説明

複数ページのテレテキストの復号器

テレテキスト復号器システムは、テレテキスト・データを記憶するテレテキスト・データ・キャッシュ・メモリ(17)と、テレテキスト・サービスにおける特定のアイテムへの参照を備えるユーザ起動コマンドを受信する入力(11)とを備える。それは、テレテキストのアイテムを参照する情報をリスト内の各エントリが備える少なくとも第1のリストを維持し、少なくとも第1のリストに備えられた情報によって参照されるテレテキスト・データを自律的に獲得し、記憶するよう構成される。テレテキスト復号器システムは、参照によって参照されるテレテキスト・データがテレテキスト・データ・キャッシュ・メモリ(17)にない旨の判定によってのみ、参照に相当する情報を備える第1のリストにエントリを追加するよう構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレテキスト・データを記憶するキャッシュ・メモリと、テレテキスト・サービスにおける特定のアイテムへの参照を備えるユーザ起動コマンドを受信する入力とを備えるテレテキスト復号器システムに関し、このテレテキスト復号器システムは、少なくとも第1のリストを維持するよう構成され、リスト内の各エントリは、テレテキストのアイテムを参照する情報を備え、このテレテキスト復号器システムは、少なくとも第1のリスト内に備えられた情報によって参照されるテレテキスト・データを自律的に獲得し、記憶するよう更に構成される。
【0002】
本発明は、視聴覚装置に更に関する。本発明はコンピュータ・プログラムにも関する。
【背景技術】
【0003】
欧州特許出願公開第0379252号明細書には、複数ページのテレテキストの復号器を備えるテレビ受信機の実施例が開示されている。複数ページのテレテキストの復号器は、選択された数枚のページを自律的に捕捉する獲得回路と、捕捉されたページが記憶されるページ・メモリと、選択された記憶ページを原色信号に変換する表示回路とを備える。複数ページのテレテキストの復号器は、制御回路にコマンド・バスによって接続される。更に、好ましくは不揮発性記憶媒体の一部分を、いくつかのテレテキスト・ページ番号を記憶するのに用いる。ページ番号メモリのレジスタに記憶されたページ番号、並びにページ番号100は、獲得回路へとコマンド・バスを介して転送され、その後、この回路は適切なテレテキスト・ページを自律的に捕捉し、これをページ・メモリに記憶する。ページ100が呼び出されるが、それは、このページが一般に、主索引を備え、テレテキスト・ページ内の表示画面上に表示される対象の第1のページであるはずであるからである。よって、ページ100、及びレジスタに記憶されたページ番号を備えたページは、ユーザがテレテキスト状態を選択した場合、既に見つかっており、記憶されている可能性が非常に高いものである。ページ番号メモリにまだ記憶されていないページ番号の生成に応じて、制御回路が、生成されたページ番号の記憶を控え、既に記憶されている適切なページ番号に最新の優先順位を割り当てるよう構成される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
既知の受信器の問題は、ページ番号100も、ユーザがこのページを特定の時点で明示的に要求した場合にページ番号メモリ内に入力されることになることである。したがって、テレテキスト・ページ番号メモリにおける位置が不必要に占められ、ページが2度キャッシュされる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は、ページ番号、コンテンツやリンクなどの非視聴関連キャッシュ基準とともに用いる場合により効率的に過去の視聴行動に基づいてページ番号リストを維持する手法を上記タイプのテレテキスト復号器システムに備えることである。
【0006】
この目的は、本発明によるテレテキスト復号器システムによって達成され、このシステムは、参照によって参照されるテレテキスト・データがテレテキスト・データ・キャッシュ・メモリにはないことを判定することのみによって参照に相当する情報を備えたエントリを第1のリストに追加するよう構成される。
【0007】
アイテムは、テレテキスト・サービスにおける何れかのタイプの識別可能な完全な要素、例えば、パケット、サブページ、ページやマガジンであり得る。
【0008】
