイズの透明部分1Tを設定する。
【0068】
そして、図3(1)に示したプラグイン領域1P又はHTML領域2Hの双方をマウスなどで操作可能にする場合、仮に、HTML領域2Hよりプラグイン領域1Pを上層とすると、プラグイン領域1Pの透明部分1Tを通してHTML領域2Hは見ることはできるが、HTML領域2Hは上層の特定レイヤーTに妨げられて操作することはできなくなる。このため、図4の処理手順では、HTML領域2Hを操作対象とするために、通常レイヤーL(L1)は、特定レイヤーTより上層に位置させる(ステップS12)。
【0069】
この状態では、マウスなどによる特定レイヤーTに対する操作にはプラグインPが応答し、HTML領域2Hに対する操作にはブラウザBが応答する。そして、特定レイヤーTに図5(1)に示すように新たな表示物を表示する際(ステップS13)、順序制御手段22は、ブラウザBの親レイヤー制御手段10の機能を呼び出すことにより、全ての通常レイヤーL(図3の状態ではL1のみ)を特定レイヤーTよりも下層に移動させる(図4のステップS14、図5(2)。順序制御処理ステップ)。
【0070】
そのうえで、表示制御手段24が、表示制御処理ステップとして、図5(2)に示すように、特定レイヤーTにおける相対的な上層である子レイヤーT2に、新たな表示物として、プラグイン領域3P(例えばエラー表示など)を描画して表示させる(図4のステップS15)。
【0071】
このように図3の状態から図5の状態へ遷移する様子を、図6の概念図(A)→(B)に示す。この遷移では、図3の状態(図6(A))から、通常レイヤーL1を特定レイヤーTより下層へ移動させるとともに、特定レイヤーTの相対的な上層である子レイヤーT2に、新たな表示物を描画し表示することで、図5の状態(図6(B))を実現している。
【0072】
その後、ユーザによる確認のクリック操作など必要な処理が終了して表示物が用済みになると(ステップS16)、表示制御手段24が表示物の表示を終了させる際(ステップS17)、順序入替手段26は、特定レイヤーTよりも他の親レイヤーLを上層に移動し復帰させる(ステップS18)ことにより、図3の状態を復元する。
【0073】
〔3.基本的効果〕
以上説明したように、受入側プログラムであるブラウザB上における親レイヤーの順序を、付加プログラムであるプラグインPから動的に入替え制御し、HTMLなどによる通常レイヤーについて、操作受付などの場面では特定レイヤーTより上層にする一方、プラグインPで新たな表示物について描画や操作受付などを行う際は、通常レイヤーを特定レイヤーTより実際は下層に移動するが、特定レイヤーTに設ける透明部分1Tから透過させて視覚上はあたかも新たな表示物の直下の層に見せ、新表示物の用済み・消去時には通常レイヤーを特定レイヤーより上層に復帰させる。
【0074】
これにより、ブラウザの管理単位である多層レイヤー構造と、ブラウザ上で動作するFlashなどプラグイン内の多層レイヤー構造と、を視覚的に一つの多層レイヤー構造となるように表示でき、すなわち、視覚上は子レイヤー間に他の親レイヤーを挟むような一重多層レイヤー構造同等の表示内容が実現でき、プログラムの組合せ態様が多様化できる。
【0075】
また、上記のように、クライアント装置であるコンピュータ2に対し、サーバ5から、受入側プログラムや付加プログラムの全体又は一部分を提供して実行させることにより、Ajaxのようにサーバとの通信結果に応じて画面表示を動的に変更する情報処理の複雑高度化が容易になり、インターネットにおけるHTTPやウェブを基盤としたクライアントサーバシステムの応用範囲が拡大可能となる。
【0076】
〔4.特定レイヤーを挟む態様〕
また、図3の状態から遷移することにより、図7(1)に例示するように、下層側から順に、通常レイヤー(HTML領域2H)、特定レイヤー(プラグイン領域3P)、通常レイヤー(HTML領域4H)のように、特定レイヤーを通常レイヤーで挟む表示状態を、視覚上、実現する例を示す。
【0077】
これは、付加プログラムPによる特定レイヤーTに新たな表示物であるプラグイン領域3Pを表示させるとともに、一部の通常レイヤーを操作対象とする場合であり、この場合、順序制御手段22は、特定レイヤーTに対し、操作対象とする通常レイヤーL2だけを上層側に(図4のステップS12)、それ以外の通常レイヤー2Hを下層側に位置させる制御を行う(図4のステップS14)。
【0078】
このように図3の状態から図7の状態へ遷移する様子を、図8の概念図(A)→(B)に示す。この遷移では、図3の状態(図8(A))から、通常レイヤーL1を特定レイヤーTより下層へ移動させる。また、新たな表示物として、第一には、特定レイヤーTの相対的な上層である子レイヤーT2にプラグイン領域3Pを描画し表示させるとともに、第二には、操作対象とする通常レイヤーL2のHTML領域4H(文字列入力欄)のみは上層に位置させることで、図7の状態(図8(B))を実現している。
【0079】
なお、プラグイン領域3Pは、図7(1)の入力ダイアログDのうち、HTML領域4H(文字列入力欄)を除いた要素であり、HTML領域4H(文字列入力欄)と組み合わされることで文字列入力欄も備えた入力ダイアログDを構成している。この入力ダイアログDが用済み後は、図4のステップS17,S18に準じ、プラグイン領域3PとHTML領域4Hをそれらの属するレイヤーと共に消去し、各レイヤー順序は図3の状態へ復元する。
【0080】
このように、付加プログラムによる特定レイヤーに対し、操作対象とする親レイヤーだけを上層側とし、それ以外の親レイヤーを下層側とすることにより、図7に示した入力ダイアログDのように、特定レイヤーの表示物と、文字入力欄など親レイヤーの機能による表示物を、他の親レイヤーに機能や外観を邪魔されることなく組合わせて最上層で利用可能となり、付加プログラムと受入側プログラムの組合せについて態様をさらにいっそう多様化し用途を拡大することが可能となる。
【0081】
〔5.模擬画像を用いる処理〕
本実施形態により、次のようなさらに複雑な表示も可能である。まず、図7(1)(2)に例示した状態は、特定レイヤーTが透明部分1Tを有し、特定レイヤーTより下層(奥側)に位置する第一の通常レイヤーL1のHTML領域2Hが、特定レイヤーTの透明部分1Tを透過して手前の如く見えていて、その手前(上層側)に特定レイヤーTの表示物(プラグイン領域3P)があり、さらに手前にはより上層に位置する第二の通常レイヤーL2の既存表示物として文字列入力欄(手前側のHTML領域4H)がある、という状態である。
【0082】
この状態は、親レイヤーの次元でみて三階層の状態であり、この状態(図7)をもとに、さらに上層側に、表示制御手段24により、プラグインPの特定レイヤーTの子レイヤーに新たな表示物として、例えば、警告ダイアログ(図9(1)のプラグイン領域5P)を表示しようとする場合を考える。
【0083】
この場合、プラグインPが新たな表示物を操作可能な状態で表示可能なレイヤーは特定レイヤーに限られることから、文字列入力欄であるHTML領域4Hの通常レイヤーも特定レイヤーより下層に移動することになる。しかし、このように下層となるHTML領域4Hの文字列入力欄は、特定レイヤーの透明部分1Tと位置もサイズも一致しないため、全部又は一部が見えなくなって外観が乱れる問題が生じる。
【0084】
この問題に対処するため、本実施形態において、プラグインPの情報取得手段28は、第二の親レイヤーL2(手前側のHTML領域4H)よりも、さらに上層側(手前側)の子レイヤーT4に新たな表示物を表示しようとする場合、図10のフローチャートに示すような処理を行う。
【0085】
まず、各親レイヤーを特定レイヤーの下層側へ位置させるだけでなく(ステップS31)、第二の親レイヤー(通常レイヤー)L2に表示していた既存表示物(例えば、入力ボックス4H)の表示内容を表す情報(例えば、文字入力欄や選択ボックスなどのパーツ種別、その表示の位置やサイズ、取得した文字列や値の内容など)をブラウザBから取得する(ステップS32、情報取得処理ステップ)。
【0086】
続いて、上記のように情報取得手段28で取得した前記表示内容を表す情報に基づいて、模擬画像生成手段30が、第二の親レイヤーL2に表示されている前記既存表示物(この場合は前記入力ボックス4H)の外観を模擬した模擬画像4Mを生成する(ステップS33、模擬画像生成処理ステップ)。
【0087】
そして、このように模擬画像生成手段30で生成した模擬画像4Mを、模擬画像表示手段32が、特定レイヤーTにおける相対的な上層である子レイヤーT4に、前記第二の親レイヤーL2の前記既存表示物である入力ボックス4Hと同じ表示配置で表示させたうえ(ステップS34、模擬画像表示処理ステップ)、表示制御手段24が、模擬画像4Mを表示している子レイヤーT3よりも、さらに上層側の子レイヤT4ーに新たな表示物を表示する(ステップS35)。
【0088】
このように図7の状態から図9の状態へ遷移する様子を、図11の概念図(A)→(B)に示す。この遷移では、図7の状態(図11(A))から、通常レイヤーL2を実際は特定レイヤーTより下層へ移動させるが、代りに、特定レイヤーTの相対的な上層である子レイヤーT3に模擬画像4Mを描画し表示させる。また、操作を受け付ける新たな表示物である警告ダイアログ(単に「警告」とも表す)5Pを特定レイヤーTの最上層T4に描画し位置させることで、図9の状態(図11(B))を実現している。
【0089】
このように、ブラウザ上で表示されている既存表示物と同様な外観と位置の模擬画像を付加プログラム側で生成し代替表示することは、利用者に特段の違和感を感じさせない程度にオリジナルに似た外観を持ち、不要な操作ができない表示物を描画することであり、その上に所望の新たな表示物を表示することにより、どのレイヤーについても自然な表示を維持しながら、プログラムの適切な動作が実現できる。
【0090】
さらに、実際は下層に移動した親レイヤーの模擬画像を、その奥と手前の子レイヤー間で挟む上記のような表示内容は、何階層でも繰り返せるので、プログラムの組合せ態様や処理内容が無限に多様化でき、複雑高度な機能も平易な構成で容易に実装可能となる。
【0091】
〔6.第2実施形態〕
また、第2実施形態は、下層に移動させるが表示上は手前に見せたいレイヤーの表示物を透過する透明部分を持つように、特定レイヤーの表示全体を作り直すことにより、子レイヤー間に他の親レイヤーを挟むなど、付加プログラムと受入側プログラムの画面表示内容の組合せ態様の自由度を拡大する例である。
【0092】
〔6−1.第2実施形態の概要〕
この第2実施形態は、機能ブロック図で表す場合は、第1実施形態に準じた構成をとりうるが(図1)、作用効果は第1実施形態と異なるもので、図12のフローチャートに示す処理手順のように作用する。また、第2実施形態は、第1実施形態との組合せが可能で、それが好ましいが、単独実施も可能であり、第1実施形態の機能作用を併有しない単独実施の場合、模擬画像生成手段30及び模擬画像表示手段32は省略可能である。
【0093】
ここで、図12の処理手順は、第2実施形態において、一又は二以上の既存表示物を表示している通常レイヤーが特定レイヤーより上層に位置する状態から、前記通常レイヤーよりもさらに上層側となるように前記特定レイヤーに新たな表示物を表示制御手段で表示しようとする場合(ステップS51)の処理手順である。
【0094】
このような場合の例は、図13(1)(2)に示すように、HTML領域2Hを持つ通常レイヤーL1が、特定レイヤーTより上層に位置する状態から、通常レイヤーL1よりさらに上層側となるように、プラグイン領域3Pを表示することで、図5(1)同等の状態に遷移する場合である。この例では、第1実施形態で示した図3からの表示切替時と異なり、切替以前の状態において、特定レイヤーT1にまだ透明部分が存在しない(図13)。
【0095】
この場合、順序制御手段22が、特定レイヤーTよりも通常レイヤーL1を下層に位置させ(ステップS52)、また、情報取得手段28が、通常レイヤーL1に表示していた既存表示物であるHTML領域2Hの表示範囲を表す情報(例えば、図13の例では、HTML領域2Hに係る矩形の座標範囲)をブラウザBから取得する(ステップS53)。
【0096】
そして、透過設定手段20が、情報取得手段28で取得した前記表示範囲を表す情報に基づいて、その表示範囲について、既存表示物であるHTML領域2Hを透過するための透明部分を前記特定レイヤーのうち既存の子レイヤー(図5では例えばT1)に設定し(ステップS54)、表示制御手段24が、既存の子レイヤーよりもさらに上層側の子レイヤー(図5では例えばT2)に、新たな表示物(例えば警告ダイアログ5P)を表示する(ステップS55)。
【0097】
このように、第2実施形態によれば、特定レイヤーの手前にある通常レイヤーの既存表示物よりもさらに手前側に、特定レイヤーの新たな表示物を表示する際、既存表示物の親レイヤーを特定レイヤーより実際は下層に移動する一方、手前となる特定レイヤーに透明部分を設定し透過させることで、視覚上あたかも特定レイヤーの表示物同士の間に位置するような一重多層レイヤー構造に準じたサンドイッチ状態の表示内容が実現できる。
【0098】
特に、透明部分については、レイヤー順の入替え時に動的に設定するので、固定の位置やサイズで事前に設定したりそれに拘束されること無く、状況に応じた最適な表示位置等の自由度と柔軟性が実現できる。
【0099】
また、特定レイヤーの表示物同士の間に親レイヤーの表示物が視覚上あるような上記のサンドイッチ状態(3層)の場合だけに限らず、手前にさらに、別の親レイヤーの既存表示物と特定レイヤーの新たな表示物、のように階層を足して例えば5層にまでするような場合(例えば図15)にも同様に対処可能である。
【0100】
ここで、図5(1)に示した状態は、プラグイン領域1P、HTML領域2H、プラグイン領域3Pという視覚上の3層の場合である。また、図7(1)に示した状態は、プラグイン領域1P、HTML領域2H、プラグイン領域3Pに加え、別の親レイヤーの既存表示物であるHTML4Hを加えた4層の表示状態である。さらに、図15(1)に示すように、特定レイヤーの新たな表示物であるプラグイン領域5P、のように階層を増やした状態が、5層である。
【0101】
この図15は、第1実施形態における図9と同等の表示を、第2実施形態により実現する場合の概念図である。このように図7(1)の状態から図9(1)の状態に遷移する場合、図7(1)での奥と手前の二つの既存表示物すなわちHTML領域2HとHTML領域4Hについて、図15(2)に示すとおり、特定レイヤーTより下層側(実際は4層目と5層目)に移動はさせるが、これら二つの既存表示物の表示範囲を重ねた多角形状に設定する透明部分11T(実際は3層目)を透過して見せる。
【0102】
この結果、奥の既存表示物であるHTML領域2Hは、実際は一番奥の5層目であるが(図15(2))、それより浮き上がって視覚上の4層目に見え(図15(1))、透明部分の層である子レイヤーT1は、操作ボタンなど何らかの表示物があれば視覚上は、一番奥の5層目に見えるし、地色のみなどで目立たない場合は視覚上、ユーザに意識されない。
【0103】
また、手前の既存表示物である入力ボックス4Hは、実際は4層目であるが(図15(2))、その表示領域だけを型抜きした特定レイヤーT2(実際は2層目)の表示物であるプラグイン領域3Pを手前に表示することで、その手前側(視覚上の2層目)に浮き上がって見える(図15(1))。実際と視覚上が一致するのは、最も手前の一層目(警告ダイアログ5P)である。
【0104】
このように、表示物について、親レイヤー(上記の例では通常レイヤーL1)を、その奥と手前の子レイヤー(T2とT3)間で挟む上記のような表示内容は何階層でも繰り返せるので、プログラムの組合せ態様や処理内容が無限に多様化でき、複雑高度な機能も平易な構成で容易に実装可能となる。
【0105】
〔6−2.透明部分の設定態様〕
なお、上記のように、既存のレイヤーの所望範囲に透明部分を事後的に設定する処理について、その機能をプラグインPが持たない場合でも、既存のレイヤーを静止画像に変換することで実現可能である。
【0106】
この場合、透過設定手段20は、例えば、透明部分を設定しようとする子レイヤーに表示されている内容を静止画像に変換する処理ステップと、前記表示範囲を表す情報に基づいて、前記静止画像のうち前記表示範囲の部分を透明に設定する処理ステップと、透明な部分を設定した前記静止画像を新たな子レイヤーとして表示させる処理ステップと、静止画像のもととなった子レイヤーを表示制御手段24に消去させる処理ステップと、を実行する。
【0107】
このように、下層とする既存表示物を透過して上層に見せる透明部分を特定レイヤーに作る態様として、特定レイヤーの表示内容を静止画像に変換のうえ、透過GIFのように任意の形状で透明部分を作成し、もとのレイヤーと置き換える、という簡素な画像処理を用いることにより、実際に稼動する特定レイヤーの再作成をせずに済み、CPU負荷軽減と迅速な画面処理に役立つ。この態様は、特定レイヤーの用途や内容上、アニメーションや応答の動作継続が必須でない場合に、特に適する。
【0108】
〔6−3.透明部分の他の設定態様〕
また、既存のレイヤーの所望範囲に透明部分を事後的に設定する処理について、その機能をプラグインPが持たない場合の異なるアプローチとして、既存のレイヤーを再作成することによっても、実現可能である。
【0109】
この場合、透過設定手段20は、図16に例示するように、地色を透明とする空の子レイヤーTX上に、前記表示範囲を表す情報に基づいて、前記一又は二以上の既存表示物の前記表示範囲を囲むように矩形範囲Kを複数配置することで透明部分11Tを持つレイヤーを作成し、そのレイヤーにより、透明部分を設定しようとしていたもとのレイヤーを代替させる。
【0110】
このように、下層とする既存表示物を透過して上層に見せる透明部分を特定レイヤーに作る態様として、透明部分を残すように矩形を複数組み合わせて特定レイヤー全体を改めて作り直すことにより、互いに一部の重なる複数の既存表示物も所望の多角形状の透明部分で透過可能となり、特定レイヤーのアニメーションや応答の動作を維持したまま、親レイヤーを子レイヤーで挟むような画面表示が容易に実現可能となる。
【0111】
特に、以上のような第2実施形態は、既に説明した第1実施形態とは、画面表示内容の組合せ態様の自由度を拡大するアプローチが互いに異なるので、両者の構成を組み合わせたうえ、例えば、受入側プログラムや付加プログラムの種類や機能、適用分野や利用目的、実行環境となるコンピュータにおけるCPU能力の大小、利用者による設定、といった条件に応じてどちらの構成を利用するかを動的に切り替えることにより、本発明の適用対象と有効性が拡大可能となる。
【0112】
〔7.他の実施形態〕
なお、上記実施形態は例示に過ぎず、本発明は、以下の例及び他の実施形態も含むものである。例えば、プラグインなどの付加プログラムは、Flashに限らず、マイクロソフト(登録商標)のSilverlight(商標)など他のものでもよく、さらに、受入側プログラムと付加プログラムも、上記実施形態で例示したウェブブラウザとウェブコンテンツ再生プラグインには限定されない。
【0113】
また、ある第1のオペレーティングシステムによるユーザインタフェース表示上に、第2のオペレーティングシステムによる同様なユーザインタフェース表示を重ねることでシームレスな操作環境を実現したい場合など、第1のオペレーティングシステムによる各層を親レイヤー、第2のオペレーティングシステムにおける各層を子レイヤーとする二重多層レイヤー構造が発生するが、このような場合も、子レイヤーを親のレイヤー構造内に組み込んでワンセットに拘束することなく、子レイヤーの間に親レイヤーを挟んだ状態の表示や操作を可能とし、違和感のない操作性が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明の実施形態の構成を示す図。
【図2】本発明の実施形態における二重多層レイヤー構造を例示する概念図。
【図3】本発明の実施形態における画面表示の一状態を示す図。
【図4】本発明の実施形態における処理手順を示すフローチャート。
【図5】本発明の実施形態における画面表示の一状態を示す図。
【図6】図3の状態から図5の状態への画面遷移を表す概念図。
【図7】本発明の実施形態における画面表示の一状態を示す図。
【図8】図3の状態から図7の状態への画面遷移を表す概念図。
【図9】本発明の実施形態における画面表示の一状態を示す図。
【図10】本発明の実施形態における他の処理手順を示すフローチャート。
【図11】図7の状態から図9の状態への画面遷移を表す概念図。
【図12】本発明の第2実施形態における処理手順を示すフローチャート。
【図13】本発明の第2実施形態における画面表示の一状態を示す図。
【図14】本発明の第2実施形態において、図13の状態から図5の状態への画面遷移を表す概念図。
【図15】本発明の第2実施形態における画面表示の一状態を示す図。
【図16】本発明の第2実施形態において、地色透明な特定レイヤー全面を作り直すとともに複数の矩形範囲で取り囲むことにより、多角形状の透明部分を設定する状態を示す概念図。
【符号の説明】
【0115】
N 通信ネットワーク
1 コンピュータ
B ブラウザ(受入側プログラム)
P プラグイン(付加プログラム)
10 親レイヤー制御手段
20 透過設定手段
22 順序制御手段
24 表示制御手段
26 他の処理手段
28 情報取得手段
30 模擬画像生成手段
32 模擬画像表示手段
82 入出力手段
85 表示装置
5 サーバ
51,83 演算制御部
52,81 記憶装置
54 通信手段
56 データ記憶手段
58 データ処理手段
60 情報提供手段
56 通信制御手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータでブラウザのプラグインのような付加プログラムを用いる場合における画面表示技術の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、アプリケーションなどコンピュータ・プログラムの画面表示では、例えばウェブブラウザ(以下「プラウザ」とも呼ぶ)がウェブページ表示ウィンドウの上に重ねて、「○○しますか?」のような警告ダイアログを表示するなど、表示物を複数重ねる(重畳する)場合が多い。
【0003】
このように重畳されるウィンドウなどの各表示物は、オブジェクトなどとも呼ばれ、オペレーティングシステム(OS)などの基本ソフトウェアが個々の層すなわち表示レイヤーとして管理し、表示順序を制御している。このように多層のレイヤー間で表示順序を制御する画面表示制御の構造を、多層レイヤー構造と呼ぶ。
【0004】
このような多層レイヤー構造は、単一の多層レイヤー構造や一重多層レイヤー構造などと呼ぶ一階層のみの単純な場合もあるが、異なるプログラム間で入れ子の関係を持つ場合がある。このような関係にかかわる例として、音声やアニメーションを組み合わせたウェブコンテンツすなわちインタラクティブ動画ファイルがある。その代表例はアドビシステムズ株式会社のFlash(登録商標)ファイルで、Flashファイルの再生用プログラムであるFlashプレーヤーは、ブラウザに組み込んで従属動作させるいわゆるプラグイン・プログラム(以下単に「プラグイン」とも呼ぶ)である。
【0005】
ここで、プラグインを受け入れている側のブラウザなどを受入側プログラムと呼び、それに対し、上記のようなインタラクティブ動画ファイルとそれを実行しているプラグインを、付加プログラムと総称することとする。この場合、付加プログラム側では、自らの表示内容を構成する内部的な複数のレイヤー(以下「子レイヤー」と呼ぶ)を管理し重ねる順序を制御可能であるが、それら子レイヤー群は、ブラウザ側にとっては、管理と制御の単位としている表示レイヤーの一つに過ぎない。
【0006】
以下、ブラウザが管理と制御の単位とする表示レイヤーを「親レイヤー」とも呼び、親レイヤーの一つで付加プログラムが管理と制御の単位とするものを「特定レイヤー」とも呼び、特定レイヤー以外の親レイヤーを「通常レイヤー」とも呼ぶこととする。特定レイヤーは、付加プログラム側で内部的には、一又は二以上の子レイヤーで構成される。
【0007】
このように、受入側プログラムの管理単位である親レイヤーの一つすなわち特定レイヤーとして、子レイヤー群が一連のまとまりを持つ構造を、二重多層レイヤー構造と呼ぶ。この二重多層レイヤー構造において、付加プログラムは、受入側プログラムの機能を呼び出すことにより、自らの子レイヤー群に該当する特定レイヤーと通常レイヤーとの表示順序すなわち上下関係を操作することは可能である。
【0008】
なお、画面上の同じ部分に、付加プログラムの特定レイヤーと、ブラウザのHTMLに基づく通常レイヤーが存在するとき、マウス操作の対象となるのは、手前側となっているいずれか一方のレイヤーである。
【特許文献1】特開2002−334115号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、上記のような二重多層レイヤー構造において、付加プログラム側の特定レイヤーが複数の子レイヤー群から構成されたり、子レイヤー間の表示順序を切替可能であることは、付加プログラム側の内部事情に過ぎず、受入側プログラム側からは単一の親レイヤーとしてワンセットで管理することしかできない。このため、従来では、複数の子レイヤーを、親レイヤーを間に挟んで隣接しない状態で使用することはできず、付加プログラムと受入側プログラムの組合せ態様が制限されるという課題があった。
【0010】
すなわち、親レイヤーが背面に有っても、手前側となっている特定レイヤー内で子レイヤーの階層を複数重ねることができたが、付加プログラムの特定レイヤーより手前にHTMLなどに基づく他の親レイヤーが有る場合、その手前側に再度、付加プログラムによる他の子レイヤーを表示することは、子レイヤー同士の間に親レイヤーを挟むことになるため、不可能という課題が存在した。
【0011】
これらの課題は、受入側プログラムと付加プログラムを組合わせた連携動作により複雑もしくは高度な機能を実現したり用途を拡大するための障害となっており、その解決が潜在的に待望されていた。
【0012】
なお、表示対象の重畳に関する技術として、ウェブサイトなどを表示するコンテンツ領域と、表示するウェブサイトを複数候補中から切り替えるナビゲーション領域を、透明にするなどして重ね合わせる提案は存在するが(特許文献1参照)、上記のような二重多層レイヤー構造の課題に関連するものではなかった。
【0013】
上記のような子レイヤー間に親レイヤーを挟む関係を実現するために、仮に、単一のウェブブラウザに対して、互いに種類の異なるプラグインを複数適用しようとしても、個々のプラグインのレイヤー同士が別個独立であるうえ、プラグイン間の情報授受など連携動作の実現は困難かつ煩雑で、上記のような課題を実際的に改善するものではなかった。
【0014】