前述の特徴によって、復号器システムは、視聴者の習慣に基づいてキャッシュ・アルゴリズムを実施するよう構成され、この理由で、第1のリストは通常、「習慣リスト」と呼ばれる。参照に相当する情報を有するエントリは、参照によって参照されるテレテキスト・データがテレテキスト・データ・キャッシュ・メモリにないことを判定されることによってのみ追加されるので、復号器システムによって、不必要なエントリの入力が避けられる。習慣リストに、例えば、ユーザによってお気に入りとして明示的にマーキングされること、送信の順序において次に来ること、等に基づいて更なるリストが補足される場合、こうした更なるリストにおいて参照される単位も第1のリスト上で考慮に入れられないことになる。したがって、第1のリストは、「クリーンな」状態に維持され、より効果的に利用される。
【0009】
好ましくは、テレテキスト復号器システムは、参照に相当する情報を備えるエントリが第1のリストに存在しないことを判定することによってのみエントリを追加するよう構成される。
【0010】
したがって、要求アイテムへの参照は第1のリストには1度しか現れないので、他のアイテムを参照する情報を有するエントリにより多くの容量が利用可能なものとして存在する。
【0011】
好ましくは、テレテキスト復号器システムは、テレテキスト・サービスにおける先行して獲得されたアイテムとの所定の関係に基づいて自律的に獲得され、テレテキスト・データ・キャッシュ・メモリに記憶される対象のテレテキスト・データを選択する少なくとも1つのアルゴリズムを実施するよう構成される。
【0012】
このように、テレテキスト復号器システムは、(先行して獲得したアイテムとの関係に基づいた)比較的すばやく変動するキャッシュ・アルゴリズムと、(視聴者の過去の習慣に基づいた)比較的ゆっくり変動するアルゴリズムとを実施するようもくろまれている。これによって、全ての適切な単位がキャッシュされる可能性が増大する。本発明は、既にキャッシュされたものでない限り、ユーザによって明示的に要求されるデータは常に、第1のリスト上のエントリをもたらす。これは、習慣ベースのアルゴリズム及び関係ベースのアルゴリズムを結合した実施について既知の手法に対する改良である。こうしたものは、多くの場合、適切な単位がキャッシュされないことをもたらすが、それは、(例えば、要求されたアイテムが除外されるので)要求されたアイテムが関係ベースのアルゴリズムによって「捕捉」されなくても、要求が、第1のリストへのエントリの要件を満たさないからである。他の既知の手法によって、要求されたアイテムが、先行して獲得されたアイテムとのその関係に基づいたその選択によって既にキャッシュされていても、エントリが第1のリストに追加されることになる。
【0013】
好ましくは、テレテキスト復号器システムは、ディスプレイ(13、14)のビデオ形式にテレテキスト・データを復号化するテレテキスト表示部(15、16)を備え、テレテキスト復号器システムは、参照によって参照されるテレテキスト・データが完全に獲得されており、復号化されているとの判定によってのみエントリを追加するよう構成される。
【0014】
したがって、誤って入力された要求は、誤って要求されたデータ単位が完全に獲得され、復号化される前にユーザが直ちに別の要求を入力する場合、有効な要求として取り扱われない。このことは、参照番号、例えば、テレテキスト・ページ番号の桁に相当するリモコン・ボタンを連続して押すことによって単位が要求される場合に特に有用である。
【0015】
好ましくは、テレテキスト復号器システムは、第1のリスト内のエントリを優先度の順にランク付けし、優先度の降順に第1のリスト内に備えられた情報によって参照されるテレテキスト・データを自律的に獲得し、記憶する。
【0016】
したがって、非常に適切な先行要求アイテムと、ユーザに対する適切性を失ったアイテムとを区別することが可能である。非常に適切なものは、できる限り多くキャッシュされる。
【0017】
好ましくは、テレテキスト復号器システムは、参照に相当する情報を有するエントリが第1のリスト内に既に存在する旨の判定によって、最高優先度レベルを、第1のリスト内に既に存在するエントリに割り当てるよう構成される。
【0018】
したがって、最も直近で要求されたアイテムも、最も適切であるとみなされる。
【0019】
好ましくは、テレテキスト復号器システムは、ユーザが特定のテレテキスト・データ単位に対する要求を別々の複数のやり方で与えることを可能にするよう構成されるユーザ制御装置を備え、テレテキスト復号器システムは、要求が与えられるやり方にかかわらず、要求されたアイテムに相当するテレテキスト・データがテレテキスト・データ・キャッシュ・メモリにはない旨の判定のみによって、要求されたアイテムを参照する情報を備える第1のリストにエントリを追加するよう構成される。
【0020】
ユーザ制御装置はユーザが別々の複数のやり方で特定のテレテキスト・データ単位に対する要求を与えることを可能にするよう構成されるので、テレテキスト・ページのリンク、及びお気に入りボタン、並びに、要求を入力する数字キーボードを利用することが可能である。本発明は、リンク・リスト又はキャッチ・リストを第1のリストに加えて用いる場合にも、要求が入力される方法間で区別しない。