本発明は、上記のような従来技術の課題を解決するもので、その目的は、下層に移動させるが表示上は手前に見せたいレイヤーの表示物を特定レイヤーにおいて模擬画像で代替することにより、子レイヤー間に他の親レイヤーを挟むなど、付加プログラムと受入側プログラムの画面表示内容の組合せ態様の自由度を拡大することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の目的を達成するため、本発明の一態様は、コンピュータが、受入側プログラム上で、付加プログラムを実行する情報処理装置において、前記受入側プログラムは、前記コンピュータの演算制御部を制御することにより、その受入側プログラムが管理の単位とする一又は二以上の表示レイヤーであって前記付加プログラムの表示内容に対応する特定レイヤーを含むもの、の表示順を制御する表示レイヤー制御手段を実現し、前記付加プログラムは、前記コンピュータの演算制御部を制御することにより、前記特定レイヤーに、他の前記表示レイヤーの少なくとも一部を透過するための透明部分を設定する透過設定手段と、 前記特定レイヤーを構成する一又は二以上の子レイヤーについて、その生成、抹消及び表示順の制御を行うとともに、新たな表示物を描画して表示させ並びに表示を終了させる、表示制御手段と、前記特定レイヤーにおける前記新たな表示物の表示に関し、前記受入側プログラムの前記表示レイヤー制御手段の機能を呼び出すことにより、前記特定レイヤーと他の表示レイヤーの上下位置の順序を制御する、順序制御手段と、を実現し、前記順序制御手段は、(1)前記特定レイヤーに新たな表示物を前記表示制御手段が表示する際、前記特定レイヤーよりも他の表示レイヤーを下層に位置させ、(2)前記新たな表示物を表示している間、一部の表示レイヤーを操作対象とする場合には、前記特定レイヤーよりも前記操作対象とする表示レイヤーは上層側に位置させ、(3)前記新たな表示物の表示を前記表示制御手段が終了する際、前記特定レイヤーよりも他の表示レイヤーを上層の位置に復帰させ、さらに、前記付加プログラムは、前記コンピュータの演算制御部を制御することにより、前記特定レイヤーが前記透明部分を有し、前記特定レイヤーより下層に第一の表示レイヤーが位置し、前記特定レイヤーより上層に前記操作対象とする第二の表示レイヤーが位置する状態で、前記第二の表示レイヤーよりもさらに上層側となるように前記表示制御手段により前記特定レイヤーの子レイヤーに新たな表示物を表示しようとする場合に、前記第二の表示レイヤーに表示していた既存表示物の表示内容を表す情報を前記受入側プログラムから取得する情報取得手段と、前記情報取得手段で取得した前記表示内容を表す情報に基づいて、前記第二の表示レイヤーに表示されている前記既存表示物の外観を模擬した模擬画像を生成する模擬画像生成手段と、模擬画像生成手段で生成した前記模擬画像を、前記特定レイヤーにおける相対的な上層である子レイヤーに、前記第二の表示レイヤーの前記既存表示物と同じ表示配置で表示させる模擬画像表示手段と、を実現し、前記表示制御手段は、前記模擬画像を表示している前記子レイヤーよりも、さらに上層側の子レイヤーに前記新たな表示物を表示することを特徴とする。
【0016】
上記態様を方法という見方から捉えた態様は、コンピュータが、受入側プログラム上で、付加プログラムを実行する情報処理方法において、前記受入側プログラムは、前記コンピュータの演算制御部を制御することにより、その受入側プログラムが管理の単位とする一又は二以上の表示レイヤーであって前記付加プログラムの表示内容に対応する特定レイヤーを含むもの、の表示順を制御する表示レイヤー制御処理ステップを実行し、前記付加プログラムは、前記コンピュータの演算制御部を制御することにより、他の前記表示レイヤーの少なくとも一部を透過するための透明部分を前記特定レイヤーに設定する透過設定処理ステップと、前記特定レイヤーを構成する一又は二以上の子レイヤーについて、その生成、抹消及び表示順の制御を行うとともに、新たな表示物を描画して表示させ並びに表示を終了させる、表示制御処理ステップと、前記特定レイヤーにおける前記新たな表示物の表示に関し、前記受入側プログラムの前記表示レイヤー制御処理ステップの機能を呼び出すことにより、前記特定レイヤーと他の表示レイヤーの上下位置の順序を制御する、順序制御処理ステップと、を実現し、前記順序制御処理ステップは、(1)前記特定レイヤーに新たな表示物を前記表示制御処理ステップが表示する際、前記特定レイヤーよりも他の表示レイヤーを下層に位置させ、(2)前記新たな表示物を表示している間、一部の表示レイヤーを操作対象とする場合には、前記特定レイヤーよりも前記操作対象とする表示レイヤーは上層側に位置させ、(3)前記新たな表示物の表示を前記表示制御処理ステップが終了する際、前記特定レイヤーよりも他の表示レイヤーを上層の位置に復帰させ、さらに、前記付加プログラムは、前記コンピュータの演算制御部を制御することにより、前記特定レイヤーが前記透明部分を有し、前記特定レイヤーより下層に第一の表示レイヤーが位置し、前記特定レイヤーより上層に前記操作対象とする第二の表示レイヤーが位置する状態で、前記第二の表示レイヤーよりもさらに上層側となるように前記表示制御処理ステップにより前記特定レイヤーの子レイヤーに新たな表示物を表示しようとする場合に、前記第二の表示レイヤーに表示していた既存表示物の表示内容を表す情報を前記受入側プログラムから取得する情報取得処理ステップと、前記情報取得処理ステップで取得した前記表示内容を表す情報に基づいて、前記第二の表示レイヤーに表示されている前記既存表示物の外観を模擬した模擬画像を生成する模擬画像生成処理ステップと、模擬画像生成処理ステップで生成した前記模擬画像を、前記特定レイヤーにおける相対的な上層である子レイヤーに、前記第二の表示レイヤーの前記既存表示物と同じ表示配置で表示させる模擬画像表示処理ステップと、を実現し、前記表示制御処理ステップは、前記模擬画像を表示している前記子レイヤーよりも、さらに上層側の子レイヤーに前記新たな表示物を表示することを特徴とする。
【0017】
上記態様をコンピュータ・プログラムという見方から捉えた態様は、受入側プログラム及び付加プログラムをセットとして組み合わせたプログラムシステムであって、前記各プログラムが相互に連携してコンピュータの演算制御部を制御することにより、前記受入側プログラムの実行に従属して前記付加プログラムを実行するプログラムシステムにおいて、前記受入側プログラムは、前記コンピュータの演算制御部を制御することにより、その受入側プログラムが管理の単位とする一又は二以上の表示レイヤーであって前記付加プログラムの表示内容に対応する特定レイヤーを含むもの、の表示順を制御する表示レイヤー制御処理ステップを実行させ、前記付加プログラムは、前記コンピュータの演算制御部を制御することにより、前記特定レイヤーに、他の前記表示レイヤーの少なくとも一部を透過するための透明部分を設定する透過設定処理ステップと、前記特定レイヤーを構成する一又は二以上の子レイヤーについて、その生成、抹消及び表示順の制御を行うとともに、新たな表示物を描画して表示させ並びに表示を終了させる、表示制御処理ステップと、前記特定レイヤーにおける前記新たな表示物の表示に関し、前記受入側プログラムの前記表示レイヤー制御処理ステップの機能を呼び出すことにより、前記特定レイヤーと他の表示レイヤーの上下位置の順序を制御する、順序制御処理ステップと、を実行させ、前記順序制御処理ステップは、(1)前記特定レイヤーに新たな表示物を前記表示制御処理ステップが表示する際、前記特定レイヤーよりも他の表示レイヤーを下層に位置させ、(2)前記新たな表示物を表示している間、一部の表示レイヤーを操作対象とする場合には、前記特定レイヤーよりも前記操作対象とする表示レイヤーは上層側に位置させ、(3)前記新たな表示物の表示を前記表示制御処理ステップが終了する際、前記特定レイヤーよりも他の表示レイヤーを上層の位置に復帰させ、さらに、前記付加プログラムは、前記コンピュータの演算制御部を制御することにより、前記特定レイヤーが前記透明部分を有し、前記特定レイヤーより下層に第一の表示レイヤーが位置し、前記特定レイヤーより上層に前記操作対象とする第二の表示レイヤーが位置する状態で、前記第二の表示レイヤーよりもさらに上層側となるように前記表示制御処理ステップにより前記特定レイヤーの子レイヤーに新たな表示物を表示しようとする場合に、前記第二の表示レイヤーに表示していた既存表示物の表示内容を表す情報を前記受入側プログラムから取得する情報取得処理ステップと、前記情報取得処理ステップで取得した前記表示内容を表す情報に基づいて、前記第二の表示レイヤーに表示されている前記既存表示物の外観を模擬した模擬画像を生成する模擬画像生成処理ステップと、模擬画像生成処理ステップで生成した前記模擬画像を、前記特定レイヤーにおける相対的な上層である子レイヤーに、前記第二の表示レイヤーの前記既存表示物と同じ表示配置で表示させる模擬画像表示処理ステップと、を実行させ、前記表示制御処理ステップは、前記模擬画像を表示している前記子レイヤーよりも、さらに上層側の子レイヤーに前記新たな表示物を表示することを特徴とする。
【0018】
以上のように、受入側プログラム上における表示レイヤー(親レイヤー)の順序を付加プログラムから動的に入替え制御し、HTMLなどによる他の親レイヤーについて、操作受付などの場面では特定レイヤーより上層にする一方、付加プログラムで新たな表示物について描画や操作受付などを行う際は、前記他の親レイヤーを特定レイヤーより実際は下層に移動するが、特定レイヤーに設ける透明部分から透過させて視覚上はあたかも新たな表示物の直下の層に見せ、新表示物の用済み・消去時には前記他の親レイヤーを特定レイヤーより上層に復帰させる。これにより、視覚上は子レイヤー間に他の親レイヤーを挟むような一重多層レイヤー構造同等の表示内容が実現でき、プログラムの組合せ態様が多様化できる。
【0019】
しかも、特定レイヤーからみて、他の親レイヤーを下層としても、操作対象とする親レイヤーに限って特定レイヤーより上層側とするので、特定レイヤーの表示物とHTMLによる文字入力欄など親レイヤーの表示物を、他の親レイヤーに機能や外観を邪魔されることなく組合わせて最上層で利用可能となり、付加プログラムと受入側プログラムの組合せについて態様をさらにいっそう多様化し用途を拡大することが可能となる。
【0020】
ところで、奥側の親レイヤーのHTML領域などが特定レイヤーの透明部分から見え、その手前に特定レイヤーの表示物があり、さらに手前側に別の親レイヤーの既存表示物、という三階層の状態で、さらに上層側に付加プログラムの新たな表示物を表示する際、親レイヤーごと既存表示物も特定レイヤーより下層に移動すると、透明部分と一致しないため全部又は一部が見えなくなって外観が乱れる問題が生じる。
【0021】
この場合にも、その既存表示物と同じ外観と位置の模擬画像を付加プログラム側で生成し代替表示したうえで新たな表示物を表示することにより、どのレイヤーについても自然な表示を維持できる。加えて、実際は下層に移動した親レイヤーの模擬画像を、その奥と手前の子レイヤー間で挟む上記のような表示内容は、何階層でも繰り返せるので、プログラムの組合せ態様や処理内容が無限に多様化でき、複雑高度な機能も平易な構成で容易に実装可能となる。
【0022】
本発明の他の態様は、上記いずれかの態様(情報処理装置、方法又はプログラムシステム)において、前記受入側プログラムは、ウェブブラウザ・プログラムを利用して動作するHTMLファイルであり、前記付加プログラムは、ウェブブラウザ・プログラム用のプレーヤーであるプラグイン・プログラムを利用して動作する、インタラクティブ動画ファイルであることを特徴とする。
【0023】
このように、汎用性に優れるウェブブラウザ用HTMLと、そのプラグインにより多彩な表現を可能とするインタラクティブ動画ファイルを用いることで、インターネットウェブサイトに代表されるクライアントサーバシステムの分野において、最小限の導入手順で多様な情報処理内容が広範囲に実現容易となる。
【0024】
本発明の他の態様は、演算制御部と、クライアント装置であるコンピュータと通信ネットワーク経由で通信する通信手段と、データ記憶手段と、を備え、前記プログラムシステムの全部又は一部を前記クライアント装置に提供するサーバコンピュータにおいて、前記データ記憶手段は、処理対象データと、前記受入側プログラム又は付加プログラムの少なくとも一部をなす部品データと、を記憶し、前記クライアント装置から前記通信ネットワーク経由で受信する画面操作内容の情報に応じて、前記データ記憶手段に記憶されている処理対象データを処理するデータ処理手段と、前記データ処理手段での前記処理の結果と、前記データ記憶手段に記憶されている前記部品データと、をもとに、前記プログラムシステムの全部又は一部を作成するとともに前記クライアント装置に提供する、情報提供手段と、を前記演算制御部が実現することを特徴とする。
【0025】
本発明の他の態様は、上記態様を方法という見方から捉えたもので、演算制御部と、クライアント装置であるコンピュータと通信ネットワーク経由で通信する通信手段と、データ記憶手段と、を備えたサーバコンピュータから、前記プログラムシステムの全部又は一部を前記クライアント装置に提供する情報処理方法において、前記データ記憶手段は、処理対象データと、前記受入側プログラム又は付加プログラムの少なくとも一部をなす部品データと、を記憶し、前記クライアント装置から前記通信ネットワーク経由で受信する画面操作内容の情報に応じて、前記データ記憶手段に記憶されている処理対象データを処理するデータ処理ステップと、前記データ処理手段での前記処理の結果と、前記データ記憶手段に記憶されている前記部品データと、をもとに、前記プログラムシステムの全部又は一部を作成するとともに前記クライアント装置に提供する、情報提供処理ステップと、を前記演算制御部が実行することを特徴とする。
【0026】
このように、クライアント装置であるコンピュータに対し、サーバから、受入側プログラムや付加プログラムの全体又は一部分を提供して実行させることにより、Ajaxのようにサーバとの通信結果に応じて画面表示を動的に変更する情報処理の複雑高度化が容易になり、インターネットにおけるHTTPやウェブを基盤としたクライアントサーバシステムの応用範囲が拡大可能となる。
【0027】
また、以上各態様との組合せが可能な他の好ましい追加の態様として、下層に移動させるが表示上は手前に見せたいレイヤーの表示物を透過する透明部分を持つように、特定レイヤーの表示全体を作り直すことにより、子レイヤー間に他の親レイヤーを挟むなど、付加プログラムと受入側プログラムの画面表示内容の組合せ態様の自由度を拡大する例を示す。
【0028】