【0021】
本発明の別の局面によれば、本発明によるテレテキスト復号器システムを備える視聴覚装置、例えばテレビ受信機を提供する。
【0022】
本発明の別の特徴によれば、プロセッサ、メモリ、ユーザ・コマンドを受信する入力、テレテキスト・データを記憶するメモリ及びテレテキスト・データを獲得する手段を備えるプログラム可能処理装置上で実行すると、プログラム可能処理装置が、本発明によるテレテキスト復号器システムとして機能することを可能するよう構成されるコンピュータ・プログラムを提供する。
【0023】
プログラム可能処理装置は、コントローラ、及び命令を記憶するメモリを備えたテレビ受信機、ビデオ・レコーダ又はセットトップ・ボックスであり得る。あるいは、それは、差し込み式カード上のテレテキスト復号器チップによって、又は、テレテキスト復号器を備えた周辺テレビ受信機装置によって、インターネットを介してテレテキストをアクセスするよう構成された汎用コンピュータであり得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明を次に、添付図面を参照して更に詳細に説明する。
【実施例】
【0025】
図1に略示するテレビ・システムでは、無線周波数信号がテレビ受信機の入力1で受信される。受信信号がRF増幅器2を通って同調回路3に供給される。同調回路3は、テレビ・チャンネルに関連した特定の搬送波周波数に合わせられる。同調回路3の出力信号は、復調回路4に供給される。復調回路は、ビデオ成分、オーディオ成分及びテレテキスト成分を搬送波信号から分離する。色復号器5はビデオ成分を取り出し、処理する。テレテキスト・データ獲得回路6は、テレテキスト・ページ・データを取り出す。
【0026】
テレビ・システムは、マイクロコントローラ7によって制御され、マイクロコントローラ7は、既知のタイプのリード・オンリー・メモリ8に記憶された命令を実行する。マイクロコントローラは、テレビ・システムの電源をオフにする際に消去してはならないデータを記憶する不揮発性メモリ9へのアクセスを更に有する。コマンド及びデータは、バス10、例えば、ICバスを介して、マイクロコントローラ7と、その制御下で動作する種々の構成部分との間で転送される。
【0027】
テレビ・システムのユーザは、リモコン(図示せず)を介してコマンドを入力し、リモコンはデータをリモコン・インタフェース回路11と交換する。コマンドはマイクロコントローラ7にバス10を介して転送される。視聴者が入力し得るコマンドの1つに、チャネルを切り換えるためのコマンドがある。このコマンドによって、マイクロコントローラ7からチューナ3への、別の周波数に合わせるようチューナに指示するコマンドがもたらされる。
【0028】
テレテキストが視聴されていない際には、色復号器5の出力は多重化装置12に転送され、多重化装置12は、変えない状態でそれを、ビデオ・ディスプレイ装置14を駆動させるビデオ増幅器13に転送する。このビデオ・ディスプレイ装置14は、例えば、陰極線管又はプラズマ・ディスプレイであり得る。視聴者がテレテキスト・ページを視聴することにする際には、適切な信号をディスプレイ部15によって生成して、テレテキスト・メモリ16にロードされたテレテキスト・ページ・データを復号化し、表示する。ディスプレイ部によって生成される出力を、多重化装置12によって用いて、色復号器5によって供給されるビデオ信号の一部(字幕の場合)又は全部を置き換える。
【0029】
テレテキスト・ページ・データは流れ作業で送信され、これは、第1のページを符号化したテレテキスト・ページ・データの受信と、別のページを符号化したものの受信との間で特定量の時間が経過することを意味する。特定のページを選択する視聴者起動コマンドに対するより高速な応答を備えることができるために、テレビ・システムは、テレテキスト・データ・キャッシュ17を備える。特定のページに対する要求がリモコン・インタフェース回路11を介して受信される場合、テレテキスト・データ・キャッシュ17が、ページを求めてサーチされる。ページは、見つかった場合、テレテキスト・メモリ16に転送される。そうでない場合、要求されたページを符号化したテレテキスト・ページ・データは、同調回路3及び復調回路4によって供給されるとすぐにテレテキスト・データ獲得回路6から供給されなければならないことになる。
【0030】
マイクロコントローラ7によって実行するようROM8に記憶された命令によって、テレビ受信機内のテレテキスト復号器システムが、本明細書では習慣リストとして表す少なくとも第1のリストを維持するよう構成される。習慣リストは、エントリを備え、エントリのそれぞれはテレテキスト・サービスにおけるアイテムを表す情報を備える。本明細書で例証する例では、各エントリは、ページを、例えば、その番号によって表す情報を備えているとみなすものとする。なお、エントリが、テレテキスト・サービスにおける他のタイプのエンティティ、例えば、マガジン、サブページ又は個々のパケットを表す情報を有する実施例が考えられる。チャンネル番号がページ番号とともに記憶される実施例も想定される。その場合には、各エントリは、それぞれが放送チャンネルに関連した複数の受信可能テレテキスト・サービスのうちのテレテキスト・サービスにおけるアイテムを表す。
【0031】
テレビ受信機は、少なくとも習慣リストに備えられた情報によって参照されるテレテキスト・データを自律的に獲得し、記憶するよう構成される。ユーザがテレテキスト・サービスを実際にアクセスしているか否かにかかわらず、テレテキスト・データ獲得回路6はバックグラウンドで動作して、少なくとも習慣リスト内のエントリによって参照されるページを獲得する。獲得されたページに相当するデータはテレテキスト・データ・キャッシュ17に記憶される。エントリは、テレテキスト・サービスをアクセスしている間にユーザが特定のページに対する要求を送信すると習慣リストに追加することができる。習慣リストが維持される厳密なやり方は、以下に詳細に説明する。しかし、習慣リスト内のエントリは、ユーザによって送信される、ページ視聴に対する要求に基づいているので、習慣リストはユーザの視聴習慣、よってその名前を反映する。
【0032】
習慣リストに加えて、ROM8は好ましくは、テレテキスト・データを選択する別の少なくとも1つのアルゴリズムをマイクロコントローラ7が実施することを可能にする命令も備える。このアルゴリズムによって、習慣リストに加えて、別の少なくとも1つのリストをマイクロコントローラが設定し、維持することが可能になる。ユーザの視聴習慣に基づくかわりに、1つ又は複数の更なるリストは好ましくは、テレテキスト・サービスにおける先行獲得アイテム、例えば、最も直近で視聴されたページに対する所定の関係に基づくものである。したがって、習慣リスト及び更なるリストは、一方が視聴者の長期的な習慣を反映する一方、他方はテレテキスト・サービスにおけるページ間の短期的なリンクを反映するという点で補完的である。1つ又は複数の更なるリストを編集し、維持するための別々のいくつかのアルゴリズムを、非限定的な例として以下に記載する。こうしたものの1つ又は複数を好ましくは、習慣リストとともに用いる。
【0033】
更なるリストの第1の例は、いわゆるキャッチ・リストである。キャッチ・リストによって参照される対象のページを選択するアルゴリズムは、ページ上に記載されたページ番号を求めて、表示ページ(例えば、相当するデータがテレテキスト・メモリ16に保持されたページ)をサーチする工程を有する。したがって、ページが選択されるか否かを判定する関係は、先行獲得ペ―ジ、現行表示ページ、又は先行表示ページに備えられた、選択されたページを参照する情報に基づくものである。このアルゴリズムは、索引ページが表示されている際に特に有用である。当然、キャッチ・リストは、利用可能な最大容量に応じて、先行して表示された1つ又は複数のページ上に記載されたページを参照する情報を備えるエントリも備えることができる。
【0034】
更なるリストの第2の例は、いわゆる順序リストである。このリストは、現行表示ページ(及び/若しくは先行して表示された1つ若しくは複数のページ(リストの容量がこれを可能にする場合))に先行並びに/又は後続する番号を備えたページを参照する情報を備えるエントリを有する。このアルゴリズムは、リモコン・インタフェース回路11とともに用いるリモコンが、順方向又は逆方向に1ページ進める専用の「+」及び/又は「−」のキ―を備える場合に特に有用である。したがって、選択されたページと、先行して獲得され、現在表示されているページとの間の関係は、それが構成されているテレテキスト・サービスにおけるページの順序に基づいている。
【0035】
更なるリストの第3の例は、いわゆるリンク・リストである。このリストによって参照される対象のページ番号を選択するアルゴリズムは、現行表示ページ上に備えられたエディトリアル・リンクからこのリストを導き出す。ページ番号はよって、先行して獲得され、現在表示されているページに相当するテレテキスト・データに備えられた、リンクを設定する情報に基づいて選択される。このアルゴリズムは、エディトリアル・リンクが行われており、現在表示されているページ上に適切な色で強調表示されたページを選択するための、色付きのキ―をリモコンが備える場合に特に有用である。