既に述べた各態様と、以下のような追加の態様とは、画面表示内容の組合せ態様の自由度を拡大するアプローチが互いに異なるので、両者の機能(構成もしくは方法)を組み合わせたうえ、例えば、各態様において、(1)適用分野や利用目的に応じ、サーバコンピュータから提供するプログラムシステムの作成時にいずれか一方の機能を動的に切替選択する手段もしくは処理ステップを設けたり、(2)前記受入側プログラム又は前記付加プログラムの種類又は機能を検出し、もしくは実行環境となるコンピュータにおけるCPU能力の大小を検出して、それら検出結果に基づいていずれか一方の機能を動的に切替選択する手段もしくは処理ステップを設けたり、(3)利用者による設定操作を受け付けると共にその設定内容に基づいて、いずれか一方の機能を動的に切替選択する手段もしくは処理ステップを設けることにより、本発明の適用対象と有効性が拡大可能となる。
【0029】
すなわち、追加の態様として、本発明の一態様は、コンピュータが、受入側プログラム上で、付加プログラムを実行する情報処理装置において、前記受入側プログラムは、前記コンピュータの演算制御部を制御することにより、その受入側プログラムが管理の単位とする一又は二以上の表示レイヤーであって前記付加プログラムの表示内容に対応する特定レイヤーを含むもの、の表示順を制御する表示レイヤー制御手段を実現し、前記付加プログラムは、前記コンピュータの演算制御部を制御することにより、前記特定レイヤーを構成する一又は二以上の子レイヤーについて、その生成、抹消及び表示順の制御を行うとともに、新たな表示物を描画して表示させ並びに表示を終了させる、表示制御手段と、前記特定レイヤーにおける前記新たな表示物の表示に関し、前記受入側プログラムの前記表示レイヤー制御手段の機能を呼び出すことにより、前記特定レイヤーと他の表示レイヤーの上下位置の順序を制御する、順序制御手段と、情報取得手段と、透過設定手段と、を実現し、一又は二以上の既存表示物を表示している他の表示レイヤーの全部又は一部が前記特定レイヤーより上層に位置する状態から、前記他の表示レイヤーよりもさらに上層側となるように前記表示制御手段により前記特定レイヤーに新たな表示物を前記表示制御手段で表示しようとする場合に、(1)前記順序制御手段が、前記特定レイヤーよりも前記他の表示レイヤーを下層に位置させ、(2)前記情報取得手段が、前記他の表示レイヤーに表示していた一又は二以上の前記既存表示物の表示範囲を表す情報を前記受入側プログラムから取得し、(3)前記透過設定手段が、前記情報取得手段で取得した前記表示範囲を表す情報に基づいて、その表示範囲について、前記既存表示物を透過するための透明部分を前記特定レイヤーのうち既存の子レイヤーに設定し、(4)前記表示制御手段が、前記既存の子レイヤーよりもさらに上層側の子レイヤーに前記新たな表示物を表示することを特徴とする。
【0030】
上記態様を方法という見方から捉えた態様は、コンピュータが、受入側プログラム上で、付加プログラムを実行する情報処理方法において、前記受入側プログラムは、前記コンピュータの演算制御部を制御することにより、その受入側プログラムが管理の単位とする一又は二以上の表示レイヤーであって前記付加プログラムの表示内容に対応する特定レイヤーを含むもの、の表示順を制御する表示レイヤー制御処理ステップを実行し、前記付加プログラムは、前記コンピュータの演算制御部を制御することにより、前記特定レイヤーを構成する一又は二以上の子レイヤーについて、その生成、抹消及び表示順の制御を行うとともに、新たな表示物を描画して表示させ並びに表示を終了させる、表示制御処理ステップと、前記特定レイヤーにおける前記新たな表示物の表示に関し、前記受入側プログラムの前記表示レイヤー制御処理ステップの機能を呼び出すことにより、前記特定レイヤーと他の表示レイヤーの上下位置の順序を制御する、順序制御処理ステップと、情報取得処理ステップと、透過設定処理ステップと、を実現し、一又は二以上の既存表示物を表示している他の表示レイヤーの全部又は一部が前記特定レイヤーより上層に位置する状態から、前記他の表示レイヤーよりもさらに上層側となるように前記表示制御手段により前記特定レイヤーに新たな表示物を前記表示制御手段で表示しようとする場合に、(1)前記順序制御処理ステップは、前記特定レイヤーよりも前記他の表示レイヤーを下層に位置させ、(2)前記情報取得処理ステップは、前記他の表示レイヤーに表示していた一又は二以上の前記既存表示物の表示範囲を表す情報を前記受入側プログラムから取得し、(3)前記透過設定処理ステップは、前記情報取得処理ステップで取得した前記表示範囲を表す情報に基づいて、その表示範囲について、前記既存表示物を透過するための透明部分を前記特定レイヤーのうち既存の子レイヤーに設定し、(4)前記表示制御処理ステップは、前記既存の子レイヤーよりも、さらに上層側の子レイヤーに前記新たな表示物を表示することを特徴とする。
【0031】
上記態様をコンピュータ・プログラムという見方から捉えた態様は、受入側プログラム及び付加プログラムをセットとして組み合わせたプログラムシステムであって、前記各プログラムが相互に連携してコンピュータの演算制御部を制御することにより、前記受入側プログラムの実行に従属して前記付加プログラムを実行するプログラムシステムにおいて、前記受入側プログラムは、前記コンピュータの演算制御部を制御することにより、その受入側プログラムが管理の単位とする一又は二以上の表示レイヤーであって前記付加プログラムの表示内容に対応する特定レイヤーを含むもの、の表示順を制御する表示レイヤー制御処理ステップを実行させ、前記付加プログラムは、前記コンピュータの演算制御部を制御することにより、前記特定レイヤーを構成する一又は二以上の子レイヤーについて、その生成、抹消及び表示順の制御を行うとともに、新たな表示物を描画して表示させ並びに表示を終了させる、表示制御処理ステップと、前記特定レイヤーにおける前記新たな表示物の表示に関し、前記受入側プログラムの前記表示レイヤー制御処理ステップの機能を呼び出すことにより、前記特定レイヤーと他の表示レイヤーの上下位置の順序を制御する、順序制御処理ステップと、情報取得処理ステップと、透過設定処理ステップと、を実行させ、一又は二以上の既存表示物を表示している他の表示レイヤーの全部又は一部が前記特定レイヤーより上層に位置する状態から、前記他の表示レイヤーよりもさらに上層側となるように前記表示制御手段により前記特定レイヤーに新たな表示物を前記表示制御手段で表示しようとする場合に、(1)前記順序制御処理ステップは、前記特定レイヤーよりも前記他の表示レイヤーを下層に位置させ、(2)前記情報取得処理ステップは、前記他の表示レイヤーに表示していた一又は二以上の前記既存表示物の表示範囲を表す情報を前記受入側プログラムから取得し、(3)前記透過設定処理ステップは、前記情報取得処理ステップで取得した前記表示範囲を表す情報に基づいて、その表示範囲について、前記既存表示物を透過するための透明部分を前記特定レイヤーのうち既存の子レイヤーに設定し、(4)前記表示制御処理ステップは、前記既存の子レイヤーよりも、さらに上層側の子レイヤーに前記新たな表示物を表示することを特徴とする。
【0032】
このように、特定レイヤーの手前にある親レイヤーの既存表示物よりもさらに手前側に、特定レイヤーの新たな表示物を表示する際、既存表示物の親レイヤーを特定レイヤーより実際は下層に移動する一方、手前となる特定レイヤーに透明部分を設定し透過させることで、視覚上あたかも特定レイヤーの表示物同士の間に位置するような一重多層レイヤー構造に準じたサンドイッチ状態の表示内容が実現できる。
【0033】
特に、透明部分については、レイヤー順の入替え時に動的に設定するので、固定の位置やサイズで事前に設定したりそれに拘束されること無く、状況に応じた最適な表示位置等の自由度と柔軟性が実現できる。
【0034】
また、上記のようなサンドイッチ状態は、3層に限らず、さらに、別の親レイヤーの既存表示物(4層目)や、特定レイヤーの新たな表示物(5層目)、のように階層を増やす場合にも同様に対処可能である。すなわち、奥と手前の各既存表示物について、特定レイヤーより下層側(実際は4層目と5層目)に移動はするが、表示範囲を重ねた多角形状に設定する透明部分(実際は3層目)を透過することで、奥の既存表示物は一番奥(実際は5層目)より浮き上がって視覚上の4層目に、透明部分の層は視覚上の5層目に見える(意識されない場合を含む)。
【0035】
また、手前の既存表示物(実際は4層目)は、その表示領域だけを型抜きした特定レイヤーの表示物を手前(実際は2層目)に表示することで、その手前側(視覚上の2層目)に浮き上がって見える。実際と視覚上が一致するのは、最も手前の一層目である。
【0036】
このように、表示物について、親レイヤーを、その奥と手前の子レイヤー間で挟む上記のような表示内容は何階層でも繰り返せるので、プログラムの組合せ態様や処理内容が無限に多様化でき、複雑高度な機能も平易な構成で容易に実装可能となる。
【0037】
本発明の他の態様は、上記いずれかの態様(情報処理装置)において、前記透過設定手段は、前記透明部分を設定しようとするレイヤーに表示されている内容を静止画像に変換する手段と、前記表示範囲を表す情報に基づいて、前記静止画像のうち前記表示範囲の部分を透明に設定する手段と、透明な部分を設定した前記静止画像を(新たなレイヤーとして)表示させる手段と、静止画像のもととなった前記レイヤーを前記表示制御手段に消去させる手段と、を有することを特徴とする。
【0038】
上記態様を方法という見方から捉えた態様は、既に述べたいずれかの態様(情報処理方法)において、前記透過設定処理ステップは、前記透明部分を設定しようとするレイヤーに表示されている内容を静止画像に変換する処理ステップと、前記表示範囲を表す情報に基づいて、前記静止画像のうち前記表示範囲の部分を透明に設定する処理ステップと、透明な部分を設定した前記静止画像を表示させる処理ステップと、静止画像のもととなった前記レイヤーを前記表示制御手段に消去させる処理ステップと、を有することを特徴とする。
【0039】
上記態様をコンピュータ・プログラムという見方から捉えた態様は、既に述べたいずれかの態様(プログラムシステム)において、前記付加プログラムは、前記コンピュータの演算制御部を制御することにより、前記透過設定処理ステップにおいて、前記透明部分を設定しようとするレイヤーに表示されている内容を静止画像に変換する処理ステップと、前記表示範囲を表す情報に基づいて、前記静止画像のうち前記表示範囲の部分を透明に設定する処理ステップと、透明な部分を設定した前記静止画像を表示させる処理ステップと、静止画像のもととなった前記レイヤーを前記表示制御手段に消去させる処理ステップと、を実行させることを特徴とする請求項B9記載のプログラムシステム。
【0040】
このように、下層とする既存表示物を透過して上層に見せる透明部分を特定レイヤーに作る態様として、特定レイヤーの表示内容を静止画像に変換のうえ、透過GIFのように任意の形状で透明部分を作成するという簡素な画像処理を用いることにより、実際に稼動する特定レイヤーの再作成をせずに済み、CPU負荷軽減と迅速な画面処理に役立つ。この態様は、特定レイヤーの用途や内容上、アニメーションや応答の動作継続が必須でない場合に、特に適する。
【0041】
本発明の他の態様は、上記いずれかの態様(情報処理装置)において、前記透過設定手段は、地色を透明とする空のレイヤー上に、前記表示範囲を表す情報に基づいて、前記一又は二以上の既存表示物の前記表示範囲を囲むように矩形範囲を複数配置するとともにそのレイヤーにより、前記透明部分を設定しようとする前記レイヤーを代替させることを特徴とする。
【0042】
上記態様を方法という見方から捉えた態様は、既に述べたいずれかの態様(情報処理方法)において、前記透過設定処理ステップは、地色を透明とする空のレイヤー上に、前記表示範囲を表す情報に基づいて、前記一又は二以上の既存表示物の前記表示範囲を囲むように矩形範囲を複数配置するとともにそのレイヤーにより、前記透明部分を設定しようとする前記レイヤーを代替させることを特徴とする。
【0043】
上記態様をコンピュータ・プログラムという見方から捉えた態様は、既に述べたいずれかの態様(プログラムシステム)において、前記付加プログラムは、前記コンピュータの演算制御部を制御することにより、前記透過設定処理ステップにおいて、地色を透明とする空のレイヤー上に、前記表示範囲を表す情報に基づいて、前記一又は二以上の既存表示物の前記表示範囲を囲むように矩形範囲を複数配置するとともにそのレイヤーにより、前記透明部分を設定しようとする前記レイヤーを代替させることを特徴とする。
【0044】
このように、下層とする既存表示物を透過して上層に見せる透明部分を特定レイヤーに作る態様として、透明部分を残すように矩形を複数組み合わせて特定レイヤー全体を改めて作り直すことにより、互いに一部の重なる複数の既存表示物も所望の多角形状の透明部分で透過可能となり、特定レイヤーのアニメーションや応答の動作を維持したまま、親レイヤーを子レイヤーで挟むような画面表示が容易に実現可能となる。
【発明の効果】
【0045】
以上のように、本発明によれば、下層に移動させるが表示上は手前に見せたいレイヤーの表示物を特定レイヤーにおいて模擬画像で代替することにより、子レイヤー間に他の親レイヤーを挟むなど、付加プログラムと受入側プログラムの画面表示内容の組合せ態様の自由度を拡大することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
次に、本発明を実施するための2つの最良の形態について、図に沿って説明する。なお、まず第1の実施形態について「本実施形態」と呼んで説明し、その後、第2の実施形態(第2実施形態)について説明する。また、背景技術や課題などで既に述べた内容と共通の前提事項については適宜省略する。
【0047】
〔1.構成〕
まず、第1の実施形態すなわち本実施形態は、下層に移動させるが表示上は手前に見せたいレイヤーの表示物を特定レイヤーにおいて模擬画像で代替することにより、子レイヤー間に他の親レイヤーを挟むなど、付加プログラムと受入側プログラムの画面表示内容の組合せ態様の自由度を拡大するもので、図1の構成図に示すように、情報処理装置であるパーソナルコンピュータ(以下単に「コンピュータ」と呼ぶ)2と、ウェブサーバコンピュータ(以下単に「サーバ」と呼ぶ)5と、をインターネットに代表される通信ネットワークN経由の通信で組み合わせるクライアントサーバシステムである。
【0048】
〔1−1.コンピュータとプログラムの構成〕
このうち、コンピュータ2は、受入側プログラムであるウェブブラウザ・プログラム(以下「ブラウザ」と呼ぶ)B上で、付加プログラムであるプラグイン(例えば、既に説明したFlashなど)Pを実行する情報処理装置である。
【0049】
このコンピュータ2について、ハードウェアの詳細は一般的であるため省略するが、ネットワークとの通信装置80、HDDや主メモリ等の記憶装置81、マウスなどの入出力手段82などを有するほか、CPUなどの演算制御部83を前記ブラウザBやプラグインPなどのソフトウェアで制御することにより、図1に示す各要素(後述)を実現しており、コンピュータ2に対応する方法や、コンピュータプログラムとしても把握可能である。
【0050】
より詳細には、受入側プログラムは、ウェブブラウザ・プログラムと、このウェブブラウザ・プログラムの機能を利用しながらウェブブラウザ・プログラム上で動作するHTMLファイル(CSS:Cascading Style Sheetsなど、文書の視覚的構造を規定するスタイルシートや、ブラウザが解釈して実行するスクリプトを、HTMLファイルの内部、またはHTMLファイルに記載された参照先に独立して用意された外部ファイルとして用いる場合をも含むものとする)と、の組合せであるが、以下、説明の便宜上「ブラウザB」と総称する。
【0051】
すなわち、ここで総称するブラウザBは、演算制御部83を制御することにより、HTMLファイルに基づいて液晶などの表示装置85に画面表示を行うほか、CSSなどに基づいて表示レイヤー間の表示順を制御する親レイヤー制御手段10を実現している。この親レイヤー制御手段10の機能を呼び出すことにより、プラグインPからも、各親レイヤーLの上下関係や表示内容を制御可能である。
【0052】
ここで、本実施形態における二重多層レイヤー構造では、図2の概念的に示すように、ブラウザBが管理の単位とする一又は二以上の表示レイヤーL(L1,L2…)を「親レイヤー」と呼ぶこととし、親レイヤーLの一つで、プラグインPの表示内容に対応するものは「特定レイヤー」Tと呼ぶこととし、さらに、特定レイヤーT以外の他の親レイヤーは「通常レイヤー」とも呼ぶこととする。この特定レイヤーTは、一又は二以上の子レイヤーT1,T2…で構成される。
【0053】
また、付加プログラムは、より具体的には、インタラクティブ動画ファイルFFをブラウザB上で動作させるためのプレーヤーFPであるプラグイン・プログラムと、このプレーヤーFPの機能を利用しながらプレーヤーFP上で動作するインタラクティブ動画ファイルFFと、の組合せであり、本実施形態における特徴的な各機能要素は、インタラクティブ動画ファイルFFの記述内容にしたがい、プレーヤーFPを介して演算制御部を制御することにより実現されるが、以下、説明の便宜上「プラグインP」と表す。
【0054】
なお、ブラウザBの要素のうちウェブブラウザ・プログラムと、プラグインPの要素のうちプレーヤーFPと、については従来と共通の汎用品でもよい。また、ブラウザBの親レイヤー制御手段10の機能は、一般的には、例えばブラウザのJavaScript(登録商標)言語において、「document.getElementById([レイヤー参照識別子]).style.zIndex=(Z座標値)」のような命令指示を用いることにより、呼び出すことができるが、具体的にはプラグインPとブラウザBのインターフェースによる。
【0055】
これら受入側プログラムであるブラウザBと、付加プログラムであるプラグインPは、セットすなわち組み合わせであるプログラムシステムであって、両者が制御及びデータの受渡し等により相互に連携してコンピュータの演算制御部を制御することにより、ブラウザBの実行に従属してプラグインPを実行するプログラムシステムを構成している。
【0056】
なお、ブラウザBとプラグインPの組合せで実現される具体的な適用(アプリケーション)分野と処理内容は、例えば、電子メール操作、ワードプロセッサ、表計算、プレゼンテーションや図の作成など各種考えられる。そのようなアプリケーション分野に応じて必要な処理内容は、個別具体的なHTMLファイルHF及びインタラクティブ動画ファイルFFに、相互の連携内容として、また、必要な場合はサーバとの連携内容を含めて記述されるが、本実施形態の以下のような特徴は、アプリケーションの分野や課題などを問わず汎用的なものである。
【0057】
すなわち、プラグインPは演算制御部83を制御することにより、透過設定手段20と、順序制御手段22と、表示制御手段24と、他の処理手段26と、情報取得手段28と、模擬画像生成手段30と、模擬画像表示手段32と、を実現する。
【0058】
このうち、表示制御手段24は、特定レイヤーTを構成する前記各子レイヤーT(T1,T2…)について、生成、抹消、表示順の制御を行うとともに、表示物の描画、抹消など、表示に関する制御を行う手段である。また、順序制御手段は、特定レイヤーTにおける新たな表示物の表示に関し、ブラウザBの親レイヤー制御手段10の機能を呼び出すことにより、特定レイヤーTと通常レイヤーL(L1,L2…)の上下位置の順序を制御する手段である。
【0059】
〔1−2.サーバの構成〕
次に、サーバ5は、上記のようなブラウザBで用いるHTMLファイルと、プラグインPの動作を決するFlashファイルなどのインタラクティブ動画ファイルFFを、コンピュータ2に提供するものである。このサーバ5は、演算制御部51と、メモリやHDD(ハードディスクドライブ)などの記憶装置52と、クライアント装置であるコンピュータ2と通信ネットワークN経由で通信する通信手段54と、を備えるとともに、記憶装置52の一部をデータ記憶手段56として用いる。
【0060】
このデータ記憶手段56は、情報処理の適用(アプリケーション)分野に応じた電子メールデータなど処理対象データと、部品データと、を記憶する手段で、ここでいう部品データは、ユーザや処理場面を問わない共通のHTML部分やCSSなど、受入側プログラムや付加プログラム(HTMLファイルHF、インタラクティブ動画ファイルFFなど)の少なくとも一部をなすものである。
【0061】
また、このサーバ5では、演算制御部51を図示しないコンピュータプログラムで制御することにより、後述するようなデータ処理手段58と、情報提供手段60と、を実現している。
【0062】
なお、コンピュータ2及びサーバ5の構成要素として図1に示した上記各手段は、後述する各作用や機能を実現・実行する処理手段であり、それぞれに対応する情報処理のステップを、それぞれのコンピュータ・プログラムが演算制御部83や51に実行させることで実現できるが、各要素の一部又は全部は、技術的条件や実装態様などに応じ、ワイヤードロジックなど電子的回路によって実現してもよい。
【0063】
〔2.基本的作用〕
上記のように構成される本実施形態では、サーバ5において、データ処理手段58が、コンピュータ1から通信ネットワークN経由で受信する画面操作内容の情報に応じて、データ記憶手段56に記憶されている処理対象データを処理し、情報提供手段60がCGI機能により、データ処理手段58での前記処理の結果と、データ記憶手段56に記憶されている前記部品データと、をもとに、HTMLファイルHFと、インタラクティブ動画ファイルFFと、の全部又は一部を作成するとともに、通信ネットワークN経由でコンピュータ2に提供する(情報提供処理ステップ)。
【0064】
そして、このようにサーバ5から提供されるHTMLファイルHFと、インタラクティブ動画ファイルFFと、により実現されるコンピュータ2での作用すなわち処理手順について、図3(1)の初期状態で始まる画面表示例と、図4のフローチャートに示す処理手順と、を例に説明する。
【0065】
まず、図3(1)の画面は、ブラウザBによりHTMLファイルHFの記述にしたがって実現される領域(以下「HTML領域」と呼ぶこととする)2Hと、プラグインで実現される領域(以下「プラグイン領域」と呼ぶこととする。)1Pと、を同時に表示することで構成される。なお、プラグイン領域1Pは、マウスクリックなどの操作に応じた処理をそれぞれ起動するボタンなどの表示物X1〜X4を備える。
【0066】
そして、図3(1)表示状態に対応するレイヤーの階層構造を概念的に示すのが図3(2)である。なお、背景レイヤーL0は、地色などを規定しており、他の状態でも常に最背面(最下層)である。
【0067】
図4の処理手順は、図3(1)の表示を行ったうえ、図5(1)の表示状態へ遷移させ、その後、もとの図3(1)の状態へ戻す処理手順の概要を示すものである。この処理手順では、まず、図3(1)の表示状態を実現するために、透過設定手段20が、通常レイヤーLの少なくとも一部を透過するための透明部分1Tを特定レイヤーTに設定する(ステップS11。透過設定処理ステップ)。すなわち、各レイヤーには、不透明な箇所と透明な箇所を動的に設定可能であり、透過設定手段20は、プラグインPの子レイヤー群中の相対的な下層レイヤーに、後に下層に移動させても透過して見せたい通常レイヤーの表示物と同じ位置及びサイズの透明部分1Tを設定する。
【0068】
そして、図3(1)に示したプラグイン領域1P又はHTML領域2Hの双方をマウスなどで操作可能にする場合、仮に、HTML領域2Hよりプラグイン領域1Pを上層とすると、プラグイン領域1Pの透明部分1Tを通してHTML領域2Hは見ることはできるが、HTML領域2Hは上層の特定レイヤーTに妨げられて操作することはできなくなる。このため、図4の処理手順では、HTML領域2Hを操作対象とするために、通常レイヤーL(L1)は、特定レイヤーTより上層に位置させる(ステップS12)。
【0069】
この状態では、マウスなどによる特定レイヤーTに対する操作にはプラグインPが応答し、HTML領域2Hに対する操作にはブラウザBが応答する。そして、特定レイヤーTに図5(1)に示すように新たな表示物を表示する際(ステップS13)、順序制御手段22は、ブラウザBの親レイヤー制御手段10の機能を呼び出すことにより、全ての通常レイヤーL(図3の状態ではL1のみ)を特定レイヤーTよりも下層に移動させる(図4のステップS14、図5(2)。順序制御処理ステップ)。
【0070】
そのうえで、表示制御手段24が、表示制御処理ステップとして、図5(2)に示すように、特定レイヤーTにおける相対的な上層である子レイヤーT2に、新たな表示物として、プラグイン領域3P(例えばエラー表示など)を描画して表示させる(図4のステップS15)。
【0071】
このように図3の状態から図5の状態へ遷移する様子を、図6の概念図(A)→(B)に示す。この遷移では、図3の状態(図6(A))から、通常レイヤーL1を特定レイヤーTより下層へ移動させるとともに、特定レイヤーTの相対的な上層である子レイヤーT2に、新たな表示物を描画し表示することで、図5の状態(図6(B))を実現している。
【0072】
その後、ユーザによる確認のクリック操作など必要な処理が終了して表示物が用済みになると(ステップS16)、表示制御手段24が表示物の表示を終了させる際(ステップS17)、順序入替手段26は、特定レイヤーTよりも他の親レイヤーLを上層に移動し復帰させる(ステップS18)ことにより、図3の状態を復元する。
【0073】
〔3.基本的効果〕
以上説明したように、受入側プログラムであるブラウザB上における親レイヤーの順序を、付加プログラムであるプラグインPから動的に入替え制御し、HTMLなどによる通常レイヤーについて、操作受付などの場面では特定レイヤーTより上層にする一方、プラグインPで新たな表示物について描画や操作受付などを行う際は、通常レイヤーを特定レイヤーTより実際は下層に移動するが、特定レイヤーTに設ける透明部分1Tから透過させて視覚上はあたかも新たな表示物の直下の層に見せ、新表示物の用済み・消去時には通常レイヤーを特定レイヤーより上層に復帰させる。
【0074】
これにより、ブラウザの管理単位である多層レイヤー構造と、ブラウザ上で動作するFlashなどプラグイン内の多層レイヤー構造と、を視覚的に一つの多層レイヤー構造となるように表示でき、すなわち、視覚上は子レイヤー間に他の親レイヤーを挟むような一重多層レイヤー構造同等の表示内容が実現でき、プログラムの組合せ態様が多様化できる。
【0075】
また、上記のように、クライアント装置であるコンピュータ2に対し、サーバ5から、受入側プログラムや付加プログラムの全体又は一部分を提供して実行させることにより、Ajaxのようにサーバとの通信結果に応じて画面表示を動的に変更する情報処理の複雑高度化が容易になり、インターネットにおけるHTTPやウェブを基盤としたクライアントサーバシステムの応用範囲が拡大可能となる。
【0076】
〔4.特定レイヤーを挟む態様〕
また、図3の状態から遷移することにより、図7(1)に例示するように、下層側から順に、通常レイヤー(HTML領域2H)、特定レイヤー(プラグイン領域3P)、通常レイヤー(HTML領域4H)のように、特定レイヤーを通常レイヤーで挟む表示状態を、視覚上、実現する例を示す。
【0077】
これは、付加プログラムPによる特定レイヤーTに新たな表示物であるプラグイン領域3Pを表示させるとともに、一部の通常レイヤーを操作対象とする場合であり、この場合、順序制御手段22は、特定レイヤーTに対し、操作対象とする通常レイヤーL2だけを上層側に(図4のステップS12)、それ以外の通常レイヤー2Hを下層側に位置させる制御を行う(図4のステップS14)。
【0078】