【0036】
前述のように、ページを「お気に入り」としてマーキングする明示的なユーザ・コマンドによって編集されたリストなどの他のタイプのリストを用いることができる。習慣リストを編集し、維持するアルゴリズムに加えて上記アルゴリズムを用いても、実際のリストに相当するデータが不揮発性メモリ内に物理的に記憶されることを必ずしももたらさないものである。上記アルゴリズムは、テレテキスト・データ獲得回路に、実際のページ番号がまず、不揮発性メモリ9にリストとして記憶されることなく、特定のページを獲得することを指示するのにも用いることができる。
【0037】
習慣リストを編集し、維持するのに用いるアルゴリズムの例は、図2を参照して説明する。これは、キャッシュする対象のテレテキスト・データを選択するのに用いる他のアルゴリズムの欠陥を隠すという利点を有する。特に、この利点の1つとして、これによって、両方のアルゴリズムを合わせることによってページを「とらえる」こと又は「とらえそこねること」が避けられることがある。
【0038】
上記アルゴリズムは、テレビ受信機のユーザがテレテキスト・サービスにおけるページを実際にアクセスしていることを仮定している。したがって、要求ページに相当するデータは、存在しているか、ディスプレイ部15によってビデオ・ディスプレイ装置14のビデオ形式に復号化されるよう、テレテキスト・メモリ16にロードされる。
【0039】
アルゴリズムは、第1の工程18で、特定のページに対するユーザ要求を受信することによって始まる。なお、テレビ受信機は効果的には、ページ要求を別々のいくつかのやり方で送信することを可能にし得る。このことには、所望のページの3桁の番号を入力すること、リモコン装置上の色付きボタンを用いて、現行表示ページにリンクされたページを要求すること、及び、「+」ボタン又は「−」ボタンを用いて、現行表示ページの直後又は直前のページを要求することによってページを選択することがある。要求が与えられるやり方にかかわらず、かつ、バス10を介してマイクロコントローラ7に与えられる特定のコマンドにかかわらず、各要求は同様に取り扱われ、場合によっては、習慣リストの修正をもたらす。よって、「+」ボタン若しくは「−」ボタン、及び順序リスト、又はお気に入りボタン及びお気に入りリストを用いてページが要求されても、エントリを習慣リスト内になお作成することができる。よって、要求されたページをとらえそこねることが確実にないようにされる。以下に更に説明するように、別のアルゴリズムによって既にキャッシュされたページ・データを参照するページ番号は習慣リストに追加されないので、不要な追加が避けられる。
【0040】
したがって、特定のページに対する要求の受信に続く工程19では、マイクロコントローラ7は、要求されたページに相当するデータがテレテキスト・データ・キャッシュ17にないか否かを判定する。この判定は、テレテキスト・データ・キャッシュ17のコンテンツを実際に解析することによって、又は、例えば、テレテキスト・データ・キャッシュ17の現在のコンテンツのレジスタを照会することによって行うことができる。
【0041】
要求されたページに相当するデータがテレテキスト・データ・キャッシュ17にないと判定された場合、4つの工程20乃至23が行われる。第1の工程20では、マイクロコントローラは、要求されたページに相当するデータの獲得をテレテキスト・データ獲得回路に指示する。後に(工程21で)、ディスプレイ部15は獲得されたデータを復号化し、それは、ビデオ・ディスプレイ装置14に適切な形式でテレテキスト・メモリ16にロードされる。要求されたページに相当するテレテキスト・データが完全に獲得されており、復号化されている旨の判定によってのみ、マイクロコントローラは、要求されたページを参照する情報を備えたエントリを習慣リストに追加する(工程22)。したがって、誤ってユーザによって入力されたページ番号は、真の要求を表さないので、エントリの習慣リストへの追加をもたらさない。数回連続して「+」ボタンをすばやく押すことによってページが要求される場合に同じことがあてはまる。この機能はよって、習慣リスト内で利用可能なものとして存在する容量の効果的な利用に役立つ。
【0042】
好ましくは、習慣リスト内のエントリは、優先度の順にランク付けされる。テレテキスト・データ獲得回路6は通常、又、優先度の降順で習慣リスト内で参照されるテレテキスト・ページを獲得し、キャッシュし、それによって、最も重要なページが、最もキャッシュされる可能性が高いことを確実にする。習慣リストがユーザの習慣によって確実に漸進的に変化するために、工程22で追加されたエントリは、後の工程23で、習慣リストの最上部に移動させられる、すなわち、習慣リストへの追加によって最高優先度レベルが割り当てられる。よって、最も直近で要求されたページも、データがテレテキスト・データ・キャッシュ17に存在する可能性が最も高いもののうちの1つであり、最初に更新される対象である。