このように図3の状態から図7の状態へ遷移する様子を、図8の概念図(A)→(B)に示す。この遷移では、図3の状態(図8(A))から、通常レイヤーL1を特定レイヤーTより下層へ移動させる。また、新たな表示物として、第一には、特定レイヤーTの相対的な上層である子レイヤーT2にプラグイン領域3Pを描画し表示させるとともに、第二には、操作対象とする通常レイヤーL2のHTML領域4H(文字列入力欄)のみは上層に位置させることで、図7の状態(図8(B))を実現している。
【0079】
なお、プラグイン領域3Pは、図7(1)の入力ダイアログDのうち、HTML領域4H(文字列入力欄)を除いた要素であり、HTML領域4H(文字列入力欄)と組み合わされることで文字列入力欄も備えた入力ダイアログDを構成している。この入力ダイアログDが用済み後は、図4のステップS17,S18に準じ、プラグイン領域3PとHTML領域4Hをそれらの属するレイヤーと共に消去し、各レイヤー順序は図3の状態へ復元する。
【0080】
このように、付加プログラムによる特定レイヤーに対し、操作対象とする親レイヤーだけを上層側とし、それ以外の親レイヤーを下層側とすることにより、図7に示した入力ダイアログDのように、特定レイヤーの表示物と、文字入力欄など親レイヤーの機能による表示物を、他の親レイヤーに機能や外観を邪魔されることなく組合わせて最上層で利用可能となり、付加プログラムと受入側プログラムの組合せについて態様をさらにいっそう多様化し用途を拡大することが可能となる。
【0081】
〔5.模擬画像を用いる処理〕
本実施形態により、次のようなさらに複雑な表示も可能である。まず、図7(1)(2)に例示した状態は、特定レイヤーTが透明部分1Tを有し、特定レイヤーTより下層(奥側)に位置する第一の通常レイヤーL1のHTML領域2Hが、特定レイヤーTの透明部分1Tを透過して手前の如く見えていて、その手前(上層側)に特定レイヤーTの表示物(プラグイン領域3P)があり、さらに手前にはより上層に位置する第二の通常レイヤーL2の既存表示物として文字列入力欄(手前側のHTML領域4H)がある、という状態である。
【0082】
この状態は、親レイヤーの次元でみて三階層の状態であり、この状態(図7)をもとに、さらに上層側に、表示制御手段24により、プラグインPの特定レイヤーTの子レイヤーに新たな表示物として、例えば、警告ダイアログ(図9(1)のプラグイン領域5P)を表示しようとする場合を考える。
【0083】
この場合、プラグインPが新たな表示物を操作可能な状態で表示可能なレイヤーは特定レイヤーに限られることから、文字列入力欄であるHTML領域4Hの通常レイヤーも特定レイヤーより下層に移動することになる。しかし、このように下層となるHTML領域4Hの文字列入力欄は、特定レイヤーの透明部分1Tと位置もサイズも一致しないため、全部又は一部が見えなくなって外観が乱れる問題が生じる。
【0084】
この問題に対処するため、本実施形態において、プラグインPの情報取得手段28は、第二の親レイヤーL2(手前側のHTML領域4H)よりも、さらに上層側(手前側)の子レイヤーT4に新たな表示物を表示しようとする場合、図10のフローチャートに示すような処理を行う。
【0085】
まず、各親レイヤーを特定レイヤーの下層側へ位置させるだけでなく(ステップS31)、第二の親レイヤー(通常レイヤー)L2に表示していた既存表示物(例えば、入力ボックス4H)の表示内容を表す情報(例えば、文字入力欄や選択ボックスなどのパーツ種別、その表示の位置やサイズ、取得した文字列や値の内容など)をブラウザBから取得する(ステップS32、情報取得処理ステップ)。
【0086】
続いて、上記のように情報取得手段28で取得した前記表示内容を表す情報に基づいて、模擬画像生成手段30が、第二の親レイヤーL2に表示されている前記既存表示物(この場合は前記入力ボックス4H)の外観を模擬した模擬画像4Mを生成する(ステップS33、模擬画像生成処理ステップ)。
【0087】
そして、このように模擬画像生成手段30で生成した模擬画像4Mを、模擬画像表示手段32が、特定レイヤーTにおける相対的な上層である子レイヤーT4に、前記第二の親レイヤーL2の前記既存表示物である入力ボックス4Hと同じ表示配置で表示させたうえ(ステップS34、模擬画像表示処理ステップ)、表示制御手段24が、模擬画像4Mを表示している子レイヤーT3よりも、さらに上層側の子レイヤT4ーに新たな表示物を表示する(ステップS35)。
【0088】
このように図7の状態から図9の状態へ遷移する様子を、図11の概念図(A)→(B)に示す。この遷移では、図7の状態(図11(A))から、通常レイヤーL2を実際は特定レイヤーTより下層へ移動させるが、代りに、特定レイヤーTの相対的な上層である子レイヤーT3に模擬画像4Mを描画し表示させる。また、操作を受け付ける新たな表示物である警告ダイアログ(単に「警告」とも表す)5Pを特定レイヤーTの最上層T4に描画し位置させることで、図9の状態(図11(B))を実現している。
【0089】
このように、ブラウザ上で表示されている既存表示物と同様な外観と位置の模擬画像を付加プログラム側で生成し代替表示することは、利用者に特段の違和感を感じさせない程度にオリジナルに似た外観を持ち、不要な操作ができない表示物を描画することであり、その上に所望の新たな表示物を表示することにより、どのレイヤーについても自然な表示を維持しながら、プログラムの適切な動作が実現できる。
【0090】
さらに、実際は下層に移動した親レイヤーの模擬画像を、その奥と手前の子レイヤー間で挟む上記のような表示内容は、何階層でも繰り返せるので、プログラムの組合せ態様や処理内容が無限に多様化でき、複雑高度な機能も平易な構成で容易に実装可能となる。
【0091】
〔6.第2実施形態〕
また、第2実施形態は、下層に移動させるが表示上は手前に見せたいレイヤーの表示物を透過する透明部分を持つように、特定レイヤーの表示全体を作り直すことにより、子レイヤー間に他の親レイヤーを挟むなど、付加プログラムと受入側プログラムの画面表示内容の組合せ態様の自由度を拡大する例である。
【0092】
〔6−1.第2実施形態の概要〕
この第2実施形態は、機能ブロック図で表す場合は、第1実施形態に準じた構成をとりうるが(図1)、作用効果は第1実施形態と異なるもので、図12のフローチャートに示す処理手順のように作用する。また、第2実施形態は、第1実施形態との組合せが可能で、それが好ましいが、単独実施も可能であり、第1実施形態の機能作用を併有しない単独実施の場合、模擬画像生成手段30及び模擬画像表示手段32は省略可能である。
【0093】
ここで、図12の処理手順は、第2実施形態において、一又は二以上の既存表示物を表示している通常レイヤーが特定レイヤーより上層に位置する状態から、前記通常レイヤーよりもさらに上層側となるように前記特定レイヤーに新たな表示物を表示制御手段で表示しようとする場合(ステップS51)の処理手順である。
【0094】
このような場合の例は、図13(1)(2)に示すように、HTML領域2Hを持つ通常レイヤーL1が、特定レイヤーTより上層に位置する状態から、通常レイヤーL1よりさらに上層側となるように、プラグイン領域3Pを表示することで、図5(1)同等の状態に遷移する場合である。この例では、第1実施形態で示した図3からの表示切替時と異なり、切替以前の状態において、特定レイヤーT1にまだ透明部分が存在しない(図13)。
【0095】
この場合、順序制御手段22が、特定レイヤーTよりも通常レイヤーL1を下層に位置させ(ステップS52)、また、情報取得手段28が、通常レイヤーL1に表示していた既存表示物であるHTML領域2Hの表示範囲を表す情報(例えば、図13の例では、HTML領域2Hに係る矩形の座標範囲)をブラウザBから取得する(ステップS53)。
【0096】
そして、透過設定手段20が、情報取得手段28で取得した前記表示範囲を表す情報に基づいて、その表示範囲について、既存表示物であるHTML領域2Hを透過するための透明部分を前記特定レイヤーのうち既存の子レイヤー(図5では例えばT1)に設定し(ステップS54)、表示制御手段24が、既存の子レイヤーよりもさらに上層側の子レイヤー(図5では例えばT2)に、新たな表示物(例えば警告ダイアログ5P)を表示する(ステップS55)。
【0097】
このように、第2実施形態によれば、特定レイヤーの手前にある通常レイヤーの既存表示物よりもさらに手前側に、特定レイヤーの新たな表示物を表示する際、既存表示物の親レイヤーを特定レイヤーより実際は下層に移動する一方、手前となる特定レイヤーに透明部分を設定し透過させることで、視覚上あたかも特定レイヤーの表示物同士の間に位置するような一重多層レイヤー構造に準じたサンドイッチ状態の表示内容が実現できる。
【0098】
特に、透明部分については、レイヤー順の入替え時に動的に設定するので、固定の位置やサイズで事前に設定したりそれに拘束されること無く、状況に応じた最適な表示位置等の自由度と柔軟性が実現できる。
【0099】
また、特定レイヤーの表示物同士の間に親レイヤーの表示物が視覚上あるような上記のサンドイッチ状態(3層)の場合だけに限らず、手前にさらに、別の親レイヤーの既存表示物と特定レイヤーの新たな表示物、のように階層を足して例えば5層にまでするような場合(例えば図15)にも同様に対処可能である。
【0100】
ここで、図5(1)に示した状態は、プラグイン領域1P、HTML領域2H、プラグイン領域3Pという視覚上の3層の場合である。また、図7(1)に示した状態は、プラグイン領域1P、HTML領域2H、プラグイン領域3Pに加え、別の親レイヤーの既存表示物であるHTML4Hを加えた4層の表示状態である。さらに、図15(1)に示すように、特定レイヤーの新たな表示物であるプラグイン領域5P、のように階層を増やした状態が、5層である。
【0101】
この図15は、第1実施形態における図9と同等の表示を、第2実施形態により実現する場合の概念図である。このように図7(1)の状態から図9(1)の状態に遷移する場合、図7(1)での奥と手前の二つの既存表示物すなわちHTML領域2HとHTML領域4Hについて、図15(2)に示すとおり、特定レイヤーTより下層側(実際は4層目と5層目)に移動はさせるが、これら二つの既存表示物の表示範囲を重ねた多角形状に設定する透明部分11T(実際は3層目)を透過して見せる。
【0102】
この結果、奥の既存表示物であるHTML領域2Hは、実際は一番奥の5層目であるが(図15(2))、それより浮き上がって視覚上の4層目に見え(図15(1))、透明部分の層である子レイヤーT1は、操作ボタンなど何らかの表示物があれば視覚上は、一番奥の5層目に見えるし、地色のみなどで目立たない場合は視覚上、ユーザに意識されない。
【0103】
また、手前の既存表示物である入力ボックス4Hは、実際は4層目であるが(図15(2))、その表示領域だけを型抜きした特定レイヤーT2(実際は2層目)の表示物であるプラグイン領域3Pを手前に表示することで、その手前側(視覚上の2層目)に浮き上がって見える(図15(1))。実際と視覚上が一致するのは、最も手前の一層目(警告ダイアログ5P)である。
【0104】
このように、表示物について、親レイヤー(上記の例では通常レイヤーL1)を、その奥と手前の子レイヤー(T2とT3)間で挟む上記のような表示内容は何階層でも繰り返せるので、プログラムの組合せ態様や処理内容が無限に多様化でき、複雑高度な機能も平易な構成で容易に実装可能となる。
【0105】
〔6−2.透明部分の設定態様〕
なお、上記のように、既存のレイヤーの所望範囲に透明部分を事後的に設定する処理について、その機能をプラグインPが持たない場合でも、既存のレイヤーを静止画像に変換することで実現可能である。
【0106】
この場合、透過設定手段20は、例えば、透明部分を設定しようとする子レイヤーに表示されている内容を静止画像に変換する処理ステップと、前記表示範囲を表す情報に基づいて、前記静止画像のうち前記表示範囲の部分を透明に設定する処理ステップと、透明な部分を設定した前記静止画像を新たな子レイヤーとして表示させる処理ステップと、静止画像のもととなった子レイヤーを表示制御手段24に消去させる処理ステップと、を実行する。
【0107】
このように、下層とする既存表示物を透過して上層に見せる透明部分を特定レイヤーに作る態様として、特定レイヤーの表示内容を静止画像に変換のうえ、透過GIFのように任意の形状で透明部分を作成し、もとのレイヤーと置き換える、という簡素な画像処理を用いることにより、実際に稼動する特定レイヤーの再作成をせずに済み、CPU負荷軽減と迅速な画面処理に役立つ。この態様は、特定レイヤーの用途や内容上、アニメーションや応答の動作継続が必須でない場合に、特に適する。
【0108】
〔6−3.透明部分の他の設定態様〕
また、既存のレイヤーの所望範囲に透明部分を事後的に設定する処理について、その機能をプラグインPが持たない場合の異なるアプローチとして、既存のレイヤーを再作成することによっても、実現可能である。
【0109】
この場合、透過設定手段20は、図16に例示するように、地色を透明とする空の子レイヤーTX上に、前記表示範囲を表す情報に基づいて、前記一又は二以上の既存表示物の前記表示範囲を囲むように矩形範囲Kを複数配置することで透明部分11Tを持つレイヤーを作成し、そのレイヤーにより、透明部分を設定しようとしていたもとのレイヤーを代替させる。
【0110】
このように、下層とする既存表示物を透過して上層に見せる透明部分を特定レイヤーに作る態様として、透明部分を残すように矩形を複数組み合わせて特定レイヤー全体を改めて作り直すことにより、互いに一部の重なる複数の既存表示物も所望の多角形状の透明部分で透過可能となり、特定レイヤーのアニメーションや応答の動作を維持したまま、親レイヤーを子レイヤーで挟むような画面表示が容易に実現可能となる。
【0111】
特に、以上のような第2実施形態は、既に説明した第1実施形態とは、画面表示内容の組合せ態様の自由度を拡大するアプローチが互いに異なるので、両者の構成を組み合わせたうえ、例えば、受入側プログラムや付加プログラムの種類や機能、適用分野や利用目的、実行環境となるコンピュータにおけるCPU能力の大小、利用者による設定、といった条件に応じてどちらの構成を利用するかを動的に切り替えることにより、本発明の適用対象と有効性が拡大可能となる。