【0043】
工程19で、工程18で要求されたページに相当するテレテキスト・データがテレテキスト・データ・キャッシュ17に存在すると判定された場合、エントリは何ら習慣リストに追加されない。これによって、不要なエントリがない状態に習慣リストが維持される。要求されたページに相当するデータが既に存在する場合、これは、更なる選択アルゴリズムのうちの1つによってページが既に選択されていること、又は、習慣リストが、そのページを参照する情報を備えたエントリを既に備えていることを意味する。何れの場合にも、習慣リストにおける新たなエントリは何ら要求されない。
【0044】
その代わり、要求されたページに相当するデータは、テレテキスト・データ・キャッシュ17から取り出され、テレテキスト・メモリ16にロードされ、ディスプレイ部15によって、工程24でのビデオ表示装置14による表示用にフォーマッティングされる。
【0045】
前述のように、習慣リストは、要求されたページを参照するエントリを既に備え得る。その場合、習慣リスト内に既に存在するエントリには、後の工程25で、最高レベルの優先度が割り当てられる。したがって、要求されたページがテレテキスト・データ・キャッシュ17になくても、習慣リストは、変化するユーザ習慣を反映するようなお漸進的に変化する。
【0046】
なお、図2の例の好ましい変形では、習慣リストは、習慣リストへの新たなエントリの工程22での追加の前にも検査される。相当するデータがテレテキスト・データ・キャッシュ17にないと工程19で判定されたページに対する情報を備えるエントリを備える場合、新たなエントリは何ら追加されないが、既存エントリには、最高レベルの優先度が割り当てられる。したがって、この変形では、エントリは、要求されたアイテムを参照する情報を備えたエントリが、習慣リスト内に何ら存在しない旨の判定によってのみ追加される。
【0047】
なお、上記実施例は本発明を限定するよりも例示するものであり、特許請求の範囲記載の範囲から逸脱することなく別の多くの実施例を当業者が企図することができるであろう、特許請求の範囲では、括弧間にある参照符号は、本特許請求の範囲を限定するものとして解釈されないものとする。「comprising」の語は、請求項に列挙したもの以外の構成要素又は工程の存在を排除するものでない。構成要素に先行する語「a」又は「an」は、そうした構成要素が複数存在することを排除するものでない。本発明は、別個のいくつかの構成要素を備えるハードウェアによって、かつ、適切にプログラムされるコンピュータによって実施することが可能である。いくつかの手段を列挙した装置クレームでは、これらの手段のいくつかを、同一のハードウェア・アイテムによって実施することが可能である。単に特定の方策が互いに別々の従属請求項に列挙されていることは、こうした方策の組み合わせを利用することができないことを示すものでない。
【0048】
したがって、例えば、本発明による方法は、テレビ・チューナ及びテレテキスト・データ獲得回路に動作可能に接続された、コンピュータ、例えばパソコンによっても行うことができる。テレテキスト・データ獲得回路は、コンピュータ内にインストールされたチューナ・カード上に、又は、例えばUSBリンクによってコンピュータに接続された外部チューナ内に設置することが可能である。この設定では、本明細書で上記に更に詳細に説明した実施例において達成される利点と同じ利点を達成するために、上記方法を用いて、チューナ又はパソコンのメモリ回路内のテレテキスト・ページ・データのキャッシュを管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明を実施するよう装備されたテレビ受信機の内部レイアウトを略示する図である。
【図2】本発明によるテレテキスト復号器システムによって行われる種々の動作を示す流れ図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テレテキスト復号器システムであって、
テレテキスト・データを記憶するテレテキスト・データ・キャッシュ・メモリと、
テレテキスト・サービスにおける特定のアイテムへの参照を備えるユーザ起動コマンドを受信する入力とを備え、
少なくとも第1のリストを維持するよう構成され、
前記リスト内の各エントリは、テレテキスト・アイテムを参照する情報を備え、