【0112】
〔7.他の実施形態〕
なお、上記実施形態は例示に過ぎず、本発明は、以下の例及び他の実施形態も含むものである。例えば、プラグインなどの付加プログラムは、Flashに限らず、マイクロソフト(登録商標)のSilverlight(商標)など他のものでもよく、さらに、受入側プログラムと付加プログラムも、上記実施形態で例示したウェブブラウザとウェブコンテンツ再生プラグインには限定されない。
【0113】
また、ある第1のオペレーティングシステムによるユーザインタフェース表示上に、第2のオペレーティングシステムによる同様なユーザインタフェース表示を重ねることでシームレスな操作環境を実現したい場合など、第1のオペレーティングシステムによる各層を親レイヤー、第2のオペレーティングシステムにおける各層を子レイヤーとする二重多層レイヤー構造が発生するが、このような場合も、子レイヤーを親のレイヤー構造内に組み込んでワンセットに拘束することなく、子レイヤーの間に親レイヤーを挟んだ状態の表示や操作を可能とし、違和感のない操作性が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1】本発明の実施形態の構成を示す図。
【図2】本発明の実施形態における二重多層レイヤー構造を例示する概念図。
【図3】本発明の実施形態における画面表示の一状態を示す図。
【図4】本発明の実施形態における処理手順を示すフローチャート。
【図5】本発明の実施形態における画面表示の一状態を示す図。
【図6】図3の状態から図5の状態への画面遷移を表す概念図。
【図7】本発明の実施形態における画面表示の一状態を示す図。
【図8】図3の状態から図7の状態への画面遷移を表す概念図。
【図9】本発明の実施形態における画面表示の一状態を示す図。
【図10】本発明の実施形態における他の処理手順を示すフローチャート。
【図11】図7の状態から図9の状態への画面遷移を表す概念図。
【図12】本発明の第2実施形態における処理手順を示すフローチャート。
【図13】本発明の第2実施形態における画面表示の一状態を示す図。
【図14】本発明の第2実施形態において、図13の状態から図5の状態への画面遷移を表す概念図。
【図15】本発明の第2実施形態における画面表示の一状態を示す図。
【図16】本発明の第2実施形態において、地色透明な特定レイヤー全面を作り直すとともに複数の矩形範囲で取り囲むことにより、多角形状の透明部分を設定する状態を示す概念図。
【符号の説明】
【0115】
N 通信ネットワーク
1 コンピュータ
B ブラウザ(受入側プログラム)
P プラグイン(付加プログラム)
10 親レイヤー制御手段
20 透過設定手段
22 順序制御手段
24 表示制御手段
26 他の処理手段
28 情報取得手段
30 模擬画像生成手段
32 模擬画像表示手段
82 入出力手段
85 表示装置
5 サーバ
51,83 演算制御部
52,81 記憶装置
54 通信手段
56 データ記憶手段
58 データ処理手段
60 情報提供手段
56 通信制御手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが、受入側プログラム上で、付加プログラムを実行する情報処理装置において、
前記受入側プログラムは、前記コンピュータの演算制御部を制御することにより、
その受入側プログラムが管理の単位とする一又は二以上の表示レイヤーであって前記付加プログラムの表示内容に対応する特定レイヤーを含むもの、の表示順を制御する表示レイヤー制御手段を実現し、
前記付加プログラムは、前記コンピュータの演算制御部を制御することにより、
前記特定レイヤーに、他の前記表示レイヤーの少なくとも一部を透過するための透明部分を設定する透過設定手段と、
前記特定レイヤーを構成する一又は二以上の子レイヤーについて、その生成、抹消及び表示順の制御を行うとともに、新たな表示物を描画して表示させ並びに表示を終了させる、表示制御手段と、
前記特定レイヤーにおける前記新たな表示物の表示に関し、前記受入側プログラムの前記表示レイヤー制御手段の機能を呼び出すことにより、前記特定レイヤーと他の表示レイヤーの上下位置の順序を制御する、順序制御手段と、
を実現し、
前記順序制御手段は、
(1)前記特定レイヤーに新たな表示物を前記表示制御手段が表示する際、前記特定レイヤーよりも他の表示レイヤーを下層に位置させ、
(2)前記新たな表示物を表示している間、一部の表示レイヤーを操作対象とする場合には、前記特定レイヤーよりも前記操作対象とする表示レイヤーは上層側に位置させ、
(3)前記新たな表示物の表示を前記表示制御手段が終了する際、前記特定レイヤーよりも他の表示レイヤーを上層の位置に復帰させ、
さらに、前記付加プログラムは、前記コンピュータの演算制御部を制御することにより、
前記特定レイヤーが前記透明部分を有し、前記特定レイヤーより下層に第一の表示レイヤーが位置し、前記特定レイヤーより上層に前記操作対象とする第二の表示レイヤーが位置する状態で、前記第二の表示レイヤーよりもさらに上層側となるように前記表示制御手段により前記特定レイヤーの子レイヤーに新たな表示物を表示しようとする場合に、前記第二の表示レイヤーに表示していた既存表示物の表示内容を表す情報を前記受入側プログラムから取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段で取得した前記表示内容を表す情報に基づいて、前記第二の表示レイヤーに表示されている前記既存表示物の外観を模擬した模擬画像を生成する模擬画像生成手段と、
模擬画像生成手段で生成した前記模擬画像を、前記特定レイヤーにおける相対的な上層である子レイヤーに、前記第二の表示レイヤーの前記既存表示物と同じ表示配置で表示させる模擬画像表示手段と、
を実現し、
前記表示制御手段は、前記模擬画像を表示している前記子レイヤーよりも、さらに上層側の子レイヤーに前記新たな表示物を表示する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記受入側プログラムとして、ウェブブラウザ・プログラムと、HTMLファイルと、を用い、
前記付加プログラムとして、インタラクティブ動画ファイルと、前記インタラクティブ動画ファイルを前記ウェブブラウザ・プログラム上で動作させるためのプレーヤーであるプラグイン・プログラムと、を用いる
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
コンピュータが、受入側プログラム上で、付加プログラムを実行する情報処理方法において、
前記受入側プログラムは、前記コンピュータの演算制御部を制御することにより、
その受入側プログラムが管理の単位とする一又は二以上の表示レイヤーであって前記付加プログラムの表示内容に対応する特定レイヤーを含むもの、の表示順を制御する表示レイヤー制御処理ステップを実行し、
前記付加プログラムは、前記コンピュータの演算制御部を制御することにより、
前記特定レイヤーに、他の前記表示レイヤーの少なくとも一部を透過するための透明部分を設定する透過設定処理ステップと、
前記特定レイヤーを構成する一又は二以上の子レイヤーについて、その生成、抹消及び表示順の制御を行うとともに、新たな表示物を描画して表示させ並びに表示を終了させる、表示制御処理ステップと、
前記特定レイヤーにおける前記新たな表示物の表示に関し、前記受入側プログラムの前記表示レイヤー制御処理ステップの機能を呼び出すことにより、前記特定レイヤーと他の表示レイヤーの上下位置の順序を制御する、順序制御処理ステップと、
を実現し、
前記順序制御処理ステップは、
(1)前記特定レイヤーに新たな表示物を前記表示制御処理ステップが表示する際、前記特定レイヤーよりも他の表示レイヤーを下層に位置させ、
(2)前記新たな表示物を表示している間、一部の表示レイヤーを操作対象とする場合には、前記特定レイヤーよりも前記操作対象とする表示レイヤーは上層側に位置させ、
(3)前記新たな表示物の表示を前記表示制御処理ステップが終了する際、前記特定レイヤーよりも他の表示レイヤーを上層の位置に復帰させ、
さらに、前記付加プログラムは、前記コンピュータの演算制御部を制御することにより、
前記特定レイヤーが前記透明部分を有し、前記特定レイヤーより下層に第一の表示レイヤーが位置し、前記特定レイヤーより上層に前記操作対象とする第二の表示レイヤーが位置する状態で、前記第二の表示レイヤーよりもさらに上層側となるように前記表示制御処理ステップにより前記特定レイヤーの子レイヤーに新たな表示物を表示しようとする場合に、前記第二の表示レイヤーに表示していた既存表示物の表示内容を表す情報を前記受入側プログラムから取得する情報取得処理ステップと、
前記情報取得処理ステップで取得した前記表示内容を表す情報に基づいて、前記第二の表示レイヤーに表示されている前記既存表示物の外観を模擬した模擬画像を生成する模擬画像生成処理ステップと、
模擬画像生成処理ステップで生成した前記模擬画像を、前記特定レイヤーにおける相対的な上層である子レイヤーに、前記第二の表示レイヤーの前記既存表示物と同じ表示配置で表示させる模擬画像表示処理ステップと、
を実現し、
前記表示制御処理ステップは、前記模擬画像を表示している前記子レイヤーよりも、さらに上層側の子レイヤーに前記新たな表示物を表示する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項4】
前記受入側プログラムは、ウェブブラウザ・プログラム及びHTMLファイルであり、
前記付加プログラムは、インタラクティブ動画ファイルと、前記インタラクティブ動画ファイルを前記ウェブブラウザ・プログラム上で動作させるためのプレーヤーであるプラグイン・プログラムと、である
ことを特徴とする請求項3記載の情報処理方法。
【請求項5】
受入側プログラム及び付加プログラムをセットとして組み合わせたプログラムシステムであって、前記各プログラムが相互に連携してコンピュータの演算制御部を制御することにより、前記受入側プログラムの実行に従属して前記付加プログラムを実行するプログラムシステムにおいて、
前記受入側プログラムは、前記コンピュータの演算制御部を制御することにより、
その受入側プログラムが管理の単位とする一又は二以上の表示レイヤーであって前記付加プログラムの表示内容に対応する特定レイヤーを含むもの、の表示順を制御する表示レイヤー制御処理ステップを実行させ、
前記付加プログラムは、前記コンピュータの演算制御部を制御することにより、
前記特定レイヤーに、他の前記表示レイヤーの少なくとも一部を透過するための透明部分を設定する透過設定処理ステップと、
前記特定レイヤーを構成する一又は二以上の子レイヤーについて、その生成、抹消及び表示順の制御を行うとともに、新たな表示物を描画して表示させ並びに表示を終了させる、表示制御処理ステップと、
前記特定レイヤーにおける前記新たな表示物の表示に関し、前記受入側プログラムの前記表示レイヤー制御処理ステップの機能を呼び出すことにより、前記特定レイヤーと他の表示レイヤーの上下位置の順序を制御する、順序制御処理ステップと、
を実行させ、
前記順序制御処理ステップは、
(1)前記特定レイヤーに新たな表示物を前記表示制御処理ステップが表示する際、前記特定レイヤーよりも他の表示レイヤーを下層に位置させ、
(2)前記新たな表示物を表示している間、一部の表示レイヤーを操作対象とする場合には、前記特定レイヤーよりも前記操作対象とする表示レイヤーは上層側に位置させ、
(3)前記新たな表示物の表示を前記表示制御処理ステップが終了する際、前記特定レイヤーよりも他の表示レイヤーを上層の位置に復帰させ、
さらに、前記付加プログラムは、前記コンピュータの演算制御部を制御することにより、
前記特定レイヤーが前記透明部分を有し、前記特定レイヤーより下層に第一の表示レイヤーが位置し、前記特定レイヤーより上層に前記操作対象とする第二の表示レイヤーが位置する状態で、前記第二の表示レイヤーよりもさらに上層側となるように前記表示制御処理ステップにより前記特定レイヤーの子レイヤーに新たな表示物を表示しようとする場合に、前記第二の表示レイヤーに表示していた既存表示物の表示内容を表す情報を前記受入側プログラムから取得する情報取得処理ステップと、
前記情報取得処理ステップで取得した前記表示内容を表す情報に基づいて、前記第二の表示レイヤーに表示されている前記既存表示物の外観を模擬した模擬画像を生成する摸擬画像生成処理ステップと、
模擬画像生成処理ステップで生成した前記模擬画像を、前記特定レイヤーにおける相対的な上層である子レイヤーに、前記第二の表示レイヤーの前記既存表示物と同じ表示配置で表示させる模擬画像表示処理ステップと、
を実行させ、
前記表示制御処理ステップは、前記模擬画像を表示している前記子レイヤーよりも、さらに上層側の子レイヤーに前記新たな表示物を表示する
ことを特徴とするプログラムシステム。
【請求項6】
前記受入側プログラムは、ウェブブラウザ・プログラムを利用して動作するHTMLファイルであり、
前記付加プログラムは、ウェブブラウザ・プログラム用のプレーヤーであるプラグイン・プログラムを利用して動作する、インタラクティブ動画ファイルである
ことを特徴とする請求項5記載のプログラムシステム。
【請求項7】
演算制御部と、クライアント装置であるコンピュータと通信ネットワーク経由で通信する通信手段と、データ記憶手段と、を備え、請求項5又は6記載のプログラムシステムの全部又は一部を前記クライアント装置に提供するサーバコンピュータにおいて、
前記データ記憶手段は、処理対象データと、前記受入側プログラム又は付加プログラムの少なくとも一部をなす部品データと、を記憶し、
前記クライアント装置から前記通信ネットワーク経由で受信する画面操作内容の情報に応じて、前記データ記憶手段に記憶されている処理対象データを処理するデータ処理手段と、
前記データ処理手段での前記処理の結果と、前記データ記憶手段に記憶されている前記部品データと、をもとに、前記プログラムシステムの全部又は一部を作成するとともに前記クライアント装置に提供する、情報提供手段と、
を前記演算制御部が実現することを特徴とするサーバコンピュータ。
【請求項8】
演算制御部と、クライアント装置であるコンピュータと通信ネットワーク経由で通信する通信手段と、データ記憶手段と、を備えたサーバコンピュータから、請求項5又は6記載のプログラムシステムの全部又は一部を前記クライアント装置に提供する、情報処理方法において、
前記データ記憶手段は、処理対象データと、前記受入側プログラム又は付加プログラムの少なくとも一部をなす部品データと、を記憶し、
前記クライアント装置から前記通信ネットワーク経由で受信する画面操作内容の情報に応じて、前記データ記憶手段に記憶されている処理対象データを処理するデータ処理ステップと、
前記データ処理手段での前記処理の結果と、前記データ記憶手段に記憶されている前記部品データと、をもとに、前記プログラムシステムの全部又は一部を作成するとともに前記クライアント装置に提供する、情報提供処理ステップと、
を前記演算制御部が実行することを特徴とする情報処理方法。
【請求項1】
コンピュータが、受入側プログラム上で、付加プログラムを実行する情報処理装置において、
前記受入側プログラムは、前記コンピュータの演算制御部を制御することにより、
その受入側プログラムが管理の単位とする一又は二以上の表示レイヤーであって前記付加プログラムの表示内容に対応する特定レイヤーを含むもの、の表示順を制御する表示レイヤー制御手段を実現し、
前記付加プログラムは、前記コンピュータの演算制御部を制御することにより、
前記特定レイヤーに、他の前記表示レイヤーの少なくとも一部を透過するための透明部分を設定する透過設定手段と、
前記特定レイヤーを構成する一又は二以上の子レイヤーについて、その生成、抹消及び表示順の制御を行うとともに、新たな表示物を描画して表示させ並びに表示を終了させる、表示制御手段と、
前記特定レイヤーにおける前記新たな表示物の表示に関し、前記受入側プログラムの前記表示レイヤー制御手段の機能を呼び出すことにより、前記特定レイヤーと他の表示レイヤーの上下位置の順序を制御する、順序制御手段と、
を実現し、
前記順序制御手段は、
(1)前記特定レイヤーに新たな表示物を前記表示制御手段が表示する際、前記特定レイヤーよりも他の表示レイヤーを下層に位置させ、
(2)前記新たな表示物を表示している間、一部の表示レイヤーを操作対象とする場合には、前記特定レイヤーよりも前記操作対象とする表示レイヤーは上層側に位置させ、
(3)前記新たな表示物の表示を前記表示制御手段が終了する際、前記特定レイヤーよりも他の表示レイヤーを上層の位置に復帰させ、
さらに、前記付加プログラムは、前記コンピュータの演算制御部を制御することにより、
前記特定レイヤーが前記透明部分を有し、前記特定レイヤーより下層に第一の表示レイヤーが位置し、前記特定レイヤーより上層に前記操作対象とする第二の表示レイヤーが位置する状態で、前記第二の表示レイヤーよりもさらに上層側となるように前記表示制御手段により前記特定レイヤーの子レイヤーに新たな表示物を表示しようとする場合に、前記第二の表示レイヤーに表示していた既存表示物の表示内容を表す情報を前記受入側プログラムから取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段で取得した前記表示内容を表す情報に基づいて、前記第二の表示レイヤーに表示されている前記既存表示物の外観を模擬した模擬画像を生成する模擬画像生成手段と、
模擬画像生成手段で生成した前記模擬画像を、前記特定レイヤーにおける相対的な上層である子レイヤーに、前記第二の表示レイヤーの前記既存表示物と同じ表示配置で表示させる模擬画像表示手段と、
を実現し、
前記表示制御手段は、前記模擬画像を表示している前記子レイヤーよりも、さらに上層側の子レイヤーに前記新たな表示物を表示する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記受入側プログラムとして、ウェブブラウザ・プログラムと、HTMLファイルと、を用い、
前記付加プログラムとして、インタラクティブ動画ファイルと、前記インタラクティブ動画ファイルを前記ウェブブラウザ・プログラム上で動作させるためのプレーヤーであるプラグイン・プログラムと、を用いる
ことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
コンピュータが、受入側プログラム上で、付加プログラムを実行する情報処理方法において、
前記受入側プログラムは、前記コンピュータの演算制御部を制御することにより、
その受入側プログラムが管理の単位とする一又は二以上の表示レイヤーであって前記付加プログラムの表示内容に対応する特定レイヤーを含むもの、の表示順を制御する表示レイヤー制御処理ステップを実行し、
前記付加プログラムは、前記コンピュータの演算制御部を制御することにより、
前記特定レイヤーに、他の前記表示レイヤーの少なくとも一部を透過するための透明部分を設定する透過設定処理ステップと、
前記特定レイヤーを構成する一又は二以上の子レイヤーについて、その生成、抹消及び表示順の制御を行うとともに、新たな表示物を描画して表示させ並びに表示を終了させる、表示制御処理ステップと、
前記特定レイヤーにおける前記新たな表示物の表示に関し、前記受入側プログラムの前記表示レイヤー制御処理ステップの機能を呼び出すことにより、前記特定レイヤーと他の表示レイヤーの上下位置の順序を制御する、順序制御処理ステップと、
を実現し、
前記順序制御処理ステップは、
(1)前記特定レイヤーに新たな表示物を前記表示制御処理ステップが表示する際、前記特定レイヤーよりも他の表示レイヤーを下層に位置させ、
(2)前記新たな表示物を表示している間、一部の表示レイヤーを操作対象とする場合には、前記特定レイヤーよりも前記操作対象とする表示レイヤーは上層側に位置させ、
(3)前記新たな表示物の表示を前記表示制御処理ステップが終了する際、前記特定レイヤーよりも他の表示レイヤーを上層の位置に復帰させ、
さらに、前記付加プログラムは、前記コンピュータの演算制御部を制御することにより、
前記特定レイヤーが前記透明部分を有し、前記特定レイヤーより下層に第一の表示レイヤーが位置し、前記特定レイヤーより上層に前記操作対象とする第二の表示レイヤーが位置する状態で、前記第二の表示レイヤーよりもさらに上層側となるように前記表示制御処理ステップにより前記特定レイヤーの子レイヤーに新たな表示物を表示しようとする場合に、前記第二の表示レイヤーに表示していた既存表示物の表示内容を表す情報を前記受入側プログラムから取得する情報取得処理ステップと、
前記情報取得処理ステップで取得した前記表示内容を表す情報に基づいて、前記第二の表示レイヤーに表示されている前記既存表示物の外観を模擬した模擬画像を生成する模擬画像生成処理ステップと、
模擬画像生成処理ステップで生成した前記模擬画像を、前記特定レイヤーにおける相対的な上層である子レイヤーに、前記第二の表示レイヤーの前記既存表示物と同じ表示配置で表示させる模擬画像表示処理ステップと、
を実現し、
前記表示制御処理ステップは、前記模擬画像を表示している前記子レイヤーよりも、さらに上層側の子レイヤーに前記新たな表示物を表示する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項4】
前記受入側プログラムは、ウェブブラウザ・プログラム及びHTMLファイルであり、
前記付加プログラムは、インタラクティブ動画ファイルと、前記インタラクティブ動画ファイルを前記ウェブブラウザ・プログラム上で動作させるためのプレーヤーであるプラグイン・プログラムと、である
ことを特徴とする請求項3記載の情報処理方法。
【請求項5】
受入側プログラム及び付加プログラムをセットとして組み合わせたプログラムシステムであって、前記各プログラムが相互に連携してコンピュータの演算制御部を制御することにより、前記受入側プログラムの実行に従属して前記付加プログラムを実行するプログラムシステムにおいて、
前記受入側プログラムは、前記コンピュータの演算制御部を制御することにより、
その受入側プログラムが管理の単位とする一又は二以上の表示レイヤーであって前記付加プログラムの表示内容に対応する特定レイヤーを含むもの、の表示順を制御する表示レイヤー制御処理ステップを実行させ、
前記付加プログラムは、前記コンピュータの演算制御部を制御することにより、
前記特定レイヤーに、他の前記表示レイヤーの少なくとも一部を透過するための透明部分を設定する透過設定処理ステップと、
前記特定レイヤーを構成する一又は二以上の子レイヤーについて、その生成、抹消及び表示順の制御を行うとともに、新たな表示物を描画して表示させ並びに表示を終了させる、表示制御処理ステップと、
前記特定レイヤーにおける前記新たな表示物の表示に関し、前記受入側プログラムの前記表示レイヤー制御処理ステップの機能を呼び出すことにより、前記特定レイヤーと他の表示レイヤーの上下位置の順序を制御する、順序制御処理ステップと、
を実行させ、
前記順序制御処理ステップは、
(1)前記特定レイヤーに新たな表示物を前記表示制御処理ステップが表示する際、前記特定レイヤーよりも他の表示レイヤーを下層に位置させ、
(2)前記新たな表示物を表示している間、一部の表示レイヤーを操作対象とする場合には、前記特定レイヤーよりも前記操作対象とする表示レイヤーは上層側に位置させ、
(3)前記新たな表示物の表示を前記表示制御処理ステップが終了する際、前記特定レイヤーよりも他の表示レイヤーを上層の位置に復帰させ、
さらに、前記付加プログラムは、前記コンピュータの演算制御部を制御することにより、
前記特定レイヤーが前記透明部分を有し、前記特定レイヤーより下層に第一の表示レイヤーが位置し、前記特定レイヤーより上層に前記操作対象とする第二の表示レイヤーが位置する状態で、前記第二の表示レイヤーよりもさらに上層側となるように前記表示制御処理ステップにより前記特定レイヤーの子レイヤーに新たな表示物を表示しようとする場合に、前記第二の表示レイヤーに表示していた既存表示物の表示内容を表す情報を前記受入側プログラムから取得する情報取得処理ステップと、
前記情報取得処理ステップで取得した前記表示内容を表す情報に基づいて、前記第二の表示レイヤーに表示されている前記既存表示物の外観を模擬した模擬画像を生成する摸擬画像生成処理ステップと、
模擬画像生成処理ステップで生成した前記模擬画像を、前記特定レイヤーにおける相対的な上層である子レイヤーに、前記第二の表示レイヤーの前記既存表示物と同じ表示配置で表示させる模擬画像表示処理ステップと、
を実行させ、
前記表示制御処理ステップは、前記模擬画像を表示している前記子レイヤーよりも、さらに上層側の子レイヤーに前記新たな表示物を表示する
ことを特徴とするプログラムシステム。
【請求項6】
前記受入側プログラムは、ウェブブラウザ・プログラムを利用して動作するHTMLファイルであり、
前記付加プログラムは、ウェブブラウザ・プログラム用のプレーヤーであるプラグイン・プログラムを利用して動作する、インタラクティブ動画ファイルである
ことを特徴とする請求項5記載のプログラムシステム。
【請求項7】
演算制御部と、クライアント装置であるコンピュータと通信ネットワーク経由で通信する通信手段と、データ記憶手段と、を備え、請求項5又は6記載のプログラムシステムの全部又は一部を前記クライアント装置に提供するサーバコンピュータにおいて、
前記データ記憶手段は、処理対象データと、前記受入側プログラム又は付加プログラムの少なくとも一部をなす部品データと、を記憶し、
前記クライアント装置から前記通信ネットワーク経由で受信する画面操作内容の情報に応じて、前記データ記憶手段に記憶されている処理対象データを処理するデータ処理手段と、
前記データ処理手段での前記処理の結果と、前記データ記憶手段に記憶されている前記部品データと、をもとに、前記プログラムシステムの全部又は一部を作成するとともに前記クライアント装置に提供する、情報提供手段と、
を前記演算制御部が実現することを特徴とするサーバコンピュータ。
【請求項8】
演算制御部と、クライアント装置であるコンピュータと通信ネットワーク経由で通信する通信手段と、データ記憶手段と、を備えたサーバコンピュータから、請求項5又は6記載のプログラムシステムの全部又は一部を前記クライアント装置に提供する、情報処理方法において、
前記データ記憶手段は、処理対象データと、前記受入側プログラム又は付加プログラムの少なくとも一部をなす部品データと、を記憶し、
前記クライアント装置から前記通信ネットワーク経由で受信する画面操作内容の情報に応じて、前記データ記憶手段に記憶されている処理対象データを処理するデータ処理ステップと、
前記データ処理手段での前記処理の結果と、前記データ記憶手段に記憶されている前記部品データと、をもとに、前記プログラムシステムの全部又は一部を作成するとともに前記クライアント装置に提供する、情報提供処理ステップと、
を前記演算制御部が実行することを特徴とする情報処理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−15520(P2010−15520A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−194108(P2008−194108)
【出願日】平成20年6月30日(2008.6.30)
【出願人】(500257300)ヤフー株式会社 (1,128)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月30日(2008.6.30)
【出願人】(500257300)ヤフー株式会社 (1,128)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]