更に、少なくとも前記第1のリスト内に備えられた前記情報によって参照されるテレテキスト・データを自律的に獲得し、記憶するよう構成され、
前記参照によって参照されるテレテキスト・データが前記テレテキスト・データ・キャッシュ・メモリにない旨の判定によってのみ前記参照に相当する情報を備える前記第1のリストにエントリを追加するよう構成されることを特徴とするテレテキスト復号器システム。
【請求項2】
請求項1記載のテレテキスト復号器システムであって、前記エントリを、前記参照に相当する情報を備えるエントリが前記第1のリストに存在しないことを判定することによってのみ追加するよう構成されることを特徴とするテレテキスト復号器システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のテレテキスト復号器システムであって、前記テレテキスト・サービスにおける先行して獲得されたアイテムとの所定の関係に基づいて自律的に獲得され、前記テレテキスト・データ・キャッシュ・メモリに記憶される対象のテレテキスト・データを選択する少なくとも1つのアルゴリズムを実施するよう構成されることを特徴とするテレテキスト復号器システム。
【請求項4】
請求項3記載のテレテキスト復号器システムであって、前記先行して獲得されたアイテムに相当する前記テレテキスト・データに備えられた、前記テレテキスト・データを参照する情報に基づいて前記テレテキスト・データを選択するよう構成されることを特徴とするテレテキスト復号器システム。
【請求項5】
請求項1乃至4のうちの何れか1項に記載のテレテキスト復号器システムであって、
ディスプレイのビデオ形式にテレテキスト・データを復号化するテレテキスト表示部を備え、前記参照によって参照される前記テレテキスト・データが完全に獲得されており、復号化されているとの判定によってのみ前記エントリを追加するよう構成されることを特徴とするテレテキスト復号器システム。
【請求項6】
請求項1乃至5のうちの何れか1項に記載のテレテキスト復号器システムであって、前記第1のリスト内の前記エントリを優先度の順にランク付けし、優先度の降順に前記第1のリスト内に備えられた前記情報によって参照されるテレテキスト・データを自律的に獲得し、記憶することを特徴とするテレテキスト復号器システム。
【請求項7】
請求項6記載のテレテキスト復号器システムであって、前記エントリに最高の優先度レベルを、前記エントリを前記リストに追加し次第割り当てるよう構成されることを特徴とするテレテキスト復号器システム。
【請求項8】
請求項6又は7記載のテレテキスト復号器システムであって、前記参照に相当する情報を有するエントリが前記第1のリスト内に既に存在する旨の判定によって、最高優先度レベルを、前記第1のリスト内に既に存在する前記エントリに割り当てるよう構成されることを特徴とするテレテキスト復号器システム。
【請求項9】
請求項1乃至8のうちの何れか1項に記載のテレテキスト復号器システムであって、
ユーザが特定のテレテキスト・データ単位に対する要求を別々の複数のやり方で与えることを可能にするよう構成されるユーザ制御装置を備え、
前記要求が与えられるやり方にかかわらず、要求されたアイテムに相当するテレテキスト・データが前記テレテキスト・データ・キャッシュ・メモリにはない旨の判定のみによって、前記要求されたアイテムを参照する情報を備える前記第1のリストにエントリを追加するよう構成されることを特徴とするテレテキスト復号器システム。
【請求項10】
テレビ受信機などの視聴覚装置であって、請求項1乃至9のうちの何れか1項に記載のテレテキスト復号器システムを備えることを特徴とする視聴覚装置。
【請求項11】
コンピュータ・プログラムであって、プロセッサ、メモリ、ユーザ・コマンドを受信する入力、テレテキスト・データを記憶するメモリ、及びテレテキスト・データを獲得する手段を備えるプログラム可能処理装置上で実行すると、該プログラム可能処理装置が、請求項1乃至9のうちの何れか1項に記載のテレテキスト復号器システムとして機能することを可能するよう構成されることを特徴とするコンピュータ・プログラム。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−520953(P2007−520953A)
【公表日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−550441(P2006−550441)
【出願日】平成17年1月24日(2005.1.24)
【国際出願番号】PCT/IB2005/050271
【国際公開番号】WO2005/074276
【国際公開日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】